(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】消化管における疾患の適合的治療のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61H 21/00 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
A61H21/00
(21)【出願番号】P 2019536346
(86)(22)【出願日】2017-09-14
(86)【国際出願番号】 IB2017055565
(87)【国際公開番号】W WO2018055487
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-09-10
(32)【優先日】2016-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】201721046328.2
(32)【優先日】2017-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519098796
【氏名又は名称】ヴァイブラント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ベン―ツール,リオール
(72)【発明者】
【氏名】モルナール,シャイ
(72)【発明者】
【氏名】シャバット,ロニ
(72)【発明者】
【氏名】ランペルト,シャロム
【審査官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-512664(JP,A)
【文献】特表2013-535756(JP,A)
【文献】特開2010-246703(JP,A)
【文献】特開2002-163359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の消化(GI)管内における疾患の治療のためのシステムであって、前記システムは、
前記被検者、前記被検者を治療する医師、及び前記被検者の介護人のうちの少なくとも1人から入力を受信するように適合された少なくとも1つの入力モジュールと、
前記被検者についての被検者プロファイルを記憶するように適合されたコンピュータ可読メモリであって、前記被検者プロファイルは、前記少なくとも1つの入力モジュールによって初期入力として受信された被検者データを含む、コンピュータ可読メモリと、
前記消化管における疾患に対して治療された被検者に
、前記被検者に対して使用された治療手順に
、及び特定の治療手順を用いる少なくとも1人の特定の被検者の治療に対する前記少なくとも1人の特定の被検者の反応に関連するデータを含むデータベースと、
第1の治療手順において定義された第1の振動手順を実施するように活性化されるように適合され、動作モードにおいて、前記第1の振動手順に従って前記被検者のGI管の壁に振動を伝達し、それによって前記被検者を治療するように適合された第1の振動摂取可能カプセルと、
第2の治療手順において定義された第2の振動手順を実施するようにプログラム及び活性化されるように適合され、動作モードにおいて、前記第2の振動手順に従って前記被検者のGI管の壁に振動を伝達し、それによって前記被検者を治療するように適合された第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルと、
前記少なくとも1つの入力モジュール、前記コンピュータ可読メモリ、及び前記データベースと機能的に関連付けられたプロセッサと、
前記プロセッサに、前記被検者の体から前記第1の振動摂取可能カプセルを排出することに関する情報を提供するように適合された少なくとも1つのセンサと、
を備え、
前記少なくとも1つの入力モジュールは、前記第1の治療手順に従った治療に対する前記被験者の反応に関するフィードバックを受信するように適合され、
前記プロセッサは、前記排出することに関する情報及び前記フィードバックのうちの少なくとも1つに基づいて、
前記データベースに含まれるデータに基づいて、更新され推薦された治療手順についての更新された推薦を自動で取得することであって、前記データは、前記被検者のうちの少なくとも1人の他の被検者に関連することと、
前記第2の振動手順を実施するべく前記第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルのプログラミングに作用することであって、前記第2の治療手順は、前記更新され推薦された治療手順に基づいて前記第2の振動手順を含めることと、
を行うように構成される、システム。
【請求項2】
前記第1の振動摂取可能カプセルは、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルを含み、
前記プロセッサは更に、
前記被検者データに含まれる少なくとも1つの特質に基づいて、初期の推薦された治療手順についての初期推薦を取得し、
前記初期の推薦された治療手順に基づいて、前記第1の治療手順を生成し、
前記第1の治療手順の生成の後に、前記第1の振動手順を実施するように前記第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルのプログラミングに作用するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは更に、
意思決定者に前記更新され推薦された治療手順を提供し、
前記意思決定者から、前記第2の治療手順が前記更新され推薦された治療手順と同一であるべきか否かのインジケーションを受信し、
前記インジケーションが、前記更新され推薦された治療手順に修正が必要とされることを示す場合、前記第2の治療手順を生成するべく、必要とされる修正に従って前記更新され推薦された治療手順を修正する、
ように構成される、請求項1乃至
2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、前記プロセッサと、及び少なくとも1つの第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルと機能的に関連付けられたカプセル制御ユニットを更に備え、前記カプセル制御ユニットは、前記プロセッサから前記第2の振動手順を受信し、前記第2の振動手順を実施するべく前記第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルをプログラムするように適合される、請求項1乃至
3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、便秘の治療のために適合され、前記フィードバックは、
前記第1の治療手順に従った治療の間又はその後、前記被検者が排便を経験した時間を示す、前記被検者から受信されたフィードバックと
、
前記第1の治療手順に従った治療の間又はその後、前記被検者によって排泄された排泄物の少なくとも1つの特質を示す、前記被検者から受信されたフィードバックと、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1乃至
4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記排出することに関する情報は、
前記第1の振動摂取可能カプセルが前記被検者の体から排出された時間と、
前記第1の振動摂取可能カプセルの識別と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセンサは、
前記被検者の体からの前記第1の振動摂取可能カプセルの排出の後で前記第1の振動摂取可能カプセルを識別するように適合されたカプセル識別機構を含む便器取付センサを含む、請求項1乃至
6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記便器取付センサは更に、
便器内に取り付けられ、その中に排泄物を受けるように適合されたレセプタクルであって、前記レセプタクルは、
第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、及び第4の側壁であって、前記第1の側壁及び前記第4の側壁は、全体的に相互に反対にあり、前記第2の側壁及び前記第3の側壁は、全体的に相互に反対にあり、前記第3の側壁は、側壁の入口を含む、第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、及び第4の側壁と、
前記第1の側壁、前記第2の側壁、前記第3の側壁、及び前記第4の側壁に取り付けられた床面であって、前記床面は、前記レセプタクルからの排泄物の除去のために適切な開口を含むワイヤフレーム又はメッシュを含む、床面と、
を含む、レセプタクルと、
前記レセプタクルに対して移動可能であり、前記レセプタクルの中身を押し出すように適合された押し出し機構であって、前記押し出し機構は、移動可能な入口を含む、押し出し機構と、
前記レセプタクルから前記摂取可能カプセルを解放するためのカプセル解放機構と、
前記押し出し機構、前記カプセル解放機構、及び前記カプセル識別機構の動作を制御するためのコントローラと、
を備え、
前記カプセル識別機構は、前記押し出し機構が前記第3の側壁に隣接するときに、前記側壁の入口と前記移動可能な入口との間で形成された孔を含み、前記孔は、前記摂取可能カプセルを包囲するために適切である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサは更に、前記第1の治療手順に従った治療に対する前記被検者の反応を反映するべく前記データベースを更新するために、前記被検者データ及び受信されたフィードバックを使用するように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、医療デバイス及び治療システムに関し、特に、1つ又は複数の前の治療手順への被検者の反応に影響される消化(GI)管に導入可能な、摂取可能カプセルの治療手順に適合する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の実施形態に従って、人間の被検者の消化管における疾患の治療のための方法が提供され、方法は、
(a)第1の治療手順において定義された第1の振動手順を実行するように第1の振動摂取可能カプセルを活性化することであって、第1の振動手順は、被検者のGI管の壁に振動を伝達して、被検者を治療することを含む、活性化することと、
(b)第1の治療手順に従った治療への被検者の反応に関するフィードバックを受信することと、
(c)少なくともフィードバックに基づいて、更新され推薦された治療手順についての更新された推薦を取得することと、
(d)第2の治療手順において定義された第2の振動手順を実施するように第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルをプログラムすることであって、第2の治療手順は、更新され推薦された治療手順に基づいている、プログラムすることと、
(e)第2の振動手順を実施するように第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルを活性化することであって、第2の振動手順は、被検者のGI管の壁に振動を伝達して、被検者を治療することを含む、活性化することと、
を含み、
更新された推薦は、データベースに含まれるデータに基づいて電子的に取得され、データは、少なくとも1つの他の被検者に関連する。
【発明の概要】
【0003】
一部の実施形態では、第1の振動摂取可能カプセルは、第1の振動手順を実施するようにプログラムされた、プログラムされたカプセルを含む。
【0004】
一部の実施形態では、第1の振動摂取可能カプセルは、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルを含む。
【0005】
一部の実施形態では、方法は更に、(a)の前に、(f)第1の振動手順を実施するように第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルをプログラムすることを含む。
【0006】
一部の実施形態では、第1の振動手順は、デフォルトの振動手順を含む。一部の実施形態では、第1の治療手順は、デフォルトの治療手順を含む。
【0007】
一部の実施形態では、方法は更に、(f)の前に、
(g)被検者から、被検者データを含む初期入力を受信することと、
(h)被験者データに含まれる少なくとも1つの特質に基づいて、初期の推薦された治療手順についての初期推薦を取得することと、
(i)初期の推薦された治療手順に基づいて、第1の治療手順を生成することと、を含み、
初期推薦及び更新された推薦のうちの少なくとも1つは、データベースに含まれるデータに基づいて電子的に取得され、データは、少なくとも1人の他の被検者に関連する。
【0008】
一部の実施形態では、被検者データは、被検者の人口学的情報、医療情報、及び治療履歴のうちの少なくとも1つを含む。
【0009】
一部の実施形態では、データベースに含まれるデータは、少なくとも1人の他の被検者ごとの、人口学的情報、医療情報、及び治療履歴情報のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、人口学的情報は、性別、年齢、誕生日、及び地理的位置のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、医療情報は、消化管の疾患に関連する情報、慢性疾患に関連する情報、及び定期的な投薬に関連する情報のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、治療履歴は、使用される治療手順に関連する情報、及び治療手順による治療への少なくとも1人の他の被検者の反応に関連する情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
一部の実施形態では、初期推薦を取得することは、
受信された被検者データから被検者の少なくとも1つの特質を選択することと、
データベースにおいて、被検者と少なくとも1つの特質を共有する他の被検者の治療のために使用された治療手順を識別することと、
治療手順を初期の推薦された治療手順として推薦することと、
を含む。
【0011】
一部の実施形態では、少なくとも1つの特質を選択することは、被検者の少なくとも2つの特質を選択することを含み、識別することは、データベースにおいて、被検者と少なくとも2つの特質の各々を共有する他の被検者の治療のために使用された治療手順を識別することを含む。
【0012】
一部の実施形態では、識別することは、データベースにおいて、他の被検者の治療のために成功して使用された治療手順を識別することを含む。
【0013】
一部の実施形態では、方法は更に、(h)に続いて、及び(i)の前に、
