(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/202 20210101AFI20220606BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20220606BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20220606BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20220606BHJP
H01M 50/227 20210101ALI20220606BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20220606BHJP
H01M 50/224 20210101ALI20220606BHJP
【FI】
H01M50/202 101
H01M50/204 101
H01M50/202 401Z
H01M50/204 401Z
H01M50/202 501S
H01M50/209
H01M50/291
H01M50/227
H01M50/262 S
H01M50/224
(21)【出願番号】P 2019571267
(86)(22)【出願日】2018-12-12
(86)【国際出願番号】 KR2018015796
(87)【国際公開番号】W WO2019124869
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2019-12-23
(31)【優先権主張番号】10-2017-0176338
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】キョン-モ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-オ・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ホ-ジュネ・チ
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-フン・イ
【審査官】冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106992272(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0062782(US,A1)
【文献】特開2002-184373(JP,A)
【文献】特開昭57-003366(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03190642(EP,A1)
【文献】特開2003-257388(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104716278(CN,A)
【文献】特開2014-010910(JP,A)
【文献】実開昭56-050054(JP,U)
【文献】実公昭46-001851(JP,Y1)
【文献】特開2009-087554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのバッテリーセルと、前記少なくとも一つのバッテリーセルをパッケージングするモジュールケースと、を含むバッテリーモジュールであって、
前記モジュールケースは、
前記少なくとも一つのバッテリーセルの上側を覆う上部カバーと、
前記上部カバーの両側面及び前記少なくとも一つのバッテリーセルの両側面を共に覆い、前記上部カバーと嵌合によって結合するサイドプレートと、を含み、
前記サイドプレートが前記上部カバーの前記両側面の上端部までを覆っており、
前記上部カバーの両側面には、
前記サイドプレートと嵌合される少なくとも一つの嵌合リブが形成されており、
前記上部カバーの下面には、
前記少なくとも一つのバッテリーセルのスウェリング時、前記サイドプレートの変形を防止するための少なくとも一つの変形防止リブが形成され
ており、
前記嵌合リブの上側及び下側にはそれぞれ、所定のギャップが形成されることを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項2】
前記嵌合リブは、
複数個が設けられ、
前記複数個の嵌合リブは、
相互に所定の距離で離隔して配置され、相互に所定のギャップを形成することを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記所定のギャップは、
使用者が外観を確認できるように前記モジュールケースの外に露出されることを特徴とする請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記サイドプレートには、
前記少なくとも一つの変形防止リブが挿入される少なくとも一つの変形防止リブ挿入溝が形成されることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記上部カバーは、プラスチック複合材質で設けられ、
