(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】ポリマー及び窒化ホウ素の複合材料を含む可撓性電子デバイスのロールツーロール加工に使用可能なフィルム
(51)【国際特許分類】
C08J 5/18 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
C08J5/18 CEW
(21)【出願番号】P 2021564937
(86)(22)【出願日】2020-04-30
(86)【国際出願番号】 IB2020054115
(87)【国際公開番号】W WO2020225678
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-11-10
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ルイシンガー,バーンド
(72)【発明者】
【氏名】カイザー,アーミン
(72)【発明者】
【氏名】ムグリ,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ダダラス,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェネンダール,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ジムマーマン-ピターク,ジョアンナ
【審査官】大村 博一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-270739(JP,A)
【文献】特開2012-214562(JP,A)
【文献】特開2002-114575(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108568926(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/00-5/02;5/12-5/22
B29C 43/00-43/58
B29C 69/00-69/02
B29D 1/00- 7/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性電子デバイスのロールツーロール加工に使用可能なフィルムであって、
前記フィルムが、ポリマー及び六方晶窒化ホウ素粒子を含む複合材料を含み、
前記六方晶窒化ホウ素粒子が、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子を含み、
前記小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子が、好適な配向を有し、
前記好適な配向が、前記フィルムの平面の方向に対して垂直であり、
前記フィルムのテクスチャーインデックスが、最大で0.8であり、
前記テクスチャーインデックスが、前記フィルムの前記平面に垂直な方向で測定される
ものであり、
前記フィルムのテクスチャーインデックスが、X線回折法によって決定されるものであり、
前記六方晶窒化ホウ素粒子の平均粒子サイズ(d
50
)が少なくとも5μmであり、
前記平均粒子サイズ(d
50
)は、レーザー回折によって測定されるものであり、
前記フィルムが、
小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子を含む六方晶窒化ホウ素粒子及びポリマーを提供することと、
前記六方晶窒化ホウ素粒子と前記ポリマーとを混合して、粉末混合物を得ることと、
前記粉末混合物を円筒形状に形成することにより、中心軸を有する成形円筒体を得ることであって、前記小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子が、前記成形円筒体の前記中心軸に垂直な好適な配向を有する、成形円筒体を得ることと、
前記成形円筒体を焼結することにより、中心軸を有する焼結体を得ることであって、前記小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子が、前記焼結体の前記中心軸に垂直な好適な配向を有する、焼結体を得ることと、
前記焼結体をその中心軸を軸として回転させ、前記焼結体からフィルムを径方向にスカイビングすることと、
を含むプロセスによって得られるものである、フィルム。
【請求項2】
前記ポリマーが、フルオロポリマー、又はポリイミド、又はポリエステル、又は超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)である、請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
前記小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子のアスペクト比が少なくとも5であ
り、前記アスペクト比が、走査電子顕微鏡(SEM)により測定されるものである、請求項1
又は2に記載のフィルム。
【請求項4】
前記複合材料が、前記複合材料の総量に基づいて、10体積%~60体積%の六方晶窒化ホウ素粒子を含む、請求項1
又は2に記載のフィルム。
