(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】建設機械及びその管理装置
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20220606BHJP
G01M 99/00 20110101ALI20220606BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20220606BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20220606BHJP
【FI】
E02F9/20 Q
G01M99/00 Z
G05B23/02 V
G08C15/00 D
(21)【出願番号】P 2017033876
(22)【出願日】2017-02-24
【審査請求日】2019-10-15
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】古賀 方土
【合議体】
【審判長】森次 顕
【審判官】藤脇 昌也
【審判官】西田 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-516626(JP,A)
【文献】特開2002-180502(JP,A)
【文献】特開2000-316819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F9/20
G01M99/00
G05B23/02
G08C15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械に取り付けられたセンサが出力する
前記建設機械の稼働中に取得された一次データを時系列グループ毎に参照可能に記憶媒体に記憶する一次データ記憶部と、
前記時系列グループ毎に前記一次データから二次データを算出して外部装置に送信する二次データ送信部と、
前記建設機械の稼働中に、前記外部装置からの送信要求信号に応じ、前記送信要求信号によって特定される1又は複数の前記二次データに対応する期間に記憶された前記一次データを前記外部装置に送信する一次データ送信部と、を有する、
建設機械。
【請求項2】
建設機械に取り付けられたセンサが出力する
前記建設機械の稼働中に取得された一次データを時系列グループ毎に参照可能に記憶媒体に記憶する一次データ記憶部と、
前記時系列グループ毎に前記一次データから二次データを算出して管理装置に送信する二次データ送信部と、
前記建設機械の稼働中に、前記管理装置からの送信要求信号に応じ、前記送信要求信号によって特定された1又は複数の前記二次データに対応する期間に記憶された前記一次データを前記管理装置に送信する一次データ送信部と、
を有する建設機械の外部にある管理装置であって、
所定条件が満たされた場合に、前記建設機械が送信する前記二次データのうちの1又は複数を特定できる情報を含む前記送信要求信号を前記建設機械に向けて送信する送信要求部を有する、
管理装置。
【請求項3】
前記送信要求信号を前記建設機械に向けて送信した後の所定の待ち時間内に前記建設機械から前記一次データを受信しない場合、その後に前記建設機械から前記二次データを最初に受信したときに、前記送信要求信号を再送信するように構成されている、
請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記送信要求信号を前記建設機械に向けて送信した後の所定の待ち時間内に前記建設機械から前記一次データを受信しない場合、所定の再送信時間が経過する度に、前記送信要求信号を再送信するように構成されている、
請求項2又は3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記建設機械から前記一次データを受信した場合、前記建設機械が稼働中であること、
及び、前記建設機械から前記一次データを受信したことの少なくとも一方を外部に通知できるように構成されている、
請求項2乃至4の何れかに記載の管理装置。
【請求項6】
前記送信要求信号を前記建設機械に向けて送信した後の所定の待ち時間内に前記建設機械から前記一次データを受信しない場合、前記建設機械が非稼働中であること、及び、前記建設機械から前記一次データを未だ受信していないことの少なくとも一方を外部に通知できるように構成されている、
請求項2乃至5の何れかに記載の管理装置。
【請求項7】
前記所定条件が満たされた場合は、操作者の入力を受け付けた場合、又は、前記建設機械から受信した前記二次データの値が所定の条件を満たした場合を含む、
請求項2乃至6の何れかに記載の管理装置。
【請求項8】
前記建設機械から受信した前記一次データの実際の推移と理想的な推移とを同時に表示できるように構成されている、
