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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】顧客管理方法、顧客管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220607BHJP
   G06Q 30/00 20120101ALI20220607BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220607BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
G06Q30/00 300
G06Q50/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021023179
(22)【出願日】2021-02-17
【審査請求日】2021-07-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520000881
【氏名又は名称】株式会社リエモ
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】特許業務法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】矢作 和聖
(72)【発明者】
【氏名】木村 徳仁
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-072519(JP,A)
【文献】特開2017-130066(JP,A)
【文献】特開2020-030783(JP,A)
【文献】特開2018-124957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16Y 10/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
美容室、理容室又は美容サロンの顧客の管理のために、複数の端末装置と相互に通信可能に接続されたサーバを用いて行われる顧客管理方法であって、
前記サーバが、前記美容室、理容室又は美容サロンの所有者ないし責任者である第1階層者に対応する第1識別情報を生成する第1ステップと、
前記サーバが、前記第1階層者の前記端末装置からの前記第1識別情報を使用したアクセスに対応して、前記第1階層者の管理監督下にあってサービス提供に従事する者である複数の第2階層者の各々に対応する複数の第2識別情報を生成する第2ステップと、
前記サーバが、前記第2ステップでのアクセスに使用された前記第1識別情報と当該第2ステップで生成された前記第2識別情報とを紐づけて記録する第3ステップと、
前記サーバが、各前記第2階層者の前記端末装置へ各前記第2識別情報を特定する特定情報が含まれたURLをコード化した画像を提供する第4ステップと、
前記サーバが、各前記第2階層者のうちの1人であって顧客にサービス提供を行った当該1人の第2階層者に対応する前記画像が当該顧客の前記端末装置によって読み取られることにより復元されたURLであって当該1人の第2階層者の第2識別情報に対応する特定情報を含んだ当該URLを使用した前記顧客の前記端末装置からのアクセスに対応して当該顧客に対応する顧客識別情報を生成する第ステップと、
前記サーバが、前記URLに含まれる前記特定情報に基づいて特定される前記第2識別情報及び/又は当該第2識別情報に紐づけられた前記第1識別情報と、前記第ステップで生成される前記顧客識別情報とを紐づけて記録する第ステップと、
前記サーバが、当該サーバと関連づけられた商品販売サイトであって前記顧客以外の者がアクセスできない当該商品販売サイトへの前記顧客識別情報を使用したアクセスに対応して、前記顧客による商品の購入に関する情報を前記第1識別情報、前記第2識別情報又は前記顧客識別情報の少なくとも1つと対応づけて記録する第ステップと、
前記サーバが、前記顧客による商品の購入に関する情報に基づいて各前記第2階層者の第2売り上げを記録するとともに当該第2売り上げを集計して得られる第1売り上げを記録する第8ステップと、
前記サーバが、前記第1階層者の前記端末装置からの前記第1識別情報によるアクセスに応じて前記第1売り上げ及び前記第2売り上げを前記第1階層者の前記端末装置に表示させ、各前記第2階層者の前記端末装置からの前記第2識別情報によるアクセスに応じて当該各第2階層者のそれぞれに対応する前記第2売り上げを各前記第2階層者の前記端末装置に表示させる第9ステップと、
を含む、顧客管理方法。
【請求項2】
前記URLに含まれる前記特定情報と前記第2識別情報とが同じである、
請求項1に記載の顧客管理方法。
【請求項3】
前記画像は、二次元コードである、
請求項1又は2に記載の顧客管理方法。
【請求項4】
前記第5ステップにおいて、前記画像は、各前記第2階層者の前記端末装置の画面上に表示された状態で前記顧客の前記端末装置によって読み取られ、又は、予め媒体に印刷された状態で前記顧客の前記端末装置によって読み取られる、
請求項1~3の何れか1項に記載の顧客管理方法。
【請求項5】
複数の端末装置と相互に通信可能に接続されたサーバを備え、美容室、理容室又は美容サロンの顧客の管理のために用いられる顧客管理システムであって、
前記サーバは、
前記美容室、理容室又は美容サロンの所有者ないし責任者である第1階層者に対応する第1識別情報を生成する手段と、
