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特許7083709配合調整支援システム、配合調整支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】配合調整支援システム、配合調整支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/46 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
G01J3/46 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018124464
(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2020003393
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】310000244
【氏名又は名称】DICグラフィックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(72)【発明者】
【氏名】谷口 真一郎
【審査官】大河原 綾乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-109119(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0152745(US,A1)
【文献】特開平07-260575(JP,A)
【文献】特開2014-195172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 3/00 - G01J 4/04
G01J 7/00 - G01J 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
色彩値と当該色彩値を得るための色材の配合比との対応を示す配合比テーブルが記憶された配合比データベースと、
前記配合比テーブルを参照し、目標色Ctgと再現色Crpとの各々の色彩値の前記色材の配合比を読み出す配合比読出部と、
前記目標色Ctgの前記色材の配合比を、前記再現色Crpの前記色材の配合比により除算し、前記色材の配合比の配合比割合をそれぞれ求め、当該配合比割合が最も小さな前記色材を基準配合比色材として抽出する基準配合比抽出部と、
前記基準配合比色材の配合比を基準として、前記目標色の前記色材の配合比となるように、前記再現色Crpの前記色材の各々の配合量に対して追加する補正色材配合量を算出する補正配合量算出部と
を備えることを特徴とする配合調整支援システム。
【請求項2】
前記補正配合量算出部が、
前記基準配合比色材の前記配合比割合により、前記目標色Ctgの前記色材の配合比を乗算して、前記目標色Ctgの前記色材それぞれの補正配合比を算出し、当該補正配合比に対応して前記補正色材配合量を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の配合調整支援システム。
【請求項3】
前記補正配合量算出部が、
前記再現色Crpの色材の配合比から、当該色材の各々に対応する前記補正配合比を減算し、前記色材それぞれの追加配合比を求め、当該追加配合比を前記再現色Crpの配合量に乗算し、前記再現色Crpの色材の各々に対する前記補正色材配合量を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の配合調整支援システム。
【請求項4】
前記配合比読出部が
前記再現色Crpの色彩値が前記再現色Crpの色材により再現可能な色彩値を示す色域の外部に位置する場合、前記再現色Crpの色彩値を前記色域における最も近接する色彩値に移動させるとともに、前記目標色Ctgの色彩値も前記再現色Crpの色彩値に対して平行移動させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配合調整支援システム。
【請求項5】
配合比読出部が、色彩値と当該色彩値を得るための色材の配合比との対応を示す配合比テーブルが記憶された配合比データベースを参照し、目標色Ctgと再現色Crpとの各々の色彩値の前記色材の配合比を読み出す配合比読出過程と、
基準配合比抽出部が、前記目標色Ctgの前記色材の配合比を、前記再現色Crpの前記色材の配合比により除算し、前記色材の配合比の配合比割合をそれぞれ求め、当該配合比割合が最も小さな前記色材を基準配合比色材として抽出する基準配合比抽出過程と、
補正配合量算出部が、前記基準配合比色材の配合比を基準として、前記目標色の前記色材の配合比となるように、前記再現色Crpの前記色材の各々の配合量に対して追加する補正色材配合量を算出する補正配合量算出過程と
含むことを特徴とする配合調整支援方法。
【請求項6】
コンピュータに、
色彩値と当該色彩値を得るための色材の配合比との対応を示す配合比テーブルが記憶された配合比データベースを参照し、目標色Ctgと再現色Crpとの各々の色彩値の前記色材の配合比を読み出す配合比読出手段、
