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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】廃棄物の湿式酸化のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/08 20060101AFI20220606BHJP
   C02F 1/72 20060101ALI20220606BHJP
【FI】
C02F11/08 ZAB
C02F1/72 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019503216
(86)(22)【出願日】2017-07-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-25
(86)【国際出願番号】 IB2017054282
(87)【国際公開番号】W WO2018015859
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-03-17
(31)【優先権主張番号】102016000075748
(32)【優先日】2016-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519016538
【氏名又は名称】3ヴィー グリーン イーグル ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サルデッリ、フランコ
【審査官】高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0055968(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01695944(EP,A1)
【文献】特開2003-312843(JP,A)
【文献】特開2005-224692(JP,A)
【文献】特開2014-140802(JP,A)
【文献】特開2014-209899(JP,A)
【文献】特表2013-521120(JP,A)
【文献】特開2015-229736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 11/00 - 11/20
1/70 - 1/78
B01J 3/00 - 3/08
4/00 - 7/02
B01F 1/00 - 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多流廃棄物の懸濁液を除染するための湿式酸化法であって、
a)5及び18%の間に含まれる総乾物量(TDM)、並びに10,000及び150,000mg/lの間に含まれるCODを有する、少なくとも2つの廃棄物のポンプ圧送可能な懸濁液の流れを、少なくとも70°Cの温度で、且つ8バールと100バールとの間に含まれる圧力で反応器に送り込み、前記懸濁液が少なくとも1つの第1の混合エジェクタを用いて前記反応器に送り込まれる、ステップであって、少なくとも2つの廃棄物の前記懸濁液を送り込むための前記少なくとも1つの第1の混合エジェクタが、前記反応器の前記上端に対応して位置付けられる、ステップと、
b)酸素及び高圧蒸気を含む気相流れを、8バールと100バールとの間に含まれる圧力で、且つ150°Cと315°Cの間に含まれる温度で前記反応器に送り込み、前記気相が少なくとも1つの第2の混合エジェクタを用いて前記反応器に送り込まれる、ステップであって、酸素及び高圧蒸気を噴射するための前記少なくとも1つの第2の混合エジェクタが、前記反応器の前記下端に対応して位置付けられる、ステップと、
c)前記反応器内への前記懸濁液流れ及び前記気相流れを向流させて流すように、前記流れを接触させるステップと、
d)酸化後に、前記反応器の下端から前記除染懸濁液を抽出するステップと、
e)前記反応器の上端から前記排気を抽出するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記反応器が、8バールと100バールとの間に含まれる圧力で、且つ150°Cと300°Cとの間に含まれる温度で運転する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも2つの廃棄物の前記ポンプ圧送可能な懸濁液が、前記反応器の前記上端に位置付けられる入口から送り込まれる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記気相が、前記反応器の前記下端に位置付けられる入口から送り込まれる、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも2つの廃棄物の前記懸濁液及び前記気相が、側面入口を用いて前記反応器に送り込まれる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記懸濁液を、前記懸濁液内への少なくとも1回の直接蒸気噴射を用いて、大気又は300KPa(3バール)未満で少なくとも70°Cの温度で予熱するステップを更に含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記懸濁液を、少なくとも2回の蒸気の噴射を用いて予熱するステップであって、1回目の噴射は、大気又は300KPa(3バール)未満で実施されて、2回目の噴射は、少なくとも反応器運転圧力を上回る蒸気圧力でなされるステップを更に含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップa)の上流で、水、圧縮空気及び高圧蒸気を、反応温度及び圧力が達されるまで、30及び80バールの間に含まれる圧力で反応器に送り込むステップa)を更に含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも2つの廃棄物の前記ポンプ圧送可能な懸濁液が、
