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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】高さ調整装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/388 20060101AFI20220607BHJP
   E06B 9/382 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
E06B9/388
E06B9/382
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018202220
(22)【出願日】2018-10-26
(65)【公開番号】P2020066975
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】山下 純平
(72)【発明者】
【氏名】金子 敦
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-271577(JP,A)
【文献】特開2010-31478(JP,A)
【文献】特開2010-31481(JP,A)
【文献】特開2012-117325(JP,A)
【文献】特開2015-105556(JP,A)
【文献】特開2014-001528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/24-9/388
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横型ブラインドにおけるボトムレールの高さ調整装置であって、
ラダーコードを巻き付けるための軸線に沿って延びる筒状の巻取軸と、
前記巻取軸を収容して前記軸線周りに回転自在に支持するように形成された前記軸線に沿って延びる筒状の軸支持部材と、
前記軸支持部材を前記軸線周りに回動不能に支持するように形成された、前記ボトムレールに取り付けられるボトムベースと、を備え、
前記巻取軸は、前記軸線に交差する方向において前記巻取軸を貫通する孔である一対の孔部を有しており、
前記軸支持部材は、該軸支持部材の外部と内部とを連通する空間である一対の案内空間を有していることを特徴とする高さ調整装置。
【請求項2】
前記一対の孔部の各々は、ラダーコードを係止可能に形成された部分である係止部を有していることを特徴とする請求項1記載の高さ調整装置。
【請求項3】
前記孔部の前記係止部は、ラダーコードを挟持可能な幅を有する前記軸線に沿ってのびる間隙であることを特徴とする請求項2記載の高さ調整装置。
【請求項4】
前記一対の孔部の各々は、前記軸線方向において前記係止部に続く空間である挿入部を有しており、前記挿入部は前記ラダーコードが挿入可能な大きさを有していることを特徴とする請求項2又は3記載の高さ調整装置。
【請求項5】
前記軸支持部材の前記一対の案内空間の各々は、前記軸支持部材の前記軸線方向における一方の側の端部に形成された、前記軸線方向における他方の側に凹む凹部であり、
前記軸支持部材は前記一方の側において前記ボトムベースに支持されるようになっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の高さ調整装置。
【請求項6】
前記巻取軸と前記軸支持部材との間には、互いに係合可能な係合部が設けられており、前記係合部は、少なくとも一対の凸部及び凹部を有しており、前記凸部は前記軸線に交差する方向に突出した部分であり、前記凹部は前記凸部を収容可能に凹む部分であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の高さ調整装置。
【請求項7】
前記巻取軸は、該巻取軸の前記軸線方向における他方の側の端部に前記巻取軸を回転させる工具が係合可能な溝部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の高さ調整装置。
【請求項8】
前記巻取軸は、前記軸線に沿って前記他方の側の端部の側から前記巻取軸に取り付けられる昇降コードが退避可能な、前記溝部と交差する他の溝部が形成されていることを特徴とする請求項7記載の高さ調整装置。
【請求項9】
前記軸支持部材は、前記軸支持部材の前記一対の案内空間の側で昇降コードを保持する保持部を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の高さ調整装置。
【請求項10】
前記ボトムベースは、前記軸支持部材を前記軸線方向における一方の側の端部において収容するように形成された凹部である収容凹部を有しており、
前記収容凹部は、前記軸支持部材の前記一方の側の端部に接触する互いに対向する面である接触面を有していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の高さ調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横型ブラインドにおけるボトムレールの高さ調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
横型ブラインドには、全開時のボトムレールの高さ位置を調整する高さ調整装置が設けられている。横型ブラインドにおいてボトムレールはラダーコードによって支持されており、高さ調整装置によるボトムレールの高さ調整は、所望の長さにラダーコードの長さを調整することにより行われる。
