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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】RNAの安定化のための3’UTR配列
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/68 20060101AFI20220607BHJP
   C12N 5/10 20060101ALN20220607BHJP
【FI】
C12N15/68 Z ZNA
C12N5/10
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2018517549
(86)(22)【出願日】2016-10-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-10-18
(86)【国際出願番号】 EP2016073814
(87)【国際公開番号】W WO2017060314
(87)【国際公開日】2017-04-13
【審査請求日】2019-05-13
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2015/073180
(32)【優先日】2015-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519258736
【氏名又は名称】バイオエヌテック エスエー
(73)【特許権者】
【識別番号】515123258
【氏名又は名称】トロン- トランスラショナル オンコロジー アン デア ウニヴェリジテーツメディツィン デア ヨハネス グーテンベルク-ウニヴェルシテート マインツ ゲマインニューツィゲ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】TRON- Translationale Onkologie an der Universitaetsmedizin der Johannes Gutenberg-Universitaet Mainz gemeinnuetzige GmbH
【住所又は居所原語表記】Freiligrathstr. 12 55131 Mainz Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】オルランディーニ フォン ニーセン, アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】フェセル, シュテファニエ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァッラッツア, ブリッタ
(72)【発明者】
【氏名】ベイゼルト, ティム
(72)【発明者】
【氏名】キューン, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】サヒン, ウグル
(72)【発明者】
【氏名】ポルガノフ, マルコ アレクサンダー
【審査官】玉井 真人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0032730(US,A1)
【文献】pmirGLO Dual-Luciferase miRNA Target Expression Vector Protocol, 2016
【文献】pMIR-REPORT(TM) System Protocol, 2008
【文献】BLOOD, 2006, Vol.108, pp.4009-4017
【文献】European Journal of Immunogenetics, 2000, Vol.27, pp.231-240
【文献】Mol Endocrinol, 2015, Vol.29, pp.1067-1079
【文献】J. Immunol., 2012, Vol.188, pp.2437-2444
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写の5’ → 3’方向に、
(a) プロモーター;
(b) 転写可能な核酸配列又は転写可能な核酸配列を導入するための核酸配列;並びに
(c) プロモーター(a)の制御下で転写される際に、転写物中の3’非翻訳領域をコードする核酸配列であって、(b)の核酸配列と天然では連結されておらず、前記3’非翻訳領域が
(c-8)FCGRTの3’非翻訳領域の核酸配列と、以下:
(c-1) FCGRTの3’非翻訳領域の核酸配列、
(c-2) LSP1の3’非翻訳領域の核酸配列、
(c-3) CCL22の3’非翻訳領域の核酸配列、
(c-4) AESの3’非翻訳領域の核酸配列、
(c-5) PLD3の3’非翻訳領域の核酸配列、
(c-6) MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、及び
(c-7) HLA-DRB4の3’非翻訳領域の核酸配列、
からなる群より選択される1以上の核酸配列との、任意の組み合わせ
を含む、核酸配列を含む核酸分子。
【請求項2】
プロモーター(a)の制御下で転写される際に、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に含んでもよいポリアデニル配列である核酸配列をコードする核酸配列(d)をさらに含む、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項3】
前記ポリアデニル配列が、少なくとも20個、少なくとも40個、少なくとも80個、少なくとも100又は少なくとも120個のAヌクレオチドを含む、請求項2に記載の核酸分子。
【請求項4】
前記Aヌクレオチドは、連続Aヌクレオチドを含む、請求項3に記載の核酸分子。
【請求項5】
プロモーター(a)の制御下にある核酸配列(b)、(c)及び(d)が、転写されて、共通転写物を生じることができる、請求項2から4のいずれか一項に記載の核酸分子。
【請求項6】
閉環状分子又は線状分子である、請求項1から5のいずれか一項に記載の核酸分子。
【請求項7】
転写可能な核酸配列が、ペプチド又はタンパク質をコードする核酸配列を含み、転写可能な核酸配列を導入するための核酸配列が、マルチクローニングサイトである、請求項1から6のいずれか一項に記載の核酸分子。
【請求項8】
(i)レポーター遺伝子;(ii)選択マーカー、及び(iii)複製開始点からなる群より選択される1以上の要素をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の核酸分子。
【請求項9】
鋳型として請求項1から8のいずれか一項に記載の核酸分子を用いる転写により得られるRNA。
【請求項10】
鋳型として請求項1から8のいずれか一項に記載の核酸分子を用いるin vitro転写により得られる、請求項9に記載のRNA。
【請求項11】
5’ → 3’方向に、
(a) 5’非翻訳領域;
(b) ペプチド又はタンパク質をコードする核酸配列;並びに
(c) (b)の核酸配列と天然では連結されていない3’非翻訳領域であって、
(c-8)FCGRTの3’非翻訳領域の核酸配列と、以下:
(c-1) FCGRTの3’非翻訳領域の核酸配列、
(c-2) LSP1の3’非翻訳領域の核酸配列、
(c-3) CCL22の3’非翻訳領域の核酸配列、
(c-4) AESの3’非翻訳領域の核酸配列、
(c-5) PLD3の3’非翻訳領域の核酸配列、
(c-6) MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、及び
(c-7) HLA-DRB4の3’非翻訳領域の核酸配列、
からなる群より選択される1以上の核酸配列との、任意の組み合わせ
を含む3’非翻訳領域
を含む、RNA。
【請求項12】
Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に含んでもよいポリ(A)配列である核酸配列(d)をさらに含む、請求項11に記載のRNA。
【請求項13】
前記核酸配列(d)が前記RNAの3’末端に位置する、請求項12に記載のRNA。
【請求項14】
5’キャップ(e)をさらに含む、請求項12又は13に記載のRNA。
【請求項15】
(i)請求項1から8のいずれか一項に記載の核酸分子を提供すること、及び
(ii)in vitroで、鋳型として前記核酸分子を用いてRNAに転写すること
を含む、RNAを得る方法。
【請求項16】
(i) 請求項15に記載の方法に従って、ペプチド又はタンパク質をコードするRNAを得ること、及び
(ii) 前記RNAを翻訳すること
を含む、ペプチド又はタンパク質を得る、in vitroでの方法。
【請求項17】
核酸分子の転写の前に、核酸分子の切断をさらに含むことを特徴とする、請求項15又は16に記載のin vitroでの方法。
【請求項18】
(i) 転写される際に、(a)の核酸配列と天然では連結されていない3’非翻訳領域をコードする核酸配列(b)を、ペプチド又はタンパク質をコードする核酸配列を含む転写可能な核酸配列(a)の3’末端でカップリングすること、及び、
(ii) in vitroで、得られた核酸を転写すること
を含み、
前記3’非翻訳領域が、
(b-8)FCGRTの3’非翻訳領域の核酸配列と、以下:
(b-1) FCGRTの3’非翻訳領域の核酸配列、
(b-2) LSP1の3’非翻訳領域の核酸配列、
(b-3) CCL22の3’非翻訳領域の核酸配列、
(b-4) AESの3’非翻訳領域の核酸配列、
(b-5) PLD3の3’非翻訳領域の核酸配列、
(b-6) MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、及び
(b-7) HLA-DRB4の3’非翻訳領域の核酸配列、
からなる群より選択される1以上の核酸配列との、任意の組み合わせ
を含む、RNAを得る方法。
【請求項19】
(i)請求項18に記載の方法によってRNAを得ること、及び
(ii)前記RNAを翻訳すること
を含む、ペプチド又はタンパク質を得る、in vitroでの方法。
【請求項20】
請求項15、17、及び18のいずれか一項に記載の方法によって得ることができるRNA。
【請求項21】
請求項9から14及び20のいずれか一項に記載のRNAをin vitroで翻訳することを含む、ペプチド又はタンパク質を得る方法。
【請求項22】
宿主細胞をトランスフェクトする方法における使用のための、請求項9から14及び20のいずれか一項に記載のRNA。
【請求項23】
宿主細胞が抗原提示細胞である、請求項22に記載のRNA
【請求項24】
抗原提示細胞は、樹状細胞、単球又はマクロファージである、請求項23に記載のRNA
【請求項25】
求項9から14及び20のいずれか一項に記載のRNAを含む、ワクチン接種のための医薬組成物
【請求項26】
細胞特性を有する細胞に体細胞を再プログラミングする方法における使用のための、請求項9から14及び20のいずれか一項に記載のRNA。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
RNAの使用は、DNAの治療的な使用と関連する潜在的安全リスクを回避するために、DNAの魅力的な代替物を提供する。in vitroで転写されたRNA(IVT-RNA)は、治療的手法において特に注目される。RNAの治療的な使用の利点には、一過性発現及び非形質転換特性が含まれる。RNAは、発現するのに核に入る必要がなく、さらに宿主ゲノムに組み込むこともできず、したがって発がんのリスクを排除する。ワクチン接種のために使用される場合、RNAの注入は、in vivoで細胞性及び液性免疫応答の両方を誘導し得る。しかしながら、RNAの臨床応用への使用は、特にRNAの短い半減期によって大きく制限される。
【0002】
IVTベクターは、in vitro転写用鋳型として標準化された方法で使用することができる。このようなIVTベクターは、RNA転写を可能にする5’RNAポリメラーゼプロモーター、続いて3’及び/又は5’のいずれかが非翻訳領域(UTR)に隣接している目的の遺伝子、並びにAヌクレオチドを含有する3’ポリアデニルカセットという構造を有し得る。in vitro転写に先立って、環状プラスミドは、ポリアデニルカセットの下流でII型制限酵素によって線状化される(認識配列は切断部位に対応する)。したがって、ポリアデニルカセットは、転写物中の後半のポリ(A)配列に相当する。
【0003】
ヒト未成熟樹状細胞(hiDC)は、がん治療のための免疫療法を開発及び改善するために広く使用されている。特定の腫瘍抗原(TA)をコードするin vitro転写(IVT)-mRNAをロードすることにより、hiDCは、効果的な抗腫瘍応答を誘導することができる。しかしながら、RNAベースのがんワクチンを用いた有効な免疫応答の前提条件は、RNAの高い安定性及び翻訳効率である。両者は、5’-CAP、3’ポリ(A)テール、並びに5’及び3’非翻訳領域(UTR)の構造修飾によって改善され得る。UTR内の配列エレメントは、翻訳効率(主に5’-UTR)及びRNA安定性(主に3’-UTR)に影響を及ぼす。
【0004】
以前の研究で本発明者らは、ヒトベータグロビン3’-UTR(現在は2hBgと呼ばれ、以前は2βgUTRとも呼ばれていた)の2つの連続したコピーが転写物の安定性と翻訳効率の向上に寄与していることを実証している(Holtkamp (2006) Blood 108:4009-4017)。しかしながら、最終的にRNAのin vitro転写用鋳型として使用される、プラスミドDNA中のヒトベータグロビン3’-UTR配列の2つの同一コピーの存在は、大腸菌におけるRNAの伝播中の組換えの危険性を有する。同様に、特にPCRに基づく増幅を用いるクローニング手法は、非常に困難である。in vitro転写用鋳型として使用される、3’末端に2hBgを有するRNAコード領域のPCRに基づく増幅についても同様である。なぜなら、ここでヒトベータグロビン3’-UTRの1コピーの省略をもたらすミスプライミングが観察されているからである。これらの問題を回避するために、本発明者らは、2hBg配列と少なくとも同様に、理想的にはそれ以上に、in vitroで転写されたmRNAに対して安定化効果を有する新規配列を同定しようとした。
【0005】
本発明の目的は、安定性及び/又は翻訳効率が向上したRNA並びにそのようなRNAを得るための手段を提供することであった。治療において前記RNAを使用することにより、より高い段階の発現を得ることが可能なはずである。
【0006】
この目的は、請求項の主題によって、本発明に従って達成される。
【0007】
本発明は、RNA、特にmRNAの安定化及びmRNA翻訳の増加に関する。本発明は具体的には、転写安定性及び/又は翻訳効率の向上をもたらす、RNA、特にin vitro転写RNAの修飾に関する。
【0008】
本発明によれば、RNA分子の3’非翻訳領域(UTR)における特定の配列が安定性及び翻訳効率を改善することが実証された。
【0009】
本発明に従って修飾されたRNAを樹状細胞(DC)のトランスフェクションにおいて使用することにより、例えば、トランスフェクトされた細胞上の抗原特異的ペプチド/MHC複合体の密度を高めること、並びにその複合体の、抗原特異的CD4T細胞及びCD8T細胞を刺激して増殖する能力を高めることが可能であろう。したがって本発明は、一実施態様では、本発明に記載のRNA修飾によって修飾されたRNAを使用することにより、DC又はRNAでトランスフェクトされたDCワクチンをトランスフェクトするためのRNAワクチンを最適化するための方策に関する。
【0010】
本発明によれば、in vitroでRNA転写用鋳型として好ましくは働く発現ベクターを遺伝子修飾することにより、RNAの修飾、それにより安定化及び/又は翻訳効率の向上が好ましくは達成される。これらの発現ベクターは、好ましくはペプチド又はタンパク質をコードする配列(オープンリーディングフレーム)とポリ(A)配列との間に本発明に記載の3’非翻訳領域を有するRNAの転写を可能にする。
【0011】
これらのベクターは、好ましくは前記RNA中にオープンエンドを有するポリ(A)配列を有するRNAの転写も可能にし得る。すなわちRNAの3’末端において前記ポリ(A)配列に隣接するAヌクレオチド以外のヌクレオチドはない。RNAを5’RNAポリメラーゼプロモーターの制御下で転写させることができ、かつ、ポリアデニルカセットを含有する発現ベクターにIIS型制限切断部位を導入することによって、RNA中にオープンエンド型ポリ(A)配列を得ることができ、その認識配列はポリアデニルカセットの3’に位置し、一方、切断部位は上流に、したがってポリアデニルカセット内に位置する。IIS型制限切断部位における制限切断は、ポリアデニルカセット内でプラスミドを線状化することを可能にする。ひいては、線状プラスミドは、in vitro転写用鋳型として使用することができ、得られた転写物は、マスクされていないポリ(A)配列になる。さらに、4個のヌクレオチド(リンカー)の均等な分布を有するランダムヌクレオチド配列による3’ポリアデニルカセットの任意選択的な破壊は、大腸菌における3’ポリアデニルカセットの安定性を高める。
【発明の概要】
【0012】
一態様において、本発明は、転写の5’ → 3’方向に以下を含む核酸分子に関する。
(a) プロモーター;
(b) 転写可能な核酸配列又は転写可能な核酸配列を導入するための核酸配列;並びに
(c) 転写中の3’非翻訳領域を、プロモーター(a)の制御下で転写される際にコードする核酸配列であって、前記3’非翻訳領域が以下からなる群より選択される核酸配列を含む、核酸配列:
(c-1) FCGRTの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-2) LSP1の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-3) CCL22の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-4) AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-5) PLD3の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-6) MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-7) HLA-DRB4の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
並びに
(c-8) (c-1)、(c-2)、(c-3)、(c-4)、(c-5)、(c-6)及び(c-7)の2つ以上の核酸配列、断片及び/又は変異体の任意の組み合わせ。
【0013】
一実施態様では、プロモーター(a)の制御下にある核酸配列(b)及び(c)は、転写されて、転写可能な核酸配列(b)から転写された核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性を高めるほどに、核酸配列(c)から転写された核酸配列が活性である共通転写物(common transcript)を生じることができる。
【0014】
一実施態様において、核酸配列(b)及び(c)は、天然では連結されていない。
【0015】
一実施態様において、AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-4)は、配列番号86から89より選択される核酸配列からなる群より選択される核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を含む。
【0016】
一実施態様において、AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-4)は、配列番号86の核酸配列からなる群より選択される核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を含む。
【0017】
一実施態様において、MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-6)は、配列番号105から121より選択される核酸配列からなる群より選択される核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を含む。
【0018】
一実施態様において、MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-6)は、配列番号115の核酸配列からなる群より選択される核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を含む。
【0019】
一実施態様において、核酸配列(c-8)は、(c-1)、(c-2)、(c-3)、(c-4)、(c-5)、(c-6)及び(c-7)の2つ以上の同じか又は異なる核酸配列、断片及び/又は変異体の任意の組み合わせを含む。さまざまな実施態様において、核酸配列(c-8)は、(c-1)と(c-2)、(c-1)と(c-3)、(c-1)と(c-4)、(c-1)と(c-5)、(c-1)と(c-6)、(c-1)と(c-7)、(c-2)と(c-3)、(c-2)と(c-4)、(c-2)と(c-5)、(c-2)と(c-6)、(c-2)と(c-7)、(c-3)と(c-4)、(c-3)と(c-5)、(c-3)と(c-6)、(c-3)と(c-7)、(c-4)と(c-5)、(c-4)と(c-6)、(c-4)と(c-7)、(c-5)と(c-6)、(c-5)と(c-7)又は(c-6)と(c-7)の組み合わせを含む。
【0020】
一実施態様において、核酸配列(c-8)は、AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-4)と、MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-6)との組み合わせを含む。一実施態様において、AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-4)は、MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-6)に対して5’に位置する。一実施態様において、AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-4)とMT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-6)との組み合わせは、配列番号174の核酸配列からなる群より選択される核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を含む。
【0021】
一実施態様において、本発明の核酸分子は、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である核酸配列を、プロモーター(a)の制御下で転写される際にコードする核酸配列(d)をさらに含む。一実施態様において、前記ポリアデニル配列は、少なくとも20のAヌクレオチド、好ましくは少なくとも40、少なくとも80、少なくとも100又は少なくとも120個のAヌクレオチド、好ましくは連続Aヌクレオチドを含む。一実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列は、2個以上の連続ヌクレオチドの、好ましくは任意の配列であり、2個以上の連続ヌクレオチドの前記配列の最初と最後のヌクレオチドは、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドである。一実施態様において、前記核酸配列(d)は、ヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に含むポリアデニル配列である核酸配列を、プロモーター(a)の制御下で転写される際にコードする核酸配列であり、かつ、大腸菌内で前記核酸分子が増殖すると、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に含むポリアデニル配列である前記核酸配列と同じ長さのポリアデニル配列を、プロモーター(a)の制御下で転写される際にコードする核酸配列(d)’を前記核酸配列(d)の代わりに含む核酸分子と比較して、より高い安定性を示す。一実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である前記核酸配列は、少なくとも80個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも90又は100個のヌクレオチドを含む。一実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である前記核酸配列は、少なくとも90個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも100個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも110個のヌクレオチドを含む。一実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である前記核酸配列は、約120個のヌクレオチドを含む。特定の実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である前記核酸配列は、200個まで、好ましくは150個まで、特に130個までのヌクレオチドを含む。一実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である前記核酸配列のヌクレオチドの少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも95%、97%又は98%は、前記ポリアデニル配列中のAヌクレオチドである(Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列中のAヌクレオチドは含まない)。
【0022】
一実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列は、前記ポリアデニル配列の21位から80位、好ましくは21位から60位、さらに好ましくは31位から50位の領域内に位置する。
【0023】
一実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列は、前記ポリアデニル配列中の少なくとも20個のA残基、好ましくは少なくとも30、40又は50個のA残基の後にある。特定の実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列は、前記ポリアデニル配列中の80個までのA残基、好ましくは70又は60個までのA残基の後にある。
【0024】
一実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列に、前記ポリアデニル配列中の少なくとも20個のA残基、好ましくは少なくとも30、40、50、60又は70個のA残基が続く。特定の実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列に、前記ポリアデニル配列中の100個までのA残基、好ましくは80個までのA残基が続く。
【0025】
一実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列は、前記ポリアデニル配列中の20から50個、好ましくは30から40個のA残基の後にあり、これに30から80個、好ましくは40から70個のA残基が続く。
【0026】
一実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列は、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも8個、好ましくは少なくとも10個、さらに好ましくは少なくとも15個のヌクレオチドの長さを有する。
【0027】
一実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列は、50個以下、好ましくは30個以下、さらに好ましくは20個以下のヌクレオチドの長さを有する。
【0028】
一実施態様において、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列は、3個を超えない、好ましくは2個以下の、好ましくは連続していないA残基を含む。
【0029】
一実施態様において、プロモーター(a)の制御下にある核酸配列(b)、(c)及び(d)は、転写されて、共通転写物を生じることができる。一実施態様において、核酸配列(c)及び任意選択的に(d)から転写された核酸配列は、転写可能な核酸配列(b).から転写された核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性を高めるほどに活性である。
【0030】
一実施態様では、転写物中、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である前記核酸配列は、3’末端に位置する。
【0031】
一実施態様において、本発明の核酸分子は、DNA分子である。一実施態様において、前記核酸分子は、IVTベクターなどの発現ベクター又はプラスミドである。
【0032】
一実施態様において、本発明の核酸分子は、閉環状分子又は線状分子である。
【0033】
一実施態様において、転写可能な核酸配列は、ペプチド又はタンパク質をコードする核酸配列を含み、転写可能な核酸配列を導入するための核酸配列は、マルチクローニングサイトである。
【0034】
一実施態様において、本発明の核酸分子は、(i)レポーター遺伝子;(ii)選択マーカー、及び(iii)複製開始点からなる群より選択される1以上の要素をさらに含む。
【0035】
一実施態様において、本発明の核酸分子は、特に線状化後、RNA、特にmRNAのin vitro転写に適している。
【0036】
in vitro転写に先立って、環状IVTベクターは通常、ポリアデニルカセットの下流でII型制限酵素によって線状化される(認識配列は切断部位に相当する)。したがって、ポリアデニルカセットは、転写物中の後半のポリ(A)配列に相当する。この手順の結果、一部のヌクレオチドは、線状化後に酵素切断部位の一部として残り、3’末端でポリ(A)配列を伸長又はマスクする。しかし、オープンエンドポリ(A)配列を有するRNAは、マスクされた末端を伴うポリ(A)配列を有するRNAよりも効率的に翻訳されることが見出された。
【0037】
したがって、発現ベクターとして使用される場合の本発明の核酸分子は、好ましくは前記RNA中にオープンエンドを有するポリ(A)配列を有するRNAの転写も可能にし得る。すなわちRNAの3’末端において前記ポリ(A)配列に隣接するAヌクレオチド以外のヌクレオチドはない。RNAを5’RNAポリメラーゼプロモーターの制御下で転写させることができ、かつ、ポリアデニルカセットを含有する発現ベクターに、IIS型制限切断部位を導入することによってRNA中のオープンエンド型ポリ(A)配列を得ることができ、その認識配列はポリアデニルカセットの下流に位置し、一方、切断部位は上流に、したがってポリアデニルカセット内に位置する。IIS型制限切断部位における制限切断は、ポリアデニルカセット内でプラスミドを線状化することを可能にする。ひいては、線状プラスミドは、in vitro転写用鋳型として使用することができ、得られた転写物は、マスクされていないポリ(A)配列になる。
【0038】
したがって、一実施態様では、本発明の核酸分子は、核酸配列(d)内で、前記切断が5’ → 3’方向の転写においてプロモーター(a)、核酸配列(b)及び(c)、並びに核酸配列(d)の少なくとも一部を含む核酸分子をもたらすように、好ましくは酵素的に又は別の生化学的方法で切断され得ることが好ましく、この場合核酸配列(d)の少なくとも一部は、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である前記核酸配列を、プロモーター(a)の制御下で転写される際にコードし、転写物中、3’末端ヌクレオチドは、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である前記核酸配列のAヌクレオチドである。
【0039】
好ましくは、切断後、核酸分子は、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である核酸配列用の鋳型として働く鎖の末端に、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアテニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である核酸配列用の鋳型として働く核酸配列の一部であるTヌクレオチドを有する。
【0040】
本発明の核酸分子は、好ましくは、切断前は閉環状分子であり、切断後は線状分子である。
【0041】
好ましくは、切断は、好ましくはIIS型制限エンドヌクレアーゼの制限切断部位である制限切断部位を用いて行われる。
【0042】
一実施態様において、IIS型制限エンドヌクレアーゼの認識配列は、核酸配列(d)の3’末端の下流の5~26塩基対、好ましくは24~26塩基対に位置する。
【0043】
一実施態様において、本発明の核酸分子は、閉環構造であり、特に線状化後のRNA、特にmRNAのin vitro転写に好ましくは適している。
【0044】
さらなる態様において、本発明は、上記核酸分子の線状化により、好ましくは核酸配列(d)内での切断により得られる核酸分子に関し、かつ、プロモーター(a)の制御下で上記核酸分子を用いる転写、好ましくはin vitro転写により得られるRNAに関する。
【0045】
したがって、一態様における本発明は、5’ → 3’方向に以下を含むRNAに関する。
(a) 5’非翻訳領域;
(b) ペプチド又はタンパク質をコードする核酸配列;並びに
(C) 以下からなる群より選択される核酸配列を含む3’非翻訳領域:
(c-1) FCGRTの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-2) LSP1の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-3) CCL22の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-4) AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-5) PLD3の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-6) MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-7) HLA-DRB4の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
及び
(c-8) (c-1)、(c-2)、(c-3)、(c-4)、(c-5)、(c-6)及び(c-7)の2つ以上の核酸配列、断片及び/又は変異体の任意の組み合わせ。
【0046】
一実施態様において、核酸配列(b)及び(c)は、天然では連結されていない。
【0047】
一実施態様では、RNAは、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である核酸配列(d)をさらに含む。一実施態様において、前記核酸配列(d)は、前記RNAの3’末端に位置する。
【0048】
一実施態様において、核酸配列(c)及び任意選択的に(d)は、ペプチド又はタンパク質をコードする核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性を高めるほどに活性である。
【0049】
一実施態様では、RNAは、5’キャップ(e)をさらに含む。
【0050】
3’非翻訳領域及び、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である核酸配列の実施態様は、本発明の核酸分子について上に記載した通りである。
【0051】
さらなる態様では、本発明は、
(i) 本発明の核酸分子を提供すること、及び
(ii) 核酸分子を鋳型として用いてRNAを転写すること
を含む、RNAを得る方法に関する。
【0052】
さらなる態様では、本発明は、
(i) 本発明のRNAを得る方法に従って、ペプチド又はタンパク質をコードするRNAを得ること、及び
(ii) RNAを翻訳すること
を含む、ペプチド又はタンパク質を得る方法に関する。
【0053】
一実施態様において、RNAを得る方法又はペプチド若しくはタンパク質を得る方法は、核酸分子の転写の前に核酸分子の切断をさらに含む。
【0054】
さらなる態様では、本発明は、
(I) 転写される際に3’非翻訳領域をコードする核酸配列(b)を、ペプチド又はタンパク質をコードする核酸配列を含む転写可能な核酸配列(a)の3’末端でカップリングすること、及び
(ii) 得られた核酸を転写すること
を含み、
前記3’非翻訳領域が、
(b-1) FCGRTの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(b-2) LSP1の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(b-3) CCL22の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(b-4) AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(b-5) PLD3の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(b-6) MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(b-7) HLA-DRB4の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
及び
(b-8)(b-1)、(b-2)、(b-3)、(b-4)、(b-5)、(b-6)及び(b-7)の2つ以上の核酸配列、断片及び/又は変異体の任意の組み合わせ
からなる群より選択される核酸配列を含む、RNAを得る方法に関する。
【0055】
一実施態様では、核酸配列(a)及び(b)は、転写されて、転写可能な核酸配列(a)から転写された核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性を高めるほどに、核酸配列(b)から転写された核酸配列が活性である共通転写物を生じることができる。
【0056】
一実施態様において、核酸配列(a)及び(b)は、天然では連結されていない。
【0057】
一実施態様において、本発明の方法は、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である核酸配列を、転写される際にコードする核酸配列(c)を、核酸配列(b)の3’末端でカップリングすることをさらに含む。
【0058】
一実施態様では、核酸配列(a)、(b)及び(c)は、転写されて、転写可能な核酸配列(a)から転写された核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性を高めるほどに、核酸配列(b)及び任意選択的に(c)から転写された核酸配列が活性である共通転写物を生じることができる。
【0059】
3’非翻訳領域及び、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である核酸配列の実施態様は、本発明の核酸分子について上に記載した通りである。
【0060】
さらなる態様では、本発明は、
(i) 本発明のRNAを得る方法によりRNAを得ること、及び
(ii) RNAを翻訳すること
を含む、ペプチド又はタンパク質を得る方法に関する。
【0061】
本発明の方法は、in vitro又はin vivoで実施することができる。本発明の方法のいずれかの一実施態様では、転写はin vitroで行われる。
【0062】
一実施態様において、RNAを得る方法又はペプチド若しくはタンパク質を得る方法は、核酸分子の転写の前に核酸分子の切断をさらに含む。
【0063】