前記第1階層者の前記端末装置からの前記第1識別情報を使用したアクセスに対応して、前記第1階層者の管理監督下にあってサービス提供に従事する者である複数の第2階層者の各々に対応する複数の第2識別情報を生成する手段と、
前記アクセスに使用された前記第1識別情報と生成された前記第2識別情報とを紐づけて記録する手段と、
各前記第2階層者の前記端末装置へ各前記第2識別情報を特定する特定情報が含まれたURLをコード化した画像を提供する手段と、
各前記第2階層者の前記端末装置各前記第2識別情報を特定する特定情報が含まれたURLをコード化した画像を提供する手段と、
各前記第2階層者のうちの1人であって顧客にサービス提供を行った当該1人の第2階層者に対応する前記画像が当該顧客の前記端末装置によって読み取られることにより復元されたURLであって当該1人の第2階層者の第2識別情報に対応する特定情報を含んだ当該URLを使用した前記顧客の前記端末装置からのアクセスに対応して当該顧客に対応する顧客識別情報を生成する手段と、
前記URLに含まれる前記特定情報に基づいて特定される前記第2識別情報及び/又は当該第2識別情報に紐づけられた前記第1識別情報と、生成された前記顧客識別情報とを紐づけて記録する手段と、
前記サーバと関連づけられた商品販売サイトであって前記顧客以外の者がアクセスできない当該商品販売サイトへの前記顧客識別情報を使用したアクセスに対応して、前記顧客による商品の購入に関する情報を前記第1識別情報、前記第2識別情報又は前記顧客識別情報の少なくとも1つと対応づけて記録する手段と、
前記顧客による商品の購入に関する情報に基づいて各前記第2階層者の第2売り上げを記録するとともに当該第2売り上げを集計して得られる第1売り上げを記録する手段と、
前記第1階層者の前記端末装置からの前記第1識別情報によるアクセスに応じて前記第1売り上げ及び前記第2売り上げを前記第1階層者の前記端末装置に表示させ、各前記第2階層者の前記端末装置からの前記第2識別情報によるアクセスに応じて当該各第2階層者のそれぞれに対応する前記第2売り上げを各前記第2階層者の前記端末装置に表示させる手段と、
を含む、顧客管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客管理方法並びに顧客管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
美容師や理容師等の専門家(スタイリスト)が調髪等のサービスを提供する美容室、理容室等の店舗(以下「サロン」という。)においては、サービスの提供と共にスタイリストが使用するシャンプー、リンス、トリートメント、整髪剤等の商品を店舗で販売していることが多い。顧客は、サロンにて調髪等のサービスを受けたときに当該商品を体験し、その際にスタイリストから助言を受けて好適なものを購入することができる。
【0003】
ところで、顧客が次に調髪等のサービスを受けるまでにはある程度の期間が空く場合が多い。この間、商品購入のためだけにサロンを訪れることは顧客にとって面倒である。このため、顧客は、サロンで購入した商品と同等の商品ないし代替商品を自身の行動範囲に存在する量販店、あるいはインターネット上に存在する販売店から購入しようとする傾向にある。インターネットを利用した商品販売に関する従来例は、例えば国際公開第97/46946号公報(特許文献1)に記載されている。
【0004】
しかし、この場合に顧客はスタイリストに勧められたものと同等の自身にとって適切な商品を見つけられない場合が多い。例えば、一般には市販されていないサロン限定商品であった場合などである。また、サロンにとっては、商品のリピート購入による売上アップの機会を失っていることになる。このため、顧客が適切な商品の購入できるようにし、かつサロンには売上アップの機会をもたらすことを可能とする顧客管理技術が望まれている。なお、このような課題は理美容系のサロンに限らず、例えば化粧品販売サロンなど他業種においても共通するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第97/46946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明に係る具体的態様は、良好な顧客管理を可能とする技術を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明に係る一態様の顧客管理方法は、(a)美容室、理容室又は美容サロンの顧客の管理のために、複数の端末装置と相互に通信可能に接続されたサーバを用いて行われる顧客管理方法であって、(b)前記サーバが、前記美容室、理容室又は美容サロンの所有者ないし責任者である第1階層者に対応する第1識別情報を生成する第1ステップと、(c)前記サーバが、前記第1階層者の前記端末装置からの前記第1識別情報を使用したアクセスに対応して、前記第1階層者の管理監督下にあってサービス提供に従事する者である複数の第2階層者の各々に対応する複数の第2識別情報を生成する第2ステップと、(d)前記サーバが、前記第2ステップでのアクセスに使用された前記第1識別情報と当該第2ステップで生成された前記第2識別情報とを紐づけて記録する第3ステップと、(e)前記サーバが、各前記第2階層者の前記端末装置へ各前記第2識別情報を特定する特定情報が含まれたURLをコード化した画像を提供する第4ステップと、(f)前記サーバが、各前記第