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▶ 株式会社 啓生運輸の特許一覧

<図1>
  • 特許-ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置 図1
  • 特許-ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置 図2
  • 特許-ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置 図3
  • 特許-ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置 図4
  • 特許-ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置 図5
  • 特許-ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/53 20150101AFI20220607BHJP
   B60P 7/04 20060101ALI20220607BHJP
   B62D 33/04 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
E05F15/53
B60P7/04 A
B62D33/04 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022007606
(22)【出願日】2022-01-21
【審査請求日】2022-04-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522028939
【氏名又は名称】株式会社 啓生運輸
(74)【代理人】
【識別番号】100165135
【弁理士】
【氏名又は名称】百武 幸子
(72)【発明者】
【氏名】羽生 啓幸
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-182648(JP,A)
【文献】実開昭51-614(JP,U)
【文献】実開昭56-168415(JP,U)
【文献】特開平9-323546(JP,A)
【文献】実開昭61-37022(JP,U)
【文献】特開2002-192952(JP,A)
【文献】特開2003-80948(JP,A)
【文献】特開平7-127329(JP,A)
【文献】特開平11-180153(JP,A)
【文献】実開昭63-14424(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00-17/00
B60P 7/04
B62D 33/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンプトラック(40)の荷箱(50)の側あおり(58)の上縁部に軸支されて、旋回可能に取付けられた天蓋(55)を有する前記荷箱(50)に設けられる油圧シリンダ(10)と、
前記油圧シリンダ(10)に連結される第1のアーム(20)及び第2のアーム(30)と、
を備えるダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置(1)であって、
前記油圧シリンダの基端部(11)は、前記荷箱(50)の前壁(51)及び後壁(52)の上縁部(53,54)にそれぞれ回転可能に配置され、
前記第1のアーム(20)の上端部は、前記油圧シリンダ(10)のピストンロッド(13)の先端部(14)に回転可能に連結され、下端部(21)は前記上縁部(53,54)に回転可能に配置され、
前記第2のアーム(30)の下端部は、前記油圧シリンダ(10)のピストンロッド(13)の先端部(14)に回転可能に連結され、上端部(31)は、前記天蓋(55)に回転可能に嵌挿され、
前記油圧シリンダ(10)の前記ピストンロッド(13)の伸縮運動に伴って、前記第1のアーム(20)と前記第2のアーム(30)が協働して前記天蓋(55)を旋回させることを特徴とするダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置(1)であって、前記天蓋(55)が側あおり(58)の外面に沿った開き位置まで開くように、前記第2のアーム(30)の長手方向は屈曲又は湾曲して形成されていることを特徴とするダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置(1)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置(1)であって、前記第1のアーム(20)の下端部(21)の回転軸と天蓋軸(56)との間の寸法と、前記第2のアーム(30)の上端部(31)の回転軸と前記天蓋軸(56)との間の寸法が、略同一であることを特徴とするダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置に関する。特に、油圧シリンダを使用して天蓋を開閉する天蓋開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ダンプトラック荷箱には、左右の側あおりの上縁部の天蓋軸に2枚の天蓋がそれぞれ旋回可能に取り付けられている。ダンプトラック荷箱の容積が大きくなると、それを覆う2枚の天蓋の面積も大きくなり重量が増すため、天蓋の開閉に労力を要し、手間がかかる。そのため、従来、ダンプトラック荷箱の天蓋の開閉を容易にする様々な開閉装置が開発されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には油圧シリンダを使用した荷箱の天蓋開閉装置が開示されている。この考案によると、特許文献1の図1図2が示すように、天蓋6のシャフト8(上記の天蓋軸)にアーム11を固定し、そのアーム11を荷箱1の壁面に設けられた油圧シリンダ9で回動させることにより、シャフト8を回動させて天蓋6を開閉させている。
