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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220607BHJP
【FI】
A63F5/04 650
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018190233
(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公開番号】P2020058469
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2018-10-05
【審判番号】
【審判請求日】2020-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100135666
【弁理士】
【氏名又は名称】原 弘晃
(72)【発明者】
【氏名】小野 慎也
(72)【発明者】
【氏名】森下 恭好
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 重之
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕史
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 秀明
(72)【発明者】
【氏名】吉田 充
(72)【発明者】
【氏名】小島 尚之
(72)【発明者】
【氏名】萩原 雄一
【合議体】
【審判長】鉄 豊郎
【審判官】▲吉▼川 康史
【審判官】北川 創
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-111439(JP,A)
【文献】特開2004-121418(JP,A)
【文献】特開2015-195866(JP,A)
【文献】特開2018-50752(JP,A)
【文献】特開2017-124082(JP,A)
【文献】特開2017-127480(JP,A)
【文献】特開2009-207910(JP,A)
【文献】特開2004-242960(JP,A)
【文献】特開2015-47327(JP,A)
【文献】特開2008-6017(JP,A)
【文献】特開2016-221046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が操作可能な複数種類の遊技用操作手段を備え、遊技の進行状況に応じて所定の前記遊技用操作手段に対する操作を有効化し、前記遊技用操作手段に対する有効な操作に基づいて遊技を進行させる遊技機であって、
遊技毎に遊技価値の投入を受け付け、投入された遊技価値を予め定められた規定投入数を限度として投入状態に設定する制御、および投入された遊技価値を予め定められた上限数を限度としてクレジットする制御を行う投入受付手段と、
遊技が継続して行われていない時間を計時する計時手段と、
前記計時手段が所定時間を計時した場合に待機演出を演出装置に実行させる演出制御手段と、
所定の精算操作手段に対する有効な操作に基づいて、クレジットされた遊技価値を精算する制御を行う精算制御手段と、
遊技機筐体の前面扉の開閉を検出する検出手段と、
遊技者が操作可能な演出用操作手段と、を備え、
前記精算制御手段が、
前記精算操作手段に対する無効な操作が行われた場合に遊技価値の精算を実行せず、
前記演出制御手段が、
前記精算操作手段に対する有効な操作が行われた場合に遊技価値の精算の終了を待つことなく前記計時手段による計時をリセットして前記計時をやり直し、前記精算操作手段に対する無効な操作が行われた場合には前記計時手段による計時をリセットせず、
遊技価値の投入を受け付けている状態において遊技価値が投入状態に設定されておらずかつクレジットされていない場合に前記精算操作手段に対する操作が行われると、前記計時手段による計時をリセットせず、
前記前面扉が開かれたことを前記検出手段が検出した場合に前記計時手段による計時をリセットせず、前記前面扉が閉じられたことを前記検出手段が検出した場合に前記計時手段による計時をリセットせず、
前記演出用操作手段に対する有効な操作が行われた場合に前記計時手段による計時をリセットして前記計時をやり直し、前記演出用操作手段に対する無効な操作が行われた場合には前記計時手段による計時をリセットしないことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
また従来から、1回の遊技が終了してから所定時間にわたってメダルの投入やベットボタンの操作が行われなかった場合に、通常よりも消費電力が少ない低電力モードで動作させ、低電力モードにおいてメダルが投入されるかベットボタンが操作されると、通常の電力モードに復帰させる遊技機が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-137672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1に示す遊技機では、低電力モードから通常の電力モードに復帰させるにはメダルを投入する必要があり、手持ちのメダルが無い遊技者は通常の電力モードに復帰させることができなかったため、手持ちのメダルが無い遊技者であっても通常の電力モードに復帰させることができるように遊技機の操作インターフェース環境を改善することが望まれている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技機の操作インターフェース環境を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、遊技者が操作可能な複数種類の遊技用操作手段を備え、遊技の進行状況に応じて所定の前記遊技用操作手段に対する操作を有効化し、前記遊技用操作手段に対する有効な操作に基づいて遊技を進行させる遊技機であって、遊技が継続して行われていない時間を計時する計時手段と、前記計時手段が所定時間を計時した場合に待機演出を演出装置に実行させる演出制御手段と、遊技者が操作可能な演出用操作手段と、を備え、前記演出制御手段が、前記遊技用操作手段に対する有効な操作が行われた場合および前記演出用操作手段に対する操作が行われた場合に前記待機演出を終了させる遊技機に関するものである。
【0008】
本発明では、遊技が継続して行われていない時間を計時する計時手段が所定時間を計時した場合に待機演出を実行させ、遊技用操作手段に対する有効な操作が行われた場合および演出用操作手段に対する操作が行われた場合に待機演出を終了させるため、遊技用操作手段に対する有効な操作のみならず演出用操作手段に対する操作によっても待機演出を終了させることができ、遊技機の操作インターフェース環境を向上させることができる。
【0009】
(2)本発明の遊技機では、前記演出制御手段が、前記遊技用操作手段に対する有効な操作が行われた場合に前記計時手段による計時をリセットし、前記遊技用操作手段に対する無効な操作が行われた場合には前記計時手段による計時をリセットしないようにしてもよい。
【0010】
このようにすれば、遊技用操作手段に対する無効な操作が行われても計時手段による計時をリセットしないため、遊技が継続して行われていない時間を適切に計時することができる。
【0011】
(3)本発明の遊技機では、遊技機筐体の前面扉の開閉を検出する検出手段を備え、前記演出制御手段が、前記前面扉が開かれたことを前記検出手段が検出した場合に前記計時手段による計時を中断し、前記前面扉が閉じられたことを前記検出手段が検出した場合に前記計時手段による計時を再開するようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、前面扉の開放中に待機演出が開始されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図3】本発明の実施形態の遊技機の内部抽選テーブルを説明する図である。
図4】本発明の実施形態の遊技機の内部抽選テーブルを説明する図である。
図5】本発明の実施形態の遊技機の小役の当選態様を説明する図である。
図6】本発明の実施形態の遊技機のリプレイの当選態様を説明する図である。
図7】本発明の実施形態の遊技機のリールの図柄配列を説明する図である。
図8】本発明の実施形態の遊技機におけるストップボタンの押下順序と入賞役との関係を説明する図である。
図9】本発明の実施形態の遊技機におけるストップボタンの押下順序と入賞役との関係を説明する図である。
図10】本発明の実施形態の遊技機における入賞役と図柄組合せとの関係を説明する図である。
図11】本発明の実施形態の遊技機における入賞役と図柄組合せとの関係を説明する図である。
図12】本発明の実施形態の遊技機における遊技状態およびRT状態の遷移図である。
図13】本発明の実施形態の遊技機における演出状態の遷移図である。
図14】本発明の実施形態の遊技機におけるパワーセーブモードを説明する図である。
図15】本発明の実施形態の遊技機における処理を説明するフローチャートである。
図16】本発明の実施形態の遊技機における処理を説明するフローチャートである。
図17】本発明の実施形態の変形例に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0015】
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
【0016】
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0017】
本実施形態の遊技機は、収納箱BX(遊技機本体の一例)、上部前面扉UD(前面扉の一例)、および下部前面扉(前面扉の一例)DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1~第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、電源装置を内蔵し、電源スイッチ、リセットスイッチ等の各種スイッチが備えられた電源ユニット(図示省略)およびメダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。ホッパーユニットは、遊技に供するメダルを貯蔵するメダル貯蔵タンク(図示省略)と、ステッピングモータからなる払出モータ(図示省略)と、払出モータに軸支された回転ディスク(図示省略)とを備えており、回転ディスクが払出モータによって回転駆動されて、1枚単位でメダルを払い出すことができるように構成されている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU(演算手段の一例)、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM(一時記憶手段の一例)等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。なお本実施形態では、制御基板として遊技の進行を制御するメイン基板と、メイン基板から送信される信号を受けて遊技の進行状況に合わせた遊技演出を実行するための制御を行うサブ基板とを含む複数種類の電子回路基板が設けられている。
【0018】
図1に示す第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1~第3リールR3は、ステッピングモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1~第3リールR3を回転駆動し、制御基板から全相励磁の駆動パルスが供給されると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1~第3リールR3が停止する。
【0019】
収納箱BXの正面(前面の一例)を開閉可能に閉塞する上部前面扉UDおよび下部前面扉DDは個別に開閉可能に設けられており、上部前面扉UDには第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0020】
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。なお本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれの中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0021】
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ライン上に停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。
【0022】
また上部前面扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数(メダルの払出数と投入数との差)、ボーナス遊技でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計等の各種遊技情報が表示される。
