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特許7083963リニアコンベアシステム、リニアコンベアシステムの制御方法、リニアコンベアシステムの制御プログラムおよび記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】リニアコンベアシステム、リニアコンベアシステムの制御方法、リニアコンベアシステムの制御プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
   B65G 54/02 20060101AFI20220606BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20220606BHJP
   H02K 41/03 20060101ALI20220606BHJP
   H02P 25/064 20160101ALI20220606BHJP
【FI】
B65G54/02
B65G47/52 101B
H02K41/03
H02P25/064
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021515336
(86)(22)【出願日】2019-04-23
(86)【国際出願番号】 JP2019017142
(87)【国際公開番号】W WO2020217295
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】上野 賢治
(72)【発明者】
【氏名】藤田 貴吉
(72)【発明者】
【氏名】青木 俊介
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/055708(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/069201(WO,A1)
【文献】特開平6-311723(JP,A)
【文献】国際公開第2012/073755(WO,A1)
【文献】特開2017-194137(JP,A)
【文献】中国実用新案第206126137(CN,U)
【文献】独国特許出願公開第102008007768(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 54/02
H02K 41/02
H02P 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に駆動されるスライダーと、
前記第1方向に交差する第2方向に配列された複数の固定リニアモジュールと、
前記複数の固定リニアモジュールに前記第1方向から対向しつつ前記第2方向に並ぶ複数の対向範囲の間を移動し、前記第1方向に前記スライダーを駆動する可動リニアモジュールと、
前記複数の対向範囲の間で前記可動リニアモジュールを搬送するスライダー移載機構と、
前記第1方向への位置の変化に応じて変化する座標値により前記第1方向への位置を示す座標軸を、前記複数の固定リニアモジュールおよび前記可動リニアモジュールのそれぞれに設定し、前記固定リニアモジュールおよび前記可動リニアモジュールにより駆動される前記スライダーに対して、前記座標軸に基づく位置制御を実行する制御部と
を備え、
前記スライダーは、前記第1方向の一端から前記固定リニアモジュールおよび前記可動リニアモジュールに対して、係合および離脱可能であり、前記固定リニアモジュールおよび前記可動リニアモジュールは、係合する前記スライダーを前記第1方向に駆動し、
前記固定リニアモジュールと前記可動リニアモジュールとの間で前記スライダーを移動させる受け渡し動作が実行され、
前記制御部は、前記固定リニアモジュールの前記座標軸である一方座標軸と、前記可動リニアモジュールの前記座標軸である他方座標軸とが前記第1方向に連続するか否かを判断する判断処理を実行した結果、前記一方座標軸と前記他方座標軸とが連続しないと前記受け渡し動作の前に判断すると、前記一方座標軸および前記他方座標軸の少なくとも一つの対象座標軸を変更することで前記一方座標軸と前記他方座標軸とを前記第1方向に連続させてから前記受け渡し動作を実行するリニアコンベアシステム。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の固定リニアモジュールおよび前記可動リニアモジュールのそれぞれの前記座標軸が示す前記座標値が互いに重複しないように前記座標軸を設定する通常設定状態で前記判断処理を実行する請求項1に記載のリニアコンベアシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記対象座標軸を変更した場合には、前記受け渡し動作を完了した後に前記対象座標軸を変更前に戻す請求項2に記載のリニアコンベアシステム。
【請求項4】
前記制御部は、前記一方座標軸と前記他方座標軸のうち、前記スライダーの移動目標位置を含む移動先座標軸を変更する請求項1ないし3のいずれか一項に記載のリニアコンベアシステム。
【請求項5】
前記制御部は、前記移動先座標軸の変更に伴って、前記移動目標位置を示す座標値を変更する請求項4に記載のリニアコンベアシステム。
【請求項6】
前記座標軸は、前記第1方向への位置の変化に応じて所定の傾きで線形に変化する座標値により前記第1方向への位置を示す請求項1ないし5のいずれか一項に記載のリニアコンベアシステム。
【請求項7】
前記制御部は、前記一方座標軸における前記他方座標軸側の端の前記座標値と、前記他方座標軸における前記一方座標軸側の端の前記座標値との間の傾きが、前記所定の傾きと異なる場合に、前記一方座標軸と前記他方座標軸とが連続しないと判断する請求項6に記載のリニアコンベアシステム。
【請求項8】
第1方向に駆動されるスライダーと、前記第1方向に交差する第2方向に配列された複数の固定リニアモジュールと、前記複数の固定リニアモジュールに前記第1方向から対向しつつ前記第2方向に並ぶ複数の対向範囲の間を移動し、前記第1方向に前記スライダーを駆動する可動リニアモジュールと、前記複数の対向範囲の間で前記可動リニアモジュールを搬送するスライダー移載機構とを備えるリニアコンベアシステムの制御方法であって、
前記第1方向への位置の変化に応じて変化する座標値により前記第1方向への位置を示す座標軸を、前記複数の固定リニアモジュールおよび前記可動リニアモジュールのそれぞれに設定する工程と、
前記固定リニアモジュールの前記座標軸である一方座標軸と、前記可動リニアモジュールの前記座標軸である他方座標軸とが前記第1方向に連続するか否かを判断する判断処理を実行する工程と、
前記判断処理の結果、前記一方座標軸と前記他方座標軸とが連続しないと判断すると、前記一方座標軸および前記他方座標軸の少なくとも一つの対象座標軸を変更することで前記一方座標軸と前記他方座標軸とを前記第1方向に連続させる工程と、
前記対象座標軸の変更後に、前記固定リニアモジュールと前記可動リニアモジュールとの間で前記スライダーを移動させる受け渡し動作を、前記座標軸に基づく位置制御により実行する工程と
を備えたリニアコンベアシステムの制御方法。
【請求項9】