- 少なくとも1つの撹拌器を備える少なくとも1つの混合タンクに送り込まれた、15及び40%の間に含まれるTDMを有する有機固体汚泥、並びに10,000及び120,000mg/lの間に含まれるCODを有する廃水から生成される、1%と18%との間に含まれるTDMを有する汚泥懸濁液を送り込むステップと、
- 5及び18%の間に含まれるTDM、並びに10,000及び150,000mg/lの間に含まれるCODを有するポンプ圧送可能な懸濁液を生成するのに十分な200rpmと400rpmとの間の速度で前記汚泥及び廃水を混合するステップと、
- 前記ポンプ圧送可能な懸濁液を少なくとも1つの貯蔵タンクに送り込み、そして前記懸濁液を、それを安定に保つのに十分な速度で混合するステップと、
- 前記貯蔵タンクから少なくとも2つの廃棄物の前記ポンプ圧送可能な懸濁液を排出し、そして前記懸濁液を反応器に送り込んで除染させるステップとによって生成される、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の湿式酸化法を実施するための装置であって、
- 上端及び下端を備える少なくとも1つの酸化反応器と、
- 5及び18%の間に含まれる総乾物量(TDM)、並びに10,000及び150,000mg/lの間に含まれるCODを有する少なくとも2つの廃棄物の前記ポンプ圧送可能な懸濁液を、少なくとも70°Cの温度で、且つ8バールと100バールとの間に圧力で前記反応器に送り込むためであり、少なくとも1つの第1の混合エジェクタが設けられている前記懸濁液のための入口を備える、手段であって、少なくとも2つの廃棄物の前記懸濁液を送り込むための前記少なくとも1つの第1の混合エジェクタが、前記反応器の前記上端に対応して位置付けられる、手段と、
- 酸素及び高圧水蒸気を含む気相を、8バールと100バールとの間に含まれる圧力で、且つ150°Cと315°Cの間に含まれる温度で前記反応器内部に噴射するためであり、少なくとも1つの第2の混合エジェクタが設けられている前記気相のための入口を備える、手段であって、酸素及び高圧蒸気を噴射するための前記少なくとも1つの第2の混合エジェクタが、前記反応器の前記下端に対応して位置付けられる、手段と、
- 前記反応器の前記下端から前記除染懸濁液を除去するのに適する配管と、
- 前記反応器の前記上端から前記排気を除去するのに適する配管とを備える装置。
【請求項11】
前記懸濁液のための前記入口が、前記反応器の前記上端に位置付けられる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記気相のための前記入口が、前記反応器の前記下端に位置付けられる、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記懸濁液のための及び前記気相のための前記入口が、前記反応器に側面から位置付けられる、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも2つの廃棄物の前記懸濁液を少なくとも70°Cの温度で予熱するための手段を更に備える、請求項10から13までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
5及び18%の間に含まれる総乾物量(TDM)、並びに10,000及び150,000mg/lの間に含まれるCODを有する、少なくとも2つの廃棄物の前記ポンプ圧送可能な懸濁液を生成するための手段であって、
- 15及び40%の間に含まれるTDMを有する有機固体汚泥、並びに10,000及び120,000mg/lの間に含まれるCODを有する廃水から生成される、1及び18%の間に含まれるTDMを有する汚泥を、5及び18%の間に含まれるTDM、並びに10,000及び150,000mg/lの間に含まれるCODを有するポンプ圧送可能な懸濁液を生成するのに十分な200rpmと400rpmとの間の速度で混合するための少なくとも1つの第1の撹拌器を備える少なくとも1つの混合タンクと、
- 前記ポンプ圧送可能な懸濁液を、それを安定に保つのに十分な速度で混合するための少なくとも1つの第2の撹拌器を備える少なくとも1つの貯蔵タンクとを備える手段を更に備える、請求項10から14までのいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物の、詳細には少なくとも2つの、液体の(廃水)及び濃厚な(汚泥)ポンプ圧送可能な廃棄物の混合物の、新たな湿式酸化法、並びにそのような方法を実施するのに有用な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本説明及び後続の請求項の範囲内で、用語「湿式酸化」は、湿相での酸化又は「湿性酸化」、すなわち酸化気体として酸素(又は、代替として、空気)を使用することによって、液相で存在する有機又は無機物の酸化的破壊に至る自己触媒プロセスを意味するものと意図される。
