(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】圧電性と発光性が同期化された素材およびこれを含む素子
(51)【国際特許分類】
H01L 21/208 20060101AFI20220607BHJP
C09K 11/59 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/65 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/56 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/89 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/62 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/63 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/70 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/74 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/64 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/66 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/58 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/87 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/88 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/55 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/61 20060101ALI20220607BHJP
C09K 11/08 20060101ALI20220607BHJP
H01L 21/368 20060101ALI20220607BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220607BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20220607BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
H01L21/208 Z
C09K11/59 ZNM
C09K11/65
C09K11/56
C09K11/89
C09K11/62
C09K11/63
C09K11/70
C09K11/74
C09K11/64
C09K11/66
C09K11/58
C09K11/87
C09K11/88
C09K11/55
C09K11/61
C09K11/08 A
C09K11/08 G
H01L21/368 Z
H05B33/14 A
H05B33/14 Z
H05B33/02
(21)【出願番号】P 2020199041
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2020-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0100268
(32)【優先日】2020-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520470899
【氏名又は名称】延世大學校産學協力團
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】パク チョルミン
(72)【発明者】
【氏名】イ ソクヨン
(72)【発明者】
【氏名】パン チュナ
(72)【発明者】
【氏名】コ チェワン
(72)【発明者】
【氏名】イ テウ
(72)【発明者】
【氏名】キム ソンチン
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0025335(KR,A)
【文献】特開2005-232398(JP,A)
【文献】特開2001-185358(JP,A)
【文献】特開2010-106084(JP,A)
【文献】ZHOU, Qingchao, et al.,In Situ Fabrication of Halide Perovskite Nanocrystal- Embedded Polymer Composite Films with Enhanced Photoluminescence for Display Backlights,Advanced Materials,2016年08月29日,Vol. 28,pp. 9163-9168
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/208
C09K 11/59
C09K 11/65
C09K 11/56
C09K 11/89
C09K 11/62
C09K 11/63
C09K 11/70
C09K 11/74
C09K 11/64
C09K 11/66
C09K 11/58
C09K 11/87
C09K 11/88
C09K 11/55
C09K 11/61
C09K 11/08
H01L 21/368
H01L 51/50
H05B 33/14
H05B 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光粒子を含むコア(core)層;および
前記コア層の表面に付着され、圧電特性を有するリガンドを含む外部(shell)層を含
み、
前記圧電特性を有するリガンドは下記の化学式1で表示されるものであり、
下記化学式1で表示される圧電特性を有するリガンドは下記の化合物群1に表示された化合物の中から選択されるいずれか一つである、
圧電性と発光性が同期化された素材
:
【化1】
前記化学式1で、R
1
およびR
2
はそれぞれ独立的にH、F、Cl、COOH、COORまたはCF
3
であり、
R
3
およびR
4
はそれぞれ独立的にH、OH、SH、SSOR、NH
2
、N
3
、COOH、Cl、Br、Iまたは炭素数1以上10以下のアルキニル基であり、
Rはそれぞれ独立的に水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換または非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、
nは1~50,000の整数である:
【化2】
前記化合物群1で、Rはそれぞれ独立的に水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換または非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、XはF、Cl、BrまたはIであり、nは1~50,000の整数である。
【請求項2】
前記発光粒子は複数個のリガンドで囲まれており、前記リガンドのうち一部または全体が圧電特性を有するリガンドである、請求項1に記載の圧電性と発光性が同期化された素材。
【請求項3】
前記発光粒子はペロブスカイト結晶、Si系結晶、II-VI族系化合物半導体結晶、III-V族系化合物半導体結晶、IV-VI族系化合物半導体結晶、ボロン量子ドット、炭素量子ドットおよび金属量子ドットからなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載の圧電性と発光性が同期化された素材。
【請求項4】
前記ペロブスカイト結晶はABX
3(3D)、A
4BX
6(0D)、AB
2X
5(2D)、A
2BX
4(2D)、A
2BX
6(0D)、A
2B
+B
3+X
6(3D)、A
3B
2X
9(2D)またはA
n-1B
nX
3n+1(quasi-2D)の構造(nは2~6の整数)を有し、
前記Aは一価(1価)の陽イオンであり、前記Bは金属物質であり、前記Xはハロゲン元素であり、
前記II-VI族系化合物半導体結晶は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeおよびHgZnSTeからなる群から選択される1種以上であり、
