(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】コマンド処理サーバ、コマンド処理プログラム、コマンド処理システム、コマンド実行プログラムおよびコマンド処理方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/10 20220101AFI20220607BHJP
H04N 21/6547 20110101ALI20220607BHJP
【FI】
H04L67/10
H04N21/6547
(21)【出願番号】P 2018217310
(22)【出願日】2018-11-20
(62)【分割の表示】P 2017226711の分割
【原出願日】2017-11-27
【審査請求日】2020-11-26
(73)【特許権者】
【識別番号】598138327
【氏名又は名称】株式会社ドワンゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】川上 量生
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 寛明
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 尚
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-061065(JP,A)
【文献】特許第6219548(JP,B1)
【文献】特開2017-174333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
H04N 21/6547
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コマンド発行端末とコマンド実行端末に接続するコマンド処理サーバであって、
コンテンツを配信する配信者が利用する前記コマンド発行端末から、前記配信者の指示を示すコマンドを受信する受信部と、
前記受信部が前記コマンドを受信すると、前記コマンドを受信した旨を、前記コマンド実行端末に通知する通知部と、
前記受信部が前記コマンドを受信すると、前記通知部による前記通知の後に、前記コマンド実行端末で前記コマンドを実行するための指示を、前記コマンド実行端末に送信する実行指示部
を備えることを特徴とするコマンド処理サーバ。
【請求項2】
前記コマンド処理サーバは、前記コマンドを受信した旨を、前記コマンド実行端末に通知した後に、前記コマンドを実行するための指示を、前記コマンド実行端末に送信するために必要な処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載のコマンド処理サーバ。
【請求項3】
前記コマンドは、前記配信者が視聴者に対して行うアンケートに関する画面を、前記コンテンツに重畳する指示である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のコマンド処理サーバ。
【請求項4】
コマンド発行端末とコマンド実行端末に接続するコンピュータに用いられるコマンド処理プログラムであって、
前記コンピュータを、
コンテンツを配信する配信者が利用する前記コマンド発行端末から、前記配信者の指示を示すコマンドを受信する受信部と、
前記受信部が前記コマンドを受信すると、前記コマンドを受信した旨を、前記コマンド実行端末に通知する通知部と、
前記受信部が前記コマンドを受信すると、前記通知部による前記通知の後に、前記コマンド実行端末で前記コマンドを実行するための指示を、前記コマンド実行端末に送信する実行指示部
として機能させることを特徴とするコマンド処理プログラム。
【請求項5】
コマンド発行端末と、コマンド実行端末と、前記コマンド発行端末と前記コマンド実行端末に接続するコマンド処理サーバとを備えるコマンド処理システムであって、
コンテンツを配信する配信者が利用する前記コマンド発行端末は、
前記配信者の指示を示すコマンドを送信するコマンド発行部を備え、
前記コマンド処理サーバは、
前記コマンド発行端末から、前記コマンドを受信する受信部と、
前記受信部が前記コマンドを受信すると、前記コマンドを受信した旨を、前記コマンド実行端末に通知する通知部と、
前記受信部が前記コマンドを受信すると、前記通知部による前記通知の後に、前記コマンド実行端末で前記コマンドを実行するための指示を、前記コマンド実行端末に送信する実行指示部を備え、
前記コマンド実行端末は、
前記コマンド処理サーバから、前記コマンドを受信した旨の通知を受けると、前記コマンドを受信した旨を出力する通知処理部と、
