(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 9/00 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
A63F9/00 508Z
A63F9/00 509
(21)【出願番号】P 2019107180
(22)【出願日】2019-06-07
【審査請求日】2021-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水沼 正憲
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】実開平6-77794(JP,U)
【文献】登録実用新案第3189321(JP,U)
【文献】登録実用新案第3109719(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/00 - 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作子の操作によってボールをスタート地点からゴール地点まで運ぶゲーム装置において、
略水平方向に延在する軸の表面に螺旋状突起が形成された送り棒と、
前記螺旋状突起に係合可能なボールと、
一の操作子の操作によって前記送り棒を回動させ、前記螺旋状突起に係合した前記ボールを前記軸に沿った所定方向に搬送させる駆動機構と、
前記送り棒の近くに設けられ、壁を構成し、上端部が側面視で前記軸に対して前記所定方向に向けて上り勾配を有するように傾斜する傾斜案内部を有し、前記所定方向への前記ボールの搬送の際に前記軸と前記傾斜案内部の上端部とで前記ボールを下方から支えつつ前記ボールに摺接することで、前記ボールを前記軸の周りで移動させて所定の場所でボールを排出させる案内部材と、
を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記案内部材は、
前記送り棒の下方に設けられ、平面視で前記軸に対して傾斜するように延在する第1案内部材と、前記送り棒の側方に設けられ、前記傾斜案内部を有し平面視で前記軸に沿って延在する第2案内部材と、を備え、
前記所定方向への前記ボールの搬送の際に、前記第1案内部材が前記ボールを前記第2案内部材の側に寄せるとともに、前記ボールを前記第1案内部材及び前記傾斜案内部の上端部に摺接させることで前記ボールを上昇させ、さらに、前記ボールを前記軸と前記傾斜案内部の上端部とに摺接させることで、前記ボールを前記軸の周りで動かしながら上昇させることを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
平面視で前記第2案内部材は前記軸に平行に延在することを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記傾斜案内部の上面は、ボールの排出部を除いて、前記軸に向けて下り勾配の傾斜面となっていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記第2案内部材の上面は、前記排出部で、前記軸に向けて上り勾配の傾斜面となっていることを特徴とする請求項4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記軸は延在方向に勾配を持って配置され、前記軸の両端部のうちでより低い位置にある端部に、端板に迷路を構成する壁が立設されたドラムが設けられていることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ボールは金属製ボールであることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム盤に障害物となる複数のギミックと、ギミックを操作する複数の操作子とが設けられ、操作子によってギミックを操作等することによって、ボールをスタート地点からゴール地点まで運ぶように構成されたゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このゲーム装置によれば、操作子でギミックを上手く操作しないと、ボールを前に進めることができないか、或いは、ボールが所定位置まで戻ってしまうことから、スリル感のあるゲームを楽しむことができる。
