IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジェイテクトの特許一覧 ▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-弁装置 図1
  • 特許-弁装置 図2
  • 特許-弁装置 図3
  • 特許-弁装置 図4
  • 特許-弁装置 図5
  • 特許-弁装置 図6
  • 特許-弁装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/00 20060101AFI20220607BHJP
   F16K 15/06 20060101ALI20220607BHJP
   F16K 47/10 20060101ALI20220607BHJP
   F17C 13/04 20060101ALI20220607BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20220607BHJP
【FI】
F16K27/00 C
F16K15/06
F16K47/10
F17C13/04 301Z
H01M8/04 N
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018081522
(22)【出願日】2018-04-20
(65)【公開番号】P2019190516
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 琢也
(72)【発明者】
【氏名】岡村 和毅
(72)【発明者】
【氏名】山崎 誉
(72)【発明者】
【氏名】嶋 稔彦
(72)【発明者】
【氏名】沼崎 一志
(72)【発明者】
【氏名】坂本 公洋
(72)【発明者】
【氏名】中村 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】木田 浩司
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-084904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧のガスが貯留されるガスタンクの内外を連通するガス流路を有するボディと、
前記ボディに取り付けられるとともに前記ガス流路に配管を接続するための継ぎ手と、
前記ガスタンクの内部のガスが前記ガス流路から前記継ぎ手に向けて逆流することを抑制する逆止弁であって、弁孔を有する弁座と、前記弁孔を開閉する弁体とを備える逆止弁と、
前記弁座を前記ボディに固定するとともに前記弁孔に連通する連通孔を有する弁座固定部材であって、外周面に雄ねじが設けられている弁座固定部材とを備え、
前記ボディには、前記ボディの外部側から前記継ぎ手、前記弁座固定部材の順に前記継ぎ手及び前記弁座固定部材が取り付けられる取付穴であって、前記弁座固定部材の前記雄ねじと螺合する雌ねじが内周面に設けられている取付穴が設けられ、
前記継ぎ手と前記弁座固定部材との間には、前記継ぎ手と前記弁座固定部材との間の気密性を保つシール部材が圧縮された状態で設けられ、
前記シール部材の外周縁は、前記雌ねじと前記雄ねじとの螺合部分よりも径方向内側に位置しており、
前記継ぎ手の前記弁座固定部材と対向する先端部には、前記シール部材を収容するシール部材収容部が設けられ、
前記継ぎ手の内部には、絞り弁機構が収容される絞り弁機構収容孔であって、前記連通孔の軸線上に設けられる絞り弁機構収容孔が設けられており、
前記絞り弁機構は、前記連通孔と連通する連通路が設けられている円柱状の流路形成部材であって、前記絞り弁機構収容孔の内周面との間に隙間をもって収容されることにより前記連通路と連通するガス流路を形成する流路形成部材を含み、
前記連通路と前記隙間との間で異物を回収する円筒状のフィルタ部が前記流路形成部材を包囲するように設けられ、
前記フィルタ部は、円筒状のフィルタと、前記フィルタの両端部を挟みこむかたちで配置されることにより前記フィルタの両端部との間から前記連通路への異物の進入を抑制する円環状のガスケットと、前記ガスケットを前記フィルタの両端部との間で圧縮させた状態で前記流路形成部材に嵌合されている円環状の固定部材とを有し、
前記固定部材と前記シール部材とは、前記連通孔の軸方向における対向面同士が当接している
弁装置。
【請求項2】
記弁座固定部材における前記先端部が対向する端面に前記先端部が当接した状態で前記シール部材が前記継ぎ手と前記弁座固定部材との間で圧縮されている
請求項1に記載の弁装置。
【請求項3】
記先端部は円筒状をなし、
前記先端部における外周には、前記弁座固定部材に向かうにつれて徐々に前記先端部の外径が小さくなるテーパ面が設けられている
請求項1または請求項2に記載の弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料電池車等に搭載されるガスタンクには、ガスタンク内部に貯留された高圧の水素ガスの流動を制御するための弁装置が設けられている(特許文献1参照)。