前記コマンド処理サーバから、前記コマンドを実行するための指示を受信して実行するコマンド実行部を備える
ことを特徴とするコマンド処理システム。
【請求項6】
コマンド発行端末と、コマンド実行端末と、前記コマンド発行端末と前記コマンド実行端末に接続するコマンド処理サーバとを備えるコマンド処理システムに用いられるコマンド処理方法であって、
コンテンツを配信する配信者が利用する前記コマンド発行端末が、前記配信者の指示を示すコマンドを送信するステップと、
前記コマンド処理サーバが、前記コマンド発行端末から、前記コマンドを受信するステップと、
前記コマンド処理サーバが、
前記コマンドを受信すると、前記コマンドを受信した旨を、前記コマンド実行端末に通知するステップと、
前記コマンド実行端末が、前記コマンド処理サーバから、前記コマンドを受信した旨の通知を受けると、前記コマンドを受信した旨を出力するステップと、
前記コマンド処理サーバが、
前記コマンドを受信すると、前記コマンドを受信した旨を前記コマンド実行端末に通知した後に、前記コマンド実行端末で前記コマンドを実行するための指示を、前記コマンド実行端末に送信するステップと、
前記コマンド実行端末が、前記コマンド処理サーバから、前記コマンドを実行するための指示を受信して実行するステップ
を備えることを特徴とするコマンド処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コマンド発行端末とコマンド実行端末に接続するコマンド処理サーバ、コマンド処理プログラム、コマンド処理サーバを備えるコマンド処理システム、コマンド処理システムに用いられるコマンド実行プログラムおよびコマンド処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の携帯端末、テレビジョン受信機、ゲーム機等の各種端末に、動画をストリーミング配信するコンテンツ提供サービスが普及している。コンテンツ提供サービスは、動画の視聴者が、視聴している動画に対するリアクションの一例として、動画の感想等のコメントを投稿できるサービスを提供している。
【0003】
コンテンツ提供サービスは、視聴者が利用する端末に、動画と複数の視聴者から投稿されたコメントとを配信する。端末は、配信された動画にコメントを重畳して表示する。視聴者は、動画を見ながら、動画を視聴した他ユーザとコメントとのコメントのやりとりも楽しむことができる。
【0004】
また、配信者が利用する端末から配信された動画データを、サーバが、リアルタイムに、視聴者が利用する端末に配信する生放送を提供することもできる。このようなコンテンツ提供サービスにおいては、動画とコメントとを、配信者および視聴者がリアルタイムに共有することが可能である。またこのようなコンテンツ提供サービスにおいて、配信者は、視聴者の所有する端末に関するコマンドを発行し、サーバを介して、視聴者の所有する端末に、コマンドを実行させる場合がある。
【0005】
一般的に、ネットワークを介した遠隔会議を実現するために、遠隔会議に参加する第1端末が、遠隔会議に参加する第2端末に対して資料を送付し、第2端末で資料が取得されたことを示す完了通知を取得するシステムがある(特許文献1。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、配信者の利用する端末と、視聴者の利用する端末とのデータ送受信を、サーバが中継する場合において、通信または処理等において遅延が生じる場合がある。動画とコメントとを、配信者および視聴者がリアルタイムに共有するシステムにおいて遅延が生じた場合、動画とコメントとがずれてしまい、適切にコンテンツを配信できない場合がある。特に、配信者が、視聴者の所有する端末に関するコマンドを発行する際に、視聴者でのコマンドの事項が遅れると、配信者によるコマンドの発行が遅れているのか、通信または処理において遅延が生じているのかが区別できず、視聴者に不満が生じる場合がある。
【0008】
特許文献1に記載のシステムは、資料の送付先において資料が取得されたことが通知されるに留まり、その通知を取得するまで、遠隔会議の参加者は、通知を待つしか無く、参加者に不満が生じる場合がある。
【0009】
従って本発明の目的は、配信者の利用する端末と、視聴者の利用する端末とのデータ送受信を、サーバが中継するシステムにおいて、通信または処理等の遅延に伴う視聴者の不満を軽減するコマンド処理サーバ、コマンド処理プログラム、コマンド処理システム、コマンド実行プログラムおよびコマンド処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、コマンド発行端末とコマンド実行端末に接続するコマンド処理サーバに関する。本発明の第1の特徴に係るコマンド処理サーバは、コマンド発行端末から、コマンド実行端末に関するコマンドを受信する受信部と、コマンドを受信した旨を、コマンド実行端末に通知する通知部と、コマンドを受信した旨をコマンド実行端末に通知した後に、コマンド実行端末でコマンドを実行するための指示を、コマンド実行端末に送信する実行指示部を備える。
