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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】電気モジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/20 20060101AFI20220607BHJP
【FI】
H01G9/20 203B
H01G9/20 205
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018166269
(22)【出願日】2018-09-05
(65)【公開番号】P2020038942
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】井川 博之
(72)【発明者】
【氏名】馬場 英輔
(72)【発明者】
【氏名】梶間 幹弘
【審査官】冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/140196(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に導電層を有し、互いに対向する2つの電極、前記2つの電極の間に位置する電荷移動体、前記2つの電極の間に位置して前記電荷移動体を封止する封止材、及び前記2つの電極を融着した融着部を有する電気モジュールであって、
前記電荷移動体は、前記2つの電極と、前記封止材の2つと、前記融着部の2つとで囲まれた領域Sに存在し、
前記封止材は、前記支持体の表面に平行な面内の第1の方向に延び、
前記融着部は、前記第1の方向と交わる方向に延び、
前記第1の方向において複数の前記領域Sが前記融着部を挟んで隣り合っており、
前記第1の方向に垂直な第2の方向における両端部は、前記2つの電極のいずれか一方の前記導電層が露出している露出部であり、
前記融着部の最小厚みが、前記露出部の最大厚み以上であり、
前記露出部の前記導電層が、前記融着部を挟んで隣り合う前記複数の前記領域Sを電気的に接続している無配線導通部が存在することを特徴とする電気モジュール。
【請求項2】
前記露出部において、前記2つの電極のいずれか一方の前記支持体が、前記領域S及び前記融着部から外方に延在しており、該支持体上に前記導電層が位置している、請求項1に記載の電気モジュール。
【請求項3】
前記電気モジュールが色素増感太陽電池であり、前記2つの電極の一方が、光電極支持体と、前記光電極支持体上に位置する光電極導電層と、前記光電極導電層上に位置する無機半導体層を有し、前記無機半導体層が増感色素を担持している光電極であり、他方が、対向電極支持体と、前記対向電極支持体上に位置する対向電極導電層を有する対向電極である、請求項1又は2に記載の電気モジュール。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の電気モジュールを製造する、電気モジュールの製造方法であって、
前記2つの電極の一方に、前記電荷移動体及び前記封止材を設け、
前記2つの電極を、前記第2の方向の両端部において、前記2つの電極のいずれか一方の前記導電層が露出するように貼り合わせて前記露出部を形成し、前記融着部の最小厚みが、前記露出部の最大厚み以上となるように前記融着部を形成する、電気モジュールの製造方法。
【請求項5】
超音波振動を付与する超音波付与部と、前記超音波付与部に対向する台座を備える融着部形成装置を用いて前記融着部を形成し、
前記第2の方向において、前記超音波付与部および前記台座の長さが、前記電気モジュールの長さ以上である、請求項4に記載の電気モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気モジュールおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クリーンな発電源として、光エネルギーを直接かつ即時に電力に変換することができ、二酸化炭素等の汚染物質を排出しない電気モジュールとして太陽電池が注目されている。
【0003】
最近では、色素増感太陽電池をはじめとする太陽電池の実用化に向けて、ロール・ツー・ロール方式(以下、RtoR方式と記載する)を導入した連続生産が検討されている。
RtoR方式を導入した色素増感太陽電池の製造方法は、例えば、光電極支持体の面に光電極導電層を設け、光電極導電層の面の所定の領域に、増感色素を担持した無機半導体層と封止材と電荷移動体をそれぞれ設けて、光電極を作製する。これとは別に、対向電極支持体の面に対向電極導電層を設け、対向電極導電層の面に触媒層を設けて対向電極を作製する。その後、無機半導体層と触媒層とが対向するように、光電極と対向電極とを貼り合わせて、色素増感太陽電池を作製する。色素増感太陽電池の光電極と対向電極は、光電極導電層と対向電極導電層とが封止材を介して接合している。