2階層者のうちの1人であって顧客にサービス提供を行った当該1人の第2階層者に対応する前記画像が当該顧客の前記端末装置によって読み取られることにより復元されたURLであって当該1人の第2階層者の第2識別情報に対応する特定情報を含んだ当該URLを使用した前記顧客の前記端末装置からのアクセスに対応して当該顧客に対応する顧客識別情報を生成する第ステップと、(g)前記サーバが、前記URLに含まれる前記特定情報に基づいて特定される前記第2識別情報及び/又は当該第2識別情報に紐づけられた前記第1識別情報と、前記第ステップで生成される前記顧客識別情報とを紐づけて記録する第ステップと、(h)前記サーバが、当該サーバと関連づけられた商品販売サイトであって前記顧客以外の者がアクセスできない当該商品販売サイトへの前記顧客識別情報を使用したアクセスに対応して、前記顧客による商品の購入に関する情報を前記第1識別情報、前記第2識別情報又は前記顧客識別情報の少なくとも1つと対応づけて記録する第ステップと、(i)前記サーバが、前記顧客による商品の購入に関する情報に基づいて各前記第2階層者の第2売り上げを記録するとともに当該第2売り上げを集計して得られる第1売り上げを記録する第8ステップと、(j)前記サーバが、前記第1階層者の前記端末装置からの前記第1識別情報によるアクセスに応じて前記第1売り上げ及び前記第2売り上げを前記第1階層者の前記端末装置に表示させ、各前記第2階層者の前記端末装置からの前記第2識別情報によるアクセスに応じて当該各第2階層者のそれぞれに対応する前記第2売り上げを各前記第2階層者の前記端末装置に表示させる第9ステップと、を含む、顧客管理方法である。
[2]本発明に係る一態様の顧客管理システムは、(a)複数の端末装置と相互に通信可能に接続されたサーバを備え、美容室、理容室又は美容サロンの顧客の管理のために用いられる顧客管理システムであって、(b)前記サーバは、(c)前記美容室、理容室又は美容サロンの所有者ないし責任者である第1階層者に対応する第1識別情報を生成する手段と、(d)前記第1階層者の前記端末装置からの前記第1識別情報を使用したアクセスに対応して、前記第1階層者の管理監督下にあってサービス提供に従事する者である複数の第2階層者の各々に対応する複数の第2識別情報を生成する手段と、(e)前記アクセスに使用された前記第1識別情報と生成された前記第2識別情報とを紐づけて記録する手段と、(f)各前記第2階層者の前記端末装置へ各前記第2識別情報を特定する特定情報が含まれたURLをコード化した画像を提供する手段と、(g)各前記第2階層者のうちの1人であって顧客にサービス提供を行った当該1人の第2階層者に対応する前記画像が当該顧客の前記端末装置によって読み取られることにより復元されたURLであって当該1人の第2階層者の第2識別情報に対応する特定情報を含んだ当該URLを使用した前記顧客の前記端末装置からのアクセスに対応して、当該顧客に対応する顧客識別情報を生成する手段と、(h)前記URLに含まれる前記特定情報に基づいて特定される前記第2識別情報及び/又は当該第2識別情報に紐づけられた前記第1識別情報と、生成された前記顧客識別情報とを紐づけて記録する手段と、(i)前記サーバと関連づけられた商品販売サイトであって前記顧客以外の者がアクセスできない当該商品販売サイトへの前記顧客識別情報を使用したアクセスに対応して、前記顧客による商品の購入に関する情報を前記第1識別情報、前記第2識別情報又は前記顧客識別情報の少なくとも1つと対応づけて記録する手段と、(j)前記顧客による商品の購入に関する情報に基づいて各前記第2階層者の第2売り上げを記録するとともに当該第2売り上げを集計して得られる第1売り上げを記録する手段と、(k)前記第1階層者の前記端末装置からの前記第1識別情報によるアクセスに応じて前記第1売り上げ及び前記第2売り上げを前記第1階層者の前記端末装置に表示させ、各前記第2階層者の前記端末装置からの前記第2識別情報によるアクセスに応じて当該各第2階層者のそれぞれに対応する前記第2売り上げを各前記第2階層者の前記端末装置に表示させる手段と、を含む、顧客管理システムである。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、良好な顧客管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、顧客管理システムにおける装置構成を説明する説明図である。
図2図2は、顧客管理システムにおけるオーナー識別情報、従業者識別情報、顧客識別情報の紐付けを説明する図である。
図3図3(A)は、一実施形態の顧客管理システムにおける識別情報の記録例を説明する説明図である。同図(B)は識別情報の紐付けを表すリンク情報の例を説明する説明図である。
図4図4(A)は、一実施形態の顧客管理システムにおけるオーナーへの識別情報の付与の例を説明する説明図である。同図(B)は、オーナー登録を行う登録フォームの画面例を説明する説明図である。同図(C)は、従業者登録を行う登録フォームの画面例を説明する説明図である。
図5図5(A)は一実施形態の顧客管理システムにおける従業者識別情報と顧客識別情報の紐付け過程を説明する説明図である。同図(B)は、従業者端末の画面に表示されるウェブページの例を説明する説明図である。同図(C)は、従業者端末の画面に表示される二次元コードの例を説明する説明図である。同図(D)は、顧客端末の画面に表示されるユーザー登録画面の例を説明する説明図である。
