(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】ベントナイト改良土敷均し装置
(51)【国際特許分類】
E01C 19/48 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
E01C19/48 A
(21)【出願番号】P 2018024172
(22)【出願日】2018-02-14
【審査請求日】2021-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】303057365
【氏名又は名称】株式会社安藤・間
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100081514
【氏名又は名称】酒井 一
(74)【代理人】
【識別番号】100082692
【氏名又は名称】蔵合 正博
(72)【発明者】
【氏名】越田 健
(72)【発明者】
【氏名】千々松 正和
(72)【発明者】
【氏名】荻原 績
(72)【発明者】
【氏名】舘岡 潤仁
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-066608(JP,A)
【文献】特開2000-178917(JP,A)
【文献】特開2011-169017(JP,A)
【文献】特開昭61-294005(JP,A)
【文献】実開平02-129407(JP,U)
【文献】特開2017-089325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベントナイト混合土を敷設する敷均し装置であって、
前記ベントナイト混合土を敷設場所に撒出する撒出装置と、
転圧部材を備え、前記撒出装置から撒出された前記ベントナイト混合土に対して締固め操作を行うスクリードと、
前記スクリードに取り付けられ、前記撒出装置から撒出された前記ベントナイト混合土を頭切りするブレードと、
前記スクリードに取り付けられ、当該スクリードの高さ位置を計測するスクリード高さ計測手段と、
前記スクリードに連結され、前記ブレードの高さを調節駆動する第1油圧シリンダーと、
前記スクリードに連結され、当該スクリードに持ち上げ作用を及ぼして転圧圧力を軽減調節する第2油圧シリンダーと、
前記第1油圧シリンダー及び第2油圧シリンダーに供給される動力伝達油の経路配管に接続されたアキュムレーターと、
前記動力伝達油の経路配管に取り付けられ、当該動力伝達油の経路配管の圧力を計測する圧力計と、
前記スクリード高さ計測手段の計測結果に基づき、前記第1油圧シリンダ
ーへの動力伝達油の供給を制御するコントローラと、
前記圧力計の計測結果に基づき、前記第2油圧シリンダーへの動力伝達油の供給を制御する調整ねじと、
を備えたベントナイト改良土敷均し装置。
【請求項2】
前記スクリードの転圧部材は、前記ベントナイト混合土の接触面にテフロン板が設けられており、
前記第1油圧シリンダーは、前記スクリード高さ計測手段の計測結果に基づき、前記スクリード及びブレードの高さ位置を調整し、また、
前記第2油圧シリンダーは、前記調整ねじの作動により前記ベントナイト混合土に対して加える転圧圧力を調節することを特徴とする請求項1に記載のベントナイト改良土敷均し装置。
【請求項3】
前記アキュムレーターは、第1油圧シリンダー及び第2油圧シリンダーを含む複数の油圧シリンダーへ供給される動力伝達油の経路配管に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のベントナイト改良土敷均し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベントナイト改良土等の非アスファルト材料を敷き均す装置、特に敷均し面全体にわたって均一な材料密度で敷均し作業を行えるようにしたベントナイト改良土敷均し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から敷均し作業に使用される装置としてアスファルトフィニッシャーがあり、このアスファルトフィニッシャーの撒き出しは、当該アスファルトフィニッシャーのスクリードにより転圧された高さで作業を行うのが一般的であった。しかしながら、ベントナイト改良土や砂等の、低硬度の非アスファルト材料(以下、単に「ベントナイト」で代表させる)の敷均しを行うにはアスファルトフィニッシャーとは異なる構成を備えた敷均し装置が必要となる。そのようなベントナイトの敷均し作業を行うベントナイト敷均し装置の例としては例えば、特許文献1に記載されたものがある。