(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】航空機の乗客用座席設備
(51)【国際特許分類】
B64D 11/06 20060101AFI20220606BHJP
A47C 16/00 20060101ALI20220606BHJP
B60N 2/24 20060101ALI20220606BHJP
【FI】
B64D11/06
A47C16/00
B60N2/24
(21)【出願番号】P 2019553935
(86)(22)【出願日】2018-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2018058100
(87)【国際公開番号】W WO2018178246
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-17
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513096624
【氏名又は名称】サフラン シーツ
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】サンダム, ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】シール, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】シュライビ, オマール
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-538251(JP,A)
【文献】特開2013-006590(JP,A)
【文献】特表2016-540674(JP,A)
【文献】国際公開第2014/199303(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0036765(US,A1)
【文献】特開2000-085431(JP,A)
【文献】特表2015-529593(JP,A)
【文献】特表2011-506161(JP,A)
【文献】特表2009-534248(JP,A)
【文献】特表2016-500610(JP,A)
【文献】特開2011-084274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 11/06
A47C 16/00
B60N 2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機キャビンに設置するための座席設備(45)であって
、長手軸線(X4)を有する設備(45)は、前後に配置された、2つの座席(13)からなる複数の組立体を含み、各座席(13)は軸線(X1)を有し、
座席設備(45)が、設備(45)の長手軸線(X4)の方向で内側に向かって回転する2つの座席(13.1、13.2)の組立体を少なくとも1つ含む座席設備(45)において、
いわゆる端部組立体(E)である、少なくとも1つの座席組立体が設備(45)の端部に配置され、
前記端部組立体(E)は第1座席(13.1)及び第2座席(13.2)を含み、各座席(13)は座る姿勢と座席(13)がベッド面(SL)を画定する横たわる姿勢との間で転換可能であり、及び、
中間要素(47)は端部組立体(E)の第1座席(13.1)と第2座席(13.2)との間に配置され、
中間要素(47)は第1座席(13.1)及び第2座席(13.2)のベッド面(SL)と同一平面に位置する面、いわゆる中間面(SI)を有し、したがって、第1座席(13.1)及び第2座席(13.2)のベッド面(SL)、及び中間面(SI)は、
第1座席(13.1)及び第2座席(13.2)に共通のベッド面(SLC)を形成し、中間面(SI)は第1座席(13.1)及び第2座席(13.2)のベッド面(SL)間の空間を少なくとも部分的に埋めることを特徴とする設備。
【請求項2】
さらに設備(45)の長手軸線(X4)の反対に外側に向かって回転する2つの座席(13.3、13.4)の組立体を少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項3】
中間要素(47)は補助座席(50)であり、中間面(SI)は補助座席(50)の座面(51)によって画定されることを特徴とする請求項1または2に記載の設備。
【請求項4】
補助座席(50)はさらに背もたれ(52)を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項5】
中間要素(47)はコンソール(48)によって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の設備。
【請求項6】
中間面(SI)は低位置にあるコンソール(48)の表面によって画定されることを特徴とする請求項5に記載の設備。
【請求項7】