前記III-V族系化合物半導体結晶は、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAsおよびInAlPAsからなる群から選択される1種以上であり、
前記IV-VI族系化合物半導体結晶は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTeおよびSnPbSTeからなる群から選択される1種以上であり、
前記炭素量子ドットは、グラフェン量子ドット、カーボン量子ドット、C
3N
4交代配列量子ドットおよび高分子量子ドットからなる群から選択される1種以上であり、
前記金属量子ドットは、Au、Ag、Al、Cu、Li
、PdおよびPtからなる群から選択される1種以上である、請求項
3に記載の圧電性と発光性が同期化された素材。
【請求項5】
前記発光粒子はペロブスカイト結晶であり、前記ペロブスカイト結晶で前記Aは(C
xH
2x+1NH
3)
n
+、(C
6H
5C
xH
2x+1NH
3)
n
+、(CH(NH
2)
2)
n
+、(NH
4)
n
+、(NF
4)n
+、(NCl
4)
n
+、(PH
4)
n
+
、(PF
4)
n
+、(PCl
4)
n
+、(C(NH
2)
3)
n
+、((C
xH
2x+1)
nNH
3)
2(CHNH
3)
n
+、(CF
3NH
3)
n
+、(C
xF
2x+1)
nNH
3)
2(CFNH
3)
n
+、((C
xF
2x+1)
nNH
3)
2
+、(CH
3PH
3)
n
+、(CH
3AsH
3)
n
+、(CH
3SbH
3)
n
+、(AsH
4)
n
+、(SbH
4)
n
+、Cs
+、Rb
+およびK
+からなる群から選択される1種以上であり(nは1以上の整数、xは1以上の整数)、
前記Bは2価の遷移金属、希土類金属、アルカリ土類金属、Pb、Sn、Ge、Ga、In、Al、Sb、BiおよびPoからなる群から選択される1種以上であり、
前記XはCl、BrおよびIからなる群から選択される1種以上である、請求項
4に記載の圧電性と発光性が同期化された素材。
【請求項6】
前記化学式1でR
1およびR
2はそれぞれ独立的にH、F、またはClであり、前記R
3およびR
4はそれぞれ独立的にH、OH、SH、SSOR、またはCOOHであり、Rは水素原子または置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基である、請求項
1に記載の圧電性と発光性が同期化された素材。
【請求項7】
前記
外部(shell)層は下記の化合物群2で表示された化合物の中から選択されるいずれか一つ
をさらに含む、請求項
1に記載の圧電性と発光性が同期化された素材:
【化3】
前記化合物群2で、Rはそれぞれ独立的に水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換または非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、nは1~50,000の整数である。
【請求項8】
200nm~1500nmの発光波長を有し、0.1~100μC/cm
2の分極を有する、請求項1に記載の圧電性と発光性が同期化された素材。
【請求項9】
(a)発光粒子またはこの前駆体を含有する溶液および(b)極性溶媒
中に前記圧電特性を有するリガンドを含む溶液を混
合する、
請求項1に記載の圧電性と発光性が同期化された素材の製造方法。
【請求項10】
前記(a)溶液および前記(b)溶液と共に(c)アンチソルベント(antisolvent)中に圧電特性を有するリガンドを含む溶液を混合する、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記(a)溶液と前記(b)溶液を混合して混合物を作製する段階および前記混合物に前記(c)溶液を添加して混合する段階を含む、請求項
10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記(a)溶液と前記(c)溶液を混合して混合物を作製する段階および前記混合物に前記(b)溶液を添加して混合する段階を含む、請求項
10に記載の製造方法。
【請求項13】
基板;
前記基板上に配置される第1電極;
前記第1電極上に配置される発光層;および
前記発光層上に配置される第2電極を含み、
前記発光層は請求項1に記載された素材を含む、圧電性と発光性が同期化された素子。
【請求項14】
前記基板がフレキシブル基板である、請求項
13に記載の圧電性と発光性が同期化された素子。
【請求項15】
ウェアラブル電子素子、電子皮膚、または車両用電子素子に使われるものである、請求項
13に記載の圧電性と発光性が同期化された素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電性と発光性が同期化された素材およびこれを含む素材に関し、さらに詳細には、発光粒子と圧電特性のリガンドで構成されて圧電性と発光性を同時に有する単一SPL(Synchronized Piezoelectric & Luminescence)素材およびこれを利用した素子に関する。
【背景技術】
【0002】
未来の人と事物そして空間が融合された超連結社会(Hyper-connected society)は、多様でより多くの種類の大容量の人体感覚情報の感知・表示が可能な無意識的水準の、常時駆動が可能な、エレクトロニクスを要求する。
【0003】
しかし、現在のスケーリング(Scaling Down、Miniaturization)を通じての高集積化電子式情報処理(Information Processing、Digital Content)方式は、そのうち技術的限界に到達して未来社会の大容量の人体情報データ処理要求量に耐えられないものと予想される。また、現在の人体感覚情報の感知または表示の独立した機能を遂行する素子の小型化を通じての高集積化方式は、大容量情報処理の限界だけでなく、システムの複雑化・肥大化を引き起こして重さの増加、電力量の増加などの問題につながるため、未来の無意識的・常時駆動・人体親和的なエレクトロニクスに非常に適していない。
【0004】
したがって、未来のICT技術は、現在の小型化および高集積化方式のスケーリング技術の限界の克服のために、人体感覚情報の感知と表示機能を同時に遂行可能な多機能化(Multifunction:Functionality & Diversification)の新しい方向を要求する。しかし、現在の技術はそれぞれ独立した感知素子と表示素子または感知用素材と表示用素材の単純積層または複合化水準に止まっているため集積化技術の限界を抜け出すことができず、常時駆動が可能な超低電力駆動が困難である。
【0005】
人体感覚情報の感知・表示処理のためにスピーカーまたはマイクロホンとディスプレイ、センサとディスプレイの融合技術を利用した人工共感覚素子が学界で一部報告されているが、個別の素子がマイクロ・プロセッサを通じて連結されたり、二個以上の素子がスタックの形態をなす素子である。最近、それぞれの役割をする素材を複合体の形態で構成する研究が進行されているが、最終的にウェアラブルデバイスの超低電力、超薄膜の限界の克服のためには、一つの素子、一つの素材で多重センシングおよび切り替え、表示されることが最も理想的である。
【0006】
このため、常時駆動が可能な水準の超低電力人工共感覚素子の具現のためには何よりも超軽量、超低電力駆動素材の開発が先行しなければならず、最も理想的なものは、単一素材内で機械的、光学的要素を分子レベルで組み合わせる方法である。素材の側面で、人工共感覚の機械的な機能は誘電体圧電素材によって、光学的な機能は半導体発光素材によって具現され得る。特に、圧電素材の場合、外部応力によって電気が生成できる自家発電特性は無電源常時駆動のための人工共感覚デバイスの具現を可能にする。このように、圧電と発光素材の機能が同時に具現される人工共感覚エレクトロニクス素材をSynchronized Piezoelectric & Luminescence(SPL)素材と定義し、単一SPL素材の開発が要求される。
【0007】
一方、in-situ方法を通じてペロブスカイトナノ結晶(MAPbX3)/圧電性高分子(PVDF)合成薄膜(composite film)を製作したり[Adv.Mater.2016、28、9163-9168]、blade-coating方法を通じて無機量子ドット(CdxZn1-xSeyS1-y)/圧電性高分子(PVDF)合成薄膜(composite film)を製作する研究が提示されたことがある[ACS Appl.Mater.Interfaces 2018、10、15880-15887].
