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特許7083847アレイ基板及びその作製方法、タブレットディテクタ及び映像装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】アレイ基板及びその作製方法、タブレットディテクタ及び映像装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20220606BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20220606BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220606BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20220606BHJP
【FI】
H01L29/78 616V
A61B6/00 300S
H01L29/78 618C
H01L29/78 626C
H01L31/10 G
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019563851
(86)(22)【出願日】2017-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 CN2017116523
(87)【国際公開番号】W WO2018209947
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2020-08-25
(31)【優先権主張番号】201710362644.9
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】507134301
【氏名又は名称】北京京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 8 Xihuanzhonglu, BDA, Beijing, 100176, P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲蒋▼ 会▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】高 建▲剣▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲海▼波
(72)【発明者】
【氏名】朱 孝会
【審査官】田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-339640(JP,A)
【文献】特開2001-111060(JP,A)
【文献】国際公開第2007/040194(WO,A1)
【文献】特開2014-157893(JP,A)
【文献】国際公開第2016/195001(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/786
A61B 6/00
H01L 21/336
H01L 31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地基板と、前記下地基板上に設けられたフィルムトランジスタと、フィルムトランジスタの第1電極に接続された光電変換器と、を含むアレイ基板であって、
前記第1電極は、第1導電層を含み、
前記光電変換器は、前記第1導電層の前前記下地基板から離れる側に前記光電変換器を形成するための光電変換材料を積層した後、前記光電変換材料をエッチングすることで、前記第1導電層の前記下地基板から離れる側に設けられ、
前記第1導電層は、前記光電変換器の形成工程において
エッチング耐性を有する材料を含み、
前記第1電極は、前記フィルムトランジスタのソースまたはドレインであり、
前記フィルムトランジスタは、トップゲート型のフィルムトランジスタであり、
前記アレイ基板は、前記光電変換器の前記下地基板から離れる側の表面に設けられた透明電極層に接続された第2電極をさらに含み、
前記第2電極の前記下地基板への正投影と前記フィルムトランジスタの活性層の前記下地基板への正投影とは、互いに離間している
ことを特徴とするアレイ基板。
【請求項2】
第1導電層の材料は、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、インジウムスズ亜鉛酸化物、インジウムガリウムスズ酸化物、酸化亜鉛、カドミウム酸化物、酸化アルミニウムのうち少なくとも1種を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記第1電極は、該第1導電層と前記下地基板との間に位置する第2導電層をさらに含み、
前記第2導電層は、金属材料を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記フィルムトランジスタの活性層の両端は、それぞれ前記フィルムトランジスタのソース及びドレインに接続され、