一実施態様において、切断は、このようにして得られた核酸の転写が、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である前記核酸配列を3’末端に有する転写物を生じるように、ポリアデニル配列内にAヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列を任意選択的に含むポリアデニル配列である核酸配列を、転写される際にコードする核酸配列内にあり、この場合前記転写物の3’末端ヌクレオチドは、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である核酸配列のAヌクレオチドである。
【0064】
本発明の方法の全態様において、切断は、好ましくはIIS型制限エンドヌクレアーゼの切断部位である制限切断部位を用いて、好ましくは行われる。
【0065】
一実施態様において、IIS型制限エンドヌクレアーゼの認識配列は、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である核酸配列を、転写される際にコードする核酸配列の3’末端の下流の5~26塩基対、好ましくは24~26塩基対である。
【0066】
本発明はまた、RNAを得る本発明の方法によって得られるRNAに関する。
【0067】
本発明は、例えば細胞の転写及び発現における組換えタンパク質の発現を増加させるために利用することができる。より具体的には、組換えタンパク質を生産する場合、組換え核酸の転写及び細胞ベースの系における組換えタンパク質の発現のために本発明の発現ベクターを使用することが可能である。これには、例えば組換え抗体、ホルモン、サイトカイン、酵素等の調製が含まれる。これにより、とりわけ生産コストを削減することができる。
【0068】
遺伝子治療の用途に本発明の核酸分子を使用することも可能である。したがって、本発明の核酸分子は、遺伝子治療ベクターであり得、導入遺伝子の発現のために使用され得る。この目的で、任意の核酸(DNA/RNA)ベースのベクター系(例えばプラスミド、アデノウイルス、ポックスウイルスベクター、インフルエンザウイルスベクター、アルファウイルスベクター等)を使用することができる。in vitroで、例えばリンパ球若しくは樹状細胞において、又は直接投与によってin vivoで、これらのベクターで細胞をトランスフェクトすることができる。
【0069】
(例えば本明細書に記載の核酸分子を転写鋳型として用いて得られた)本発明のRNAは、例えば遺伝子の一過性発現に(考えられる利用分野としては、in vitroで細胞にトランスフェクトされるか又はin vivoで直接投与されるRNAベースのワクチンがある)、例えば細胞において分化プロセスを開始するため又はタンパク質の機能を研究するために、in vitroでの機能性組換えタンパク質の一過性発現に、及びin vivoでの機能性組換えタンパク質(エリスロポエチン、ホルモン、凝固阻害剤等)の一過性発現に、特に医薬品として用いることができる。
【0070】
本発明のRNAは、特に抗原提示細胞をトランスフェクトするために、したがって提示される抗原を送達するためのツールとして、また、抗原提示細胞にロードするために使用することができ、前記提示される抗原は、前記RNAから発現されるペプチド又はタンパク質に対応するか又はそれに由来し、特に切断などの細胞内プロセシングを経ており、すなわち提示される抗原は、例えばRNAから発現されるペプチド又はタンパク質の断片である。このような抗原提示細胞は、T細胞、特にCD4及び/又はCD8T細胞を刺激するために使用することができる。
【0071】
したがって、さらなる態様において、本発明は、宿主細胞をトランスフェクトするための本発明のRNAの使用に関する。一実施態様において、宿主細胞は、抗原提示細胞、特に樹状細胞、単球又はマクロファージである。
【0072】
さらなる態様において、本発明は、治療、特にワクチンのための本発明のRNAの使用に関する。
【0073】
さらなる態様において、本発明は、本発明のRNAを含むワクチン組成物などの医薬組成物に関する。
【0074】
さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載の用途のための本発明のRNAに関する。
【発明を実施するための形態】
【0075】
本発明は、下記に詳細に記載されているが、本明細書に記載されている特定の方法論、プロトコール、及び試薬に限定されるものではなく、変更可能であることを理解されたい。また、本明細書で用いる用語は、特定の実施態様のみを説明するためのものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定する意図はないことを理解されたい。特に定義しない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。
【0076】
以下、本発明の要素について説明する。これらの要素は特定の実施態様と共に列挙されているが、追加の実施態様を作るために任意の方法で任意の数で組み合わせることができるものとする。さまざまに記載された実施例及び好ましい実施態様は、明示的に記載された実施態様のみに本発明を限定するためのものではないと解釈されるものとする。この説明は、明示的に記載された実施態様をいかなる数の開示された及び/又は好ましい要素と組み合わせる実施態様もサポートし包含すると理解されるものとする。さらに、本出願に記述された全要素のいかなる並並べ替え及び組み合わせも、文脈上別段の指定がない限り、本出願の本明細書によって開示されるものとみなされる。例えば、好ましい実施態様であれば、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列は、前記ポリアデニル配列中の少なくとも20個のA残基の後にあり、別の好ましい実施態様であれば、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列の後に、前記ポリアデニル配列中の少なくとも20個のA残基が続き、好ましい実施態様とみなされるのは、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列の前後に前記ポリアデニル配列中の少なくとも20個のA残基があるものである。
【0077】
好ましくは、本明細書で使用される用語は、「A multilingual glossary of biotechnological terms:(IUPAC推薦))」、H.G.W. Leuenberger, B. Nagel, and H. Kolbl, Eds., Helvetica Chimica Acta, CH-4010 Basel, Switzerland, (1995)に記載されている。
【0078】
本発明の実施は、別途指示がない限り、当該分野の文献で説明されている化学、生化学、細胞生物学、免疫学、及び組換えDNA技術の従来の方法を用いる(例えばMolecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, J. Sambrookら編, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor 1989を参照)。
【0079】
本明細書及びそれに続く特許請求の範囲を通じて、文脈上他に要求されない限り、「含む(comprise)」という単語並びに「comprises」及び「comprising」などの変化形は、記載されている要素、完全体若しくは工程又は要素、完全体若しくは工程の群の包含を意味するが、他の任意の要素、完全体若しくは工程又は要素、完全体若しくは工程の群も除外しない。本発明を説明する文脈で(特に特許請求の範囲の文脈で)使用される用語「a」及び「an」及び「the」及び類似の言及は、本明細書に別途指示がない限り又は文脈上明らかに矛盾がない限り、単数と複数の両方を包含するものと解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、その範囲に入る各個々の値に個別に言及する略式の方法とすることを単に意図するものである。本明細書に別途指示がない限り、各個々の値は、本明細書にあたかも個別に列挙されているかのように、本明細書に援用される。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書に別途指示がない限り又は文脈上明らかに矛盾がない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書で提供される一切の例又は例示的な言葉(例えば「など」)の使用は、単に本発明をよりよく説明するためのものであり、別段に請求される本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言葉も、本発明の実施に不可欠な任意の請求されていない要素を示すものとして解釈されないものとする。
【0080】
本明細書の本文を通じて、複数の文献が引用されている。本明細書に引用された各文献(特許、特許出願、科学出版物、メーカー仕様書、使用説明書等、すべてを含む)は、上記下記を問わず、参照によりその全体が本明細書に援用される。本明細書中のいかなるものも、本発明が先行発明によって、かかる開示に先行する資格がないと認めるものとして解釈されるべきではない。
【0081】
本発明は、修飾された3’非翻訳領域(UTR)をコードする核酸配列をRNA中に含む、RNA発現ベクターとして有用なDNAプラスミドなどの核酸分子がRNAに安定化効果を及ぼし、かつ/又はRNAの翻訳効率を高めることを記述する。
【0082】
用語「転写物中の3’非翻訳領域を、転写される際にコードする核酸配列」は、前記3’非翻訳領域をコードする鋳型鎖を含有する核酸配列に関する。好ましくは、前記核酸配列は、生成されたRNA転写物の前記3’非翻訳領域と同じ核酸配列を含むコード鎖を含む(但しチミンはウラシルに置き換えられている)。したがって、本発明によれば、「転写物中の3’非翻訳領域を、転写される際にコードする核酸配列」は、一実施態様では、本明細書中で特定されるような3’非翻訳領域を含むコード鎖を含む(但しチミンはウラシルに置き換えられている)。
【0083】
「FCGRT」という用語は、IgGのFc断片、受容体、輸送体、アルファ (Fc fragment of IgG, receptor, transporter, alpha)を指し、FCGRT遺伝子を含む。この遺伝子は、単量体免疫グロブリンGのFc領域に結合する受容体をコードする。コードされたタンパク質は、胎盤を介して母親から胎児へ免疫グロブリンG抗体を移入する。このタンパク質はまた、抗体を分解から保護するために免疫グロブリンGに結合する。
【0084】
「FCGRTの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片」という用語は、配列表の配列番号1から50からなる群より選択される核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を指す。一実施態様では、この用語は、配列番号1から50からなる群より選択される核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。特に好ましい実施態様では、この用語は、配列番号27の核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列に、又は配列番号27の核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。
【0085】
「LSP1」という用語は、リンパ球特異的タンパク質1(Lymphocyte-Specific Protein 1)を指し、LSP1遺伝子を含む。この遺伝子は、細胞内のF-アクチン結合タンパク質をコードする。このタンパク質は、リンパ球、好中球、マクロファージ、及び内皮において発現され、好中球の運動性、フィブリノゲンマトリックスタンパク質への接着及び経内皮遊走を調節し得る。
【0086】
「LSP1の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片」という用語は、配列表の配列番号51から72からなる群より選択される核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を指す。一実施態様では、この用語は、配列番号51から72からなる群より選択される核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。特に好ましい実施態様では、この用語は、配列番号52の核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列に、又は配列番号52の核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。
【0087】
「CCL22」という用語は、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド22(Chemokine (C-C Motif) Ligand 22)を指し、CCL22遺伝子を含む。この遺伝子の産物は、ケモカイン受容体CCR4に結合する。このケモカインは、活性化Tリンパ球の炎症部位への輸送及び活性化Tリンパ球生理学の他の態様において役割を果たし得る。
【0088】
「CCL22の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片」という用語は、配列表の配列番号73から85からなる群より選択される核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を指す。一実施態様では、この用語は、配列番号73から85からなる群より選択される核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。特に好ましい実施態様では、この用語は、配列番号79の核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列に、又は配列番号79の核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。
【0089】
「AES」という用語は、スプリット遺伝子のアミノ末端エンハンサー(Amino-Terminal Enhancer Of Split)を指し、AES遺伝子を含む。この遺伝子によってコードされるタンパク質は、groucho/TLEファミリーのタンパク質に属し、ホモオリゴマーとして、又は他のファミリーメンバーとのヘテロオリゴマーとして機能して、他のファミリーメンバー遺伝子の発現を圧倒的に抑制することができる。
【0090】
「AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片」という用語は、配列表の配列番号86から89より選択される核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸若しくはその断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を指す。一実施態様では、この用語は、配列番号86から89からなる群より選択される核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。特に好ましい実施態様では、この用語は、配列番号86の核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列に、又は配列番号86の核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。特に好ましい実施態様では、この用語は、配列番号86の1から68位、1から102位、35から102位、35から136位又は68から136位の核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列に、又は配列番号86の1から68位、1から102位、35から102位、35から136位又は68から136位の核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。
【0091】
「PLD3」という用語は、ホスホリパーゼDファミリー、メンバー3(Phospholipase D Family, Member 3)を指し、PLD3遺伝子を含む。この遺伝子は、膜リン脂質の加水分解を触媒する酵素のホスホリパーゼD(PLD)ファミリーのメンバーをコードする。コードされたタンパク質は、1回通過II型膜タンパク質であり、2つのPLDホスホジエステラーゼドメインを含有する。このタンパク質は、アミロイドベータ前駆体タンパク質のプロセシングに影響を及ぼす。この遺伝子の突然変異は、アルツハイマー病のリスクと関連している。
【0092】
「PLD3の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片」という用語は、配列表の配列番号90から104からなる群より選択される核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を指す。一実施態様では、この用語は、配列番号90から104からなる群より選択される核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。特に好ましい実施態様では、この用語は、配列番号96の核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列に、又は配列番号96の核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。
【0093】
「MT_RNR1」という用語は、ミトコンドリアコード化12S RNA(Mitochondrially Encoded 12S RNA)を指し、MT_RNR1遺伝子を含む。このRNA遺伝子は、Mt_rRNAクラスに属する。MT-RNR1に関連する疾患には、拘束性心筋症及び聴覚神経障害が含まれる。その関連経路には、真核生物におけるリボソーム生合成及びCFTR翻訳忠実性(クラスI変異)がある。
【0094】
「MT_RNR1の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片」という用語は、配列表の配列番号105から121からなる群より選択される核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を指す。一実施態様では、この用語は、配列番号105から121からなる群より選択される核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。特に好ましい実施態様では、この用語は、配列番号115の核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列に、又は配列番号115の核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。特に好ましい実施態様では、この用語は、配列番号115の1から71位、1から107位、37から107位、37から142位又は71から142位の核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列に、又は配列番号115の1から71位、1から107位、37から107位、37から142位又は71から142位の核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。
【0095】
「HLA-DRB4」という用語は、主要組織適合複合体クラスII、DRベータ4(Major Histocompatibility Complex, Class II, DR Beta 4)を指し、HLA-DRB4遺伝子を含む。HLA-DRB4は、HLAクラスIIベータ鎖パラログに属する。このクラスII分子は、アルファ(DRA)鎖とベータ(DRB)鎖とからなるヘテロダイマーであり、双方とも膜中に固定されている。これは、細胞外タンパク質由来のペプチドを提示することによって、免疫系において中心的な役割を果たす。クラスII分子は、抗原提示細胞(APC:Bリンパ球、樹状細胞、マクロファージ)において発現される。
【0096】
「HLA-DRB4の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片」という用語は、配列表の配列番号122から143からなる群より選択される核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を指す。一実施態様では、この用語は、配列番号122から143からなる群より選択される核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。特に好ましい実施態様では、この用語は、配列番号126の核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列に、又は配列番号126の核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。
【0097】
特定の遺伝子の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片、又は前記核酸配列の変異体若しくは断片に関して「2つ以上の核酸配列、断片及び/又は変異体の任意の組み合わせ」という用語は、2つ以上、3つ以上又は4つ以上、好ましくは6つまで又は5つまでの前記核酸配列、断片及び/又は変異体が、任意選択的にリンカーによって間隔を置いてヘッドトゥーテールで並んでいることを意味する。一実施態様において、2つ以上の核酸配列、断片、及び/又は変異体の組み合わせは、2つ以上の異なる及び/又は2つ以上の同じ核酸配列、断片、及び/又は変異体を含む。一実施態様において、2つ以上の核酸配列、断片、及び/又は変異体の組み合わせは、同じ及び/又は異なる遺伝子の3’非翻訳領域の2つ以上の異なる核酸配列、断片、及び/又は変異体を含む。
【0098】
一実施態様では、この用語は、配列番号144から220、好ましくは174及び208から220からなる群より選択される核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。一実施態様において、この用語は、配列番号144から220、好ましくは配列番号174及び208から220からなる群より選択される核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列若しくはその断片、又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を指す。特に好ましい実施態様では、この用語は、配列番号174の核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列に、又は配列番号174の核酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%同一である核酸配列を含む、好ましくはそれからなる核酸配列を指す。
【0099】
本発明によれば「リンカー」という用語は、2つの核酸配列の間に加えられ、前記2つの核酸配列を連結する核酸配列を指す。リンカー配列に関して特に限定はない。
【0100】
本発明によれば、核酸分子又は核酸配列は、好ましくはデオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)である核酸を指す。本発明によれば、核酸は、ゲノムDNA、cDNA、mRNA、組換えで調製されたもの、化学合成分子を含む。本発明によれば、核酸は、一本鎖又は二本鎖及び線状又は共有結合閉環状分子の形態であってもよい。
【0101】
本発明の文脈では、用語「RNA」は、リボヌクレオチド残基を含み、好ましくはリボヌクレオチド残基で完全に又は実質的に構成される分子を指す。「リボヌクレオチド」という用語は、β-D-リボフラノシル基の2’位にヒドロキシル基を有するヌクレオチドを指す。「RNA」という用語は、二本鎖RNA、一本鎖RNA、単離RNA(例えば部分又は完全精製RNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、及び組換え産生RNA、例えば1個以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換及び/又は改変による、天然RNAとは異なる修飾RNA)を含む。このような改変は、RNAの末端への、又は内部的な、例えばRNAの1個以上のヌクレオチドにおける非ヌクレオチド物質の付加を含み得る。RNA分子中のヌクレオチドはまた、非天然ヌクレオチド又は化学合成ヌクレオチド若しくはデオキシヌクレオチドなどの非標準ヌクレオチドを含み得る。これらの改変RNAは、アナログ、特に天然RNAのアナログと呼ぶことができる。本発明によれば、RNAは、mRNAを含む。
【0102】
用語「mRNA」は、「メッセンジャーRNA」を意味し、DNA鋳型を用いて生成される、ペプチド又はタンパク質をコードする転写物を指す。典型的には、mRNAは、5’-UTR、タンパク質コード領域、3’-UTR、及びポリ(A)配列を含む。mRNAは、DNA鋳型からのin vitro転写によって生成され得る。in vitro転写法は、当業者に既知である。例えば、さまざまなin vitro転写キットが市販されている。本発明によれば、mRNAは、本発明による修飾に加えて、さらに安定化修飾及びキャッピングによって修飾され得る。
【0103】
本発明の一実施態様において、RNAは、自己複製RNA、例えば一本鎖自己複製RNAである。一実施態様において、自己複製RNAは、ポジティブセンスの一本鎖RNAである。一実施態様において、自己複製RNAは、ウイルスRNA又はウイルスRNAに由来するRNAである。一実施態様において、自己複製RNAは、アルファウイルスゲノムRNA又はアルファウイルスゲノムRNAに由来する。一実施態様において、自己複製RNAは、ウイルス遺伝子発現ベクターである。一実施態様において、ウイルスは、セムリキ森林ウイルスである。一実施態様において、自己複製RNAは、1以上の導入遺伝子を含有する。一実施態様において、RNAがウイルスRNAであるか又はウイルスRNAに由来する場合、導入遺伝子は、構造タンパク質をコードするウイルス配列などのウイルス配列を部分的又は完全に置換し得る。一実施態様において、自己複製RNAは、in vitroで転写されたRNAである。
【0104】
用語「5’キャップ」は、mRNA分子の5’末端に見出されるキャップ構造を指し、一般に、異常な5’から5’トリホスフェート連結(5’ to 5’ triphosphate linkage)を介してmRNAに連結されたグアノシンヌクレオチドからなる。一実施態様において、このグアノシンは、7位でメチル化される。「従来の5’キャップ」という用語は、天然RNA 5’キャップ、好ましくは7-メチルグアノシンキャップ(mG)を指す。本発明の文脈において、用語「5’キャップ」は、RNAキャップ構造に似ており、好ましくはin vivo及び/又は細胞内で、RNAが付着している場合にRNAを安定させる能力を有するように修飾された5’ キャップアナログを含む。5’キャップ又は5’キャップアナログを有するRNAを提供することは、前記5’キャップ又は5’キャップアナログの存在下でのDNA鋳型のin vitro転写によって達成することができ、前記5’キャップは生成されたRNA鎖に共転写的に組み込まれているか、又はRNAは例えばin vitro転写により生成され得、5’キャップはキャッピング酵素、例えばワクシニアウイルスのキャッピング酵素を用いて転写後に生成され得る。
【0105】
本発明の用語「核酸」は、ヌクレオチド塩基上、糖上又はリン酸塩上の核酸、並びに非天然ヌクレオチド及びヌクレオチドアナログを含有する核酸の化学的誘導体化も含む。
【0106】
「断片」又は「核酸配列の断片」は、核酸配列の一部、すなわち5’-及び/又は3’末端において短縮された核酸配列を表す配列を指す。好ましくは、RNA分子中の前記核酸配列を置換する場合の断片は、RNA安定性及び/又は翻訳効率を保持する。好ましくは、核酸配列の断片は、前記核酸配列からのヌクレオチド残基の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、95%、96%、97%、98%又は99%を含む。
【0107】
本発明による、例えば核酸及びアミノ酸配列に関する「変異体」という用語は、任意の変異体、特に突然変異体、スプライス変異体、コンフォメーション、アイソフォーム、対立遺伝子変異体、種変異体及び種ホモログ、特にこれらの天然に存在するものを含む。対立遺伝子変異体は、遺伝子の正常な配列の変化を指し、その重要性は多くの場合不明である。完全な遺伝子配列決定は通常、所与の遺伝子について複数の対立遺伝子変異体を同定する。種ホモログは、所定の核酸又はアミノ酸配列のものとは異なる起源の種(species of origin)を有する核酸又はアミノ酸配列である。
【0108】
本発明によれば、核酸変異体は、参照核酸と比較して、単一又は複数のヌクレオチド欠失、付加、突然変異及び/又は挿入を含む。欠失には、1個以上のヌクレオチドの参照核酸からの除去が含まれる。付加変異体は、1、2、3、5、10、20、30、50個又はそれ以上のヌクレオチドなど、1個以上のヌクレオチドの5’及び/又は3’末端融合体を含む。突然変異は、配列中の少なくとも1個のヌクレオチドが除去され、別のヌクレオチドがその場所(例えばトランスバーション及びトランジション)、無塩基部位、架橋部位、及び化学的に改変又は修飾された塩基に挿入される置換を含み得るが、これらに限定されない。挿入には、参照核酸への少なくとも1個のヌクレオチドの付加が含まれる。
【0109】
核酸分子に関して、用語「変異体」は、縮重核酸配列を含み、本発明による縮重核酸は、遺伝コードの縮重が原因でコドン配列が参照核酸と異なる核酸である。
【0110】
好ましくは、所定の核酸配列と前記所定の核酸配列の変異体である核酸配列との間の同一性の程度は、少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらにいっそう好ましくは少なくとも90%又は最も好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%若しくは99%であろう。同一性の程度は、好ましくは、少なくとも約30個、少なくとも約50個、少なくとも約70個、少なくとも約90個、少なくとも約100個、少なくとも約150個、少なくとも約200個、少なくとも約250個、少なくとも約300個、又は少なくとも約400個のヌクレオチドの領域について与えられる。好ましい実施態様において、同一性の程度は、参照核酸配列の全長について与えられる。
【0111】
「配列類似性」は、同一であるか又は保存的アミノ酸置換を示すアミノ酸のパーセンテージを示す。2つのポリペプチド配列又は核酸配列間の「配列同一性」は、配列間で同一であるアミノ酸又はヌクレオチドのパーセンテージを示す。
【0112】
用語「%同一」は、特に、比較される2つの配列間の最適なアラインメントが同一であるヌクレオチドのパーセンテージを指し、前記パーセンテージは純粋に統計的であり、2つの配列間の差は無作為に配列の全長にわたって分布し、比較される配列は、2つの配列間の最適なアラインメントを得るために、参照配列と比較して付加又は欠失を含むことができる。2つの配列の比較は通常、対応する配列の局所領域を同定するために、最適なアラインメントの後にセグメント又は「比較ウインドウ」について前記配列を比較することによって実施される。比較のための最適なアライメントは、手動で、又はSmith and Waterman, 1981, Ads App. Math. 2, 482による局所相同性アルゴリズムを用いて、Neddleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48, 443による局所相同性アルゴリズムを用いて、及びPearson and Lipman, 1988, Proc. Natl Acad. Sci. USA 85, 2444による類似性探索アルゴリズムを用いて、又は前記アルゴリズムを使ったコンピュータープログラム(575 Science Drive, Madison, WisのGenetics Computer GroupのWisconsin Genetics Software PackageにあるGAP, BESTFIT, FASTA, BLAST P, BLAST N 及びTFASTA)を用いて行うことができる。
【0113】
同一性パーセンテージは、比較される配列が対応する同一位置の数を決定し、この数を比較される位置の数で割って、この結果に100を掛けることによって得られる。
【0114】
例えば、ウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/bl2seq/wblast2.cgiで入手可能なBLASTプログラム「BLAST 2配列」を使用することができる。
【0115】
核酸は、2つの配列が互いに相補的である場合、別の核酸に「ハイブリダイズすることができる」、又は「ハイブリダイズする」。2つの配列が互いに安定な二本鎖を形成することができる場合、核酸はもう一方の核酸に「相補的」である。本発明によれば、ハイブリダイゼーションは、ポリヌクレオチド間の特異的ハイブリダイゼーションを可能にする条件(ストリンジェントな条件)下で、好ましくは実施される。ストリンジェントな条件は、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, J. Sambrookら編, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory press, Cold Spring Harbor, New York, 1989又はCurrent Protocols in Molecular Biology, F.M. Ausubelら編, John Wiley & Sons, Inc., New Yorkに記載されており、例えばハイブリダイゼーション緩衝液(3.5xSSC、0.02%フィコール、0.02%ポリビニルピロリドン、0.02%ウシ血清アルブミン、2.5mM NaH2PO4(pH7)、0.5%SDS、2mM EDTA)中で65℃でのハイブリダイゼーションを指す。SSCは、0.15M 塩化ナトリウム/0.15M クエン酸ナトリウム、pH7である。ハイブリダイゼーション後、DNAが転写された膜を、例えば室温で2×SSC中で、その後68℃までの温度で0.1~0.5×SSC/0.1×SDS中で洗浄する。
【0116】
相補性パーセントは、第2の核酸配列と水素結合を形成することができる(例えばワトソン-クリック塩基対形成)、核酸分子中の連続残基のパーセンテージを示す(例えば10個のうち5、6、7、8、9、10個は、50%、60%、70%、80%、90%及び100%相補的である)。「完全に相補的」は、核酸配列のすべての隣接残基が、第2の核酸配列の同数の連続残基と水素結合することを意味する。好ましくは、本発明の相補性の程度は、少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらにいっそう好ましくは少なくとも90%又は最も好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%若しくは99%である。最も好ましくは、本発明の相補性の程度は、100%である。
【0117】
用語「誘導体」は、ヌクレオチド塩基上、糖上又はリン酸上の核酸の任意の化学的誘導体化を含む。用語「誘導体」はまた、非天然ヌクレオチドとヌクレオチドアナログとを含有する核酸を含む。好ましくは、核酸の誘導体化は、その安定性を高める。
【0118】
特定の核酸配列又は特定の核酸配列に対して特定の同一性を有する核酸配列の断片又は変異体は、好ましくは前記特定配列の少なくとも1の機能特性を有し、好ましくは前記特定配列と機能的に同等である(例えば特定の核酸配列のものと同一又は類似の特性を示す核酸配列)。
【0119】
1つの重要な特性は、RNA分子の安定性及び/又は翻訳効率を保持又は改善することであり、特に、ペプチド又はタンパク質をコードするRNA(転写可能な核酸配列)又は核酸に転写され得る核酸への機能的連結、この核酸から産生されたRNAの、及び完全RNA分子中のペプチド又はタンパク質をコードする核酸配列の安定性及び/又は翻訳効率を高める能力を含む。
【0120】
一実施態様において、特定の核酸配列が別の核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性を高めるほどに活性である場合、特定の核酸配列又は特定の核酸配列に対して特定の同一性を有する核酸配列の断片又は変異体もまた、別の核酸配列(それが特定の核酸配列を置換する場合)の翻訳効率及び/又は安定性を高めるほどに活性である。特定の核酸配列又は特定の核酸配列に対して特定の同一性を有する核酸配列の断片又は変異体は、特定の核酸配列と同じくらい活性であるか若しくはそれよりも活性であり得、又は特定の核酸配列の、若しくは特定の核酸配列に対して特定の同一性を有する核酸の断片若しくは変異体の活性は、特定の核酸配列の活性の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%若しくは少なくとも90%であり得る。
【0121】
本発明によれば、「機能的連結」又は「機能的に連結された(されている)」は、機能的関係の範囲内での結合を指す。核酸が別の核酸配列と機能的に関連している場合、その核酸は、「機能的に連結」されている。例えば、プロモーターは、コード配列の転写に影響を及ぼす場合、前記コード配列に機能的に連結されている。機能的に連結された核酸は、典型的には、互いに隣接し、必要な場合にはさらなる核酸配列によって分離され、特定の実施態様では、RNAポリメラーゼによって転写されて単一のRNA分子(共通転写物)を生じる。好ましくは、特定の配列に対する変異体である配列は、それがRNA分子中の特定の配列を置換する際、RNA安定性及び/又は翻訳効率を保持する。
【0122】
本発明によれば、「核酸配列に由来する核酸配列」は、それが由来する核酸の変異体である核酸を指す。
【0123】
「核酸の3’末端」は、本発明によれば、遊離ヒドロキシ基を有する末端を指す。二本鎖核酸、特にDNAの図表示において、3’末端は常に右側にある。「核酸の5’末端」は、本発明によれば、遊離リン酸基を有する末端を指す。二本鎖核酸、特にDNAの図表示において、5’末端は常に左側にある。
【0124】
【0125】
特定の実施態様では、核酸は、本発明によれば核酸に対して相同であっても異種であってもよい発現制御配列に機能的に連結されている。
【0126】
転写可能な核酸配列(特にペプチド又はタンパク質をコードする核酸配列)及び発現制御配列は、それらが、転写可能配列、特にコード核酸配列の転写又は発現が発現制御配列の制御下又は影響下にあるように相互に共有結合している場合、相互に「機能的に」連結されている。核酸配列が機能性ペプチド又はタンパク質に翻訳される場合、コード配列に機能的に連結された発現制御配列の導入は、前記コード配列の転写を、コード配列又は所望のペプチド若しくはタンパク質に翻訳することができないコード配列のフレームシフトを引き起こすことなく、もたらす。
【0127】
用語「発現制御配列」は、本発明によれば、遺伝子の転写又はそれに由来するRNAの翻訳を制御するプロモーター、リボソーム結合配列、及び他の制御要素を含む。本発明の特定の実施態様では、発現制御配列を調節することができる。発現制御配列の正確な構造は、種又は細胞タイプに依存して変化し得るが、通常は、TATAボックス、キャッピング配列、CAAT配列等の転写及び翻訳の開始にそれぞれ関与する5’非転写、並びに5’-及び3’非翻訳配列を含む。さらに具体的には、5’非転写発現制御配列は、機能的に連結された遺伝子の転写制御のためのプロモーター配列を包含するプロモーター領域を含む。発現制御配列はまた、エンハンサー配列又は上流アクチベーターを含み得る。
【0128】
本明細書に記載されている核酸配列、特に転写可能配列及びコード核酸配列は、任意の発現制御配列、特に前記核酸配列と相同又は異種であり得るプロモーターと組み合わされてもよく、用語「相同」は、核酸配列が天然では発現制御配列に機能的にも連結されているという事実を指し、「異種」という用語は、核酸配列が天然では発現制御配列に機能的に連結されていないという事実を意味する。
【0129】
