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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】吸気装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 13/02 20060101AFI20220606BHJP
   F02D 9/10 20060101ALI20220606BHJP
   F02M 35/10 20060101ALI20220606BHJP
【FI】
B60K13/02 Z
F02D9/10 H
F02M35/10 101L
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018243285
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020104597
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東 和也
(72)【発明者】
【氏名】中村 一雄
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-235617(JP,A)
【文献】特開2018-132033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 13/02
F02D 9/10
F02M 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロットルバルブを備えているスロットルボディと、
前記スロットルボディの一方側に配置されている吸気ダクトと、
前記スロットルボディの他方側に配置されているインテークマニホールドと、を備えており、
前記吸気ダクトは、前記スロットルボディ側の端部から周囲に突出している第1フランジ部を備えており、
前記インテークマニホールドは、前記スロットルボディ側の端部から周囲に突出している第2フランジ部を備えており、
前記スロットルボディの周囲において前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間に複数のスペーサが設けられており、
前記吸気ダクトと前記インテークマニホールドとの間に前記スロットルボディが挟まれている状態で、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とが複数の前記スペーサを介して締結されている、吸気装置。
【請求項2】
請求項1に記載の吸気装置であって、
前記吸気ダクトと前記スロットルボディとの間にガスケットが配置されている、吸気装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の吸気装置であって、
前記スロットルボディが樹脂製である、吸気装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の吸気装置であって、
前記スロットルボディは、ボア部と、前記ボア部と一体的に形成されているハウジング部と、を備えており、
前記ハウジング部は、モータ部とギヤ部を備えており、
前記ボア部と前記モータ部と前記ギヤ部の間に複数の前記スペーサの少なくとも1つが配置されている、吸気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、吸気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に吸気装置が開示されている。特許文献1の吸気装置は、スロットルバルブを備えているスロットルボディと、スロットルボディの一方側に配置されているエアクリーナケースと、スロットルボディの他方側に配置されているインテークマニホールドとを備えている。特許文献1の吸気装置では、スロットルボディのフランジをエアクリーナケースとインテークマニホールドで直接挟持し、着脱自在に固着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-235617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の吸気装置では、エアクリーナケースとインテークマニホールドとの間にスロットルボディが挟まれている状態で、スロットルボディのフランジがエアクリーナケースとインテークマニホールドによって強く締め付けられることによって、スロットルボディ全体に均一に締結力が作用しないことがあった。そのため、スロットルボディが歪んでしまうことがあった。例えば、スロットルボディに対してエアクリーナケースとインテークマニホールドを組み付ける際にボア部に力がかかってそれらが歪んでしまうことがあった。そこで本明細書は、スロットルボディが歪むことを抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する吸気装置は、スロットルバルブを備えているスロットルボディと、前記スロットルボディの一方側に配置されている吸気ダクトと、前記スロットルボディの他方側に配置されているインテークマニホールドと、を備えていてもよい。前記吸気ダクトは、前記スロットルボディ側の端部から周囲に突出している第1フランジ部を備えていてもよい。前記インテークマニホールドは、前記スロットルボディ側の端部から周囲に突出している第2フランジ部を備えていてもよい。前記スロットルボディの周囲において前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間に複数のスペーサが設けられていてもよい。前記吸気ダクトと前記インテークマニホールドとの間に前記スロットルボディが挟まれている状態で、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とが複数の前記スペーサを介して締結されていてもよい。