【請求項5】
前記フィルムの面貫通熱伝導率が、少なくとも0.7W/m
*Kであり、
前記フィルムの面内熱伝導率が、少なくとも0.4W/m
*Kであり、
前記面貫通熱伝導率及び前記面内熱伝導率が、そこから前記フィルムがスカイビングされる焼結体から切り出された試料について測定されるものであり、
前記面貫通熱伝導率及び前記面内熱伝導率が、レーザーフラッシュ法により測定されるものである、請求項1
又は2に記載のフィルム。
【請求項6】
請求項1に記載のフィルムを製造するプロセスであって、前記プロセスが、
小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子を含む六方晶窒化ホウ素粒子及びポリマーを提供することと、
前記六方晶窒化ホウ素粒子と前記ポリマーとを混合して、粉末混合物を得ることと、
前記粉末混合物を円筒形状に形成することにより、中心軸を有する成形円筒体を得ることであって、前記小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子が、前記成形円筒体の前記中心軸に垂直な好適な配向を有する、成形円筒体を得ることと、
前記成形円筒体を焼結することにより、中心軸を有する焼結体を得ることであって、前記小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子が、前記焼結体の前記中心軸に垂直な好適な配向を有する、焼結体を得ることと、
前記焼結体をその中心軸
を軸として回転させ、前記焼結体からフィルムを径方向にスカイビングすることと、を含む、プロセス。
【請求項7】
前記六方晶窒化ホウ素粒子が、最大で20m
2/gの比表面積(BET)を有する、請求項
6に記載のプロセス。
【請求項8】
可撓性電子デバイスを製造するための、請求項1
又は2に記載のフィルムの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリマーと六方晶窒化ホウ素粒子との複合材料を含む、可撓性電子デバイスのロールツーロール加工に使用可能なフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー系フィルムは、電気絶縁の理由から、例えば、プリント回路基板などの可撓性電子デバイスのために、多くの用途で使用されている。
【0003】
可撓性電子デバイスは、可撓性プラスチック箔のロール上に可撓性電子デバイスを作製する製造技術であるロールツーロール加工によって製造することができる。この製造技術により、ポリマー系フィルムは、2つの移動する材料のロールの間で移送される。ロールツーロール加工は、可撓性電子デバイスのハイスループット製造において、ますます重要な役割を果たす。本明細書で使用するとき、可撓性電子デバイスのロールツーロール加工に使用可能なフィルムは、ロールツーロールフィルムと呼ばれることもある。
【0004】
ポリマーフィルムの主な欠点は、それらの低い熱伝導率であり、電子デバイスの望ましくない高温レベルにつながり、したがってその効率係数及び寿命を低下させる。
【0005】
これらのフィルムの熱伝導率を高めるために、六方晶窒化ホウ素などの熱伝導性充填剤を使用することができる。六方晶窒化ホウ素は、小板形状の粒子形態及び高異方性熱伝導性特性を有する電気絶縁性及び高熱伝導性の充填剤である。
【0006】
六方晶窒化ホウ素などの熱伝導性無機粒子で充填されたフルオロポリマーのロールツーロールフィルムを製造する場合、ポリマー微粉末は、脂肪族炭化水素などの潤滑剤の助けを借りて、充填剤と乾燥ブレンドすることができる。国際公開第2015029385号は、水性分散液中でポリマー微粒子及び充填剤を共凝集させ、凝集体を液体から分離し、凝集体を乾燥させることによるブレンドの別の方法を開示している。ブレンド後、ドライブレンド混合物又は混合凝集体を異形材に押し出して、カレンダーを用いてフィルムに加工し、フィルムを乾燥させ、延伸させ、焼結する。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリエチレンテレフタレート(PET)ロールツーロールフィルムを製造するとき、ポリマー粒状物は、フィルム押出によって加工される。溶融ポリマーをスロット又はダイに押し通し、続いてブロー押出又はキャスト押出する。キャスト押出のために、ポリマーは、吹込フィルム用に研磨されたチルロール上に押し出され、ポリマーは円筒型ダイに押し出され、膨張して気泡内に形成され、次いで冷却され、崩壊される。加えて、延伸工程を加えることができる。ポリイミドロールツーロールフィルムを製造する場合、重合プロセスの中間生成物を平坦な表面上にキャスティングし、高温で重縮合により重合する。ロールツーロールフィルムの記載された製造プロセスにより、窒化ホウ素小板は、フィルムの平面に平行に配向され、結果として、高い面内熱伝導率及び低面貫通熱伝導率をもたらす。
【0007】
