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特許7083498RFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】RFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダー
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/00 20060101AFI20220606BHJP
   A45C 15/00 20060101ALI20220606BHJP
   A45C 11/18 20060101ALI20220606BHJP
   G09F 1/10 20060101ALI20220606BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20220606BHJP
【FI】
A45C11/00 A
A45C15/00 Z
A45C11/18 Z
G09F1/10 V
G06K19/077 220
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019008970
(22)【出願日】2019-01-23
(65)【公開番号】P2020116096
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】511103812
【氏名又は名称】株式会社 ナテック
(74)【代理人】
【識別番号】100068663
【弁理士】
【氏名又は名称】松波 祥文
(72)【発明者】
【氏名】永井 良周
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-102920(JP,A)
【文献】特開平10-340326(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0291693(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0314678(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/00
A45C 15/00
A45C 11/18
G09F 1/10
G06K 19/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
社員証、身分証明書等のカードを収納するカード収納部とその上部にネックストラップを挿通するための3つの孔を設けたネックストラップ取付部とを備え、使用者の首からネックストラップにより吊り下げて携帯するカードホルダーであって、前記カード収納部の下部に、RFIDタグを付加した警笛を収納する警笛収納部を一体化して、災害や緊急時に、警笛を鳴らして報知すると共に、RFID発信機からの電波を前記RFIDタグで反射させて該RFIDタグのデータを読み取って所在を明らかにすることを特徴とするRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダー。
【請求項2】
前記RFIDタグは、パッシブタグで構成し、前記警笛の空気出口上面に収容したことを特徴とする請求項1記載のRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダー。
【請求項3】
前記カードホルダーは、ソフトタイプのケースで形成したことを特徴とする請求項1記載のRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダー。
【請求項4】
前記警笛は、蓄光顔料をプラスチック材料に混ぜ合わせた蓄光タイプとしたことを特徴とする請求項1記載のRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、社員証、身分証明書等のカードを収納して、使用者の首から吊り下げて携帯するカードホルダーに、RFIDタグを付加した警笛を一体化して、災害や緊急時に、警笛を鳴らして報知すると共に、RFID発信機からの電波をRFIDタグで反射させてRFIDタグのデータを読み取って所在を明らかにするRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく事業継続計画(BCP)の立案が、中小企業の間で見直されつつある。
【0003】
企業に属する従業員が上述した緊急事態に遭遇した際に、倒壊した建物、トンネルの中、地下鉄の構内などに閉じ込められてしまう虞がある。このような場所から一刻も早く外部に脱出するには、大声を出して外部の救護者に自分の居場所を知らせることであるが、体力を消耗するだけで大きな効果は得られない。それに代わるものとして、笛により警笛を鳴らす方が大声を出すより体力の消耗が少なく、外部に知らせるには遥かに効果的である。従って、クレジットカード、キャッシュカードと組み合わせたもの(特許文献1)や名札と一体にしたもの(特許文献2)が知られている。一方、本出願人は、社内においても外出時においても常時身につける社員証、身分証明書等のカードを収納するカードケースと警笛を一体化して災害や緊急時に警笛を報知すると共に、発信器から電波を発信して所在を明らかにする警笛及び発信器を一体化したカードケースを開発、開示している(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-62342号公報
【文献】特開2005-234512号公報
