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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】飛出し玩具
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/00 20060101AFI20220606BHJP
   A63H 13/16 20060101ALI20220606BHJP
【FI】
A63F9/00 502C
A63H13/16
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019188626
(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2021062060
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2021-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】叶内 茂
(72)【発明者】
【氏名】遠山 登守
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】実開平4-5892(JP,U)
【文献】実開昭55-171097(JP,U)
【文献】特開2010-266082(JP,A)
【文献】実開平6-61288(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00 - 11/00
A63H 1/00 - 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛出し部材と、
外壁に複数の差込み孔が設けられるとともに、前記飛出し部材の装填部が設けられた筐体と、
前記差込み孔に1つずつ差し込まれる複数の差込み物と、
前記装填部への前記飛出し部材の装填によって蓄勢されるバネ、前記バネが蓄勢された状態で前記飛出し部材を係止する係止部、所定の前記差込み孔に差し込んだ前記差込み物によって動作される操作部、及び、前記操作部の動力によって前記係止部を動作させて前記飛出し部材の係止を解除させる係止解除部を有し、前記バネの付勢力によって当該飛出し部材を飛び出させる発射装置と、を備えた飛出し玩具であって、
前記飛出し部材を複数有し、
前記飛出し部材を1つずつ装填する複数の前記装填部が設けられるとともに、前記装填部の各々に対応して前記バネ及び前記係止部の組を複数有し、
前記操作部及び前記係止解除部の組が1つ設けられ、前記操作部の動力によって前記係止解除部が全ての前記係止部による係止を同時に解除する、ことを特徴とする飛出し玩具。
【請求項2】
前記筐体は樽状に形成され、前記差込み孔は1つずつ周壁の円周方向に所定間隔で設けられ、
前記操作部及び前記係止解除部の組は前記筐体の中心軸を中心として回転操作可能な柱体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の飛出し玩具。
【請求項3】
前記装填部は前記筐体の天板の円周方向に1つずつ等間隔に設けられ、
前記バネ及び前記係止部の組は、前記柱体と同心的に配置されて平面視で前記柱体を取り囲む1つの環状部材に設けられ、
前記係止部は、水平方向に延在する軸を介して中間部が前記環状部材に支持された係止レバーの一側のアームに設けられ、前記係止レバーの前記軸を中心とする回動によって前記装填部に対して進退可能となっており、
前記係止レバーは、前記係止部が前記装填部に進入する方向にバネによって付勢され、前記飛出し部材の装填途中で前記係止部が当該飛出し部材に摺接されることで当該バネの付勢力に抗して前記装填部から前記係止部が退避する方向に回動され、前記飛出し部材を装填した状態では前記係止部が当該バネの付勢力によって前記装填部に進入して前記飛出し部材を係止することを特徴とする請求項2に記載の飛出し玩具。
【請求項4】
前記操作部は、水平方向に延在する軸を介して中間部が前記柱体に支持された操作レバーの一側のアームに設けられ、
前記操作レバーの他側のアームは、所定の差込み孔に差し込まれた前記差込み物によって前記操作部が押圧された際の当該操作部の動力によって前記係止解除部を上方に動作させて前記係止部による係止を解除することを特徴とする請求項3に記載の飛出し玩具。
【請求項5】
前記係止解除部には下方に向けて拡径する傾斜面が設けられ、前記係止レバーの他側の先端は前記傾斜面に当接していることを特徴とする請求項4に記載の飛出し玩具。
【請求項6】
前記筐体は上半部筐体と下半部筐体とを結合することによって構成され、前記上半部筐体には前記環状部材が固定され、前記下半部筐体には前記操作部及び前記係止解除部の組が前記下半部筐体の中心軸を中心として回転可能に支持されていることを特徴とする請求項5に記載の飛出し玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飛出し玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の差込み孔及び装填部が設けられた筐体と、装填部に装填される飛出し部材と、差込み孔に1つずつ差し込まれる複数の差込み物と、所定の差込み孔に差込み物が差し込まれたときに飛出し部材を飛び出させる発射装置と、を備えた飛出し玩具が知られている(例えば、特許文献1参照)
