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特許7084044アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリおよび超極性電気外科用ペンシル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリおよび超極性電気外科用ペンシル
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3209 20060101AFI20220607BHJP
【FI】
A61B17/3209
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019501942
(86)(22)【出願日】2017-07-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-15
(86)【国際出願番号】 US2017042144
(87)【国際公開番号】W WO2018013926
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-07-06
(31)【優先権主張番号】62/362,873
(32)【優先日】2016-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/362,968
(32)【優先日】2016-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508311248
【氏名又は名称】アイ.シー. メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コズメスク,ヨハン
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-529190(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0051313(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0110108(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/3209
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断および凝固のために双極電気外科用ブレードアセンブリを利用して単極エネルギーを双極モードで使用し、それにより、超極性電気外科用ブレードアセンブリを形成することが可能な超極性電気外科装置であって、
前記超極性外科用ブレードアセンブリは、
板状の非導電性ブレードであって、それぞれ長さ方向に垂直な厚さ方向において前記非導電性ブレードの両方の端に配置された第1および第2の対向する平坦側部、前記長さ方向において前記非導電性ブレードの一方の端に配置された鋭利な切断端、および前記長さ方向において前記非導電性ブレードの他方の端に配置されて前記切断端に対向する非切断端を有する非導電性ブレードと、
前記非導電性ブレードの前記対向する平坦側部のそれぞれに配置されたアクティブ接点とリターン接点の両方と、
前記非導電性ブレードに配置される非導電性中空管状部材であって、前記非導電性ブレードの一方の対向する平坦側部のアクティブ接点の少なくとも一部分を覆い、前記非導電性ブレードの前記他方の対向する平坦側部のリターン接点の少なくとも一部分を覆うようにする、非導電性中空管状部材と
を含む、超極性電気外科装置。
【請求項2】
前記長さ方向および前記厚さ方向の両方に垂直な幅方向において前記非導電性ブレードの一方の端に配置された前記非導電性ブレードの頂部が、前記非導電性ブレードの一方の対向する平坦側部のアクティブ接点と、前記非導電性ブレードの前記他方の対向する側部のリターン接点とを分離する、請求項1に記載の超極性電気外科装置。
【請求項3】
前記非導電性中空管状部材に隣接して前記非導電性ブレードに配置された、前記非導電性中空管状部材にガスを移動させるための前記第2の非導電性中空管状部材をさらに備える、請求項1に記載の超極性電気外科装置。
【請求項4】
前記非導電性ブレードに配置されたときに前記非導電性中空管状部材を支持するための非導電性シェルフ支持体をさらに備える、請求項1に記載の超極性電気外科装置。
【請求項5】
前記超極性電気外科用ブレードアセンブリを電気外科用ハンドピース内に保持するため
に前記非導電性ブレードに接続された非導電性支持部材をさらに備える、請求項1に記載の超極性電気外科装置。
【請求項6】
前記非導電性中空管状部材がセラミックを含む、請求項1に記載の超極性電気外科装置。
【請求項7】
前記非導電性ブレードがセラミックを含む、請求項1に記載の超極性電気外科装置。
【請求項8】
前記非導電性中空管状部材によって覆われている前記アクティブ接点および前記リターン接点の少なくとも一部は、前記第1および第2の対向する平坦側部から前記厚さ方向において外側に突出し、前記長さ方向および前記厚さ方向の両方に垂直な幅方向において前記非導電性ブレードの一方の端に配置された前記非導電性ブレードの頂部から前記長さ方向および前記厚さ方向の両方に垂直な幅方向において下方に広がっている、請求項1に記載の超極性電気外科装置。
【請求項9】
前記非導電性中空管状部材は、前記長さ方向および前記厚さ方向の両方に垂直な幅方向において前記非導電性ブレードの一方の端に配置された前記非導電性ブレードの頂部に嵌合するスロットを含む、請求項1に記載の超極性電気外科装置。
【請求項10】
前記非導電性中空管状部材は、前記非導電性中空管状部材の各端部の前記スロットの上方に配置された開口部をさらに含む、請求項9に記載の超極性電気外科装置。
【請求項11】
第1の端部と第2の端部とを有するハンドピース部材であって、前記超極性電気外科用ブレードアセンブリが前記ハンドピース部材の前記第1の端部内に配置されているハンドピース部材と、
前記ハンドピース部材内に配置され、前記非導電性中空管状部材に接続されてガスを前記非導電性中空管状部材に供給するための非導電性管と
をさらに備える、請求項1に記載の超極性電気外科装置。
【請求項12】
前記ハンドピース部材が、前記非導電性ブレードの前記鋭利な切断端から煙とデブリの少なくとも1つを排出するためのチャネルをその内部に含む、請求項11に記載の超極性電気外科装置。
【請求項13】
前記ハンドピース部材の前記第2の端部に接続された回転部材をさらに備える、請求項12に記載の超極性電気外科装置。
【請求項14】
前記非導電性中空管状部材が、前記長さ方向および前記厚さ方向の両方に垂直な幅方向において前記非導電性ブレードの一方の端に配置された前記非導電性ブレードの頂部に嵌合するスロットを含む、請求項11に記載の超極性電気外科装置。
【請求項15】
前記非導電性中空管状部材が、前記非導電性中空管状部材の各端部の前記スロットの上方に配置された開口部をさらに含む、請求項14に記載の超極性電気外科装置。
【請求項16】