前記目標色Ctgの前記色材の配合比を、前記再現色Crpの前記色材の配合比により除算し、前記色材の配合比の配合比割合をそれぞれ求め、当該配合比割合が最も小さな前記色材を基準配合比色材として抽出する基準配合比抽出手段、
前記基準配合比色材の配合比を基準として、前記目標色の前記色材の配合比となるように、前記再現色Crpの前記色材の各々の配合量に対して追加する補正色材配合量を算出する補正配合量算出手段、
として実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標色に対応した色を再現する際、インキの配合調整を支援する配合調整支援システム、配合調整支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、印刷インキ、塗料、樹脂等において、複数の色材を直接混合し、依頼者が希望する色(目標色)を再現し、提供することが行われている。
目標色に近い再現色を得るために、印刷インキを生成する際、色材の配合比を調整する必要があるが、十分な色材の配合を調整するスキルを有する経験者でないと適切な配合比の調整が行なえない。
【0003】
そのため、この目標色を再現色として再現する際、一般的には、目標色に対応するように、配合色を得るための色材の配合量の配合比の調整を、いずれの作業者によっても均質に行なわれるように、CCM(Computer Color Matching)システムにおける補正計算機能が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
上述のCCMシステムを用いることにより、いずれの作業者によっても、目標色を再現色に近づけるための色材の配合比を均一に得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-030210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1においては、印刷工場などでは印刷現場に複数の印刷機が備えられており、これらの印刷機の印刷に用いる印刷インキにおける色材の配合比の調整を行う場合、効率的な作業を行うためには、CCMシステムを複数台設ける必要がある。
しかしながら、複数台のCCMシステムを運用するためには、その運用に人員が必要となり、かつCCMシステムが高価なことから、印刷工程のコストがかかり、印刷工場などのユーザの負担が大きくなる。
【0006】
本発明は、上述した点を鑑みてなされたもので、高価なCCMシステムを用いずに、印刷インキにおける色材の配合比の調整を簡易に行うことを可能とし、印刷機毎のインキの調整が効率的に行えるように支援する配合調整支援システム、配合調整支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の配合調整支援システムは、色彩値と当該色彩値を得るための色材の配合比との対応を示す配合比テーブルが記憶された配合比データベースと、前記配合比テーブルを参照し、目標色と再現色との各々の色彩値の前記色材の配合比を読み出す配合比読出部と、前記目標色の前記色材の配合比と前記再現色の前記色材の配合比とを比較し、前記再現色の前記色材のなかから、当該目標色の前記色材の配合比との差分が最も大きい配合比を有する前記色材を基準配合比色材として抽出する基準配合比抽出部と、前記基準配合比色材の配合比を基準として、前記目標色の前記色材の配合比となるように、前記再現色の前記色材の各々の配合量に対して追加する補正色材配合量を算出する補正配合量算出部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の配合調整支援システムは、前記基準配合比抽出部が、前記目標色の前記色材の配合比を、前記再現色の前記色材の配合比により除算し、前記色材の配合比の配合比割合をそれぞれ求め、当該配合比割合が最も大きな前記色材を前記基準配合比色材として抽出し、前記補正配合量算出部が、前記基準配合比色材の前記配合比割合により、前記目標色の前記色材の配合比を除算して、前記目標色の前記色材それぞれの補正配合比を算出し、当該補正配合比に対応して前記補正色材配合量を算出することを特徴とする。
【0009】
本発明の配合調整支援システムは、前記補正配合量算出部が、前記再現色の色材の配合比から、当該色材の各々に対応する前記補正配合比を減算し、前記色材それぞれの追加配合比を求め、当該追加配合比を前記再現色の配合量に乗算し、前記再現色の色材の各々に対する前記補正色材配合量を算出することを特徴とする。
【0010】
本発明の配合調整支援システムは、前記配合比読出部が、前記再現色の色彩値が前記再現色の色材により再現可能な色彩値を示す色域の外部に位置する場合、前記再現色の色彩値を前記色域における最も近接する色彩値に移動させるとともに、前記目標色の色彩値も前記再現色の色彩値に対して平行移動させることを特徴とする。
【0011】