【0004】
また、特許文献2には油圧モータを使用した荷箱の天蓋開閉装置が開示されている。この発明によると、特許文献2の図4が示すように、天蓋の天蓋軸42に油圧モータ51の駆動軸が接続されている。この油圧モータ51を作用させることにより、駆動軸を回動させ、天蓋の天蓋軸42を回動させて天蓋を開閉させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開昭56-000346号公報
【文献】特許第2950763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1と2に記載の天蓋開閉装置は、天蓋のシャフト(以下、天蓋軸と記す)に直接、油圧シリンダのアーム又は油圧モータの駆動軸が作用して回動させているため、天蓋軸に負荷がかかる。特に重量のある大きな天蓋の場合、その天蓋軸に多大な負荷がかかる。それにより、天蓋軸が破損し、天蓋開閉装置が故障することが考えられる。そのため、天蓋軸に直接作用せずに、天蓋を開閉させる装置が望まれる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑み、天蓋軸に直接作用せずに、比較的重量のある天蓋でも容易かつ確実に開閉することができるダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ダンプトラック(40)の荷箱(50)の側あおり(58)の上縁部に軸支されて、旋回可能に取付けられた天蓋(55)を有する前記荷箱(50)に設けられる油圧シリンダ(10)と、前記油圧シリンダ(10)に連結される第1のアーム(20)及び第2のアーム(30)と、を備えるダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置(1)であって、前記油圧シリンダの基端部(11)は、前記荷箱の前壁(51)及び後壁(52)の上縁部(53,54)にそれぞれ回転可能に配置され、前記第1のアーム(20)の上端部は、前記油圧シリンダ(10)のピストンロッド(13)の先端部(14)に回転可能に連結され、下端部(21)は前記上縁部(53,54)に回転可能に配置され、前記第2のアーム(30)の下端部は、前記油圧シリンダ(10)のピストンロッド(13)の先端部(14)に回転可能に連結され、上端部(31)は、前記天蓋(55)に回転可能に嵌挿され、前記油圧シリンダ(10)の前記ピストンロッド(13)の伸縮運動に伴って、前記第1のアーム(20)と前記第2のアーム(30)が協働して前記天蓋(55)を旋回させることを特徴とするダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置(1)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置(1)であって、前記天蓋(55)が側あおり(58)の外面に沿った開き位置まで開くように、前記第2のアーム(30)の長手方向は屈曲又は湾曲して形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置(1)であって、前記第1のアーム(20)の下端部(21)の回転軸と天蓋軸(56)との間の寸法と、前記第2のアーム(30)の上端部(31)の回転軸と天蓋軸(56)との間の寸法が、略同一であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置は、天蓋軸に直接作用しないため、天蓋軸の破損を防ぎ、耐久性を上げることができる。また、本発明のダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置は、比較的重量のある天蓋でも容易かつ確実に開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一般的な大型深煽りダンプトラックの斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る天蓋開閉装置を備えたダンプトラック荷箱であり、一方の天蓋が180度付近まで開いた状態の模式図である。
図3図2における領域Aの天蓋開閉装置を示す拡大模式図である。
図4図3の天蓋開閉装置の天蓋が180度付近まで開いた状態における(A)は平面図、(B)は(A)のA-A矢視図である。
図5図3の天蓋開閉装置の天蓋がほぼ閉じた状態における(A)は平面図、(B)は(A)のA-A矢視図である。
