(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】傘用旗付け具および傘用案内具
(51)【国際特許分類】
G09F 17/00 20060101AFI20220606BHJP
A45B 9/06 20060101ALI20220606BHJP
【FI】
G09F17/00 M
A45B9/06
(21)【出願番号】P 2018084050
(22)【出願日】2018-04-25
【審査請求日】2021-02-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.公開日 平成30年 3月 4日 2.公開場所 第51回なるほど展 東京交通会館 東京都千代田区有楽町2丁目10-1 3.公開者 長 京子
(73)【特許権者】
【識別番号】518055464
【氏名又は名称】長 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】長 京 子
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】実開昭47-008364(JP,U)
【文献】実開平06-082686(JP,U)
【文献】登録実用新案第3125162(JP,U)
【文献】特開2002-268594(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0247435(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 15/00 - 17/00
A45B 1/00 - 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傘の頂部に着脱可能に取り付けられる取付部材と、
前記取付部材上に設けられ、旗が取り付けられる旗取付棒とを備え
、
前記旗取付棒は、前記取付部材に対して回動自在に設けられ、前記旗取付棒は、前記取付部材に対して回動することにより、前記旗の使用時に前記旗を立ち上げる旗立ち上げ位置と、前記旗の不使用時に前記旗を収納する旗折り畳み位置とをとる、傘用旗付け具。
【請求項2】
前記取付部材は、傘の頂部のねじ山に着脱可能に螺合可能なねじ部を有する、請求項1に記載の傘用旗付け具。
【請求項3】
前記取付部材は、傘の頂部が挿入される挿入孔を有する、請求項1に記載の傘用旗付け具。
【請求項4】
前記取付部材のうち、少なくとも前記挿入孔の周囲は、弾性体からなる、請求項3に記載の傘用旗付け具。
【請求項5】
請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の傘用旗付け具と、
前記傘用旗付け具の前記旗取付棒に取り付けられた前記旗とを備える、傘用案内具。
【請求項6】
前記旗は、前記旗取付棒に対して、熱溶着されている、請求項
5に記載の傘用案内具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傘用旗付け具および傘用案内具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、観光地では、観光客を案内する案内者は、観光客のグループ名等が記載された旗を使用して、観光客を案内している。この際、案内者が使用する道具として、伸縮自在で回転可能なミゾ付きの旗竿と、この旗竿に収容可能な旗とを備えた旗収容式ミゾ付き旗竿が知られている(例えば、特許文献1)。この旗収容式ミゾ付き旗竿は、使用する場合には旗竿の先端部を引き出して旗を広げ、使用しない場合には先端部を回して旗竿に旗を収容するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す旗収容式ミゾ付き旗竿では、雨天時には、案内者は傘をさしながら旗竿を持つ必要がある。この場合、案内者の衣類や腕が雨に濡れてしまうといった問題があり、雨天時には案内者が旗竿を持ちながら観光客を案内することが困難である。また、案内者が旗を用いることなく観光客を案内する場合、混み合う観光地では、観光客が案内者を見失ってしまうといった問題がある。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、雨天時においても観光客を容易に案内することが可能な、傘用旗付け具および傘用案内具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、傘の頂部に着脱可能に取り付けられる取付部材と、前記取付部材上に設けられ、旗が取り付けられる旗取付棒とを備える、傘用旗付け具である。