第1方向に駆動されるスライダーと、前記第1方向に交差する第2方向に配列された複数の固定リニアモジュールと、前記複数の固定リニアモジュールに前記第1方向から対向しつつ前記第2方向に並ぶ複数の対向範囲の間を移動し、前記第1方向に前記スライダーを駆動する可動リニアモジュールと、前記複数の対向範囲の間で前記可動リニアモジュールを搬送するスライダー移載機構とを備えるリニアコンベアシステムの制御プログラムであって、
前記第1方向への位置の変化に応じて変化する座標値により前記第1方向への位置を示す座標軸を、前記複数の固定リニアモジュールおよび前記可動リニアモジュールのそれぞれに設定する工程と、
前記固定リニアモジュールの前記座標軸である一方座標軸と、前記可動リニアモジュールの前記座標軸である他方座標軸とが前記第1方向に連続するか否かを判断する判断処理を実行する工程と、
前記判断処理の結果、前記一方座標軸と前記他方座標軸とが連続しないと判断すると、前記一方座標軸および前記他方座標軸の少なくとも一つの対象座標軸を変更することで前記一方座標軸と前記他方座標軸とを前記第1方向に連続させる工程と、
前記対象座標軸の変更後に、前記固定リニアモジュールと前記可動リニアモジュールとの間で前記スライダーを移動させる受け渡し動作を、前記座標軸に基づく位置制御により実行する工程と
をコンピューターに実行させるリニアコンベアシステムの制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のリニアコンベアシステムの制御プログラムを、コンピューターにより読み出し可能に記録する記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リニアモジュールによりスライダーを駆動する機構を備えたリニアコンベアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、所定の駆動方向に移動体を駆動する複数のトラックが並列に配置されたリニア駆動搬送システムが開示されている。このシステムは、複数のトラックの間で移動体を移載するジャンクショントラックが設けられている。このジャンクショントラックは、一のトラックに対向しつつ一のトラックから移動体を受け取ったり、あるいはこの逆の動作を実行したりできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】US2016/0159585A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、特許文献1に記載のシステムは、並列に配置された複数の固定リニアモジュール(トラック)の間でスライダー(可動体)を移載するために可動リニアモジュールを用いる。このようなシステムでは、固定リニアモジュールと可動リニアモジュールとの間でスライダーを移動させる受け渡し動作を実行するにあたり、次のような課題が生じる場合があった。
【0005】
つまり、スライダーの受け渡し動作は、固定リニアモジュールおよび可動リニアモジュールに駆動されるスライダーに対する位置制御により実行できる。かかる位置制御は、固定リニアモジュールおよび可動リニアモジュールのそれぞれに設定された座標軸に基づき実行される。しかしながら、受け渡し動作に係る各リニアモジュールに設定された座標軸が連続しないために、これらの座標軸に基づいて位置制御が行うことができず、スライダーの受け渡し動作が実行できない場合があった。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、固定リニアモジュールおよび可動リニアモジュールそれぞれに設定された座標軸の不連続性により、これらの間でスライダーを移動させる受け渡し動作を実行できないという状況の発生を抑制可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るリニアコンベアシステムは、第1方向に駆動されるスライダーと、第1方向に交差する第2方向に配列された複数の固定リニアモジュールと、複数の固定リニアモジュールに第1方向から対向しつつ第2方向に並ぶ複数の対向範囲の間を移動し、第1方向にスライダーを駆動する可動リニアモジュールと、複数の対向範囲の間で可動リニアモジュールを搬送するスライダー移載機構と、 第1方向への位置の変化に応じて変化する座標値により第1方向への位置を示す座標軸を、複数の固定リニアモジュールおよび可動リニアモジュールのそれぞれに設定し、固定リニアモジュールおよび可動リニアモジュールにより駆動されるスライダーに対して、座標軸に基づく位置制御を実行する制御部とを備え、スライダーは、第1方向の一端から固定リニアモジュールおよび可動リニアモジュールに対して、係合および離脱可能であり、固定リニアモジュールおよび可動リニアモジュールは、係合するスライダーを第1方向に駆動し、固定リニアモジュールと可動リニアモジュールとの間でスライダーを移動させる受け渡し動作が実行され、制御部は、固定リニアモジュールの座標軸である一方座標軸と、可動リニアモジュールの座標軸である他方座標軸とが第1方向に連続するか否かを判断する判断処理を実行した結果、一方座標軸と他方座標軸とが連続しないと受け渡し動作の前に判断すると、一方座標軸および他方座標軸の少なくとも一つの対象座標軸を変更することで一方座標軸と他方座標軸とを第1方向に連続させてから受け渡し動作を実行する。
【0008】
本発明に係るリニアコンベアシステムの制御方法は、第1方向に駆動されるスライダーと、第1方向に交差する第2方向に配列された複数の固定リニアモジュールと、複数の固定リニアモジュールに第1方向から対向しつつ第2方向に並ぶ複数の対向範囲の間を移動し、第1方向にスライダーを駆動する可動リニアモジュールと、複数の対向範囲の間で可動リニアモジュールを搬送するスライダー移載機構とを備えるリニアコンベアシステムの制御方法であって、第1方向への位置の変化に応じて変化する座標値により第1方向への位置を示す座標軸を、複数の固定リニアモジュールおよび可動リニアモジュールのそれぞれに設定する工程と、固定リニアモジュールの座標軸である一方座標軸と、可動リニアモジュールの座標軸である他方座標軸とが第1方向に連続するか否かを判断する判断処理を実行する工程と、判断処理の結果、一方座標軸と他方座標軸とが連続しないと判断すると、一方座標軸および他方座標軸の少なくとも一つの対象座標軸を変更することで一方座標軸と他方座標軸とを第1方向に連続させる工程と、 対象座標軸の変更後に、固定リニアモジュールと可動リニアモジュールとの間でスライダーを移動させる受け渡し動作を、座標軸に基づく位置制御により実行する工程とを備える。
【0009】
本発明に係るリニアコンベアシステムの制御プログラムは、第1方向に駆動されるスライダーと、第1方向に交差する第2方向に配列された複数の固定リニアモジュールと、複数の固定リニアモジュールに第1方向から対向しつつ第2方向に並ぶ複数の対向範囲の間を移動し、第1方向にスライダーを駆動する可動リニアモジュールと、複数の対向範囲の間で可動リニアモジュールを搬送するスライダー移載機構とを備えるリニアコンベアシステムの制御プログラムであって、第1方向への位置の変化に応じて変化する座標値により第1方向への位置を示す座標軸を、複数の固定リニアモジュールおよび可動リニアモジュールのそれぞれに設定する工程と、固定リニアモジュールの座標軸である一方座標軸と、可動リニアモジュールの座標軸である他方座標軸とが第1方向に連続するか否かを判断する判断処理を実行する工程と、判断処理の結果、一方座標軸と他方座標軸とが連続しないと判断すると、一方座標軸および他方座標軸の少なくとも一つの対象座標軸を変更することで一方座標軸と他方座標軸とを第1方向に連続させる工程と、対象座標軸の変更後に、固定リニアモジュールと可動リニアモジュールとの間でスライダーを移動させる受け渡し動作を、座標軸に基づく位置制御により実行する工程とをコンピューターに実行させる。
