(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1334 20060101AFI20220606BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20220606BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20220606BHJP
【FI】
G02F1/1334
G02F1/1368
G02F1/13357
(21)【出願番号】P 2018056406
(22)【出願日】2018-03-23
【審査請求日】2021-02-04
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】沼田 雄大
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-167214(JP,A)
【文献】特開2008-216607(JP,A)
【文献】特開平09-080474(JP,A)
【文献】特開2012-032799(JP,A)
【文献】特開2000-275679(JP,A)
【文献】特開2018-021974(JP,A)
【文献】特開2012-151081(JP,A)
【文献】特開2007-114729(JP,A)
【文献】特開2004-199074(JP,A)
【文献】実開昭60-172131(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1334
G02F 1/1368
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁基板と、走査線と、前記走査線と交差する信号線と、前記走査線及び前記信号線と電気的に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、を備えた第1基板と、
第2絶縁基板と、前記画素電極と対向する共通電極と、を備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、筋状のポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の端部と対向する発光素子と、を備え、
前記発光素子から照射された光は、前記第1絶縁基板及び前記第2絶縁基板を伝播し、
前記液晶分子は、前記液晶層に電圧が印加されていないオフ状態において、前記ポリマーの延出方向に沿うように配向する長軸を有し、
前記走査線は、
前記第1絶縁基板と前記液晶層との間に位置する導電層と、
前記第1絶縁基板と前記導電層との間に位置し、
前記第1絶縁基板と対向し前記第1絶縁基板を伝播する光を反射するように配置され、前記導電層より高い反射率を有する第1反射層と、を備え
、
前記第2基板は、さらに、前記第2絶縁基板と前記液晶層との間に位置し、前記第2絶縁基板と対向し前記第2絶縁基板を伝播する光を反射するように配置された第3反射層を備え、
前記第3反射層は、前記走査線及び前記信号線と重畳している、表示装置。
【請求項2】
前記第1基板は、さらに、前記第1絶縁基板と前記信号線との間に位置する第2反射層を備え、
前記第2反射層は、前記走査線とは電気的に絶縁されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2反射層は、前記第1反射層と同一層に位置し、前記第1反射層と同一材料によって形成されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1反射層及び前記第2反射層は、前記第1絶縁基板に接している、請求項2または3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記スイッチング素子は、前記走査線と一体のゲート電極を備え、
前記第1反射層は、前記ゲート電極に延在している、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1絶縁基板と前記第1反射層との間には、前記第1反射層よりも光吸収率が高い薄膜が存在せず、
前記第2絶縁基板と前記第3反射層との間には、前記第3反射層よりも光吸収率が高い薄膜が存在しない、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第3反射層は、前記共通電極に接している、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第3反射層は、前記第2絶縁基板に接している、請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項9】
第1絶縁基板と、導電層と、
第1反射層と、を備えた第1基板と、
第2絶縁基板を備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、筋状のポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の端部と対向する発光素子と、を備え、
前記発光素子から照射された光は、前記第1絶縁基板及び前記第2絶縁基板を伝播し、