【0007】
本発明は、前記取付部材は、傘の頂部のねじ山に着脱可能に螺合可能なねじ部を有する、傘用旗付け具である。
【0008】
本発明は、前記取付部材は、傘の頂部が挿入される挿入孔を有する、傘用旗付け具である。
【0009】
本発明は、前記取付部材のうち、少なくとも前記挿入孔の周囲は、弾性体からなる、傘用旗付け具である。
【0010】
本発明は、前記旗取付棒は、前記取付部材に対して回動自在に設けられ、前記旗取付棒は、前記取付部材に対して回動することにより、前記旗の使用時に前記旗を立ち上げる旗立ち上げ位置と、前記旗の不使用時に前記旗を収納する旗折り畳み位置とをとる、傘用旗付け具である。
【0011】
本発明は、本発明による傘用旗付け具と、前記傘用旗付け具の前記旗取付棒に取り付けられた前記旗とを備える、傘用案内具である。
【0012】
本発明は、前記旗は、前記旗取付棒に対して、熱溶着されている、傘用案内具である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、雨天時においても観光客を容易に案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態による傘用案内具を示す部分垂直断面図である。
【
図2】
図2(a)-(c)は、第1の実施の形態による傘用案内具の使用方法を示す正面図である。
【
図3】
図3(a)-(b)は、第1の実施の形態による傘用案内具の変形例を示す正面図である。
【
図4】
図4(a)は、第1の実施の形態による傘用案内具の変形例を示す正面図であり、
図4(b)は、第1の実施の形態による傘用案内具の他の変形例を示す斜視図であり、
図4(c)は、第1の実施の形態による傘用案内具の更に他の変形例を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、第2の実施の形態による傘用案内具を示す部分垂直断面図である。
【
図6】
図6(a)-(c)は、第2の実施の形態による傘用案内具の使用方法を示す正面図である。
【
図7】
図7は、第2の実施の形態による傘用案内具の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について、
図1及び
図2を参照して説明する。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ傘1の頂部2を鉛直方向上方に向けた状態(
図1)における上方および下方のことをいう。
【0016】
まず、
図1により、本実施の形態による傘用案内具10について説明する。この傘用案内具10は、傘1に取り付けられることにより、観光客や、様々な施設に訪れた来場者(以下、観光客等と記す)を案内するためのものである。なお、本実施の形態において、傘1は折り畳み可能な折傘であり、傘1の頂部2に、カバー3(
図2(a)参照)によって螺合されるねじ山4が形成されている。傘1は、従来から用いられる一般的なものであっても良い。
【0017】
図1に示すように、傘用案内具10は、傘1に取り付けられる傘用旗付け具20と、傘用旗付け具20の後述する旗取付棒40に取り付けられた旗50とを備えている。
【0018】
このうち傘用旗付け具20は、傘1の頂部2に着脱可能に取り付けられる取付部材30と、取付部材30上に設けられ、旗50が取り付けられる旗取付棒40とを備えている。このうち取付部材30は、傘1の頂部2のねじ山4に着脱可能に螺合可能なねじ部31を有している。ねじ部31は、一般的な傘1のねじ山4に螺着可能なねじ径を有するねじ、例えば1/4インチねじとしても良い。この場合、傘用旗付け具20を一般的な傘1にそのまま取り付けることが可能になる。このような取付部材30の材料としては、例えば熱可塑性樹脂等のプラスチックや、アルミニウム等の軽金属を用いることができる。
【0019】
また、旗取付棒40は、取付部材30に取り付けられており、傘1の長手方向軸線X1に沿って延びている。この旗取付棒40は、全体として略均一な径をもつ円柱形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、旗取付棒40が四角柱形状等の多角柱形状を有していても良い。また、旗取付棒40は、中空状に形成されていてもよく、中実状に形成されていても良い。旗取付棒40が中空状に形成されている場合、旗取付棒40の重量を小さくすることができ、案内者が傘用案内具10を容易に取り扱うことができるようになる。このような旗取付棒40の材料としては、例えば熱可塑性樹脂等のプラスチックや、アルミニウム等の軽金属を用いることができる。