【0003】
従来の高さ調整装置には、ボトムレールに設けられ、ボトムレールに係止されるボトムベースと、ボトムベースに支持される筒状の巻取軸とを有するものがある。ボトムベースは、中央に筒部を有し、巻取軸は筒部内に下方から挿入されて回転可能に支持されている。筒部から抜け出た巻取軸の上面から一対のラダーコードそれぞれの下端部が進入し、下端部が巻取軸内部で互いに連結されて、ラダーコードが高さ調整装置において巻取り及び繰り出し可能になっており、ラダーコードの長さを調整可能になっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-31481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような従来の高さ調整装置おいて、ボトムレールの下面から案内されたラダーコードは、筒部の下端から上端に筒部に沿って案内され、筒部の上端を超えて筒部内に進入して巻取軸に固定されている。そして、筒部に巻き付けられたラダーコードが筒部から抜けることを防ぐために、筒部に装着されるカバーが設けられている。このように、従来の高さ調整装置は、構造が複雑であり、また、ラダーコードの取り付けも複雑になっていた。このため、従来の高さ調整装置に対しては、ラダーコードの抜けが発生することがない簡易な構造が求められている。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構造とすることができる高さ調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、横型ブラインドにおけるボトムレールの高さ調整装置であって、ラダーコードを巻き付けるための軸線に沿って延びる筒状の巻取軸と、前記巻取軸を収容して前記軸線周りに回転自在に支持するように形成された前記軸線に沿って延びる筒状の軸支持部材と、前記軸支持部材を前記軸線周りに回動不能に支持するように形成された、前記ボトムレールに取り付けられるボトムベースと、を備え、前記巻取軸は、前記軸線に交差する方向において前記巻取軸を貫通する孔である一対の孔部を有しており、前記軸支持部材は、該軸支持部材の外部と内部とを連通する空間である一対の案内空間を有していることを特徴とする。
【0008】
また、前記一対の孔部の各々は、ラダーコードを係止可能に形成された部分である係止部を有していてもよい。
【0009】
また、前記孔部の前記係止部は、ラダーコードを挟持可能な幅を有する前記軸線に沿ってのびる間隙であってもよい。
【0010】
また、前記一対の孔部の各々は、前記軸線方向において前記係止部に続く空間である挿入部を有しており、前記挿入部は前記ラダーコードが挿入可能な大きさを有していてもよい。
【0011】
また、前記軸支持部材の前記一対の案内空間の各々は、前記軸支持部材の前記軸線方向における一方の側の端部に形成された、前記軸線方向における他方の側に凹む凹部であり、前記軸支持部材は前記一方の側において前記ボトムベースに支持されるようになっていてもよい。
【0012】
また、前記巻取軸と前記軸支持部材との間には、互いに係合可能な係合部が設けられており、前記係合部は、少なくとも一対の凸部及び凹部を有しており、前記凸部は前記軸線に交差する方向に突出した部分であり、前記凹部は前記凸部を収容可能に凹む部分であってもよい。
【0013】
また、前記巻取軸は、該巻取軸の前記軸線方向における他方の側の端部に前記巻取軸を回転させる工具が係合可能な溝部が形成されていてもよい。
【0014】
また、前記巻取軸は、前記軸線に沿って前記他方の側の端部の側から前記巻取軸に取り付けられる昇降コードが退避可能な、前記溝部と交差する他の溝部が形成されていてもよい。
【0015】
また、前記軸支持部材は、前記軸支持部材の前記一対の案内空間の側で昇降コードを保持する保持部を有していてもよい。
【0016】
前記ボトムベースは、前記軸支持部材を前記軸線方向における一方の側の端部において収容するように形成された凹部である収容凹部を有しており、前記収容凹部は、前記軸支持部材の前記一方の側の端部に接触する互いに対向する面である接触面を有していてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る高さ調整装置によれば、簡易な構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係る高さ調整装置を有する横型ブラインド装置の正面図である。
図2図1に示す横型ブラインド装置の側面図である。
図3】横型ブラインド装置におけるボトムレールを示す図であり、図3(a)は斜視図であり、図3(b)はボトムレールの延び方向に交差する断面における断面図である。
図4】本実施の形態に係る高さ調整装置の概略構成を示す高さ調整装置の斜視図である。
図5】高さ調整装置におけるボトムベースを示す図であり、図5(a)はボトムベースを下側から見た斜視図であり、図5(b)はボトムベースを上側から見た斜視図である。
図6】昇降コードが固定された高さ調整装置における軸支持部材を示す図であり、図6(a)は軸支持部材の斜視図であり、図6(b)は軸支持部材の上面図である。
図7】高さ調整装置における巻取軸を示す図であり、図7(a)は巻取軸の斜視図であり、図7(b)は巻取軸の正面図である。
図8図4に示すA-A線に沿った断面における高さ調整装置の断面図である。