前記液晶分子は、前記液晶層に電圧が印加されていないオフ状態において、前記ポリマーの延出方向に沿うように配向する長軸を有し、
前記導電層は、前記第1絶縁基板と前記液晶層との間に位置し、
前記
第1反射層は、前記第1絶縁基板と前記導電層との間に位置し、
前記第1絶縁基板と対向し前記第1絶縁基板を伝播する光を反射するように配置され、前記導電層より高い反射率を有
し、
前記第2基板は、さらに、前記第2絶縁基板と前記液晶層との間に位置し、前記第2絶縁基板と対向し前記第2絶縁基板を伝播する光を反射するように配置された第3反射層を備える、表示装置。
【請求項10】
第1絶縁基板と、スイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、を備えた第1基板と、
第2絶縁基板と、前記画素電極と対向する共通電極と、を備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、筋状のポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の端部と対向する発光素子と、を備え、
前記発光素子から照射された光は、前記第1絶縁基板及び前記第2絶縁基板を伝播し、
前記液晶分子は、前記液晶層に電圧が印加されていないオフ状態において、前記ポリマーの延出方向に沿うように配向する長軸を有し、
前記スイッチング素子は、
前記第1絶縁基板と前記液晶層との間に位置するゲート電極と、
前記ゲート電極と前記液晶層との間に位置する半導体層と、
前記半導体層に接するソース電極及びドレイン電極と、を備え、
前記ゲート電極は、前記第1絶縁基板と対向
し前記第1絶縁基板を伝播する光を反射するように配置された第1反射層と、前記
第1反射層に積層され前記半導体層と対向する導電層と、を備え
、
前記第2基板は、さらに、前記第2絶縁基板と前記液晶層との間に位置し、前記第2絶縁基板と対向し前記第2絶縁基板を伝播する光を反射するように配置された第3反射層を備え、
前記第3反射層は、前記スイッチング素子と重畳している、表示装置。
【請求項11】
さらに、前記第1基板は、前記スイッチング素子と前記液晶層との間に位置する遮光層を備えた、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1反射層及び前記第3反射層は、モリブデンより高い反射率を有している、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な形態の表示装置が提案されている。一例では、高分子分散液晶層と反射層との間にカラーフィルタが配置され、反射層での反射光を利用してカラー表示を実現する表示装置が開示されている。また、他の例では、上部基板上に反射層が配置され、反射層によってミラー機能を提供するとともに、反射層の開口領域で画像を表示する表示機能を提供するミラー型表示装置が開示されている。さらに他の例では、駆動トランジスタと発光素子との間に反射層が配置され、発光素子からの光が駆動トランジスタに照射されることを防ぐ電気光学装置が開示されている。
一方で、入射光を散乱する散乱状態と入射光を透過する透過状態とを切り替え可能な高分子分散液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystal:以下、『PDLC』と称する場合がある)を用いた照明装置が提案されている。
ところで、PDLCを用いた表示装置においては、表示品位の低下を抑制することが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-95407号公報
【文献】特開2016-212390号公報
【文献】特開2017-146369号公報
【文献】特許第5467389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、
第1絶縁基板と、走査線と、前記走査線と交差する信号線と、前記走査線及び前記信号線と電気的に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、を備えた第1基板と、第2絶縁基板と、前記画素電極と対向する共通電極と、を備えた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、筋状のポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、を備え、前記走査線は、前記第1絶縁基板と前記液晶層との間に位置する導電層と、前記第1絶縁基板と前記導電層との間に位置し、前記導電層より高い反射率を有する第1反射層と、を備えた、表示装置が提供される。
一実施形態によれば、
第1絶縁基板と、導電層と、反射層と、を備えた第1基板と、第2絶縁基板を備えた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、筋状のポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、を備え、前記導電層は、前記第1絶縁基板と前記液晶層との間に位置し、前記反射層は、前記第1絶縁基板と前記導電層との間に位置し、前記導電層より高い反射率を有する、表示装置が提供される。
一実施形態によれば、