なお、この旗取付棒40は、上述した取付部材30と一体に成形されていても良く、あるいは旗取付棒40は、取付部材30とは個別の部材から構成されていても良い。また、取付部材30および旗取付棒40がそれぞれ個別の部材から構成されている場合、取付部材30および旗取付棒40は、取付部材30および旗取付棒40に図示しないねじ部を形成することにより、互いに螺着するようになっていても良い。また、取付部材30および旗取付棒40がそれぞれ個別の部材から構成されている場合、取付部材30および旗取付棒40は、例えば接着剤等により互いに結合されていても良い。このような旗取付棒40の長さは、例えば300mm以上400mm以下程度とすることができる。
【0020】
次に、旗50について説明する。旗50は、旗取付棒40に取り付けられており、本実施の形態においては、旗50は、旗取付棒40に対して、熱溶着されている。旗50が熱溶着により旗取付棒40に取り付けられることにより、旗50が雨や風に晒されることによって旗取付棒40から取り外される不具合を抑制することができる。
【0021】
この旗50は、全体として略矩形状の形状を有しており、予め文字、絵柄等の印刷が施されていている。このように旗50に文字、絵柄等の印刷が施されていることにより、旗50を目印に観光客等を案内することができるようになっている。この場合、印刷は、例えばダイレクト昇華印刷法等の印刷法により、無地の旗50に施されても良い。このような旗50の寸法は、例えば高さ(
図1に示す上下方向の長さ)150mm×幅(
図1に示す左右方向の長さ)200mm程度とすることができる。この旗50に用いられる生地としては、例えばポリエステル、ナイロン等の材料からなる生地や、ポリエステルおよび綿からなる繊維を混紡した生地をもちいることができる。一例として、旗50に用いられる生地としては、例えばポリエステルからなるテトロンポンジを用いることができる。テトロンポンジは、薄くて軽い生地であるため、旗50に用いられる生地としてテトロンポンジを用いることにより、案内者が傘用案内具10を容易に取り扱うことができるようになる。また、テトロンポンジは、透過性が高いため、旗50の片面から印刷を施すことにより、当該片面の反対側からでも旗50に印刷された文字等を視認することができる。
【0022】
また、旗50には、形状保持部材51が取り付けられており、旗50が雨や風に晒された場合であっても、旗50の形状が略一定に保たれるようになっている。本実施の形態においては、旗50には、2つの形状保持部材51が取り付けられており、一方の形状保持部材51は、旗50の上端部近傍に設けられ、旗50の幅方向(
図1の左右方向)に沿って延びている。また、他方の形状保持部材51は、旗50の一対の側端部のうち、旗取付棒40の側とは反対側の側端部近傍に設けられ、旗50の高さ方向(
図1の上下方向)に沿って延びている。なお、形状保持部材51の個数は任意であり、形状保持部材51が旗50の4辺近傍に設けられていても良い。この形状保持部材51の材料としては、形状記憶性能を有する線状樹脂、例えば、三井化学株式会社製、テクノロート(商品名)等や、針金等を用いることができる。
【0023】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、傘用案内具10の使用方法について説明する。
【0024】
まず、傘用旗付け具20を準備する。この際、取付部材30および旗取付棒40を例えば射出成形により一体に形成することにより傘用旗付け具20を作製しても良く、または取付部材30および旗取付棒40を、それぞれ個別の部材として作製した後に、取付部材30に旗取付棒40を取り付けても良い。
【0025】
また、旗50を準備する。この際、旗50に、例えばダイレクト昇華印刷により、観光客等を案内する際の目印となる文字、絵柄等を印刷する。次に、旗50に形状保持部材51を取り付ける。形状保持部材51としては、形状記憶性能を有する線状樹脂、例えば、三井化学株式会社製、テクノロート(商品名)等を用いることが好ましい。これにより、旗50が雨や風に晒された場合であっても、旗50の形状を略一定に保つようにすることができる。
【0026】
次に、旗50を傘用旗付け具20の旗取付棒40に取り付ける。この場合、旗50は、例えば熱溶着により、旗取付棒40に取り付けられる。なお、旗50は、傘用旗付け具20が傘1に取り付けられた後に、傘用旗付け具20の旗取付棒40に取り付けられても良い。
【0027】
このようにして、傘用案内具10が得られる。
【0028】
次に、