【0006】
この構成によれば、吸気ダクトとインテークマニホールドとの間に複数のスペーサが設けられることによって、吸気ダクトとインテークマニホールドとの間に挟まれているスロットルボディに締結による局所的な力が作用することを抑制することができる。スロットルボディ全体に締結力が均一に作用する。また、スロットルボディに締結部分が無いので例えばインテークマニホールドのスロットルボディ側の面の平面度が悪い場合でもその影響がスロットルボディに直接伝わらない。これによって、スロットルボディが歪むことを抑制することができる。
【0007】
前記吸気ダクトと前記スロットルボディとの間にガスケットが配置されていてもよい。この構成によれば、吸気ダクトとスロットルボディの間の気密性を高めることができ、スロットルボディよりも上流側(吸気ダクト側)の吸気通路に外部から空気が流入すること、及び吸気通路から空気が外部に流出することを抑制することができる。
【0008】
前記スロットルボディが樹脂製であってもよい。スロットルボディが樹脂製であるとスロットルボディが歪み易くなるが、複数のスペーサが存在することによってスロットルボディの歪みを抑制することができる。また、スロットルボディに締結部分が無いので例えばインテークマニホールドのスロットルボディ側の面の平面度が悪い場合でもその影響がスロットルボディに直接伝わらない。
【0009】
前記スロットルボディに中空部が形成されていてもよい。複数の前記スペーサの少なくとも1つが前記中空部に配置されていてもよい。この構成によれば、スロットルボディを軽量化することができる。また、例えば、スロットルボディのモータ部とボア部の間に中空部が形成されており、その中空部にスペーサが配置されていてもよい。この構成によれば、スロットルボディの重心付近で吸気ダクトとインテークマニホールドとを締結することができ、スロットルボディの耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例に係る吸気装置を模式的に示す図である。
図2】実施例に係る吸気装置の吸気ダクト側から視た斜視図である。
図3】実施例に係る吸気装置の吸気ダクト側から視た平面図である。
図4】実施例に係る吸気装置の側面図である。
図5】実施例に係る吸気ダクトのスロットルボディ側とは反対側から視た斜視図である。
図6】実施例に係る吸気ダクトのスロットルボディ側から視た斜視図である。
図7】実施例に係るスロットルボディの吸気ダクト側から視た平面図である。
図8】実施例に係る吸気装置のインテークマニホールドから視た平面図である。
図9】実施例に係るインテークマニホールドのスロットルボディ側から視た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施例に係る吸気装置について図面を参照して説明する。図1に示すように、実施例に係る吸気装置1は、エンジン2に接続されている。エンジン2は、例えば自動車に搭載されているガソリンエンジンである。吸気装置1は、吸気ダクト30と、スロットルボディ20と、インテークマニホールド40とを備えている。吸気ダクト30とインテークマニホールド40との間にスロットルボディ20が配置されている。インテークマニホールド40がエンジン2に接続されている。吸気ダクト30とスロットルボディ20とインテークマニホールド40とが連結されることによって吸気通路10が構成されている。吸気ダクト30とスロットルボディ20とインテークマニホールド40とが吸気通路10の上流側から下流側に向かって順に配置されている。エンジン2に吸入される空気が吸気通路10を流れる。エンジン2には排気ダクト80も接続されている。排気ダクト80は、エンジン2から排出されるガスが流れる排気通路11を構成する。
【0012】
図2から図5に示すように、吸気装置1の吸気ダクト30は、ダクト部31と、第1環状フランジ部39と、複数の第1凸状フランジ部32(第1フランジ部の一例)とを備えている。吸気ダクト30は、例えば樹脂製又は金属製である。吸気ダクト30のダクト部31は、吸気通路10の一部を構成している。エンジン2に吸入される空気がダクト部31の内部を流れる。ダクト部31は、略円管状であり、吸気通路10の長手方向に延びている。なお、図面ではダクト部31の一部のみが示されている。
【0013】
吸気ダクト30の第1環状フランジ部39は、ダクト部31の外周部に固定されている。第1環状フランジ部39は、ダクト部31の周方向に沿って延びている。第1環状フランジ部39は、吸気通路10の長手方向と直交する方向に突出している。第1環状フランジ部39は、ダクト部31の周囲に張り出している。
【0014】