本発明の配合調整支援方法は、配合比読出部が、色彩値と当該色彩値を得るための色材の配合比との対応を示す配合比テーブルが記憶された配合比データベースを参照し、目標色と再現色との各々の色彩値の前記色材の配合比を読み出す配合比読出過程と、基準配合比抽出部が、前記目標色の前記色材の配合比と前記再現色の前記色材の配合比とを比較し、前記再現色の前記色材のなかから、当該目標色の前記色材の配合比との差分が最も大きい配合比を有する前記色材を基準配合比色材として抽出する基準配合比抽出過程と、補正配合量算出部が、前記基準配合比色材の配合比を基準として、前記目標色の前記色材の配合比となるように、前記再現色の前記色材の各々の配合量に対して追加する補正色材配合量を算出する補正配合量算出過程と含むことを特徴とする。
【0012】
本発明のプログラムは、コンピュータを、色彩値と当該色彩値を得るための色材の配合比との対応を示す配合比テーブルが記憶された配合比データベースを参照し、目標色と再現色との各々の色彩値の前記色材の配合比を読み出す配合比読出手段、前記目標色の前記色材の配合比と前記再現色の前記色材の配合比とを比較し、前記再現色の前記色材のなかから、当該目標色の前記色材の配合比との差分が最も大きい配合比を有する前記色材を基準配合比色材として抽出する基準配合比抽出手段、前記基準配合比色材の配合比を基準として、前記目標色の前記色材の配合比となるように、前記再現色の前記色材の各々の配合量に対して追加する補正色材配合量を算出する補正配合量算出手段、として実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、高価なCCMシステムを用いずに、印刷インキにおける色材の配合比の調整を簡易に行うことを可能とし、印刷機毎のインキの調整が効率的に行えるように支援する配合調整支援システム、配合調整支援方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による配合調整支援システムの構成例を示す概略ブロック図である。
図2】配合比データベースに記憶される配合比テーブルの構成例を示す図である。
図3】色材が3種類の場合におけるL座標系における色域を示ず概念図である。
図4】再現色の色彩値を目標色の色彩値に対応させる色材の配合比の調整を説明する図である。
図5】基準配合比色材抽出部及び補正配合量算出部の各々の行なう計算処理を行なうための補正計算テーブルの例を示す図である。
図6】本実施形態による配合調整支援システム100による目標色Ctgに対応する再現色Crpにおける色材の配合比の調整の支援を行なう処理の動作例を示すフローチャートである。
図7】本実施形態による配合調整支援システム100の表示部における表示例の説明を行なう概念図である。
図8図7におけるグラフ表示領域106Bに表示されるΔL、Δa、Δbのグラフの表示例を示す図である。
図9】目標色及び再現色の色彩値が色域から外れている場合、目標色及び再現色の色彩値を色域内に移動させる例を示す図である。
図10】目標色及び再現色の色彩値が色域から外れている場合、目標色及び再現色の色彩値を色域内に移動させる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の配合調整支援システムは、目標色Ctg(例えば、グラビア印刷の目標色)に対して所定の色材(例えば、所定の種類のインキ)の調色を行い再現色Crpとして色を再現する際、目標色Ctgの色彩値となるように、再現色Crpの色材の配合比を調整するために追加する色材の配合量(後述する補正色材配合量)の指針を提示する。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による配合調整支援システムの構成例を示す概略ブロック図である。図1において、配合調整支援システム100は、少なくともデータ入出力部101、配合比読出部102、基準配合比色材抽出部103、補正配合量算出部104、結果表示制御部105、表示部106、記憶部107及び配合比データベース108の各々を備えている。
【0016】
データ入出力部101は、外部装置から目標色Ctg及び再現色Crpの各々の色彩値と、色材を配合した配合量とを入力し、記憶部107に対して書き込んで記憶させる。ここで、色彩値は、例えば、L座標系(L色空間)におけるL値(座標値)である。また、配合量は、再現色Crpを実現するために、配合比に対応して配合した色材の各々の色材配合量を加算した総配合量である。
また、データ入出力部101は、外部の色域サーバ(例えば、DIC COLORCLOUD(登録商標)のサーバなど)にアクセスし、目標色Ctgを再現する再現色Crpを配合した色材の組合わせに対応した配合比テーブルを読み込み、配合比データベース108に書き込んで記憶させる。
【0017】
図2は、配合比データベースに記憶される配合比テーブルの構成例を示す図である。ここで、配合比テーブルとは、色材の組合わせにより再現できる色域における各色彩値と、この色彩値を得るための色材それぞれの配合比とが対応付けられたテーブルである。図2において、配合比テーブルは、各レコードが色彩値と、色材CM1配合比と、色材CM2配合比と、色材CM3配合比と、色材CM4配合比と、…の欄が設けられている。
【0018】