【0003】
本説明及び後続の請求項の範囲内で、用語「COD」は、「Chemical Oxygen Demand」、すなわち存在する有機又は無機物の完全な破壊のために水1L当たり必要とされる酸素の量をmgで表す化学的酸素要求量を意味するものと意図される。
【0004】
本説明及び後続の請求項の範囲内で、用語「多流廃棄物懸濁液」は、少なくとも2つの異なる種類の廃棄物、好ましくは廃水及び汚泥の混合物を意味するものと意図される。
【0005】
市民及び工業の両由来の廃水のための生物学的廃水処理施設は、それらの通常運転の間に、生産サイクルから系統的に抽出され且つ余剰活性汚泥の名前をとる過剰な懸濁バイオマスを生成する。これらの汚泥は、有機固形物量(比VDM/TDM、すなわち揮発性乾物量(Volatile Dry Matter)/総乾物量(Total Dry Matter)によって示される)によって特徴付けられ、通常60%と75%との間に含まれており、そして残りの25%~40%は無機固形物から成る。
【0006】
一旦施設から抽出されると、余剰活性汚泥は通常濃縮、濾過又は遠心分離される。濃縮汚泥は濃厚であるが依然ポンプ圧送可能な液体であるので、それらだけが湿式酸化によって直接処理されることができる。
【0007】
湿式酸化法はそれ自体発熱性であるが、工業的に許容可能な時間内で作用するために、従来は熱交換器を用いて廃棄物を加熱することが必要である。廃水と異なり、汚泥は、それらを加熱するために使用される熱交換器の表面にとってまさしく覆いとなっており、頻繁な洗浄を強いるそれらの効果の低下を短時間で引き起こし、結果として経済的な出費及び施設効率の損失になるという不利点を有する。
【0008】
通常、廃水湿式酸化のための反応器には、並流の液体及び気体流がある。
【0009】
本出願人名義の欧州特許出願第1695944号には、余剰活性汚泥を実質的に無機且つ不活性粉体に変換するのに適する湿式酸化法が記載されている。
【0010】
本出願人名義の欧州特許出願第1609765号には、少なくとも入力温度及びCODが互いに異なる少なくとも2つの廃棄物を処理するのに適する湿式酸化法が記載されている。
【0011】
現状技術の湿式酸化法に関して、本出願人は、そのような手順が、異なる廃棄物を同時に除染する可能性を制限して、したがって費用の望ましくない増加を引き起こすことに留意した。
【0012】
従前の酸化法も、例えば、熱交換器汚損の他に施設の各構成要素の表面上への加熱中に生成される固体化合物の析出と関連付けられる技術的不利点を有する。
【0013】
加えて、本出願人は、給泥の場合、固体堆積を防止するために、それらを反応器内から転送するシステムが採用されなければならないことも発見した。
【0014】
しかしながら、送り込まれる廃棄物の性質が、潜在的に塊状の汚損のため、固形物の割合及び移送を局所的に増加させることができる静的混合システムの採用を許容しない。
【0015】
外側からの動的(機械的)混合は、高圧且つ高温で動く混合器及び/又は循環ポンプの使用を必要として、高価且つ複雑な密封システムが設置及び管理されることを必要とするものである。その上、懸濁固形物の研磨性が、結果として機械的装置の相当な摩耗になるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】欧州特許出願第1695944号
【文献】欧州特許出願第1609765号
【文献】欧州特許出願第1611947号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本出願人は、したがって、その問題に対処し、そして上述の欠点を低減及び/又は解決することができる、液体の(廃水)及び濃厚な(汚泥)廃棄物の懸濁液の合併処理のための新たな湿式酸化法を提供することを決定した。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本説明及び後続の請求項の範囲内で、表現「少なくとも2つの廃棄物の懸濁液」は、少なくとも2つの異なる種類の廃棄物の混合物、すなわち生物酸化に抵抗する廃水と混合される生体由来(又は異なる由来、但し高有機物量によって特徴付けられる)の汚泥を意味するものと意図される。
【0019】
この種類の廃棄物は、有機マトリックスに伴う或る量(多少高い)の無機固形物によって特徴付けられる。
【0020】
有機固形物が完全に破壊されるか又は部分的破壊後に可溶化されるのに対して、無機固形物は、送り込まれる懸濁液の無機固形物量を実際上不変のままにしておく酸化反応によって実質的に影響されない。
【0021】
本出願人によって採用される解決策は、反応器における廃棄物懸濁液流の反転に備える、すなわち懸濁液が頂部から反応器に送り込まれて底部から排出される。このように、懸濁液中の固形物は、液体自体の流れによって反応器の外側に転送される。
【0022】
したがって、本発明は、その第1の態様で、請求項1に記載の湿式酸化法に関し、本方法の好ましい特徴が従属請求項で報告される。
【0023】