図6図6(A)及び図6(B)は、URLの構成例を示す図である。図6(C)は、特定情報と従業者識別情報の対応関係を示すテーブルの一例を示す図である。
図7図7(A)は、顧客の端末装置から商品購入を行う場合の商取引過程と売上げの集計処理過程を説明する説明図である。同図(B)は、顧客の端末装置の画面に表示される商品販売のウェブページの例を説明する説明図である。同図(C)は、従業者の端末装置の画面に表示される注文ページの例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、顧客管理システムの装置構成を説明する図である。図示の顧客管理システムは、概略、運営者サーバ10を含んで構成されている。運営者サーバ10と各端末装置20、30及び40との相互間はインターネット等の通信網(ネットワーク)によって互いに通信可能に接続されている。ネットワークには、光ケーブル、Wi-Fi、ルータ、ハブ、通信サーバ等を含み得る。
【0011】
各端末装置20はそれぞれ個別のオーナーが用いるものであり、各端末装置30はそれぞれ個別の従業者が用いるものであり、複数の端末装置40はそれぞれ個別の顧客が用いるものである。なお、図中では各端末装置を単に「端末」と表している。ここでいうオーナーとは、美容室等のサロンの所有者(ないし責任者)であり、従業者とは各オーナーの管理監督下(支配下)にあってサービス提供に従事する者であり、顧客とはサロンにおいてサービス提供を受けるものである。
【0012】
端末装置20から運営者サーバ10にアクセスする際にはオーナー識別情報とパスワードが使用され、端末装置30から運営者サーバ10にアクセスする際には従業者識別情報とパスワードが使用され、端末装置40から運営者サーバ10にアクセスする際には顧客識別情報とパスワードが使用される。なお、本実施形態ではオーナー識別情報が「第1識別情報」に対応し、従業者識別情報が「第2識別情報」に対応する。また、オーナーが「第1階層者」に対応し、従業者が「第2階層者」に対応する。
【0013】
運営者サーバ10は、例えばウェブサーバ(HTTPサーバ)、各種アプリケーションサーバ、データベース(RDB)、ファイルサーバ、メールサーバ(図示せず)等の機能を備えており、1つ又は複数のコンピュータ装置と通信制御装置等によって構成される。ここで、本明細書において「コンピュータ装置」とは、例えばCPU、ROM、RAM、HDD等の大容量記憶デバイスを含み、CPUにおいて所定のプログラムを実行させることで所定の情報処理機能を実現し得るものをいう。また、運営者サーバ10はネットワークを介して提供されるコンピュータ資源を利用するクラウドコンピューティング・サービスを利用して構成してもよい。
【0014】
ウェブサーバは、運営者サーバ10のインタフェース部分であり、各端末装置20、30、40からのアクセスを受けて各種処理を行う。例えば、ウェブサーバは、各端末装置20、30、40のウェブブラウザから送信されたリクエストを自らあるいは他のサーバによって処理し、レスポンスとしてウェブページ等を各端末装置20、30、40へ送信する。ウェブページには、変化のない静的なウェブページや、送信された各識別情報(オーナー識別情報、従業者識別情報、顧客識別情報)に個別的に対応して内容が変化する動的なウェブページがある。アプリケーションサーバは、顧客管理プログラム、販売サイト等の各種アプリケーションを実行する。なお、後述する図7(A)では、顧客管理を処理するアプリケーションサーバは「管理台帳10a」と示され、商品の販売を処理するアプリケーションサーバは「販売サイト10b」と示されている。
【0015】
データベースは、オーナー、従業者、顧客等の利用者の登録内容や商品カタログ、商品在庫、受発注等の取引履歴等を蓄積する。運営者サーバ10は、ウェブ販売システムの会員となるオーナー、従業者、顧客等における通信販売に必要な各種情報を記録する台帳の管理を行う。管理台帳10a(図7(A)参照)には、オーナー、従業者、顧客の各識別情報の記録が含まれる。後述するように、1つのグループに属するオーナー、従業者、顧客の各識別情報は紐付けられて相互に検索可能な状態にしてデータベースに記録される。商品販売サーバ10b(図7(A)参照)は、商品販売サイト(いわゆるネットショップ)を実現するものであり、顧客の用いる端末装置40からの商品購入に関するリクエストを処理する。
【0016】
オーナーの端末装置20、従業者の端末装置30、顧客の端末装置40は、それぞれ、例えばスマートホン、タブレット端末、携帯型コンピュータ等のネットワーク接続可能なコンピュータ装置によって構成される。各端末装置20、30、40は、予めインストールされているウェブブラウザを使用してウェブサーバと通信可能である。また、各端末装置20、30、40は、カメラを内蔵しており、このカメラによって撮影された画像を記録することができる。また、各端末装置20、30、40は、カメラにより撮影される画像に基づいて一次元コード(いわゆるバーコード)ないし二次元コードに記録された情報を読み取るアプリーションを備える。
【0017】
図2は、顧客管理システムにおけるオーナー識別情報、従業者識別情報、顧客識別情報の紐付け方法を説明する図である。ここでは説明を分かりやすくするため、オーナー用の端末装置20を「オーナー」を表記し、従業者用の端末装置30を「従業者」と表記し、顧客用の端末装置40を「客」と表記する。運営者サーバ10には、複数のオーナー用の端末装置20が接続され得る。オーナー用の各端末装置20の識別情報には、1つ又は複数の従業者用の端末装置30の識別情報が紐付けされる。従業者の各端末装置30の識別情報には、1つ又は複数の顧客用の端末装置40の識別情報が紐付けされる。ここで、本明細書において「紐付け」とは、互いに関連のあるデータとして利用可能に記録されていることをいう。