このベントナイト敷均し機は、短期間で、かつ、安価にベントナイト遮水層を構築可能なものであり、ベントナイトを地面に撒出する撒出装置と、ベントナイトに水を供給する加水装置と、ベントナイトを撹拌する撹拌装置とを備えて成る。そして、乾燥状態のベントナイトを遮水層の構築予定現場に搬入し、敷均し装置のホッパーに投入して、敷均し装置を走行させながら、ベントナイトを地面に所定の厚さで撒出する。また、地面に撒出されたベントナイトにノズルから水を噴射して湿潤状態にし、スクリューで湿潤状態のベントナイトを撹拌して、ベントナイトに含まれる水分量を均一にした後、転圧装置によりベントナイトを転圧操作し、地面へベントナイトを敷設するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来のベントナイト改良土敷均し装置にあっては、フィニッシャーのスクリードによりベントナイトを転圧した場合、転圧圧力が大きくてスクリードの転圧面にベントナイトが付着して部分的な引き剥がしが生じたりする可能性があった。これにより、ベントナイトの敷均しにムラが生じ、品質の低下を招いていた。
【0005】
また、スクリードが敷均し時に振動により材料を整えるに当たり、ベントナイト改良土のように材料の重量(比重)が小さいと、スクリード自体の重量により沈み作用による変形が生じ、敷均しの天端が波打ってしまう。
【0006】
また、供給されたベントナイトを一定の幅寸法の範囲に送り出すチェーンコンベア部に材料の付着が多いと、コンベアが材料に乗り上げてしまい、その結果、材料の定量供給が困難になってしまう。
【0007】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ベントナイト改良土の敷均しを行うに当たって、敷均し作業が円滑に行えるベントナイト改良土敷均し装置を提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、ベントナイト改良土の敷均しを行う場合、地面全体にわたってムラが生じず、均一な材料密度で敷均し作業を行えるようにしたベントナイト改良土敷均し装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために、地面にベントナイト又はベントナイト混合土を撒き出しして押し固めるベントナイト改良土敷均し装置を、前記ベントナイト混合土を敷設場所に撒出する撒出装置と、転圧部材を備え、前記撒出装置から撒出された前記ベントナイト混合土に対して締固め操作を行うスクリードと、前記スクリードに取り付けられ、前記撒出装置から撒出された前記ベントナイト混合土を頭切りするブレードと、前記スクリードに取り付けられ、当該スクリードの高さ位置を計測するスクリード高さ計測手段と、前記スクリードに連結され、前記ブレードの高さを調節駆動する第1油圧シリンダーと、前記スクリードに連結され、当該スクリードに持ち上げ作用を及ぼして転圧圧力を軽減調節する第2油圧シリンダーと、前記第1油圧シリンダー及び第2油圧シリンダーに供給される動力伝達油の経路配管に接続されたアキュムレーターと、前記動力伝達油の経路配管に取り付けられ、当該動力伝達油の経路配管の圧力を計測する圧力計と、前記スクリード高さ計測手段の計測結果に基づき、前記第1油圧シリンダーへの動力伝達油の供給を制御するコントローラと、前記圧力計の計測結果に基づき、前記第2油圧シリンダーへの動力伝達油の供給を制御する調整ねじと、により構成したことを要旨とする。
【0010】
本発明の別の態様では、 前記スクリードの転圧部材は、前記ベントナイト又は前記ベントナイト混合土の接触面にテフロン板が設けられており、前記第1油圧シリンダーは、前記スクリード高さ計測手段の計測結果に基づき、前記スクリード及びブレードの高さ位置を調整し、また、前記第2油圧シリンダーは、前記調整ねじの作動により前記ベントナイト混合土に対して加える転圧圧力を調節することを要旨とする。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、 前記アキュムレーターは、第1油圧シリンダー及び第2油圧シリンダーを含む複数の油圧シリンダーへ供給される動力伝達油の経路に接続されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ブレードは高さを調節することができ、またスクリードの底面高さを調節し、且つスクリードにかかる重量(転圧圧力)を制御することができるから、ベントナイト又は前記ベントナイト混合土がスクリードの前に滞留して敷均し作業を妨げることがない。
【0013】
