(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及びこのバッテリーパックを含む自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/202 20210101AFI20220606BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20220606BHJP
H01M 50/258 20210101ALI20220606BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20220606BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20220606BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20220606BHJP
H01M 50/503 20210101ALI20220606BHJP
H01M 50/178 20210101ALI20220606BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20220606BHJP
【FI】
H01M50/202 501P
H01M50/211
H01M50/258
H01M50/291
H01M50/105
H01M50/262 S
H01M50/503
H01M50/178
H01M50/249
(21)【出願番号】P 2020524307
(86)(22)【出願日】2019-07-03
(86)【国際出願番号】 KR2019008171
(87)【国際公開番号】W WO2020009483
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】10-2018-0077300
(32)【優先日】2018-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウン-ギュ・シン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-オ・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ユン-ク・イ
【審査官】松岡 徹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0028097(US,A1)
【文献】国際公開第2016/181608(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/209141(WO,A1)
【文献】特開2012-123980(JP,A)
【文献】特開2007-073510(JP,A)
【文献】特開2012-059698(JP,A)
【文献】特表2013-533586(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50- 50/572
H01M 50/20
H01M 50/00- 50/183
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーモジュールであって、
積層されて相互に電気的に接続される複数個のバッテリーセルと、
前記複数個のバッテリーセルの一対の電極リードの突出部分をカバーし、前記複数個のバッテリーセルの積層方向に沿って配置される複数個のセルカートリッジと、
前記複数個のセルカートリッジに各々設けられ、各々の電極リードと電気的に接続し、少なくとも一側に前記積層方向に沿って突出するガイドカップリングを備える複数個のブロックバスバーと、を含み、
前記複数個のバッテリーセルは、各々、
電極組立体と、
前記電極組立体を収容する電池ケースと、
前記電池ケースの両側端部から突出し、前記電極組立体と電気的に接続する前記一対の電極リードと、を含み、
前記一対の電極リードが突出されている前記電池ケースの両側端部にそれぞれ、個別の前記セルカートリッジが装着され、
前記複数個のブロックバスバーのガイドカップリングが、
前記積層方向の一側へ突出する雄カップリングと、
前記雄カップリングと結合できるように前記積層方向の他側へ突出する円筒形状の雌カップリングと、
を含み、
前記複数個のセルカートリッジの積層時、互いに隣接するセルカートリッジのうち、一方のセルカートリッジに設けられた前記ブロックバスバーの前記雄カップリングが、他方のセルカートリッジに設けられた前記ブロックバスバーの前記雌カップリングの中に押し入れられ、
前記雄カップリングの外面には結合ガイドリブが形成されていることを特徴とするバッテリーモジュール。
【請求項2】
前記複数個のブロックバスバーが、前記複数個のセルカートリッジの長手方向に沿って所定の長さで形成され、
前記ガイドカップリングが、前記複数個のブロックバスバーの一端部に設けられることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記複数個のブロックバスバーのガイドカップリングは、
前記積層方向の両側へ共に突出し、外部電源などと接続するためのバイカップリングをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記バイカップリングは、
