(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】ワンタッチ取付ヒンジ
(51)【国際特許分類】
E05D 7/12 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
E05D7/12 D
(21)【出願番号】P 2018161158
(22)【出願日】2018-08-30
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100081514
【氏名又は名称】酒井 一
(74)【代理人】
【識別番号】100082692
【氏名又は名称】蔵合 正博
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 志朗
【審査官】芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-185232(JP,A)
【文献】米国特許第5259091(US,A)
【文献】実開昭63-159071(JP,U)
【文献】実開昭64-10184(JP,U)
【文献】実開昭52-101522(JP,U)
【文献】実開昭48-11259(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 1/00- 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と扉との間を含む2部材間の一方の側部に取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部を有するヒンジ本体と、他方の側部に取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部を有するヒンジ羽根と、前記ヒンジ本体と前記ヒンジ羽根の各ヒンジピン挿通部に挿通され、これらヒンジ本体及びヒンジ羽根を連結するヒンジピンとを備え、一方の部材に他方の部材を回動可能に結合するヒンジであって、
前記ヒンジ本体は、
前記一方の部材の側部に対向する固定面の両端側に前記一方の部材の側部両端側に形成される一対の取付孔に嵌装可能に凸形状に形成され、当該凸形状の少なくとも前記固定面の両端に近接する縁部に凹溝を有する一対の取付フランジと、
一端が前記一対の取付フランジの一方の前記凹溝に係止されて当該取付フランジの周囲に外接可能に略U字形又は略コ字形をなし、他端が前記一端とは反転された向きで前記一対の取付フランジの他方の前記凹溝に係止されて当該取付フランジの周囲に外接可能に略U字形又は略コ字形をなし、前記各取付フランジ間に掛け渡されるクリップと、
を備え、
前記ヒンジ本体は前記各取付フランジが前記一方の部材の側部に形成される前記各取付孔に当該側部の一方の面側から他方の面側に向けて嵌装され、当該各取付孔から前記一方の部材の側部の他方の面側に通された前記各取付フランジ間に前記他方の面側で前記クリップが掛け渡されて固定され、
前記ヒンジ羽根は、
前記他方の部材の側部に前記一方の部材の前記一対の取付孔に対応して形成される取付孔よりも大きい平面を有する取付プレートと、
前記取付プレートの平面に当該平面の全周縁部をフランジ部として残して前記他方の部材の前記取付孔を嵌装可能にブロック状に突出され、前記ヒンジピン挿通部と前記ヒンジピン挿通部と平行に固定ピン挿通部とを有する取付ブロックと、
前記固定ピン挿通部に挿通され、前記他方の部材の前記取付孔の周縁部に係合される固定ピンと、
を備え、
前記ヒンジ羽根は、前記取付ブロックが前記他方の部材の側部に形成される前記取付孔に当該側部の一方の面側から他方の面側に向けて嵌装され、前記他方の側部の他方の面側で前記取付ブロックの前記固定ピン挿通部に前記固定ピンが通されて、前記フランジ部が前記他方の部材の一方の面側で当該取付孔の周縁部に当接されるとともに、前記固定ピンが前記他方の部材の他方の面側で前記取付孔の周縁部に係合されて、固定される、
ことを特徴とするワンタッチ取付ヒンジ。
【請求項2】
ヒンジ本体は金属材料により一体に形成される請求項1に記載のワンタッチ取付ヒンジ。
【請求項3】
ヒンジ本体の各取付フランジは角型又は丸型に形成され、前記各取付フランジの全周縁部に凹溝が形成される請求項1又は2に記載のワンタッチ取付ヒンジ。
【請求項4】
一方の部材の各取付孔は前記一方の部材の側部にヒンジ本体の各取付フランジの形状に合せて角型又は丸型に形成される請求項3に記載のワンタッチ取付ヒンジ。
【請求項5】
クリップは金属の線材からなる請求項1乃至4のいずれかに記載のワンタッチ取付ヒンジ。
【請求項6】