中間要素(47)は高位置と低位置との間の少なくとも1つの格納式アームレスト(55)によって構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の設備。
【請求項8】
中間面(SI)は低位置にあるアームレスト(55)の表面によって画定されることを特徴とする請求項7に記載の設備。
【請求項9】
中間面(SI)は、特に三角形の、ベッド面(SL)の最大化部材(53)によって延長され、第1座席(13.1)及び第2座席(13.2)のベッド面(SL)の間に存在する空間を埋めることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の設備。
【請求項10】
第1座席(13.1)に組み合わされた第1フットゾーン(58.1)及び第2座席(13.2)に組み合わされた第2フットゾーン(58.2)を備えるモジュール(57)を含み、第1フットゾーン(58.1)及び第2フットゾーン(58.2)は2つの座席(13.1、13.2)に共通のフット面を画定することを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の設備。
【請求項11】
モジュール(57)は、第1フットゾーン(58.1)と第2フットゾーン(58.2)との間に配置された格納式分離壁(60)を備えることを特徴とする請求項10に記載の設備。
【請求項12】
モジュール(57)は、第1フットゾーン(58.1)と第2フットゾーン(58.2)との間に分離壁(60)を備えないことを特徴とする請求項
10に記載の設備。
【請求項13】
設備(45)の長手軸線(X4)を横断する端部壁(62)を含むことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の設備。
【請求項14】
端部壁(62)は、少なくとも1つのモニタ(70)を備えることを特徴とする請求項13に記載の設備。
【請求項15】
2つの斜めの壁(63)は、各々、端部壁(62)の端部と設備(45)の長手軸線(X4)に対して平行に延在する壁(64)との間の接続を確保することを特徴とする請求項13または14に記載の設備。
【請求項16】
端部組立体(E)の座席(13)の間を仕切るための、長手軸線(X4)に沿って延在する格納式中央パーティション(73)を含むことを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の乗客用座席設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
「ビジネスクラス」タイプの航空機座席は、「座る」姿勢から、座席が乗客用にほぼ水平なベッド面を画定する「横たわる」姿勢まで、様々な快適姿勢を乗客に提供する。
【0003】
背もたれが大きく傾いている「リラックス」姿勢など、中間の快適姿勢も同様に提案されている。一般に、これらの姿勢は、座席の軸に水平及び垂直な軸を中心に回転する背もたれの傾斜によって得られる。乗客は、異なる姿勢間の移行中も座席にとどまることができる。
【0004】
ベッドは、一般に背もたれ、座面、レッグレスト及びフットレストで構成され、レッグレストとフットレストは固定するか、または座席の運動に関連させることができる。
【0005】
「ビジネスクラス」タイプの航空機キャビンのある座席配置では、航空機の長手方向に沿って前後に設置された2つの座席間に配置された通路を介して、全ての乗客が通路に直接アクセスすることが可能である。したがって、特に座席が「横たわる姿勢」であるとき、乗客は他の乗客に迷惑をかけることなく、容易に自分の座席を離れることができる。
【0006】
いくつかの構成では、座席は2つの縦列に沿って配置されており、同じ行の座席は傾斜軸を有しており、すなわち、配置の長手軸線に対して零ではない角度を形成する。
【0007】
特許文献1には、同じ行の座席が配置の長手軸線に沿って内側に向かって回転する、すなわち、それらの軸線が座席の前方で航空機の長手軸線と交差する、杉綾状、英語では「ヘリンボーン(Heringbone)」型の構成が記載されている。
【0008】
特許文献2に記載されている、いわゆる「逆ヘリンボーン」型の構成では、同じ行の座席は長手軸線の外側に向かって回転し、すなわち、その軸線は座席の後方で航空機の長手軸線と交差する。したがって、乗客はキャビンの通路の方向に向けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2007/246981号明細書
【文献】国際公開第03/013903号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、航空機キャビンに設置するための座席設備であって、長手軸線を有する前記設備は前後に配置された2つの座席からなる複数の組立体を含み、各座席は軸を有し、