色彩値は、配合比テーブルの色材の組合わせにより再現できる色域(L座標系)における色彩値(L値)である。色材CM1配合比は、色彩値を得るための色材CM1の配合比を示している。色材CM2配合比は、色彩値を得るための色材CM2の配合比を示している。色材CM3配合比は、色彩値を得るための色材CM3の配合比を示している。色材CM4配合比は、色彩値を得るための色材CM4の配合比を示している。例えば、配合比が%表示であれば、レコード毎の配合比の加算値は100%となる。
【0019】
図1に戻り、配合比読出部102は、記憶部107から目標色Ctg及び再現色Crpの各々の色彩値を読み出す。そして、配合比読出部102は、配合比データベース108を参照して、色彩値の各々に対応した配合比それぞれを読み出す。
以下の説明において、再現色Crpを再現するために配合した色材の組合わせを、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の4種類の異なる色材の組合わせとして説明する。
【0020】
図3は、色材が3種類の場合におけるL座標系における色域を示ず概念図である。図3において、例えば、点Dは紙白であり、下地の色彩値を示している。また、点Yが黄色の原色のL値であり、点Rが赤色の原色のL値であり、点0が黒色の原色のL値である。
本実施形態の配合調整支援システム100は、この図4における色域内において、再現色CrpのL値である色彩値Crp_cvを、目標色CtgのL値である色彩値Ctg_cvに近づける補正色材配合量を算出する。
【0021】
上記図2に示した配合比テーブルにおける色彩値は、図3におけるL座標系において、使用される色材により再現可能な色域におけるL値、a値及びb値の各々が所定の刻み幅の、例えば、「1」単位毎の座標値として設定されている。
そのため、配合比テーブルにおいては、この座標値の色彩値に対応して、この色彩値を得るための色材の各々の配合比が示されている。
【0022】
また、L値、a値及びb値の各々の刻み幅を細かくすることで、再現色Crpを目標色Ctgに近づける配合比の調整の精度は上がる。
一方、L値、a値及びb値の各々の刻み幅を細かくするとデータ量が増加し、必要とする色彩値と色材の配合比とのデータの取得の手間がかかる。このため、配合比の調整の精度に対応させて、L値、a値及びb値の各々の刻み幅を設定する必要がある。
このとき、再現色Crp及び目標色Ctgの各々が図4に示す所定の刻み幅の座標値に対応しない場合、配合比読出部102は、それぞれを最も近い座標値として配合比を抽出する。
【0023】
本実施形態の場合、上述したように、L座標系において、色彩値におけるL値、a値及びb値の各々が所定の刻み幅を「1」単位として、色彩値を得るための色材の配合比が設定されている。
このため、配合比読出部102は、記憶部107から読み出した目標色Ctg及び再現色Crpの各々の色彩値に対応する色材の配合比を得ようとした場合、読み出した目標色Ctg及び再現色Crpの各々の色彩値を四捨五入として、L値、a値及びb値の各々を整数値とする計算を行なう。そして、配合比読出部102は、整数値とされた目標色Ctg及び再現色Crpの色彩値Ctg_cv、色彩値Crp_cvそれぞれに対応した色材の配合比を、配合比データベース108の配合比テーブルから読み出す。
【0024】
図4は、再現色の色彩値を目標色の色彩値に対応させる色材の配合比の調整を説明する図である。図4におけるa座標系は、図3のL座標系における目標色及び再現色の各々のL値が等しく、かつa値及びb値が異なっている場合において、このL値で切断された色域の断面を示している。
また、図3において説明したように、色材の配合比が対応付けられている色彩値は、a値及びb値の各々の刻み幅(L値も同様)が所定幅で(本実施形態においては「1」刻みの整数値として)設けられている。
【0025】
配合比読出部102は、例えば、記憶部107から読み出した目標色Ctgの色彩値Ctg_cv_0及び再現色Crpの色彩値Crp_cv_0の各々におけるL値、a値、b値が整数値でない場合、それぞれ四捨五入して整数値として、色彩値Ctg_cv及び色彩値Crp_cvとする。
そして、配合比読出部102は、色彩値Ctg_cv及び色彩値Crp_cvの各々に対応する色材の配合比を配合比データベース108の配合比テーブルから読み出し、目標色Ctg及び再現色Crpの各々に対応付けて、記憶部107に書き込んで記憶させる。
【0026】
図5は、基準配合比色材抽出部及び補正配合量算出部の各々の行なう計算処理を行なうための補正計算テーブルの例を示す図である。図5における再現色Crpの色材を配合した配合量を、一例として10kgで説明する。図5の補正計算テーブルには、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の目標色配合比、再現色配合比それぞれが示されている。目標色配合比及び再現色配合比の各々は、目標色Ctg、再現色Crpそれぞれの色彩値を得るための、配合における各色材の配合比を示している。
【0027】