第1絶縁基板と、スイッチング素子と、前記スイッチング素子と電気的に接続された画素電極と、を備えた第1基板と、第2絶縁基板と、前記画素電極と対向する共通電極と、を備えた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に位置し、筋状のポリマーと、液晶分子とを含む液晶層と、を備え、前記スイッチング素子は、前記第1絶縁基板と前記液晶層との間に位置するゲート電極と、前記ゲート電極と前記液晶層との間に位置する半導体層と、前記半導体層に接するソース電極及びドレイン電極と、を備え、前記ゲート電極は、前記第1絶縁基板と対向する反射層と、前記反射層に積層され前記半導体層と対向する導電層と、を備えた、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態における表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した表示パネルPNLの一構成例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、オフ状態の液晶層30を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、オン状態の液晶層30を模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、液晶層30がオフ状態である場合の表示パネルPNLを示す断面図である。
【
図8】
図8は、液晶層30がオン状態である領域を含む場合の表示パネルPNLを示す断面図である。
【
図9】
図9は、第1基板SUB1における画素PXの一例を示す平面図である。
【
図10】
図10は、
図9に示したスイッチング素子SWの一例を示す拡大平面図である。
【
図11】
図11は、
図10に示したスイッチング素子SWを含むA-A’線に沿った表示パネルPNLを示す断面図である。
【
図12】
図12は、
図10に示した走査線G2及び接続部DEAを含むB-B’線に沿った表示パネルPNLを示す断面図である。
【
図13】
図13は、
図10に示した信号線S1を含むC-C’線に沿った表示パネルPNLを示す断面図である。
【
図14】
図14は、信号線S1及びS2、走査線G1及びG2、及び、遮光層18を示す平面図である。
【
図15】
図15は、発光素子LSからの出射光が表示パネルPNLを伝播する様子を説明するための図である。
【
図16】
図16は、本実施形態の表示装置DSP及び比較例の表示装置における輝度の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、いくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、本実施形態における表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。図中において、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、互いに90度以外の角度で交差していてもよい。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端側の位置を「上」と称し、矢印の先端とは逆側の位置を「下」と称する場合がある。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよいし、第1部材から離間していてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面に向かってみることを平面視という。
【0009】
本実施形態においては、表示装置DSPの一例として、高分子分散型液晶を適用した表示装置について説明する。表示装置DSPは、表示パネルPNL、及び、配線基板F1乃至F3を備えている。また、表示装置DSPは、ここでは図示しない光源ユニットも備えている。
【0010】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2を備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、X-Y平面と平行な平板状に形成されている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、平面視で重畳している。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DA、及び、表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域NDAを備えている。表示領域DAは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2が重畳している領域に位置している。表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、n本の走査線G(G1~Gn)、及び、m本の信号線S(S1~Sm)を備えている。なお、n及びmはいずれも正の整数であり、nがmと等しくてもよいし、nがmとは異なっていてもよい。複数の走査線Gは、それぞれ第1方向Xに延出し、第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。複数の信号線Sは、それぞれ第2方向Yに延出し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。