請求項2乃至7の何れかに記載の管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械及び建設機械の管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ショベルを構成する部品の故障に関する情報を表示するショベル管理装置が知られている(特許文献1参照。)。ショベルは、通信回線を介してショベル管理装置に各種情報を送信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、ショベルからショベル管理装置へ送信される情報の詳細を開示していない。ショベルの状態を遠隔地にあるショベル管理装置でモニタリングする場合、ショベルからショベル管理装置へ送信されるデータの質が重要となる。ショベルが高いサンプリングレートで時系列にサンプリングする一次データ(生データ)の全てをショベル管理装置へ送信すると通信コストが膨大になってしまう。一方、一次データを加工することで得られる二次データ(例えば、平均値等の統計データ)はサンプリング期間の設定方法によって質的なバラツキが生じてしまう。すなわち、ショベルの現状を適切に表現する高品質な二次データが得られる場合もあれば、ショベルの現状を適切に表現できていない低品質な二次データが得られる場合もある。
【0005】
上述に鑑み、適切なタイミングで適切な質のデータを送信できる建設機械を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例に係る建設機械は、建設機械に取り付けられたセンサが出力する前記建設機械の稼働中に取得された一次データを時系列グループ毎に参照可能に記憶媒体に記憶する一次データ記憶部と、前記時系列グループ毎に前記一次データから二次データを算出して外部装置に送信する二次データ送信部と、前記建設機械の稼働中に、前記外部装置からの送信要求信号に応じ、前記送信要求信号によって特定される1又は複数の前記二次データに対応する期間に記憶された前記一次データを前記外部装置に送信する一次データ送信部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
上述の手段により、適切なタイミングで適切な質のデータを送信できる建設機械が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】作業管理システムの構成例を示す概略図である。
【
図6】作業管理システムにおける処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【
図8】二次データの時間的推移の例を示す表である。
【
図9】一次データの時間的推移の例を示すグラフである。
【
図10】作業管理システムにおける処理の流れの別の例を示すシーケンス図である。
【
図11】エンジン負荷率の時間的推移の表示例である。
【
図12】エンジン回転数の時間的推移の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
最初に、
図1及び
図2を参照し、本発明の実施例に係る建設機械としてのショベル(掘削機)100を含む作業管理システムSYSについて説明する。
図1は、作業管理システムSYSの構成例を示す概略図である。
図2は、作業管理システムSYSのシステム構成図である。
【0010】
作業管理システムSYSは、ショベルによる作業を管理するシステムであり、主に、ショベル100及び管理装置300で構成される。作業管理システムSYSを構成するショベル100は1台であってもよく、複数台であってもよい。
図1及び
図2の例は、1台のショベル100を含む。
【0011】
管理装置300は、ショベルの作業を管理する装置であり、例えば、作業現場外の管理センタ等に設置されるコンピュータである。管理装置300は、使用者が持ち運び可能な可搬性のコンピュータ(例えば、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン等の携帯情報端末)であってもよい。
【0012】
ショベル100の下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載される。上部旋回体3にはブーム4が取り付けられる。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはバケット6が取り付けられる。作業要素としてのブーム4、アーム5、及びバケット6はアタッチメントの一例である掘削アタッチメントを構成する。ブーム4、アーム5、バケット6は、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。上部旋回体3にはキャビン10が設けられ、エンジン11等の動力源が搭載される。
【0013】
ショベル100は、
図2に示すように、エンジン11、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブ17、操作装置26、コントローラ30、エンジン制御装置74等で構成される。
【0014】
エンジン11はショベル100の駆動源であり、例えば、所定の回転数を維持するように動作するディーゼルエンジンである。エンジン11の出力軸はメインポンプ14及びパイロットポンプ15の入力軸に接続される。
【0015】
メインポンプ14は、高圧油圧ライン16を介して作動油をコントロールバルブ17に供給する斜板式可変容量型油圧ポンプである。メインポンプ14は、斜板傾転角の変化に応じて1回転当たりの吐出流量が変化する。斜板傾転角はレギュレータ14aにより制御される。レギュレータ14aはコントローラ30からの制御電流の変化に応じて斜板傾転角を変化させる。ショベル100には、メインポンプ14の吐出圧を検出する吐出圧センサ、斜板傾転角を検出する角度センサが取り付けられている。