図7に示すように、上記の弁装置100は、ガスタンクの内外を連通するガスの流路が設けられたボディ101と、ガスの流路に流動する水素ガスの流通を制御する逆止弁102とを備えている。ガスの流路には、ボディ101に取り付けられる継ぎ手103を介して水素ガスの供給元等の外部機器から延びる配管104が接続されるようになっている。
【0003】
ボディ101には、継ぎ手103が取り付けられる第1取付穴105と、第1取付穴105の底面に開口する第2取付穴106と、第2取付穴106の底面に開口する拡径部109と、拡径部109の底面に開口する弁収容部110と、弁収容部110の底面に開口するガス流路としての充填路108が設けられている。第2取付穴106の内周面には、雌ねじ107が設けられている。
【0004】
拡径部109及び弁収容部110には、充填路108から水素ガスが継ぎ手側へ逆流することを抑制する逆止弁102が設けられている。逆止弁102は、中央に弁孔112が設けられ拡径部109に収容される弁座111と、弁座111に接離することにより弁孔112を開閉するとともに弁収容部110に収容される弁体113と、弁体113を弁座111に向けて付勢する付勢部材114とを備えている。第2取付穴106には、第2取付穴106の雌ねじ107に螺合される雄ねじ116及び弁座111の弁孔112に連通する連通孔122を有する弁座固定部材115が螺合されている。弁座固定部材115は、弁座111を拡径部109と弁収容部110との段差部118に向けて押圧することで、同弁座111を段差部118に密着させる。そのため、ボディ101と弁座固定部材115との間の気密性が保たれている。継ぎ手103の先端部119と、第1取付穴105と第2取付穴106との段差部120との間には、シール部材121が圧縮された状態で設けられる。そのため、シール部材121が継ぎ手103とボディ101とにそれぞれ密着し、継ぎ手103とボディ101との間の気密性が保たれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-031348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シール部材121は、前記のとおり継ぎ手103とボディ101との間の気密性を保つために設けられており、継ぎ手103と弁座固定部材115との間の気密性を保つようには構成されていない。すなわち、シール部材121と弁座固定部材115との間は実質的に隙間のある状態とされる。
【0007】
そのため、上記の弁装置100では、外部機器の配管104及び継ぎ手103を通じて充填路108に高圧の水素ガスが供給されるとき、シール部材121と弁座固定部材115との間から弁座固定部材115の雄ねじ116と第2取付穴106の雌ねじ107との螺合部分117に高圧の水素ガスが進入し、螺合部分117に高圧の水素ガスが溜まることがある。そのため、弁座固定部材115の雄ねじ116と第2取付穴106の雌ねじ107とに応力が生じる。
【0008】
また、外部機器の配管104からの水素ガスの供給を停止させると、継ぎ手103の内部の圧力が螺合部分117の圧力よりも小さくなることがある。そのため、螺合部分117に溜まった高圧の水素ガスがシール部材121と弁座固定部材115との間から継ぎ手103の内部に戻される。さらに、外部機器の配管104及び継ぎ手103を通じて充填路108に高圧の水素ガスが再び供給されるとき、上記のメカニズムにより螺合部分117に高圧の水素ガスが再び溜まり、弁座固定部材115の雄ねじ116と第2取付穴106の雌ねじ107とに再び応力が生じる。すなわち、螺合部分117に応力が繰り返し生じる。このため、螺合部分117及びその周辺箇所の疲労強度に影響するおそれがあった。
【0009】
本発明の目的は、装置内を流動するガスが装置の強度に影響することを抑制可能なシール構造を備えた弁装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する弁装置は、高圧のガスが貯留されるガスタンクの内外を連通するガス流路を有するボディと、前記ボディに取り付けられるとともに前記ガス流路に配管を接続するための継ぎ手と、前記ガスタンクの内部のガスが前記ガス流路から前記継ぎ手に向けて逆流することを抑制する逆止弁であって、弁孔を有する弁座と、前記弁孔を開閉する弁体とを備える逆止弁と、前記弁座を前記ボディに固定するとともに前記弁孔に連通する連通孔を有する弁座固定部材であって、外周面に雄ねじが設けられている弁座固定部材とを備えることを前提としている。前記ボディには、前記ボディの外部側から前記継ぎ手、前記弁座固定部材の順に前記継ぎ手及び前記弁座固定部材が取り付けられる取付穴であって、前記弁座固定部材の前記雄ねじと螺合する雌ねじが内周面に設けられている取付穴が設けられ、前記継ぎ手と前記弁座固定部材との間には、前記継ぎ手と前記弁座固定部材との間の気密性を保つシール部材が圧縮された状態で設けられ、前記シール部材の外周縁は、前記雌ねじと前記雄ねじとの螺合部分よりも径方向内側に位置している。