【0004】
例えば特許文献1には、対向する光電極及び対向電極の所定の部分に超音波振動を付与し、光電極支持体と対向電極支持体とを所定の位置で融着し、融着部を絶縁部として複数のセルに分割する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2014/030736号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら従来の方法では、融着部を挟んで存在するセルどうしを直列または並列に接続して所望の回路を形成するには配線作業が必要となる。
例えば、特許文献1に記載の方法では、RtoR方式で、幅方向に複数のセルが並んでいる太陽電池モジュールを連続的に製造し、長手方向を分離するように切断してサブモジュールとし、サブモジュールどうしを外部配線で接続している。そのため、配線作業が煩雑であり、製造コストが増大するという問題があった。
本発明は、融着部を挟んで存在するセルどうしの配線作業を簡略化できる電気モジュールおよびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]支持体上に導電層を有し、互いに対向する2つの電極、前記2つの電極の間に位置する電荷移動体、前記2つの電極の間に位置して前記電荷移動体を封止する封止材、及び前記2つの電極を融着した融着部を有する電気モジュールであって、
前記電荷移動体は、前記2つの電極と、前記封止材の2つと、前記融着部の2つとで囲まれた領域Sに存在し、
前記封止材は、前記支持体の表面に平行な面内の第1の方向に延び、
前記融着部は、前記第1の方向と交わる方向に延び、
前記第1の方向において複数の前記領域Sが前記融着部を挟んで隣り合っており、
前記第1の方向に垂直な第2の方向における両端部は、前記2つの電極のいずれか一方の前記導電層が露出している露出部であり、
前記融着部の最小厚みが、前記露出部の最大厚み以上であることを特徴とする電気モジュール。
[2]前記露出部において、前記2つの電極のいずれか一方の前記支持体が、前記領域S及び前記融着部から外方に延在しており、該支持体上に前記導電層が位置している、[1]の電気モジュール。
[3]前記電気モジュールが色素増感太陽電池であり、前記2つの電極の一方が、光電極支持体と、前記光電極支持体上に位置する光電極導電層と、前記光電極導電層上に位置する無機半導体層を有し、前記無機半導体層が増感色素を担持している光電極であり、他方が、対向電極支持体と、前記対向電極支持体上に位置する対向電極導電層を有する対向電極である、[1]又は[2]の電気モジュール。
[4]前記[1]~[3]のいずれかの電気モジュールを製造する、電気モジュールの製造方法であって、
前記2つの電極の一方に、前記電荷移動体及び前記封止材を設け、
前記2つの電極を、前記第2の方向の両端部において、前記2つの電極のいずれか一方の前記導電層が露出するように貼り合わせて前記露出部を形成し、前記融着部の最小厚みが、前記露出部の最大厚み以上となるように前記融着部を形成する、電気モジュールの製造方法。
[5]超音波振動を付与する超音波付与部と、前記超音波付与部に対向する台座を備える融着部形成装置を用いて前記融着部を形成し、
前記第2の方向において、前記超音波付与部および前記台座の長さが、前記電気モジュールの長さ以上である、[4]の電気モジュールの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る電気モジュールによれば、融着部を挟んで存在するセルどうしの配線作業を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る電気モジュールの平面図である。
図2図1に示す(ii)-(ii)断面図である。
図3図1に示す(iii)-(iii)断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電気モジュールの製造装置の概略図である。
図5図4に示す製造装置で用いられる融着部形成装置の断面図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る電気モジュールの平面図である。
図7図7(A)は図6に示す(a)-(a)断面図であり、図7(B)は図6に示す(b)-(b)断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明に係る電気モジュールの実施の形態について説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、便宜上、特徴となる部分を拡大して示しており、各構成要素の寸法比率等は、実際とは異なる場合がある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更できる。
