(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】障子アセンブリ
(51)【国際特許分類】
E06B 9/52 20060101AFI20220607BHJP
E06B 7/10 20060101ALI20220607BHJP
E06B 3/32 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
E06B9/52 N
E06B7/10
E06B3/32 A
(21)【出願番号】P 2018214890
(22)【出願日】2018-11-15
【審査請求日】2021-06-24
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】示森 隆
(72)【発明者】
【氏名】西川 智
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-299444(JP,A)
【文献】特開2009-299439(JP,A)
【文献】特開平06-185264(JP,A)
【文献】特開2007-016516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/12- 1/22
3/32- 3/34
7/00- 7/36
9/52- 9/54
E04B 2/88- 2/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール構造と、当該レール構造に配置され、内縮部を有する立柱とを含む外枠と、
当該レール構造に可動的に結合し、当該レール構造に沿って移動して開閉する可動障子と、
当該外枠に固定される第1の内枠と、当該第1の内枠に配置される第1の光透過板とを含み、当該第1の内枠の下枠部は当該レール構造によって遮蔽され、当該第1の光透過板の下端は当該第1の内枠の当該下枠部内に位置する固定障子と、
当該外枠に配置され、当該内縮部に部分的に隠れる通気障子と、を含むことを特徴とする障子アセンブリ。
【請求項2】
当該レール構造はレール部と凹み部とを含み、当該可動障子は当該レール部に可動的に結合し、当該凹み部は当該レール部に隣接し、当該第1の内枠の当該下枠部は当該凹み部内に配置され、当該凹み部は相対する上端及び下端を有し、当該凹み部の当該上端と当該レール構造の上面とは揃えられ、当該凹み部の当該上端から当該下端までの深度は当該第1の内枠の当該下枠部の高度以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の障子アセンブリ。
【請求項3】
当該通気障子は第3の内枠と、通気ネットとを含み、当該通気ネットは当該第3の内枠に配置され、当該第3の内枠は当該外枠に配置され、当該第3の内枠の下枠部は少なくとも部分的に当該レール構造によって遮蔽される、ことを特徴とする請求項1に記載の障子アセンブリ。
【請求項4】
当該通気障子は第3の内枠と、通気ネットとを含み、当該通気ネットは当該第3の内枠に配置され、当該第3の内枠は当該外枠に配置され、当該内縮部内に部分的に隠れる、ことを特徴とする
請求項1に記載の障子アセンブリ。
【請求項5】
当該第3の内枠の下枠部は当該レール構造に固定され、当該第3の内枠のサイド枠部は当該第3の内枠の当該下枠部に可動的に結合し、当該第3の内枠の当該下枠部に沿って移動して当該立柱から離れ、当該通気障子を開閉し、または当該第3の内枠の当該下枠部に沿って移動して少なくとも一部が当該内縮部内に隠れ、当該通気障子を開く、ことを特徴とする
請求項4に記載の障子アセンブリ。
【請求項6】
当該第3の内枠の当該サイド枠部は通気障子操作部を有し、第2の内枠のサイド枠部は可動障子操作部を有し、当該通気障子が開いている時、当該通気障子操作部は当該内縮部の外に露出され、当該可動障子が閉まり、当該通気障子が開いている時、当該第2の内枠の当該サイド枠部は当該立柱に隣接し、当該第3の内枠の当該サイド枠部より当該可動障子操作部の少なくとも一部が露出する、ことを特徴とする
請求項5に記載の障子アセンブリ。
【請求項7】
当該通気ネットは折り畳み可能な構造であり、当該通気障子が開いている時、当該通気ネットの少なくとも一部が当該第3の内枠の当該サイド枠部内に折り畳まれて収納され、当該内縮部内に位置する、ことを特徴とする
請求項5に記載の障子アセンブリ。
【請求項8】