第1基板SUB1は、第1方向Xに沿って延出した端部E11及びE12と、第2方向Yに沿って延出した端部E13及びE14とを有している。第2基板SUB2は、第1方向Xに沿って延出した端部E21及びE22と、第2方向Yに沿って延出した端部E23及びE24とを有している。図示した例では、平面視で、端部E11及びE21、端部E13及びE23、及び、端部E14及びE24は、それぞれ重畳しているが、重畳していなくてもよい。端部E22は、平面視で、端部E12と表示領域DAとの間に位置している。第1基板SUB1は、端部E12と端部E22との間に延出部Exを有している。
【0011】
配線基板F1乃至F3は、それぞれ延出部Exに接続され、この順に第1方向Xに並んでいる。配線基板F1は、ゲートドライバGD1を備えている。配線基板F2は、ソースドライバSDを備えている。配線基板F3は、ゲートドライバGD2を備えている。なお、配線基板F1乃至F3は、単一の配線基板に置換されてもよい。
複数の信号線Sは、非表示領域NDAに引き出され、ソースドライバSDに接続されている。複数の走査線Gは、非表示領域NDAに引き出され、ゲートドライバGD1及びGD2に接続されている。図示した例では、奇数番目の走査線Gは、端部E14と表示領域DAとの間に引き出され、ゲートドライバGD2に接続されている。また、偶数番目の走査線Gは、端部E13と表示領域DAとの間に引き出され、ゲートドライバGD1に接続されている。なお、ゲートドライバGD1及びGD2と各走査線Gとの接続関係は図示した例に限らない。
【0012】
図2は、
図1に示した表示装置DSPの斜視図である。ここでは、配線基板F1乃至F3の図示を省略している。光源ユニットLUは、第1基板SUB1の上に位置し、端部E22に沿って配置されている。光源ユニットLUは、光源としての発光素子LSと、点線で示した配線基板F4とを備えている。発光素子LSは、例えば発光ダイオードである。複数の発光素子LSは、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。発光素子LSの各々は、配線基板F4に接続されている。発光素子LSは、第1基板SUB1と配線基板F4との間に位置している。発光素子LSは、発光部EMを有している。発光部EMは、端部E22と向かい合っている。発光部EMは、端部E22に接触していてもよい。また、発光部EMと端部E22との間に、空気層、光学素子などが介在していてもよい。端部E22は、発光部EMから出射された光が入射する入光部に相当する。
【0013】
図3は、
図1に示した表示装置DSPの断面図である。ここでは、第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY-Z平面における表示装置DSPの断面において、主要部のみを説明する。表示パネルPNLは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持された液晶層30を備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、シール40によって接着されている。
図示した例では、発光素子LSは、延出部Exと配線基板F4との間に位置している。また、発光素子LSは、配線基板F1乃至F3と第2基板SUB2との間に位置している。発光素子LSは、発光部EMから端部E22に向けて光を出射する。端部E22から入射した光は、後述するように、第2方向Yを示す矢印とは逆向きに表示パネルPNLを伝播する。なお、発光素子LSは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の両方の端部と対向していてもよく、例えば、端部E11及びE21と対向していてもよい。
【0014】
図4は、
図3に示した表示パネルPNLの一構成例を示す断面図である。第1基板SUB1は、透明基板(第1絶縁基板)10、配線11、絶縁層12、画素電極13、及び、配向膜14を備えている。第2基板SUB2は、透明基板(第2絶縁基板)20、共通電極21、及び、配向膜22を備えている。透明基板10及び20は、ガラス基板やプラスチック基板などの絶縁基板である。配線11は、モリブデン、タングステン、アルミニウム、チタン、銀などの不透明な金属材料によって形成されている。図示した配線11は、第1方向Xに延出しているが、第2方向Yに延出していてもよい。絶縁層12は、透明な絶縁材料によって形成されている。画素電極13及び共通電極21は、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成されている。画素電極13は、画素PX毎に配置されている。共通電極21は、複数の画素PXに亘って配置されている。配向膜14及び22は、X-Y平面に略平行な配向規制力を有する水平配向膜であってもよいし、第3方向Zに略平行な配向規制力を有する垂直配向膜であってもよい。
【0015】