吸気ダクト30の複数の第1凸状フランジ部32は、第1環状フランジ部39の外周部に固定されている。複数の第1凸状フランジ部32は、第1環状フランジ部39の周方向に沿って間隔をあけて並んでいる。各第1凸状フランジ部32は、吸気通路10の長手方向と直交する方向に突出している。各第1凸状フランジ部32は、第1環状フランジ部39の周囲に張り出している。複数の第1凸状フランジ部32及び第1環状フランジ部39は、吸気通路10の長手方向における吸気ダクト30のスロットルボディ20側の端部に設けられている。
【0015】
複数の第1凸状フランジ部32のそれぞれにはスペーサ50が固定されている。各スペーサ50は、各第1凸状フランジ部32と一体的に形成されている。各スペーサ50は、例えば樹脂製又は金属製である。各スペーサ50は、各第1凸状フランジ部32のスロットルボディ20側の端部に固定されている。各スペーサ50は、略円筒状であり、吸気通路10の長手方向に沿って延びている。吸気通路10の長手方向における各スペーサ50の端面55は、後述するインテークマニホールド40の第2凸状フランジ部42に当接する。
【0016】
複数の第1凸状フランジ部32及び複数のスペーサ50のそれぞれには挿入孔33が形成されている。各挿入孔33にはスリーブ53が挿入されている。挿入孔33とスリーブ53がインサート成形によって一体的に形成されていてもよい。各スリーブ53は、例えば金属製である。各スリーブ53は、略円筒状であり、吸気通路10の長手方向に沿って延びている。各スリーブ53の内部にはボルト60が挿入される。
【0017】
図6に示すように、吸気ダクト30のスロットルボディ20側の端面34には溝部35が形成されている。溝部35は環状に形成されている。溝部35はダクト部31の周囲に形成されている。溝部35には環状の第1ガスケット61が挿入されている(図6では、第1ガスケット61を破線で示している。)。第1ガスケット61は、吸気ダクト30とスロットルボディ20との間に配置される。
【0018】
図2及び図7に示すように、吸気装置1のスロットルボディ20は、ボア部21と、スロットルバルブ22と、ハウジング部26とを備えている。スロットルボディ20は、例えば樹脂製又は金属製である。ボア部21は、吸気通路10の一部を構成している。エンジン2に吸入される空気がボア部21の内部を流れる。ボア部21は、略円管状であり、吸気通路10の長手方向に延びている。
【0019】
スロットルバルブ22は、例えばバタフライバルブである。スロットルバルブ22は、回転軸23と弁体24を備えている。スロットルバルブ22の回転軸23は、ボア部21に対して回転可能に設けられている。スロットルバルブ22の弁体24は、ボア部21の内部(吸気通路10)に配置されている。弁体24は回転軸23に固定されており、回転軸23が回転することによって回転する。スロットルバルブ22の回転軸23及び弁体24が回転することによって吸気通路10が開閉する。スロットルバルブ22が開状態になると、吸気通路10を通じてエンジン2に空気が吸入される。スロットルバルブ22が全閉状態になると、エンジン2に空気が吸入されなくなる。スロットルバルブ22は、吸気通路10を流れる空気の流量を制御する。
【0020】
ハウジング部26は、ボア部21と一体的に形成されている。ハウジング部26は、モータ部27とギヤ部28を備えている。モータ部27の内部にモータ90が配置されており、ギヤ部28の内部に複数のギヤ91が配置されている。ボア部21とモータ部27とギヤ部28の間には中空部29が形成されている。中空部29に1個のスペーサ50が配置されている。また、ハウジング部26には複数の孔73が形成されている。ハウジング部26のモータ部27とギヤ部28のそれぞれに孔73が形成されている。各孔73には後述するインテークマニホールド40の突起72が挿入される。
【0021】
モータ90は、例えばステッピングモータ又はDCモータである。モータ90は、ギヤ91を介してスロットルバルブ22に接続されている。モータ90が回転すると、ギヤ91を介してスロットルバルブ22が回転する。モータ90は、正転及び逆転可能に構成されている。例えばモータ90が正転するとスロットルバルブ22が開側に回転し、モータ90が逆転するとスロットルバルブ22が閉側に回転する。モータ90の動作は例えばECU(Engine Control Unit)によって制御される。
【0022】
図2図8及び図9に示すように、インテークマニホールド40は、マニホールド部41と、第2環状フランジ部49と、複数の第2凸状フランジ部42(第2フランジ部の一例)と、複数の第3凸状フランジ部71とを備えている。インテークマニホールド40は、例えば樹脂製又は金属製である。インテークマニホールド40のマニホールド部41は、吸気通路10の一部を構成している。エンジン2に吸入される空気がマニホールド部41の内部を流れる。マニホールド部41は、略円管状であり、吸気通路10の長手方向に延びている。なお、図面ではマニホールド部41の一部のみが示されている。
【0023】
インテークマニホールド40の第2環状フランジ部49は、マニホールド部41の外周部に固定されている。第2環状フランジ部49は、マニホールド部41の周方向に延びている。第2環状フランジ部49は、吸気通路10の長手方向と直交する方向に突出している。第2環状フランジ部49は、マニホールド部41の周囲に張り出している。