米国特許出願公開第2010/0200801(A1)号は、ポリマーと、5重量%~90重量%の小板構造を有する窒化ホウ素充填剤とを含むベースマトリックスを含む熱界面材料を開示しており、窒化ホウ素粒子の小板構造は、少なくとも1W/m*Kのバルク熱伝導率を有するように、熱界面材料に対して実質的に整列されている。熱界面材料は、シートに押し出される。第2の工程として、シートは、積層方向に垂直な方向に積層、プレス、硬化及びスライスされてもよく、又はシートは、ロールに圧縮圧延されて、圧延方向に垂直な方向に複数の円形パッドに硬化及びスライスされてもよい。米国特許出願公開第2010/0200801(A1)号に開示されている方法は、可撓性電子デバイスのロールツーロール加工に使用可能なフィルムであるロールツーロールフィルムを製造することを可能にしない。
【0008】
米国特許出願公開第2011/0223427(A1)号は、(i)ポリテトラフルオロエチレン含有フッ素樹脂、熱伝導性無機粒子及び形成助剤から本質的になる複数のシート材料を調製する工程と、(ii)複数のシート材料を互いに積層し、積層シート材料を一緒に圧延する工程と、(iii)形成助剤を除去する工程と、を含む、熱伝導性シートを製造する方法を開示している。シートの面内熱伝導率は、面貫通熱伝導率よりも高い。更に、米国特許出願公開第2011/0223427(A1)号に開示されている方法は、可撓性電子デバイスのロールツーロール加工に使用可能なフィルムであるロールツーロールフィルムを製造することを可能にしない。
【0009】
米国特許出願公開第2011/0192588(A1)号は、シートの厚さ方向に沿って配向された窒化ホウ素小板を含む熱伝導性シートを開示している。熱伝導性シートは、窒化ホウ素小板がシートの主表面に実質的に平行に配向される一次シートを形成することによって製造される。一次シートは、互いにラミネートされて、多層構造を有する形成体を形成し、形成体が、形成体の主表面から延びる任意の法線に対して0度~30度の角度でスライスされる。米国特許出願公開第2011/0192588(A1)号に開示されている方法は、可撓性電子デバイスのロールツーロール加工に使用可能なフィルムであるロールツーロールフィルムを製造することを可能にしない。
【0010】
したがって、可撓性電子デバイスのロールツーロール加工に使用可能であり、かつ高い面貫通熱伝導率を有するフィルムが依然として必要とされている。
【0011】
本明細書で使用される「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、及び「1つ以上の」は、互換的に使用される。用語「含む」はまた、用語「本質的に~からなる」及び「~からなる」を含むものとする。
【発明の概要】
【0012】
第1の態様では、本開示は、可撓性電子デバイスのロールツーロール加工に使用可能なフィルムであって、フィルムが、ポリマー及び六方晶窒化ホウ素粒子を含む複合材料を含み、六方晶窒化ホウ素粒子が、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子を含み、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子が、フィルムの平面の方向に対して垂直な好適な配向を有する、フィルムに関する。
【0013】
別の態様では、本開示はまた、本明細書に開示されるフィルムを製造するプロセスであって、
小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子を含む六方晶窒化ホウ素粒子及びポリマーを提供することと、
六方晶窒化ホウ素粒子とポリマーとを混合して、粉末混合物を得ることと、
粉末混合物を円筒形状に形成することにより、中心軸を有する成形円筒体を得ることであって、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子が、成形円筒体の中心軸に垂直な好適な配向を有する、成形円筒体を得ることと、
成形円筒体を焼結することにより、中心軸を有する焼結体を得ることであって、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子が、焼結体の中心軸に垂直な好適な配向を有する、焼結体を得ることと、
焼結体をその中心軸の周りに回転させ、焼結体からフィルムを径方向にスカイビングすることと、を含む、プロセスに関する。
【0014】
なお更なる態様では、本開示は、可撓性電子デバイスを製造するための、本明細書に開示されるフィルムの使用に関する。
【0015】
本明細書に開示されるフィルムは、高度に配向された窒化ホウ素小板形状粒子を含み、その結果、高異方性特性、特に高異方性熱伝導性特性を有する。
【0016】
本明細書に開示されるフィルムは、フィルムの平面に対して垂直に配向され、高い面貫通熱伝導率を有する窒化ホウ素小板形状粒子を含む。
【0017】
本明細書に開示される窒化ホウ素充填ポリマーフィルムは、高面貫通熱伝導率により、より高速かつより効率的に熱を取り除くことを可能にする。窒化ホウ素で充填された他のポリマーフィルムと比較して、本明細書に開示されるフィルムは、面内熱伝導率よりも高い面貫通熱伝導率を有する。
【0018】
本明細書に開示されるフィルムは、可撓性電子デバイスのロールツーロール加工に使用することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)がポリマーとして使用される場合、フィルムは、PTFEの優れた熱安定性により、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのほとんど従来のフィルムを使用することができない用途で使用することができる。