【0016】
パイロットポンプ15は、パイロットライン25を介して操作装置26等の各種油圧制御機器に作動油を供給する固定容量型油圧ポンプである。
【0017】
コントロールバルブ17は油圧アクチュエータに関する作動油の流れを制御する流量制御弁のセットである。コントロールバルブ17は、操作装置26の操作方向及び操作量に対応するパイロット圧の変化に応じ、メインポンプ14から高圧油圧ライン16を通じて受け入れた作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給する。油圧アクチュエータは、例えば、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、左走行用油圧モータ1A、右走行用油圧モータ1B、旋回用油圧モータ2A等を含む。ショベルには、油圧アクチュエータにおける作動油の圧力を検出する圧力センサが取り付けられている。
【0018】
操作装置26は、ショベル100の操作者が油圧アクチュエータの操作のために用いる装置である。操作装置26はパイロットライン25を介してパイロットポンプ15から作動油の供給を受けてパイロット圧を生成する。そして、パイロットライン25aを通じ、対応する流量制御弁のパイロットポートにそのパイロット圧を作用させる。パイロット圧は操作装置26の操作方向及び操作量に応じて変化する。パイロット圧センサ15aはパイロット圧を検出し、その検出値をコントローラ30に対して出力する。
【0019】
コントローラ30は、ショベル100を制御するための制御装置である。本実施例では、コントローラ30はCPU、揮発性記憶媒体、不揮発性記憶媒体等を備えたコンピュータで構成される。コントローラ30のCPUは、各種機能に対応するプログラムを不揮発性記憶媒体から読み出して揮発性記憶媒体にロードして実行することで、それらプログラムのそれぞれに対応する機能を実現させる。
【0020】
エンジン制御装置74はエンジン11を制御する装置である。エンジン制御装置74は、例えば、入力装置を介して設定されたエンジン回転数が実現されるように燃料噴射量等を制御する。エンジン制御装置74には、エンジン回転数センサSR1、エンジン負荷率センサSR2、燃料噴射量センサSR3等が接続されている。エンジン負荷率センサSR2は、エンジントルクセンサであってもよい。
【0021】
上部旋回体3に取り付けられた送信装置S1、受信装置S2、測位装置S3、姿勢検出装置S4、向き検出装置S5、カメラS6、表示装置40のそれぞれはコントローラ30に接続される。コントローラ30は、受信装置S2、測位装置S3、姿勢検出装置S4、向き検出装置S5、及びカメラS6のそれぞれが出力する情報に基づいて各種演算を実行する。そして、演算結果に基づいて生成した情報を送信装置S1から外部に発信し、或いは、表示装置40で表示させる。
【0022】
送信装置S1はショベル100の外部に向けて情報を発信する。送信装置S1は、例えば、管理装置300が受信可能な情報を発信する。本実施例では、送信装置S1は、衛星回線、携帯電話回線等を通じて管理装置300が受信可能な情報を管理装置300に向けて発信する。
【0023】
受信装置S2はショベル100の外部からの情報を受信する。受信装置S2は、例えば、管理装置300が発信する情報を受信する。本実施例では、受信装置S2は、衛星回線、携帯電話回線等を通じて管理装置300が発信する情報を受信する。
【0024】
測位装置S3はショベル100の位置に関する情報を取得する。本実施例では、測位装置S3はGNSS(GPS)受信機であり、ショベル100の存在位置の緯度、経度、高度を測定する。
【0025】
姿勢検出装置S4はショベル100の姿勢を検出する。ショベル100の姿勢は、例えば、掘削アタッチメントの姿勢である。本実施例では、姿勢検出装置S4は、ブーム角度センサ、アーム角度センサ、バケット角度センサ、及び機体傾斜センサを含む。ブーム角度センサは、ブーム角度を取得するセンサであり、例えば、ブームフートピンの回転角度を検出する回転角度センサ、ブームシリンダ7のストローク量を検出するストロークセンサ、ブーム4の傾斜角度を検出する傾斜(加速度)センサ等を含む。アーム角度センサ及びバケット角度センサについても同様である。機体傾斜センサは機体傾斜角度を取得するセンサであり、例えば、水平面に対する上部旋回体3の傾斜角度を検出する。本実施例では、機体傾斜センサは上部旋回体3の前後軸及び左右軸回りの傾斜角を検出する2軸加速度センサである。なお、上部旋回体3の前後軸及び左右軸は、例えば、互いに直交してショベル100の旋回軸上の一点であるショベル中心点を通る。機体傾斜センサは3軸加速度センサであってもよい。
【0026】
向き検出装置S5は、ショベル100の向きを検出する。向き検出装置S5は、地磁気センサ、旋回機構2の旋回軸に関するレゾルバ又はエンコーダ、ジャイロセンサ等で構成される。本実施例では、向き検出装置S5は、3軸地磁気センサとジャイロセンサの組み合わせで構成される。
【0027】
コントローラ30は、測位装置S3、姿勢検出装置S4、及び向き検出装置S5の出力に基づいてバケット6の爪先の軌跡情報を取得できる。
【0028】