前記非導電性中空管状部材と前記非導電性管との間に配置され、それらに接続された第2の非導電性中空管状部材をさらに備える、請求項11に記載の超極性電気外科装置。
【請求項17】
記非導電性中空管状部材が前記ハンドピース部材の前記第1の端部の外側に配置されている、請求項16に記載の超極性電気外科装置。
【請求項18】
第1の端部と第2の端部とを有するチャネルを有するハンドピース部材と、
前記チャネル内に含まれる第1の導電性中空管と、
前記チャネル内に含まれる第2の導電性中空管と、
第1の端部と第2の端部とを有する中空伸縮部材であって、前記中空伸縮部材の前記第2の端部が前記ハンドピース部材の前記第1の端部内に収容され、前記超極性電気外科用ブレードアセンブリが前記中空伸縮部材の前記第1の端部内に配置される中空伸縮部材と、
前記第1の導電性中空管よりも小さい直径を有する第3の導電性中空管であって、前記中空伸縮部材と前記第1の導電性中空管の少なくとも一部との中に含まれる第3の導電性中空管と、
前記中空伸縮部材と前記第2の導電性中空管の少なくとも一部との中に含まれる導電性円筒形部材であって、前記超極性電気外科用ブレードアセンブリの前記アクティブ接点と、前記超極性電気外科用ブレードアセンブリの前記非導電性中空管状部材が前記第3の導電性中空管に接続され、前記超極性電気外科用ブレードアセンブリの前記リターン接点が前記導電性円筒形部材に接続される導電性円筒形部材と、
をさらに備える、請求項1に記載の超極性電気外科装置。
【請求項19】
前記ハンドピース部材の前記チャネル内に前記第1の導電性中空管および前記第2の導電性中空管を保持するための少なくとも1つの支持部材をさらに備える、請求項18に記載の超極性電気外科装置。
【請求項20】
前記中空伸縮部材内に前記第3の導電性中空管および前記導電性円筒形部材を保持するための少なくとも1つの支持部材をさらに備える、請求項18に記載の超極性電気外科装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2016年7月15日に出願された「Ultrapolar Electrosurgery Blade Assembly And Ultrapolar Electrosurgery Pencil With Argon Beam Capability」という名称の係属番号62/362,873の仮特許出願、および2016年7月15日に出願された「Ultrapolar Telescopic Electrosurgery Pencil Having Argon Beam Capability」という名称の係属番号62/362,968の仮特許出願に対する優先権を主張する。両者共参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリ、およびアルゴンビーム機能を有する伸縮ペンシルを含む、アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシルを対象とする。すべてが切断および凝固のために双極モードで単極エネルギーを使用することができ、すべてが切断および凝固のためにイオン化ガスを使用することができる。
【背景技術】
【0003】
電気外科手術は、RF電気外科発生器(電気外科器またはESUとしても知られる)、および生体組織を切断または凝固させるために様々な電圧で高周波交流無線周波(RF)電流の投入をもたらす電極を備えたハンドピースを使用する。ハンドピースは、1つの電極を有する単極の器具または2つの電極を有する双極の器具であり得る。単極の器具を使用する場合、リターン電極板が患者に取り付けられ、高周波電流が発生器から単極の器具へ、患者を経て患者のリターン電極板へ流れて、発生器へ戻るように流れる。単極電気外科手術は、その汎用性と有効性のために、一般的に用いられている。しかし、単極電気外科手術で発生する過剰な熱は、患者の背後に位置するリターン電極が高電圧および高RFエネルギーを患者に通すため、過剰な組織の損傷および組織の壊死を引き起こす可能性がある。
【0004】
双極電気外科手術では、アクティブ電極およびリターン電極の両方が双極の器具に含まれているため、アクティブ出力機能と患者リターン機能の両方が手術部位で発生する。したがって、電流の経路は、アクティブ電極とリターン電極との間に位置する生体組織に限定される。双極電気外科手術で、単極電気外科手術よりも低い電圧および少ないエネルギーを使用できるようになり、それによって単極電気外科手術に関連する組織損傷およびスパークの可能性が低減し、または排除されるが、大きな出血領域を切断および凝固する能力は限られている。
【0005】
電気外科手術中にアルゴンビーム凝固装置を使用することも一般的である。アルゴンビーム凝固(ABC)では、イオン化されたアルゴンガスの指向性ビームによって組織に電流が加えられ、それによって均一で浅く凝固された表面ができ、それによって失血が停止する。しかし、切断を強化させたアルゴンビームはまた、イオン化アルゴンガスの適用を用いて実行することもある。
【0006】
現在のところ、電気外科は切断のための最良の方法であることが多く、アルゴンビーム凝固は外科手術中に出血を停止させるための最良の方法であることが多い。外科医は通常、外科手術中に何が起こっているのか、組織の切断や切開、手術部位の出血の停止など、
外科手術の特定の時点で何を達成する必要があるのかに応じて、アルゴンビーム凝固と電気外科モードを切り替える必要がある。
【0007】
しかし、外科医が現在利用可能な外科用器具および装置は外科手術中にこれら2つの方法の間で切り換えることが必要であるので、外科医または使用者が、別々および同時の双方で、つまりこれらを別々に使用することができることに加えて同時に、手術部位での切断および出血の停止に使用される最良の方法を利用できる外科手術用装置または器具が必要である。アルゴンビーム機能を有する電気外科用ブレードアセンブリ、およびこのような電気外科用ブレードアセンブリを利用するアルゴンビーム機能を有する電気外科用ペンシルにより、電気外科手術中に組織を切断および凝固するための安全で効率的、効果的かつ柔軟な方法を、使用者または外科医が得ることができる。さらに、超極性伸縮電気外科用ペンシルの伸縮能力により、使用者または外科医は、異なる外科手術部位へのアクセスに、より良好に適合するように、超極性電気外科用ペンシルの長さを調整することができる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリ、およびアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシル、例えばアルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシルを対象とし、すべて電気外科用ブレードを使用した切断および凝固のために、双極モードで単極エネルギーを使用することができるものである。また、アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリ、および本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシルは、すべて切断および凝固のためにイオン化ガスを使用することができ、それによって手術手技の間に組織の切断および/または凝固を行うための様々な方法を、使用者または外科医に提供する。