設備の長手軸線方向で内側に向かって回転する2つの座席からなる、少なくとも1つの組立体を含む座席設備において、いわゆる端部組立体である、少なくとも1つの座席組立体が設備の端部に配置され、前記端部組立体は第1座席及び第2座席を含み、各座席は座る姿勢と座席がベッド面を画定する横たわる姿勢との間で転換可能であり、及び、
中間要素が端部組立体の第1座席と第2座席との間に配置され、中間要素は第1座席及び第2座席のベッド面と同一平面に位置する面、いわゆる中間面を有し、したがって、第1座席及び第2座席のベッド面、及び中間面は共通ベッド面を形成し、中間面は第1座席及び第2座席のベッド面間の空間を少なくとも部分的に埋めることを、特徴とする設備を提案することによって、既存の構成のモジュール性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態によれば、座席設備は、さらに設備の長手軸線の反対側で外側に向かって回転する2つの座席からなる、少なくとも1つの組立体を含む。
【0012】
一実施形態によれば、中間要素は補助座席であり、中間面は補助座席の座面によって画定される。
【0013】
一実施形態によれば、補助座席はさらに背もたれを含む。
【0014】
一実施形態によれば、中間要素はコンソールによって構成される。
【0015】
一実施形態によれば、中間面は低位置にあるコンソールの面によって画定される。
【0016】
一実施形態によれば、中間要素は少なくとも1つの高位置と低位置との間の格納式アームレストによって構成される。
【0017】
一実施形態によれば、中間面は低位置にあるアームレストの面によって画定される。
【0018】
一実施形態によれば、中間面は、特に三角形のベッド面最大化部材によって延長され、第1座席及び第2座席のベッド面の間に存在する空間を埋める。
【0019】
一実施形態によれば、前記設備は、第1座席に組み合わされた第1フットゾーン及び第2座席に組み合わされた第2のフットゾーンを備えるモジュールを含み、第1フットゾーン及び第2フットゾーンは2つの座席に共通のフット面を画定する。
【0020】
一実施形態によれば、モジュールは、第1のフットゾーン及び第2のフットゾーン間に配置された格納式仕切り壁を備えている。
【0021】
一実施形態によれば、モジュールは、第1フットゾーンと第2のフットゾーンとの間に格納式分離壁を備えていない。
【0022】
一実施形態によれば、前記設備は、設備の長手軸線を横断する端部壁を含む。
【0023】
一実施形態によれば、横断端部壁は、少なくとも1つのモニタを有する。
【0024】
一実施形態によれば、2つの斜め壁は各々横断壁の端部と設備の長手軸線に対して平行に延在する壁との間の接続を確保する。これによって、特に通路の始点で設備の設置面積を減少させることができる。それによって、斜め壁及びキャビン端部の家具との間に空間を備えることができる。
【0025】
一実施形態によれば、前記設備は、端部組立体の座席を仕切るための、長手軸線に沿って延在する格納式中央パーティションを含む。
【0026】
もちろん、本発明の様々な特徴、変形及び/または実施形態は、それらが互いに非互換または排他的でない限り、様々な組み合わせで互いに関連付けられてもよい。
【0027】
本発明は、例として示した実施形態を含む以下の記載を、下記の添付図面を参照して読むことで、より良く理解され、さらに他の特徴及び利点が明らかになるであろう。これらの図面は、非限定的な例として示され、本発明及びその実施の説明の理解を補完し、場合によっては、その定義に寄与することに役立つであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1a~
図1dは本発明による一般的な設備で使用することができる座席配置の実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明による複数の座席配置を実現するために使用することができるダブルモジュールの斜視図である。
【
図3】
図3a~
図3cは、本発明による座席設備の異なる形態を示す。
【
図4】
図4a~
図4dは、本発明による座席設備の端部に位置する2つの座席組立体の構成を示す。
【
図5】
図5a及び
図5bは、本発明による座席設備の端部に位置する2つの座席からなる組立体の構成の変形例を示す。
【
図6】
図6は、杉綾状構成に沿って配置された2つの座席に共通のフットゾーンの一実施形態を示す。
【0029】
図面において、様々な実施形態に共通の構造的及び/または機能的要素は同じ参照番号を有する場合があることに留意されたい。したがって、そのような要素は、特に明記しない限り、同一の構造、寸法及び材料特性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1a~
図1dは、航空機キャビン内に設置するための座席配置10を示す。この配置10は、2つの座席13.1及び13.2の第1組立体11.1と2つの座席13.3及び13.4の第2組立体11.2とを含む。各組立体11.1、11.2では、座席(第1組立体11.1では、13.1及び13.2、第2組立体11.2では、13.3及び13.4)が2つずつ並べて配置されている。