【0011】
コマンド処理サーバは、コマンドを受信した旨を、コマンド実行端末に通知した後に、コマンドを実行するための指示を、コマンド実行端末に送信するために必要な処理を実行しても良い。
【0012】
コマンド発行端末は、動画データを配信する配信者が利用し、コマンド実行端末は、動画データを視聴する視聴者が利用し、コマンドは、動画データに関して、配信者から視聴者への指示であっても良い。コマンドは、配信者が視聴者に対して行うアンケートに関する画面を、動画データに重畳する指示である。
【0013】
本発明の第2の特徴は、コマンド発行端末とコマンド実行端末に接続するコンピュータに用いられるコマンド処理プログラムに関する。第2の特徴に係るコマンド処理プログラムは、コンピュータを、コマンド発行端末から、コマンド実行端末に関するコマンドを受信する受信部と、コマンドを受信した旨を、コマンド実行端末に通知する通知部と、コマンドを受信した旨をコマンド実行端末に通知した後に、コマンド実行端末でコマンドを実行するための指示を、コマンド実行端末に送信する実行指示部として機能させる。
【0014】
本発明の第3の特徴は、コマンド発行端末と、コマンド実行端末と、コマンド発行端末とコマンド実行端末に接続するコマンド処理サーバとを備えるコマンド処理システムに関する。本発明の第3の特徴に係るコマンド処理システムにおいて、コマンド発行端末は、コマンド実行端末に関するコマンドを送信するコマンド発行部を備える。コマンド処理サーバは、コマンド発行端末から、コマンド実行端末に関するコマンドを受信する受信部と、コマンドを受信した旨を、コマンド実行端末に通知する通知部と、コマンドを受信した旨をコマンド実行端末に通知した後に、コマンド実行端末でコマンドを実行するための指示を、コマンド実行端末に送信する実行指示部を備える。コマンド実行端末は、コマンド処理サーバから、コマンドを受信した旨の通知を受けると、コマンドを受信した旨を出力する通知処理部と、コマンド処理サーバから、コマンドを実行するための指示を受信して実行するコマンド実行部を備える。
【0015】
本発明の第4の特徴は、コマンド発行端末と、コマンド実行端末と、コマンド発行端末とコマンド実行端末に接続するコマンド処理サーバとを備えるコマンド処理システムにおいて、コマンド実行端末に用いられるコマンド実行プログラムに関する。第4の特徴に係るコマンド実行プログラムは、コンピュータであるコマンド実行端末を、コマンド処理サーバから、コマンド処理サーバがコマンド発行端末から、コマンド実行端末に関するコマンドを受信した旨の通知を受けると、コマンドを受信した旨を出力する通知処理部と、コマンド処理サーバから、コマンド実行端末でコマンドを実行するための指示を受信して実行するコマンド実行部として機能させる。
【0016】
本発明の第5の特徴は、コマンド発行端末と、コマンド実行端末と、コマンド発行端末とコマンド実行端末に接続するコマンド処理サーバとを備えるコマンド処理システムに用いられるコマンド処理方法に関する。本発明の第5の特徴に係るコマンド処理方法は、コマンド発行端末が、コマンド実行端末に関するコマンドを送信するステップと、コマンド処理サーバが、コマンド発行端末から、コマンド実行端末に関するコマンドを受信するステップと、コマンド処理サーバが、コマンドを受信した旨を、コマンド実行端末に通知するステップと、コマンド実行端末が、コマンド処理サーバから、コマンドを受信した旨の通知を受けると、コマンドを受信した旨を出力するステップと、コマンド処理サーバが、コマンドを受信した旨をコマンド実行端末に通知した後に、コマンド実行端末でコマンドを実行するための指示を、コマンド実行端末に送信するステップと、コマンド実行端末が、コマンド処理サーバから、コマンドを実行するための指示を受信して実行するステップを備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、配信者の利用する端末と、視聴者の利用する端末とのデータ送受信を、サーバが中継するシステムにおいて、通信または処理等の遅延に伴う視聴者の不満を軽減するコマンド処理サーバ、コマンド処理プログラム、コマンド処理システム、コマンド実行プログラムおよびコマンド処