図9】高さ調整装置において巻取軸にラダーコードを巻き取る工程を説明するための横型ブラインド装置の断面図であり、図9(a)はラダーコードが巻き取られていない状態を示す断面図であり、図9(b)はラダーコードが巻き取られている状態を示す部分断面図である。
図10】他の形態の横型ブラインド装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
本発明に係る高さ調整装置は、横型ブラインドのボトムレールの高さ位置を調整するものであり、横型ブラインドに適用される。本発明に係る高さ調整装置が適用される横型ブラインドは公知の横型ブラインドであり、特定の横型ブラインドに限定されない。例えば、本発明の実施の形態に係る高さ調整装置1は、図1,2に示す横型ブラインドとしての横型ブラインド装置100に適用される。図1は、本発明の実施の形態に高さ調整装置1を有する横型ブラインド装置100の正面図であり、図2は、横型ブラインド装置100の側面図である。横型ブラインド装置100は、窓枠等に固定されて、室内からの外部の視認を可能にしたり、外部からの室内の視認を妨げたり、また、室内への光や風の取り入れを可能にしたり、室内への光や風の進入を防いだりする覆いである。
【0021】
本発明の実施の形態に係る高さ調整装置1が適用される横型ブラインド装置100は、ヘッドボックス110と、操作コード120と、ラダーコード130と、昇降コード140と、ボトムレール150と、スラット160とを備える。なお、説明の便宜上、図面において、図1,2に示すように、横型ブラインド装置100のヘッドボックス110の延び方向を長手方向LRとし、図1において左側を左側Lと、図1において右側を右側Rとする。また、ボトムレール150の昇降する方向を高さ方向UDとし、高さ方向UDにおいてヘッドボックス110側を上側Uと、高さ方向UDにおいてボトムレール150側を下側Dとする。また、図2において、左右方向を前後方向(幅方向)FBとし、前後方向FBにおいて左側を前側F、右側を後側Bとする。具体的には、前側Fは、操作コード120がヘッドボックス110から垂下している側である。
【0022】
ヘッドボックス110は、窓枠に取り付けられる部分であり、ブラケット(図示せず。)を有しており、ヘッドボックス110は、ブラケットを介して窓枠に取り付けられる。ヘッドボックス110の右側Rからは、操作コード120が垂下している。また、ヘッドボックス110からは、長手方向LRにおいて等間隔にラダーコード130及び昇降コード140が垂下している。
【0023】
ヘッドボックス110は、その内部に駆動機構(図示せず。)と、巻取りドラム(図示せず。)とを有している。駆動機構及び各巻取りドラムは、共通の回転軸により連結されている。駆動機構には操作コード120が連結されている。巻取りドラムは、ラダーコード130及び昇降コード140が垂下している位置にそれぞれ設けられている。巻取りドラムには、ラダーコード130が所定長さだけヘッドボックス110内に引き込まれる又はヘッドボックス110から送り出されるように取り付けられていて、かつ、昇降コード140が巻き取られる又は巻き解かれるように巻き付けられている。
【0024】
操作コード120は、ループ状のコードである。操作コード120を操作することにより、ヘッドボックス110内に配置された駆動機構に回転駆動力が伝達される。この回転駆動力は、上述の共通の回転軸を介して巻取りドラムに伝達され、ラダーコード130が上下動させられ、かつ、昇降コード140が巻き取られる又は巻き解かれる。また、操作コード120を操作することにより、後述するスラット160の傾倒(チルト)及びボトムレール150の昇降に関する操作が行われる。
【0025】
ラダーコード130は、下側Dでボトムレール150を支持しており、ボトムレール150は、ラダーコード130によってヘッドボックス110から吊り下げられた状態になっている。ラダーコード130は、1本の前側ラダーコード131と、1本の後側ラダーコード132と、を有する。前側ラダーコード131は、横型ブラインド装置100の前側Fにおいてヘッドボックス110から垂下している。後側ラダーコード132は、横型ブラインド装置100の後側Bにおいてヘッドボックス110から垂下している。
【0026】
前側ラダーコード131の上端部及び後側ラダーコード132の上端部は、ヘッドボックス110内の巻取りドラムに取り付けられている。前側ラダーコード131の下端部及び後側ラダーコード132の下端部は、それぞれボトムレール150において高さ調整装置1により保持されている。前側ラダーコード131の下端部及び後側ラダーコード132の下端部にはそれぞれ結び目131a,132aが形成されている。なお、「結び目131a」とは、前側ラダーコード131の下端部を結んで形成された瘤のことであり、「結び目132a」とは、後側ラダーコード132の下端部を結んで形成された瘤のことである。前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132のそれぞれの結び目131a,132aは、結び目131a,132a以外の前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132の部分よりも太くなった部分である。
【0027】