このようなゲーム装置では、意外性且つスリル感のある新たなギミックが要望されている。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、意外性且つスリル感のあるギミックを有するゲーム装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、
操作子の操作によってボールをスタート地点からゴール地点まで運ぶゲーム装置において、
略水平方向に延在する軸の表面に螺旋状突起が形成された送り棒と、
前記螺旋状突起に係合可能なボールと、
一の操作子の操作によって前記送り棒を回動させ、前記螺旋状突起に係合した前記ボールを前記軸に沿った所定方向に搬送させる駆動機構と、
前記送り棒の近くに設けられ、壁を構成し、上端部が側面視で前記軸に対して前記所定方向に向けて上り勾配を有するように傾斜する傾斜案内部を有し、前記所定方向への前記ボールの搬送の際に前記軸と前記傾斜案内部の上端部とで前記ボールを下方から支えつつ前記ボールに摺接することで、前記ボールを前記軸の周りで移動させて所定の場所でボールを排出させる案内部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
第2の手段は、第1の手段であって、
前記案内部材は、
前記送り棒の下方に設けられ、平面視で前記軸に対して傾斜するように延在する第1案内部材と、前記送り棒の側方に設けられ、前記傾斜案内部を有し平面視で前記軸に沿って延在する第2案内部材と、を備え、
前記所定方向への前記ボールの搬送の際に、前記第1案内部材が前記ボールを前記第2案内部材の側に寄せるとともに、前記ボールを前記第1案内部材及び前記傾斜案内部の上端部に摺接させることで前記ボールを上昇させ、さらに、前記ボールを前記軸と前記傾斜案内部の上端部とに摺接させることで、前記ボールを前記軸の周りで動かしながら上昇させることを特徴とする。
【0008】
第3の手段は、第2の手段であって、
平面視で前記第2案内部材は前記軸に平行に延在することを特徴とする。
【0009】
第4の手段は、第2の手段又は第3の手段であって、前記傾斜案内部の上面は、ボールの排出部を除いて、前記軸に向けて下り勾配の傾斜面となっていることを特徴とする。
【0010】
第5の手段は、第4の手段であって、前記第2案内部材の上面は、前記排出部で、前記軸に向けて上り勾配の傾斜面となっていることを特徴とする。
【0011】
第6の手段は、第1の手段~第5の手段のいずれか一の手段であって、前記軸は延在方向に勾配を持って配置され、前記軸の両端部のうちでより低い位置にある端部に、端板に迷路を構成する壁が直立して形成されたドラムが設けられていることを特徴とする。
【0012】
第7の手段は、第1の手段~第6の手段のいずれか一の手段であって、前記ボールは金属製ボールであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記手段によれば、所定方向へのボールの搬送の際に、ボールが送り棒の軸の周りで移動させるので意外性があり、また、送り棒の軸と案内部材の上端部とでボールを下方から支えながら上昇させるので、ボールの支持が不安定であり、送り棒の回動の速度が速いとボールが案内部材からこぼれ落ちることから、こぼれ落ちないようにするためには微妙に速度調整をする必要があり、スリル感のあるゲームが行えることになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係るゲーム装置の実施形態を示した斜視図である。
【
図2】ジグザグ階段及び第1操作子の側面を示した図である。
【
図5】観覧車迷路から送り棒までの通路を示した平面図である。
【
図6】第1案内部材及び第2案内部材を示した平面図である。
【
図7】第1案内部材及び第2案内部材を示した正面図である。
【
図8】ジャンプ台及び第2操作子を示した側方断面図である。
【
図9】第3案内部材及び第4案内部材を示した側面図である。
【
図11】発射台及び第4操作子を示した側面図である。
【
図14】ティルト通路及び第5操作子を示した側面図である。
【