当該第3の内枠は固定部を含み、当該固定部は当該立柱に固定され、当該内縮部内に隠れ、当該通気ネットの相対する両端はそれぞれ当該固定部及び当該第3の内枠の当該サイド枠部に結合する、ことを特徴とする
請求項5に記載の障子アセンブリ。
【請求項9】
当該立柱は主柱体と構造強化柱体とを含み、当該構造強化柱体は当該主柱体内に配置され、当該内縮部は当該構造強化柱体に形成され、当該主柱体は開口端を有し、当該開口端によって当該内縮部を露出させる、ことを特徴とする
請求項1に記載の障子アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障子アセンブリに関し、特にレール構造を有する障子アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
建築物には、通気及び採光のために、建築の際、壁の適切な位置に開口を残し、当該開口箇所に開閉可能な障子アセンブリが設けられている。引き戸の場合には、固定ガラス障子及び可動ガラス障子が前記開口箇所の外枠に配置され、固定ガラス障子に対して可動ガラス障子をレール構造に沿って移動させて開閉することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的に、固定ガラス障子及び可動ガラス障子は、いずれも枠と、枠に配置されたガラス板とによって構成され、ユーザは障子アセンブリのガラス板を介して室外の環境を見ることができる。しかしながら、前記枠は一定の幅を有し、観望面積が制限される。一方、通常、可動ガラス障子の室外側には網戸が配置されるが、網戸の枠も前記観望面積に対して制限を与える。
【0004】
固定ガラス障子の枠及び網戸の枠が観望面積に対して制限を与えることを避けるために、本発明はガラス板の占める面積比率を増加させることができる障子アセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の障子アセンブリは、外枠と、可動障子(例えば、可動ガラス障子)と、固定障子(例えば、固定ガラス障子)と、通気障子(例えば、網戸)と、を含む。外枠は、レール構造と、レール構造に配置され、内縮部を有する立柱とを含む。可動障子は、レール構造に可動的に結合し、レール構造に沿って移動して開閉する。固定障子は、外枠に固定される第1の内枠と、第1の内枠に配置される第1の光透過板(例えば、ガラス板)とを含み、第1の内枠の下枠部はレール構造によって遮蔽され、第1の光透過板の下端は第1の内枠の下枠部内に位置する。通気障子は、外枠に配置され、内縮部に部分的に隠れる。
【0006】
本発明の障子アセンブリは、外枠と、固定障子と、可動障子と、通気障子と、を含む。外枠は、レール構造と、レール構造に配置され、内縮部を有する立柱とを含む。固定障子は、外枠に固定される。可動障子は、レール構造に可動的に結合し、レール構造に沿って移動して開閉する。通気障子は、外枠に配置され、内縮部に部分的に隠れる。
【0007】
上記のように、固定障子の第1の内枠の下枠部を、レール構造によって遮蔽されるように設けることにより、第1の内枠の下枠部がレール構造上方の観望領域を占拠しないようにすることができるため、固定障子の第1の光透過板が占める面積の比率が増加する。また、上記のように、通気障子を、立柱の内縮部内に部分的に隠れるように設けることにより、通気障子が立柱の内側の観望領域を過度に占拠しないようにすることができる。これにより、障子アセンブリの観望面積が比較的制限を受けなくなる。
【0008】
本発明の一実施例において、上記のレール構造はレール部と凹み部とを含み、可動障子はレール部に可動的に結合し、凹み部はレール部に隣接し、第1の内枠の下枠部は凹み部内に配置される。凹み部の設計により、第1の内枠の下枠部をレール部より低い位置に位置させることができ、第1の内枠の下枠部をレール部によって遮蔽させることができる。さらに、凹み部は相対する上端及び下端を有し、凹み部の上端とレール構造の上端とは揃えられ、凹み部の上端から下端までの深度は第1の内枠の下枠部の高度以上である。これにより、第1の内枠の下枠部が凹み部から突出しないように確保できる。
【0009】
本発明の一実施例において、上記の通気障子は第3の内枠と、通気ネットとを含み、通気ネットは第3の内枠に配置され、第3の内枠は外枠に配置され、内縮部内に部分的に隠れる。これにより、第3の内枠を立柱によって部分的に遮蔽させ、立柱の内側の観望領域を過度に占拠しないようにすることができる。
【0010】