前側ラダーコード131と後側ラダーコード132とは互いに連結糸群133によって連結されている。連結糸群133は、高さ方向UDにおいて所定の間隔をあけた2本で一組の糸群により形成されている。連結糸群133は、高さ方向UDにおける同じ高さ位置で、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132の左側L及び右側Rの端部にそれぞれ設けられている。連結糸群133の各糸群は、高さ方向UDにスラット160を収容するだけの僅かな間隔をおいて対をなして設けられている。後述するスラット160は、各糸群の糸の間に挿入されている。
【0028】
昇降コード140は、長手方向LRにおいてラダーコード130とほぼ同じ位置で、かつ、前後方向FBにおいてヘッドボックス110の略中央部分から垂下している。昇降コード140は、前側昇降コード141と、後側昇降コード142と、を有する。前側昇降コード141は、前後方向FBにおいてヘッドボックス110の前側Fから垂下している。後側昇降コード142は、前後方向FBにおいてヘッドボックス110の後側Bから垂下している。前側昇降コード141及び後側昇降コード142はそれぞれ、上側Uの上端部において、ヘッドボックス110内の巻取りドラムに巻き付けられている。前側昇降コード141、後側昇降コード142は、下側Dの下端部において、ボトムレール150に固定されている。前側昇降コード141及び後側昇降コード142が巻取りドラムに巻き取られることにより、ボトムレール150は上側Uに移動(上昇)する。また、前側昇降コード141及び後側昇降コード142が巻取りドラムから巻き解かれることにより、ボトムレール150は下側Dに移動(降下)する。
【0029】
前側昇降コード141は、ヘッドボックス110から高さ方向UDにおいて所定の箇所で前側ラダーコード131の連結糸群133の一対の糸の間を通ってボトムレール150まで延びている。後側昇降コード142は、ヘッドボックス110から高さ方向UDにおいて所定の箇所で後側ラダーコード132の連結糸群133の一対の糸の間を通ってボトムレール150まで延びている。
【0030】
図3は横型ブラインド装置100におけるボトムレール150を示す図であり、図3(a)は斜視図であり、図3(b)はボトムレール150の延び方向に交差する断面における断面図である。ボトムレール150は、横型ブラインド装置100において高さ方向UDにおける最も下側Dの位置(下限位置)に設けられている。ボトムレール150は、ヘッドボックス110に面する上面151と、ヘッドボックス110とは反対側に面する下面152と、を有する。ボトムレール150は、後述する高さ調整装置1の軸支持部材12及び巻取軸13を収容する円形の収容孔153を有する。収容孔153は、上面151から下面152に亘って貫通している。収容孔153は、小収容孔部154と大収容孔部155と、を有する。小収容孔部154は、巻取軸13を収容する。大収容孔部155は、軸支持部材12を収容する。小収容孔部154は、大収容孔部155よりも小径であり、大収容孔部155に上面151の側に位置する。
【0031】
スラット160は、薄板状の部材であり、各スラット160は、高さ方向UDにおいて同じ位置にあるラダーコード130の連結糸群133の一対の糸群の間に挿通されている。
【0032】
上述の構成を有する横型ブラインド装置100には、本発明の実施の形態に係る高さ調整装置1が設けられている。図4は、本実施の形態に係る高さ調整装置1の概略構成を示す高さ調整装置1の斜視図であり、図5は、高さ調整装置1におけるボトムベース11を示す図であり、図5(a)はボトムベース11を下側から見た斜視図であり、図5(b)はボトムベース11を上側から見た斜視図であり、図6は昇降コード140が固定された高さ調整装置1における軸支持部材12を示す図であり、図6(a)は軸支持部材12の斜視図であり、図6(b)は軸支持部材12の上面図であり、図7は高さ調整装置1における巻取軸13を示す図であり、図7(a)は巻取軸13の斜視図であり、図7(b)は巻取軸13の正面図であり、図8図4に示すA-A線に沿った断面における高さ調整装置1の断面図である。
【0033】
図4図8に示すように、高さ調整装置1は、ラダーコード131,132を巻き付けるための軸線xに沿って延びる筒状の巻取軸13と、巻取軸13を収容して軸線x周りに回転自在に支持するように形成された軸線xに沿って延びる筒状の軸支持部材12と、軸支持部材12を軸線x周りに回動不能に支持するように形成された、ボトムレール150に取り付けられるボトムベース11とを備えている。巻取軸13は、軸線xに交差する方向において巻取軸13を貫通する孔である一対の孔部18を有している。軸支持部材12は、軸支持部材12の外部と内部とを連通する空間である一対の案内空間12dを有している。以下、高さ調整装置1の構成について具体的に説明する。
【0034】
ボトムベース11は、板状に延びる部材であり、軸支持部材12を回動不能に支持する。ボトムベース11は、下側Dに面する表面11aと、上側Uに面する裏面11bと、を有する。ボトムベース11は、2つの貫通孔11cを有する。各貫通孔11cは、長手方向LRにおける左側Lの端部及び右側Rの端部にそれぞれ形成されている。貫通孔11cは、ボトムベース11を厚さ方向に貫通している。貫通孔11cには、ボトムベース11をボトムレール150に固定するためのねじ(図示せず。)が挿通される。
【0035】
ボトムベース11は、外壁部11dと、収容凹部11eと、を有する。外壁部11dは、裏面11bの側でボトムベース11の外縁に沿って上側Uに延びている。外壁部11dは、一対の案内凹部11fを有する。各案内凹部11fは、上側Uから下側Dに凹む部分であり、前後方向FBにおける前側F及び後側Bで、かつ、長手方向LRにおける外壁部11dの中央部に形成されている。前側Fの案内凹部11fは、前側昇降コード141を案内する。後側Bの案内凹部11fは、後側昇降コード142を案内する。