クリップは全体が略S字形又は略S字形でかつ中間部が波形の複合形状に形成される請求項1乃至5のいずれかに記載のワンタッチ取付ヒンジ。
【請求項7】
ヒンジ羽根は金属材料により一体に成形される請求項1乃至6のいずれかに記載のワンタッチ取付ヒンジ。
【請求項8】
ヒンジ羽根は取付プレートが直角に接合される2つのプレート状に形成され、取付ブロックは前記取付プレートの直角の2面内に略柱状に形成され、固定ピン挿通部が前記取付ブロックに前記取付プレートの直角の2面接合部に近接して形成される請求項1乃至7のいずれかに記載のワンタッチ取付ヒンジ。
【請求項9】
他方の部材の取付孔は前記他方の部材の側部のコーナー部にヒンジ羽根の取付ブロックの形状に合せて形成される請求項8に記載のワンタッチ取付ヒンジ。
【請求項10】
固定ピンはヒンジ羽根の固定ピン挿通孔を貫通可能な略L字形の金属棒材からなる請求項1乃至9のいずれかに記載のワンタッチ取付ヒンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気、電子機器その他各種の機器を収納するラックなどに使用するヒンジに関し、特に、筐体と扉との間など2部材間にワンタッチで簡易に装着できるワンタッチ取付ヒンジに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気、電子機器などを収納するラックは筐体と扉とからなり、通常、扉が筐体の正面に複数のヒンジを介して開閉可能に取り付けられている。この種のラックでは、筐体の正面に固定枠が設けられ、扉は筐体に対する枢支側の一方の側部が略直角に折り曲げられている。このようなラックに使用されるヒンジは、筐体の固定枠(の一方の側部)に取り付けられる筐体側のヒンジ本体と、扉の内側で一方の側部に筐体側のヒンジ本体に対応して取り付けられる扉側のヒンジ羽根と、これらヒンジ本体及びヒンジ羽根を連結するヒンジピンとにより構成される。
【0003】
このようなヒンジ(蝶番)が特許文献1に記載されている。この文献1のヒンジは、筐体側のヒンジ本体と、扉側のヒンジ羽根と、これらヒンジ本体とヒンジ羽根を連結するヒンジピンとを備える。筐体側のヒンジ本体は、断面略L字形に形成される本体と、その一端に円筒状に形成されるピン挿通部とにより構成される。扉側のヒンジ羽根は、平面状又は断面略L字形に形成される羽根本体と、その一端又は両端間に筐体側のヒンジのピン挿通部に連続的に配置可能に一対の円筒状に形成されるピン挿通部とにより構成される。このようにして筐体側のヒンジ本体は本体が筐体正面の固定枠の一方の側部所定の位置に溶接又は取付ねじにより設置固定され、ピン挿通部が固定枠の一方の側部に沿って上下方向に向けて配置される。扉側のヒンジ羽根は羽根本体が扉の内側で一方の側部所定の位置に溶接又は取付ねじにより設置固定され、ピン挿通部が扉の内側で一方の側部に沿って上下方向に向けて配置される。ヒンジピンはこのヒンジの回転軸で、これらヒンジ本体及びヒンジ羽根の各ピン挿通部に挿通可能な長さを有する棒材からなり、上端にフランジを有し、下端側の周囲に溝が形成されてこの溝にEリングが嵌着されるようになっている。
筐体に扉を取り付ける場合、筐体正面の固定枠に扉を位置合せし、筐体側のヒンジ本体と扉側のヒンジ羽根とをそれぞれのピン挿通部が連通するように組み合わせて、これらのピン挿通部に上方からヒンジピンを挿通しその下端の溝にEリングを嵌着して、筐体側のヒンジ本体と扉側のヒンジ羽根とを連結する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-166375公報(段落0002-段落0004、
図4,
図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のヒンジでは、筐体側のヒンジ本体を筐体正面の固定枠の一側部に溶接又は取付ねじで取り付け、さらに、扉側のヒンジ羽根を扉の一側部に溶接又は取付ねじにより取り付けるため、これらヒンジ部品の取り付け作業が煩雑で、容易ではない、という問題がある。また、これらヒンジ本体、ヒンジ羽根をいずれも取付ねじで取り付ける場合は、全体として多くの取付ねじを必要とし、部品点数が増大して、コスト高になる、という問題がある。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、筐体と扉との間など2部材間に溶接や取付ねじを用いることなしにワンタッチで簡易に取り付けることができ、また、溶接や取付ねじを用いないことで、ヒンジの取り付けに要する部品点数を大幅に削減し、コストの大幅な低減を図ることのできるワンタッチ取付ヒンジを提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のワンタッチ取付ヒンジは、