例えば、目標色Ctgにおける色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の目標色配合比は、それぞれ「48.08」%、「5.47」%、「46.32」%、「0.13」%である。このため、「48.08+5.47+46.32+0.13」は、「100」%となる。
また、再現色Crpにおける色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の再現色配合比は、それぞれ「73.09」%、「2.53」%、「24.23」%、「0.15」%である。このため、「73.09+2.53+24.23+0.15」は、「100」%となる。
【0028】
また、色材配合量は、再現色を再現するために配合した、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の配合量それぞれを示している。
【0029】
図1に戻り、基準配合比色材抽出部103は、目標色Ctg及び再現色Crpの各々の色材の配合比を、それぞれ目標色配合比、再現色配合比として記憶部107から読み出す。以下の説明において、色彩値を得るための色材の組合せを、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々とする。したがって、配合比データベース108の配合比テーブルには、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々により再現可能な色域において、この色域内におけるL値、a値、b値が整数値の色彩値に対し、この色彩値を再現するための色材CM1、色材CM2、色材CM3、色材CM4それぞれの配合比が対応付けられている。
また、基準配合比色材抽出部103は、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の目標色配合比を、それぞれ同一の色材の再現色配合比で除算する。
【0030】
これにより、基準配合比色材抽出部103は、上記除算により、補正計算テーブルにおける色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の配合比割合として、それぞれ「0.66」、「2.16」、「1.91」、「0.87」を求める。そして、基準配合比色材抽出部103は、配合比割合が最も小さい色材を、再現色Crpの配合量における配合比の調整において増加させない基準の固定量の色材として、配合比割合が「0.66」の色材CM1を抽出する。
【0031】
補正配合量算出部104は、基準配合比色材抽出部103が求めた最小の配合比割合(色材CM1の配合比割合)を、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の目標色配合比に乗算し、それぞれの補正配合比を算出する。
そして、補正配合量算出部104は、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の補正配合比から、色材CM1、色材CM2、色材CM3、色材CM4それぞれの再現色配合比を減算し、追加配合比を算出する。
【0032】
また、補正配合量算出部104は、再現色Crpの現在の配合量10kgに対して、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の追加配合比を乗算し、色材CM1、色材CM2、色材CM3、色材CM4それぞれの補正色材配合量として、「0.0」kg、「0.58」kg、「4.62」kg、「0.005」kgを算出する。
【0033】
これにより、追加結果としての再現色Crpにおける色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の色材配合量は、それぞれ「7.31」kg、「0.83」kg、「7.04」kg、「0.02」kgとなる。補正され配合量における再現色Crpの色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の配合比は、配合量が「7.31+0.83+7.04+0.02=15.2」kgとなるため、それぞれ「48.09」%、「5.46」%、「46.31」%、「0.13」%と修正され、それぞれ目標色Ctgの色材の配合比と同様となる。
【0034】
図6は、本実施形態による配合調整支援システム100による目標色Ctgに対応する再現色Crpにおける色材の配合比の調整の支援を行なう処理の動作例を示すフローチャートである。以下、この図6及び図5を用いて、本実施形態の配合調整支援システム100による目標色Ctgに対応する再現色Crpの色材の配合比の調整の支援処理について説明する。以下の説明において、配合比テーブルは、再現色の配合を行なう色材の組合せに対応して、予め、配合比データベース108に書き込まれて記憶されているものとする。
【0035】
ステップS201:
作業者は、例えば、配合する色材(インキ)の各々を、例えば図5に示す色材CM1から色材CM4の各々を、所定の配合比に対応し、それぞれの色材配合量を配合した配合色材(配合インキ)を作成する。