【0011】
この構成によれば、シール部材の継ぎ手と弁座固定部材とにより圧縮される部位は、雌ねじと雄ねじとの螺合部分よりも径方向内側(弁座固定部材の連通孔の内周面側)に位置する。そのため、継ぎ手からガス流路に向けてガスが供給される場合、供給されるガスは、雌ねじと雄ねじとの螺合部分に到達する前に継ぎ手と弁座固定部材との間で圧縮されるシール部材により遮断される。したがって、弁座固定部材とボディとの螺合部分にガスが到達することを抑制できる。これにより、前記螺合部分に応力が生じること、ひいては、この応力が装置の強度に影響することを抑制できる。
【0012】
上記構成において、前記継ぎ手の前記弁座固定部材と対向する先端部には、前記シール部材を収容するシール部材収容部が設けられ、前記弁座固定部材における前記先端部が対向する端面に前記先端部が当接した状態で前記シール部材が前記継ぎ手と前記弁座固定部材との間で圧縮されていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、シール部材を継ぎ手のシール部材収容部に収容した状態で継ぎ手をボディの取付穴に取り付けることができるため、継ぎ手と弁座固定部材との間でのシール部材の位置決めを実施でき、シール部材の組み付け性が向上する。
【0014】
また、シール部材をシール部材収容部に収容した状態で継ぎ手をボディの取付穴に取り付けた場合、継ぎ手の先端部が弁座固定部材の端面に当接していない状態であれば、圧縮されたシール部材が継ぎ手の先端部と弁座固定部材の端面との間に入り込むことがある。ひいては、シール部材のシール機能が低下してしまう。その点、この構成によれば、継ぎ手の先端部と弁座固定部材の端面との間にシール部材が入り込むことを抑制できる。そのため、継ぎ手と弁座固定部材との間において、シール部材が気密性を保つ能力を維持できる。
【0015】
また、継ぎ手の先端部と弁座固定部材の端面との間でも雌ねじと雄ねじとの螺合部分にガスが到達することをより効果的に抑制できる。
ここで、弁装置の外部から継ぎ手に対して衝撃が加わることを想定する。この場合、衝撃が加わる方向によっては、継ぎ手の軸線に対して傾くことにより継ぎ手が取付穴から離脱することがある。継ぎ手の先端部の外周縁にテーパ面が設けられていない構成が基本であるが、この構成が採用されると、継ぎ手の先端部における外周縁の一部分は、取付穴の内周面に食い込むかたちで引っ掛かる。そのため、継ぎ手の先端部における取付穴の内周面に引っ掛かった部分を支点として継ぎ手が回転するようにボディの取付穴から離脱しようとする。ひいては、継ぎ手の先端部から弁座固定部材における継ぎ手の軸線から偏った位置に対して荷重が付与され、雌ねじと雄ねじとの螺合部分に応力が生じる。
【0016】
そこで、前記継ぎ手の前記弁座固定部材と対向する先端部は円筒状をなし、前記先端部における外周には、前記弁座固定部材に向かうにつれて徐々に前記先端部の外径が小さくなるテーパ面が設けられていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、継ぎ手がその軸線に対して傾くようにボディの取付穴から離脱する場合、継ぎ手の先端部のテーパ面により継ぎ手の先端部がボディの取付穴の内周面に対する引っ掛かりが解消されやすくなる。ひいては、継ぎ手の先端部から弁座固定部材に対して荷重が付与されることも解消されやすくなる。そのため、継ぎ手の先端部にテーパ面が設けられていない構成と比較して、雌ねじと雄ねじとの螺合部分に生じる応力を抑制しつつ、継ぎ手を取付穴から離脱させることができる。
【0018】
上記構成において、前記継ぎ手の内部には、絞り弁機構が収容される絞り弁機構収容孔であって、前記連通孔の軸線上に設けられる絞り弁機構収容孔が設けられており、前記絞り弁機構は、前記連通孔と連通する連通路が設けられている円柱状の流路形成部材であって、前記絞り弁機構収容孔の内周面との間に隙間をもって収容されることにより前記連通路と連通するガス流路を形成する流路形成部材を含み、前記連通路と前記隙間との間で異物を回収する円筒状のフィルタ部が前記流路形成部材を包囲するように設けられ、前記フィルタ部は、円筒状のフィルタと、前記フィルタの両端部を挟みこむかたちで配置されることにより前記フィルタの両端部との間から前記連通路への異物の進入を抑制する円環状のガスケットと、前記ガスケットを前記フィルタの両端部との間で圧縮させた状態で前記流路形成部材に嵌合されている円環状の固定部材とを有し、前記固定部材は、前記シール部材に当接していることが好ましい。
【0019】