【0020】
更に、本明細書に開示されるフィルムは、低面貫通熱膨張係数を有する。フィルムの面貫通熱膨張係数は、面内熱膨張係数よりも更に低い。低面貫通熱膨張係数は、垂直インターコネクトアクセス(VIA)を使用するとき、プリント回路基板の製造中に特に重要である。プリント回路基板(PCB)は、銅めっきと、フィルムの平面に垂直なPCB基板との間の異なる膨張係数に起因して故障することが多い。
【0021】
加えて、本明細書に開示されるフィルムは、熱伝導性充填剤として窒化ホウ素を使用することにより、低い誘電特性、具体的には低誘電率及び低損失係数を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示を、以下に、図面に基づいてより詳細に記述する。
【
図1】一軸加圧成形による円筒体の成形を概略的に示す。
【
図2】焼結円筒体から本明細書に開示されるフィルムのスカイビングを概略的に示す。
【
図3A】本明細書に開示されるフィルムの断面の走査電子顕微鏡写真を示す。
【
図3B】本明細書に開示されるフィルムの断面の走査電子顕微鏡写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書に開示されるフィルムは、プリント回路基板などの可撓性電子デバイスのロールツーロール加工に使用可能である。ロールツーロール加工により、ポリマー系フィルムは、2つの移動する材料のロールの間で移送される。ロールツーロール加工の場合、本明細書に開示されるフィルムは、ロールに巻き取られたフィルムとして提供され、ロールツーロール加工では、フィルムが移送され、別のロールに巻き取られる。
【0024】
本明細書に開示されるフィルムは、六方晶窒化ホウ素粒子を含む複合材料を含む。六方晶窒化ホウ素粒子は、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子を含む。また、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子は、フレーク形状又は鱗片状の六方晶窒化ホウ素粒子と称されてもよい。
【0025】
小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子は、基底面を有する。小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子の基底面は、フィルムの平面の方向に対して垂直に配向される。換言すれば、本明細書に開示されるフィルムにおいて、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子は好適な配向を有し、好適な配向は、フィルムの平面の方向に垂直である。
【0026】
本明細書に開示されるフィルムは、ポリマーを含む複合材料を含む。ポリマーは、フルオロポリマー、又はポリイミド、又はポリエステル、又は超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)であってもよい。
【0027】
フィルムに使用されるフルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)及びフッ素化エチレンプロピレン(FEP)からなる群から選択されてもよい。好適なポリテトラフルオロエチレンの例は、Dyneon GmbH,Burgkirchen,Germanyから入手可能なTFM(商標)である。フィルムに使用されるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)であってよい。
【0028】
フィルム中の小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子の配向度は、フィルム試料上で測定されるテクスチャーインデックスによって特徴付けることができる。小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子の等方性配向を有する、したがって好適な配向を有さない六方晶窒化ホウ素のテクスチャーインデックスは、1の値を有する。フィルムの平面に対して平行に配向された小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子の場合、テクスチャーインデックスは、フィルム試料における平行配向度と共に増加し、1超の値を有する。フィルムの平面に対して垂直に配向された小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子の場合、テクスチャーインデックスは、フィルム試料における垂直配向度と共に減少し、1未満の値を有する。
【0029】
本明細書に開示されるフィルムのテクスチャーインデックスは、最大で0.8である。いくつかの実施形態では、フィルムのテクスチャーインデックスは、最大で0.5である。いくつかの実施形態では、フィルムのテクスチャーインデックスは、最大で0.3である。フィルムのテクスチャーインデックスは、フィルムの平面に垂直な方向で測定される。