本発明の一実施例において、上記の第3の内枠の下枠部はレール構造に固定され、第3の内枠のサイド枠部は第3の内枠の下枠部に可動的に結合し、第3の内枠の下枠部に沿って移動して立柱から離れ、通気障子を開閉し、または第3の内枠の下枠部に沿って移動して少なくとも一部が内縮部内に隠れ、通気障子を開く。これにより、通気障子が開いている時、第3の内枠のサイド枠部は少なくとも一部が立柱によって遮蔽され、立柱の内側の観望領域を過度に占拠しなくなる。
【0011】
本発明の一実施例において、上記の第3の内枠のサイド枠部は通気障子操作部を有し、第2の内枠のサイド枠部は可動障子操作部を有し、通気障子が開いている時、通気障子操作部は内縮部の外に露出され、可動障子が閉まり、通気障子が開いている時、第2の内枠のサイド枠部は立柱に隣接し、第3の内枠のサイド枠部より可動障子操作部の少なくとも一部が露出する。これにより、通気障子が開いている時、ユーザは通気障子操作部に力を加えて通気障子を閉じやすくなり、通気障子が開き、可動障子が閉まっている時、ユーザは可動障子操作部に力を加えて可動障子を開きやすくなる。
【0012】
本発明の一実施例において、上記の通気ネットは折り畳み可能な構造であり、通気障子が開いている時、通気ネットの少なくとも一部が第3の内枠のサイド枠部内に折り畳まれて収納され、内縮部内に位置する。すなわち、立柱の内縮部は、通気ネット及び第3の内枠のサイド枠部を収納する機能を有する。
【0013】
本発明の一実施例において、上記の第3の内枠は固定部を含み、固定部は立柱に固定され、内縮部内に隠れ、通気ネットの相対する両端はそれぞれ固定部及び第3の内枠のサイド枠部に結合する。すなわち、第3の内枠の固定部は、立柱の内縮部によって遮蔽され、立柱の内側の観望領域を過度に占拠しない。
【0014】
本発明の一実施例において、上記の通気障子は、第3の内枠と通気ネットとを含み、通気ネットは第3の内枠に配置され、第3の内枠は外枠に配置され、第3の内枠の下枠部は少なくとも一部がレール構造によって遮蔽される。これにより、第3の内枠の下枠部がレール構造上方の観望領域を占拠しないようにする。
【0015】
本発明の一実施例において、上記の立柱は主柱体と構造強化柱体とを含み、構造強化柱体は主柱体内に配置される。これにより、内縮部を有することに起因した立柱の構造強度低下を避けることができる。さらに、内縮部は構造強化柱体に形成され、主柱体は開口端を有し、開口端によって内縮部を露出させる。これにより、主柱体の開口端を介して内縮部に通気障子の一部を収納することができる。
【発明の効果】
【0016】
上記のように、固定障子の第1の内枠の下枠部を、レール構造によって遮蔽されるように設けることにより、第1の内枠の下枠部がレール構造上方の観望領域を占拠しないようにすることができるため、固定障子の第1の光透過板が占める面積の比率が増加する。また、上記のように、通気障子を、立柱の内縮部内に部分的に隠れるように設けることにより、通気障子が立柱の内側の観望領域を過度に占拠しないようにすることができる。これにより、障子アセンブリの観望面積が比較的制限を受けなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施例に係る障子アセンブリの斜視図である。
【
図2】
図1の障子アセンブリのA-A線に沿った断面図である。
【
図3】
図1の障子アセンブリのB-B線に沿った断面図である。
【
図4】
図1の障子アセンブリのC-C線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の上記特徴及びメリットをより明確に理解するため、以下に実施例を挙げ、図面と合わせて詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施例に係る障子アセンブリの斜視図である。
図1を参照すると、本実施例の障子アセンブリ100は、外枠110と、可動障子120と、固定障子130とを含んでいる。外枠110は、例えばアルミ製枠である。固定障子130は、例えば固定ガラス障子であり、外枠110に固定されている。可動障子120は、例えば可動ガラス障子であり、外枠110に可動的に配置され、外枠110及び固定障子130に対して方向D1または方向D2に沿って移動することで、障子アセンブリ100を開閉することができる(
図1は閉状態を示す)。本実施例において、障子アセンブリ100は、例えば室内環境Iと室外環境Oとの間に設けられている。