より詳細には、本発明に係る多流廃棄物懸濁液の除染のための湿式酸化法は、
a)5及び18%の間に、好ましくは7及び15%の間に含まれる総乾物量(TDM)、並びに10,000及び150,000mg/lの間に、好ましくは30,000及び150,000mg/lの間に含まれるCODを有する、少なくとも2つの廃棄物のポンプ圧送可能な懸濁液の流れを、少なくとも70°Cの温度で、且つ8バールと100バールとの間に、好ましくは30バールと65バールとの間に含まれる圧力で反応器に送り込み、上記懸濁液が少なくとも1つの第1の混合エジェクタを用いて反応器に送り込まれる、ステップと、
b)酸素及び高圧蒸気を含む気相流れを、8バールと100バールとの間に、好ましくは30バールと65バールとの間に含まれる圧力で、且つ150°Cと315°Cの間に、好ましくは200°Cと260°Cとの間に含まれる温度で上記反応器に送り込み、上記気相が少なくとも1つの第2の混合エジェクタを用いて反応器に送り込まれる、ステップと、
c)上記反応器内への上記懸濁液流れ及び上記気相流れを向流させて流すように、上記流れを接触させるステップと、
d)酸化後に、反応器の下端(lower bottom)から除染懸濁液を抽出するステップと、
e)反応器の上端(upper bottom)から排気を抽出するステップと、を含む。
【0024】
本説明及び後続の請求項の範囲内で、用語「排気」は、反応によって生成される気体に加えて飽和蒸気を意味するものと意図される。
【0025】
反応器は、8バールと100バールとの間に、好ましくは30バールと65バールとの間に含まれる圧力で、且つ150°Cと300°Cとの間に、好ましくは200°Cと260°Cとの間に含まれる温度で運転する。
【0026】
好ましい実施例において、少なくとも2つの廃棄物流れのポンプ圧送可能な懸濁液は、反応器の上端に位置付けられる入口から送り込まれる。
【0027】
好ましい実施例において、気相は、反応器の下端に位置付けられる入口から送り込まれる。
【0028】
代替的に、少なくとも2つの廃棄物の懸濁液及び気相は、側面入口を用いて反応器に送り込まれる。
【0029】
好ましい実施例において、本発明に係る方法は、除染されることになる懸濁液を少なくとも70°Cの、好ましくは90°Cと110°Cとの間に含まれる温度で予熱するステップを更に含む。
【0030】
好ましくは、上記予熱ステップは、懸濁液内への少なくとも1回の直接蒸気噴射を用いて実施される。
【0031】
本発明に係る方法の好ましい実施例において、少なくとも70°Cの、好ましくは90°Cと110°Cとの間に含まれる温度に予熱される懸濁液は、ポンプを用いて8バールと100バールとの間に、好ましくは30バールと65バールとの間に含まれる反応圧力に至らされる(例えば、代替のピストン・ポンプ、代替の平面又は管状膜ポンプ、多段遠心機)。
【0032】
代替的に、上記予熱ステップは、少なくとも2回の蒸気噴射を用いて実施される。1回目は、大気又は僅かに高い圧力(好ましくは3バール未満)で実施されて、したがって廃棄物を少なくとも70°Cの、好ましくは90°Cと110°Cとの間に含まれる温度に至らせ、2回目の噴射は、直火によって、透熱性オイル(diathermic oil)又は電気抵抗で加熱される適切な蒸発器内の脱塩水から生成される高圧蒸気(少なくとも反応器運転圧力を上回る蒸気圧力)でなされて、したがって廃棄物を180°Cと260°Cとの間に含まれる温度に至らせる。
【0033】
上記少なくとも1回の高圧蒸気噴射は、反応器に懸濁液を送り込む前に且つ/又は反応器自体で且つ/又は酸素供給管路で行われてもよい。
【0034】
有利には、本出願人は、本発明に係る方法が、いかなる主要汚損問題及び/又は底部への固形物の堆積も示すことなく、反応器が長期間にわたって定期的に動くようにすることを発見した。
【0035】
事実、本発明に係る方法によって、詳細には熱交換器を使用する代わりに高圧蒸気の直接噴射を用いて加熱を実施することによって、熱交換器汚損と関連付けられる問題を排除することが可能である。
【0036】
本発明に係る方法において、酸化気体として酸素又は空気が使用されてもよい。好ましくは、酸素である。
【0037】
有利には、酸化剤としての純酸素の使用は、より小型且つ低運転圧反応器を使用することを可能にして、したがって空気を使用することによって達成されるものであるものに関して、より低い排気ガス及びより良好な排気使用を得る。
【0038】
(空気よりむしろ)燃焼助剤(comburent)としての純酸素の使用は、反応熱の動態及び使用を改善するが、しかしながら、適切に扱われなければ、それはより大きな安全上の危険性を呈する可能性がある。
【0039】
これは、他の湿式酸化技術では、単流施設に対して並びに中/低温度及び圧力条件下で動く施設に対してだけ、酸素が使用されることを意味する。
【0040】
過渡状態は無反応と安定した反応との間で管理されなければならないので、始動段階はこの観点から明らかに最も敏感であり、これらの困難な状況では、反応器内の酸素濃度は制御するのが困難であることがあり、そして施設の反応器又は他の部品にチタンでできている構成要素がある場合、これは一過性の気相反応又は燃焼反応を発生させることがある。
【0041】