コントローラ30、表示装置40、エンジン制御装置74等は蓄電池70から電力の供給を受けて動作する。蓄電池70はエンジン11によって駆動される発電機11aによって充電される。蓄電池70の電力はエンジン11のスタータ11b等にも供給される。スタータ11bは蓄電池70からの電力で駆動されてエンジン11を始動させる。
【0029】
カメラS6は、上部旋回体3に取り付けられてショベル100の周囲を撮像する。本実施例では、カメラS6は、ショベル100の後方の空間を撮像する後方カメラ、ショベル100の右側方の空間を撮像する右側方カメラ、及び、ショベル100の左側方の空間を撮像する左側方カメラを含む。
【0030】
表示装置40は、各種情報を表示する装置であり、キャビン10内の運転席の近傍に配置されている。本実施例では、表示装置40は、カメラS6が撮像した画像、及び、飛行体200が撮像した画像を表示可能である。カメラS6が撮像した画像は、複数台のカメラの撮像画像を合成して得られる合成画像を含む。合成画像は、視点変換処理等の各種画像処理が施されてもよい。表示装置40は、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン等の携帯情報端末であってもよい。
【0031】
管理装置300は、制御装置301、送信装置302、受信装置303、表示装置304、操作入力装置305等で構成される。
【0032】
制御装置301は、管理装置300を制御するための装置である。本実施例では、制御装置301は、揮発性記憶媒体、不揮発性記憶媒体等を備えたコンピュータで構成される。制御装置301のCPUは、各種機能に対応するプログラムを不揮発性記憶媒体から読み出して揮発性記憶媒体にロードして実行することで、それらプログラムのそれぞれに対応する機能を実現させる。
【0033】
送信装置302は、管理装置300の外部に向けて情報を発信する。送信装置302は、例えば、衛星回線、携帯電話回線等を通じてショベル100が受信可能な情報をショベル100に向けて発信する。
【0034】
受信装置303は、管理装置300の外部からの情報を受信する。受信装置303は、例えば、衛星回線、携帯電話回線等を通じてショベル100が発信する情報を受信する。
【0035】
表示装置304は、各種情報を表示するための装置である。本実施例では、表示装置304は液晶ディスプレイであり、ショベル100による作業に関する情報、地形データに関する情報等を表示する。
【0036】
操作入力装置305は、操作入力を受けるための装置である。本実施例では、操作入力装置305は、液晶ディスプレイの上に配置されるタッチパネルである。キーボード、マウス等であってもよい。
【0037】
次に
図3を参照し、作業管理システムSYSにおける各種機能要素について説明する。
図3は、作業管理システムSYSの機能ブロック図である。作業管理システムSYSは、主に、一次データ記憶部F1、二次データ送信部F2、一次データ送信部F3、及び送信要求部F4を有する。本実施例では、ショベル100のコントローラ30が一次データ記憶部F1、二次データ送信部F2、及び一次データ送信部F3を有し、管理装置300の制御装置301が送信要求部F4を有する。
【0038】
一次データ記憶部F1は、建設機械に取り付けられたセンサが出力するデータを記憶する機能要素である。一次データ記憶部F1が記憶するデータは、例えば、未加工の生データ又はほぼ未加工のデータ(例えば時系列データ)であり、以下「一次データ」とする。本実施例では、一次データ記憶部F1は、ショベルに取り付けられたセンサが出力する一次データを時系列グループ単位で参照可能に不揮発性記憶媒体に記憶する。この不揮発性記憶媒体は、ショベル100に搭載されている記憶媒体であり、例えば、コントローラ30に備えられた記憶媒体である。具体的には、一次データ記憶部F1は、エンジン回転数センサSR1、エンジン負荷率センサSR2等が出力する測定データを数十ミリ秒のサンプリング間隔で時系列に記憶する。そして、一次データ記憶部F1は、数秒(例えば100サンプル)毎に識別番号を付与してグループ化することによってグループ単位で参照可能にする。識別番号は、例えば、各グループのサンプリング開始時刻とサンプリング終了時刻に関する情報、各グループの最初のサンプル番号と最後のサンプル番号に関する情報等に関連付けられている。
【0039】
図4は、不揮発性記憶媒体に記憶された一次データの例を示す。具体的には、
図4(A)は、不揮発性記憶媒体に記憶された一次データであるエンジン回転数及びエンジン負荷率の時間的推移をグラフで示す。
図4(A)は、2秒毎に識別番号D1、・・・、D5、・・・、D10、・・・が付与されて一次データが100サンプル毎にグループ化されている状態を破線矩形領域で示す。
図4(B)は、不揮発性記憶媒体に記憶された一次データを表形式で示す。
図4(B)は、時刻t1にサンプリングされたサンプル番号sm1から時刻t100にサンプリングされたサンプル番号sm100までの100サンプルの一次データが識別番号D1でグループ化されている状態を示す。
【0040】