【0011】
以下の説明においては、本発明に係る電気モジュールの一例として、RtoR方式を用いて製造されるフィルム型の色素増感太陽電池を挙げて説明する。ここで、本発明を適用した電気モジュールは、色素増感太陽電池に限定されず、支持体上に導電層を有する2枚の電極どうしを、封止材を介在させて貼り合わせたものであれば、色素増感太陽電池以外の電気モジュールも全て含むものである。
【0012】
<第1の実施形態>
[電気モジュール(色素増感太陽電池)の構成]
図1図3に示すように、本発明を適用した第1の実施形態の色素増感太陽電池(電気モジュール)1A、は、光電極10と、対向電極20と、電荷移動体30と、封止材40と、導通材50と、融着部60を有する。光電極10と対向電極20とは離間して対向している。
電荷移動体30は、光電極10と対向電極20の間に位置している。封止材40及び融着部60は、電荷移動体30を封止している。電荷移動体30は、光電極10、対向電極20、封止材40、及び融着部60で囲まれた領域Sに存在する。電荷移動体30は、光電極10及び対向電極20の双方に接している。
導通材50は、光電極10と対向電極20の間に位置している。電荷移動体30と導通材50の間に封止材40が位置している。導通材50は、光電極10及び対向電極20の双方に接している。
【0013】
光電極10は、光電極支持体12と光電極導電層14と無機半導体層16とを有する。色素増感太陽電池1Aを平面視した図1において、電荷移動体30を挟む2つの封止材40は互いに平行である。
光電極支持体12の表面に平行な面内において、封止材40が延びている方向をP1方向(第1の方向)、前記面内においてP1方向に垂直な方向をP2方向(第2の方向)とする。融着部60はP1方向と交わる方向に延びている。
1つの領域Sを囲む光電極10と、対向電極20と、2つの封止材40と、2つの融着部60と、該領域Sに存在する電荷移動体30は、1つのセルCを構成する。P2方向に並ぶ複数のセルCはセル列Rを構成する。セル列Rを構成する複数のセルCは電気的に接続している。
P1方向において、複数のセル列Rが融着部60を挟んで隣り合う。P1方向において、複数のセルCが融着部60を挟んで隣り合う。すなわちP1方向において、複数の前記領域Sが融着部60を挟んで隣り合う。
【0014】
光電極導電層14は、光電極支持体12上に位置している。無機半導体層16は、光電極導電層14上に位置している。即ち、光電極支持体12と光電極導電層14と無機半導体層16とは、この順で位置している。
無機半導体層16は、電荷移動体30に接している。無機半導体層16は、光電極導電層14の一部を覆っている。無機半導体層16の外方で、光電極導電層14の一部は、電荷移動体30と接している。無機半導体層16は増感色素を担持している。
なお、電荷移動体30が存在する領域において、無機半導体層16が光電極導電層14の全面を覆っていてもよい。
【0015】
光電極支持体12の材質は、RtoR方式を用いた連続生産に適用できる程度に柔軟性を有し、大面積フィルム状に形成可能な材質であれば、特に限定されない。
光電極支持体12の材質として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、又はポリイミド等の透明の樹脂材料が挙げられる。
【0016】
光電極導電層14は、光電極支持体12の対向電極20側の面の全体にわたって成膜されている。
光電極導電層14は、導電性を有すれば、特に制限されない。光電極導電層14は、従来公知の色素増感太陽電池用の導電層である。光電極10が光入射面を形成する場合、光電極導電層14は光透過性を有する。即ち、光電極導電層14としては、いわゆる透明導電層が好ましい。
光電極導電層14の材質として、例えば、金、白金、銀、銅、クロム、タングステン、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ニッケル、マンガン、亜鉛、鉄及びこれらの合金等の金属;フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物、CuI、インジウムスズ酸化物(ITO)、SnO、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)等の導電性透明無機材料;導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの素材は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