意思決定者に初期の推薦された治療手順を提供することと、
意思決定者から、第1の治療手順が初期の推薦された治療手順と同一であるべきか否かのインジケーションを取得することと、
を含む。
【0014】
一部の実施形態では、方法は更に、意思決定者から取得されたインジケーションが、第1の治療手順が初期の推薦された治療手順と同一であるべきでないことを示す場合、
意思決定者から、初期の推薦された治療手順に対して行われることになる少なくとも1つの変更を取得することと、
初期の推薦された治療手順に少なくとも1つの変更を適用して、第1の治療手順を取得することと、
を含む。
【0015】
一部の実施形態では、意思決定者は医師である。
【0016】
一部の実施形態では、意思決定者は、電子意思決定者を含む。一部の実施形態では、電子意思決定者から取得された少なくとも1つの変更は、初期の推薦された治療手順を電子的に変更するための予め定められた制約内にある。一部の実施形態では、予め定められた制約は、被検者データにおいて定義される。
【0017】
一部の実施形態では、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルをプログラムすることは、
第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルと機能的に関連付けられたカプセル制御ユニットに第1の振動手順を提供することと、
カプセル制御ユニットが、第1の振動手順を実施するように第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルをプログラムすることと、
を含む。
【0018】
一部の実施形態では、プログラムすることは、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルに第1の振動手順をリモートに送信することを含む。一部の実施形態では、リモートに送信することは、短距離無線通信方法を使用して第1の振動手順を送信することを含む。一部の実施形態では、第1の振動手順をリモートに送信することは、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルに、第1の振動手順に作用するための振動パラメータのリストを送信することを含む。一部の実施形態では、第1の振動手順をリモートに送信することは、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルに、第1の振動手順に作用するための実行可能コードを送信することを含む。
【0019】
一部の実施形態では、第1の振動摂取可能カプセルを活性化することは、第1の振動手順に即時に作用することを開始するように第1の振動摂取可能カプセルのタイマを活性化することを含む。一部の実施形態では、第1の振動摂取可能カプセルを活性化することは、被検者による第1の振動摂取可能カプセルの摂取を識別し、第1の振動摂取可能カプセルの摂取の識別の直後に、第1の振動手順に作用することを開始するように第1の振動摂取可能カプセルを活性化することを含む。
【0020】
一部の実施形態では、フィードバックを受信することは、被検者から、第1の治療手順に従って、治療の間、又は治療に続いて、被検者が排便を経験した時間を示すフィードバックを受信することを含む。一部の実施形態では、フィードバックを受信することは、被検者から、第1の治療手順に従って、治療の間、又は治療に続いて、被検者によって経験された物理的感覚を示すフィードバックを受信することを含む。一部の実施形態では、フィードバックを受信することは、被検者から、第1の治療手順に従って、治療の間、又は治療に続いて、被検者によって経験された排泄物の少なくとも1つの特質を示すフィードバックを受信することを含む。
【0021】
一部の実施形態では、フィードバックを受信することは、少なくとも1つのセンサから、被検者の体から第1の振動摂取可能カプセルを排出することに関する情報を受信することを含む。一部の実施形態では、排出することに関する情報は、第1の振動摂取可能カプセルが被検者の体から排出された時間を含む。一部の実施形態では、排出することに関する情報は、第1の振動摂取可能カプセルの識別を含む。一部の実施形態では、識別は、第1の振動摂取可能カプセルの識別番号、RFID、バーコード、及び特定の寸法のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
一部の実施形態では、フィードバックを受信することは更に、少なくとも1つのセンサから、被検者の体から排泄された排泄物の少なくとも1つの特質に関する情報を受信することを含む。
【0023】
一部の実施形態では、少なくとも1つのセンサは、便器取付センサを含み、センサから情報を受信することは、
便器取付センサにおいて、被検者の体から排出された第1の振動摂取可能カプセル及び排泄物のうちの少なくとも1つを識別することと、
便器センサにおいて、第1の振動摂取可能カプセルを排出することに関する情報、又は排出された排泄物を排出することに関する情報を収集することと、
便器取付センサから情報を送信することと、
を含む。
【0024】
一部の実施形態では、フィードバックを受信することは、医師又は被検者の介護人のうちの少なくとも1人から、第1の治療手順に従った治療への被検者の反応に関するフィードバックを受信することを含む。
【0025】
一部の実施形態では、フィードバックを受信することは、
被検者から、第1の治療手順に従って、治療の間、又は治療に続いて、被検者が排便を経験した時間及び排出された排泄物の特質のうちの少なくとも1つを示すフィードバックを受信することと、
少なくとも1つのセンサから、第1の振動摂取可能カプセルが被検者の体から排出された時間及び被検者の体から排出された排泄物の特質のうちの少なくとも1つを示す情報を受信することと、
を含み、
更新された推薦を取得することは、
被検者から受信されたフィードバックを少なくとも1つのセンサから受信された情報と比較することと、
比較に基づいて、被検者から受信されたフィードバックに信頼性重みを割り当てることと、
更新された推薦を取得するためにフィードバックを使用するとき、ユーザによって受信されたフィードバックの信頼性重みを考慮することと、
を含む。
【0026】
一部の実施形態では、更新された推薦を取得することは、
受信された被検者データ及び受信されたフィードバックのうちの少なくとも1つから、被検者の少なくとも1つの特質を選択することと、
データベースにおいて、被検者と少なくとも1つの特質を共有する他の被検者の治療のために使用された治療手順を識別することと、
治療手順を更新され推薦された治療手順として推薦することと、
を含む。
【0027】
一部の実施形態では、少なくとも1つの特質を選択することは、受信されたフィードバックから、第1の振動摂取可能カプセルによる治療への被検者の反応に関連する少なくとも1つの他の特質を選択することを含み、識別することは、データベースにおいて、第1の治療手順に従った治療への同様の反応を有する他の被検者の治療のために使用された治療手順を識別することを含む。
【0028】
一部の実施形態では、識別することは、データベースにおいて、他の被検者の治療のために成功して使用された治療手順を識別することを含む。
【0029】
一部の実施形態では、方法は更に、(c)に続いて、及び(d)の前に、
意思決定者に更新され推薦された治療手順を提供することと、
意思決定者から、第2の治療手順が更新され推薦された治療手順と同一であるべきか否かのインジケーションを取得することと、
を含む。
【0030】
一部の実施形態では、方法は更に、意思決定者から取得されたインジケーションが、第2の治療手順が更新され推薦された治療手順と同一であるべきでないことを示す場合、
意思決定者から、更新され推薦された治療手順に対して行われることになる少なくとも1つの変更を取得することと、
更新され推薦された治療手順に少なくとも1つの変更を適用して、第2の治療手順を取得することと、
を含む。
【0031】
一部の実施形態では、意思決定者は医師である。一部の実施形態では、意思決定者は、電子意思決定者を含む。
【0032】
一部の実施形態では、第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルをプログラムすることは、
第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルと機能的に関連付けられたカプセル制御ユニットに第2の振動手順を提供することと、
カプセル制御ユニットが、第2の振動手順を実施するように第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルをプログラムすることと、
を含む。
【0033】
一部の実施形態では、第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルをプログラムすることは、第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルに第2の振動手順をリモートに送信することを含む。一部の実施形態では、リモートに送信することは、短距離無線通信方法を使用して第2の振動手順を送信することを含む。一部の実施形態では、第2の振動手順をリモートに送信することは、第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルに、第2の振動手順に作用するための振動パラメータのリストを送信することを含む。一部の実施形態では、第2の振動手順をリモートに送信することは、第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルに、第2の振動手順に作用するための実行可能コードを送信することを含む。
【0034】
一部の実施形態では、第2の振動摂取可能カプセルを活性化することは、第2の振動手順に即時に作用することを開始するように第2の振動摂取可能カプセルのタイマを活性化することを含む。一部の実施形態では、第2の振動摂取可能カプセルを活性化することは、被検者による第2の振動摂取可能カプセルの摂取を識別し、第2の振動摂取可能カプセルの摂取の識別の直後に、第2の振動手順に作用することを開始するように第2の振動摂取可能カプセルを活性化することを含む。
【0035】
一部の実施形態では、方法は更に、(c)に続いて、第1の治療手順に従った治療への被検者の反応を反映するようにデータベースに更新するために、被検者から受信された被検者データと共に受信されたフィードバックを使用することを含む。
【0036】
一部の実施形態では、方法は更に、(e)に続いて、ステップ(b)~(e)を繰り返すことを含む。
【0037】
本発明の実施形態に従って、人間の被検者の消化管における疾患の治療のためのシステムが提供され、システムは、
人間、典型的には、被検者、被検者を治療する医師、及び被検者の介護人のうちの少なくとも1人から入力を受信するように適合された少なくとも1つの入力モジュールと、
被検者についての被検者プロファイルを記憶するように適合されたコンピュータ可読メモリであって、被検者プロファイルは、少なくとも1つの入力モジュールによって初期入力として受信された被検者データを含む、コンピュータ可読メモリと、
消化管における疾患に対して治療された被検者及び被検者に対して使用された治療手順に関連するデータを含むデータベースと、
第1の治療手順において定義された第1の振動手順を実施するように活性化されるように適合され、動作モードにおいて、第1の振動手順に従って被検者のGI管の壁に振動を伝達して、被検者を治療するように適合された第1の振動摂取可能カプセルと、
第2の治療手順において定義された第2の振動手順を実施するようにプログラム及び活性化されるように適合され、動作モードにおいて、第2の振動手順に従って被検者のGI管の壁に振動を伝達して、被検者を治療するように適合された第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルと、
少なくとも1つの入力モジュール、コンピュータ可読メモリ、及びデータベースと機能的に関連付けられたプロセッサと、
を含み、
少なくとも1つの入力モジュールは、第1の振動摂取可能カプセルに従った治療への被検者の反応に関するフィードバックを受信するように適合され、
プロセッサは、少なくともフィードバックに基づいて、
データベースに含まれるデータに基づいて、更新され推薦された治療手順についての更新された推薦を自動で取得し、データは、被検者の少なくとも1人の他の被検者に関連し、
第2の振動手順を実施するように第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルのプログラミングに作用し、第2の治療手順は、更新され推薦された治療手順に基づいた第2の振動手順を含む、
ように構成される。
【0038】
一部の実施形態では、第1の振動摂取可能カプセルは、第1の振動手順を実施するようにプログラムされた、プログラムされたカプセルを含む。
【0039】
一部の実施形態では、第1の振動摂取可能カプセルは、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルを含む。
【0040】
一部の実施形態では、プロセッサは更に、第1の振動手順を実施するように第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルのプログラミングに作用するように構成される。
【0041】
一部の実施形態では、第1の振動手順は、デフォルトの振動手順を含む。一部の実施形態では、第1の治療手順は、デフォルトの治療手順を含む。
【0042】
一部の実施形態では、プロセッサは更に、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルのプログラミングに作用する前に、
被検者データに含まれる少なくとも1つの特質に基づいて、初期の推薦された治療手順の初期推薦を取得し、
初期の推薦された治療手順に基づいて、第1の治療手順を生成する、
ように構成され、
プロセッサは、データベースに含まれるデータに基づいて、初期推薦及び更新された推薦のうちの少なくとも1つを電子的に取得するように構成され、データは、被検者の少なくとも1人の他の被検者に関連する。
【0043】
一部の実施形態では、被検者データは、被検者の人口学的情報、医療情報、及び治療履歴情報のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、データベースに含まれるデータは、少なくとも1人の他の被検者ごとの、人口学的情報、医療情報、及び治療履歴情報のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、人口学的情報は、性別、年齢、誕生日、及び地理的位置のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、医療情報は、消化管の疾患に関連する情報、慢性疾患に関連する情報、及び定期的な投薬に関連する情報のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、治療履歴情報は、使用される治療手順に関連する情報、及び治療手順による治療への少なくとも1人の他の被検者の反応に関連する情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0044】