前記複数個のセルカートリッジの最外郭に配置されるセルカートリッジに備えられるブロックバスバーに設けられることを特徴とする請求項3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記電池ケースは、
前記電極組立体を収容するための収容空間が設けられるケース本体と、
前記ケース本体の両側端部から延び、前記一対の電極リードが突出されているケーステラスと、を含み、
前記複数個のセルカートリッジは、各々、
前記一対の電極リード及び前記ケーステラスを支持することを特徴とする請求項
1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記複数個のセルカートリッジの一面には、
前記一対の電極リード及び前記ケーステラスを収容するための収容溝が形成されることを特徴とする請求項
5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記収容溝には、
各々のブロックバスバーが据え付けられるバスバー据付け部が備えられることを特徴とする請求項
6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載の少なくとも一つのバッテリーモジュールと、
前記少なくとも一つのバッテリーモジュールをパッケージングするためのパックケースと、を含む、バッテリーパック。
【請求項9】
請求項
8に記載の少なくとも一つのバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及びこのバッテリーパックを含む自動車に関する。
【0002】
本出願は、2018年7月3日出願の韓国特許出願第10-2018-0077300号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群に応じた適用性が高く、且つ、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV、Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV、Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少できるという一次的な長所だけでなく、エネルギー使用に伴う副産物が全く生じないという点で、環境にやさしく、エネルギー効率が向上できることから、新しいエネルギー源として注目を集めている。
【0004】
現在、広く使用される二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、即ち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりさらに高い出力電圧が要求される場合、複数のバッテリーセルを直列接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに要求される充放電容量によって複数のバッテリーセルを並列接続してバッテリーパックを構成し得る。したがって、前記バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの数は、要求される出力電圧または充放電容量によって多様に設定可能である。
【0005】
なお、複数のバッテリーセルを直列・並列接続してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルを含むバッテリーモジュールを先に構成し、このような少なくとも一つのバッテリーモジュールを用いてその他の構成要素を追加してバッテリーパックを構成する方法が一般的である。
【0006】
このような従来のバッテリーモジュールは、通常、バッテリーセルをセルカートリッジに装着してセルカートリッジを積層した後、またはバッテリーセルのみを相互積層した後、バッテリーセルの電気的な接続のための電極リードとバスバーとの溶接結合が行われる。従来、このような溶接結合において、積層されたバッテリーセルの対向する電極リードは、曲げ工程によって所定の形状に先に曲げられてからバスバーと溶接結合していた。
【0007】
しかし、このようなセルカートリッジの積層、またはバッテリーセルの積層後におけるバッテリーセルの電極リードとバスバーとの溶接結合が行われる従来のモジュール組立工程の場合、セルカートリッジやバッテリーセルの積層時にアライメント誤差が発生すれば、バスバーと電極リードとの組立性及び溶接性が低下するという問題がある。
【0008】