図15】回動アーム及び第6操作子を示した側面図である。
【
図16】第1案内部材から第4案内部材の働きを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のゲーム装置を図面に示した実施形態に基づいて説明する。
【0016】
《全体構成》
図1はゲーム盤110の斜視図である。
本実施形態のゲーム装置100はゲーム盤110を備えている。ゲーム盤110は平置き状態で使用される。
このゲーム盤110には、スタート地点S、ジグザグ階段10、シーソ通路20、観覧車迷路30、送り棒40、ジャンプ台50、発射台60、ボウル70、ティルト通路80及びファイナルジャンプ台90及びゴール地点Gが設けられている。
また、ゲーム盤110には、手前側に、右から左に向けて順に、第1操作子1a、第2操作子1b、第3操作子1c、第4操作子1d、第5操作子1e及び第6操作子1fが設けられている。
【0017】
そして、このゲーム盤110では、第1操作子1a、第2操作子1b、第3操作子1c、第4操作子1d、第5操作子1e及び第6操作子1fを適宜操作して、金属製のボールBをスタート地点Sからゴール地点Gまで運ぶようになっている。ボールBは金属製でなく樹脂製であってもよいが、確実にスタート地点Sからゴール地点Gまで導くには、ある程度重いものであることが好ましい。
【0018】
《細部構成》
1.スタート地点S
スタート地点SにはボールBを保持可能な孔111が設けられている。この孔111の下には、
図2に示すように、前端部に第1操作子1aが連結されたレバー11が配設されている。レバー11は、軸11aを中心に回動可能に構成され、孔111の下方には、レバー11に付設された突出部12が位置している。
【0019】
第1操作子1aは押しボタン式の操作子であり、第1操作子1aを押し下げることによって、突出部12の上端で、スタート地点Sに置かれたボールBを打撃してジグザグ階段10に向けて打ち出す。
【0020】
2.ジグザグ階段10
ジグザグ階段10は並設された左右の階段13a,13bから構成されている。左の階段13aは固定階段となっており、右の階段13bは上下動する可動階段となっている。左右の階段13a,13bの踏み板部分は幅寸法及び奥行き寸法が左右の階段13a,13bで等しく設定されている。また、左右の階段13a,13bの踏み板部分は奥側に向けて僅かに下り勾配を有するとともに、他方の階段に向けて僅かに下り勾配を有している。また、左右の階段13a,13bの踏み板部分の縁には縁石状の壁が設けられており、この壁には適宜に切欠きが設けられ、この切欠きからボールBが落下し易くなるようにしている。
加えて、左右の階段13a,13bの蹴込み板部分の位置は奥行き方向にずらして形成されている。
さらに、右の階段13bの下には上記レバー11の当接部14が位置している。
そして、左右の階段13a,13bに置かれたボールBは、第1操作子1aの操作によって、左右の階段13a,13bの踏み板部分に交互に飛び移り、左の階段13aの最上段の踏み板板部分からシーソ通路20に導かれる。
【0021】
3.シーソ通路20
図3に示すように、シーソ通路20は路面がU字状となっている。このシーソ通路20では、ボールBはU字状の路面を行ったり来たりした後、動きが弱まったときにシーソ通路20の壁21に付設の切欠き22から観覧車迷路30の手前の通路31に導かれる。通路31は観覧車迷路30に向けて下り傾斜となっている。
【0022】
4.観覧車迷路30
観覧車迷路30はドラム32から構成されている。ドラム32は中心軸が前後方向に延在するように設けられている。このドラム32の周面には、
図4に示すように、切欠きからなるボール導入口32a(
図1参照)が形成されている。また、ドラム32の内部には迷路を構成する様々な形の壁32bが形成されるとともに、ドラム32の底部(端板)にはボール導出口32cが直立して形成されている。このドラム32は後述の送り棒40を介して第3操作子1cと連結されている。なお、ドラム32は前端部が開放されているが,前端にボールBの脱落を防止する透明板が付設されていてもよい。
【0023】
第3操作子1cは回動式の操作子となっており、第3操作子1cを回動させることによりドラム32を回動させる。これによって、ボール導入口32aからボールBをドラム32の内部に導入させるとともに、迷路を経てボール導出口32cから通路33に導出させる。