「プロモーター」又は「プロモーター領域」という用語は、遺伝子のコード配列の上流(5’)のDNA配列を指し、RNAポリメラーゼの認識及び結合部位を提供することによって、前記コード配列の発現を制御する。プロモーター領域は、前記遺伝子の転写調節に関与するさらなる因子のさらなる認識又は結合部位を含み得る。プロモーターは、原核生物又は真核生物遺伝子の転写を制御することができる。プロモーターは、「誘導性」であり得、誘導物質に応答して転写を開始するか、又は誘導物質によって転写が制御されない場合には「構成的」であり得る。誘導物質が存在しない場合、誘導性プロモーターは、ごくわずかな程度にしか発現しないか、全く発現しない。誘導物質の存在下で、遺伝子は、「スイッチ・オン」されるか、又は転写レベルが上昇する。これは通常、特定の転写因子の結合によって媒介される。
【0130】
本発明による好ましいプロモーターの例は、SP6、T3又はT7ポリメラーゼのプロモーターである。
【0131】
本発明によれば、「発現」という用語は、最も一般的な意味で使用され、RNAの産生又はRNA及びタンパク質の産生を含む。それは、核酸の部分発現も含む。さらに、発現は、一過性であっても安定であってもよい。RNAに関して、「発現」又は「翻訳」という用語は、メッセンジャーRNAの鎖がアミノ酸の配列の組み立てを指示してペプチド又はタンパク質を作製する、細胞のリボソームにおけるプロセスを指す。
【0132】
「転写されて、共通転写物を生じることができる核酸配列」という用語は、前記核酸配列が、必要な場合には前記核酸配列を含む核酸分子、特に閉環状核酸分子の制限酵素の切断などの線状化後に、プロモーターの制御下での転写が、必要な場合には間に位置する配列によって分離されている、互いに共有結合された前記核酸配列の転写物を含むRNA分子をもたらすように、互いに機能的に連結されていることを意味する。
【0133】
本発明の文脈において、「転写」という用語は、DNA配列中の遺伝子コードがRNAに転写されるプロセスを指す。続いて、RNAは、タンパク質に翻訳され得る。本発明によれば、「転写」という用語は、「in vitro転写」を含み、「in vitro転写」という用語はRNA、特にmRNAが無細胞系でin vitroで合成されるプロセスを指す。好ましくは、転写物の生成のためにクローニングベクターが適用される。このようなクローニングベクターは一般に、転写ベクターと呼ばれ、本発明によれば「ベクター」という用語に包含される。本発明によれば、RNAは好ましくは、in vitroで転写されたRNA(IVT-RNA)であり、適切なDNA鋳型のin vitro転写によって得ることができる。転写を制御するためのプロモーターは、任意のRNAポリメラーゼのための任意のプロモーターとすることができる。in vitro転写のためのDNA鋳型は、核酸、特にcDNAのクローニングと、それをin vitro転写のための適切なベクターへ導入することによって得ることができる。cDNAは、RNAの逆転写によって得ることができる。
【0134】
「核酸配列から転写された核酸配列」という用語は、必要な場合には、前者の核酸配列の転写産物である完全RNA分子の一部としてのRNAを指す。
【0135】
「核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性を高めるために活性である核酸配列」という用語は、第1の核酸配列が、第2の核酸配列との共通転写物中、前記第2の核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性が前記第1の核酸配列なしでの前記第2の核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性と比較して高められるように、前記翻訳効率及び/又は安定性を修飾することができることを意味する。これに関連して、「翻訳効率」という用語は、特定の期間内にRNA分子によって提供される翻訳産物の量を指し、「安定性」という用語は、RNA分子の半減期を指す。
【0136】
本発明の発現核酸分子を、RNAの3’末端で、好ましくはペプチド又はタンパク質をコードする配列(オープンリーディングフレーム)とポリ(A)配列との間に、本明細書に記載の3’非翻訳領域を有するRNAの転写を可能にするように発現ベクターとして使用する場合に遺伝子修飾することによって、RNAの修飾、並びにそれにより安定化及び/又は翻訳効率の向上が本発明に従って達成され得る。
【0137】
「3’非翻訳領域」という用語は、タンパク質コード領域の終止コドンの下流の、遺伝子の3’末端に位置し、転写されるがアミノ酸配列に翻訳されない領域、又はRNA分子中の対応する領域を指す。
【0138】
本発明によれば、第1のポリヌクレオチド領域の5’末端が前記第2のポリヌクレオチド領域の3’末端に最も近い前記第1のポリヌクレオチド領域の一部である場合、第1のポリヌクレオチド領域は、第2のポリヌクレオチド領域の下流に位置すると考えられる。
【0139】
3’非翻訳領域は典型的には、翻訳産物の終止コドンから、転写プロセス後に通例付加されるポリ(A)配列に及ぶ。哺乳動物mRNAの3’非翻訳領域は典型的には、AAUAAAヘキサヌクレオチド配列として知られる相同領域を有する。この配列は、おそらくポリ(A)付加シグナルであり、ポリ(A)付加部位の10から30塩基上流に位置することが多い。
【0140】
3’非翻訳領域は、エキソリボヌクレアーゼに対するバリアとして働くか又はRNAの安定性を高めることが知られているタンパク質(例えばRNA結合タンパク質)と相互作用するステム-ループ構造が生じるように折りたたむことができる1つ以上の逆方向反復を含み得る。
【0141】
5’及び/又は3’非翻訳領域は、本発明によれば、前記転写可能な核酸から転写されたRNAの安定性及び/又は翻訳効率が高められるように、転写可能な核酸、特にコード核酸と機能的に連結されて、これらの領域が核酸と結合される。
【0142】
免疫グロブリンmRNAの3’非翻訳領域は比較的短く(約300ヌクレオチド未満)、一方、他の遺伝子の3’非翻訳領域は比較的長い。例えば、PAの3’非翻訳領域は約800個のヌクレオチドの長さであり、第VIII因子のそれは約1800個のヌクレオチドの長さであり、エリスロポエチンのそれは約560個のヌクレオチドの長さである。
【0143】
本発明によれば、3’非翻訳領域又はそれに由来する核酸配列がRNAの安定性及び/又は翻訳効率を高めるか否かは、3’非翻訳領域又はそれに由来する核酸配列を遺伝子の3’非翻訳領域に組み込むこと、及び前記組み込みが合成されたタンパク質の量を増加させるかどうかを測定することにより、決定することができる。
【0144】
したがって本発明によれば、上記は、核酸が、好ましくは「ヘッドトゥーテールの関係」で、間にリンカーが有る無しに関わらず、好ましくは連続してつながっている2以上の3’非翻訳領域を含む場合に当てはまる(すなわち、3’非翻訳領域は、同じ配向、好ましくは核酸の天然配向を有する)。
【0145】
本発明によれば、「遺伝子」という用語は、1以上の細胞産物の生産及び/又は1以上の細胞間若しくは細胞内機能の獲得を担う特定の核酸配列を指す。より具体的には、前記用語は、特定のタンパク質又は機能的若しくは構造的RNA分子をコードする核酸を含むDNAセクションを指す。
【0146】
ポリアデニル化は、一次転写RNAにポリ(A)配列又はテールを付加することである。ポリ(A)配列は、複数のアデノシン一リン酸からなる。換言すれば、それは、アデニン塩基のみを有するRNAのストレッチである。真核生物では、ポリアデニル化は、翻訳のための成熟メッセンジャーRNA(mRNA)を産生するプロセスの一部である。したがって、それは、遺伝子発現のより大きなプロセスの一部を形成する。ポリアデニル化のプロセスは、遺伝子転写の終了又は終結時に始まる。新たに作製されたpre-mRNAの3’最末端部分は、最初にタンパク質のセットによって切断される。その後、これらのタンパク質は、RNAの3’末端でポリ(A)配列を合成する。ポリ(A)配列は、mRNAの核外輸送、翻訳及び安定性にとって重要である。この配列は経時的に短縮され、十分に短くなれば、mRNAは酵素的に分解される。
【0147】
「ポリアデニル配列」、「ポリ(A)配列」又は「ポリ(A)テール」という用語は、 RNA分子の3’末端に通例位置するアデニル残基の配列を指す。本発明は、コード鎖に相補的な鎖中の反復チミジル残基に基づいて、DNA鋳型を用いてRNA転写中に付着されるこのような配列を提供するが、前記配列は通常、DNAにコードされていないが、細胞核に転写された後に鋳型非依存性RNAポリメラーゼによりRNAの遊離3’末端に付着される。本発明によれば、一実施態様では、ポリ(A)配列は、少なくとも20個、好ましくは少なくとも40個、好ましくは少なくとも80個、好ましくは少なくとも100個、好ましくは500個まで、好ましくは400個まで、好ましくは300個まで、好ましくは200個まで、特に150個までのAヌクレオチド、好ましくは連続Aヌクレオチド、特に約120個のAヌクレオチドを有する。「Aヌクレオチド」又は「A」という用語は、アデニル残基を指す。
【0148】
好ましい実施態様において、本発明の核酸分子は、ベクターである。用語「ベクター」は、本明細書では最も一般的な意味で使用され、任意の核酸のための中間媒体、例えば前記核酸を原核細胞及び/又は真核生物の宿主細胞に導入し、適切な場合にはゲノムに組み込むことができるものを含む。このようなベクターは好ましくは、細胞内で複製及び/又は発現される。ベクターは、プラスミド、ファージミド又はウイルスゲノムを含む。本明細書で用いる用語「プラスミド」は一般に、染色体DNAとは無関係に複製することができる染色体外遺伝物質のコンストラクト、通常は環状DNA二重鎖を指す。
【0149】
本明細書に記載の核酸は、組換え及び/又は単離された分子であってもよい。
【0150】
本明細書で用いる「単離された分子」は、他の細胞物質などの他の分子を実質的に含まない分子を指すことが意図される。本発明によれば、用語「単離された核酸」は、核酸が(i)in vitroで、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増殖され、(ii)クローニングによって組換え産生され、(iii)例えば切断及びゲル電気泳動分画によって精製され、又は(iv)例えば化学合成によって合成されていることを意味する。単離された核酸は、組換えDNA技術による操作に利用可能な核酸である。
【0151】
本発明の文脈における「組換え」という用語は、「遺伝子工学によって作られた」ことを意味する。好ましくは、本発明の文脈における組換え細胞などの「組換え体」は、天然には存在しない。
【0152】
本明細書で使用される「天然(に存在する)」という用語は、物体が自然界に見出され得るという事実を指す。例えば、生物(ウイルスを含む)中に存在し、天然の供給源から単離することができ、実験室でヒトによって意図的に修飾されていないペプチド又は核酸は、天然に存在する。
【0153】
本発明によれば、用語「宿主細胞」は、外因性核酸で形質転換又はトランスフェクトされ得る任意の細胞を指す。用語「宿主細胞」は、本発明によれば、原核生物(例えば大腸菌)又は真核細胞(例えば酵母細胞及び昆虫細胞)を含む。ヒト、マウス、ハムスター、ブタ、ヤギ、霊長類由来の細胞などの哺乳動物細胞が特に好ましい。これらの細胞は、多様な組織型に由来し、初代細胞及び細胞系を含む。特定の例には、ケラチノサイト、末梢血白血球、骨髄幹細胞、及び胚性幹細胞が含まれる。他の実施態様において、宿主細胞は、抗原提示細胞、特に樹状細胞、単球又はマクロファージである。核酸は、宿主細胞中に単一又は複数のコピーで存在してもよく、一実施態様では宿主細胞中で発現される。
【0154】
大腸菌は、通常温血生物の下部腸管で見出される、グラム陰性で通性嫌気性の、大腸菌属の棒状細菌である。この細菌は、実験室環境で容易かつ安価に増殖することができ、60年以上にわたって徹底的に研究されている。大腸菌は、最も広く研究されている原核生物のモデル生物であり、かつ、バイオテクノロジ―及び微生物学の分野において重要な種であり、組換えDNAを用いた研究の大半で宿主生物として役立っている。本発明による大腸菌株には、AG1、AB1157、B2155、BL21、BNN93、BNN97、BW26434、C600、CSH50、D1210、DB3.1、DH1、DH5α、DH10B、DH12S、DM1、大腸菌(r)、大腸菌K12 ER2738、ER2566、ER2267、HB101、IJ1126、IJ1127、JM83、JM101、JM103、JM105、JM106、JM107、JM108、JM109、JM110、JM2.300、LE392、Mach1、MC1061、MC4100、MFDpir、MG1655、OmniMAX2、RR1、RV308、SOLR、SS320、STBL2、STBL3、STBL4、SURE、SURE2、TG1、TOP10、Top10F’、W3110、WM3064、XL1-Blue、XL2-Blue、XL1-Red、及びXL10-Goldが含まれる。
【0155】
本発明によれば、用語「ペプチド」は、オリゴペプチド及びポリペプチドを含み、ペプチド結合を介して相互に連結した2個以上、好ましくは3個以上、好ましくは4個以上、好ましくは6個以上、好ましくは8個以上、好ましくは10個以上、好ましくは13個以上、好ましくは16個以上、好ましくは20個以上、好ましくは50個まで、好ましくは100個まで又は好ましくは150個までの連続アミノ酸を含む物質を指す。「タンパク質」という用語は、大きなペプチド、好ましくは少なくとも151個のアミノ酸を有するペプチドを指すが、用語「ペプチド」及び「タンパク質」は、本明細書では通常同義語として使用される。
【0156】
用語「ペプチド」及び「タンパク質」は、本発明によれば、アミノ酸成分だけでなく、糖及びリン酸構造などの非アミノ酸成分も含有する物質を含み、かつ、エステル、チオエーテル又はジスルフィド結合などの結合を含む物質も含む。
【0157】
本発明によれば、RNAなどの核酸は、ペプチド又はタンパク質をコードすることができる。したがって、転写可能な核酸配列又はその転写物は、ペプチド又はタンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み得る。前記核酸は、コードされたペプチド又はタンパク質を発現し得る。例えば、前記核酸は、免疫学的に活性な化合物(好ましくは抗原ではない)などの抗原又は薬学的に活性なペプチド若しくはタンパク質をコードし発現する核酸であってもよい。
【0158】
本発明によれば、「ペプチド又はタンパク質をコードする核酸」という用語は、核酸が、適切な環境、好ましくは細胞内に存在する場合、翻訳プロセス中にアミノ酸の配列の組み立てを指示して、ペプチド又はタンパク質を産生することができることを意味する。好ましくは、本発明によるRNAは、ペプチド又はタンパク質の翻訳を可能にする細胞翻訳機構と相互作用することができる。
【0159】
本発明によれば、一実施態様において、RNAは、薬学的に活性なRNAを含むか又はそれからなる。「薬学的に活性なRNA」は、薬学的に活性なペプチド又はタンパク質をコードするRNAであり得る。
【0160】
「薬学的に活性なペプチド又はタンパク質」は、治療有効量で対象に投与された場合に、対象の状態又は病状にプラス又は有利な効果を及ぼす。好ましくは、薬学的に活性なペプチド又はタンパク質は、治癒的又は緩和的な特性を有し、疾患又は障害の1以上の症状の改善、除去、緩和、逆行、発症の遅延又はその重症度の軽減のために投与され得る。薬学的に活性なペプチド又はタンパク質は、予防的特性を有し得、疾患の発症を遅らせるか、又はそのような疾患又は病的状態の重症度を軽減するために使用され得る。用語「薬学的に活性なペプチド又はタンパク質」は、タンパク質又はポリペプチド全体を含み、その薬学的に活性な断片を指すこともできる。それはまた、ペプチド又はタンパク質の薬学的に活性なアナログも含み得る。用語「薬学的に活性なペプチド又はタンパク質」は、抗原であるペプチド及びタンパク質を含み、すなわちペプチド又はタンパク質は、対象において治療的であるか又は部分的若しくは完全に防御的であり得る免疫応答を誘発する。
【0161】
薬学的に活性なタンパク質の例には、限定されないが、サイトカイン及び免疫系タンパク質、例えば免疫学的活性化合物(例えばインターロイキン、コロニー刺激因子(CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、エリスロポエチン、腫瘍壊死因子(TNF)、インターフェロン、インテグリン、アドレシン、セレクチン(seletin)、ホーミング受容体、T細胞受容体、免疫グロブリン、可溶性主要組織適合性複合体抗原、免疫学的活性抗原(例えば細菌性、寄生性又はウイルス抗原、アレルゲン、自己抗原、抗体)、ホルモン(インスリン、甲状腺ホルモン、カテコールアミン、ゴナドトロピン、刺激ホルモン、プロラクチン、オキシトシン、ドーパミン、ウシソマトトロピン、レプチン等)、成長ホルモン(例えばヒト成長ホルモン)、成長因子(例えば上皮増殖因子、神経成長因子、インスリン様増殖因子等)、成長因子受容体、酵素(組織プラスミノーゲン活性化因子、ストレプトキナーゼ、コレステロール生合成又は分解酵素、ステロイド産生酵素、キナーゼ、ホスホジエステラーゼ、メチラーゼ、デメチラーゼ、脱水素酵素、セルラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、アロマターゼ、シトクロム、アデニル酸又はグアニル酸、シクラーゼ、ノイラミダーゼ(neuramidase)等)、受容体(ステロイドホルモン受容体、ペプチド受容体)、結合タンパク質(成長ホルモン又は成長因子結合タンパク質等)、転写及び翻訳因子、腫瘍成長抑制タンパク質(例えば血管新生を阻害するタンパク質)、構造タンパク質(例えばコラーゲン、フィブロイン、フィブリノーゲン、エラスチン、チューブリン、アクチン、及びミオシン)、血液タンパク質(トロンビン、血清アルブミン、第VII因子、第VIII因子、インスリン、第IX因子、第X因子、組織プラスミノーゲン活性化因子、プロテインC、フォンウィレブランド因子、アンチトロンビンIII、グルコセレブロシダーゼ、エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)又は修飾第VIII因子、抗凝結剤等が含まれる。
【0162】
一実施態様において、本発明の薬学的に活性なタンパク質は、リンパ球ホメオスタシスの調節に関与するサイトカイン、好ましくは、T細胞の発生、プライミング、増殖、分化及び/又は生存に関与し、好ましくはこれらを誘導又は増強するサイトカインである。一実施態様において、サイトカインは、インターロイキンである。一実施態様において、本発明の薬学的に活性なタンパク質は、IL-2、IL-7、IL-12、IL-15、及びIL-21からなる群より選択されるインターロイキンである。
【0163】
「免疫学的活性化合物」という用語は、好ましくは免疫細胞の成熟を誘導及び/若しくは抑制すること、サイトカイン生合成を誘導及び/若しくは抑制すること、並びに/又はB細胞による抗体産生を刺激することによって液性免疫を変化させることによる、免疫応答を変化させる化合物を指す。免疫学的活性化合物は、抗ウイルス活性および抗腫瘍活性を含むがこれらに限定されない強力な免疫刺激活性を有し、かつ、例えば免疫応答をTH2免疫応答から遠ざけるように免疫応答の他の局面を下方制御することもでき、広範囲のTH2介在性疾患の治療のために有用である。免疫学的活性化合物は、ワクチンアジュバントとして有用であり得る。
【0164】
本発明によると、本明細書に記載のRNAを使用することによって免疫応答を誘導又は増強することが望ましい場合、免疫応答は、RNAによって誘発又は増強され得る。例えば、RNA又はそのプロセシング産物(procession product)によってコードされるタンパク質又はペプチドは、 抗原提示細胞上で発現される主要組織適合複合体(MHC)タンパク質によって提示され得る。MHCペプチド複合体は、T細胞などの免疫細胞によって認識され、その活性化をもたらす。
【0165】
一実施態様において、疾患関連抗原などの抗原をコードするRNAは、特に抗原関連疾患を有する哺乳動物を治療することが望ましい場合、哺乳動物に投与される。RNAは、哺乳動物の抗原提示細胞(単球、マクロファージ、樹状細胞又は他の細胞)に取り込まれる。RNAの抗原の翻訳産物が形成され、T細胞による認識のために、産物が細胞表面に提示される。一実施態様において、抗原に向けられたCAR操作されたT細胞による認識のために、抗原が細胞表面に提示される。一実施態様において、T細胞受容体を介したT細胞による認識のために、MHC分子との関連で、抗原又は任意選択のそのプロセシング(procession)によって産生される産物が細胞表面上に提示される。
【0166】
あるいは、本発明は、抗原を発現するRNAが、エクスビボで抗原提示細胞、例えば患者から採った抗原提示細胞に導入される実施態様を想定しており、場合によって、クローン的に増殖されたエクスビボ抗原提示細胞が同じ患者に移植され戻される。トランスフェクションされた細胞は、当該技術分野で既知の任意の手段を用いて、好ましくは滅菌形態で静脈内、腔内、腹腔内又は腫瘍内投与により患者に再導入され得る。
【0167】
本発明の方法は、抗原をコードするRNAを発現させるための抗原提示細胞を伴い得る。このために、本発明の方法は、樹状細胞などの抗原提示細胞への抗原をコードするRNAの導入を伴い得る。樹状細胞などの抗原提示細胞のトランスフェクションのために、抗原をコードするRNAを含む薬学的組成物を使用することができる。RNAを樹状又は他の抗原提示細胞に標的化する送達媒体を患者に投与して、in vivoで起こるトランスフェクションをもたらすことができる。
【0168】
本発明によれば、全身投与後の脾臓において、樹状細胞(DC)などの抗原提示細胞に高い選択性でRNAを送達する、抗原をコードするRNAの製剤を使用することが好ましい。例えば、粒子の正味電荷がゼロに近い又は負である、規定の粒子サイズを有するナノ粒子RNA製剤(例えばDOTMA及びDOPE又はDOTMA及びコレステロールを含むリポプレックスといった、RNA及びリポソームからの電気的に中性又は負電荷のリポプレックスなど)は、全身投与後に脾臓DCにおいて実質的なRNA発現を導く。標的細胞(脾臓)における強い発現が決定されたが、他の器官における発現は低かった。
【0169】
本明細書で使用される場合、用語「ナノ粒子」は、典型的には1000ナノメートル(nm)未満の直径の、全身投与、特に非経口投与に適した直径を有する任意の粒子、特に核酸の粒子を指す。いくつかの実施態様において、ナノ粒子は、600nm未満の直径を有する。いくつかの実施態様において、ナノ粒子は、400nm未満の直径を有する。
【0170】
本明細書で使用される場合、用語「ナノ粒子製剤」又は類似の用語は、少なくとも1のナノ粒子を含有する任意の物質を指す。いくつかの実施態様において、ナノ粒子組成物は、ナノ粒子の均一な集合体である。いくつかの実施態様において、ナノ粒子組成物は、分散体又はエマルションである。一般に、少なくとも2種の非混和性材料を組み合わせると、分散体又はエマルションが形成される。
【0171】
用語「リポプレックス」又は「核酸リポプレックス」、特に「RNAリポプレックス」は、脂質と核酸との複合体、特にRNAを指す。リポプレックスは、しばしば中性の「ヘルパー」脂質も含むカチオン性リポソームが核酸と混合されると自然に形成される。
【0172】
本発明で、例えば正電荷、負電荷若しくは中性電荷又はカチオン性化合物、負電荷化合物若しくは中性化合物などのように電荷をいう場合、これは一般に、言及した電荷が、生理学的pHなどの選択されたpHで存在することを意味する。例えば、用語「カチオン性脂質」は、生理学的pHなどの選択されたpHで正味の正電荷を有する脂質を意味する。「中性脂質」という用語は、正味の正又は負の電荷を持たない脂質を意味し、生理学的pHなどの選択されたpHで非荷電又は中性の両性イオンの形態で存在し得る。本明細書において「生理学的pH」とは、約7.5のpHを意味する。
【0173】
例えば核酸が封入若しくはカプセル化された小胞を形成することによる、本発明における使用が企図されている脂質担体などのナノ粒子担体には、例えば核酸と複合体を形成するか、又はRNAなどの核酸が結合することができる任意の物質又は媒体が含まれる。これは、裸の核酸と比較して、核酸の安定性の向上をもたらし得る。特に、血液中の核酸の安定性を高めることができる。
【0174】
カチオン性脂質、カチオン性ポリマー、及び正電荷を有する他の物質は、負電荷の核酸と複合体を形成し得る。これらのカチオン性分子は、核酸を複合体化するのに使用することができ、したがって、例えば、それぞれいわゆるリポプレックス又はポリプレックスを形成し、これらの複合体は核酸を細胞に送達することが示されている。
【0175】
本発明における使用のためのナノ粒子状核酸調製物は、種々のプロトコールよって、種々の核酸複合体形成化合物から得ることができる。脂質、ポリマー、オリゴマー又は両親媒性物質(amphipile)が、典型的な複合体形成剤である。一実施態様において、複合体形成化合物は、プロタミン、ポリエチレンイミン、ポリ-L-リシン、ポリ-L-アルギニン又はヒストンからなる群から選択される少なくとも1種の薬剤を含む。
【0176】
本発明によれば、プロタミンはカチオン性キャリア剤として有用である。「プロタミン」という用語は、アルギニンが豊富であり、さまざまな動物(魚など)の精子細胞中の体細胞ヒストンに代わって、特にDNAと結合している比較的低分子量の、種々の強塩基性タンパク質のいずれかを指す。特に、「プロタミン」という用語は、強塩基性であり、水に可溶性であり、熱によって凝固せず、主に加水分解時にアルギニンを生じる魚精子に見られるタンパク質を指す。精製された形態では、インスリンの長時間作用型製剤に用いられ、ヘパリンの抗凝固作用を中和する。
【0177】
本発明によれば、本明細書中で使用される「プロタミン」という用語は、アミノ酸配列の断片及び前記アミノ酸配列又はその断片の多量体型を含む、天然又は生物源から得られたか又はそれに由来する任意のプロタミンアミノ酸配列を含むことを意味する。さらに、この用語は、人工的で、特定の目的のために特別に設計され、天然又は生物源から単離することができない(合成)ポリペプチドを包含する。
【0178】
本発明に従って使用されるプロタミンは、硫酸プロタミン(sulfated protamine)又は塩酸プロタミン(hydrochloride protamine)であり得る。好ましい実施態様では、本明細書に記載のナノ粒子の製造に使用されるプロタミン源は、等張塩溶液中に10mg/ml(5000ヘパリン中和単位/ml)を超えるプロタミンを含有するプロタミン5000である。
【0179】
リポソームは通常、リン脂質などの小胞形成脂質の二重層を1つ以上の有し、薬物をカプセル化することができる微視的な脂質小胞である。本発明においては、多層小胞(MLV)、小単層小胞(SUV)、大単層小胞(LUV)、立体的に安定化されたリポソーム(SSL)、多胞体小胞(MV)及び大型多胞体小胞(LMV)、並びに当該分野で既知の他の二重層形態を含むがこれらに限定されない、さまざまな種類のリポソームを用いることができる。リポソームのサイズ及び層状性は、調製方法に依存し、使用される小胞の種類の選択は、好ましい投与様式に依存する。単層からなるラメラ相、六方及び逆六方相、立方相、ミセル及び逆ミセルを含む、脂質が水性媒体中に存在し得る超分子組織のいくつかの他の形態がある。これらの相は、DNA又はRNAとの組み合わせでも得られ、RNA及びDNAとの相互作用は、相状態に実質的に影響を及ぼし得る。記載した相は、本発明のナノ粒子核酸製剤中に存在してもよい。
【0180】
核酸及びリポソームからの核酸リポプレックスの形成のために、想定される核酸リポプレックスを提供する限り、リポソームを形成する任意の適切な方法を使用することができる。リポソームは、逆相蒸発法(REV)、エタノール注入法、脱水-再水和法(DRV)、超音波処理又は他の適切な方法などの標準的な方法を用いて形成され得る。
【0181】
リポソーム形成後、実質的に均質なサイズ範囲を有するリポソームの集団を得るために、リポソームを大きさに従って分けることができる。
【0182】
二重層形成脂質は典型的には、2つの炭化水素鎖、特にアシル鎖、及び極性又は非極性の頭部基を有する。二重層形成脂質は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸(phosphatide acid)、ホスファチジルイノシトール及びスフィンゴミエリンなどの天然又は合成起源のリン脂質のいずれかから構成され、ここで2つの炭化水素鎖は、典型的には長さが約14~22個の炭素原子であり、かつ変動する不飽和度を有する。本発明の組成物における使用に適した他の脂質には、糖脂質及びコレステロールなどのステロール、並びにリポソームにも使用できるそのさまざまなアナログが含まれる。
【0183】
カチオン性脂質は典型的には、ステロール、アシル又はジアシル鎖などの親油性部分を有し、全体として正味の正電荷を有する。脂質の頭部基は典型的には、正電荷を帯びる。カチオン性脂質は、好ましくは1~価の正電荷、さらに好ましくは1~3価の正電荷、さらに一層好ましくは1価の正電荷を有する。カチオン性脂質の例には、限定されないが、1,2-ジ-O-オクタデセニル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTMA);ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDAB);1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DOTAP);1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアンモニウム-プロパン(DODAP);1,2-ジアシルオキシ-3-ジメチルアンモニウムプロパン;1,2-ジアルキルオキシ-3-ジメチルアンモニウムプロパン;ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、1,2-ジミリストイルオキシプロピルl-1,3-ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(DMRIE)、及び2,3-ジオレオイルオキシ-N-[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパナミウムトリフルオロアセテート(DOSPA)が含まれる。DOTMA、DOTAP、DODAC、及びDOSPAが好ましい。最も好ましいのは、DOTMAである。
【0184】
また、本明細書に記載のナノ粒子は、構造安定性などの観点から、中性脂質をさらに含むことが好ましい。中性脂質は、核酸-脂質複合体の送達効率の観点から適宜選択することができる。中性脂質の例には、限定されないが、1,2-ジ-(9Z-オクタデセノイルl)-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン(sphingoemyelin)、セファリン、ステロール、及びセレブロシドが含まれる。DOPE及び/又はDOPCが好ましい。最も好ましいのは、DOPEである。カチオン性リポソームがカチオン性脂質と中性脂質の両方を含む場合、カチオン性脂質対中性脂質のモル比は、リポソームの安定性などの観点から適宜決定することができる。
【0185】
一実施態様によれば、本明細書に記載のナノ粒子は、リン脂質を含み得る。リン脂質は、グリセロリン脂質であってもよい。グリセロリン脂質の例には、次の3種類の脂質:(i)双性イオン性リン脂質、例えばホスファチジルコリン(PC)、卵黄ホスファチジルコリン、天然、部分水素添加又は完全水素添加大豆由来PC、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)スフィンゴミエリン(SM)など;(ii)負電荷脂質、例えばホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルグリセロール(PG)ジパルミトイル(dipalmipoyl)PG、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG);コンジュゲートが双性イオン性リン脂質を負に荷電させる合成誘導体(メトキシ-ポリエチレン、グリコール-ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(mPEG-DSPE)など;(iii)カチオン性リン脂質、例えばホスファチジルコリン又はスフィンゴミエリン(リン酸一エステルがO-メチル化されてカチオン性脂質を形成するものが含まれるが、これらに限定されない。
【0186】
核酸の脂質担体との会合は、例えば、核酸が担体の間隙空間を埋めて、担体が核酸を物理的に捕捉することによって、又は共有、イオン若しくは水素結合によって、又は非特異的な結合による吸着によって生じ得る。結合の様式がどのようなものであれ、核酸は、その治療的な、すなわち抗原をコードする特性を保持しなければならない。
【0187】
「疾患」という用語は、個体の体に影響を与える異常な状態を指す。疾患は通常、特定の症状及び兆候に関連する医学的状態として解釈される。疾患は、感染症など、元々は外部源からの要因に起因するか、又は自己免疫疾患など、内的な機能不全に起因する。
【0188】
本発明によれば、用語「疾患」はまた、がん疾患を指す。用語「がん疾患」又は「がん」(医学用語:悪性新生物)は、細胞の群が、制御できない増殖(正常限度を超える分裂)、浸潤(隣接組織への侵入及び破壊)、時には転移(リンパ又は血液を通って体の他の場所への広がるtこと)を示している、疾患の分類を指す。がんのこれらの3つの悪性特性は、自己限定的であり、浸潤又は転移しない良性腫瘍とがんとを区別する。大部分のがんは、腫瘍、すなわち細胞(新生物細胞又は腫瘍細胞と呼ばれる)の異常増殖によって形成される腫脹又は病変を形成するが、白血病のように、そうでないものもある。がんの例には、限定されないが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、神経膠腫、及び白血病が含まれる。より具体的には、そのようながんの例には、骨がん、血液がん、肝臓がん、膵臓がん、皮膚がん、頭頚部がん、皮膚又は眼球内の悪性黒色腫、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、肛門領域のがん、胃がん、結腸がん、乳がん、前立腺がん、子宮がん、生殖器の癌、ホジキン病、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、軟部組織の肉腫、膀胱がん、腎臓がん、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)新生物、神経外胚葉性がん、脊髄腫瘍、神経膠腫、髄膜腫、及び下垂体腺腫が含まれる。本発明による用語「がん」はまた、がん転移も含む。
【0189】
「感染性疾患」という用語は、個体から個体又は生物体から生物体に伝播することができ、微生物媒介物によって引き起こされる任意の疾患(例えば感冒)を指す。感染症の例には、ウイルス感染症、例えばAIDS(HIV)、A型、B型又はC型肝炎、ヘルペス、帯状ヘルペス(水痘)、ドイツの麻疹(風疹ウイルス)、黄熱病、デング熱など、フラビウイルス、インフルエンザウイルス、出血性感染症(マールブルグ又はエボラウイルス)、及び重症急性呼吸器症候群(SARS)など、細菌感染症、例えばレジオネラ症(レジオネラ属菌)、性感染症(例えばクラジミア又は淋病)、胃潰瘍(ヘリコバクター属菌)、コレラ(ビブリオ属菌)、結核、ジフテリア、大腸菌、ブドウ球菌、サルモネラ又はレンサ球菌(破傷風)による感染症など;病原虫による感染症、例えばマラリア、眠り病、リーシュマニア症;トキソプラズマ症、すなわちマラリア原虫、トリパノソーマ、リーシュマニア、及びトキソプラズマによる感染症;真菌感染症、例えばクリプトコッカス・ネオフォルマンス、ヒストプラズマ・カプスラーツム、コクシジオイデス・イミチス、ブラストミセス・デルマチチジス又はカンジダ・アルビカンスによって引き起こされるものが含まれる。
【0190】
「自己免疫疾患」という用語は、体がそれ自体の組織のいくつかの構成成分に対する免疫原性(すなわち免疫系)応答を生成する任意の疾患を指す。言い換えれば、免疫系が、体内のある組織又は系を自己と認識する能力を失い、それを異質のものであるかのように標的にして、攻撃する。自己免疫疾患は、主に1つの器官が冒されるもの(例えば溶血性貧血及び抗免疫甲状腺炎)と、自己免疫疾患プロセスが多くの組織を通って拡散するもの(例えば全身性紅斑性狼瘡)に分類することができる。例えば、多発性硬化症は、脳及び脊髄の神経線維を囲む鞘を攻撃するT細胞によって引き起こされると考えられている。これは、調整の喪失、脱力、かすみ目をもたらす。自己免疫疾患は、当該技術分野で既知であり、例えば橋本甲状腺炎、グレーヴス病、狼瘡、多発性硬化症、リウマチ性関節炎、溶血性貧血、抗免疫甲状腺炎、全身性紅斑性狼瘡、セリアック病、クローン病、大腸炎、糖尿病、強皮症、乾癬等を含む。
【0191】
本発明によれば、免疫応答は、抗原又はその断片、例えば疾患関連抗原をコードする適切なmRNAを対象に導入することによって刺激することができる。
【0192】
用語「抗原」は、免疫応答が生成されるべきエピトープを含む作用物質を指す。用語「抗原」は、特にタンパク質、ペプチド、多糖類、核酸、特にRNA及びDNA、並びにヌクレオチドを含む。用語「抗原」はまた、形質転換のみによって(例えば分子内で中程度に、又は体タンパク質で完全に)抗原性になり、かつ、感作させる作用剤も含まれる。抗原は好ましくは、樹状細胞又はマクロファージのような抗原提示細胞などの免疫系の細胞によって提示可能である。さらに、抗原又はそのプロセシング産物は好ましくは、T若しくはB細胞受容体によって、又は抗体などの免疫グロブリン分子によって認識可能である。好ましい実施態様では、抗原は、疾患関連抗原、例えば腫瘍関連抗原、ウイルス抗原又は細菌抗原である。
【0193】
用語「疾患関連抗原」は、疾患に関連する任意の抗原を指す最も広い意味で使用される。疾患関連抗原は、宿主の免疫系を刺激して細胞性抗原特異的免疫応答及び/又は疾患に対する液性抗体応答を作るエピトープを含む分子である。したがって疾患関連抗原は、治療目的のために使用され得る。疾患関連抗原は好ましくは、微生物、典型的には微生物抗原による感染に関連するか、又はがん、典型的には腫瘍に関連する。
【0194】
「抗原関連疾患」という用語は、抗原に影響を与える任意の疾患、例えば抗原の存在及び/又は発現を特徴とする疾患を指す。抗原関疾患は、感染症、自己免疫疾患又はがん疾患(すなわち簡単には、がん)であり得る。前述の通り、抗原は、疾患関連抗原、例えば腫瘍関連抗原、ウイルス抗原又は細菌抗原であり得る。
【0195】
一実施態様において、疾患関連抗原は、腫瘍関連抗原である。この実施態様では、本発明は、がん又はがん転移の治療に有用であり得る。好ましくは、罹患臓器又は組織は、疾患関連抗原を発現し、かつ/又は疾患関連抗原と表面との会合を特徴とするがん細胞などの罹患細胞によって特徴付けられる。インタクト又は実質的にインタクトな腫瘍関連抗原又はその断片、例えばMHCクラスI及びクラスIIペプチド、又はそのような抗原若しくは断片をコードする核酸、特にmRNAを用いた免疫は、MHCクラスI及び/又はクラスIIを誘発することを可能にし、したがってがん細胞及び/又はCD4+T細胞を溶解することができるCD8+細胞傷害性Tリンパ球などのT細胞を刺激する。このような免疫はまた、液性免疫応答(B細胞応答)を誘発し得、腫瘍関連抗原に対する抗体の産生をもたらす。さらに、樹状細胞(DC)などの抗原提示細胞(APC)は、in vitroで腫瘍抗原をコードする核酸によるトランスフェクションによってMHCクラスI提示ペプチドを負荷し、患者に投与することができる。一実施態様において、用語「腫瘍関連抗原」は、細胞質、細胞表面及び細胞核に由来するがん細胞の構成成分を指す。特に、それは、細胞内で、又は腫瘍細胞上で表面抗原として、好ましくは大量に産生される抗原を指す。腫瘍抗原の例には、HER2、EGFR、VEGF、CAMPATH1抗原、CD22、CA-125、HLA-DR、ホジキンリンパ腫又はムチン1が含まれるが、これらに限定されない。
【0196】