光電極導電層14の厚みは、光電極導電層14を構成する素材に応じて、適宜決定する。光電極導電層14が金属の場合、光電極導電層14の厚みは、10~50nmが好ましい。光電極導電層14が導電性透明無機材料又は導電性透明ポリマーの場合、光電極導電層14の厚みは、50nm~500μmが好ましい。
光電極導電層14の厚みは、光電極支持体12の面と直交する断面の画像における、任意の10点の測定値の平均値である。
【0017】
無機半導体層16は、増感色素を吸着可能な半導体材料であればよい。半導体材料は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム等の酸化物、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛、酸化第一銅、三酸化モリブデン、五酸価バナジウム、酸化タングステン等の酸化物、チオシアン酸銅(I)、ヨウ化銅、二硫化モリブデン、二セレン化モリブデン、硫化銅(I)等が挙げられる。
無機半導体層16は、稠密層でもよく多孔質層でもよい。色素増感太陽電池1Aの光電変換効率のさらなる向上の点から、無機半導体層16は、多孔質層が好ましい。
無機半導体層16の厚みは、500nm~100μmが好ましい。無機半導体層16の厚みは、光電極支持体12の面と直交する断面の画像における、任意の10点の測定値の平均値である。
【0018】
増感色素は、有機色素又は金属錯体色素から構成される。有機色素としては、例えば、クマリン系、ポリエン系、シアニン系、ヘミシアニン系、又はチオフェン系等の各種有機色素等が挙げられる。金属錯体色素としては、例えば、ルテニウム錯体等が挙げられる。
【0019】
対向電極20は、対向電極支持体22と、対向電極導電層24とを有する。対向電極導電層24は、対向電極支持体22上に位置している。
光電極10と対向電極20とは、無機半導体層16と対向電極導電層24とを向き合わせて、対向している。
【0020】
対向電極支持体22の材質は、光電極支持体12と同様に、RtoR方式を用いた連続生産に適用できる程度に柔軟性を有し、大面積フィルム状に形成可能な材質であれば、特に限定されない。対向電極支持体22の材質としては、例えば、光電極支持体12と同様の樹脂材料が挙げられる。
【0021】
対向電極導電層24の素材は、光電極導電層14の素材と同様に、金属、導電性透明無機材料、導電性透明ポリマー等である。対向電極導電層24と光電極導電層14とは、同じでもよいし、異なってもよい。対向電極20が光入射面を形成する場合、対向電極導電層24は、光透過性を有する。この場合、対向電極導電層24としては、いわゆる透明導電層が好ましい。
対向電極導電層24の好ましい厚みは、光電極導電層14の好ましい厚みと同様である。対向電極導電層24の厚みは、光電極導電層14の厚みと同じでもよいし、異なってもよい。
【0022】
対向電極導電層24上に触媒層26が位置してもよい。触媒層26は、対向電極導電層24の光電極10側の面に、互いに離間して複数設けられている。触媒層26は、電荷移動体30に接している。触媒層26の外方で、対向電極導電層24の一部は、電荷移動体30と接している。
触媒層26の材質としては、例えば、PEDOT、プラチナ、ITO、ポリアニリン、又はカーボン等が挙げられる。
触媒層26の厚みは、2nm~500μmが好ましい。触媒層26の厚みは、光電極支持体12の面と直交する断面の画像における、任意の10点の測定値の平均値である。
【0023】
電荷移動体30は、電解液、ゲル電解質又は固体電解質である。本実施形態の電荷移動体30は、無機半導体層16、光電極導電層14、触媒層26、及び対向電極導電層24に接している。電荷移動体30は、増感色素に電子を供給可能な酸化還元対を有する。
電解液は、分散媒(以下「電解液分散媒」ということがある)と、電解液分散媒に分散している酸化還元対とを有する。ゲル電解質及び固体電解質は電解液をゲル状又は固体にしたものである。ゲル電解質及び固体電解質の製造方法は、例えば、電解液にゲル化剤又は増粘剤を加え、ゲル状又は固体状にする。必要に応じて、ゲル状又は固体状の電荷移動体の溶剤を除去する。ゲル電解質の電荷移動体30は色素増感太陽電池1Aの耐久性を高めることができる。
【0024】
電解液分散媒は、非水系溶剤、イオン液体等である。非水系溶剤は、アセトニトリル、プロピオニトリル等である。イオン液体は、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム、ヨウ化ブチルメチルイミダゾリウム等である。
酸化還元対は、支持電解質とハロゲン分子との組み合わせである。
支持電解質は、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等のヨウ素塩等のヨウ化物;臭化ナトリウム、臭化カリウム等の金属臭化物、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド、イミダゾリウムブロマイド等の臭素塩等の臭素化合物である。