【0023】
また上部前面扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。
【0024】
また上部前面扉UDには、遊技演出を行うための回転灯PL(可動役物)や台枠ランプALが設けられている。回転灯PLや台枠ランプALでは、遊技を盛り上げたりするための点灯動作や点滅動作が行われる。
【0025】
また回転灯PLは、発光体と、発光体の周囲を旋回して発光体の光を反射する反射板(可動体)と、反射板を旋回させる旋回装置(モーター)と、を備え、旋回装置が反射板を旋回させることにより発光体が発する光を周囲に照射可能となっている。
【0026】
また本実施形態の遊技機では、上部前面扉UDや下部前面扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0027】
また下部前面扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(内部貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段、遊技用操作手段)B0、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(遊技開始操作手段、遊技用操作手段)SL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段、遊技用操作手段)B1~B3、クレジット(内部貯留)されたメダルを精算する操作を行うための精算ボタン(精算操作手段、遊技用操作手段)B4、遊技機で行われる演出を変化させる契機となる操作を行うための演出ボタン(演出用操作手段)B5などが設けられている。
【0028】
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1~第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされ、スタートレバーの押下操作が許可(有効化)される。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1~第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1~第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1~B3の押下操作が許可(有効化)される。
【0029】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1~B3を押下していくと、ストップボタンB1~B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
【0030】
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1~B3を解放すると、ストップボタンB1~B3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
【0031】
そして制御基板は、ストップボタンB1~B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1~第3リールR3を停止させる。
【0032】
また下部前面扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。なお遊技の結果に応じてメダルが払い出される場合に、メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、払出数の一部あるいは全部に相当するメダルを、クレジット上限枚数(本実施形態では50枚)を限度としてクレジットし、メダルのクレジット数の変化に伴って遊技情報表示部DSの7セグメント表示器からなるクレジット表示器の表示値を変化させる動作を行う。このように本実施形態の遊技機では、遊技の進行状況に応じて所定の操作手段に対する操作を有効化し、操作手段に対する有効な操作に基づいて遊技を進行させる。
【0033】
また本実施形態の遊技機では、上部前面扉UDの開閉状態を検出するドアセンサ(検出手段)260と、下部前面扉DDの開閉状態を検出するドアセンサ(検出手段)260とが設けられており、ドアセンサ260から制御基板(メイン基板)に入力される入力信号(検出信号)に基づいて、上部前面扉UDおよび下部前面扉DDのそれぞれの開閉を検知可能に構成されている。
【0034】
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
【0035】
本実施形態の遊技機は、メイン基板10およびサブ基板20を含む制御基板によって制御される。メイン基板10は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、精算スイッチ250、ドアセンサ260等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、遊技情報表示装置327等の出力手段の動作制御を行う。またサブ基板20は、演出ボタンスイッチ270等の入力手段からの入力信号やメイン基板10から送られてくる信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出表示装置330、音響装置340、役物駆動処置350等の出力手段の動作制御を行う。またメイン基板10やサブ基板20等の各基板の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0036】
そしてメイン基板10は、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、RT制御手段173、特典付与手段175、通信制御手段179、メインメモリ190Mを含んで構成されている。
【0037】
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSL(遊技開始操作手段)に対する遊技開始操作を有効化する制御を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。またスタートレバーSLに対する遊技開始操作が有効化された状態において、スタートレバーSLに対する操作が行われると、スタートレバーSLに対する操作を無効化する。
【0038】
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MI(所定の投入口)にメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。
【0039】
また本実施形態の遊技機では、メインメモリ190Mに設けられたクレジット記憶領域(図示省略)にクレジット上限枚数(本実施形態では50枚)を限度としてメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、規定投入数のメダルが投入状態に設定された状態でメダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入されたメダルをクレジット記憶する。
【0040】
また投入受付手段105は、1回の遊技に関する処理が全て終了すると、遊技機にメダルがクレジット記憶されていることを条件として、ベットボタンB0に対する操作を有効化する制御を行い、ベットボタンB0に対する操作が有効化された状態においてベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジット記憶領域にクレジット記憶されたメダルを投入状態に設定する。また遊技機にクレジット記憶されたメダル数が0枚となるかスタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われると、ベットボタンB0に対する操作を無効化する。
【0041】
また投入受付手段105は、1回の遊技に関する処理が全て終了すると、メダルの受け付けを開始する制御を行い、遊技機にクレジット記憶されたメダル数がクレジット上限枚数に達するかスタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われると、メダルの受け付けを終了する制御を行う。メダルを受け付けていない状態でメダル投入口MIからメダルが投入されると、投入されたメダルは受け付けられることなくメダル払い出し口MOから返却される。
【0042】
また投入受付手段105は、1回の遊技に関する処理が全て終了すると、遊技機にメダルがクレジット記憶されていることを条件として、精算ボタンB4に対する操作を有効化する制御を行い、精算ボタンB4に対する操作が有効化された状態において精算ボタンB4が押下されると、精算スイッチ250が作動することに伴って、払出制御手段150によってクレジット記憶領域にクレジット記憶されたメダルおよび投入状態に設定されたメダルが払い出され、クレジット記憶されたメダルおよび投入状態に設定されたメダルを全て払い出すと、投入状態に設定されたメダル数を0枚に初期化するとともに精算ボタンB4に対する操作を無効化する。またスタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われた場合にも精算ボタンB4に対する操作を無効化する。
【0043】
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0044】
内部抽選手段120は、スタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
【0045】
抽選テーブル選択処理では、メインメモリ190Mのメイン抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、メイン抽選テーブル記憶手段191に、図3図4に示すような6種類の内部抽選テーブル(内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル6)が記憶されている。そして各内部抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0~65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられている。
【0046】
なお本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役9が用意されており、小役の当選態様として、打順ベル1~打順ベル9(複数種類の特定当選態様の一例)、共通ベル、スイカ、チェリー、およびJACが設定されている。
【0047】
各小役の当選態様について図5を参照しながら具体的に説明すると、打順ベル1~打順ベル9は、2種類~4種類の1枚小役(配当が1枚の小役)と、1種類の8枚小役(配当が8枚の小役:特定役の一例)とが重複して当選することを示しており、共通ベルは、5種類の1枚小役と、1種類の15枚小役(配当が15枚の小役)とが重複して当選することを示している。
【0048】
またスイカは、1種類の3枚小役(配当が3枚の小役)が単独で当選することを示しており、チェリーは、1種類の2枚小役(配当が2枚の小役)が単独で当選することを示しており、JACは、5種類の1枚小役と、1種類の2枚小役と、1種類の3枚小役と、1種類の8枚小役と、1種類の15枚小役とが重複して当選することを示している。
【0049】
また本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ6が用意されており、リプレイの当選態様として、通常リプレイ1~通常リプレイ3と、打順リプレイ1~打順リプレイ12とが設定されている。
【0050】
各リプレイの当選態様について図6を参照しながら具体的に説明すると、通常リプレイ1~通常リプレイ3は、リプレイ1を含む2種類のリプレイが重複して当選することを示しており、打順リプレイ1~打順リプレイ6は、リプレイ1およびリプレイ2(特定役の一例)を含む2種類~5種類のリプレイが重複して当選することを示しており、打順リプレイ7~打順リプレイ12は、リプレイ1およびリプレイ3(特定役の一例)を含む2種類~5種類のリプレイが重複して当選することを示している。
【0051】
また本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル5において小役の抽選態様(当選確率および当選態様)が同一に設定され、内部抽選テーブル1=内部抽選テーブル2=内部抽選テーブル5<内部抽選テーブル3<内部抽選テーブル4の順にリプレイの当選確率が高くなっている。また内部抽選テーブル6では、内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル5よりも高確率で小役が当選し、リプレイが抽選対象とはなっていない。