【0008】
しかし、前記先行の研究は二つ以上の単一機能素材の単純融合方式であって、素材が物理的に混合された形態であるため、超柔軟、超低電力機能の具現には限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記のような問題点を解決するために、圧電性を有するリガンドを発光粒子に付着して発光粒子に圧電特性を付与することによって、圧電性と発光性を同時に有する単一SPL素材およびこれを含む素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は一態様によると、発光粒子を含むコア(core)層;および前記コア層の表面に付着され、圧電特性を有するリガンドを含む外部(shell)層を含む圧電性と発光性が同期化された素材を提供する。
【0011】
この時、一具現例によると、前記発光粒子は複数個のリガンドで囲まれており、前記リガンドのうち一部または全体が圧電特性を有するリガンドであり得る。
【0012】
この時、他の一具現例によると、前記圧電特性を有するリガンドはリガンドの交換を通じて前記コア層の表面に付着されたものであり得る。
【0013】
また、前記圧電特性を有するリガンドは下記の化学式1で表示されるものであり得る。
【0014】
【0015】
前記化学式1で、R1およびR2はそれぞれ独立的にH、F、Cl、COOH、COORまたはCF3であり、R3およびR4はそれぞれ独立的にH、OH、SH、SSOR、NH2、N3、COOH、Cl、Br、Iまたは炭素数1以上10以下のアルキニル基であり、Rはそれぞれ独立的に水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換または非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、nは1~50,000の整数である。
【0016】
また、前記発光粒子はペロブスカイト結晶、Si系結晶、II-VI族系化合物半導体結晶、III-V族系化合物半導体結晶、IV-VI族系化合物半導体結晶、ボロン量子ドット、炭素量子ドットおよび金属量子ドットからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0017】
ここで、前記ペロブスカイト結晶はABX3(3D)、A4BX6(0D)、AB2X5(2D)、A2BX4(2D)、A2BX6(0D)、A2B+B3+X6(3D)、A3B2X9(2D)またはAn-1BnX3n+1(quasi-2D)の構造(nは2~6の整数)を有し、前記Aは一価(1価)の陽イオンであり、前記Bは金属物質であり、前記Xはハロゲン元素であり得る。IV
【0018】
前記Aは(CxH2x+1NH3)n
+、(C6H5CxH2x+1NH3)n
+、(CH(NH2)2)n
+、(NH4)n
+、(NF4)n+、(NCl4)n
+、(PH4)n+、(PF4)n
+、(PCl4)n
+、(C(NH2)3)n
+、((CxH2x+1)nNH3)2(CHNH3)n
+、(CF3NH3)n
+、(CxF2x+1)nNH3)2(CFNH3)n
+、((CxF2x+1)nNH3)2
+、(CH3PH3)n
+、(CH3AsH3)n
+、(CH3SbH3)n
+、(AsH4)n
+、(SbH4)n
+、Cs+、Rb+およびK+からなる群から選択される1種以上であり(nは1以上の整数、xは1以上の整数)、前記Bは2価の遷移金属、希土類金属、アルカリ土類金属、Pb、Sn、Ge、Ga、In、Al、Sb、BiおよびPoからなる群から選択される1種以上であり、前記XはCl、BrおよびIからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0019】
前記II-VI族系化合物半導体結晶は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeおよびHgZnSTeからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0020】
前記III-V族系化合物半導体結晶は、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAsおよびInAlPAsからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0021】
前記IV-VI族系化合物半導体結晶は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTeおよびSnPbSTeからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0022】
前記炭素量子ドットは、グラフェン量子ドット、カーボン量子ドット、C3N4交代配列量子ドットおよび高分子量子ドットからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0023】
前記金属量子ドットは、Au、Ag、Al、Cu、Li、Cu、PdおよびPtからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0024】
一方、前記圧電性と発光性が同期化された素材は200nm~1500nmの発光波長を有し、0.1~100μC/cm2の分極を有することができる。
【0025】
本発明の他の一態様によると、(a)発光粒子またはこの前駆体を含有する溶液および(b)極性溶媒のうちに圧電特性を有するリガンドを含む溶液を混合し、必要な場合、任意に前記(a)溶液および前記(b)溶液と共に(c)アンチソルベント(antisolvent)中に圧電特性を有するリガンドを含む溶液を混合する、圧電性と発光性が同期化された素材の製造方法が提供される。
【0026】
本発明の一具現例によると、前記製造方法は前記(a)溶液と前記(b)溶液を混合して混合物を作製する段階および前記混合物に前記(c)溶液を添加する段階を含むことができる。
【0027】
本発明の他の一具現例によると、前記製造方法は前記(a)溶液と前記(c)溶液を混合して混合物を作製する段階および前記混合物に前記(b)溶液を添加する段階を含むことができる。
【0028】
本発明の他の一具現例によると、前記(a)溶液で発光粒子またはこの前駆体はMMES (mono-2-(methacryloyloxy)ethyl succinate)のような親水性単分子リガンドが追加で付着されたものであり得る。
【0029】
本発明の他の一具現例によると、前記(b)溶液中の前記リガンドはフッ素樹脂、例えばPVDFから由来し、H、OH、SH、SSOR、またはCOOHによって置換された構造を有するものであり、ここで前記Rは水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換または非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基であるものであり得る。
