IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤマハ発動機株式会社の特許一覧

特許7083966部品実装管理装置、部品実装管理方法、部品実装管理プログラム、記録媒体
<>
  • 特許-部品実装管理装置、部品実装管理方法、部品実装管理プログラム、記録媒体 図1
  • 特許-部品実装管理装置、部品実装管理方法、部品実装管理プログラム、記録媒体 図2
  • 特許-部品実装管理装置、部品実装管理方法、部品実装管理プログラム、記録媒体 図3
  • 特許-部品実装管理装置、部品実装管理方法、部品実装管理プログラム、記録媒体 図4
  • 特許-部品実装管理装置、部品実装管理方法、部品実装管理プログラム、記録媒体 図5
  • 特許-部品実装管理装置、部品実装管理方法、部品実装管理プログラム、記録媒体 図6
  • 特許-部品実装管理装置、部品実装管理方法、部品実装管理プログラム、記録媒体 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】部品実装管理装置、部品実装管理方法、部品実装管理プログラム、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20220606BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021521689
(86)(22)【出願日】2019-05-30
(86)【国際出願番号】 JP2019021539
(87)【国際公開番号】W WO2020240774
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】横山 泰幸
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-116532(JP,A)
【文献】特開2012-33070(JP,A)
【文献】特開2005-167220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
複数の基板を順番に作業位置に搬送しつつ前記作業位置で前記基板に所定作業を実行することで部品が実装された基板を生産する部品実装システムにおける前記所定作業の実行履歴を示すチャートを前記ディスプレイに表示する制御部と
を備え、
前記チャートでは、前記基板に対応するマークが、当該マークに対応する前記基板への前記所定作業への実行タイミングに応じた時間軸上の位置に配置されることで、前記複数の基板に対応する複数のマークが前記時間軸に沿って配列され、
前記複数のマークのそれぞれは、対応する前記基板への前記所定作業の実行に要した作業時間に応じた幅を前記時間軸に沿って有する部品実装管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数のマークが、それぞれ対応する前記基板への前記作業時間の基準時間に対する超過量に応じた色を有するように、当該超過量に応じて前記マークの色を変更する請求項1に記載の部品実装管理装置。
【請求項3】
前記超過量と前記マークの色との対応関係を設定する管理者の設定操作を受け付ける設定部をさらに備え、
前記制御部は、前記対応関係に従って、前記超過量に応じて前記マークの色を変更する請求項2に記載の部品実装管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数の基板のうち、前記作業時間の前記基準時間に対する超過が生じた基板の枚数、前記作業時間の前記基準時間に対する超過が生じた個々の基板の超過時間、あるいは前記作業時間の前記基準時間に対する超過が生じた全ての基板の超過時間の合計を、前記ディスプレイに表示する請求項2または3に記載の部品実装管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、対応する前記マークの色毎に前記基板に関する情報をリスト形式で前記ディスプレイに表示する請求項2または3に記載の部品実装管理装置。
【請求項6】
前記複数のマークのうちから一のマークを指定する指定操作を受け付ける指定部をさらに備え、
前記制御部は、前記指定操作により指定された前記一のマークに応じた情報を前記ディスプレイに表示する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の部品実装管理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記一のマークに対応する前記基板に関する情報を前記ディスプレイに表示する請求項6に記載の部品実装管理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記一のマークに対応する前記基板の前記作業時間中に生じた事象と、当該事象に要した時間とを前記ディスプレイに表示する請求項6に記載の部品実装管理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記一のマークに対応する前記基板の前記作業時間中に生じたエラーを前記ディスプレイに表示する請求項6に記載の部品実装管理装置。
【請求項10】
前記部品実装システムは、それぞれ前記作業位置を有する複数の設備を備え、