前記フィルムトランジスタの活性層の下地基板への正投影は、前記活性層の両端間の長さを延長するように蛇行した形状を有する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記フィルムトランジスタの活性層の下地基板への正射影は、U型形状を有している、
ことを特徴とする請求項4に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記アレイ基板は、前記フィルムトランジスタの活性層と前記下地基板との間に設けられたバッファ層をさらに含む、
ことを特徴とする請求項に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記光電変換器は、フォトダイオードである、
ことを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記フィルムトランジスタは、低温ポリシリコンフィルムトランジスタである、
ことを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一項に記載のアレイ基板と、
前記アレイ基板を覆う非可視光変換層と、を含み、
前記非可視光変換層は、非可視光を可視光に変換するために構成されており、
前記光電変換器は、前記可視光を電気信号に変換する、
ことを特徴とするタブレットディテクタ。
【請求項10】
請求項に記載のタブレットディテクタを含む、
ことを特徴とする映像装置。
【請求項11】
下地基板を提供する工程と、
前記下地基板上にフィルムトランジスタを形成する工程と、を含み、
フィルムトランジスタを形成する工程は、
第1導電材料層を形成する工程と、
前記第1導電材料層を1回パターニングし、フィルムトランジスタの第1電極である第1導電層を形成する工程と、を含み、
前記第1導電層の前記下地基板から離れる側に、光電変換器を形成するための光電変換材料を積層した後、前記光電変換材料をエッチングすることで、前記フィルムトランジスタの第1電極に接続された光電変換器を形成する工程を備えており、
前記第1導電層は、前記光電変換器を形成する工程においてエッチング耐性を有する材料を含み、前記第1電極は前記フィルムトランジスタのソース又はドレインであり、
前記光電変換器が形成された後、さらに、
第3金属材料層を形成し、前記光電変換器の前記下地基板から離れる側に設けられた透明電極層に接続された第2電極をパターニングプロセスにより形成する工程を含み、
前記第2電極の前記下地基板への正射影と、前記フィルムトランジスタの活性層の前記下地基板への正射影とは、互いに離間している、
ことを特徴とするアレイ基板を作製する方法。
【請求項12】
前記第1導電層の材料は、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、インジウムスズ亜鉛酸化物、インジウムガリウムスズ酸化物、酸化亜鉛、カドミウム酸化物、酸化アルミニウムのうちの少なくとも1種を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1導電材料層を形成する前に、第1金属材料層を形成する工程をさらに含み、
前記第1導電材料層は、前記第1金属材料層を覆い、
フィルムトランジスタのソース及びドレインは、前記第1金属材料及び前記第1導電材料層によって1回のパターニングプロセスで形成される、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ソース又はドレインが形成される前に、
前記下地基板上にポリシリコン材料層を形成し、1回のパターニングプロセスにより、U型の活性層を形成する工程と、
ゲート絶縁層及び第2金属材料層を形成し、前記第2金属材料層に1回のパターニングプロセスを行うことにより、ゲートを形成する工程と、をさらに含み、
ゲートの下地基板への正投影とU型の活性層の下地基板への正投影とは、重なる領域を有する、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記U型の活性層が形成される前に、
前記下地基板上に前記下地基板を覆うバッファ層が形成される工程をさらに含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本開示は、国際出願番号がPCT/CN2017/116523であり、国際出願日が2017年12月15日である国際出願の国家段階に入る出願であり、2017年5月19日に出願された出願番号が201710362644.9であり、名称が「アレイ基板及びその作製方法、タブレットディテクタ及び映像装置」である出願を基礎とする優先権を主張する。
【0002】
本開示は光電の技術分野に関し、特にアレイ基板及びその作製方法、タブレットディテクタ及び映像装置に関する。
【背景技術】
【0003】
X線検出は医療分野で広く利用されており、被検体を透過したX線を検出するには、タブレットディテクト技術が用いられるのが一般的である。タブレットディテクト技術には、直接型ディテクト及び間接型ディテクトの2種類を含む。間接型ディテクトを実現するためのタブレットディテクタは一般的にアレイ基板上にアレイ状に配列されたフィルムトランジスタ(TFT)及び光電変換器を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施例は、アレイ基板及びその作製方法、タブレットディテクタ及び映像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一局面によれば、アレイ基板が提供される。