【0030】
本発明の他の一態様によると、前記製造方法によって製造された圧電性と発光性が同期化された素材が提供される。
【0031】
本発明の他の一態様によると、本発明は基板;前記基板上に配置される第1電極;前記第1電極上に配置される発光層;および前記発光層上に配置される第2電極を含み、前記発光層は前記圧電性と発光性が同期化された素材を含む圧電性と発光性が同期化された素子も提供する。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る素材は圧電性リガンドと発光粒子が化学的に結合された単一SPL素材であって、圧電性と発光性を同時に具現することができる。また、前記素材を基盤とした素子を製作することができ、これを通じて圧電性と発光性を同時に有する素子システムを設計することができる。
【0033】
このため、前記素材を含む素子は各種input信号を視覚化して効率的なコミュニケーションができるため、未来指向的な共感覚技術分野に有用に使われ得る。併せて、前記素材を含む素子はAll-in-one素子であるため追加的な部品および工程が不要であり、経済的競争力に優れ、このため、共感覚素子の商業化に大いに寄与できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一実施例に係る圧電性と発光性が同期化された素材を概略的に示した模式図である。
【
図2】本発明の実施例1に係る圧電性リガンドが付着されたペロブスカイトナノ粒子素材のPFM(Piezoelectric Force Microscopy)測定結果を示したものである。
【
図3】本発明の実施例3に係る圧電性リガンドが付着された無機量子ドット素材の分極履歴曲線を導き出した結果を示したものである。
【
図4】本発明の実施例6に係る圧電性リガンドが付着された無機量子ドット素材を適用した素子の駆動結果を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0036】
本出願で、「含む」または「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0037】
本明細書で、「圧電性と発光性が同期化された」という表現は圧電性と発光性を同時に有することを意味し得る。
【0038】
本明細書で、「単一SPL(Synchronized Piezoelectric & Luminescence)素材」は一つの素材で圧電性と発光性が同時に具現される人工共感覚エレクトロニクス素材を意味する。
【0039】
このような単一SPL素材は多様な方式で具現され得、発光部であるコアとコアの表面に位置したリガンドからなる粒子の形態でSPL特性を具現することができる。
【0040】
本発明に係る圧電性と発光性が同期化された素材は、発光粒子を含むコア(core)層;および前記コア層の表面に付着され、圧電特性を有するリガンドを含む外部(shell)層を含むことを特徴とする。
【0041】
ここで、発光粒子はペロブスカイト結晶、Si系結晶、II-VI族系化合物半導体結晶、III-V族系化合物半導体結晶、IV-VI族系化合物半導体結晶、ボロン量子ドット、炭素量子ドットおよび金属量子ドットからなる群から選択される1種以上であることが好ましく、具体的にはペロブスカイト結晶または金属量子ドットであり得る。
【0042】
ペロブスカイト結晶はABX3(3D)、A4BX6(0D)、AB2X5(2D)、A2BX4(2D)、A2BX6(0D)、A2B+B3+X6(3D)、A3B2X9(2D)またはAn-1BnX3n+1(quasi-2D)の構造(nは2~6の整数)を有し、前記Aは一価(1価)の陽イオンであり、前記Bは金属物質であり、前記Xはハロゲン元素であり得る。
【0043】
この時、Aは(CxH2x+1NH3)n
+、(C6H5CxH2x+1NH3)n
+、(CH(NH2)2)n
+、(NH4)n
+、(NF4)n+、(NCl4)n
+、(PH4)n+、(PF4)n
+、(PCl4)n
+、(C(NH2)3)n
+、((CxH2x+1)nNH3)2(CHNH3)n
+、(CF3NH3)n
+、(CxF2x+1)nNH3)2(CFNH3)n
+、((CxF2x+1)nNH3)2
+、(CH3PH3)n
+、(CH3AsH3)n
+、(CH3SbH3)n
+、(AsH4)n
+、(SbH4)n
+、Cs+、Rb+およびK+からなる群から選択される1種以上であり(nは1以上の整数、xは1以上の整数)、Bは2価の遷移金属、希土類金属、アルカリ土類金属、Pb、Sn、Ge、Ga、In、Al、Sb、BiおよびPoからなる群から選択される1種以上であり、XはCl、BrおよびIからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0044】
II-VI族系化合物半導体結晶は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeおよびHgZnSTeからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0045】
III-V族系化合物半導体結晶は、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAsおよびInAlPAsからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0046】
IV-VI族系化合物半導体結晶は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTeおよびSnPbSTeからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0047】
炭素量子ドットは、グラフェン量子ドット、カーボン量子ドット、C3N4交代配列量子ドットおよび高分子量子ドットからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0048】
金属量子ドットは、Au、Ag、Al、Cu、Li、Cu、PdおよびPtからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0049】
一方、代表的な高発光効率粒子としてはII-VI族またはIII-V族基盤半導体結晶、ペロブスカイト粒子がある。II-VI族またはIII-V族基盤半導体結晶は量子拘束効果に起因して、粒子の大きさの調節を通じて色調節をし、有機発光体に比べて高い色純度(Full width at half maximum(FWHM)≒30nm)を具現することができ、数ナノメートルの粒子の大きさを有している。金属ハライドペロブスカイト粒子は結晶構造に起因して粒子の大きさにかかわらず高い色純度(FWHM<25nm)を有し、色調節が簡単で合成費用が安価であるため、発光体としての発展可能性が非常に大きい。
【0050】