【0030】
テクスチャーインデックスは、X線回折法によって決定される。このため、フィルム試料のX線回折図で測定した六方晶窒化ホウ素(hBN)の(002)及び(100)反射の強度の比が決定され、理想的な非テクスチャー化hBN試料の対応する比で割られる。この理想比は、JCPDSデータから決定することができ、7.29である。(002)反射の強度は、25.8度~27.6度の範囲の2Θ範囲内で測定され、(100)反射の強度は41.0度~42.2度の範囲の2Θ範囲内である。テクスチャーインデックス(TI)は、次式から決定することができる:
【数1】
【0031】
(100)反射の強度は、少なくとも1.0であるべきである。(100)反射の強度が1.0未満である場合、2Θにおける測定速度は25.8度~27.6度及び41.0度~42.2度の範囲であり、(100)反射の十分な強度を得るために減少させることができる。
【0032】
本明細書に開示されるフィルムに使用される六方晶窒化ホウ素粒子の平均粒子サイズ(d50)は、0.5μm~100μmであってよい。好ましくは、六方晶窒化ホウ素粒子の平均粒子サイズ(d50)は、少なくとも5μm、より好ましくは少なくとも10μmである。いくつかの実施形態では、平均粒子サイズ(d50)は、5μm~50μm、又は5μm~30μmである。平均粒子サイズ(d50)は、レーザー回折によって測定することができる。
【0033】
小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子の平均アスペクト比は、典型的には少なくとも5である。アスペクト比は、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子の直径対厚さの比である。本明細書で使用するとき、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子は、窒化ホウ素小板とも呼ばれる。窒化ホウ素小板のアスペクト比は、少なくとも10、又は少なくとも15、又は少なくとも20であってもよい。窒化ホウ素小板の平均アスペクト比はまた、最大40、又は最大100であってもよい。窒化ホウ素小板の平均アスペクト比は、7~20、又は20~40、又は7~40、又は10~40、又は50~100であってもよい。典型的には、窒化ホウ素小板の平均アスペクト比は、最大で500である。平均アスペクト比は、20個の粒子のアスペクト比を決定し、アスペクト比について決定された20個の個々の値の平均値を計算することにより、走査電子顕微鏡(SEM)によって測定することができる。個々の窒化ホウ素小板のアスペクト比は、窒化ホウ素小板の直径及び厚さを測定し、直径の厚さに対する比を計算することによって決定される。窒化ホウ素小板の直径及び厚さを測定するために使用されるSEM画像の必要な倍率は、小板のサイズに依存する。倍率は、少なくとも1000倍、好ましくは少なくとも2000倍であるべきである。適切な場合、すなわち、5μm~10μmの平均粒子サイズ(d50)を有する、より小さな小板については、5000倍の倍率を使用するべきである。
【0034】
六方晶窒化ホウ素小板の一部を凝集させて、窒化ホウ素凝集体を形成してもよい。窒化ホウ素凝集体の平均粒子サイズ(d50)は、最大で500μm、より具体的には最大で250μm、最大で150μm、又は最大で100μmであってもよい。窒化ホウ素凝集体の平均粒子サイズ(d50)は、少なくとも30μm又は少なくとも50μmであってもよい。平均粒子サイズ(d50)は、レーザー回折によって測定することができる。また、凝集体と非凝集一次粒子との混合物を使用してもよい。窒化ホウ素凝集体は、球状、不規則形状、又はフレーク形状であってもよい。フレーク形状の凝集体は、1~20のアスペクト比を有し得る。
【0035】
複合材料は、複合材料の総量に基づいて、10体積%~60体積%の六方晶窒化ホウ素粒子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複合材料は、複合材料の総量に基づいて、20体積%~50体積%の六方晶窒化ホウ素粒子を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、全ての六方晶窒化ホウ素粒子は、小板形状である。いくつかの実施形態では、全ての六方晶窒化ホウ素粒子は凝集されていない。
【0037】
本明細書に開示されるフィルムの厚さは、0.010mm~6mmであってもよい。好ましくは、フィルムの厚さは、50μm~500μmである。六方晶窒化ホウ素粒子のサイズは、フィルム厚に応じて選択され得る。
【0038】
本明細書に開示されるフィルムの面貫通熱伝導率は、少なくとも0.7W/m*Kである。いくつかの実施形態では、フィルムの面貫通熱伝導率は、少なくとも1W/m*K、又は少なくとも2W/m*K、又は少なくとも5W/m*Kである。
【0039】
本明細書に開示されるフィルムの面内熱伝導率は、少なくとも0.4W/m*Kである。いくつかの実施形態では、フィルムの面内熱伝導率は、少なくとも0.7W/m*K、又は少なくとも1W/m*K、又は少なくとも2W/m*Kである。