前記制御部は、前記設備の前記作業位置で前記所定作業が実行された前記基板に関する情報を前記設備毎にリスト形式で前記ディスプレイに表示する請求項1ないし9のいずれか一項に記載の部品実装管理装置。
【請求項11】
複数の基板を順番に作業位置に搬送しつつ前記作業位置で前記基板に所定作業を実行することで部品が実装された基板を生産する部品実装システムにおける前記所定作業の実行履歴を示すチャートをディスプレイに表示する工程を備え、
前記チャートでは、前記基板に対応するマークが、当該マークに対応する前記基板への前記所定作業への実行タイミングに応じた時間軸上の位置に配置されることで、前記複数の基板に対応する複数のマークが前記時間軸に沿って配列され、
前記複数のマークのそれぞれは、対応する前記基板への前記所定作業の実行に要した作業時間に応じた幅を前記時間軸に沿って有する部品実装管理方法。
【請求項12】
複数の基板を順番に作業位置に搬送しつつ前記作業位置で前記基板に所定作業を実行することで部品が実装された基板を生産する部品実装システムにおける前記所定作業の実行履歴を示すチャートをディスプレイに表示する工程を、コンピュータに実行させ、
前記チャートでは、前記基板に対応するマークが、当該マークに対応する前記基板への前記所定作業への実行タイミングに応じた時間軸上の位置に配置されることで、前記複数の基板に対応する複数のマークが前記時間軸に沿って配列され、
前記複数のマークのそれぞれは、対応する前記基板への前記所定作業の実行に要した作業時間に応じた幅を前記時間軸に沿って有する部品実装管理プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の部品実装管理プログラムをコンピュータにより読み出し可能に記録する記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品が実装された基板を生産する部品実装システムを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
部品が実装された基板を生産する部品実装システムが一般に用いられている。かかる部品実装システムを用いた生産現場では、基板生産の効率化を図るべく、管理者が部品実装システムの稼働状況を把握して、必要な作業を実行する。これに対して、特許文献1では、電気機器、機械あるいは部品等を生産する生産装置の稼動状態をモニタリングする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-112209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただし、部品が実装された基板の生産を管理する管理者にとっては、部品実装システムの稼動状態を基板単位で容易に把握できることが好適となる。一方、特許文献1の技術は、このような管理者のニーズに応えられるものではなかった。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、部品が実装された基板の生産を管理する管理者が部品実装システムの稼動状態を基板単位で容易に把握することを可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る部品実装管理装置は、ディスプレイと、複数の基板を順番に作業位置に搬送しつつ作業位置で基板に所定作業を実行することで部品が実装された基板を生産する部品実装システムにおける所定作業の実行履歴を示すチャートをディスプレイに表示する制御部とを備え、チャートでは、基板に対応するマークが、当該マークに対応する基板への所定作業への実行タイミングに応じた時間軸上の位置に配置されることで、複数の基板に対応する複数のマークが時間軸に沿って配列され、複数のマークのそれぞれは、対応する基板への所定作業の実行に要した作業時間に応じた幅を時間軸に沿って有する。
【0007】
本発明に係る部品実装管理方法は、複数の基板を順番に作業位置に搬送しつつ作業位置で基板に所定作業を実行することで部品が実装された基板を生産する部品実装システムにおける所定作業の実行履歴を示すチャートをディスプレイに表示する工程を備え、チャートでは、基板に対応するマークが、当該マークに対応する基板への所定作業への実行タイミングに応じた時間軸上の位置に配置されることで、複数の基板に対応する複数のマークが時間軸に沿って配列され、複数のマークのそれぞれは、対応する基板への所定作業の実行に要した作業時間に応じた幅を時間軸に沿って有する。
【0008】
本発明に係る部品実装管理プログラムは、複数の基板を順番に作業位置に搬送しつつ作業位置で基板に所定作業を実行することで部品が実装された基板を生産する部品実装システムにおける所定作業の実行履歴を示すチャートをディスプレイに表示する工程を、コンピュータに実行させ、チャートでは、基板に対応するマークが、当該マークに対応する基板への所定作業への実行タイミングに応じた時間軸上の位置に配置されることで、複数の基板に対応する複数のマークが時間軸に沿って配列され、複数のマークのそれぞれは、対応する基板への所定作業の実行に要した作業時間に応じた幅を時間軸に沿って有する。
【0009】
本発明に係る記録媒体は、上記の部品実装管理プログラムをコンピュータにより読み出し可能に記録する。
【0010】