【0010】
本発明に係る記録媒体は、上記のリニアコンベアシステムの制御プログラムを、コンピューターにより読み出し可能に記録する。
【0011】
このように構成された本発明(リニアコンベアシステム、リニアコンベアシステムの制御方法、リニアコンベアシステムの制御プログラムおよび記録媒体)では、並列に配置された複数の固定リニアモジュールのうちの一の固定リニアモジュールに対向する対向範囲に可動リニアモジュールを位置させつつ一の固定リニアモジュールと可動リニアモジュールとの間でスライダーを移動させる受け渡し動作が実行される。この際、一の固定リニアモジュールの座標軸である一方座標軸と、可動リニアモジュールの座標軸である他方座標軸とが第1方向に連続するかを判断する判断処理が実行される。そして、判断処理において、一方座標軸と他方座標軸とが連続しないと受け渡し動作の前に判断すると、一方座標軸および他方座標軸の少なくとも一つの対象座標軸を変更することで一方座標軸と他方座標軸とを第1方向に連続させてから受け渡し動作が実行される。したがって、固定リニアモジュールおよび可動リニアモジュールそれぞれに設定された座標軸の不連続性により、これらの間でスライダーを移動させる受け渡し動作を実行できないという状況の発生が抑制可能となっている。
【0012】
また、制御部は、複数の固定リニアモジュールおよび可動リニアモジュールのそれぞれの座標軸が示す座標値が互いに重複しないように座標軸を設定する通常設定状態で判断処理を実行するように、リニアコンベアシステムを構成してもよい。かかる構成では、例えば、受け渡し動作の開始前のスライダーに対する制御を、重複のない座標軸、換言すれば第1方向における位置を一意に示す座標軸に基づき簡便に行うことができる。
【0013】
この際、制御部は、対象座標軸を変更した場合には、受け渡し動作を完了した後に対象座標軸を変更前に戻すように、リニアコンベアシステムを構成してもよい。かかる構成では、受け渡し動作の完了後のスライダーに対する制御を、重複のない座標軸、換言すれば第1方向における位置を一意に示す座標軸に基づき簡便に行うことができる。
【0014】
また、制御部は、一方座標軸と他方座標軸のうち、スライダーの移動目標位置を含む移動先座標軸を変更するように、リニアコンベアシステムを構成してもよい。この際、制御部は、移動先座標軸の変更に伴って、移動目標位置を示す座標値を変更するように、リニアコンベアシステムを構成してもよい。こうして、変更後の座標軸に応じた移動目標位置へ移動させる位置制御をスライダーに実行することで、スライダーの受け渡し動作を的確に実行することができる。
【0015】
また、座標軸は、第1方向への位置の変化に応じて所定の傾きで線形に変化する座標値により第1方向への位置を示すように、リニアコンベアシステムを構成してもよい。この際、制御部は、一方座標軸における他方座標軸側の端の座標値と、他方座標軸における一方座標軸側の端の座標値との間の傾きが、所定の傾きと異なる場合に、一方座標軸と他方座標軸とが連続しないと判断するように、リニアコンベアシステムを構成してもよい。これによって、座標軸の連続性を簡便に判断することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、固定リニアモジュールおよび可動リニアモジュールそれぞれに設定された座標軸の不連続性により、これらの間でスライダーを移動させる受け渡し動作を実行できないという状況の発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るリニアコンベアシステムが備えるリニアモジュールの一例を示す斜視図。
図2図1のリニアモジュールの内部を部分的に露出させて示す斜視図。
図3】本発明に係るリニアコンベアシステムの一例を模式的に示す図。
図4図3のリニアコンベアシステムが備える電気的構成の一例を示すブロック図。
図5図3に示すリニアコンベアシステムで実行される駆動制御の一例を示すフローチャート。
図6図5に示す駆動制御で実行される初期設定の一例を模式的に示す図。
図7図5に示す駆動制御で実行される初期設定の一例を模式的に示す図。
図8図5に示す駆動制御で実行される受け渡し動作における制御の一例を模式的に示す図。
図9図5に示す駆動制御で実行される別の受け渡し動作における制御の一例を模式的に示す図。
図10図5に示す駆動制御で実行されるさらに別の受け渡し動作における制御の一例を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は本発明に係るリニアコンベアシステムが備えるリニアモジュールの一例を示す斜視図であり、図2図1のリニアモジュールの内部を部分的に露出させて示す斜視図である。図1および図2では、水平方向に平行なX方向、X方向に直交しつつ水平方向に平行なY方向および鉛直方向に平行なZ方向を有するXYZ直交座標軸が表記されている。さらに、X方向に沿って両図の右斜め上側がX1側と表記され、X方向に沿って両図の左斜め下側がX2側と表記されている。同様の表記は、以下の図においても適宜用いられる。このリニアモジュールは、例えばWO2018/055709A1に記載のリニアコンベア装置のモジュールと同様の基本構成を具備する。ここでは、リニアモジュールの説明を行ってから、リニアコンベアシステムの全体の説明を行う。
【0019】
図1および図2では、X方向に延設されたリニアモジュールMと、リニアモジュールMを下側から支持するベース部材3と、リニアモジュールMに係合するスライダー4とが示されている。リニアモジュールMは、X方向に等間隔で並ぶ3個のベース部材3の上端に取り付けられており、磁力によってスライダー4をX方向に駆動する。ここの例では、リニアモジュールMは、X方向に配列された2個のモジュールユニット20で構成される。ただし、リニアモジュールMを構成するモジュールユニット20の個数は、2個に限られず、1個あるいは3個以上でもよい。
【0020】
モジュールユニット20は、X方向に延設された基板21を有する。基板21はZ方向からの平面視で矩形状を有する平板である。基板21の上面には、X方向に平行な2本のガイドレール22がY方向に間隔を空けて配置されている。さらに、基板21の上面には、所定の配列ピッチP23でX方向に一列に並ぶ複数のリニアモーター固定子23と、所定の配列ピッチP24でX方向に一列に並ぶ複数の磁気センサー24とが取り付けられている。ここで、リニアモーター固定子23の配列ピッチP23よりも、磁気センサー24の配列ピッチP24の方が長い。Y方向において、複数のリニアモーター固定子23は、2本のガイドレール22の間に配置され、複数の磁気センサー24は、リニアモーター固定子23と1本のガイドレール22との間に配置されている。