筐体と扉との間を含む2部材間の一方の側部に取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部を有するヒンジ本体と、他方の側部に取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部を有するヒンジ羽根と、前記ヒンジ本体と前記ヒンジ羽根の各ヒンジピン挿通部に挿通され、これらヒンジ本体及びヒンジ羽根を連結するヒンジピンとを備え、一方の部材に他方の部材を回動可能に結合するヒンジであって、
前記ヒンジ本体は、
前記一方の部材の側部に対向する固定面の両端側に前記一方の部材の側部両端側に形成される一対の取付孔に嵌装可能に凸形状に形成され、当該凸形状の少なくとも前記固定面の両端に近接する縁部に凹溝を有する一対の取付フランジと、
一端が前記一対の取付フランジの一方の前記凹溝に係止されて当該取付フランジの周囲に外接可能に略U字形又は略コ字形をなし、他端が前記一端とは反転された向きで前記一対の取付フランジの他方の前記凹溝に係止されて当該取付フランジの周囲に外接可能に略U字形又は略コ字形をなし、前記各取付フランジ間に掛け渡されるクリップと、
を備え、
前記ヒンジ本体は前記各取付フランジが前記一方の部材の側部に形成される前記各取付孔に当該側部の一方の面側から他方の面側に向けて嵌装され、当該各取付孔から前記一方の部材の側部の他方の面側に通された前記各取付フランジ間に前記他方の面側で前記クリップが掛け渡されて固定され、
前記ヒンジ羽根は、
前記他方の部材の側部に前記一方の部材の前記一対の取付孔に対応して形成される取付孔よりも大きい平面を有する取付プレートと、
前記取付プレートの平面に当該平面の全周縁部をフランジ部として残して前記他方の部材の前記取付孔を嵌装可能にブロック状に突出され、前記ヒンジピン挿通部と前記ヒンジピン挿通部と平行に固定ピン挿通部とを有する取付ブロックと、
前記固定ピン挿通部に挿通され、前記他方の部材の前記取付孔の周縁部に係合される固定ピンと、
を備え、
前記ヒンジ羽根は、前記取付ブロックが前記他方の部材の側部に形成される前記取付孔に当該側部の一方の面側から他方の面側に向けて嵌装され、前記他方の側部の他方の面側で前記取付ブロックの前記固定ピン挿通部に前記固定ピンが通されて、前記フランジ部が前記他方の部材の一方の面側で当該取付孔の周縁部に当接されるとともに、前記固定ピンが前記他方の部材の他方の面側で前記取付孔の周縁部に係合されて、固定される、
ことを要旨とする。
また、このワンタッチ取付ヒンジは各部に次のような構成を備えることが好ましい。
(1)ヒンジ本体は金属材料により一体に形成される。
(2)ヒンジ本体の各取付フランジは角型又は丸型に形成され、各取付フランジの全周縁部に凹溝が形成される。
(3)一方の部材の各取付孔は前記一方の部材の側部にヒンジ本体の各取付フランジの形状に合せて角型又は丸型に形成される。
(4)クリップは金属の線材からなる。
(5)クリップは全体が略S字形又は略S字形でかつ中間部が波形の複合形状に形成される。
(6)ヒンジ羽根は金属材料により一体に成形される。
(7)ヒンジ羽根は取付プレートが直角に接合される2つのプレート状に形成され、取付ブロックは前記取付プレートの直角の2面内に略柱状に形成され、固定ピン挿通部が前記取付ブロックに前記取付プレートの直角の2面接合部に近接して形成される。
(8)他方の部材の取付孔は前記他方の部材の側部のコーナー部にヒンジ羽根の取付ブロックの形状に合せて形成される。
(9)固定ピンはヒンジ羽根の固定ピン挿通孔を貫通可能な略L字形の金属棒材からなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のワンタッチ取付ヒンジによれば、ヒンジ本体は、上記の構成により、一対の取付フランジを一方の部材の側部に形成される一対の取付孔にこの側部の一方の面側から他方の面側に向けて嵌装し、各取付孔から一方の部材の側部の他方の面側に通した各取付フランジ間に他方の面側でクリップを掛け渡して、固定し、ヒンジ羽根は、上記の構成により、取付ブロックを他方の部材の側部に形成される取付孔にこの側部の一方の面側から他方の面側に向けて嵌装し、他方の側部の他方の面側で取付ブロックの固定ピン挿通部に固定ピンを通して、フランジ部を他方の部材の一方の面側で取付孔の周縁部に当接するとともに、固定ピンを他方の部材の他方の面側で取付孔の周縁部に係合して、固定するので、ヒンジを、筐体と扉との間など2部材間に溶接や取付ねじを用いることなしにワンタッチで簡易に取り付けることができ、また、溶接や取付ねじを用いないことで、ヒンジの取り付けに要する部品点数を大幅に削減し、コストの大幅な低減を図ることができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態におけるワンタッチ取付ヒンジの全体構成を示す斜視図