固定部材がシール部材に当接していない構成を採用する場合、絞り弁機構を介して継ぎ手の絞り弁機構収容孔の内周面と流路形成部材の外周面との間の隙間に高圧のガスが流動するとき、高圧のガスにより固定部材が弁座固定部材側に向けて位置がずれることがある。すなわち、フィルタの両端部に設けられたガスケットの圧縮が弱まり、フィルタの両端部とガスケットとの間から連通路に異物が進入する。ひいては、流路形成部材の連通路を介してボディのガス流路側に異物が進入し、弁体と弁座との間に異物が挟まり逆止弁の機能に影響を及ぼしてしまう。
【0020】
その点、この構成によれば、絞り弁機構を介して流動する高圧のガスにより固定部材が弁座固定部材側に位置がずれることが抑制できる。したがって、継ぎ手の内部のフィルタ部の機能を維持しつつ、逆止弁の機能を維持することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の弁装置によれば、弁座固定部材及びボディの螺合部分へのガスの流動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】弁装置の概略構成図。
図2】弁装置におけるボディと供給側継ぎ手との連結部分を示す断面図。
図3】弁装置の逆止弁周辺の断面図。
図4】弁装置の供給側継ぎ手の先端部周辺の断面図。
図5】弁装置の供給側継ぎ手に衝撃が加わったときの供給側継ぎ手の変位を示した概略図。
図6】弁装置の変形例におけるボディと供給側継ぎ手との連結部分を示す断面図。
図7】従来のボディと継ぎ手との連結部分を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、弁装置の一実施形態を説明する。
図1に示すように、弁装置1は、高圧(例えば、70MPa)の水素ガスが貯留されたガスタンク2の取付口3に取り付けられる。弁装置1は、アルミ合金製のボディ4と、ボディ4に取り付けられるとともに水素ガスの供給元から延びる供給配管5を接続するための供給側継ぎ手6と、燃料電池等の送出先へ延びる送出配管7を接続するための送出側継ぎ手8とを備えている。ボディ4は、ガスタンク2の外部に配置される箱状の本体部11、及び取付口3に挿入される取付部12を有している。取付部12は、本体部11の底面11aに対して直交する方向(図1中、下側)に延びている。取付部12の形状は、円柱状である。
【0024】
本体部11には、供給配管5から流入する水素ガスをガスタンク2内に充填するための充填路13、及び送出配管7を介して水素ガスを燃料電池等の送出先に送出するための送出路14が設けられている。取付部12には、充填路13及び送出路14のそれぞれに接続されるとともにガスタンク2内に開口する接続路15が設けられている。本実施形態では、充填路13及び接続路15によってガスタンク2の内外を連通するガス流路が構成されている。充填路13と供給側継ぎ手6との間には、ガスタンク2内に充填された水素ガスがガス流路から供給側継ぎ手6に向けて逆流することを抑制する逆止弁16が設けられている。送出路14には、送出先への水素ガスの供給を制御する電磁弁17が設けられている。そして、弁装置1では、供給側継ぎ手6に供給配管5が連結されることで充填路13及び接続路15に供給配管5が接続され、送出側継ぎ手8に送出配管7が連結されることで送出路14に送出配管7が接続されるようになっている。なお、供給側継ぎ手6は、ガス流路に供給配管5を接続するための継ぎ手の一例である。
【0025】
次に、ボディ4と供給側継ぎ手6との連結部分近傍の構成について説明する。
図2に示すように、本体部11には、取付穴21が設けられている。取付穴21は、本体部11の側面11bに直交する方向に延びている。取付穴21は、側面11bに開口する第1取付穴22と、第1取付穴22の底面に開口する第2取付穴23とを有している。すなわち、第1取付穴22及び第2取付穴23は、ボディ4の外部側からこの順に設けられている。第1取付穴22と第2取付穴23とは、同軸上に設けられている。第1取付穴22の内周面のうち側面11bの開口部側には、雌ねじ22aが設けられている。第2取付穴23の内周面には、雌ねじ23aが設けられている。第2取付穴23には、円筒状の弁座固定部材30が取り付けられている。弁座固定部材30の外周面には、雄ねじ30aが設けられている。弁座固定部材30の雄ねじ30aは、第2取付穴23の雌ねじ23aに螺合されている。また、弁座固定部材30の中央部には、厚さ方向に貫通する連通孔30bが設けられている。連通孔30bは、取付穴21と同軸上に設けられている。また、本体部11には、第2取付穴23の底面に開口するとともに充填路13に連通する逆止弁収容穴24が設けられている。逆止弁収容穴24は、取付穴21と同軸上に設けられている。逆止弁収容穴24には、逆止弁16が収容されている。
【0026】
供給側継ぎ手6は、工具等により把持される筒状の把持部41と、把持部41からボディ4側に延出された円筒状の先端部42と、把持部41から反ボディ側(図2中の右側)