前記サイドプレートは、金属材質で設けられることを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の少なくとも一つのバッテリーモジュールと、
前記少なくとも一つのバッテリーモジュールをパッケージングするパックケースと、を含む、バッテリーパック。
【請求項7】
請求項1に記載のバッテリーモジュールを製造する方法であって、
前記嵌合リブは、
複数個が設けられ、
前記複数個の嵌合リブは、
相互に所定の距離で離隔して配置され、相互に所定のギャップが形成されており、
前記上部カバーと前記サイドプレートとは、
嵌合された後、相互に溶接結合される、方法。
【請求項8】
前記溶接によって、前記複数個の嵌合リブが溶融変形されながら前記所定のギャップを埋める、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパックに関する。
【0002】
本出願は、2017年12月20日出願の韓国特許出願第10-2017-0176338号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
多様な製品への適用が容易であり、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用器機のみならず電気的駆動源によって駆動する電気自動車(Electric Vehicle,EV)またはハイブリッド自動車(Hybrid Electric Vehicle,HEV)などに普遍的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させることができるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用に伴う副産物が一切発生しないという点で環境に優しく、エネルギー効率性の向上のための新しいエネルギー源として注目されている。
【0004】
現在、広く使用される二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、即ち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.6Vである。したがって、これよりさらに高い出力電圧が要求される場合、複数の二次電池セルを直列接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーモパックに要求される充放電容量によって複数の二次電池セルを並列接続してバッテリーパックを構成し得る。したがって、前記バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの個数は、要求される出力電圧または充放電容量によって多様に設定することができる。
【0005】
一方、複数の二次電池セルを直列・並列接続してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルからなるバッテリーモジュールを先に構成し、このような少なくとも一つのバッテリーモジュールを用いてその他の構成要素を追加してバッテリーパックを構成する方法が通常である。ここで、バッテリーモジュールやバッテリーパックを構成するバッテリーセルは、通常、容易に相互に積層可能な利点を有するパウチ型二次電池として備えられる。
【0006】
従来のバッテリーモジュールは、通常、少なくとも一つのバッテリーセルと、少なくとも一つのバッテリーセルをパッケージングするモジュールケースと、を含んで構成される。ここで、モジュールケースは、少なくとも一つのバッテリーセルの上側を覆う上部カバーと、上部カバーと結合し、少なくとも一つのバッテリーセルの両側面及び下側などを覆うサイドプレートと、を含んで構成される。このような従来のバッテリーモジュールにおいて、モジュールケースの上部カバー及びサイドプレートは全て金属材質として備えられて溶接結合によって相互に結合していた。
【0007】
しかし、最近、スリム化のトレンドによるバッテリーモジュールの軽量化のために、上部カバーの場合、プラスチック複合素材として備えられる傾向にある。この場合、プラスチック材質の上部カバーと金属材質のサイドプレートとの溶接結合時、結合強度の確保が重要なイシューとなる。また、このような非金属材質と金属材質との溶接によって、溶接結合時における溶接品質の確認可否なども製造時における重要な考慮事項となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、モジュールケースの上部カバーとサイドプレートとの溶接結合時、結合強度を確保できるバッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、モジュールケースの上部カバーとサイドプレートとの溶接結合時、溶接品質の検査を容易に行うことができるバッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパックを提供することを他の目的とする。
【0010】