【0052】
また本実施形態の遊技機では、ボーナスとしてビッグボーナス(BB)が用意されており、内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル4では、ビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブル5~内部抽選テーブル6では、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外されている。
【0053】
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、BB成立状態(ボーナス成立状態の一例)、およびBB状態(ボーナス状態の一例)が設定可能とされ、RT状態(リプレイの抽選状態)として、非RT状態、RT1状態、RT2状態、およびRT3状態が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態およびRT状態に応じて内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル6のいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
【0054】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値についてメインメモリ190Mのメイン抽選テーブル記憶手段191に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0055】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、メインメモリ190Mの抽選フラグ記憶手段192に格納される。
【0056】
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ボーナスがあり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。
【0057】
リール制御手段130は、スタートレバーSLに対する遊技開始操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1~第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1~第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1~B3(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
【0058】
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1~B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1~B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、操作されたストップボタンに対する操作を無効化するとともに、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへ全相励磁の駆動パルスを供給することにより、第1リールR1~第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
【0059】
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1~B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1~第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1~B3の押下順序が変化すると、第1リールR1~第3リールR3の停止順序が変化する。
【0060】
また本実施形態の遊技機では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンB1~B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。そしてストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ~4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1~B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
【0061】
そして本実施形態では、図7に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1~第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、黒7図柄「黒7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ダミー図柄「DUM」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄A「WMA」、スイカ図柄B「WMB」、およびチェリー図柄「CH」が配列されており、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合には、各リールの外周面において4コマ以内の間隔で配列されている図柄について、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に表示させることができるようになっている。
【0062】
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックス315によって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0063】
またリール制御手段130は、メインメモリ190Mの停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)を行っている。停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されていてもよい。
【0064】
まず本実施形態の遊技機では、「リプレイ>ボーナス」かつ「小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、2種類以上の役に関する抽選フラグが当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に応じたテーブルデータが設定された停止制御テーブルを参照して、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように回転中のリールの停止位置が決定される。
【0065】
また本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合におけるリールの停止位置は、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置が決定される場合と、小役の入賞に基づくメダルの払出数に応じて停止位置が決定される場合とが存在し、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置が決定される場合には、有効ライン上に表示可能な小役の入賞形態を示す図柄組合せの個数が多くなるように回転中のリールの停止位置が決定され、メダルの払出数に応じて停止位置が決定される場合には、有効ライン上の表示位置に表示可能な図柄に対応する小役の入賞に基づくメダルの払出数が多くなるように回転中のリールの停止位置が決定される。
【0066】
そして本実施形態では、いずれかの打順ベルが当選した場合に、それぞれの打順ベル(当選態様)に対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる押下順序は不正解打順として扱われ、正解打順に沿って停止操作が行われた場合には有効ライン上の表示位置に表示可能な図柄に対応する小役の入賞に基づくメダルの払出数が多くなるように回転中のリールの停止位置が決定され、不正解打順に沿って停止操作が行われた場合には有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が多くなるように回転中のリールの停止位置が決定される。
【0067】
また本実施形態では、共通ベルまたはJACが当選した場合には、有効ライン上の表示位置に表示可能な図柄に対応する小役の入賞に基づくメダルの払出数が多くなるように回転中のリールの停止位置が決定される。
【0068】
また本実施形態の遊技機では、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転中のリールの停止位置が決定されるとともに、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させないように回転中のリールの停止位置が決定される。
【0069】
そして本実施形態では、打順ベル1~打順ベル9のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図8に示すように、正解打順(特定操作態様の一例)でストップボタンB1~B3が押下されると、8枚小役が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順(特定操作態様とは異なる操作態様の一例)でストップボタンB1~B3が押下されると、1枚小役のいずれかが入賞する場合と、いずれの小役も入賞せずにRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示される場合とが存在するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお本実施形態では、BB成立状態における打順ベルの当選時において最初の停止操作が行われた時点で必ずいずれかの小役の入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させるようにすることでビッグボーナス(BB)の入賞が回避されるようになっているため、打順ベルに含まれる8枚小役および1枚小役のいずれも入賞しない場合であってもビッグボーナス(BB)が入賞することはない。
【0070】
また本実施形態では、共通ベルやJACが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、いずれの押下順序で停止操作が行われても15枚小役が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0071】
また本実施形態では、打順リプレイ1~打順リプレイ12のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図9に示すように、それぞれの打順リプレイに対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる押下順序は不正解打順として扱われる。
【0072】
そして本実施形態では、打順リプレイ1~打順リプレイ6のいずれかが当選した場合に、正解打順(特定操作態様の一例)でストップボタンB1~B3が押下されると、リプレイ2が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順(特定操作態様とは異なる操作態様の一例)でストップボタンB1~B3が押下されると、リプレイ1が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0073】
また本実施形態では、打順リプレイ7~打順リプレイ12のいずれかが当選した場合に、正解打順(特定操作態様の一例)でストップボタンB1~B3が押下されると、リプレイ3が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順(特定操作態様とは異なる操作態様の一例)でストップボタンB1~B3が押下されると、リプレイ1が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0074】
なお本実施形態では、通常リプレイ1~通常リプレイ3のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、いずれの場合においても押下順序に関わらずにリプレイ1が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
【0075】