一部の実施形態では、プロセッサは、
被検者データから被検者の少なくとも1つの特質を選択し、
データベースにおいて、被検者と少なくとも1つの特質を共有する他の被検者の治療のために使用された治療手順を識別し、
治療手順を初期の推薦された治療手順として推薦する
ことによって、初期推薦を取得するように構成される。
【0045】
一部の実施形態では、プロセッサは更に、意思決定者に初期の推薦された治療手順を提供し、意思決定者から、第1の治療手順が初期の推薦された治療手順と同一であるべきか否かのインジケーションを取得するように構成される。
【0046】
一部の実施形態では、プロセッサは更に、意思決定者から取得されたインジケーションが、第1の治療手順が初期の推薦された治療手順と同一であるべきでないことを示す場合、意思決定者から、初期の推薦された治療手順に対して行われることになる少なくとも1つの変更を受信し、初期の推薦された治療手順に少なくとも1つの変更を適用して、第1の治療手順を生成する、ように構成される。
【0047】
一部の実施形態では、意思決定者は医師である。
【0048】
一部の実施形態では、意思決定者は、電子意思決定者を含む。一部の実施形態では、電子意思決定者から取得された少なくとも1つの変更は、初期の推薦された治療手順を電子的に変更するための予め定められた制約内にある。一部の実施形態では、予め定められた制約は、被検者データにおいて定義される。
【0049】
一部の実施形態では、システムは更に、プロセッサ及び少なくとも1つの第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルと機能的に関連付けられたカプセル制御ユニットを含み、カプセル制御ユニットは、プロセッサから第2の振動手順を受信し、第2の振動手順を実施するように第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルをプログラムするように適合される。
【0050】
一部の実施形態では、カプセル制御ユニットは、第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルに第2の振動手順をリモートに送信する通信モジュールを含む。一部の実施形態では、カプセル制御ユニットは、短距離無線通信方法を使用して第2の振動手順をリモートに送信するように適合される。一部の実施形態では、カプセル制御ユニットは、第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルに、第2の振動手順に作用するための振動パラメータのリストをリモートに送信するように適合される。一部の実施形態では、カプセル制御ユニットは、第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルに、第2の振動手順に作用するための実行可能コードをリモートに送信するように適合される。
【0051】
一部の実施形態では、第1の振動摂取可能カプセルは、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルを含み、カプセル制御ユニットは、プロセッサから第1の振動手順を受信し、第1の振動手順を実施するように第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルをプログラムするように適合される。
【0052】
一部の実施形態では、カプセル制御ユニットは、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルに第1の振動手順をリモートに送信する通信モジュールを含む。一部の実施形態では、カプセル制御ユニットは、短距離無線通信方法を使用して第1の振動手順をリモートに送信するように適合される。一部の実施形態では、カプセル制御ユニットは、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルに、第1の振動手順に作用するための振動パラメータのリストをリモートに送信するように適合される。一部の実施形態では、カプセル制御ユニットは、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセルに、第1の振動手順に作用するための実行可能コードをリモートに送信するように適合される。
【0053】
一部の実施形態では、フィードバックは、第1の治療手順に従って、治療の間、又は治療に続いて、被検者が排便を経験した時間を示す、被検者から受信されたフィードバックを含む。一部の実施形態では、フィードバックは、第1の治療手順に従って、治療の間、又は治療に続いて、被検者によって経験された物理的感覚を示す、被検者から受信されたフィードバックを含む。一部の実施形態では、フィードバックは、第1の治療手順に従って、治療の間、又は治療に続いて、被検者によって排泄された排泄物の少なくとも1つの特質を示す、被検者から受信されたフィードバックを含む。
【0054】
一部の実施形態では、システムは更に、プロセッサに、被検者の体から第1の振動摂取可能カプセルを排出することに関する情報を提供するように適合された少なくとも1つのセンサを含む。一部の実施形態では、排出することに関する情報は、第1の振動摂取可能カプセルが被検者の体から排出された時間を含む。一部の実施形態では、排出することに関する情報は、第1の振動摂取可能カプセルの識別を含む。一部の実施形態では、識別は、第1の振動摂取可能カプセルの識別番号、RFID、バーコード、及び特定の寸法のうちの少なくとも1つを含む。
【0055】
一部の実施形態では、少なくとも1つのセンサは、プロセッサに、被検者の体から排出された排泄物の少なくとも1つの特質に関する情報を提供するように適合される。
【0056】
一部の実施形態では、センサは、プロセッサにフィードバックとして情報を提供する。
【0057】
一部の実施形態では、少なくとも1つのセンサは、便器取付センサを含む。一部の実施形態では、便器取付センサは、
便器内に取り付けられ、そこで排泄物を受けるように適合されたレセプタクルであって、レセプタクルは、
第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、及び第4の側壁であって、第1の側壁及び第4の側壁は、全体的に相互に反対にあり、第2の側壁及び第3の側壁は、全体的に相互に反対にあり、第3の側壁は、側壁の入口を含む、第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、及び第4の側壁と、
第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、及び第4の側壁に取り付けられた床面であって、床面は、レセプタクルから排泄物を取り除くために適切な開口を含むワイヤフレーム又はメッシュを含む、床面と、
を含む、レセプタクルと、
レセプタクルに対して移動可能であり、レセプタクルの中身を押し出すように適合された押し出し機構であって、押し出し機構は、移動可能な入口を含む、押し出し機構と、
排泄物に含まれる摂取可能カプセルの寸法を測定すること、及び摂取可能カプセルを一意に識別することと、のうちの少なくとも1つをするように適合された、カプセル測定及び/又は識別機構と、
レセプタクルから摂取可能カプセルを解放するカプセル解放機構と、
押し出し機構、カプセル解放機構、並びにカプセル測定及び/又は識別機構の動作を制御するコントローラと、
を含み、
カプセル測定及び/又は識別機構は、押し出し機構が第3の側壁に隣接するとき、側壁の入口と移動可能な入口との間で形成された孔を含み、孔は、摂取可能カプセルを包囲するために適切である。
【0058】
一部の実施形態では、押し出し機構の動きは、レセプタクル内で排泄物に力を加えて、開口を介して取り除くために適切な大きさとされるように排泄物を分解するように適合される。一部の実施形態では、押し出し機構は、排泄物を分解するために、排泄物に加えられた力の量に基づいて、排泄物の少なくとも1つの特質を検知するように適合される。
【0059】
一部の実施形態では、移動可能な入口と側壁の入口との間で形成された孔は、予め定められた断面を有し、予め定められた断面は、レセプタクルに排出されると予想される特定のタイプのカプセルの断面及び直径のうちの少なくとも1つに一致するような適切な大きさとされる。
【0060】
一部の実施形態では、カプセル測定及び/又は識別機構は、第3の側壁上に取り付けられ、押し出し機構の面と第3の側壁との間の係合を検知するように適合された少なくとも1つの第1のセンサを含む。
【0061】
一部の実施形態では、カプセル測定及び/又は識別機構は、側壁の入口上に取り付けられ、カプセルの外側面と側壁の入口の面との間の係合を検知するように適合された少なくとも1つの第2のセンサを含む。
【0062】
一部の実施形態では、カプセル測定及び/又は識別機構は、孔内で捕捉されたカプセルの重みを検知するように適合された重み付け機構を含む。
【0063】
一部の実施形態では、カプセル測定及び/又は識別機構は、孔内で捕捉されたカプセルを一意に識別するように適合されたカプセル識別システムを含む。
【0064】
一部の実施形態では、コントローラは、孔内でそれを捕捉したことに続いて、カプセル測定及び/又は識別機構から摂取可能カプセルに関連する入力を受信し、入力に基づいて、プロセッサに情報を提供するように適合される。一部の実施形態では、コントローラは、押し出し機構から排泄物の少なくとも1つの特質に関連する入力を受信し、入力に基づいて、プロセッサに情報を提供するように適合される。
【0065】
一部の実施形態では、フィードバックは、第1の治療手順に従った治療への被検者の反応に関する、被検者の医師又は介護人のうちの少なくとも1人から受信されたフィードバックを含む。
【0066】
一部の実施形態では、プロセッサは更に、第1の治療手順に従った治療への被検者の反応を反映するようにデータベースを更新するために、被検者データ及び受信されたフィードバックを使用するように構成される。
【0067】
本発明の実施形態に従って、便器取付センサが提供され、便器取付センサは、
便器内に取り付けられ、そこで排泄物を受けるように適合されたレセプタクルであって、レセプタクルは、
第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、及び第4の側壁であって、第1の側壁及び第4の側壁は、全体的に相互に反対にあり、第2の側壁及び第3の側壁は、全体的に相互に反対にあり、第3の側壁は、側壁の入口を含む、第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、及び第4の側壁と、
第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、及び第4の側壁に取り付けられた床面であって、床面は、レセプタクルから排泄物を取り除くために適切な開口を含むワイヤフレーム又はメッシュを含む、床面と、
を含む、レセプタクルと、
レセプタクルに対して移動可能であり、レセプタクルの中身を押し出すように適合された押し出し機構であって、押し出し機構は、移動可能な入口を含む、押し出し機構と、
排泄物に含まれる摂取可能カプセルの寸法を測定すること、及び摂取可能カプセルを一意に識別することと、のうちの少なくとも1つをするように適合された、カプセル測定及び/又は識別機構と、
レセプタクルから摂取可能カプセルを解放するカプセル解放機構と、
押し出し機構、カプセル解放機構、並びにカプセル測定及び/又は識別機構の動作を制御するコントローラと、
を含み、
カプセル測定及び/又は識別機構は、押し出し機構が第3の側壁に隣接するとき、側壁の入口と移動可能な入口との間で形成された孔を含み、孔は、摂取可能カプセルを包囲するために適切である。
【0068】
一部の実施形態では、センサは更に、レセプタクルの周りで円周に配置されたシールを更に備え、レセプタクル及びシールは、便器から排出された全ての物がレセプタクル内で受けられるように、便器に対してその断面全体に沿って円周に係合及び密封するような大きさとされる。
【0069】
一部の実施形態では、第1の側壁、第2の側壁、第3の側壁、及び第4の側壁のうちの少なくとも1つは、導管と機能的に関連付けられた複数のウォータジェットを含み、ウォータジェットは、導管から水を受け、排泄物をそこから洗い流すためにレセプタクルに水を噴霧するように適合される。
【0070】
一部の実施形態では、床面内の開口は、摂取可能カプセルが開口を通ることができないような適切な大きさとされる。
【0071】
一部の実施形態では、床面は、カプセル測定及び/又は識別機構に向かって摂取可能カプセルを方向付ける際に重力が支援するように、第3の側壁に向かって第2の側壁から角度付けられる。
【0072】
一部の実施形態では、押し出し機構は、第2の側壁に全体的に並列して延在し、第2の側壁及び第3の側壁の間で移動可能である。一部の実施形態では、押し出し機構の動きは、レセプタクル内で排泄物に力を加えて、開口を介して取り除くために適切な大きさとされるように排泄物を分解するように適合される。
【0073】
一部の実施形態では、動きの間、押し出し機構は、排泄物を分解するために、排泄物に加えられた力の量に基づいて、排泄物の少なくとも1つの特質を検知するように適合される。
【0074】
一部の実施形態では、押し出し機構は、コネクタ面によって相互に接続された複数のワイヤフレーム要素を含む。
【0075】
一部の実施形態では、移動可能な入口と側壁の入口との間で形成された孔は、孔断面を有し、断面は、レセプタクルに排出されると予想される特定のタイプの摂取可能カプセルの断面及び直径のうちの少なくとも1つに一致するような適切な大きさとされる。
【0076】
一部の実施形態では、カプセル測定及び/又は識別機構は、第3の側壁上に取り付けられ、押し出し機構の面と第3の側壁との間の係合を検知するように適合された少なくとも1つの第1のセンサを含む。一部の実施形態では、カプセル測定及び/又は識別機構は更に、側壁の入口上に取り付けられ、孔内で捕捉された摂取可能カプセルの外側面と側壁の入口の面との間の係合を検知するように適合された少なくとも1つの第2のセンサを含む。
【0077】
一部の実施形態では、カプセル測定及び/又は識別機構は、孔内で捕捉された摂取可能カプセルの重みを検知するように適合された重み付け機構を含む。一部の実施形態では、重み付け機構は、カプセル解放機構の一部を形成し、又はカプセル解放機構上に取り付けられる。