【0031】
各座席13.1~13.4は、水平面と座席の対称面との交点に対応する軸線X1を有する。各座席13.1~13.4は、好ましくは、航空機の停止、離陸及び着陸段階中に使用される姿勢に対応する「座る」姿勢と、座席13.1~13.4が乗客用にほぼ水平なベッド面を画定する「横たわる」姿勢との間で転換可能である。各座席13.1~13.4は、また、これらの2つの極端な姿勢の間で、中間姿勢、いわゆるリラックス姿勢をとることも可能である。
【0032】
配置10は、航空機キャビンの軸線X3に沿って延びるか、または、この軸線X3に平行であり得る長手軸線X2を有する。あるいは、軸線X2は、キャビンの軸線X3に対してほぼ垂直であるか、または任意の角度を形成し得る。長手軸線X2は、同一組立体11.1(または11.2)の座席13.1及び13.2(または13.3及び13.4)の間を通る。この軸線X2は、配置10の対称面に位置することが可能であろう。
【0033】
より正確には、第1組立体11.1の第1座席13.1は、第2組立体11.2の第1座席13.3の正面に位置し、第1組立体11.1の第2座席13.2は、第2組立体11.2の第2座席13.4の正面に位置する。
【0034】
さらに、第1組立体11.1の第1座席13.1及び第2座席13.2は、配置10の長手軸線X2の方向に内側に向かって回転する。第2組立体11.2の第1座席13.3及び第2座席13.4は、配列10の長手軸線X2の反対に外側に向かって回転する。
【0035】
好ましくは、座席13.1、13.2、13.3、13.4の軸線X1は、アレンジメント10の軸線X2の長手軸線X2に対してほぼ同一角度を形成する。同一組立体11.1、11.2の座席の軸線X1は、配置10の長手軸線X2とほぼ同一点で交差する。
【0036】
したがって、第1組立体11.1の座席13.1、13.2の軸線X1は、座席13.1、13.2の前方でほぼ同一点で長手軸線X2と交差し、一方、第2組立体11.2の座席13.3、13.4の軸線は、座席13.3、13.4の後方でほぼ同一点で長手軸線X2と交差する。
【0037】
あるいは、同一組立体11.1、11.2の座席の軸線X1を軸線X2に沿って互いにずらして、同一組立体11.1、11.2の座席の軸線が異なる点で長手軸線X2と交差するようにすることもできる。
【0038】
各座席13.1、13.2、13.3、13.4は、基本モジュール15の対応するハウジング内に組み込まれている。この基本モジュール15は、座席13.1~13.4の片側に位置するアームレスト16及び座席13.1~13.4のもう一方の側に位置するクッション17を含む。クッション17は、好ましくは、座席13.1~13.4のベッド面が横たわる姿勢にあるときこのベッド面の延長に位置するためのベッド最大化クッションである。アームレスト16は、座席13.1~13.4に対応する座席が座る姿勢にあるときに乗客が肘を休めることができる上昇位置と、アームレスト16が横たわる姿勢にある座席13.1~13.4の延長に位置する下降位置との間の格納式アームレストであってもよい。
【0039】
各座席13.1~13.4はまた、特に
図1bで見られるように、その背もたれの周りに設置されたシェル20に組み合わせられ、隣接する配置10の座席13.1~13.4を分離する。同一組立体11.1(または11.2)の座席13.1及び13.2(または13.3及び13.4)のシェル20は、一続きに形成することができる。
【0040】
いくつかの配置10が前後に設置された時、同一の列に沿って設置された第1組立体11.1の座席13.1(または13.2)及び、同一の長手方向列に沿って設置された第2組立体11.2の隣接する座席13.3(または13.4)はダブルモジュール23から形成することができる。
図2に示すように、ダブルモジュール23は、座席13.1及び13.3(または座席13.2及び13.4)が互いに反対の2つの方向に沿って回転するように、2つの座席13.1及び13.3(または座席13.2及び13.4)を各々収容するための2つのハウジング24.1、24.2を含む。一つの座席13.1(または13.2)は長手軸線X2に向かって回転し、一方、もう一つの座席13.3(または13.4)は長手軸線X2の外側に向かって回転する。同一モジュール28に設置された2つの座席13.1と13.3(または座席13.2と13.4)は、互いに対してほぼ平行であることが好ましい。シェル20は、ダブルモジュール23の2つの座席13.1及び13.3(または座席13.2及び13.4)の間に延在している。さらに、ダブルモジュール23では、横たわる姿勢の座席13.1及び13.3(または13.2及び13.4)の背もたれは、長手方向Yに沿って少なくとも部分的に重なり合う。
【0041】
アレンジメント10は、第1座席組立体11.1と第2座席組立体11.2との間に配置された第1の中央コンソール27.1と第2の中央コンソール27.2を含む。中央コンソール27.1、27.2は各々上部平面28を有し、乗客はその上に特に物を置くことができるであろう。