【0006】
1つの例示的な実施例によれば、アレイ基板は、下地基板と、前記下地基板上に設けられたフィルムトランジスタと、フィルムトランジスタの第1電極に接続された光電変換器と、を含む。前記第1電極は第1導電層を含み、前記光電変換器が前記第1導電層の前記下地基板から離れる側に設けられ、前記第1導電層は、前記光電変換器を形成する工程においてエッチング耐性を有する材料を含み、前記第1電極は、前記フィルムトランジスタのソースまたはドレインである。
【0007】
他の実施例によれば、第1導電層の材料は、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、インジウムスズ亜鉛酸化物、インジウムガリウムスズ酸化物、酸化亜鉛、カドミウム酸化物、酸化アルミニウムのうち少なくとも1種を含むことができる。
【0008】
他の実施例によれば、前記第1電極は、該第1導電層前記下地基板との間に位置する第2導電層をさらに含み、前記第2導電層は、金属材料を含む。
【0009】
更に他の実施例によれば、前記フィルムトランジスタの活性層の両端は、それぞれ前記フィルムトランジスタのソース及びドレインに接続され、前記フィルムトランジスタの活性層の下地基板への正投影は、前記活性層の両端間の長さを延長するように蛇行した形状を有する。
【0010】
さらに別の実施例によれば、前記フィルムトランジスタの活性層の下地基板への正射影は、U型形状を有る。
【0011】
さらに別の実施例によれば、前記フィルムトランジスタは、トップゲート型のフィルムトランジスタであり、前記アレイ基板は、前記光電変換器の下地基板から離れる側の表面に設けられた透明電極層に接続された第2電極をさらに含む。前記第2電極の前記下地基板への正投影と前記フィルムトランジスタの活性層の前記下地基板への正投影とは、互いに離間している。
【0012】
さらに別の実施例によれば、前記アレイ基板は、前記フィルムトランジスタの活性層と前記下地基板との間に設けられたバッファ層をさらに含む。
【0013】
さらに別の実施例によれば、前記光電変換器は、フォトダイオードである。
【0014】
さらに別の実施例によれば、前記フィルムトランジスタは、低温ポリシリコンフィルムトランジスタである。
【0015】
本開示の別の局面によれば、タブレットディテクタが提供される。
【0016】
1つの例示的な実施例によれば、前記タブレットディテクタは、前述のいずれかの実施例に記載のアレイ基板と、前記アレイ基板を覆う非可視光変換層と、を含み、前記非可視光変換層は、非可視光を可視光に変換するために構成されており、前記光電変換器は、前記可視光を電気信号に変換する。
【0017】
本開示のさらに他の局面によれば、前記タブレットディテクタを含む映像装置が提供される。
【0018】
本開示のさらに別の局面によれば、アレイ基板を作製する方法が提供される。
【0019】
一つの例示的な実施例によれば、前記方法は、下地基板を提供する工程と;前記下地基板上にフィルムトランジスタを形成する工程とを含む。ただし、フィルムトランジスタを形成する工程は、第1導電材料層を形成する工程と、前記第1導電材層を1回パターニングし、フィルムトランジスタ第1電極である第1導電層を形成する工程とを含む。前記第1導電層の前記下地基板から離れる側に前記フィルムトランジスタの第1電極に接続された光電変換器を形成する工程を備えている。前記第1導電層は、前記光電変換器を形成する工程においてエッチング耐性を有する材料を含み、前記第1電極は前記フィルムトランジスタのソース又はドレインである
【0020】
他の実施例によれば、前記第1導電層の材料は、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物、インジウムスズ亜鉛酸化物、インジウムガリウムスズ酸化物、酸化亜鉛、カドミウム酸化物、酸化アルミニウムのうちの少なくとも1種を含む。
【0021】
さらに別の実施例によれば、アレイ基板を作製する方法は、第1導電材料層を形成する前に、第1金属材料層を形成することをさらに含む。前記第1導電材料層は、前記第1金属材料層を覆い、フィルムトランジスタのソース及びドレインは、前記第1金属材料及び前記第1導電材料層によって1回のパターニングプロセスで形成される。
【0022】
他の実施例によれば、ソース又はドレインが形成される前に、前記下地基板上にポリシリコン材料層を形成し、1回のパターニングプロセスにより、U型の活性層を形成する工程と、ゲート絶縁層及び第2金属材料層を形成し、前記第2金属材料層に1回のパターニングプロセスを行うことにより、ゲートを形成する工程と、をさらに含む。ゲートの下地基板への正投影とU型の活性層の下地基板への正投影とは、重なる領域を有する。
【0023】