【0021】
リニアモーター固定子23は、コイルと当該コイルに挿入されたコアとで構成された電磁石である。一方、スライダー4には、永久磁石と当該永久磁石を保持するバックヨークで構成された可動子が設けられている。リニアモーター固定子23は、印加された電流に応じた磁束を発生することでスライダー4の可動子に磁気的な推進力を与えて、スライダー4をX方向に駆動する。また、スライダー4には、X方向への位置を示す磁気スケールが取り付けられており、磁気センサー24は、磁気スケールを読み取ることでスライダー4のX方向への位置を検出する。そして、後述するように、磁気センサー24が検出したスライダー4の位置に基づきリニアモーター固定子23に印加する電流をフィードバック制御することで、スライダー4をX方向に駆動する。
【0022】
また、モジュールユニット20は、これらガイドレール22、リニアモーター固定子23および磁気センサー24を上側から覆う、平面視で矩形状のカバー部材25を有する。カバー部材25は、Y方向の中央で下方に突出する支持脚251を有し、支持脚251が基板21の上面に取り付けられる。Y方向の両端において、カバー部材25と基板21との間には隙間が形成され、この隙間からカバー部材25と基板21との間に入り込んだスライダー4の両端部がそれぞれ2本のガイドレール22に係合する。
【0023】
このようなモジュールユニット20を複数(2個)X方向に配列することで、リニアモジュールMが構成される。かかるリニアモジュールMは、平面視において矩形状を有する。リニアモジュールMの2個のモジュールユニット20のうち、X1側のモジュールユニット20は3個のベース部材3のうちX1側の端のベース部材3と中央のベース部材3との間に架設され、X2側のモジュールユニット20は3個のベース部材3のうちX2側の端のベース部材3と中央のベース部材3との間に架設される。
【0024】
スライダー4は、X方向においてリニアモジュールMの端からリニアモジュールMの中央側に進入して、リニアモジュールMのガイドレール22に係合することができる。こうして、ガイドレール22に係合したスライダー4は、リニアモジュールMによってX方向に駆動される。また、スライダー4は、X方向においてリニアモジュールMの端から外側に抜けて、リニアモジュールMのガイドレール22から離脱することができる。
【0025】
図3は本発明に係るリニアコンベアシステムの一例を模式的に示す図である。リニアコンベアシステム1は、5台のリニアモジュールMを備える。なお、同図では、5台のリニアモジュールMに対して互いに異なる符合M1、M2、M3、M4、M5が付されている。
【0026】
リニアモジュールM2、M3、M4はリニアコンベアシステム1の設置面に固定された固定リニアモジュールであり、リニアモジュールM1、M5は設置面に対してY方向に動くことができる可動リニアモジュールである。固定リニアモジュールM2、M3、M4と、可動リニアモジュールM1、M5とは、Y方向に同一の幅を有する一方、X方向において異なる長さを有する。ただし、これらは、X方向における長さを除いて、図1および図2に示した共通の基本構成を有する。
【0027】
3個の固定リニアモジュールM2、M3、M4は、Y方向に間隔を空けつつX方向に平行に配置されている。こうしてX方向に並列に配置された固定リニアモジュールM2、M3、M4は、X方向に同一の長さを有する。一方、可動リニアモジュールM1、M5は、X方向において、固定リニアモジュールM2、M3、M4よりも短い、同一の長さを有する。ただし、可動リニアモジュールM1、M5および固定リニアモジュールM2、M3、M4の寸法関係はここの例には限られない。
【0028】
かかるリニアコンベアシステム1は、可動リニアモジュールM1、M5をY方向に駆動する2個のアクチュエーター5a、5bを有する。アクチュエーター5aは、固定リニアモジュールM2、M3、M4のX方向のX2側で、Y方向に平行に配置される。アクチュエーター5bは、固定リニアモジュールM2、M3、M4のX方向のX1側で、Y方向に平行に配置される。このように、2個のアクチュエーター5a、5bは、X方向から3個の固定リニアモジュールM2、M3、M4を挟むように配置されている。
【0029】
アクチュエーター5aは、例えばY方向に平行なボールネジを備えた単軸ロボットであり、アクチュエーター5aのボールネジのナットに可動リニアモジュールM1が取り付けられている。このアクチュエーター5aは、可動域Raに沿ってY方向に可動リニアモジュールM1を駆動する。ここで、可動域Raは、X方向においてX2側から固定リニアモジュールM2のX2側の端に対向する対向範囲Fa2と、X方向においてX2側から固定リニアモジュールM3のX2側の端に対向する対向範囲Fa3と、X方向においてX2側から固定リニアモジュールM4のX2側の端に対向する対向範囲Fa4とを含み、Y方向に延びる領域である。対向範囲Fa2は、固定リニアモジュールM2とX方向に一列に並ぶ可動リニアモジュールM1の存在範囲(可動リニアモジュールM1の公差を含む)に相当し、対向範囲Fa3は、固定リニアモジュールM3とX方向に一列に並ぶ可動リニアモジュールM1の存在範囲(可動リニアモジュールM1の公差を含む)に相当し、対向範囲Fa4は、固定リニアモジュールM4とX方向に一列に並ぶ可動リニアモジュールM1の存在範囲(可動リニアモジュールM1の公差を含む)に相当する。
【0030】
アクチュエーター5bは、例えばY方向に平行なボールネジを備えた単軸ロボットであり、アクチュエーター5bのボールネジのナットに可動リニアモジュールM5が取り付けられている。このアクチュエーター5bは、可動域Rbに沿ってY方向に可動リニアモジュールM5を駆動する。ここで、可動域Rbは、X方向においてX1側から固定リニアモジュールM2のX2側の端に対向する対向範囲Fb2と、X方向においてX1側から固定リニアモジュールM3のX1側の端に対向する対向範囲Fb3と、X方向においてX1側から固定リニアモジュールM4のX1側の端に対向する対向範囲Fb4とを含み、Y方向に延びる領域である。対向範囲Fb2は、固定リニアモジュールM2とX方向に一列に並ぶ可動リニアモジュールM5の存在範囲(可動リニアモジュールM5の公差を含む)に相当し、対向範囲Fb3は、固定リニアモジュールM3とX方向に一列に並ぶ可動リニアモジュールM5の存在範囲(可動リニアモジュールM5の公差を含む)に相当し、対向範囲Fb4は、固定リニアモジュールM4とX方向に一列に並ぶ可動リニアモジュールM4の存在範囲(可動リニアモジュールM5の公差を含む)に相当する。
【0031】
このようなリニアコンベアシステム1では、スライダー4を循環的に駆動することができる。例えば可動リニアモジュールM5が対向範囲Fb2内に位置する状態で、固定リニアモジュールM2がそれに係合するスライダー4をX方向のX1側に駆動することで、固定リニアモジュールM2から可動リニアモジュールM5にスライダー4を移動させることができる。そして、アクチュエーター5bが対向範囲Fb2から対向範囲Fb4に可動リニアモジュールM5を移動させてから、対向範囲Fb4内に位置する可動リニアモジュールM5がそれに係合するスライダー4をX方向のX2側に駆動することで、可動リニアモジュールM5から固定リニアモジュールM4にスライダー4を移動させることができる。