【0042】
第1中央コンソール27.1は、互いに対して反対の2つの方向に沿って開き、各々第1組立体11.1の第1座席13.1及び第2組立体11.2の第1座席13.3に連結された第1フットゾーン30.1及び第2フットゾーン30.2を含む。したがって、第1組立体11.2が横たわる姿勢にある時、フットゾーン30.1は、第1組立体11.1の第1座席13.1の延長部に位置する。反対側のフットゾーン30.2は、第2組立体11.2が横たわる姿勢にある時、第2組立体11.2の第1座席13.3の延長部に位置する。
【0043】
同様に、第2中央コンソール27.2は、互いに対して反対の2つの方向に沿って開き、各々第1組立体11.1の第2座席座席13.2及び第2組立体11.2の第2座席13.4に連結された第1フットゾーン30.3及び第2フットゾーン30.4を含む。したがって、第1組立体11.1が横たわる姿勢にある時、フットゾーン30.3は、第1組立体11.1の第2座席13.2の延長部に位置する。反対側のフットゾーン30.4は、第2組立体11.2が横たわる姿勢にある時、第2組立体11.2の第2座席13.4の延長部に位置する。
【0044】
各中央コンソール27.1、27.2において、フットゾーン30.1及び30.2(または30.3及び30.4)は、長手軸線X2に沿って少なくとも部分的に重なり合う。したがって、同一中央コンソール27.1(または27.2)の2つのフットゾーン30.1及び30.2(または30.3及び30.4)を横断する長手軸線X2に垂直な直線が少なくとも1つ存在する。より正確には、
図1aに示すように、フットゾーン30.1~30.4は、対応する座席13.1~13.4の方向に開いたハウジング31及びハウジング31の内部にほぼ水平に配置され、乗客がその上に足を載せることができるクッション32によって構成される。
【0045】
中央コンソール27.1、27.2内に形成されたハウジング31は、ボトム33によって画定され、同一コンソール27.1、27.2内に形成された2つのハウジング31のボトム33は長手軸線X2に対して傾斜した共通壁34によって互いに接続されている。
【0046】
モジュール特性を示すためには、中央コンソール27.1、27.2は互いに独立していることが好ましい。あるいは、しかしながら、コンソール27.1、27.2は、単一部品のみを形成するように一体成形で形成することが可能である。
【0047】
さらに、中央パーティション37が、長手軸線X2に沿って延在し、同一組立体11.1、11.2の2つの座席13.1、13.2(または13.3、13.4)間を分離する。
図1cに示されているように、そのような構成によって、向かい合う2つの座席モジュール、すなわち、座席13.1及び13.3によって形成される第1モジュールと座席13.2及び13.4によって形成される第2モジュールを作製することができる。
【0048】
中央パーティション37は、好ましくは展開位置と片付け位置との間で格納式である。片付け位置では、前記中央パーティション37は2つの中央コンソール27.1、27.2間の空間38に少なくとも一部分が収容される。
【0049】
中央パーティション37は、単一部分または2つの部分37.1、37.2によって形成され、2つの座席組立体11.1、11.2の並行する座席13.1及び13.2(または13.3及び13.4)を分離独立させる。
【0050】
特定の実施形態では、中央パーティション37は、支柱40に機械的に接続される。実際、配置10は、座席13.1~13.4に関連するマルチメディアシステム用の電力及びデータ信号を運ぶ電気ビームの通過を可能にするために垂直に延在する中空の支柱を含む。したがって、下記に説明するように、これらの支柱40の存在を活用して、それらを中央パーティション37及び配置10の他のパーティションの固定支持部材として使用することが可能であろう。
【0051】
このため、中央パーティション37を有する支柱40は、パーティション37の各部分37.1、37.2の垂直方向に沿った移動を可能して、1つの位置からもう1つの位置へ移動させる滑り溝を含むことがあり得る。あるいは、中央パーティション37の移動は、側方への移動、または回転、またはこれらの移動の組み合わせであってもよい。
【0052】
あるいは、横断パーティション43は、配置10の長手軸線X2の垂直方向に沿って延在し、それによって、2つの座席組立体11.1及び11.2を互いに分離する。
【0053】
図1dの実施形態では、横断パーティション43は、配置10の座席13.1~13.4に各々組み合わされたモニタ44を有する。したがって、横断パーティション43は、その両面に各々2つのモニタ44を有する。前記のように、支柱40は横断パーティション43用の支持構造として利用することが可能である。いくつかの構造では、横断パーティション43が支柱40を覆い隠す形状を備えることが可能である。