【0024】
通路33はゲーム盤110の幅方向に延在し、左方に向けて下り勾配を有している。
図5に示すように、通路33の左端には前後方向に延在する通路34が連結されている。通路34は前方に向けて下り勾配を有している。通路34の前端部には孔34aが形成されている。この孔34aは通路34を画成する壁のうち送り棒40に対向する壁に形成された孔(図示せず)に連通している。
【0025】
これによって、ボール導出口32cから通路33に導出されたボールBは、通路33及び通路34を経て、通路34の孔34aを通り、送り棒40の下方に配置されたアンダーパスである通路35に導かれる。この通路35は上記シーソ通路20と同様にU字状の通路となっており、通路35に導かれたボールBは、その勢いで、ヘアピンカーブを持つ通路36を経て、送り棒40の下方に導かれる。
【0026】
5.送り棒40
送り棒40は、軸41の表面に螺旋状の突起を設けたものである。送り棒40の軸41は前後方向に延在し、前端よりも後端の方がわずかに低くなるように設けられている。送り棒40の軸41の前端は第3操作子1cに連結され、後端部には上記ドラム32が連結されている。
【0027】
送り棒40の近くには、ボールBを送り棒40の下方から側方に向けて寄せる第1案内部材42と、ボールBを上昇させる第2案内部材43とが設けられている。
【0028】
第1案内部材42は、壁を構成し、平面視で、送り棒40の下方から側方に向けて延在するように送り棒40の軸41に対して傾斜している(
図5及び
図6(B)参照)。第1案内部材42の上端部は延在方向で同じ高さとなっている。この第1案内部材42の前端は第2案内部材43に連結されている。
【0029】
また、第2案内部材43は、壁を構成し、平面視で、送り棒40の軸41と平行に前後方向に延在している。第2案内部材43の上端部は、前端部を除いて、前方に向けて徐々に高くなっている(
図6(A)参照)。この部分は傾斜案内部を構成している。また、第2案内部材43の上面は、ボールBの排出部を除いて、送り棒40に向けて下り傾斜となっている(
図7(A)参照)。この傾斜面を符号43aで指し示す。下り傾斜としたのは、ボールBを送り棒40に押し付けるためである。一方、第2案内部材43の上端部は、前端部では、ほぼ一定の高さとなっており、前端部のボールBの排出部では、送り棒40に向けて上り傾斜となっている(
図6(A)及び
図7(B)参照)。この傾斜面を符号43bで指し示す。上り傾斜としたのは、前端部に乗ったボールBを送り棒40の外方に排出するためである。
【0030】
このように構成された第1案内部材42及び第2案内部材43によれば、
図16(A)に示すように、送り棒40の下方にあるボールBは、送り棒40の一の方向の回動によって、第1案内部材42によって徐々に送り棒40の側方に押し出され第2案内部材43の上に乗り、その後、第2案内部材43の上端部と軸41とに摺接によって軸41の周りで動きながら徐々に上昇する。
【0031】
そして、ボールBは、第2案内部材43の前端部の傾斜面43bの箇所で送り棒40の外方に排出され、ジャンプ台50に導かれる。なお、送り棒40の前端部にボールBが乗ったときにはボールBの重心の真下部分が傾斜面43bに乗ることが好ましい。また、ここでは、傾斜面43bは、傾斜面43aの坂下を坂上とするように段差をもって傾斜面43aと連設されているが、傾斜が反転する境界部分は傾斜がなく平らとなっていてもよく、或いは、傾斜が徐々に反転するようにしてもよい。つまり、下り傾斜が徐々に緩やかとなって傾斜無しの状態を経て上り傾斜となるようにしてもよい。
【0032】
6.ジャンプ台50
図8に示すように、ジャンプ台50は3個の打出し筒51a,51b,51cを備えている。打出し筒51a,51b,51cの背丈は、打出し筒51aが一番低く、打出し筒51cが一番高くなるように設定されている。
【0033】