【0032】
さらに、可動リニアモジュールM1が対向範囲Fa4内に位置する状態で、固定リニアモジュールM4がそれに係合するスライダー4をX方向のX2側に駆動することで、固定リニアモジュールM4から可動リニアモジュールM1にスライダー4を移動させることができる。そして、アクチュエーター5aが対向範囲Fa4から対向範囲Fa2に可動リニアモジュールM1を移動させてから、対向範囲Fa2内に位置する可動リニアモジュールM1がそれに係合するスライダー4をX方向のX1側に駆動することで、可動リニアモジュールM1から固定リニアモジュールM2にスライダー4を移動させることができる。
【0033】
こうして、スライダー4を時計回りに循環的に駆動することができる。また、上記と逆の動作を実行することで、スライダー4を反時計回りに循環的に駆動することができる。さらに、かかる循環駆動は、固定リニアモジュールM2と固定リニアモジュールM4との間に限られず、固定リニアモジュールM2と固定リニアモジュールM3の間や、固定リニアモジュールM3と固定リニアモジュールM4との間でも同様に実行できる。また、循環駆動は、リニアコンベアシステム1で実行可能なスライダー4の駆動態様の一例に過ぎず、他の種々の態様でスライダー4を駆動することができる。
【0034】
図4図3のリニアコンベアシステムが備える電気的構成の一例を示すブロック図である。リニアコンベアシステム1は、システム全体を監視しつつ各スライダー4の位置を制御する制御装置11を備える。この制御装置11は、例えばパーソナルコンピューター等のコンピューターである。
【0035】
制御装置11は、制御部12、記憶部13およびディスプレイ14を備える。制御部12は例えばCPU(Central Processing Unit)で構成されたプロセッサーであり、制御装置11での演算を担う。記憶部13は例えばHDD(Hard Disk Drive)で構成され、制御装置2での演算で用いられるデータやプログラムを記憶する。特に、記憶部13は、後述する図5の駆動制御を制御装置11の制御部12に実行させるプログラム18を記憶する。このプログラム18は、USB(Universal Serial Bus)メモリー等の記録媒体19により、制御装置11により読み出し可能な状態で提供されて記憶部13にインストールされてもよいし、インターネットサーバーからダウンロードされて記憶部13にインストールされてもよい。ディスプレイ14は、例えばタッチパネルディスプレイであり、ユーザーへの表示を行うのみならず、ユーザーからの入力操作も受け付けるUI(User Interface)として機能する。
【0036】
かかる制御装置11の制御部12は、磁気センサー24が検出したスライダー4の位置に基づきリニアモーター固定子23をフィードバック制御することで、リニアモジュールM1~M5のそれぞれにスライダー4を駆動させる。また、アクチュエーター5a、5bのそれぞれは、ボールネジを回転させるサーボモーター51と、サーボモーター51の回転位置を検出するエンコーダー52とを有し、制御部12は、エンコーダー52が検出した回転位置に基づきサーボモーター51をフィードバック制御することで、アクチュエーター5a、5bのそれぞれに可動リニアモジュールM1、M5を駆動させる。
【0037】
かかる制御部12は、各スライダー4に対して位置制御を実行することで、スライダー4の駆動を制御する。つまり、制御部12は、リニアモジュールM1~M5の磁気センサー24によるスライダー4の位置の検出値と位置指令値との偏差に基づき、可動リニアモジュールM1~M5のリニアモーター固定子23に供給する電流を制御するフィードバック制御を実行する。
【0038】
特に本実施形態では、並列に配置された複数の固定リニアモジュールM2、M3、M4のうちの一の固定リニアモジュールに対向する対向範囲に可動リニアモジュールM1、M5を位置させつつ一の固定リニアモジュールと可動リニアモジュールM1、M5との間でスライダー4を移動させる受け渡し動作を実行できる。かかる受け渡し動作は、次のようにして制御される。
【0039】
図5図3に示すリニアコンベアシステムで実行される受け渡し動作のための駆動制御の一例を示すフローチャートであり、図6および図7図5に示す駆動制御で実行される初期設定の一例を模式的に示す図であり、図8図5に示す駆動制御で実行される受け渡し動作における制御の一例を模式的に示す図である。図5のフローチャートは、制御部12によりプログラム18に従って実行される。
【0040】
ステップS101では、リニアモジュールM1~M5のそれぞれに座標軸A1~A5が設定される(座標軸の初期設定)。座標軸A1~A5は、X方向のX1側からX2側へ向かう位置の変化に応じて線形に(すなわち、一定の傾きSLで)増加する位置座標値Pを有し、リニアモジュールM1~M5に個別に設定される。具体的には、図6に示すように、可動リニアモジュールM1~M5は、この順番で配線Wにより直列に接続されており、これらリニアモジュールM1~M5のうち信号経路の最上流のリニアモジュールM1に座標設定指令が制御装置11から送信される。座標設定指令を受けたリニアモジュールM1は、X方向においてX1側の端からX2側の端に向かって線形に傾きSLで増加する「0~20」の位置座標値Pを有する座標軸A1を自身に設定する。座標軸A1の設定が完了すると、リニアモジュールM1はリニアモジュールM2に、位置座標値Pの最大値(=20)とともに座標設定指令を送信する。座標設定指令を受けたリニアモジュールM2は、X方向においてX1側の端からX2側の端に向かって線形に傾きSLで増加する「21~120」の位置座標値Pを有する座標軸A2を自身に設定する。なお、リニアモジュールM2に設定される位置座標値Pの最小値(換言すれば、の最初の値)は、上流側のリニアモジュールM1から受信した位置座標値Pの最大値に連続的に続く値となる。座標軸A2の設定が完了すると、リニアモジュールM2はリニアモジュールM3に、位置座標値Pの最大値(=120)とともに座標設定指令を送信する。
【0041】
これを繰り返すことで、
・リニアモジュールM1に対して「0~20」の位置座標値Pを有する座標軸A1
・リニアモジュールM2に対して「21~120」の位置座標値Pを有する座標軸A2
・リニアモジュールM3に対して「121~220」の位置座標値Pを有する座標軸A3
・リニアモジュールM4に対して「221~320」の位置座標値Pを有する座標軸A4
・リニアモジュールM5に対して「321~340」の位置座標値Pを有する座標軸A5
がそれぞれ設定される。なお、X方向への位置の変化に対して位置座標値Pが変化する変化率、すなわち傾きSLでは、座標軸A1~A5で同一である。
【0042】