【0018】
図2では、1つのオーナー用の端末装置20と同じグループに属する各端末装置の識別情報の紐付け例が示されている。具体的には、オーナー用の端末装置20には、オーナー識別情報として「A001」が生成されて割り当てられている。また、3つの従業者用の端末装置30には、それぞれに従業者識別情報「ABCD」、「BCDE」及び「CDEF」が生成されて割り当てられている。そして、これら3つの従業者識別情報は、いずれも上記したオーナー識別情報に紐付けられている。
【0019】
また、従業者識別情報「ABCD」、「BCDE」及び「CDEF」の各々には、その従業者が担当する顧客の顧客識別情報が紐付けられている。各識別情報はサーバへのアクセス者を特定するための情報(データ)であり、例えば、英文字、漢字、かな文字、数字、記号、これらの組み合わせ等で構成される。図2に示す例では、識別情報はオーナー、従業者、顧客の3つの区分(階層)が設定されており、区分ごとに運営者サーバ10に対するアクセス権限が設定されている。
【0020】
後述するように、例えば、端末装置20によりオーナー識別情報を用いて運営者サーバ10にアクセスした場合には、運営者サーバ10は、オーナー用のウェブページを表示し、従業者の登録メニューを提供する。また、例えば端末装置30により従業者識別情報を用いて運営者サーバ10にアクセスした場合には、運営者サーバ10は、従業者用のウェブページを表示し、顧客の登録メニューを提供する。また、例えば端末装置40により顧客識別情報を用いて運営者サーバ10にアクセスした場合には、運営者サーバ10は、顧客登録時には登録用サイトのウェブページを表示し、登録後においては商品販売用のウェブページを表示する。
【0021】
図3(A)は、一実施形態の顧客管理システムにおける識別情報の記録例を説明する図である。例えば、複数のオーナー識別情報がテーブル形式で運営者サーバ10のデータベースに記録される。以下、このテーブルを「識別情報テーブル」と呼ぶ。識別情報テーブルの行(横)方向には識別情報の区分(オーナー/従業者/顧客)が示されている。識別情報テーブルの列(縦)方向にはオーナー識別情報が配置されている。各オーナー識別情報の領域には、このオーナーと同じグループに属する1人以上の従業者に対応する従業員識別情報が記録される。各従業者識別情報の領域には、オーナー及び従業者と同じグループに属する1人以上の顧客に対応する顧客識別情報が記録される。なお、データベースは表形式に限定されるものではなく、識別情報の相互間の紐付けができるデータベースであればよい。この例では、オーナー識別情報A001には3人の従業者識別情報が紐付けされているが、オーナー識別情報B002には従業者識別情報が登録されておらず、オーナー自身の顧客の顧客識別情報が紐付けされている。後者は、特定の従業者に対応づかないオーナー自身の直接的な顧客が存在する場合に対応した登録の方法である。図3(A)に示されるように、識別情報テーブルには複数のオーナー識別情報が登録されており、販売サイト10b(図7(A)参照)のネットショップが各オーナーによって共用され得る。
【0022】
図3(B)は識別情報の紐付けを表すリンク情報の例を説明する図である。例えば、顧客識別情報0001の紐付けは、/A001/ABCD/0001のように階層的に表すことができる。また、顧客識別情報イロハニの紐付けは、/B001/ _ /0001のように表すことができる。これは上記したオーナーの直接的な顧客に対応した紐付けの例である。運営者サーバ10は、識別情報テーブルと各識別情報の紐付け情報を保持している。顧客識別情報は後述する販売サイトで顧客が商品を購入すると当該商品の購入に関する情報(購入情報)と一緒に記録される。購入情報が顧客識別情報と紐付けで記録されるので、顧客識別情報からたどれば、従業者識別情報、オーナー識別情報と購入情報を関連付けることができる。関連付けた購入情報を使えば、オーナー、従業者等の利益分配もできるし、店舗、従業者、顧客毎の売上げ集計などもできる。
【0023】
図4(A)は、一実施形態の顧客管理システムにおけるオーナーへの識別情報の付与の例を説明する説明図である。図4(B)は、オーナー登録を行う登録フォームの画面例を説明する説明図である。図4(C)は、従業者登録を行う登録フォームの画面例を説明する説明図である。図4(A)に示すように、まず、オーナーは、予め顧客管理システムの運営者に対して同システムの利用希望を申請し、オーナー登録のウェブページのURLを電子メール等で受領する。なお、このURLについては、後述する従業者と顧客の場合と同様で、運営者からオーナーに対して二次元コードが提示されることによって提供されてもよい。運営者サーバ10は、オーナー端末装置20からオーナー登録のウェブページにアクセスがあると、図4(B)に例示するようなオーナー登録フォームのウェブページをオーナー用の端末装置20に送信し、画面に表示させる。
【0024】