このジャンプ台50の下には昇降体53が配設されている。昇降体53には、打出し筒51a,51b,51cに1対1で対応するように突出部53a,53b,53cが立設されている。突出部53a,53bの上端は前方に向けて下り勾配を持つように傾斜している。また、突出部53cの上端は左方に向けて下り勾配を持つように傾斜している。そして、3個の突出部53a,53b,53cは、対応する打出し筒51a,51b,51cに臨んでいる。なお、突出部53a,53b,53cの背丈は、突出部53aが一番低く,突出部53cが一番高くなるように設定されている。
【0034】
昇降体53の下には、軸52aを中心に回動可能に構成されたレバー52が配設されている。レバー52の前端部には、押しボタン式操作子である第2操作子1bが付設され、後端部には昇降体53に当接する当接部53dが付設されている。そして、第2操作子1bを押し下げると、レバー52を介して昇降体53が押し上げられ、突出部53a,53b,53cがボールBを打撃するようになっている。
【0035】
このジャンプ台50によれば、送り棒40からのボールBはまず打出し筒51aに乗る。その後、第2操作子1bの押下げ操作毎に打出し筒51b,51cに順に飛び移る。さらに、打出し筒51cに乗ったボールBは第2操作子1bの押下げ操作によって送り棒40を飛び越えて第3案内部材55に付設の半円筒状のトラップ55cに当たって第3案内部材55と送り棒40との間に落ちる。そして、ボールBは第3案内部材55の上端部と送り棒40の軸41とで下方から支持される。
【0036】
第3案内部材55は、壁を構成し、送り棒40の前半部側方にあり、側面視で、軸41に対して後方に向けて上り勾配を有する(
図9参照)とともに、平面視で、送り棒40の前方から後方に向けて送り棒40に近づく方向に傾斜している(
図1参照)。そして、第3操作子1cを時計方向に回動させた場合、
図16(B)に示すように、ボールBは、第3案内部材55の上端部や軸41との摺接によって軸41の周りで動きながら徐々に上昇し、送り棒40の前後方向中間部にある、切欠き55aからこぼれ落ち、送り棒40の外方の発射台60に排出される(
図9参照)。
なお、第3案内部材55を、側面視で、軸41に対して後方に向けて上り勾配を有するようにし、平面視で、送り棒40の前方から後方に向けて送り棒40に近づく方向に傾斜させたが、これはボールBを上昇し易くしたためであり、いずれか一方としてもよい。要は、送り棒40の回動によってボールBが軸41の周りで移動することである。このようにすれば、ボールBの支持が不安定となって緊迫感のあるゲームが実現できる。
【0037】
7.発射台60
図10には発射台60が示されている。この発射台60の盤面は前方に向けて下り傾斜を有している(
図11参照)。この発射台60は2つのボール受け61,62を備えている。ボール受け61は発射台60の前端部を構成し、ボールB1個分の幅を有している。このボール受け61には、送り棒40からのボールBが導かれる。また、ボール受け62は発射台60の盤面中央に位置し、平面視でU字状となっている。
【0038】
発射台60の下には、前後方向に動作するスライド板65が設けられている。スライド板65はばね66によって後方に向けて付勢されている。スライド板65の前端には第4操作子1dが連結されている。第4操作子1dは前後方向にスライド可能に構成されている。この第4操作子1dには、ボール受け61及びボール受け62に1対1で対応するように打撃部66a,66bが設けられている。
【0039】
そして、第4操作子1dを引いて手を離すことにより、ボール受け61にあるボールBが打撃部66aで弾かれ、ボールBがボール受け62に乗り、再度、第4操作子1dを引いて手を離すことにより、ボール受け62にあるボールBが打撃部66bで弾かれ、スロープ64を介してボウル70に導かれる。
【0040】
8.ボウル70
ボウル70に導かれたボールBは、ボウル70上で動き回り、やがては底部に導かれる。ボウル70の底部には2つの孔71a,71bが形成されている。また、ボウル70の下には、ボウル70を支持する柱体72(
図5参照)が設けられている。このうち柱体72の内部には、孔71aに連通する通路73aが形成され、孔71aに入ったボールBはティルト通路80に導かれる。また、柱体72の内部には孔71bに連通する通路73bが形成され、孔71bに入ったボールBは通路74~76を介して送り棒40の後端部と第4案内部材77との間に導かれる。
【0041】