更なる好ましい実施例において、本発明に係る方法は、ステップa)の上流で、水、圧縮空気及び高圧蒸気を、反応温度及び圧力が達されるまで、30及び80バールの間に含まれる圧力で反応器に送り込むステップa)を更に含む。
【0042】
有利には、ステップa)による始動は、通常の供給配管路を通じて又は特別に設けられた機器及び配管路を通じて施設給水ポンプ(遠心、又は代替のピストン及び/若しくは膜ポンプ)を用いて浄水を供給して実施される。同時に、適切な高圧圧縮機を用いた圧縮空気、及び高圧蒸気が、反応温度及び圧力が達されるまで送り込まれる。
【0043】
本出願人は、本発明に係る方法の上記の特定の特徴のため、以下を含む多数の非常に有益な技術的効果を達成することが可能であることも発見した:
- 様々な種類の液体の(廃水)及び濃厚な(汚泥)廃棄物の混合物を、同じ施設で同時に処理することができること、
- 腐食の潜在危険性をもたらす可溶性塩(まず第一に塩化物)の含有量が高い廃水を施設に安全に送り込むことができること、
- 熱交換器での予熱と適合しない特性を有する廃水の一部分を反応器に直接送り込むことができること、
- 各施設構成要素(熱交換器、容器、弁)の表面への相当な析出物を生じさせるおそれがある不溶性塩及び化合物の含有量が高い廃水を施設に送り込むことができること、
- 各施設構成要素(熱交換器、容器、弁)の表面上に析出する固体化合物を、加熱中に生成する有機及び/又は無機固形物を含有する廃水を供給することができること。
【0044】
本発明に係る方法の更なる実施例において、5及び18%の間に、好ましくは7及び15%の間に含まれる総乾物量(TDM)、並びに10,000及び150,000mg/lの間に、好ましくは30,000及び150,000mg/lの間に含まれるCODを有する、少なくとも2つの廃棄物のポンプ圧送可能な懸濁液は、
- 少なくとも1つの撹拌器を備える少なくとも1つの混合タンクに送り込まれた、15及び40%の間に含まれるTDMを有する有機固体汚泥、並びに10,000及び120,000mg/lの間に、好ましくは30,000及び120,000mg/lの間に含まれるCODを有する廃水から生成される、1%と18%との間に含まれるTDMを有する汚泥懸濁液を送り込むステップと、
- 5及び18%の間に、好ましくは7及び15%の間に含まれるTDM、並びに10,000及び150,000mg/lの間に、好ましくは30,000及び150,000mg/lの間に含まれるCODを有するポンプ圧送可能な懸濁液を生成するのに十分な速度で上記汚泥及び廃水を混合するステップと、
- 上記ポンプ圧送可能な懸濁液を少なくとも1つの貯蔵タンクに送り込み、そして上記懸濁液を、それを安定に保つのに十分な速度で混合するステップと、
- 上記貯蔵タンクから少なくとも2つの廃棄物の上記ポンプ圧送可能な懸濁液を排出し、そして除染されることになる上記懸濁液を反応器に送り込むステップと、によって生成される。
【0045】
有利には、除染されることになる懸濁液の準備において、精製水が処理される必要がある液体廃棄物と置き換えられ、したがって2種類の廃棄物、汚泥及び液体廃棄物が同じ施設で処理されるので、技術的及び経済的観点の両方から最適化を達成する。
【0046】
その第2の態様によれば、本発明は、上記した湿式酸化法を実施するのに有用な請求項10に記載の装置に関する。本装置の好ましい特徴が本発明による従属請求項に述べられる。
【0047】
より詳細には、本発明に係る、除染されることになる多流廃棄物懸濁液の湿式酸化法を実施するための装置は、
- 上端及び下端を備える少なくとも1つの酸化反応器と、
- 5及び18%の間に、好ましくは7及び15%の間に含まれる総乾物量(TDM)、並びに10,000及び150,000mg/lの間に、好ましくは30,000及び150,000mg/lの間に含まれるCODを有する少なくとも2つの廃棄物の上記ポンプ圧送可能な懸濁液を、少なくとも70°Cの温度で且つ8バールと100バールとの間に、好ましくは30バールと65バールとの間に含まれる圧力で上記反応器に送り込むためであり、少なくとも1つの第1の混合エジェクタが設けられている上記懸濁液のための入口を備える、手段と、
- 酸素及び高圧水蒸気を含む気相を、8バールと100バールとの間に、好ましくは30バールと65バールとの間に含まれる圧力で、且つ150°Cと315°Cの間に、好ましくは200°Cと260°Cとの間に含まれる温度で上記反応器内部に噴射するためであり、少なくとも1つの第2の混合エジェクタが設けられている上記気相のための入口を備える、手段と、
- 反応器の下端から除染懸濁液を除去するのに適する手段と、
- 反応器の上端から排気を除去するのに適する手段と、を備える。
【0048】
有利には、本発明に係る装置は、上記の非常に有利な技術的効果を有する新たな湿式酸化法を実施することを可能にする。
【0049】
好ましい実施例において、除染されることになる少なくとも2つの廃棄物の上記懸濁液を送り込むための上記少なくとも1つの第1の混合エジェクタは、上記反応器の上端に対応して位置付けられる。
【0050】
酸化反応器に送り込まれる液体懸濁液は、反応環境のそれより低い温度であり、したがってより高い密度を有する。周囲の液体より濃厚な液体懸濁液を反応器の頂部から送り込むことは、それの下方向への、すなわち出口に向けた迅速な移動、そして結果的に反応器自体のバイパス(少なくとも部分的)を引き起こす。
【0051】