しかし、発光体として使われるナノ粒子は数ナノ~数十ナノの小さな粒子(particle)の大きさによって表面対体積比(surface-to-volume ratio)が大きく、そのため高い欠陥(defect)濃度を有し得る。したがって、ナノ粒子の内部だけでなくナノ結晶の表面に形成され得る欠陥を同時に効果的に制御できる技術の開発が必須である。
【0051】
粒子はグレインとは区分され、粒子1個が独立的に作用し、溶液状態で合成して得られるコロイド粒子(colloid particle)が殆どであり、この場合も化学的な作用で粒子を囲むリガンドがある場合が殆どである。グレインの場合は多結晶薄膜で粒子を囲み、リガンドなしに結晶境界(grain boundary)をなし、互いにつながっており、主に前駆体(precursor)ですぐに反応して多結晶薄膜に形成される。この時、一つのグレインがまるで粒子のように見えるかもしれないが、このような場合はグレインとするのが正確な表現であり、別途にグレイン一つを分離して定義できないため粒子と表現しない。粒子の場合、リガンドが存在しなければ数時間以内にすべてが沈んで安定した分散を形成できない。リガンドとしては、主に界面活性剤(surfactant)の役割をする低分子材料(small molecules)が使用される。この時、リガンドは粒子間の物理的な接触を防止し、表面の欠陥をパッシベーションして粒子の安定性と発光特性を向上させ、リガンドの特性に応じて分散溶媒を調節するなど、粒子に特定の特性を付与することができる。
【0052】
一方、本発明では圧電特性を有するリガンドを発光粒子に付着して、発光性を有している粒子に圧電特性を付与することによって、圧電性と発光性を同時に有する素材およびこれを含む素子を提供することを特徴とする。
【0053】
すなわち、本発明に係る発光粒子は複数個のリガンドで囲まれており、リガンドのうち一部または全体が圧電特性を有するリガンドであり得る。
【0054】
この時、圧電特性を有するリガンドは下記の化学式1で表示されるものであり得る。
【0055】
【0056】
化学式1で、R1およびR2はそれぞれ独立的にH、F、Cl、COOH、COORまたはCF3であり得、より具体的にはH、F、またはClであり得、さらに具体的にはHまたはFであり得る。
【0057】
R3およびR4はそれぞれ独立的にH、OH、SH、SSOR、NH2、N3、COOH、Cl、Br、Iまたは炭素数1以上10以下のアルキニル基であり得、さらに具体的にはH、OH、SH、SSOR、またはCOOHであり得る。
【0058】
Rはそれぞれ独立的に水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換または非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、さらに具体的には水素原子または置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基であり得る。ここで前記アルキル基とアリール基はハロゲン原子で置換され得る。
【0059】
nは1~50,000の整数であり得る。
【0060】
本発明の一具現例によると、前記化学式1でR1およびR2はそれぞれ独立的にH、F、またはClであり、前記R3およびR4はそれぞれ独立的にH、OH、SH、SSOR、またはCOOHであり、Rは水素原子または置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基であり得る。
【0061】
この時、前記化学式1で表示される圧電特性を有するリガンドは下記の化合物群1に表示された化合物の中から選択されるいずれか一つであり得る。しかし、実施例はこれに限定されるものではない。
【0062】
【0063】
前記化合物群1で、Rはそれぞれ独立的に水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換または非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、XはF、Cl、BrまたはIであり、nは1~50,000の整数である。
【0064】
一方、圧電特性を有するリガンドは下記の化合物群2で表示された化合物の中から選択されるいずれか一つでもよい。しかし、実施例はこれに限定されるものではない。
【0065】
【0066】
前記化合物群2で、Rはそれぞれ独立的に水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換または非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、nは1~50,000の整数であり得る。
【0067】
前記化学式1で表示される圧電特性を有するリガンドは、具体的にはフッ素樹脂、例えばPVDFから由来し、H、OH、SH、SSOR、またはCOOHによって置換された構造を有することができる。
【0068】
前記「置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基」は分枝鎖または直鎖アルキル基であり得、ハロゲン原子、COOH、またはCF3によって置換されたものであり得、具体的には非置換されたものであり得る。
【0069】
前記「置換または非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基」は、ハロゲン原子、COOHまたはCF3によって置換されたものであり得、具体的には非置換されたものであり得る。
【0070】
Rは具体的にはそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子、または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基であり得る。
【0071】
前述した通り、本発明に係る素材は発光粒子を含むコア層の表面に圧電特性を有するリガンドを付着することによって形成される外部層を含むことによって、圧電性と発光性を同時に具現することができる。具体的には、本発明に係る圧電性と発光性が同期化された素材は200nm~1500nmの広い発光波長帯域を有し、0.1~100μC/cm2の分極を有する。
【0072】
したがって、本発明に係るSPL素材は圧電性および発光性を同時に有するため多様なinput信号、例えば、音、タッチ、温度などの信号を視角化して効率的なコミュニケーション(communication)に応用することができ、したがって次世代未来指向的なウェアラブル(wearable)な共感覚素子に有用に利用され得る。
【0073】
このような共感覚素子は産業および商業用、医療用、車両用、PCなどの全分野で使われる各種素子を含む。共感覚素子の一例としてはストレッチャブル素子(stretchable device)が挙げられる。前記ストレッチャブル素子は伸びる基板上に既存の光電素子を製作して、基板が縮んだり伸びたりしても作動が可能であるため多様な応用分野の創出が可能であり、ウェアラブル電子素子や電子皮膚、事物インターネット(IoT)、車両用電子素子、知能型(AI)ロボットの具現のための核心部品素材として多様に使われ得る。