また、従来のバッテリーモジュールの場合、電極リードとバスバーとの溶接結合前、対向する電極リードの曲げ工程を優先的に行わなければならなかったので、全体としてモジュール組立工程の効率が低下するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、組立工程の効率を高めることができるバッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及びこのバッテリーパックを含む自動車を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、電極リードとバスバーとの電気的接続のための溶接時において、溶接性が改善できるバッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及びこのバッテリーパックを含む自動車を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を達成するため、本発明は、バッテリーモジュールであって、積層されて相互に電気的に接続される複数個のバッテリーセルと、前記複数個のバッテリーセルの一対の電極リードの突出部分をカバーし、前記複数個のバッテリーセルの積層方向に沿って配置される複数個のセルカートリッジと、前記複数個のセルカートリッジに各々設けられ、各々の電極リードと電気的に接続し、少なくとも一側に前記積層方向に沿って突出するガイドカップリングを備える複数個のブロックバスバーと、を含むことを特徴とするバッテリーモジュールを提供する。
【0012】
前記複数個のブロックバスバーは、前記複数個のセルカートリッジの長手方向に沿って所定の長さで形成され、前記ガイドカップリングが、前記複数個のブロックバスバーの一端部に設けられ得る。
【0013】
前記ガイドカップリングは、前記複数個のセルカートリッジの積層時、前記積層方向において対向するブロックバスバーのガイドカップリングと相互に結合し得る。
【0014】
前記複数個のブロックバスバーのガイドカップリングは、前記積層方向の一側へ突出する雄カップリングと、前記雄カップリングと結合できるように前記積層方向の他側へ突出する雌カップリングと、を含み得る。
【0015】
前記複数個のブロックバスバーのガイドカップリングは、前記積層方向の両側へ共に突出し、外部電源などと接続するためのバイカップリングをさらに含み得る。
【0016】
前記バイカップリングは、前記複数個のセルカートリッジの最外郭に配置されるセルカートリッジに備えられるブロックバスバーに設けられ得る。
【0017】
前記複数個のバッテリーセルは、各々、電極組立体と、前記電極組立体を収容する電池ケースと、
前記電池ケースの両側端部から突出し、前記電極組立体と電気的に接続する前記一対の電極リードと、を含み、前記複数個のセルカートリッジは、各々、前記一対の電極リードが突出されている前記電池ケースの両側端部に装着され得る。
【0018】
前記電池ケースは、前記電極組立体を収容するための収容空間が設けられるケース本体と、前記ケース本体の両側端部から延び、前記一対の電極リードが突出されているケーステラスと、を含み、前記複数個のセルカートリッジは、各々、前記一対の電極リード及び前記ケーステラスを支持できる。
【0019】
前記複数個のセルカートリッジの一面には、前記一対の電極リード及び前記ケーステラスを収容するための収容溝が形成され得る。
【0020】
前記収容溝には、各々のブロックバスバーが据え付けられるバスバー据付け部が備えられ得る。
【0021】
なお、本発明は、バッテリーパックであって、前述の実施例による少なくとも一つのバッテリーモジュールと、前記少なくとも一つのバッテリーモジュールをパッケージングするためのパックケースと、を含むバッテリーパックを提供する。
【0022】
また、本発明は、自動車であって、前述の実施例による少なくとも一つのバッテリーパックを含む自動車を提供する。
【発明の効果】
【0023】
以上のような多様な実施例によって、組立工程の効率を高めることができるバッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及びこのバッテリーパックを含む自動車を提供することができる。
【0024】
また、以上のような多様な実施例によって、電極リードとバスバーとの電気的接続のための溶接時における溶接性が改善できるバッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及びこのバッテリーパックを含む自動車を提供することができる。
【0025】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを説明するための図である。
【
図2】
図1のバッテリーモジュールのバッテリーセルを説明するための図である。
【
図3】
図1のバッテリーモジュールのセルカートリッジを説明するための図である。
【
図4】
図1のバッテリーモジュールのブロックバスバーを説明するための図である。
【
図5】
図1のバッテリーモジュールのブロックバスバーを説明するための図である。
【
図6】
図1のバッテリーモジュールのブロックバスバーを説明するための図である。
【
図7】
図1のバッテリーモジュールの組立工程を説明するための図である。
【
図8】
図1のバッテリーモジュールの組立工程を説明するための図である。
【
図9】
図1のバッテリーモジュールの組立工程を説明するための図である。
【
図10】
図1のバッテリーモジュールの組立工程を説明するための図である。
【
図11】
図1のバッテリーモジュールの組立工程を説明するための図である。
【
図12】
図1のバッテリーモジュールの組立工程を説明するための図である。
【
図13】
図1のバッテリーモジュールの組立工程を説明するための図である。
【
図14】
図1のバッテリーモジュールの組立工程を説明するための図である。
【