このうち発射装置は、装填部への飛出し部材の装填によって蓄勢されるバネ、バネが蓄勢された状態で飛出し部材を係止する係止部、所定の差込み孔に差し込んだ差込み物によって動作される操作部、及び、操作部の動力によって係止部による飛出し部材の係止を解除させる係止解除部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公平7-25997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の飛出し玩具では、所定の差込み孔に差込み物を差し込んだときに飛出し部材が筐体から勢いよく飛び出すので、スリル感のあるゲームを行うことができる一方で、筐体には1つの飛出し部材しかセットできず、筐体から飛び出す飛出し部材はその1つであることから、他の玩具に比べると、比較的簡素であり、華やかさに欠けるものであった。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、複数の飛出し部材を同時に飛び出させることができる飛出し玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、
飛出し部材と、
外壁に複数の差込み孔が設けられるとともに、前記飛出し部材の装填部が設けられた筐体と、
前記差込み孔に1つずつ差し込まれる複数の差込み物と、
前記装填部への前記飛出し部材の装填によって蓄勢されるバネ、前記バネが蓄勢された状態で前記飛出し部材を係止する係止部、所定の前記差込み孔に差し込んだ前記差込み物によって動作される操作部、及び、前記操作部の動力によって前記係止部を動作させて前記飛出し部材の係止を解除させる係止解除部を有し、前記バネの付勢力によって当該飛出し部材を飛び出させる発射装置と、を備えた飛出し玩具であって、
前記飛出し部材を複数有し、
前記飛出し部材を1つずつ装填する複数の前記装填部が設けられるとともに、前記装填部の各々に対応して前記バネ及び前記係止部の組を複数有し、
前記操作部及び前記係止解除部の組が1つ設けられ、前記操作部の動力によって前記係止解除部が全ての前記係止部による係止を同時に解除する、ことを特徴とする。
【0007】
第2の手段は、第1の手段であって、
前記筐体は樽状に形成され、前記差込み孔は1つずつ周壁の円周方向に所定間隔で設けられ、
前記操作部及び前記係止解除部の組は前記筐体の中心軸を中心として回転操作可能な柱体に設けられていることを特徴とする。
【0008】
第3の手段は、第2の手段であって、
前記装填部は前記筐体の天板の円周方向に1つずつ等間隔に設けられ、
前記バネ及び前記係止部の組は、前記柱体と同心的に配置されて平面視で前記柱体を取り囲む1つの環状部材に設けられ、
前記係止部は、水平方向に延在する軸を介して中間部が前記環状部材に支持された係止レバーの一側のアームに設けられ、前記係止レバーの前記軸を中心とする回動によって前記装填部に対して進退可能となっており、
前記係止レバーは、前記係止部が前記装填部に進入する方向にバネによって付勢され、前記飛出し部材の装填途中で前記係止部が当該飛出し部材に摺接されることで当該バネの付勢力に抗して前記装填部から前記係止部が退避する方向に回動され、前記飛出し部材を装填した状態では前記係止部が当該バネの付勢力によって前記装填部に進入して前記飛出し部材を係止することを特徴とする。
【0009】
第4の手段は、第3の手段であって、
前記操作部は、水平方向に延在する軸を介して中間部が前記柱体に支持された操作レバーの一側のアームに設けられ、
前記操作レバーの他側のアームは、所定の差込み孔に差し込まれた前記差込み物によって前記操作部が押圧された際の当該操作部の動力によって前記係止解除部を上方に動作させて前記係止部による係止を解除することを特徴とする。
【0010】
第5の手段は、第4の手段であって、前記係止解除部には下方に向けて拡径する傾斜面が設けられ、前記係止レバーの他側の先端は前記傾斜面に当接していることを特徴とする。
【0011】
第6の手段は、第5の手段であって、
前記筐体は上半部筐体と下半部筐体とを結合することによって構成され、前記上半部筐体には前記環状部材が固定され、前記下半部筐体には前記操作部及び前記係止解除部の組が前記下半部筐体の中心軸を中心として回転可能に支持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1の手段によれば、所定の差込み孔に差込み物が差し込まれた際に複数の飛出し部材が飛び出すので、今までにない斬新な飛出し玩具が実現できることになる。また、全ての係止部による係止が1組の操作部及び係止解除部によってなされるので、係止解除装置の構成を比較的に簡易なものとすることができる。