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態に係るコマンド処理システムのシステム構成を説明する図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るコマンド処理方法を説明するシーケンス図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るコマンド実行端末において表示される画面の一例を説明する図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るコマンド処理サーバのハードウエア構成および機能ブロックを説明する図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係るコマンド発行端末のハードウエア構成および機能ブロックを説明する図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係るコマンド実行端末のハードウエア構成および機能ブロックを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0020】
本発明の実施の形態において「投稿」は、他のユーザとコミュニケーションをとるために入力されたデータである。「投稿」を、「コメント」と称する場合もある。
【0021】
本発明の実施の形態において「リアルタイム」は、厳密な意味で時間が完全に一致する場合のみならず、各装置において速やかに処理される場合を含み、伝送や処理に伴う遅延が生じる場合も許容する。
【0022】
(コンテンツ提供システム)
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るコンテンツ提供システム1(コマンド処理システム)を説明する。コンテンツ提供システム1は、動画とコメントとを、配信者および視聴者がリアルタイムに共有する。コンテンツ提供システム1は、コンテンツ処理システム2、コマンド発行端末5およびコマンド実行端末6を備える。コンテンツ処理システム2、コマンド発行端末5およびコマンド実行端末6は、インターネット等の通信ネットワーク9を介して、相互に通信可能に接続される。コンテンツ処理システム2は、動画提供サーバ3およびコマンド処理サーバ4を備える。
【0023】
本発明の実施の形態において、コンテンツは、動画データと、動画データの提供に付随するサービスの提供である場合を説明するが、これに限らない。動画データの提供に付随するサービスの提供は、例えば、動画データの視聴者が入力する投稿の共有、視聴者に対して行われるアンケート等である。
【0024】
コマンド発行端末5は、動画データを配信する配信者が利用する端末である。コマンド発行端末5は、動画データを生成して、コンテンツ提供システム1に提供する。動画データにさらに、音声データを含めても良い。コマンド発行端末5は、さらに、動画の提供に付随するサービスついて、コマンド実行端末6に関するコマンドを発行し、コンテンツ提供システム1に送信する。
【0025】
コマンド実行端末6は、コマンド発行端末5が配信した動画データを視聴する視聴者が利用する端末である。コマンド実行端末6は、コンテンツ提供システム1から受信した動画データを再生する。コマンド実行端末6はさらに、コマンド発行端末5が発行したコマンドを実行する指示を、コンテンツ提供システム1から受領し、その指示に従ってコマンドを実行する。
【0026】
コンテンツ処理システム2において、動画提供サーバ3は、コマンド発行端末5から提供された動画データを、視聴者の利用するコマンド実行端末6に配信する。またコマンド処理サーバ4は、動画データに付随するサービスに関して、コマンド発行端末5が発行したコマンドを、コマンド実行端末6に実行させる。
【0027】
ここでコマンドは、動画データに関して、配信者から視聴者への指示であって、動画データに付随するサービスに関連する。動画データに付随するサービスは、例えば、動画データの再生画面に重畳する投稿データの表示である。例えばコマンド処理サーバ4は、ある視聴者が入力した投稿データを、同じ動画データを視聴するユーザ(配信者および視聴者)の利用する端末で共有できるように、各ユーザの動画データの再生画面において、重畳するように制御する。
【0028】