【0009】
本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリの1つの例示的な実施形態で、アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリは、対向する平坦側部、狭くて細長い頂部、鋭利な切断端、および対向する非切断端を有する非導電性ブレードと;非導電性ブレードの対向する平坦側部のそれぞれに配置されたアクティブ電極またはアクティブ接点、およびリターン電極またはリターン接点(本明細書全体で電極と接点という用語が互換的に使用されていることに留意されたい)の両方と、非導電性ブレード部材の狭く細長い頂部にわたって配置される非導電性中空管状部材とを含み、非導電性中空管状部材は、非導電性ブレードの対向する平坦側部の一方のアクティブ電極/接点の少なくとも一部分、および非導電性ブレードの他方の対向する平坦側部のリターン電極/接点の少なくとも一部分を覆うようにする。これにより、非導電性中空管状部材に供給されたガスが、非導電性中空管状部材内に含まれるアクティブおよびリターン電極/接点と接触するときにイオン化され、それによって患者を通る高電圧および高RFエネルギーなしでの組織の切断と凝固の両方が可能になる。
【0010】
また、アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリの別の例示的な実施形態では、第2の非導電性中空管状部材は、電気外科用ブレードの対向する側部に配置されたアクティブ接点とリターン接点の両方の少なくとも一部分にわたって配置された前述の非導電性中空管状部材に隣接して配置することによって、本発明の超極性電気外科用ブレードアセンブリの一部として含まれ得る。この実施形態では、第2の非導電性中空管状部材はまた、電気外科用ブレードに配置して嵌合することができ(ただし、必ずしも電気外科用ブレードのアクティブ接点とリターン接点の両方にわたって配置する必要はない)、前述の非導電性中空管状部材は、それを電気外科用ブレードに配置された非導電性シェルフ支持体に位置させることによって電気外科用ブレードのアクティブ接点およびリターン接点の少なくとも一部にわたってその位置に支えることができる。それによって、電気外科用ブレードのアクティブ接点およびリターン接点の少なくとも一部にわたって
配置される非導電性中空管状部材は、交換可能/置換可能になる。また、電気外科用ブレードのアクティブ接点およびリターン接点の少なくとも一部分にわたって配置された非導電性中空管状部材は、第2の非導電性中空管状部材および/または非導電性シェルフ支持体に恒久的に取り付けることができる。非導電性中空管状部材は、電気外科用ブレードの少なくとも一部に嵌合するスロットと、非導電性中空管状部材内に含まれる電気外科用ブレードのアクティブ接点およびリターン接点と接触した後にイオン化ガスが出ることが可能な、スロットの上方に位置する開口部とを含み得る。
【0011】
本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリはまた、超極性電気外科用ブレードアセンブリを電気外科用ハンドピース内に保持するために非導電性ブレードに接続された非導電性支持部材をさらに備える。非導電性支持部材はまた、非導電性中空管状部材の一方または両方に取り付けてもよい。
【0012】
本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ハンドピースの例示的な実施形態で、超極性電気外科用ハンドピースは、第1の端部と第2の端部とを有するハンドピース部材と、ハンドピース部材の第1の端部内に配置される非導電性ブレードであって、対向する平坦側部、鋭利な切断端、および非導電性ブレードの対向する平坦側部のそれぞれに配置されたアクティブ接点およびリターン接点の両方を含む非導電性ブレードと、非導電性ブレードに配置される非導電性中空管状部材であって、非導電性ブレードの一方の対向する平坦側部のアクティブ接点の少なくとも一部分、および非導電性ブレードの他方の対向する平坦側部のリターン接点の少なくとも一部分を覆う非導電性中空管状部材と、ハンドピース部材内に配置され、非導電性中空管状部材に接続されてガスを非導電性中空管状部材に供給するための非導電性管とを含む。ハンドピース部材は、非導電性ブレードの鋭利な切断端から煙および/またはデブリを排出するためのチャネルを含むことができ、アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシルはまた、ハンドピース部材の第2の端部に接続される回転/旋回部材を含み得る。
【0013】
本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシルの例示的実施形態は、第1の端部と第2の端部とを有するチャネルを有するハンドピース部材と;チャネル内に含まれる第1の導電性中空管と;チャネル内に含まれる第2の導電性中空管と;第1の端部と第2の端部とを有する中空伸縮部材であって、中空伸縮部材の第2の端部がハンドピース部材内に収容される中空伸縮部材と;第1の導電性中空管よりも小さい直径を有する第3の導電性中空管であって、中空伸縮部材と第1の導電性中空管の少なくとも一部との中に含まれる第3の導電性中空管と;中空伸縮部材と第2の導電性中空管の少なくとも一部の中に含まれる導電性円筒形部材と;中空伸縮部材の第1の端部内に配置される超極性電気外科用ブレードであって、対向する平坦側部、鋭利な切断端、および非導電性ブレードの対向する平坦側部のそれぞれのアクティブ接点とリターン接点の両方を有し、アクティブ接点が第3の導電性中空管に接続され、リターン接点が導電性円筒形部材に接続される超極性電気外科用ブレードと;超極性電気外科用ブレードに配置される非導電性中空管状部材であって、非導電性ブレードの一方の対向する平坦側部のアクティブ接点の少なくとも一部分、および非導電性ブレードの他方の対向する平坦側部のリターン接点の少なくとも一部分を覆うようにする、非導電性中空管状部材とを含む。
【0014】
ハンドピース部材内のチャネルと中空伸縮部材の内部は一緒になって、手術手技中に切断および/または凝固が行われている非導電性ブレードの鋭利な切断端から煙および/またはデブリを排出するための煙排出チャネルとして機能する。アルゴンビーム機能を備えた超極性伸縮電気外科用ペンシルはまた、ハンドピースの第2の端部に接続された回転/旋回部材を含むことができ、超極性伸縮電気外科用ペンシルの端部への引っ張りを和らげ、超極性伸縮電気外科用ペンシルの端部に吸引管を取り付けているときの吸引管のねじれを軽減して、煙排出チャネルから煙および/またはデブリを排出する。
【0015】