また、本発明は、モジュールケースの上部カバーとサイドプレートとの溶接結合時、別の溶接用密着ガイドジグを用いることなく溶接工程を行うことができるバッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパックを提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を達成するため、本発明は、少なくとも一つのバッテリーセルと、前記少なくとも一つのバッテリーセルをパッケージングするモジュールケースと、を含むバッテリーモジュールであって、前記モジュールケースは、前記少なくとも一つのバッテリーセルの上側を覆う上部カバーと、前記上部カバーの両側面及び前記少なくとも一つのバッテリーセルの両側面を共に多い、前記上部カバーと嵌合によって結合するサイドプレートと、を含むことを特徴とするバッテリーモジュールを提供する。
【0012】
前記上部カバーの両側面には、前記サイドプレートと嵌合される少なくとも一つの嵌合リブが形成され得る。
【0013】
前記嵌合リブは、複数個が設けられ、前記複数個の嵌合リブは、相互に所定の距離で離隔して配置され、相互に所定のギャップを形成し得る。
【0014】
前記上部カバーと前記サイドプレートとは、嵌合された後、相互に溶接結合し得る。
【0015】
前記複数個の嵌合リブは、前記溶接によって溶融変形されながら前記所定のギャップを埋め得る。
【0016】
前記所定のギャップは、使用者が外観を確認できるように前記モジュールケースの外に露出され得る。
【0017】
前記上部カバーの下面には、前記少なくとも一つのバッテリーセルのスウェリング時、前記サイドプレートの変形を防止するための少なくても一つの変形防止リブが形成され得る。
【0018】
前記サイドプレートには、前記少なくとも一つの変形防止リブが挿入される少なくとも一つの変形防止リブ挿入溝が形成され得る。
【0019】
前記上部カバーは、プラスチック複合材質で設けられ、前記サイドプレートは、金属材質で設けられ得る。
【0020】
なお、本発明は、バッテリーパックであって、前述の実施例による少なくとも一つのバッテリーモジュールと、前記少なくとも一つのバッテリーモジュールをパッケージングするパックケースと、を含む、バッテリーパックを提供する。
【発明の効果】
【0021】
以上のような多様な実施例によって、モジュールケースの上部カバーとサイドプレートとの溶接結合時、結合強度を確保することができるバッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパックを提供することができる。
【0022】
また、本発明の多様な実施例によって、モジュールケースの上部カバーとサイドプレートとの溶接結合時、溶接品質の検査を容易に行うことができるバッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパックを提供することができる。
【0023】
さらに、本発明の多様な実施例において、モジュールケースの上部カバーとサイドプレートとの溶接結合時、別の溶接用密着ガイドジグを用いることなく溶接工程を行うことができるバッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【0025】
【
図1】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを説明するための図である。
【
図2】
図1のバッテリーモジュールのモジュールケースの上部カバーを説明するための図である。
【
図3】
図1のバッテリーモジュールのモジュールケースのサイドプレートを説明するための図である。
【
図4】
図1のバッテリーモジュールのモジュールケースの溶接前の組立て工程を説明するための図である。
【
図5】
図1のバッテリーモジュールのモジュールケースの溶接前の組立て工程を説明するための図である。
【
図6】
図1のバッテリーモジュールのモジュールケースの溶接工程を説明するための図である。
【
図7】
図1のバッテリーモジュールのモジュールケースの溶接後の様子を説明するための図である。
【
図8】
図1のバッテリーモジュールのモジュールケースの溶接後の様子を説明するための図である。
【
図9】本発明の一実施例によるバッテリーパックを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。なお、本明細書に添付の図面における要素の形状、大きさ、縮尺または比率などは、より明確な説明を強調するために誇張され得る。
【0027】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを説明するための図であり、
図2は、
図1のバッテリーモジュールのモジュールケースの上部カバーを説明するための図であり、
図3は、
図1のバッテリーモジュールのモジュールケースのサイドプレートを説明するための図である。
【0028】
図1~
図3を参照すれば、バッテリーモジュール10は、バッテリーセル100及びモジュールケース200を含み得る。
【0029】
前記バッテリーセル100は、少なくとも一つまたはそれ以上の複数個が設けられ得る。このような前記バッテリーセル100は、二次電池として備えられ得、例えば、パウチ型二次電池であり得る。