図2(a)に示すように、傘1を準備し、傘1の頂部2に設けられたカバー3を取り外す。これにより、傘1の頂部2のねじ山4が露出する。
【0029】
次いで、傘1のねじ山4に傘用旗付け具20の取付部材30のねじ部31を螺合させる。このようにして、
図2(b)に示すように、傘用案内具10が傘1に螺着する。
【0030】
次に、
図2(c)に示すように、案内者が傘1をさす。この際、傘1の頂部2に傘用案内具10が螺着されているため、観光客等は、雨天時においても傘用案内具10の旗50を容易に視認することができる。このため、案内者が雨天時においても観光客等を容易に案内することができる。また、案内者は、観光客を案内するために余計な旗竿を持つ必要がない。このため、案内者の衣類や腕が雨に濡れてしまうことを抑制することができる。
【0031】
また、案内者は、天候が回復し雨が止んだ場合には、傘用案内具10を傘1から取り外し、傘1を用いることなく、傘用案内具10により観光客等を案内することもできる。なお、晴天時には、案内者は、傘用案内具10を日傘に取り付けて使用しても良い。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態によれば、傘用旗付け具20が、傘1の頂部2に着脱可能に取り付けられる取付部材30と、取付部材30上に設けられ、旗50が取り付けられる旗取付棒40とを備えている。これにより、傘1の頂部2に傘用旗付け具20を取離付けた状態で、案内者が傘1をさすことにより、観光客等が、傘用旗付け具20の旗取付棒40に取り付けられた旗50を容易に視認することができる。また、案内者は、観光客を案内するために余計な旗竿を持つ必要がない。このため、案内者は、雨天時においても、衣類や腕を雨に濡らすことなく、観光客等を案内することができる。
【0033】
また、本実施の形態によれば、取付部材30は、傘1の頂部2のねじ山4に着脱可能に螺合することが可能なねじ部31を有している。これにより、強風等により傘1が破損した場合であっても、傘用旗付け具20を異なる傘に付け替えることにより、継続して観光客等を案内することができる。
【0034】
さらに、本実施の形態によれば、旗50が、旗取付棒40に対して、熱溶着されている。これにより、旗50が雨や風に晒されることによって、旗50が旗取付棒40から取り外されてしまう不具合を抑制することができる。
【0035】
なお、本実施の形態において、傘1が折り畳み可能な折傘である例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、
図3(a)に示すように、傘1が長傘であっても良い。この場合、傘用旗付け具20の取付部材30は、傘1の頂部(石突き)2が挿入される挿入孔31aを有している。この挿入孔31aは、取付部材30に設けられた貫通孔であっても良い。この場合においても、傘1に傘用旗付け具20を着脱自在に取り付けることができ、案内者が、雨天時においても、衣類や腕を雨に濡らすことなく、観光客等を案内することができる。なお、この場合、
図3(b)に示すように、取付部材30のうち、少なくとも挿入孔31aの周囲は、弾性体31bからなっていても良い。この場合、弾性体31bは、例えばスチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーであっても良い。この場合、挿入孔31aが傘1の頂部2に密着することにより、傘用旗付け具20が、傘1から容易に取り外されないようにすることができる。また、取付部材30のうち、少なくとも挿入孔31aの周囲が弾性体31bからなっている場合、様々な傘1の頂部2の寸法に対応することができる。また、この際、
図3(a)に示すように、旗取付棒40は、旗取付棒40の中心軸線X2が、傘1の長手方向軸線X1から所定の距離だけずれた位置に設けられていても良い。これにより、傘1の頂部2が挿入孔31aから上方に突出した場合であっても、傘1の頂部2と旗取付棒40とが干渉する不具合を回避することができる。
【0036】
また、本実施の形態において、旗50が、旗取付棒40に対して、熱溶着されている例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、
図4(a)に示すように、旗50が、紐等からなる固定部材60によって旗取付棒40に取り付けられていても良い。この場合、例えば、旗50の一対の側端部のうち、旗取付棒40の側の側端部近傍に、固定部材60を通す貫通孔52を形成し、当該貫通孔52に通した固定部材60を旗取付棒40に結びつけることにより、旗50を旗取付棒40に取り付けることができる。なお、この場合、貫通孔52は、旗50の当該側端部近傍に少なくとも2箇所設けられていることが好ましい。これにより、旗50の形状が風に晒されることによって変形することを抑制することができ、旗50に印刷された文字等の視認性を向上させることができる。