本発明によれば、腫瘍関連抗原は好ましくは、型及び/又は発現レベルに関して、腫瘍又はがんに対して、かつ、腫瘍細胞又はがん細胞に対して特徴的である任意の抗原を含む。一実施態様において、用語「腫瘍関連抗原」は、正常な状態下すなわち健康な対象では、限定された数の器官及び/又は組織内において、又は特定の発生段階において特異的に発現されるタンパク質を指し、例えば、腫瘍関連抗原は、正常な状態下では、胃組織、好ましくは胃粘膜、生殖器官(例えば精巣)、絨毛性組織(例えば胎盤)又は生殖系列細胞において特異的に発現される場合があり、1以上の腫瘍又はがん組織において発現又は異常発現される。この文脈において、「限られた数」は、好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下又は1を意味する。本発明の文脈における腫瘍関連抗原には、例えば分化抗原、好ましくは細胞型特異的分化抗原、すなわち正常な条件下では特定の分化段階にある特定の細胞型において特異的に発現されるタンパク質、がん/精巣抗原、すなわち正常状態下では精巣及び、任意選択的に胎盤において特異的に発現されるタンパク質、並びに生殖系列特異的抗原を含む。本発明の文脈において、腫瘍抗原は、正常組織においては好ましくは発現されないか又は稀にしか発現されず、又は腫瘍細胞において突然変異される。好ましくは、腫瘍抗原又は腫瘍抗原の異常発現によって、がん細胞が識別される。本発明の文脈において、対象、例えばがん疾患に罹患している患者においてがん細胞により発現される腫瘍抗原は、好ましくは前記対象における自己タンパク質である。好ましい実施態様において、本発明の文脈における腫瘍抗原は、正常な状態下では、必須でない組織若しくは臓器、すなわち免疫系により損傷された場合に対象の死亡をもたらさない組織若しくは臓器において、又は免疫系がアクセスできないか若しくは殆どアクセスできない臓器若しくは身体構造において特異的に発現される。好ましくは、腫瘍関連抗原は、それが発現されるがん細胞によってMHC分子の状態で提示される。
【0197】
腫瘍免疫療法、特に腫瘍ワクチン接種における標的構造として本発明によって意図される腫瘍関連抗原の基準を理想的に満たす分化抗原の例はとして、CLDN6及びCLDN18.2などのクローディンファミリーの細胞表面タンパク質がある。これらの分化抗原は、種々の起源の腫瘍において発現され、その選択的発現(毒性に関連する正常組織における発現なし)及び原形質膜への局在化のために、抗体媒介性がん免疫療法に関連する標的構造として特に適している。
【0198】
本発明に有用でありうる腫瘍抗原のさらなる例としては、p53、ART-4、BAGE、ベータ-カテニン/m、Bcr-abL CAMEL、CAP-1、CASP-8、CDC27/m、CDK4/m、CEA、クローディン-12、c-MYC、CT、Cyp-B、DAM、ELF2M、ETV6-AML1、G250、GAGE、GnT-V、Gap100、HAGE、HER-2/neu、HPV-E7、HPV-E6、HAST-2、hTERT(又はhTRT)、LAGE、LDLR/FUT、MAGE-A、好ましくはMAGE-A1、MAGE-A2、MAGE-A3、MAGE-A4、MAGE-A5、MAGE-A6、MAGE-A7、MAGE-A8、MAGE-A9、MAGE-A10、MAGE-A11又はMAGE-A12、MAGE-B、MAGE-C、MART-1/Melan-A、MC1R、ミオシン/m、MUC1、MUM-1、-2、-3、NA88-A、NF1、NY-ESO-1、NY-BR-1、p190マイナーBCR-abL、Pm1/RARa、PRAME、プロテイナーゼ3、PSA、PSM、RAGE、RU1又はRU2、SAGE、SART-1又はSART-3、SCGB3A2、SCP1、SCP2、SCP3、SSX、SURVIVIN、TEL/AML1、TPI/m、TRP-1、TRP-2、TRP-2/INT2、TPTE、及びWT、好ましくはWT-1がある。
【0199】
用語「ウイルス抗原」は、抗原特性を有する、すなわち個体において免疫応答を引き起こすことができる任意のウイルス成分を指す。ウイルス抗原は、ウイルスリボ核タンパク質又はエンベロープタンパク質であり得る。
【0200】
用語「細菌抗原」は、抗原特性を有する、すなわち個体において免疫応答を引き起こすことができる任意の細菌成分を指す。細菌抗原は、細菌の細胞壁又は細胞質膜に由来し得る。
【0201】
「抗原プロセシング」は、前記抗原の断片であるプロセシング産物への抗原の分解(例えばタンパク質のペプチドへの分解)及び細胞、好ましくは抗原提示細胞による特定のT細胞への提示のためのMHC分子とこれらの断片の1つ以上との会合(例えば結合を介した)を指す。
【0202】
本明細書で使用される「免疫応答」という用語は、免疫原性生物(例えば細菌若しくはウイルス細胞又は物質)に対する免疫系の反応を指す。「免疫応答」という用語には、自然免疫応答及び適応免疫応答が含まれる。好ましくは、免疫応答は、免疫細胞の活性化、サイトカイン生合成の誘導及び/又は抗体産生を指す。免疫応答は、抗原提示細胞(例えば樹状細胞及び/又はマクロファージ)の活性化、前記抗原提示細胞による抗原又はその断片の提示、及びこの提示による細胞傷害性T細胞の活性化の段階を含むことが好ましい。
【0203】
「治療する」又は「治療」という用語は、健康状態を改善し、かつ/又は個体の寿命を延長する(増加させる)任意の処置を指す。前記治療は、個体における疾患を排除し、個体における疾患の進行を停止又は遅延させ、個体における疾患の進行を阻害又は遅延させ、個体における症状の頻度又は重症度を低下させ、かつ/又は現在罹患しているか又は以前罹患していた個体における再発を減らし得る。
【0204】
特に、「疾患の治療」という用語は、疾患又はその症状の治癒、持続時間の短縮、緩和、減速、又は進行若しくは悪化の阻害を含む。
【0205】
用語「免疫療法」は、好ましくは特異的免疫反応及び/又は免疫エフェクター機能を含む治療を指す。
【0206】
用語「免疫化」又は「ワクチン接種」は、治療上又は予防上の理由で対象を治療するプロセスをいう。
【0207】
本明細書で使用される用語「対象」又は「個体」は、好ましくは哺乳動物を指す。例えば、本発明の文脈における哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、ヤギ、ブタ、ウマ等の家畜、マウス、ラット、ウサギ、モルモット等の実験動物、並びに捕獲された動物、例えば動物園の動物である。好ましい実施態様において、対象は、ヒトである。
【0208】
用語「抗原提示細胞」(APC)は、その細胞表面上(又は細胞表面)に少なくとも1の抗原又は抗原性断片をディスプレイ、獲得及び/又は提示することができる種々の細胞のうちの1つの細胞を指す。抗原提示細胞は、プロフェッショナル抗原提示細胞と非プロフェッショナル抗原提示細胞に区別することができる。
【0209】
用語「プロフェッショナル抗原提示細胞」は、ナイーブT細胞との相互作用に必要な主要組織適合複合体クラスII(MHCクラスII)分子を恒常的に発現する抗原提示細胞を指す。T細胞が抗原提示細胞の膜上のMHCクラスII分子複合体と相互作用する場合、抗原提示細胞は、T細胞の活性化を誘導する共刺激分子を産生する。プロフェッショナル抗原提示細胞は、樹状細胞及びマクロファージを含む。
【0210】
「非プロフェッショナル抗原提示細胞」という用語は、MHCクラスII分子を恒常的に発現しないが、インターフェロンガンマなどの特定のサイトカインによる刺激を受けた抗原提示細胞を指す。代表的な非プロフェッショナル抗原提示細胞には、線維芽細胞、胸腺上皮性細網細胞、甲状腺上皮細胞、グリア細胞、膵ベータ細胞又は血管内皮細胞が含まれる。
【0211】
用語「主要組織適合複合体」及び略語「MHC」は、MHCクラスI及びMHCクラスII分子を含み、すべての脊椎動物において生じる遺伝子の複合体を指す。MHCタンパク質又は分子は、免疫反応においてリンパ球と抗原提示細胞又は疾患細胞との間のシグナル伝達にとって重要であり、MHCタンパク質又は分子はペプチドに結合し、T細胞受容体による認識のためにそれを提示する。MHCによってコードされるタンパク質は、細胞の表面上に発現され、自己抗原(細胞自体からのペプチド断片)と非自己抗原(例えば、侵入してくる微生物の断片)の両方をT細胞にディスプレイする。
【0212】
本発明によれば、用語「キメラ抗原受容体(CAR)」は、「キメラT細胞受容体」及び「人工T細胞受容体」という用語と同義である。
【0213】
これらの用語は、T細胞などの免疫エフェクター細胞へのモノクローナル抗体の特異性のような、任意の特異性を与える、操作された受容体を指す。このようにして、養子細胞移入のために多数のがん特異的T細胞を生成することができる。したがって、CARは、例えばT細胞自体のT細胞受容体の代わりに、又はそれに加えて、T細胞上に存在してもよい。そのようなT細胞は、標的細胞の認識のための抗原のプロセシング及び提示を必ずしも必要とせず、むしろ、好ましくは特異性で標的細胞上に存在する任意の抗原を認識することができる。好ましくは、前記CARは、細胞の表面上に発現される。本発明において、CARを含むT細胞は、本明細書で使用する「T細胞」という用語に含まれる。
【0214】
本発明によれば、用語「CAR」(又は「キメラ抗原受容体」)は、標的細胞(例えばがん細胞)上の標的構造(例えば抗原)を認識する、すなわちそれに結合する(例えば標的細胞の表面上に発現された抗原への抗原結合ドメインの結合による)分子の単一分子又は複合体を含む人工受容体を指し、細胞表面上に前記CARを発現するT細胞などの免疫エフェクター細胞に特異性を付与し得る。好ましくは、CARによる標的構造の認識は、前記CARを発現する免疫エフェクター細胞の活性化をもたらす。CARは、本明細書に記載の1以上のドメインを含む1以上のタンパク質ユニットを含むことができる。用語「CAR」は、T細胞受容体を含まない。
【0215】
一実施態様では、モノクローナル抗体に由来する一本鎖可変断片(scFv)をCD3ゼータ膜貫通及びエンドドメインに融合させる。このような分子は、標的細胞上のその抗原標的のscFvによる認識及び標的抗原を発現する標的細胞の死滅に応答してゼータシグナルの伝達をもたらす。使用されてもよい抗原認識ドメインには、とりわけT細胞受容体(TCR)アルファ及びベータ一本鎖が含まれる。実際に、高親和性で所与の標的に結合する殆どのものは、抗原認識ドメインとして使用することができる。
【0216】
抗原認識に続いて、受容体がクラスター化し、シグナルが細胞に伝達される。この点において、「T細胞シグナル伝達ドメイン」は、抗原が結合された後に活性化シグナルをT細胞に伝達するドメイン、好ましくはエンドドメインである。最も一般的に使用されるエンドドメイン成分はCD3ゼータである。
【0217】
キメラ抗原受容体を発現するCAR操作されたT細胞による養子細胞移入療法は、事実上あらゆる腫瘍抗原を標的とするようにCAR修飾T細胞を操作することができるため、有望な抗がん治療法である。例えば、患者のT細胞を、患者の腫瘍細胞上の抗原に特異的に向けられるCARを発現するように遺伝子操作(遺伝子修飾)し、その後患者に注入して戻すことができる。
【0218】
本発明によれば、CARは、T細胞受容体の機能に取って代わることができ、特に細胞溶解活性などの反応性をT細胞などの細胞に付与することができる。しかしながら、抗原ペプチド-MHC複合体へのT細胞受容体の結合とは対照的に、CARは、抗原に、特に細胞表面上に発現される場合に、結合することができる。
【0219】
本発明によれば、CARは一般に、3つのドメインを含むことができる。
第1のドメインは、抗原を認識して結合する結合ドメインである。
第2のドメインは、共刺激ドメインである。共刺激ドメインは、標的部分へのCARの結合の際の細胞傷害性リンパ球の増殖及び生存を増強する働きをする。共刺激ドメインの同一性は、それがCARによる標的部分の結合の際に細胞増殖及び生存を増強する能力を有する点のみに限定される。適切な共刺激ドメインには、腫瘍壊死因子(TNF)受容体ファミリーのメンバーであるCD28、CD137(4-1BB)、TNFR受容体のスーパーファミリーのメンバーであるCD134(OX40)、及び活性化T細胞上に発現されるCD28スーパーファミリーの共刺激分子であるCD278(ICOS)が含まれる。当業者は、本発明に悪影響を及ぼすことなく、前記共刺激ドメインの配列変異体を使用することができ、変異体がモデル化されるドメインと同じか又は同様の活性を有することを理解するであろう。このような変異体は、それらが由来するドメインのアミノ酸配列と少なくとも約80%の配列同一性を有するであろう。本発明のいくつかの実施態様において、CARコンストラクトは、2つの共刺激ドメインを含む。特定の組み合わせは4つの上記ドメインのすべての可能な変形を含むが、特定の例には、CD28+CD137(4-1BB)及びCD28+CD134(OX40)が含まれる。
第3のドメインは、活性化シグナル伝達ドメイン(又はT細胞シグナル伝達ドメイン)である。活性化シグナル伝達ドメインは、CARと抗原との結合の際に細胞傷害性リンパ球を活性化する働きをする。活性化シグナル伝達ドメインの同一性は、それがCARによる抗原の結合の際に、選択された細胞傷害性リンパ球の活性化を誘導する能力を有する点のみに限定される。適切な活性化シグナル伝達ドメインには、T細胞CD3[ゼータ]鎖及びFc受容体ガンマ]が含まれる。当業者は、本発明に悪影響を及ぼすことなく、前記活性化シグナル伝達ドメインの配列変異体を使用することができ、変異体がモデル化されるドメインと同じか又は同様の活性を有することを理解するであろう。このような変異体は、それらが由来するドメインのアミノ酸配列と少なくとも約80%の配列同一性を有するであろう。
【0220】
CARは、融合タンパク質の形態で、3つのドメインを一緒に含むことができる。このような融合タンパク質は一般に、N末端からC末端方向に連結されている、結合ドメイン、1つ以上の共刺激ドメイン及び活性化シグナル伝達ドメインを含む。しかしながら、CARはこの配置に限定されず、他の配置も許容可能であり、結合ドメイン、活性化シグナル伝達ドメイン及び1つ以上の共刺激ドメインを含む。結合ドメインは抗原に結合するために空いていなければならないため、融合タンパク質中の結合ドメインの配置は一般に、細胞外領域のディスプレイができるようなものであることが理解される。同様に、共刺激及び活性化シグナル伝達ドメインは細胞傷害性リンパ球の活性及び増殖を誘導する働きをするため、融合タンパク質は一般に、細胞の内部にこれら2つのドメインをディスプレイする。ICARは、融合タンパク質の細胞表面への適切な輸送を確実にするシグナルペプチド、融合タンパク質が完全な膜タンパク質として維持されることを確実にする膜貫通ドメイン、及び結合ドメインに柔軟性を与え、抗原への強い結合を可能にするヒンジドメイン(又はスペーサー領域)などの追加の要素を含む。
【0221】
本発明のCARシステムに関連して使用される細胞は、好ましくはT細胞、特に、細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びリンホカイン活性化キラー(LAK)細胞から好ましくは選択される細胞傷害性リンパ球である。活性化すると、これらの細胞傷害性リンパ球の各々が、標的細胞の破壊を誘発する。例えば、細胞傷害性T細胞は、以下の手段のいずれか又は両方によって標的細胞の破壊を引き起こす。まず、活性化するとT細胞は、パーフォリン、グランザイム、及びグラニュライシン等の細胞毒素を放出する。パーフォリン及びグラニュライシンは標的細胞に孔を形成し、グランザイムは細胞に入り、細胞のアポトーシス(プログラム細胞死)を誘導するカスパーゼカスケードカスケードを細胞質に起こす。次に、T細胞と標的細胞との間のFas-Fasリガンド相互作用を介して、アポトーシスが誘導され得る。細胞傷害性リンパ球は、好ましくは自己細胞であるが、異種細胞又は同種細胞を使用することもできる。
【0222】
非ウイルスベースのDNAトランスフェクション、トランスポゾンベースの系及びウイルスベースの系を含めたさまざまな方法が、T細胞にCARコンストラクトを導入するのに使用され得る。非ウイルスベースのDNAトランスフェクションは、挿入突然変異誘発のリスクが低い。トランスポゾンベースの系は、組み込み要素を含有しないプラスミドよりも効率的に導入遺伝子を組み込むことができる。ウイルスベースの系には、γ-レトロウイルス及びレンチウイルスベクターの使用が含まれる。γ-レトロウイルスは、比較的生産しやすく、効率的かつ永久的にT細胞に形質導入され、初代ヒトT細胞における組込みの観点から安全であることが事前に証明されている。レンチウイルスベクターはまた、T細胞に効率的かつ永久的に形質導入されるが、製造コストが比較的高い。それはまた、レトロウイルスベースの系より潜在的に安全である。
【0223】
本明細書に記載のRNA(例えば本明細書に記載の核酸分子を転写鋳型として使用して得られる)は、体細胞を幹様細胞、すなわち幹細胞特性を有する細胞にin vitro又はin vivoで再プログラミング又は脱分化する際にも有用である。これは、細胞における再プログラミング又は脱分化プロセスを開始するために、in vitro又はin vivoでの再プログラミング因子の一過性発現を含み得る。したがって、一実施態様では、本明細書に記載のRNAなどの核酸によってコードされるペプチド又はタンパク質は、幹細胞特性を有する細胞への体細胞の再プログラミングを可能にする因子である。幹様細胞は、胚芽又は胎児を生成することなく、本発明に従って提供され得る。幹細胞特性、特に多能性を有する細胞への、体細胞の脱分化は、体細胞の脱分化を誘導する因子(再プログラミング転写因子(rTF)ともいう)をコードするRNAを体細胞へ導入し、その体細胞を培養して細胞を脱分化させることにより、達成される。脱分化された後、細胞は、ニューロン、造血、筋肉、上皮及びその他の細胞型など、同じか又は異なる体細胞型に再分化するように誘導され得る。したがって、このような幹様細胞は、「細胞療法」による変性疾患の治療のための医療用途を有し、心臓、神経、内分泌系、血管、網膜、皮膚、筋骨格障害及びその他疾患の治療における新規治療ストラテジーにおいて有用であり得る。
【0224】
したがって、本発明はまた、(i)体細胞を含む細胞集団を提供する工程、(ii)体細胞の幹細胞特性を有する細胞への再プログラミングを可能にする1以上の因子を発現することができる本発明のRNAを体細胞に導入する工程、及び(iii)幹細胞特性を有する細胞の発達を可能にする工程を含む、幹細胞特性を有する細胞を提供する方法を指す。一実施態様において、この方法は、体細胞の幹細胞特性を有する細胞への再プログラミングを増強するmiRNAを体細胞に導入することをさらに含む。
【0225】
一実施態様において、1以上の因子は、OCT4及びSOX2を含む。1以上の因子は、KLF4及び/又はc-MYC及び/又はNANOG及び/又はLIN28をさらに含み得る。一実施態様において、1以上の因子は、OCT4、SOX2、KLF4及びc-MYCを含み、LIN28及び任意選択的にNANOGをさらに含み得る。一実施態様において、1以上の因子は、OCT4、SOX2、NANOG、及びLIN28を含む。
【0226】
一実施態様において、本方法は、少なくとも1のヒストンデアセチラーゼ阻害剤の存在下で体細胞を培養する工程をさらに含み、この場合少なくとも1のヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、好ましくはバルプロ酸、酪酸ナトリウム、トリコスタチンA及び/又はスクリプタイド(scriptaid)を含む。
【0227】
一実施態様において、工程(iii)は、胚性幹細胞培養条件下で体細胞を培養することを含む。
【0228】
一実施態様において、幹細胞特性は、胚性幹細胞形態を含む。
【0229】
一実施態様において、幹細胞特性を有する細胞は正常核型を有し、テロメラーゼ活性を発現し、胚性幹細胞に特徴的な細胞表面マーカーを発現し、かつ/又は胚性幹細胞に特徴的な遺伝子を発現する。
【0230】
一実施態様において、幹細胞特性を有する細胞は、多能性状態を示す。
【0231】
一実施態様において、幹細胞特性を有する細胞は、全3つの一次胚葉の高度派生物(advanced derivative)へと分化する発達能を有する。
【0232】
一実施態様において、体細胞は、肺線維芽細胞、包皮線維芽細胞又は真皮線維芽細胞などの線維芽細胞である。好ましくは、体細胞は、ヒト細胞である。
【0233】
一実施態様において、RNAは、エレクトロポレーション又はリポフェクションによって体細胞に導入される。一実施態様において、RNAは、体細胞に反復導入される。
【0234】
一実施態様において、本明細書に開示の特定の因子を発現することができるRNAの体細胞への導入は、前記因子の、長時間、好ましくは少なくとも10日間、好ましくは少なくとも11日間、さらに好ましくは少なくとも12日間の発現をもたらす。このような長期発現を達成するには、RNAは、好ましくはエレクトロポレーションを用いて2回以上、周期的に(すなわち反復的に)細胞に導入される。好ましくは、RNAを、少なくとも2回、より好ましくは少なくとも3回、さらに好ましくは少なくとも4回、さらに一層好ましくは少なくとも5回、好ましくは6回まで、さらに好ましくは7回まで、又はさらには8、9又は10回まで、好ましくは少なくとも10日間、好ましくは少なくとも11日間、さらに好ましくは少なくとも12日間にわたり細胞に導入し、1以上の因子の発現を長期間維持する。好ましくは、RNAの反復導入の間に経過する時間は、24時間から120時間、好ましくは48時間から96時間である。一実施態様において、RNAの反復導入の間に経過する時間は、72時間以下、好ましくは48時間又は36時間以下である。一実施態様において、次のエレクトロポレーションの前に、細胞をその前のエレクトロポレーションから回復させる。いずれの場合でも、因子は、再プログラミングプロセスをサポートする量及び期間で細胞内で発現されるように選択されるものとする。
【0235】
「幹細胞」は、自己再生能、未分化維持能、及び分化能を有する細胞である。幹細胞は、それが自然に存在する動物の少なくとも生涯にわたって、無制限に分裂することができる。幹細胞は、最終分化しておらず、分化経路の最終段階にいるのではない。幹細胞が分裂すると、各娘細胞は、幹細胞のままでいるか、又は最終分化に向かう経路に踏み出すことができる。
【0236】
全能性幹細胞は、全能性分化特性を有し、完全な生物体に成長することができる細胞である。この特性は、精子による卵母細胞の受精後の8細胞期までの細胞が持っている。これらの細胞が単離され、子宮に移植されると、それらは完全な生物体に成長することができる。
【0237】
多能性幹細胞は、外胚葉、中胚葉及び内胚葉の層に由来するさまざまな細胞及び組織に成長することができる細胞である。受精後4~5日で発生した胚盤胞内の内部細胞塊に由来する多能性幹細胞は、「胚性幹細胞」と呼ばれ、さまざまな他の組織細胞に分化することができるが、新たな生物体を形成することはできない。
【0238】
多能性幹細胞は普通は、その起源の組織及び臓器に特化した細胞型のみに分化する幹細胞である。多能性幹細胞は、胎児期、新生児期及び成体期のさまざまな組織及び器官の成長及び発達だけでなく、成体組織のホメオスタシスの維持及び組織損傷時の再生誘導機能にも関与する。組織特異的多能性細胞は、集合的に「成体幹細胞」と呼ばれる。
【0239】
「胚性幹細胞」又は「ESC」は、胚に存在するか又は胚から単離された幹細胞である。それは、多能性であり、生物体に存在する1つ一つの細胞に分化する能力、すなわち多分化能を有し、複数の細胞型に分化する能力を有する。
【0240】
本明細書で使用される場合、「胚」とは、発生の初期段階にある動物をいう。これらの段階は、3つの胚葉が区別され、確立される着床及び原腸形成によって、また、それぞれの臓器及び臓器系への胚芽層の分化によって特徴付けられる。3つの胚葉は、内胚葉、外胚葉及び中胚葉である。
【0241】
「胚盤胞」は、発生した卵子が切断され、流体が満たされた空洞を囲む球状の細胞層が形成されている、または形成されている成長初期段階の胚である。この球状細胞層は、栄養外胚葉である。栄養外胚葉の内部には、内部細胞塊(ICM)と呼ばれる細胞のクラスターがある。栄養外胚葉は胎盤の前駆体であり、ICMは胚の前駆体である。
【0242】
成体幹細胞は、体細胞幹細胞とも呼ばれ、成体で見出される幹細胞である。成体幹細胞は、分化した組織で見出され、それ自体を再生することができ、いくつかの制限を加えて、その由来組織の特殊な細胞型を得ることができる。例としては、間葉系幹細胞、造血幹細胞、及び神経幹細胞が挙げられる。
【0243】
「分化細胞」は、より特殊化された形態又は機能への前進的成長変化を経た成熟細胞である。細胞分化は、細胞が明らかに特殊化した細胞型に成熟するにつれて細胞が受けるプロセスである。分化した細胞は、明確な特徴を有し、特定の機能を担い、より分化していない細胞よりも分裂しにくい。
【0244】
例えば未成熟、胚又は単細胞などの「未分化」細胞は通例、非特異的な外観を有し、複数の非特異的活動を行い得るが、分化細胞が通例果たす機能は、全く果たさないことはないにしても、わずかしか果たさない。
【0245】
「体細胞」は、任意の及びすべての分化細胞を指し、幹細胞、生殖細胞又は配偶子は含まない。好ましくは、本明細書で使用される「体細胞」は、最終分化細胞を指す。
【0246】
本明細書で使用される場合、「コミットした(committed)」とは、特定の機能に永続的にコミットしたと考えられる細胞をいう。コミットした細胞は、「最終分化細胞」とも呼ばれる。
【0247】
本明細書で使用される場合、「分化」とは、特定の形態又は機能についての細胞の適合を指す。細胞では、分化が、よりコミットした細胞をもたらす。
【0248】
本明細書で使用される場合、「脱分化」とは、形態又は機能の特殊化の喪失を指す。細胞において、脱分化が、より弱くコミットした細胞をもたらす。
【0249】
本明細書で使用される「再プログラミング」とは、細胞の遺伝子プログラムのリセットを指す。再プログラムされた細胞は、好ましくは多能性を示す。
【0250】
用語「脱分化した」及び「再プログラムされた」又は同様の用語は、幹細胞特性を有する体細胞由来細胞を意味するために互換的に使用される。しかしながら、前記用語は、本明細書に開示の主題を機械的又は機能的な考慮によって限定することを意図するものではない。
【0251】
「幹細胞特性の発生を誘導するRNA」又は「幹細胞特性を有する細胞への体細胞の再プログラミングを可能にする1以上の因子を発現することができるRNA」という用語は、体細胞に導入された場合、細胞を脱分化へ誘導するRNAを指す。
【0252】
本明細書で使用される場合、「生殖細胞」とは、精母細胞若しくは卵母細胞などの生殖細胞又は生殖細胞に発達する細胞を指す。
【0253】
本明細書で使用される場合、「多能性」は、胎盤の細胞又は子宮の他の支持細胞以外の任意の細胞型を生じさせることができる細胞を指す。
【0254】
「幹細胞の特徴を有する細胞」、「幹細胞特性を有する細胞」又は「幹様細胞」などの用語は、分化した体細胞非幹細胞に由来するが幹細胞に典型的な1つ以上の特徴を示す細胞、特に胚性幹細胞を指す。そのような特徴には、コンパクトなコロニー、高い核対細胞質比、及び顕著な核小体、正常核型、テロメラーゼ活性の発現、胚性幹細胞に特徴的な細胞表面マーカーの発現、及び/又は胚性幹細胞に特徴的な遺伝子の発現が含まれる。胚性幹細胞に特徴的な細胞表面マーカーは、例えばステージ特異的胚抗原(stage-specific embryonic antigen)3(SSEA-3)、SSEA-4、腫瘍関連抗原1-60(TRA-1-60)、TRA-1-81、及びTRA-2-49/6Eからなる群より選択される。胚性幹細胞に特徴的な遺伝子は、例えば内因性OCT4、内因性NANOG、成長及び分化因子3(GDF3)、発現低下タンパク質1(reduced expression)1(REX1)、線維芽細胞成長因子4(FGF4)、胚細胞特異的遺伝子1(ESG1)、発生多能性関連2(DPPA2)、DPPA4、及びテロメラーゼ逆転写酵素(TERT)からなる群より選択される。一実施態様において、幹細胞に典型的な1つ以上の特徴には、多能性が含まれる。
【0255】
本発明の一態様において、幹細胞特性は、胚性幹細胞形態を含み、前記胚性幹細胞形態は好ましくは、コンパクトコロニー、高い核対細胞質比、及び顕著な核小体からなる群より選択される形態学的基準を含む。特定の実施態様において、幹細胞特性を有する細胞は正常核型を有し、テロメラーゼ活性を発現し、胚性幹細胞に特徴的な細胞表面マーカーを発現し、かつ/又は胚性幹細胞に特徴的な遺伝子を発現する。胚性幹細胞に特徴的な細胞表面マーカーは、ステージ特異的胚抗原3(SSEA-3)、SSEA-4、腫瘍関連抗原1-60(TRA-1-60)、TRA-1-81及びTRA-2-49/6Eからなる群より選択することができ、また、胚性幹細胞に特徴的な遺伝子は、内因性OCT4、内因性NANOG、成長及び分化因子3(GDF3)、発現低下タンパク質(REX1)、線維芽細胞成長因子4(FGF4)、胚細胞特異的遺伝子1(ESG1)、発生多能性関連2(DPPA2)、DPPA4、及びテロメラーゼ逆転写酵素(TERT)からなる群より選択することができる。
【0256】
好ましくは、幹細胞特性を有する細胞は、脱分化及び/又は再プログラミングされた体細胞である。好ましくは、幹細胞特性を有する細胞は、多能性状態などの胚性幹細胞の本質的な特徴を示す。好ましくは、幹細胞特性を有する細胞は、全3つの一次胚葉の高度派生物へと分化する発達能を有する。一実施態様において、一次胚葉は内胚葉であり、高度派生物は腸様(gut-like)上皮組織である。一実施態様において、一次胚葉は中胚葉であり、高度派生物は横紋筋及び/又は軟骨組織である。さらなる一実施態様において、一次胚葉は外胚葉であり、高度派生物は神経組織及び/又は表皮組織である。一つの好ましい実施態様において、幹細胞特性を有する細胞は、神経細胞及び/又は心臓細胞へと分化する発達能を有する。
【0257】
一実施態様において、体細胞は、間葉表現型を持つ胚性幹細胞由来体細胞である。好ましい実施態様では、体細胞は、胎児線維芽細胞若しくは出生後線維芽細胞などの線維芽細胞又はケラチノサイト、好ましくは毛包由来ケラチノサイトである。さらなる実施態様では、線維芽細胞は、肺線維芽細胞、包皮線維芽細胞又は真皮線維芽細胞である。特定の実施態様では、線維芽細胞は、カタログ番号CCL-186でアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)に寄託された線維芽細胞であるか、カタログ番号CRL-2097でアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)に寄託された線維芽細胞であるか、若しくはカタログ番号CRL-2522でアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)に寄託された線維芽細胞であるか、又はカタログ番号PC501A-HFFでSystem Biosciencesによって配布されている線維芽細胞である一実施態様において、線維芽細胞は、成人ヒト皮膚線維芽細胞である。好ましくは、体細胞は、ヒト細胞である。本発明によれば、体細胞は、遺伝子修飾されていてもよい。
【0258】
本発明の「因子」という用語は、RNAによるその発現と併せて使用する場合、タンパク質及びペプチド、並びにその誘導体及び変異体を含む。例えば、「因子」という用語は、OCT4、SOX2、NANOG、LIN28、KLF4及びc-MYCを含む。
【0259】
これらの因子は、例えば哺乳類及びげっ歯類など、任意の動物種のものであってよい。哺乳類の例には、ヒト及び非ヒト霊長類が含まれるが、これらに限定されない。霊長類には、ヒト、チンパンジー、ヒヒ、カニクイザル、及び任意の他の新旧世界ザルが含まれるが、これらに限定されない。げっ歯類には、マウス、ラット、モルモット、ハムスター及びスナネズミが含まれるが、これらに限定されない。
【0260】
本発明によると、幹細胞特性を有する細胞への体細胞の再プログラミングを可能にすることができる1以上の因子は、(i)OCT4及びSOX2、(ii)OCT4、SOX2、並びにNANOG及びLIN28の一方又は両方、(iii)OCT4、SOX2、並びにKLF4及びc-MYCの一方又は両方からなる群より選択される因子の集合(assembly)を含む。一実施態様において、RNAによって発現され得る前記1以上の因子は、OCT4、SOX2、NANOG及びLIN28、又はOCT4、SOX2、KLF4及びc-MYCを含む。好ましくは、RNAは、エレクトロポレーション又はマイクロインジェクションによって前記細胞に導入される。好ましくは、本発明は、例えば体細胞を胚性幹細胞培養条件下で、好ましくは多分化能性幹細胞を未分化状態に維持するのに適した条件下で培養することにより、幹細胞特性を有する細胞の発生を可能にすることをさらに含む。
【0261】
OCT4は、真核POU転写因子類の転写因子であり、胚性幹細胞の多能性の指標である。それは、母方発現オクタマー(Octomer)結合タンパク質である。これは、卵母細胞、芽細胞の内部細胞塊、及び始原生殖細胞に存在することが観察されている。遺伝子POU5F1は、OCT4タンパク質をコードする。この遺伝子名の同義語には、OCT3、OCT4、OTF3及びMGC22487が含まれる。胚性幹細胞が未分化のままであるためには、特定の濃度でのOCT4の存在が必要である。好ましくは、「OCT4タンパク質」又は単に「OCT4」は、ヒトOCT4を指す。
【0262】
Sox2は、単一のHMG DNA結合ドメインを持つ転写因子をコードするSox(SRY関連HMGボックス)遺伝子ファミリーのメンバーである。SOX2は分化能を阻害することによって神経前駆細胞を制御することが見出されている。この因子の抑制は、脳室帯からの剥離をもたらし、その後細胞周期からの離脱が起こる。これらの細胞はまた、前駆細胞及び初期神経細胞分化マーカーの喪失により、前駆細胞の特性を失い始める。好ましくは、「SOX2タンパク質」又は単に「SOX2」は、ヒトSOX2を指す。
【0263】
NANOGは、NK-2型ホメオドメイン遺伝子であり、胚性幹細胞の再生及び分化に不可欠な遺伝子の発現を調節することにより、幹細胞の多分化能を維持するのに重要な役割を果たすといわれている。NANOGは、そのC末端に埋め込まれた2つの並外れて強い活性化ドメインを有する転写活性化因子として挙動する。NANOG発現の減少は、胚性幹細胞の分化を誘導する。好ましくは、「NANOGタンパク質」又は単に「NANOG」は、ヒトNANOGを指す。
【0264】
LIN28は、RNA結合モチーフの珍しいペアリング、すなわちコールドショックドメインと一対のレトロウイルス型CCHCジンクフィンガーとを持つ、保存された細胞質タンパク質である。哺乳動物では、これが、多様なタイプの未分化細胞に豊富に存在する。多能性哺乳動物細胞では、LIN28がポリ(A)結合タンパク質とのRNase感受性複合体中、及びスクロース勾配のポリソーム画分中に観察されることから、これが、mRNAの翻訳に関連することが示唆される。好ましくは、「LIN28タンパク質」又は単に「LIN28」は、ヒトLIN28を指す。
【0265】
クルッペル様因子(KLF4)は、さまざまな組織、例えば結腸、胃及び皮膚の分裂終了上皮細胞において強く発現されるジンクフィンガー転写因子である。KLF4は、これらの細胞の最終分化にとって不可欠であり、細胞周期調節に関与する。好ましくは、「KLF4タンパク質」又は単に「KLF4」は、ヒトKLF4を指す。
【0266】
MYC(cMYC)は、さまざまなヒトのがんにおいて過剰発現されるがん原遺伝子である。これは、特異的に突然変異させるか、過剰発現させると、細胞増殖を増加させ、がん遺伝子として機能する。MYC遺伝子は、エンハンサーボックス配列(Eボックス)への結合及びヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)の動員によって全遺伝子の15%の発現を調節する転写因子をコードする。MYCは、転写因子のMYCファミリーに属し、このファミリーにはN-MYC及びL-MYC遺伝子も含まれる。MYCファミリー転写因子は、bHLH/LZ(塩基性ヘリックス-ループ-ヘリックスロイシンジッパー)ドメインを含有する。好ましくは、「cMYCタンパク質」又は単に「cMYC」は、ヒトcMYCを指す。
【0267】
本明細書における具体的因子、例えばOCT4、SOX2、NANOG、LIN28、KLF4又はc-MYCへの言及は、これらの因子のあらゆる変異体も包含すると理解すべきである。特に、細胞によって自然に発現されるこれらの因子のすべてのスプライス変異体、翻訳後修飾変異体、コンフォメーション、アイソフォーム及び種ホモログも包含すると理解すべきである。
【0268】
用語「miRNA」(マイクロRNA)は、ESC自己再生/分化及び細胞周期の進行に関するものを含む多くの細胞機能を標的mRNAの分解を誘導し、かつ/又は翻訳を防ぐことによって調節する真核細胞に見られる、21-23ヌクレオチド長の非コードRNAを指す。miRNAは、標的メッセンジャーRNA転写物(mRNA)上の相補的配列に結合する転写後調節因子であり、通常翻訳抑制又は標的分解及び遺伝子サイレンシングを起こす。適切な組み合わせのmiRNAは、in vitroで幹細胞特性を有する細胞への体細胞の直接的な細胞再プログラミングを誘導することができることが見出されている。例えば、miRNAクラスター302-367が体細胞再プログラミングを増強することが観察されている。
【0269】
好ましくは、幹細胞特性を有する細胞の発生を可能にする工程は、体細胞を胚性幹細胞培養条件下で、好ましくは多分化能性幹細胞を未分化状態に維持するのに適した条件下で培養することを含む。
【0270】
好ましくは、幹細胞特性を有する細胞の発生を可能にするために、細胞は、1種以上のDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤及び/又は1種以上のヒストンデアセチラーゼ阻害剤の存在下で培養される。好ましい化合物は、5’-アザシチジン(5’-azaC)、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)、デキサメタゾン、トリコスタチンA(TSA)、酪酸ナトリウム(NaBu)、スクリプタイド(Scriptaid)及びバルプロ酸(VPA)からなる群より選択される。好ましくは、細胞は、バルプロ酸(VPA)の存在下で、好ましくは0.5から10mM、さらに好ましくは1から5mM、最も好ましくは約2mMの濃度で培養される。
【0271】
本発明の方法は、任意のタイプの体細胞の脱分化を達成するために使用することができる。使用され得る細胞には、本発明の方法によって脱分化又は再プログラムすることができる細胞、特に、完全又は部分的に分化した細胞、さらに好ましくは最終分化した細胞が含まれる。好ましくは、体細胞は、前胚性、胚性、胎児性、及び出生後の多細胞生物に由来する二倍体細胞である。使用され得る細胞の例には、限定されないが、胎児及び新生児線維芽細胞又は成人線維芽細胞などの線維芽細胞、ケラチノサイト、特に初代ケラチノサイト、さらに好ましくは毛髪に由来するケラチノサイト、脂肪細胞、上皮細胞、表皮細胞、軟骨細胞、卵丘細胞、神経細胞、グリア細胞、星状細胞、心臓細胞、食道細胞、筋細胞、メラニン細胞、造血細胞、骨細胞、マクロファージ、単球及び単核細胞が含まれる。
【0272】
本発明の方法を用いることができる細胞は、任意の動物種、例えば哺乳類及びげっ歯類のものであってよい。本発明によって脱分化及び再分化することができる哺乳動物細胞の例には、限定されないが、ヒト及び非ヒト霊長類細胞が含まれる。本発明を実施することができる霊長類細胞には、限定されないが、ヒト、チンパンジー、ヒヒ、カニクイザル、及び任意の他の新旧世界ザルが含まれる。本発明を実施することができるげっ歯類細胞には、限定されないが、マウス、ラット、モルモット、ハムスター及びスナネズミの細胞が含まれる。
【0273】
本発明に従って調製された脱分化細胞は、多分化能性幹細胞と同じ要件の多くを示すと予想され、胚性幹細胞に使用される条件下、例えばES細胞培地又は胚細胞の増殖を助ける任意の培地で増殖及び維持することができる。胚性幹細胞は、培養液中の照射マウス胚線維芽細胞又はヒト線維芽細胞(例えばヒト包皮線維芽細胞、ヒト皮膚線維芽細胞、ヒト子宮内膜線維芽細胞、ヒト卵管線維芽細胞)などの不活性化胎児線維芽細胞上で維持すると、in vitroでその多能性を保持する。一実施態様において、ヒトフィーダー細胞は、直接分化によって再プログラムされた細胞の同じ培養物に由来する自己フィーダー細胞であってもよい。
【0274】
さらに、ヒト胚性幹細胞は、マウス胎児線維芽細胞によって条件付けされた培地中のマトリゲル上でうまく増殖させることができる。ヒト幹細胞は、長期間培養液中で培養することができ、特定の培養条件下では未分化のままである。
【0275】
特定の実施態様では、細胞培養条件は、細胞の分化を阻害し得るか、さもなければ細胞の脱分化を増強する(例えば、非ES細胞、栄養外胚葉又は他の細胞型への細胞の分化を防ぐ)ことができる因子と細胞を接触させることを含み得る。
【0276】