有利には、送り込まれた懸濁液が作動流体であり、そして反応器に含まれる水が吸引流体である本発明による第1の混合エジェクタの採用は、反応器に既にあるものとの送り込まれた懸濁液の混合を引き起こして、温度、したがって、密度を均一にする。
【0052】
本発明に係る装置によれば、送り込まれた懸濁液の下方へ射流が回避されて、反応環境をより均一にし且つ有害なバイパス効果を回避する。
【0053】
本出願人は、上述の特定の特徴のため、反応器内に位置付けられる静的混合システムの使用と比較して多数の非常に有利な技術的効果を達成することが可能であることも発見した。
【0054】
事実、そのような静的システムは、蓄積して体積を占め且つ同反応器の機能性を低下させる、表面上の固体析出物の形成を許容するものである。
【0055】
好ましい実施例において、酸素及び高圧蒸気を噴射するための上記少なくとも1つの第2の混合エジェクタは、上記反応器の下端に対応して位置付けられる。
【0056】
本発明に係る装置によれば、上方への迅速な気体上昇は、周囲の液体と比較してそれらの低密度のために、回避される。事実、この速い上昇は、気体と液体との間の接触時間を減少させ、そして反応の効率を実質的に低下させるものである。
【0057】
本出願人は、反応器内で循環する相のための静的混合システムの使用が、上方への迅速な気体上昇及び上述の問題を防止するものでないことも発見した。
【0058】
有利には、供給された気体が作動流体であり、そして反応器に含まれる水が吸引流体である第2の混合エジェクタの採用は、送り込まれた気体及び反応器に存在する水の激しい混合を可能にして、酸素を効果的に分散させ、そして反応流体の温度を均一にする。
【0059】
好ましくは、酸素供給は気体又は液体状態であってもよい。
【0060】
気体酸素供給は、適切な圧縮機(代替のピストン、又は膜、又は遠心圧縮機)を用いて得られることができる。
【0061】
液体酸素供給は、その代わりに、低温ポンプを用いて得られることができる。そのような液体供給が特に好まれる。
【0062】
好ましい実施例において、高圧水蒸気を噴射するための手段は、少なくとも1つの高圧蒸気発生器(例えば、蒸発器)を備える。
【0063】
好ましくは、上記懸濁液のための入口は、反応器の上端に位置付けられる。
【0064】
好ましくは、酸素及び高圧蒸気を含む気相のための入口は、反応器の下端に位置付けられる。
【0065】
特殊合金被覆材料でできている反応器に関しては、端からの入口が好まれる。
【0066】
代替的に、懸濁液及び気相のための入口は、反応器に側面から位置付けられる。
【0067】
完全に特殊合金でできている反応器に関しては、側方入口が好まれる。
【0068】
好ましい実施例において、除染懸濁液のための出口は、酸素及び蒸気を含む気相の入口と同軸でもよい。
【0069】
好ましい実施例において、本発明に係る装置は、少なくとも2つの廃棄物の懸濁液を少なくとも70°Cの、好ましくは90°Cと110°Cとの間に含まれる温度で予熱するための手段を更に備える。この目的で使用されることができる手段の実例は、適切な熱交換器又は低圧蒸気の直接噴射を含む。両システムとも、酸化反応によって生成される熱の一部を効率的に回収することができる。
【0070】
更なる好ましい実施例において、本発明に係る装置は、予熱懸濁液を8バールと100バールとの間に、好ましくは30バール及び65バールとの間に含まれる値に加圧するための手段を更に備える。その目的で使用されることができる手段の実例は、例えば、ポンプ(例えば、代替のピストン、代替の平面又は管状膜、又は多段渦巻きポンプ)を含む。
【0071】
好ましい実施例において、反応器の上下端は、平面でも、凸面でも、楕円でも又は球面でも、溶接されても又はフランジ付きでもよい。
【0072】
好ましくは、上記反応器は、従来の接合によって接合された、2つの重ね合わされた部品で製造されており、その底部がチタン合金でできているか又は内部被覆され、そして上部はニッケル合金でできているか又は内部被覆されている。
【0073】
そのような装置は、したがって、本出願人名義の欧州特許出願第1611947号に記載されているものなどのコーティングと組み合わせて使用されてもよく、同出願内容が参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0074】
好ましい実施例において、上記の始動ステップを実施するための本発明に係る装置は、水、圧縮空気及び高圧蒸気を、温度及び反応圧力が達されるまで反応器に送り込むための手段を更に備える。
【0075】
反応器に浄水を送り込むための手段の実例は、特別に設けられた機器及び配管路でもよく、又は懸濁液を送り込むために使用される配管路及び機器が使用される。
【0076】
反応器に圧縮空気を送り込むための手段の実例は、必要とされる吐出圧力に応じて回転可能な又は代替の圧縮機でもよい高圧圧縮機である。
【0077】
反応器に高圧蒸気を送り込むための手段の実例は、高圧蒸気発生器(例えば、直火ボイラ、透熱性オイルによって加熱される蒸発器、又は電気加熱蒸発器)である。
【0078】
更なる好ましい実施例において、本発明に係る装置は、5及び18%の間に、好ましくは7及び15%の間に含まれる総乾物量(TDM)、並びに10,000及び150,000mg/lの間に、好ましくは30,000及び150,000mg/lの間に含まれるCODを有する、少なくとも2つの廃棄物の上記ポンプ圧送可能な懸濁液を生成するための手段であって、
