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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】多軸固定ポスト
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/86 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
A61B17/86
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019537157
(86)(22)【出願日】2018-01-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-06
(86)【国際出願番号】 US2018012478
(87)【国際公開番号】W WO2018129247
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-01-22
(31)【優先権主張番号】62/444,148
(32)【優先日】2017-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502427840
【氏名又は名称】ジンマー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ロルフ ホプキンス
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-538929(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0156646(US,A1)
【文献】国際公開第91/003213(WO,A1)
【文献】特表2016-513535(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0030675(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0233071(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/84 - 17/86
A61F 2/28 - 2/30
A61C 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科用装置を骨に取り付けるための固定ポストであって、
テクスチャード加工された外面を有する準球状ヘッドと、
前記準球状ヘッドに取り付けられた近位端と、該近位端と反対側の遠位端と、前記近位端と遠位端との間の支持面とを含む軸と、
近位のスリーブ面から遠位のスリーブ面に延在し、円筒状の外面と内部孔面を有する中央孔を含み、前記近位のスリーブ面から前記遠位のスリーブ面まで前記軸を周方向に取り囲む多孔質金属スリーブあって、前記内部孔面は、前記支持面の形状と実質的に一致する形状とされ、それによって前記軸に対する多孔質金属スリーブの回転を防止する回転防止機能部を形成する、多孔質金属スリーブと、
前記多孔質金属スリーブを前記軸上に保持するために前記軸の前記遠位端に取り付けられたキャップと、
を含み、
前記多孔質金属スリーブの近位のスリーブ面は前記準球状ヘッドと接触し、前記多孔質金属スリーブの遠位のスリーブ面は前記キャップと接触する
固定ポスト。
【請求項2】
前記準球状ヘッド及び前記軸は、単一のコアを形成する、請求項1に記載の固定ポスト。
【請求項3】
前記回転防止機能部は、概ね楕円形の断面を有する前記軸を含む、請求項1に記載の固定ポスト。
【請求項4】
前記回転防止機能部は、前記遠位のスリーブ面に一致するように構成されたテクスチャード加工された近位のキャップ面をさらに含む、請求項1に記載の固定ポスト。
【請求項5】
前記キャップは、遠位のキャップ面を含み、前記遠位のキャップ面は、概ね半球形状である、請求項1に記載の固定ポスト。
【請求項6】
前記キャップは、遠位のキャップ面を含み、前記遠位のキャップ面は、概ね円錐形状である、請求項1に記載の固定ポスト。
【請求項7】
前記軸は、テーパ状にされている、請求項1に記載の固定ポスト。
【請求項8】
前記軸は、遠位端の円形断面積よりも大きい近位端の円形断面積を含む、請求項7に記載の固定ポスト。
【請求項9】
前記軸は、遠位端の円形断面積よりも小さい近位端の円形断面積を含む、請求項7に記載の固定ポスト。
【請求項10】
前記多孔質金属スリーブの外面は、天然海綿質の骨の微細構造に近似させ、それによって、骨の成長を組み込むための骨伝導性マトリックスを提供する、請求項1に記載を固定ポスト。
【請求項11】
前記準球状ヘッドのテクスチャード加工された外面は、三次元モザイク細工を含む、請求項1に記載の固定ポスト。
【請求項12】
前記三次元モザイク細工は、複数の多角形要素を含む、請求項11に記載の固定ポスト。
【請求項13】
前記多角形要素は、三角形要素である、請求項12に記載の固定ポスト。
【請求項14】
前記準球状ヘッドのテクスチャード加工された外面は、複数の最も内側の凹部を含む、請求項1に記載の固定ポスト。
【請求項15】
前記テクスチャード加工された外面は、前記準球状ヘッドの50%超を覆う、請求項1に記載の固定ポスト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許出願は、35U.S.C.セクション第119(e)の下で、アンドリュー・ホプキンス(ANDREW HOPKINS)により「多軸固定ポスト(POLY-AXIAL FIXATION POSTS)(弁理士係属番号4394.J33PRV)と題する、2017年1月9日に提出の米国特許出願第62/444,148号明細書の優先権の利益を主張するものでありその全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概ね、医療技術に関し、特定の態様において、第1の整形外科用コンポーネントを第2の整形外科用コンポーネント、例えば、関節窩ベースプレートへのポストなどに調整可能に接続するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの整形外科用装置は、インプラント(例えば、プレート)を骨に取り付けるためにネジを使用する。インプラントされたネジは、インプラントと骨の間の初期圧縮を緩めるか、さもなければ解放しうるので、インプラントの圧縮を維持するよりむしろ、構造的支持の役割を果たすに過ぎない。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、以下に記載される特定の実施例において、整形外科用コンポーネントを統合又は接続するための独自の方法及びシステムを提供する。これらの非限定的な実施例の各々は、それ自体でも成り立つことができ、又は他の実施例のいずれか1つ以上と様々な順列又は組合せることも可能である。
【0005】
実施例1は、整形外科用装置を骨に取り付ける方法を含む方法などの主題を含むか、又は使用してもよい。本主題は、患者の関節窩に、ベースプレートであって該ベースプレートを通して延びる少なくとも第1の締結具用孔を含むベースプレートを配置することと、第1の固定ポストを関節窩内に配置するために、第1の締結具用孔を通過させることによって、関節窩内に第1のポスト穴を形成することとを含み、
第1の固定ポストは、第1の固定ポストの遠位端にそこから延びる軸を有する準球状ヘッドを含み、
準球状ヘッドは、第1の締結具用孔の少なくとも第1の壁を接触させるためのテクスチャード加工された外面を含み、第1の固定ポストは、また、軸上に受容された多孔質金属スリーブを含み、
該方法は、第1の固定ポストの遠位端を第1の締結具用孔を通して第1のポスト穴内に押し込むことによって、多孔質金属スリーブの外面が第1のポスト穴の面と係合し、準球状ヘッドのテクスチャード加工された外面が第1の締結具用孔の少なくとも第1の壁に接触して、準球状ヘッドをベースプレートに取り外し可能にロックすることを含み、
上記押し込みにより、ベースプレートと関節窩との間に初期圧縮が生成され、多孔質金属スリーブは、ベースプレートと関節窩との間の初期圧縮を維持するために、多孔質金属スリーブ内への骨の内部成長を受容するように構成される、方法を含んでいてもよい。