さらに別の実施例によれば、前記光電変換器が形成された後、第3金属材料層を形成し、前記光電変換器の下地基板から離れる側に設けられた透明電極層に接続された第2電極をパターニングプロセスにより形成する工程をさらに含む。ただし、前記第2電極の前記下地基板への正射影と、前記フィルムトランジスタの活性層の前記下地基板への正射影とは、互いに離間している。
【0024】
他の実施例によれば、前記U型の活性層が形成される前に、前記下地基板上に前記下地基板を覆うバッファ層が形成されることをさらに含む。
【0025】
以下、本開示の実施例について、例を挙げて図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、従来のタブレットディテクタの構造概略図である。
図2図2は、本開示の一実施例によるアレイ基板の概略構成図である。
図3図3は、図2のTFTとそれに接続された光電変換器の概略構成図である。
図4図4は、図3に示された実施例の代替的な実施例である。
図5図5は、本開示の他の実施例によるTFTと、該TFTに接続された光電変換器の概略構成図であり、図4に示されたアレイ基板に第2電極を追加に設けられている。
図6図6は、本開示の一実施例に係るTFTにおける活性層の形状を示す模式図である。
図7図7は、図6のB-B方向に切り出されたTFT構造を含むアレイ基板の概略構成図である。
図8図8は、本開示の一実施例によるタブレットディテクタの概略構成図である。
図9図9は、本開示の他の実施例によるアレイ基板の作製方法のフローチャートである。
図10図10は、図7に示すアレイ基板の作製工程を示している。
図11a図11aは、図7に示すアレイ基板の作製工程を示している。
図11b図11bは、図7に示すアレイ基板の作製工程を示している。
図12図12は、図7に示すアレイ基板の作製工程を示している。
図13図13は、図7に示すアレイ基板の作製工程を示している。
図14図14は、図7に示すアレイ基板の作製工程を示している。
図15図15は、図7に示すアレイ基板の作製工程を示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本開示の例示的な実施例を詳細に説明する。図面における類似の参照符号は類似する特徴を指す。本開示は、他の異なる形態で実施されることも可能であるため、本開示は、本明細書に記載される実施例のみに限定されるものと解釈されるべきではない。これらの実施例を提供する目的は、当業者が本開示の構想を十分かつ完全に理解できることである。
【0028】
図1に示すように、間接型ディテクトを実現するためのタブレットディテクタ(FPD)は、アレイ基板10と、このアレイ基板を覆う非可視光(例えばX線)変換層11とを含む。アレイ基板上には、アレイ状に配列されたフィルムトランジスタ(TFT)と光電変換器101が設けられている。X線変換層11は、非可視光を可視光に変換した後、光電変換器101で可視光を電気信号に変換して蓄積する。この光電変換器101に接続されたTFTがオンすると、電気信号がプロセッサに出力され、プロセッサで処理されて画像情報が得られる。従来、光電変換器を作製する際に、アレイ基板上のTFTに影響を与え、TFTのオン性能を低下させて、タブレットディテクタの検出効果を低下させていた。
【0029】
依然として図1を参照する、本出願はアレイ基板10が提供され、下地基板01と、該下地基板01上に設けられた図2に示すマトリクス状に配列された複数のフィルムトランジスタ(TFT)と、TFTのソース120またはドレイン121であるTFTの第1電極に接続された光電変換器101とを含む(図3及び図4参照)。
【0030】
図2に示すように、上記アレイ基板10は、縦横に交差する複数のゲート線Gateと、読み出し信号線RLとをさらに含む。このゲート線Gateと読み出し信号線RLとの交差部に、マトリクス状に配列された複数の検出ユニット02が規定され、各検出ユニット内に、上記TFTと、このTFTに接続された光電変換器101とが設けられている。
【0031】
TFTごとのゲートは、上記ゲート線Gateに接続され、ドレイン121(又はソース120)は、1本の読み出し信号線RLに接続されている。TFTのソース120が上記光電変換器101に接続されると、TFTのドレイン121が読み出し信号線RLに接続され、TFTのドレイン121が上記光電変換器101に接続されると、ソース120は読み出し信号線RLに接続される、ことがわかる。説明の便宜上、以下の各実施例または例では、いずれもTFTのドレイン121が上記光電変換器101に接続され、ソース120が読み出し信号線RLに接続されているものとする。
【0032】
本開示の各実施例において、TFTは、N型TFTであってもよいし、P型TFTであってもよい。
【0033】
光電変換器101は、フォトレジスタ、フォトトランジスタ、フォトダイオード、またはフォトカプラなどであってよい。例示的な実施例では、光電変換器101はフォトダイオードである。具体的には、該フォトダイオードは、図3に示すPIN構造を有していてもよいし、該PIN構造は、下地基板01に近接してN型不純物がドープされた半導体材料からなるN型半導体材料層と、下地基板01から離反してP型不純物がドープされた半導体材料からなるP型半導体材料層と、N型半導体材料層とP型半導体材料層との間に位置し、低不純物の真性半導体材料からなるI型半導体材料層と、を含む。