また、本発明によれば、アキュムレーターは、第1油圧シリンダー及び第2油圧シリンダーを含む複数の油圧シリンダーへ供給される動力伝達油の経路配管に接続されているから、敷均し装置の各所に設置された各種油圧シリンダーについて圧力変化を緩和することができる。さらにこの動力伝達油の経路配管に取り付けた圧力計を確認しながら第2油圧シリンダーの圧力を調整(手動)することにより、敷均し装置にとって、より良好な動作制御が行える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るベントナイト改良土敷均し装置の側面図である。
【
図2】本実施の形態において、ブレード部分を拡大して示す部分側面図である。
【
図3】本実施の形態において、スクリード部分を拡大して示す部分側面図である。
【
図4】本実施の形態において、運転席とアキュムレーター及び圧力計の配置関係を説明する部分平面図である。
【
図5】本実施の形態において、アキュムレーター及び圧力計の設置及び配管接続状態を示す部分斜視図である。
【
図6】本実施の形態において、ベントナイトの敷均しのための制御システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、
図1から
図6を用いて本発明の実施の形態および動作を順次詳細に説明する。
図1は、本発明のベントナイト改良土敷均し装置(以下、単に「敷均し装置」という)の側面図である。また、
図2は、同じく上記敷均し装置のスクリード部分に設けられたブレード部分を拡大して示す部分側面図である。
図2は、同じく上記敷均し装置のスクリードの転圧部材を拡大して示す部分側面図である。
【0016】
図1において、符号1は敷均し装置を示し、2は敷均し装置1の前部(
図1の左方を前部、前方とする)に設置されたホッパー部を示す。3は敷均し装置1の後部に設置されたスクリードを示す。敷均し装置1は、車体フレーム4と、車体フレーム4に装着されて敷均し装置1を移動可能に支持する前輪5及び後輪6と、車体フレーム4の前方部位に取り付けられたエンジン部7と、車体フレーム4の後方部位に設けられた運転席8と、運転席8の近傍に設置された各種操作器具(ハンドル、レバー、計器類或いはコントローラ)9とを有している。
運転席8では計器類を見ながらハンドルやレバーを操作して敷均し装置1による敷均し作業を実行することが可能である。また、敷均し装置1には、エンジン部7及びこのエンジン部7によって駆動される油圧シリンダー等の機器が積載されており、運転操作により走行可能である。
【0017】
ホッパー部2は、敷均し装置1の前部、すなわち、車体フレーム4の先端部分の上部に設置され、トラック等の運搬車で運ばれたベントナイトを積載可能である。また、ホッパー部2の底部には敷均し装置1の後ろ方向に延びて設置されたチェーンコンベア10が設けられ、このチェーンコンベア10のさらに後方位置にはベントナイトを地面20上に撒き出すスクリュー11が設置されている。スクリュー11は敷均し装置1の幅方向中央部において切り離されて左右一対の構造になっており、それぞれ互いに独立して回転することにより、ホッパー部2からチェーンコンベア10によって送られてきたベントナイトを中央部から左右両端部へ移動させることができるようになっている。
【0018】
スクリード3は敷均し装置1の最後尾近傍において運転席8の下部にユニット体として配設されている。このスクリード3は、敷均し装置1の本体に取り付けられた支持アーム14に懸架された状態で取り付け支持されており、地面20上に撒き出されたベントナイトに対して転圧動作を行う。支持アーム14は、敷均し装置1の本体に基端部が取り付けられ、また先端部が当該敷均し装置1の後方へ向けて延びるアーム構造体ないしはフレーム構造体から成り、先端部にスクリード3が取り付け支持されている。支持アーム14は、基端から先端まで1本のアーム構造体から成っている。本実施の形態では、支持アーム14は、基端側部分である斜め上方へ延びる第1アーム14aと、これに対して角度を持たせて結合され略水平方向へ延びる第2アーム14bとから成る。スクリード3には、
図2及び
図3に示されるように、ブレード12と転圧部材13とが取り付けられている。
【0019】
ブレード12は、スクリュー11により地面20上に均されたベントナイトの高さが概略同じ値になるよう頭切り、すなわち、均一化操作をするものである。このブレード12は敷均し装置1の幅方向中央部において切り離されて左右一対の配置構造になっており、それぞれ互いに独立して頭切り動作することができるようになっている。また、ブレード12にはそれぞれ全ネジボルトが連結されており、ブレード12の高さがスクリード3の底面より何ミリメートル上に設定されるかというように、高さ調節が可能になっている。