一次データ記憶部F1は、ショベルが所定の動作モードにある場合にサンプリングされた一次データを、ショベルが他の動作モードにある場合にサンプリングされた一次データよりも長い期間にわたって記憶してもよい。この場合、ショベルが他の動作モードにある場合に不揮発性記憶媒体に記憶された一次データは、ショベルが所定の動作モードにある場合に不揮発性記憶媒体に記憶された一次データよりも早いタイミングで後続の一次データで上書きされ得る。例えば、一次データ記憶部F1は、各種センサの出力に基づいてショベルがアイドリングモードにあるか否かを判定する。アイドリングモードは、例えば、エンジン11に対する負荷が極めて低い状態又はエンジン11に対する負荷が実質的に無い状態をもたらす動作モードである。そして、ショベルがアイドリングモードにあると判定している場合に記憶された一次データが、後続の一次データで上書きされないようにする。或いは、上書きされる順番が遅くなるように構成される。但し、ショベルがアイドリングモードにあると判定している場合に記憶された一次データであっても、記録時点から所定期間(例えば2週間)が経過した場合にはこの限りではない。すなわち、ショベルが他の動作モードにある場合に記憶された一次データと同様に後続の一次データで上書きされてもよい。
【0041】
図4の例で説明すると、例えば、識別番号D1及びD5で表される期間がアイドリングモードであった場合、識別番号D2~D4で表される期間中に記憶された一次データは、識別番号D6~D8で表される期間中にサンプリングされる一次データで上書きされてもよい。
【0042】
二次データ送信部F2は、1又は複数の一次データから導き出されるデータを外部装置に送信する機能要素である。二次データ送信部F2が送信するデータは、例えば、一次データを加工することで得られる加工データ(例えば特徴量データ)であり、以下、「二次データ」とする。本実施例では、二次データ送信部F2は、グループ単位で参照可能に不揮発性記憶媒体に記憶された1又は複数の一次データからグループ毎に二次データを算出して外部装置に送信する。具体的には、各期間でサンプリングした100サンプルのエンジン回転数の測定データから平均値及び標準偏差を算出する。エンジン負荷率等についても同様である。そして、算出したエンジン回転数の平均値及び標準偏差、エンジン負荷率の平均値及び標準偏差等を管理装置300に向けて送信する。エンジン負荷率はエンジントルクであってもよい。
【0043】
このようにして、二次データ送信部F2は、一次データの時間的推移を表す波形データを複数の二次データをベクトル成分とする特徴量ベクトルに変換して情報量を圧縮した上で二次データの集合としての特徴量ベクトルを管理装置300に向けて送信する。
【0044】
二次データ送信部F2は、二次データに基づいて更なる二次データを算出し且つ送信してもよい。更なる二次データは、例えば、二次データの組み合わせがどの程度異常であるかを表す指標である異常度としてのマハラノビス距離である。マハラノビス距離は、Mahalanobis-Taguch(MT)法で用いられる値であり、エンジン回転数の平均値、標準偏差、エンジン負荷率の平均値、標準偏差等に基づいて導き出される。異常度として、ユークリッド距離等のマハラノビス距離以外の他の指標が用いられてもよい。
【0045】
二次データ送信部F2は、通常、二次データをリアルタイムで算出し、且つ、5時間に1回、1日に1回といった所定の時間間隔で、その間に算出した二次データをまとめて管理装置300に向けて送信する。但し、二次データを算出する度にその二次データを管理装置300に向けて送信してもよい。
【0046】
図5は、二次データ送信部F2が2秒毎に算出した二次データの例を表形式で示す。
図5の例では、二次データ送信部F2は、エンジン回転数平均値SA、エンジン回転数標準偏差SD、エンジン負荷率平均値LA、エンジン負荷率標準偏差LD、及び、異常度としてのマハラノビス距離Mを算出している。
【0047】
一次データ送信部F3は、外部装置からの送信要求信号に応じて一次データを外部装置に送信する機能要素である。本実施例では、一次データ送信部F3は、ショベルの稼働中に、管理装置300からの送信要求信号に応じて一次データを管理装置300に送信する。このときに送信される一次データは、例えば、送信要求信号によって特定された1又は複数の二次データに対応する期間に記憶された一次データである。具体的には、送信要求信号が特定する二次データに対応する期間が識別番号D1(
図5参照。)で表される期間の場合、その期間でサンプリングした100サンプル分の一次データを管理装置300に送信する。その一次データは、100サンプル分のエンジン回転数の測定データと、100サンプル分のエンジン負荷率の測定データ(
図4の破線矩形領域G1参照。)を含む。
【0048】
送信要求部F4は、建設機械に対して一次データの送信を要求する機能要素である。本実施例では、送信要求部F4は、所定条件が満たされた場合に、送信要求信号をショベル100に向けて送信する。
【0049】
「所定条件が満たされた場合」は、管理装置300を操作する操作者の入力を受け付けた場合、建設機械から受信した二次データの値が所定の条件を満たした場合等を含む。「操作者の入力を受け付けた場合」は、例えば、操作入力装置305を介して特定の期間に関する二次データの基となった100サンプル分の一次データの閲覧要求が操作者によって入力された場合である。「建設機械から受信した二次データの値が所定の条件を満たした場合」は、例えば、特定の期間に関する二次データから導き出される異常度(例えば、マハラノビス距離)が所定値を上回った場合である。送信要求部F4は、一次データ送信部F3の代わりに異常度を算出してもよい。この場合、一次データ送信部F3による異常度の算出は省略される。