へ延出された配管側連結部43とを有している。把持部41、先端部42及び配管側連結部43は、同軸上に設けられている。先端部42は、ボディ4の第1取付穴22に取り付けられ、弁座固定部材30と対向している。先端部42の外周面における把持部41側には、雄ねじ42aが設けられている。先端部42の雄ねじ42aは、第1取付穴22の雌ねじ22aに螺合されている。先端部42における雄ねじ42aを基準とした把持部41と反対側の外周には、テーパ面42bが設けられている。テーパ面42bは、弁座固定部材30に向かうにつれて徐々に先端部42の外径が小さくなるように設けられている。なお、第1取付穴22の雌ねじ22a及び先端部42の雄ねじ42aにおける供給側継ぎ手6の軸線に沿った長さは、所定の衝撃荷重が供給側継ぎ手6に作用したときに供給側継ぎ手6が第1取付穴22から離脱しやすくなるように可能な限り最小の長さに設定されている。
【0027】
先端部42及び把持部41の内部には、弁座固定部材30の連通孔30bの軸線上に設けられる絞り弁機構収容孔44が設けられている。配管側連結部43の内部には、絞り弁機構収容孔44と同軸上に設けられる供給路45が設けられている。絞り弁機構収容孔44及び供給路45は互いに連通している。供給路45の内径は、絞り弁機構収容孔44の内径よりも小さい。絞り弁機構収容孔44には、絞り弁機構50が収容されている。
【0028】
次に、逆止弁16周辺の構成について説明する。
図3に示すように、本体部11の逆止弁収容穴24は、第2取付穴23の底面に開口する拡径部24aと、拡径部24aの底面に開口し、底面に充填路13に連通する弁収容部24bとを有している。
【0029】
逆止弁16は、拡径部24aに収容される弁座61と、弁収容部24bに収容される弁体62と、弁体62を弁座61側へ付勢するコイルばね63とを備えている。弁座61は、弁座固定部材30の連通孔30bに連通する弁孔61aを有している。弁座61は、弁座固定部材30が第2取付穴23に螺合されることにより、拡径部24aと弁収容部24bとの段差面25に押し付けられる。そのため、弁座61は、弁座固定部材30によりボディ4に対して固定される。また、弁座61は、弁座固定部材30により段差面25に押し付けられることにより、ボディ4と弁座固定部材30との間の気密性を保っている。弁体62には、閉塞部64と、小径筒部65と、大径筒部66と、支持部67とが弁座61側からこの順に設けられている。閉塞部64の形状は、小径筒部65から離れるにつれて先細となるテーパ状である。小径筒部65、大径筒部66、及び支持部67の形状は、それぞれ円筒状である。閉塞部64の先端は、弁孔61aを開閉する。つまり、弁体62が弁座61に対して接離することで、ガス流路、すなわち充填路13が開閉される。小径筒部65には、その内外に貫通した複数の横孔68が設けられている。大径筒部66の外周面は、弁収容部24bの内周面に摺接する。支持部67の外径は、大径筒部66の外径よりも若干小さい。コイルばね63は、弁座61側の一端部が弁体62の大径筒部66と支持部67との段差部に当接し、充填路13側の他端部が弁収容部24bの底面に当接している。コイルばね63は、弁体62を弁座61へ向けて付勢している。コイルばね63の付勢力により弁体62の閉塞部64は、弁座61の弁孔61aを閉塞している。
【0030】
次に、供給側継ぎ手6の先端部42周辺の構成について説明する。
図4に示すように、先端部42の内部には、絞り弁機構収容孔44に連続して有底円筒状のシール部材収容部42cが設けられている。シール部材収容部42cの内径は、絞り弁機構収容孔44の内径よりも大きく、弁座固定部材30の外径よりも小さい。シール部材収容部42cの内部には、円環状のシール部材70が収容されている。シール部材70の厚さは、シール部材収容部42cの深さ(軸方向長さ)よりも若干大きく設定されている。シール部材70は、弁座固定部材30の先端部42と対向する端面30cと、先端部42のシール部材収容部42cの底面42dとの間で圧縮されることで、供給側継ぎ手6と弁座固定部材30との間の気密性を保っている。より詳しくは、シール部材70の外周縁は、第2取付穴23の雌ねじ23aと弁座固定部材30の雄ねじ30aとの螺合部分よりも弁座固定部材30の連通孔30bの内周面側に位置している。そのため、シール部材70の圧縮される部分は、前記螺合部分よりも径方向内側(連通孔30bの内周面側)に位置している。ここで、供給側継ぎ手6の先端部42の前進端は、弁座固定部材30の端面30cにより規定される。すなわち、先端部42は、第1取付穴22に螺合されたとき、弁座固定部材30の端面30cに当接している。そのため、先端部42が弁座固定部材30の端面30cに当接するまで第1取付穴22に螺合された状態でシール部材70が供給側継ぎ手6と弁座固定部材30との間で圧縮される。なお、前進端とは、先端部42が第1取付穴22に螺合された場合に先端部42がそれ以上第1取付穴22の底面側に進入できなくなったときの先端部42の弁座固定部材30と対向する端部の位置を示している。
【0031】
絞り弁機構50は、絞り弁51と、絞り弁51を絞り弁機構収容孔44の内部で支持する円柱状の流路形成部材52とを有している。