液晶層30は、配向膜14と配向膜22との間に位置している。液晶層30は、ポリマー31と、液晶分子32と、を含む高分子分散型液晶を備えている。一例では、ポリマー31は、液晶性ポリマーである。ポリマーは、例えば、液晶性モノマーが配向膜14及び22の配向規制力によって所定の方向に配向した状態で重合されることによって得られる。一例では、配向膜14及び22の配向処理方向は第1方向Xであり、配向膜14及び22は第1方向Xに沿った配向規制力を有している。このため、ポリマー31は、第1方向Xに沿って延出した筋状に形成されている。液晶分子32は、ポリマー31の隙間に分散され、その長軸が第1方向Xに沿うように配向される。
ポリマー31及び液晶分子32の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。液晶分子32は、正の誘電率異方性を有するポジ型の液晶性分子であってもよいし、負の誘電率異方性を有するネガ型の液晶性分子であってもよい。ポリマー31及び液晶分子32の各々の電界に対する応答性は異なる。ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。なお、図中の拡大部分において、ポリマー31は右上がりの斜線で示し、液晶分子32は右下がりの斜線で示している。
【0016】
図5は、オフ状態の液晶層30を模式的に示す図である。ここでは、光源ユニットLUからの光の進行方向である第2方向Yと交差するX-Z平面における液晶層30の断面を示している。オフ状態とは、液晶層30に電圧が印加されていない状態(例えば画素電極13と共通電極21との間の電位差がほぼゼロである状態)に相当する。ポリマー31の光軸Ax1及び液晶分子32の光軸Ax2は、互いに平行である。図示した例では、光軸Ax1及び光軸Ax2は、いずれも第1方向Xに平行である。ポリマー31及び液晶分子32は、ほぼ同等の屈折率異方性を有している。つまり、ポリマー31及び液晶分子32のそれぞれの常光屈折率は互いにほぼ同等であり、また、ポリマー31及び液晶分子32のそれぞれの異常光屈折率は互いにほぼ同等である。このため、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zを含むあらゆる方向において、ポリマー31と液晶分子32との間にほとんど屈折率差がない。
【0017】
図6は、オン状態の液晶層30を模式的に示す図である。オン状態とは、液晶層30に電圧が印加された状態(例えば画素電極13と共通電極21との間の電位差がしきい値以上である状態)に相当する。上記の通り、ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性より低い。一例では、ポリマー31の配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子32の配向方向は、液晶層30にしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。つまり、図示したように、光軸Ax1は第1方向Xとほとんど平行であるのに対して、光軸Ax2は第1方向Xに対して傾斜している。液晶分子32がポジ型液晶性分子である場合には、液晶分子32は、その長軸が電界に沿うように配向する。画素電極13と共通電極21との間の電界は、第3方向Zに沿って形成される。このため、液晶分子32は、その長軸あるいは光軸Ax2が第3方向Zに沿うように配向する。つまり、光軸Ax1及びAx2は、互いに交差する。したがって、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zを含むあらゆる方向において、ポリマー31と液晶分子32との間に大きな屈折率差が生ずる。
【0018】
図7は、液晶層30がオフ状態である場合の表示パネルPNLを示す断面図である。発光素子LSから照射された光L11は、端部E22から表示パネルPNLに入射し、透明基板20、第1液晶層30、透明基板10などを伝播する。液晶層30がオフ状態である場合、光L11は、液晶層30でほとんど散乱されず透過する。光L11は、透明基板10の下面10B及び透明基板20の上面20Tからほとんど漏れ出すことなく、表示パネルPNLを伝播する。つまり、液晶層30は、透明状態である。
表示パネルPNLに入射する外部の自然光L12は、液晶層30でほとんど散乱されることなく透過する。つまり、下面10Bから表示パネルPNLに入射した自然光は上面20Tを透過し、上面20Tから表示パネルPNLに入射した自然光は下面10Bを透過する。このため、ユーザは、表示パネルPNLを上面20T側から観察した場合には、表示パネルPNLを透かして下面10B側の背景を視認することができる。同様に、ユーザは、表示パネルPNLを下面10B側から観察した場合には、表示パネルPNLを透かして上面20T側の背景を視認することができる。
【0019】
図8は、液晶層30がオン状態である領域を含む場合の表示パネルPNLを示す断面図である。発光素子LSから照射された光L21は、端部E22から表示パネルPNLに入射し、透明基板20、第1液晶層30、透明基板10などを伝播する。図示した例では、画素電極13Aと重畳する液晶層30はオフ状態であり、画素電極13Bと重畳する液晶層30はオン状態である。このため、光L21は、液晶層30のうち画素電極13Aと重畳する領域でほとんど散乱されず透過し、画素電極13Bと重畳する領域で散乱される。光L21のうち、一部の散乱光L211は上面20Tを透過し、一部の散乱光L212は下面10Bを透過し、他の散乱光は表示パネルPNLを伝播する。