このように構成された本発明(部品実装管理装置、部品実装管理方法、部品実装管理プログラム、記録媒体)では、複数の基板を順番に作業位置に搬送しつつ作業位置で基板に所定作業を実行することで部品が実装された基板を生産する部品実装システムにおける所定作業の実行履歴を示すチャートがディスプレイに表示される。このチャートでは、複数の基板にそれぞれ対応する複数のマークが時間軸に沿って配列される。各マークは、当該マークに対応する基板への所定作業への実行タイミングに応じた時間軸上の位置に配置されており、当該マークに対応する基板への所定作業の実行に要した作業時間に応じた幅を時間軸に沿って有する。つまり、チャートにおいて時間軸に沿って配列された複数のマークのそれぞれが、対応する基板に対する所定作業の実行タイミングおよび作業時間を表す。したがって、管理者は、このチャートを確認することで、基板単位で所定作業の実行タイミングおよび作業時間を把握できる。こうして、部品が実装された基板の生産を管理する管理者が部品実装システムの稼動状態を基板単位で容易に把握することが可能となっている。
【0011】
また、制御部は、複数のマークが、それぞれ対応する基板への作業時間の基準時間に対する超過量に応じた色を有するように、当該超過量に応じてマークの色を変更するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、長い作業時間を要した基板を色によって容易に識別することができる。
【0012】
また、超過量とマークの色との対応関係を設定する管理者の設定操作を受け付ける設定部をさらに備え、制御部は、対応関係に従って、超過量に応じてマークの色を変更するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は設定部を操作することで、作業時間に応じたマークの色を変化させつつ、長い作業時間を要した基板を色によって確認することができる。
【0013】
また、制御部は、複数の基板のうち、作業時間の基準時間に対する超過が生じた基板の枚数、作業時間の基準時間に対する超過が生じた個々の基板の超過時間、あるいは作業時間の基準時間に対する超過が生じた全ての基板の超過時間の合計を、ディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる表示は、長い作業時間を要した要因を管理者が分析するのに資する。
【0014】
また、制御部は、対応するマークの色毎に基板に関する情報をリスト形式でディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる表示は、長い作業時間を要した要因を管理者が分析するのに資する。
【0015】
また、複数のマークのうちから一のマークを指定する指定操作を受け付ける指定部をさらに備え、制御部は、指定操作により指定された一のマークに応じた情報をディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、一のマークを指定することで当該一のマークに応じた情報をディスプレイで確認することができる。
【0016】
また、制御部は、一のマークに対応する基板に関する情報をディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、指定操作により一のマークを指定することで、当該一のマークに対応する基板に関する情報をディスプレイで確認することができる。
【0017】
また、制御部は、一のマークに対応する基板の作業時間中に生じた事象と、当該事象に要した時間とをディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、指定操作により一のマークを指定することで、当該一のマークに対応する基板の作業時間中に応じた事象をディスプレイで確認することができる。
【0018】
また、制御部は、一のマークに対応する基板の作業時間中に生じたエラーをディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は指定操作により一のマークを指定することで、当該一のマークに対応する基板の作業時間中に生じたエラーをディスプレイで確認することができる。
【0019】
また、部品実装システムは、それぞれ作業位置を有する複数の設備を備え、制御部は、設備の作業位置で所定作業が実行された基板に関する情報を設備毎にリスト形式でディスプレイに表示するように、部品実装管理装置を構成してもよい。かかる構成では、管理者は、基板に関する情報を設備毎に確認することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、部品が実装された基板の生産を管理する管理者が部品実装システムの稼動状態を基板単位で容易に把握することを可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明における部品実装システムの一例に相当する生産ラインを備えた基板生産設備を模式的に示すブロック図。
図2図1の基板生産設備の各生産ラインが備える部品実装機を模式的に示す部分平面図。
図3】管理装置のディスプレイに表示される生産管理画面の一例を模式的に示す図。
図4】管理装置のディスプレイに表示される生産管理画面の一例を模式的に示す図。
図5】生産状況表示部の表示内容の一例を模式的に示す図。
図6】生産状況表示部の表示内容の一例を模式的に示す図。