【0034】
光電変換器101がフォトダイオードであり、TFTのドレイン121が上記光電変換器101に接続される場合、該フォトダイオードにおける下地基板01に近いN型半導体材料層が上記TFTのドレイン121に接続される。
【0035】
TFTのドレイン121は、光電変換器に接続されており、1つの例示的な実施例では、図3に示すように、ドレイン121は光電変換器101が位置する領域に延在する部分を含む。つまり、ドレイン121は第1導電層1201により形成され、光電変換器101は該第1導電層1201に形成されている。光電変換器は、通常、ドライエッチング法を用いて作製されるため、第1導電層1201は、耐食性を有する材料で構成される必要がある。すなわち、光電変換器101を作製する過程において、採用されるエッチングプロセスは、第1導電層1201に影響を与えない、または影響が小さい。
【0036】
図示しない置換実施例において、光電変換器はTFTのソースに接続されてもよく、及び/又は光電変換素子は、TFTのソースの延在部に形成されてもよく、TFTのソースその延在部は、耐食性を有する材料で形成されてもよいことが分かる。
【0037】
例示的な実施例によれば、第1導電層の材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO)、インジウムガリウムスズ酸化物(ITGO)、酸化亜鉛(ZnO)、カドミウム酸化物(CdO)、または酸化アルミニウム(Al)などの酸化物材料のうち少なくとも1種を選択できる。
【0038】
第1導電層が耐食性を有する材料で形成されているため、ドライエッチングプロセスでフォトダイオードを作製する場合、ドライエッチングプロセスにおけるイオンビームまたはプラズマによる第1導電層1201への影響が小さく、異なる検出ユニット02に位置するTFTの電気的特性を均一にさせることができ、TFTの電気的特性のばらつきによるムラ不良の発生の可能性を低減できる。他の実施例では、ウェットエッチングプロセスを用いてPINフォトダイオードを作製することを考えた場合でも、適切なエッチング液の配合及び第1導電層の材料を選択することにより、第1導電層の材料をエッチング液によるエッチングに耐えるようにすることができる。
【0039】
好ましいのは、上述TFTは低温ポリシリコンであってもよく、低温ポリシリコンは高いキャリアマイグレーション率を有するため、良好な導電率と電気的特性を有する。低温ポリシリコンを用いてTFTを作製する場合には、そのTFTに接続される信号線(すなわちゲート線Gateと読み出し信号線RL)の線幅を大きくする必要がなく、上記TFTのオンとオフを制御することができる。このため、低温ポリシリコンを用いてTFTを作製する場合には、ゲート線Gateと読み出し信号線RLの線幅を好適に小さくすることができる。このようにすると、アレイ基板上の遮光面積を小さくすることができ、そのアレイ基板における検出ユニット02毎の光吸収面積を高くして、検出ユニット02による光線の検出精度をより高くすることができる。
【0040】
TFTのソース120及びドレイン121の導電性を向上させるために、一実施例では、図4に示すように、上記TFTのソース120及びドレイン121の少なくとも一方は、第1導電層1201の光電変換器101が位置する側と反対側に位置する第2導電層1202をさらに含んでいてもよい。該第2導電層1202を構成する材料としては、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、又はモリブデンアルミニウム合金(Al-Mo又はMo-Al-Mo)の金属材料が挙げられる。
【0041】
ソース120及びドレイン121がいずれも上記下地基板01に近い第2導電層1202及び光電変換器101に近い第1導電層1201を含む場合、ソース120及びドレイン121を作製する方法としては、図4に示すように、下地基板01上に形成されたパッシベーション層12の上に、金属材料層および第1導電材料層を順次堆積し、1回のパターニングプロセスによりソース120およびドレイン121のパターンを形成する方法が挙げられる。
【0042】
なお、本出願において、パターニングプロセスは、材料層に対してフォトリソグラフィ、エッチング等の工程、及び印刷、インクジェット等の所定のパターンを形成するための工程を含んでいてもよい。上記パターニングプロセスは、成膜、露光、現像等のフォトレジスト、マスク板、露光機等を用いてパターンを形成する工程を含み得る。本開示における具体的な構造に基づいて対応するパターニングプロセスを選択することができる。
【0043】
本開示における前記「1回のパターニングプロセス」又は「ワンショットパターニングプロセス」とは、一度のマスク板を用いて異なる露光領域を形成し、その後、異なる露光領域を現像し、さらに1回又は複数回エッチング、アッシング等の除去工程を行って最終的に所望のパターンを得る工程である。
【0044】