【0074】
一例として、本発明に係るSPL素材は発光素子の発光層に適用され得る。このような素子は、基板;前記基板上に配置される第1電極;前記第1電極上に配置される発光層;および前記発光層上に配置される第2電極を含み、前記発光層は本発明に係るSPL素材を含む。
【0075】
前記基板はフレキシブル基板であり得、前記フレキシブル基板は例えばポリイミド基板、PEN基板などが挙げられる。
【0076】
前記第1電極層および第2電極層は、金、銀、銅、グラフェン、シリコンナノワイヤー、カーボンナノチューブ、およびインジウム錫酸化物からなるグループから選択され得る。
【0077】
本発明の一具現例によると、本発明の前記素子は正孔注入層、正孔輸送層、導電層、不導体層、電子輸送層、電子注入層、キャッピング層などのような追加の層を、一つまたはそれ以上さらに含んでもよい。
【0078】
本発明の他の一具現例によると、前記素子はウェアラブル電子素子、電子皮膚、または車両用電子素子に使われるものであり得る。
【実施例】
【0079】
以下、本発明を実施例を通じて具体的に説明するか、下記の実施例および実験例は本発明の一形態を例示するものに過ぎず、本発明の範囲は下記の実施例および実験例によって制限されるものではない。
【0080】
[実施例1]圧電性リガンドが付着されたペロブスカイトナノ粒子溶液およびフィルムの製造
極性溶媒に金属ハライドペロブスカイトを溶かして前駆体溶液(溶液1)を準備した。この時の極性溶媒としてはジメチルホルムアミド(Dimethylformamide)を使ったし、金属ハライドペロブスカイト前駆体としてはホルムアミジニウムブロミド(Formamadinium Bromide、FABr)、PbBr2を使った。この時使った(FABrとPbBr2の比率は2:1である。その後、圧電性リガンドを含む極性溶液(溶液2)を製造した。この時の極性溶媒としてはDMFを使ったし、圧電性リガンドとしてはPVDF-COOHを使った。この時、溶液内のPVDF-COOHリガンドの濃度を10wt%に設定した。その後、リガンドを含むアンチ-ソルベント(anti solvent)溶液(溶液3)を製造した。アンチ-ソルベント溶液の溶媒としてはトルエン(Toluene)、1-ブタノール(1-butanol)が混合された溶媒を使ったし、前記混合溶媒の混合比率は5:2となるように使った。前記リガンドはオレイン酸(oleic acid)およびオクチルアミン(octyl amine)を使った。その後、前記溶液1と溶液2を混ぜた後、溶液3に落として金属ハライドペロブスカイトナノ粒子の結晶化を誘導した。前記金属ハライドペロブスカイト前駆体溶液はアンチ-ソルベント(anti-solvent)溶液と混合されながら溶解度が急激に減少したし、それによって圧電性リガンドを含んでリガンドによって囲まれた金属ハライドペロブスカイト結晶が析出された。
【0081】
前記製造された金属ハライドペロブスカイトナノ粒子溶液をガラス基板上に塗布した後、ガラス基板を500rpmの速度で回転させながらスピンコーティングを遂行してペロブスカイトフィルムを製造した。
【0082】
[実施例2]リガンドの交換で粒子を作る方法およびフィルムの製造
極性溶媒に金属ハライドペロブスカイトを溶かして前駆体溶液(溶液1)を準備した。この時の極性溶媒としてはジメチルホルムアミド(Dimethylformamide)を使ったし、金属ハライドペロブスカイト前駆体としてはホルムアミジニウムブロミド(Formamadinium Bromide、FABr)、PbBr2を使った。この時使った(FABrとPbBr2の比率は2:1である。その後、圧電性リガンドを含む極性溶液(溶液2)を製造した。この時の極性溶媒としてはDMFを使ったし、圧電性リガンドとしてはPVDF-COOHを使った。この時、溶液内のPVDF-COOHリガンドの濃度を10wt%に設定した。その後、リガンドを含むアンチ-ソルベント(anti solvent)溶液(溶液3)を製造した。アンチ-ソルベント溶液の溶媒としてはトルエン(Toluene)、1-ブタノール(1-butanol)が混合された溶媒を使ったし、前記混合溶媒の混合比率は5:2となるように使った。前記リガンドはオレイン酸(oleic acid)およびオクチルアミン(octyl amine)を使った。その後、前記溶液1を溶液3に落として金属ハライドペロブスカイトナノ粒子の結晶化を誘導した。前記金属ハライドペロブスカイト前駆体溶液はアンチ-ソルベント(anti-solvent)溶液と混合されながら溶解度が急激に減少したし、それによってリガンドによって囲まれた金属ハライドペロブスカイト結晶が析出された。その後、析出されたペロブスカイト結晶が含まれた溶液に溶液2を注入してリガンドの交換を誘導して圧電性リガンドをペロブスカイト結晶の表面に付着させた。この時、注入した溶液2の量は50ulである。
【0083】
前記製造された金属ハライドペロブスカイトナノ粒子溶液をガラス基板上に塗布した後、ガラス基板を500rpmの速度で回転させながらスピンコーティングを遂行してペロブスカイトフィルムを製造した。
【0084】
[実施例3]圧電性リガンドが付着された無機量子ドット溶液およびフィルムの製造
親水性単分子リガンドを含む極性溶液(溶液1)を製造した。この時の極性溶媒としてはPGMEAを使ったし、親水性単分子リガンドとしてはMMESを使った。このとき溶液内のMMESリガンドの濃度を5mg/mLに設定した。その後、無機量子ドットを含む無極性溶液(溶液2)を製造した。この時、無極性溶媒としてはTolueneを使ったし、oleic acidが付着された無機量子ドットを使った。この時、溶液内の無機量子ドットの濃度を5mg/mLに設定した。その後、溶液2を溶液1と混合して混合溶液(溶液3)を形成した。溶液3を10分間撹はんさせることによってMMES(mono-2-(methacryloyloxy)ethyl succinate)を無機量子ドットに付着させる。その後、無機量子ドットを冷たいHexane溶媒に沈殿させる。その後、圧電性リガンドを含む極性溶液(溶液4)を製造した。このときの極性溶媒としてはDMFを使ったし、圧電性リガンドとしてはPVDF-SHを使った。この時、溶液内のPVDF-SHリガンドの濃度を20mg/mLに設定した。その後、溶液を12時間以上撹はんさせることによってPVDF-SHリガンドを無機量子ドットに付着させる。 その後、無機量子ドットを冷たいhexane溶媒に沈殿させ、DMFに再分散させる。それによって圧電性リガンドを含んでリガンドによって囲まれた無機量子ドット(PVDF-QDs)が形成された。
【0085】
前記製造された無機量子ドット溶液をガラス基板上に塗布した後、ガラス基板を500rpmの速度で回転させながらスピンコーティングを遂行して無機量子ドットフィルムを製造した。
【0086】
[実施例4]ペロブスカイト素子の製作