これによって、複数のリニアモジュールMのそれぞれの座標軸A1~A5が示す位置座標値Pが互いに重複しないように座標軸A1~A5が設定された初期設定状態Siでスライダー4の駆動制御を実行することができる。こうして座標軸の初期設定が完了すると、受け渡し動作のためにスライダー4の駆動を実行するかが確認される(ステップS102)。ステップS102で、スライダー4の駆動を実行する(YES)と判断されると、スライダー4の移動開始位置Ls(すなわち、現在位置)が属する座標軸Aが設定されたリニアモジュールM(換言すれば、移動開始位置Lsに停止するスライダー4が係合するリニアモジュールM)が特定される(ステップS103)。また、スライダー4の移動目標位置Ldが属する座標軸Aが設定されたリニアモジュールM(換言すれば、移動目標位置Ldに到達したスライダー4が係合するリニアモジュールM)が特定される(ステップS104)。
【0043】
そして、ステップS103で特定した移動開始位置Lsが属するリニアモジュールMの座標軸Aと、ステップS104で特定した移動目標位置Ldが属するリニアモジュールMの座標軸Aとの連続性が判断される(ステップS105)。具体的には、移動開始位置Lsが属するリニアモジュールMの座標軸Aの移動目標位置Ld側の端の位置座標値Pと、移動目標位置Ldが属するリニアモジュールMの座標軸Aの移動開始位置Ls側の端の位置座標値Pとを結ぶ直線の傾きSLbが、座標軸A(A1~A5)での位置座標値Pの変化率を示す傾きSLと一致する場合は連続と判断され、そうでない場合は不連続と判断される。
【0044】
例えば、固定リニアモジュールM4から、当該固定リニアモジュールM4に対向する可動リニアモジュールM5(すなわち、対向位置Fb4内に位置する可動リニアモジュールM5)へスライダー4を駆動する場合には、固定リニアモジュールM4の座標軸A4と、可動リニアモジュールM5の座標軸A5とは連続する。そのため、ステップS105では、座標軸A4と座標軸A5とは連続する(YES)と判断され、ステップS106でスライダー4の位置制御が実行される。
【0045】
このステップS106では、「220~340」の連続した位置座標値Pを有する座標軸A4、A5に基づき、位置制御のための動作プロファイルが作成される。この動作プロファイルは、各時刻におけるスライダー4の位置を示す。そして、この動作プロファイルに基づき位置指令値が周期的に生成され、スライダー4の位置を検出する磁気センサー24による検出値と、当該位置指令値との偏差に基づきスライダー4の位置がフィードバック制御される。こうして、スライダー4の位置を位置指令値に追従させるサーボ制御が実行される。そして、スライダー4が移動目標位置Ldに到達すると、駆動制御を終了するか否かが判断される(ステップS111)。
【0046】
一方、図8の「受け渡し動作C1」の欄に示す駆動態様では、固定リニアモジュールM2の座標軸A2に属する移動開始位置Lsから、当該固定リニアモジュールM2に対向する可動リニアモジュールM5(すなわち、対向位置Fb2内に位置する可動リニアモジュールM5)の座標軸A5に属する移動目標位置Ldにスライダー4が駆動される。この場合、図8の「変更前」の欄に示すように、固定リニアモジュールM2の座標軸A2と、可動リニアモジュールM5の座標軸A5とは不連続であり、座標軸A2の座標軸A5側の端E2の位置座標値Pと、座標軸A5の座標軸A2側の端E5の位置座標値Pとの間には、ギャップGが存在する。したがって、ステップS105では、座標軸A2と座標軸A5とは連続しない(NO)と判断され、ステップS107に進む。
【0047】
具体的には、受け渡し動作C1の例では、座標軸A2(一方座標軸)における座標軸A5(他方座標軸)側の端E2の座標値P2(x2、y2)と、座標軸A5(他方座標軸)における座標軸A2(一方座標軸)側の端E5の座標値P5(x5、y5)との間の傾きSLb(=(y5-y2)/(x5―x2))が算出される。そして、傾きSLbが各座標軸A2、A5における上記傾きSLと同じか、異なるかが判断される。ここの例では、傾きSLbと傾きSLとは異なるため、座標軸A2と座標軸A5とは連続しないと判断される。
【0048】
ステップS107では、図8の「変更後」の欄に示すように、移動目標位置Ldが属する可動リニアモジュールM5の座標軸A5をギャップGだけオフセットさせることで、座標軸A2と座標軸A5とを連続させる。つまり、座標軸A5の位置座標値Pが「321~340」から「121~140」に変更される。ここで、オフセットとは、対象の座標軸Aが示す位置座標値Pを一律に一定値だけ増加あるいは減少させる、すなわちX方向に直交する方向(座標軸P)に平行移動させる操作を示す。また、ステップS108では、移動目標位置Ldの位置座標値Pが、変更前の座標軸A5に基づく位置座標値Pから、変更後の座標軸A5に基づく位置座標値Pに変更される。その結果、端E2および端E5の各座標値Pの間の傾きSLaが、各座標軸A2、A5における上記傾きSLと一致して、座標軸A2と座標軸A5とが連続する。
【0049】
そして、ステップS109のスライダー4の位置制御が実行される。このステップS109では、「20~140」の連続した位置座標値Pを有する座標軸A2、A5に基づき、位置制御のための動作プロファイルが作成される。そして、この動作プロファイルに基づき位置指令値が周期的に生成され、スライダー4の位置を検出する磁気センサー24による検出値と当該位置指令値との偏差に基づきスライダー4の位置がフィードバック制御される。こうして、スライダー4の位置を位置指令値に追従させるサーボ制御が実行される。
【0050】
スライダー4が移動目標位置Ldに到達すると、座標軸A5のオフセットが解除され、座標軸A5の位置座標値Pは、変更後の「121~140」から変更前の「321~340」に戻される。ステップS111では、駆動制御を終了するか否かが判断される。そして、駆動制御を終了しない場合(ステップS111で「NO」の場合)にはステップS102に戻る一方、駆動制御を終了する場合(ステップS111で「YES」の場合)には図5のフローチャートを終了する。
【0051】
以上に示した例では、複数の固定リニアモジュールM2、M3、M4のうちの一の固定リニアモジュールM2に対向する対向範囲Fb2に可動リニアモジュールM5を位置させつつ一の固定リニアモジュールM2と可動リニアモジュールM5との間でスライダー4を移動させる受け渡し動作C1が実行される。この際、一の固定リニアモジュールM2の座標軸A2(一方座標軸)と、可動リニアモジュールM5の座標軸A5(他方座標軸)とがX方向に連続するかを判断する判断処理(ステップS105)が実行される。そして、判断処理(ステップS105)において、座標軸A2と座標軸A5とが連続しないと受け渡し動作C1(ステップS109)の前に判断すると、座標軸A5(対象座標軸)を変更することで座標軸A2と座標軸A5とをX方向に連続させてから(ステップS107)、受け渡し動作C1が実行される(ステップS109)。したがって、固定リニアモジュールM2および可動リニアモジュールM5それぞれに設定された座標軸A2、A5の不連続性により、これらの間でスライダー4を移動させる受け渡し動作C1を実行できないという状況の発生が抑制可能となっている。
【0052】
また、制御装置11は、固定リニアモジュールM2、M3、M4および可動リニアモジュールM1、M5それぞれの座標軸A2、A3、A4、A1、A5が示す位置座標値Pが互いに重複しないように座標軸A2、A3、A4、A1、A5を設定する初期設定状態Siで判断処理(ステップS105)を実行する。かかる構成では、例えば、受け渡し動作C1の開始前のスライダー4に対する制御(例えば、スライダー4の停止位置の確認等)を、重複のない座標軸A1~A5、換言すればX方向における位置を一意に示す座標軸A1~A5に基づき簡便に行うことができる。