第1導電層1201を構成する材料と第2導電層1202を構成する材料が異なるため、異なるエッチング液を用いて第1導電材層を先にエッチングし、その後、金属材料層をエッチングする必要がある。具体的な材料に応じて、第1導電材料層をエッチングするエッチング液が金属材料層に影響を与えないように、適切なエッチング液を選択すべきである;金属材料層をエッチングするエッチング液も第1導電材料層に影響を与えることがない。
【0045】
また、主に酸化物系導電材料からなる第1導電層1201は、光電変換素子101と接しており、この第1導電層1201は、ドライエッチングに対して良好な耐性を有するため、上述した光電変換器101をドライエッチングプロセスにより作製する過程において、上記第1導電層1201は、ドライエッチングストッパー層とすることができ、金属材料を主成分とする第2導電層1202を保護し、ドライエッチングプロセス中のイオンビームやプラズマによる第2導電層1202のダメージから保護することができる。これにより、異なる検出ユニット02に位置するTFTのソース120とドレイン121の導通性能を同一にし、TFTのソース及びドレインの導通性能の違いによるムラ不良の発生確率を減少させることができる。
【0046】
記TFTの種類はボトムゲート型TFT又はトップゲート型TFTであってもよい。例示的な実施例において、上記TFTは、図3または図4に示すトップゲート型のTFTである。
【0047】
ここで、トップゲート型低温ポリシリコンTFTの具体的な構成は、図5に示すように、下地基板01に順に積層された活性層123と、ゲート絶縁層13と、ゲート122と、パッシベーション層12とを含む。この活性層123は、チャネル領域1233と、ゲート極122の両側に近い低ドープ領域1232と、低ドープ領域1232の両側に位置する高ドープ領域1231とを含み、ここで、チャネル領域1233の下地基板01への正射影とゲート極122の該下地基板01への正射影に対応し、例えば、重ね合わせる。ソース120及びドレイン121はそれぞれパッシベーション層12及びゲート絶縁層13に位置するビアホールを介して活性層123上の高ドープ領域1231に接続される。このトップゲート型TFTがオンすると、ゲート122が上記チャネル領域1233を遮蔽し、チャネル領域1233に入射光が照射されることでTFTのリーク電流が増大し、TFTの電気的特性に影響を及ぼすことを回避した。
【0048】
図5に示す実施例では、アレイ基板10は電極14をさらに含み、このとき、ゲート122がチャネル領域1233を遮蔽可能であるため、この電極14を遮光層として上記TFTのチャネル領域1233を遮蔽する必要はない。この電極14は、図5に示すように、光電変換器101の下地基板01から離れる側の表面(すなわち図5におけるP型半導体材料層上に位置する)に設けられた透明電極層22に接続されている。この電極14の下地基板01への正射影とTFTの活性層123の下地基板01上の正射影とは重なる領域がない。このようにすると、電極14の面積を小さくすることができ、アレイ基板上の遮光領域の面積を小さくしつつ、該各検出ユニット02の光吸収面積を高めることができる。
【0049】
低温ポリシリコンTFTはアモルファスシリコンTFTに対して高いキャリアマイグレーション率を有するため、低温ポリシリコンTFTがオンすると、活性層123に発生するキャリアの数が多くなる。ソース120(またはドレイン121)からドレイン121(またはソース120)にキャリアがマイグレーションする際のドレイン121またはソース120への衝撃を低減するために、例示的な実施例では、平面視において、図6に示すように、低温ポリシリコンTFTの活性層123のパターン(または活性層123の下地基板への正射影の形状)をU型にし、かつ該TFTのソース120及びドレイン121はそれぞれ活性層123の両端に接続される。
【0050】
また、TFTのゲート122はストライプ状にパターニングされている。このストライプ状のパターンとU型パターンの2つの脚部(活性層123の2つの垂直部、図6に示す)は、それぞれ重なる領域を有し、U型パターンの中央部(活性層123の水平部、図6に示す)と平行である。このようにすると、上記TFTがオンすると、U型の活性層123がキャリアのマイグレーション経路を長くでき、より多くのキャリアをバッファリングして、ソース120(またはドレイン121)からドレイン121(またはソース120)にキャリアがマイグレーションする際のドレイン121またはソース120へのキャリアの衝撃を低減することができる。
【0051】
図7図6のB-B方向に切り出されたトップゲート型の低温ポリシリコンTFTを示す構造概略図である。
【0052】
図7に示すように、TFTはトップゲート型の低温ポリシリコンTFTであり、アレイ基板10はTFT活性層123と下地基板01との間に位置するバッファ層16をさらに含む。このバッファ層16は、下地基板01(例えばガラス基板)中の不純物が活性層123に与える影響を小さくすることができ、TFTの電気的特性の向上に寄与する。
【0053】