【
図2】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ本体の構成を示す斜視図
【
図3】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ本体各部の構成を示す図((a)は平面図(b)は平面断面図(c)は一方の側面図(d)は正面図(e)は他方の側面図)
【
図4】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジピンストッパーの構成を示す図((a)は側面図(b)は正面図)
【
図5】同ワンタッチ取付ヒンジの特にクリップの構成を示す図((a)はS字形のクリップの側面図(b)は複合形状のクリップの側面図)
【
図6】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ本体全体の構成を示す正面図
【
図7】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ羽根の構成を示す斜視図
【
図8】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ羽根各部の構成を示す図((a)は平面図(b)は正面図(c)は側面図)
【
図9】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジ羽根の固定ピンの構成を示す斜視図
【
図10】同ワンタッチ取付ヒンジの特にヒンジピンの構成を示す正面図
【
図11】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示す図(筐体の固定枠と扉の一方の側部の各構成を示す部分斜視図)
【
図12】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示す図(ヒンジ本体を筐体の固定枠に取り付ける手順を示す斜視図)
【
図13】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示す図(ヒンジ羽根を扉の一方の側部に取り付ける手順を示す斜視図)
【
図14】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示す図(ヒンジ本体とヒンジ羽根とをヒンジピンを介して連結する状態を示す斜視図)
【
図15】同ワンタッチ取付ヒンジの使用例を示す図(ヒンジ本体とヒンジ羽根とをヒンジピンを介して連結したときのヒンジピンとヒンジピンストッパーとの係合状態を示す正面図)
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1にワンタッチ取付ヒンジを示している。
図1に示すように、ワンタッチ取付ヒンジH(以下、単にヒンジHという場合がある。)は、筐体と扉との間を含む2部材間の一方の側部に取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部11を有するヒンジ本体1と、他方の側部に取り付けられ、筒状のヒンジピン挿通部221を有するヒンジ羽根2と、ヒンジ本体1とヒンジ羽根2の各ヒンジピン挿通部11、221に挿通され、これらヒンジ本体1及びヒンジ羽根2を連結するヒンジピン3とを備え、一方の部材に他方の部材を回動可能に結合するもので、ヒンジ本体1は一方の部材に、ヒンジ羽根2は他方の部材に、それぞれ、ワンタッチで取り付け可能な特別な構造を有する。
【0011】
ヒンジ本体1は、
図2に示すように、一方の部材の側部に対向する固定面101の両端側に一方の部材の側部両端側に形成される一対の取付孔に嵌装可能に凸形状に形成され、この凸形状の少なくとも固定面101の両端に近接する縁部に凹溝160を有する一対の取付フランジ16と、一端が一対の取付フランジ16の一方の凹溝160に係止されて一方の取付フランジ16の周囲に外接可能に略U字形をなし、他端が一端とは反転された向きで一対の取付フランジ16の他方の凹溝160に係止されて他方の取付フランジ16の周囲に外接可能に略U字形をなし、各取付フランジ16間に掛け渡されるクリップ17(
図1参照)とを備える。
【0012】
この場合、ヒンジ本体1は、