そして、作業者は、配合色材を媒体に印刷して得られた再現色Crpを、濃度計などの色彩値を計測する計測機器により、例えばL値として再現色の色彩値Crp_cvを取得する。
【0036】
また、同様に、作業者は、同様の媒体に印刷された色材による目標色Ctgの色彩値Ctg_cvを取得する。
作業者は、取得した色彩値Crp_cv及び色彩値Ctg_cvの各々を、図示しない入力手段により配合調整支援システム100に対して入力する。
データ入出力部101は、外部から入力される色彩値Crp_cv及び色彩値Ctg_cvの各々を、記憶部107に対して書き込んで記憶させる。
【0037】
ステップS202:
作業者は、色材の各々の配合比に対応した色材配合量それぞれを配合した配合量(それぞれの色材配合量を加算した総配合量)を、例えば、配合色材の総重量(kg単位など)を、上記入力手段により、配合調整支援システム100に対して入力する。
データ入出力部101は、外部から入力される配合色材の配合量を、記憶部107に対して書き込んで記憶させる。
【0038】
ステップS203:
配合比読出部102は、記憶部107から色彩値Crp_cv及び色彩値Ctg_cvの各々を読み出し、それぞれの四捨五入の計算を行なう。
そして、配合比読出部102は、配合比データベース108における配合比テーブルを参照し、四捨五入後の色彩値Crp_cv、色彩値Ctg_cvそれぞれの有無を判定する。
【0039】
すなわち、配合比読出部102は、図3に示す色域に色彩値Crp_cv及び色彩値Ctg_cvの各々が含まれているか否かを判定する。これにより、配合比読出部102は、再現色Crpの現在の配合色材における色材の配合比を、目標色Ctgの色彩値Ctg_cvと同様の配合比に調整することが可能か否かの判定を行なう。
このとき、配合比読出部102は、調整することが可能な場合、処理をステップS204へ進め、一方調整することが不可能な場合、処理をステップS211へ進める。
【0040】
ステップS204:
配合比読出部102は、配合比テーブルから色彩値Crp_cv及び色彩値Ctg_cvの各々を配合する色材毎の色材配合比それぞれを読み出して取得する。
そして、配合比読出部102は、読み出した色材配合比を目標色Ctg及び再現色Crpの各々の色材(CM1、CM2、CM3、CM4)に対応させ、例えば図5に示す色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の追加配合比の目標色配合比、再現色配合比それぞれの欄に書き込む。
【0041】
ステップS205:
基準配合比色材抽出部103は、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の目標色配合比を、それぞれ再現色配合比で除算し、それぞれの色材の配合比割合を算出する。
そして、基準配合比色材抽出部103は、配合比割合が最小の色材を選択し、例えば、図5の補正計算テーブルにおける配合比割合「0.66」の色材CM1を、色材配合量を増加させない基準配合比色材として抽出する。
【0042】
ステップS206:
補正配合量算出部104は、基準配合比色材の色材CM1の配合比割合「0.66」により、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の目標色配合比を除算し、色材CM1、色材CM2、色材CM3、色材CM4それぞれの補正配合比を算出する。
この色材CM1の配合比割合「0.66」は、基準配合比色材の色材CM1の再現色配合比を、色材CM1の目標色配合比に対応させる修正割合である。
各色材の目標配合比を色材CM1の配合比割合で除算することにより、色材CM1の再現色配合比を基準とし、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の再現色配合比を、それぞれの目標色配合比に対応させる補正配合比が得られる。
【0043】
ステップS207:
補正配合量算出部104は、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の補正配合比から、それぞれ色材CM1、色材CM2、色材CM3、色材CM4の再現色配合比を減算する。
そして、補正配合量算出部104は、得られた減算結果の0.0、5.97、46.18、0.05の各々を、それぞれ色材CM1、色材CM2、色材CM3、色材CM4の追加配合比とする。
【0044】
ステップS208:
次に、補正配合量算出部104は、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の追加配合比に対して配合量を乗算し、補正色材配合量を算出する。
また、図5においては、配合量は10kgである。現在の再現色における配合量が10kgである(色材配合量としては、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の色材配合量が、それぞれ7.31kg、0.25kg、2.42kg、0.015kg)。
これにより、補正配合量算出部104は、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の補正色材配合量として、それぞれ0.0kg、0.58kg、4.62kg、0.005kgを求める。