【0013】
第2の手段によれば、発射装置における操作部及び係止解除部材を回転操作することで、操作部に対応する差込み孔が変更されるので、スリル感のある飛出し玩具が実現できる。
【0014】
第3の手段によれば、バネ及び係止部の組の全てが1つの環状部材に設けられているので、取扱いが容易となり、組み立てが容易に行えることになる。
【0015】
第4の手段によれば、操作レバーによって係止解除部材を動作させるので、小さな力で係止解除部材を上方に動作させることができる。この場合、操作レバーが差込み物によって押圧力から解放されたときに、係止解除部材が重力によって下方の初期位置に復帰できるようにすれば、係止解除部材をわざわざ初期位置に復帰させるためのバネ等が不要となる。また、ここでは係止解除部材を上方に動作させるようにしたが、下方に動作させるようにしてもよい。ただし、この場合には、係止解除部材を初期位置に復帰させるためのバネ等が必要となる。
【0016】
第5の手段によれば、係止解除部材の傾斜面に係止レバーの他側が当接しているので、係止解除レバーが動作すると直ぐに係止レバーが動作すると共に、動作前には係止レバーのバネの付勢力によって係止解除レバーが初期位置側に付勢され、誤動作が防止されることになる。
【0017】
第6の手段によれば、上半部筐体には環状部材が固定され、下半部筐体には操作部及び係止解除部の組が下半部筐体の中心軸を中心として回転可能に支持される構造となっているため、環状部材が固定された上半部筐体と、操作部及び係止解除部の組が支持された下半部筐体とを突き合わせて上半部筐体と下半部筐体とを結合することで簡単に玩具本体を組み立てることができる。ここで、玩具本体とは筐体に発射装置を組み込んだものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る飛出し玩具を示した斜視図である。
図2】上半部筐体を示した斜視図である。
図3】下半部筐体を示した斜視図である。
図4】上半部筐体を取り除いた状態の筐体及びその内部を示した平面図である。
図5】発射装置を示した斜視図である。
図6】発射装置における係止装置を示した斜視図である。
図7】発射装置における係止解除装置を示した斜視図である。
図8】係止装置と係止解除装置との係合関係を示した斜視図である。
図9図7の係止解除装置を分解して示した斜視図である。
図10】ゲーム途中の状態の飛出し玩具を示した斜視図である。
図11】飛出し玩具が飛び出した状態の飛出し玩具を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
【0020】
《全体構成》
図1は、実施形態の飛出し玩具100を示した斜視図である。
この飛出し玩具100は、樽状の筐体10と、剣形の差込み物50と、人形の形をした飛出し部材70とを備えている。
このうち筐体10の天板100aには、飛出し部材70を装填する5つの装填穴(装填部)11と、1つのダイヤル摘み12とが形成されている。また、筐体10の周壁には複数の差込み孔13が形成されている。
そして、遊戯者が5つの装填穴11に飛出し部材70を1つずつ装填すると共にダイヤル摘み12を回転させ、差込み孔13に差込み物50を1つずつ差し込んでいく(図10)と、所定の差込み孔13に差込み物50が差し込まれたところで5つの飛出し部材70が同時に飛び出す(図11)。この場合の所定の差込み孔13はダイヤル摘み12の回転位置に依存する。
【0021】
《細部構成》
1.筐体10について
筐体10は樽状に形成されている。すなわち、筐体10は上下方向中央が半径方向外側に膨出し、その内部は概ね空洞となっている。
この筐体10は、上下方向に対して直角な面(第1面)で略同じ厚さに半分に分割可能に構成されている。すなわち、筐体10は、天板100aを有する上半部筐体10a(図2)と、底板100bを有する下半部筐体10b(図3)とから構成され、上半部筐体10aと下半部筐体10bとは第1面に対して略面対称形となっている。上半部筐体10aと下半部筐体10bは上下方向から突き合わされて嵌合又はネジ止めによって互いに組み付けられることによって、1つの筐体10を構成している。
【0022】
上半部筐体10aの天板100aには、図2に示すように、中央に当該天板100aを上下に貫通する円形の孔14が形成されている。また、天板100aには、平面視で円状の孔14を取り囲むように5つの円形の装填穴11が1つずつ円周方向に等間隔に形成されている。装填穴11の底には、当該底を上下に貫通する円形の孔16が形成されていると共に、孔16の直ぐ外側に突起17が当該孔16を挟んで1つずつ直立して設けられている。この突起17があることにより装填穴11への異形物の装填が防止される。なお、装填穴11の周壁の下端部内側には開口11aが形成されている。
また、上半部筐体10aの周壁の下端部には、1つずつ円周方向に等間隔で複数の差込み孔13が形成されている。ただし、差込み孔13は複数あれば、必ずしも、等間隔に形成されていなくてもよい。
【0023】