【0020】
転圧部材13は、地面20に撒出されたベントナイトに上方から接触し圧力を伝えて締め固めるものである。この転圧部材13に土が付着すると施工上不都合になるため、テフロン板(或いはテフロンシート)を折り曲げたものを付けてある。テフロン板はベントナイトがスクリードに付着するのを防止する。
【0021】
スクリード3と敷均し装置1の本体部分との間には第2油圧シリンダー15が連結されている。そして、この第2油圧シリンダー15の油圧を調整することによりスクリード3を持ち上げる力を調整することができるようにしている。これは、ベントナイトは普通のアスファルト舗装に比べて撒き出しされる材料が柔らかく、単に転圧動作時の圧力調節ではベントナイトの敷均しが良好にできないことが多い。そのため、本発明ではスクリード3そのものを第2油圧シリンダー15により持ち上げられる構成とし、ベントナイトに加わる圧力の軽減を図る構成をとっている。また、スクリード3はその高さ方向位置を決めるために高さ調整も行われる。このスクリード3の高さ調整はレーザーレベル受光器(後出の23)に接続されたコントローラ(後出の18)が第1油圧シリンダー(後出の21)を制御することによって行われる。
【0022】
本実施の形態の敷均し装置1には、
図4及び
図5に示されるように、運転席8の下部近傍にアキュムレーター16が装着されている。アキュムレーター16は、敷均し装置1の各所に装着された油圧シリンダー(第1油圧シリンダー21、第2油圧シリンダー15等)に動力伝達油(媒体)を供給したり、排出したりする配管である動力伝達油経路配管19に接続され、上記油圧シリンダーへの動力伝達油の供給、排出動作に際して動力伝達油経路配管19に生じる圧力変動を緩和する機能を有する。アキュムレーター16と動力伝達油経路配管19との接続関係の一例が
図5に示されている。各種油圧シリンダーには、上述のようにスクリードを持ち上げる力を調整するもの(第2油圧シリンダー15)と、これとは別の油圧シリンダーであって、転圧動作で土を押さえ付けるために加圧動作するもの(第1油圧シリンダー21)とがある。そして、敷均し作業中においては、一方の油圧シリンダーの作動の開始、継続又は終了と他方の油圧シリンダーの作動の開始、継続又は終了とが交錯したときに生じる圧力の急激な変動を緩和するためにアキュムレーター16が設けられている。
【0023】
また、本実施の形態の敷均し装置1には圧力計(ゲージ)17が装着されている。この圧力計17は、
図5に示されるように、アキュムレーター16に接続する動力伝達油経路配管19に取り付けられており、動力伝達油経路配管19の圧力を検出する。そして、スクリード3を第2油圧シリンダー15により持ち上げる時の動力伝達油経路配管19の圧力を圧力計17が計測し、圧力計17の計測値を基に第2油圧シリンダー15の圧力を手動で調整する。他方、第1油圧シリンダー21の圧力はコントローラ18により制御される。コントローラ18は運転席8の前面に設けられている。
【0024】
以上のベントナイトの敷均しのための構成中における制御システムの構成について説明する。
図6は本発明の制御システム構成を示すブロック図である。この制御システムは大きく分けて、コントローラ18を中心として第1油圧シリンダー21を使ってスクリード3及びブレード12の高さ調整を行う自動制御ユニットC1と、圧力計17を参照しながら第2油圧シリンダー15を使ってスクリード3及びブレード12の持ち上げ(圧力軽減)動作制御を行う圧力制御ユニットC2とから成る。自動制御ユニットC1は、スクリード3に取り付けられたレーザーレベル発光器22と、レーザーレベル発光器22から発光された光信号を受信するレーザーレベル受光器23と、レーザーレベル受光器23からの信号を基に制御信号を生成するコントローラ18と、コントローラ18からの制御信号により動作する電磁バルブ24と、スクリード3に接続され電磁バルブ24の動作によりスクリード3に対して油圧作動を行う第1油圧シリンダー21とを備えている。レーザーレベル発光器22とレーザーレベル受光器23によりスクリードの高さ位置を計測するスクリード高さ計測ユニットを構成する。コントローラ18にはCPUが用いられる。
【0025】