【0054】
横断パーティション43は、好ましくは展開置と片付けた位置との間で格納式であり得る2つの部分43.1、43.2によって形成される。
【0055】
図3a~
図3cは、航空機キャビンに設置されるための本発明による座席13の設備45の例を示している。長手軸線X4の設備45は、列に沿って前後に配置された2つの座席からなる複数の組立体を含む。座席設備45は、設備45の長手軸線X4の方向に内側に向かって回転する2つの座席13.1、13.2からなる組立体を少なくとも1つと、それは必然ではないが、好ましくは、長手軸線X4の反対に外側に向かって回転する2つの座席13.3、13.4からなる組立体を少なくとも1つ含む。軸線X4は航空機キャビンの軸線X3と平行、または一致する。
【0056】
したがって、
図3a及び
図3bの設備45は、軸線X4の内側に向かって回転する2つの座席13からなる4つの組立体11と、軸線X4の外側に向かって回転する2つの座席13からなる3つの組立体11を含む。
図3cの設備45は、軸線X4の方向に内側に向かって回転する2つの座席13からなる5つの組立体11と、軸線X4の外側に向かって回転する2つの座席13からなる2つの組立体11を含む。
【0057】
組立体の一体化を容易にするためには、設備45は、好ましくは、
図1a~
図1dを参照して前記に記載したように、4つの座席13を有する配置10を少なくとも1つ含み得るであろうが、それは必要不可欠ではない。そのとき、配置の軸線X2は、設備45の軸線X4と一致する。
【0058】
設備45は2つの座席組立体E、すなわち、各々、設備45の端部に配置される端部組立体Eを含む。端部座席組立体Eは第1座席13及び第2座席13を含み、各座席は座る姿勢と、座席がベッド面SLを画定する横たわる姿勢との間で転換可能である。
【0059】
端部組立体Eの座席13は、
図3a及び
図3bの端部組立体Eの場合のように、軸線X4の方向に内側に向かって回転することが可能である(前記の座席13.1及び13.2の配置に類似した杉綾状、または英語ではヘリンボーン状の配置)。あるいは、端部組立体Eの座席は、
図3cで左側に配置された端部組立体Eの場合のように、軸線X4の反対に外側に向かって回転することが可能である(前記の座席13.3及び13.4の配置に類似した逆杉綾状、または英語ではリバースヘリンボーン状の配置)。
【0060】
さらに、中間要素47は、少なくとも1つの端部組立体Eの第1座席13.1と第2座席13.2(または13.3と13.4)との間に配置される。中間要素47は、第1座席13.1及び第2座席13.2のベッド面SLと同一平面に位置する面、いわゆる中間面SIを有し、したがって、座席13.1、13.2のベッド面及び中間面SIが共通ベッド面SLCを形成する。中間面SIは、第1座席及び第2座席のベッド面SLの延長に位置し、第1座席13.1及び第2座席13.2のベッド面SL間の空間を少なくとも一部分埋める。
【0061】
図4a~
図4cの実施形態では、中間要素47は2つの座席13.1、13.2間に配置されたコンソール48によって構成され、そのコンソール48がアームレストを形成する高位置と、コンソール48の上面が横たわる姿勢にある2つの座席13.1、13.2と同一平面に位置して、2つの座席13.1、13.2の間の空間を少なくとも一部分埋める低位置との間で格納式である。
【0062】
コンソール48は、このため、座席13.1及び13.2の傾斜を考慮して、三角形または台形の形状を有する。コンソール48は、必要に応じて、三角形状の固定端部49に結合されてもよい。
【0063】
あるいは、座席13のベッド面SLと同一平面に位置する中間面SIを画定する上面を有する固定コンソール48を使用することが可能であろう。
【0064】
図5a及び
図5bの実施形態では、中間要素47は2つの座席13の間に配置された補助座席50である。
【0065】
中間面SIは、座席13.1、13.2のベッド面SLと同一平面に位置し、2つの座席13.1、13.2と共通のベッド面SLを形成する補助座席50の座面51によって画定される。この補助座席50は、さらに背もたれ52を含む。座席13とは異なり、補助座席50は転換可能ではない。それは、乗客が席を離れて、航空機内で自由に移動することが可能である時(離陸及び着陸段階を除いて)に使用可能であろう。
【0066】
座面51によって画定される中間面SIは、補助座席50の座面51と第1及び第2座席のベッド面SLとの間に存在する空間を埋める三角形のベッド面SLの最大化部材53によって延長される。最大化部材53は、例えば、収縮位置と展開位置との間で格納式であることが可能な、ここでは三角形のクッションによって構成される。
【0067】
座面51と背もたれ52は、各々単一部品として形成されるか、または、各々が座席13.1、13.2に組み合わされ、並べて配置された2つのハーフクッションから形成され得る。
【0068】