入賞判定手段140は、第1リールR1~第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、メインメモリ190Mの入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1~第3リールR3の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かなどを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって、図10および図11に示すように、ビッグボーナス(BB)、リプレイ1~リプレイ6、小役1~小役9の入賞の有無やRT変動ブランクの表示の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。
【0076】
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞判定時処理が実行される。入賞判定時処理としては、例えば、払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われ、RT制御手段173によってRT状態を移行させるRT移行制御処理が行われる。
【0077】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。
【0078】
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
【0079】
なおメダルのクレジット記憶(貯留記憶)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、メインメモリ190Mに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0080】
また払出制御手段150は、精算ボタンB4に対する操作が有効化された状態において精算ボタンB4が押下されると、クレジット記憶領域にクレジット記憶されたメダルおよび投入状態に設定されたメダルをホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。具体的には、精算ボタンB4に対する操作が有効化された状態において精算ボタンB4に対する操作が行われた場合に、クレジット記憶領域にクレジット記憶されたメダルおよび投入状態に設定されたメダル数および投入状態に設定されたメダル数に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。
【0081】
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
【0082】
遊技状態移行制御手段170は、図12(A)に示すように、通常状態、BB成立状態、およびBB状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0083】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはBB成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にBB成立状態へ移行する。また通常状態では、図3図4に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル6のうち、ビッグボーナス(BB)が抽選対象に設定されている内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル4のいずれかをRT状態に応じて参照して内部抽選が行われる。
【0084】
BB成立状態は、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。BB成立状態では、図3図4に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル6のうち、通常状態と同じ確率で小役の当否が決定され、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外され、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定された内部抽選テーブル5を参照した内部抽選が行われる。
【0085】
またBB成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持されたまま小役およびリプレイの当否が決定され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をBB成立状態からBB状態へ移行させる。
【0086】
BB状態は、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。BB状態では、図3図4に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル6のうち、小役の当選確率が内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル5よりも高く設定され、リプレイが抽選対象から除外された内部抽選テーブル6を参照した内部抽選が行われる。すなわちBB状態では、通常状態よりも小役が頻繁に当選するようになっている点で、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
【0087】
またBB状態では、BB状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた終了予定払出数(例えば、300枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段170は、BB状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
【0088】
RT制御手段173は、図12(B)に示すように、非RT状態(非リプレイタイム状態)、RT1状態(第1リプレイタイム状態)、RT2状態(第2リプレイタイム状態)、およびRT3状態(第3リプレイタイム状態)の間でRT状態を移行させるRT移行制御処理を行う。本実施形態では、RT状態に応じてリプレイの抽選態様が異なり、具体的には、リプレイの当選確率、抽選対象となるリプレイの種類、および重複して当選するリプレイの組合せの少なくとも1つが異なっている。RT状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、RT状態を別のRT状態へ移行させることができる。
【0089】
非RT状態は、複数種類のRT状態の中で初期状態に相当するRT状態で、非RT状態からはRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、非RT状態においてRT変動ブランクをしめす図柄組合せが有効ライン上に表示された場合にはRT1状態へ移行する。また非RT状態では、図3図4に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル6のうち、リプレイの当選態様として通常リプレイ1~通常リプレイ3が設定され、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブル1を参照した内部抽選が行われる。なお本実施形態では、BB状態の終了に伴って遊技状態が通常状態に復帰する際にRT状態が非RT状態に設定され、また遊技状態が通常状態である場合に非RT状態以外のRT状態において1枚小役が入賞するとRT状態が非RT状態に移行するようになっている。
【0090】
RT1状態は、RT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行するRT状態であって、RT1状態からはRT2状態および非RT状態への移行が可能となっている。具体的には、RT1状態においてリプレイ2の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(リプレイ2が入賞した場合)にはRT2状態へ移行し、RT1状態において1枚小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(1枚小役が入賞した場合)には非RT状態へ移行する。またRT1状態では、図3図4に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル6のうち、リプレイの当選態様として打順リプレイ1~打順リプレイ6が設定され、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブル2を参照した内部抽選が行われる。
【0091】
RT2状態は、リプレイ2の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行するRT状態であって、RT2状態からはRT3状態、非RT状態、およびRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、RT2状態においてリプレイ3の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(リプレイ3が入賞した場合)にはRT3状態へ移行し、RT2状態において1枚小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(1枚小役が入賞した場合)には非RT状態へ移行し、RT2状態においてRT変動ブランクをしめす図柄組合せが有効ライン上に表示された場合にはRT1状態へ移行する。またRT2状態では、図3図4に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル6のうち、リプレイの当選態様として打順リプレイ7~打順リプレイ12が設定され、リプレイの当選確率が約1/2.5に設定されている内部抽選テーブル3を参照した内部抽選が行われる。
【0092】
RT3状態は、リプレイ3の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行するRT状態であって、RT3状態からは非RT状態およびRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、RT3状態において1枚小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(1枚小役が入賞した場合)には非RT状態へ移行し、RT3状態においてRT変動ブランクをしめす図柄組合せが有効ライン上に表示された場合にはRT1状態へ移行する。またRT3状態では、図3図4に示す内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル10のうち、リプレイの当選態様として通常リプレイ1~通常リプレイ3が設定され、リプレイの当選確率が約1/2.0に設定されている内部抽選テーブル4を参照した内部抽選が行われる。
【0093】
特典付与手段175は、図13に示すように、非AT通常状態、非AT高確率状態、AT準備状態、およびAT状態(特別演出状態の一例)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を変化(移行)させており、所定条件下で演出状態をAT状態に設定し、AT終了判定カウンタ195の記憶値に基づいてAT状態の終了条件の成否を判定して、AT状態の終了条件の成立に伴いAT状態を終了させる制御を行う。本実施形態では、AT準備状態やAT状態に滞在している遊技では、打順ベルの当選時に、演出制御手段180によって、正解打順を報知して正解小役(所定の小役)の入賞を補助する入賞補助演出が行われ、非AT状態に滞在している遊技よりもメダルを獲得し易いアシストタイム遊技を行うことができるようになっている。
【0094】
そして特典付与手段175は、遊技状態が通常状態で演出状態が非AT通常状態または非AT高確率状態である場合に、内部抽選で共通ベル、スイカ、チェリー、ビッグボーナス(BB)のいずれかが当選したことに基づいて、演出状態をAT状態に移行させるか否かを決定するAT抽選を行う。AT抽選では、0~65535までの65536個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値をメイン抽選テーブル記憶手段191に記憶されているAT抽選テーブルと比較して、比較結果に応じてAT抽選に当選したか否かを判定する。また本実施形態では、AT抽選テーブルとして、AT抽選低確率テーブルと、AT抽選低確率テーブルよりも当選確率が高く設定されたAT抽選高確率テーブルとが用意されており、非AT通常状態ではAT抽選低確率テーブルを参照したAT抽選が行われ、非AT高確率状態ではAT抽選高確率テーブルを参照したAT抽選が行われる。すなわち非AT高確率状態は、AT抽選の当選確率が非AT通常状態よりも高くなっている点で、非AT通常状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。