【0045】
ステップS209:
結果表示制御部105は、色材CM1、色材CM2、色材CM3及び色材CM4の各々の補正色材配合量を、表示部106に対して表示する。
利用者は、この表示された補正色材配合量を、再現色Crpの色彩値の調整、すなわち配合する色材の配合比の調整に用いる。
ここで、利用者は、補正色材配合量が調整の許容量を超えているか否かにより、現在の再現色の配合を調整するか、あるいは新たに色材の配合比を換えて再度配合を行なうかの判断などを行なう。
【0046】
ステップS210:
結果表示制御部105は、再現色Crp及び目標色Ctgのいずれかが、配合に用いている色材の組合せにより再現できる色域に含まれていないため、配合比の調整を行なうことができないことを示す通知を、表示部106に対して表示する。
これにより、利用者は、他の色材の組合せにより、新たに色材の配合を行なうか否かなどの判断を行なう。
【0047】
上述したように、本実施形態によれば、配合における色材の組合せに対応した、色材を配合して得られる色彩値と、この色彩値における色材の配合比との対応を示す配合比テーブルを用いて、目標色の色彩値と再現色の色彩値との各々に対応する色材の配合比をそれぞれ読み出し、再現色の色材の配合比を目標色の配合比に合わせるため、配合に用いる色材の色材配合量に対して追加する補正色材配合量を簡易に求めることができ、高価なCCMシステムを用いずに、色材(印刷インキ)における色材の配合比の調整を簡易に行うことを可能とし、印刷機毎のインキの調整が効率的に行えるように支援することができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、上述したように、経験の少ない調色者であっても、すなわち、調色の経験が浅く配合比の調整がうまくできない作業者でも、目標色の色彩値と、再現色の色彩値と、再現色を配合した配合量とを入力することにより、ベテランの調色者と同等の再現色Crpを得るため、配合に用いる色材の色材配合量に対して追加する補正色材配合量を簡易に求めることができるため、現実的に現在の再現色の配合が調整可能か否かの判断を容易に行なうことが可能となり、色材配合比を換えることで色材を無駄にすることを抑制し、再現色を得るための工程の効率を上げ、印刷コストを低減することができる。
【0049】
図7は、本実施形態による配合調整支援システム100の表示部における表示例の説明を行なう概念図である。
図7に示すように、配合調整支援システム100(配合調整支援端末)は、インターネットなどを含むデータ通信情報網500を介して、色域サーバ300に接続される。上述した配合比テーブルを色域サーバ300から読み出した後、色域サーバ300は、データ通信情報網500に対してオフライン状態となっても使用可能である。
【0050】
すなわち、本実施形態においては、オンライン状態において配合比テーブルを色域サーバ300から読み出し、配合比データベース108に書き込んだ後、オフライン状態として印刷工場の印刷装置近傍で調色の作業を行なうことを前提としている。
しかしながら、配合比テーブルを色域サーバ300から読み出さず、データ通信情報網500とオンライン状態で、色域サーバ30が備えるデータベースにおける配合比テーブルを参照して、すでに述べた配合比を調整する補正色材配合量の算出を行なう構成としても良い。
【0051】
結果表示制御部105は、表示部106において、データ領域106Aに対し、インキ(色材)の組合せ、印刷した用紙(媒体)、目標色及び印刷色(再現色)のL値、a値、b値(色彩値)、色差ΔE、現在のインキ量(配合量)、使用しているインキ(色材)の種類、計算結果としての追加量(補正色材配合量)の各々を少なくとも表示する。
また、結果表示制御部105は、表示部106において、グラフ表示領域106Bに対し、色差ΔEをビジュアル的に視認させる、ΔL、Δa、Δbのグラフ表示を行なう。ΔLは色彩値Crp_cv及び色彩値Ctg_cvの各々のL値の差分である。Δaは色彩値Crp_cv及び色彩値Ctg_cvの各々のa値の差分である。Δbは色彩値Crp_cv及び色彩値Ctg_cvの各々のb値の差分である。
配合調整支援システム100は、作業者が再現色Crp及び目標色Ctgの各々の色彩値Crp_cv、色彩値Ctg_cvそれぞれと、配合量とを入力した後、計算ボタン106Cを指でタッチすることにより、図6に示すフローチャートの処理を実行し、補正色材配合量を求める。
【0052】
図8は、図7におけるグラフ表示領域106Bに表示されるΔL、Δa、Δbのグラフの表示例を示す図である。
図8(a)は、差分Δaと差分ΔLとの対応を示すグラフであり、縦軸がΔaを示し、縦軸がΔLを示している。
図8(b)は、差分Δaと差分Δbとの対応を示すグラフであり、縦軸がΔaを示し、縦軸がΔbを示している。
この図8のグラフを参照することにより、色彩値Crp_cv及び色彩値Ctg_cvがどの程度離れているかを、作業者がビジュアル的に確認することができる。
【0053】