【0078】
一部の実施形態では、カプセル測定及び/又は識別機構は、孔内で捕捉された摂取可能カプセルを一意に識別するように適合されたカプセル識別システムを含む。一部の実施形態では、カプセル識別システムは、孔内で捕捉された摂取可能カプセルの外側面にプリントされたバーコードを読み込んで、摂取可能カプセルを一意に識別するように適合されたバーコードリーダを含む。一部の実施形態では、カプセル識別システムは、孔内で捕捉された摂取可能カプセルの外側面にプリントされたQRコード(登録商標)を読み込んで、摂取可能カプセルを一意に識別するように適合されたQRコードリーダを含む。一部の実施形態では、カプセル識別システムは、孔内で捕捉された摂取可能カプセルの外側面にプリントされた識別番号又はテキストを捕捉及び解釈して、摂取可能カプセルを一意に識別するように適合されたテキスト解釈機構を含む。一部の実施形態では、カプセル識別システムは、孔内で捕捉された摂取可能カプセルの外側面にプリントされた画像を捕捉及び解釈して、摂取可能カプセルを一意に識別するように適合された画像処理機構を含む。一部の実施形態では、カプセル識別システムは、孔内で捕捉された摂取可能カプセル上に取り付けられたRFIDタグを読み込んで、摂取可能カプセルを一意に識別するように適合されたRFIDタグリーダを含む。
【0079】
一部の実施形態では、カプセル解放機構は、側壁の入口の真下の床面内で形成されたヒンジポータルを含み、その結果、ポータルの開口が孔及びレセプタクルから摂取可能カプセルを解放する。一部の実施形態では、ポータルを開くこと及び閉じることは、コントローラによって制御される。
【0080】
一部の実施形態では、コントローラは、孔内でそれを捕捉したことに続いて、カプセル測定及び/又は識別機構から摂取可能カプセルに関連する入力を受信し、入力に基づいて、リモート位置にカプセル情報を提供するように適合される。一部の実施形態では、コントローラは、押し出し機構から排泄物の少なくとも1つの特質に関連する入力を受信し、入力に基づいて、リモート位置に排泄物情報を提供するように適合される。
【0081】
一部の実施形態では、コントローラは、便器に沿ってコントローラから延在する通信ワイヤを介して、リモート位置との有線通信によってカプセル情報及び排泄物情報のうちの少なくとも1つを提供するように適合される。一部の実施形態では、コントローラは、リモート位置との無線通信によってカプセル情報及び排泄物情報のうちの少なくとも1つを提供するように適合される。
【0082】
一部の実施形態では、リモート位置に提供されるカプセル情報は、摂取可能カプセルがレセプタクルに排出され、又は摂取可能カプセルが孔内で捕捉された時間、摂取可能カプセルの寸法、摂取可能カプセルの重み、及び摂取可能カプセルの識別のうちの少なくとも1つを含む。
【0083】
一部の実施形態では、コントローラは、押し出し機構、カプセル測定及び/又は識別機構、及びカプセル解放機構に電力を提供するように適合される。一部の実施形態では、コントローラは、便器に沿って延在する電力供給装置のワイヤから電力を受信するように適合される。
【0084】
本発明の実施形態に従って、便器に排出された摂取可能カプセルを測定及び識別する方法が提供され、方法は、
摂取可能カプセルを含む、便器に排出された物がレセプタクル内で受けられるように、本明細書で説明されたセンサを便器に取り付けることと、
排泄物が床面内の開口を介して、レセプタクルから取り除かれるような大きさとされるように、物に含まれる排泄物を分解することと、
第3の側壁に向かって摂取可能カプセルを押し出して、孔内で摂取可能カプセル捕捉することと、
摂取可能カプセルの断面が予想される断面に一致するかどうか、及び摂取可能カプセルの直径が予想される直径に一致するかどうかのうちの少なくとも1つを測定することと、
を含む。
【0085】
一部の実施形態では、分解することは、第2の側壁及び第3の側壁の間で後方及び前方に押し出し機構を移動させて、排泄物を分解することを含む。
【0086】
一部の実施形態では、測定することは、摂取可能カプセルを重み付けることを含む。一部の実施形態では、方法は更に、捕捉することに続いて、カプセルを一意に識別することを含む。
【0087】
一部の実施形態では、方法は更に、リモート位置に、摂取可能カプセルの測定値、摂取可能カプセルの重み、及び摂取可能カプセルの識別子のうちの少なくとも1つを報告することを含む。
【0088】
一部の実施形態では、報告することは、摂取可能カプセルの断面が予想される断面に一致する場合、又は摂取可能カプセルの直径が予想される直径に一致する場合のみ実行される。一部の実施形態では、報告することは、摂取可能カプセルの重みが予想される重みに一致する場合のみ実行される。
【0089】
一部の実施形態では、方法は更に、測定することに続いて、カプセル解放機構を介して、レセプタクルから摂取可能カプセルを解放することを含む。
【0090】
添付図面(1~8)を併用するとき、本発明の以下の詳細な説明から上記議論が更に容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【
図1】本発明の実施形態に従った、被検者の消化管における疾患の治療のためのシステムの概略ブロック図である。
【
図2A】本発明に従った、被検者の消化管における疾患の治療のための方法の概略フローチャートであり、方法は、
図1の発明のシステムを利用する。
【
図2B】本発明に従った、被検者の消化管における疾患の治療のための方法の概略フローチャートであり、方法は、
図1の発明のシステムを利用する。
【
図3A】本発明に従った、摂取可能カプセルを捕捉及び識別する発明の便器取付センサの部分破断側面図であり、便器取付センサは、
図1のシステムの一部を形成する。
【
図3B】本発明に従った、摂取可能カプセルを捕捉及び識別する発明の便器取付センサの部分破断斜視図であり、便器取付センサは、
図1のシステムの一部を形成する。
【
図3C】本発明に従った、摂取可能カプセルを捕捉及び識別する発明の便器取付センサの上面図であり、便器取付センサは、
図1のシステムの一部を形成する。
【
図4】スタンバイモードにある、本発明に従った発明の便器取付センサの一部を形成する、レセプタクルの別の実施形態の断面図である。
【
図5A】動作モードにある
図4のレセプタクルの斜視図である。
【
図5B】動作モードにある
図4のレセプタクルの断面図である。
【
図6】カプセル捕捉モードにある
図4のレセプタクルの部分断面図である。
【
図7】カプセル解放モードにある
図4のレセプタクルの断面図である。
【
図8】本発明に従った、便器に排出された摂取可能カプセルを捕捉及び識別する方法の概略フローチャートであり、方法は、
図3A~7のいずれか1つの発明の便器取付センサを利用する。
【発明を実施するための形態】
【0092】
図面及び添付の説明を参照して、被検者の消化管における疾患の治療のための発明のシステム及び方法、並びに便器に排出された摂取可能カプセルを捕捉及び識別する発明の便器取付センサ及びその使用の方法の原理をより良好に理解することができる。
【0093】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、その適用において本発明が、以下の説明において示され、又は図面において例示される構成要素の構造及び配置の詳細に限定されないことが理解されよう。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方式で実施又は実行されることが可能である。また、本明細書で採用される表現及び技術用語は、説明を目的とするものであり、限定するものと見なされるべきではないことが理解されよう。
【0094】
本出願の目的として、用語「被検者」は、人間の被検者に関連する。
【0095】
本出願の目的として、用語「振動摂取可能カプセル」は、カプセルが被検者の消化(GI)管に配置され、動作モードにあるとき、振動が被検者のGI管の壁に伝達され、被検者のGI管に機械的な刺激をもたらすように、カプセルの振動手順に従って、少なくとも1分の累積期間の間、少なくとも断続的に振動するように適合された摂取可能カプセルに関連する。典型的には、そのような機械的な刺激は、便秘などのGI疾患を治療するようにもたらされる。
【0096】
本出願の目的として、用語「プログラム可能振動摂取可能カプセル」は、振動手順に従って振動するように適合された振動摂取可能カプセルに関連し、振動手順は、カプセル制御ユニットによってカプセルにプログラムされるように適合される。特に、プログラム可能振動摂取可能カプセルの振動手順は、異なる振動手順を実施するようにカプセルを再プログラムすることによって変更されてもよい。
【0097】
本出願の目的として、用語「プログラムされた振動摂取可能カプセル」は、振動手順に従って振動するように適合された振動摂取可能カプセルに関連し、振動手順は、例えば、その製造者によってカプセルにプログラムされる。プログラムされた振動手順は固定され、カプセルを再プログラムすることはできない。
【0098】
本出願の目的として、用語「カプセル制御ユニット」は、振動摂取可能カプセルを生成し、及び/又は振動摂取可能カプセルを活性化するように適合されたデバイスに関連する。典型的には、カプセル制御ユニットは、振動手順を受信し、振動摂取可能カプセルに振動手順を送信して、振動手順を実施するようにカプセルをプログラムするように適合される。例えば、カプセル制御ユニットは、短距離無線通信によってなど、リモート通信の手段によってプログラム可能振動摂取可能カプセルのプロセッサに振動手順を提供してもよく、パラメータのリストとして、実行可能コードとして、又はカプセルが振動手順を実施するために適切ないずれかの他の方式で手順を提供してもよい。活性化のために、カプセル制御ユニットは典型的には、振動摂取可能カプセルに、振動手順が開始されるべきであることをカプセルのプロセッサに示す活性化信号を送信するように適合される。いくつかのケースでは、カプセル制御ユニットはまた、カプセルから、プログラムされた振動手順及び/又は活性化命令が受信されたことを示す信号を受信するように適合される。
【0099】
本出願の目的として、用語「短距離無線通信方法」は、例えば、Bluetooth通信、Wi-Fi通信、RFID信号通信、及び低周波数磁場など、最大で1キロメートル、最大で500メートル、最大で300メートル、最大で200メートル、最大で100メートル、最大で50メートル、又は最大で10メートルの最大範囲まで信号が通信されるいずれかの無線通信方法又はプロトコルに関連する。
【0100】
本出願の目的として、用語「断続的に活性化される振動エンジン」は、或る時間に振動し、他の時間には振動しないよう適合された振動エンジンを指し、活性化時間は、振動エンジンがその一部を形成する振動摂取可能カプセルのプロセッサなど、振動エンジンを制御するプロセッサ又は他の制御ユニットによって選択される。
【0101】
本出願の目的として、用語「振動手順」は、振動摂取可能カプセルの断続的に活性化される振動エンジンの振動パラメータを指定する手順に関する。典型的には、振動手順は、典型的には0~24時間の範囲にある振動を開始するための活性化遅延(カプセルの活性化と振動エンジンの第1の活性化との間の期間)、典型的には1時間ごとに1~300サイクルの範囲にある振動速度(1時間ごとの振動サイクルの数)、振動サイクルごとの振動周期及び休息周期、典型的には1~500ヘルツの範囲にある振動周波数、振動によって及ぼされる力の量、並びに振動及び非振動期間の組(すなわち、カプセルが或る期間の間又は或るサイクルの数の間に振動速度で振動し、次いで、或る期間の間は休息し、或る期間の間又は或るサイクルの数の間に再度振動するなどを指定する組)などに関連する。振動及び非振動期間は、絶対時間として定義されてもよく、又はカプセルの摂取若しくは活性化に相対的であってもよい。例えば、治療手順は、活性化遅延が4時間であること(すなわち、断続的に活性化される振動エンジンがカプセルの活性化又は摂取の後の4時間に振動を開始するべきである)、及び活性化遅延に続いて、カプセルが2時間の期間の間、150ヘルツの周波数及び60%のデューティサイクルで振動し、2時間の間は振動を停止し、その後、4時間の期間の間250ヘルツの周波数及び85%のデューティサイクルで振動を再開するべきであり、各々のサイクルは、3秒の振動期間及び26秒の休息期間を有する、ことを示してもよい。別の例として、活性化遅延は8時間であり、その後、1秒の振動周期とそれに続く27秒の休息周期を有する繰り返しサイクルにおいて、200ヘルツ及び40%のデューティサイクルで振動が開始する。振動の各々の5つのサイクルの後、振動周波数は、2ヘルツだけ増加し、デューティサイクルが1%だけ増加する。
【0102】
本出願の目的として、用語「治療処置」は、典型的には治療に当たる医者又は医師によって定義された、振動摂取可能カプセルを使用した治療のパラメータに関連する。例えば、治療処置は、特定の期間内に摂られるカプセルの数(例えば、1週間ごとに3つのカプセル、1日ごとに2つのカプセル)、カプセルが摂られるべき頻度、カプセルが摂られるべき時刻、及びカプセルが食事と共に又は食事なしで摂られるべきかなどを含んでもよい。
【0103】
本出願の目的として、用語「治療手順」は、振動摂取可能カプセルによる被検者の治療の全ての態様に関連し、被検者を治療するために使用されることになる治療処置及び振動手順を含む。
【0104】
本出願の目的として、用語「デフォルトの治療手順」は、典型的には、振動摂取可能カプセルにより被検者を最初に治療するとき、又は被検者への特定の治療手順を調整するために情報が十分に利用可能でないときに使用される標準的な治療手順に関連する。
【0105】
本出願の目的として、用語「デフォルトの振動手順」は、典型的には、振動摂取可能カプセルにより被検者を最初に治療するとき、又は被検者への特定の治療手順を調整するために情報が十分に利用可能でないときに使用される標準的な振動手順に関する。いくつかのケースでは、デフォルトの振動手順は、プログラムされた振動摂取可能カプセルによって使用される振動手順である。
【0106】
本出願の目的として、用語「電子的に取得される」は、治療手順に関連するとき、直接の人間の入力又は介入なしに、被検者のコンピュータ化されたプロファイル若しくは電子プロファイルに含まれる情報、及び/又はデータベースに含まれるデータなど、電子情報に基づいて機械によって生成又は判定された治療手順に関連する。
【0107】
本出願の目的として、用語「成功した治療」、及びその変形は、治療の間又は治療に続いて、医療行為によって定義されるように、被検者の兆候が著しい程度に改善されるように、特定の治療手順を実施する1つ又は複数のカプセルによる被検者の治療に関連する。慢性的な便秘の治療のために、成功した治療は、平均して、2週間ごとに少なくとも1回の排便の増加、1週間ごとに少なくとも1回の排便の増加、2週間ごとに3回の排便の増加、又は1週間ごとに少なくとも2回の排便の増加をもたらす治療である。