流路形成部材52には、弁室形成部53と、柱状部54と、管状部55と、嵌合部56とが配管側連結部43側からこの順に設けられている。弁室形成部53の形状は、円筒状である。弁室形成部53は、絞り弁機構収容孔44に内嵌される。柱状部54の形状は、円柱状である。柱状部54の外径は、弁室形成部53の外径よりも小さい。また、柱状部54には、絞り弁機構収容孔44の軸線に直交する径方向に貫通するとともに弁室形成部53内に開口した流路57が形成されている。管状部55の形状は、円筒状である。管状部55の外径は、柱状部54の外径よりも小さい。また、管状部55には、その内外に貫通した複数の連通路58が設けられている。連通路58は、弁座固定部材30の連通孔30bと連通している。嵌合部56の形状は、円筒状である。嵌合部56の外径は、管状部55の外径よりも若干小さい。なお、柱状部54及び管状部55の外周面と絞り弁機構収容孔44の内周面との間には、隙間59が形成される。隙間59は、連通路58と連通している。そのため、隙間59は、ガス流路として機能する。
【0032】
絞り弁51は、絞り弁機構収容孔44と供給路45との境界部分である弁座81に対して接離する弁体82と、弁体82を弁座81側に付勢するコイルばね83とを備えている。弁体82には、弁部84と、筒状部85と、収容筒部86とが弁座81側からこの順に設けられている。弁部84の形状は、筒状部85から離れるにつれて先細となるテーパ状である。そして、弁部84には、その先端部中央及び筒状部85内に開口する微小な微細孔87が設けられている。筒状部85の形状は、円筒状である。また、筒状部85には、その内外に貫通した複数の横孔88が設けられている。収容筒部86の形状は、円筒状である。収容筒部86の外周面は、弁室形成部53の内周面に摺接する。収容筒部86の内径は、筒状部85の外径よりも大きい。
【0033】
コイルばね83は、弁座81側の一端部が弁体82の収容筒部86の底部に当接し、弁室形成部53の底部側の他端部が弁室形成部53の底面に当接している。コイルばね83は、弁体82を弁座81へ向けて付勢している。コイルばね83の付勢力により弁体82の弁部84は、供給路45を閉塞している。
【0034】
また、流路形成部材52の管状部55を包囲するように、フィルタ部90が設けられている。フィルタ部90は、隙間59から連通路58へ流動する水素ガスに含まれる異物を回収する機能を有している。
【0035】
フィルタ部90は、円筒状のフィルタ91と、フィルタ91の両端部を挟みこむかたちで配置される円環状のガスケット92と、ガスケット92をフィルタ91の両端部で圧縮させる円環状の固定部材93とを備えている。フィルタ91は、流路形成部材52の軸線に直交する径方向において連通路58と隙間59とに対応する位置に設けられている。ガスケット92の1つは、フィルタ91の一端部と、柱状部54及び管状部55との段差部との間に設けられている。ガスケット92のもう1つは、フィルタ91の他端部と固定部材93との間に設けられている。固定部材93には、流路形成部材52の軸線に沿ってガスケット92を圧縮させた状態で嵌合部56が嵌合されている。そのため、フィルタ91とガスケット92とは互いに密着した状態となり、フィルタ91とガスケット92との間から管状部55に異物が進入することを抑制している。また、固定部材93は、シール部材70に当接している。
【0036】
次に、弁装置1の動作について説明する。
ガスタンク2に水素ガスを充填する場合には、供給側継ぎ手6に供給配管5が接続され、水素ガスが送り込まれる。このとき、絞り弁51の弁体82は、水素ガスの圧力により、コイルばね83の付勢力に抗してボディ4側に移動し、弁座81から離座する。これにより、大量の水素ガスが供給路45を介して流路形成部材52の弁室形成部53内に流入する。弁室形成部53内に流入した水素ガスは、弁体82に形成された横孔88、流路形成部材52の柱状部54に形成された流路57、隙間59、フィルタ91、管状部55の連通路58、弁座固定部材30の連通孔30bを介して逆止弁収容穴24側に流入する。そして、逆止弁16の弁体62は、水素ガスの圧力により、コイルばね63の付勢力に抗して充填路13側に移動し、弁座61から離座する。これにより、水素ガスが弁収容部24b内に流入し、弁体62の横孔68から弁体62内を通って、ガスタンク2内に水素ガスが充填される。
【0037】
一方、ガスタンク2に水素ガスを充填しない場合には、弁体62がガスタンク2(充填路13)内の水素ガスの圧力及びコイルばね63の付勢力により弁座61側に付勢されて弁座61に着座する。これにより、弁座61の弁孔61aが閉塞し、ガスタンク2の内部の水素ガスが供給側継ぎ手6側に逆流することが抑制される。また、弁体82は、コイルばね83の付勢力により弁座81に着座する。なお、弁体82には微細孔87が形成されている。そのため、弁体82が着座した状態でも、水素ガスの流通が完全には遮断されず、絞り弁機構収容孔44から供給路45への微量の水素ガスの流通を可能とする過流防止弁として機能する。そのため、例えば弁体62が損傷等した場合には、微量の水素ガスが絞り弁51を介してボディ4の外部に放出されることで、作業者が弁装置1(逆止弁16)の異常を検知できる。