また動画データに付随するサービスは、例えば、配信者が視聴者に行うアンケートが含まれ、コマンドは、配信者が視聴者に対して行うアンケートに関する画面を、視聴者が視聴する動画データに重畳する指示である。コマンド発行端末5は、配信者によって設定された、アンケートを行う旨と、そのアンケートの質問文および選択肢を含むコマンドを、コマンド処理サーバ4に送信する。コマンド処理サーバ4は、各視聴者の端末でアンケート画面を表示し、そのアンケートに対して回答させ、入力された回答をコマンド処理サーバ4に戻すよう、コマンド実行端末6に指示する。コマンド実行端末6は、コマンド処理サーバ4からの指示に従って、アンケートの質問文および選択肢を表示し、いずれかの選択肢を選択して、選択された選択肢を、コマンド処理サーバ4に送信する。コマンド処理サーバ4は、各コマンド実行端末6において選択された選択肢を集計し、コマンド発行端末5およびコマンド実行端末6に、その集計結果を表示する。コマンド実行端末6に表示されるアンケートの質問文および選択肢、さらに、コマンド発行端末5およびコマンド実行端末6に表示される集計結果は、コマンド発行端末5が配信する動画に重畳され、所定の透過率で表示される。
【0029】
このようにコマンド処理サーバ4は、動画の配信者の端末および視聴者の端末間で、データの送受信をするので、コマンド処理サーバ4の遅延により、リアルタイムに、データが送受信されない場合がある。そこで本発明の実施の形態に係るコマンド処理サーバ4は、コマンド発行端末5から、コマンド実行端末6に関するコマンドを受信すると、コマンドを受信した旨を、コマンド実行端末に通知する。またコマンド処理サーバ4は、コマンドを受信した旨をコマンド実行端末6に通知した後に、コマンド実行端末6でコマンドを実行するための指示を、コマンド実行端末6に送信する。
【0030】
図2を参照して、本発明の実施の形態に係るコマンド処理方法を説明する。
【0031】
まずステップS1においてコマンド発行端末5は、配信者によって入力されたコマンドを、コマンド処理サーバ4に送信する。例えばコマンド実行端末に、
図3に示すようなアンケート画面Vを表示する場合、コマンド発行端末5は、アンケートを行う旨と、アンケートの質問文「どちらのファンですか?」と、選択肢「Aチーム」および「Bチーム」を含むコマンドを、コマンド処理サーバ4に送信する。
【0032】
コマンド処理サーバ4は、まず、ステップS2において、コマンド実行端末6に、コマンド発行端末5からコマンドを受信したことを通知する。ステップS3においてコマンド実行端末6は、コマンド発行端末5においてコマンドが入力されたことを出力し、視聴者に通知する。コマンド実行端末6は、例えば、「サーバがコマンドを処理中です」などと表示したり、サーバにおいてコマンドを処理中であることを示すアイコンまたはアニメーションを表示したりしても良い。
【0033】
コマンド処理サーバ4は、ステップS2においてコマンドを受信したことを通知した後、ステップS4において、コマンド実行端末6に、ステップS1で受信したコマンドを実行させるための処理を行う。コマンド処理サーバ4は、
図3に示すようなアンケート画面Vを視聴者の端末に表示するための処理を行う。ここでコマンド処理サーバ4は、負荷が高く即座に処理できない場合、ステップS4の処理を、待ち行列に入れ、処理順序を待機し、処理可能になったら処理をする。
【0034】
ステップS4の処理が完了するとコマンド処理サーバ4は、ステップS5において、ステップS4の処理結果とともに、コマンド実行端末6にコマンドの実行を指示する。ステップS6においてコマンド実行端末6は、ステップS5で受信したコマンドを実行する。コマンド実行端末6は、ステップS3で表示した通知を消去して、ローディングを示すアイコンまたはアニメーションなど、コマンド実行端末6において処理中であることを表示しても良い。コマンド実行端末6における処理が終了すると、コマンド実行端末6に、
図3に示すアンケート画面Vが表示される。
【0035】
このような本発明の実施の形態に係るコマンド処理方法によれば、コマンド処理サーバ4は、コマンド発行端末5からコマンドを受信した時点で、即座にコマンド実行端末6にコマンドを受信した旨を通知する。コマンド処理サーバ4での処理が滞った場合でも、コマンド実行端末6の視聴者は、配信者によってコマンドが発行され、サーバにおいて処理中であることを認識でき、コマンドの実行待ちのストレスを軽減することができる。
【0036】
本発明の実施の形態に係るコマンド処理方法は、配信者がリアルタイムに動画を配信し、視聴者の投稿を見て番組を進行するような生放送に好適である。
【0037】
一般的に、配信者が、例えば「今から、みんなにアンケートするね」と声かけした動画が配信された後、視聴者の端末にアンケートが表示されない場合、「アンケートまだ?」などと投稿を入力して、配信者を煽る場合がある。またこのような投稿は、番組の進行とは直接関係しないので、配信者が意図する通りに、番組を進行しづらい場合がある。