本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシルはまた、ハンドピースのチャネル内に第1の導電性中空管および第2の導電性中空管を保持するための少なくとも1つの支持部材と、第3の導電性中空管と導電性円筒形部材とを中空伸縮部材内に保持するための少なくとも1つの支持部材と、非導電性中空管状部材と第3の導電性中空管との間に配置されて接続される第2の非導電性中空管状部材と、超極性電気外科用ブレードに配置されたときに非導電性中空管状部材を支持するための非導電性シェルフ支持体とを含むがこれらに限定されない追加の要素を含み得る。
【0016】
非導電性中空管状部材および非導電性ブレードはそれぞれセラミックを含むことができる。非導電性中空管状部材は、超極性電気外科用ブレードの頂部の少なくとも一部に嵌合するスロットと、非導電性管状部材の各端部のスロットの上方に位置する開口部とをさらに含み得る。さらに、中空非導電性管状部材は中空伸縮部材の第1の端部の外部に配置できる。加えて、第2の導電性中空管および第1の導電性中空管の一方または両方をそれらの外側外面の周囲で絶縁することができる。
【0017】
本発明のアルゴンビーム機能を有する電気外科用ブレードアセンブリおよびアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシル、例えばアルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシルの例示的な実施形態は、使用者または外科医が、電気外科用ブレードの鋭利な非導電性先端部で切断を実行すること、電気外科用ブレードのアクティブおよびリターン電極/接点を用いて切断すること、アクティブおよびリターン電極/接点の両方が配置される側部に電気外科用ブレードを配置することによって広い面積の生体組織を凝固させること、および電気外科用ブレードに含まれるアクティブおよびリターン電極/接点にわたって配置された非導電性中空管形部材から噴出するイオン化ガスを使用して組織を切断および凝固することを可能にする。本発明のアルゴンビーム機能を有する電気外科用ブレードアセンブリおよびアルゴンビーム機能を有する電気外科用ペンシルの特に新規かつ革新的な特徴は、使用者または外科医が、電気外科用ブレードの鋭利な非導電性先端部を用いて組織を切断するのと同時に電気外科用ブレードに含まれるアクティブおよびリターン電極/接点にわたって配置された非導電性中空管形部材から出るイオン化ガスを使用して組織を凝固させることが可能になる点である。本発明のアルゴンビーム機能を有する電気外科用ブレードアセンブリおよびアルゴンビーム機能を有する電気外科用ペンシルは、電気外科手術中に組織を切断および凝固させるための安全で効率的、効果的かつ柔軟な方法を使用者または外科医に提供する。本発明のアルゴンビーム機能を有する電気外科用ブレードアセンブリおよびアルゴンビーム機能を有する電気外科用ペンシルは、高電圧および高RFエネルギーが電気外科手術の間に患者を通る必要がないという事実により、他の電気外科器具および方法よりも患者にとってはるかに安全である。加えて、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシルの伸縮能力により、使用者または外科医は、異なる外科手術部位へのアクセスにより良好に適合するように、超極性ペンシルの長さを調整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリの一部を構成する超極性電気外科用ブレードの例示的な実施形態の部分的な斜視図である。
図2図2は、図1に示されている超極性電気外科用ブレードの例示的実施形態の上面図である。
図3図3は、超極性電気外科用ブレードにわたって配置され、シェルフ支持体によって支持される第1の中空非導電性管状部材を伴わずに示される、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリの例示的な実施形態の部分的な斜視図である(第1の中空非導電性管状部材およびそれをシェルフ支持体に位置させることについては、図6および7を参照されたい)。
図4図4は、超極性電気外科用ブレードの対向する側部に配置されているアクティブおよびリターン接点/電極を示すための、第1の中空非導電性管状部材を伴わない、180度回転させて示された、図6に描写するアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリの例示的実施形態の斜視図である。
図5図5は、第1の非導電性中空管状部材を伴わない、図6に示されるアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリの例示的実施形態の上面図である。
図6図6は、第1の中空非導電性管状部材が電気外科用ブレードにわたっていかに配置されるかを示す、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリの例示的な実施形態の分解斜視図である。
図7図7は、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリの別の例示的実施形態の斜視図である。
図8図8は、電気外科用ペンシルの内部を示すための、電気外科用ペンシルのハンドピース部分の側部を取り除いて示した、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシルの例示的な実施形態の側面斜視図である。
図9図9は、電気外科用ペンシルの内部の要素を示すための、ハンドピースと中空伸縮部材の接続を解除して、ハンドピースと中空伸縮部材の側部を取り除いて示されている、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシルの例示的な実施形態の斜視図である。
図10図10は、超極性電気外科用ブレードアセンブリが超極性伸縮電気外科用ペンシルの内部構成要素にどのように接続されるかを示すため、図9に描写された超極性伸縮電気外科用ペンシルに含まれる超極性電気外科用ブレードアセンブリ、および図9に描写された超極性伸縮電気外科用ペンシルの第3の導電性管および導電性円筒形部材の例示的な実施形態の部分的な分解斜視図である。
図11図11は、超極性電気外科用ブレードアセンブリの非導電性中空管状部材および超極性伸縮電気外科用ペンシルの第3の導電性中空管を伴わない、図10に示す超極性電気外科用ブレードアセンブリの例示的実施形態の上面図である。
図12図12は、超極性電気外科用ブレードの対向する側部に配置されているアクティブおよびリターン接点/電極を示すための、180度回転させて示した、図10に描写している、超極性伸縮電気外科用ペンシルの超極性電気外科用ブレードアセンブリ、第3の導電性管、および導電性円筒形部材の例示的実施形態の斜視図である。
図13図13は、図9図12および図14に描写している超極性電気外科用ブレードの非導電性ブレード部分の形状を示す部分的な斜視図である。