図15】本発明の一実施例によるバッテリーパックを説明するための図である。
【
図16】本発明の一実施例による自動車を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。ここで説明される実施例は、発明の理解を助けるために例示的に示したものであり、本発明は、ここで説明する実施例とは相違に多様に変形して実施できることを理解せねばならない。なお、発明の理解を助けるために、添付の図面は、実際の縮尺ではなく一部構成要素が誇張または省略されるか、概略的に示されることがある。
【0028】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを説明するための図であり、
図2は、
図1のバッテリーモジュールのバッテリーセルを説明するための図であり、
図3は、
図1のバッテリーモジュールのセルカートリッジを説明するための図であり、
図4~
図6は、
図1のバッテリーモジュールのブロックバスバーを説明するための図である。
【0029】
図1~
図6を参照すれば、バッテリーモジュール10は、バッテリーセル100、セルカートリッジ300及びブロックバスバー500を含み得る。
【0030】
前記バッテリーセル100は、二次電池であって、パウチ型二次電池として設けられ得る。具体的に、前記バッテリーセル100は、パウチタイプのリチウムポリマー電池であり得る。
【0031】
このような前記バッテリーセル100は、複数個が備えられ得る。このような前記複数個のバッテリーセル100は、積層されて相互に電気的に接続され、各々、電極組立体110、電極リード130及び電池ケース150を含み得る。
【0032】
前記電極組立体110は、正極板、負極板及びセパレーターなどで構成され得る。前記電極組立体110についてはよく知られているので、以下、詳しい説明を省略する。
【0033】
前記電極リード130は一対で備えられ、前記一対の電極リード130は各々、正極リード及び負極リードからなり得る。このような前記一対の電極リード130は、前記電極組立体110と電気的に接続し、後述する電池ケース150の両側端部、具体的に、後述するケーステラス156の両側端部から突出し得る。
【0034】
前記電池ケース150は、樹脂層及び金属層を含むラミネートシートからなり、前記電極組立体110を内部に収容し得る。このような前記電池ケース150は、ケース本体152及びケーステラス156を含み得る。
【0035】
前記ケース本体152は、前記電極組立体110を収容し得る。このために、前記ケース本体152には、前記電極組立体110を収容するための収容空間が設けられ得る。
【0036】
前記ケーステラス156は、前記ケース本体152の両側端部から延び、そこに前記一対の電極リード130が突出され得る。このような前記ケーステラス156は、前記ケース本体152の内部が密封されるように封止処理され得る。
【0037】
前記セルカートリッジ300は、前記複数個のバッテリーセル100の前記一対の電極リード130の突出部分をカバーし得る。このために、前記セルカートリッジ300は、複数個が備えられ得る。
【0038】
前記複数個のセルカートリッジ300は、前記複数個のバッテリーセル100の積層方向に沿って配置され、前記一対の電極リード130が突出されている前記電池ケース150の両側端部に装着され得る。
【0039】
具体的に、前記複数個のセルカートリッジ300は、前記複数個のバッテリーセル100の前記電池ケース150の前記ケーステラス156の一部をカバー可能に、前記ケーステラス156に装着され得る。
【0040】
これによって、前記複数個のセルカートリッジ300は、各々、前記バッテリーセル100の前記一対の電極リード130及び前記電池ケース150の前記ケーステラス156を支持できる。
【0041】
このために、前記複数個のセルカートリッジ300の一面には、前記一対の電極リード130及び前記ケーステラス156を収容するための収容溝310が形成され得る。
【0042】
このような前記収容溝310には、バスバー据付け部330が備えられ得る。
【0043】
前記バスバー据付け部330は、後述する各々のブロックバスバー500を据え付け、溶接ガイド溝332及びカップリング通過溝335を含み得る。
【0044】
前記溶接ガイド溝332は、 バッテリーセル100の前記電極リード130と後述するブロックバスバー500との溶接時、溶接空間を確保して前記溶接による前記セルカートリッジ300の損傷を防止することができる。
【0045】
前記カップリング通過溝335は、後述するブロックバスバー500同士の相互結合時、後述するブロックバスバー500のガイドカップリング550、560、570を通過可能にする。
【0046】
前記ブロックバスバー500は複数個が備えられ、前記複数個のセルカートリッジ300に各々設けられ、前記複数個のバッテリーセル100の各々の電極リード130と電気的に接続し得る。望ましくは、前記ブロックバスバー500は、金属からなり得る。
【0047】
前記複数個のブロックバスバー500は、前記複数個のセルカートリッジ300の長手方向(図面において前記セルカートリッジ300の高さ方向)に沿って所定の長さに形成され得る。ここで、前記複数個のブロックバスバー500は、前記複数個のセルカートリッジ300の高さ方向で前記複数個のバッテリーセル100の電極リード130よりも長く形成され得る。