ハロゲン分子は、ヨウ素分子、臭素分子等である。
支持電解質とハロゲン分子との組み合わせとしては、ヨウ化物とヨウ素分子との組み合わせ、臭素化合物と臭素分子との組み合わせが好ましい。
【0025】
封止材40は、光電極10と対向電極20との間に位置する。封止材40の厚み方向の両端は、光電極10及び対向電極20にそれぞれ接合している。封止材40は融着部60とともに電荷移動体30を封止する。
本実施形態において、封止材40の厚み方向の両端は、光電極導電層14及び対向電極導電層24にそれぞれ接合している。
封止材40は、電荷移動体30を封止できればよく、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等、従来公知の封止材を使用できる。
封止材40の厚みは、10~200μmが好ましい。封止材40の厚みは、光電極支持体12の面と直交する断面の画像における、任意の10点の測定値の平均値である。
【0026】
P2方向において隣り合う封止材40の間に導通材50が位置している。導通材50は、光電極導電層14及び対向電極導電層24に接している。
導通材50の材料は、導通可能な素材であれば特に限定されず、例えば、公知の導電材、導電ペースト、又は導電性微粒子と接着剤の混合物等が挙げられる。
本実施形態において、導通材50は導電性微粒子52と接着剤54の混合物である。エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の接着剤54に、適量の導電性微粒子52を混合した導通ペーストが好ましい。導通材50が、封止材40と同様の材料からなるバインダーを含んでもよい。導電性微粒子52と接着剤54の混合物で導通材50を形成すると、色素増感太陽電池1Aを所望のパターンで切り出す際に、導通材50の切断が容易である点で好ましい。
【0027】
色素増感太陽電池1Aを平面視した図1において、光電極導電層14と対向電極導電層24と封止材40とが重なる領域には、帯状の第一絶縁部(絶縁部)41又は第二絶縁部(絶縁部)42が存在する。
第一絶縁部41は、光電極導電層14を貫通する切断部である。第一絶縁部41は、光電極導電層14を分断して電気的に絶縁する。
第二絶縁部42は、対向電極導電層24を貫通する切断部である。第二絶縁部42は、対向電極導電層24を分断して電気的に絶縁する。
【0028】
融着部60は、光電極10と対向電極20に外力を加えて圧着した部分である。例えば、後述の図5に示すように、光電極10と対向電極20を貼り合わせた状態で、超音波振動を付与し、光電極支持体12と対向電極支持体22とを接合する。なお、図示していないが、融着部60中に、光電極導電層14、無機半導体層16、対向電極導電層24、触媒層26、封止材40等がわずかに残っている場合があるが、これらの層は超音波振動の作用で分断または破壊されており、融着部60は電気的に絶縁している。
融着部60は、図1に示すように、P2方向において、少なくともセル列Rが存在する領域に存在する。融着部60は、P1方向において隣り合うセル列Rどうしを絶縁する。
【0029】
色素増感太陽電池1AのP2方向の両端部において、光電極支持体12の端部および光電極導電層14の端部が、対向電極支持体22の端部より外方に延在して、露出部11を形成している。露出部11の表面は光電極導電層14である。露出部11の光電極導電層14は、P2方向に隣接するセル列RのセルCと電気的に接続しており、取り出し電極として使用できる。
露出部11は、P1方向に連続して存在する帯状であり、融着部60の延長領域62にも存在する。露出部11の光電極導電層14は、融着部60を挟んで存在するセル列Rどうしを電気的に接続する。すなわち、露出部11の光電極導電層14は、融着部60を挟んで存在するセルCどうしを電気的に接続する。
【0030】
図3に示すように、融着部60の最小厚みをQ1、露出部11の最大厚みをQ2とするとき、Q1≧Q2である。
1個の色素増感太陽電池1Aに複数の融着部60が存在する場合は、全部の融着部60が上記Q1≧Q2を満たすことを意味する。
融着部60の最小厚みQ1、及び露出部11の最大厚みQ2は、光電極支持体12の面と直交する断面における測定値である。
例えば、Q1は、融着部60の長さ方向に沿って融着部60を切断した断面の画像において、最少の厚みを測定する。
例えば、Q2は、P1方向に沿って露出部11を切断した断面の画像において、最大の厚みを測定する。
Q1≧Q2であると、光電極10と対向電極20に外力を加えて圧着して融着部60を形成する際に、融着部60の延長領域62において、露出部11の光電極導電層14が破壊され難い。その結果、露出部11の良好な導電性が得られやすい。