【0050】
送信要求信号は、建設機械が送信する二次データのうちの1又は複数を特定できる情報を含む。その情報は、例えば、一次データのグループ毎に付与される識別番号である。
【0051】
ここで、
図6を参照し、作業管理システムSYSにおける処理の流れについて説明する。
図6は、管理装置300に搭載されている制御装置310、管理装置300を操作する操作者、及び、ショベル100に搭載されているコントローラ30に関する処理の流れを示すシーケンス図である。
【0052】
図6に示されるように、コントローラ30は、ショベル100が起動される度に起動し、ショベル100の停止と共に停止する。コントローラ30は、稼働中に所定時刻になると、制御装置301に二次データを送信する(SQ1)。制御装置301は、コントローラ30から受信した二次データを不揮発性記憶媒体に記憶する。この不揮発性記憶媒体は、管理装置300に搭載されている記憶媒体であり、例えば、制御装置301に備えられた記憶媒体である。
【0053】
操作者は、所望のタイミングで制御装置301にログインし(SQ2)、ログイン許可を受ける(SQ3)。そして、特定のショベルに関する二次データ閲覧要求を制御装置301に対して送信する(SQ4)。制御装置301は、二次データ閲覧要求を受けると、それまでに記憶しておいた二次データのうち、特定されたショベルに関する二次データの時間的推移を表示装置304に表示する(SQ5)。
【0054】
図7は、表示装置304に表示された二次データの時間的推移の例であり、
図8は、制御装置301の不揮発性記憶媒体に記憶された二次データの時間的推移の例である。具体的には、
図7は、20個の識別番号D1~D20で表される20個の期間のそれぞれに関するマハラノビス距離をグラフで表示している。
【0055】
その表示を見た操作者は、識別番号D18~D20で表される各期間に関するマハラノビス距離が顕著に高くなっていることに気付き、識別番号D18に関する一次データの閲覧要求を入力する(SQ6)。具体的には、操作者は、識別番号D18に関するマハラノビス距離を表す表示装置304上の座標P1をタッチ操作する。制御装置301は、タッチ操作に応じ、タッチ操作された場所に対応する座標P1を特定し、ひいては座標P1に対応する識別番号D18を特定する。そして、一次データの送信を要求する送信要求信号をコントローラ30に向けて送信する(SQ7)。この場合、送信要求部F4は、二次データを特定できる(すなわち期間を特定できる)情報として、識別番号D18を送信要求信号に含める。
図8の破線矩形ARで強調された二次データは、識別番号D18で特定される二次データを示す。
【0056】
送信要求部F4は、操作者の入力を待たずに、識別番号D18に関するマハラノビス距離が顕著に高くなったことを検出した時点で、送信要求信号をショベル100に向けて自動的に送信してもよい。例えば、送信要求部F4は、ある識別番号に対応するマハラノビス距離が予め設定された閾値を上回った場合に、その識別番号を含む送信要求信号をショベル100に向けて自動的に送信してもよい。
【0057】
コントローラ30の一次データ送信部F3は、送信要求信号を受信すると、その送信要求信号に含まれる識別番号に対応する期間に記憶された一次データを制御装置301に向けて送信する(SQ8)。識別番号に対応する期間に記憶された一次データは、先行する所定期間に記憶された一次データ、及び、後続の所定期間に記憶された一次データの少なくとも一方を含んでいてもよい。例えば、送信要求信号に識別番号D18が含まれていた場合、一次データ送信部F3は、識別番号D17、D18、及びD19のそれぞれに対応する期間に記憶された一次データを制御装置301に向けて送信してもよい。或いは、識別番号D17及びD18のそれぞれに対応する期間に記憶された一次データ、識別番号D18及びD19のそれぞれに対応する期間に記憶された一次データ等を送信してもよい。制御装置301は、コントローラ30から一次データを受信すると、その一次データの時間的推移を表示装置304に表示する(SQ9)。例えば、制御装置301は、その一次データの時間的推移をグラフで表示する。或いは、受信した一次データに基づき、ショベル100の動きを再現するコンピュータグラフィックモデルによるアニメーションを表示してもよい。
【0058】
コントローラ30は、一次データが消去されない限り、一次データ及び二次データのそれぞれに関する情報をキャビン10内に設置された表示装置40に表示することができる。例えば、コントローラ30は、一次データ及び二次データのそれぞれの時間的推移をグラフで表示することができ、或いは、一次データに基づいてショベル100の動きを再現するコンピュータグラフィックモデルによるアニメーションを表示できる。
【0059】
一次データ送信部F3は、送信済みの一次データを消去してもよい。例えば、送信済みの一次データに関しては、後続の一次データによる上書きを許可してもよい。
【0060】
図9は、表示装置304に表示された一次データの時間的推移の例である。具体的には、
図9は、送信要求信号に含まれる識別番号D18で特定される期間にサンプリングされた一次データ(エンジン回転数及びエンジン負荷率)の時間的推移を表示している。
図9の時間的推移は、
図4の破線矩形領域G18内の時間的推移に対応する。