オーナーは、オーナー識別情報(ログインID)、パスワード、氏名(又は名称)、住所、メールアドレス、電話番号などを入力してオーナー情報を登録する。オーナー情報として、自身の理容師・美容師等としての免許番号や顔写真等を含めてもよい。オーナー識別情報とパスワードは、例えばオーナーにより入力された任意の文字、数字、記号などに基づいて生成する構成としているが、運営者サーバ10が自動生成する構成にしてもよい。運営者サーバ10は、オーナー登録(オーナー識別情報の発行)が完了するとオーナー識別情報をデータベースの識別情報テーブル(図3参照)に記録する。オーナー識別情報には従業者識別情報の発行権限が与えられる。
【0025】
次に、従業者の情報登録(発行)について説明する。例えば、図示しない表示画面上に含まれる登録ボタンを押下する等の操作指示により、オーナー用の端末装置20から従業者の登録要求が送信されると、運営者サーバ10は、図4(C)に示すような従業者登録フォームのウェブページをオーナー用の端末装置20に表示させる。オーナーは、ユーザー分類、従業者の識別情報(ログインID)、パスワード、氏名(又は名称)、住所、メールアドレス、電話番号、所属店舗等を入力して従業者情報を登録する。従業者情報として、理容師・美容師等としての免許番号や顔写真等を含めてもよい。ユーザー分類には、従業者(スタイリスト、美容師又は理容師)と顧客がプルダウンメニューで選択可能になされているがここでは従業者について説明する。
【0026】
従業者識別情報とパスワード等は、例えばオーナーにより入力された任意の文字、数字、記号などに基づいて生成する構成としているが、運営者サーバ10が自動生成する構成にしてもよい。運営者サーバ10は、受信した従業者情報をデータベースに記録する。運営者サーバ10は、従業者登録が完了すると、この従業者情報と、これを発行したオーナー識別情報とを紐づけて識別情報テーブル(図3参照)に記録する。従業者識別情報には顧客識別情報の発行権限が与えられる。
【0027】
図5(A)は、一実施形態の顧客管理システムにおける従業者識別情報と顧客識別情報の紐付け過程を説明する説明図である。同図(B)は、従業者端末の画面に表示されるウェブページの例を説明する説明図である。同図(C)は、従業者端末の画面に表示される二次元コードの例を説明する説明図である。同図(D)は、顧客端末の画面に表示されるユーザー登録画面の例を説明する説明図である。
【0028】
図5(A)に示すように、従業者は、自身の端末装置30により運営者サーバ10にアクセスし、オーナーから付与された従業者識別情報とパスワードでログインする。運営者サーバ10は、端末装置30に対して従業者用のウェブページを送信し、端末装置30に表示させる。図5(B)に例示するように、ウェブページには各種メニューが表示される。
【0029】
従業者が端末装置30のタッチパネル等を用いてメニュー中の「二次元コード表示」を選択すると、図5(C)に例示するように、運営者サーバ10は、顧客情報登録用のウェブページに対応するURLの情報を含んでコード化された画像である二次元コードを表示させるためのウェブページ(ないし画像データ)を送信し、従業者の端末装置30の画面上に表示させる。この二次元コードにより読み取ることができるURLには従業者を特定可能とする情報(以下「特定情報」という。)が含まれている。
【0030】
従業者は、自身の端末装置30に表示された二次元コードを顧客に対して提示する。提示された顧客は、自身の所有する端末装置40に内蔵されたカメラを起動させてこの二次元コードを端末装置40に読み取らせる。顧客の端末装置40は、カメラにより撮影された画像に基づいて二次元コードに含まれるURLなどの情報を復号し、そのURL等を画面上に表示させる。顧客が端末装置40のタッチパネル等を用いてURLを選択すると、端末装置40は、顧客情報登録のウェブページにアクセスする。なお、顧客に対する二次元コードの提示は必ずしも従業者の端末装置30を用いて行われなくてもよく、例えば予め紙などの媒体に印刷された二次元コードを用いて行われてもよい。
【0031】
運営者サーバ10は、図5(D)に例示するような顧客登録フォームのウェブページを顧客の端末装置40に表示させる。顧客は、顧客識別情報(ユーザーログインID)、パスワード、氏名(又は名称)、住所、メールアドレス、電話番号などを入力して顧客情報を登録する。顧客識別情報とパスワードは、例えば顧客により入力された任意の文字、数字、記号などに基づいて生成する構成としているが、運営者サーバ10が自動生成する構成にしてもよい。運営者サーバ10は、端末装置40から受信した顧客情報をデータベースに記録する。運営者サーバ10は、顧客登録が完了するとURLに含まれる特定情報を用いて従業者識別情報を特定し、その従業者識別情報を用いて顧客識別情報とこれの発行に係る従業者識別情報を紐付けし、識別情報テーブル(図3参照)に記録する。従業者識別情報とオーナー識別情報は紐付けされているので、オーナー識別情報、従業者識別情報、顧客識別情報が相互に紐付けされることになる。
【0032】