下半部筐体10bの底板100bには、図3に示すように、中央に上端に開口する円筒状の支柱36が立設されている。
また、下半部筐体10bの周壁の上端部には、1つずつ円周方向に等間隔で複数の差込み孔13が形成されている。この差込み孔13は3つ以上形成されていることが好ましい。下半部筐体10bに形成された差込み孔13は、上半部筐体10aのそれと同数で、且つ、円周方向に互い違いとなるように形成されている。
【0024】
2.発射装置20について
(1)発射装置20の構成
筐体10内には、図4に示すように、飛出し部材70を飛び出させるための発射装置20が設けられている。
発射装置20は、図4及び図5に示すように、飛出し部材70を蓄勢状態で係止する係止装置21と、係止装置21による飛出し部材70の係止を解除して蓄勢力を開放する係止解除装置22とを備える。係止装置21は図6に示すように略環状に構成され、一方、係止解除装置22は図7に示すように略棒状に構成されて係止解除装置22の下方から挿入できるように構成されている。ここで、特に限定はされないが、係止装置21は、後述の筒体24外側の舌片に形成したネジ挿通孔24b(図6)を利用して上半部筐体10aの内側にネジ止めされている。そして、図4に示すように平面視で、係止解除装置22は筐体10の中央に設けられ、係止装置21は係止解除装置22を取り囲んだ形となるように設置されている。
【0025】
(2)係止装置21の構成
図6に示すように、係止装置21は環状の枠体23を備え、枠体23には上端が開口する円形の穴を持つ筒体24が1つずつ円周方向に等間隔に5個設けられている。各筒体24の穴の内部には、下側にコイルバネ25と、上側に押圧子26とが設置されている。そして、押圧子26はコイルバネ25によって上方に向けて付勢され、常態では、装填穴11の孔16を介して装填穴11内に進入している。各筒体24は、枠体23の上下に亘って延びており、枠体23よりも上側部分の内側には切欠き部24aが形成されている。各筒体24は、上半部筐体10aの装填穴11の下に設けられている。
筒体24の周壁内側には、上下方向に延在する凸条27が形成されている。一方、押圧子26は、有天円筒状に形成され、周壁の外側下端には外向きのフランジ26aが形成され、フランジ26aには、上記凸条27に係合する窪み26bが形成されている。そして、凸条27と窪み26bとの係合によって、押圧子26の上下動が案内される。
【0026】
また、枠体23の各筒体24の内側には係止レバー28が設けられている。係止レバー28は、水平方向に延在する軸29を介して中間部が支持され、当該軸29を中心に回動可能となっている。
係止レバー28の上側のアームは切欠き部24aに対向して延び、当該アームの先端には外向きの突起30が形成されている。突起30は、係止レバー28の回動によって、切欠き部24a及び開口11aを通して装填穴11の内部に対して進退可能となっている。
係止レバー28の、下側のアームは枠体23の下方まで延び、当該アームの先端には内向きの突起31が形成されている。突起31は、後述の係止解除部材35の傾斜面43に当接している。
係止レバー28は上側のアームが切欠き部24aに近付く方向にトーションバネ(図示せず)によって付勢されている。
【0027】
(3)係止解除装置22の構成
係止解除装置22は、図8に示すように、柱体33と、ダイヤル摘み12と、操作レバー34と、係止解除部材35とから構成されている。
【0028】
柱体33は、中空円柱状に構成され、上下方向の中間部が一定径となっている。柱体33の下端部は中間部よりも小径となっている。この小径部分33aは、下半部筐体10bの中央に立設された支柱36(図3)の開口に嵌合される。
また、柱体33の上端部も中間部よりも小径となっている。この小径部分33bは、ダイヤル摘み12の下面に形成された孔(図示せず)に嵌合されている。そして、ダイヤル摘み12は小径部分33bにネジやピンによって固定されている。このダイヤル摘み12は、組立上で筐体10の孔14に下方から挿入可能としておくことが好ましいが、ダイヤル摘み12の径を孔14の径よりも大きくし、小径部分33bを筐体10の孔14に下方から挿入した後にその小径部分33bにダイヤル摘み12を取り付けるようにしてもよい。
さらに、柱体33には、上端に切込み口を有する切れ目37が形成されている。切れ目37は、柱体33の上端から当該柱体33の高さの3/5程度の深さにまで亘って形成されている。切れ目37の下端部の幅は、それよりも上の部分の幅よりも大きくなっている。切れ目37の広幅部分には操作レバー34の上側のアームが挿入されている。
また、柱体33の切れ目37の縁には、舌片状の軸支部38が形成されている。この軸支部38には、操作レバー34の軸39が支持されている。
【0029】
ダイヤル摘み12は、遊戯者によって回転操作され、筐体10の中心軸を中心に係止解除装置22全体を回転させるものである。この係止解除装置22の回転によって、筐体10に対する操作レバー34の被押圧部41の回転位置を変えることができる。
【0030】