【0036】
収容凹部11eは、軸支持部材12を軸線x方向における一方の側(下側D)の端部12b(固定部)において収容するように形成された凹部であり、収容凹部11eは、軸支持部材12の下側Dの端部12bに接触する互いに対向する面である接触面11jを有している。具体的には、収容凹部11eは、ボトムベース11の裏面11bの側で、外壁部11dと、前後方向FBにおける外壁部11dの間を延在している一対の内壁部11gとにより画定されている。左側Lの内壁部11gは、左側Lの貫通孔11cよりも右側Rに位置する。右側Rの内壁部11gは、右側Rの貫通孔11cよりも左側Lに位置する。外壁部11dの内側に面する面が接触面11jである。
【0037】
収容凹部11eの中央部には、凸部11hが形成されている。凸部11hは、ボトムベース11の裏面11bから上側Uに突出して環状に延在している。凸部11hによって画定された領域11iに、後述する巻取軸13が回動自在に収容される。
【0038】
軸支持部材12は、円筒状の円筒壁部12aと、2つの固定部12bと、を有する。円筒壁部12a及び固定部12bは互いに一体に形成されている。
【0039】
円筒壁部12aは、固定部12bに対して上側Uに位置する。円筒壁部12aは、円筒形状を有する。円筒壁部12aは、ボトムレール150の大収容孔部155に収容される。大収容孔部155において円筒壁部12aは、大収容孔部155の内壁と接触していても、接触していなくてもよい。巻取軸13と軸支持部材12との間には、互いに係合可能な係合部20が設けられており、係合部20は、少なくとも一対の凸部及び凹部を有している。凸部は軸線xに交差する方向に突出した部分であり、凹部は凸部を収容可能に凹む部分である。本実施の形態においては、凹部はスリット12cであり、軸支持部材12が係合部20の凹部としてのスリット12cを有している。具体的には、円筒壁部12aが、4つのスリット12cを有している。各スリット12cは、上側Uに面する端部から下側Dに向かって円筒壁部12aの途中まで延びている。各スリット12cは、それぞれ周方向に90°の角度間隔をあけて形成されている。なお、スリット12cは1つのみ設けられていてもよく、複数設けられていてもよい。
【0040】
2つの固定部12bは、それぞれ左側固定部12bl及び右側固定部12brである。左側固定部12blは、円筒壁部12aの中心に対して左側Lに位置し、右側固定部12brは、円筒壁部12aの中心に対して右側Rに位置する。左側固定部12bl及び右側固定部12brは、それぞれ円筒壁部12aの下側Dの端部に一体に形成されている。左側固定部12bl及び右側固定部12brは、長手方向LRにおいて所定の間隔をあけて設けられている。長手方向LRにおける左側固定部12blと右側固定部12brとの間に、案内空間12dが形成されている。前側Fの案内空間12dは、軸線x方向において下側の端部12bに形成された上側Uに凹む凹部であり、前側ラダーコード131を円筒壁部12aの内側に通す。後側Bの案内空間12dは、軸線x方向において下側の端部12bに形成された上側Uに凹む凹部であり、後側ラダーコード132を円筒壁部12aの内側に通す。
【0041】
左側固定部12bl及び右側固定部12brは、それぞれ案内保持部(保持部)12eを有する。左側固定部12blの案内保持部12eは、左側固定部12blの前側Fの端部に設けられている。右側固定部12brの案内保持部12eは、右側固定部12brの後側Bの端部に設けられている。左側固定部12blの案内保持部12eは、前側昇降コード141の下端部を保持する。右側固定部12brの案内保持部12eは、後側昇降コード142の下端部を保持する。
【0042】
各案内保持部12eは、案内孔部12fと、係止凹部12gと、を有する。各案内孔部12fは、前側昇降コード141及び後側昇降コード142を、左側固定部12bl及び右側固定部12brの下側Dから上側Uに通す。各係止凹部12gは、左側固定部12bl及び右側固定部12brの長手方向LRにおける端部に形成された凹の部分であり、前側昇降コード141及び後側昇降コード142の下端部に形成された結び目141a,142aを係止する。なお、「結び目141a」とは、前側昇降コード141の下端部を結んで形成された瘤のことであり、「結び目142a」とは、後側昇降コード142の下端部を結んで形成された瘤のことである。前側昇降コード141及び後側昇降コード142のそれぞれの結び目141a,142aは、結び目141a,142a以外の前側昇降コード141及び後側昇降コード142の部分よりも太くなった部分である。
【0043】
収容凹部11eの前後方向FBにおける外壁部11dの接触面11j同士の間隔Wは、軸支持部材12を下側Dの端部12bにおいて収容して保持可能な間隔になっており、軸支持部材12の左側固定部12bl及び右側固定部12brの前後方向FBにおける外面同士の間隔Wと略同じになっている。これにより、軸支持部材12は、下側の端部12bにおいて収容凹部11eの前後方向FBにおける外壁部11d間で回動不能に収容される。
【0044】