【0038】
そこで本発明の実施の形態において、配信者がアンケートに関するコマンドを入力したことを、視聴者に通知することで、配信者は、アンケートが表示されないのは、配信者に起因するものではなく、コマンド処理サーバ4または通信ネットワーク上の遅延であることがわかる。従って、本発明の実施の形態において視聴者は、「アンケートまだ?」などと配信者を煽ることがないので、配信者による番組進行を妨げることがなく、配信者が意図する番組の進行が可能になる。
【0039】
装置または通信事情により遅延が生じる場合でも、本発明の実施の形態に係るコンテンツ提供システム1において、少なくとも、配信者に依存する遅延ではないことを明確にすることができるので、待機中の視聴者の不満を軽減することができる。
【0040】
なお、本発明の実施の形態において、コマンド発行端末5が、動画データを提供するとともに、動画の提供に付随するサービスに関するコマンドを発行する場合を説明するが、これに限らない。コマンド発行端末5が実現する機能が、複数の端末によって実現されても良い。また、
図1に示す例において、コンテンツ提供システム1が、1つのコマンド発行端末5と、3つのコマンド実行端末6を備える場合を説明するが、これに限らない。コマンド実行端末6は、1以上あればよい。
【0041】
本発明の実施の形態において、動画を配信する端末が、動画の提供に付随するサービスに関するコマンドを発行し、動画を視聴する端末がコマンドを実行する場合を説明したが、これに限らない。動画を視聴する端末が、動画の提供に付随するサービスに関するコマンドを発行し、その他の端末に、そのコマンドを実行させても良い。例えば、視聴者が入力する投稿を、配信者の利用する端末に表示するサービスの場合、コマンド発行端末5は、動画を視聴する端末になり、コマンド実行端末6は、動画を配信する端末となる。本発明の実施の形態においては、配信者が視聴者に対してアンケートを行う場合を説明するが、視聴者の一人が、そのほかの視聴者および配信者にアンケートを行う場合にも適用することができる。
【0042】
(コマンド処理サーバ)
コマンド処理サーバ4は、
図4に示すように、記憶装置31、通信制御装置32および処理装置35を備える一般的なコンピュータである。一般的なコンピュータが所定の機能を実現するためのコマンド処理プログラムを実行することにより、
図4に示す各機能を実現する。
【0043】
記憶装置31は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random access memory)、ハードディスク等であって、処理装置35に実行されるプログラム、処理装置35が処理を実行するための入力データ、出力データおよび中間データなどの各種データを記憶する。通信制御装置32は、通信ネットワークを介して他の装置とデータを送受信するためのインタフェースである。処理装置35は、CPU(Central Processing Unit)であって、記憶装置31に記憶されたプログラムを読み出し実行したり、記憶装置31に記憶されたデータを読み書きしたり、通信制御装置32とデータを入出力したりして、コマンド処理サーバ4における処理を実行する。
【0044】
処理装置35は、受信部36、通知部37および実行指示部38を備える。
【0045】
受信部36は、コマンド発行端末5から、コマンド実行端末6に関するコマンドを受信する。
【0046】
通知部37は、コマンド発行端末5からコマンドを受信した旨を、コマンド実行端末6に通知する。通知部37は、受信部36で、コマンドを受信してすぐに、コマンド実行端末6に通知するのが好ましい。受信した旨を通知する処理は、コマンド処理サーバ4において大きな負荷にならないので、コマンド実行端末6に速やかに通知することが可能である。
【0047】
ここで通知部37は、必要に応じて、コマンド実行端末6の送信先を特定する。例えば、動画データの配信者がコマンド発行端末5を利用し、動画データの視聴者がコマンド実行端末6を利用する場合、通知部37は、IPアドレス等のこの動画データの視聴者の特定情報を抽出し、特定情報宛に通知する。
【0048】
実行指示部38は、コマンドを受信した旨をコマンド実行端末6に通知した後に、コマンド実行端末6でコマンドを実行するための指示を、コマンド実行端末6に送信する。ここで、実行指示部38は、コマンドを受信した旨を、コマンド実行端末6に通知した後に、コマンドを実行するための指示を、コマンド実行端末に送信するために必要な処理を実行するのが良い。これにより、コマンド処理サーバ4は、コマンドを受信した旨を即座にコマンド実行端末6に通知し、コマンド実行端末6のユーザの待機時間のストレスを軽減することが可能になる。