まずITO基板(ITO陽極がコーティングされたガラス基板)を準備した後、ITO陽極上に導電性物質であるPEDOT:PSS(Heraeus社のAI4083)をスピンコーティングした後、150℃で30分の間熱処理して50nm厚さの正孔注入層を形成した。
【0087】
次に、実施例1で製造した圧電性リガンドが付着されたペロブスカイトナノ粒子溶液を前記正孔注入層上に塗布し、500rpmの速度で回転させながらスピンコーティングして50nm厚さの発光層を形成した。
【0088】
その後、前記ペロブスカイト発光層上に50nm厚さの1,3,5-Tris(1-phenyl-1H-benzimidazol-2-yl)benzene(TPBI)を1Х10-7 Torr以下の高い真空で蒸着して電子輸送層を形成し、その上に1nm厚さのLiFを蒸着して電子注入層を形成し、その上に100nm厚さのアルミニウムを蒸着して陰電極を形成してペロブスカイト発光ダイオードを製作した。
【0089】
[実施例5]ペロブスカイト逆構造素子の製作
まずITO基板(ITO陰極がコーティングされたガラス基盤)を準備した後、ITO陰極上に半導体物質であるZnOをスピンコーティングした後、150℃で1時間の間熱処理して60nm厚さの電子注入層を形成した。
【0090】
次に、前記電子注入層上にpolyvinylpyrrolidone(PVP)をスピンコーティングした後、100℃で10分の間熱処理して10nmの厚さの不導体層を形成した。
【0091】
次に、実施例2で製造した圧電性リガンドが付着されたペロブスカイトナノ粒子溶液を前記電子注入層上に塗布し、500rpmの速度で回転させながらスピンコーティングした。
【0092】
その後、前記ペロブスカイト発光層上に50nm厚さのTris(4-carbazoyl-9-ylphenyl)amine(TCTA)を1Х10-7 Torr以下の高い真空で蒸着して正孔輸送層を形成し、
【0093】
その上に5nm厚さのMoO3を蒸着して正孔注入層を形成し、その上に100nm厚さの銀を蒸着して陽電極を形成してペロブスカイト発光ダイオードを製作した。
【0094】
[実施例6]PVDF-QD素子の製作
まずITO基板(ITO陰極がコーティングされたガラス基板)を準備した後、Acetone、IPA溶液を通じてそれぞれcleaning過程を経てダイオードの製造を準備した。ITO陰極上に電子輸送層物質であるZnO薄膜を形成するために、Zinc acetate dihydrateをethanol溶媒に溶かしてスピンコーティングした後、140℃で熱処理して数十nm厚さの電子輸送層を形成した。次にZnO薄膜と高分子材料(PDVF)と量子ドット(CdSe-Zn1-xCdxS)が合成された有機発光層とのband gap energyを調節するためにPolyethylenimine(PEI)溶液を前記電子輸送層上に塗布し、5000rpmの速度で回転させながらスピンコーティングした。製造された薄膜を100℃で10分の間熱処理して数nm水準の薄い薄膜を形成した。
【0095】
その後、実施例3で合成された有機発光材料(PVDF-QDs)をDMF溶液に溶かした後、前記素子の薄膜層に塗布し、1000rpmの速度で回転させながらスピンコーティングして数nm水準の薄い薄膜層を形成した。その後、有機発光層上に15nm厚さのWO3を1Х10-7 Torr以下の高い真空で蒸着して正孔輸送層を形成し、その上に70nm厚さのAlを蒸着して陽電極を形成して発光ダイオードを製作した。
【0096】
[比較例1]ペロブスカイトナノ粒子フィルムの製造
金属ハライドペロブスカイトナノ粒子溶液をガラス基板上に塗布した後、ガラス基板を500rpmの速度で回転させながらスピンコーティングを遂行してペロブスカイトフィルムを製造した。
【0097】
[実験例]
実施例に係る素材の発光性、強誘電性および圧電性を評価するために、下記のような実験を遂行した。
【0098】
まず、実施例1に係る圧電性リガンドが付着されたペロブスカイトナノ粒子素材のPFM(Piezoelectric Force Microscopy)測定をしたし、その結果は
図2に示した。
図2で分かるように、実施例1に係る圧電性リガンドが付着されたペロブスカイトナノ粒子素材は圧電性を有していることが分かる。
【0099】
また、実施例3に係る圧電性リガンドが付着された無機量子ドット素材の分極履歴曲線を導き出したし、その結果を
図3に示した。
図3を参照すると、実施例3に係る圧電性リガンドが付着された無機量子ドット素材が圧電性を有していることを確認することができる。
【0100】
併せて、実施例3に係る圧電性リガンドが付着された無機量子ドット素材を適用した素子(実施例6)の駆動結果を
図6に示したし、これを通じて前記素材は発光性も優秀であることが分かる。
【0101】
結果として、本発明に係る圧電性と発光性が同期化された素材を含む電子素子は発光性、強誘電性および圧電性が優秀であることが分かる。このような結果から、本発明に係る圧電性と発光性が同期化された素材は優秀な発光性、強誘電性および圧電性を示し、これを含む電子素子は有機発光装置、トランジスタ、キャパシタなどに有用に使われ得ることが分かる。
【0102】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者または該当技術分野に通常の知識を有する者であれば、後述される特許請求の範囲に記載された本発明の思想および技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるであろう。
【0103】
したがって、本発明の技術的な範囲は明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定められるべきである。
本開示に係る態様には以下の態様も含まれる。
<1> 発光粒子を含むコア(core)層;および前記コア層の表面に付着され、圧電特性を有するリガンドを含む外部(shell)層を含む、圧電性と発光性が同期化された素材。
<2> 前記発光粒子は複数個のリガンドで囲まれており、前記リガンドのうち一部または全体が圧電特性を有するリガンドである、<1>に記載の圧電性と発光性が同期化された素材。
<3> 圧電特性を有するリガンドがリガンドの交換を通じて前記コア層の表面に付着されたものである、<1>に記載の圧電性と発光性が同期化された素材。
<4> 前記圧電特性を有するリガンドは下記の化学式1で表示されるものである、<1>に記載の圧電性と発光性が同期化された素材:
【化5】
前記化学式1で、R
1
およびR
2
はそれぞれ独立的にH、F、Cl、COOH、COORまたはCF
3
であり、
R
3
およびR
4
はそれぞれ独立的にH、OH、SH、SSOR、NH
2
、N
3
、COOH、Cl、Br、Iまたは炭素数1以上10以下のアルキニル基であり、
Rはそれぞれ独立的に水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換または非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、