図3に示すように、全体が亜鉛ダイカストその他の金属材料により一体に形成され、水平断面が略コ字形で上下に長く形成され、(このヒンジ本体1が)一方の部材に取り付けられる際に前側に配置される一方の側部が他方の側部よりも長く形成されて、その先端縁部の上部及び下部にそれぞれ、ヒンジピン挿通部11(11U、11D)が軸方向を上下に向けて所定の長さの円筒状に形成され、上下の各ヒンジピン挿通部11間が後述するヒンジ羽根2のヒンジピン挿通部221を連通可能に溝形の間欠部12になっている。また、このヒンジ本体1には一方の側部の外側の側面に、一端を上のピン挿通部11Uの外周面の軸方向中間部(軸方向中心よりもやや間欠部12寄り)の所定の位置に取って、他端を下のピン挿通部11Dの外周面の軸方向中間部(軸方向中心よりもやや間欠部12寄り)の所定の位置に取って、略コ字形に溝13が形成される。この溝13は一部を除いて細幅で比較的深く形成され、各ヒンジピン挿通部11の位置で外周面から内周面までが切り欠かれて開口される。また、この溝13のうち各ヒンジピン挿通部11の軸方向と直角に延びる両側の各溝131の一部で各ヒンジピン挿通部11の軸方向と平行に延びる中間の溝132の両端に近い各一部が少し幅広に形成されてこの幅広の部分に両側の幅細の各溝131の延長上に沿って一対の突片14が立ち上がり形成され、各突片14間に両側の各幅細の各溝131に連通する溝131が併せて形成される。この略コ字形の溝13にはヒンジピンストッパー15が取り付けられる。
図4に示すように、このヒンジピンストッパー15は後述するヒンジピン3にヒンジピン挿通部11内で係合しヒンジピン3を保持するためのもので、金属の線材、この場合、ステンレススチールの線材からなり、ヒンジ本体1の略コ字形の溝13(各一対の突片14間の溝131を含む)に嵌合可能に略コ字形に折り曲げられる。このようなヒンジピンストッパー15が、
図6に示すように、ヒンジ本体1の略コ字形の溝13(各一対の突片14間の溝131を含む)に嵌め込まれ、各一対の突片14がカシメられて固定され、このヒンジピンストッパー15の両側の一部が各ヒンジピン挿通部11の位置で各ヒンジピン挿通部11の内周面内に弦状に通される。
かかるヒンジ本体1において、一方の部材の側部に対向する固定面101はヒンジ本体1の両側部間の中間部の外側の面で、この固定面101の上下両端近傍で左右方向中央に一対の取付フランジ16が突設される。この場合、各取付フランジ16は固定面101に角型に、ここでは上下方向に少し長い長方形のプレート状に突出して形成され、各取付フランジ16の全周縁部の厚さ方向中間(この場合、厚さ方向中央)に凹溝160が断面角型に形成される。
【0013】
クリップ17は2種類ある。
図5(a)に示すように、一方のクリップ17Aは、金属の線材、この場合、ステンレススチールの線材からなり、全体が略S字形に形成されて、一端が一対の取付フランジ16の一方の凹溝160に係止されて一方の取付フランジ16の周囲に外接可能に略U字形に、他端が一端とは反転された向きで一対の取付フランジ16の他方の凹溝160に係止されて他方の取付フランジ16の周囲に外接可能に略U字形に、それぞれ形成される。
図5(b)に示すように、他方のクリップ17Bは、同様に、ステンレススチールの線材からなり、全体が略S字形でかつ中間部を波形の複合形状に形成されて、一端が一対の取付フランジ16の一方の凹溝160に係止されて一方の取付フランジ16の周囲に外接可能に略U字形に、他端が一端とは反転された向きで一対の取付フランジ16の他方の凹溝160に係止されて他方の取付フランジ160の周囲に外接可能に略U字形に、それぞれ形成される。なお、この場合、各クリップ17A、17Bの両端が略U字形に形成されるものとしたが、略U字形に代えて略コ字形に形成されてもよい。かくして各クリップ17は、
図6に示すように、ヒンジ本体1の各取付フランジ16間に掛け渡し可能に形成される。
【0014】
ヒンジ本体1はかかる構成からなり、一方の部材の各取付孔は一方の部材の側部にヒンジ本体1の各取付フランジ16の形状に合せて角型に形成される。
【0015】
このようにしてヒンジ本体1は各取付フランジ16が一方の部材の側部に形成される各取付孔にこの側部の一方の面側から他方の面側に向けて嵌装され、これら各取付孔から一方の部材の側部の他方の面側に通された各取付フランジ16間に他方の面側でクリップ17が掛け渡されて、ヒンジ本体1が一方の部材の側部にワンタッチで固定されるようになっている。
【0016】
ヒンジ羽根2は、
図7に示すように、他方の部材の側部に一方の部材の一対の取付孔に対応して形成される取付孔よりも大きい平面を有する取付プレート21と、取付プレート21の平面にこの平面の全周縁部をフランジ部211として残して他方の部材の取付孔に嵌装可能にブロック状に突出され、ヒンジピン挿通部221とこのヒンジピン挿通部221と平行に固定ピン挿通部222とを有する取付ブロック22と、固定ピン挿通部212に挿通され、他方の部材の取付孔の周縁部に係合される固定ピン23(