【0108】
本出願の目的として、用語「意思決定者」は、治療手順が被検者の治療に対して適切であるか否か、及び/又は被検者の治療に対して適切となるために治療手順が修正されるべきであるか否かを判定するために、提案された治療手順に論理を適用することが可能ないずれかのエンティティに関連する。意思決定者は、人間であってもよく、又は適切な人工知能若しくは論理構成要素を含む機械であってもよい。
【0109】
本出願の目的として、用語「電子意思決定者」は、人工知能又は論理に完全に基づいており、人工的論理及び/又は知能のみに基づいて、人間からの直接入力なしに被検者の治療のための提案された治療手順の適切性に関する決定を行う意思決定者に関連する。電子意思決定者は典型的には、電子意思決定者の使用の前に、医師など、人間によって判定された範囲内での決定に制限される。例えば、医者は、被検者に対する使用に許容可能な振動手順の範囲を定義してもよく、電子意思決定者は、その範囲内で決定を行ってもよいが、決定が予め定義された範囲外であることを要求される場合に、人間の意思決定者を指す。
【0110】
ここで、図面を参照して、
図1は、本発明の実施形態に従った、被検者の消化管における疾患の治療のためのシステム100の概略ブロック図である。
【0111】
図1において理解されるように、システム100は、例えば、ユーザインタフェース104を介して、被検者、被検者を治療する医師又は医療関係者、及び親、保護者、又は医療扶助者などの被検者の介護人のうちの少なくとも1人からの入力を受信するように動作可能な少なくとも1つの入力モジュール102を含む。入力モジュール102は、以下で更に詳細に説明されるように、1つ又は複数のセンサからの入力を受信するように更に動作可能であってもよい。一部の実施形態では、異なる入力プロバイダに対して別個の入力モジュール102及び/又は異なるユーザインタフェース104が使用される。
【0112】
入力モジュール102は、いずれかの適切な入力モジュールであってもよく、例えば、被検者、被検者の介護者、被検者を治療する医療関係者、又はいずれかの他の入力プロバイダによって、例えば、1つ若しくは複数のセンサ、又はそれに直接入力された入力を受信するように構成されたキーボード若しくはタッチパッドなど、リモート位置からの入力を通信信号として受信するように構成された受信機又は送受信機を含んでもよい。
【0113】
コンピュータ可読メモリは、被検者データを含む、被検者についての被検者プロファイル106を記憶する。被検者プロファイル106は、入力モジュール102と機能的に関連付けられてもよく、被検者データは、1つ又は複数の入力モジュール102を介して、被検者プロファイル106に入力として提供されてもよい。例えば、被検者、被検者を治療する医師若しくは医療関係者、又は被検者の介護人は、被検者データを、例えば、初期入力として提供してもよい。
【0114】
一部の実施形態では、被検者データは、被検者の名前、ソーシャルセキュリティ番号又はパスポート番号などの識別番号、住所、生年月日、年齢、性別、連絡情報、及び緊急連絡情報など、被検者の人口学的情報を含む。一部の実施形態では、被検者データは、被検者の医療履歴、特に、便秘及び又は消化器障害の医療履歴、特に、便秘及び消化器障害、便秘の病因などの検診の結果、デジタル直腸診を含む物理的検査からの結果、通過検査若しくは運動性検査、肛門検圧法、吹き出し検査排出、又は他の消化管拡張などの消化管拡張からの結果についての被検者によって前に試された投薬及び/又は治療の医療履歴、アレルギー、慢性疾患、及び現在使用されている投薬などに関する情報など、被検者の医療情報を含む。一部の実施形態では、被検者データはまた、ダイエット、水分摂取量、及び物理的活動など、被検者の生活スタイルに関連する情報を含んでもよい。一部の実施形態では、女性の被検者について、被検者データはまた、産科医療履歴を含んでもよい。
【0115】
一部の実施形態では、被検者データは、例えば、以下で更に詳細に説明されるように、電子意思決定者によって使用することができる、被検者を安全に治療する治療に適切な振動手順の範囲など、被検者の治療のための指針、又は被検者に対する「治療安全圏」若しくは「自己適合圏」を含んでもよい。
【0116】
一部の実施形態では、システムは、1つ若しくは複数の入力モジュール102及び/又は被検者プロファイル106と機能的に関連付けられてもよい、データベース108を含み、消化管における疾患に対して治療される被検者に関連するデータを含む。一部の実施形態では、データは、例えば、入力モジュール102及びユーザインタフェース104を介して、1人若しくは複数の被検者、医師、医療関係者、及び研究者、又は研究機関など、入力プロバイダによって直接データベース108に入力される。一部の実施形態では、データは、以下で更に詳細に説明されるように、例えば、被検者プロファイル106からデータベース108に自動で入力される。
【0117】
一部の実施形態では、データベース108に含まれるデータは、少なくとも1人の他の被検者、好ましくは被検者以外の複数の被検者に関連する。一部の実施形態では、データベース108に含まれるデータは、他の被検者ごとの、性別、年齢、及び生年月日などの人口学的情報と共に、他の被検者によって経験された消化管の疾患、そのような疾患に対して提供された治療、及びそのような治療への他の被検者の反応に関連する情報を含む。一部の実施形態では、データベース108に含まれるデータは、被検者データと実質的に並列であってもよい。特に、一部の実施形態では、データベースに含まれるデータは、他の被検者ごとの、他の被検者を治療するために使用される1つ若しくは複数の振動手順、治療処置、及び/又は治療手順、並びにそのような手順及び処置の治療へのユーザの反応をリストアップする。
【0118】
プロセッサ110は、被検者プロファイル106及びデータベース108と機能的に関連付けられ、更に、入力モジュール102と機能的に関連付けられてもよい。プロセッサ110は、
図2に関して以下で更に詳細に説明されるように、プロセッサ110によって実行することができる命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体112と機能的に関連付けられる。
【0119】
一部の実施形態では、プロセッサ110は、例えば、入力モジュール102を介して、又は被検者プロファイル106を介して、特定の治療手順、特定の振動手順、又は特定の治療処置による治療への被検者の反応に関連するフィードバックを受信するように構成される。例えば、フィードバックは、被検者が治療に続いて排便を経験した時間、治療の間若しくは治療の直後に被検者によって経験された物理的感覚、又は治療の間若しくは治療に続いて被検者によって排泄された排泄物の1つ若しくは複数の特質を示してもよい。
【0120】
一部の実施形態では、フィードバックは、被検者、被検者を治療する医師若しくは医療、又は被検者の介護人からなど、人間から受信される。一部の実施形態では、フィードバックは、以下で更に詳細に説明されるように、センサから受信される。
【0121】
一部の実施形態では、プロセッサ110は更に、以下で更に詳細に説明されるように、そのようなフィードバックに重み又は信頼性スコアを割り当てるように構成される。
【0122】
一部の実施形態では、プロセッサ110は、被検者に対して初期の推薦された治療手順についての初期推薦を電子的に取得するように構成される。一部の実施形態では、初期推薦は、デフォルトの初期推薦であってもよい。一部の実施形態では、初期推薦は、被検者データに含まれる少なくとも1つの選択された特質に基づいてもよい。一部の実施形態では、初期推薦は、データベース108に含まれるデータ、例えば、被検者と選択された特質(複数可)を共有する他の被検者に関連するデータに基づいてもよい。
【0123】
一部の実施形態では、プロセッサ110は、前に使用された治療手順への被験者の応答に関連する受信されたフィードバック、被検者データに含まれる少なくとも1つの特質、及び/又はデータベース108に含まれるデータ、例えば、被検者と特質を共有し、若しくは被検者と経験された反応を共有する他の被検者に関連するデータに基づいて、被検者に対する更新され推薦された治療手順についての更新された推薦を電子的に取得するように構成される。
【0124】
更新された推薦は、前の推薦に対して、振動手順又は治療手順の1つ又は複数のパラメータを変更することができる。例えば、更新された推薦は、振動周波数、振動手順を開始するまでの遅延時間、デューティサイクル、カプセルが振動することが意図されるGI管内の区画、各々の振動サイクル内の振動時間の長さ、各々の振動サイクルの休息時間、及び/又は振動強度を変更することができる。
【0125】
システム100は更に、被検者のGI管の壁に振動又は機械的な刺激を伝達して、被検者の消化管疾患を治療するための第1の振動手順を実施するように適合された第1の振動摂取可能カプセル114aを含み、第1の振動手順は、被検者に対する第1の治療手順の一部を形成する。システムは更に、被検者のGI管の壁に振動又は機械的な刺激を伝達して、被検者の消化管疾患を治療する第2の振動手順を実施するようにプログラムされるように適合された少なくとも1つの第2のプログラム可能振動摂取可能カプセル114bを含み、第2の振動手順は、被検者に対する第2の治療手順の一部を形成する。以下で更に詳細に説明されるように、一部の実施形態では、第1の及び/又は第2の振動手順及び/又は治療手順は、プロセッサ110によって電子的に取得される推薦された振動手順及び/又は治療手順と同様であってもよく、又はそれらに基づいてもよい。
【0126】
カプセル114a及び114bの各々は、1つ又は複数のセンサと、タイマと、断続的に活性化される振動エンジンと、センサモジュール内のセンサ(複数可)、タイマ、及び振動エンジンと機能的に関連付けられたプロセッサと、プロセッサと機能的に関連付けられた受信機又は送受信機と、センサモジュール、タイマ、振動エンジン、プロセッサ、及び/又は受信機/送受信機に電力を提供する少なくとも1つの電源と、を含むセンサモジュールを含んでもよい。
【0127】
一部の実施形態では、センサモジュールに含まれるセンサは、カプセルの近隣の状態を検知してもよい。そのようにして、センサは、カプセルの近隣のpHを検知するように適合されたpHセンサ、カプセルの近隣の照明度を検知するように適合された光センサ、カプセルに加えられた圧力を検知するように適合された圧力センサ、及び/又はカプセルの三次元の方位を検知するように適合された、加速度計などの方位センサを含んでもよい。
【0128】
カプセル114a及び114bの電源は、例えば、1つ若しくは複数のアルカリ若しくは酸化銀バッテリ、リチウムバッテリ、一次バッテリ、再充電可能バッテリ、キャパシタ、及び/又はスーパーキャパシタなど、いずれかの適切な電源であってもよい。
【0129】
一部の実施形態では、カプセル114a及び114bは、本明細書で完全に示されるように参照によって組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0073315号公報及び米国特許第9,078,799号において実質的に説明されていることがある。
【0130】
一部の実施形態では、第1の振動摂取可能カプセル114aは、例えば、その製造時に、特定の振動手順を第1の振動手順として実施するようにプログラムされた、プログラムされた振動摂取可能カプセルであってもよい。他の実施形態では、第1の振動摂取可能カプセル114aは、第1の振動手順を実施するようにプログラムされるように適合された、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセル114aである。
【0131】
一部の実施形態では、第1の治療手順は、消化管のいずれかの疾患又は特定の疾患を被る被検者に対する標準的な初期治療手順として使用される、デフォルトの治療手順であってもよく、デフォルトの振動手順を第1の振動手順として定義してもよい。
【0132】
プロセッサ110及び少なくとも1つのプログラム可能振動摂取可能カプセルと機能的に関連付けられたカプセル制御ユニット116は、振動手順を受信し、受信された振動手順を実施するようにプログラム可能振動摂取可能カプセルをプログラムするように適合される。一部の実施形態では、カプセル制御ユニットは、治療処置及び振動手順を含む治療手順を受信し、受信された振動手順を実施するようにプログラム可能振動摂取可能カプセルをプログラムするように適合される。
【0133】
一部の実施形態では、カプセル制御ユニット116は、専用プロセッサ、プログラミングモジュール、検証及び活性化モジュール、並びに/又は送受信機若しくは他の通信モジュールを含んでもよい。カプセル制御ユニットは更に、カプセル制御ユニットの構成要素に電力を提供する少なくとも1つの電源を含んでもよい。
【0134】
一部の実施形態では、カプセル制御ユニット116は更に、被検者、又は医師若しくは介護人など、被検者と関連付けられた別のユーザに出力を提供するように適合されたユーザインタフェースを含む。いくつかのそのような実施形態では、カプセル制御ユニット116は、ユーザインタフェースを介して、カプセル制御ユニットによって受信された治療手順に従って1つ又は複数のカプセルを摂取するように被検者を促すことができる。
【0135】
カプセル制御ユニット116は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、及びデスクトップコンピュータなどの適切にプログラムされたコンピューティングデバイスを含む、いずれかの適切な制御ユニットであってもよく、又は例えば、別の医療デバイスの一部を形成する専用制御ユニットであってもよい。
【0136】
システム100では、カプセル制御ユニット116、又はその専用プロセッサは、例えば、カプセル制御ユニット116の送受信機を介して、プロセッサ110から第2の治療手順を受信し、第2の治療手順において定義された第2の振動手順を実施するように第2のプログラム可能振動摂取可能カプセル114bをプログラムするように適合される。第1の振動摂取可能カプセル114aがプログラム可能である一部の実施形態では、カプセル制御ユニット116は更に、プロセッサ110又は別のソースから第1の治療手順を同様に受信し、第1の治療手順において定義された第1の振動手順を実施するように第1の振動摂取可能カプセル114aをプログラムするように適合される。
【0137】