図7】管理装置のディスプレイに表示される生産管理画面の一例を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は本発明における部品実装システムの一例に相当する生産ラインを備えた基板生産設備を模式的に示すブロック図である。図1および以下の図では、Z方向を鉛直方向とし、X方向およびY方向のそれぞれを水平方向とするXYZ直交座標を示す。図1に示すように、基板生産設備1は、2本の生産ラインLa、Lbを備える。これら生産ラインLa、Lbは概ね同様の構成を備えるため、生産ラインLaについて主に説明して、生産ラインLbについては相当符号を付して説明を適宜省略する。この生産ラインLaでは、印刷機2、複数(4台)の部品実装機4a~4dおよびリフロー炉5が、基板搬送方向であるX方向に直列に並ぶ。
【0023】
印刷機2は、スクリーン印刷によって塗布材料(半田)を基板に印刷する。部品実装機4a~4dは図2を用いて後述する構成を具備し、印刷機2よって半田が印刷された基板に部品を実装する。リフロー5は、部品実装機4a~4dによって部品が実装された基板を加熱することで部品と基板を接合する半田を溶かす。こうして、生産ラインLaは、基板をX方向に搬送しつつ半田印刷、部品実装およびリフローを当該基板に実行することで、部品が実装された基板(部品実装基板)を生産する。
【0024】
また、基板生産設備1は、生産ラインLa、Lbを管理する管理装置6を備える。この管理装置6は、制御部61、記憶部62、通信部63、ディスプレイ64および入力機器65を備える。制御部61は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、生産ラインLa、Lbの管理に要する演算を実行する。
【0025】
記憶部62はHDD(Hard Disk Drive)等で構成され、生産ラインLa、Lbの管理に要するデータやプログラムを記憶する。特に、記憶部62には、生産管理プログラム621が記憶されており、制御部61が生産管理プログラム621を実行することで、後述する基板生産管理を実行する。この生産管理プログラム621はコンピュータにより読み出し可能に記録媒体69に記録された状態で提供される。記録媒体69は、例えば外部コンピュータに装備されたHDDであり、外部コンピュータのHDD(記録媒体69)から管理装置6にダウンロードされて、記憶部62に保存される。なお、記録媒体69は、HDDに限られず、例えばUSBフラッシュドライブや光ディスク等でもよい。
【0026】
通信部63は、生産ラインLa、Lbに設けられた各装置2、4a~4c、5と有線あるいは無線により通信を実行する。この通信部63は、例えば制御部61の指令に応じて、各装置2、4a~4c、5の動作履歴を示すログ622を収集して、記憶部62に保存する。
【0027】
ディスプレイ64は後述する情報を管理者に表示し、入力機器65は管理者による入力操作を受け付ける。管理装置6は、パーソナルコンピュータあるいはタブレットにより構成される。前者の場合、入力機器65はマウスあるいはキーボードであり、後者の場合、ディスプレイ64と入力機器65とはタッチパネルディスプレイによって一体的に構成される。
【0028】
図2図1の基板生産設備の各生産ラインが備える部品実装機を模式的に示す部分平面図である。同図では、部品実装機4a~4cを区別せずに部品実装機4と表している。部品実装機4は、X方向に並列に配置された一対のコンベア41を備え、これらコンベア41によって基板10の搬送を実行する。つまり、部品実装機4は、コンベア41によりX方向の上流側から実装作業位置P(図2の基板10の位置)に搬入した基板10に対して部品を実装し、部品実装を完了した基板10をコンベア41により実装作業位置PからX方向の下流側へ搬出する。なお、基板10に部品を実装するとは、基板10に印刷された半田に部品を載置する動作を示す。
【0029】
一対のコンベア41のY方向の両側それぞれでは2つの部品供給部42がX方向に並んでおり、各部品供給部42では、複数のフィーダFがX方向に並ぶ。各フィーダFに対しては、集積回路、トランジスタ、コンデンサ等の小片状の部品を所定間隔おきに収容した部品供給テープが巻き付けられた部品供給リールが配置されており、各フィーダFは部品供給リールから引き出された部品供給テープを間欠的に送り出すことで、その先端部に部品を供給する。
【0030】
部品実装機4では、Y方向に延びる一対のY軸レール431と、Y方向に延びるY軸ボールネジ432と、Y軸ボールネジ432を回転駆動するY軸モータ433とが設けられている。一対のY軸レール431は、X方向に延びるX軸ビーム434をY方向に移動可能に支持し、このX軸ビーム434はY軸ボールネジ432のナットに固定されている。X軸ビーム434には、X方向に延びるX軸ボールネジ435と、X軸ボールネジ435を回転駆動するX軸モータ436とが取り付けられている。X軸ビーム434は、ヘッドユニット44をX方向に移動可能に支持し、このヘッドユニット44はX軸ボールネジ435のナットに固定されている。したがって、Y軸モータ433によりY軸ボールネジ432を回転させることでヘッドユニット44をY方向に移動させ、X軸モータ436によりX軸ボールネジ435を回転させることでヘッドユニット44をX方向に移動させることができる。
【0031】