【0024】
インテークマニホールド40の複数の第2凸状フランジ部42及び複数の第3凸状フランジ部71は、第2環状フランジ部49の外周部に固定されている。複数の第2凸状フランジ部42は、第2環状フランジ部49の周方向に沿って間隔をあけて並んでいる。各第2凸状フランジ部42は、吸気通路10の長手方向と直交する方向に突出している。各第2凸状フランジ部42は、第2環状フランジ部49の周囲に張り出している。複数の第2凸状フランジ部42及び第2環状フランジ部49は、吸気通路10の長手方向におけるインテークマニホールド40のスロットルボディ20側の端部に設けられている。
【0025】
複数の第2凸状フランジ部42のそれぞれには挿入孔43が形成されている。各挿入孔43には丸型のナット46が挿入されて固定されている。挿入孔43とナット46がインサート成形によって一体的に形成されていてもよい。また、ナット46が挿入孔43に圧入されていてもよい。各ナット46は、例えば樹脂製又は金属製である。各ナット46は、略円筒状であり、吸気通路10の長手方向と同じ方向に延びている。各ナット46にはボルト60が締結される。
【0026】
複数の第3凸状フランジ部71のそれぞれに突起72が設けられている。複数の突起72のそれぞれは、スロットルボディ20側に突出している。各突起72は、スロットルボディ20のハウジング部26に形成されている各孔73に挿入される。インテークマニホールド40の各突起72がスロットルボディ20の各孔73に挿入されることによって、スロットルボディ20とインテークマニホールド40との相対的な回転が規制される。各突起72と各孔73によって回転規制機構が構成されている。
【0027】
インテークマニホールド40のスロットルボディ20側の端面44には溝部45が形成されている。溝部45は環状に形成されている。溝部45はマニホールド部41の周囲に形成されている。溝部45には環状の第2ガスケット62が挿入されている(図9では、第2ガスケット62を破線で示している。)。第2ガスケット62は、インテークマニホールド40とスロットルボディ20との間に配置される。
【0028】
以上、実施例に係る吸気装置1について説明した。上記の説明から明らかなように、吸気装置1は、スロットルボディ20と、スロットルボディ20の一方側に配置されている吸気ダクト30と、スロットルボディ20の他方側に配置されているインテークマニホールド40とを備えている。吸気ダクト30は、スロットルボディ20側の端部から周囲に突出している複数の第1凸状フランジ部32を備えている。インテークマニホールド40は、スロットルボディ20側の端部から周囲に突出している複数の第2凸状フランジ部42を備えている。スロットルボディ20の周囲において複数の第1凸状フランジ部32のそれぞれと複数の第2凸状フランジ部42のそれぞれとの間にスペーサ50がそれぞれ設けられている。吸気ダクト30とインテークマニホールド40との間にスロットルボディ20が挟まれている状態で吸気ダクト30の複数の第1凸状フランジ部32のそれぞれとインテークマニホールド40の複数の第2凸状フランジ部42のそれぞれとが複数のスペーサ50のそれぞれを介して締結されている。
【0029】
上記の構成によれば、複数のスペーサ50によって吸気ダクト30とインテークマニホールド40の間の距離を均一にすることができる。そのため、吸気ダクト30とインテークマニホールド40の間に挟まれているスロットルボディ20全体に締結力が均一に作用する。また、スロットルボディ20にボルトによる締結部分が無いので例えばインテークマニホールド40のスロットルボディ20側の面の平面度が悪い場合でもその影響がスロットルボディ20に直接伝わらない。これによって、スロットルボディ20が歪むことを抑制することができる。
【0030】
上記の吸気装置1では、複数の第1凸状フランジ部32のそれぞれと複数の第2凸状フランジ部42のそれぞれとがボルト60によってそれぞれ締結されている。吸気ダクト30とインテークマニホールド40がボルトによって締結される場合はボルトの近傍に大きな締結力が作用することがある。しかしながら、上記の構成によれば、複数のスペーサ50が存在することによってスロットルボディ20全体に締結力が均一に作用するので、ボルト60によって締結されてもスロットルボディ20の歪みを抑制することができる。また、スロットルボディ20に締結部分が無いので例えばインテークマニホールド40のスロットルボディ20側の面の平面度が悪い場合でもその影響がスロットルボディ20に直接伝わらない。
【0031】
また、上記の吸気装置1では、複数のスペーサ50のそれぞれが、ボルト60が挿入される挿入孔33を備えている。この構成によれば、ボルト60をスペーサ50に挿入し易くすることができ、吸気ダクト30とインテークマニホールド40をボルト60によってスムーズに締結することができる。
【0032】
また、上記の吸気装置1では、吸気ダクト30とスロットルボディ20との間に第1ガスケット61が配置されている。この構成によれば、吸気ダクト30とスロットルボディ20との間の気密性を高めることができる。そのため、スロットルボディ20よりも上流側(吸気ダクト30側)の吸気通路10に外部から空気が流入すること、及び吸気通路10から外部に空気が流出することを抑制することができる。