【0020】
本実施例において、障子アセンブリ100の固定障子130は別の固定障子130’と結合可能である。障子アセンブリ100は、別の障子アセンブリ100’とともに、コーナー建具構造を構成可能であるが、本発明はこれに限定されない。また、本実施例において、障子アセンブリ100は通気障子をさらに含んでも良い。当該通気障子は例えば網戸であり、外枠110に可動的に配置され、
図1の状態において可動障子120と重ねて設けられる。図をより明確にするために、
図1では通気障子を省略し、以降の図において具体的に通気障子を示す。
【0021】
図2は、
図1の障子アセンブリのA-A線に沿った断面図である。
図3は、
図1の障子アセンブリのB-B線に沿った断面図である。
図1~
図3を参照すると、具体的には、本実施例の外枠110は、レール構造112と立柱114とを含んでいる。可動障子120は、レール構造112に可動的に結合し、レール構造112に沿って方向D1または方向D2に移動して開閉できる。通気障子140(
図3に示す)は、外枠110のレール構造112に配置され、可動障子120の室外側に位置する。固定障子130は、第1の内枠132と第1の光透過板134とを含んでいる。第1の内枠132は例えばアルミ製枠であり、外枠110に固定されている。第1の光透過板134は、例えばガラス板であり、第1の内枠132に配置されている。第1の内枠132の下枠部132a(
図2に示す)は、レール構造112によって遮蔽されている。第1の光透過板134の下端134a(
図2に示す)は、第1の内枠132の下枠部132a内に位置する。具体的には、レール構造112は、
図2に示すように、第1の内枠132の下枠部132aの右側を遮っているため、
図2の右から左に向かう方向から見ると、下枠部132aはレール構造112によって遮蔽されている。
【0022】
上記のように、固定障子130の第1の内枠132の下枠部132aを、レール構造112に遮蔽されるように設けることで、第1の内枠132の下枠部132aがレール構造112の上方の観望領域を占拠しないようにできるため、固定障子130の第1の光透過板134が占める面積の比率が増える。これにより、障子アセンブリ100の観望面積が比較的制限されないようにできる。前記観望領域とは、例えば第1の光透過板134によって覆われ、他の非光透過構造が存在しない領域を指し、ユーザはこの領域を通して観望できる。
【0023】
具体的には、レール構造112は、
図2及び
図3に示すように、レール部112aと凹み部112bとを含んでいる。可動障子120はレール部112aに可動的に結合し、凹み部112bはレール部112aに隣接している。固定障子130における第1の内枠132の下枠部132aは凹み部112b内に配置されている。凹み部112bの設計により、第1の内枠132の下枠部132aをレール部112aより低い位置に位置させることができ、第1の内枠132の下枠部132aをレール部112aによって遮蔽することができる。さらに、凹み部112bは相対する上端112b1と下端112b2とを有している。上端112b1とレール構造112の上面112eとは揃えられている。凹み部112bの上端112b1から下端112b2までの深度は、第1の内枠132の下枠部132aの高度以上に設計することができる。これにより、第1の内枠132の下枠部132aが凹み部112bから上に突出しないようにできる。
【0024】
本実施例において、可動障子120は第2の内枠122と第2の光透過板124とを含んでいる。第2の内枠122は例えばアルミ製枠であり、車輪120a等の部材によりレール構造112のレール部112aに可動的に結合している。第2の光透過板124は例えばガラス板であり、第2の内枠122に配置されている。車輪120aは、例えば第2の内枠122に回転可能に結合し、レール部112a上に載せられている。このため、第2の内枠122は車輪120aのレール部112aに沿った転動に従って移動することができる。レール構造112の上面112eと同一面上に基準面Sを設定する。第2の光透過板124の下端124aは基準面Sの上方に位置し、第1の光透過板134の下端134aは基準面Sの下方に位置する。すなわち、第1の光透過板134の下端134aはレール構造112の上端より低い位置に位置する。このため、水が外部から第1の光透過板134の下端134aに滲出したとしても、第1の光透過板134の下端134aに位置する水が上に向かってレール構造112の上端まで流れにくいため、外部の水の室内への浸入を避けることができる。本実施例において、前記基準面Sは例えば