図14図14は、図9図13に描写している超極性電気外科用ブレードを、そのアクティブ接点およびリターン接点と共に示す部分的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリ、およびアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシル、例えばアルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシルは、電気外科手術を使用する手術手技の間に組織の切断および/または凝固を行うための様々な方法を、使用者または外科医に提供する。アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリおよびアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシルは、すべて電気外科用ブレードを使用して切断および凝固するために双極モードで単極エネルギーを使用することができ、すべて切断および凝固にイオン化ガスを使用することができる。本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシルはまた、切断および/または凝固のために電気外科用ブレードおよび/またはイオン化ガスを使用しながら、手術部位から煙とデブリを排出することを提供し得る。さらに、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシルの伸縮能力により、使用者または外科医は、異なる外科手術部位へのアクセスに、より良好に適
合するように、超極性ペンシルの長さを調整することが可能になる。
【0020】
当業者が理解するように、すべての図面に示されているようなアクティブおよびリターン電極/接点は逆にすることができ、すなわちアクティブ接点として示されている接点はリターン接点とすることができ、リターン接点として示されている接点はアクティブ接点とすることができる。なぜなら、非導電性電気外科用ブレードの対向する両方の平坦側部が、互いの構成を模倣しているアクティブ接点とリターン接点の両方を有しているからである。電極/接点の種類を逆にしても、同じ機能的特徴および利点を有するアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリおよびアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシルが依然としてもたらされる。「電極」および「接点」という用語は、本明細書を通して交換可能に使用されることを意図している。
【0021】
図1は、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリの一部を構成する超極性電気外科用ブレードの例示的な実施形態の部分的な斜視図である。超極性電気外科用ブレード10は、対向する平坦側部14と、狭く細長い頂部16と、鋭利な切断端18と、対向する非切断端(ブレードの一部分の図であるために示さず)とを有する非導電性ブレード12を含む。超極性電気外科用ブレード10はまた、非導電性ブレード12の対向する平坦側部14のそれぞれに配置されたアクティブ電極20とリターン電極22の両方を含む。非導電性ブレード12の狭く細長い頂部16に隣接して位置するアクティブ電極20およびリターン電極22の部分24は、狭く細長い頂部16から外側下方に突出する非導電性ブレード12の一部に存在する。
【0022】
超極性電気外科用ブレード10はまた、後に図6および図7を参照して示され説明されるアルゴンビーム機能を有する電気外科用ブレードアセンブリの一部を構成する非導電性中空管状部材を支持するための非導電性シェルフ支持体26を含み得る。図1に示されている超極性電気外科用ブレード10の例示的実施形態の上面図が図2に示される。
【0023】
第1の中空非導電性管状部材32が超極性電気外科用ブレード10の上にいかに配置されるかを示す、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリ30の例示的な実施形態の分解斜視図を図6に示す。第1の非導電性中空管状部材32は、非導電性ブレード12の狭く細長い頂部16に嵌合するスロット34を有し、それにより非導電性中空管状部材32は、非導電性ブレード12の一方の対向する平坦側部14のアクティブ電極20の少なくとも一部、および非導電性ブレード12の他方の対向する平坦側部14の電極のリターン電極22の少なくとも一部を覆う。非導電性中空管状部材32はさらに、非導電性中空管状部材32の各端部においてスロット34の上方に配置された開口部36を含む。これにより、非導電性中空管状部材32に供給されたガスが、非導電性中空管状部材32内に含まれるアクティブ電極およびリターン電極の諸部分と接触するときにイオン化でき、次いでイオン化ガスが、超極性電気外科用ブレード10の鋭利な切断端18の最も近い位置に配置されている、非導電性中空管状部材32の開口部36を通して放出される。
【0024】
第2の非導電性中空管状部材38は、第1の非導電性中空管状部材32に隣接する非導電性ブレード12の狭く細長い頂部16の上に配置され得るが、アクティブ電極20およびリターン電極22のいかなる部分も覆っていない。第1の非導電性中空管状部材32は、超極性電気外科用ブレード10の非導電性シェルフ支持体26に位置することができ、第1の非導電性中空管状部材32は交換可能/置換可能であり得る。あるいは、第1の非導電性中空管状部材32は、第2の非導電性中空管状部材38および/または非導電性シェルフ支持体26に恒久的に取り付けてもよい。
【0025】
第1の中空非導電性管状部材32が超極性電気外科用ブレード10にわたって配置され
ずに示される、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリ30の例示的な実施形態の部分的な斜視図を、図3に示している。図3は、第1の非導電性中空管状部材32が超極性電気外科用ブレード10にわたって配置されたときに覆われる超極性電気外科用ブレード10の一部分のより拡大した斜視図である、図6に描写しているものの部分的な図を示す。図4は、超極性電気外科用ブレードの対向する側部に配置されているアクティブおよびリターン接点/電極を示すための、第1の中空非導電性管状部材を伴わない、180度回転させた、図6に示すアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリの例示的実施形態の斜視図である。図4および図6に示すように、第1の非導電性中空管状部材32が超極性電気外科用ブレード10の狭く細長い頂部16の上に位置するとき、第1の非導電性中空管状部材32は、非導電性ブレード12の一方の対向する平坦側部14にあるリターン電極/接点22の一部(図6参照)、および非導電性ブレード12の他方の対向する平坦側部14にあるアクティブ電極/コンタクト20の一部(図4参照)を覆う。図5は、第1の非導電性中空管状部材を伴わない、図6に示されるアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリの例示的実施形態の上面図である。
【0026】