【0040】
プリント回路基板などの可撓性電子デバイスの製造に使用されるフィルムの場合、高面貫通熱伝導率が所望されるのに対し、面内熱伝導率もまた可能な限り高くなければならない。
【0041】
面貫通熱伝導率及び面内熱伝導率は、フィルムがスカイビングされる焼結体から切断された試料上で測定することができる。
【0042】
驚くべきことに、本明細書に開示されるフィルムの面貫通熱伝導率は、フィルムの面内熱伝導率よりも高い。典型的には、面貫通熱伝導率の面内熱伝導率に対する比は、1.4~4.0である。いくつかの実施形態では、面貫通熱伝導率の面内熱伝導率に対する比は、2.0~3.5である。
【0043】
本明細書に開示されるフィルムの面貫通熱膨張係数は、フィルムの面内熱膨張係数よりも低い。面貫通熱膨張係数及び面内熱膨張係数は、100℃~200℃の温度範囲で測定することができる。典型的には、100℃~200℃の温度範囲で測定される面貫通熱膨張係数は、130*10-6K-1より低い。いくつかの実施形態では、100℃~200℃の温度範囲で測定される面貫通熱膨張係数は、50*10-6K-1より低い。面内熱膨張係数は、典型的には、200*10-6K-1より低い。典型的には、面貫通熱膨張係数の面内熱膨張係数に対する比は、0.9~0.2であり、面貫通熱膨張係数及び面内熱膨張係数は、100℃~200℃の温度範囲で測定される。いくつかの実施形態では、面貫通熱膨張係数の面内熱膨張係数に対する比は、0.7~0.2であり、面貫通熱膨張係数及び面内熱膨張係数は、100℃~200℃の温度範囲で測定される。
【0044】
本明細書に開示されるフィルムの面貫通熱膨張は、充填剤粒子なしで製造されるポリマーフィルムの面貫通熱膨張よりも低い。
【0045】
複合材料は、ガラス繊維又は炭素繊維などの機械的特性を改善するための充填剤、及びアルミナ又はグラファイトなどの更なる熱伝導性充填剤を更に含んでもよい。複合材料は、更により低い誘電特性を達成するために、又は熱膨張係数を更に低下させるための中空ガラス微小球を更に含んでもよい。
【0046】
本明細書に開示されるフィルムは、金属化又は表面処理されてもよい。好適な表面処理は、プラズマ処理、及び例えば、ナトリウムナフタレンによるエッチングプロセスを含む。
【0047】
本明細書で開示されるフィルムは、
小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子を含む六方晶窒化ホウ素粒子及びポリマーを提供することと、
六方晶窒化ホウ素粒子とポリマーとを混合して、粉末混合物を得ることと、
粉末混合物を円筒形状に形成することにより、中心軸を有する成形円筒体を得ることであって、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子が、成形円筒体の中心軸に垂直な好適な配向を有する、成形円筒体を得ることと、
成形円筒体を焼結することにより、中心軸を有する焼結体を得ることであって、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子が、焼結体の中心軸に垂直な好適な配向を有する、焼結体を得ることと、
焼結体をその中心軸の周りに回転させ、焼結体からフィルムを径方向にスカイビングすることと、を含むプロセスによって製造することができる。
【0048】
本明細書に開示されるフィルムを製造するために、上でより詳細に記載したような窒化ホウ素小板及びポリマーを含む六方晶窒化ホウ素粒子を、使用することができる。
【0049】
本明細書に開示されるフィルムの製造に使用される六方晶窒化ホウ素粒子は、最大で20m2/g、好ましくは最大で10m2/gの比表面積(BET)を有する。いくつかの実施形態では、六方晶窒化ホウ素粒子の比表面積は、最大で5m2/gである。典型的には、六方晶窒化ホウ素粒子の比表面積は、少なくとも1m2/gである。
【0050】
六方晶窒化ホウ素粒子及びポリマーは、強力ミキサー又は鋤先(ploughshare)ミキサーなどの凝集体を従来的に混合することを使用して混合することができる。
【0051】
得られた粉末混合物を円筒形状に形成し、中心軸を有する成形円筒体を得る。成形円筒体では、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子は、成形円筒体の中心軸に垂直な好適な配向を有する。
【0052】
粉末混合物を円筒形状に形成することは、好ましくは一軸加圧成形によって、加圧成形することによって実施することができる。印加圧力は、15MPa~90MPaであってもよい。加圧成形は、室温(20℃)で、又は焼結温度までのより高い温度で行われてもよい。
【0053】
図1では、一軸加圧成形による円筒体の成形を概略的に示す。矢印は、粉末混合物の一軸加圧成形を示す。加圧成形後、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子は、成形円筒体の中心軸に垂直に配向される。
【0054】
成形後、成形円筒体を焼結することにより、中心軸を有する焼結体が得られる。焼結体において、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子は、焼結体の中心軸に垂直な好適な配向を有する。