【文献】特開2018-102920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、クレジットカード、キャッシュカードは何時でも何処でも所有するものではなく、また、名札については必要とされるところでは所有するが、常時所有するものではない。さらに、発信器は、微弱電波であるため、到達距離が短く、電池がなくなればその機能を果たさなくなるという問題点があった。本発明は、この問題点を解決するものであり、社員証、身分証明書等のカードを収納して、使用者の首から吊り下げて携帯するカードホルダーに、RFIDタグを付加した警笛を一体化して、災害や緊急時に、警笛を鳴らして報知すると共に、RFID発信機からの電波をRFIDタグで反射させてRFIDタグのデータを読み取って所在を明らかにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、社員証、身分証明書等のカードを収納するカード収納部とその上部にネックストラップを挿通するための3つの孔を設けたネックストラップ取付部とを備え、使用者の首からネックストラップにより吊り下げて携帯するカードホルダーであって、カード収納部の下部に、RFIDタグを付加した警笛を収納する警笛収納部を一体化して、災害や緊急時に、警笛を鳴らして報知すると共に、RFID発信機からの電波をRFIDタグで反射させて該RFIDタグのデータを読み取って所在を明らかにすることを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダーであって、RFIDタグは、パッシブタグで構成し、前記警笛の空気出口上面に収容したことを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載のRFIDタグを付加したホイッスル付き
カードホルダーであって、カードホルダーは、ソフトタイプのケースで形成したことを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載のRFIDタグを付加したホイッスル付き
カードホルダーであって、警笛は、蓄光顔料をプラスチック材料に混ぜ合わせた蓄光タイプとしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載のRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダーによれば、社員証、身分証明書等のカードを収納するカード収納部とその上部にネックストラップを挿通するための3つの孔を設けたネックストラップ取付部とを備え、使用者の首からネックストラップにより吊り下げて携帯するカードホルダーであって、カード収納部の下部に、RFIDタグを付加した警笛を収納する警笛収納部を一体化して、災害や緊急時に、警笛を鳴らして報知すると共に、RFID発信機からの電波をRFIDタグで反射させて該RFIDタグのデータを読み取って所在を明らかにしたので、確実に緊急事態に対処することができる。
【0011】
また、請求項2記載のRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダーによれば、RFIDタグは、パッシブタグで構成し、前記警笛の空気出口上面に収容したので、RFID発信機からの電波をエネルギー源として利用することができる。
【0012】
また、請求項3記載のRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダーによれば、カードホルダーは、ソフトタイプのケースで形成したので、扱いやすく身体に装着しても違和感を感じることがない。
【0013】
また、請求項4記載のRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダーによれば、警笛は、蓄光顔料をプラスチック材料に混ぜ合わせた蓄光タイプとしたので、停電時にも目印となり大きな安心感につなぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明によるRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダーを示す外観図である。
図2】本発明によるRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダーの使用の第一実施例を示した説明図である。
図3】本発明によるRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダーの使用の第二実施例を示した説明図である。
図4】本発明によるRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダーの使用の第三実施例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明によるRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダーを示す外観図であり、1は警笛を収納する警笛収納部を一体化したカードホルダーで、社員証とか身分証明書のようなカード2を収納するカード収納部3とその上部にネックストラップ4を挿通するための3つの孔5を設けたネックストラップ取付部6を備え、カード収納部3の下部にRFIDタグ7を付加した警笛8を収納する警笛収納部9が一体化され付設されている。
【0016】
RFIDタグ7は、パッシブタグで構成され、RFID発信機からの電波をエネルギー源として動作するため、電池を内蔵する必要がない。タグのアンテナは発信機からの電波の一部を反射するが、ID情報はこの反射波に乗せて返される。反射波の強度は非常に小さいため受信距離は比較的短くなるが、安価にできること、恒常的に作動することから、今後の普及の本命とされている。
【0017】
カードホルダーを構成するカード収納部3と警笛収納部9はソフトタイプのケースで形成したので、扱いやすく身体に装着しても違和感を感じることがない。また、警笛8は蓄光顔料をプラスチック材料に混ぜ合わせた蓄光タイプとしたので、停電時でも目印になり大きな安心感につながる。
【0018】
つぎに、本発明によるRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダーの使用の実施例を、図2図4を用いて説明する。
【0019】
図2は、従業員が地震、洪水などの自然災害により倒壊した建物、土砂崩れによる土の中に閉じ込められてしまった場合、従業員の災害時所在管理に適用した第一実施例を示したものであり、20は自然災害の現場、21は現場に閉じ込められた従業員、22は従業員が所有するホイッスル付きカードホルダー、23はカードホルダーに一体化された警笛、24は警笛に付加されたRFIDタグ、25はRFID発信機、26は管理装置である。
【0020】