Q1/Q2で表される比の値は、1~2.2が好ましく、1.2~2がより好ましく、1.4~1.8がさらに好ましい。
Q1/Q2の値が上記範囲の上限値以下であると融着部60の絶縁性に優れる。
Q1/Q2の値は、融着部60の形成条件によって調整できる。例えば、融着時に、光電極10及び対向電極20に加える外力が大きくなると、Q1/Q2の値は小さくなる。
【0031】
融着部60を形成する際に、後述の超音波振動を付与する超音波付与部115と、超音波付与部115に対向する台座116を備える融着部形成装置を用いる場合、超音波付与部115および台座116のP2方向の長さが、色素増感太陽電池1AのP2方向の長さ以上であってもよい。
Q1≧Q2、好ましくはQ1>Q2であると、融着部60と延長領域62を含む領域に対して超音波振動を付与しても、延長領域62の露出部11は超音波振動の作用をほとんど受けない。したがって、Q2は、電気モジュールを組み立てる前の、光電極支持体12の厚みと光電極導電層14の厚みの合計と同じとみなすことができる。組み立て前の支持体等の厚みは、接触式のマイクロメータで測定でき、任意の10点の厚みの測定値の平均値を採用する。
Q2は、10~500μmが好ましく、50~150μmがより好ましい。Q2が上記範囲の下限値以上であると充分な製品強度が得られやすく、上限値以下であると製品を充分に薄型化できる。
【0032】
[電気モジュールの製造方法]
本実施形態の電気モジュールの製造方法は、図4に例示する製造装置100を用いて、所定の方向P3に沿って連続的に搬送される光電極10上に、封止材40、導通材50及び電荷移動体30を設け、所定の方向P4に沿って連続的に搬送される対向電極20を貼り合わせた後、融着部60を形成して、図1図3に示す構成の色素増感太陽電池1Aを連続的に製造する方法である。
【0033】
まず、図示略のRtoR方式を採用した装置を用いて、光電極支持体12を所定の方向に沿って連続的に搬送しながら、公知のスパッタリング法や印刷法等を用いて、光電極支持体12の表面に光電極導電層14を形成する。次いで、公知のエアロゾルデポジション法(Aerosol Deposition method:AD法)を用いて、光電極導電層14の所定の位置に無機半導体層16を形成する。次いで、公知の方法で、無機半導体層16に増感色素を吸着させて光電極10を得る。光電極10を、無機半導体層16を外側にした状態でロール状に巻き取る。
光電極導電層14を形成した後、無機半導体層16を形成する前の状態で、一旦ロール状に巻き取ってもよい。また、光電極10を形成した後、巻き取らずに、次工程を行ってもよい。
【0034】
これとは別に、図示略のRtoR方式を採用した装置を用いて、対向電極支持体22を所定の方向に沿って連続的に搬送しながら、公知のスパッタリング法や印刷法等を用いて、対向電極支持体22の表面に対向電極導電層24を形成する。次いで、公知のスパッタリング法や印刷法等を用いて、対向電極導電層24の所定の位置に触媒層26を形成して対向電極20を得る。対向電極20を、触媒層26を内側にした状態でロール状に巻き取る。
対向電極導電層24を形成した後、触媒層26を形成する前の状態で、一旦ロール状に巻き取ってもよい。また、対向電極20を形成した後、巻き取らずに、次工程を行ってもよい。
【0035】
次いで、図4に示すように、製造装置100にロール状の光電極10及び対向電極20を設置する。
光電極10をP3方向に繰り出して搬送しながら、図示略の絶縁部形成装置を用いて、第一絶縁部41を形成する。絶縁部形成装置としては、例えば、ダイカットロールを備えた加工装置、レーザー加工装置等が挙げられる。
次に、搬送中の光電極10に、封止材塗布装置101を用いて封止材料を塗布し、未硬化の封止材40を形成する。続いて、導通材塗布装置102を用いて導通材50の材料を塗布し、導通材50を形成する。続いて、電解液塗布装置103を用いて電解液を塗布し、電荷移動体30を形成する。
【0036】
一方、対向電極20をP4方向に繰り出して搬送しながら、図示略の絶縁部形成装置を用いて、第二絶縁部42を形成する。絶縁部形成装置は前記と同様である。
【0037】
次に、一対の押圧ロール111、112の間に、電荷移動体30を形成した光電極10と、第二絶縁部42を形成した対向電極20とを、重ね合わせた状態で導入する。押圧ロール111、112は、これらの間を通過する光電極10及び対向電極20を互いに押圧する。
続いて、押圧ロール111、112を通過した直後に、図示略の硬化装置を用いて、未硬化の封止材40を硬化させて、光電極10と封止材40とを貼り合わせるとともに、対向電極20と封止材40とを貼り合わせる。例えば、未硬化の封止材40が光硬化性樹脂である場合、硬化装置としてUVランプを用いて紫外線を照射して封止材40を硬化させる。このようにして光電極10と対向電極20を、封止材40を介して貼り合わせる。