巻取軸13は、ボトムレール150を前側F及び後側Bから挟んで対峙する前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132をそれぞれ外周面17aに巻き付ける。巻取軸13は、軸支持部材12の円筒壁部12a内に上側Uから挿入される。巻取軸13は、回転自在に軸支持部材12に支持される。
【0045】
巻取軸13は、円筒部14と、フランジ部15と、を有する。巻取軸13の円筒部14は、一端が閉鎖された筒状に形成されている。円筒部14は、軸線xに沿って延びる有底円筒状の部分であり、円盤状の閉鎖円筒部(閉鎖部)16と、円筒状の巻付円筒部17と、を有する。フランジ部15は、円筒部14の外周面から径方向外側に突出して全周にわたって延在している部分である。閉鎖円筒部16は、フランジ部15より上側Uに位置し、巻付円筒部17は、フランジ部15より下側Dに位置する。
【0046】
閉鎖円筒部16は、円筒部14を上側Uにおいて閉鎖する。閉鎖円筒部16は、ボトムレール150の小収容孔部154に回転可能に収容される。閉鎖円筒部16は、小収容孔部154において該小収容孔部154の内壁と接触していても、接触していなくてもよい。閉鎖円筒部16には巻取軸13を回転させる工具が係合可能な溝部が形成されている。例えば、閉鎖円筒部16には、上側Uの端面に下側Dに凹んで形成されたマイナスドライバーの先端や、コイン等が係合可能な溝部16aと、溝部16aに直交して形成された溝部16bとが設けられている。閉鎖円筒部16は、溝部16a,16bの底に孔部16cを有する。孔部16cは、互いに交差して十字の形状をなす溝部16a,16bの交点に形成されている。
【0047】
巻付円筒部17は、ボトムレール150を前後方向FBにおいて挟んで対峙する一対の前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132をそれぞれ外周面17aに巻き付けるための部分である。巻取軸13が軸支持部材12内に収容された状態において、巻付円筒部17の外周面17aと、軸支持部材12の円筒壁部12aの内周面との間には、一対の前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132が巻き付けられるために十分な間隔Sが設けられている(図8,9参照。)。
【0048】
巻付円筒部17は、径方向に対向する位置に形成された一対の孔部18を有する。各孔部18は、巻付円筒部17の軸線xに直交する方向(以下、径方向ともいう。)に貫通している。孔部18の各々は、ラダーコード131,132を係止可能に形成された部分である係止部(後述する小孔部18b)を有している。孔部18の係止部18bは、ラダーコード131,132を挟持可能な幅を有する軸線xに沿って延びる間隙である。また、孔部18の各々は、軸線x方向において係止部18bに続く空間である挿入部(後述する大孔部18a)を有しており、挿入部18aはラダーコード131,132が挿入可能な大きさを有している。具体的には、各孔部18は、挿入部としての大孔部18aと、係止部としての小孔部18bとを有している。大孔部18aは、フランジ部15の直ぐ下側Dに形成されている。大孔部18aの下側Dの端部に小孔部18bが連続して形成されている。
【0049】
大孔部18aは、一対の前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132それぞれの結び目131a,132aを巻付円筒部17の内部に案内可能な程度の大きさである。巻付円筒部17の周方向における大孔部18aの幅は、上側Uから下側Dに向かって徐々に狭まるように形成されている。
【0050】
小孔部18bは、一対の前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132それぞれの結び目131a,132aが巻付円筒部17の内部から外部へ通過不能な程度の大きさである。巻付円筒部17の周方向における小孔部18bの幅は、上側Uから下側Dに向かって略同じであり、結び目131a,132aよりも小さく形成されている。結び目131a,132aは、巻付円筒部17の内部で小孔部18bの周縁部に引っ掛かり係止される。小孔部18bの最も下側Dの下端18cは、高さ方向UDにおいて巻付円筒部17の略中心位置にある。
【0051】
フランジ部15は、巻付円筒部17の外周面17aから径方向外側に突出して環状に形成されている。上述の係合部20の凸部は、本実施の形態においては、係合凸部15aであり、巻取軸13が係合部20の凸部としての係合凸部15aを有している。具体的にはフランジ部15は、係合部20のスリット12cに対応して4つの係合凸部15aを有している。各係合凸部15aは、フランジ部15の外周面15bに、周方向において90°の角度間隔をあけて設けられている。各係合凸部15aは、それぞれ軸支持部材12の各スリット12cに抜け出し可能に嵌まり込む。
【0052】
以下に、高さ調整装置1における、ボトムベース11、軸支持部材12及び巻取軸13の配置について説明する。高さ調整装置1において、ボトムベース11の各案内凹部11fと、軸支持部材12の案内空間12dとが前後方向FBにおいて重なるようになっている。
【0053】
巻取軸13は、軸支持部材12に収容された状態において、ボトムベース11の凸部11hの内側の領域11iで回転可能に支持されている。高さ方向UDにおいて下側Dの巻取軸13の端部は、その外周面において環状に延在する凸部11hの内周面と接触している。これにより、巻取軸13を収容した軸支持部材12をボトムベース11に対して簡単に位置決めすることができる。
【0054】