本発明に従って調製された脱分化細胞は、細胞の表現型の変化をモニターすることと、それらの遺伝子及びタンパク質発現を特徴付けることとを含む方法によって評価することができる。遺伝子発現は、RT-PCRによって決定することができ、翻訳産物は、免疫細胞化学及びウェスタンブロット法によって決定することができる。特に、脱分化細胞は、遺伝子発現のパターンを決定するために、かつ、再プログラムされた細胞が未分化多能性制御細胞、例えば胚性幹細胞の予期される発現パターンと同様の遺伝子発現のパターンを示すか否かを決定するために、トランスクリプトミックスを含む、当該技術分野で周知の技術を用いて特徴付けされ得る。
【0277】
この点に関して、脱分化細胞の以下の遺伝子の発現を評価することができる:OCT4、NANOG、成長及び分化因子3(GDF3)、発現低下タンパク質1(REX1)、線維芽細胞増殖因子4(FGF4)、胚細胞特異的遺伝子1(ESG1)、発生多能性関連2(DPPA2)、DPPA4、テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)、胚抗原3(SSEA-3)、SSEA-4、腫瘍関連抗原1-60(TRA-1-60)、TRA-1-81、及びTRA-2-49/6E。
【0278】
再プログラムされた細胞と比較され得る未分化又は胚性幹細胞は、分化した体細胞と同じ種由来でよい。あるいは、再プログラムされた細胞と比較され得る未分化又は胚性幹細胞は、分化した体細胞と異なる種由来であってもよい。
【0279】
いくつかの実施態様において、未分化細胞中で特異的に発現する特定の遺伝子が再プログラムされた細胞中でも発現する場合、再プログラムされた細胞と未分化細胞(例えば胚性幹細胞)との間に遺伝子発現パターンにおける類似性が存在する。例えば、分化した体細胞において通常は検出できない特定の遺伝子(例えばテロメラーゼ)を用いて、再プログラムの程度をモニターすることができる。同様に、特定の遺伝子については、発現ないことによって再プログラミングの程度を評価することができる。
【0280】
テロメラーゼ活性の誘導によって特徴付けられる自己再生能は、脱分化細胞においてモニターすることができる、幹細胞のもう一つの特徴である。
【0281】
核型分析は、有糸分裂細胞からの染色体スプレッド、スペクトル核型決定、テロメア長のアッセイ、全ゲノムハイブリダイゼーション又はその他当該技術分野で周知の技術を用いて実施することができる。
【0282】
本発明を用いて、適切な因子をコードするRNAが、1以上の体細胞に、例えばエレクトロポレーションによって組み込まれる。組み込み後、細胞は、脱分化細胞の維持を助ける条件(すなわち幹細胞培養条件)で好ましくは培養される。その後、脱分化細胞を増殖及び誘導し、細胞療法に必要な異なるタイプの体細胞に再分化させることができる。本発明により得られた脱分化細胞は、in vitro又はin vivoで1以上の所望の体細胞型に分化するように誘導することができる。
【0283】
好ましくは、本発明により得られた脱分化細胞は、3つの胚性胚葉、すなわち内胚葉、中胚葉及び外胚葉のいずれかからの細胞を生じ得る。例えば、脱分化細胞は、骨格筋、骨格、皮膚の真皮、結合組織、泌尿生殖器系、心臓、血液(リンパ細胞)、及び脾臓(中胚葉)、胃、結腸、肝臓、膵臓、膀胱;尿路の内側、気管の上皮部分、肺、咽頭、甲状腺、副甲状腺、腸(内胚葉);又は中枢神経系、網膜及び水晶体、脳及び感覚神経節、並びに脳及び感覚神経、色素細胞、頭部結合組織、表皮、毛髪、乳腺(外胚葉)に分化し得る。当該技術分野で既知の技術を用いて、本発明に従って得られた脱分化細胞をin vitro又はin vivoで再分化することができる。
【0284】
本発明の一実施態様では、本発明の方法から生じる再プログラミングされた細胞を用いて、分化した子孫を産生することができる。したがって、一態様において本発明は、(i)本発明の方法を用いて再プログラムされた細胞を得ること;及び(ii)再プログラムされた細胞の分化を誘導して分化した細胞を産生することを含む、分化細胞を産生するための方法を提供する。工程(ii)は、in vivoでもin vitroでも実施することができる。さらに分化は、添加され得るか、又はin situ、例えば再プログラムされた細胞が導入された体、臓器又は組織中に存在し得る適切な分化因子の存在によって誘導され得る。分化した細胞は、細胞、組織及び/又は臓器移植の分野で有利に使用される細胞、組織及び/又は臓器を得るために使用することができる。所望であれば、遺伝子修飾は、例えば再プログラミングの前に体細胞に導入することができる。本発明の分化細胞は好ましくは、胚性幹細胞又は胚性生殖細胞の多分化能を有さず、本質的に組織特異的な部分的に又は完全に分化した細胞である。
【0285】
本発明の方法の1つの利点は、本発明によって得られた再プログラミングされた細胞が細胞株の事前の選択又は精製又は樹立なしに分化され得ることである。したがって、特定の実施態様において、再プログラムされた細胞を含む不均一な細胞の集団は、所望の細胞型に分化される。一実施態様において、本発明の方法から得られた細胞の混合物を1以上の分化因子に曝露し、in vitroで培養する。
【0286】
本明細書に開示された方法によって得られた再プログラムされた細胞を分化させる方法は、再プログラムされた細胞の透過処理の工程を含んでもよい。例えば、本明細書に記載された再プログラミング技術又は再プログラムされた細胞を含む細胞の不均一混合物によって生成された細胞を、1以上の分化因子又は細胞抽出物又は分化因子を含む他の調製物に曝露される前に透過処理してもよい。
【0287】
例えば、分化細胞は、未分化の再プログラムされた細胞を少なくとも1の分化因子の存在下で培養し、培養物から分化細胞を選択することによって得ることができる。分化細胞の選択は、分化細胞上に存在する特定の細胞マーカーの発現などの表現型に基づくが、又は機能アッセイ(例えば特定の分化した細胞型の1以上の機能を実行する能力)によってもよい。
【0288】
別の実施態様では、本発明に従って再プログラムされた細胞は、それらのDNA配列の付加、欠失又は修飾によって遺伝子修飾される。
【0289】
本発明に従って調製された再プログラム若しくは脱分化された細胞、又は再プログラム若しくは脱分化された細胞に由来する細胞は、研究及び治療において有用である。再プログラムされた多能性細胞は、皮膚、軟骨組織、骨格筋(bone skeletal muscle)、心筋、腎臓、肝臓、血液及び造血、血管前駆体及び血管内皮、膵ベータ、ニューロン、グリア、網膜、神経、腸、肺及び肝臓細胞を含むがこれらに限定されない体内の細胞のいずれかに分化することができる。
【0290】
再プログラムされた細胞は、再生/修復治療に有用であり、それを必要としている患者に移植することができる。一実施態様において、該細胞は、患者の自己細胞である。
【0291】
本発明に従って提供される再プログラミングされた細胞は、例えば心臓、神経、内分泌、血管、網膜、皮膚、筋骨格障害及び他の疾患の治療における治療戦略において使用することができる。
【0292】
例えば、限定を意図していないが、本発明の再プログラムされた細胞は、年齢又はがん放射線療法及び化学療法などの切除療法が原因で自然細胞が枯渇した動物において細胞を補充するために使用することができる。別の非限定的な例では、本発明の再プログラムされた細胞は、臓器再生及び組織修復において有用である。本発明の一実施態様では、再プログラムされた細胞を使用して、ジストロフィーの筋肉(dystrophic muscle)及び心筋梗塞などの虚血事象によって損傷された筋肉を含む損傷された筋肉組織を再活性化することができる。本発明の別の実施態様では、本明細書に開示の再プログラムされた細胞は、外傷性損傷又は外科手術後に、ヒトを含む動物における傷跡を改善するために使用され得る。この実施態様では、本発明の再プログラムされた細胞は、静脈内などに全身投与され、損傷細胞によって分泌される循環サイトカインによって見出された、新たに外傷を受けた組織の部位に移動する。本発明の別の実施態様において、再プログラムされた細胞は、修復又は再生が必要な治療部位に局所的に投与されてもよい。
【0293】
本発明の一態様において、RNAなどの核酸は、エクスビボ法、すなわち患者から細胞を取り出し、前記細胞を遺伝子修飾し、修飾された細胞を患者に再導入することによって患者に投与される。トランスフェクション及び形質導入の方法は、当業者に既知である。
【0294】
用語「トランスフェクション」は、核酸、特にRNAの細胞への導入を指す。本発明の場合、用語「トランスフェクション」はまた、細胞への核酸の導入又は該細胞による核酸の取り込みを含み、ここで細胞は対象、例えば患者に存在し得る。したがって、本発明によれば、本明細書に記載の核酸のトランスフェクションのための細胞は、in vitro又はin vivoで存在することができ、例えば細胞は、患者の臓器、組織及び/又は生物体の一部を形成し得る。本発明によれば、トランスフェクションは、一過性又は安定であり得る。トランスフェクションのいくつかの用途では、トランスフェクトされた遺伝物質が一時的にしか発現されなくても、十分である。トランスフェクション法で導入された核酸は核ゲノムに通常組み込まれていないため、外来核酸は、有糸分裂によって希釈されるか、又は分解される。核酸のエピソーム増幅を可能にする細胞は、希釈度を大きく低下させる。トランスフェクトされた核酸が実際に細胞及びその娘細胞のゲノムに残っていることが望ましい場合、安定トランスフェクションが行われなければならない。RNAは、そのコードしているタンパク質を一過性に発現するように、細胞にトランスフェクトすることができる。
【0295】
本発明によれば、核酸を細胞に導入、すなわち移入又はトランスフェクトするのに有用な任意の技術を使用することができる。好ましくは、RNAは、標準的技術によってトランスフェクトされる。そのような技術には、エレクトロポレーション、リポフェクション及びマイクロインジェクションが含まれる。本発明の1つの特に好ましい実施態様では、RNAをエレクトロポレーションによって細胞に導入する。エレクトロポレーション又は電気透過処理(electropermeabilization)とは、外部から印加された電場によって引き起こされる細胞原形質膜の電気伝導率及び透過性の有意な増加を指す。これは通常、細胞に何らかの物質を導入する方法として、分子生物学において用いられる.本発明によれば、タンパク質又はペプチドをコードする核酸の細胞への導入が前記タンパク質又はペプチドの発現をもたらすことが好ましい。
【0296】
本発明によれば、核酸を特定の細胞に向けることができる。そのような実施態様では、細胞(例えばレトロウイルス又はリポソーム)に核酸を投与するために使用される担体は、結合標的分子を有し得る。例えば、標的細胞上の表面膜タンパク質に特異的な抗体などの分子、又は標的細胞上の受容体のリガンドは、核酸担体に組み込まれるか又は結合され得る。リポソームによる核酸の投与が望ましい場合、標的化及び/又は吸収を可能にするために、エンドサイトーシスに関連する表面膜タンパク質に結合するタンパク質をリポソーム製剤に組み込むことができる。このようなタンパク質には、特定の細胞型に特異的なカプシドタンパク質又はその断片、内部移行タンパク質に対する抗体、細胞内部位を標的とするタンパク質等が含まれる。
【0297】
「レポーター」は、レポーター遺伝子によってコードされ、レポーターアッセイで測定される分子、典型的にはペプチド又はタンパク質を指す。従来の系では通常、酵素レポーターを使用し、前記レポーターの活性を測定する。
【0298】
「多重クローニング部位」という用語は、制限酵素部位を含む核酸領域を指し、そのいずれか1つを、例えばベクターの切断及び核酸の挿入に使用することができる。
【0299】
本発明によれば、ヌクレオチド又はアミノ酸などの2つの要素は、それらが互いに直接隣接していれば、中断することなく連続している。例えば、連続するx個のヌクレオチドの配列Nは、配列(N)を指す。
【0300】
「制限エンドヌクレアーゼ」又は「制限酵素」は、特定の塩基配列内のDNA分子の両方の鎖におけるホスホジエステル結合を切断する酵素のクラスを指す。それは、二本鎖DNA分子上の認識配列と呼ばれる特異的結合部位を認識する。DNA中の前記ホスホジエステル結合が前記酵素によって切断される部位は、切断部位と呼ばれる。IIS型酵素の場合、切断部位は、規定のDNA結合部位からの距離に位置する。本発明によれば、用語「制限エンドヌクレアーゼ」は、例えば酵素SapI、EciI、BpiI、AarI、AloI、BaeI、BbvCI、PpiI及びPsrI、BsrD1、BtsI、EarI、BmrI、BsaI、BsmBI、FauI、BbsI、BciVI、BfuAI、BspMI、BseRI、EciI、BtgZI、BpuEI、BsgI、MmeI、CspCI、BaeI、BsaMI、Mva1269I、PctI、Bse3DI、BseMI、Bst6I、Eam1104I、Ksp632I、BfiI、Bso31I、BspTNI、Eco31I、Esp3I、BfuI、Acc36I、AarI、Eco57I、Eco57MI、GsuI、AloI、Hin4I、PpiI及びPsrIを含む。
【0301】
RNAの「安定性」という用語は、RNAの「半減期」を指す。「半減期」は、分子の活性、量又は数の半分を除去するのに必要な時間を指す。本発明の文脈において、RNAの半減期は、前記RNAの安定性を示す。
【0302】
本明細書に記載されるRNAなどの核酸は、特に本明細書に記載の治療のために使用される場合、核酸及び任意選択的に1種以上の薬学的に許容される担体、希釈剤及び/又は賦形剤を含む薬学的組成物又はキットの形態で存在し得る。
【0303】
薬学的組成物は、好ましくは無菌であり、有効量の核酸を含有する。
【0304】
薬学的組成物は通常、同一の剤形で提供され、当該技術分野で既知の方法で調製することができる。薬学的組成物は、例えば溶液又は懸濁液の形態であってもよい。
【0305】
薬学的組成物は、好ましくは薬学的に許容される塩、緩衝物質、防腐剤、担体、希釈剤及び/又は賦形剤を含むことができる。「薬学的に許容される」という用語は、薬学的組成物の活性成分の作用を妨害しない物質の非毒性を指す。
【0306】
薬学的に許容されない塩は、薬学的に許容される塩を調製するために使用することができ、本発明に含まれる。この種の薬学的に許容される塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸等から調製されるものを非限定的に含む。薬学的に許容される塩はまた、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩又はカルシウム塩として調製することができる。
【0307】
薬学的組成物における使用に適した緩衝物質には、塩中の酢酸、塩中のクエン酸、塩中のホウ酸及び塩中のリン酸が含まれる。
【0308】
薬学的組成物における使用に適した防腐剤には、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、パラベン及びチメロサールが含まれる。
【0309】
「担体」という用語は、適用を容易にし、増強し又は可能にするために活性成分と組み合わされる、天然又は非天然(合成)性の有機又は無機成分を指す。本発明によれば、用語「担体」には、患者への投与に適している、1種以上の適合性のある固体又は液体の充填剤、希釈剤又はカプセル化物質も含まれる。
【0310】
非経口投与用の可能な担体物質は、例えば滅菌水、グルコース溶液、リンゲル液、乳酸リンゲル液、滅菌塩化ナトリウム溶液、ポリアルキレングリコール、水素化ナフタレン、及び特に生体適合性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー又はポリオキシエチレン/ポリオキシ-プロピレンコポリマーである。
【0311】
本明細書で使用される場合、用語「賦形剤」は、薬学的組成物中に存在し、例えば担体、結合剤、滑沢剤、増粘剤、界面活性剤、防腐剤、乳化剤、緩衝剤、香味剤又は着色剤等の活性成分ではない物質を含む。
【0312】
本明細書に記載の薬学的組成物は、任意の一般的な経路、例えば注射又は注入を含む非経口投与によって投与することができる。投与は、好ましくは非経口的、例えば静脈内、動脈内、皮下、リンパ節内、皮内又は筋肉内である。
【0313】
非経口投与に適した組成物は通常、好ましくはレシピエントの血液と等張である活性化合物の滅菌水性又は非水性調製物を含む。適合性の担体及び溶媒の例は、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液である。さらに通常は、無菌の不揮発性油が、溶液又は懸濁培地として使用される。
【0314】
本明細書に記載の薬剤及び組成物は、好ましくは有効量で投与される。「有効量」は、所望の反応又は所望の効果を単独で又はさらなる用量と合せて得る量を指す。特定の疾患又は特定の状態の治療の場合、所望の反応は、好ましくは疾患の経過の阻害を指す。これは、疾患の進行を遅くすること、特に疾患の進行を中断又は逆行させることを含む。疾患又は状態の治療における所望の反応は、前記疾患又は前記状態の発症の遅延または発症の予防であってもよい。
【0315】
本明細書に記載の薬剤又は組成物の有効量は、治療される状態、疾患の重篤度、個々の患者のパラメーター(例えば年齢、生理学的状態、サイズ及び体重)、治療期間、付随する治療(存在する場合)、特定の投与経路、並びに類似の要因に依存する。したがって、本明細書に記載の薬剤の投与量は、これらのパラメーターのいくつかに依存し得る。患者における反応が初回用では不十分である場合、より高用量(又はより局所的な異なる投与経路によって得られる、より効果が高い用量)を使用することができる。
【0316】
本発明は、以下の図面及び実施例によって詳細に説明されるが、それは限定ではなく例示として解釈されるべきである。これらの説明及び実施例に基づいて、さらなる実施態様が当業者には理解可能であるが、それらも同様に本発明の範囲内である。
[実施態様1]
転写の5’ → 3’方向に、
(a) プロモーター;
(b) 転写可能な核酸配列又は転写可能な核酸配列を導入するための核酸配列;並びに
(c) 転写物中の3’非翻訳領域を、プロモーター(a)の制御下で転写される際にコードする核酸配列であって、前記3’非翻訳領域が以下からなる群より選択される核酸配列を含む、核酸配列:
(c-1) FCGRTの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-2) LSP1の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-3) CCL22の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-4) AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-5) PLD3の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-6)MT-RNR1の非コードRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-7) HLA-DRB4の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
及び
(c-8) (c-1)、(c-2)、(c-3)、(c-4)、(c-5)、(c-6)及び(c-7)の2つ以上の核酸配列、断片及び/又は変異体の任意の組み合わせ
を含む核酸分子。
[実施態様2]
プロモーター(a)の制御下にある核酸配列(b)及び(c)が、転写されて、転写可能な核酸配列(b)から転写された核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性を高めるほどに、核酸配列(c)から転写された核酸配列が活性である共通転写物を生じることができる、実施態様1に記載の核酸分子。
[実施態様3]
AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-4)が、配列番号86から89より選択される核酸配列からなる群より選択される核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を含む、実施態様1又は2に記載の核酸分子。
[実施態様4]
AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-4)が、配列番号86の核酸配列からなる群より選択される核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を含む、実施態様1から3のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様5]
MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-6)が、配列番号105から121より選択される核酸配列からなる群より選択される核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を含む、実施態様1から4のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様6]
MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-6)が、配列番号115の核酸配列からなる群より選択される核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を含む、実施態様1から5のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様7]
核酸配列(c-8)が、(c-1)、(c-2)、(c-3)、(c-4)、(c-5)、(c-6)及び(c-7)の2つ以上の同じか又は異なる核酸配列、断片及び/又は変異体の組み合わせを含む、実施態様1から6のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様8]
核酸配列(c-8)が、AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-4)と、MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-6)との組み合わせを含む、実施態様1から7のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様9]
AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-4)が、MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-6)に対して5’に位置する、実施態様8に記載の核酸分子。
[実施態様10]
AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-4)と、MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片(c-6)との組み合わせが、配列番号174の核酸配列からなる群より選択される核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片を含む、実施態様8又は9に記載の核酸分子。
[実施態様11]
Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である核酸配列を、プロモーター(a)の制御下で転写される際にコードする核酸配列(d)をさらに含む、実施態様1から10のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様12]
前記ポリアデニル配列が、少なくとも20個のAヌクレオチド、好ましくは少なくとも40個、少なくとも80個、少なくとも100又は少なくとも120個のAヌクレオチド、好ましくは連続Aヌクレオチドを含む、実施態様11に記載の核酸分子。
[実施態様13]
Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列が、2個以上の連続ヌクレオチドの、好ましくは任意の配列であり、2個以上の連続ヌクレオチドの前記配列の最初と最後のヌクレオチドが、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドである、実施態様11又は12に記載の核酸分子。
[実施態様14]
前記核酸配列(d)が、ヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に含むポリアデニル配列である核酸配列を、プロモーター(a)の制御下で転写される際にコードする核酸配列であり、かつ、大腸菌内で前記核酸分子が増殖すると、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に含むポリアデニル配列である前記核酸配列と同じ長さのポリアデニル配列を、プロモーター(a)の制御下で転写される際にコードする核酸配列(d)’を前記核酸配列(d)の代わりに含む核酸分子と比較して、より高い安定性を示す、実施態様11から13のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様15]
Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である前記核酸配列が、少なくとも80個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも90又は100個のヌクレオチドを含む、実施態様11から14のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様16]
Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列が、前記ポリアデニル配列の21位から80位、好ましくは21位から60位、さらに好ましくは31位から50位の領域内に位置する、実施態様11から15のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様17]
Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列が、前記ポリアデニル配列中の少なくとも20個のA残基の前及び/又は後ろにある、実施態様11から16のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様18]
Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列が、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも8個、好ましくは少なくとも10個、さらに好ましくは少なくとも15個のヌクレオチドの長さを有する、実施態様11から17のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様19]
Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列が、50個以下、好ましくは30個以下、さらに好ましくは20個以下のヌクレオチドの長さを有する、実施態様11から18のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様20]
Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの前記配列が、3個を超えない、好ましくは2個以下の、好ましくは連続していないA残基を含む、実施態様11から19のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様21]
プロモーター(a)の制御下にある核酸配列(b)、(c)及び(d)が、転写されて、共通転写物を生じることができる、実施態様11から20のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様22]
核酸配列(c)及び任意選択的に(d)から転写された核酸配列が、転写可能な核酸配列(b)から転写された核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性を高めるほどに活性である、実施態様21に記載の核酸分子。
[実施態様23]
転写物中、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である前記核酸配列が3’末端に位置する、実施態様11から22のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様24]
閉環状分子又は線状分子である、実施態様1から23のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様25]
転写可能な核酸配列が、ペプチド又はタンパク質をコードする核酸配列を含み、転写可能な核酸配列を導入するための核酸配列が、マルチクローニングサイトである、実施態様1から24のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様26]
(i)レポーター遺伝子;(ii)選択マーカー、及び(iii)複製開始点からなる群より選択される1以上の要素をさらに含む、実施態様1から25のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様27]
特に線状化後、RNA、特にmRNAのin vitro転写に適している、実施態様1から26のいずれか一項に記載の核酸分子。
[実施態様28]
鋳型として実施態様1から27のいずれか一項に記載の核酸分子を用いる転写、特にin vitro転写により得られるRNA。
[実施態様29]
5’ → 3’方向に、
(a) 5’非翻訳領域;
(b) ペプチド又はタンパク質をコードする核酸配列;並びに
(C) 以下からなる群より選択される核酸配列を含む3’非翻訳領域:
(c-1) FCGRTの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-2) LSP1の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-3) CCL22の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-4) AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-5) PLD3の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-6) MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(c-7) HLA-DRB4の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
及び
(c-8) (c-1)、(c-2)、(c-3)、(c-4)、(c-5)、(c-6)及び(c-7)の2つ以上の核酸配列、断片及び/又は変異体の任意の組み合わせ
を含む、RNA。
[実施態様30]
Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である核酸配列(d)をさらに含む、実施態様29に記載のRNA。
[実施態様31]
前記核酸配列(d)が前記RNAの3’末端に位置する、実施態様30に記載のRNA。
[実施態様32]
核酸配列(c)及び任意選択的に(d)が、ペプチド又はタンパク質をコードする核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性を高めるほどに活性である、実施態様29から31のいずれか一項に記載のRNA。
[実施態様33]
5’キャップ(e)をさらに含む、実施態様29から32のいずれか一項に記載のRNA。
[実施態様34]
(i)実施態様1から27のいずれか一項に記載の核酸分子を提供すること、及び
(ii)鋳型として前記核酸分子を用いてRNAを転写すること
を含む、RNAを得る方法。
[実施態様35]
(i) 実施態様34の方法に従って、ペプチド又はタンパク質をコードするRNAを得ること、及び
(ii) 前記RNAを翻訳すること
を含む、ペプチド又はタンパク質を得る方法。
[実施態様36]
核酸分子の転写の前に、核酸分子の切断をさらに含むことを特徴とする、実施態様34又は35に記載の方法。
[実施態様37]
(i) 転写される際に3’非翻訳領域をコードする核酸配列(b)を、ペプチド又はタンパク質をコードする核酸配列を含む転写可能な核酸配列(a)の3’末端でカップリングすること、及び、
(ii) 得られた核酸を転写すること
を含み、
前記3’非翻訳領域が、
(b-1) FCGRTの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(b-2) LSP1の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(b-3) CCL22の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(b-4) AESの3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(b-5) PLD3の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(b-6) MT-RNR1のノンコーディングRNAの核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
(b-7) HLA-DRB4の3’非翻訳領域の核酸配列、その断片又は前記核酸配列の変異体若しくは断片;
及び
(b-8) (b-1)、(b-2)、(b-3)、(b-4)、(b-5)、(b-6)及び(b-7)の2つ以上の核酸配列、断片及び/又は変異体の任意の組み合わせ
からなる群より選択される核酸配列を含む、RNAを得る方法。
[実施態様38]
核酸配列(a)及び(b)が、転写されて、転写可能な核酸配列(a)から転写された核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性を高めるほどに、核酸配列(b)から転写された核酸配列が活性である共通転写物を生じることができる、実施態様37に記載の方法。
[実施態様39]
Aヌクレオチド以外のヌクレオチドを含有する、1個以上の連続ヌクレオチドの配列をポリアデニル配列内に任意選択的に含むポリアデニル配列である核酸配列を、転写される際にコードする核酸配列(c)を、核酸配列(b)の3’末端でカップリングすることをさらに含む、実施態様37又は38に記載の方法。
[実施態様40]
核酸配列(a)、(b)及び(c)が、転写されて、転写可能な核酸配列(a)から転写された核酸配列の翻訳効率及び/又は安定性を高めるほどに、核酸配列(b)及び任意選択的に(c)から転写された核酸配列が活性である共通転写物を生じることができる、実施態様39に記載の方法。
[実施態様41]
実施態様37から40のいずれか一項に記載の方法によってRNAを得ること、及び
(ii)前記RNAを翻訳すること
を含む、ペプチド又はタンパク質を得る方法。
[実施態様42]
転写がin vitroで行われる、実施態様34から41のいずれか一項に記載の方法。
[実施態様43]
実施態様34、36から40及び42のいずれか一項に記載の方法によって得ることができるRNA。
[実施態様44]
実施態様28から33及び43のいずれか一項に記載のRNAを翻訳することを含む、ペプチド又はタンパク質を得る方法。
[実施態様45]
宿主細胞をトランスフェクトするための、実施態様28から33及び43のいずれか一項に記載のRNAの使用。
[実施態様46]
宿主細胞が抗原提示細胞、特に樹状細胞、単球又はマクロファージである、実施態様45に記載の使用。
[実施態様47]
ワクチン接種のための、実施態様28から33及び43のいずれか一項に記載のRNAの使用。
[実施態様48]
体細胞を幹細胞特性を有する細胞に再プログラミングするための、実施態様28から33及び43のいずれか一項に記載のRNAの使用。
【図面の簡単な説明】
【0317】
図1】in vivo選択プロセスの概要 出発ライブラリーを調製するために、ヒトの未成熟樹状細胞を、転写阻害剤であるアクチノマイシンDの存在下で5時間増殖させ、安定したRNAを予め選択した。残りの細胞mRNAを抽出し、Poly(A)Purist Kit(Ambion)を用いて精製し、次にNuclease P1(Roche)で断片化した。このために、10μgのRNAを、8μLの50mM NaAc緩衝液(pH5.5)中の0.3UのNP-1と45分間、24μLの総反応体積でインキュベートした。RNeasyカラム(Qiagen)で精製を経て、断片をcDNAに逆転写する準備が整った。規定のプライマー配列とNotI制限部位とを有する六量体プライマー及びRevertAid Premium第1鎖cDNA合成キット(Fermentas)を使用し、そのプロトコールに従って第1及び第2の鎖合成を行った。5’オーバーハングを埋め、かつ、3’オーバーハングを除去するために、次にcDNAを12.5UのT4 DNAポリメラーゼと15℃で5分間インキュベートした。5μLの0.5mM EDTA、pH8.0を添加して反応を停止させ、NucleoBondカラム(Macherey-Nagel)を用いてcDNAを精製した。NotI(NEB)を用いたcDNAライブラリーの消化は、平滑で粘着性の末端を有する断片を産生した。さらに、150bpsより小さいすべての断片を確実に除去するために、ゲル調製物による断片のサイズ選択を行った。ライブラリーのクローニングのために、パネルAに示したようなベクターを、EcoRV及びNotIで消化して、平滑で粘着性の末端をそれぞれ残した。次の工程で、ライブラリーをT4 DNAリガーゼ(Fermentas)を用いてベクターにライゲートした。表4の、PhusionTMHot Start High-Fidelity DNA Polymerase(Finnzymes)を用いるPCR用の鋳型として、ライゲーション混合物をそのまま使用した。表5にあるように、精製後、T7転写の鋳型としてPCR産物を用いた。インキュベーションは37℃で行った。30分経過毎に、0.75μLの100mM GTPを反応に加えた。TURBO DNase(2U/μL、Ambion)を添加し、37℃でさらに15分間インキュベートすることにより、2.5時間後に反応を停止した。最終的にRNeasyカラム(Qiagen)により反応をクリーンナップした。RNAライブラリーはその後、以前に記載されたように(Kuhnら、2010)、hiDCへのRNAのエレクトロポレーションから始める選択手順のために使用することができる。選択のための培養の後、RNeasyカラム(Qiagen)を使用し、製造者の指示書に従ってRNAの抽出及び精製を行った。次にRNAを、製造者の指示書に従ってSuperscriptII逆転写酵素(Invitrogen)及びdT18プライマーを使用するcDNA合成の鋳型として使用した。次にcDNAを上記のようなPCRの鋳型として使用した。最後に、PCR産物は、次の選択ラウンド(パネルB)を開始するのに、T7転写の鋳型として使用することができる(上記参照)。DNA/cDNA及びRNAサンプルの品質管理は、それぞれアガロースゲル及びAGILENT 2100バイオアナライザーによって行った。
図2】luc2CPmutベクター内のサンプルの外観の略図 (A)単一要素又は2つの(上流及び下流の)要素を、3’-UTRとして所与のベクターにクローン化した。コントロールサンプルNEG(3’UTRを挿入しないネガティブコントロール)、hBg及び2hBgも示す。選択ラウンドのためのRNAの調製。(B)hiDCにおけるエレクトロポレーションのために、ベクターを、T7プロモーター及びポリ(A)テールを含む伸長プライマーを用いるPCRの鋳型として使用した。次に、PCR産物をT7-in vitro合成の鋳型として使用して、それぞれのIVT-RNAを産生した。
図3】選択された配列がluc2CPmutをコードするRNAの安定性に及ぼす影響 ヒト未成熟樹状細胞(NEGは図2に記載の通り)へのエレクトロポレーションの際の本発明者らの至適基準(gold-standard)である2hBgと比較した、3’UTRに選択された配列を含有するRNAのルシフェラーゼ活性、半減期及び総タンパク質の経時変化を示す結果。上のパネルは、3’UTRを有する、示した3つの例示的RNAの経時変化を示す。左下のパネルには、それぞれの3’UTRを有する、示したRNAの半減期が、2hBgのRNAと比較して示されている。同様に、2hBGを有するRNAと比較した相対総タンパク質発現が右下パネルに示されている。