【0048】
このような前記複数個のブロックバスバー500は、ガイドカップリング550、560、570を含み得る。
【0049】
前記ガイドカップリング550、560、570は、前記複数個のブロックバスバー500の少なくとも一側に備えられ、前記バッテリーセル100及び前記セルカートリッジ300の積層方向に沿って前記複数個のブロックバスバー500の少なくとも一側から突出して形成され得る。
【0050】
具体的に、前記ガイドカップリング550、560、570は、前記複数個のブロックバスバー500の一端部に設けられ得る。前記ガイドカップリング550、560は、前記複数個のセルカートリッジ300の積層時、前記積層方向において対向するブロックバスバー500のガイドカップリング560、550と相互結合し得る。
【0051】
以下、前記複数個のブロックバスバー500の前記ガイドカップリング550、560、570についてより具体的に説明する。
【0052】
前記複数個のブロックバスバー500のガイドカップリング550、560、570は、雄カップリング550、雌カップリング560及びバイカップリング570を含み得る。
【0053】
前記雄カップリング550は、前記ブロックバスバー500の積層方向のいずれか一側へ突出し得る。このような前記雄カップリング550の外面には、後述する雌カップリング560との結合性を高めるための結合ガイドリブ555が形成され得る。
【0054】
前記雌カップリング560は、前記雄カップリング550と結合できるように、前記ブロックバスバー500の前記積層方向の他側へ突出し得る。このような前記雌カップリング560は、前記セルカートリッジ300の積層時、対向するセルカートリッジ300に備えられるブロックバスバー500の雄カップリング550と相互結合し得る。
【0055】
前記バイカップリング570は、外部電源などとの接続のためのものであって、前記複数個のセルカートリッジ300のうち最外郭に配置されるセルカートリッジ300に備えられ、前記ブロックバスバー500の積層方向の両側へ共に突出し得る。
【0056】
以下では、このような本実施例による前記バッテリーモジュール10の組立工程についてより具体的に説明する。
【0057】
図7~
図14は、
図1のバッテリーモジュールの組立工程を説明するための図である。
【0058】
図7及び
図8を参照すれば、前記バッテリーモジュール10の組立工程時、作業者などは、先ず、前記セルカートリッジ300の前記バスバー据付け部330に前記ブロックバスバー500を装着し得る。ここで、前記ブロックバスバー500は、前記バスバー据付け部330に、接着剤、テープまたは熱溶着などによって接合され得る。
【0059】
このような接合装着によって、前記ブロックバスバー500は、前記溶接ガイド溝332をカバーするように配置され、前記ガイドカップリング560は、前記カップリング通過溝335に対応する位置に配置され得る。図示していないが、前記ガイドカップリング550、570も、前記カップリング通過溝335に対応する位置に配置可能であることは勿論である。
【0060】
図9~
図11を参照すれば、その後、前記作業者などは、前記バッテリーセル100を前記ブロックバスバー500が据え付けられた前記セルカートリッジ300に載置し得る。具体的に、一つのバッテリーセル100を一対のセルカートリッジ300に載置し得る。より具体的に、前記一つのバッテリーセル100の前記電池ケース150の前記ケーステラス156を前記一対のセルカートリッジ300の上に載置し得る。
【0061】
以下、前記作業者などは、前記ケーステラス156の外へ突出した前記バッテリーセル100の前記一対の電極リード130と、前記セルカートリッジ300に各々据え付けられたブロックバスバー500と、をレーザー溶接などで相互結合させ得る。
【0062】
本実施例の場合、前記バッテリーセル100の電極リード130と前記ブロックバスバー500との溶接結合が前記バッテリーセル100の積層前に行われるため、バッテリーセル100の積層不良や呉組立、組立公差などによる溶接不良の問題が根本的に防止される。
【0063】
また、本実施例の場合、前記溶接結合時、前記電極リード130が曲げられることなく扁平な状態であるため、前記電極リード130の曲げによって発生し得る前記溶接結合時の焦点距離誤差及び被着材同士のギャップ発生などの問題を大幅改善することができる。
【0064】
図12~
図14を参照すれば、前記作業者などは、各々のセルカートリッジ300のブロックバスバー500と結合したバッテリーセル100を電気的に接続できるように相互積層し得る。ここで、電気的接続は、直列接続または並列接続を含み得る。
【0065】
この際、前記バッテリーセル100の積層は、前記セルカートリッジ300に備えられる前記ブロックバスバー500同士の結合によって行われ得る。このような前記ブロックバスバー500同士の結合は、前記ガイドカップリング550、560の相互結合によって行われ得る。
【0066】
即ち、本実施例による前記ガイドカップリング550、560は、前記バッテリーセル100の電気的接続と共に前記バッテリーセル100及び前記セルカートリッジ300の積層組立をガイドできる。