【0095】
また特典付与手段175は、非AT通常状態においてAT抽選の結果が不当選(ハズレ)となった場合に、演出状態を非AT高確率状態に移行させ、非AT高確率状態において予め定められた所定回数(例えば、32回)の遊技が行われると、演出状態を非AT通常状態に移行させる。
【0096】
そして非AT通常状態または非AT高確率状態においてAT抽選に当選すると、特典付与手段175は、演出状態をAT準備状態に移行させる。なおビッグボーナス(BB)の当選に基づくAT抽選に当選した場合には、BB状態が終了して遊技状態が通常状態に復帰することを契機に演出状態をAT準備状態に設定する。
【0097】
そしてAT準備状態では、演出制御手段180によって、RT状態をRT3状態へ導くように入賞補助演出が実行される。例えば、AT抽選の当選時において非AT状態において滞在している可能性の高いRT状態であるRT1状態に滞在している場合には、打順リプレイ1~打順リプレイ6の当選時にリプレイ2を入賞させることができるように、正解打順を報知する入賞補助演出を実行してRT状態をRT2状態に誘導し、RT2状態では打順リプレイ7~打順リプレイ12の当選時にリプレイ3を入賞させることができるように、正解打順を報知する入賞補助演出を実行してRT状態をRT3状態に誘導する。
【0098】
なお本実施形態では、AT準備状態において非RT状態に滞在している場合にはRT状態をRT1状態に変動させるためにRT変動ブランクを示す図柄組合せを有効ライン上に表示させるべく不正解打順で停止操作が行われる必要があるため、非RT状態に滞在している状況でAT抽選に当選した場合には、AT準備状態であっても非RT状態に滞在している間は打順ベルの当選時に入賞補助演出は行われないようになっている。
【0099】
そして特典付与手段175は、AT準備状態に設定されている場合にRT状態がRT3状態に移行したことに基づいて、演出状態をAT状態へ移行させる。なおAT準備状態からAT状態への移行は、AT準備状態に設定されている場合にRT状態がRT2状態に移行したことに基づいて行われるようにしてもよいし、AT準備状態に設定されている場合にRT2状態において打順リプレイ7~打順リプレイ12のいずれかが当選したことに基づいて、当該遊技の終了時にAT状態へ移行させるようにしてもよい。
【0100】
また特典付与手段175は、AT抽選に当選したことに基づいて、AT状態の終了条件となる遊技回数である100回に相当する値「100」を、AT終了判定カウンタ195に設定し、AT状態では、1回の遊技が行われる毎に、例えば、スタートレバーSLが押下されたことを契機として、AT終了判定カウンタ195の記憶値から1回分の遊技に相当する一定値「1」を減算するデクリメント更新を行う。そしてAT終了判定カウンタ195の記憶値がしきい値「0」に達すると、AT状態の終了条件が成立したと判断され、特典付与手段175は、AT状態を終了させて演出状態を非AT状態に復帰させる。
【0101】
また特典付与手段175は、AT状態において、内部抽選で得られた小役の当選態様が、スイカ、チェリー、または共通ベルであった場合に、内部抽選での役の当選態様に応じてAT終了判定カウンタ195の記憶値に所与の加算値を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。
【0102】
上乗せ抽選では、0~65535までの65536個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値をメイン抽選テーブル記憶手段191に記憶されている上乗せ抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。本実施形態では、上乗せ抽選に当選した際の加算値は、「チェリー<共通ベル<スイカ」の順序で大きな加算値が選ばれるようになっている。なお内部抽選での役の当選態様と上乗せ抽選の当選確率の関係や、内部抽選での役の当選態様と上乗せ抽選に当選した際の加算値の関係は、前述したものに限られず、任意に定めることができる。
【0103】
また特典付与手段175は、AT状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合には、AT終了判定カウンタ195のデクリメント更新を中止してAT状態を中断し、BB状態の終了後からAT準備状態を経由してRT状態がRT3状態に移行することに伴ってAT状態が再開されるようになっている。
【0104】
通信制御手段179は、サブ基板20に対して信号を送信する制御を行う。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板10とサブ基板20との間では、メイン基板10からサブ基板20への単方向通信のみが可能となっており、サブ基板20からはメイン基板10へ信号を送信することができないように通信接続されている。
【0105】
そして通信制御手段179は、投入受付手段105がメダルを投入状態に設定すると、1枚のメダルを投入状態に設定する毎にサブ基板20にメダルを投入状態に設定したことを通知する信号を出力し、投入受付手段105または払出制御手段150がメダルをクレジット記憶すると、1枚のメダルをクレジット記憶する毎にサブ基板20にメダルをクレジット記憶したことを通知する信号を出力し、内部抽選手段120が内部抽選を行うと、サブ基板20に内部抽選の結果を通知する信号を出力し、入賞判定手段140が入賞判定処理を行うと、サブ基板20に入賞判定の結果を通知する信号を出力する。また通信制御手段179は、小役の入賞に伴いホッパーユニット320がメダルを払い出す動作を行うと、1枚のメダルが払い出される毎にサブ基板20にメダルを払い出したことを通知する信号を出力し、ホッパーユニット320が払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出すと(払い出しが終了すると)、サブ基板20に払い出しの終了を通知する信号を出力する。また通信制御手段179は、精算ボタンB4に対する操作が行われたことに伴いホッパーユニット320がメダルを払い出す動作を行うと、1枚のメダルが払い出される毎にサブ基板20にメダルを払い出したことを通知する信号を出力し、ホッパーユニット320が払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出すと(精算が終了すると)、サブ基板20に払い出し(精算)の終了を通知する信号を出力する。また1回の遊技に関する処理が全て終了すると、サブ基板20に1回の遊技の終了を通知する信号を出力する。
【0106】
また通信制御手段179は、メダル投入口MIにメダルが投入されたり、メダルを投入するためにベットボタンB0が押下されたり、押下状態のベットボタンB0が解放されたり、メダルを精算するために精算ボタンB4が押下されたり、押下状態の精算ボタンB4が解放されたり、スタートレバーSLが押下されたり、押下状態のスタートレバーSLが解放されたり、ストップボタンB1~B3が押下されたり、押下状態のストップボタンB1~B3が解放されたりすると、サブ基板20にメダル投入口MIにメダルが投入されたことや、ベットボタンB0が押下されたことや、押下状態のベットボタンB0が解放されたことや、精算ボタンB4が押下されたことや、押下状態の精算ボタンB4が解放されたことや、スタートレバーSLが押下されたことや、押下状態のスタートレバーSLが解放されたことや、押下されたストップボタンの種類や、解放されたストップボタンの種類など遊技者の行った操作を通知する信号を出力する。また通信制御手段179は、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが開放されたり、開放状態の上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが閉じられたりすると、上部前面扉UDが開放されたことや、下部前面扉DDが開放されたことや、開放状態の上部前面扉UDが閉じられたことや、開放状態の下部前面扉DDが閉じられたことなど上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開閉を通知する信号を出力する。
【0107】
また通信制御手段179は、サブ基板20に現在の遊技状態やRT状態を通知する信号を出力する。また通信制御手段179は、特典付与手段175がAT抽選や上乗せ抽選を行うと、サブ基板20にAT抽選の結果や上乗せ抽選の結果を通知する信号を出力する。また通信制御手段179は、特典付与手段175がAT状態においてAT終了判定カウンタ195のデクリメント更新を行うと、サブ基板20にAT終了判定カウンタ195の記憶値を通知する信号を出力する。また通信制御手段179は、サブ基板20に現在の演出状態を通知する信号を出力する。
【0108】
このように本実施形態の遊技機では、メイン基板10からの各種の通知に基づいて、サブ基板20の演出制御手段180が内部抽選の結果、入賞判定の結果、遊技者が行った操作、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開閉、現在の遊技状態、現在のRT状態、AT抽選の結果、上乗せ抽選の結果、現在の演出状態、AT終了判定カウンタ195の記憶値などに応じた演出を表示装置330や音響装置340などに実行させることができるようになっている。なお本実施形態では、スタートレバーSL、ベットボタンB0、ストップボタンB1~B3、精算ボタンB4に関しては、有効な操作が行われた場合に限りサブ基板20に押下されたことを通知する信号および押下状態が解放されたことを通知する信号を出力し、無効な操作が行われた場合にはサブ基板20に信号を出力しないようになっている。またメダルの投入に関しても、メダルを受け付けている状態においてメダル投入口MIにメダルが投入された場合に限りサブ基板20にメダルが投入されたことを通知する信号を出力し、メダルを受け付けていない状態ではサブ基板20に信号を出力しないようになっている。
【0109】
続いて、サブ基板20について説明する。サブ基板20は、演出制御手段180と、サブメモリ190Sとを含んで構成されている。
【0110】
演出制御手段180は、メイン基板10からの信号に応答して遊技の進行状況に応じた演出を演出装置に実行させる制御を行う。具体的には、サブメモリ190Sの演出データ記憶手段197に記憶されている演出データに基づいて、台枠ランプAL(演出表示装置330、演出装置)を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCD(演出表示装置330、演出装置)に演出画像を表示させたりする表示演出やスピーカ(演出装置、音響装置340)から演出音を出力させたりする音響演出や役物駆動装置350(旋回装置など、演出装置)を駆動して回転灯PL(演出装置)を作動(点灯あるいは点滅)させたりする役物演出などに関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1~B3に対する操作、演出ボタンB5に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じて、台枠ランプALを点灯あるいは点滅させたり、回転灯PLを作動させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカから演出音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。遊技において実行される演出の内容は、サブメモリ190Sのサブ抽選テーブル記憶手段198に記憶されている演出抽選テーブルを、遊技状態、RT状態、演出状態、内部抽選の結果等に応じて参照して決定される。
【0111】
そして演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態またはAT状態である場合に、打順ベルの当選時に正解打順を報知して正解小役の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる。ただし、演出状態がAT準備状態であってもRT状態が非RT状態である場合には、RT状態をRT1状態に誘導するべくRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるまで打順ベルが当選しても入賞補助演出は実行しない。
【0112】
また演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態である場合に、RT状態がRT1状態に滞在している状況では、打順リプレイ1~打順リプレイ6の当選時に正解打順を報知してリプレイ2の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させ、RT状態がRT2状態に滞在している状況では、打順リプレイ7~打順リプレイ12の当選時に正解打順を報知してリプレイ3の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる。