- 15及び40%の間に含まれるTDMを有する有機固体汚泥、並びに10,000及び120,000mg/lの間に、好ましくは30,000及び120,000mg/lの間に含まれるCODを有する廃水から生成される、1及び18%の間に含まれるTDMを有する汚泥を、5及び18%の間に、好ましくは7及び15%の間に含まれるTDM、並びに10,000及び150,000mg/lの間に、好ましくは30,000及び150,000mg/lの間に含まれるCODを有するポンプ圧送可能な懸濁液を生成するのに十分な速度で混合するための少なくとも1つの第1の撹拌器を備える少なくとも1つの混合タンク(パルパ)と、
- 上記ポンプ圧送可能な懸濁液を、それを安定に保つのに十分な速度で混合するための少なくとも1つの第2の撹拌器を備える少なくとも1つの貯蔵タンクと、を備える手段を更に備える。
【0079】
少なくとも1つの第1の撹拌器を備える混合タンクとして、パルパ(通常、紙、セルロース・パルプ、石灰石、粘土などといった固体材料を水又は別の液体中で「パルプ化」するために使用される)が200及び400rpmの間に含まれる速度で使用されてもよい。
【0080】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の図面を参照しつつ、例証的且つ非限定的な実例を通じて以下になされる、そのいくつかの好ましい実施例の以下の説明によってより良く例示されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1】本発明の方法に係る湿式酸化のための装置の概略図である。
図2】本発明の方法に係る湿式酸化のための装置の概略図である。
図3】本発明に係る方法の始動段階の概略図である。
図4】本発明の方法によって除染されることになるポンプ圧送可能な懸濁液を生成するための装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
以下の説明では、図を例示するために、同じ意味を示すために同一の参照番号が使用される。
【0083】
特定の組合せから生じる特定の利点から恩恵をうけなければならない場合、前述の説明に従って、個々の実施例における異なる特徴が、所望の通り、組み合わされてもよい。
【0084】
図1を参照すると、本発明に係る方法は、上端2a及び下端2bを備える少なくとも1つの酸化反応器2から構成される装置1を用いて実施される。
【0085】
反応器2の上2a及び下2b端は、平面でも、凸面でも、楕円でも又は球面でも、溶接されても又はフランジ付きでもあり得る。
【0086】
湿式酸化反応器2において、5及び18%の間に、好ましくは7及び15%の間に含まれる総乾物量(TDM)、並びに10,000及び150,000mg/lの間に、好ましくは30,000及び150,000mg/lの間に含まれるCODを有する、少なくとも2つの廃棄物のポンプ圧送可能な懸濁液3が、反応器の上端2aに対応して位置付けられる、少なくとも1つの第1の混合エジェクタ3bが設けられている入口3aを用いて、少なくとも70°Cの温度で、且つ8バールと100バールとの間に、好ましくは30バールと65バールとの間に含まれる圧力で送り込まれる。
【0087】
同時に、酸素4’及び高圧水蒸気4’’を含む気相4が、反応器の下端2bに対応して位置付けられる、少なくとも1つの第2の混合エジェクタ4bが設けられている入口4aを用いて、8バールと100バールとの間に、好ましくは30バールと65バールとの間に含まれる圧力で、且つ150°Cと315°Cの間に、好ましくは200°Cと260°Cとの間に含まれる温度で反応器内に噴射される。
【0088】
特殊合金被覆材料でできている反応器に関しては、端からの入口3a、4aが好まれる。
【0089】
好ましくは、高圧蒸気4’’は、高圧蒸気発生器(例えば、蒸発器)(図1に図示せず)によって生成される。
【0090】
好ましくは、気体酸素供給4’が適切な圧縮機(代替のピストン、又は膜、又は遠心圧縮機)を用いて得られることができる。代替的に、液体酸素供給4’が低温ポンプ(図1に図示せず)を用いて得られることができる。
【0091】
図1は、反応器の上端2aからの排気6の除去に適する配管路5、及び反応器の下端2bからの除染懸濁液8の除去に適する配管路7を図示する。
【0092】
好ましい実施例において、除染懸濁液8のための出口7は、気相4のための入口4aと同軸でもよい(図1に図示せず)。
【0093】
そのような反応器2は、本発明に係る湿式酸化法を実施するために、本質的に既に多くの利点を有している。しかしながら、そのような反応器が、本出願人名義の欧州特許出願第1611947号に記載されているものなどのコーティングと組み合わせて使用されれば、更なる利点が得られることがあり、同出願内容が参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0094】
そのようなコーティングは、それが少なくとも2つの異なる金属合金を含んでおり、第1の合金がチタン及びその合金(例えばチタン-パラジウム、チタン-アルミニウム-バナジウム、チタン・ニオブ合金、及びその混合物)を含む群から選択され、そして第2の合金がニッケル合金(例えば、ニッケル-クロム、ニッケル-クロム-モリブデン、ニッケル-クロム-鉄合金)から成る群から選択されるという点を特徴とする。