画素電極13Aと重畳する領域では、表示パネルPNLに入射する自然光L22は、
図7に示した自然光L12と同様に、液晶層30でほとんど散乱されることなく透過される。画素電極13Bと重畳する領域では、下面10Bから入射した自然光L23は、その一部が液晶層30で散乱され、その一部の光L231が上面20Tを透過する。また、上面20Tから入射した自然光L24は、その一部が液晶層30で散乱され、その一部の光L241が下面10Bを透過する。このため、ユーザは、表示パネルPNLを上面20T側から観察した場合には、画素電極13Bと重畳する領域で光L21の色を視認することができる。加えて、一部の自然光L231が表示パネルPNLを透過するため、ユーザは、表示パネルPNLを透かして下面10B側の背景を視認することもできる。同様に、ユーザは、表示パネルPNLを下面10B側から観察した場合には、画素電極13Bと重畳する領域で光L21の色を視認することができる。加えて、一部の自然光L241が表示パネルPNLを透過するため、ユーザは、表示パネルPNLを透かして上面20T側の背景を視認することもできる。なお、画素電極13Aと重なる領域では、液晶層30が透明状態であるため、光L21の色はほとんど視認されず、ユーザは、表示パネルPNLを透かして背景を視認することができる。
【0020】
次に、より具体的な構成例について説明する。
【0021】
図9は、第1基板SUB1における画素PXの一例を示す平面図である。図示した例では、画素PXは、第1方向Xに並ぶ2本の信号線S1及びS2と、第2方向Yに並ぶ2本の走査線G1及びG2とで区画されている。画素PXは、スイッチング素子SWと、画素電極13とを備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタであり、走査線G2及び信号線S1と電気的に接続されている。スイッチング素子SWの具体的な構成については、後述するが、スイッチング素子SWは、半導体層の下にゲート電極が位置するボトムゲート型であってもよいし、半導体層の上にゲート電極が位置するトップゲート型であってもよい。半導体層は、例えばアモルファスシリコンによって形成されるが、多結晶シリコンや酸化物半導体によって形成されてもよい。画素電極13は、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。また、画素電極13は、容量電極15と重畳している。容量電極15は、複数の画素PXに亘って配置され、さらには第1基板SUB1のほぼ全域に亘って配置されている。容量電極15は、スイッチング素子SW、走査線G1及びG2、及び、信号線S1及びS2とそれぞれ重畳している。図示した例では、スペーサSPは、スイッチング素子SWと重畳し、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に所定のセルギャップを形成している。
【0022】
図10は、
図9に示したスイッチング素子SWの一例を示す拡大平面図である。スイッチング素子SWは、ゲート電極GE、ソース電極SE、及び、ドレイン電極DEを備えている。ゲート電極GEは、走査線G2と一体的に形成されている。半導体層SCは、ゲート電極GEと重畳している。2つのソース電極SEは、信号線S1と一体的に形成され、それぞれ半導体層SCに接している。ドレイン電極DEは、2つのソース電極SEの間に位置し、半導体層SCに接している。ドレイン電極DEは、
図9に示した画素電極13と接続される接続部DEAを有している。接続部DEAは、容量電極15に形成された開口部15A、及び、コンタクトホールCHと重畳している。遮光層17は、走査線G2及び信号線S1と重畳している。また、遮光層17は、スイッチング素子SW、特に、ソース電極SE、ドレイン電極DE、及び、半導体層SCと重畳している。また、後述する第2基板SUB2に設けられた遮光層23も、遮光層17と同様に、走査線G2、信号線S1、スイッチング素子SWとそれぞれ重畳している。
【0023】
図11は、
図10に示したスイッチング素子SWを含むA-A’線に沿った表示パネルPNLを示す断面図である。
【0024】
第1基板SUB1において、走査線G2と一体のゲート電極GEは、透明基板10の上に位置し、例えば
図4に示した配線11に相当する。絶縁層121は、ゲート電極GE及び走査線G2を覆い、透明基板10の上面10Tに接している。半導体層SCは、ゲート電極GEの直上において、絶縁層121の上に位置している。信号線S1と一体の2つのソース電極SEは、それぞれ半導体層SCに接し、それらの一部が絶縁層121の上に位置している。ドレイン電極DEは、半導体層SCに接している。絶縁層122は、半導体層SC、ソース電極SE、ドレイン電極DE、及び、絶縁層121を覆っている。絶縁層123は、絶縁層122を覆っている。遮光層17は、半導体層SC、ソース電極SE、及び、ドレイン電極DEの直上において、絶縁層123の上に位置している。容量電極15は、絶縁層123及び遮光層17を覆っている。遮光層17は、容量電極15と接し、互いに電気的に接続されている。絶縁層124は、容量電極15を覆っている。画素電極13は、絶縁層124の上に位置している。画素電極13及び容量電極15は、絶縁層124を介して対向し、画素PXにおいて画像表示に必要な蓄積容量を形成する。配向膜14は、画素電極13及び絶縁層124を覆っている。