nは1~50,000の整数である。
<5> 前記発光粒子はペロブスカイト結晶、Si系結晶、II-VI族系化合物半導体結晶、III-V族系化合物半導体結晶、IV-VI族系化合物半導体結晶、ボロン量子ドット、炭素量子ドットおよび金属量子ドットからなる群から選択される1種以上である、<1>に記載の圧電性と発光性が同期化された素材。
<6> 前記ペロブスカイト結晶はABX
3
(3D)、A
4
BX
6
(0D)、AB
2
X
5
(2D)、A
2
BX
4
(2D)、A
2
BX
6
(0D)、A
2
B
+
B
3+
X
6
(3D)、A
3
B
2
X
9
(2D)またはA
n-1
B
n
X
3n+1
(quasi-2D)の構造(nは2~6の整数)を有し、
前記Aは一価(1価)の陽イオンであり、前記Bは金属物質であり、前記Xはハロゲン元素であり、
前記II-VI族系化合物半導体結晶は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeおよびHgZnSTeからなる群から選択される1種以上であり、
前記III-V族系化合物半導体結晶は、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAsおよびInAlPAsからなる群から選択される1種以上であり、
前記IV-VI族系化合物半導体結晶は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTeおよびSnPbSTeからなる群から選択される1種以上であり、
前記炭素量子ドットは、グラフェン量子ドット、カーボン量子ドット、C
3
N
4
交代配列量子ドットおよび高分子量子ドットからなる群から選択される1種以上であり、
前記金属量子ドットは、Au、Ag、Al、Cu、Li、PdおよびPtからなる群から選択される1種以上である、<5>に記載の圧電性と発光性が同期化された素材。
<7> 前記発光粒子はペロブスカイト結晶であり、前記ペロブスカイト結晶で前記Aは(C
x
H
2x+1
NH
3
)
n
+
、(C
6
H
5
C
x
H
2x+1
NH
3
)
n
+
、(CH(NH
2
)
2
)
n
+
、(NH
4
)
n
+
、(NF
4
)n
+
、(NCl
4
)
n
+
、(PH
4
)
n
+
、(PF
4
)
n
+
、(PCl
4
)
n
+
、(C(NH
2
)
3
)
n
+
、((C
x
H
2x+1
)
n
NH
3
)
2
(CHNH
3
)
n
+
、(CF
3
NH
3
)
n
+
、(C
x
F
2x+1
)
n
NH
3
)
2
(CFNH
3
)
n
+
、((C
x
F
2x+1
)
n
NH
3
)
2
+
、(CH
3
PH
3
)
n
+
、(CH
3
AsH
3
)
n
+
、(CH
3
SbH
3
)
n
+
、(AsH
4
)
n
+
、(SbH
4
)
n
+
、Cs
+
、Rb
+
およびK
+
からなる群から選択される1種以上であり(nは1以上の整数、xは1以上の整数)、
前記Bは2価の遷移金属、希土類金属、アルカリ土類金属、Pb、Sn、Ge、Ga、In、Al、Sb、BiおよびPoからなる群から選択される1種以上であり、
前記XはCl、BrおよびIからなる群から選択される1種以上である、<6>に記載の圧電性と発光性が同期化された素材。
<8> 前記化学式1でR
1
およびR
2
はそれぞれ独立的にH、F、またはClであり、前記R
3
およびR
4
はそれぞれ独立的にH、OH、SH、SSOR、またはCOOHであり、Rは水素原子または置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基である、<4>に記載の圧電性と発光性が同期化された素材。
<9> 化学式1で表示される圧電特性を有するリガンドは下記の化合物群1に表示された化合物の中から選択されるいずれか一つである、<4>に記載の圧電性と発光性が同期化された素材:
【化6】
前記化合物群1で、Rはそれぞれ独立的に水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換または非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、XはF、Cl、BrまたはIであり、nは1~50,000の整数である。
<10> 前記化学式1で表示される圧電特性を有するリガンドは下記の化合物群2で表示された化合物の中から選択されるいずれか一つである、<4>に記載の圧電性と発光性が同期化された素材:
【化7】
前記化合物群2で、Rはそれぞれ独立的に水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換または非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、nは1~50,000の整数である。
<11> 200nm~1500nmの発光波長を有し、0.1~100μC/cm
2
の分極を有する、<1>に記載の圧電性と発光性が同期化された素材。
<12> (a)発光粒子またはこの前駆体を含有する溶液および(b)極性溶媒中に圧電特性を有するリガンドを含む溶液を混合し、必要な場合、任意に前記(a)溶液および前記(b)溶液と共に(c)アンチソルベント(antisolvent)中に圧電特性を有するリガンドを含む溶液を混合する、圧電性と発光性が同期化された素材の製造方法。
<13> 前記(a)溶液と前記(b)溶液を混合して混合物を作製する段階および前記混合物に前記(c)溶液を添加して混合する段階を含む、<12>に記載の製造方法。
<14> 前記(a)溶液と前記(c)溶液を混合して混合物を作製する段階および前記混合物に前記(b)溶液を添加して混合する段階を含む、<12>に記載の製造方法。
<15> 前記(b)溶液中の前記リガンドはフッ素樹脂から由来し、H、OH、SH、SSOR、またはCOOHによって置換された構造を有するものであり、ここでRは水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換または非置換された炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換または非置換された環形成炭素数6以上30以下のアリール基であるものである、<12>に記載の製造方法。
<16> 基板;前記基板上に配置される第1電極;前記第1電極上に配置される発光層;および前記発光層上に配置される第2電極を含み、前記発光層は<1>に記載された素材を含む、圧電性と発光性が同期化された素子。
<17> 前記基板がフレキシブル基板である、<16>に記載の圧電性と発光性が同期化された素子。
<18> ウェアラブル電子素子、電子皮膚、または車両用電子素子に使われるものである、<16>に記載の圧電性と発光性が同期化された素子。
【符号の説明】
【0104】
10:コア層
20:外部層