【0006】
実施例2は、実施例1の主題を含む、又は、任意選択的に組み合わせて、穿設によって関節窩に第1のポスト穴を形成することを任意選択的に含んでいてもよい。
【0007】
実施例3は、実施例1又は2の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、第1のポスト穴を穿設することは、ドリルビットを、ドリルビットに回転運動を加えて、第1のポスト穴から骨材料を除去する工具と組み合わせて使用することを含んでいてもよい。
【0008】
実施例4は、実施例1~3の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、チゼル工具(chisel tool)に線形運動を与える工具と組み合わせて、前記チゼル工具を使用して第1のポスト穴を穿設して第1のポスト穴から骨材料を除去することを任意選択的に含んでいてもよい。
【0009】
実施例5は、実施例1~4の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、準球状ヘッドのテクスチャード加工された外面の面の少なくとも一部を第1の締結具用孔の少なくとも第1の壁に位置決めすることによって、第1の締結具用孔の少なくとも第1の壁を準球状ヘッドのテクスチャード加工された外面と接触させることを任意選択的に含んでいてもよい。
【0010】
実施例6は、実施例1~5の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、第1の固定ポストの準球状ヘッドに衝撃荷重力を加えることによって第1の固定ポストの遠位端を押し込むことを任意選択的に含んでいてもよい。
【0011】
実施例7は、実施例1~6の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、第1の固定ポストの遠位端を、第1の固定ポストの準球状ヘッドに押圧荷重力を加えることによってねじ込むことを任意選択的に含んでいてもよい。
【0012】
実施例8は、実施例1~7の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、第2の固定ポストを関節窩内に配置するために、第2の締結具用孔を通過させることによって、関節窩内に第2のポスト穴を形成することを任意選択的に含み、第2の固定ポストは、第2の固定ポストの遠位端にそこから延びる軸を有する準球状ヘッドを含み、準球状ヘッドは、第2の締結具用孔の少なくとも第1の壁を接触させるためのテクスチャード加工された外面を含み、第2の固定ポストは、軸上に受容された多孔質金属スリーブも含み、第2の固定ポストの遠位端を前記第2の締結具用孔を通して第2のポスト穴内に押し込むことによって、多孔質金属スリーブの外面が第2のポスト穴の面と係合し、準球状ヘッドのテクスチャード加工された外面が第2の締結具用孔の少なくとも第1の壁と係合して、準球状ヘッドをベースプレートに取り外し可能にロックするようにし、押し込みにより、ベースプレートと関節窩との間に初期圧縮を生成し、多孔質金属スリーブは、ベースプレートと関節窩との間の上記初期圧縮を維持するために、多孔質金属スリーブ内への骨の内部成長を受容するように構成されていてもよい。
【0013】
実施例9は、実施例1~8の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、第1の固定ポストとは独立して位置合わせされる第2の固定ポストを任意選択的に含む。
【0014】
実施例10は、実施例1~9の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、準球状ヘッドのテクスチャード加工された外面の面の少なくとも一部を第2の締結具用孔の少なくとも第1の壁に位置決めすることによって、第2の締結具用孔の少なくとも第1の壁を準球状ヘッドのテクスチャード加工された外面と係合させることを任意選択的に含んでいてもよい。
【0015】
実施例11は、実施例1~10の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、第2の固定ポストの準球状ヘッドに衝撃荷重力を加えることによって第2の固定ポストの遠位端を押し込むことを任意選択的に含んでいてもよい。
【0016】
実施例12は、実施例1~11の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、第2の固定ポストの遠位端を、第2の固定ポストの準球状ヘッドに押圧荷重力を加えることによって押し込むことを任意選択的に含んでいてもよい。
【0017】
実施例13は、装置などの主題を含む、又は使用してもよい。本主題は、
整形外科用装置を骨に取り付けるための固定ポストであって、
テクスチャード加工された外面を有する準球状ヘッドと、
準球状ヘッドに取り付けられた近位端と、該近位端と反対側の遠位端と、近位端と遠位端との間の支持面とを含む固定ポストとを含む軸と、
孔面を有する中央孔を含み、軸の少なくとも一部を取り囲む多孔質金属スリーブあって、孔面は、支持面と実質的に一致する多孔質金属スリーブと、
多孔質金属スリーブを前記軸上に保持するために軸の遠位端に取り付けられたキャップとを含む、固定ポストを備えうる。
【0018】
実施例14は、実施例13の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、単一のコアを形成する準球状ヘッド及び軸を任意選択的に含んでいてもよい。
【0019】
実施例15は、実施例13又は14の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、準球状ヘッドと接触する近位のスリーブ面と、キャップと接触する遠位のスリーブ面とを有する多孔質金属スリーブを任意選択的に含んでいてもよい。
【0020】
実施例16は、実施例13~15の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、前記軸上の回転防止機能部を任意選択的に含んでいてもよい。
【0021】
実施例17は、実施例13~16の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、回転防止機能部として働く軸の概ね楕円形の断面を任意選択的に含んでいてもよい。
【0022】
実施例18は、実施例13~17の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、遠位のスリーブ面に一致するように構成された、テクスチャード加工された近位のキャップ面を有する回転防止機能部を任意選択的に含んでいてもよい。
【0023】
実施例19は、実施例13~18の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、概ね半球形であるキャップの遠位のキャップ面を任意選択的に含んでいてもよい。
【0024】
実施例20は、実施例13~19の主題を含む、又は任意選択的に組み合わせて、概ね円錐形である前記キャップの遠位のキャップ面を任意選択的に含んでいてもよい。
【0025】
この概要は、本特許出願の主題の要約を提供するためのものである。本発明の排他的又は網羅的な説明を提供することは意図されていない。詳細な説明は、本特許出願についてのさらなる情報を提供するために含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図面において、必ずしも縮尺通りに描かれていないが、同様の数字は、異なる図面における同様のコンポーネントを示すものである。異なる文字接尾語を有する同様の数字は、類似のコンポーネントの異なる例を表すことができる。図面は、概ね、本明細書で議論される様々な実施形態を限定するものではないが、一例として、様々な実施形態を示すものである。
【0027】
図1】例示的な固定ポストの側面図を示す。
図2】例示的な固定ポストの分解等角図を示す。
図3A】例示的なプレートの断面を示す。
図3B】完全な球体の半径を示す。
図3C】本開示の一実施形態による、テクスチャード加工された外面を有する準球 状部材を示す。