本出願の一つの実施例は検出器が提供される。図8に示すように、前記ディテクタは、例えば図7に示すアレイ基板10と、このアレイ基板10を覆う非可視光変換層20とを備えたタブレットディテクタである。前記非可視光変換層20は、例えば、非可視光(例えばX線、赤外線および紫外線など)を可視光に変換するシンチレータ(例えば、ヨウ化セシウム(CsI)やガドリニウムオキシサルファイド(GdS)等)を含む。この時アレイ基板10での光電変換器101は各検出ユニット02に照射された可視光を収集することができる。また、このタブレットディテクタは、上記のような収集結果を受信し、各検出ユニット02の収集結果に基づいて収集画像を得る画像処理部をさらに含んでいてもよい。
【0054】
本開示の実施例に係るタブレットディテクタによれば、様々な分野で利用可能であり、例えば、医療、安全、非破壊検査、科学研究などであるが、それらを限定されるものではない。
【0055】
本開示の一実施例は、上記のようなタブレットディテクタを含む映像装置を提供する。この映像装置は、タブレットディテクタによって取得された収集画像を解析し、技術者が使用又は参照するための解析結果を得る画像解析部をさらに含んでいてもよい。
【0056】
本開示の別の態様によれば、アレイ基板の作製方法も提供される。1つの例示的な実施例によれば、下地基板上に第1導電材料層を堆積し、1回のパターニングプロセスによりTFTのソースとドレインを形成する。
【0057】
別の実施例では、図9に示すように、前記方法は、下地基板01上に、第1金属材料層および第1導電材料層を順次堆積し、図4に示すようなTFTのソース120とドレイン121を1回のパターニングプロセスにより形成する工程S101を含む。すなわち、第1導電材層を形成する前に先に第1金属材料層を形成し、前記第1導電材層が前記第1金属材料層を覆うようにしてもよい。具体的には、工程S101において、1回のパターニングプロセスにより露光、現像を行い、その後、第1導電材層及び第1金属材料層をそれぞれ異なるエッチング液でエッチングし、最後にフォトレジストを剥離することで、上記TFTのソース120又はドレイン121を形成することができる。
【0058】
例示的な実施例では、このソース120及びドレイン121は、ともに第1導電層1201及び第2導電層1202を含む。第1導電層1201は上記第1導電材料層からなり、第2導電層1202は上記第1金属材料からなる。第1金属材料はモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)又はモリブデンアルミニウム合金(Al-MoまたはMo-Al-Mo)であってもよい。
【0059】
また、前記方法は、パターニングプロセスにより、TFTのソース120又はドレイン121に接続された光電変換器101が形成される工程S102をさらに含んでいてもよい。
【0060】
上記光電変換器101(例えばフォトダイオード)をドライエッチングで作製する場合、第1導電層1201がドライエッチングに対して良好な耐性を有するため、第1導電層1201は金属材料を主成分とする第2導電層1202を保護し、ドライエッチングプロセス中のイオンビームやプラズマによる第2導電層1202のダメージから保護することができる。これにより、異なる検出ユニット02に位置するTFTのソース120とドレイン121のオン性能を同一にし、TFTのソースドレインのオン性能の違いによるムラ不良の発生確率を減小させることができる。
【0061】
一実施例において、TFTはトップゲート型の低温ポリシリコンTFTであり、その活性層123及びゲート122の形状を図6に示す通りであり、本実施例に係るTFTの作製方法については後に詳述する。
【0062】
第1工程では、図10に示すように、下地基板01上に、この下地基板01を順次覆うバッファ層16およびポリシリコンフィルム層を形成する;このポリシリコン(P-Si)フィルム層に対して第1回目のパターニングプロセスを行った後、ドライエッチングプロセスおよびリフトオフ法によりポリシリコンフィルムパターン200を形成する。このポリシリコンフィルムパターンはU型であり、図6に示す通りである。
【0063】
第2工程では、図11aに示すように、バッファ層16およびポリシリコンフィルムパターン200上に、上記ポリシリコンフィルムパターンを覆うゲート絶縁層13および第2金属材料層を順次堆積する;上記第2金属材料層に対して第2回目のパターニングプロセスを行い、その後ウェットエッチングプロセスにより図6に示すようなストライプ状のゲート122及び該ゲート122を覆うフォトレジスト21を形成する。このフォトレジスト21の幅は、ゲート122の幅よりも大きい。ストライプ状のゲート122と、U型のポリシリコンフィルムパターン200の2つの脚部とは、それぞれオーバーラップ領域を有し、U型のポリシリコンフィルムパターンの中央部と平行である。
【0064】
そして、ゲート122及び該ゲート122の上方に位置するフォトレジスト21をマスクとして、ゲート絶縁層13を介してポリシリコンフィルム200に高濃度ドープ処理(例えば、窒素ドーピング)を行い、高濃度ドープ領域1231を形成する。次に、図11bに示すように、フォトレジスト21をアッシングして、ゲート122の両側にはみ出した部分のフォトレジスト21を除去する。さらにゲート122と該ゲート122の上方に位置する残ったフォトレジスト21をマスクとして、ポリシリコンフィルム200に低濃度ドープ処理を行い、軽ドープ領域1232及びチャネル領域1233を形成する。次に、リフトオフ法により、ゲート122の上方に位置する残ったフォトレジスト21を剥離する。これにより、図6に示すような形状を有するTFTが得られ、U型の活性層123およびストライプ状のゲート122を有する。