防災用の警笛はどの家庭でも1つや2つは揃えてあるが、通常の生活では災害への意識の低下により常時身につけて携帯しなくなる。一方、社員証、身分証明書等のカードが収納されたカードホルダー22は、普段から持ち歩くものであり、警笛23をカードホルダー22に一体化すれば、災害や緊急時に遭遇した場合に警笛23を鳴らして報知することが出来る。また、パッシブタグで構成されるRFIDタグ24が警笛23に付加されているので警笛を報知する力がなくなってもRFID発信機25からの電波27をRFIDタグ24で反射させ、RFIDタグのデータを読み取って管理装置26に送信し、現場に閉じ込められた従業員21の所在を明らかにすることが出来る。
【0021】
図3は、従業員の勤怠管理に適用した第二実施例を示したものであり、施設30の入り口31a、32a、33aにはRFIDタグの読取装置31b、32b、33bが設置され、読取装置31b、32b、33bには警告装置31c、32c、33cが接続されている。34は施設30に属する従業員、35は従業員が所有するRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダー、36はカードホルダーに一体化された警笛、37は警笛に付加されたRFIDタグ、38は施設30の入り口31a、32a、33aに設置されたRFIDタグの読取装置31b、32b、33bに接続された無線送受信装置、39は無線送受信装置38に無線で接続された従業員管理装置である。
【0022】
従業員管理装置39には施設30に属する従業員34のデータベース、例えば、従業員コード、氏名、生年月日、入社年月日、配属先履歴、現住所、顔写真などを保有している。ホイッスル付きカードホルダー35には社員証、身分証明書等のカードが収納され、カードを所有する従業員34は施設30内での仕事中は紐などで首に吊るして身に付けている。従業員34が施設30の入り口31aを通過して施設内に入るとき、入り口31aに設置されたRFIDタグの読取装置31bによりRFIDタグ37を読み取り、タグ内のデータを無線送受信装置38から従業員管理装置39へ伝送し、従業員34のデータベースに登録されているかを確認する。登録されていなければ警告装置31cにより警告を発する。従業員34が入り口32aまたは33aを通過する都度RFIDタグの読取装置32bまたは33bによりRFIDタグ37を読み取り、従業員34が現在どこにいるかを把握することができる。従業員34が施設30の入り口31aを通過して施設外から外へ出るとき、入り口31aに設置されたRFIDタグの読取装置31bによりRFIDタグ37を読み取り、タグ内のデータを無線送受信装置38から従業員管理装置39へ伝送し、従業員34が退出したことを確認する。
【0023】
図4は、セキュリティ強化されている病院の医用機具管理に適用した第三実施例を示したものであり、医用機具保管庫40の入退出口には医用機具用RFIDタグの読取装置41、個人用RFIDタグの読取装置42、近接センサ43、持出者記録部44、報知パネル45が設置されている。46は病院に所属する従業員、47は従業員が所有するRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダー、48はカードホルダーに一体化された警笛、49は警笛に付加された個人用RFIDタグ、50は医用機具に付加された医用機具用RFIDタグ、51は医用機具用RFIDタグの読取装置41、個人用RFIDタグの読取装置42、近接センサ43、持出者記録部44、報知パネル45に接続された医用機具管理装置である。
【0024】
医用機具保管庫40に保管されている医用機具の持出を監視し、持出が正当であるか判断する。持出が正当でない場合は、その正当でない持出に対して警告を発する。近接センサ43は医用機具保管庫40に入出した者を検出すると検出信号を医用機具管理装置51に出力する。近接センサ43で人体を検出したものの個人用RFIDタグの読取装置42で個人識別情報が認識できなければ病院関係者以外の入室と判断する。入室者が医用機具保管庫40の入退出口から出ようとした場合、医用機具用RFIDタグの読取装置41により医用機具用RFIDタグ50を読み取り、個人用RFIDタグの読取装置42により従業員が所有するRFIDタグを付加したホイッスル付きカードホルダー47に一体化された警笛48に付加された個人用RFIDタグ49を読み取る。個人用RFIDタグの読取装置42で個人識別情報が認識できなければ病院関係者以外の不当な持ち出しと判断し報知パネル45で警告を発するとともに持出者記録部44により持ち出そうとする者を記録し医用機具管理装置51に出力する。
【0025】
以上説明したように、本発明によれば、社員証、身分証明書等のカードを収納するカード収納部とその上部にネックストラップを挿通するための3つの孔を設けたネックストラップ取付部とを備え、使用者の首からネックストラップにより吊り下げて携帯するカードホルダーであって、カード収納部の下部に、RFIDタグを付加した警笛を収納する警笛収納部を一体化して、災害や緊急時に、警笛を鳴らして報知すると共に、RFID発信機からの電波を前記RFIDタグで反射させて該RFIDタグのデータを読み取って所在を明らかにしたので、確実に緊急事態に対処することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 ホイッスル付きカードホルダー
2 カード
3 カード収納部
4 ネックストラップ
5 孔
6 ネックストラップ取付部
7 RFIDタグ
8 警笛
9 警笛収納部
20 自然災害の現場
21 現場に閉じ込められた従業員
22 ホイッスル付きカードホルダー
23 警笛
24 RFIDタグ
25 RFID発信機
26 管理装置
30 施設
31a、32a、33a 入り口
31b、32b、33b RFIDタグの読取装置
31c、32c、33c 警告装置
34 従業員
35 ホイッスル付きカードホルダー
36 警笛
37 RFIDタグ
38 無線送受信装置
39 従業員管理装置
40 医用機具保管庫
41 医用機具用RFIDタグの読取装置
42 個人用RFIDタグの読取装置
43 近接センサ
44 持出者記録部
45 報知パネル
46 従業員
47 ホイッスル付きカードホルダー
48 警笛
49 個人用RFIDタグ
50 医用機具用RFIDタグ
51 医用機具管理装置
図1
図2
図3
図4