図6図4(A)の天蓋開閉装置のA-A矢視図において、(A)は天蓋が90度付近まで開いた状態のA-A矢視図、(B)は天蓋が270度付近まで開いた状態のA-A矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態(以下実施例と略称する)を、図面に基づいて説明する。以下の図面において、共通する部分には同一の符号を付しており、同一符号の部分に対して重複した説明を省略する。
【0012】
図1は、一般的な大型深煽り(あおり)ダンプトラックの斜視図である。本発明の天蓋開閉装置を適用するダンプトラックは、天蓋付きの荷箱を有するトラックであれば、いかなるトラックでもよいが、本実施例では、図1に示すような大型深煽りダンプトラック40(両側面と後部の煽りを高くして荷箱の容積を大きくしたダンプトラック)に適用する。本発明の天蓋開閉装置は、比較的重量のある大きな天蓋でも容易かつ確実に開閉することができるため、このような大型深煽りダンプトラック40の荷箱50に好適に使用できる。天蓋は荷箱50の開口部を完全に覆うように、左右の側あおりにそれぞれ設けられている。なお、図1に示す天蓋の形状は、中心から両側に傾斜が付いた、いわゆるハウス型であるが、本発明の天蓋開閉装置を適用する天蓋の形状はこれに限定されず、平坦形状でもよいし湾曲形状でもよい。
【0013】
また、ダンプトラックの荷箱の天蓋には、トラックの種類や大きさに応じて様々な材質が選択される。大型深煽りダンプトラックの荷箱の天蓋の場合、比較的軽量で強度が高く、耐久性、防水性、耐火性に優れた素材で構成される。例えば、金属製(ステンレス、アルミ、チタン等)の骨部材にFRP製等のシート状のカバーを張設して構成した天蓋や、全体を金属製の材料で構成した天蓋がある。本発明の天蓋開閉装置は、どのような構成及び材質の天蓋にも使用することができる。
【0014】
[ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置1の構成]
本発明の一実施例に係るダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置1について図2~6を参照して説明する。図2は、天蓋開閉装置1を備えたダンプトラック荷50であり、一方の天蓋が180度付近まで開いた状態の模式図である。図3は、図2における領域Aの天蓋開閉装置を示す拡大模式図である。図4は、図3の天蓋開閉装置の天蓋が180度付近まで開いた状態における(A)は平面図、(B)は(A)のA-A矢視図である。図5は、図3の天蓋開閉装置の天蓋がほぼ閉じた状態(0度付近まで開いた状態)における(A)は平面図、(B)は(A)のA-A矢視図である。図6は、図4(A)の天蓋開閉装置のA-A矢視図において、(A)は天蓋が90度付近まで開いた状態のA-A矢視図、(B)は天蓋が270度付近まで開いた状態のA-A矢視図である。
【0015】
ダンプトラック荷箱50の2枚の天蓋55は、側あおり58の外面に沿った開き位置と荷箱50の開放上面を覆う閉じ位置との間で旋回可能に側あおり58の上縁部の天蓋軸56に取付けられている。図3図4に示すように、側あおり58の上縁部の天蓋軸56は、天蓋軸支持部材57に支持されている。本実施例のダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置1は、その荷箱50に設けられる油圧シリンダ10と、油圧シリンダ10に連結される第1のアーム20及び第2のアーム30から構成される。
【0016】
油圧シリンダ10の基端部11は、荷箱の前壁51及び後壁52の上縁部53,54の両端部にそれぞれ回転可能に配置されている。図3に示すように、油圧シリンダ10の基端部11は、回転軸と回転軸支持部材からなる。油圧シリンダ10のピストンロッド13の伸縮運動(往復運動とも言う)に伴って、油圧シリンダ10は基端部11の回転軸を中心に0~30度程、回動する(図4~6参照)。図3においては、前壁51の上縁部53の一端側のみを示しているが、上縁部53の他端側と、後壁52の上縁部54の両端にも同様に、油圧シリンダ10が計4か所に設置されている(図2参照)。図2に示すように、本実施例では上縁部53と上縁部54は、天蓋の形状(ハウス型)に合うように中心から両側に傾斜が付いた形状である。上縁部53と上縁部54の形状は、これに限定されず、平坦でもよい。
【0017】
油圧シリンダ10は、一般に販売されている既存の油圧シリンダを使用する。油圧シリンダ10の寸法は、天蓋55を開閉できればよく、天蓋55の寸法に応じて様々な寸法のものを選択可能であるが、本実施例ではピストンロッド13を最大で250mm程伸ばすことができる油圧シリンダ10を使用する。油圧シリンダ10の構造は、主にピストンロッド13と油圧シリンダ本体12からなり、油圧シリンダ本体12内部にはピストンロッド13に固定されたピストンと、ピストンを油圧で運動させる作動油などが含まれる(図示せず)。
【0018】