【0025】
絶縁層121乃至124は、例えば
図4に示した絶縁層12に相当する。絶縁層121、122、及び、124は、例えばシリコン窒化物やシリコン酸化物などの透明な無機絶縁材料によって形成されている。絶縁層123は、例えばアクリル樹脂などの透明な有機絶縁材料によって形成されている。
【0026】
ゲート電極GE及び走査線G2は、透明基板10と対向する反射層(第1反射層)41と、透明基板10と液晶層30との間に位置する導電層42と、を備えている。反射層41は、透明基板10と導電層42との間に位置し、図示した例では、透明基板10の上面10Tに接している。透明基板10と反射層41との間に透明な絶縁層が介在してもよい。但し、透明基板10と反射層41との間には、反射層41よりも光吸収率が高い薄膜は介在していない。導電層42は、反射層41と液晶層30との間に位置し、図示した例では、反射層41の上面41Tに積層され、絶縁層121を介して半導体層SCと対向している。
反射層41及び導電層42は、いずれも金属材料によって形成されているが、互いに異なる金属材料によって形成されている。反射層41は、導電層42よりも高い反射率を有する金属材料によって形成されている。一例では、反射層41はアルミニウムによって形成され、導電層42はモリブデンによって形成されている。なお、反射層41は、アルミニウムに限らず、チタンや銀などの比較的高い反射率を有する金属材料によって形成されてもよい。
反射層41及び導電層42は、それぞれ第3方向Zに沿った厚さT41及びT42を有している。厚さT41は、厚さT42よりも厚い。一例では、厚さT41は、厚さT42の10倍以上である。
【0027】
ソース電極SE、ドレイン電極DE、及び、遮光層17は、例えば複数の導電層が積層された積層体である。一例では、ソース電極SE等は、モリブデン(Mo)を含む導電層、アルミニウム(Al)を含む導電層、及び、モリブデン(Mo)を含む導電層がこの順に積層された積層体であるが、これに限らず、チタン(Ti)を含む導電層、アルミニウム(Al)を含む導電層、及び、チタン(Ti)を含む導電層がこの順に積層された積層体であってもよい。
容量電極15は、ITOやIZOなどの透明導電材料によって形成されている。
【0028】
第2基板SUB2において、遮光層23は、透明基板20の下に位置し、且つ、スイッチング素子SWの直上、あるいは、ゲート電極GE及び走査線G2の直上に位置している。共通電極21は、遮光層23を覆い、透明基板20の下面20Bに接している。共通電極21は、容量電極15と電気的に接続され、容量電極15と同電位である。共通電極21は、液晶層30を介して画素電極13と対向している。オーバーコート層24は、共通電極21を覆っている。配向膜22は、オーバーコート層24を覆っている。液晶層30は、配向膜14及び22に接触している。
【0029】
遮光層23は、透明基板20と対向する反射層(第3反射層)51と、透明基板20と液晶層30との間に位置する導電層52と、を備えている。反射層51は、透明基板20と導電層52との間に位置し、図示した例では、透明基板20の下面20Bに接している。透明基板20と反射層51との間には、反射層51よりも光吸収率が高い薄膜は介在していない。導電層52は、反射層51と液晶層30との間に位置し、図示した例では、反射層51の下面51Bに積層され、共通電極21に接している。
反射層51及び導電層52は、互いに異なる金属材料によって形成されている。反射層51は、導電層52よりも高い反射率を有する金属材料によって形成されている。一例では、反射層51はアルミニウムによって形成され、導電層52はモリブデンによって形成されている。なお、反射層51は、チタンや銀などの比較的高い反射率を有する金属材料によって形成されてもよい。
反射層51の厚さT51は、導電層52の厚さT52よりも厚く、一例では、厚さT51は、厚さT52の10倍以上である。
【0030】
図12は、
図10に示した走査線G2及び接続部DEAを含むB-B’線に沿った表示パネルPNLを示す断面図である。
第1基板SUB1において、走査線G2は、
図11に示したゲート電極GEと同様に、透明基板10に接する反射層41と、反射層41に積層された導電層42と、を備えている。接続部DEAは、絶縁層121の上に位置し、絶縁層122によって覆われている。画素電極13は、絶縁層122乃至124をそれぞれ貫通するコンタクトホールCH、及び、容量電極15の開口部15Aにおいて、接続部DEAに接触している。遮光層17は、走査線G2の直上に位置している。遮光層17の第2方向Yに沿った幅17Wyは、走査線G2の第2方向Yに沿った幅GWyと同等である。
第2基板SUB2において、遮光層23は、走査線G2及び接続部DEAの直上に位置している。
【0031】
図13は、
図10に示した信号線S1を含むC-C’線に沿った表示パネルPNLを示す断面図である。
第1基板SUB1において、遮光層18は、透明基板10と信号線S1との間に位置している。図示した例では、遮光層18は、透明基板10と絶縁層121との間に位置している。つまり、遮光層18は、