図9参照)とを備える。
【0017】
この場合、ヒンジ羽根2は、
図8に示すように、全体が亜鉛ダイカストその他の金属材料により一体に形成され、取付プレート21が直角に接合される2つの縦長の長方形のプレート状に形成され、取付ブロック22が取付プレート21の直角の2面内に2面の全周縁部に一定幅のフランジ部211を残すようにしてヒンジ本体1の間欠部12の長さ(高さ)と略同じ高さか僅かに低いに略角柱状に形成され、固定ピン挿通部222が取付ブロック22の取付プレート21の直角の2面接合部に近接する角部に沿って取付ブロック22の上面から下面まで貫通して形成され、ヒンジピン挿通部221がその反対の角部に沿って取付ブロック22の上面から下面まで貫通して形成され、取付ブロック22のヒンジピン挿通部221側の半部がヒンジ本体1の間欠部12に嵌合可能にかつ取付ブロック22のヒンジピン挿通部221がヒンジ本体1の上下のヒンジピン挿通部11に連通可能に形成される。なお、取付ブロック22のヒンジピン挿通部221側の角部は所定の角度のアールが付けられる。
また、固定ピン23は、
図9に示すように、ヒンジ羽根2の固定ピン挿通孔222を貫通可能な略L字形の金属棒材からなる。この場合、固定ピン23はステンレススチールその他の金属棒材(丸棒材)からなり、曲げ加工により、全体がL字形に形成されて、取付ブロック22の固定ピン挿通部222に貫通可能な長さを有する長軸部231と、この長軸部231に対して直角方向に曲げられ、長軸部231より短い長さの短軸部232とを有する。この場合、長軸部231の先端は先端から短軸232側に向けて漸次拡径されるテーパ状に形成される。
【0018】
ヒンジ羽根2はかかる構成からなり、他方の部材の取付孔は他方の部材の側部のコーナー部にヒンジ羽根2の取付ブロック22の形状に合せて形成される。
【0019】
このようにしてヒンジ羽根2は、取付ブロック22が他方の部材の側部に形成される取付孔にこの側部の一方の面側から他方の面側に向けて嵌装され、他方の側部の他方の面側で取付ブロック22の固定ピン挿通部222に固定ピン23が通されて、フランジ部211が他方の部材の一方の面側で取付孔の周縁部に当接されるとともに、固定ピン23が他方の部材の他方の面側で取付孔の周縁部に係合されて、固定されるようになっている。
【0020】
ヒンジピン3は2本のピン3A、3Bで構成され、それぞれ、ステンレススチールその他の金属棒材(丸棒材)からなり、
図10に示すように、略全体がヒンジ本体1のヒンジピン挿通部11からヒンジ羽根2の各ヒンジピン挿通部221の半分まで挿通可能な長さと略同じか僅かに長い長さを有する直線形状に形成される。各ピン3A、3Bの先端は先端から後端に向けて漸次拡径されるテーパ状に形成される。各ピン3A、3Bの外周面には、各ピン3A、3Bの先端側がヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部11の挿入側の一端から間欠部12側の他端まで挿通されたときにヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部11内に通されたヒンジピンストッパー15に対応する先端側所定の位置と、各ピン3A、3Bがヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部11からヒンジ羽根3のヒンジピン挿通部221の略半分まで挿通されたときにヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部11内に通されたヒンジピンストッパー15に対応する中間部所定の位置にそれぞれ、ヒンジピンストッパー15に係合可能な係止溝31、32が係止ガイド311、321とともに設けられる。この場合、先端側所定の位置の係止溝31は各ピン3A、3Bをヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部11内に待機させるためのもので、ピン3A、3Bの外周面の先端側所定の位置をヒンジピンストッパー15が嵌合可能に小径に形成して設けられ、この係止溝31の後端側に隣接する部分を係止溝31から漸次拡径されるテーパ状に形成されて係止溝31の後端側に隣接して係止ガイド311が設けられる。中間部所定の位置の係止溝32はヒンジ本体1とヒンジ羽根2の各ヒンジピン挿通部11、221との間に通された各ピン3A、3Bをロックするためのもので、ピン3A、3Bの外周面中間部所定の位置をヒンジピンストッパー15が嵌合可能に小径に形成して設けられ、この係止溝32の先端側に隣接する部分を係止溝32から漸次拡径されるテーパ状に形成されて係止溝32の先端側に隣接して係止ガイド321が設けられる。そして、各ピン3A、3Bの後端はこの後端の少し先に小径部、すなわち、溝33を形成されてフランジ状に形成される。