図1に示す室内環境I及び室外環境Oの床面であるが、本発明はこれに限定されない。
【0025】
図2に示すように、本実施例の外枠110の底部は、排水口110aを有する。これにより、排水口110aを介してレール構造112における水を排出し、水の室内への浸入を避けることができる。また、外枠110の底部は、可動蓋110bを有していても良く、可動蓋110bは排水口110aを覆って、室外の昆虫、動物、水またはその他の異物が室内に入ることを防止する。
【0026】
詳細には、可動蓋110bは例えば室外方向にのみ開くことができるように設計されている。これにより、レール構造112における水が排水口110aに向かう場合、可動蓋110bが流れてくる水によって室外側に押されて開き、水を室外に排出する。また、室外の昆虫、動物、水またはその他の異物が外枠110の外部から可動蓋110bを押した場合には、可動蓋110bは室内方向には開かないため、室外の昆虫、動物、水またはその他の異物が外枠110内に入ることを防止する効果を実現できる。
【0027】
図4は、
図1の障子アセンブリのC-C線に沿った断面図である。
図1及び
図4を参照すると、立柱114はレール構造112上に配置され、内縮部114a(
図4に示す)を有している。通気障子140は内縮部114a内に部分的に隠れる。また、可動障子120が
図4に示すように閉まっている場合、立柱114の側壁114c1は第2の内枠122におけるサイド枠部122bの一部を遮り、第2の内枠122のサイド枠部122bが立柱114内に部分的に隠れるようにしている。これにより、可動障子120及び通気障子140は立柱114の内側の観望領域を過度に占拠することがなく、障子アセンブリ100の観望面積が比較的制限されなくなる。前記観望領域とは、例えば第2の光透過板124に覆われ、その他の非光透過構造が存在しない領域を指し、ユーザはこの領域を通して観望できる。
【0028】
具体的には、本実施例の通気障子140は第3の内枠142と通気ネット144とを含んでいる。通気ネット144は例えば網戸であり、第3の内枠142に配置されている。第3の内枠142は例えばアルミ製枠であり、外枠110(
図1に示す)に配置され、立柱114の内縮部114a内に部分的に隠れる。より詳細には、第3の内枠142の下枠部142a(
図3に示す)はレール構造112に固定され、第3の内枠142のサイド枠部142b(
図4に示す)は第3の内枠142の下枠部142aに可動的に結合している。サイド枠部142bは、
図1及び
図4に示す方向D1で第3の内枠142の下枠部142aに沿って移動して立柱114から離れ、通気障子140を閉めることができる。また、サイド枠部142bは、
図1及び
図4に示す方向D2で下枠部142aに沿って移動して少なくとも一部が立柱114の内縮部114a内に隠れ、通気障子140を開くことができる。これにより、通気障子140が開いている場合には、第3の内枠142におけるサイド枠部142bの少なくとも一部が立柱114に遮蔽され、立柱114の内側の観望領域を占拠しなくなる。なお、
図4において通気障子140は開状態として図示されている。
【0029】
本実施例の通気ネット144は折り畳み可能な構造である。通気障子140が
図4に示すように開いている場合、通気ネット144の少なくとも一部は第3の内枠142のサイド枠部142b内に折り畳まれて収納され、立柱114の内縮部114a内に位置する。すなわち、立柱114の内縮部114aは、通気ネット144及びサイド枠部142bを収納する機能を有している。また、本実施例の第3の内枠142は、固定部142cをさらに含み、固定部142cは立柱114に固定され、内縮部114a内に隠れる。通気ネット144の相対する両端は、それぞれ固定部142c及び第3の内枠142のサイド枠部142bに結合し、サイド枠部142bの固定部142cに対する移動に伴って折り畳まれたり、展開されたりすることができる。第3の内枠142の固定部142cが立柱114の内縮部114aによって遮蔽されるため、固定部142cが立柱114の内側の観望領域を占拠しない。
【0030】
一方、第3の内枠142の下枠部142aは、
図3に示すように、少なくとも一部がレール構造112のレール部112aによって遮蔽され、下枠部142aがレール構造112の上方の観望領域を占拠しないようにできる。具体的には、レール構造112は、