ここで、二次元コードから得られるURLの構成例について説明する。図6(A)及び図6(B)は、URLの構成例を示す図である。図示のように、顧客登録フォームのウェブページに対応するURLの一例として「http://thrice.jp/page1/?ABCD」というURLが示されている。この例では、URLの最後側の4つの文字部分が特定情報50に相当する。ここでは、特定情報50として「ABCD」が用いられている。この「ABCD」の文字列は、ある従業者に割り当てられている従業者識別情報と同一である(図3参照)。すなわち、図6(A)に示す例は、特定情報50として従業者識別情報がそのまま用いられている例である。顧客の端末装置40からこのURLを用いてアクセスされた運営者サーバ10は、URLの文字列のうち特定情報50を除く「http://thrice.jp/page1/」の部分からアクセス先を特定し、顧客登録フォームのウェブページを顧客の端末装置40に表示させる。つまり、URLに含まれる特定情報50の内容に関わらず、どの顧客の端末装置40からのアクセスに対しても同じ顧客登録フォームのウェブページにて登録を受け付ける。この際、運営者サーバ10は、特定情報50に基づいてこの顧客に対応する従業者の従業者識別情報(本例では「ABCD」)を特定し、その従業者識別情報を用いて顧客識別情報とこれの発行に係る従業者識別情報を紐付けすることができる。
【0033】
図6(B)に示す例は、特定情報50とこれにより特定される従業者識別情報が異なる場合の例である。この例においては、運営者サーバ10は、図6(C)に例示するような従業者識別情報と特定情報の対応を示すテーブルをデータベースに記録しておき、これを参照することで特定情報50から従業者識別情報を得ることができる。顧客の端末装置40からこのURLを用いてアクセスされた際の運営者サーバ10の処理は上記と同様であり、URLに含まれる特定情報50の内容に関わらず、どの顧客の端末装置40からのアクセスに対しても同じ顧客登録フォームのウェブページにて登録を受け付ける。この場合でも、運営者サーバ10は、特定情報50に基づいてこの顧客に対応する従業者の従業者識別情報(本例では「ABCD」)を特定し、その従業者識別情報を用いて顧客識別情報とこれの発行に係る従業者識別情報を紐付けすることができる。また、本例のように、特定情報と従業者識別情報を異なるものとすることで、URLを見ても従業者識別情報が直ちには分からないようにすることができる。
【0034】
以上のようにして、図3に示すオーナー識別情報、従業者識別情報、顧客識別情報の紐付けが行われる。従業者識別情報の発行権限がオーナー識別情報に対応づけられているため、従業者がオーナーと無関係に従業者情報を登録することはできず、オーナーにおける従業者情報の発行に係る管理が容易となる。同様に、顧客識別情報の発行権限が従業者識別情報に対応づけられているため、顧客が自身に対応する従業者と無関係に顧客情報を登録することはできず、オーナー及び従業者における顧客情報の発行に係る管理が容易となる。また、顧客の登録時に顧客へ提示されるのは一般的によく見慣れた二次元コードであり、顧客側においては単にネットショッピングのために必要な情報を登録するだけであって、従業者やオーナーと紐付けられたことを顧客に特段意識させることがない。従業者においては、顧客に対して二次元コードを提示するだけでよく、特に複雑な操作入力を行う必要がないため、無駄な時間がかからず本来の調髪等のサービス提供に専念できるという利点もある。
【0035】
図7(A)は、顧客の端末装置から商品購入を行う場合の商取引過程と売上げの集計処理過程を説明する説明図である。図7(B)は、顧客の端末装置の画面に表示される商品販売のウェブページの例を説明する説明図である。図7(C)は、従業者の端末装置の画面に表示される注文ページの例を説明する説明図である。以下、各図を参照して顧客の商品購入について説明する。既述したように、運営者サーバ10では、アプリケーションサーバによって管理台帳10a、販売サイト10bが構成される。
【0036】
顧客が顧客識別情報、パスワードを使用して顧客の端末装置40から販売サイト10bのウェブページにアクセスすると、運営者サーバ10は、管理台帳10aに記録された識別情報テーブルと照合して顧客識別情報の適否を確認し、登録済みの顧客識別情報であれば販売サイト10bへのアクセスを許容する。運営者サーバ10は、販売サイト10bにおいて、顧客識別情報に対応した商品案内のウェブページを動的に形成させ、図7(B)に例示するように顧客の端末装置40の画面上に表示する。顧客の端末装置40においてタッチパネル等によって1つ又は複数の商品が選択され、「選択終了」ボタンが押下されると、運営者サーバ10は、図7(C)に例示するように、品目、数量、価格、税、支払額、銀行振込、クレジットカード等の注文内容を確認するウェブページを顧客の端末装置40に表示させる。顧客の端末装置40においてタッチパネル等によって画面中の「注文する」ボタンが押下されると、運営者サーバ10は、販売サイト10bに取引を確定させ、販売サイト10bが作成した商品発送情報などのウェブページを顧客の端末装置40に表示させる。このように、サロンから案内された販売サイト10bを利用することで、各顧客は、サロンで勧められたものに対応する自身に対して適切な商品を購入できるようになる。また、この販売サイトにはサロン経由で登録した顧客以外の者がアクセスできないので、市販品ではないサロン専用商品を扱うようにして、他の一般的な販売サイトとの差別化を図ることができる。
【0037】