【0033】
また、上記の吸気装置1は、スロットルボディ20とインテークマニホールド40との相対的な回転を規制する回転規制機構を備えている。回転規制機構は、スロットルボディ20に形成されている複数の孔73と、インテークマニホールド40のスロットルボディ20側の端部からスロットルボディ20側に突出する複数の突起72とを備えている。複数の孔73のそれぞれに複数の突起72のそれぞれが挿入されることによってスロットルボディ20とインテークマニホールド40との相対的な回転が規制される。この構成によれば、スロットルボディ20とインテークマニホールド40との位置ずれを抑制することができる。また、スロットルボディ20とインテークマニホールド40を組み立てる際に、スロットルボディ20の複数の孔73にインテークマニホールド40の複数の突起72を挿入するだけで両者の位置合わせをすることができる。
【0034】
また、上記の吸気装置1では、スロットルボディ20が樹脂製である。スロットルボディ20が樹脂製であるとスロットルボディ20が歪み易くなるが、スペーサ50が存在することによってスロットルボディ20の歪みを抑制することができる。また、スロットルボディ20に締結部分が無いので例えばインテークマニホールド40のスロットルボディ20側の面の平面度が悪い場合でもその影響がスロットルボディ20に直接伝わらない。
【0035】
また、上記の吸気装置1では、スロットルボディ20に中空部29が形成されている。スペーサ50が中空部29に配置されている。この構成によれば、中空部29を設けることによってスロットルボディ20を軽量化することができる。
【0036】
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上記の説明における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
(他の実施例)
(1)上記の実施例では、スペーサ50が吸気ダクト30の第1凸状フランジ部32に固定されていたが、他の実施例では、スペーサ50が吸気ダクト30の第1凸状フランジ部32から分離されていてもよい。すなわち、スペーサ50と、吸気ダクト30の第1凸状フランジ部32とが別体で構成されていてもよい。また、更に他の実施例では、スペーサ50がインテークマニホールド40の第2凸状フランジ部42に固定されていてもよい。
【0038】
(2)上記の実施例では、第2凸状フランジ部42に形成されている挿入孔43にナット46が挿入されていたが、他の実施例では、ナット46が無くてもよい。この場合は、第2凸状フランジ部42に形成されている挿入孔43に雌ネジが形成されていてもよい。挿入孔43の雌ネジにボルト60が締結されていてもよい。
【0039】
(3)上記の実施例では、スロットルボディ20に複数の孔73が形成されており、インテークマニホールド40に複数の突起72が設けられていたが、他の実施例では、スロットルボディ20に複数の突起72が設けられており、インテークマニホールド40に複数の孔73が形成されていてもよい。スロットルボディ20の複数の突起72がインテークマニホールド40の複数の孔73に挿入されることによって、スロットルボディ20とインテークマニホールド40との相対的な回転が規制されてもよい。また、スロットルボディ20における複数の孔73又は複数の突起72の位置は特に限定されるものではない。また、インテークマニホールド40における複数の突起72又は複数の孔73の位置は特に限定されるものではない。
【0040】
(4)他の実施例では、吸気装置1が、スロットルボディ20とインテークマニホールド40との相対的な回転を規制する回転規制機構だけでなく、スロットルボディ20と吸気ダクト30との相対的な回転を規制する第2の回転規制機構を備えていてもよい。
【0041】
(5)上記の実施例では、吸気ダクト30の第1凸状フランジ部32とインテークマニホールド40の第2凸状フランジ部42との間にスペーサ50が設けられていたが、この構成に限定されるものではない。他の実施例では、例えば吸気ダクト30の第1環状フランジ部39と、インテークマニホールド40の第2環状フランジ部49との間にスペーサ50が設けられていてもよい。その場合は、第1凸状フランジ部32と第2凸状フランジ部42が無くてもよい。
【0042】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0043】
1:吸気装置、2:エンジン、10:吸気通路、11:排気通路、20:スロットルボディ、21:ボア部、22:スロットルバルブ、23:回転軸、24:弁体、26:ハウジング部、27:モータ部、28:ギヤ部、29:中空部、30:吸気ダクト、31:ダクト部、32:第1凸状フランジ部、33:挿入孔、39:第1環状フランジ部、40:インテークマニホールド、41:マニホールド部、42:第2凸状フランジ部、43:挿入孔、46:ナット、49:第2環状フランジ部、50:スペーサ、53:スリーブ、60:ボルト、61:第1ガスケット、62:第2ガスケット、71:第3凸状フランジ部、72:突起、73:孔、80:排気ダクト、90:モータ、91:ギヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9