【0038】
本実施形態の作用及び効果を説明する。
(1)シール部材70の供給側継ぎ手6と弁座固定部材30とにより圧縮される部位は、第2取付穴23の雌ねじ23aと弁座固定部材30の雄ねじ30aとの螺合部分よりも径方向内側、すなわち弁座固定部材30の連通孔30bの内周面側に位置する。そのため、供給側継ぎ手6から充填路13及び接続路15に向けて水素ガスが供給される場合、供給される水素ガスは、雌ねじ23aと雄ねじ30aとの螺合部分に到達する前に供給側継ぎ手6と弁座固定部材30との間で圧縮されるシール部材70により遮断される。したがって、弁座固定部材30とボディ4との螺合部分に水素ガスが到達することを抑制できる。これにより、弁座固定部材30とボディ4との螺合部分に応力が生じること、ひいては、この応力が弁装置1の強度に影響することを抑制できる。
【0039】
(2)また、図7に示す従来の構成であれば、弁座固定部材115の雄ねじ116と第2取付穴106の雌ねじ107との螺合部分117に溜まった高圧の水素ガスがシール部材121と弁座固定部材115との間から継ぎ手103の内部に戻されるときにガス抜け音がすることがある。その点、本実施形態によれば、水素ガスが雌ねじ23aと雄ねじ30aとの螺合部分に到達する前に供給側継ぎ手6と弁座固定部材30との間で圧縮されるシール部材70により遮断されるためガス抜け音が抑制することができる。
【0040】
(3)シール部材70を供給側継ぎ手6のシール部材収容部42cに収容した状態で供給側継ぎ手6をボディ4の第1取付穴22に取り付けることができる。そのため、供給側継ぎ手6と弁座固定部材30との間でのシール部材70の位置決めを実施でき、シール部材70の組み付け性が向上する。
【0041】
(4)また、シール部材70をシール部材収容部42cに収容した状態で供給側継ぎ手6をボディ4の第1取付穴22に取り付けた場合、供給側継ぎ手6の先端部42が弁座固定部材30の端面30cに当接していない状態であれば、圧縮されたシール部材70が供給側継ぎ手6の先端部42と弁座固定部材30の端面30cとの間に入り込むことがある。ひいては、シール部材70のシール機能が低下してしまう。その点、供給側継ぎ手6の先端部42と弁座固定部材30の端面30cとが当接している。そのため、供給側継ぎ手6の先端部42と弁座固定部材30の端面30cとの間にシール部材70が入り込むことを抑制できる。したがって、供給側継ぎ手6と弁座固定部材30との間において、シール部材70が気密性を保つ能力を維持できる。
【0042】
(5)また、供給側継ぎ手6の先端部42と弁座固定部材30の端面30cとの間でも第2取付穴23の雌ねじ23aと弁座固定部材30の雄ねじ30aとの螺合部分に水素ガスが到達することをより効果的に抑制できる。
【0043】
(6)弁装置1の外部から供給側継ぎ手6に対して衝撃が加わることを想定する。この場合、衝撃が加わる方向によっては、供給側継ぎ手6の軸線に対して傾くことにより供給側継ぎ手6が第1取付穴22から離脱することがある。供給側継ぎ手6の先端部42の外周にテーパ面42bが設けられていない構成が基本であるが、この構成が採用されると、供給側継ぎ手6の先端部42における外周の一部分は、第1取付穴22の内周面に食い込むかたちで引っ掛かる。そのため、供給側継ぎ手6の先端部42における第1取付穴22の内周面に引っ掛かった部分を支点として供給側継ぎ手6が回転するように第1取付穴22から離脱しようとする。ひいては、供給側継ぎ手6の先端部42から弁座固定部材30の端面30cにおける供給側継ぎ手6の軸線から偏った位置に対して荷重が付与され、第2取付穴23の雌ねじ23aと弁座固定部材30の雄ねじ30aとの螺合部分に応力が生じる。
【0044】
その点、図5に示すように、供給側継ぎ手6がその軸線に対して傾くようにボディ4の第1取付穴22から離脱する場合、供給側継ぎ手6の先端部42のテーパ面42bにより供給側継ぎ手6の先端部42が第1取付穴22の内周面に対する引っ掛かりが解消されやすくなる。ひいては、供給側継ぎ手6の先端部42から弁座固定部材30の端面30cに対して荷重が付与されることも解消されやすくなる。そのため、供給側継ぎ手6の先端部42にテーパ面42bが設けられていない構成と比較して、第2取付穴23の雌ねじ23aと弁座固定部材30の雄ねじ30aとの螺合部分に生じる応力を抑制しつつ、供給側継ぎ手6を第1取付穴22から離脱させることができる。なお、説明の便宜上、図5には第1取付穴22と供給側継ぎ手6の先端部42の位置関係のみを記載している。
【0045】