図4A】異なる密度のテクスチャード加工された外面を有する準球状部材の例を示す。
図4B】異なる密度のテクスチャード加工された外面を有する準球状部材の例を示す。
図4C】異なる密度のテクスチャード加工された外面を有する準球状部材の例を示す。
図4D】異なる密度のテクスチャード加工された外面を有する準球状部材の例を示す。
図5A】第1の例示的な固定ポストの断面を示す。
図5B】第2の例示的な固定ポストの断面を示す。
図6】整形外科用インプラント組立体600の一例の断面を示す。
図7】整形外科用装置を骨に取り付けるための例示的な方法を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、例示的な固定ポスト100の側面図を示す。固定ポスト100は、関節窩ベースプレートなどの外科用インプラントを患者の骨などの患者に取り付けるために使用してもよい。固定ポスト100は、コア110と、コア110の少なくとも一部の周りに配置され得るスリーブ120のようなスリーブ120と、コア110にスリーブ120を保持するためにコア110に取り付けられたキャップ130とを含みうる。固定ポスト100は、近位端102及び遠位端104を含んでいてもよい。
【0029】
コア110は、適切な外科用ポスト、ネジ及びロッドのうちの少なくとも1つなどの適切な締結具を含んでいてもよい。適切な締結具は、ヘッド部分と、ヘッド部分に取り付けられた軸部分とを含んでいてもよい。コア110の最長寸法に沿って延びる中心軸線に対して垂直に測定される直径などのヘッド部分の直径は、軸部分の直径よりも大きくしてもよい。一例では、スリーブ120は、コア110の軸部分の周りに配置することができ、例えば、スリーブ120の端部は、コア110のヘッド部分と接触してもよい。コア110の最長寸法に沿って延びる中心軸線に対して垂直に測定される直径などのキャップ130の直径は、軸部分の直径よりも大きくしてもよい。キャップ130は、ヘッド部分と反対側の軸部分の端部など、コア110に取り付けることができ、ヘッド部分及びキャップ130などのスリーブ120に接触することにより、スリーブ120をコア110の軸部分に保持してもよい。
【0030】
図2は、例示的な固定ポスト100の分解等角図を示す。コア110は、準球状ヘッド112及び軸114を含んでいてもよい。コア110は、単一のコアを含んでいてもよく、準球状ヘッド112及び軸114は、一体的に形成された単一のコンポーネントを形成してもよい。
【0031】
準球状ヘッド112は、関節窩ベースプレートに、例えば、着脱自在にロックするように、関節窩ベースプレート内の締結具用孔の壁などの外科用インプラントと相互作用することができ、これにより、準球状ヘッド112を関節窩ベースプレートにロックする。準球状ヘッド112は、近位のヘッド面111と、近位のヘッド面111と概ね平行であり得る遠位のヘッド面113などの遠位のヘッド面113とを含んでいてもよい。
【0032】
図3Aは、関節窩ベースプレートのような、例示的なプレート350の断面を示す。プレート350は、締結具用孔356を含んでいてもよい。適切な孔はテーパ状又は非テーパ状でもよい。この場合、締結具用孔356は、締結具用孔356内への頂部又は締結具用孔356への入口の近くに位置する第1の半径45と、締結具用孔356から底部又は出口の近くに位置する第2の半径46とを含むように、テーパ状としてもよい。任意選択的に、第1の半径45及び第2の半径46は、準球状部材20(図3C参照)上の測定値に関連してもよい。適切な孔は、任意の適切な三次元形状、例えば、直線状及び/又は曲線状の特徴を組み込むことであり得るか、又は組み込まれ得る。適切な孔は、円錐台形状を有していてもよい。雌型孔の適切な形状は、楔形、テーパ状体、環状体、円錐、懸垂面、直方体、平行六面体、角柱、及びそれらの組み合わせの完全及び部分な形状であるか、またはそれらを含むことができる。適切な形状としては、完全又は部分円筒、直方体、円錐、角錐及び四面体、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。準球状ヘッド112などのテクスチャード加工された外面を有する準球状部材20と、準球状部材20を受容することができる締結具用孔356などの孔とは、2014年12月2日に出願され、「Adjustable Orthopedic Connections」というタイトルが付けられ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、共通所有の米国出願シリアル番号14/557、763に開示されたもののいずれかとしてもよい。
【0033】
図3Bは、半径23を有する完全な球体21を示す。図3Cは、準球状部材20の全体を本質的に覆う例示的なテクスチャード加工された外面11を含む準球状ヘッド112の少なくとも一部のような準球状部材20を示す。本開示の特定の態様によれば、本開示による準球状部材又は他の雄型コネクタは、準球状部材20又は別のコネクタの50%超、又は65%超、又は75%超、又は85%超を覆うテクスチャード加工された外面を組み込むことができる。いくつかの例では、テクスチャード加工された外面11は、準球状部材20又は他のコネクタの約25%から約50%の間、又は約35%から約75%の間、又は約50%から約90%の間、又は約60%から約100%の間を覆うことができる。
【0034】
図3Cを参照して続けると、この特定のテクスチャード加工された外面11は、三次元モザイク細工80を組み込むことができる。適切なモザイク細工は、多角形要素78のような複数の多角形要素を組み込むことができる。この特定の例では、多角形要素は三角形要素又は面81である。本開示の追加的な態様によるテクスチャード加工された外面は、他の適切な三次元モザイク細工を組み込むことができる。特定の実施形態では、本開示による準球状部材又は他の雄型コネクタは、限定されないが、積み重ねられた直方体、菱形十二面体、切頭八面体、六方晶プリズム、又は三角形プリズムなど、複数の積層多面体を模倣又は近似する。いくつかの形態では、本開示による準球状部材又は他の雄型コネクタは、均一、及び不均一なハニカムを含む多面体セルのハニカムを模倣又は近似していてもよい。
【0035】
さらに続けて図3Cを参照するが、テクスチャード加工された外面11は、本実施形態では、以下に説明するように三角形面の頂点で生じる複数の最外延長部12を含んでいてもよい。準球状部材20の中心から最外側延長部12までの距離は、第1の半径45と等しくしてもよい。必須ではないが、最外側延長部12の少なくとも2つを接続するアークは、完全な球体21の円弧とほぼ同じ曲率を有していてもよい。テクスチャード加工された外面11は、本実施形態では以下に説明するように三角形面の中心に生じる複数の最も内側の凹部13を含んでいてもよい。準球状部材20の中心から最も内側の窪み13までの距離は、第2の半径46と等しくしてもよい。必須ではないが、最も内側の凹部の少なくとも2つの間を接続するアークは、完全な球体21の円弧とほぼ同じ曲率を有していてもよい。テクスチャード加工された外面11と締結具用孔の壁との間の確実に把持が、1つ以上の界面22において生じうる。必須ではないが、第1の半径45と第2の半径46との関係は、以下のようにしてもよい。R=完全な球体Hの半径23とすると、第1の半径45=R+t、そして、第2半径46=R-t、「t」は可変テクスチャード加工面11を生成するように変更可能な変数である。
【0036】
図4A~Dは、モザイク細工パターン80の密度のスペクトルを示す。図4Aは、多角形要素78の低密度28を有する準球状部材20を提供する。図4Dは、多角形要素78の高密度27を有する準球状部材20を提供する。図4B~4Cは、多角形要素78の、より低い及びより高い中間密度29を有する準球状部材20を示している。より高い密度を有する準球状部材20は、高品質な球状マッピングが可能となる。準球状部材20は締結具用孔内で調整することができるので、高品質のマッピングは、ベースプレートに対する準球状ヘッド112の可能な配向又は角度位置のより大きなスペクトルを可能にしてもよい。
【0037】