操作レバー34は、上下方向に延在し、上下方向の中間部が軸支部38に軸39を介して支持されている。操作レバー34の上側のアームは、切れ目37の広幅部分から柱体33の内部に挿入されている。上側のアームの先端には押上げ部40が形成されている。押上げ部40は係止解除部材35のブリッジ42に下方から当接している。一方、操作レバー34の下側のアームは、柱体33の外側に位置し、当該アームの外側には平面状の被押圧部(操作部)41が形成されている。
【0031】
係止解除部材35は円錐台状に形成され、外周面は下方に向けて徐々に拡径するような傾斜面43となっている。係止解除部材35には、平面視中央に上下方向に貫通する孔44が形成されている。また、孔44の縁には、孔44の中心を通る直線状のブリッジ42が設けられている。ブリッジ42は、係止解除部材35の孔44を柱体33に上方から嵌合させる際に切れ目37に入り込む。これによって、係止解除部材35は、柱体33に対して回り止めされた状態で上下動可能となっている。
なお、飛出し玩具100を組み上げた状態では、図9に示すように、傾斜面43は、上記係止レバー28の突起31と当接する。
【0032】
3.差込み物50
図1に示すように、差込み物50はグリップ51、ガード52及びブレード53を有している。ブレード53には切り込みによって区画された弾性爪54が設けられている。弾性爪54は、差込み物50が差込み孔13に挿入された際に、差込み孔13の縁に係合して差込み状態を保持する。
【0033】
4.飛出し部材70
図1に示すように、飛出し部材70はこけし状に形成されている。すなわち、飛出し部材70は丸い頭71と円筒状の胴72とを備えている。胴72は装填穴11に嵌合可能となっている。胴72の下端には胴72と同心的な環状穴(図示せず)が形成され、この環状穴は、飛出し部材70を装填穴11に装填する際に上記突起17に嵌まり合う。
また、飛出し部材70の胴72の下端には外向きフランジ73が形成されている。このフランジ73に上記係止レバー28の突起30が係合することによって、飛出し部材70が係止される。
【0034】
《動作》
このように構成された飛出し玩具100によれば、先ず、5つの飛出し部材70の胴72を1つずつ5つの装填穴11に押し込む。このとき、係止レバー28の突起30が飛出し部材70のフランジ73の下面に摺接しながら装填穴11から退避する。そして、突起30よりもフランジ73が下方まで押し込まれると、バネ(図示せず)の付勢力によって係止レバー28が回動し、突起30が装填穴11に進入してフランジ73に係合する。これによって、飛出し部材70は装填穴11内に係止される。また、このとき飛出し部材70の底面によって押圧子26が下方に押されてコイルバネ25が蓄勢される。
【0035】
次に、ダイヤル摘み12を回転させる。すると、ダイヤル摘み12に追従して係止解除装置22も回転し、筐体10に対する被押圧部41の回転位置が変化する。
【0036】
これによりゲームの準備が終了し、ゲームが開始される。ゲームでは、筐体10の複数の差込み孔13に1つずつ差込み物50を差していく(図10)。そして、被押圧部41に対応する差込み孔13に差込み物50が差し込まれると、当該差込み物50の先端で操作レバー34の被押圧部41が押される。これによって、操作レバー34が所定方向に回動し、操作レバー34の押上げ部40が係止解除部材35のブリッジ42を下方から押圧する。すると、係止解除部材35が上動し、傾斜面43に突起31が摺接し、係止レバー28が回動して突起30が装填穴11から退避する。そして、コイルバネ25の付勢力によって5つの飛出し部材70が装填穴11から同時に飛び出す(図11)。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を変更しない範囲で、種々変形可能である。
例えば、上記実施形態では、差込み物50で操作レバー34を回動させ、この回動によって係止解除部材35を上動させて5つの係止レバー28による係止を解除させるようにしたが、操作レバー34を用いずに、係止解除部材35に傾斜面を形成しておき、差込み物50と当該傾斜面との摺接によって1つの係止解除部材35を動作させるようにしてもよい。
【0038】
また、係止レバー28の代わりに、半径方向に動作しバネによって装填穴11に進入する方向に付勢された爪部材を設けておき、これを係止解除部材35との摺接によって装填穴11から退行する方向に動作させてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10 筐体
10a 上半部筐体
10b 下半部筐体
11 装填穴(装填部)
13 差込み孔
20 発射装置
21 係止装置
22 係止解除装置
23 枠体
24 筒体
25 コイルバネ
26 押圧子
28 係止レバー
30 突起(係止部)
33 柱体
34 操作レバー
35 係止解除部材
41 被押圧部(操作部)
50 差込み物
70 飛出し部材
100 飛出し玩具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11