【0021】
かくしてヒンジピン3をなす各ピン3A、3Bが一方の部材の側部に取り付けられるヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部11から他方の部材の側部に取り付けられるヒンジ羽根2のヒンジピン挿通部221に挿通されて、ヒンジ本体1及びヒンジ羽根2が連結され、一方の部材に他方の部材が回動可能に結合されるようになっている。
【0022】
図11乃至
図15にこのワンタッチ取付ヒンジHの使用例として、ラックの筐体に扉を取り付ける場合を例示している。
なお、
図11に示すように、ラックRは、筐体Bと扉Dとからなる。筐体Bの正面両側に溝形(断面略コ字形)の固定枠B1が設けられ、溝形の底部に当たる中間の板B11(一方の部材の側部)の上下両端所定の位置にそれぞれ、一対の取付孔41が形成される。この場合、各一対の取付孔41を中間の板B11にヒンジ本体1の各取付フランジ16の形状に合せて角型(長方形)に形成してある。扉Dは筐体Bに対する枢支側の一方の側部D1が略直角に折り曲げられ、この一方の側部D1のコーナー部の上下両端所定の位置にそれぞれ、取付孔42が形成される。この場合、各取付孔42を一方の側部D1のコーナー部にヒンジ羽根2の取付ブロック22の形状に合せて角形(四角形)に形成してある。
【0023】
まず、
図12に示すように、筐体Bの固定枠B1の中央の板B11の上下に、ヒンジ本体1を2つ取り付ける。
この場合、ヒンジ本体1の一対の取付フランジ16を中央の板B11の一対の取付孔41に、相互の形状、向きを合せて、この中央の板B11の外向きの一方の面側から内向きの他方の面側に向けて嵌め込み、これら各取付孔41から他方の面側に通された各取付フランジ16の凹溝160にクリップ17の略U字形の両端を係止して各取付フランジ16間にクリップ17を掛け渡す。これにより、各取付フランジ16が固定枠B1の中央の板B11にクリップ17を介して固定され、ヒンジ本体1が固定枠B1に取り付け固定される。このようにしてヒンジ本体1を筐体Bにワンタッチで固定することができる。
【0024】
次に、
図13に示すように、扉Dの一方の側部D1のコーナー部の上下に、ヒンジ羽根2を2つ取り付ける。
この場合、ヒンジ羽根2の取付ブロック22を一方の側部D1のコーナー部の取付孔42に、相互の形状、向きを合せて、この側部D1の外向きの一方の面側から内向きの他方の面側に向けて嵌め込み、他方の面側で取付ブロック22の固定ピン挿通部222に固定ピン23を通す。このようにすると、ヒンジ羽根2のフランジ部211が一方の側部D1の一方の面側で取付孔42の周縁部に当接されるとともに、固定ピン23が一方の側部D1の他方の面側で取付孔42の周縁部に係合して、ヒンジ羽根2が一方の側部D1に固定される。このようにしてヒンジ羽根2を扉Dにワンタッチで固定することができる。
【0025】
そして、
図14に示すように、筐体Bのヒンジ本体1と扉Dのヒンジ羽根2とをヒンジピン3を介して連結し、筐体Bに扉Dを取り付ける。
この場合、
図15に示すように、まず、ヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部11にヒンジピン3をなす各ピン3A、3Bを挿入し、各ピン3A、3Bの先端側所定の位置の係止溝31(
図10参照)と上下の各ヒンジピン挿通部11内のヒンジピンストッパー15とを係合させて、各ピン3A、3Bを上下の各ヒンジピン挿通部11内に保持してヒンジピン3を待機させる。続いて、筐体B側のヒンジ本体1の上下のヒンジピン挿通部11間の間欠部12に扉D側のヒンジ羽根2の取付ブロック22のヒンジピン挿通部221側の半部を嵌め込み、相互のヒンジピン挿通部11、221を連通させる。そして、この状態からヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部11内に保持され待機中の各ピン3A、3Bを押し込んで、各ピン3A、3Bの先端側所定の位置の係止溝31と上下の各ヒンジピン挿通部11内のヒンジピンストッパー15との係合を係止ガイド311(
図10参照)により解除し、各ピン3A、3Bの外周面でヒンジピンストッパー15を押し退けながら各ピン3A、3Bをヒンジ本体1の上下の各ヒンジピン挿通部11からヒンジ羽根2のヒンジピン挿通部221(の略半分)まで挿通させると、各ピン3A、3Bの外周面の中間部所定の位置の係止溝32に係止ガイド321(