ヘッドユニット44は、X方向に並ぶ複数(6本)の実装ヘッド45を有する。各ヘッドユニット44はZ方向に延びた長尺形状を有し、ヘッドユニット44の下端には、部品を吸着するためのノズルが着脱可能に装着されている。このヘッドユニット44は、ノズルによって部品をフィーダFから実装作業位置Pの基板10へ移載することで、部品実装を実行する。
【0032】
つまり、実装ヘッド45は、フィーダFの先端部に対してノズルを上方から対向させる。次に、実装ヘッド45が下降して、フィーダFの先端部に供給された部品にノズルを接触させる。続いて、実装ヘッド45は、ノズルにより部品を吸着しつつ上昇する。実装ヘッド45は、こうしてフィーダFからの部品のピックアップを完了すると、実装作業位置Pの基板10の上方に移動する。そして、実装ヘッド45は、ノズルによる部品の吸着を解除することで、基板10に部品を実装する。
【0033】
ちなみに、X方向に並ぶ2個の部品供給部42の間には、上方を向く部品認識カメラ46が配置されており、部品認識カメラ46は、撮像した画像に基づき吸着ミスの有無を確認する。つまり、部品実装のためにフィーダFから基板10へ移動するノズルは、部品認識カメラ46の視野を経由し、部品認識カメラ46はノズルが視野に到達するタイミングで撮像を行う。そして、部品認識カメラ46は、ノズルに吸着された部品の有無や、部品の傾き等に基づき、吸着ミスの発生を検知する。また、吸着ミスの発生が確認されると、実装ヘッド45は、フィーダFの先端部の上方にノズルを戻して、ノズルによる部品の吸着を再試行する。
【0034】
さらに、ヘッドユニット44には、基板認識カメラ47が下方を向いて取り付けられており、基板認識カメラ47は、ヘッドユニット44に伴ってX方向およびY方向へ移動する。基板認識カメラ47は、実装作業位置Pに搬入された基板10に付されたフィデューシャルマークを上方から撮像した画像に基づき、基板10の位置を認識する。そして、この認識結果に基づき、実装ヘッド45により実装される部品のX方向およびY方向への位置が調整される。また、この部品実装機4は、基板に実装された部品の撮像にも利用される。
【0035】
続いては、図1の基板生産設備1において管理装置6が実行する基板生産管理について説明する。図3は管理装置のディスプレイに表示される生産管理画面の一例を模式的に示す図である。生産管理画面Sは、制御部61がディスプレイ64を制御することで表示され、生産管理画面Sに表示される以下の各項目は、ログ622に基づく制御部61の演算により求められる。
【0036】
生産管理画面Sは設定部Saを有する。設定部Saは、生産管理画面Sでの表示対象の設定に用いられる。つまり、管理者は入力機器65を操作することで、対象期間(開始日時~終了日時)の設定や、複数の生産ラインLa、Lbのうちの一の対象生産ライン(ライン名)の設定を設定部Saに対して実行できる。なお、図3の例では、生産ラインLaが対象生産ラインに設定されている。
【0037】
また、生産管理画面Sは基板品種表示部Sbを有する。この基板品種表示部Sbは、基板生産設備1で生産された全基板品種のうち、設定部Saで設定された条件に適合する基板品種の一覧をリスト形式で表示する。ここで、基板品種とは、生産される部品実装基板の種類を示し、部品が実装される前の基板の構成あるいは当該基板に実装される部品の構成が異なると、異なる基板品種として取り扱われる。図3に示すように、基板品種表示部Sbでは、設定部Saで設定された対象生産ラインLaで対象期間中に生産された基板品種の一覧が示され、該当する基板品種(生産基板品種)、当該基板品種の生産開始日時、生産終了日時および生産枚数が互いに対応付けられて表示される。管理者は、対象生産ラインLaで対象期間中に生産された基板品種に関する情報を、基板品種表示部Sbにより把握することができる。
【0038】
管理者は、基板品種表示部Sbに表示された複数(2個)の基板品種のうちから、一の基板品種を選択する操作を入力機器65に実行することができる。そして、制御部61は、一の基板品種が選択されたのに応じて、生産枚数表示部Scおよび生産状況表示部Sdを表示する(図4)。
【0039】
図4は管理装置のディスプレイに表示される生産管理画面の一例を模式的に示す図である。生産枚数表示部Scは、横軸を時間軸Atとして縦軸を生産枚数とするグラフである。この生産枚数表示部Scは、対象生産ラインLaが基板品種表示部Sbで選択された一の基板品種の基板10を生産した枚数の時間変化を示す。管理者は、選択された一の基板品種の基板10の対象生産ラインLaによる生産枚数を、生産枚数表示部Scにより把握することができる。
【0040】
図5および図6は生産状況表示部の表示内容の一例を模式的に示す図である。図4および図5に示すように、生産状況表示部Sdは、実装作業位置Pでの基板10に対する部品実装作業の実行タイミングを示すタイミングチャートCを、対象生産ラインLaが備える複数(4台)の部品実装機4a~4dのそれぞれについて表示する。
【0041】