図3に示すように、第3の内枠142における下枠部142aの右側を遮っているため、
図3の右から左の方向から見ると、下枠部142aはレール構造112によって遮蔽される。また、本実施例の障子アセンブリ100と別の障子アセンブリ100’とは、上記の通り、コーナー建具構造を構成し、障子アセンブリ100の立柱114の内縮部114aは別の障子アセンブリ100’に重なる。この重なる設計により、前記コーナー建具構造の観望面積の比率を増加することができる。
【0031】
図4を参照すると、本実施例において、通気障子140における第3の内枠142のサイド枠部142bは、通気障子操作部142b1を有している。通気障子140が
図4に示すように開状態である場合、通気障子操作部142b1は立柱114の内縮部114aの外に露出される。これにより、通気障子140が開いている場合、ユーザは通気障子操作部142b1に力を加えて、通気障子140を閉めやすくなる。
【0032】
同様に、本実施例において、可動障子120における第2の内枠122のサイド枠部122bは、可動障子操作部122b1を有している。可動障子120が
図4に示すように閉まっており、通気障子140が
図4に示すように開いている場合、第2の内枠122のサイド枠部122bは立柱114に隣接し、第3の内枠142のサイド枠部142bより可動障子操作部122b1の少なくとも一部が露出する。これにより、通気障子140が開き、可動障子120が閉まっている場合、ユーザは可動障子操作部122b1に力を加えて、可動障子120を開きやすくなる。
【0033】
図4を参照すると、本実施例において、立柱114は、主柱体P1と構造強化柱体P2とを含んでいる。主柱体P1は、相互に連接する複数の側壁114d1,114d2,114d3と、これらの側壁114d1,114d2,114d3によって囲まれる構造強化壁114eとを含んでいる。構造強化壁114eの両端は、相対する両側壁114d1,114d3の内側にそれぞれ連接している。構造強化柱体P2は、相対する両側壁114d1,114d3の間に配置され、主柱体P1内に位置し、構造強化壁114eに結合している。これにより、内縮部114aを有することに起因した立柱114の構造強度低下が避けられる。
【0034】
本実施例の内縮部114aは、構造強化柱体P2に形成されている。具体的には、構造強化柱体P2は、相互に連接する複数の側壁114c1,114c2,114c3と、相互に連接する2つの構造強化壁114f1,114f2とを含んでいる。2つの構造強化壁114f1,114f2は両側壁114c1,114c2の内側にそれぞれ連接し、構造強化壁114f2、側壁114c2の一部区間及び側壁114c3は凹型構造、すなわち内縮部114aを形成する。また、主柱体P1は開口端114bを有し、開口端114bによって内縮部114aを露出させる。これにより、主柱体P1の開口端114bを介して内縮部114aに通気障子140の一部を収納することができる。本実施例の主柱体P1及び構造強化柱体P2は、例えばいずれもアルミ製柱体であり、係合するように相互に組み合わされるが、本発明はこれに限定されない。
【0035】
以上、実施例により本発明を開示したが、本発明はこれらに限定されない。当業者は、本発明の主旨及び範囲を逸脱しない限り、一部の変更及び修飾を行うことができるため、本発明の保護範囲は請求の範囲で定める内容を基準とする。
【符号の説明】
【0036】
100,100’ 障子アセンブリ、110 外枠、110a 排水口、110b 可動蓋、112 レール構造、112a レール部、112b 凹み部、112b1 上端、112b2 下端、112e 上面、114 立柱、114a 内縮部、114b 開口端、114c1,114c2,114c3,114d1,114d2,114d3 側壁、114e,114f1,114f2 構造強化壁、120 可動障子、122 第2の内枠、122b,142b サイド枠部、122b1 可動障子操作部、124 第2の光透過板、124a,134a 下端、130,130’ 固定障子、132 第1の内枠、132a,142a 下枠部、134 第1の光透過板、140 通気障子、142 第3の内枠、142b1 通気障子操作部、142c 固定部、144 通気ネット、D1,D2 方向、I 室内環境、O 室外環境、P1 主柱体、P2 構造強化柱体、S 基準面