【0065】
第3工程では、第2のステップで最終的に得られた構造上に、パッシベーション層12を堆積し、該パッシベーション層12に対して第3回目のパターニングプロセスを行い、その後、ドライエッチングプロセス及びリフトオフプロセスによりパッシベーション層12及びゲート絶縁層13に図12に示すような第1ビアホール201を形成する。
【0066】
第4工程では、次に、図12に示す構造上に、上記工程S101を行い、図13に示すTFTのソース120およびドレイン121を形成し、ソース120およびドレイン121を第1ビアホール201を介して活性層123の高濃度領域1231に接続する。工程S101において採用されるパターニングプロセスを第4回目のパターニングプロセスと呼ぶこともある。
【0067】
第5工程では、図13に示す構造上に、型半導体材料層、I型半導体材料層、及び型半導体材料層及び透明電極層22を順次堆積し、かつ上記4層のフィルム層に対して第5回目のパターニングプロセスを行う。次に、透明電極層22をウェットエッチングして、上記P型半導体材料層、I型半導体材料層及びN型半導体材料層をドライエッチングする。最後にリフトオフ法によりフォトレジストを剥離し、図14に示すような光電変換器101と、光電変換器101の上方に位置する透明電極層22とを形成した。例示的な実施例において、上記透明電極層22を形成する材料としては、例えば、ITO、IZO、IGZO等の透明導電材料が用いられる。
【0068】
第1導電層1201は、ドライエッチングに対して良好な耐性を有するため、上記3層半導体材料層(即ち、P型半導体材料層、I型半導体材料層、N型半導体材料層)をドライエッチングプロセスを行う過程において、第1導電層1201は金属材料を主成分とする第2導電層1202を保護し、ドライエッチングプロセス中のイオンビームやプラズマによる第2導電層1202のダメージから保護することができる。これにより、異なる検出ユニット02に位置するTFTのソース120とドレイン121のオン性能を同一にし、TFTのソース及びドレインのオン性能の違いによるムラ不良の発生確率を減少させることができる。
【0069】
第6工程では、図14に示す構造上に、パッシベーション層17及び樹脂層15を堆積し、パッシベーション層17及び樹脂層15に第6回目のパターニングプロセスを行った後、ドライエッチング及びリフトオフを行い、パッシベーション層17及び樹脂層15に上記透明電極層22に対応する位置に第2ビアホール202を形成し、図15に示す構造を形成する。
【0070】
第7工程では、図15に示す構造上に、第3金属材料層を堆積する;この第3金属材料層に対して第7回目のパターニングプロセスを行った後、ウェットエッチングおよびリフトオフを行い、図8に示すような電極14を形成する。この電極14は、上述した第2ビアホール202を介して、前記光電変換器101の下地基板01から離れる側の表面に設けられた透明電極層22に接続おり、該電極は透明電極層22に給電電圧を提供するためのものである。
【0071】
この電極14は、各検出ユニット02の光吸収面積を大きくするために、下地基板01への正射影とTFTの活性層123の下地基板01への正射影とが重ならない領域となるように構成されている。
【0072】
なお、上記第1金属材料層、第2金属材料層及び第3金属材料層を構成する材料は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0073】
以上のことから、本開示によるアレイ基板の作製方法は、全部で7つのパターニングプロセスを用い、かつ、上記TFTがトップゲート型TFTであるため、遮光層を作製する必要もないため、作製工程が簡単である。
【0074】
以上、図面を参照しながら複数の例示的な実施例を説明したが、当業者によっては本開示の原理や要旨を逸脱することなく、実施例に対する種々の修正、変更が可能であるため、本開示の範囲は記載された特許請求の範囲およびその均等する技術案によって限定されうることは明白である。
【符号の説明】
【0075】
01 下地基板
02 検出ユニット
10 アレイ基板
11 非可視光(例えばX線)変換層
12 パッシベーション層
13 ゲート絶縁層
14 電極
15 樹脂層
16 バッファ層
17 パッシベーション層
21 フォトレジスト
22 透明電極層
101 光電変換器
120 ソース
121 ドレイン
122 ゲート
123 活性層
200 ポリシリコンフィルムパターン
201 第1ビアホール
202 第2ビアホール
1201 第1導電層
1202 第2導電層
1231 高ドープ領域
1232 軽ドープ領域
1233 チャネル領域
1202 第2導電層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12
図13
図14
図15