また、油圧シリンダにはいわゆる単動形と複動形のものが広く知られている。単動形の油圧シリンダは、作動油の出入口が一方にしかなく、ピストンロッド13を伸ばすことができるが、縮める際にはピストンロッド13の自重やバネ等が使用される。一方、複動形の油圧シリンダは、作動油の出入口が油圧シリンダの両側にあり、方向切換弁によって圧油の流れる方向を変えて伸縮運動させることができる。本発明の天蓋開閉装置1には、単動形と複動形のどちらの油圧シリンダを使用してもよいが、本実施例では、ピストンロッド13を伸縮運動させることができる複動形の油圧シリンダを使用する。なお、図面において、油圧シリンダ10の作動油の出入口(ポート)と作動油のチューブ、作動源である油圧ポンプの図示は省略する。油圧シリンダ10の作動油のチューブと油圧ポンプはダンプトラック40の所定の場所に設置される。
【0019】
第1のアーム20の上端部は、油圧シリンダ10のピストンロッド13の先端部14に回転軸で回転可能に連結され、下端部21は上縁部53に回転可能に配置されている。油圧シリンダ10の基端部11と同様に、第1のアーム20の下端部21は、回転軸と回転軸支持部材からなる。第1のアーム20はステンレス等の金属製であり、本実施例では2枚の薄い板材で構成され、その間に回転軸が嵌め込まれている。第1のアーム20は、ピストンロッド13の伸縮運動に伴って、基端部21の回転軸を中心に0~120度程度まで回動する(図4~6参照)。
【0020】
第2のアーム30の下端部は、油圧シリンダ10のピストンロッド13の先端部14に回転軸で回転可能に連結されている。図3、4に示すように、先端部14の回転軸は第1のアーム20の上端部に使用されている回転軸と共通のものを使用する。第1のアーム20と同様に、第2のアーム30はステンレス等の金属製であり、本実施例では2枚の薄い板材で構成され、その間に回転軸が嵌め込まれている。また、第2のアーム30の上端部31には回転軸が嵌め込まれており、その回転軸が天蓋55の側面に回転可能に嵌挿されている。天蓋55が、金属製の骨部材にFRP製等のシート状のカバーを張設して構成されている場合は、骨部材の側面に回転軸が嵌挿される。このように第2のアーム30が構成されているため、図5(A)の平面図に示すように天蓋55が天蓋開閉装置1と重なることなく、荷箱50の開口部を覆うように閉じることができる。
【0021】
図3~5に示すように、第1のアーム20の2枚の板材は、第2のアーム30の2枚板材の間の空間に嵌るように構成されている。特に、天蓋55が閉じた状態(図5(A)、(B)参照)では、第1のアーム20の一部分が第2のアーム30内に重なっている。第1のアーム20と第2のアーム30の長手方向の寸法は特に限定されないが、上記の構成を満たすような寸法で構成することが好ましい。本実施例では、第1のアーム20の長手方向の寸法は150mm、第2のアーム30の長手方向の寸法は180mmである。
【0022】
第2のアーム30の長手方向は、直線状に形成することもできるが、屈曲又は湾曲して形成することもできる。本実施例では、図4(A)の天蓋開閉装置のA-A矢視図において、図4(B)、図6(A)、(B)に示すように略くの字形状に屈曲して形成する。このように屈曲させることで、天蓋55を側あおり58の外面に沿った開き位置(蓋が270度開いた状態)まで天蓋55を開き易くすることができる。つまり、第2のアーム30の長手方向が直線状に形成されている場合には、ピストンロッド13の最大の長さが充分に長くないと、天蓋55を側あおり58の外面に沿った開き位置まで開くことができないが、第2のアーム30の長手方向を屈曲又は湾曲して形成することで、その分、ピストンロッド13の最大の長さを短くすることができ、天蓋55を側あおり58の開き位置まで容易に開くことができる。
【0023】
また、本実施例では図4(B)に示すように、第1のアーム20の下端部21の回転軸と天蓋軸56との間の寸法aと、第2のアーム30の上端部31の回転軸と天蓋軸56との間の寸法bは、どちらも100mm程であり、略同一に構成されている。寸法aと寸法bは、この値に限定されず、略同一でなくてもよい。本実施例では、油圧シリンダ10の寸法、第1のアーム20の寸法、第2のアームの寸法を前述のような寸法とし、寸法aと寸法bをこのような構成とすることで、第1のアーム20と第2のアーム30にかかるピストンロッド13の伸縮運動による力を有効に活用でき、効率よく天蓋55を開閉させることができる。
【0024】
以上説明した様に、ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置1が構成されているため、油圧シリンダ10のピストンロッド13の伸縮運動に伴って、第1のアーム20と第2のアーム30が協働して天蓋55を開き位置(270度)と閉じ位置(0度)との間で旋回させることができる。また、油圧シリンダ10が天蓋軸56に直接作用せず、第1のアーム20と第2のアーム30を介して天蓋55を開閉させるため、天蓋軸56の破損等を防ぐことができる。
【0025】
[ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置1の動作]
ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置1の動作について、図4~6を参照して説明する。本実施例では複動形の油圧シリンダ10を使用した例を説明する。まず、荷箱の天蓋開閉装置1の天蓋55の角度が0度の閉じ位置(図5参照)では、油圧シリンダ10のピストンロッド13が最小の長さになっている。この状態では、第1のアーム20の一部分が第2のアーム30内に重なっている。
【0026】