【0061】
この表示を見た操作者は、一次データ(エンジン回転数及びエンジン負荷率)の時間的推移の詳細を確認できる。具体的には、第1サンプリング時刻D18-1から第100サンプリング時刻D18-100までにサンプリングされた100サンプル分の一次データの時間的推移を確認できる。そのため、マハラノビス距離が予め設定された閾値を上回った原因をより詳細に分析できる。その後、操作者はログアウトする(SQ10)。
【0062】
次に
図10を参照し、ショベル100が稼働していないときに制御装置301が一次データの送信要求信号をコントローラ30に向けて送信したときの処理の流れについて説明する。この説明は、ショベル100が通信圏外にある場合にも同様に適用される。
図10は、その処理の流れを示すシーケンス図である。
図10に示される処理は、制御装置301が送信要求信号をコントローラ30に向けて送信するまでは(SQ7までは)
図6に示される処理と同じであるため、SQ7までの説明を省略する。
【0063】
制御装置301は、送信要求信号をショベル100に向けて送信した後の所定の待ち時間内にショベル100から一次データを受信しない場合、その旨を外部に通知する(SQ9A)。例えば、制御装置301は、ショベルが非稼働中であること、コントローラ30がスリープ状態であること、及び、ショベルから一次データを未だ受信していないことのうちの少なくとも1つを操作者に通知する。具体的には、その旨を表すテキストメッセージを表示装置304に表示する。その旨を表す音声メッセージを出力してもよい。
【0064】
一方、制御装置301は、送信要求信号をショベル100に向けて送信した後の所定の待ち時間内にショベル100から一次データを受信した場合にその旨を外部に通知してもよい。例えば、制御装置301は、ショベルが稼働中であること、及び、ショベルから一次データを受信したことの少なくとも一方を操作者に通知してもよい。
【0065】
そして、制御装置301は、所定の待ち時間内に一次データを受信しなかった場合、その後にショベル100から最初に二次データを受信したときに(SQ1-2)、操作者からの再度の閲覧要求を受けなくとも、送信要求信号を再送信する(SQ7-2)。例えば、制御装置301は、操作者がログアウトした後であっても、送信要求信号を再送信する。閲覧要求を既に受けているため、すなわち送信予約を既に受けていると判定できるためである。所定の再送信時間が経過する度に送信要求信号を再送信してもよい。但し、制御装置301は、送信要求信号の再送信を禁止してもよい。送信要求信号の送信タイミングを、操作者から閲覧要求を受けたときに限定するためである。
【0066】
送信要求信号を再送信した制御装置301は、所定の待ち時間内にコントローラ30から一次データを受信する(SQ8)。この場合、ショベルが稼働中であると共にコントローラ30も稼働中であるため、制御装置301は、一次データを確実に受信できる。
【0067】
その後、制御装置301は、その閲覧要求を出した操作者が再びログインしたときに(SQ2-2)、ログイン許可(SQ3-2)と共に、過去の閲覧要求に関する一次データを取得した旨をその操作者に通知する(SQ3-3)。例えば、ログアウト中に一次データが取得されたことを表すテキストメッセージを表示装置304に表示する。
【0068】
その通知を受けた操作者は、その一次データの閲覧要求を制御装置301に向けて再送信する(SQ6-2)。例えば、操作者は、「一次データを表示しますか?」等のテキストメッセージと共に表示装置304上に表示されたソフトウェアボタンをタッチ操作する。制御装置301は、タッチ操作に応じて、既に取得している一次データの時間的推移を表示装置304に表示する(SQ9)。
【0069】
図11及び
図12を参照し、表示装置304に表示される一次データの時間的推移の表示例について説明する。
図11は一次データとしてのエンジン負荷率の時間的推移を示し、
図12は一次データとしてのエンジン回転数の時間的推移を示す。
図11及び
図12のそれぞれにおける実線で示す推移(波形)は実際の一次データに基づく時間的推移を示し、破線で示す推移(波形)は理想的な時間的推移を示す。理想的な推移は、例えば、ショベルの設計情報等に基づいて予め決定された推移であってもよく、過去の測定データに基づいて決定された推移であってもよい。この表示を見た操作者は、実際の一次データの推移が理想的な推移からどのように逸脱しているかを容易に認識できる。
【0070】
図11及び
図12に示す例では、管理装置300は、エンジン負荷率の時間的推移とエンジン回転数の時間的推移を個別に全画面表示している。すなわち、1つのパラメータの時間的推移を1画面に表示している。しかしながら、管理装置300は、2つ以上のパラメータの時間的推移を1画面に同時に表示してもよい。例えば、2つ以上のサブウィンドウを並べて表示してもよく、2つ以上のパラメータの時間的推移を重ねて表示してもよい。この表示を見た操作者は、1のパラメータの時間的推移と他のパラメータの時間的推移との関係を容易に認識できる。
【0071】