(7)固定部材93がシール部材70に当接していない構成を採用する場合、絞り弁機構50を介して供給側継ぎ手6の絞り弁機構収容孔44の内周面と流路形成部材52の外周面との間の隙間59に高圧の水素ガスが流動するとき、高圧の水素ガスにより固定部材93が弁座固定部材30側に向けて位置がずれることがある。すなわち、フィルタ91の両端部に設けられたガスケット92の圧縮が弱まり、フィルタ91の両端部とガスケット92との間から連通路58に異物が進入する。ひいては、流路形成部材52の連通路58を介してボディ4の充填路13側に異物が進入し、弁体62と弁座61との間に異物が挟まり逆止弁16の機能に影響を及ぼしてしまう。
【0046】
その点、固定部材93は、シール部材70に当接している。そのため、絞り弁機構50を介して流動する高圧の水素ガスにより固定部材93が弁座固定部材30側に位置がずれることが抑制できる。したがって、供給側継ぎ手6の内部のフィルタ部90の機能を維持しつつ、逆止弁16の機能を維持することができる。
【0047】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態において、フィルタ部90のフィルタ91は、絞り弁機構収容孔44の軸線に直交する径方向において連通路58及び隙間59に対応する位置に設けられていたが、これに限らない。
【0048】
例えば、図6に示すように、流路形成部材52の柱状部54を割愛し、弁室形成部53と管状部55を連結するように変更する。管状部55に弁室形成部53の内部に連通する流路57を設けるように変更する。絞り弁機構収容孔44の軸線に直交する径方向において、フィルタ91を連通路58及び流路57の径方向に貫通している部分に対応する位置に設けるように変更する。
【0049】
・本実施形態において、フィルタ部90を割愛してもよい。同様に、絞り弁機構50を割愛してもよい。
・本実施形態において、供給側継ぎ手6の先端部42にテーパ面42bを設けていたが、テーパ面42bを割愛した単なる寸胴状をなす先端部としてもよい。
【0050】
・また、先端部42のテーパ面42bを以下のように変更してもよい。
図6に示すように、先端部42のテーパ面42bに代替して円環状の円弧面42eを採用してもよい。円弧面42eは、弁座固定部材30に向かうにつれて徐々に先端部42の外径が小さくなるように設けられている。円弧面42eは、弁座固定部材30に向かうにつれて滑らかな曲面形状となるように設けられている。
【0051】
また、テーパ面42b及び円弧面42eに限らず、先端部42の形状が段付き円筒状となるように変更する等、供給側継ぎ手6が第1取付穴22から離脱するときに、先端部42の外周が第1取付穴22の内周面に対して引っ掛かり難くなるように適宜変更してもよい。
【0052】
・本実施形態において、先端部42の弁座固定部材30と対向する部分と弁座固定部材30の端面30cとが当接していたが、隙間をあけてもよい。この場合、弁座固定部材30の端面30cと、シール部材収容部42cの底面42dとの間でシール部材70が圧縮されていればよい。
【0053】
・また、シール部材収容部42cを割愛してもよい。この場合、先端部42の弁座固定部材30と対向する端部と、弁座固定部材30の端面30cとの間にシール部材70を設けてもよい。
【0054】
・本実施形態において、第1取付穴22の内径は、第2取付穴23の内径よりも大きいが、例えば第1取付穴22の内径と第2取付穴23の内径を同じにしてもよい。このとき、取付穴21の内周面における弁座固定部材30の雄ねじ30aに対応する位置に雌ねじを設けるようにする。
【0055】
・また、第1取付穴22の雌ねじ22a及び供給側継ぎ手6の先端部42の雄ねじ42aを割愛してもよい。この場合、先端部42を第1取付穴22の内部に圧入嵌合させる。
・本実施形態において、コイルばね63,83を用いたが、これに限らず、例えば皿ばねや弾性体等を用いてもよい。また、水素ガスの圧力により弁体62を弁座61側に付勢することが可能な場合、及び水素ガスの圧力により弁体82を弁座81側に付勢することが可能な場合には、コイルばね63,83、皿ばね及び弾性体を設けなくともよい。
【0056】
・本実施形態において、弁装置1を水素ガスが貯留されるガスタンク2に取り付けたが、これに限らず、水素ガス以外のガスが貯留されるガスタンクに取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1…弁装置、2…ガスタンク、4…ボディ、5…供給配管、6…供給側継ぎ手、13…充填路、14…接続路、16…逆止弁、21…取付穴、22…第1取付穴22…第2取付穴、23a…雌ねじ、30…弁座固定部材、30a…雄ねじ、30b…連通孔、30c…端部、61…弁座、61a…弁孔、62…弁体、42…先端部、42b…テーパ面、42c…シール部材収容部、44…絞り弁機構収容孔、50…絞り弁機構、52…流路形成部材、58…連通路、59…隙間、70…シール部材、90…フィルタ部、91…フィルタ、92…ガスケット、93…固定部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7