図4Aは、多角形面要素78の特徴を示す。個々の多角形86は、準球状部材20上の外面を形成する外面87を有していてもよい。外面87は、外面87の縁としての弦89を含んでいてもよい。各コード89は、隣接する多角形79の弦89と連続してもよい。弦89は、各端部が頂点88内で終端してもよい。多角形86の各頂点88は、隣接する多角形79の頂点88と連続してもよい。接続部材のテクスチャード加工された外面に組み込むことができる、本明細書で開示された任意の数のこれら外面特徴部(例えば、縁部、弦、平面又は非平坦面、頂点等)及び/又は他の外面特徴部のいずれかは、孔内の壁又は面とある程度、強制的に接触することができ、ある場合には、このような強制接触時に、そのような面特徴部を押し潰すか又は変形する材料で形成することによって、孔の中の雄型接続部材を取り外し可能にロックするか、又は取り外し可能にロックできるように補助する。一例では、接続部材(例えば、準球状部材)のテクスチャード加工された外面上の複数の平面又はほぼ平坦な面は、それぞれ、孔(例えば、円筒形又は円錐形)の湾曲した壁に部分的に接触してもよい。
【0038】
本開示の特定の態様によれば、本開示による準球状部材又は他の雄型コネクタは、例えば、概ね平坦な面の組み合わされた領域が、準球状部材又は別の雄型接続部材の50%を超える、又は65%を超える、又は75%を超える、又は85%を超える、複数の概ね平坦な面を含むことができるテクスチャード加工された外面を組み込むことができる。いくつかの例では、概ね平坦な面の組み合わされた領域は、準球状部材又は他の雄型接続部材の約25%から約50%、又は約35%から約75%、又は約50%から約90%、又は約60%から約100%を覆うことができる。
【0039】
準球状ヘッド112は、準球状部材20の体積の少なくとも一部のような準球状部材20を含んでいてもよい。一例では、準球状ヘッド112は、準球状部材20の体積の一部、例えば、準球状部材20の体積の約25%~100%の範囲内の体積、例えば、準球状部材20の体積の約30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、及び100%を含んでいてもよい。
【0040】
再び図2を参照すると、軸114は、固定ポスト100が締結具として作用することができるときなど、固定ポスト100の機械的支持を提供してもよい。軸114は、近位の軸端115と、近位の軸端115と対向する遠位の軸端116と、近位の軸端115と遠位の軸端116との間に延びる軸114の面などの支持面117とを含んでいてもよい。軸114は、軸114の最長寸法に沿って延びる中心軸線、例えば、1つ以上の断面積など、中心軸線に対して垂直な軸114の断面積の重心を通って延びる軸を含んでいてもよい。断面積は、円又は楕円などの対称的な領域、又は非対称的な領域を含んでいてもよい。一例では、軸114は、円形断面を有する軸114のような直円柱、又は楕円形断面を有する軸114のような真楕円柱を含んでいてもよい。
【0041】
軸114は、生体適合性材料、例えば、1種以上の生体適合性材料から構成してもよい。生体適合性材料は、セラミック、合成ポリマー材料、及びチタン、チタン合金、コバルトクロム、コバルトクロムモリブデン、タンタル、タンタル合金、ステンレス鋼、又はそれらの組合せなどの金属材料を含んでいてもよい。
【0042】
スリーブ120は、軸114の少なくとも一部など、コア110の少なくとも一部を取り囲むことができる。スリーブ120は、患者の骨の穴の壁などの患者のインターフェイス面に取り付けられるよう、外面などの面を提供してもよい。患者の骨の穴は、固定ポスト100を受け入れて、固定ポスト100を患者の骨に固定するように構成することができ、例えば、ベースプレートと患者の骨との間など、固定ポスト100によって接続された2つのコンポーネント間に初期圧縮を提供する。スリーブは、患者が治癒する間にベースプレートと患者の骨との間の初期圧縮を維持するために、骨組織などの組織の内部成長のための多孔質面などの面を提供し、患者の骨内に固定ポスト100を保持してもよい。スリーブ120は、近位の端面125、近位の端面125とほぼ平行な遠位の端面126、軸114の支持面117と実質的に一致する孔面127などの孔面127を有する中央孔、及び患者の骨と接触することができる外面128を含んでいてもよい。
【0043】
スリーブ120は、軸114に実質的に一致していてもよい、言い換えれば、孔面127は、軸114から伝達される荷重をスリーブ120に分配するために、軸114の支持面117に実質的に一致していてもよい。「実質的に一致する」とは、支持面117及び孔面127のような二面間の接触インターフェイス面の量を表すものであり、例えば、孔面127と支持面117との間のインターフェイス面を形成することを表すことができる。スリーブ120は、孔面127の実質的な部分が軸114の支持面117と接触することができるときなど、軸114に実質的に一致していてもよい。孔面127の実質的な部分は、孔面127の約60%、70%、80%、90%、又は100%など、孔面127の約50%から100%の範囲を含んでいてもよい。一例では、例えば、軸114の直径、長さ、テーパ形状などのような第1のセットの物理的寸法を有する軸114と、軸114と概ね同じ第1のセットの物理的寸法を有する孔面127は、例えば、スリーブ120を軸114上にスライドさせることによって、孔面127を支持面117上に位置させたときなどに、互いに実質的に一致することができる。遠位の軸端116は、スリーブ120の遠位の端面126とほぼ平行であるか、又はキャップ130を受容するように遠位の端面126から突出してもよい。
【0044】
スリーブ120は、スリーブ120と軸114との間の動きを最小にするために、コア110上に配置してもよい。動きを最小限にすることは、外科用インプラントと患者の骨との間の圧縮力を維持することに寄与することができ、スリーブ120内への骨組織の内部成長を維持するとともに、固定ポスト100を患者の骨の中により恒久的に一体化する。
【0045】
スリーブ120と軸114との間では、長手方向の動きを発生させ、軸114の中心軸線に沿った方向にスリーブ120が軸114に対して移動することができるようにしてもよい。スリーブ120を準球状ヘッド112とキャップ130との間にぴったりと配置することなどによって、長手方向の動きを最小限にしてもよい。一例では、スリーブ120は、コア110上に配置することができ、軸114と実質的に一致する。キャップ130は、軸114の、例えば、遠位の軸端116に、及び、スリーブ120の遠位の端面126に取り付けて、遠位のヘッド面113に対してスリーブ120の近位の端面125を配置し、軸114の中心軸線に沿ったスリーブ120の線形運動を最小にするように取り付けることができる。
【0046】
スリーブ120が軸114の周りを回転することができるように、スリーブ120と軸114との間に回転運動を生じさせることができる。回転運動を阻止するように構成可能な固定ポスト100の特性などの回転防止機能部を使用することなどによって、回転運動を最小限に抑えることができる。一例では、軸114は、楕円形断面などの非円形断面を有するように構成することができ、スリーブ120の孔面127は、非円形断面に実質的に一致させることができる。スリーブ120に加えられる回転力は、軸114によって生成される反対の力によって、例えば、スリーブ120と軸114との間のインターフェイスにおいて楕円形断面の主頂点付近に生成される力によって抵抗を受け、軸114の周りにスリーブ120の回転運動を最小限にしてもよい。
【0047】
図5A及び図5Bは、第1の例示的な固定ポスト100及び第2の例示的な固定ポスト100の断面をそれぞれ示す。軸114を規定する断面積、例えば、軸114の中心軸線に対して垂直な軸114の断面積は、軸114の中心軸線に沿った平面積が変化し、中心軸線に沿った任意の位置における断面積は、中心軸線に取った他の断面積とは異なる平面領域を有することができる。平面領域は、中心軸線に沿って均一に変化してもよい。
【0048】