一部の実施形態では、カプセル制御ユニット116のプログラミングモジュールは、カプセル制御ユニットのプロセッサから第2の振動手順を受信し、第2の振動手順が活性化され、又は第2の振動摂取可能カプセルが摂取されると第2の振動手順を実施するように第2のプログラム可能振動摂取可能カプセル114bのプロセッサをプログラムするように構成される。同様に、第1の振動摂取可能カプセル114aがプログラム可能である実施形態では、カプセル制御ユニット116のプログラミングモジュールは、カプセル制御ユニットのプロセッサから第1の振動手順を受信し、第1の振動手順が活性化され、又は第1の振動摂取可能カプセルが摂取されると第1の振動手順を実施するように第1の振動摂取可能カプセル114aのプロセッサをプログラムするように構成される。
【0138】
一部の実施形態では、カプセル制御ユニット116のプログラミングモジュールは、送信機を含んでもよく、又は、例えば、短距離無線通信方法を使用して、カプセル114a及び/若しくは114bの受信機/送受信機に第1の振動手順及び/若しくは第2の振動手順の送信のために、送信機と機能的に関連付けられてもよい。
【0139】
一部の実施形態では、カプセル制御ユニット116のプログラミングモジュールは、カプセル114a又は114bに、振動手順を、活性化又は摂取からの時間フレーム及びそれら時間フレームにおいて使用されることになる振動パラメータを示す数字など、パラメータ信号のシーケンスとして送信する。一部の実施形態では、つまり、カプセル制御ユニット116のプログラミングモジュールは、カプセル114a又は114bに、振動手順を、振動手順に従ってその振動エンジンを自動で活性化するようにカプセルのプロセッサによって使用されることになる実行可能コードとして送信する。
【0140】
一部の実施形態では、カプセル114a又は114b内のメモリ素子は、カプセルによって作用することができる複数の振動手順を含み、カプセル制御ユニット116のプログラミングモジュールは、カプセルに、振動手順識別子など、使用されることになる複数の振動手順の特定の1つのインジケーションを送信する。
【0141】
一部の実施形態では、カプセル制御ユニット116の活性化モジュールは、動作のために、第1のプログラム可能振動摂取可能カプセル及び/又は第2のプログラム可能振動摂取可能カプセルを活性化するように構成される。
【0142】
いくつかのケースでは、活性化は、被検者によるその摂取を識別し、その後、そこでプログラムされた振動手順の実施となるようにカプセルを活性化することを含む。他の実施形態では、カプセルの活性化は、振動エンジンの活性化まで計測時間を開始するようにタイマの即時の活性化を含む。そのような実施形態は、被検者がカプセルを摂取する直前にカプセルが活性化されることを想定する。
【0143】
一部の実施形態では、カプセル制御モジュール116の活性化モジュールは、送信機を含み、又は送信機若しくは送受信機と機能的に関連付けられ、それに活性化信号を提供することによってカプセルを活性化する。
【0144】
一部の実施形態では、活性化モジュールはまた、カプセルがそれに送信された振動手順を受信したことを検証するように構成された検証モジュールを含み、誤りなしに振動手順に作用することが可能である。一部の実施形態では、検証モジュールは、カプセルから、カプセルが振動手順を受信したことを示す検証信号を受信する受信機を含み、又は受信機と機能的に関連付けられる。一部の実施形態では、検証モジュールは、それの検証を示す特定の振動パターンに従って振動するカプセルを検知する振動センサを含む。
【0145】
一部の実施形態では、プロセッサ110及びカプセル制御ユニット116は、意思決定者118と機能的に関連付けられ、意思決定者118は、例えば、プロセッサ110から、治療手順又は振動手順についての示唆又は推薦を受信し、被検者の治療についての示唆又は推薦された手順を承認、拒絶、又は修正するように適合される。
【0146】
一部の実施形態では、意思決定者は、医師又は治療に当たる消化器専門医などの人間の意思決定者であってもよく、人間の意思決定者は、人間の意思決定者に視認可能なディスプレイ上で提示されている手順によって、又は推薦若しくは示唆された治療手順若しくは振動手順を指定する、電子メールメッセージなどの電子メッセージを受信することによって、示唆又は推薦された治療手順又は振動手順を受信することができる。
【0147】
人間の意思決定者は、入力モジュール102のうちの1つのユーザインタフェース104と対話し、又はカプセル制御ユニット116、例えば、入力モジュール若しくはそのユーザインタフェースと直接対話することによって、受信された治療手順又は振動手順を承認、拒絶、又は修正してもよい。
【0148】
他の実施形態では、意思決定者118は、示唆又は推薦された治療手順又は振動手順を電子的に受信し、示唆又は推薦された治療手順又は振動手順を承認、拒絶、又は修正するように適合された、適切に装備されたコンピュータ又はサーバなどの電子意思決定者である。一部の実施形態では、電子意思決定者によって適用される論理は、例えば、同様の治療が他の被検者に対して行った結果に基づいて、経時的に学習されてもよい。一部の実施形態では、電子意思決定者は、人工知能構成要素を含んでもよい。
【0149】
一部の実施形態では、電子意思決定者によって行われた決定は、特定の制約内、又はカプセルの製造者によって定義された安全規制及び/若しくは医師によって定義された医療的制約内など人間の意思決定者によって事前に規定された「自己適合圏」にあるものと制限される。例えば、製造者は、意思決定者が1000ヘルツを上回る周波数における振動を必要とするいずれかの手順を許可又は承認しないケースでは、振動の周波数が1000ヘルツの上限を有することを示してもよい。別の実施例として、医師は、電子意思決定者が、例えば、電子メッセージを介して、振動手順に関する決定を行うが、人間の意思決定者への治療処置に関連するいずれの決定を遅らせるケースでは、治療処置に変更を行うことができないことを示してもよい。
【0150】
一部の実施形態では、制約は、製造者によって定義された安全制約など、カプセルの構造及び/又は機能性に基づいている。そのような実施形態では、同一の制約が複数の被検者及び複数のカプセルに適用される。一部の実施形態では、制約は、被検者の医療状態に基づいて医師によって定義され、治療されている被検者に特有である。そのような制約は、例えば、被検者プロファイルに記憶された被検者データの一部として医師によって入力として提供されてもよい。
【0151】
一部の実施形態では、電子意思決定者は、カプセル制御ユニット116と機能的に関連付けられてもよく、カプセル制御ユニット116に、承認又は修正された治療手順又は振動手順を直接送信してもよい。他の実施形態では、電子意思決定者は、プロセッサ110に、承認又は修正された治療手順又は振動手順を提供し、プロセッサ110は、上記で説明されたように、カプセル制御ユニット116に治療手順を送信してもよい。
【0152】
一部の実施形態では、プロセッサ110及び/又は被検者プロファイル106は更に、少なくとも1つのセンサ120と関連付けられ、少なくとも1つのセンサ120は、被検者の体から排出されている振動摂取可能カプセルに関する情報を検知し、プロセッサ110又は被検者プロファイル106に情報を提供するように適合される。一部の実施形態では、センサは、便器取付センサを含む。便器取付センサは、
図3A~8を参照して以下に説明される発明のセンサのいずれか1つ、又は例えば、参照によって以下に組み込まれる米国特許出願公開第2009/0326514号に説明される、本分野で既知な便器取付センサなど、いずれかの適切なセンサであってもよい。
【0153】
センサ120によって提供される情報は、振動摂取可能カプセルが被検者の体から排出された時間、及び/又は排出されたカプセルの識別を含んでもよい。
【0154】
ここで更に、
図2A及び2Bを参照し、
図2A及び2Bは共に、本発明に従った、被検者の消化管における疾患の治療のための方法の概略フローチャートであり、方法は、
図1の発明のシステムを利用する。
【0155】
理解されるように、且つ以下で更に詳細に説明されるように、方法は、ステップ200、ステップ218、又はステップ222において開始してもよい。
【0156】
一部の実施形態では、方法は、方法を使用して治療されることになる被検者についての被検者データを含む初期入力を取得することによって、ステップ200において開始してもよい。被検者データは典型的には、被検者プロファイル106を開始するために必要とされる、被検者についての人口学的情報及び/又は医療履歴情報を含む。一部の実施形態では、入力は加えて、データベース108を作成又は更新するために必要とされる情報など、他の被検者に関連する情報を含んでもよい。一部の実施形態では、入力は更に、上記説明されたように、電子意思決定者についての「自己適合圏」を定義する制約を含んでもよい。
【0157】
図1を参照して上記言及されたように、入力は、被検者から、被検者を治療する医療機関若しく医師から、又は被検者の介護者から受信されてもよい。一部の実施形態では、入力は、システム100にローカルなユーザインタフェース104を介して入力モジュール102に提供され、他の実施形態では、入力は、適切な通信方法を使用して、入力モジュール102又はプロセッサ110に、リモートユーザインタフェース104を介して提供されてもよく、通信されてもよい。
【0158】
ステップ202において、
図1に関して上記説明された被検者プロファイル106などの被検者プロファイルは、例えば、被検者に関連する入力に基づいて、プロセッサ110によって被検者に対して生成される。
【0159】
ステップ204に目を向けると、被検者に対する推薦された治療手順についての推薦が取得されることが理解されよう。一部の実施形態では、推薦は、プロセッサ110によって電子的に取得される。一部の実施形態では、推薦は、被検者プロファイル106に含まれる情報に基づいている。
【0160】
例えば、初期治療の回診では、被検者プロファイルは、被検者の消化器系内の運動性が平均的な消化器系よりも遅く、その結果、平均して10時間よりも長い時間の後に食べ物が大腸に到達することを示すことができる。そのような実施形態では、プロセッサ110は、カプセルが被検者の大きな腸に到達したときに振動し、時期を早めては振動しないことを保証するように十分に長い遅延を有する治療手順を推薦してもよい。
【0161】
一部の実施形態では、推薦はまた、データベース108から取得されたデータに基づいてもよく、データは、1人又は複数の他の被検者に関連する。例えば、初期治療の回診では、被検者プロファイル106は、被検者が55歳の女性であることを示すことができる。プロセッサ110は、同様の年齢、例えば、50~60歳の他の女性を治療するために前に成功して使用された治療手順及び/又は振動手順を識別するために、データベース108にアクセスしてもよい。1つのそのような識別された手順は、被検者に対する推薦された治療手順として示唆されてもよく、又はいくつかのそのような識別された手順の特性を含む新たな治療手順が、被検者に対する推薦された治療手順として生成されてもよい。
【0162】
以下で更に詳細に説明されるように、本明細書で説明される方法は、反復的であり、被検者プロファイル106は、特定の治療手順による治療への被検者の反応を反映するように更新されてもよい。そのようにして、後続の治療の回診では、プロセッサ110は、使用されることになる次の治療手順についての推薦を生成するとき、そのような反応に関連するデータを使用してもよい。
【0163】
上記提供された実施例に戻ると、被検者プロファイル106は、後の治療の回診では、150ヘルツの周波数においてカプセル振動を提供する振動手順により治療されるとき、被検者の状態が改善しなかったことを示すことができる。プロセッサは次いで、異なる振動周波数を有する更新された振動手順を推薦してもよい。
【0164】
後続の治療手順の選択はまた、少なくとも1人の他のユーザに関連する、データベースからのデータに基づいてもよい。150ヘルツの周波数においてカプセル振動を提供する振動手順により治療されるとき、被検者の状態が改善しなかった上記実施例では、プロセッサは、データベース108において潜在的な治療手順を識別するとき、識別された手順を250ヘルツまでなど、周波数が予め定められた許容可能な範囲にあると仮定して、より高い周波数において振動を提供する手順に、識別された手順を制限してもよい。別の代替例として、プロセッサは、150ヘルツの周波数におけるカプセル振動による治療にも良好に応答しなかった、50~60歳の女性を治療するために前に成功して使用された治療手順を識別してもよい。
【0165】
第2の治療の回診又は後続の治療の回診において振動手順又は治療手順を更新するとき、更新され推薦された治療手順は、前の推薦に対し、振動手順又は治療手順の1つ又は複数のパラメータを変更してもよい。例えば、更新された推薦は、振動周波数、振動手順を開始するまでの遅延時間、デューティサイクル、カプセルが振動することが意図されるGI管内の区画、各々の振動サイクル内の振動時間の長さ、各々の振動サイクルの休息時間、及び/又は振動強度を変更してもよい。
【0166】
ステップ206において理解されるように、プロセッサ110は次いで、取得され推薦された治療手順が前に使用された治療手順とは著しく異なるか否かを検査してもよい。当然ながら、本明細書で説明される方法の初期の反復では、ステップ206は取り除かれる。一部の実施形態では、上記説明されたように、振動手順及び/若しくは治療手順によって定義された治療処置、又はそのいずれかの部分が、許可された治療手順及び/又は被検者に対して定義された特質の範囲内にない場合、治療手順は、別の治療手順とは「著しく異なる」と見なされる。
【0167】
推薦された治療手順が治療の前の回診において使用された治療手順とは著しく異なる場合、ステップ208において、推薦された治療手順は、プロセッサ110によって意思決定者118に提供され、意思決定者118は、上記説明されたように、被検者を治療する医師などの人間の意思決定者であってもよく、又は電子意思決定者であってもよい。
【0168】
ステップ210において理解されるように、意思決定者からの入力は、プロセッサ110によって受信される。意思決定者は、被検者を治療する前に推薦された治療手順が修正されることを必要としてもよく、又は推薦された治療手順、若しくは推薦された治療手順に基づいた同様の治療手順が被検者に対して使用されるべきでないことを示してもよく、そのような要件は、入力として提供されてもよい。意思決定者が人間である実施形態では、入力は、ユーザインタフェース104及び入力モジュール102を介して提供されてもよい。
【0169】
ステップ212において、プロセッサ110は、推薦された治療手順に基づいた治療手順を使用して、意思決定者が被検者を治療することを承認したか否かを検査してもよい。プロセッサ110が、推薦された手順に基づいて意思決定者が治療手順の使用を承認しなかったと識別する場合、方法は、別の推薦された治療手順の選択のためのステップ204に戻る。
【0170】