【0030】
前記モジュールケース200は、前記バッテリーセル100をパッケージングするためのものであって、前記バッテリーセル100を収容できる収容空間を備え得る。このような前記モジュールケース200は、上部カバー220及びサイドプレート260を含み得る。
【0031】
前記上部カバー220は、前記バッテリーセル100の上側を覆い得る。このような前記上部カバー220は、最近のスリム化トレンドによる製品軽量化の趨勢に合わせてプラスチック材質として備えられ得る。例えば、前記上部カバー220は、強化プラスチックであって、ガラス繊維強化プラスチック(Glass Fiber Reinforced Plastic, GFRP)材質として備えられ得る。
【0032】
このような前記上部カバー220には、嵌合リブ222及び変形防止リブ226が備えられ得る。
【0033】
前記嵌合リブ222は、前記上部カバー220の両側面に備えられ、後述するサイドプレート260と嵌合によって結合し得る。このような前記嵌合リブ222は、少なくとも一つまたはそれ以上の複数個で設けられ得る。
【0034】
前記複数個の嵌合リブ222は、相互に所定の距離で離隔して配置され、相互に所定のギャップG(
図4及び
図5参照)を形成し得、このような前記所定のギャップG(
図4及び
図5参照)は、後述する溶接S(
図6~
図8参照)による前記嵌合リブ222の溶融変形で埋められ得る。即ち、前記複数個の嵌合リブ222は、後述する溶接Sによって溶融変形されながら前記所定のギャップGを埋めることができる。
【0035】
前記変形防止リブ226は、前記バッテリーセル100のスウェリング時、前記スウェリングによる後述するサイドプレート260の変形を防止するためのものであって、前記上部カバー220の下面に備えられ得る。
【0036】
前記サイドプレート260は、前記上部カバー220の両側面と前記バッテリーセル100の両側面とを共に覆い得る。また、前記サイドプレート260は、前記バッテリーセル100の底部を覆うことも可能である。即ち、前記モジュールケース200は、別の下部カバーの代りに前記サイドプレート260によって前記バッテリーセル100の底部を覆うことも可能である。
【0037】
このような前記サイドプレート260は、金属材質で設けられ得る。例えば、アルミニウム材質として備えられ得る。前記サイドプレート260は、前記上部カバー220と嵌合及び溶接結合によって相互に結合できる。具体的に、前記サイドプレート260と前記上部カバー220は、嵌合された後、相互に溶接結合によって相互に結合できる。
【0038】
前記サイドプレート260の前記上部カバー220と溶接される溶接界面には、レーザーパターニングPが行われ得る。この際、前記サイドプレート260の溶接界面の前方には、レーザーパターニングPを邪魔する構造がないため、このようなレーザーパターニングPのとき、干渉などの問題が発生しない。
【0039】
このような前記サイドプレート260には、変形防止リブ挿入溝265が備えられ得る。
【0040】
前記変形防止リブ挿入溝265は、前記サイドプレート260の上側に備えられ、前記変形防止リブ226が挿入され得る。このような前記変形防止リブ226の挿入によって前記サイドプレート260は、前記バッテリーセル100のスウェリング時、前記バッテリーセル100の膨張による加圧によって変形される危険を最小化することができる。
【0041】
以下では、このような本実施例による前記バッテリーモジュール10の前記モジュールケース200の組立て工程についてより具体的に説明する。
【0042】
図4及び
図5は、
図1のバッテリーモジュールのモジュールケースの溶接前の組立て工程を説明するための図である。
【0043】
図4及び
図5を参照すれば、先ず、作業者等は、前記サイドプレート260の内側にバッテリーセル100を配置した後、前記バッテリーセル100の上側で前記サイドプレート260の方向へ前記上部カバー220を加圧し、前記上部カバー220と前記サイドプレート260とを相互に結合させることができる。
【0044】
この際、前記上部カバー220の前記複数個の嵌合リブ222によって前記上部カバー220と前記サイドプレート260とは、相互に嵌合によって結合できる。
【0045】
これによって、前記サイドプレート260には、嵌合による加圧力F、即ち、前記サイドプレート260には復元力Fが発生し、前記上部カバー220の水平方向から前記サイドプレート260が前記上部カバー220側を加圧できる。
【0046】
一方、前記複数個の嵌合リブ222の間及び前記複数個の嵌合リブ222の上下側には各々所定のギャップGが形成され得る。前記所定のギャップGの幅は約0.5mmであり得、前記所定のギャップGは、使用者が外観を確認できるように前記モジュールケース200に露出され得る。
【0047】
前記作業者等は、前記所定のギャップGの幅などを目視で確認して前記幅の形状や大きさなどを比較することで嵌合による結合がまともに行われたか否かを容易に確認することができる。
【0048】
図6は、
図1のバッテリーモジュールのモジュールケースの溶接工程を説明するための図である。
【0049】