図5Aに示すように、近位の軸端115は、第1の平面領域を含んでいてもよく、遠位の軸端116は、第2の平面領域を含んでいてもよく、第1の平面領域は、第2の平面領域よりも大きくてもよく、近位の軸端115と遠位の軸端116との間の軸114に沿った連続平面領域は、例えば、均一な速度で減少してもよい。例えば、軸114は、遠位の軸端116の円形断面積よりも近位の軸端115の円形断面積が大きい円錐台形状軸のような正のテーパ軸を含んでいてもよい。一例では、孔面127は、支持面117で軸114と接触することができ、キャップ130は、軸114に対してスリーブ120を保持してもよい。
【0049】
スリーブ120は、正のテーパ軸などの軸114上に配置して、スリーブ120と軸114との間の動きを減少させるか又は最小限にしてもよい。一例では、スリーブ120は、遠位の軸端116を近位の端面125の中央孔内に挿入することによりスリーブ120の中央孔を軸114上にスライドさせること、及び遠位の軸端116が遠位の端面126と平行になるか又は遠位の端面から突出することができるまで正テーパ軸を中央孔内にスライドさせることなどによって、正テーパ軸上に配置してもよい。そうすることで、孔面127は、軸114の正のテーパに実質的に一致して軸114上にスリーブ120を保持してもよい。キャップ130は、軸114の、例えば、遠位の軸端116、そしてスリーブ120の遠位の端面126に取り付けられて、スリーブ120の孔面127を支持面117に対して配置し、軸114に対してスリーブ120の長手方向及び回転運動の少なくとも一方を最小限にしてもよい。
【0050】
図5Bに示すように、近位の軸端115は第1の平面領域を含んでいてもよく、遠位の軸端116は第2の平面領域を含んでいてもよく、第1の平面領域は第2の平面領域より小さくすることができ、近位の軸端115と遠位の軸端116との間の軸114に沿った連続平面領域は、均一の割合で増加させてもよい。例えば、軸114は、遠位の軸端116の円形断面積よりも近位の軸端115の円形断面積が小さい円錐台形状軸のような負のテーパ軸を含んでいてもよい。一例では、装置100がスリーブ120を軸114に保持するためのキャップ130を必要としないなど、孔面127は、支持面117において軸114と接触することができる。
【0051】
スリーブ120は、負にテーパが付けられた軸114上に配置してスリーブ120と軸114との間の動きを最小限にしてもよい。一例では、スリーブ120は、近位の軸端115を遠位の端面126の中央孔に挿入することによってスリーブ120の中央孔を軸114上にスライドさせること、及び近位の軸端115が近位の端面125と平行になるか、又は近位の端面125から突出することができるまで、負のテーパ軸を中央孔にスライドさせることなどによって、負のテーパ軸上に配置してもよい。そうすることで、孔面127は、軸114の負のテーパに実質的に一致して、軸114上にスリーブ120を保持してもよい。準球状ヘッド112は、軸114の、例えば、近位の軸端115、そしてスリーブ120の近位の端面125に取り付けて、スリーブ120の孔面127を支持面117に対して配置し、軸114に対してスリーブ120の長手方向及び回転運動の少なくとも一方を最小限にしてもよい。
【0052】
一例では、スリーブ120の孔面127は、軸114に対して実質的に一致するために利用可能な孔面127の表面積を増加させるように構成された生体適合性材料などの材料で覆い、軸114に対するスリーブ120の長手方向及び回転運動の少なくとも一方をさらに最小限にしてもよい。例えば、スリーブ120の多孔質孔面127は、孔面127と支持面117との間に形成される接触インターフェイス領域を増加させるために、孔面127によって提示される空隙を支持面117に充填するように、生体適合性材料で覆われるか、さもなければコーティングされ得る。
【0053】
スリーブ120は、1種類以上の生体適合性材料から構成されうる。生体適合性材料は、例えば、スリーブ120などの固定ポスト100の少なくとも一部へのオッセオインテグレーション(osseointegration)を改善するために、骨又は軟組織の内部成長を促進するように構成された多孔質金属材料などの多孔質材料を含んでいてもよい。多孔質材料は、患者の骨のポスト穴に固定ポスト110を埋め込んだ後に、多孔質材料と周囲骨との摩擦係合を増加させることにより、骨内におけるインプラントの短期安定性を向上させることができる。多孔質材料は、天然海綿質の骨の微細構造に近似させることができるので、多孔質材料の多孔質骨格の中への新しい骨の内部成長を促進するための最適な透過性及び大きい表面積を提供することなどによって、骨の成長を組み込むための骨伝導性マトリックスを提供する。多孔質材料は、チタンビーズなどの金属材料と、プラズマ溶射を適用した材料とを含んでいてもよい。多孔質材料は、米国特許第5,282,861、5,443,515号明細書及び第6,063,442号明細書を含む幾つかの米国特許に開示されているように、ジンマー社から市販されている多孔質タンタル材料であるトラベキュラーメタル(登録商標)材料を含んでいてもよく、その開示は参照により本明細書に援用される。
【0054】
キャップ130は、スリーブ120をコア110に保持してもよい。キャップ130は、近位のキャップ面132及び遠位のキャップ面134を含んでいてもよい。キャップ130は、軸114の遠位の軸端116においてコア110とインターフェイスをとることができる。遠位の軸端116は、近位のキャップ面132においてキャップ130に取り付けることができる。遠位の軸端116は、エポキシの使用などの接着接続、摩擦溶接などの溶接接続、及びキャップ130を遠位の軸端116に圧入することによる締まり嵌めなどの摩擦接続のうちの少なくとも1つによって、近位のキャップ面132に取り付けることができる。
【0055】
キャップ130は、近位のキャップ面132内にキャップ孔136を含んでいてもよい。キャップ穴136は、スロット及び円形穴の少なくとも1つなど、近位のキャップ面132内に任意の窪みを含んでいてもよい。遠位の軸端116は、遠位の軸端116とキャップ孔136との間のインターフェイスによってキャップ130に取り付けることができる。遠位の軸端116は、ネジ接続、遠位の軸端116とキャップ孔136との間の摩擦接続、接着接続、及び溶接接続のうちの少なくとも1つによって、キャップ130とインターフェイスをとることができる。
【0056】
近位のキャップ面132は、スリーブ120の遠位の端面126のような、スリーブ120とインターフェイスをとるように構成された面を含んでいてもよい。近位のキャップ面132は、遠位の端面126とほぼ平行であるか、又は遠位の端面126と一体的な平面内であることによって、遠位の端面126に一致してもよい。近位のキャップ面132は、三次元モザイク細工80を組み込んだモザイク細工面を有する面を含むテクスチャード加工された外面のようなテクスチャード加工面を含んでいてもよい。一例では、近位のキャップ面132は、遠位の端面126に一致させることができ、又はテクスチャード加工面は、遠位の端面126とインターフェイスをとることができ、軸114の周りのスリーブ120の回転運動を最小限にするための摩擦インターフェイスを形成する。
【0057】
遠位のキャップ面134は、患者の骨に形成された締結具用孔で患者の骨とインターフェイスをとるように構成された面を含んでいてもよい。遠位のキャップ面134は、遠位のキャップ面134が概ね凸状の形状を含むようにすることにより、患者の骨への固定ポスト100の挿入を補助するように構成してもよい。概ね凸状の形状には、図2に示されるような概ね丸みを帯びた形状のような概ね丸みを帯びた形状、テーパ面又は直円柱面を有する概ね円錐形の形状、及び概ね丸みを帯びた形状と概ね円錐形状の組合せ、例えば、丸みを帯びた円錐部を含む概ね凸状の形状のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0058】
キャップ130は、生体適合性材料で形成してもよい。キャップ130は、概ね滑らかな形状を保持することができる生体適合性材料から形成することができ、例えば遠位のキャップ面134は、固定ポスト100の患者の骨への挿入を容易にするように、概ね滑らかとしてもよい。例えば、遠位キャップ130は、セラミック、合成ポリマー材料、又はチタン、チタン合金、コバルトクロム、コバルトクロムモリブデン、タンタル、タンタル合金、ステンレス鋼、又はそれらの組合せなどの金属材料から形成してもよい。
【0059】