他に、プロセッサ110が、意思決定者が推薦された治療手順の使用を承認したと識別する場合、ステップ214において、プロセッサは、使用されることになる治療手順を取得するために、意思決定者が推薦された治療手順へのいずれかの変更を行うことを必要としたか否かを検査してもよい。ステップ216において理解されるように、そのような変更が必要とされる場合、プロセッサ110は、推薦された治療手順に変更を適用して、使用されることになる治療手順を生成する。
【0171】
治療手順がステップ216において生成されると、ステップ218において、生成された治療手順、又は一部の実施形態では、それによって定義された振動手順のみが、カプセル制御ユニット116に、プロセッサ110によって提供される。代わりに、推薦された治療手順に変更が必要とされなかった場合(ステップ214において)、又は推薦された治療手順が治療の直前の回診において使用された治療手順とは著しく異ならない場合(ステップ208において)、ステップ218において、使用されることになる治療手順は、推薦された治療手順と同一に設定され、治療手順、又はそれによって定義された振動手順のみが、カプセル制御ユニット116に、プロセッサ110によって提供される。
【0172】
別の代替例として、方法は、例えば、カプセル制御ユニット116に、最初の治療の反復において使用されることになるデフォルトの治療手順又はデフォルトの振動手順を提供することによって、ステップ218から開始してもよい。そのような実施形態では、デフォルトの治療手順又はデフォルトの振動手順は、被検者のプロファイル又は他の被検者に関するデータベースにおいて収集されたいずれかのデータに関わらず、カプセルの製造者によって、又は
図1のシステムを使用して治療を開始するいずれかの被検者についての医師によって提供されてもよい。他の実施形態では、方法は、被検者プロファイルを作成するようにステップ200及び202により開始してもよく、次いで、デフォルトの治療手順又はデフォルトの振動手順がカプセル制御ユニット116に提供されるステップ218に直接進んでもよい。
【0173】
カプセル制御ユニット116が使用されることになる振動手順を受信すると、場合によっては使用されることになる治療手順の一部として、ステップ220において、カプセル制御ユニット116は、
図1に関して実質的に上記説明されたように、カプセルが活性化されると、又はそれが摂取されると、振動手順を実施するように、カプセル114a又は114bなどのプログラム可能振動摂取可能カプセルをプログラムする。一部の実施形態では、カプセル制御ユニット116はまた、例えば、ディスプレイ又は他のユーザインタフェースを介して、被検者又はその介護者に出力を提供し、出力は、使用されることになる治療手順において定義された治療処置を示す。
【0174】
ステップ222において理解されるように、プログラム可能振動摂取可能カプセル(例えば、114a又は114b)が振動手順を実施するようにプログラムされると、カプセルは、例えば、上記説明されたカプセル制御ユニット116の活性化モジュールによって活性化され、その摂取のために被検者に提供されて、被検者を治療する。上記説明されたように、被検者又はその介護者は、治療処置を通知され、使用されている治療手順において定義された治療処置に従ってプログラムされたカプセルを摂取するように指示される。
【0175】
一部の実施形態では、治療の最初の反復に作用するために使用される第1の振動摂取可能カプセルは、例えば、
図1のカプセル114aを参照して上記説明されたように、プログラム可能カプセルではないが、むしろ、デフォルトの振動手順など、特定の振動手順を実施するようにプログラムされた、プログラムされたカプセルである。一部のそのような実施形態では、方法は、プログラムされたカプセルの活性化、及びそれによる被検者の治療によってステップ222において開始してもよい。他の実施形態では、方法は、被検者プロファイルを作成するようにステップ200及び202により開始してもよく、次いで、被験者を治療するためにプログラムされたカプセルが活性化及び使用されるステップ222に直接進んでもよい。
【0176】
被検者の治療の間、又はそのような治療に続いて、ステップ224において理解されるように、プロセッサ110は、ユーザから、治療への被検者の反応に関するフィードバックを受信し、ユーザは、被検者、被検者を治療する医師、及び/又は被検者の介護者であってもよい。一部の実施形態では、フィードバックは、プロセッサのユーザインタフェース104及び入力モジュール102に提供される。
【0177】
一部の実施形態では、フィードバックは、特定の治療手順に従って治療の間若しくは治療に続いて被検者が排便を経験した時間、又は治療の間若しくは治療に続いて経験された自発的な排便(SBM)の数を示すことができる。
【0178】
一部の実施形態では、フィードバックは、排便に続く完全な排出、緊張、腫脹、ガス、鼓腸、排便の間の痛み、排便の間以外の時の痛み、又は治療の間若しくは治療に続いて発生した他の不当なイベントの感覚など、特定の治療手順に従って治療の間又は治療に続いて被検者によって経験された物理的感覚を示すことができる。例えば、被検者は、カプセルが被検者の直腸部を通ったときに振動が感じられたこと、又は治療に続いて腹痛が軽減されたことを示すフィードバックを提供してもよい。
【0179】
一部の実施形態では、フィードバックは、例えば、振動摂取可能カプセルが摂取された時刻など、治療手順の実施の間の被検者によって使用される治療処置を示すことができる。
【0180】
一部の実施形態では、フィードバックは、治療手順に従って、治療の間又は治療に続いて被検者によって排出された排泄物の少なくとも1つの特質を示すことができる。例えば、被検者は、治療に続いて排便のブリストル便性測定値を示すフィードバックを提供してもよい。
【0181】
ステップ226において、プロセッサ110は、1つ又は複数のセンサ120からフィードバックを受信してもよい。一部の実施形態では、センサは、便器に取り付けられ、被検者の体から振動摂取可能カプセルを排出することに関する情報を提供する。一部の実施形態では、情報は、振動摂取可能カプセルが被検者の体から排出された時間のインジケーションを含む。一部の実施形態では、情報は、排出されたカプセルの識別を含む。一部の実施形態では、情報は、以下説明されるように、例えば、排泄物のブリストル便性測定値など、被検者によって排出された排泄物に関する情報を含む。
【0182】
図1に関して上記議論されたように、便器取付センサ120は、米国特許出願公開第2009/0326514号において説明されたセンサなど、本分野において既知ないずれかの適切なセンサであってもよく、又は
図3A~7を参照して以下で説明される発明のセンサであってもよい。それによって
図3A~7の発明のセンサがフィードバックを取得し、プロセッサ110にフィードバックを提供する例示的な方法が、
図8に関して以下で説明される。
【0183】
一部の実施形態では、プロセッサ110は任意選択で、ステップ228において理解されるように、被検者によって提供されたフィードバックを、センサから受信されたフィードバックと比較又は相互参照してもよく、ステップ230において理解されるように、そのような比較の結果に基づいて、被検者のフィードバックに信頼性重みを割り当ててもよい。
【0184】
例えば、プロセッサ110は、排便を行ったことを被検者が報告した時間、及びカプセルが排出されたことをセンサが報告した時間を比較してもよい。被検者が、カプセルが排出された時間に排便を報告しなかった場合、これは、被検者が正確なフィードバックを提供していないことを示し、そのようにして、センサに基づくフィードバックは、被検者から受信されたフィードバックよりも高い信頼性重みが割り当てられる。
【0185】
ステップ232において、プロセッサ110は、ステップ224において被検者、医師、及び/若しくは介護者によって提供されたフィードバックに基づいて、並びに/又はステップ226においてセンサ120によって提供されたフィードバックに基づいて、被検者プロファイル106を更新する。ステップ230において、被検者及び/又はセンサフィードバックが信頼性スコアを割り当てられる実施形態では、被検者プロファイルを更新し、その結果、より信頼できるフィードバックにより大きな重要性が与えられるときに信頼性スコアが考慮される。
【0186】
その後、方法はステップ204に戻り、被検者に対する更新された治療手順の推薦は、更新されたユーザプロファイルに基づいて、及びデータが少なくとも1人の他の被検者に関連するデータベース108からのデータに基づいて取得される。
【0187】
一部の実施形態では、ステップ232における被検者プロファイル106の更新に続いて、プロセッサ110は、ステップ234において理解されるように、例えば、更新された被検者プロファイル106に基づいて、被検者に関連するデータベース108内のエントリを作成又は更新する。
【0188】
ここで、
図3A、3B、及び3Cを参照し、
図3A、3B、及び3Cはそれぞれ、本発明に従った、摂取可能カプセルを捕捉及び識別する発明の便器取付センサ300の部分破断側面図、部分破断斜視図、及び上面図である。一部の実施形態では、便器取付センサ300は、例えば、センサ120のように、
図1のシステムの一部を形成してもよい。
【0189】
図3A~3Cにおいて理解されるように、センサ300は、シーリングリム304によってその上端において囲まれたレセプタクル302を含む。センサ300は、シーリングリム304が係合し、便器の周囲全体に対して密封するその部分において、便器306内に配置されるように適合され、その結果、便器に排出されたいずれかの排泄物は、レセプタクル302に入り込む。
【0190】
一部の実施形態では、レセプタクル302は、水及び排泄物が通ることを可能にするのに充分に大きいが、レセプタクルに入り込むカプセルの直径よりも小さく、その結果、カプセルがフレームを通じて落下しない、隙間又は開口部を有する、ワイヤフレーム又はメッシュフレームから形成される。
【0191】
便器306に沿ってその外側からセンサ300のコントローラ308に延在するのは(以下で更に詳細に説明される)、センサ300に水の流れを提供する少なくとも1つの導管310、並びにセンサ300に電力を提供し、及び/又は
図1プロセッサ110などのリモートデバイスとのセンサ300の通信を可能にする少なくとも1つのワイヤ312である。
【0192】
ここで、
図4を参照し、
図4は、スタンバイモードにある便器取付センサ300のレセプタクル302の実施形態の断面図である。
【0193】
理解されるように、レセプタクル302は、上記説明されたワイヤフレーム底面320、及び孔324を囲む側壁322を有する。参照符号322aによって
図4に示される少なくとも1つの側壁は、排泄物をそこから洗い流すために、導管310から水を受け、孔324に水を噴霧するように適合された複数のウォータジェット326を含む。
【0194】
一部の実施形態では、コネクタ面334(
図5Aにおいて明確に理解される)によって相互に接続された複数のワイヤフレーム要素332(
図5Aにおいて明確に理解される)を含む押し出し機構330は、以下で更に詳細に説明されるように、レセプタクル302内に配置され、側壁322bのうちの1つに対して移動可能である。押し出し機構330は、ワイヤフレーム底部320を介してレセプタクルから吐き出すことができる部分にそれを分解するための、レセプタクル内で排泄物に対して機械力を提供するように、側壁322b及び322cの間でレセプタクル302に沿って後方及び前方に移動するように適合される。一部の実施形態では、押し出し機構330は更に、例えば、排泄物を分解するための押し出し機構330を駆動するモータによって及ぼされる力を検知することによって、レセプタクル302内の排泄物のブリストル便性測定値を検知するように適合される。
【0195】
側壁322bに対して遠位の押し出し機構の側面は、以下で更に詳細に説明されるように、全体的に半球状の入口338内で終端する斜形区画336を含み、入口338は、対応する斜形区画340、及びレセプタクル302の反対側壁322c内に形成された全体的に半球状の入口342と共に、振動摂取可能カプセルを捕捉し、その測定及び識別のために適合される。
【0196】
入口342の真下に配置されるのは、排出されたカプセルを捕捉し、それを識別したことに続いて、トイレの下方にそれを吐き出すための、レセプタクル302からカプセルを解放するように適合されたカプセル解放機構344である。一部の実施形態では、解放機構344は、捕捉されたカプセルをその識別に続いて開き、解放し、カプセルを取り除いた直後に再度閉じるように適合された、側壁322cにヒンジで接続されたハッチ346(
図7において明確に理解される)を含む。
【0197】
例示される実施形態では、以下で更に詳細に説明されるように、底面320は、カプセルがその捕捉する位置に到達する際に重力が支援することを可能にするように、側壁322c及び入口342に向かって傾かれるが、一部の実施形態では、底面320は、側壁322b及び322cに対して水平及び垂直であってもよい。
【0198】
入口342に隣接する、側壁322c内に含まれるのは、カプセル識別機構350であり、カプセル識別機構350は、捕捉されたカプセルの寸法及び/若しくは重みを測定し、並びに/又はカプセルを一意に識別するための、1つ若しくは複数のセンサ352、視覚システム354、通信システム、及び/又は重み付け機構を含んでもよい。
【0199】
以下で更に詳細に説明されるように、センサ352は、斜形区画336及び340の間の接点若しくは距離、並びに/又は入口338及び342の間で捕捉されたカプセルと入口壁との間の接点を検知するように適合された接触センサ又は距離センサであってもよい。
【0200】
視覚システム354は、視野を有し、典型的には、カプセルを一意に識別するように、視野を介して捕捉されたカプセルの壁を見るように適合される。一部の実施形態では、視覚システムは、捕捉されたカプセルの外側にプリントされたバーコードを識別するように適合されたバーコードリーダ、捕捉されたカプセルの外側にプリントされたQRコード(登録商標)を識別するように適合されたQRコードリーダ、捕捉されたカプセルの外側にプリントされたテキスト若しくは識別番号を走査及び解釈するように適合されたOCR機構、又はカプセルの外側の画像を捕捉し、捕捉された画像を分析して、カプセル若しくはその製造者を識別するように適合された画像捕捉及び分析機構を含んでもよい。
【0201】
一部の実施形態では、通信システムは、捕捉されたカプセルの外側に取り付けられたRFIDタグを読み込んで、カプセルを識別するように適合されたRFIDタグリーダを含む。通信システムは、視覚システムに組み込まれてもよく、又はそれとは分離されてもよい。
【0202】
重み付け機構は、以下で更に詳細に説明されるように、入口338及び342の間で捕捉されたカプセルを重み付けるように、好ましくは入口342に隣接した、レセプタクル302の底面320上に配置されてもよい。一部の実施形態では、重み付け機構は、解放機構344上に取り付けられる。