上述のように、対象生産ラインLaでは、基板10の搬送方向であるX方向に直列に並ぶ複数(4台)の部品実装機4a~4dを備える。かかる対象生産ラインLaは、基板10に設けられた全実装点への部品の実装を部品実装機4a~4dに分担させることで、全実装点に部品が実装された基板10を生産する。つまり、対象生産ラインLaでは、複数の部品実装機4a~4に順番に基板10が搬送される。これに対して、部品実装機4a~4dのそれぞれは、X方向の上流側から搬送されてきた基板10を実装作業位置Pに固定してから、当該基板10の全実装点のうち担当する各実装点へ部品を実装する。そして、部品実装機4a~4dのそれぞれは、担当する各実装点への部品の実装を完了すると、実装作業位置Pへの基板10の固定を解除して、基板10を実装作業位置PからX方向の下流側へ搬出する。
【0042】
これに対して、制御部61は、部品実装機4による実装作業位置Pの基板10に対する部品実装作業の実行タイミングをログ622に基づき算出して、当該基板10への部品実装作業の実行タイミングを示すマークMをタイミングチャートCに表示する。図6に示すように、このマークMは、対応する基板10(すなわち、それが実行タイミングを示す部品実装作業の対象となった基板10)に対する部品実装作業に要した時間(作業時間)に応じた幅Wtを時間軸Atに沿って有する。つまり、マークMの幅Wtは、当該マークMが実行タイミングを示す部品実装作業の開始時刻tsから終了時刻teまでの時間を示す。ここで、部品実装作業の開始時刻tsは、部品実装機4が実装作業位置Pに基板10を固定した時刻であり、部品実装作業の終了時刻teは、部品実装機4が実装作業位置Pへの基板10の固定を解除した時刻である。
【0043】
制御部61は、部品実装機4の実装作業位置Pに順番に搬送される複数の基板10のそれぞれについて、マークMを求めて、当該マークMをタイミングチャートCに表示する。その結果、図4および図5の生産状況表示部Sdに例示するように、タイミングチャートCでは、複数の基板10に対応する複数のマークMが時間軸Atに沿って配列される。このタイミングチャートCにおいて、複数のマークMのそれぞれは、当該マークMに対応する基板10への部品実装作業への実行タイミングに応じた時間軸At上の位置に配置され、さらに複数のマークMのそれぞれは、対応する基板10への部品実装作業の実行に要した作業時間(=te-ts)に応じた幅Wtを時間軸Atに沿って有する。
【0044】
また、制御部61は、ディスプレイ64に表示するマークMの色を、当該マークMの幅Wt(すなわち、当該マークMに対応する基板10への部品実装作業に要した作業時間)に応じて変更する。具体的には、記憶部62には、実装作業位置Pにおける基板10への部品実装作業に要する基準時間として基準サイクルタイムTcが記憶されており、制御部61は、マークMの幅Wtが基準サイクルタイムTc以下であるかを判断する。そして、制御部61は、幅Wtが基準サイクルタイムTc以下のマークMを緑色で表示する。例えば、図6において、ハッチングを有さないマークMの幅Wtは基準サイクルタイムTc以下であり、当該マークMは緑色(図4図6では白色)で表示される。
【0045】
一方、制御部61は、幅Wtが基準サイクルタイムTcを超過するマークMを緑色とは異なる色で表示する。特に、幅Wtが基準サイクルタイムTcを超過する超過量Δ(=Wt-Tc)に応じて、マークMの色が変更される。つまり、制御部61は、幅Wtから基準サイクルタイムTcを減算した超過量Δが超過閾値未満であるマークMを黄色で表示し、超過量Δが超過閾値以上であるマークMを赤色で表示する。例えば、図6において、斜線ハッチングを有するマークMの幅Wtの超過量Δは超過閾値未満であり、当該マークMは黄色(図4図6では斜線ハッチング)で表示され、ドットハッチングを有するマークMの幅Wtの超過量Δは超過閾値以上であり、当該マークMは赤色(図4図6ではドットハッチング)で表示される。
【0046】
制御部61は、複数の部品実装機4a~4dのそれぞれについてタイミングチャートCを生産状況表示部Sdに表示する。管理者は、複数の部品実装機4a~4dのそれぞれでの部品実装作業の履歴、すなわち基板10に対する部品実装作業の実行タイミングや作業時間を、生産状況表示部Sdにより把握して、状況判断を行うことができる。
【0047】
図5の例で具体的に説明すると、生産状況PS1に示されるように複数の部品実装機4a~4dにおいて隣接するマークMの間隔が空いている場合には、管理者は、X方向の上流側からの基板10の搬送が滞っていると判断できる。生産状況PS2に示されるように赤色(ドットハッチング)のマークMが発生している場合には、管理者は、比較的長期間の停止(いわゆる「ドカ停」)が当該マークMにより示される部品実装作業中に発生したと判断できる。生産状況PS3に示されるように黄色(斜線ハッチング)のマークMが頻発している場合には、管理者は、比較的短期間の停止(いわゆる「チョコ停」)がマークMにより示される部品実装作業中に発生したと判断できる。また、生産状況表示部Sdの全体から、各実装作業位置P(すなわち、部品実装機4a~4dそれぞれの実装作業位置P)で、マークMの幅Wtが不均一である場合には、管理者は、ラインバランスが悪いと判断できる。
【0048】
さらに、管理者は、生産状況表示部Sdに表示された複数のマークMのうちから、一のマークMを指定する指定操作を入力機器65に実行することができる。そして、制御部61は、一のマークMが指定されたのに応じて、作業時間内訳表示部Seおよびエラー詳細表示部Sfを表示する(図7)。
【0049】