第4案内部材77は、壁を構成し、送り棒40の後半部側方にあり、平面視で、送り棒40の後方から前方に向けて送り棒40に近づく方向に傾斜している(
図1参照)。また、第4案内部材77の上端部は、後端部を除いて、第3操作子1cを反時計方向に回動させた場合、送り棒40の前方に向けてボールBを上昇させるように軸41に対して前方に向けて上り勾配を有している。そして、送り棒40の後端部と第4案内部材77との間に導かれたボールBは、第3操作子1cを反時計方向に回動させた場合、
図16(C)に示すように、第3案内部材55の上端部や軸41との摺接によって軸41の周りで動きながら徐々に上昇し、送り棒40の前後方向中間部にある切欠き55aからこぼれ落ち、送り棒40の外方の発射台60に排出される。
なお、第4案内部材77を、側面視で、軸41に対して前方に向けて上り勾配を有するようにし、平面視で、送り棒40の後方から前方に向けて送り棒40に近づく方向に傾斜させたが、これはボールBを上昇し易くしたためであり、いずれか一方としてもよい。要は、送り棒40の回動によってボールBが移動することである。このようにすれば、ボールBの支持が不安定となって緊迫感のあるゲームが実現できる。
【0042】
9.ティルト通路80
図12はティルト通路80の平面図である。ティルト通路80は、蛇行通路81が形成された通路板82を備える。通路板82は前後方向に延在する軸82aを中心に回動可能に構成されている。この通路板82の下には、
図13に示すように、三角形の突起83が設けられている。また、盤面の下には、
図14に示すように、前端に第5操作子1eが付設されたレバー84が設けられている。このレバー84は、上下方向に延在する軸84aを中心に回動可能に構成されている。このレバー84の一端は突起83に当接している。
【0043】
第5操作子1eは左右にスライドする操作子であり、第5操作子1eを左右に操作することで、レバー84が回動し、ティルト通路80は左右に傾動する。
【0044】
10.ファイナルジャンプ台90
図15に示すように、ファイナルジャンプ台90は回動アーム91を備えている。回動アーム91は、幅方向に延在する軸91aを中心に回動可能に構成されている。回動アーム91の先端にはボール受け92が設けられている。
【0045】
また、盤面の下には、前端に第6操作子1fが付設されたレバー93が設けられている。このレバー93は、上下方向に延在する軸93aを中心に回動可能に構成されている。このレバー93の後端には突起93bが設けられ、突起93bは回動アーム91に当接している。
【0046】
第6操作子1fは押しボタン式の操作子であり、この第6操作子1fを押圧することで、回動アーム91が回動し、ボール受け92にあるボールBはボール受け92の反転によりゴール地点Gのリング120に入り、リング121が打ち鳴らされる。
【0047】
《遊び方》
スタート地点SにボールBを乗せ、第1操作子1aを押す。すると、ボールBはジグザグ階段10に乗る。この状態で第1操作子1aを押すと右の階段13bだけが上昇し、第1操作子1aから手を離すと右の階段13bが下降する。このような右の階段13bの昇降動作によって、ボールBを左右の階段13a,13bに交互に移動させつつボールBを左の階段13aの最上段まで移動させる。その際、第1操作子1aの操作タイミング等が悪いとボールBがジグザグ階段10からこぼれ落ちたり、ボールBを上手く隣の階段に飛び移らせることができなかったりする。
【0048】
左の階段13aの最上段まで移動したボールBはシーソ通路20に導かれる。シーソ通路20ではボールBはシーソ通路20を行ったり来たりして勢いが減衰したとき観覧車迷路30まで導かれる。観覧車迷路30までボールBが来たならば第3操作子1cを操作する。第3操作子1cを回動操作するとドラム32が回動し、ボールBはドラム32内の迷路に導かれる。そして、第3操作子1cを一方向又は他方向に迷路を抜けるように回動操作しながらボールBをボール導出口32cに導く。そして、ボールBをボール導出口32cから通路33に排出させる。すると、ボールBは、通路33~36を介して、送り棒40の下方に導かれる。
【0049】