【0038】
次に、図5に示すように、超音波振動を付与する超音波付与部115と、超音波付与部115に対向する台座116を備える融着部形成装置を用いて、所定の位置に融着部60を形成する。
超音波付与部115の先端部115aと、台座116の先端部116aには、それぞれ複数の凹凸が形成されている。両者の凹凸は互いに噛み合う形状である。超音波付与部115と台座116の間の距離は可変である。
貼り合された対向電極20と光電極10に、超音波付与部115の先端部115aと、台座116の先端部116aをそれぞれ接触させて、超音波付与部115と台座116との距離を縮小する。このようにして超音波振動を付与しながら加圧すると、光電極支持体12、対向電極支持体22、及びこれらの間に存在する封止材40等の構造物に、振動エネルギーが伝達されて摩擦熱が発生し、融点が低い構造物は溶融して流動する。また、前記構造物に金属のような剛体が存在する場合、該剛体は超音波振動によって破壊され、破壊された粒径が比較的小さければ拡散(移動)する。
その結果、光電極支持体12と対向電極支持体22との間に存在していた封止材40等の構造物が、融着部60に隣接する部分に押し出され、図3に示すように光電極支持体12と対向電極支持体22とが融着した融着部60となる。
【0039】
以上の工程で、図1図3に示す色素増感太陽電池1Aを製造できる。この後、長尺の色素増感太陽電池1Aを、1つの融着部60を分断するように、融着部60の長さ方向(P2方向)に沿って切断して、実際に使用される大きさの色素増感太陽電池を切り出してもよい。
例えば、RtoR方式で製造した長尺の色素増感太陽電池1Aを、図1に示す切断線X1、X2で切断すると、2つのセル列R、RをP1方向に並べた構造の色素増感太陽電池が得られる。図1及び図2において、矢印は電流Eの流れを示す。
本例の電池構造において、2つのセル列R、RはP2方向の両端において、露出部11を介して電気的に接続されている。
したがって、配線作業をしなくても、P2方向の両端の露出部11を取り出し電極として、2つのセル列R、Rを並列に接続した回路を形成できる。
【0040】
<第2の実施形態>
図6、7は、本発明を適用した第2の実施形態の色素増感太陽電池(電気モジュール)1Bを示したものである。
図1~3に示す第1の実施形態の色素増感太陽電池1Aは、1つのセル列Rが2つのセルCと2つの導通材50を有するのに対して、本実施形態の色素増感太陽電池1Bは、1つのセル列Rが2つのセルCと3つの導通材50を有する。
本実施形態の色素増感太陽電池1Bは、第1の実施形態と同様の方法で製造できる。
図6、7において、図1~3と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0041】
本実施形態において、例えば、RtoR方式で製造した長尺の色素増感太陽電池1Bを、図6に示す断線X3、X4で切断すると、2つのセル列R、RをP1方向に並べた構造の色素増感太陽電池が得られる。
さらにP2方向の一端側の露出部11に絶縁部44を設けると、図6、7に示すように、平面視でU字状に電気が流れる色素増感太陽電池が得られる。図6及び図7において、矢印は電流Eの流れを示す。
絶縁部44は、公知の方法で光電極導電層14を絶縁処理して形成できる。絶縁処理方法は、例えば刃物を備えた切込み装置を用いる方法、レーザー照射装置を用いる方法、エッチング材等を用いて化学絶縁処理する方法が挙げられる。
絶縁部44を有する電池構造において、2つのセル列R、RはP2方向の一方の端部において、露出部11を介して電気的に接続されている。
したがって、配線作業をしなくても、P2方向の一端側の露出部11を取り出し電極として、2つのセル列Rを直列に接続した回路を形成できる。
【0042】
なお、図1、2、6、7の例では、1つのセル列Rが2つのセルCを有するが、これに限定されず、セルCの数は適宜変更できる。第一絶縁部41及び第二絶縁部42を設ける位置も、所望の電池構成に応じて変更できる。
また、図1図3図6、7の例では、P2方向の両端に存在する露出部11を、両方とも光電極導電層14で形成したが、両方とも対向電極導電層24で形成してもよく、一方を光電極導電層14で形成し、他方を対向電極導電層24で形成してもよい。
【実施例
【0043】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されない。
【0044】
[実施例1~4、比較例1、2]
以下に示す材料を用いて、上記実施形態に示した電気モジュールの製造方法の手順で、図1図3に示す色素増感太陽電池(電気モジュール)1Aを製造した。各例において、融着部の最小厚みQ1が表1に示す値となるように超音波融着条件を調整した。具体的には超音波付与部の先端部と台座の先端部との距離を調整した。