【0113】
また演出制御手段180は、液晶ディスプレイLCDにおいて背景画像を表示させ、背景画像を変化させることによって演出状態を示す(または示唆する)演出を実行させる。具体的には、非AT通常状態である場合には非AT通常状態を示す通常背景画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、非AT高確率状態である場合には非AT高確率状態を示す高確率背景画像を液晶ディスプレイLCDに表示させる。
【0114】
また演出制御手段180は、ビッグボーナス(BB)が当選した場合に、ビッグボーナス(BB)の当選を報知するボーナス報知演出を演出装置に実行させる。ボーナス報知演出では、例えば、演出データ記憶手段197に記憶されているボーナス報知演出データに基づいて、回転灯PLを所定時間(例えば、4秒)にわたって作動させ、詳細には所定時間(例えば、4秒)にわたって回転灯PLの反射板を旋回させつつ回転灯PLの発光体を点灯させる。
【0115】
また演出制御手段180は、ビッグボーナス(BB)が入賞すると、BB状態でのボーナス遊技を盛り上げるボーナス遊技演出を演出装置に実行させ、BB状態でのボーナス遊技が終了すると、ボーナス遊技演出を終了させる。ボーナス遊技演出では、例えば、演出データ記憶手段197に記憶されているボーナス遊技演出データに基づいて、所定の画像(動画)を液晶ディスプレイLCDに表示させ、所定のパターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、所定の音楽をスピーカから出力し、回転灯PLを作動させる(反射板を旋回させながら発光体を点灯させる)。
【0116】
また演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態またはAT状態に移行すると、AT状態でのアシストタイム遊技を盛り上げるAT遊技演出を演出装置に実行させ、AT状態でのアシストタイム遊技が終了すると、AT遊技演出を終了させる。AT遊技演出では、例えば、演出データ記憶手段197に記憶されているAT遊技演出データに基づいて、AT準備状態またはAT状態を示すAT背景画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、所定のパターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、所定の音楽をスピーカから出力する。
【0117】
また演出制御手段180は、非AT状態またはAT状態において共通ベル、スイカ、またはチェリーが当選した場合に、演出ボタンB5に対する操作を有効化する制御を行うとともに、演出ボタンB5に対する操作を指示するまたは促すボタン画像を液晶ディスプレイLCDに表示させる。そして演出ボタンB5に対する操作が有効化された状態において、遊技者が演出ボタンB5を押下することにより演出ボタンスイッチ270が作動すると、演出ボタンB5に対する操作を無効化する制御を行うとともに、共通ベル、スイカ、またはチェリーの当選を報知するチャンス演出を演出装置に実行させる。チャンス演出では、例えば、演出データ記憶手段197に記憶されているチャンス演出データに基づいて、共通ベル、スイカ、またはチェリーの当選を報知するチャンス画像を液晶ディスプレイLCDに表示させる。
【0118】
また演出制御手段180は、所定状況下で所定時間(例えば、60秒)にわたって遊技が継続して行われなかった場合に、遊技機(特に液晶ディスプレイLCD、回転灯PL、台枠ランプAL、スピーカなどの演出装置)の消費電力を抑制する(低下させる)パワーセーブモード(低電力モード)に移行させる。本実施形態では、遊技が継続して行われていない時間をサブメモリ190Sの監視タイマー199(計時手段)によって計測しており、演出制御手段180は、遊技機の電源が投入されている間は監視タイマー199を常に作動させ、メイン基板10からの信号または演出ボタンスイッチ270からの信号が入力される毎に、作動中の監視タイマー199の計測値を初期値「0」に初期化(リセット)して計時を再開する。そして監視タイマー199が所定時間(例えば、60秒)を計時した場合に、所定時間(例えば、60秒)にわたって遊技が継続して行われなかったと判断する。なお演出ボタンB5に関しては、有効な操作が行われた場合に限り監視タイマー199の計測値を初期化し、無効な操作が行われた場合には監視タイマー199の計測値を初期化しないようになっている。このようの本実施形態では、メダルの投入を受け付けている状態においてメダルが投入されたり、各種の操作手段に対する有効な操作が行われた場合に監視タイマー199による計時をリセットし、メダルの投入を受け付けていない状態においてメダルが投入されたり、各種の操作手段に対する無効な操作が行われた場合には監視タイマー199による計時をリセットしないようになっている。
【0119】
また本実施形態では、パワーセーブモードとして、第1パワーセーブモードおよび第2パワーセーブモードの2種類(複数種類)のモードが用意されており、監視タイマー199が所定時間(例えば、60秒)を計時した場合に、演出制御手段180は、メダルが投入状態に設定されているか否か(遊技状況)に応じて第1パワーセーブモードまたは第2パワーセーブモードに移行させ、メダルが投入状態に設定されておらずかつ全てのリールが停止している場合には第1パワーセーブモードに移行させ、メダルが投入状態に設定されておりかつ全てのリールが停止している場合には第2パワーセーブモードに移行させる。なおいずれかのリールが回転している状況で監視タイマー199が所定時間(例えば、60秒)を計時した場合にはパワーセーブモードに移行させずに、回転中のリールを停止させることを促すリール停止警告演出を実行させる。リール停止警告演出では、例えば、演出データ記憶手段197に記憶されているリール停止警告演出データに基づいて、「リールを止めてください」などの文字を液晶ディスプレイLCDに表示させる。このように本実施形態では、1回の遊技が終了してから所定時間(例えば、60秒)にわたってメダル投入口MIからのメダルの投入やベットボタンB0に対する操作などの有効な操作が行われなかった場合や、リプレイの入賞に伴う自動投入処理によるメダルの自動投入やメダル投入口MIからのメダルの投入やベットボタンB0に対する操作などが行われてから所定時間(例えば、60秒)にわたってスタートレバーSLに対する操作などの有効な操作が行われなかった場合などに、パワーセーブモードに移行させる。
【0120】
また演出制御手段180は、パワーセーブモードにおいて、非遊技中であることを報知する遊技休止演出(待機演出)を演出装置に実行させる。本実施形態では、パワーセーブモードの種類に応じた演出態様で遊技休止演出を実行させる。すなわち本実施形態では、監視タイマー199が所定時間(例えば、60秒)を計時した際の遊技状況(メダルが投入状態に設定されているか否か)に応じて異なる演出態様で遊技休止演出を実行させる。
【0121】
具体的には、第1パワーセーブモードでは、演出データ記憶手段197に記憶されている遊技休止演出データ(デモ演出データ)に基づいて遊技休止演出を実行させ、詳細には図14(A)に示すように、デモ演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、デモ演出パターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、回転灯PLを停止させ(発光体を消灯させるとともに反射板を停止させる)、デモ演出に係る音響データを再生する。
【0122】
また第1パワーセーブモードでは、スピーカから出力する音の音量を消音に制御する。本実施形態では、音量として「0」(消音)、「1」(最小音量)、「2」、「3」、「4」、「5」(最大音量)の6段階の音量が設定可能となっており、「0」<「1」<「2」<「3」<「4」<「5」の順で音量が大きくなるように設定されている。そして初期状態では音量は「3」に設定されており、第1パワーセーブモードに移行すると、音量を「0」に設定する。このように第1パワーセーブモードでは、デモ画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、デモ演出パターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、回転灯PLを停止させ、スピーカから音を出力しない遊技休止演出(第1遊技休止演出、第1待機演出)を実行させる。
【0123】
また第2パワーセーブモードでは、第2パワーセーブモードへの移行時に行っていた演出に基づいて遊技休止演出を実行させ、詳細には図14(B)に示すように、液晶ディスプレイLCDの表示を第2パワーセーブモードへの移行時(移行直前)の表示に維持し、台枠ランプALを第2パワーセーブモードへの移行時の状態(点灯状態または消灯状態)に維持し、回転灯PLを停止させ、第2パワーセーブモードへの移行時に行っていた演出に係る音響データの再生を継続することによって第2パワーセーブモードへの移行時にスピーカから出力していた演出音や音楽を継続して再生する。
【0124】
また第2パワーセーブモードでは、スピーカの音量を低下させる制御を行う。詳細には、第2パワーセーブモードに移行すると、音量を「1」(最小音量)に設定する。なお第2パワーセーブモードでは、音量を「1」に設定する場合に限られず、第2パワーセーブモードへの移行時の音量よりも低下させればよく、例えば、音量を「3」から「2」に変更するようにしてもよい。このように第2パワーセーブモードでは、液晶ディスプレイLCDにおいて第2パワーセーブモードへの移行時に表示していた画像を継続して表示させ、台枠ランプALを第2パワーセーブモードへの移行時の状態に維持し、回転灯PLを停止させ、音量を低下させて第2パワーセーブモードへの移行時にスピーカから出力していた演出音や音楽を継続して再生する遊技休止演出(第2遊技休止演出、第2待機演出)を実行させる。
【0125】
以上に述べたように本実施形態では、メダルが投入状態に設定されていない状態で所定時間(例えば、60秒)にわたって有効な操作が何も行われなかった場合には遊技が開始されるまでの期間が長いものとみなして第1パワーセーブモードに移行させ、リプレイの入賞に伴う自動投入処理による場合を含めメダルが投入状態に設定された状態で所定時間(例えば、60秒)にわたって有効な操作が何も行われなかった場合には遊技が開始されるまでの期間が短いものとみなして、第1パワーセーブモードよりも消費電力の抑制度合いが相対的に低い第2パワーセーブモードに移行させる。
【0126】
また演出制御手段180は、パワーセーブモード(第1パワーセーブモードまたは第2パワーセーブモード)に移行すると、演出ボタンB5に対する操作を有効化する制御を行い、パワーセーブモードが解除されると、演出ボタンB5に対する操作を無効化する制御を行う。
【0127】
また演出制御手段180は、パワーセーブモード(第1パワーセーブモードまたは第2パワーセーブモード)において各種の操作手段に対する有効な操作が行われた場合に、パワーセーブモードを解除(終了)して非パワーセーブモード(通常モード)に復帰させる。詳細には、メイン基板10からの信号または演出ボタンスイッチ270からの信号が入力された場合にパワーセーブモードを解除する。このように本実施形態では、メダルの投入やベットボタンB0に対する操作やスタートレバーSLに対する操作などの遊技を進行させるための操作のみならず、遊技進行に関わらない演出ボタンB5に対する操作によってもパワーセーブモードを解除することができるようになっている。なお本実施形態では、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開閉によってもパワーセーブモードが解除される。
【0128】
また演出制御手段180は、パワーセーブモード(第1パワーセーブモードまたは第2パワーセーブモード)に移行させる場合に、現在の音量などに関する情報をサブメモリ190Sの復帰データ記憶手段200に記憶し、パワーセーブモードが解除されると、遊技休止演出を終了して、復帰データ記憶手段200に記憶されている復帰データに基づいてパワーセーブモードへの移行時(移行直前)の状態に復帰させる復帰処理を行う。復帰処理では、スピーカの音量をパワーセーブモードへの移行時に設定されていた音量に復帰させる。なお第1パワーセーブモードでの遊技休止演出が終了すると、液晶ディスプレイLCDの表示がデモ画像から第1パワーセーブモードへの移行時の表示に復帰する。
【0129】
また演出制御手段180は、パワーセーブモード(第1パワーセーブモードまたは第2パワーセーブモード)が解除されると、遊技状態や演出状態に応じた演出を演出装置に実行させる。例えば、パワーセーブモードから非パワーセーブモードに復帰した場合に、遊技状態がBB状態であった場合にはボーナス遊技演出を実行させ、演出状態がAT準備状態またはAT状態であった場合にはAT遊技演出を実行させる。