非導電性ブレード12および第1の非導電性中空管状部材32はそれぞれセラミック材料を含むことができる。第2の非導電性中空管状部材38もセラミック材料を含み得る。
【0027】
図7は、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリ40の別の例示的実施形態の斜視図である。アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリ40は、超極性電気外科用ブレード50、第1の非導電性中空管状部材70、および第2の非導電性中空管状部材80を含む。超極性電気外科用ブレード50は、対向する平坦側部54と、狭く細長い頂部56と、鋭利な切断端58と、対向する非切断端59とを有する非導電性ブレード52を含む。超極性電気外科用ブレード50はまた、非導電性ブレード52の対向する平坦側部54のそれぞれに配置されたアクティブ電極60とリターン電極62の両方を含む。非導電性ブレード52の狭く細長い頂部56に隣接して位置するアクティブ電極60およびリターン電極62の部分は、狭く細長い頂部56から外側下方に突出する非導電性ブレード52の一部に存在する。超極性電気外科用ブレード50はまた、超極性電気外科用ブレード50にわたって配置される第1の非導電性中空管状部材70を支えるための非導電性シェルフ支持体66を含み得る。第1の非導電性中空管状部材70は、非導電性ブレード52の狭く細長い頂部56に嵌合するスロット74を有し、それにより非導電性中空管状部材70は、非導電性ブレードの一方の対向する平坦側部54のアクティブ電極60の少なくとも一部、および非導電性ブレード52の他方の対向する平坦側部54の電極のリターン電極62の少なくとも一部を覆う。第1の非導電性中空管状部材70はさらに、非導電性中空管状部材70の各端部のスロット74の上方に位置する開口部76を含む。これにより、非導電性中空管状部材70に供給されたガスが、非導電性中空管状部材70内に含まれるアクティブ電極およびリターン電極の諸部分と接触する際にイオン化でき、次いでイオン化ガスが超極性電気外科用ブレード50の鋭利な切断端58の最も近い位置に配置されている、非導電性中空管状部材70の開口部76を通して放出される。
【0028】
第2の非導電性中空管状部材80は、第1の非導電性中空管状部材70に隣接する非導電性ブレード52の狭く細長い頂部56にわたって配置され得るが、アクティブ電極60およびリターン電極62のいかなる部分も覆っていない。第1の非導電性中空管状部材70は、超極性電気外科用ブレード50の非導電性シェルフ支持体66上に位置することができ、第1の非導電性中空管状部材70は交換可能/置換可能であり得る。あるいは、第1の非導電性中空管状部材70は、第2の非導電性中空管状部材80および/または非導電性シェルフ支持体66に恒久的に取り付けることができる。アルゴンビーム機能を備えた超極性電気外科用ブレードアセンブリ40は、電気外科用ハンドピース内でアルゴンビ
ーム機能を備えた超極性電気外科用ブレードアセンブリを保持するための、超極性電気外科用ブレード50に接続された非導電性電支持部材90をさらに含む。非導電性支持部材90はまた、第1および第2の非導電性中空管状部材70、80の一方または両方に取り付けてもよい。図7において、非導電性支持部材90は、超極性電気外科用ブレード50および第2の非導電性中空管状部材80に取り付けられて示されている。第1の非導電性中空管状部材70内にイオン化されるガスを供給するために、第2の非導電性中空管状部材80に取り付けられた非導電性管95が示されている。
【0029】
図8は、超極性電気外科用ペンシルの内部を示すための、超極性電気外科用ペンシル800のハンドピース部分の側部を取り除いて示した、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシル800の例示的な実施形態の側面斜視図である。アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシル800は、第1の端部804および第2の端部806を有するハンドピース部材802と、ハンドピース部材802の第1の端部804内に配置された超極性電気外科用ブレード810とを含む。超極性電気外科用ブレード810は、対向する平坦側部814、狭く細長い頂部816、および鋭利な切断端818を有する非導電性ブレード812と、ならびに非導電性ブレード812の対向する平坦側部814のそれぞれに配置されたアクティブ接点820およびリターン接点822の両方とを含む。第1の非導電性中空管状部材832は、非導電性ブレード812に配置され、非導電性ブレード812の一方の対向する平坦側部814のアクティブ接点820の少なくとも一部、および非導電性ブレード812の他方の対向する平坦側部814のリターン接点822の少なくとも一部を覆うようにする。アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシルは、ハンドピース部材802内に含まれ、第1の非導電性中空管状部材832に接続された第2の非導電性中空管状部材838、およびハンドピース部材802内に配置されて、第1および第2の非導電性中空管状部材832、838にガスを供給するために、第2の非導電性中空管状部材838に接続されている非導電性管840をさらに含む。ワイヤ842はアクティブ接点820とリターン接点822とを回路基板844に接続し、回路基板844はひいては電源コード846を介して電源に接続される。ハンドピース部材802の選択ボタン848は、切断および/または凝固を作動させるために使用される。ハンドピース部材は、非導電性ブレード812の鋭利な切断端818から煙および/またはデブリを排出するためのチャネル850を含むことができ、また、アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシル800は、回転/旋回部材852を含み得る。これは、ハンドピース部材802の第2の端部806に接続させて、煙を排出するための真空を有するアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシル800を操作するときの吸引管の引っ張りおよびねじれを軽減する。アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリの前述の実施形態のいずれかは、超極性電気外科用ブレードの対向する側部に位置するアクティブ接点およびリターン接点の諸部分にわたって配置された第1の非導電性中空管状部材のみを有する超極性電気外科用ブレードアセンブリを含む、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ペンシルと共に使用され得る。
【0030】