図6を参照すれば、その後、前記作業者等は、前記サイドプレート260の上端部の外側で溶接Sによって前記サイドプレート260と前記上部カバー220とをさらに結合させることができる。前記溶接Sは、レーザービームを照射する方式のレーザー溶接であり得る。
【0050】
このような前記溶接S時において、前記サイドプレート260の前記復元力Fによって、前記サイドプレート260が前記上部カバー220を加圧するため、別の溶接のための溶接用密着ガイドジグなどが不要となり、前記溶接Sのとき十分な結合強度を確保することができる。
【0051】
一方、円滑な溶接Sのために、前記作業者等は所定の溶接ビード幅を確保しなければならないが、本実施例では、前記サイドプレート260の外側で前記溶接Sを邪魔する構造物や前記加圧ジグなどが配置されないため、前記溶接ビード幅Wの確保が容易となる。ここで、前記溶接ビード幅Wは、約6mm以上であり得る。
【0052】
図7及び
図8は、
図1のバッテリーモジュールのモジュールケースの溶接後の様子を説明するための図である。
【0053】
図7及び
図8を参照すれば、前記上部カバー220の前記複数個の嵌合リブ222は、前記溶接Sによる溶融によって広がるように変形され、前記所定のギャップGを全て埋めることができる。一方、前記所定のギャップGが全て埋められて前記溶接S(
図6参照)が完了すれば、前記サイドプレート260の前記復元力Fは失われる。
【0054】
そして、前記作業者等は、前記所定のギャップGが埋められる程度を目視で確認して前記溶接Sの品質を容易に確認することができる。正常な溶接の場合、作業者等は目視で前記所定のギャップGが全て埋められたか否かを確認することができる。そして、溶接が十分に行われていない場合、即ち、溶接が弱い場合、前記作業者等は、前記所定のギャップGが埋められていないことを確認することができる。また、溶接が必要以上に行われた場合、即ち、オーバー溶接の場合、前記作業者等は前記溶接界面で沸き立ちによる気泡などからこれを判断することができる。
【0055】
このように、本実施例においては、前記溶接S時、前記使用者が目視で確認可能な前記所定のギャップGから前記溶接Sの品質を簡単に確認することができる。
【0056】
図9は、本発明の一実施例によるバッテリーパックを説明するための図である。
【0057】
図9を参照すれば、バッテリーパック1は、前述の実施例による少なくとも一つのバッテリーモジュール10と、前記少なくとも一つのバッテリーモジュール10をパッケージングするパックケース50とを含み得る。
【0058】
このような前記バッテリーパック1は、自動車の燃料源として自動車に備えられ得る。例えば、前記バッテリーパック1は、電気自動車、ハイブリッド自動車及びその他のバッテリーパック1を燃料源として用い得るその他の方式で自動車に備えられ得る。また、前記バッテリーパック1は、前記自動車の外にも、二次電池を用いる電力貯蔵装置(Energy Storage System)などのその他の装置や器具及び設備などにも備えられることが可能である。
【0059】
このように、本実施例による前記バッテリーパック1と、前記自動車のような前記バッテリーパック1を備える装置や器具及び設備は、前述の前記バッテリーモジュール10を含むことから、前述のバッテリーモジュール10による長所を全て有するバッテリーパック1及びこれを備える自動車などの装置や器具及び設備などを具現することができる。
【0060】
以上のような多様な実施例によって、モジュールケース200の上部カバー220とサイドプレート260との溶接結合時、結合強度を確保することができるバッテリーモジュール10及びこれを含むバッテリーパック1を提供することができる。
【0061】
また、本発明の多様な実施例によって、モジュールケース200の上部カバー220とサイドプレート260との溶接結合時、溶接品質の検査を容易に行うことができるバッテリーモジュール10及びこれを含むバッテリーパック1を提供することができる。
【0062】
さらに、本発明の多様な実施例によって、モジュールケース200の上部カバー220とサイドプレート260との溶接結合時、別の溶接用密着ガイドジグを用いることなく溶接工程を行うことができるバッテリーモジュール10及びこれを含むバッテリーパック1を提供することができる。
【0063】
以上、本発明の望ましい実施例について図示及び説明したが、本発明は上述した特定の望ましい実施例に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく当該発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって多様に変形できることは言うまでもなく、かかる変形は、本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはいけない。
【符号の説明】
【0064】
1 バッテリーパック
10 バッテリーモジュール
50 パックケース
100 バッテリーセル
200 モジュールケース
220 上部カバー
222 嵌合リブ
226 変形防止リブ
260 サイドプレート
265 変形防止リブ挿入溝