・光電極支持体及び対向電極支持体…PET。
・光電極導電層及び対向電極導電層…FTO。
・無機半導体層…酸化チタンからなる多孔質層。
・増感色素…ルテニウム系色素。
・触媒層…プラチナ。
・電荷移動体(電解液)…アセトニトリル。
・封止材…紫外線硬化型樹脂。
・導通材…積水化学工業製、ミクロパール(登録商標)AU-250。
光電極において、光電極支持体の厚み125μm、光電極導電層の厚み100nmとした。
対向電極において、対向電極支持体の厚み125μm、対向電極導電層の厚み100nm、触媒層の厚み10nmとした。
封止材の幅は3mm、封止材の厚みは50μmとした。
なお実施例1および比較例2において、超音波付与部115および台座116のP2方向の長さは、色素増感太陽電池1AのP2方向の長さより長い。比較例1においては、超音波付与部115のP2方向の長さを短くして、超音波振動を融着部60のみに付与し、延長領域62には付与しなかった。
いずれの例においても露出部の最大厚みQ2は125μmであった。
【0045】
(露出部の導電性の評価)
各例において、得られた色素増感太陽電池の任意の10個の融着部について、融着部の延長領域に存在する露出部の導電性を下記の方法で試験をした。
[導電性試験の方法]
色素増感太陽電池を、図1に示す切断線X1、X2で切断して、P1方向の長さがL1である測定用サンプルを切り出した。P2方向の両端に存在する露出部の任意の一方について、P1方向の両端にテスター棒を当てて抵抗値を測定した。同様にして10個の測定用サンプルについて抵抗値を測定した。
これとは別に、光電極支持体の表面に光電極導電層を形成しただけの材料(測定用サンプルの無機半導体層を形成する前の状態の材料)から、P1方向の長さが前記L1と同じである基準サンプルを切り出した。基準サンプルのP1方向の両端にテスター棒を当てて抵抗値を測定し、基準の抵抗値とした。
測定用サンプルの測定値が、基準の抵抗値の±20%以内である場合に、融着部の延長領域に存在する露出部の導電性が良好であると判定し、それ以外の場合を導電性不良と判定した。10個の測定用サンプルについて判定した結果に基づき、下記の評価基準で導電性を評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
A:導電不良である露出部がゼロ。
B:導電不良である露出部が1個または2個。
C:導電不良である露出部が3個または4個。
D:導電不良である露出部が5個以上。
【0046】
(融着部の絶縁性の評価)
各例において、得られた色素増感太陽電池の任意の10個の融着部について、下記の方法で絶縁性試験をした。
[絶縁性試験の方法]
色素増感太陽電池を、1個の融着部を挟む両側の対向電極導電層が露出するように切断し、該両側の対向電極導電層にそれぞれテスター棒を当てて導通性を確認した。
テスターの表示が「オーバーロード」を示した場合は絶縁良好、「オーバーロード」以外を示した場合は絶縁不良と判定した。10個の融着部について判定した結果に基づき、下記の評価基準で絶縁性を評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
A:絶縁不良である融着部がゼロ。
B:絶縁不良である融着部が1個または2個。
C:絶縁不良である融着部が3個または4個。
D:絶縁不良である融着部が5個以上。
【0047】
(剥離強度の評価)
各例において、前記絶縁性の評価をした10個の融着部について、光電極支持体と対向電極支持体との剥離強度を、T字剥離強度試験方法に基づき、T字型のピール試験機、電動スタンド(型番:MX2-500N-L、製造販売元:株式会社イマダ)、デジタルフォースゲージ(型番:ZTS-100N、製造販売元:株式会社イマダ)を用いて測定した。前記剥離強度が6N/10mm以上であれば合格と判定した。耐久性の点では剥離強度が高い方が好ましい。
10個の融着部の測定結果の平均値を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
表1の結果に示されるように、Q1/Q2が1以上である実施例1~4は露出部の導電性が良好であった。
一方、Q1/Q2が1未満である比較例1は露出部の導電性が劣った。
【符号の説明】
【0050】
1A、1B 色素増感型太陽電池(電気モジュール)、10 光電極(電極)、12 光電極支持体(支持体)、14光電極導電層(導電層)、20 対向電極(電極)、22 対向電極支持体(支持体)、24 対向電極導電層(導電層)、30 電荷移動体、40 封止材、60 融着部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7