軸支持部材12の円筒壁部12aにおける案内空間12dは、巻取軸13の巻付円筒部17における小孔部18bよりも下側Dに位置する。具体的には、案内空間12dの上側Uの上端12hの軸線x方向(高さ方向UD)における位置が、小孔部18bの下側Dの下端18cの高さ方向UDにおける位置よりもボトムベース11の側(下側D)にある。
【0055】
以下に、高さ調整装置1によるボトムレール150の高さ調整の工程を説明する。図9は、高さ調整装置1において巻取軸13にラダーコード130を巻き取る工程を説明するための横型ブラインド装置100の断面図であり、図9(a)はラダーコード130が巻き取られていない状態を示す断面図であり、図9(b)はラダーコード130が巻き取られている状態を示す部分断面図である。高さ調整装置1をボトムレール150に取り付ける前に、ラダーコード130及び昇降コード140を高さ調整装置1に取り付ける。
【0056】
まず、軸支持部材12に前側昇降コード141及び後側昇降コード142の下端部に形成された結び目141a,142aを案内保持部12eにおいて、円筒壁部12aとは反対の側から案内孔部12fを通して係止凹部12gに引っ掛ける。次いで、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132の下端部に形成された結び目131a,132aを巻取軸13の巻付円筒部17における大孔部18aから巻取軸13の内部に挿入し、小孔部18bに押し入れて固定する。
【0057】
次いで、巻取軸13を軸支持部材12に、巻取軸13のフランジ部15における係合凸部15aと、軸支持部材12のスリット12cとを合わせて固定部12bの側から装着する。
【0058】
次いで、巻取軸13が装着された軸支持部材12をボトムベース11に装着する。前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132をボトムベース11の案内凹部11fから外側に導出する。
【0059】
次いで、高さ調整装置1の軸支持部材12及び巻取軸13をボトムレール150の収容孔153に挿入して、ボトムベース11をボトムレール150にねじにより固定する。この状態において、高さ調整装置1の巻取軸13における閉鎖円筒部16の溝部16aは、ボトムレール150の上面151において露出している。作業者は、ボトムレール150の上面151側から閉鎖円筒部16の溝部16aに所定の公知の道具(例えば、ドライバ、コイン)等を係合させて巻取軸13を回転させる。
【0060】
巻取軸13を回転させることにより、フランジ部15の係合凸部15aは、嵌まり込んでいた軸支持部材12のスリット12cから抜け出して、回転方向に隣接する他のスリット12cに嵌まり込むまで移動する。巻取軸13の回転に伴い、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132は、巻取軸13の巻付円筒部17の外周面17aに巻き付けられて、ボトムレール150は上側Uに向かって上昇する。
【0061】
以上のような高さ調整装置1によれば、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132は、それぞれの結び目131a,132aが巻取軸13の内部において小孔部18bの周縁部に接触した状態にある。これにより、回転方向に関係なく巻取軸13を回転させれば、結び目131a,132aの小孔部18bの周縁部に係止された状態は維持され、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132を確実に巻取軸13に巻き取ることができる。
【0062】
また、各結び目131a,132aよりも後端側で巻取軸13の外側にある前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132は、それぞれ、下側Dに延在して、軸支持部材12及びボトムベース11から高さ調整装置1の外部に導出されている。これにより、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132の各結び目131a,132aは、大孔部18aがある側(上側U)とは反対側(下側D)に引っ張られている。巻取軸13の回転と共に、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132の各結び目131a,132aは、小孔部18bの周縁部に引っ掛かり、巻取軸13に確実に係止及び保持される。
【0063】
また、軸支持部材12のスリット12cと、巻取軸13の係合凸部15aは、巻取軸13の所定角度毎に互いに係合し合うので、作業者は係合時の音及び振動を感じることができる。これにより、同一の横型ブラインド装置100に設けられた各高さ調整装置1において、巻取軸13を均等に回動させることができる。巻取軸13は、軸支持部材12との係合状態を解消しなければ回動することはなく、巻取軸13が意図せず回動することを確実に防ぐことができる。
【0064】
また、軸支持部材12は、前後方向FBにおける左側固定部12bl及び右側固定部12brの外面において、ボトムベース11の前後方向FBにおける外壁部11dの接触面11jと面接触して、ボトムベース11に取り付けられている。これにより、ボトムベース11に対して軸支持部材12を、別の固定構造等を必要とせず簡単に取り付けることができる。さらに、巻取軸13の回動に伴い軸支持部材12が回動することは防がれる。