また、本実施形態においては、配合における色材により再現できる色域から、色彩値Crp_cv及び色彩値Ctg_cvのいずれかでも外れている(色域の外にある)場合、配合比の調整はできないとした。
しかしながら、外れた程度が許容値内の色差であれば、色彩値Crp_cv及び色彩値Ctg_cvを色域内に移動させて、上述した本実施形態における補正色材配合量の算出を行なう構成としても良い。
【0054】
図9及び図10は、目標色及び再現色の色彩値が色域から外れている場合、目標色及び再現色の色彩値を色域内に移動させる例を示す図である。図9及び図10の各々は、それぞれ異なるL値におけるa座標系(2次元のa座標面)であり、縦軸がa値を示す軸であり、横軸がb値を示す軸である。
図9は、再現色Crpの色彩値Crp_cvにおけるL値のa座標面である。また、曲線C_1は、再現色の配合に用いる色材により再現可能な色域の外殻線を示し、外殻線内が再現可能な色域である。図9において、座標点A_1は再現色Crpの色彩値Crp_cvを示し、座標点B_1は目標色Ctgの色彩値Ctg_cvが投影された点である。
【0055】
一方、図10は、目標色Ctgの色彩値Ctg_cvにおけるL値のa座標面である。また、曲線C_2は、曲線C_1と同様に、再現色の配合に用いる色材により再現可能な色域の外殻線を示し、外殻線内が再現可能な色域である。図10において、座標点B_2は目標色Ctgの色彩値Ctg_cvを示し、座標点A_2は再現色Crpの色彩値Crp_cvが投影された点である。
【0056】
この図9及び図10の例においては、図から判るように、再現色Crpの色彩値Crp_cvが色域外となっている。このため、色彩値Crp_cvが配合比データベース108の配合比テーブルに存在しないため、配合比テーブルを参照しても対応する各色材の配合比を得ることができない。一方、目標色Ctgの色彩値Ctg_cvは色域内となっている。このため、色彩値Ctg_cvが配合比データベース108の配合比テーブルに存在するため、配合比テーブルを参照することにより、対応する各色材の配合比を得ることができる。
【0057】
すでに説明した構成においては、再現色Crp及び目標色Ctgのいずれか一方でも配合比テーブルに色彩値が存在しない場合、配合比の調整を行なわない構成としていた。
しかしながら、再現色Crpの色彩値Crp_cvを目標色の調整の精度によっては、以下の処理を行なうことにより、再現色Crp及び目標色Ctgのいずれかがあるいは双方とも配合比テーブルに色彩値が存在しない場合においても、再現色Crpの色材の配合比を調整するために、配合に追加する補正色材配合量を得ることが可能となる。
【0058】
例として、図9及び図10に示す、目標色Ctgの色彩値Ctg_cvが色域内にあり、再現色Crpの色彩値Crp_cvが色域から外れている場合における配合に追加する補正色材配合量を求める処理について説明する。
配合比読出部102は、色域から外れている色彩値Crp_cvと、この色彩値Crp_cvに対して色差ΔEが最小の色域内の色彩値を検索する。そして、配合比読出部102は、この色差ΔEが予め設定した色差閾値以下か否かを判定する。
【0059】
このとき、配合比読出部102は、色差ΔEが予め設定した色差閾値以下である場合、色彩値Crp_cvを上記色域内の色彩値とする。すなわち、配合比読出部102は、色彩値Crp_cvの座標点A_1を色域内の上記色彩値の座標点A_1’に移動させる。ここで、配合比読出部102は、座標点A_1から座標点A_1’への移動ベクトルと平行に同一の移動距離として、色彩値Ctg_cvの座標点B_2を座標点B_2’に移動させる(平行移動)。
【0060】
色域から外れた色彩値を、色域内に移動させる処理をした後、すでに本実施形態において説明したように、配合に追加する補正色材配合量の算出を行なう。
また、配合比読出部102は、色差ΔEが予め設定した色差閾値を超える場合、色彩値の調整が、予め設定した精度で行なうことが不可能であるため、配合比の調整が不可能であることを示す情報を、表示部106に表示して利用者に通知する。
【0061】
また、図1における配合調整支援システム100の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより目標色Ctgに対応する再現色Crpの配合の配合比の調整工程を支援する処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0062】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0063】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0064】
100…配合調整支援システム
101…データ入出力部
102…配合比読出部
103…基準配合比色材抽出部
104…補正配合量算出部
105…結果表示制御部
106…表示部
107…記憶部
108…配合比データベース
300…色域サーバ
500…データ通信情報網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10