【0067】
言い換えれば、前記ガイドカップリング550、560の相互結合によって前記バッテリーセル100の電気的接続の外にも前記バッテリーセル100及び前記セルカートリッジ300を相互固定することができる。
【0068】
ここで、前記ガイドカップリング550、560の相互結合は、前記雄カップリング550と前記雌カップリング560との結合によって行われ得る。例えば、前記雄カップリング550は、前記雌カップリング560に押し入れることで装着され得る。
【0069】
また、前記雄カップリング550と前記雌カップリング560との結合時、接触抵抗を最小化するように、前記雄カップリング550と前記雌カップリング560との間に熱伝導接着剤または潤滑油などをさらに充填し得る。
【0070】
このように、本実施例においては、前記ガイドカップリング550、560の相互結合によって、前記積層時において対向するバッテリーセル100が電気的に接続するため、前記の組立工程時、別の電極リード130の曲げ工程が省け、全体の前記バッテリーモジュール10の組立工程の段階を減らすことができる。
【0071】
また、本実施例による外部電源などとの接続のためのガイドカップリング570、即ち、最外郭に配置されるセルカートリッジ300に備えられるバイカップリング570によって、外部電源などともより簡便に電気的接続をなし得る。
【0072】
一方、本実施例では、前記セルカートリッジ300が前記バッテリーセル100の全体ではなく前記バッテリーセル100の前記電池ケース150の一部、即ち、前記ケーステラス156の付近のみをカバーするため、前記セルカートリッジ300による全体のバッテリーモジュール10内の体積増加を最小化することができる。
【0073】
これによって、本実施例では、同じサイズに比べてエネルギー密度をより高めることができ、よりスリムでコンパクトなバッテリーモジュール10を提供することができる。
【0074】
図15は、本発明の一実施例によるバッテリーパックを説明するための図であり、
図16は、本発明の一実施例による自動車を説明するための図である。
【0075】
図15及び
図16を参照すれば、バッテリーパック1は、前述の実施例による少なくとも一つのバッテリーモジュール10及び前記少なくとも一つのバッテリーモジュール10をパッケージングするパックケース50を含み得る。
【0076】
前記少なくとも一つのバッテリーモジュールは、前述した実施例の前記バッテリーモジュール10として備えられ得、複数個が備えられ得る。複数個が備えられる場合、前述した実施例の前記バッテリーモジュール10と前記バッテリーモジュール10の集合体として設けられることも可能であることは勿論である。
【0077】
このような前記バッテリーパック1は、自動車Vの燃料源として自動車Vに備えられ得る。例えば、前記バッテリーパック1は、電気自動車、ハイブリッド自動車及びその他のバッテリーパック1を燃料源として使用可能なその他の方式で自動車Vに備えられ得る。
【0078】
また、前記バッテリーパック1は、前記自動車Vの外にも、二次電池を用いる電力貯蔵装置(Energy Storage System)など、その他の装置や器具及び設備などに備えられ得る。
【0079】
このように、本実施例による前記バッテリーパック1と前記自動車Vのような前記バッテリーパック1を備える装置や器具及び設備は、前述の前記バッテリーモジュール10を含むことから、前述のバッテリーモジュール10による長所を全て有するバッテリーパック1及びこれを備える自動車Vなどの装置や器具及び設備などを具現することができる。
【0080】
以上のような多様な実施例において、組立工程の効率を高めることができるバッテリーモジュール10、これを含むバッテリーパック1及びこのバッテリーパック1を含む自動車Vを提供することができる。
【0081】
また、以上のような多様な実施例において、電極リード130とブロックバスバー500との電気的接続のための溶接時における溶接性を改善できるバッテリーモジュール10、これを含むバッテリーパック1及びこのバッテリーパック1を含む自動車Vを提供することができる。
【0082】
以上、本発明の望ましい実施例について図示及び説明したが、本発明は上述した特定の望ましい実施例に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく当該発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって多様に変形できることは言うまでもなく、かかる変形は、本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはいけない。
【符号の説明】
【0083】
1 バッテリーパック
10 バッテリーモジュール
50 パックケース
100 バッテリーセル
110 電極組立体
130 電極リード
150 電池ケース
152 ケース本体
156 ケーステラス
300 セルカートリッジ
310 収容溝
330 バスバー据付け部
332 溶接ガイド溝
335 カップリング通過溝
500 ブロックバスバー
550 ガイドカップリング(雄カップリング)
555 結合ガイドリブ
560 ガイドカップリング(雌カップリング)
570 ガイドカップリング(バイカップリング)
V 自動車