【0053】
この際、制御装置11は、座標軸A5(対象座標軸)を変更した場合には、受け渡し動作C1を完了した後に座標軸A5(対象座標軸)を変更前に戻す(ステップS110)。かかる構成では、受け渡し動作C1の完了後のスライダー4に対する制御を、重複のない座標軸A1~A5、換言すればX方向における位置を一意に示す座標軸A1~A5に基づき簡便に行うことができる。
【0054】
また、制御装置11は、座標軸A2と座標軸A5のうち、スライダー4の移動目標位置Ldを含む移動先座標軸A5を変更する。この際、制御装置11は、移動先座標軸A5の変更に伴って、移動目標位置Ldを示す位置座標値Pを変更する(ステップS108)。こうして、変更後の座標軸A5に応じた移動目標位置Ldへ移動させる位置制御をスライダー4に実行することで、スライダー4の受け渡し動作C1を的確に実行することができる。
【0055】
また、座標軸A1~A5は、X方向への位置の変化に応じて所定の傾きで線形に変化する位置座標値PによりX方向への位置を示す。この際、制御装置11は、座標軸A2における座標軸A5側の端E2の位置座標値Pと、座標軸A5における座標軸A2の端E5の位置座標値Pとの間の傾きが、座標軸A1~A5での傾きと異なる場合に、座標軸A2と座標軸A5とが連続しないと判断する(ステップS105)。これによって、座標軸A2、A5の連続性を簡便に判断することができる。
【0056】
このように本実施形態では、リニアコンベアシステム1が本発明の「リニアコンベアシステム」の一例に相当し、制御装置11が本発明の「制御部」の一例に相当し、プログラム18が本発明の「リニアコンベアシステムの制御プログラム」の一例に相当し、記録媒体19が本発明の「記録媒体」の一例に相当し、スライダー4が本発明の「スライダー」の一例に相当し、座標軸A1~A5が本発明の「座標軸」の一例に相当し、座標軸A2が本発明の「一方座標軸」の一例に相当し、座標軸A5が本発明の「他方座標軸」、「対象座標軸」および「移動先座標軸」の一例に相当し、位置座標値Pが本発明の「座標値」の一例に相当し、受け渡し動作C1が本発明の「受け渡し動作」の一例に相当し、対向範囲Fa2~Fa4、Fb2~Fb4が本発明の「対向範囲」の一例に相当し、固定リニアモジュールM2、M3、M4が本発明の「固定リニアモジュール」の一例に相当し、固定リニアモジュールM2が本発明の「一の固定リニアモジュール」の一例に相当し、可動リニアモジュールM1、M5が本発明の「可動リニアモジュール」の一例に相当し、可動リニアモジュールM1とアクチュエーター5aとで構成されるスライダー移載機構Taおよび可動リニアモジュールM5とアクチュエーター5bとで構成されるスライダー移載機構Tbのそれぞれが本発明の「スライダー移載機構」の一例の相当し、初期設定状態Siが本発明の「通常設定状態」の一例に相当し、移動開始位置Lsが本発明の「移動開始位置」の一例に相当し、移動目標位置Ldが本発明の「移動目標位置」の一例に相当し、X方向が本発明の「第1方向」の一例に相当し、Y方向が本発明の「第2方向」の一例に相当する。
【0057】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、図5の駆動制御を適用可能な受け渡し動作は、上記の受け渡し動作C1に限られない。
【0058】
図9図5に示す駆動制御で実行される別の受け渡し動作における制御の一例を模式的に示す図である。図9の「受け渡し動作C2」の欄に示す駆動態様では、対向範囲Fa4内に位置する可動リニアモジュールM1の座標軸A1に属する移動開始位置Lsから、当該可動リニアモジュールM1に対向する固定リニアモジュールM4の座標軸A4に属する移動目標位置Ldにスライダー4が駆動される。この場合、図9の「変更前」の欄に示すように、可動リニアモジュールM1の座標軸A1と、固定リニアモジュールM4の座標軸A4とは不連続であり、座標軸A1の座標軸A4側の端E1の位置座標値Pと、座標軸A4の座標軸A1側の端E4の位置座標値Pとの間には、ギャップGが存在する。したがって、ステップS105では、座標軸A1と座標軸A4とは連続しない(NO)と判断され、ステップS107に進む。
【0059】
具体的には、受け渡し動作C2の例では、座標軸A4(一方座標軸)における座標軸A1(他方座標軸)側の端E4の座標値P4(x4、y4)と、座標軸A1(他方座標軸)における座標軸A4(一方座標軸)側の端E1の座標値P1(x1、y1)との間の傾きSLb(=(y4-y1)/(x4―x1))が算出される。そして、傾きSLbが各座標軸A4、A1における上記傾きSLと同じか、異なるかが判断される。ここの例では、傾きSLbと傾きSLとは異なるため、座標軸A4と座標軸A1とは連続しないと判断される。
【0060】
ステップS107では、図9の「変更後」の欄に示すように、移動目標位置Ldが属する固定リニアモジュールM4の座標軸A4をギャップGだけオフセットさせることで、座標軸A1と座標軸A4とを連続させる。つまり、座標軸A4の位置座標値Pが「221~320」から「21~120」に変更される。また、ステップS108では、移動目標位置Ldの位置座標値Pが、変更前の座標軸A4に基づく位置座標値Pから、変更後の座標軸A4に基づく移動目標位置Ldに変更される(ステップS108)。その結果、端E4および端E1の各座標値Pの間の傾きSLaが、各座標軸A4、A1における上記傾きSLと一致して、座標軸A4と座標軸A1とが連続する。
【0061】
そして、ステップS109では、「0~120」の連続した位置座標値Pを有する座標軸A1、A4に基づき、位置制御のための動作プロファイルが作成される。そして、この動作プロファイルに基づき位置指令値が周期的に生成され、磁気センサー24によるスライダー4の検出位置と当該位置指令値との偏差に基づきスライダー4の位置がフィードバック制御される。こうして、スライダー4の位置を位置指令値に追従させるサーボ制御が実行される。スライダー4が移動目標位置Ldに到達すると、座標軸A4のオフセットが解除され、座標軸A4の位置座標値Pは、変更後の「21~120」から変更前の「221~320」に戻される。
【0062】
図9を用いて説明した例では、複数の固定リニアモジュールM2、M3、M4のうちの一の固定リニアモジュールM4に対向する対向範囲Fa4に可動リニアモジュールM1を位置させつつ一の固定リニアモジュールM4と可動リニアモジュールM1との間でスライダー4を移動させる受け渡し動作C2が実行される。この際、一の固定リニアモジュールM4の座標軸A4(一方座標軸)と、可動リニアモジュールM1の座標軸A1(他方座標軸)とがX方向に連続するかを判断する判断処理(ステップS105)が実行される。そして、判断処理(ステップS105)において、座標軸A4と座標軸A1とが連続しないと受け渡し動作C2(ステップS109)の前に判断すると、座標軸A4(対象座標軸)を変更することで座標軸A4と座標軸A1とをX方向に連続させてから(ステップS107)、受け渡し動作C2が実行される(ステップS109)。したがって、固定リニアモジュールM4および可動リニアモジュールM1それぞれに設定された座標軸A4、A1の不連続性により、これらの間でスライダー4を移動させる受け渡し動作C2を実行できないという状況の発生が抑制可能となっている。