図10参照)の案内によりヒンジピンストッパー15が係止され、各ピン3A、3Bが軸方向の動きを規制されて固定される。このようにしてヒンジ本体1とヒンジ羽根2がヒンジピン3により連結され、筐体Bに扉Dが回動可能に取り付けられる。
【0026】
以上説明したように、このワンタッチ取付ヒンジHによれば、ヒンジ本体1は、既述の構成により、一対の取付フランジ16を一方の部材の側部に形成される一対の取付孔にこの側部の一方の面側から他方の面側に向けて嵌装し、各取付孔から一方の部材の側部の他方の面側に通した各取付フランジ16間に他方の面側でクリップ17を掛け渡して、固定し、ヒンジ羽根2は、既述の構成により、取付ブロック22を他方の部材の側部に形成される取付孔にこの側部の一方の面側から他方の面側に向けて嵌装し、他方の側部の他方の面側で取付ブロック22の固定ピン挿通部222に固定ピン23を通して、フランジ部211を他方の部材の一方の面側で取付孔の周縁部に当接させるとともに、固定ピン23を他方の部材の他方の面側で取付孔の周縁部に係合させて、固定するので、ヒンジHを、筐体と扉との間など2部材間に溶接や取付ねじを用いることなしにワンタッチで簡易に取り付けることができ、また、溶接や取付ねじを用いないことで、ヒンジHの取り付けに要する部品点数を大幅に削減し、コストの大幅な低減を図ることができる。
【0027】
また、このヒンジHには、さらに次のような利点を有する。
(1)ヒンジ本体1が金属材料により一体に形成されるので、その製造が容易で、一方の部材に取り付けやすい。
(2)ヒンジ本体1の各取付フランジ16は角型に形成され、各取付フランジ16の全周縁部に凹溝160が形成されるので、各取付フランジ16の単純な形状により、ヒンジ本体1に容易に設けることができ、一方の部材に取り付けやすくすることができる。
(3)一方の部材の各取付孔は一方の部材の側部にヒンジ本体1の各取付フランジ16の形状に合せて角型に形成されるので、取付孔を単純な形状にして、一方の部材における取付孔の加工を容易にすることができる。
(4)クリップ17は金属の線材からなるので、その製造を容易に行うことができる。
(5)クリップ17は全体が略S字形又は略S字形でかつ中間部が波形の複合形状に形成されるので、一対の取付フランジ16間に取り付けやすく外れにくい形状とすることができる。
(6)ヒンジ羽根2は金属材料により一体に成形されるので、その製造が容易で、他方の部材に取り付けやすい。
(7)ヒンジ羽根2は取付プレート21が直角に接合される2つのプレート状に形成され、取付ブロック22が取付プレートの直角の2面内に略柱状に形成され、固定ピン挿通部222が取付ブロック22に取付プレート21の直角の2面接合部に近接して形成されるので、ヒンジ羽根2の単純な形状により、取付孔を単純な形状にすることができ、ヒンジ羽根2を取付孔に容易に取り付けることができる。
(8)他方の部材の取付孔は他方の部材の側部のコーナー部にヒンジ羽根2の取付ブロック22の形状に合せて形成されるので、取付孔を単純な形状にして、他方の部材における取付孔の加工を容易にすることができる。
(9)固定ピン23はヒンジ羽根2の固定ピン挿通孔222を貫通可能な略L字形の金属棒材からなるので、その単純な形状により、製造が容易で、ヒンジ羽根2に容易に取り付けることができる。
【0028】
なお、この実施の形態では、ヒンジ本体1の各取付フランジ16は角型に形成され、一方の部材の各取付孔は一方の部材の側部にヒンジ本体1の各取付フランジ16の形状に合せて角型に形成されるものとしたが、ヒンジ本体の各取付フランジは丸型に形成され、一方の部材の各取付孔が一方の部材の側部にヒンジ本体の各取付フランジの形状に合せて丸型に形成されてもよく、このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0029】
H ワンタッチ取付ヒンジ
1 ヒンジ本体
101 固定面
11(11U、11D) ヒンジピン挿通部
12 間欠部
13(131、132) 溝
14 突片
15 ヒンジピンストッパー
16 取付フランジ
160 凹溝
17(17A、17B) クリップ
2 ヒンジ羽根
21 取付プレート
211 フランジ部
22 取付ブロック
221 ヒンジピン挿通部
222 固定ピン挿通部
23 固定ピン
231 長軸部
232 短軸部
3 ヒンジピン
3A、3B ピン
31 係止溝
311 係止ガイド
32 係止溝
321 係止ガイド
33 溝
R ラック
B 筐体
B1 固定枠
B11 中間の板
D 扉
D1 一方の側部
41、42 取付孔