補助座席50は、ベビーシート用の固定装置を含むことが可能であろう。
【0069】
また、背もたれクッション52を備えない補助座席50を設置することが可能である。
【0070】
図3cの実施形態では、中間要素47は、逆杉綾状構成によって配置された左端部の座席13.3、13.4間に配置された少なくとも1つのアームレスト55によって構成されている。このアームレスト55は、座る姿勢の乗客によって使用される高位置と低位置との間で格納式である。中間面SIは、低い位置にあるアームレスト55の面によって画定される。場合によっては、座席ごとにアームレスト55を備えるが、2つの座席13.3、13.4用に1つのアームレスト55を備えることが可能である。
【0071】
さらに、
図4a、
図4b、
図4c及び
図6に示されているように、端部組立体Eは第1座席13.1に組み合わされた第1フットゾーン58.1及び第2座席13.2に組み合わされた第2フットゾーン58.2を備えるモジュール57を含む。第1フットゾーン58.1及び第2フットゾーン58.2は2つの座席13.1、13.2に共通のフット面SPを画定する。すなわち、これらの2つのフットゾーン58.1、58.2間に分離壁はない。この共通のフット面SPは座席13.1、13.2のベッド面SLと同一平面に配置される。フットゾーン58.1、58.2は、クッション、特に気泡で形成されたクッションによって構成され得るであろう。
【0072】
フットゾーン58.1、58.2は、
図4a、
図4b、
図4cの実施形態のように、開口するか、または、
図6に図示されているように、座席13.1、13.2の方向に開口したモジュール57内に作製されたハウジング59の内部に配置することが可能である。
【0073】
1実施形態によると、モジュール57は、第1フットゾーン58.1と第2フットゾーン58.2との間の格納式分離壁60を備えることが可能であろう。分離壁60は、その分離壁60が2つのフットゾーン58.1、58.2間の分離を確保する分離位置と2つのフットゾーン58.1、58.2が互いに連通している保管位置との間で格納式である。言い換えれば、分離壁60が保管位置にある時、2つのフットゾーン58.1、58.2及びハウジング59は単一の容積を限定する。
【0074】
図3a~
図3c及び
図4a~
図4cの実施形態では、少なくとも1つの端部組立体Eは、設備45の長手軸線X4に対して横断する端部壁62及び、横断壁62の端部と設備45の長手軸線X4に対してほぼ平行に延在する壁64との間に各々接続を確保する2つの斜め壁63によって画定される空間に配置される。「斜め壁」とは、長手軸線X4に対して零ではない角度を形成する壁63を意味する。これらの斜め壁63は、端部組立体Eによって占められる空間の内側に向かって傾斜している。したがって、壁62、63及び64のアセンブリは、装置45の端部の1つで面取りした形状を示す。
【0075】
図3a及び
図3cに見られるように、それによって、特に通路の入口65で設備45の設置面積を減少させることができる。それによって、斜め壁63とキャビンの端部家具68との間の大きな出入口を配置することができる。
【0076】
横断方向の端部壁62は、
図4bに示すように、2つの座席13.1、13.2に共通のモニタ70を支持することが可能である。あるいは、端部壁62は、2つのモニタ70、すなわち、乗客1人に1つのモニタ70を支持することが可能である。
【0077】
斜め壁63は、側方収納家具71を支持することが可能である。側方収納家具71は、乗客の荷物を収納するために十分の寸法を有することが可能である。側方収納家具71は、タブレット収納部72を含むことが可能である。
【0078】
図3bに見られるように、端部組立体Eの座席13の間を分離するために、長手軸線X4に沿って延在する格納式中央パーティション73を備えることが可能である。このパーティション73は、2つの座席13間の分離を確保する高位置と、特にベッド面SLと結合することが可能な低位置との間で可動である。
【0079】
本発明はまた、バス、列車または船の座席など、他の輸送手段における座席でも、利用することが可能である。
【0080】
もちろん、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、それらの実施形態は単に例示の目的で提供されるものである。本発明は、本発明の範囲内で当業者が考案し得る様々な修正、代替形態、及び他の変形例を抱合し、特に様々な機能形態のあらゆる組み合わせを別々に、または組み合わせて採用することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
13、13.1~13.4 座席
45 設備
47 中間要素
48 コンソール
50 補助座席
51 座面
52 背もたれ
55 アームレスト
57 モジュール
58.1、58.2 フットゾーン
60 分離壁
62 端部壁
63 斜め壁
73 中央パーティション
SI 中間面
SL ベッド面
SLC 共通ベッド面