【0095】
好ましい実施例において、コーティングは基本的に適切な厚みの非重畳面から成っており、第1の面は好ましくはチタン又はその合金から構成され、そして第2の面は好ましくはニッケル合金から構成される。
【0096】
有利には、コーティング膜厚は全ての領域で均一でなくてもよく、いずれにせよ、それは少なくとも0.75mmであり、好ましくは0.75及び12.7mmの間に含まれ、より好ましくは5mmに等しい。
【0097】
特に好ましい実施例において、反応器の下部がチタン又はその合金によって被覆され、そして反応器の上部はニッケル合金によって被覆される。
【0098】
有利には、チタンは特に腐食に抵抗する。
【0099】
ニッケル合金は、その代わりに、高酸素濃度の気体及び蒸気環境で特に安定である。
【0100】
好ましい実施例によれば、反応器の2つの上下領域は別々に作られ、次いで結合及び/又はフランジを用いた封止など、当該技術で知られており且つこの目的で使用される任意の方法によって接合される。
【0101】
好ましい実施例によれば、チタン被覆面積は有利には、内部反応器容積の5%と95%との間に含まれ、そしてニッケル被覆領域は有利には、i内部反応器容積の5%と95%との間に含まれる。2つの被覆面積の好ましい比率は10/90及び20/80であり、最大部分は等しくチタン又はニッケルでもよい。
【0102】
代替的に、本発明に係る湿式酸化反応器は完全に、ニッケル及び/又はチタンベースの特殊合金でできていてもよい。
【0103】
図2を参照すると、10は、上端20a及び下端20bを備える少なくとも1つの酸化反応器20から成る本発明の代替の実施例に係る装置を全体的に指しており、懸濁液3のための入口30a並びに、酸素4’及び高圧水蒸気4’’を含む気相4のための入口40aが反応器20に側面から位置付けられる。
【0104】
同じ参照番号は、図1に報じられたのと同じ意味を有する。
【0105】
完全に特殊合金でできている反応器に関しては、側方出入口30a、40aが好まれる。
【0106】
図3を参照すると、本発明に係る方法の始動段階は、水3’、圧縮空気4’’’及び高圧蒸気42を、反応温度及び圧力が達されるまで、30バールと80バールとの間に含まれる圧力で反応器2に(又は図3に図示されない反応器20に)送り込むことによって実施される。
【0107】
好ましくは、通常の供給配管路30を通じて施設給水ポンプ(遠心、又は代替のピストン及び/若しくは膜ポンプ)(図3に図示せず)を用いて浄水3’供給が実施される。
【0108】
代替的に、特別に設けられた機器及び配管路(図3に図示せず)を用いて供給が実施される。同時に、圧縮空気4’’が適切な高圧圧縮機(例えば、回転可能な又は代替の圧縮機)を用いて、及び高圧蒸気4’’が高圧蒸気発生器(例えば、直火ボイラ、透熱性オイルによって加熱される蒸発器、又は電気加熱蒸発器)(図3に図示せず)を用いて、反応温度及び圧力が達されるまで酸素配管路40を通じて送り込まれる。
【0109】
一旦反応条件が達されると、少なくとも2つの廃棄物3の懸濁液が定常流量で、及び酸素4’が増加性流量で、予定の量が達されるまで送り込まれる。反応器では、浄水3’が次いで、酸素4’と反応する廃棄物3と徐々に置き換えられて、酸化懸濁液(除染された)8を与え、反応器の下端2bから(又は図3に図示されない反応器の下端20bから)抽出され、そして排気6が反応器の上端2aから(又は図3に図示されない反応器の上端20aから)抽出される。
【0110】
図4を参照すると、5及び18%の間に、好ましくは7及び15%の間に含まれる総乾物量(TDM)、並びに10,000及び150,000mg/lの間に、好ましくは30,000及び150,000mg/lの間に含まれるCODを有する、少なくとも2つの廃棄物のポンプ圧送可能な懸濁液3を生成するための装置100は、少なくとも1つの第1の撹拌器111を備える少なくとも1つの混合タンク110(例えば、パルパ)を含んでおり、15及び40%の間に含まれるTDMを有する有機固体汚泥113、並びに10,000及び120,000mg/lの間に、好ましくは30,000及び120,000mg/lの間に含まれるCODを有する廃水114から生成される、1及び18%の間に含まれるTDMを有する汚泥112が送り込まれる。
【0111】
上記少なくとも1つの混合タンク110では、5及び18%の間に、好ましくは7及び15%の間に含まれるTDM、並びに10.000及び150.000mg/lの間に、好ましくは30.000及び150.000mg/lの間に含まれるCODを有するポンプ圧送可能な懸濁液115を生成するのに十分な速度で、混合が実施される。好ましくは、200及び400rpmの間に含まれる速度で。
【0112】
ポンプ圧送可能な懸濁液115は次いで、混合タンク110から排出され、そして少なくとも1つの第2の撹拌器117を備える少なくとも1つの貯蔵タンク116に送り込まれる。
【0113】
上記ポンプ圧送可能な懸濁液115を、それを安定に保つのに十分な速度で混合した後に、ポンプ圧送懸濁液3は、貯蔵タンク116から排出され、そして反応器2、20に送り込まれる。
図1
図2
図3
図4