図9は、電気外科用ペンシルの内部要素を示すための、ハンドピースと中空伸縮部材とが接続されておらず、ハンドピースおよび中空伸縮部材の側部が取り除かれて示されている、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシル100の例示的な実施形態の斜視図である。アルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシル100は、第1および第2の端部116、118を有するチャネル114を有するハンドピース部材112、チャネル114内に収容された第1の導電性中空管120、チャネル114内に収容された第2の導電性中空管122、第1および第2の端部134、136を有する中空伸縮部材132、ここで第2の端部136はハンドピース部材112内に収容されている、第1の導電性中空管120よりも小さい直径を有し、中空伸縮部材132および第1の導電性中空管120の少なくとも一部内に収容されている第3の導電性中空
管140、中空伸縮部材132および第2の導電性中空管122の少なくとも一部内に含まれる導電性円筒形部材142、および中空伸縮部材132の第1の端部134内に配置された超極性電気外科用ブレード200を含む。超極性電気外科用ブレード200は、対向する平坦側部214と、鋭利な切断端218とを有する非導電性ブレード212、および非導電性ブレード212の対向する平坦側部214のそれぞれに配置されたアクティブ接点220とリターン接点222の両方を含み、ここで、アクティブ接点220が第3の導電性中空管132に接続され、リターン接点222が導電性円筒形部材142に接続されている。さらに、非導電性中空管状部材332は、超極性電気外科用ブレード200に配置され、非導電性ブレード212の一方の対向する平坦側部214のアクティブ接点220の少なくとも一部と、非導電性ブレード212の他方の対向する平坦側部214のリターン接点222の少なくとも一部とを覆う。第2の非導電性中空管状部材338もまた、非導電性中空管状部材332に隣接してこれと接続するように、超極性電気外科用ブレード200に配置してもよい。超極性電気外科用ブレード200に配置されたときに非導電性中空管状部材332を支えるために、非導電性シェルフ支持体226を非導電性ブレード212に含めることができる。
【0031】
超極性電気外科用ブレード200および非導電性中空管状部材332(および、同様に含まれる場合は第2の非導電性管状部材338)も一緒になって、図10図12を参照してさらに詳細に説明するアルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリ300を形成する。さらに、アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリ300の例示的な実施形態は、係属番号62/362,873を有する仮特許出願、および係属番号15/648,553を有するその関連実用特許出願にも記載されている。両方とも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0032】
アルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシル100はまた、第1の導電性中空管120および第2の中空導電性管122をハンドピース部材122のチャネル114内に保持するための少なくとも1つの支持部材150を含み得る。アルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシル100はまた、第3の導電性中空管140および導電性円筒形部材142を中空伸縮部材132内に保持するための少なくとも1つの支持部材160を含み得る。
【0033】
アルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシル100は、煙および/またはデブリを排出するための真空がそれに取り付けられたとき、操作時に超極性伸縮電気外科用ペンシル100の端部への引っ張りを避け、超極性伸縮電気外科用ペンシル100の操縦を容易にするための、ハンドピース部材112の第2の端部118に接続された回転/旋回部材170をさらに含み得る。加えて、アルゴンビーム機能を有する超極性電気外科用ブレードアセンブリ300を中空伸縮部材132の第1の端部134内に配置して、非導電性中空管状部材332が、中空伸縮部材132の第1の端部134の外側に配置されるようにする。さらにまた、ハンドピース部材112内に収容された第1の導電性中空管120および第2の導電性中空管122は、それらの外面に絶縁体を有してもよい。
【0034】
図14は、本発明のアルゴンビーム機能を有する超極性伸縮電気外科用ペンシル100の一部を構成するアクティブ接点およびリターン接点と共に示される、図9図13に示される超極性電気外科用ブレードの部分的な斜視図である。図14は、図1と同一であるが異なる参照番号で示されて、図9図13を参照して説明した超極性伸縮電気外科用ペンシルの実施形態に対応している。超極性電気外科用ブレード200は、対向する平坦側部214と、狭く細長い頂部216と、鋭利な切断端218と、対向する非切断端(ブレードの一部分の図であるために図示せず)とを有する非導電性ブレード212を含む。超極性電気外科用ブレード200はまた、非導電性ブレード212の対向する平坦側部214のそれぞれに配置されたアクティブ電極220とリターン電極222の両方を含む。非
導電性ブレード212の狭く細長い頂部216に隣接して位置するアクティブ電極220およびリターン電極222の部分224は、狭く細長い頂部216から外側下方に突出する非導電性ブレード212の上側部分230に存在する。超極性電気外科用ブレード200はまた、図10図12を参照して示され説明されたアルゴンビーム機能を有する電気外科用ブレードアセンブリ300の一部を含む非導電性中空管状部材332を支持するための非導電性シェルフ支持体226を含み得る。
【0035】
図13は、図9図12および図14に示されている超極性電気外科用ブレード200の非導電性ブレード部分212の形状を示す部分的な斜視図である。非導電性ブレード212は、対向する平坦側部214と、狭く細長い頂部216と、鋭利な切断端218と、対向する非切断端(ブレードの一部分の図であるために図示せず)とを含む。非導電性ブレード212の上側部分230は、狭く細長い頂部216から外側下方に、また非導電性ブレード212の対向する平坦側部214の中に突出している。非導電性ブレード212はまた、アルゴンビーム機能を有する電気外科用ブレードアセンブリ300の一部を構成する非導電性中空管状部材332を支持するための非導電性シェルフ支持体226を含み得る。
【0036】