図6は、例示的な整形外科用インプラント組立体600の断面を示す。整形外科用インプラント組立体600は、ベースプレート650、スペーサ658、及び第1の固定ポスト670A及び第2の固定ポスト670B等の固定ポスト670を含んでいてもよい。
【0060】
ベースプレート650は、患者接触面652、又は患者の骨に対して配置され得るか、又は骨に面することができるベースプレート650の面、スペーサ面654、又は患者接触面652とほぼ平行もしくは反対で患者の骨から離れて面するベースプレート650の面、患者接触面652に取り付け可能な中央ポスト660、及び第1の締結具用孔656A及び第2の締結具用孔656Bなどの締結具用孔656を含んでいてもよい。締結具用孔656は、スペーサ面654から患者接触面652までのような、ベースプレート650を貫通して延びていてもよい。締結具用孔656は、壁659又はスペーサ面654を患者接触面652に接続する面を含んでいてもよい。締結具用孔656は、少なくとも1つの壁659を含んでいてもよく、より具体的には、第1の締結具用孔656Aは第1の壁659Aを含んでいてもよく、第2の締結具用孔656Bは第2の壁659Bを含んでいてもよい。スペーサ658は、スペーサ面654に取り付ける、例えば着脱自在に取り付けることができる。
【0061】
中央ポスト660は、関節窩などの患者の骨にベースプレート650を固定してもよい。中央ポスト660は、固定ポスト100と同様でもよい即ち固定ポスト100と同様の構造でもよく、同様のコンポーネントを有していてもよい。中央ポスト660は、近位の中央の軸端663と、遠位の中央軸端665と、中央軸664の少なくとも一部を囲む多孔質金属スリーブなどの中央スリーブ666とを備えた中央軸664と、遠位の中央軸端665に取り付けられた中央キャップ668とを含み得る。近位の中央軸端663は、ベースプレート650に取り付けることができる。一例では、中央ポスト660は、中央準球状ヘッド(図示せず)を含んでいてもよく、近位の中央軸端663は、中央準球状ヘッドに取り付けることができる。一例では、中央準球状ヘッドを有する中央ポスト660は、締結具用孔656と同様の中央締結具用孔などの中央締結具用孔(図示せず)内に配置することができ、ベースプレート650内に配置されることができる。一例では、中央準球状ヘッドの一部は中央締結具用孔に接触することができ、中央スリーブ666は関節窩に形成され、中央ポスト660を収容するように構成された中央ポスト穴などの中央ポスト穴の面を係合することによって関節窩に係合してもよい。
【0062】
固定ポスト670は、ベースプレート650と関節窩との間に初期圧縮を生じさせ、例えば、インプラント手術からの患者回復中の初期圧縮を維持することによって、ベースプレート650を関節窩などの患者の骨に固定してもよい。固定ポスト670の近位端102は、締結具用孔656内に配置することができ、準球状ヘッド112は、締結具用孔656と接触してもよい。固定ポスト670のスリーブ120は、関節窩、又は関節窩に形成されたポスト穴の面に係合することができ、固定ポスト670の遠位端104を収容するように構成された、又はポスト穴に挿入された骨セメントを係合してもよい。ポスト穴は、第1の固定ポスト670Aを受容するための第1のポスト穴と、第2の固定ポスト670Bを受容するための第2のポスト穴との少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0063】
準球状ヘッド112は、締結具用孔656と相互作用して、準球状ヘッド112をベースプレート650に着脱自在にロックしてもよい。場合によっては、準球状ヘッド112と孔の壁との間の強制接触は、孔内の準球状ヘッド及び/又は面又は壁の面特徴部を破砕するか、又は他の方法で変形させるのに充分である。その壁を含む孔656の形状及び準球状ヘッド112の形状及び面特徴部は、準球状ヘッドを孔内に配置して準球状ヘッド112をベースプレート650に着脱自在にロックでき、これにより、準球状ヘッド112とベースプレート650との間に固定された不動の接続を提供することが可能である。
【0064】
一例では、第1の固定ポスト670Aの準球状ヘッド112は、第1の締結具用孔656Aの第1の壁659Aと接触することができ、スリーブ120の外面128は、第1のポスト穴の面と接触することができるので、ベースプレート650と患者の骨との間に初期圧縮を生じさせ、骨組織をスリーブ120内へと内部成長させて、初期圧縮を維持してもよい。一例では、第2の固定ポスト670Bの準球状ヘッド112は、第2の締結具用孔656Bの第2の壁659Bと接触させることができ、スリーブ120の外面128は、第2のポスト穴の面と接触させることができる。
【0065】
準球状ヘッド112は、締結具用孔656と相互作用するように構成することができ、準球状ヘッド112と締結具用孔656との間の接触により、準球状ヘッド112及び締結具用孔656の少なくとも一方を変形させることができる。準球状ヘッド112は、第1の硬度を有する材料で構成することができ、ベースプレート650は、第2の硬度を有する材料で構成してもよい。一例では、準球状ヘッド112と壁659との接触が、壁659を変形させるように、第1の硬度を、第2の硬度より大きくすることができ、それによって、準球状ヘッド112をベースプレート650に着脱自在にロックしてもよい。一例では、第2の硬度は、第1の硬度よりも大きくして、準球状ヘッド112と壁659との間の接触により、準球状ヘッド112を変形させ、それにより、準球状ヘッド112をベースプレート650に着脱自在にロックしうる。
【0066】
図6に示される向きに基づいて、固定ポストの配置は、概ね下方向に行われる、すなわち、ポストの先端は、孔の大きい上端を通して締結具用孔に入り、より小さな底端部を出る。その後、ポストは、準球状ヘッドがそれぞれの雌孔内に受容され、そこでロックされるまで、前進することができる(例えば、骨内に)。あるいは、各締結具用孔656は、第1の半径45を有するより大きい端部が患者接触面652に位置決めされ、第2の半径46を有するより小さい端部がスペーサ面654に位置決めされるように変更してもよい。このような設計により、固定ポスト670を骨内に押し込んだ後にベースプレート650を固定ポスト670上まで押し込んで、準球状ヘッド112が孔656のより大きな底端部を通して締結具用孔656に入り、ベースプレート650が適切な位置に固定されるまで締結具用孔656内である小さい上端に向かってある距離移動させる埋め込み方法が容易になりうる。あるいは、このような設計は、固定ポスト670をベースプレート650内に配置し、次いでベースプレート650と固定ポスト670とを骨の上まで押し込んで、固定ポストの遠位端部が骨の所定位置に適切にロックされ、固定ポスト670の近位端104が締結具用孔656内に適切にロックされるようにする埋め込み方法を容易にしうる。
【0067】
固定ポスト100は、例示的な第1のポスト組立方法を用いて組み立てることができる。準球状ヘッド112及び軸114が受容されうる。軸114は、コア110を形成するために、準球状ヘッド112に取り付けることができる。一例では、準球状ヘッド112及び軸114は、単一のコンポーネント、例えば単一のコアとして受容することができる。コア110は、コア110をスリーブ120の中央孔内に挿入することによってスリーブ120を受容することができ、孔面127は、軸114の支持面117に実質的に一致することができる。遠位の軸端116は、遠位の端面126とほぼ同一平面上にあっても、又は遠位の端面126に近接していても、又は遠位の端面から突出していてもよい。キャップ130は、遠位の軸端116に取り付けられて、スリーブ120を軸114上、例えば、準球状ヘッド112とキャップ130との間に保持してもよい。
【0068】