図4】レポーター遺伝子としてのluc2mutと、新たに選択された3’-UTRとを用いた代表的なルシフェラーゼ活性 図示されている3’UTRを有するRNAのヒト未成熟樹状細胞へのエレクトロポレーションの後、ルシフェラーゼ活性を72時間かけて測定した。
図5】線維芽細胞へのIVT-RNAを用いたエレクトロポレーションの代表的な結果 左パネル:luc2CPmutベースのベクター。右パネル:luc2mutベースのベクター。
図6】T細胞へのIVT-RNAを用いたエレクトロポレーションの代表的な結果 一番左のパネルは、CD4+及びCD8+T細胞における、FI 3’UTRを有するRNAの相対総タンパク質発現を、2hBGを有するRNAと比較して示している。同様に、CD4+及びCD8+T細胞における、FI 3’UTRを有するRNAの相対的翻訳効率及びmRNA半減期を、2hBGを有するRNAと比較して、中央及び右端のパネルにそれぞれ示している。
図7】修飾されたヌクレオチドを有するRNAを試験するためのRNAアーキテクチャ-及び完全性 A:ルシフェラーゼアッセイに用いたRNAは、ここに示すように構築した。5’キャップとして、β-S-ARCA(D2)を用いた。5’UTRとして、Kozak配列を含むヒトアルファグロビン5’UTRを用いた。ホタルルシフェラーゼ遺伝子の後、比較される2つの3’UTRをクローン化した。ポリAテールとして、A30L70配列を用いた。 B:トランスフェクションの前に、2100 Bioanalyzer(Agilent)でRNAの完全性をチェックした。すべてのRNAは、十分に高くかつ同等の完全性を有しており、したがって実験に使用することができた。
図8】in vivoでのRNA安定性及び機能性に対するFI 3’UTRの効果 FI 3’UTR又は2hBg 3’UTRを含有するルシフェラーゼ及びgp70 mRNAをF12とともに製剤化し、BALB/cマウスにi.v.投与した。ルシフェラーゼmRNA投与後、6時間後及び24時間後に発現をモニターし、0日目及び6日目にgp70 mRNAを投与し、10日目にCD8及びgp70 tet+染色により免疫活性化を分析した。 A) FI 3’UTR又は2hBg 3’UTRを含有する非修飾及びm1Y修飾mRNAの注射の6時間後及び24時間後のルシフェラーゼ発現レベルを示す。FI 3’UTR又は2hBg 3’UTRを含有する非修飾及びm1Y修飾mRNAの双方とも、2hBg 3’UTR含有の対応するmRNAと同等の発現レベルを示している。 B) FI 3’UTR又は2hBg 3’UTRを含有するgp70 mRNAに応答するgp70特異的CD8 T細胞のパーセンテージを示す。2つの3’UTRは、FI 3’UTRを含有するgp70 mRNAを受け取ったマウスの脾臓における抗原特異的CD8 T細胞の有意な増加を伴って、2回の免疫化後に抗原特異的免疫を誘導するのにも同様に良好に機能する。 統計:一方向ANOVA及びTukeyのポストテスト、p<0.05
図9】自己複製RNAの安定性に対する安定化UTRの効果 非細胞傷害性セムリキ森林ウイルス由来の自己複製(レプリコン)RNAの3’保存配列要素のすぐ上流に、不安定化ルシフェラーゼ(Luc2CP)をクローン化した。レプリコンRNAは、対応する線状プラスミドからのin vitro転写によって調製され、細胞にエレクトロポレーションされた。ルシフェラーゼ発現は、発光基質を96時間から120時間添加することによって測定した。(A)BHK21細胞を用いた代表的な実験におけるルシフェラーゼ発現の経時変化。(A)ヒト包皮線維芽細胞(HFF)を用いた代表的な実験におけるルシフェラーゼ発現の経時変化。放出されたI型インターフェロンの細胞傷害性を減少させるために、ワクシニアウイルスB18R mRNAを各サンプルにコトランスフェクトした。プロテインキナーゼR活性化を阻害し、翻訳の全体レベルを高めるために、ワクシニアウイルスE3 mRNAを各サンプルに同時トランスフェクションした。
図10】FI要素内の相同性ストレッチ 下線を引いた配列ストレッチは、互いに塩基対であることが予測された。「8nt突然変異」コンストラクトについては、第1の要素を第2の要素との相互作用を破壊するように、aaagggcuへと突然変異させた。
図11】2hBgUTRを用いたPCR鋳型ベースのIVTにおけるアーチファクト A:PCRによるIVT鋳型作成の略図5’プライマーはT7プロモーターの上流でアニールし、3’プライマーは120ntポリAテールを含有し、かつ、プラスミドコードされたポリA及び3’UTRの一部までアニールする。2hBgUTRの場合、最初の反復までアニーリングすることによるミスプライミングが起こり得る。B:2hBgUTRを含有する、プラスミド由来のPCR産物赤い矢印は副産物を示しており、1hBgのトランケーションを表す。C:したがって、このようなPCR産物から転写されたRNAは、短縮された副産物を生じる(矢印)。D:3’UTRとしてFI要素を含有する、プラスミド由来のPCR産物を得る。副産物は見えない。E:得られるmRNAは、さらなる副ピークを全く伴わずに、期待される高い完全性を有する。
図12】トランケートされたUTR要素の略図及び対応するmRNAコンストラクトの半減期 図Aの上のパネルは、トランケートされた変異体によって占められた、配列番号86のF要素の完全長配列の核酸位置に対する、トランケートされたUTR要素の略図を示す。 図Aの下のパネルは、配列番号86のF要素の完全長配列を含むmRNAに対する、トランケートされたUTRを含むmRNAの相対的半減期を示す。ルシフェラーゼレポーターをコードするmRNAをhiDCにエレクトロポレーションし、それらの発現をルシフェラーゼ測定によって経時的に追跡し、相対的RNA半減期を決定した。 図Bの上のパネルは、トランケートされた変異体によって占められた、配列番号115のI要素の完全長配列の核酸位置に対する、トランケートされたUTR要素の略図を示す。 図Bの下のパネルは、配列番号115のI要素の完全長配列を含むmRNAに対する、トランケートされたUTRを含むmRNAの相対的半減期を示す。ルシフェラーゼレポーターをコードするmRNAをhiDCにエレクトロポレーションし、それらの発現をルシフェラーゼ測定によって経時的に追跡し、相対的RNA半減期を決定した。
図13】ランダムUTRに対するF、I又はFI要素を含むmRNAコンストラクトの相対的半減期及びタンパク質発現 図13は、ランダムUTRに対するF、I又はFI要素を含むmRNAコンストラクトの相対的半減期及びタンパク質発現を示す。この完全長の個々のF及びI要素、並びにFIの組み合わせをランダム3’ UTR(長さ257nt)に対して比較した。全要素は、ルシフェラーゼをコードするコンストラクトにクローン化され、in vitroでmRNAに転写され、hiDCにエレクトロポレーションされ、ルシフェラーゼ発現が経時的に測定され、相対的半減期及び総タンパク質発現が算出された。
図14A-B】細胞再プログラミングのためのUTR要素 図14Aは、初代ヒト包皮線維芽細胞の再プログラミングのタイムラインを示す。40000個の細胞を2ウェルプレートに播種し、各0.08μgのB18R、E3及びK3(EKB)、並びにmiRNA 302a-dと367とからなるmiRNA混合物0.17μg(1:1:1:1:1:1)を含む、再プログラミングTF OCT4、SOX2、KLF4、cMYC、NANOG及びLIN28(OSKMNL)(1:1:1:1:1:1)をコードする非修飾in vitro転写(IVT)-RNA0.33μgからなるmRNA混合物で、3日間(3x)又は4日間(4x)連続してリポフェクションした。したがって、RNAコンストラクトは、ヒトβ-グロビン3’UTR(2hBg)、F-I要素(FI)又はI-F要素(IF)のタンデム反復からなる3’UTRにおいてのみ異なっていた。9日目以降、コロニー形成が観察され、コロニーの分析がd11で行われた。 図14Bは、樹立したコロニーのアルカリホスファターゼ(AP)染色を示す。
図14C図14Cは、対応する棒グラフで、AP陽性コロニーの計数を表す。
図14D-F】図14Dは、FI-UTRを含有するRNAを用いて得られたiPS細胞コロニーの形態を示す。それは、はっきりと区別できるコロニー及び明確に画定された境界内にきつく充填された小さな細胞を含むhES細胞様であった。 図14Eは、Dと同様に調製されたコロニーの、APに対して陽性に染色されたものを4倍及び10倍の倍率で示している。 図14Fは、Dと同様に調製されたコロニーの、hES細胞表面マーカーTRA-1-60の生体染色(live staining)を示す。
図14G図14Gは、コロニーをペレット化し、全RNAを単離し、qRT-PCRで定量することによって評価した、hESマーカーOCT4(内因性)、NANOG(内因性)、LIN28(内因性)、TERT及びREX1のmRNA発現を示す。
【実施例
【0318】
実施例1: mRNAを安定させる配列要素の同定
本発明者らは、mRNAを安定させる新規配列要素を同定するために、in vitro転写RNAの選択的環境としてhiDCを用いるin vivo選択プロセスを開発した。出発RNAライブラリーは、hiDC由来の天然に存在するmRNA配列を用いて構築した。RNA単離の前に、細胞を、転写阻害剤アクチノマイシンD(ActD)の存在下で5時間増殖させて、安定したRNAを予め選択した。その後、残りのmRNAを抽出し、200~800ヌクレオチドの断片に短縮し、逆転写し、hAg 5’UTR配列と、選択プロセスの基礎として選択されたレポーター遺伝子とを有するベクター中で、3’-UTRとしてクローン化した。それに続くライブラリーのmRNA転写に使用されるDNA鋳型をPCRで増幅し、その間に5’プライマーを介しT7プロモーターを、3’プライマーを介しA60ポリAテールを導入した。次いで、数ラウンドのライブラリーのin vitro転写の、対応するRNAのhiDCへのエレクトロポレーション、及び規定の時点後の安定した配列の抽出および増幅からなるin vitro選択プロセスに、転写されたmRNAを導入した。選択配列の増幅は、cDNA合成後、特異的プライマーを用いるPCRで行った。それに続いて、得られたPCR産物を新たなmRNAライブラリーの鋳型として使用した。これは、残りのRNAをラウンド1では24時間後、ラウンド2と3では48時間後、ラウンド4と5では72時間後、最後にラウンド6では96時間後、1週間後及び2週間後(エレクトロポレーションの際に細胞を3つの部分に分け、所定の時点で個別に収穫した)に抽出して、6ラウンド行われた。
1から5ラウンド後の選択プロセスのモニタリングは、対応するRNAプールの平均半減期の有意な増加を示したが、これは、安定化3’-UTR要素の濃縮を示す(表1)。しかし、安定性の増加は、後のラウンドになるほど顕著ではなかった。したがって、RNAを96時間後、1週間後及び2週間後に細胞から抽出した最後の第6ラウンドの後、選択プロセスを停止した。選択配列を特徴付けるために、350個を超える個々のクローン、すなわち第5ラウンドから108個、第6/96時間ラウンドから88個、第6/1週間ラウンドから110個、及び第6/2週間ラウンドから96個を配列決定した。それらのゲノム起源を同定するために、すべての配列を互いに比較し、BLAST処理した。ここでは特に、配列が内因性の5’-又は3’UTRに由来するのか、又はコード領域に由来するのかを検討した。最後に、hiDCにおける発現レベルをNextBio(Illumina)からダウンロードした。全部で、7つの群を同定することができ、それらは、(i)複数の配列が見出されたもの、(ii)内因性RNAの3’UTRに由来するか、又は内因性非コードRNAに由来するもの、及び(iii)hiDCにおいて明確に発現したものであった(表2)。これらは、次の遺伝子に由来する:IgGのFc断片、受容体、輸送体、アルファ(B、FCGRT、NM_001136019)、リンパ球特異的タンパク質1(D、LSP1、NM_002339)、ケモカインリガンド22(Chemokine ligand 22)(E、CCL22、NM_002990)、スプリットのアミノ末端エンハンサー(F、AES、NM_198969)、ホスホリパーゼDのファミリーメンバー3(G、PLD3、NM_001031696)、ミトコンドリアコード化12SRNA(I、MT_RNR1、NC_012920)、主要組織適合複合体クラスII DRベータ4(J、HLA-DRB4、NM_021983)。簡潔にするために、以下では、これらの要素の略語として括弧内の大文字BからIを使用することに留意されたい。重要なこととして、すべての場合において、ある1つの配列を有する複数のクローンは、正確な5’及び3’末端が異なり、これは、それらが異なる開始クローンに由来し、プロセス中に単に人工的に濃縮されているわけではないことを証明している(スクリーニングで同定された完全な配列表については、別添を参照のこと)。
【0319】
実施例2: 同定した個々の配列要素の特徴付け
同定した配列要素の特徴付けのために、各群の代表候補が1つ選択された(配列の詳細は別添に記している)。次いで、ルシフェラーゼレポーター遺伝子を有するベクター中で3’-UTRとして、この配列をクローン化した。このルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現レベルは、細胞への移行時に経時的に分析することができる。タンパク質について観察された発現パターンから、RNAの相対的安定性及び翻訳効率が正確に推測され得ることが以前に証明されている(Kuhn 2010 Gene Ther)。この実験で使用した特異的レポーターluc2CPmutは、不安定化した形態のルシフェラーゼ(Promega)である。これにより、RNAの安定性のわずかな変化さえも検出することが可能になる。その後、これらのベクターに由来するin vitro転写RNAを、RNA安定性及び翻訳効率に関して、本発明者らの至適基準mRNA、すなわち2hBg 3’-UTRを含有するものと比較した。コントロールサンプルとして、3’-UTRを含まないin vitro転写RNA(すなわち、インサートをクローニングするために使用される配列のみを含有する)及び、単一のベータグロビン要素のみを有するもの(1hB)を使用した。
UTR含有ベクターから開始して、転写される領域を、T7プロモーターを含有する5’プライマーと、60ヌクレオチドのポリ(A)テールを有する3’プライマーとを用いてPCRにより増幅した。AGENCOURT AMPURE XP(Beckman Coulter)を用いて、PCR断片のクリーンナップを行った。0.6容量のビーズを、各PCR反応に加え、混合した。RT PCRでの15分間のインキュベーションの後、ビーズに結合したPCR産物を過剰のプライマー、ヌクレオチド、塩及び酵素から磁気スタンドによって分離した。ビーズを80%エタノールで30秒間2回洗浄して、不純物をさらに除去した。所望のPCR産物を最終的に30μLのddH2Oで2回溶出し、対応するRNAのin vitro転写用の鋳型として使用した。in vitro転写のために、T7 RNAポリメラーゼ(Fermentas)、それぞれの反応緩衝液及び6mMのNTPを使用した。RNAの効率的なキャッピングのために、GTP濃度を1.5mMに低下させ、6mMのβ-S-ARCA(D2)を反応物に添加し、37℃で2.5時間インキュベートした。RNAをカルボキシル化磁気ビーズ(Invitrogen)によって精製し、2100Bionanalyzer(Agilent)での分光測光及び分析によりRNA濃度及び品質を評価した。
すべての新たな配列は、スクリーニング手法でのそれらの同定と一致して、RNA安定性に関して2hBgと比較して、それと非常に類似した特性を示した(最高がI群(mtRNR1))(図3;表3)。重要なこととして、各個々の要素は、3’-UTRを含まないRNAと比較しても、さらにベータグロビン要素の単一コピーのみを有するRNAと比較しても、RNA安定化を与えた。翻訳効率は、RNA安定性と経時的に発現した総タンパク質との間の直接的な相関関係によって観察されるように、有意な影響を受けなかった。
【0320】
実施例3: 個々の配列要素の組み合わせ
さらなる実験では、各群の単一の配列を対にして互いに組み合わせた(図2)。この背後にある理論的根拠は、2つの3’-UTRの組み合わせがRNAの安定性及び翻訳効率にさらなる効果を及ぼすという、本発明者らの以前の所見であった(Holtkamp et al. 2006)。RNAの安定性及び翻訳効率は、測定されたルシフェラーゼ値をスプラインで補間することによって算出し、このスプラインの最も急な上昇勾配を、翻訳効率及び安定性としてのシグナルの半減期として定義した。補間したスプラインの積分は、総タンパク質発現と解釈される。合計で64の組み合わせ、すなわち7つの新たに同定された配列及びヒトベータグロビン3’-UTRの、可能な全組み合わせをクローン化した(表6)。上記のように、これらの鋳型DNAからRNAを調製し、その後hiDCにエレクトロポレーションした。コントロールとして、個々の要素を含有するRNAも含めた。7つの新たな要素の大部分について、他の要素との少なくとも1つの組み合わせが、単一の要素よりも高い安定性を有するRNAを与えることが観察された(表7から表13)。興味深いことに、殆どの場合、I要素(mtRNR1)との組み合わせがRNAの半減期を増加させた。ここで、このRNAの安定性は、2hBg 3’-UTRを有するRNAと比較して、概して高かった(表7から表13)。殆どすべての組み合わせが、RNAの翻訳効率にプラス効果を及ぼした。総じて、RNA安定性及び翻訳効率に対する組み合わせ効果は、総タンパク質発現の最大1.74倍の増加をもたらす。したがって、本発明者らは、安定性及び/又は翻訳効率が高まったRNAを生じる2つの異なる要素の組み合わせの他に、(233個ヌクレオチド未満の長さを有する)単一要素を同定することができたが、しかし同時に、2hBgに関して上述したような1つの要素の同一のコピーを2つ有することの問題を回避した。
不安定化した形態のルシフェラーゼで得られた結果を確認するために、先の実験を、標準的なルシフェラーゼ(Promega)と、次の選択された3’-UTR:mtRNR1(I)、mtRNR1-AES(IF)、AES-mtRNR1(FI)、mtRNR1-hBg(IhBg)及びhBg-mtRNR1(IhBg)を有するRNAで繰り返した。図4と表14に示すように、新たな要素が個々に又は組み合わさって、2hBg要素と同様にmRNA安定性及び/又は翻訳効率を高めることを立証する、上で観察されたのと同等の結果が得られた。
【0321】
実施例4: 他の細胞型における選択配列要素を有するmRNAの分析
また、新たに選択された3’-UTR mtRNR1及びAESを、異なる細胞型及び細胞株においてhiDC特異性があるかどうかを調べるために試験した。これらの配列を、ヒト線維芽細胞(HFF)、マウス筋芽細胞(C2C12)(図5)、及びT細胞(図6)において試験し、配列がこれらの細胞においても安定化しているかどうかを評価した。
HFF及びC2C12細胞を採取し、エレクトロポレーション用に調製した。次に2.0μgのIVT-RNAを、示された3’UTRを含有する、GFPをコードする1.0μgのRNAと一緒にエレクトロポレーションした。エレクトロポレーションの後、細胞を分割した。ウェルあたり5000個の細胞を合計7つの時点(2、4、8、24、48及び72時間)のために96ウェルプレートに三連で分配し、ルシフェラーゼ活性を測定した。ウェルあたり2E+05細胞を6ウェルプレートに播種し、24時間後にFACSで採取した(GFPシグナル)。これは、トランスフェクション効率のモニタリングを可能にした。トランスフェクション効率は、72から90%の間で異なっており、半減期の算出に組み込むことができた。HFF及びC2C12、並びにT細胞で得られた結果により、hiDCで以前に得られた結果が確認された。IとFとの組み合わせは特に、半減期に関して、2hBgと比較して2~3倍勝っていた。さらに、FIは、本発明者らの至適基準と比較して、経時的にC2C12細胞における3倍勝る翻訳効率及び2倍勝るタンパク質産生を示した。これらの結果は、I及びFはhiDC特異的ではないが、他の細胞におけるmRNA安定性及び翻訳効率も高めることを示した。
【0322】
実施例5: FI 3’UTRは、修飾mRNAからの発現を増加させる。
タンパク質補充療法を含むいくつかの用途では、修飾ヌクレオチドを有するmRNAが、その免疫原性の低さのために、非修飾mRNAよりも好ましい(Kariko et al., 2008)。しかしながら、塩基修飾は、対応するRNA結合タンパク質との相互作用に直接影響を及ぼすことによって、又はRNAの二次構造形成を変化させることによって、mRNAの安定性に効果を生じる可能性がある。したがって、選択された3’UTRは、修飾mRNAとの関連で異なる挙動を示すかもしれない。したがって、本発明者らは、FとIの組み合わせを、hiDC、HFF、CD8+及びCD4+T細胞において、また、マウスMEF、C2C12及びbmDCにおいて、m1Y修飾mRNAとの関連で、2hBgUTRと比較した。レポーターとして、ルシフェラーゼを使用した(コンストラクト設計については図7A参照)。修飾mRNAの生成のために、IVT反応において、Uをm1Yで完全に置換した。すべての実験において、非修飾RNAをコントロールとして含めた。得られたmRNAの完全性は、UTPとm1YTPとの交換によって影響されなかった(図7B)。表15に記載の設定を用いて細胞をエレクトロポレーションし、ルシフェラーゼレベルを3、6、12、24、48、72、96時間時点で測定した。
非修飾ルシフェラーゼmRNAのエレクトロポレーションは、以下のように、先に見られた効果を再現することができた。すべての細胞型で、FI要素は、RNA安定性を伝達することにおいて2hBgコントロールと同等又はそれに勝っていた(表16A)。マウスDC及びヒトT細胞において、mRNA半減期は、2つの3’UTR間で同等であったが、FI要素は、HFF細胞においてmRNA半減期を1.69倍まで増加させた。総タンパク質量は、すべての細胞株において増加し、HFF細胞で顕著であった(2.45倍)。
修飾mRNAについても、FI要素は、hiDCにおける2hBgと比較したmRNA半減期の増加をもたらし、総タンパク質量は2倍を超えて増加した(表16B)。他の細胞型の結果も、以下のように、非修飾mRNAで得られた結果と同様である。FI要素は、HFF、MEF及びC2C12細胞に関するすべての実験において、2hBgに勝り、T細胞及びマウスDCにおいては同等であった(表16B)。したがって、U修飾は、FI要素がmRNAを安定化する能力を変化させない。
【0323】
実施例6: FI 3’UTRは、トランスフェクション法にかかわらずmRNAからの発現を増加させる。
これまで、トランスフェクション法としてエレクトロポレーションを用いてすべての実験を行った。エレクトロポレーションでは、送達されるmRNAは、リポフェクションによるトランスフェクションの際に採られるエンドソーム取り込み経路を回避して、細胞質に直接到達する。FI要素がこれらの条件下でも機能するかどうかを確認するために、トランスフェクション試薬としてRNAiMAXを用い、先の実験で使用したのと同じFI及び2hBg含有ルシフェラーゼmRNAで細胞をリポフェクションした。リポフェクションでも、FI要素はルシフェラーゼ発現を増加させたが、RNAがエレクトロポレーション(タブ16C)により送達された実験と比較して増加はあまり顕著ではなかった(表16C)。したがって、トランスフェクション法は、FI要素の安定化効果に影響を及ぼさない。
【0324】
実施例7: FI 3’UTR及び2hBgUTR含有mRNAは、同等のタンパク質発現及びin vivo免疫活性化をもたらす。
in vivoでのFI 3’UTRを含有するmRNAからのタンパク質発現を評価するために、先の実験で使用したのと同じFI及び2hBg含有ルシフェラーゼmRNAをF12を用いて製剤化し、BALB/cマウスにi.v.で投与した。図8に示すように、ルシフェラーゼ発現は、双方の3’UTRで同等であった。抗原特異的免疫応答も同等程度まで誘導され、FI 3’UTR含有mRNAの効果は、脾臓の方がわずかに強かった。
【0325】
実施例8: IF UTRは、in vitroでの自己複製の安定性の増加をもたらす。
アルファウイルスゲノムに由来するin vitro転写自己複製RNA(レプリコンRNA)は、強力なワクチンベクターである。レプリコンRNAは、レプリコンRNAの細胞質複製(レプリカーゼ)に必要な酵素複合体の最初の3分の2をコードする。このレプリカーゼは、サブゲノムRNAのレプリカーゼ依存的合成のためのサブゲノムプロモーターとして作用するRNAの内部構造を認識する。ワクチン接種のための導入遺伝子又は抗原は、このサブゲノムRNA上にコードされ、レプリコン全体よりも有意に短い。全体として、ゲノムRNA(すなわち全長レプリコンRNA)とサブゲノムRNAの双方が、細胞mRNAを再構成する。双方ともUTRに隣接しており、双方ともキャップされ、ポリアデニル化されている。キャッピング及びポリアデニル化の原因となる酵素は、レプリカーゼ酵素複合体に含有されている。UTR内の保存配列エレメント(CSE)は、5’CSEの場合はレプリカーゼのORFと重複しているが、レプリカーゼの結合に必要であり、マイナス鎖合成(3’CSE)又はプラス鎖合成(5’CSE).のためのプロモーターとして作用する。
非複製in vitro転写mRNAについて同定され、検証された新規安定化UTRがレプリコンRNAのより高い安定性をもたらし、その結果より高い導入遺伝子発現をもたらすか否かを評価するために、本発明者らは、それぞれの配列をレプリコンRNA鋳型ベクターにクローン化した。3’CSEはポリAテールのすぐ隣に位置する必要があるため、本発明者らは、不安定化ルシフェラーゼ(Luc2CP)をコードするレプリコンの3’CSEのすぐ上流に新規UTRを挿入した。レプリコンRNAは、IVT mRNAに類似している線状化鋳型プラスミドのin vitro転写によって合成された。レプリコンRNAをエレクトロポレーションにより細胞(BHK21及びHFF)に導入し、ルシフェラーゼ発現を評価した。図9に示すように、挿入されたすべてのUTRは、使用した双方の細胞株においてLuc2CPの翻訳を増加させた。興味深いことに、「IF」UTRの組み合わせは、翻訳の顕著な増加をもたらした。
【0326】
実施例9: 90%まで相同性のあるヌクレオチド交換は、FI要素の安定化特性に影響を及ぼさない。
新規の安定化UTR要素を同定するために適用された選択手順の結果、一定のサイズ範囲の配列が得られた。延長された5’及び3’末端を有する同じ配列の同定は、必要とされる最短の長さに関する最初の示唆を与えた。しかし、各要素がその安定化効果を発揮するのに必要な最小限の領域は、さらに短くてもよい。さらに、配列のわずかな変化は依然として機能的であり得、すなわち個々のヌクレオチドの同一性は、FI要素の安定化特性にとって最も重要ではない可能性がある。要素がどの程度までヌクレオチド交換に影響されないかを確認するために、元のFI要素と97.5%、95.0%、92.5%及び90.0%の相同性を有する3’UTR配列のhiDCにおける総タンパク質発現及びmRNA半減期を試験した。変更するヌクレオチドは、全配列長にわたってランダムに選択した(配列208~211、ランダム修飾)。3’UTRとしてこれらの修飾された要素を有するルシフェラーゼmRNAを、in vitro転写し、hiDCにエレクトロポレーションし、その発現を3、6、24、48及び72時間後のルシフェラーゼ測定によって経時的に追跡した。修飾FI要素を有するルシフェラーゼmRNAは、同じ総タンパク質量をもたらし、ほぼ同じ半減期を有した(表17)。
上記のような程度の増加を伴うランダム置換に加えて、FI要素の二次構造を破壊する可能性のあるヌクレオチド置換を合理的に導入することによって修飾FI要素の別のセットを作製した。複数の天然3’UTR配列については、それらの二次構造が重要であることが知られているが、それは、その二次構造がmRNAの安定性に影響を及ぼす調節タンパク質の結合部位を提供するからである(Addess et al., 1997; Putland et al., 2002; Crucs et al., 2000; Adams et al., 2003)。互いに完全に相補的な2つの8nt配列がFI要素に存在し、一方はFに、もう一方はI要素に存在する(図10)。これらの2つの領域の塩基対形成は、殆どのmfold予測においても見られる。mFold(Zuker、2003)は、入力配列の二次構造予測を可能にするコンピュータプログラムである。この特定の二次構造要素の重要性を調べるために、塩基対形成を消滅するように配列を変更した(配列212、8nt突然変異)。この比較的長い相補的配列の他に、FI 3’UTRに対するmfold予測で、出力折り畳みの大部分に存在する構造要素をスクリーニングした。したがって、in vitroで形成する可能性が高いはずである。これらの折り畳みの塩基対形成に関与するヌクレオチドを、それらの塩基対形成パートナーと交換することによって、元のFI配列と97.5%、95.0%、92.5% 及び90.0%相同性へと変化させ、それにより配列の二次構造を保持した(配列217~220、構造保持修飾)。さらに、二本鎖部分の一方の鎖のみで同じ配列を交換し、それにより意図的に二次構造を破壊した。このような場合、元の配列に対する同一性は、それぞれ98.75%、97.50%、96.25%及び95.00%であった(配列213~216、構造不安定化修飾)。
記載の修飾3’UTR要素を有するルシフェラーゼRNAを、in vitro転写し、hiDCにエレクトロポレーションし、その発現を3、6、24、48及び72時間後のルシフェラーゼ測定によって経時的に追跡した。
いずれの修飾方法でも、mRNA半減期への有意な影響は観察されなかった。したがって、FI要素の安定化特性は、ヌクレオチドが少なくとも10.0%まで変異したヌクレオチド配列又は二次構造の変化に対しては、影響されないようである。また、FI配列の修飾の際の総タンパク質量の低下は観察されなかった(表18A及びB)。
【0327】
実施例10: 2hBgに代わるFI要素の使用は、RNAコード領域のPCRに基づく増幅のミスプライミングを回避する。
示した通り、FI要素は、mRNA安定性及び翻訳効率に関して、2hBg 3’UTRと同等又はそれに勝っている。FI要素のもう一つの利点は、その非反復配列であるが、hBg 3’UTRの2つのコピーは、場合によっては問題を引き起こす可能性がある。
これは、RNA転写用のDNA鋳型がPCRによって増幅されるとき、最も明白である。そのような場合、3’UTRのまさに3’末端に結合する3’プライマーオリゴを用いて全長ポリAテールを付加する(図11A)。2hBgUTRの場合、PCR中にトランケーションされた副産物が出現し、これは、UTRにおいて1hBg反復のみを有するmRNAからなることが配列決定後に判明した(図11B)。転写後、mRNAにおけるトランケーションも見える(図11C)。この現象は、2hBgUTR要素を含有するコンストラクトを用いた殆どのPCR反応で起こり、プライマーアニーリング温度、緩衝液組成、プライマー配列又は代替ポリメラーゼを含む最適化努力によって完全になくすことができるものではない。3’UTRとポリAテールとの間にユニークなリンカー配列を挿入した後でさえ、問題は残る。重要なことに、サイドピーク(side-peak)の強度はPCR反応収率と相関したが、これは、問題の原因と思われる、各PCRサイクルとともに増加するトランケーションされた短いPCR断片のミスプライミングを示している。したがって、2hBg 3’-UTRを有するRNAをコードするDNA鋳型について十分な条件を同定することはできなかった。
対照的に、FI要素を有するDNA鋳型のPCRは、トランケーションされた副産物を生じず(図11D)、また、得られたmRNAは、Bioanalyzerプロファイルにおいてさらなるピークを示さなかった(図11E)。したがって、FI要素は、PCR鋳型の完全性及び対応するRNA品質に関し、2hBgUTRと比較した3’UTRとしてのかなりの改善の要素となる。
【0328】
実施例11: F及びI要素の亜断片のRNA安定化特性
新規の安定化UTR要素を同定するために適用された選択手順の結果、一定のサイズ範囲の配列が得られた。延長された5’及び3’末端を有する同じ配列の同定は、必要とされる最短の長さに関する最初の示唆を与えた。しかし、各要素がその安定化効果を発揮するのに必要な最小限の領域は、さらに短くてもよい。
この目的のために、F及びI要素の双方について、それぞれ5’及び/又は3’末端で短縮された元の要素の異なる断片をカバーする短縮UTRを含有する5つのルシフェラーゼレポーターコンストラクトを設計した(それぞれ図12上部パネルA及びB参照)。これらのレポーターコンストラクトを、in vitro転写し、hiDCにエレクトロポレーションし、その発現をエレクトロポレーションから3、6、24、48及び72時間後のルシフェラーゼ測定によって経時的に追跡した。得られた発現曲線で、1と設定された各完全長を含有するRNAを用いた、相対的なRNA半減期について分析した(それぞれ図12下部パネルA及びB参照)。
F要素については、試験したいずれのサブ配列においても有意に減少したmRNA半減期は観察されず、mRNAの安定化の役割において、F要素に沿った種々のサブ配列の重複的かつ非協調的関与が示された。同様の結果がI要素について得られたが、中央領域(nt37~107)のみが3’UTRとして使用された場合、能力のわずかな低下が観察された。
これらの結果を大局的に見るために、完全長の個々のF及びI要素、並びにFIの組み合わせを、出発ライブラリー(長さ257nt)から無作為に選択した3’ UTRと比較した。これは、出発DNAプールをクローニングすることと、1つのランダムクローンを選択することによって得られた。上記の通り、各UTRを有する、ルシフェラーゼをコードするRNAを、hiDCにエレクトロポレーションし、ルシフェラーゼ発現を経時的に測定し、相対的半減期及び総タンパク質発現を算出した。F、I、及びFI要素と比較して、ランダムに選択された3’UTRを有するRNAは、有意により安定性が低い(図13、上のパネル)。選択されたUTRの効果は、総タンパク質発現についてさらに顕著である(図13、下のパネル)。これは、上記のようなF及びI要素の断片の効果が、選択された配列に特異的であり、単に3’ UTR配列の存在によって引き起こされるのではないことをはっきりと示している。これは、選択中のプールのRNA安定性の観察された増加と一致する(上記参照)。
【0329】
実施例12: 幹細胞再プログラミングのための安定化UTR要素の使用
40000個の細胞を2ウェルプレートに播種し、各0.08μgのB18R、E3及びK3(EKB) 、並びにmiRNA 302a-dと367とからなるmiRNA混合物0.17μg(1:1:1:1:1:1)を含む、再プログラミングTF OCT4、SOX2、KLF4、cMYC、NANOG及びLIN28(OSKMNL)(1:1:1:1:1:1)をコードする非修飾in vitro転写(IVT)-RNA0.33μgからなるmRNA混合物で、3日間(3x)又は4日間(4x)連続してリポフェクションした。したがって、RNAコンストラクトは、ヒトβ-グロビン3’UTR(2hBg)、F-I要素(FI)又はI-F要素(IF)のタンデム反復からなる3’UTRにおいてのみ異なっていた。細胞をヒト胚性幹(hES)細胞培地で培養し、RNAiMAXを用いたリポフェクションを製造者の指示書に従って実施した。9日目以降、コロニー形成が観察され、コロニーの分析がd11で行われた(タイムラインの概要は図14Aを参照)。確立したコロニーをAP Staining Kitを用いて11日目にアルカリホスファターゼ(AP)染色した。概観については、代表的な染色を図14Bに示す。FI要素の取り込みは、より多量のAP陽性コロニー(暗)をもたらすことが明らかになった。AP染色されたコロニーを数え、概観からの結果を以下の通りに確認した。先に使用した2hBg-UTRと比較して、FI-UTRでの置換は、細胞を3回リポフェクションした場合、3~4倍過剰のコロニーをもたらす。IF-UTRでの置換は、2倍過剰になる。4回のトランスフェクションでは、これらの効果はそれほど顕著ではない。ここでは、IF-UTRでは改善が見られない。本プロセスは4回のトランスフェクションで飽和状態にあるように見える一方、ここでのコロニーの数は、コロニーの過剰増殖のためにいくらか偏っている(図14C参照)。FI-UTRを含有するRNAを使用して得られたiPS細胞コロニーのコロニー形態は、はっきりと区別できるコロニー及び明確に画定された境界内にきつく充填された小さな細胞を含むhES細胞様であった(図14D)。これらのコロニーは、AP(図14E)及びhES細胞表面マーカーTRA-1-60(図14F)について陽性に染色することができた。TRA-1-60生体染色は、製造者の指示書に従い、Stain-Alive TRA-1-60抗体(Stemgent)を用いて行った。コロニーの代表的な写真を示す。コロニーの多能性をさらに評価するために、細胞をペレット化し、全RNAを単離し、hESマーカーOCT4(内因性)、NANOG(内因性)、LIN28(内因性)、TERT及びREX1のmRNA発現をqRT-PCRによって定量した。mRNA発現は、HPRTの発現に対して正規化され、入力細胞の転写物レベルと比較した折り畳み誘導として示されている。3つのリポフェクション後のコロニーの分析を図14Gに示す。すべての分析されたマーカーは、再プログラミングされた細胞の多能性を示す入力細胞と比較して、高度に発現された。FI含有合成mRNAの優位性は、2hBg-及びIF含有mRNAを用いた再プログラミングと比較して、より高い内因性マーカー発現によって確認された。
これらの結果は、2hBg-UTRをFI-UTRに置き換えることにより、より迅速かつ効率的なRNAベースの再プログラミング技術が得られることを示している。これはおそらく、FI要素による置換に起因する再プログラミング転写因子のより長く、かつより高い発現に基づく。IFコンストラクトではIF要素の利点が観察されなかったことから、FI要素の方向付けが不可欠であると考えられる。FI含有mRNAによる細胞の再プログラミングの成功は、hES細胞様形態、hES細胞表面のAP活性及び発現、並びに得られたiPS細胞コロニーの内因性マーカーによって確認された。
【0330】

表1 選択の進行をモニターするための、リアルタイム逆転写酵素PCR(RT-PCR)実験のデータから算出したmRNA半減期(時間)エレクトロポレーションから8、24、及び48時間後にmRNAを定量した。実験I(左)では、各サンプルを1回のみ分析した。従って、標準偏差は与えられていない。
【0331】
表2 BLAST配列の3’-UTR内の結合領域(BR)を有する7つの主要群の概要群の略称、群で同定されたクローンの数(no.)、各略称でのゲノム起源(Abbr.)、NCBIコード、及びコード領域に関する配列内の位置を示す。NextBioによれば、すべての配列は、hiDCにおいてアップレギュレートされる。
【0332】
表3 半減期及び総タンパク質の経時的変化に関して、本発明者らの至適基準2hBgに対して算出された値。群の名称とそれぞれの遺伝子を示す。
【0333】
表4 ライブラリーの増幅及びその後の選択ラウンドのPCR条件
【0334】
表5 IVT-T7転写反応
【0335】
表6 クローン化され、本発明者らの至適基準2hBg(右下角)と比較された組み合わせ2回クローン化された単一要素がハイライトされている。
【0336】
表7 単一要素として、又は下流要素である他の群の配列の1つと組み合わせた上流要素としてクローン化されたFCGRT(B群)の結果太字の値は、>1.0である。値は、2hBgに対するものである。
【0337】
表8 単一要素として、又は下流要素である他の群の配列の1つと組み合わせた上流要素としてクローン化されたLSP1(D群)の結果太字の値は、>1.0である。値は、2hBgに対するものである。
【0338】
表9 単一要素として、又は下流要素である他の群の配列の1つと組み合わせた上流要素としてクローン化されたCCL22(E群)の結果太字の値は、>1.0である。値は、2hBgに対するものである。
【0339】
表10 単一要素として、又は下流要素である他の群の配列の1つと組み合わせた上流要素としてクローン化されたAES(F群)の結果太字の値は、>1.0である。値は、2hBgに対するものである。
【0340】
表11 単一要素として、又は下流要素である他の群の配列の1つと組み合わせた上流要素としてクローン化されたPLD3(G群)の結果太字の値は、>1.0である。値は、2hBgに対するものである。
【0341】