図10は、超極性電気外科用ブレードアセンブリ300が超極性伸縮電気外科用ペンシル100の内部構成要素にどのように接続されるかを示すため、図9に示された超極性伸縮電気外科用ペンシル100に含まれる超極性電気外科用ブレードアセンブリ300、ならびに図9に示された超極性伸縮電気外科用ペンシル100の第3の導電性中空管140および導電性円筒形部材142の例示的な実施形態の部分的な分解斜視図である。第1の非導電性中空管状部材332は、非導電性ブレード212の狭く細長い頂部216に嵌合するスロット334を有し、それにより非導電性中空管状部材332は、非導電性ブレード212の一方の対向する平坦側部214のアクティブ電極220の少なくとも一部、および非導電性ブレード212の他方の対向する平坦側部214のリターン電極222の少なくとも一部を覆う。非導電性中空管状部材332は、非導電性中空管状部材332の各端部のスロット334の上方に位置する開口部336をさらに含む。これにより、非導電性中空管状部材332に供給されたガスが、非導電性中空管状部材332内に含まれるアクティブ電極およびリターン電極の諸部分と接触するときにイオン化でき、次いでイオン化ガスが、超極性電気外科用ブレード200の鋭利な切断端218の最も近い位置に配置されている、非導電性中空管状部材332の開口部336を通して放出される。
【0037】
第2の非導電性中空管状部材338は、第1の非導電性中空管状部材332に隣接する非導電性ブレード212の狭く細長い頂部216にわたって配置されてもよいが、リターン電極/接点222のいかなる部分も覆わない。しかし、第2の非導電性中空管状部材338は、非導電性ブレード212の非切断端の近くに配置されているアクティブ電極/接点220の一部を覆ってもよい。第1の非導電性中空管状部材332は、超極性電気外科用ブレード200の非導電性シェルフ支持体226上に位置することができ、第1の非導電性中空管状部材332は交換可能/置換可能であり得る。あるいは、第1の非導電性中空管状部材332は、第2の非導電性中空管状部材338および/または非導電性シェルフ支持体226に恒久的に取り付けられてもよい。
【0038】
超極性電気外科用ブレードアセンブリ300は、超極性伸縮電気外科用ペンシル100の中空伸縮部材132内に含まれる要素に接続される。より具体的には、超極性伸縮電気外科用ペンシル100の第3の導電性中空管140の一端が、超極性電気外科用ブレードアセンブリ300の第2の非導電性中空管状部材338に挿入されて接続され、また超極性電気外科用ペンシル100の導電性円筒形部材142の一端が、超極性電気外科用ブレードアセンブリ300の超極性電気外科用ブレード200の非切断端に位置するリターン電極/接点222に接続される。
【0039】
図11は、超極性電気外科用ブレードアセンブリ300の非導電性中空管状部材336および超極性伸縮電気外科用ペンシル100の第3の導電性中空管140を伴わない、図10に示す超極性電気外科用ブレードアセンブリ300の例示的実施形態の上面図である。
【0040】
図12は、超極性電気外科用ブレード200の対向する側部に配置されているアクティブおよびリターン接点/電極を示すための、180度回転させて示した、図10に描写している、超極性伸縮電気外科用ペンシル100の超極性電気外科用ブレードアセンブリ300、第3の導電性中空管140、および導電性円筒形部材142の例示的実施形態の斜視図である。図10および図12に示すように、第1の非導電性中空管状部材332が超極性電気外科用ブレード200の狭く細長い頂部216の上に位置するとき、第1の非導電性中空管状部材332は、非導電性ブレード212の一方の対向する平坦側部214にあるリターン電極/接点222の一部(図10参照)、および非導電性ブレード212の他方の対向する平坦側部214にあるアクティブ電極/コンタクト220の一部(図12参照)を覆う。非導電性ブレード212および第1の非導電性中空管状部材332はそれぞれセラミック材料を含むことができる。第2の非導電性中空管状部材338もセラミック材料を含み得る。
【0041】
本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシル100の例示的な一実施形態は、超極性電気外科用ブレードアセンブリ300の第2の非導電性中空管状部材338を含まなくてもよい。この実施形態では、非導電性中空管状部材332は長さがより長くなり、超極性電気外科用ブレード200の非切断端まで延在する。この実施形態では、超極性電気外科用ブレードアセンブリ300を超極性伸縮電気外科用ペンシル100の中空伸縮部材132内に含まれる要素に接続する際に、超極性伸縮電気外科用ペンシル100の第3の導電性中空管140の一端が、超極性電気外科用ブレードアセンブリ300の非導電性中空管状部材332に挿入されて接続され、また超極性電気外科用ペンシル100の導電性円筒形部材142の一端が、超極性電気外科用ブレードアセンブリ300の超極性電気外科用ブレード200の非切断端に位置するリターン電極/接点222に接続される。
【0042】
図9に示す超極性伸縮電気外科用ペンシルの例示的な実施形態に戻ると、管179を通るガスの供給が第1の導電性中空管120に接続され、ガスは第1の導電性中空管120、第3の導電性中空管140を経て第2の非導電性管状部材338に移動し、非導電性管状部材332を通る。ガスは、非導電性中空管状部材332内に収容されたアクティブ電極220およびリターン電極222の諸部分と接触するとイオン化され、イオン化ガスは次に、超極性電気外科用ブレード200の鋭利な切断端218に最も近い位置にある、非導電性中空管状部材332の開口部336を通して放出される。ワイヤ180は、ハンドピース部材112内の回路基板(図示せず)に第1の導電性中空管120および第2の導電性中空管122を接続し、回路基板はひいては電源コード184を介して電源に接続される。ハンドピース部材112の選択ボタン188は、切断および/または凝固を作動させるために使用される。
【0043】
本明細書における本発明の例示的な実施形態の上記の説明は、本発明の様々な例示的実施形態を示す。これらの例示的な実施形態およびモードは、当業者が本発明を実施することを可能にするために十分詳細に説明されて示されており、決して本発明の範囲、適用性、または構成を限定することを意図していない。むしろ、この開示は、例示的な実施態様およびモードの実施形態ならびに当業者に知られているか明白である任意の同等のモードまたは実施形態の両方を教示することを意図している。さらに、含まれるすべての例は、例示的な実施形態およびモードの非限定的な例示であり、それらも同様に、当業者に知られているか明らかである任意の同等のモードまたは実施形態に役立つ。
【0044】
特に列挙されていないものに加えて、本発明の実施において使用される構造、配置、用途、割合、要素、材料、または構成要素の他の組み合わせおよび/または修正は、変更することができ、さもなければ本発明の範囲から逸脱することなく、特定の環境、製造上の仕様、設計パラメータ、または他の動作要件に特に適合させることができ、また本開示に含まれることが意図されている。
【0045】
特に明記しない限り、明細書および特許請求の範囲における語句に、一般に認められている一般的な意味、または当業者によって使用される通常の慣用の意味を与えることを、出願人は意図している。それらの意味が異なる場合、明細書および特許請求の範囲における語句は、可能な限り広く一般的な意味を与えられるべきである。他のいずれかの特別な意味をいずれかの語句に対して意図している場合、本明細書は特別な意味について明確に述べて定義している。
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