【0130】
このように本実施形態では、第1パワーセーブモードが解除されると、液晶ディスプレイLCDにおいてデモ画面(デモ画像)から元の画面に復帰し、台枠ランプALにおいてデモ演出パターンから元の遊技状態や演出状態に応じた演出パターンに復帰し、スピーカの音量が戻って元の遊技状態や演出状態に応じた演出音や音楽が出力される。また第2パワーセーブモードが解除されると、台枠ランプALにおいて点灯状態または消灯状態から元の遊技状態や演出状態に応じた演出パターンに復帰し、スピーカの音量が戻って元の遊技状態や演出状態に応じた演出音や音楽が出力される。
【0131】
なお本実施形態の機能は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)によって仮想的に実現することができる。これらのシステムでは、本実施形態のメイン基板10やサブ基板20としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
【0132】
2.本実施形態の手法
本実施の形態では、メダルの投入やベットボタンB0に対する操作やスタートレバーSLに対する操作などの遊技を進行させるための有効な操作が行われた場合および遊技進行に関わらない演出ボタンB5に対する操作が行われた場合にパワーセーブモード(低電力モード)を解除して遊技休止演出を終了させる手法を採用している。以下、図15図16を参照しながら、本実施形態の遊技機で採用されている制御手法を具体的に説明する。図15図16は、本実施の形態の遊技機における制御処理を示すフローチャートである。
【0133】
まず非パワーセーブモード(通常モード)では、図15に示すように、メイン基板10から信号が入力されたり(ステップS100でY)、演出ボタンB5に対する有効な操作が行われると(ステップS101でY)、監視タイマー199による計時がリセットされ(ステップS102)、監視タイマー199が所定時間(例えば、60秒)を計時すると(ステップS103でY)、いずれかのリールが回転中である場合には(ステップS104でY)、回転中のリールを停止させることを促すリール停止警告演出が実行される(ステップS105)。
【0134】
一方、リールが回転中ではない、すなわち全てのリールが停止している場合には(ステップS104でN)、メダルが投入状態に設定されているか否かが判定され(ステップS106)、メダルが投入状態に設定されていない場合には第1パワーセーブモードに移行させ(ステップS107)、メダルが投入状態に設定されている場合には第2パワーセーブモードに移行させる(ステップS110)。
【0135】
第1パワーセーブモードに移行すると(ステップS107)、スピーカの音量が消音に制御され(ステップS108)、デモ画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、デモ演出パターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、回転灯PLを停止させ、スピーカから音を出力しない遊技休止演出が実行される(ステップS109)。
【0136】
また第2パワーセーブモードに移行すると(ステップS110)、スピーカの音量を低下させる制御が行われ(ステップS111)、液晶ディスプレイLCDにおいて第2パワーセーブモードへの移行時に表示していた画像を継続して表示させ、台枠ランプALを第2パワーセーブモードへの移行時の状態に維持し、回転灯PLを停止させ、音量を低下させて第2パワーセーブモードへの移行時にスピーカから出力していた演出音や音楽を継続して再生する遊技休止演出が実行される(ステップS112)。なお第1パワーセーブモードまたは第2パワーセーブモードに移行すると、演出ボタンB5に対する操作が有効化される。
【0137】
そして第1パワーセーブモードまたは第2パワーセーブモードでは、図16に示すように、メイン基板10から信号が入力されたり(ステップS200でY)、演出ボタンB5に対する有効な操作が行われると(ステップS201でY)、パワーセーブモードを解除して非パワーセーブモードに復帰させるとともに遊技休止演出を終了し(ステップS202)、音量を元の音量に戻す復帰処理が行われ(ステップS203)、遊技状態や演出状態に応じた演出が実行される(ステップS204)。
【0138】
このように本実施の形態では、遊技が継続して行われていない時間を計時する監視タイマー199が所定時間(例えば、60秒)を計時した場合に、遊技機の消費電力を抑制するパワーセーブモードに移行させる。特に本実施の形態では、消費電力の抑制度合いが異なる2種類のパワーセーブモード(第1パワーセーブモードおよび第2パワーセーブモード)が用意されており、所定時間(例えば、60秒)が経過した場合に、短期間で遊技が開始される可能性が高い遊技状況では第2パワーセーブモードに移行させ、遊技が開始されるまでの期間が長期化し得る遊技状況では第2パワーセーブモードよりも消費電力の抑制度合いが相対的に高い第1パワーセーブモードに移行させる。具体的には、所定時間(例えば、60秒)が経過した場合に、メダルが投入状態に設定されておりかつ全てのリールが停止している遊技状況では、遊技者が遊技を一時的に中断しているだけで、短期間で遊技が開始される可能性が高いため、第2パワーセーブモードに移行させ、メダルが投入状態に設定されておらずかつ全てのリールが停止している遊技状況では、遊技者が遊技を終了しており、遊技が開始されるまでの期間が長期化し得るため、第1パワーセーブモードに移行させる。これにより本実施の形態によれば、遊技が開始されるまでの期間が長期化し得る遊技状況では、短期間で遊技が開始される可能性が高い遊技状況よりも消費電力を抑制することができ、遊技状況に応じて消費電力を適切に抑制することができる。
【0139】
また本実施の形態では、パワーセーブモードにおいて遊技休止演出を実行させ、メダルの投入やベットボタンB0に対する有効な操作やスタートレバーSLに対する有効な操作や精算ボタンB4に対する有効な操作が行われた場合および演出ボタンB5に対する操作が行われた場合にパワーセーブモードを解除し、パワーセーブモードの解除に伴い遊技休止演出を終了させるため、メダルの投入やベットボタンB0に対する有効な操作やスタートレバーSLに対する有効な操作や精算ボタンB4に対する有効な操作のみならず演出ボタンB5に対する操作によっても遊技休止演出を終了させることができ、遊技機の操作インターフェース環境を向上させることができる。
【0140】
また本実施の形態では、非AT通常状態である場合には通常背景画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、非AT高確率状態である場合には高確率背景画像を液晶ディスプレイLCDに表示させるため、液晶ディスプレイLCDに表示されている背景画像によって演出状態が非AT高確率状態であるか否かを把握することができるようになっている。そして本実施の形態では、演出ボタンB5に対する操作によってデモ画像が表示される遊技休止演出を終了させることができるため、手持ちのメダルが無い遊技者であっても演出状態が非AT高確率状態であるか否かを確認することができ、遊技機の操作インターフェース環境を向上させることができる。
【0141】
また本実施の形態では、パワーセーブモードの種類に応じて異なる演出態様で遊技休止演出を実行させ、第1パワーセーブモードでは、デモ画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、デモ演出パターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、回転灯PLを停止させ、スピーカから音を出力しない遊技休止演出を実行させ、第2パワーセーブモードでは、液晶ディスプレイLCDにおいて第2パワーセーブモードへの移行時に表示していた画像を継続して表示させ、台枠ランプALを第2パワーセーブモードへの移行時の状態に維持し、回転灯PLを停止させ、音量を低下させて第2パワーセーブモードへの移行時にスピーカから出力していた演出音や音楽を継続して再生する遊技休止演出を実行させるため、デモ画像の表示の有無によってメダルが投入状態に設定されているか否かを報知することができ、遊技休止演出の演出態様によって遊技状況を報知することができる。
【0142】
また本実施の形態では、メダルの投入を受け付けている状態においてメダルが投入されたり、ベットボタンB0、スタートレバーSL、精算ボタンB4などの操作手段に対する有効な操作が行われた場合に監視タイマー199による計時をリセットし、メダルの投入を受け付けていない状態においてメダルが投入されたり、ベットボタンB0、スタートレバーSL、精算ボタンB4などの操作手段に対する無効な操作が行われた場合には監視タイマー199による計時をリセットしないため、遊技が継続して行われていない時間を適切に計時することができる。
【0143】
3.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【0144】
上記実施形態では、可動役物として回転灯PLを設けた場合を例に取り説明したが、可動役物としては回転灯PLに限られるものではなく、例えば、図17(A)に示すような液晶ディスプレイLCDの表示領域を遮蔽する遮蔽位置と、図17(B)に示すような当該表示領域を遮蔽しない非遮蔽位置との間で開閉動作を行うシャッター役物SLDを設けるようにしてもよい。この例では、シャッター役物SLDを開閉動作させるための駆動装置(モーター)が駆動すると、図示しないガイドレールに沿ってシャッター役物SLDが開閉動作を行い、初期位置である非遮蔽位置では、シャッター役物SLDが上部前面扉UDの背面側に位置して正面からは視認できないように構成し、第1パワーセーブモードでは、シャッター役物SLDを非遮蔽位置(初期位置)で停止させ、第2パワーセーブモードでは、シャッター役物SLDを現在の位置で停止させ、第1パワーセーブモードが解除されると、シャッター役物SLDを元の位置(例えば、遮蔽位置)まで復帰させるようにしてもよい。
【0145】
また上記実施形態では、メダルが投入状態に設定されておらずかつ全てのリールが停止している状況で所定時間(例えば、60秒)が経過した場合に第1パワーセーブモードに移行させる場合を例に取り説明したが、第1パワーセーブモードへの移行条件はこれに限られるものではない。例えば、メダルが投入状態に設定されておらずかつ全てのリールが停止している状況で所定時間(例えば、60秒)が経過した場合に、遊技状態がBB状態ではなくかつ演出状態がAT準備状態およびAT状態のいずれでもないことを条件として第1パワーセーブモードに移行させ、遊技状態がBB状態である場合または演出状態がAT準備状態もしくはAT状態である場合には第2パワーセーブモードに移行させるようにしてもよい。また例えば、ビッグボーナス(BB)が当選した場合に複数回の遊技にわたって行われる連続演出を演出装置に実行させ、連続演出の最終段階においてビッグボーナス(BB)の当選を報知する遊技仕様において、メダルが投入状態に設定されておらずかつ全てのリールが停止している状況で所定時間(例えば、60秒)が経過した場合に、連続演出の実行中ではないことを条件として第1パワーセーブモードに移行させ、連続演出の実行中である場合には第2パワーセーブモードに移行させるようにしてもよい。また例えば、ビッグボーナス(BB)の当選を報知するボーナス報知演出の終了後にボーナス確定演出をビッグボーナス(BB)が入賞するまで実行させる遊技仕様において、メダルが投入状態に設定されておらずかつ全てのリールが停止している状況で所定時間(例えば、60秒)が経過した場合に、ボーナス確定演出の実行中ではないことを条件として第1パワーセーブモードに移行させ、ボーナス確定演出の実行中である場合(BB成立状態である場合)には第2パワーセーブモードに移行させるようにしてもよい。なお連続演出としてはビッグボーナス(BB)の当選を報知するものに限られず、AT抽選の結果を報知するものであってもよく、AT抽選が行われた場合にAT抽選の結果を報知する連続演出を実行させるようにしてもよい。また例えば、上記したシャッター役物SLDを設けた場合には、メダルが投入状態に設定されておらずかつ全てのリールが停止している状況で所定時間(例えば、60秒)が経過した場合に、シャッター役物SLDが非遮蔽位置に位置していることを条件として第1パワーセーブモードに移行させ、シャッター役物SLDが遮蔽位置に位置している場合には第2パワーセーブモードに移行させるようにしてもよい。
【0146】