油圧ポンプを起動させると、油圧シリンダ10のピストンロッド13が伸びる運動に伴って、ピストンロッド13の先端部に連結された第1のアーム20と第2のアーム30が協働して天蓋55を開くように作用していく。図6(A)は天蓋55が90度付近まで開いた状態を示すが、ピストンロッド13の伸びる運動に伴い、第1のアーム20と第2のアーム30の重なりがなくなり、協働して天蓋55に作用していることがわかる。
【0027】
更に、ピストンロッド13の伸びる運動に伴い、第1のアーム20と第2のアーム30が協働して天蓋55を開くように作用していくと、図4(B)に示すように天蓋55が180度付近まで開いた状態になり、続いて図6(B)に示すように天蓋55が270度付近まで開いた状態(開き位置)になる。天蓋55が開いた後、で油圧ポンプを停止する。前述のように、天蓋55の角度が270度の開き位置で、油圧シリンダ10のピストンロッド13が最大の長さになっている。なお、天蓋55の角度が180度付近から270度まで開く際には、天蓋55の自重により開く速度が速くなる。このようにして、天蓋開閉装置1の動作により、天蓋55を容易に開くことができる。
【0028】
天蓋55を閉じる動作は、開く動作の逆の工程となる。天蓋55を閉じる際には、再度、油圧ポンプを起動させて、油圧シリンダ10のピストンロッド13が縮む運動に伴って、ピストンロッド13の先端部に連結された第1のアーム20と第2のアーム30が協働して天蓋55を閉じるように作用していく。天蓋55の角度が270度から180度付近までは、天蓋55の自重により閉じる速度が遅くなる場合があるが、その際には天蓋55を180度付近まで持ち上げることで、天蓋55をスムーズに閉じることができる。天蓋55が90度付近から0度の閉じ位置まで閉じる際には、天蓋55の自重により閉じる速度が速くなる。このようにして、天蓋開閉装置1の動作により、天蓋55を容易に閉じることができる。
【0029】
なお、天蓋開閉装置1に、単動形の油圧シリンダを使用する場合には、閉じる際に90度付近まで天蓋55を持ち上げることで、天蓋55の自重によりピストンロッド13を縮めることができ、天蓋55を閉じることができる。比較的、重量のある天蓋55の場合、閉じる際に90度付近まで天蓋55を持ち上げることは使用者に負担がかかるため、本実施例のように複動形の油圧シリンダ10を使用することが好ましい。
【0030】
以上説明した様に、本発明のダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置は、天蓋軸に直接作用しない構成のため、従来多く発生した天蓋軸の破損等を防ぎ、耐久性に優れたものとなっている。また、ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置を使用することで、比較的重量のある天蓋でも容易かつ確実に開閉することができる。
【0031】
なお、上述した実施例のダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置は一例であり、その構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。例えば、上述した実施例では、ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置を、2枚の天蓋を有する荷箱に適用したが、1枚の天蓋を有する荷箱にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明のダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置は、ダンプトラックの荷箱以外の荷箱にも適用できる。例えば、大型で重量のある天蓋を有する種々の箱に適用できる。
【符号の説明】
【0033】
1…ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置、10…油圧シリンダ、11…油圧シリンダの基端部、12…油圧シリンダ本体、13…ピストンロッド、14…ピストンロッドの先端部、20…第1のアーム、21…第1のアームの下端部、30…第2のアーム、31…第2のアームの上端部、40…ダンプトラック、50…荷箱、51…前壁、52…後壁、53,54…上縁部、55…天蓋、56…天蓋軸、57…天蓋軸支持部材、58…側あおり。

【要約】
【課題】天蓋軸に直接作用せずに、比較的重量のある天蓋でも容易かつ確実に開閉することができるダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置を提供する。
【解決手段】ダンプトラック荷箱の天蓋開閉装置1は、油圧シリンダ10と、油圧シリンダ10に連結される第1のアーム20及び第2のアーム30と、を備え、油圧シリンダの基端部11は、荷箱の前壁51及び後壁52の上縁部53にそれぞれ回転可能に配置され、第1のアーム20の上端部は、油圧シリンダ10のピストンロッド13の先端部14に回転可能に連結され、下端部21は上縁部53に回転可能に配置され、第2のアーム30の下端部は、油圧シリンダ10のピストンロッド13の先端部14に回転可能に連結され、上端部31は、天蓋55に回転可能に嵌挿されている。
【選択図】図3

図1
図2
図3
図4
図5
図6