【0065】
また、ボトムレール150の下面152の側で巻取軸が露出した構成の場合、意匠性が悪かった。これに対して、巻取軸13は、閉鎖円筒部16においてボトムレール150の上面151から露出しているので意匠性に優れていると同時に、巻取軸13の回転操作をボトムレール150の上面151の側から行うことができ、作業性が向上する。例えば、下面152の側で回転操作を実施する場合、ボトムレール150の下面152を上側Uに向ける等の不便な作業が必要になっていた。
【0066】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。また、例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
【0067】
上記の実施の形態では、昇降コード140は、前側昇降コード141と、後側昇降コード142とを有するものとしたが、昇降コード140の形態はこれに限定されず他の形態であってもよい。例えば、昇降コード140は、前後方向FBにおいてヘッドボックス110の中央部分から垂下している中間昇降コード143としてもよい。図10は、他の形態の横型ブラインド装置100Aの側面図である。中間昇降コード143は、ヘッドボックス110からスラット160の前後方向FBにおいて中央に形成された開口部(図示せず。)を抜けて、ボトムレール150内に取り付けられた巻取軸13に軸線xに沿って上側Uから固定されている。なお、スラット160は、連結糸群133に載置されている。
【0068】
中間昇降コード143は、その下端を巻取軸13の閉鎖円筒部16における孔部16cに挿通し、結び目143aを形成する。結び目143aを形成することにより、中間昇降コード143は巻取軸13から抜けることはない。なお、「結び目143a」とは、中間昇降コード143の下端部を結んで形成された瘤のことである。中間昇降コード143の結び目143aは、結び目143a以外の中間昇降コード143の部分よりも太くなった部分である。
【0069】
中間昇降コード143が取り付けられた巻取軸13を軸支持部材12に円筒壁部12aの側から挿入して、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132を巻取軸13に取り付けて、巻取軸13が装着された軸支持部材12をボトムベース11に装着する。前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132をボトムベース11の案内凹部11fから外側に導出し、高さ調整装置1の軸支持部材12及び巻取軸13をボトムレール150の収容孔153に挿入して、ボトムベース11をボトムレール150にねじにより固定する。高さ調整装置1によりボトムレール150の高さ位置を調整する場合、中間昇降コード143を溝部16bに退避させることができる。これにより、工具の溝部16aへの接近を昇降コード140が妨害することはない。
【0070】
また、上記実施の形態では、巻取軸13のフランジ部15に4つの係合凸部15aが設けられていたが、係合凸部15aは5つ以上設けられていてもよい。これにより、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132の巻取り量をより細かく調整することができ、ボトムレール150の下限位置のより細かい微調整が可能になる。
【0071】
また、上記の実施の形態では、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132の下端部には結び目131a,132aが形成されていたが、金具等の部材を取り付けることにより、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132の下端部の太さを大きくしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 高さ調整装置、11 ボトムベース、11a 表面、11b 裏面、11c 貫通孔、11d 外壁部、11e 収容凹部、11f 案内凹部、11g 内壁部、11h 凸部、11i 領域、11j 接触面、12 軸支持部材、12a 円筒壁部、12b 固定部、12bl 左側固定部、12br 右側固定部、12c スリット、12d 案内空間、12e 案内保持部、12f 案内孔部、12g 係止凹部、12h 上端、13 巻取軸、14 円筒部、15 フランジ部、15a 係合凸部、15b 外周面、16 閉鎖円筒部、16a,16b 溝部、16c 孔部、17 巻付円筒部、17a 外周面、18 孔部、18a 挿入部、大孔部、18b 小孔部、係止部、20 係合部、100,100A 横型ブラインド装置、110 ヘッドボックス、120 操作コード、130 ラダーコード、131 前側ラダーコード、131a 結び目、132 後側ラダーコード、132a 結び目、133 連結糸群、140 昇降コード、141 前側昇降コード、141a 結び目、142 後側昇降コード、142a 結び目、143 中間昇降コード、143a 結び目、150 ボトムレール、151 上面、152 下面、153 収容孔、154 小収容孔部、155 大収容孔部、160 スラット、LR 長手方向、L 左側、R 右側、FB 前後方向、B 後側、F 前側、UD 高さ方向、U 上側、D 下側、S 間隔、W,W 間隔、x 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10