【0203】
レセプタクル302のコントローラ308は、側壁322のうちの1つ又は複数の上、又はその中に配置されてもよく、押し出し機構330の移動、一部の実施形態では、押し出し機構330の感知能力を制御し、識別機構350及び解放機構344の動作を制御するように適合される。加えて、コントローラ308は、押し出し機構330、解放機構344、及び識別機構350に電力を提供するように適合される。
【0204】
一部の実施形態では、コントローラ308は、カプセルが捕捉されたこと、並びに捕捉されたカプセルの寸法、重み、及び/又は識別子を識別するように、重み付け機構344及び/又は識別機構350から入力を受信するように適合される。一部の実施形態では、コントローラ308は、カプセルが捕捉及び/又は識別された時間を識別するためのクロックを含む。
【0205】
典型的には、コントローラ308は、コントローラの一部を形成する通信モジュールを介して、及び/又は便器306に沿ってレセプタクル302からリモート位置に延在する通信ワイヤ310を介して、プロセッサ110などのリモート位置と通信するように適合される。一部の実施形態では、コントローラ308は、カプセルが捕捉された時間、並びにその寸法、重み、及び/又は識別子など、カプセルに関する情報を、その使用のためにリモート位置に通信してもよい。例えば、
図1及び2の実施形態では、コントローラ308によって提供される情報は、カプセルが被検者のGI管内で費やした時間、又は複数の摂取されたカプセルが排出された順序を識別するために使用されてもよい。
【0206】
一部の実施形態では、コントローラ308は更に、押し出し機構330によって、又は押し出し機構を駆動するモータによって検知されるように、そのブリストル便性測定値など、排出された排泄物の特質に関連する情報を通信してもよい。一部のそのような実施形態では、カプセルが捕捉された場合、又は特定のタイプのカプセルが捕捉された場合のみ、コントローラ308は、排泄物に関連する情報を通信してもよい。
【0207】
図4に例示された実施形態では、コントローラ308は、側壁322b内に配置され、押し出し機構330を制御し、押し出し機構330に電力を提供するように適合された第1の部分308a、並びに側壁322c内に配置され、解放機構344及び識別機構350を制御し、解放機構344及び識別機構350に電力を提供するように適合された第2の部分308bを有する。しかしながら、本発明の範囲内でコントローラ308のいずれかの他の配置が考えられる。
【0208】
ここで、
図5A及び5Bを参照し、
図5A及び5Bはそれぞれ、動作モードにあるレセプタクル302の斜視図及び断面図である。理解されるように、押し出し機構330は、矢印370によって示されるように、側壁322bから離れて、且つ側壁322cに向かって押し出される。その排泄物と共に被検者の体から排出された振動摂取可能カプセル372は、レセプタクル302に入り込み、入口342及び識別機構350に向かって押し出し機構330によって押し出されてもよい。一部の実施形態では、カプセル372は、全体的に卵型であり、縦軸374の周りを対称であり、軸374に対して垂直な方向に全体的に円形断面を有する。
【0209】
押し出し機構330は、底面320を介してそれを取り除くためにレセプタクル302に入り込んだ排泄物を分解するように、矢印370の方向に且つ反対方向に複数回押し出されてもよいことを認識されよう。一部の実施形態では、押し出し機構330の動きは、それを押し出し、及び/又は捕捉する前に、排泄物を洗い落とし、カプセルを掃除するためのジェット326から噴霧された水が伴う。
【0210】
ここで、
図6を参照し、
図6は、カプセル捕捉モードにあるレセプタクル302の部分断面図である。
図6において理解されるように、押し出し機構330は、それが側壁322cに係合するまで側壁322bから遠位に押し出され、その結果、斜形区画336及び340が相互に係合し、カプセル372が入口338及び342の間に閉じ込まれる。底面320のワイヤフレーム及び押し出し機構330の入口338の配置によって、カプセル372が捕捉され、その結果、縦軸374が側壁322cに対して全体的に並列し、カプセルの円形断面が入口338及び342によって形成された円形断面を埋めるのが本発明の特定の特徴である。
【0211】
カプセルを捕捉することが、その寸法の測定をもたらすことが本明細書における教示の特定の特徴である。特に、識別機構350のセンサ352は、カプセルの寸法を識別する。区画340に沿って取り付けられたセンサ352aは、斜形区画336及び340が相互に係合するか否かを識別し、カプセルが捕捉されるときに斜形区画が相互に係合しない場合、カプセルは、入口338及び342の間の凹部の円形断面の外周よりも大きい外周を有する。入口342に沿って取り付けられたセンサ352bは、カプセルの外周が入口壁に係合するか否かを識別し、カプセルが捕捉されるときにカプセルの外周が入口壁に係合しない場合、カプセルは、入口338及び342の間の凹部の円形断面の外周よりも小さい外周を有する。一部の実施形態では、入口338及び342の真下に配置することができる重み付け機構358は、カプセルが捕捉される間にカプセル372の重みを識別する。
【0212】
一部の実施形態では、入口338及び342の間の凹部の円形断面は特に、特定のタイプのカプセルの断面に一致するような大きさにされてもよく、その結果、コントローラ308は、センサ352から受信された入力に基づいて、捕捉されたカプセルが特定のタイプのカプセルであるか否かを識別することができる。加えて、捕捉されたカプセル372の寸法が予想される寸法に一致する場合でさえ、コントローラ308は、カプセルが実際に予想される特定のタイプのカプセルであるかどうかを判定するために、カプセルの識別された重みを使用してもよい。カプセルが予想される寸法及び重みを有する場合、コントローラ308は、例えば、プロセッサ110にカプセルの捕捉を報告してもよく、それが異なった大きさとされ、又は異なる重みを有する場合、コントローラ308は、カプセルの捕捉を報告しないと選択してもよい。
【0213】
カプセル372が入口338及び342の間で捕捉されるとき、視覚システム354は、視野355を介してカプセル372の外側の一部を見ることができ、よって、カプセルを一意に識別することができる。上記説明されたように、1つの実施例では、カプセルは、そこにプリントされたバーコードを有してもよく、視覚システムは、そこにプリントされたバーコードを読み込むことによってカプセルを識別するように適合されたバーコードリーダを含む。別の実施例では、カプセルは、そこにプリントされたQRコード(登録商標)を有してもよく、視覚システムは、そこにプリントされたコードを読み込むことによってカプセルを識別するように適合されたQRコードリーダを含む。更なる別の実施例では、カプセルは、その外側にプリントされた特定のロゴ及び/若しくは識別、又はシリアル番号を有し、視覚システム354は、ロゴ及びシリアル番号を読み込んで、カプセルを識別するために適切なOCR機構又は他の機構を含む。
【0214】
一部の実施形態では、カプセルの識別は代わりに又は加えて、通信システム356によって達成されてもよい。例えば、通信システムは、RFIDタグリーダを含んでもよく、RFIDタグリーダは、捕捉されたカプセルの外側上に取り付けられたRFIDタグを識別することができる。カプセルの識別に続いて、コントローラ308は、上記説明されたように、リモート位置に、カプセルの捕捉、及びカプセルに関する情報を報告してもよい。一部の実施形態では、コントローラ308は、例えば、上記説明されたように、カプセルが特定の製造者に属するとして、又は特定のタイプのカプセルであるとして識別される場合のみ情報を報告してもよい。
【0215】
ここで、
図7を参照し、
図7は、カプセル解放モードにあるレセプタクル302の断面図である。
図7において理解されるように、カプセルの識別の完了に続いて、押し出し機構330は、入口338及び342の間の孔からカプセル372を解放するように、側壁322cから離れてずらされてもよく、解放機構344のハッチ346は、例えば、カプセル372がレセプタクル302bから落下することを可能にし、トイレの下方に吐き出されることを可能にするように、底面320に対して下方向に回転することによって開いてもよい。一部の実施形態では、解放機構は、コントローラ308によって電気的に制御され、その結果、カプセルがレセプタクルから取り除かれたと想定される予め定められた期間の後、又は例えば、ハッチ346上で、センサがカプセルの解放を識別した後、ハッチ346が再度閉じられる。
【0216】
ここで更に、
図8を参照し、
図8は、本発明に従った、便器に排出された摂取可能カプセルを捕捉及び識別する方法の概略フローチャートであり、方法は、
図3A~7のうちのいずれか1つの発明の便器取付センサ300を利用する。
【0217】
初期ステップ400において、摂取可能カプセルを含む排泄物は、センサ300のレセプタクル302など、レセプタクル内で捕捉される。押し出し機構330は、ステップ402において理解されるように、排泄物にそれを分解するための機械力を加えるように、前方(側壁322cに向かって)並びに後方に(側壁322cから離れて、及び側壁322bに向かって)押し出される。
【0218】
押し出し機構の分解アクションに続いて、又はそれと同時に、ステップ404において、ウォータジェット326は、排泄物を洗い落とすように活性化され、排泄物は、底面320のワイヤフレームを介して、レセプタクルから取り除かれてもよい。
【0219】
一部の実施形態では、ステップ402及び404は、予め定められた数のサイクルの間、予め定められた期間の間、又はカプセル上若しくはレセプタクル内に残っている残存した排泄物がほとんどなく若しくは残存した排泄物がないとコントローラ308が判定するまで繰り返されてもよい。
【0220】
ステップ406において、排泄物の取り除き、及びカプセルの掃除に続いて、押し出し機構330は、押し出し機構330が更に移動することができなくなるまで、側壁322cに向かってずらされてもよく、その方向にカプセルを押し出す。
【0221】
ステップ408において、コントローラ308は、押し出し機構がレセプタクルの側壁に係合したか否か、より具体的には、斜形区画336及び340が、例えば、センサ352a(
図7)を使用して相互に係合するか否かを評価する。
【0222】
押し出し機構が更に移動することができないが、斜形区画336及び340が相互に係合しない場合、これは、捕捉されたカプセルが予想されるカプセルよりも大きな断面の外周を有することを示し、ステップ410において、コントローラは、捕捉されたカプセルが予想されるタイプのカプセルではないと結論付ける。ステップ412において、解放機構は、上記説明されたように、例えば、ハッチ346を開くことによって、捕捉されたカプセルを解放するように動作する。
【0223】
他に、ステップ408において、斜形区画336及び340が相互に係合すると判定される場合、ステップ414において、コントローラ308は、捕捉されたカプセルの外側面が、例えば、センサ352b(
図7)を使用して、入口338及び342の間の凹部の面に係合するかどうかを評価する。
【0224】
斜形区画336及び340が相互に係合するときにカプセルが凹部の面に係合しない場合、これは、捕捉されたカプセルが予想されるカプセルよりも小さな断面の外周を有することを示し、方法は、捕捉されたカプセルが予想されるタイプのカプセルではないとコントローラが結論付けるステップ410、及びカプセルがレセプタクルから解放されるステップ412を続ける。
【0225】
カプセルが予想される寸法を有すると判定される場合、コントローラ308は、重み付け機構から、捕捉されたカプセルの重みに関連する情報を受信してもよく、ステップ418において、カプセルの測定された重みがカプセルの予想される重みに一致するか否か、又は予想される重みの予め定められた誤差の範囲内にあるか否かを判定してもよい。カプセルの測定された重みが予想される重みに一致しない場合、方法は、捕捉されたカプセルが予想されるタイプのカプセルではないとコントローラが結論付けるステップ410、及びカプセルがレセプタクルから解放されるステップ412を続ける。
【0226】
他に、コントローラは、カプセルが予想されるタイプのカプセルであると結論付け、ステップ422において、識別機構は、例えば、バーコード、QRコード(登録商標)、一意な識別番号若しくは文字列、又はカプセルの外側の面に位置するRFIDタグを読み込むことによってカプセルを一意に識別する。
【0227】
ステップ424において、コントローラは、
図1のプロセッサ110などのリモート位置に、カプセルがユーザの体から排出された時間若しくはカプセルが識別機構によって識別された時間、及び/又はカプセルの一意な識別など、カプセルに関連する情報を報告してもよく、情報は、カプセルによる治療への被検者の反応をより良好に理解するために使用されてもよい。一部の実施形態では、コントローラは更に、押し出し機構によって識別されるように、且つ上記説明されたように、そのブリストル便性測定値など、排泄物に関する情報を報告してもよい。上記詳細に議論されたように、報告は、コントローラ308、又はセンサ300の別の部分と、リモート位置との間の有線又は無線通信によって実行されてもよい。
【0228】
そのような報告の後、又はそれと並列して、ステップ412において、カプセルがレセプタクルから解放される。
【0229】
明確にするために別個の実施形態のコンテキストで説明された本発明の特定の特徴は、単一の実施形態における組み合わせでも提供されてもよいことが認識されよう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態のコンテキストで説明された本発明の様々な特徴は、別個に又はいずれかの適切な下位の組み合わせでも提供されてもよい。
【0230】
本発明がその特定の実施形態と共に説明されてきたが、多くの代替物、修正物、及び変形物が当業者にとって明らかであることが明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広い範囲内にある全てのそのような代替物、修正物、及び変形物を包含することが意図される。本明細書内で言及された全ての公開物、特許、及び特許出願は、各々の個々の公開物、特許、又は特許出願が参照によって本明細書に組み込まれることが明確且つ個々に示されたような程度まで、それらの全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。加えて、本出願におけるいずれかの引用文献の引用又は識別は、そのような引用文献が本発明への従来技術として利用可能であることを承認するとして解釈されるべきではない。