図11等で説明した走査線G2及びゲート電極GEと同一層に位置している。但し、遮光層18は、走査線G2及びゲート電極GEとは電気的に絶縁されている。遮光層18は、走査線G2等と同様に、少なくとも反射層(第2反射層)61を備えている。図示した例では、遮光層18は、反射層61に積層された導電層62を備えているが、導電層62は省略してもよい。反射層61は、透明基板10に接し、反射層41と同一層に位置し、反射層41と同一材料によって形成されている。導電層62は、導電層42と同一層に位置し、導電層42と同一材料によって形成されている。
信号線S1は、絶縁層121を介して遮光層18の直上に位置している。遮光層17は、信号線S1の直上に位置している。遮光層17の第1方向Xに沿った幅17Wxは、信号線S1の第1方向Xに沿った幅SWxと同等である。また、遮光層18の第1方向Xに沿った幅18Wxは、信号線S1の幅SWxと同等である。なお、遮光層18を省略して、信号線S1が絶縁層121と接する反射層を備えていてもよい。
第2基板SUB2において、遮光層23は、信号線S1の直上に位置している。
【0032】
図14は、信号線S1及びS2、走査線G1及びG2、及び、遮光層18を示す平面図である。
遮光層18は、
図12及び
図13を参照して説明したように、走査線G2と同一層に位置している。走査線G1及びG2は第1方向Xに沿って延出し、遮光層18は第2方向Yに沿って延出し、信号線S1及びS2のそれぞれと重畳している。信号線S1及びS2と走査線G1及びG2との交差部近傍においては、遮光層18は、走査線G1及びG2から離間している。このため、遮光層18は、いずれの配線にも接続されず、電気的にフローティング状態である。
【0033】
図15は、発光素子LSからの出射光が表示パネルPNLを伝播する様子を説明するための図である。
発光素子LSからの出射光は、図中に矢印で示したように、入光部である端部E22からの距離が遠いほど減衰する。透明基板10及び20における光吸収率は0.1%にも満たないため、出射光が減衰する主な原因は、透明基板10と透明基板20との間の各種薄膜における光吸収によるものである。
特に、透明基板10及び20の近傍に位置する配線部(走査線、信号線、スイッチング素子等)や遮光層は、比較的光吸収率が高い薄膜を含む場合がある。一例では、モリブデンによって形成された薄膜は、40%を超える光吸収率を有する。このため、モリブデン層が透明基板10及び20に面している場合、透明基板10及び20を透過した光がモリブデン層で吸収されて、光の減衰を招く。
【0034】
本実施形態によれば、スイッチング素子SWのゲート電極GE及び走査線は透明基板10に面する反射層41を備え、信号線Sと透明基板10との間に位置する遮光層18は透明基板10に面する反射層61を備えている。このため、第1基板SUB1においては、透明基板10に面する光吸収層がほとんど存在しない。このため、透明基板10を透過して配線部に到達した光は、反射層41または61でほとんど吸収されることなく反射される。
また、遮光層23は、透明基板20に面する反射層51を備えている。このため、第2に基板SUB2においては、透明基板20に面する光吸収層がほとんど存在しない。このため、透明基板20を透過して遮光層23に到達した光は、反射層51でほとんど吸収されることなく反射される。
したがって、表示パネルPNLを伝播する光の各種薄膜による吸収を抑制し、光の減衰を抑制することができる。これにより、表示領域DAのうち、入光部から離れた位置の画素PXにおいても発光素子LSからの光が到達し、表示品位の低下を抑制することができる。
【0035】
図16は、本実施形態の表示装置DSP及び比較例の表示装置における輝度の測定結果を示す図である。
比較例の表示装置は、第1基板SUB1における配線部が透明基板10に面するモリブデン層を備えている。一方、本実施形態の表示装置DSPは、上記の通り、配線部が透明基板10に面するアルミニウム製の反射層を備えている点で、比較例の表示装置とは相違している。入光部からの距離を変えて各表示装置の輝度を測定した。
図16の横軸は入光部からの距離であり、縦軸は輝度の相対値である。図示したように、本実施形態の表示装置DSPによれば、比較例の表示装置に比べて、入光部から遠く離れても輝度の低下が少なく、光の減少を抑制できることが確認された。
【0036】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【0037】
なお、この発明は、上記各実施形態そのものに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0038】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル LU…光源ユニット LS…発光素子
SUB1…第1基板 10…透明基板(第1絶縁基板)
G…走査線 41…反射層(第1反射層) 42…導電層
S…信号線 SW…スイッチング素子 GE…ゲート電極
13…画素電極 17…遮光層
18…遮光層 61…反射層(第2反射層) 62…導電層
SUB2…第2基板 20…透明基板(第2絶縁基板) 21…共通電極
23…遮光層 51…反射層(第3反射層) 52…導電層
30…液晶層 31…ポリマー 32…液晶分子