【0037】
また、
図4(b)に示すように、旗50が旗取付棒40に被せられるように設けられていても良い。この場合、旗50には、旗50の一方の側端部の近傍を折り畳み、重ね合わされた旗50同士を、縫い目50aに沿って縫い合わせることにより、旗取付棒40を挿入するための挿入部53が形成されている。このような構成により、挿入部53に旗取付棒40を挿入することによって、旗50が旗取付棒40に被せられることができるようになっている。なお、旗取付棒40は、挿入部53内において、接着剤により旗50に接着されても良い。また、旗50は、上端部、下端部および一対の側端部の近傍において折り畳まれ、重ね合わされた旗50同士が、縫い目50bに沿って縫い合わされていても良い。なお、この際、旗50のうち、折り畳まれた部分の長さLは、例えば10mm以上20mm以下程度、一例として15mmであっても良い。また、この際、形状保持部材51は、重ね合わされた旗50同士の間に配置されていても良い。さらに、この場合、重ね合わされた旗50同士の間に配置された形状保持部材51の一部が、旗50の幅方向に沿って配置され、旗50とともに折り畳まれることにより、旗取付棒40を周状に取り囲むように構成されていても良い。
【0038】
さらに、
図4(c)に示すように、旗50は、上端部、下端部および一対の側端部の近傍において折り畳まれていなくても良い。また、
図4(a)を用いて説明したように、旗50の一対の側端部のうち、旗取付棒40の側の側端部近傍に、貫通孔52を形成し、当該貫通孔52に通した固定部材60を旗取付棒40に結びつけることにより、旗50を旗取付棒40に取り付けても良い。さらに、旗50は、複数の部材から構成されていても良い。例えば、挿入部53を構成する部分と、文字等の印刷が施される部分とが別個の部材から構成されていても良い。
【0039】
(第2の実施の形態)
次に、
図5及び
図6を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。
図5及び
図6は本発明の第2の実施の形態を示す図である。
図5及び
図6に示す第2の実施の形態は、主として、旗取付棒が、取付部材に対して回動自在に設けられている点が第1の実施の形態と異なるものである。
図5及び
図6において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
図5に示すように、本実施の形態による旗取付棒40は、取付部材30に対して回動自在に設けられている。この旗取付棒40は、取付部材30に対して回動することにより、旗50の使用時に旗50を立ち上げる旗立ち上げ位置と、旗50の不使用時に旗50を収納する旗折り畳み位置(
図5の仮想線(二点鎖線)参照)とをとる。この場合、旗立ち上げ位置においては、正面視において、旗取付棒40は、旗取付棒40の中心軸線X2が、傘1の長手方向軸線X1に平行となるように、取付部材30の上方へ延びることが好ましい。これにより、観光客等が、旗取付棒40に取り付けられた旗50を容易に視認できるようにすることができる。また、この際、旗取付棒40は、図示しない固定手段により、旗立ち上げ位置に固定されるように構成されていても良い。
【0041】
一方、旗折り畳み位置においては、正面視において、旗取付棒40は、旗取付棒40の中心軸線X2が、傘1の長手方向軸線X1に平行となるように、取付部材30の下方へ延びることが好ましい。これにより、傘用案内具10が取り付けられた傘1をコンパクトに収納することができる。
【0042】
また、旗取付棒40は、回動部材41を介して取付部材30の後述する取付部33に取り付けられている。さらに、回動部材41には、回動軸42が設けられており、旗取付棒40は、回動軸42の中心軸線を中心に、取付部材30に対して回動自在に構成されている。この中心軸線は、旗取付棒40の中心軸線X2に対して直交する方向(
図5の紙面に垂直な方向)に延びている。このような回動部材41および回動軸42の材料としては、例えば熱可塑性樹脂等のプラスチックや、アルミニウム等の軽金属を用いることができる。なお、旗取付棒40、回動部材41および回動軸42は、一体に成形されていても良く、旗取付棒40、回動部材41および回動軸42は個別の部材から構成されていても良い。
【0043】