販売サイト10bは、管理台帳10aに当該顧客の購入商品・価格・日時・識別情報等の売上げ情報(購入情報)を通知する。管理台帳10aは、所要の情報を記録する。なお、販売サイト10bは、公知のネットショッピングと同様の機能を提供するものであり、運営者サーバ10とは別途に構成し、関連づけておくようにしてもよい。運営者サーバ10は、運営者によるサーバ設定に応じた集計処理を管理台帳10aの機能で実行する。既述のように、本実施形態では顧客による商品購入の際に商品購入の情報と顧客識別情報が紐付けされている。また、顧客識別情報と従業者識別情報、従業者識別情報とオーナー情報とが紐付けされているので、下位の顧客識別情報から当該顧客識別情報が属する上位の従業者識別情報、更に、従業者識別情報が属するより上位のオーナー識別情報に辿り着くことができる(図3参照)。なお、商品購入の情報と従業者識別情報又はオーナー情報とを紐付けして記録してもよい。例えば、管理台帳10aは、所定の日時(例えば、日報:毎日24時、月報:毎月20日)に予め指定されたオーナーに属するグループの売上げを集計する。例えば、従業者識別情報に紐付けされた複数の顧客識別情報の購入情報を集計して得られる当該従業者の売上げを記録する。更に各従業者の売上げを集計して得られるオーナーの売上げを記録する。
【0038】
また、運営者サーバ10は、例えばオーナーの端末装置20又は従業者の端末装置30からの図示しない売上表示ウェブページへのアクセスに応じて管理台帳10aに各々の識別情報に対応した該当者の売上げを表示する売上表示ウェブページを動的に作成させ、各々の端末装置20又は30に表示させる。例えば、オーナー識別情報によるアクセスの場合には各従業者の売上げ及びグループの売上げを表示し、従業者識別情報からのアクセスの場合には当該従業者識別情報に係る売上げのみを表示することができる。また、運営者サーバ10は、例えばサーバの設定に応じてオーナーの端末装置20又は従業者の端末装置30に集計結果を記載した電子メールを送信する。集計結果に代えて売上表示ウェブのURLを記載してもよい。なお、集計処理は定時以外にも運営者やオーナーなどの権限を持つ者が管理台帳10aに集計条件を指定して実行させることが可能である。このような集計結果は経営情報として利用することができ、オーナー、各従業者の利益分配の参考資料ともなる。また、サロンにとっては、顧客の商品購入によってもたらされる利益の少なくとも一部について運営者から還元を受けることで、売上アップの機会がもたらされる。
【0039】
以上のような実施形態によれば、良好な顧客管理を可能となる。また、顧客が適切な商品を購入できるようにするとともに、サロンには売上アップの機会をもたらすことが可能となる。
【0040】
なお、本発明は上記した実施形態の内容に限定されず、種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態では、顧客管理システムは少なくとも親IDとしてのオーナー識別情報、子IDとしての従業者識別情報、孫IDとしての顧客識別情報の三層に階層化(クラス分け)された識別情報によってオーナー(店舗)や従業者(スタイリスト、理容師、美容師等)と顧客を関連付けていたが、四層ないしそれ以上の階層化を行ってもよい。例えば、フランチャイズの本部を一層目、そのフランチャイズに加盟する各店舗のオーナーを二層目、各オーナーに属する従業者を三層目、各従業者に対応する顧客を四層目、というように階層化を行うこともできる。この場合には少なくとも二層目~四層目において本発明を適用することができる。同様に、例えば、システム運営者を一層目、オーナーを二層目、各オーナーに属する各サロンの運営者(例えば各オーナーから営業許可を得たフランチャイズオーナー、あるいは各オーナーから運営を任された者)、各サロンの運営者に属する従業者を四層目、各従業者に対応する顧客を五層目、というように階層化を行うこともできる。この場合には少なくとも三層目~五層目において本発明を適用することができる。いずれの場合でも、利益配分については、各層の者を相互に紐づけておいた上で適宜に取り決めて行えばよい。
【0041】
また、上記した実施形態では顧客の用いる端末装置40のウェブブラウザを使用して運営者サーバ10との接続を行っているが、運営者サーバ10との電子商取引を処理する専用の取引アプリケーションを用いることとしてもよい。取引アプリケーションは、いわゆるアプリケーションストアや本顧客管理システムのサーバから予め各端末装置40にダウンロードされ、インストールしておけばよい。また、顧客管理システムは、美容室、理容室、美容サロン等における顧客管理に好適であるがこの業種に限定されず、例えば、化粧品販売サロンにおける顧客管理などの他業種にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 運営者サーバ
20 オーナーの端末装置
30 従業者の端末装置
40 顧客の端末装置

【要約】      (修正有)
【課題】良好な顧客管理を可能とする顧客管理方法及び顧客管理システムを提供する。
【解決手段】複数の端末30と相互に通信可能に接続された運営者サーバ10を用いて行われる顧客管理方法であって、第1識別情報を生成することと、第1識別情報を使用したアクセスに対応して第2識別情報を生成することと、アクセスに使用された第1識別情報と第2識別情報とを紐づけて記録することと、第2識別情報に対応する特定情報を含んだURLを使用したアクセスに対応して顧客識別情報を生成することと、URLに含まれる特定情報に基づいて特定される第2識別情報及び/又は当該第2識別情報に紐づけられた第1識別情報と顧客識別情報とを紐づけて記録することと、特定の商品販売サイトへの顧客識別情報を使用したアクセスに対応して、顧客による商品の購入に関する情報を第1識別情報、第2識別情報又は顧客識別情報と対応づけて記録することと、を含む。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7