固定ポスト100は、例示的な第2のポスト組立方法とともに組み立ててもよい。負のテーパ軸のような軸114が受容されうる。負のテーパ軸は、スリーブ120の中央孔に負のテーパ軸を挿入することによってスリーブ120を受容することができ、スリーブ120の孔面127は、軸114の支持面117に実質的に一致してもよい。一例では、近位の軸端115は、遠位の端面126でスリーブ120の中央孔内に挿入され、近位の軸端115が近位の端面125と同一平面上となるか、近接するか、近位側端面から突出するまで中央孔内を前進する。孔面127は、軸114の支持面117又は負のテーパに実質的に一致することができ、スリーブ120が軸114の中心軸線に沿ってさらに遠位方向に移動することを防止する。準球状ヘッド112は、近位の軸端115に取り付けられ、スリーブ120を軸114上に保持することができ、例えば、準球状ヘッド112と負のテーパ軸の支持面117との間に保持されうる。
【0069】
図7は、整形外科用装置を骨に取り付けるための例示的な方法700を示すフローチャートを示す。702において、ベースプレート650を貫通して延びる少なくとも第1の締結具用孔656Aを含むベースプレートは、患者の関節窩上に配置されてもよい。ベースプレート650は、例えば、第1の締結具用孔656Aを下肩甲骨ピラーに位置合わせすることにより、又は第1の締結具用孔656Aを烏口形状の基部に位置合わせすることによって、患者の目印に対して配置しうる。
【0070】
704において、第1のポスト穴などのポスト穴を関節窩内に形成して、第1の固定ポスト670Aを関節窩内に配置されうる。第1のポスト穴は、第1の締結具用孔656Aを通過することによってベースプレート650に対して位置決めしてもよい。第1の固定ポスト670Aは、準球状ヘッド112からコア110の遠位端116まで延びる軸114を有する準球状ヘッド112などのコア110と、軸114上又は軸114の周囲に受容される多孔質金属スリーブなどのスリーブ120とを含んでいてもよい。準球状ヘッド112は、第1の締結具用孔656Aの少なくとも第1の壁659Aと接触するためのテクスチャード加工された外面を含んでいてもよい。
【0071】
第1の締結具用孔656Aを貫通するポスト穴を形成することは、関節窩に第1のポスト穴などの穴を穿設することを含んでいてもよい。穴を穿設することは、ドリルビットを使用して、ドリルビットに回転運動を適用するドリル工具と組み合わせて、第1のポスト穴から骨材料を除去することを含んでいてもよい。一例では、ドリルビットは、回転運動を適用するドリル工具に取り付けることができ、ドリルビットは任意選択的に第1の締結具用孔656A内に配置することができ、工具は、第1のポスト穴から骨材料を除去するためにドリルビットへの回転運動を与えるように作動される。穴を穿設することは、例えばチゼル工具に線形運動させる工具を用いて、第1のポスト穴から骨材料を除去するために、チゼル工具を使用することを含んでいてもよい。チゼル工具は、刃先を有する工具、例えば木工用チゼル(butt chisel)、突きチゼル(paring chisel)、ゲージ(gouge)、及びパンチ(punch)の少なくとも1つでもよい。一例では、チゼル工具は、第1の締結具用孔656A内に、例えば、患者の骨に抗して配置され、例えば、スラップハンマなどのハンマを用いて、チゼル工具に衝撃力を加えて患者の骨から骨材料を除去して第1のポスト穴を形成してもよい。
【0072】
第1の締結具用孔656Aの少なくとも第1の壁659Aを、準球状ヘッド112のテクスチャード加工された外面と接触させることは、第1の締結具用孔656A等の締結具用孔656の壁659に対して準球状ヘッド112のテクスチャード加工された外面の少なくとも一部を位置決めすることを含んでいてもよい。準球状ヘッド112は複数の多角形要素78を含んでいてもよく、各多角形要素78は、外面87及び頂点88のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0073】
706において、第1の固定ポスト670Aは、第1の締結具用孔656Aを通して押し込まれ、第1のポスト穴内に、多孔質金属スリーブなどのスリーブ120の外面128が第1のポストホールの面に係合することができ、準球状ヘッド112のテクスチャード加工された外面が第1の締結具用孔656Aの少なくとも第1の壁659Aに接触することができるように第1のポスト穴内に押し込まれ、準球状ヘッド112をベースプレートに着脱自在にロックする。第1の固定ポスト670Aを第1の締結具用孔内に押し込むことにより、ベースプレート650と関節窩との間に初期圧縮を生じさせることができる。スリーブ120は、ベースプレートと関節窩との間の前記初期圧縮を維持するために、多孔質金属スリーブ内へのような骨の内部成長を受容するように構成してもよい。
【0074】
第1の固定ポスト670Aを押し込むことは、第1の固定ポスト670Aの準球状ヘッド112に力を加えることを含みうる。準球状ヘッド112に加えられる力は、例えばスラップハンマのようなハンマにより適用される衝撃荷重力、あるいは、例えば空気圧若しくは油圧負荷工具によって適用される押圧荷重力の少なくとも1つを含みうる。
【0075】
例示的な方法700は、関節窩内に第2のポスト穴などのポスト穴を形成し、第2の固定ポスト670Bを関節窩内に、第2の締結具用孔656Bを通過することによって配置することを含みうる。第2の固定ポスト670Bは、第1の固定ポストに対して位置合わせしてもよい。一例では、第2の固定ポスト670Bは、第1の固定ポスト670Aの中心軸と第2の固定ポスト670Bの中心軸とが互いに平行になるように、または、互いに所定の角度を形成するように第1の固定ポスト670Aに依存して位置合わせされる。一例では、第2の固定ポスト670Bは、第1の固定ポスト670Aの中心軸と第2の固定ポスト670Bの中心軸とが平行とならないように、第1の固定ポスト670Aとは独立して位置合わせすることができ、骨捕捉、長さ及び固有の幾何学的形状の増加による臨床結果を改善しうる。
【0076】
例示的な方法700は、第2の締結具用孔656Bを通して第2の固定ポスト670Bを第2のポスト穴内に押し込んで、ベースプレートと関節窩との間の初期圧縮を強化することを含みうる。
【0077】
各種注記事項
上記の説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面を参照することを含む。図面は、例示として、本発明を実施することができる特定の実施形態を示している。これらの実施形態は、本明細書では「実施例」とも呼ばれる。そのような例は、図示又は記載された要素に加えて要素を含んでいてもよい。しかしながら、本発明者はまた、図示又は記載された要素のみが提供される実施例も企図する。さらに、本発明者はまた、特定の実施例(又はその1つ以上の態様)に関して、又は本明細書中に示される又は記載される他の実施例(又はその1つ以上の態様)に関して、示される又は記載される(又はその1つ以上の態様)これらの要素の任意の組み合わせ又は置換を使用する例も検討している。
【0078】
この文書と、参照により援用される任意の文書との間の一貫性のない使用の場合には、この文書における使用法が支配する。
【0079】
本明細書では、「1つの」(a)又は(an)という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つの」又は「1又は複数」のいずれか他の場合又は用法とは独立して、1つ以上を含むように使用される。本明細書において、「又は」という用語は、特に示さない限り、非排他的に「A又はB」が、「Aではあるが、Bではない」、「BではあるがAではない」、及び「A及びB」を含むような非排他的論理和を指すのに使用される。本明細書において、「含む」及び「in which」という用語は、「備える(comprising)」及び「その(wherein)」というそれぞれの用語でプレイン・イングリッシュの等価物として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む」及び「備える」という用語は、非限定的なものであり、すなわち、特許請求の範囲においてそのような用語の後に列挙された要素に加えて、要素を含むシステム、装置、物品、組成物、処方物、又はプロセスも、請求項の範囲内に入るとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、及び「第3」等の用語は、単にラベルとして使用され、それらの目的に数値的な要件を課すことを意図するものではない。
【0080】