【0063】
図10図5に示す駆動制御で実行されるさらに別の受け渡し動作における制御の一例を模式的に示す図である。図10の「受け渡し動作C3」の欄に示す駆動態様では、固定リニアモジュールM4の座標軸A4に属する移動開始位置Lsから、対向範囲Fa4内に位置して固定リニアモジュールM4に対向する可動リニアモジュールM1の座標軸A1に属する移動目標位置Ldにスライダー4が駆動される。この場合、図10の「変更前」の欄に示すように、固定リニアモジュールM4の座標軸A4と、可動リニアモジュールM1の座標軸A1とは不連続であり、座標軸A4の座標軸A1側の端E4の位置座標値Pと、座標軸A1の座標軸A4側の端E1の位置座標値Pとの間には、ギャップGが存在する。したがって、ステップS105では、座標軸A1と座標軸A4とは連続しない(NO)と判断され、ステップS107に進む。
【0064】
ステップS107では、図10の「変更後」の欄に示すように、移動目標位置Ldが属する可動リニアモジュールM1の座標軸A1をギャップGだけオフセットさせることで、座標軸A4と座標軸A1とを連続させる。つまり、座標軸A1の位置座標値Pが「0~20」から「200~220」に変更される。また、ステップS108では、移動目標位置Ldの位置座標値Pが、変更前の座標軸A1に基づく位置座標値Pから、変更後の座標軸A1に基づく移動目標位置Ldに変更される(ステップS108)。
【0065】
そして、ステップS109では、「200~320」の連続した位置座標値Pを有する座標軸A1、A4に基づき、位置制御のための動作プロファイルが作成される。そして、この動作プロファイルに基づき位置指令値が周期的に生成され、磁気センサー24によるスライダー4の検出位置と当該位置指令値との偏差に基づきスライダー4の位置がフィードバック制御される。こうして、スライダー4の位置を位置指令値に追従させるサーボ制御が実行される。スライダー4が移動目標位置Ldに到達すると、座標軸A1のオフセットが解除され、座標軸A1の位置座標値Pは、変更後の「200~220」から変更前の「0~20」に戻される。
【0066】
図10を用いて説明した例では、複数の固定リニアモジュールM2、M3、M4のうちの一の固定リニアモジュールM4に対向する対向範囲Fa4に可動リニアモジュールM1を位置させつつ一の固定リニアモジュールM4と可動リニアモジュールM1との間でスライダー4を移動させる受け渡し動作C3が実行される。この際、一の固定リニアモジュールM4の座標軸A4(一方座標軸)と、可動リニアモジュールM1の座標軸A1(他方座標軸)とがX方向に連続するかを判断する判断処理(ステップS105)が実行される。そして、判断処理(ステップS105)において、座標軸A4と座標軸A1とが連続しないと受け渡し動作C3(ステップS109)の前に判断すると、座標軸A1(対象座標軸)を変更することで座標軸A4と座標軸A1とをX方向に連続させてから(ステップS107)、受け渡し動作C3が実行される(ステップS109)。したがって、固定リニアモジュールM4および可動リニアモジュールM1それぞれに設定された座標軸A4、A1の不連続性により、これらの間でスライダー4を移動させる受け渡し動作C3を実行できないという状況の発生が抑制可能となっている。
【0067】
また、受け渡し動作の際に座標軸Aの変更を行う可動リニアモジュールと固定リニアモジュールとの組み合わせは上記の例に限られない。つまり、可動リニアモジュールM1と固定リニアモジュールM3との組み合わせ、可動リニアモジュールM1と固定リニアモジュールM4との組み合わせ、可動リニアモジュールM5と固定リニアモジュールM2との組み合わせおよび可動リニアモジュールM5と固定リニアモジュールM3との組み合わせで受け渡し動作を行う際には、座標軸Aの変更を実行すればよい。
【0068】
また、上記の各受け渡し動作C1、C2、C3に際しては、移動目標位置Ldが属する座標軸Aを変更することで座標を連続させていた。しかしながら、移動開始位置Lsが属する座標軸Aを変更することで座標を連続させてもよい。
【0069】
あるいは、可動リニアモジュールM1、M5の座標軸A1、A5を可変とし、固定リニアモジュールM2、M3、M4の座標軸A2、A3、A4の変更を禁止してもよい。逆に、固定リニアモジュールM2、M3、M4の座標軸A2、A3、A4を可変とし、可動リニアモジュールM1、M5の座標軸A1、A5の変更を禁止してもよい。
【0070】
また、初期設定状態Siでの座標軸A1~A5の設定態様は上記の例に限られず、例えば、座標軸A5、A4、A3、A2、A1の順に位置座標値Pが増加するように位置座標値Pを設定してもよい。
【0071】
また、固定リニアモジュールM2、M3、M4が配列される方向はY方向(水平方向)に限られず、Z方向(鉛直方向)でも構わない。この場合、アクチュエーター5a、5bはZ方向に可動リニアモジュールM1、M5を昇降させる。
【0072】
また、固定リニアモジュールあるいは可動リニアモジュールの個数や配置を適宜変更してもよい。したがって、固定リニアモジュールM3を排してもよい。また、1個の固定リニアモジュールM2と、可動リニアモジュールM1を駆動する1個のアクチュエーター5aとで構成されるL字状の経路でスライダー4を移動させるように、リニアコンベアシステム1を構成しても良い。あるいは、図3の状態から、固定リニアモジュールM4を、X方向に平行に移動させて、アクチュエーター5bに対して固定リニアモジュールM2、M3の反対側に配ししてもよい。
【0073】
また、固定リニアモジュールMa、2bがスライダー4を駆動する方向と、アクチュエーター5c、5dがスライダー4を駆動する方向とは、必ずしも直交する必要は無く、傾いていてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1…リニアコンベアシステム
11…制御装置(制御部)
18…プログラム(リニアコンベアシステムの制御プログラム)
19…記録媒体
4…スライダー
A1…座標軸
A2…座標軸(一方座標軸)
A3…座標軸
A4…座標軸
A5…座標軸(他方座標軸、対象座標軸、移動先座標軸)
P…位置座標値(座標値)
E2…他方座標軸側の端
P2…他方座標軸側の端の座標値
E5…一方座標軸側の端
P5…一方座標軸側の端の座標値
SL…所定の傾き
SLb…他方座標軸側の端の座標値と一方座標軸側の端の座標値との間の傾き
C1…受け渡し動作
Fa2~Fa4、Fb2~Fb4…対向範囲
M1…可動リニアモジュール
M2…固定リニアモジュール(一の固定リニアモジュール)
M3…固定リニアモジュール
M4…固定リニアモジュール
M5…可動リニアモジュール
Ta…スライダー移載機構
Tb…スライダー移載機構
Si…初期設定状態(通常設定状態)
Ls…移動開始位置
Ld…移動目標位置
X…X方向(第1方向)
Y…Y方向(第2方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10