【0055】
成形円筒体の焼結は、ポリマー系に応じて、135℃~430℃の温度で実施されてもよい。ポリテトラフルオロエチレンの場合、成形円筒体の焼結は、327℃~430℃、好ましくは365℃~390℃の温度で実施されてもよい。ポリエチレンテレフタレートの場合、成形円筒体の焼結は、約260℃の温度又は250℃~270℃の温度で実施されてもよい。ポリイミドの場合、焼結は、350℃超かつ最高で380℃の温度で実施されてもよい。超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の場合、焼結は、135℃~138℃の温度で実施されてもよい。
【0056】
焼結体は、理論密度の少なくとも80%、好ましくは理論密度の少なくとも90%の密度を有する。密度はアルキメデス法を使用することによって決定することができる。焼結体の理論密度は、2.27g/cm3の六方晶窒化ホウ素の粉末密度、それぞれのポリマーの密度、及び六方晶窒化ホウ素の分画及び焼結体の組成物中のポリマーから計算される。
【0057】
本明細書に開示されるプロセスによって製造される焼結体は、ポリマー及び六方晶窒化ホウ素粒子を含む複合材料から作製され、六方晶窒化ホウ素粒子は、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子を含む。小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子は、焼結体の中心軸に垂直な好適な配向を有する。
【0058】
焼結後、焼結体をその中心軸の周りに回転させ、フィルムを焼結体から径方向にスカイビングする。スカイビング工程では、窒化ホウ素小板は、それらの配向を維持する。したがって、窒化ホウ素小板は、フィルムの平面の方向に垂直な本明細書に開示されるフィルムにおいて好適な配向を有する。好適な配向は、1未満の値を有するテクスチャーインデックスによって測定することができる。
【0059】
図2は、焼結円筒体からのフィルムのスカイビングを概略的に示す。焼結円筒体は、焼結体の中心軸に垂直な好適な配向を有する、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子(2)を含み、すなわち、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子の基底面は、焼結体の中心軸に対して垂直に配向される。スカイビングのために、スカイビング刃(1)が使用される。
【0060】
図2はまた、スカイビング後の、本明細書に開示されるフィルム(3)を示す。フィルムは、フィルムの平面の方向に垂直な好適な配向を有する、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子(2)を含み、すなわち、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子の基底面は、フィルムの平面の方向に垂直に配向される。フィルムの断面図(4)も
図2に示されている。
【0061】
図3A及び
図3Bは、本明細書に開示されるスカイビングされたフィルムの断面(4)の走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す。
図3Aは20倍の倍率を有し、
図3Bは500倍の倍率を有する。
図3Bのセクションの配向は、
図3Aのフィルムセクションの配向と同じである。
図3Bは、平面の方向に垂直な配向を有するフィルム中の小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子を示す。
【0062】
本明細書に開示されるフィルムは、可撓性電子デバイス、具体的にはプリント回路基板(PCB)を製造するために使用することができる。
【0063】
本明細書に開示されるフィルムは、可撓性フィルムのいくつかの層をラミネートすることによって、非可撓性電子デバイス、具体的には非可撓性プリント回路基板(PCB)を製造するために使用することもできる。
【0064】
本明細書に開示されるフィルムは、電気モータの電気絶縁及びケーブル絶縁のために、並びにフィルムの高い面貫通熱伝導率を必要とする全ての用途に使用することができる。
【0065】
グラファイトなどの導電性特性を有する追加の充填剤が使用されない場合、本明細書に開示されるフィルムは、電気的絶縁特性を有し、電気的絶縁特性と組み合わせて高い面貫通熱伝導率を必要とする全ての用途に使用することができる。
【実施例】
【0066】
実施例1(EX1)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末グレードTF1750(Dyneon GmbH,Burgkirchen,Germanyから入手可能)と、六方晶窒化ホウ素粒子(Cooling Filler Platelets CFP015,3M Technical Ceramics,Zweigniederlassung der 3M Deutschland GmbH,Kempten,Germanyから入手可能)との混合物25kgを、10体積%の窒化ホウ素粉末及び90体積%のPTFEを含むように調製した。CFP015粒子は、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子を含む。CFP015粒子の比表面積(BET)は2.4m2/gであり、平均粒子サイズ(d50)は14.5μmであり、アスペクト比は31である。