また、取付部材30は、傘1の頂部2のねじ山4に螺着する螺着部32と、螺着部32上に設けられ、旗取付棒40の回動軸42が取り付けられる取付部33とを有している。このうち螺着部32には、傘1の頂部2のねじ山に螺合する、上述したねじ部31が設けられている。一方、取付部33には、旗取付棒40の回動軸42が挿入される挿入穴34が形成されており、回動軸42が挿入穴34に挿入されることにより、旗取付棒40が取付部33に取り付けられるようになっている。この挿入穴34は、正面視において、傘1の外縁よりも、傘1の長手方向軸線X1に直交する方向(
図5の左右方向)において外側に位置するように設けられていることが好ましい。これにより、上述したように、旗取付棒40が旗折り畳み位置をとった際に、傘1の長手方向軸線X1と旗取付棒40の中心軸線X2とを略平行にすることができ、傘用案内具10が取り付けられた傘1をコンパクトに収納することができる。このような螺着部32および取付部33の材料としては、例えば熱可塑性樹脂等のプラスチックや、アルミニウム等の軽金属を用いることができる。なお、螺着部32および取付部33は、一体に成形されていても良く、螺着部32および取付部33は個別の部材から構成されていても良い。
【0044】
次に、本実施の形態による傘用案内具10の使用方法について説明する。
【0045】
本実施の形態による傘用案内具10を使用する際、まず、傘1のねじ山4に取付部材30の螺着部32のねじ部31を螺合させる(
図6(a)参照)。この際、旗取付棒40は、旗折り畳み位置をとっている。なお、旗取付棒40は、傘1に取付部材30の螺着部32を螺着させた際に、旗立ち上げ位置をとっていても良い。
【0046】
次いで、案内者は、傘1を開く前に、旗取付棒40を旗立ち上げ位置まで回動させる(
図6(b)参照)。この際、旗取付棒40は、回動部材41に設けられた回動軸42の中心軸線を中心として、旗立ち上げ位置まで取付部材30に対して回動する。なお、旗取付棒40は、図示しない固定手段により、旗立ち上げ位置に固定されても良い。
【0047】
次に、案内者が傘1をさす(
図6(c)参照)。この際、旗取付棒40が旗立ち上げ位置にあるため、観光客等は、雨天時においても傘用案内具10の旗50を容易に視認することができる。このため、案内者が雨天時においても観光客等を容易に案内することができる。
【0048】
また、案内者は、バス等の移動手段に乗り込む際には、傘1を閉じた後、旗取付棒40を回動させ、旗取付棒40を旗折り畳み位置まで回動させる。この際、旗取付棒40の回動軸42は、傘1を折り畳んだ際に、正面視において、傘1の外縁よりも、傘1の長手方向軸線X1に直交する方向(
図5の左右方向)において外側に位置するように設けられている。これにより、旗取付棒40が旗折り畳み位置をとった際に、傘1の長手方向軸線X1と旗取付棒40の中心軸線X2とを略平行にすることができる。このため、傘用案内具10が取り付けられた傘1をコンパクトに収納することができる。
【0049】
さらに、本実施の形態においても、案内者は、天候が回復し雨が止んだ場合には、傘用案内具10を傘1から取り外すことにより、傘1を用いることなく、傘用案内具10により観光客等を案内することもできる。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によれば、旗取付棒40が、取付部材30に対して回動自在に設けられ、取付部材30に対して回動することにより、旗50の使用時に旗50を立ち上げる旗立ち上げ位置と、旗50の不使用時に旗50を収納する旗折り畳み位置とをとる。これにより、雨天時においては、案内者は傘1をさしながら観光客等を案内することができるとともに、バス等の移動手段に乗っている場合には、傘用案内具10が取り付けられた傘1をコンパクトに収納することができる。
【0051】
なお、本実施の形態においても、
図7に示すように、傘1が長傘であっても良い。この場合においても、
図3を用いて説明したように、傘1に傘用旗付け具20を着脱自在に取り付けることができる。これにより、雨天時においては、案内者は傘1をさしながら観光客等を案内することができるとともに、バス等の移動手段に乗っている場合には、傘用案内具10が取り付けられた傘1をコンパクトに収納することができる。
【0052】
上記各実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記各実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 傘
2 頂部
10 傘用案内具
20 傘用旗付け具
30 取付部材
31 ねじ部
31a 挿入孔
40 旗取付棒
50 旗