【0049】
コマンド処理サーバ4は、コマンド処理サーバ4が処理する全てのコマンドについて、コマンドを受領したことをコマンド実行端末6に通知しても良いし、一部のコマンドについてのみ、通知しても良い。コマンド処理サーバ4は、処理に時間を要するコマンド、または遅延が生じるコマンドについては、コマンドを受領したことをコマンド実行端末6に通知し、処理に時間がかからないコマンド、または遅延が生じないコマンドについては、通知しないように制御することも可能である。
【0050】
(コマンド発行端末)
コマンド発行端末5は、
図5に示すように、記憶装置51、通信制御装置52、入力装置53および処理装置55を備える一般的なコンピュータである。一般的なコンピュータが所定の機能を実現するためのコマンド発行プログラムを実行することにより、
図5に示す各機能を実現する。
【0051】
記憶装置51、通信制御装置52および処理装置55は、
図4を参照して説明したコマンド処理サーバ4の各装置と同様である。入力装置53は、コマンド実行端末6に実行させたいコマンドを入力するためのインタフェースであって、具体的には、キーボード、マウス等である。
【0052】
処理装置55は、動画提供部56およびコマンド発行部57を備える。
【0053】
動画提供部56は、配信者が撮影したり生成したりした動画データを、通信ネットワーク9を介して動画提供サーバ3に提供する。動画提供サーバ3に提供された動画データは、コマンド実行端末6に提供される。
【0054】
コマンド発行部57は、コマンド実行端末6に関するコマンドを送信する。配信者は、例えば、動画データの提供に際して視聴者に対してアンケートを行いたい場合、アンケートを行うために必要な情報を、入力装置53を介して入力する。コマンド発行部57は、入力装置53から入力された情報を、通信制御装置52を介して、コマンド処理サーバ4に送信する。
【0055】
(コマンド実行端末)
コマンド実行端末6は、
図6に示すように、記憶装置61、通信制御装置62、出力装置64および処理装置65を備える一般的なコンピュータである。一般的なコンピュータが所定の機能を実現するためのコマンド実行プログラムを実行することにより、
図6に示す各機能を実現する。
【0056】
記憶装置61、通信制御装置62および処理装置65は、
図4を参照して説明したコマンド処理サーバ4の各装置と同様である。出力装置64は、コマンド実行端末6による実行結果を出力し、視聴者に認識させるためのインタフェースであって、具体的には、ディスプレイ等である。
【0057】
処理装置65は、動画再生部66、通知処理部67およびコマンド実行部68を備える。
【0058】
動画再生部66は、コマンド発行端末5が配信し、動画提供サーバ3によって提供された動画データを、再生する。
【0059】
通知処理部67は、コマンド処理サーバ4から、コマンドを受信した旨の通知を受けると、コマンドを受信した旨を出力する。通知処理部67は、コマンド処理サーバ4がコマンドを処理中である旨のメッセージ、画像、アニメーション等を表示する。
【0060】
コマンド実行部68は、コマンド処理サーバ4から、コマンドを実行するための指示を受信して実行する。例えばアンケート画面を表示する指示を受信した場合、コマンド実行部68は、受信した指示に従って、アンケート画面を表示する。またコマンド処理サーバ4がコマンドを処理中である旨のメッセージ、画像、アニメーション等が表示されている場合、コマンド実行部68は、この表示を削除し、必要に応じて、コマンド実行端末6でコマンドを実行中である旨のメッセージ、画像、アニメーション等を表示する。
【0061】
本発明の実施の形態は、配信者の利用する端末と、視聴者の利用する端末とのデータ送受信を、サーバが中継するシステムにおいて、通信または処理等の遅延に伴う視聴者の不満を軽減することが可能になる。
【0062】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0063】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0064】
1 コンテンツ提供システム
2 コンテンツ処理システム
3 動画提供サーバ
4 コマンド処理サーバ
5 コマンド発行端末
6 コマンド実行端末
31、51、61 記憶装置
32、52、62 通信制御装置
35、55、65 処理装置
36 受信部
37 通知部
38 実行指示部
53 入力装置
56 動画提供部
57 コマンド発行部
64 出力装置
66 動画再生部
67 通知処理部
68 コマンド実行部