【0067】
混合は、Eirichミキサーで300rpmにて2.5分間実施した。混合中の温度を、21℃未満に維持した。
【0068】
次いで、1.5kgの粉末混合物を円筒型プレス成形型に入れ、プレス成形型の中心軸と平行な方向に、50MPaの圧力及び23℃の温度で一軸加圧成形した。得られた形成ブロックにおいて、窒化ホウ素小板は、加圧成形方向に垂直な、すなわち、円筒状の形成されたブロックの中心軸に垂直な好適な配向を有する。
【0069】
得られた形成されたBN/PTFEブロックの焼結を、空気中387℃の温度で実施した。焼結ブロックは、95mmの直径及び100mmの高さを有した。焼結ブロックの密度は、理論密度の96.6%に相当する2.18g/cm3であった。
【0070】
焼結後、ブロックを回転旋盤に固定した。ブレードを、フィルムの所望の厚さに対応する距離に置いた。ブロックを回転させることにより、ブロックから径方向にフィルムをスカイビングした。
【0071】
熱伝導率の測定については、レーザーフラッシュ法を使用し、ISO 22007-4:2017に準拠してNanoflash LFA 447(Netzsch,Selb,Germany)を用いて実施する。測定値を25℃で採取する。熱伝導率(TC)は、熱拡散率a、比熱容量c
p及び密度Dの値を測定することによって決定し、下記等式
【数2】
に従ってこれらの値から計算する。
【0072】
熱拡散率a及び比熱容量cpは、10×10×2mm3の寸法を有する試料上のNanoflash LFA 447(Netzsch,Selb,Germany)を使用して測定する。直方体10×10×15mm3を、1つは円筒状の形成されたブロックの中心軸に平行な方向に、及び1つは垂直な方向に切断することによって、試料を調製した。次いで、立方体を、10×10×2mm3の寸法を有する熱伝導率測定用の3つの試料に切断した。密度は、正確に成形された試料の幾何学的寸法を計量及び決定することによって計算する。標準的なPyroceram 9606を使用して、測定値の較正を行う。
【0073】
熱膨張係数(CTE)は、熱機械分析器(TMA 2940,TA Instruments)を使用して、5°/分加熱速度を適用して測定した。CTEは、100℃~200℃の温度に対する熱膨張曲線の勾配から決定した。方向依存性を決定するために、直径5mm及び高さ8mmの円筒形試料を、1つは円筒状の形成されたブロックの中心軸に平行な方向に、及び1つ垂直な方向に調製した。
【0074】
テクスチャーインデックスの測定については、1.5cm×1.5cmのサイズのフィルムを直径24.5mmのシリコン単結晶上に固定し、上記のようにXRD測定を行った。
【0075】
【0076】
実施例2(EX2)
30体積%の窒化ホウ素粉末及び70体積%のPTFEを使用したことを除いて、実施例1を繰り返した。焼結ブロックの密度は、理論密度の95.9%に相当する2.17g/cm3であった。
【0077】
試験結果を表1に示す。
【0078】
実施例3(EX3)
50体積%の窒化ホウ素粉末及び50体積%のPTFEを使用したことを除いて、実施例1を繰り返した。焼結ブロックの密度は、理論密度の88.5%に相当する2.00g/cm3であった。
【0079】
試験結果を表1に示す。
【0080】
実施例4~6(EX4~EX6)
Cooling Filler Platelets CFP0075(3M Technical Ceramics,Zweigniederlassung der 3M Deutschland GmbH,Kempten,Germanyから入手可能)を六方晶窒化ホウ素粒子として用いた以外は、実施例1~3を繰り返した。CFP0075粒子は、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子を含む。CFP0075粒子の比表面積(BET)は5.6m2/gであり、平均粒子サイズ(d50)は7.9μmであり、アスペクト比は17である。
【0081】
焼結ブロックの密度は、実施例4では、理論密度の94.9%に相当する2.15g/cm3であって、実施例5では、理論密度の95.3%に相当する2.16g/cm3であって、及び実施例6では、理論密度の85.4%に相当する1.94g/cm3であった。
【0082】
試験結果を表1に示す。
【0083】
比較例(CEX)
窒化ホウ素粒子をPTFE粉末に転化せず、100体積%のPTFEの試料を実施例1に記載したように加圧成形して焼結した以外は、実施例1を繰り返した。
【0084】
焼結ブロックの密度は、2.16g/cm3であった。
【0085】
試験結果を表1に示す。
【0086】
実施例は、本明細書に開示されるフィルムにおいて、フィルム方向に対して垂直に、小板形状の六方晶窒化ホウ素粒子が整列されると、高面貫通熱伝導率が得られることを示す。