すなわちメダルが投入状態に設定されておらずかつ全てのリールが停止している状況で所定時間(例えば、60秒)が経過したことという第1移行条件に加えて所定の第2移行条件を満たした場合に第1パワーセーブモードに移行させ、第2パワーセーブモードに関しては、メダルが投入状態に設定されておりかつ全てのリールが停止している状況で所定時間(例えば、60秒)が経過したことという移行条件を満たした場合、または第1パワーセーブモードの第1移行条件を満たしたが第1パワーセーブモードの第2移行条件を満たさなかった場合に移行させるようにしてもよい。なお第1パワーセーブモードの第1移行条件を満たしたが第1パワーセーブモードの第2移行条件を満たさなかった場合にはパワーセーブモードに移行させないようにしてもよい。
【0147】
また上記実施形態では、所定状況下で所定時間(例えば、60秒)にわたって遊技が継続して行われなかった場合にパワーセーブモードに移行させる場合を例に取り説明したが、精算ボタンB4に対する有効な操作が行われた場合にもパワーセーブモード(例えば、第1パワーセーブモード)に移行させるようにしてもよい。この例では、遊技休止演出において、メダルの払い出し(精算)に伴いメダルの払出音(精算音)のみをスピーカから出力するようにしてもよい。なお精算ボタンB4に対する有効な操作に伴う払出処理(精算処理)が終了した場合にパワーセーブモード(例えば、第1パワーセーブモード)に移行させるようにしてもよい。
【0148】
また上記実施形態では、所定時間(例えば、60秒)にわたって遊技が継続して行われなかった場合に遊技状況に応じて第1パワーセーブモードまたは第2パワーセーブモードに移行させる場合を例に取り説明したが、第1パワーセーブモードの移行条件に係る所定時間と第2パワーセーブモードの移行条件に係る所定時間とを異なる時間に設定してもよく、例えば、メダルが投入状態に設定されていない状況では第1所定時間(例えば、30秒)にわたって遊技が行われなかった場合に第1パワーセーブモードに移行させ、メダルが投入状態に設定されている状況では第2所定時間(例えば、60秒)にわたって遊技が行われなかった場合に第2パワーセーブモードに移行させるようにしてもよい。
【0149】
また上記実施形態では、遊技機の電源が投入されている間は監視タイマー199を常に作動させる場合を例に取り説明したが、監視タイマー199による計時を中断させるまたは監視タイマー199を停止させる場合があってもよい。例えば、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが開かれたことをドアセンサ260が検出した場合に監視タイマー199による計時を中断し、開放状態の上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが閉じられたことをドアセンサ260が検出した場合に、中断した監視タイマー199による計時を再開するようにしてもよい。すなわち上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開放に伴うドア開放エラー中(エラー状態中)は監視タイマー199による計時を一旦停止するようにしてもよい。このようにすれば、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開放中に遊技休止演出が開始されることを防ぐことができる。ここで、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開放中に遊技休止演出が開始されると上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開閉の前後で異なる演出が実行されることとなり違和感を与えるおそれがあるが、本変形例によれば、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDの開閉の前後で異なる演出が実行されることによる違和感を与えないようにすることができる。
【0150】
また例えば、1回の遊技に関する処理が全て終了したことを契機として監視タイマー199を作動させ、メダルが投入状態に設定されたことを契機として監視タイマー199を停止させるようにしてもよい。このようにすれば、メダルが投入状態に設定されてない遊技状況においてパワーセーブモードに移行させ、メダルが投入状態に設定されている遊技状況ではパワーセーブモードに移行させないようにすることができる。
【0151】
また上記実施形態では、メイン基板10からの信号が入力される毎に監視タイマー199による計時をリセットする場合を例に取り説明したが、上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが開放された場合または開放状態の上部前面扉UDまたは下部前面扉DDが閉じられた場合には監視タイマー199による計時をリセットしないようにしてもよい。
【0152】
また上記実施形態では、演出ボタンB5に対する有効な操作が行われた場合に限り監視タイマー199による計時をリセットし、無効な操作が行われた場合には監視タイマー199による計時をリセットしない場合を例に取り説明したが、演出ボタンB5に対する無効な操作が行われた場合にも監視タイマー199による計時をリセットするようにしてもよい。すなわち演出ボタンスイッチ270からの信号が入力される毎に監視タイマー199による計時をリセットするようにしてもよい。
【0153】
また上記実施形態では、2種類のパワーセーブモードを設けた場合を例に取り説明したが、1種類のみとしてもよい。この例では、メダルが投入状態に設定されておらずかつ全てのリールが停止している状況で所定時間(例えば、60秒)が経過した場合にパワーセーブモード(例えば、第1パワーセーブモード)に移行させ、メダルが投入状態に設定されている遊技状況ではパワーセーブモードに移行させないようにしてもよい。またこの例では、パワーセーブモードにおいて、液晶ディスプレイLCDにおいてパワーセーブモードへの移行時に表示していた画像を継続して表示させ、台枠ランプALをパワーセーブモードへの移行時の状態に維持し、回転灯PLを停止させ、スピーカから音を出力しない遊技休止演出を実行させるようにしてもよい。また遊技状態が通常状態で演出状態が非AT通常状態または非AT高確率状態である場合にパワーセーブモードに移行した場合には、デモ画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、デモ演出パターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、回転灯PLを停止させ、スピーカから音を出力しない遊技休止演出、またはデモ画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、台枠ランプALをパワーセーブモードへの移行時の状態に維持し、回転灯PLを停止させ、スピーカから音を出力しない遊技休止演出を実行させ、遊技状態がBB状態である場合または演出状態がAT準備状態もしくはAT状態である場合にパワーセーブモードに移行した場合には、液晶ディスプレイLCDにおいてパワーセーブモードへの移行時に表示していた画像を継続して表示させ、台枠ランプALをパワーセーブモードへの移行時の状態に維持し、回転灯PLを停止させ、スピーカから音を出力しない遊技休止演出を実行させるようにしてもよい。なおこの例では、遊技状態が通常状態で演出状態が非AT通常状態または非AT高確率状態である場合(通常遊技中である場合)には第1所定時間(例えば、30秒)にわたって遊技が継続して行われなかった場合にパワーセーブモードに移行させ、遊技状態がBB状態である場合(ボーナス遊技中である場合)または演出状態がAT準備状態もしくはAT状態である場合(アシストタイム遊技中である場合)には第2所定時間(例えば、60秒)にわたって遊技が継続して行われなかった場合にパワーセーブモードに移行させるようにしてもよい。
【0154】
また上記実施形態では、パワーセーブモードの種類(遊技状況)に応じた演出態様で遊技休止演出を実行させ、第1パワーセーブモードと第2パワーセーブモードとでは、液晶ディスプレイLCD、台枠ランプAL、およびスピーカのそれぞれの演出装置の演出態様を異ならせる場合を例に取り説明したが、少なくとも1種類の演出装置の演出態様が異なっていればよく、残りの演出装置の演出態様については同一であってもよい。例えば、第1パワーセーブモードでは、デモ画像を液晶ディスプレイLCDに表示させ、デモ演出パターンで台枠ランプALを点灯または点滅させ、回転灯PLを停止させ、スピーカから音を出力しない遊技休止演出を実行させ、第2パワーセーブモードでは、液晶ディスプレイLCDにおいて第2パワーセーブモードへの移行時に表示していた画像を継続して表示させ、台枠ランプALを第2パワーセーブモードへの移行時の状態に維持し、回転灯PLを停止させ、スピーカから音を出力しない遊技休止演出を実行させるようにしてもよい。この例では、第1パワーセーブモードおよび第2パワーセーブモードを、遊技機の消費電力を抑制するモードであって異なる演出態様の遊技休止演出が実行されるモードとすることができる。
【0155】
また上記実施形態では、第1パワーセーブモードにおいてデモ演出に係る音響データを再生する場合を例に取り説明したが、第1パワーセーブモードへの移行時に行っていた演出に係る音響データの再生を継続するようにしてもよい。
【0156】
また上記実施形態では、第2パワーセーブモードにおいて台枠ランプALを第2パワーセーブモードへの移行時の状態に維持する場合を例に取り説明したが、第2パワーセーブモードへの移行時に実行していた演出パターンで台枠ランプALを継続して点灯または点滅させるようにしてもよい。なお第1パワーセーブモードにおいても同様に第1パワーセーブモードへの移行時に実行していた演出パターンで台枠ランプALを継続して点灯または点滅させるようにしてもよい。
【0157】
また上記実施形態では、パワーセーブモードに移行すると、演出ボタンB5に対する操作を有効する場合を例に取り説明したが、演出ボタンB5に対する操作を有効化しなくてもよく、有効であるか否かに関わらずに演出ボタンスイッチ270からの信号が入力された場合にパワーセーブモードを解除するようにしてもよい。
【0158】
また上記実施形態では、パワーセーブモードが解除されると、遊技状態や演出状態に応じた演出を実行させる場合を例に取り説明したが、パワーセーブモードへの移行に伴い実行中の演出を中断し、パワーセーブモードが解除されると、中断した演出を再開するようにしてもよい。
【0159】
また上記実施形態では、いずれかのリールが回転している状況で監視タイマー199が所定時間(例えば、60秒)を計時した場合にリール停止警告演出を実行させる場合を例に取り説明したが、リール停止警告演出の実行とともに、スピーカの音量を消音に制御したり、スピーカの音量を低下させる制御を行うようにしてもよい。
【0160】
また上記実施形態では、回転灯PLや液晶ディスプレイLCDなどの演出装置を設けた場合を例に取り説明したが、回転灯PLを設ける場合には液晶ディスプレイLCDを設けなくてもよいし、液晶ディスプレイLCDを設ける場合には回転灯PLを設けなくてもよい。
【0161】
また上記実施形態では、演出ボタンB5を設け、演出ボタンB5に対する操作によってパワーセーブモードを解除する場合を例に取り説明したが、演出ボタンB5は必ずしも設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0162】
BX 収納箱、UD 上部前面扉、DD 下部前面扉、DW 表示窓、
L1 有効ライン、DS 遊技情報表示部、LCD 液晶ディスプレイ、
PL 回転灯、AL 台枠ランプ、SLD シャッター役物、
R1 第1リール、R2 第2リール、R3 第3リール、SL スタートレバー、
B0 ベットボタン、B1~B3 ストップボタン、
B4 精算ボタン、B5 演出ボタン、MI メダル投入口、
MO メダル払い出し口、MP メダル受け皿、10 メイン基板、
105 投入受付手段、110 乱数発生手段、120 内部抽選手段、
130 リール制御手段、140 入賞判定手段、150 払出制御手段、
160 リプレイ処理手段、170 遊技状態移行制御手段、173 RT制御手段、
175 特典付与手段、179 通信制御手段、180 演出制御手段、
190M メインメモリ、190S サブメモリ
191 メイン抽選テーブル記憶手段、192 抽選フラグ記憶手段、
193 停止制御テーブル記憶手段、194 入賞判定テーブル記憶手段、
195 AT終了判定カウンタ、197 演出データ記憶手段、
198 サブ抽選テーブル記憶手段、199 監視タイマー、
200 復帰データ記憶手段、
210 メダル投入スイッチ、220 ベットスイッチ、230 スタートスイッチ、
240 ストップスイッチ、250 精算スイッチ、260 ドアセンサ、
270 演出ボタンスイッチ、310 リールユニット、315 リールインデックス、
320 ホッパーユニット、325 払出メダル検出スイッチ、
330 演出表示装置、340 音響装置、350 役物駆動装置
図1
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