図7は管理装置のディスプレイに表示される生産管理画面の一例を模式的に示す図である。作業時間内訳表示部Seは、選択された一のマークMに対応する基板10に対する部品実装作業の作業時間(すなわち、幅Wtが示す時間)の間に生じた複数の事象R1~R6のそれぞれに要した時間を示す棒グラフである。すなわち、作業時間内訳表示部Seは、一のマークMが示す部品実装作業に要した作業時間の内訳(構成)を示す。
【0050】
事象R1は、一のマークMの基板10がその実装作業位置Pに位置する部品実装機4が、当該部品実装機4よりX方向の下流側の装置が基板10の搬入準備を完了するのを待機する事象(下流待ち)を表す。事象R2は、一のマークMの基板10が実装作業位置Pに位置する部品実装機4が、当該部品実装機4よりX方向の上流側の装置が基板10の搬出準備を完了するのを待機する事象(上流待ち)を表す。事象R3は、一のマークMの基板10が実装作業位置Pに位置する部品実装機4が作業者に向けて発したエラー停止の発生アラームが解除された後に稼動再開を待機する事象(リカバリー)である。事象R4は、一のマークMの基板10が実装作業位置Pに位置する部品実装機4が作業者に向けてエラー停止の発生アラームを発した後に当該発生アラームの解除を待機する事象(作業者待ち)である。事象R5は、一のマークMの基板10が実装作業位置Pに位置する部品実装機4が基板10のフィデューシャルマークを認識する事象(マーク認識)である。事象R6は、一のマークMの基板10が実装作業位置Pに位置する部品実装機4が担当する各実装点に部品を実装する事象(実装)である。ただし、事象Rの具体的内容は、ここに例示した複数の事象の一部の事象である場合もあるし、ここに例示した事象とは異なる事象である場合もある。
【0051】
また、エラー詳細表示部Sfは、選択された一のマークMに対応する基板10に対する部品実装作業の作業時間(すなわち、幅Wtが示す時間)の間に生じたエラーに関する情報を示す。ここに例では、エラーの発生日時と、エラーの内容(フィーダFにおける部品切れ)がエラー詳細表示部Sfに表示される。
【0052】
以上のように構成された実施形態では、複数の基板10を順番に実装作業位置P(作業位置)に搬送しつつ実装作業位置Pで基板に部品実装作業(所定作業)を実行することで部品が実装された基板10を生産する生産ラインLa、Lbにおける部品実装作業の実行履歴を示すタイミングチャートCがディスプレイ64に表示される。このタイミングチャートCでは、複数の基板10にそれぞれ対応する複数のマークMが時間軸Atに沿って配列される。各マークMは、当該マークMに対応する基板10への部品実装作業への実行タイミングに応じた時間軸At上の位置に配置されており、当該マークMに対応する基板10への部品実装作業の実行に要した作業時間に応じた幅Wtを時間軸Atに沿って有する。つまり、タイミングチャートCにおいて時間軸Atに沿って配列された複数のマークMのそれぞれが、対応する基板10に対する部品実装作業の実行タイミングおよび作業時間を表す。したがって、管理者は、このタイミングチャートCを確認することで、基板10単位で部品実装作業の実行タイミングおよび作業時間を把握できる。こうして、部品が実装された基板10の生産を管理する管理者が生産ラインLa、Lbの稼動状態を基板単位で容易に把握することが可能となっている。
【0053】
また、制御部61は、複数のマークMが、それぞれ対応する基板10への作業時間の基準サイクルタイムTc(基準時間)に対する超過量Δに応じた色を有するように、当該超過量Δに応じてマークMの色を変更する。かかる構成では、管理者は、長い作業時間を要した基板10を色によって容易に識別することができる。
【0054】
また、入力機器65(指定部)は、複数のマークMのうちから一のマークMを指定する指定操作を受け付ける。そして、制御部61は、指定操作により指定された一のマークMに応じた情報をディスプレイ64に表示する(作業時間内訳表示部Seあるいはエラー詳細表示部Sf)。かかる構成では、管理者は、一のマークMを指定することで当該一のマークMに応じた情報をディスプレイ64で確認することができる。
【0055】
また、制御部61は、一のマークMに対応する基板10への作業時間中に生じた事象R1~R6と、当該事象R1~R6に要した時間とをディスプレイ64に表示する(作業時間内訳表示部Se)。かかる構成では、管理者は、一のマークMを指定することで、当該一のマークMに対応する基板10への作業時間中に応じた事象R1~R6をディスプレイ64で確認することができる。
【0056】
また、制御部61は、一のマークMに対応する基板10への作業時間中に生じたエラーをディスプレイ64に表示する(エラー詳細表示部Sf)。かかる構成では、管理者は一のマークMを指定することで、当該一のマークMに対応する基板10への作業時間中に生じたエラーをディスプレイ64で確認することができる。
【0057】
このように本実施形態では、管理装置6が本発明の「部品実装管理装置」の一例に相当し、制御部61が本発明の「制御部」の一例に相当し、ディスプレイ64が本発明の「ディスプレイ」の一例に相当し、入力機器65が本発明の「指定部」の一例に相当し、生産管理プログラム621が本発明の「部品実装管理プログラム」の一例に相当し、記録媒体69が本発明の「記録媒体」の一例に相当し、生産ラインLa、Lbが本発明の「部品実装システム」の一例を構成し、実装作業位置Pが本発明の「作業位置」の一例に相当し、基板10が本発明の「基板」の一例に相当し、部品実装作業が本発明の「所定作業」の一例に相当し、タイミングチャートCが本発明の「チャート」の一例に相当し、マークMが本発明の「マーク」の一例に相当し、幅Wtが本発明の「幅」の一例に相当し、時間軸Atが本発明の「時間軸」の一例に相当する。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。ディスプレイ64に表示されるマークMの色に関する制御を次のように変形できる。