このように、ショベル100は、ショベル100に取り付けられたセンサが出力する一次データを時系列グループ毎に参照可能に記憶媒体に記憶する一次データ記憶部F1と、時系列グループ毎に一次データから二次データを算出して管理装置300に送信する二次データ送信部F2と、ショベル100の稼働中に、管理装置300からの送信要求信号に応じ、送信要求信号によって特定される1又は複数の二次データに対応する期間に記憶された一次データを管理装置300に送信する一次データ送信部F3と、を有する。管理装置300は、所定条件が満たされた場合に、ショベル100が送信する二次データのうちの1又は複数を特定できる情報を含む送信要求信号をショベル100に向けて送信する送信要求部F4を有する。この構成により、ショベル100は、基本的に一次データよりも容量の小さい二次データを管理装置300に送信し、送信要求信号を受けた場合に限り、必要最小限の一次データを管理装置300に送信する。そのため、適切なタイミングで適切な質のデータを送信できる。また、通信量及び通信コストを抑えることができる。
【0072】
管理装置300は、送信要求信号をショベル100に向けて送信した後の所定の待ち時間内にショベル100から一次データを受信しない場合、その後にショベル100から最初に二次データを受信したときに、送信要求信号を再送信してもよい。この構成により、管理装置300は、ショベル100が現時点において稼働中であるか否かにかかわらず、ショベル100から一次データをより確実に受信できる。ショベル100との通信が可能なときに一次データを受信できるためである。
【0073】
また、管理装置300は、送信要求信号をショベル100に向けて送信した後の所定の待ち時間内にショベル100から一次データを受信しない場合、所定の再送信時間が経過する度に、送信要求信号を再送信してもよい。この構成により、管理装置300は、電波状態が悪い場合、ショベル100が通信圏外にある場合等、ショベル100が稼働中であるにもかかわらず一次データを受信できない場合であっても、ショベル100から一次データをより確実に受信できる。ショベル100との通信が可能なときに一次データを受信できるためである。
【0074】
また、管理装置300は、ショベル100から一次データを受信した場合、ショベル100が稼働中であること、及び、ショベル100から一次データを受信したことの少なくとも一方を操作者に通知してもよい。この構成により、管理装置300は、一次データの時間的推移等を表示できた理由を操作者に知らせることができる。
【0075】
また、管理装置300は、送信要求信号をショベル100に向けて送信した後の所定の待ち時間内にショベル100から一次データを受信しない場合、ショベル100が非稼働中であること、及び、ショベル100から一次データを未だ受信していないことの少なくとも一方を操作者に通知してもよい。この構成により、管理装置300は、一次データの時間的推移等を表示できない理由を操作者に知らせることができる。
【0076】
また、「所定条件が満たされた場合」は、操作者の入力を受け付けた場合、又は、ショベル100から受信した二次データの値が所定の条件を満たした場合を含む。この構成により、管理装置300は、必要最小限の一次データのみをショベル100から受信し、不要な一次データの受信を防止できる。
【0077】
また、管理装置300は、ショベル100から受信した一次データの実際の推移と理想的な推移とを同時に表示してもよい。この構成により、管理装置300は、実際の一次データの推移が理想的な推移からどのように逸脱しているかを操作者に容易に認識させることができる。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0079】
例えば、上述の実施例では、管理装置300を操作する操作者は、管理装置300に付属の操作入力装置305を介して各種操作を実行し、管理装置300に付属の表示装置304に表示される各種情報を視認する。しかしながら、本発明はこの構成に限定されない。管理装置300を操作する操作者は、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン等の携帯情報端末を用い、無線通信を介してサーバとしての管理装置300にアクセスしてもよい。
【0080】
また、建設機械は、ブルドーザ、ホイールローダ等であってもよい。
【符号の説明】
【0081】
1・・・下部走行体 1A・・・左走行用油圧モータ 1B・・・右走行用油圧モータ 2・・・旋回機構 2A・・・旋回用油圧モータ 3・・・上部旋回体 4・・・ブーム 5・・・アーム 6・・・バケット 7・・・ブームシリンダ 8・・・アームシリンダ 9・・・バケットシリンダ 10・・・キャビン 11・・・エンジン 11a・・・発電機 11b・・・スタータ 14・・・メインポンプ 14a・・・レギュレータ 15・・・パイロットポンプ 15a・・・パイロット圧センサ 16・・・高圧油圧ライン 17・・・コントロールバルブ 25、25a・・・パイロットライン 26・・・操作装置 30・・・コントローラ 40・・・表示装置 70・・・蓄電池 74・・・エンジン制御装置 100・・・ショベル 300・・・管理装置 301・・・制御装置 302・・・送信装置 303・・・受信装置 304・・・表示装置 305・・・操作入力装置 F1・・・一次データ記憶部 F2・・・二次データ送信部 F3・・・一次データ送信部 F4・・・送信要求部 S1・・・送信装置 S2・・・受信装置 S3・・・測位装置 S4・・・姿勢検出装置 S5・・・向き検出装置 S6・・・カメラ