圧力制御ユニットC2は、スクリード3に接続された第2油圧シリンダー15と、この第2油圧シリンダー15に接続された圧力調整ねじ25と、第1油圧シリンダー21及び第2油圧シリンダー15に動力伝達油経路配管19を介して接続されたアキュムレーター16と、同じく第1油圧シリンダー21及び第2油圧シリンダー15に動力伝達油経路配管19を介して接続された圧力計17とを備えている。第2油圧シリンダー15は上述したようにアキュムレーター16の緩衝作用を受けながら油圧動作、すなわち、スクリード3の持ち上げ動作を行うものである。圧力計17は上記第2油圧シリンダー15の油圧動作に際して、動力伝達油経路配管19の油圧を介して第2油圧シリンダー15の油圧を計測するものである。圧力調整ねじ25は第2油圧シリンダー15の油圧動作を調整、或いは制御するものである。圧力調整ねじ25は圧力計17の計測値にしたがって手動により調整動作される。この手動動作を表すために、
図6においては、圧力計17から圧力調整ねじ25への矢印は破線で示してある。
【0026】
次に、上述した構成からなる敷均し装置1を用いたベントナイトの敷均し動作について説明する。ベントナイトは敷均し作業の現場にトラック等の運搬手段により搬送され、敷均し装置1のホッパー部2に直接投入される。ホッパー部2に投入されたベントナイトは、チェーンコンベア10により敷均し装置1の幅方向中央部から左右両側にかけて均一になるよう送り作用を受けながら後方へ移動せしめられ、撒出し装置11により地面20上に所定の厚さで撒き出される。その後、ベントナイトはスクリード3により転圧操作を受ける。この転圧操作においては、先ず、スクリード3の前側部分設けられたブレード12により撒出装置11により地面20に撒出されたベントナイトの高さが概略同じ値になるよう頭切り(均一化操作)がされる。その後、転圧部材13によりベントナイトに上方から軽く締め固めが行われる。
【0027】
この転圧部材13にはテフロン板が取り付けられているため、ベントナイトがスクリードに付着することが防止され、良好な敷均しが実行される。この敷均し動作において、第1油圧シリンダー21は、その作動により、スクリード3を持ち上げたり、下げたりして、ブレード12の上下位置を調整し頭切り高さを揃える。すなわち、第1シリンダー21の役割はブレード12の上下位置を決めたり調整したりすることである。他方、第2油圧シリンダー15の役割はスクリード3が転圧操作をしている最中に、スクリード3に持ち上げ作用を及ぼして転圧圧力を軽減させることである。本発明において上記第2油圧シリンダー15(及びその作動)を採用する理由は、ベントナイトが通常の道路工事等に用いられる砂礫と異なり、きわめて柔らかい材質であり、道路工事等と同様な転圧動作ではベントナイトの引き剥がれや掠れ、或いはスクリード3への付着が生じる虞があり、このような状況の発生を防止するためである。そして、第2油圧シリンダー15等に動力伝達油を供給したり、ホッパー部2の角度を変えたりする場合は、アキュムレーター16の作用により動力伝達油経路配管19に生じる圧力変動を緩和し、円滑な動力伝達が行われる。この、円滑な動力伝達を行うために、動力伝達油経路配管19の圧力が圧力計17によって計測され、その計測値を参照して手動で調整ねじ25を操作し第2油圧シリンダー15の作動制御を行う。この作動制御により、本発明の敷均し装置1においては、ベントナイト改良土が敷均し面に撒かれたときにスクリード3に持ち上げ力が作用せしめられ、転圧圧力が軽減される。柔らかいベントナイト改良土に対して均一な均し作用が及ぼされる。コントローラ18は、レーザーレベル受光器からの計測結果に基づいて電磁バルブ24を制御し、これにより第1油圧シリンダー21の動作が制御され、敷均しが最適に実行されるようにする。このため、敷均し装置1による敷均し作業が円滑に且つ適正に行われる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明によるベントナイト改良土敷均し装置は、複数の油圧シリンダーへ供給される動力伝達油の圧力変化を緩和するアキュムレーターが設けられ、アキュムレーターに接続された動力伝達油経路配管の圧力の計測結果に基づき各種油圧シリンダーの動作制御がされるため、敷均し装置にとって、より良好な動作制御が行える。
【符号の説明】
【0029】
1 (ベントナイト改良土)敷均し装置
2 ホッパー部
3 スクリード
4 車体フレーム
5 前輪
6 後輪
7 エンジン部
8 運転席
9 操作器具
10 スクリューコンベア
11 撒出し装置
12 ブレード
13 転圧部材
14 支持アーム
15 油圧シリンダー(第2)
16 アキュムレーター
17 圧力計
18 コントローラ
19 動力伝達油経路配管
20 地面
21 油圧シリンダー(第1)
22 レーザーレベル発光器
23 レーザーレベル受光器
24 電磁バルブ
25 圧力調整ねじ