【0059】
この変形例では、管理者は、マークMの幅Wtの超過量Δに対して用いられる超過閾値(超過量ΔとマークMの色との対応関係に相当)を設定する設定操作を受け付ける。そして、制御部61は、設定された超過閾値に従って、上記と同様に超過量Δに応じてマークMの色を変更する。かかる変形例では、管理者は、入力機器65(設定部)を操作して、超過閾値を変更することで、作業時間に応じたマークMの色を変化させつつ、長い作業時間を要した基板10を色によって確認することができる。
【0060】
また、上記とは異なる内容をディスプレイ64の生産管理画面Sにさらに表示するように、制御部61による制御を変形してもよい。つまり、第1の変形例では、
・対象生産ラインLaにおいて、部品実装作業の作業時間が基準サイクルタイムTcより超過した基板10の枚数
・対象生産ラインLaにおいて、部品実装作業の作業時間が基準サイクルタイムTcより超過した各基板10の超過量Δ(超過時間)
・対象生産ラインLaにおいて、部品実装作業の作業時間が基準サイクルタイムTcより超過した各基板10の超過量Δの合計(超過時間の合計)
の少なくとも1つを示すレポートがディスプレイ64に表示される。かかる表示は、長い作業時間を要した要因を管理者が分析するのに資する。
【0061】
第2の変形例では、制御部61は、対象生産ラインLaの複数のマークMを、それぞれの色(緑色、黄色、赤色)に応じて分類する。そして、制御部61は、マークMの色毎に、当該マークMに対応する基板10に関する情報、具体的には当該基板10の品種(基板品種)あるいは当該基板10を識別する基板IDをリスト形式でディスプレイ64に表示する。つまり、このリストは、マークMの色と、当該色の各マークMに対応する基板10の情報(基板品種あるいは基板ID)とを対応付けて、各色について表示する。このように、対応するマークMの色毎に基板10に関する情報をリスト形式でディスプレイ64に示す表示は、長い作業時間を要した要因を管理者が分析するのに資する。
【0062】
第3の変形例では、管理者が生産状況表示部Sdに表示された複数のマークMのうちから、一のマークMを指定する指定操作を入力機器65に実行すると、制御部61は、指定された一のマークMに対応する基板に関する情報(基板品種あるいは基板ID)を、ディスプレイ64に表示する。かかる表示は、例えば当該情報を示すテキストをポップアップすることで実行される。かかる構成では、管理者は、指定操作により一のマークMを指定することで、当該一のマークMに対応する基板10に関する情報をディスプレイ64で確認することができる。
【0063】
第4の変形例では、制御部61は、対象生産ラインLaが備える複数の部品実装機4a~4dの実装作業位置Pで部品実装作業が実行された基板10に関する情報(基板品種あるいは基板ID)を、部品実装機4a~4d(設備)毎にリスト形式でディスプレイ64に表示する。つまり、このリストは、部品実装機4と、当該部品実装機4の実装作業位置Pで部品実装作業が実行された基板10の情報とを対応付けて、部品実装機4a~4dそれぞれについて表示する。かかる構成では、管理者は、基板10に関する情報を部品実装機4a~4d毎に確認することができる。
【0064】
また、これらの例とは異なる各種変形を加えることもできる。例えば、マークMの幅Wt、すなわち当該マークMが示す部品実装作業の開始時刻tsおよび終了時刻teを上記の例から変更してもよい。具体的には、部品実装作業の終了時刻teを、当該部品実装作業を実行する部品実装機4が基板10の全実装点のうちの担当する各実装点への部品実装を完了した時刻としてもよい。あるいは、管理者が入力機器65を操作することで、開始時刻tsおよび終了時刻teを任意に設定できるように構成してもよい。
【0065】
また、マークMの色の種類は、上記の3色に限られず、4色以上でもよいし、2色でもよい。あるいは、色分けを行わずにマークMを表示してもよい。
【0066】
また、1台の部品実装機4が有する実装作業位置Pの個数は1個に限られず、2個以上であってもよい。
【0067】
また、基板生産設備1が備える生産ラインLの本数は、上記の例に限られず、例えば1本でもよい。
【0068】
また、生産ラインLを構成する部品実装機4の個数を適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…基板生産設備
10…基板
6…管理装置(部品実装管理装置)
61…制御部
64…ディスプレイ
65…入力機器(指定部)
69…記録媒体
621…生産管理プログラム(部品実装管理プログラム)
At…時間軸
C…タイミングチャート(チャート)
La、Lb…生産ライン(部品実装システム)
M…マーク
P…実装作業位置(作業位置)
Wt…幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7