ここで、第3操作子1cを反時計方向に回動させると、送り棒40の下方にあったボールBは第1案内部材42によって送り棒40の側方に押し出されつつ第2案内部材43によって上昇させられる。そして、第2案内部材43の前端部に達したボールBは第2案内部材43からこぼれ落ち、ジャンプ台50の打出し筒51aの上に乗る。なお、第3操作子1cの回動操作が過度に速かったりすると、途中でボールBが第2案内部材43からこぼれ落ち、ジャンプ台50の打出し筒51aの上に乗らなかったりする。
【0050】
ジャンプ台50の打出し筒51aの上にボールBが乗った状態で、第2操作子1bを押下げ操作すると、ボールBはその手前の打出し筒51bに飛び移る。再度、第2操作子1bを押下げ操作すると、ボールBはさらに手前の打出し筒51cに飛び移る。そして、打出し筒51cの上にボールBが乗った状態で、第2操作子1bを押下げ操作すると、今度は、ボールBは左方に打ち出され、送り棒40を飛び越えて第3案内部材55と送り棒40との間に落ちる。なお、第2操作子1bの操作が弱かったりすると、途中でボールBが進路外に落ちたりする。
【0051】
ボールBが第3案内部材55と送り棒40との間に落ちた状態で、第3操作子1cを時計方向に回転させると、第3案内部材55及び送り棒40との協働によってボールBが後方に運ばれ、切欠き55aから発射台60に導かれる。なお、この場合も、第3操作子1cの回動操作が過度に速かったりすると、途中でボールBが第3案内部材55からこぼれ落ち、ボールBが進路外に落ちる場合がある。
【0052】
発射台60に導かれたボールBはボール受け61に導かれるが、この状態で、第4操作子1dを引いて手を離すと、上手く行くとボールBがボール受け62に入る。そして、再度、第4操作子1dを引いて手を離すと、ボールBはスロープ64を上ってボウル70に入る。なお、第4操作子1dの操作が弱かったりすると、ボールBがボール受け61に戻ったりする。
【0053】
ボウル70に入ったボールBはボウル70内を動き回り、勢いが弱まった時、孔71a、71bのいずれかに入る。孔71bにボールBが入ると、ボールBは、通路74~76を介して送り棒40の後端部と第4案内部材77との間に導かれる。
【0054】
この状態で、第3操作子1cを反時計方向に回動させると、第4案内部材77及び送り棒40との協働によってボールBが前方に運ばれ、切欠き55aから発射台60に戻る。なお、この場合も、第3操作子1cの回動操作が過度に速かったりすると、途中でボールBが第4案内部材77からこぼれ落ち、ボールBが進路外に落ちる場合がある。
【0055】
一方、孔71aにボールBが入ると、ティルト通路80に導かれる。この状態で、第5操作子1eを操作すると、通路板82が左右に傾動し、蛇行通路81をボールBが移動する。そして、上手く行けば出口までボールBが運ばれ、ボールBを回動アーム91のボール受け92に乗せることができる。なお、第5操作子1eの操作タイミングが悪かったりすると、なかなかティルト通路80から抜け出せなかったり、ティルト通路80からボールBがこぼれ落ちたりする。
【0056】
ボールBが回動アーム91のボール受け92に乗ったら、第6操作子1fを押下げ操作する。これによって回動アーム91が軸91aを中心に回動し、ボールBはゴール地点Gのリング120に入り、リング121が打ち鳴らされる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0058】
上記実施形態では、送り棒40の下方から送り棒40の上方までボールBを上昇させるのに第1案内部材42及び第2案内部材43の2つを設けたが、送り棒40の側方から送り棒40の上方までボールBを上昇させるだけならば、第3案内部材55、77のように軸41に対して搬送方向に上り勾配の上端部を持つ1つの案内部材を設ければ足りる。この場合、平面視で案内部材が送り棒40の軸41と平行に延在していてもよい。或いは、平面視で、搬送方向先で送り棒40に近づくように形成した1つの案内部材を設ければ足りる。
【符号の説明】
【0059】
100 ゲーム装置
110 ゲーム盤
10 ジグザグ階段
20 シーソ通路
30 観覧車迷路
40 送り棒
42 第1案内部材
43 第2案内部材
50 ジャンプ台
60 発射台
70 ボウル
80 ティルト通路
90 ファイナルジャンプ台
B ボール