「平行」、「垂直」、「丸」、又は「四角形」などの幾何学的な用語は、文脈が示されない限り、絶対的な数学的精度を必要とするものではない。その代わり、このような幾何学的な用語は、製造又は同等の機能によるばらつきを許容する。例えば、要素が「丸」又は「ほぼ丸」と記載されている場合、正確に円形ではない(例えば、わずかに長円形であるか、又は多面多角形である)コンポーネントは、この説明によって依然として包含される。
【0081】
上記の説明は、例示的なものであって、限定的なものではない。例えば、上述した実施例(又はその1つ以上の態様)を、互いに組み合わせて使用してもよい。上述の説明を検討することにより、当業者により、他の実施形態を使用してもよい。要約は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために、37C.F.R.§1.72(b)に準拠するように提供される。それは、請求項の範囲又は意味を解釈又は制限するために使用されるものではないことを理解して提出する。また、上述の詳細な説明において、様々な特徴は、開示を合理化するために、一緒にグループ化されてもよい。これは、請求項に記載されていない開示された特徴が任意の請求項に必須であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ないものでありうる。したがって、以下の特許請求の範囲は、実施例又は実施形態としての詳細な説明に組み込まれ、各特許請求の範囲は、独立した実施形態としてそれ自体を表し、それら実施形態は、様々な組み合わせ又は順列で互いに組み合わせることができるよう検討されている。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに決定されるべきである。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む
〔態様1〕
骨に整形外科用装置を取り付ける方法であって、
患者の関節窩に、ベースプレートであって該ベースプレートを通して延びる少なくとも第1の締結具用孔を含むベースプレートを配置することと、
第1の固定ポストを前記関節窩内に配置するために、前記第1の締結具用孔を通過させることによって、前記関節窩内に第1のポスト穴を形成することとを含み、
前記第1の固定ポストは、前記第1の固定ポストの遠位端にそこから延びる軸を有する準球状ヘッドを含み、前記準球状ヘッドは、前記第1の締結具用孔の少なくとも第1の壁を接触させるためのテクスチャード加工された外面を含み、前記第1の固定ポストは、また、前記軸上に受容された多孔質金属スリーブを含み、
該方法は、前記第1の固定ポストの前記遠位端を前記第1の締結具用孔を通して前記第1のポスト穴内に押し込むことによって、前記多孔質金属スリーブの外面が前記第1のポスト穴の面と係合し、前記準球状ヘッドの前記テクスチャード加工された外面が前記第1の締結具用孔の少なくとも前記第1の壁に接触して、前記準球状ヘッドを前記ベースプレートに取り外し可能にロックすることを含み、
前記押し込みにより、前記ベースプレートと前記関節窩との間に初期圧縮が生成され、前記多孔質金属スリーブは、前記ベースプレートと前記関節窩との間の前記初期圧縮を維持するために、前記多孔質金属スリーブ内への骨の内部成長を受容するように構成される、方法。
〔態様2〕
前記関節窩に第1のポスト穴を形成することは、前記関節窩に前記第1のポスト穴を穿設することを含む、態様1に記載の方法。
〔態様3〕
第1のポスト穴を穿設することは、ドリルビットを、該ドリルビットに回転運動を加えて、前記第1のポスト穴から骨材料を除去する工具と組み合わせて使用することを含む、態様2に記載の方法。
〔態様4〕
第1のポスト穴を穿設することは、チゼル工具を使用して、前記第1のポスト穴から骨材料を除去するために、前記チゼル工具に線形運動を加える工具と組み合わせて使用することを含む、態様2に記載の方法。
〔態様5〕
前記第1の締結具用孔の少なくとも第1の壁を前記準球状ヘッドの前記テクスチャード加工された外面と接触させることは、前記準球状ヘッドの前記テクスチャード加工された外面の少なくとも一部の面を前記第1の締結具用孔の少なくとも第1の壁に対して位置決めすることを含む、態様1に記載の方法。
〔態様6〕
前記第1の固定ポストの前記遠位端を押し込むことは、前記第1の固定ポストの前記準球状ヘッドに衝撃荷重力を加えることを含む、態様1に記載の方法。
〔態様7〕
前記第1の固定ポストの前記遠位端を押し込むことは、前記第1の固定ポストの前記準球状ヘッドに押圧荷重力を加えることを含む、態様1に記載の方法。
〔態様8〕
当該方法は、第2の固定ポストを前記関節窩内に配置するために、第2の締結具用孔を通過させることによって、前記関節窩に第2のポスト穴を形成することを含み、
前記第2の固定ポストは、前記第2の固定ポストの遠位端にそこから延びる軸を有する準球状ヘッドを含み、前記準球状ヘッドは、前記第2の締結具用孔の少なくとも第1の壁を接触させるためのテクスチャード加工された外面を含み、前記第2の固定ポストは、前記軸上に受容された多孔質金属スリーブも含み、
当該方法は、前記第2の固定ポストの前記遠位端を前記第2の締結具用孔を通して前記第2のポスト穴内に押し込むことによって、前記多孔質金属スリーブの外面が前記第2のポスト穴の面と係合し、前記準球状ヘッドの前記テクスチャード加工された外面が前記第2の締結具用孔の少なくとも前記第1の壁と係合して、前記準球状ヘッドを前記ベースプレートに取り外し可能にロックするようにすることを含み、
前記押し込むことは、前記ベースプレートと前記関節窩との間に初期圧縮を生成し、前記多孔質金属スリーブは、前記ベースプレートと前記関節窩との間の前記初期圧縮を維持するために、前記多孔質金属スリーブ内への骨の内部成長を受容するように構成される、
態様1に記載の方法。
〔態様9〕
前記第2の固定ポストは、前記第1の固定ポストとは独立して位置合わせされる、態様8に記載の方法。
〔態様10〕
前記第2の締結具用孔の少なくとも第1の壁を、前記準球状ヘッドの前記テクスチャード加工された外面と係合させることは、前記準球状ヘッドの前記テクスチャード加工された外面の面の少なくとも一部を前記第2の締結具用孔の少なくとも前記第1の壁に対して位置決めすることを含む、態様8に記載の方法。
〔態様11〕
前記第2の固定ポストの前記遠位端を押し込むことは、前記第2の固定ポストの前記準球状ヘッドに、衝撃荷重力をかけることを含む、態様8に記載の方法。
〔態様12〕
前記第2の固定ポストの前記遠位端を押し込むことは、前記第2の固定ポストの前記準球状ヘッドに押圧荷重力をかけることを含む、態様8に記載の方法。
〔態様13〕
整形外科用装置を骨に取り付けるための固定ポストであって、
テクスチャード加工された外面を有する準球状ヘッドと、
前記準球状ヘッドに取り付けられた近位端と、該近位端と反対側の遠位端と、前記近位端と遠位端との間の支持面とを含む軸と、
孔面を有する中央孔を含み、前記軸の少なくとも一部を取り囲む多孔質金属スリーブあって、前記孔面は、前記支持面と実質的に一致する多孔質金属スリーブと、
前記多孔質金属スリーブを前記軸上に保持するために前記軸の前記遠位端に取り付けられたキャップと、
を含む、固定ポスト。
〔態様14〕
前記準球状ヘッド及び前記軸は、単一のコアを形成する、態様13に記載の固定ポスト。
〔態様15〕
前記多孔質金属スリーブは、前記準球状ヘッドと接触する近位のスリーブ面と、前記キャップと接触する遠位のスリーブ面とを含む、態様13に記載の固定ポスト。
〔態様16〕
前記軸は、回転防止機能部を含む態様13に記載の固定ポスト。
〔態様17〕
前記回転防止機能部は、概ね楕円形の断面を有する前記軸を含む、態様16に記載の固定ポスト。
〔態様18〕
前記回転防止機能部は、前記遠位のスリーブ面に一致するように構成されたテクスチャード加工された近位のキャップ面を含む、態様16に記載の固定ポスト。
〔態様19〕
前記キャップは、遠位のキャップ面を含み、前記遠位のキャップ面は、概ね半球形状である、態様13に記載の固定ポスト。
〔態様20〕
前記キャップは、遠位のキャップ面を含み、前記遠位のキャップ面は、概ね円錐形状である、態様13に記載の固定ポスト。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7