表12 単一要素として、又は下流要素である他の群の配列の1つと組み合わせた上流要素としてクローン化されたmtRNR1(I群)の結果太字の値は。値は、2hBgに対するものである。
【0342】
表13 単一要素として、又は下流要素である他の群の配列の1つと組み合わせた上流要素としてクローン化されたHLA-DRB4(J群)の結果太字の値は、>1.0である。値は、2hBgに対するものである。
【0343】
表14 レポーター遺伝子としてのluc2mutと、新たに選択された3’-UTRとをhiDCへのエレクトロポレーション後に用いた代表的な結果。ルシフェラーゼ活性は、96時間かけて測定された。値は、2hBgに対するものである。
【0344】
表15 エレクトロポレーション設定
この表には、使用したすべての細胞型のエレクトロポレーションプロトコールの詳細がまとめられている。細胞数の下に記載されている量の細胞を、X-VIVO15培地(Lonza)入りのエレクトロポレーションキュベット又は96ウェルエレクトロポレーションプレート(フォーマットの下に記載)中で、μg又はpmol単位で記載されている量のRNAと混合した。エレクトロポレーションは、指定された長さ及びVの下に記載の電圧でパルスを印加することにより実施した。その後、細胞懸濁液を増殖培地中で希釈し、細胞/時点の下に記載の密度で96ウェルに分配した。
【0345】
表16
エレクトロポレーション時に非修飾及び修飾RNAを、リポフェクション時に非修飾RNAを含有する2hBgUTRに対する、FI要素の半減期及び総タンパク質。
3’UTRとしてFI又は2hBgを含有するホタルルシフェラーゼ遺伝子をコードするプラスミドを、クラスIIS制限酵素でポリ(dA:dT)の下流に線状化し、それによってポリ(dA:dT)を越えて付加的なヌクレオチドを持たない鋳型を作製した。線状プラスミドDNAをカルボキシル化磁気ビーズ(Invitrogen)を用いて精製し、分光測定で定量し、in vitro転写に供した。vitro転写のために、RNase阻害剤及びピロホスファターゼを補充した自家製T7 RNAポリメラーゼを、125mM Hepes pH8.35、34mM MgOAc2、10mM DTT及び2mM Spermidin緩衝液中の7.5mM NTPとともに使用した。RNAの効率的なキャッピングのために、6mMのβ-S-ARCA(D2)を反応に添加し、初期GTP濃度を1.5mMまで低下させ、37℃で2.5時間の流加プロセスにおいて7.5mMに調整した。RNAをカルボキシル化磁気ビーズ(Invitrogen)によって精製し、2100 Bioanalyzer(Agilent)での分光測光及び分析によりRNA濃度及び品質を評価した。
【0346】
A)FI要素を含有する非修飾mRNAの半減期が、複数のヒト及びマウス細胞株において、2hBg 3’UTRを含有するものよりも長いか同等であることを示す。表15に記載した量のヒト線維芽細胞(HFF)、CD8+及びCD4+T細胞、マウス胚線維芽細胞(MEF)、筋芽細胞腫細胞(C2C12)、並びにマウスDCを、X-VIVO15培地(Lonza)中のRNAの各量(表15)と混合し、エレクトロポレーションに供した。表示されている数の細胞を、添加剤を含む100μlの適切な増殖培地入りの96ウェルディッシュに播種した。播種から2、6、24、48、72及び96時間後、ホタルルシフェラーゼ活性を、蛍光リーダー(TECAN)において、ルシフェリン(Promega)の添加により決定した。
【0347】
B)FI要素を含有する,m1Y修飾mRNAの半減期が、異なるヒト及びマウス細胞株において2hBg 3’UTRを含有するものよりも長いか同等であることを示す。表15に記載した量のヒト未成熟樹状細胞(iDC)、CD8+及びCD4+T細胞、マウス胚線維芽細胞(MEF)、筋芽細胞腫細胞(C2C12)、並びにマウスDCを、X-VIVO15培地(Lonza)中のm1Y修飾RNAの各量(表15)と混合し、エレクトロポレーションに供した。表示されている数の細胞を、添加剤を含む100μlの適切な増殖培地入りの96ウェルディッシュに播種した。播種から2、6、24、48、72及び96時間後、蛍光リーダー(TECAN)において、ルシフェリン(Promega)の添加によりホタルルシフェラーゼ活性を決定した。
【0348】
C)FI要素を含有する非修飾mRNAの半減期が、RNAをリポフェクションによりトランスフェクトした場合でも、異なる細胞株において,2hBg 3’UTRを含有するものよりも長いか同等であることを示す。50ng RNAを、RNAiMAX0.2μlとともに15~30分間インキュベートし、96ウェル中の1E04 HFF、MEF又はC2C12細胞上に得た。ルシフェラーゼレベルは、3、6、12、24、48、72及び96時間時点で、蛍光リーダー(TECAN)において、ルシフェリン(Promega)の添加により測定した。
【0349】
表17: 3’UTRとして元のFI配列と指定された相同性を有するFI要素又はFI要素の変異体のいずれかを含有するホタルルシフェラーゼをコードする、10μgのRNAを、96ウェルフォーマット中のhiDCにエレクトロポレーションした。ルシフェラーゼ発現を3、6、24、48及び72時間後にわたり追跡し、得られた発現曲線からRNA半減期及びRNAから翻訳された総タンパク質量を算出した。
【0350】
表18: 3’UTRとして、構造を保持又は破壊する突然変異体を含有し、かつ、元のFI配列と指定された相同性を有するFI要素又はFI要素の変異体のいずれかを含有する、ホタルルシフェラーゼをコードする10μgのRNAを、96ウェルフォーマット中のhiDCにエレクトロポレーションした。ルシフェラーゼ発現を3、6、24、48及び72時間後にわたり追跡し、得られた発現曲線からRNA半減期及び総タンパク質量を算出した。
【0351】
本明細書に記載の配列は、以下の通りである。
B群
>Rn5-2pl-A4_For2
CAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUC
UGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUG
AGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUG
CCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn5-2pl-A3_For2
GCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAU
GCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUG
ACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUG
CUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn5C5_For2
UUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUAGAAUCUGACCAUUCGUUG
UCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCA
UGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCU
UGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGAGACC
>Rn5E6_For2
UGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCC
UCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCA
CUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCA
UUGCCGGCGGACA
>Rn6-1WoC3_For2
GCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAA
GACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCU
GCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGG
CGUACC
>Rn6-1WoB12_For2
CUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUG
CUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCAC
UGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGCGGACC
>Rn6-1WoB1_For2
UCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUG
CUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAG
ACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCC
GCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGGGACC
>Rn6-1WoF3_For2
CUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGC
CUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUAGAAC

>Rn6-1Wo_H11_b
UCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUUGUUGUCUG
CUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAG
ACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCC
GCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGGGACC
>Rn6-2WoG8_b
GCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGU
CCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCC
CACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUC
CAUUGCCGGUGUGACC
>Rn5-2pl-B3_For2
UCUGGCCUCACUGAGUCUGAAGAGCUGUUAACUACCAUGGCCAGUCCUCCCUGAGUCUGA
CCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAU
UCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCG
GGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCC
CCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn5_F5_b
UCUGGCCUCACUGAGUCUGAAGAGCUGUUAACUACCAUGGCCAGUCCUCCCUGAGUCUGA
CCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAU
UCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCG
GGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCC
CCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn5B8_For2
CUACCAUGGCCAGUCCUCCCUGAGUCUGACCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGC
UGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGA
CUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGC
CUGCCUUUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUG
UGACC
>Rn6-1WoH9_For2
GUCCUCCCUGAGUCUGACCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCU
UCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGC
UGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCC
ACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUCUGACA
>Rn6-2WoC11_For2
GUCCUCCCUGAGUCUGACCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCU
UCCUGGAAUCUGACCAUUUGUUGUCUGCUAUGCCCCUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGC
UGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUUCCCCA
CUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn5_C3_b
CCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGU
CUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUGCUACUGCCCGGGCCCAUG
AGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUG
CCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-2WoH5_For2
GCCAGUCCUCCCUGAGUCUGACCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGG
GUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGC
CUGCUGAUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCU
CCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-96hE12_For2
UGCCUUCCGUCUCCUGCUGCUUCUGGCCUCACUGAGUCUGAAGAGCUGUUAACUACCAUG
GCCAGUCCUCCCUGAGUCUGACCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGG
GUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGC
CUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCU
CCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-96h-2pl-E9_F
GGCCAGUCCUCCCUGAGUCUGACCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCG
GGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUG
CCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUC
UCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-96h-2pl-H10_
GGCCAGUCCUCCCUGAGUCUGACCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCG
GGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUG
CCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUC
UCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-1WoB11_For2
UGACCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGAC
CAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGC
CCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACA
GCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-1WoF7_For2
CCAGUCCUCCCUGAGUCUGACCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGG
UCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCC
UGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCUCUGCUCUGCCUGCCUCUC
CCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCUGUGUGACCA
>Rn6-1WoA7_For2
UGACCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCG
UUGUCUGCUAUGCCCGUCCUUACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGC
CCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCG
CCUUGUCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACAC
>Rn6-2WoD11_b
GACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCU
GCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGG
UGUGACCC
>Rn6-2WoG3_For2
CUCCCUGAGUCUGACCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCC
UGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGC
UUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACU
GCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-2WoC2_For2
UUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUU
GUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCC
AUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCC
UUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-1WoD6_For2
UGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACU
GACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCU
GCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-1WoD10_For2
UGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACU
GACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCU
GCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-2WoG5_For2
GCGGGUCUUCCUGGAAUCUGAACAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGA
CUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGC
CUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGAC

>Rn6-96h-2pl-G8_F
GUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGG
CCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCC
GCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-1WoE7_For2
CAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGC
UCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGC
CGGUGUGACC
>Rn6-1Wo_A12_b
CCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGACCCAUGAGACUGACUUCC
CACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUC
CAUUGCCGGUGUGACUGC
>Rn6-1WoG11_For2
CUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGU
UGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCC
CAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGC
CUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACCCC
>Rn6-1WoH5_For2
CUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCC
ACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCC
AUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-1WoH4_For2
AAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCU
CUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCC
GGUGUGACC
>Rn6-2WoB4_For2
CUCCAGCUCGCUUCCAUUUGCUUGCAGAAGUUCUCGCUGUGCUCACGAAGCUUGCGCUCC
UUGGAGGCCUCAGCAACAGCAUCAUCAAGCUGAGCUUCCAGCUCUUUCCUGAGCUUCUCA
GCUCUCCGCAUUUCCUGCCGCAUGGCGUCCACCUUCUGCGUGGCCACCUCCAUCUCCUCC
UCCUUGUCUCGCAGCUGCCGGGACACCUUCUGCGCUAAGAUGGGAUACGGCAUUGAGGGA
UCAAUGUGUAAGGAUCCGAUCUGCUUCUGGCCUCACUGAGUCUGAAGAGCUGUUAACUAC
CAUGGCCAGUCCUCCCUGAGUCUGACCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGCUGCUGCU
GCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGUCCGUCCUCACCAAGACUGA
CUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGC
CUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGAC

>Rn6-96h-2pl-A5_F
CUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGC
CUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUG
UGACC
>Rn6-1WoC8_For2
CCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUG
CUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUG
ACGGUGUGACC
>Rn5D1_For2
UAACUACCAUGGCCAGUCCUCCCUGAGUCUGACCAUCUUCCAUCCUGCUGCUGCUGCUGC
UGCUGCGGGUCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGA
CUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGC
CUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGUUGAUCCAUUGCCGGUG
UGACC
>Rn6-2WoG10_For2
CCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUG
CUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGUUGAUCCAUUG
UCGGUGUGACC
>Rn6-1Wo_E4_b
CCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUG
CUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUG
CCGGUGUGACC
>Rn6-2WoF3_For2
CUGCUAUGCCUGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAU
GAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCAAUGCACUGGCACAGCCCCGCCUU
GCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-96h-2pl-B10
CUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAU
GAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUU
GCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-96h-2pl-C10
GCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGA
GACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGC
CGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-1WoB6_For2
UCUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCC
UGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUC
CCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-96h-2pl-D6_F
CUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUG
CUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCAC
UGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-96h-2pl-E6_F
CUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUG
CUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCAC
UGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-2WoF10_For2
GGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCU
UUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUG
CACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>Rn6-1WoG9_For2
CCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUG
CUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCAUAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUG
CCGGUGUGACC
>Rn6-96hC12_For2
CUUCCUGGAAUCUGACCAUUCGUUGUCUGCUAUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCU
GCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCC
CCACUGCACUGGCAUAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUUCCGGUGUGACC

D群
>Rn6-1WoF2_For2
CAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAUUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGACCUACC
CUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAGCCUCUC
UGCCCUUCCACUCUCUGACC
>Rn6-2WoD8_For2
UUCCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUG
ACCUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUA
GCCUCUCUGCCCUUCCACUCUCUGACCCC
>Rn6-1WoD5_For2
CUCGCUUCCUGGGUCUGCAGGUCCAGCCGGCUGGCACCCUCCAUGUACCCAGGGGAGAUU
CCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGAC
CUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAGC
CUCUCUGCCCUUCCACUCUCUGACCACCGCCC
>Rn5-2pl-D3_For2
UCCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGA
CCUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAG
CUUCUCUGCCCUUCCACUCUCUGG
>Rn6-2WoA8_For2
CGCUUCCUGGGUCUGCAGGUCCAGCCGGCUGGCACCCUCCACGUACCCAGGGGAGAUUCC
AGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGACCU
ACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAGCCU
CUCUGCCCUUCCACUCUCUGACCACCG
>Rn6-2WoD7_For2
CAUGUACCCAGGGGAGAUUCCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGC
UUCCUGUUGCCAGCAUGACCUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUU
UGCUCCUGGACCCUUUAGCCUCUCUGCCCUUCCACUCG
>Rn6-2WoB8_For2
CUCGCUUCCUGGGUCUGCAGGUCCAGCCGGCUGGCACCCUCCAUGUACCCAGGGGAGAUU
CCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGAC
CUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAGC
CUCUCUGCCCCCCCGAU
>Rn6-96h-2pl-H6_F
CCCAGCUCCCUAGGCGUCCCAUCUCGCUUCCUGGGUCUGCAGGUCCAGCCGGCUGGCACC
CUCCAUGUACCCAGGGGAGAUUCCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGU
UGCUUCCUGUUGCCAGCAUGACCUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCC
UUUUGCUCCUGGACCCUUUAGCCUCUCUGCCCUUCCACUCUUUGACCCCCAUCUUA
>Rn6-96h-2pl-F10
GGCCACCGGGCAUGGGAAGUAUGAGAAGGUGCUUGUGGAAGGGGGCCCGGCUCCCUAGGC
GUCCCAUCUCGCUUCCUGGGUCUGCAGGUCCAGCCGGCUGGCACCCUCCAUGUACCCAGG
GAGAUUCCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAG
CAUGACCUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCC
UUUAGCCUCUCUGCCCUUCCACUCUCUGACCCC
>Rn5H3_For2
UGUACCCAGGGGAGAUUCCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUU
CCUGUUGCCAGCAUGACCUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUG
CUCCUGGACCCUUUAGCCUCUCUGCCCUUCCACUCUCUGACCACCACCCCC
>Rn5G7_For2
CCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGACCUACCCUCGCCUCUUUGAU
GCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAGCCUCUCUGCCCUUCCACUCU
CUGACCACAGCCCC
>Rn6-1WoG5_For2
CCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGACCUACCCUCGCCUCUUUG
AUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAGCCUCUCUGCCCUUCCACU
CUCUGACCACCGCCCCCGCC
>Rn6-1WoA8_For2
CCGGCUGGCACCCUCCAUGUACCCAGGGGAGAUUCCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCC
UGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGACCUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCC
GCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAGCCUCUCUGCCCUUCCACUCUCUGACCA
CCGCCCCC
>Rn6-96h_D3_b
GCCGGCUGGCACCCUCCAUGUACCCAGGGGAGAUUCCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCC
CUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGACCUACCCUAGCCUCUUUGAUGCCAUC
CGCUGCCACCUCCUUUUUGCUCCUGGACCCUUUAGCCUCUCUGCCCUUCCACUCUCUGAC
CACCGCCCCC
>Rn6-96hC11_For2
UCCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGA
CCUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAG
CCUCUCUGCCCUUCCACUCUCUGACCACCACCCC
>Rn5H1_For2
GCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGACCUA
CCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAGCCUC
UCUGCCCUUCCACUCUCUGACCCCCC
>Rn6-1WoG2_For2
UCCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGA
CCUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAG
CCUCUCUGCCCUUCCACUCUCUGACCCCCC
>Rn6-1WoG7_For2
CGGCUCCCUAGGCGUCCCAUCUCGCUUCCUGGGUCUGCAGGUCCAGCCGGCUGGCACCCU
CCAUGUACCCAGGGGAGAUUCCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUG
CUUCCUGUUGCCAGCAUGACCUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUU
UUGCUCCUGGACCCUUUAGCCUCUCUGCCCUUCCACUCUCUGACCACUGCCCC
>Rn6-96hB11_For2
UGCAGGUCCAGCCGGCUGGCACCCUCCAUGUACCCAGGGGAGAUUCCAGCCAGACACCCA
CCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUCCUGUUGCCAGCAUGACCUACCCUCGCCUCUUU
GAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAGCCUCUCUGCCCUUCCAC
UCUCUGACCACUACCCC
>Rn6-2WoF8_For2
UUCCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUG
ACCUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUA
GCCUCUCUGCCCUUCCACUCUCUGACCACUGCCCC
>Rn6-96h_A9_b
CCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGACCUACCCUCGCC
UCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAGCCUCUCUGCCCU
UCCACUCUCUGACC
>Rn6-1WoH3_For2
CAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGACC
UACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAGCC
UCUCUGCCCUUCCACUCUCUGAACACC

E群
>Rn6-2WoE2_For2
GAGCCUACUCUGAUGACCGUGGCCUUGGCUCCUCCAGGAAGGCUCAGGAGCCCUACCUCC
CUGCCAUUAUAGCUGCUCCCCGCCAGAAGCCUGUGCCAACUCUCUGCAUUCCCUGAUCUC
CUGUGGCUGUCACCCUUGGUCACCUCCGUGCUGUCACUGCCAUCUCCCCCCUGACCCCUC
GAACCCAUCCUA
>Rn6-1WoD3_For2
GAGCCUACUCUGAUGACCGUGGCCUUGGCUCCUCCAGGAAGGCUCAGGCGCCCUACCUCC
CUGCCAUUAUAGCUGCUCCCCGCCAGAAGCCUGUGCCAACUCUCUGCAUUCCCUGAUCUC
CAUCCCUGUGGCUGUCACCCUUGGUCACCUCCGUGCUGUCACUGCCAUCUCCCCCCUGAC
CCCUCUAACCC
>Rn6-2WoG7_For2
GCCUACUCUGAUGACCGUGGCCUUGGCUCCUCCAGGAAGGCUCAGGAGCCCUACCUCCCU
GCCAUUAUAGCUGCUCCCCGCCAGAAGCCUGUGCCAACUCUCUGCAUUCCCUGAUCUCCA
UCCCUGUGGCUGUCACCCUUGGUCCACUGCCAUCUCCCCCCC
>Rn6-2WoH2_For2
GAGCCUACUCUGAUGACCGUGGCCUUGGCUCCUCCAGGAAGGCUCAGGAGCCCUACCUCC
CUGCCAUUAUAGCUGCUCCCCGCCAGAAGCCUGUGCCAACUCUCUGCAUUCCCUGAUCUC
CAUCCCUGUGGCUGUCACCCUUGGUCACCUCCGUGCUGUUACUGCCAUCUCCCCCCUGAC
CCC
>Rn6-2WoC1_For2
GAAGAGCCUACUCUGAUGACCGUGGCCUUGGCUCCUCCAGGAAGGCUCAGGAGCCCUACC
UCCCUGCCAUUAUAGCUGCUCCCCGCCAGAAGCCUGUGCCAACUCUCUGCAUUCCCUGAU
CUCCAUCCCUGUGGCUGUCAUCCUUGGUCACCUCCGUGCUGUCACUGCCAUCUCCCCCCU
GACCCCUCUAACCCAUCCUCUGCCUCCCUCCCUGCAGUCAGAGGGUCCUGUUCCCAACCA
>Rn6-1Wo_C12_b
UGUGGCCUUGGCUCCUCCAGGAAGGCUAAGGAGCCCUACCUCCCUGCCAUUAUAGCUGCU
CCCCGCCAGAAGCCUGUGCCAACUCUCUGCAUUCCCUGAUCUCCAUCCCUGUGGCUGUCA
CCCUUGGUCACCUCCGUGCUGUCACUGCCAUCUCCCCCCUGACCCC
>Rn6-1WoE12_For2
GCCUUGGCUCCUCCAGGAAGGCUCAGGAGCCCUACCUCCCUGCCAUUAUAGCUGCUCCCC
GCCAGAAGCCUGUGCCAACUCUCUGCAUUCCCUGAUCUCCAUCCCUGUGGCUGUCACCCU
UGGUCACCUCCGUGCUGUCACUGCCAUCUCCCCCC
>Rn6-2WoF5_For2
AGAGCCUACUCUGAUGACCGUGGCCUUGGCUCCUCCAGGAAGGCUCAGGAGCCCUACCUC
CCUGCCAUUAUAGCUGCUCCCCGCCAGAAGCCUGUGCCAACUCUCUGCAUUCCCUGAUCU
CCAUCCCUGUGGCUGUCACCCUUGGUCACCUCCGUGCUGUCACUGCCAUCUCCCCCCUGA
CCCCUCUAACCCAUCCUCUGCCUCCCUCCCUGCAGUCAGAGGGUCCUGUUCCCAUCAGCG
AUUCCCCUGCUUAAACCCUUCCAUGACUCCCCACUGCCCUAAGCUGAGGUCAGUCUCCCA
AGCCUGACAU
>Rn5-2pl-H3_For2
UAUAGCUGCUCCCCGCCAGAAGCCUGUGCCAACUCUCUGCAUUCCCUGAUCUCCAUCCCU
GUGGCUGUCACCCUUGGUCACCUCCGUGCUGUCACUGCCAUCUCCCCCCUGACCCCUCUA
ACCCAUCCUCUGCCUCCCUCCCUGCAGUCAGAGGGUCCUGUUCCCAUCAGCGAUUCCCCU
GCUUAAACCCUUCCAUGACAGCCC
>Rn6-2WoA3_For2
UCUGCAUUCCCUGAUCUCCAUCCCUGUGGCUGUCACCCUUGGUCACCUCCGUGCUGUCAC
UGCCAUCUCCCCCCUGACCCCUCUAACCCAUCCUCUGCCUCCCUCCCUGCAGUCAGAGGG
UCCUGUUCCCAUCAGCGAUUCCCCUGCUUAAGCCCUUCCAUGACUCCCC
>Rn6-96hF12_For2
CUCCCUGCCAUUAUAGCUGCUCCCCGCCAGAAGCCUGUGCCAACUCUCUGCAUUCCCUGA
UCUCCAUCCCUGUGGCUGUCACCCUUGGUCACCUCCGUGCUGUCACUGCCAUCUCCCCCC
UGACCCCUCUAACCCAUCCUCUGCCUCCCUCCCUGCAGUCAGAGGGUCCUGUUCCCAUCA
GCGAUUCCCCUGCUUAAACCCUUCCAUGACUCCCCAA
>Rn6-96hE11_For2
GCCUACUCUGAUGACCGUGGCCUUGGGUCCUCCAGGAAGGCUCAGGAGCCCUACCUCCCU
GCCAUUAUAGCUGCUCCCCGCCAGAAGUCUGUGCCAACUCUCUGCAUUCCCUGAUCUCCA
UCCCUGUGGCUGUCACCCUUGGUCACCUCCGUGCUGUCACUGCCAUCUCCCCCCUGACCC
CUCUAACCCAUCCUCUGCCUCCCUCCCUGCAGUCAGAGGGUCCUGUUCCCAUCAGCGAUU
CCCCUGCUUAAACCCUUCCAUGACUCCCCUCU
>Rn6-96h-2pl-A11
CUACCUCCCUGCCAUUAUAGCUGCUCCCCGCCAGAAGCCUGUGCCAACUCUCUGCAUUCC
CUGAUCUCCAUCCCUGUGGCUGUCACCCUUGGUCACCUCCGUGCUGUCACUGCCAUCUCC
CCCCUGACCCC

F群
>Rn6-1WoB5_For2
CUGGUACUGCAUGCACGCAAUGCUAGCUGCCCCUUUCCCGUCCUGGGUACCCCGAGUCUC
CCCCGACCUCGGGUCCCAGGUAUGCUCCCACCUCCACCUGCCCCACUCACCACCUCUGCU
AGUUCCAGACACCUCC
>Rn6-2WoE11_a
CCGGCCCUUCCCCCGUUUUGAACAUGUGUAACCGACAGUCUGCCUGGGCCACAGCCCUCU
CACCCUGGUACUGCAUGCACGCAAUGCUAGCUGCCCCUUUCCCGUCCUGGGCACCCCGAG
UCUCCCCCGACCCCGGGUCCCAGGUAUGCUCCCACCUCCACCUGCCCCACUCACCACCUC
UGCUAGUUCCAGACACCCCCGCG
>Rn6-96h_E3_b
CCUUCCCCCGUUUUGAACAUGUGUAACCGACAGUCUGCCUGGGCCACAGCCCUCUCACCC
UGGUACUGCAUGCACGCAAUGCUAGCUGCCCCUUUCCCGCCCUGGGCACCCCGAGUCUCC
CCCGACCCCGGGUCCCAGGUAUGCUCCCACCUCCACCUGCCCCACUCACCACCUCUGCUA
GUUCCAGACACCUCCAC
>Rn6-96h-2pl-B6_F
UCUGCCUGGGCCACAGCCCUCUCACCCUGGUACUGCAUGCACGCAAUGCUAGCUGCCCCU
UUCCCGUCCUGGGCACCCCGAGUCUCCCCCGACCCCGGGUCCCAGGUAUGCUCCCACCUC
CACCUGCCCCACUCACCACCUCUGCUAGUUCCAGACACCUCCACGCCCACCUGGUCCUCU
CCCAUCGCCCACAAAAGGGGGGGCACGAGGGACGAGCUUAGCUGAGCUGGGAGGAGCAGG
GUGAGGGUGGGCGACCCAGGAUUCCCCCACCCC

G群
>Rn5_D5_b
UGACACCUCAGCUGACAGCGUGGGCAACGCCUGCCGCCUGCUCUGAGGCCCGAUCCAGUG
GGCAGGCCAAGGCCUGCUGGGCCCCCGCGGACCCAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGUC
CCCGCACCCCCGCUUCUGUCUGCCCCAUUGUGGCUCCUCAGGCUCUCUCCCCUGCUCUCC
CACCUCUACCUCCACCCCA
>Rn5B2_For2
CUCAGCUGACAGCGUGGGCAACGCCUGCCGCCUGCUCUGAGGCCCGAUCCAGUGGGCAGG
CCAAGGCCUGCUGGGCCCCCGCGGACCCAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGUCCCCGCA
CCCCCGCUUCUGUCUGCCCCAUUGUGGCUCCUCAGGCUCUCUCCCCUGCUCUCCCACCUC
UACCUCCACUCCC
>Rn5G3_For2
UCUGAGGCCCGAUCCAGUGGGCAGGCCAAGGCCUGCUGGGCCCCCGCGGACCCAGGUGCU
CUGGGUCACGGUCCCUGUCCCCGCACCCCCGCUUCUGUCUGCCCCAUUGUGGCUCCUCAG
GCUCUCUCCCCUGCUCUCCCACCUCUACCUCCACCCCC
>Rn6-96hF11_For2
GGCCCGAUCCAGUGGGCAGGCCAAGGCCUGCUGGGCCCCCGCGGACCCAGGUGCUCUGGG
UCACGGUCCCUGUCCCCGCACCCCCGCUUCUGUCUGCCCCAUUGUGGCUCCUCAGGCUCU
CUCCCCUGCUCUCCCACCUCUACCUCCACCCCC
>Rn6-96h-2pl-D8_F
GCCUGCUGGGCCCCCGCGGACCCAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGUCCCCGCACCCCC
GCUUCUGUCUGCCCCAUUGUGGCUCCUCAGGCUCUCUCCCCUGCUCUCCCACCUCUACCU
CCGCCCCC
>Rn5C4_For2
CGCGGACCCAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGUCCCCGCACCCCCGCUUCUGUCUGCCC
CAUUGUGGCUCCUUAGGCUCUCUCCCCUGCUCUCCCACCUUUACCUCCACCCCUAC
>Rn6-2WoD3_For2
CUGACAGCGUGGGCAACGCCUGCCGCCUGCUCUGAGGCCCGAUCCAGUGGGCAGGCCAAG
GCCUGCUGGGCCCCCGCGGACCCAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGUCCCCGCACCCCC
GCUUCUGUCUGCCCCAUUGUGGCUCCUCAGGCUCUCUCCCCUGCUCUCCCACCUCUACCU
CCACCCCCAC
>Rn6-96h-2pl-C6_F
CUGACAGCGUGGGCAACGCCUGCCGCCUGCUCUGAGGCCCGAUCCAGUGGGCAGGCCAAG
GCCUGCUGGGCCCCCGCGGACCCAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGUCCCCGCACCCCC
GCUUCUGUCUGCCCCAUUGUGGCUCCUCAGGCUCUCUCCCCUGCUCUCCCACCUCUACCU
CCACCCCCAAC
>Rn6-96h-2pl-C7_F
CUGACAGCGUGGGCAACGCCUGCCGCCUGCUCUGAGGCCCGAUCCAGUGGGCAGGCCAAG
GCCUGCUGGGCCCCCGCGGACCCAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGUCCCCGCACCCCC
GCUUCUGUCUGCCCCAUUGUGGCUCCUCAGGCUCUCUCCCCUGCUCUCCCACCUCUACCU
CCACCCCCAAC
>Rn6-96h-2pl-F8_F
CGUGGGCAACGCCUGCCGCCUGCUCUGAGGCCCGAUCCAGUGGGCAGGCCAAGGCCUGCU
GGGCCCCCGCGGACCCAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGUCCCCGCACCCCCGCUUCUG
UCUGCCCCAUUGUGGCUCCUCAGGCUCUCUCCCCUGCUCUCCCACCUCUACCUCCACCCA
CACC
>Rn6-96hH9_For2
UCCUGAGGGACUGGGACUCCCCUUACAGCCAUGACCUUGACACCUCAGCUGACAGCGUGG
GCAACGCCUGCCGCCUGCUCUGAGGCCCGAUCCAGUGGGCAGGCCAAGGCCUGCUGGGCC
CCCGCGGACCCAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGUCCCCGCACCCCCGCUUCUGUCUGC
CCCAUUGUGGCUCCUCAGGCUCUCUCCCCUGCUCUCCCACCUCUACCUCCACGCCCAC
>Rn5_F10_b
CUGAGGGACUGGGACUCCCCUUACAGCCAUGACCUUGACACCUCAGCUGACAGCGUGGGC
AACGCCUGCCGCCUGCUCUGAGGCCCGAUCCAGUGGGCAGGCCAAGGCCUGCUGGGCCCC
CGCGGACCCAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGUCCCCGCACCCCCGCUUCUGUCUGCCC
CAUUGUGGCUCCUCAGGCUCUCUCCCCUGCUCUCCCACCUCUACCUCCACACCU
>Rn6-2WoF11_For2
UGCGGAGCCAGCUGGAGGCCAUUUUCCUGAGGGACUGGGACUCCCCUUACAGCCAUGACC
UUGACACCUCAGCUGACAGCGUGGGCAACGCCUGCCGCCUGCUCUGAGGCCCGAUCCAGU
GGGCAGGCCAAGGCCUGCUGGGCCCCCGCGGACCCAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGU
CCCCGCACCCCCGCUUCUGUCUGCCCCAUUGUGGCUCCUCAGGCUCUCUCCCCUGCUCUC
CCACCUCUACCUCCACCC
>Rn6-1WoA9_For2
CUGGAGGCCAUUUUCCUGAGGGACUGGGACUCCCCUUACAGCCAUGACCUUGACACCUCA
GCUGACAGCGUGGGCAACGCCUGCCGCCUGCUCUGAGGCCCGAUCCAGUGGGCAGGCCAA
GGCCUGCUGGGCCCCCGCGGACCCAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGUCCCCGCACCCC
CGCUUCUGUCUGCCCCAUUGUGGCUCCUCAGGCUCUCUCCCCUGCUCUCCCACCUCUACC
UCCCCCCAC
>Rn6-1WoF9_For2
CUGGGACUCCCCUUACAGCCAUGACCUUGACACCUCAGCUGACAGCGUGGGCAACGCCUG
CCGCCUGCUCUGAGGCCCAAUCCAGUGGGCAGGCCAAGGCCUGCUGGGCCCCCGCGGACC
CAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGUCCCCGCACCCCCGCUUCUGUCUGCCCCAUUGUGC
CUCCUUAGGCUCUCUCCCCUGCUCUCCCACCUCUACCUCCACCCCC

I群
>Rn5_A7_b
GCAGCAAUGCAGCUCAAAACGCUUAGCCUAGCCACACCCCCACGGUAAACAGCAGUGAUU
AACUUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUAUACUAACCCCAGGGUUGGUCAAUUU
CGUGCCAGCCACC
>Rn5_B6_b
CUUUCUAUUAGCUCUUAGUAAGAUUACACAUGCAAGCAUCCCCGUUCCAGUGAGUUCACC
CUCUAAAUCACCACGAUAAAAAGGGACAAGCAUCAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAAAAC
GCUUAGCCUAGCCACACCCCCACGGGAAACAGCAGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAA
AGUUUAACUAAGCUAUACUAACCCCAGGGUUGGUCAAUUUCGUGCCAGCUACC
>Rn5D4_For2
GUUCCAGUGAGUUCACCCUCUAAAUCACCACGAUCAAAAGGGACAAGCAUCAAGCACGCA
GCAAUGCAGCUCAAAACGCUUAGCCUAGCCACACCCCCACGGGAAACAGCAGUGAUUAAC
CUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUAUACUAACCCCAGGGUUGGUCAAUUUCGU
GCCAGCCACC
>Rn5D2_For2
AAAGGGACAAGCAUCAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAAAACGCUUAGCCUAGCCACACCC
CCACGGGAAACAGCAGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUAUACU
AACCCCAGGGUUGGUCAAUUUCGUGCCAGCCACC
>Rn6-1Wo_D7_b
UCAAAAGGGACAAGCAUCAAGCACGCAACAAUGCAGCUCAAAAACGCUUAGCCUAGCCAC
ACCCCCACGGGAAACAGCAGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUA
CACUAACCCCAGGGUUGGUCAAUUUCGUGCCAGCCACC
>Rn6-96h-2pl-A9_F
UACACAUGCAAGCAUCCCCGUUCCAGUGAGUUCACCCUCUAAAUCACCACGAUCAAAAGG
GACAAGCAUCAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAAAAACGCUUAGCCUAGCCACACCCCCAC
GGGAAACAGCAGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUAUACUAACC
CCAGGGUUGGUCAAUUUCGUGCCAGCCACC
>Rn6-2WoH3_For2
CAUCAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAAAACGCUUAGCCUAGCCACACCCCCACGGGAAAC
AGCAGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUAUACUAACCCCAGGGU
UGGUCAAUUUCGUGCCAACCACC
>Rn6-96hG11_For2
AAAGGGACAAGCAUCAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAAAACGCUUAGCCUAGCCACACCC
CCACGGGAAACAGCAGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUAUACU
AACCCCAGGGUUGGUCAAUUUCGUGCCAACCACC
>Rn5E1_For2
CAAGCACGCAACAAUGCAGCUCAAAACGCUUAGCCUAGCCACACCCCCACGGGAAACAGC
AGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUAUACUAACCCCAGGGUUGG
UCAAUUUCGUGCCAACCACC
>Rn6-1WoA11_For2
CAUCAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAAAACGCUUAGCCUAGCCACACCCCCAUGGGAAAC
AGCAGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUAUACUAACCCCAGGGU
UGGUCAAUUUCGUGCCAGCUCACC
>Rn6-2WoE7_For2
CAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAAAACGCUUAGCCUAGCCACACCCCCACGGGAAACAGC
AGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUAUACUAACCCCAGGGUUGG
UCAAUUUCGUGCCAGCCACACC
>Rn6-96h-2pl-B5_F
CAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAAAACGCUUAGCCUAGCCACACCCCCACGGGAAACAGC
AGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUAUACUAACCCCAGGGUUGG
UCAAUUUCGUGCCAGCCACC
>Rn5H2_For2
CACGAUCAAAAGGGACAAGCAUCAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAAAACGCUUAGCCUAG
CCACACCCCCACGGGAAACAGCAGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAA
GCUAUACUAACCCCAGGGUUGGUCAAUUUCGUGCCAGCCACC
>Rn6-1WoF11_For2
UAAAUCACCACGAUCAAAAGGGACAAGCAUCAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAAAACGCU
UAGCCUAGCCACACCCCCACGGGAAACAGCAGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGU
UUAACUAAGCUAUACUAACCCCAGGGUUGGUCAAUUUCGUGCCAGCCACC
>Rn6-2WoB11_For2
AGCCUUUCUAUUAGCUCUUAGUAAGAUUACACAUGCAAGCAUCCCCGUUCCAGUGAGUUC
ACCCUCUAAAUCACCACGAUCAAAAGGGACAAGCAUCAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAA
AACGCUUAGCCUAGCCACACCCCCACGGGAAACAGCAGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAAC
GAAAGUUUAACUAAGCUAUACUAACCCCAGGGUUGGUCAAUUUCGUGCCAGCCACC
>Rn6-1WoA3_For2
GGGACAAGCAUCAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAAAACGCUUAGCCUAGCCACACCCCCA
CGGGAAACAGCAGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUAUACUAAC
CCCAGGGUUGGUCAAUUUCGUGCCAGCCACC
>Rn6-1Wo_D2_b
GGGACAAGCAUCAAGCACGCAGCAAUGCAGCUCAAAACGCUUAGCCUAGCCACACCCCCA
CGGGAAACAGCAGUGAUUAACCUUUAGCAAUAAACGAAAGUUUAACUAAGCUAUACUAAC
CCCAGGGUUGGUCAAUUUCGUGCCAGCCACC

J群
>Rn5A1_For2
UUCUGCCCCAGCUUUGCAGGAUGAAACACUUCCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAAGA
GAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGGUUCAGCAACUCUGCAGAAAAUGUCCUCCC
CUGUGGCUGCCUCAGCUCAUGCCUUUGGCCUGAAGUCCCAGCAUUGAUGGCAGCCCCUCA
UCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAACGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUC
CUUCUGUGCCACU
>Rn5B1_For2
UUCUGCCCCAGCUUUGCAGGAUGAAACACUUCCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAAGA
GAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGGUUCAGCAACUCUGCAGAAAAUGUCCUCCC
CUGUGGCUGCCUCAGCUCAUGCCUUUGGCCUGAAGUCCCAGCAUUGAUGGCAGCCCCUCA
UCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAACGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUC
CUUCUGUGCCACU
>Rn5_A10_b
CCCCAGCUUUGCAGGAUGAAACACUUCCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAAGAGAGAC
CUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGGUUCAGCAACUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCCUGUG
GCUGCCUCAGCUCAUGCCUUUGGCCUGAAGUCCCAGCAUUGAUGGCAGCCCCUCAUCUUC
CAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAACGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUCCUCCU
GUGCCACAAA
>Rn5_G1_b
CCCCAGCUUUGCAGGAUGAAACACUUCCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAAGAGAGAC
CUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGGUUCAGCAACUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCCUGUG
GCUGCCUCAGCUCAUGCCUUUGGCCUGAAGUCCCAGCAUUGAUGGCAGCCCCUCAUCUUC
CAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAACGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUCCUCCU
GUGCCACAAA
>Rn6-1WoF5_For2
CUUUGCAGGAUGAAACACUUCCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAAGAGAGACCUUUCU
CCGGACCUGGUUGCUACUGGUUCAGCAACUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCCUGUGGCUGCC
UCAGCUCAUGCCUUUGGCCUGAAGUCCCAGCAUUGAUGGCAGCCCCUCAUCUUCCAAGUU
UUGUGCUCCCCUUUACCUAACGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUCCUCC
>Rn6-2WoA5_For2
UGCAGGAUGAAACACUUCCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAGGAGAGACCUUUCUCCG
GACCUGGUUGCUACUGGUUCAGCAACUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCCUGUGGCUGCCUCA
GCUCAUGCCUUUGGCCUGAAGUCCCAGCAUUGAUGGCAGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUG
UGCUCCCCUUUACCUAACGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUCCA
>Rn6-2WoA7_For2
GUGAAGAUGACCACAUUCAAGGAAGAACCUUCUGCCCCAGCUUUGCAGGAUGAAACACUU
CCCCGCUUGGCUCUCCUUCUUCCACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGG
UUCAGCAGCUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUUGGCCU
GAAGUCCCAGCAUUAAUGGCAGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAA
UGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUCCUGCUGUGCCA
>Rn6-2WoG2_For2
UCCACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGCUGCUACUGGUUCAGCAGCUCUGCAGAAAA
UGUCCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUUGGCCUGAAGUCCCAGCAUUAAUGGC
AGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAAUGCUUCCUGCCUCCCAUGCA
UCUGUACUCCUGCUGUGCCACAAACAC
>Rn6-2WoH10_For2
UCCACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGCUGCUACUGGUUCAGCAGCUCUGCAGAAAA
UGUCCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUUGGCCUGAAGUCCCAGCAUUAAUGGC
AGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAAUGCUUCCUGCCUCCCAUGCA
UCUGUACUCCUGCUGUGCCACAAACAC
>Rn6-96h-2pl-G7_F
GCUACUGGUUCAGCAGCUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACC
UUUGGCCUGAAGUCCCAGCAUUAAUGGCAGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCU
UUACCUAAUGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUCCUGCGU
>Rn5-2pl-B2_For2
AGAACCUUCUGCCCCAGCUUUGCAGGAUGAAACACUUCCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCC
ACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGGUUCAGCAGCUCUGCAGAAAAUGU
CCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUUGGCCUGAAGUCCCAGCAUUAAUGGCAGC
CCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAAUGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCU
GUACUCCUG
>Rn5-2pl-D1_For2
AGAACCUUCUGCCCCAGCUUUGCAGGAUGAAACACUUCCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCC
ACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGGUUCAGCAGCUCUGCAGAAAAUGU
CCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUUGGCCUGAAGUCCCAGCAUUAAUGGCAGC
CCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAAUGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCU
GUACUCCUG
>Rn6-1WoA5_For2
UGAAGAUGACCACAUUCAAGGAAGAACCUUCUGCCCCAGCUUUGCAGGAUGAAACACUUC
CCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGUUCAGCAG
CUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUUGGCCUGAAGUCCC
AGCAUUAAUGGCAGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAAUGCUUCCU
GCCUCCCAUGCAUCUGUACUCCUG
>Rn6-1Wo_G10_b
UGAAGAUGACCACAUUCAAGGAAGAACCUUCUGCCCCAGCUUUGCAGGAUGAAACACUUC
CCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGGU
UCAGCAGCUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUUGGCCUG
AAGUCCCAGCAUUAAUGGCAGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAAU
GCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUCCC
>Rn6-2WoE4_For2
CCACAUUCAAGGAAGAACCUUCUGCCCCAGCUUUGCAGGAUGAAACACUUCCCCGCUUGG
CUCUCAUUCUUCCACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGGUUCAGCAGCU
CUGCAGAAAAUGUCCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUUGGCCUGAAGUCCCAG
CAUUAAUGGCAGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAAUGCUUCCUGC
CCCCC
>Rn6-96hG12_For2
GUGAAGAUGACCACAUUCAAGGAAGAACCUUCUGCCCCAGCUUUGCAGGAUGAAACACUU
CCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGG
UUCAGCAGCUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUUGGCCU
GAAGUCCCAGCAUUAAUGGCAGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAA
UGCUUCCUGCCCCCCAU
>Rn6-96h-2pl-C12
AGAACCUUCUGCCCCAGCUUUGCAGGAUGAAACACUUCCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCC
ACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGGUUCAGCAGCUCUGCAGAAAAUGU
CCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUUGGCCUGAAGUCCCAGCAUUAAUGGCAGC
CCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCC
>Rn6-96h-2pl-A6_F
CUGAAGUGAAGAUGACCACAUUCAAGGAAGAACCUUCUGCCCCAGCUUUGCAGGAUGAAA
CACUUCCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCU
ACUGGUUCAGCAGCUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUU
GGCCUGAAGUCCCAGCAUUAAUGGCAGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUA
CCUAAUGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUCCU
>Rn6-96h-2pl-H5_F
CUGAAGUGAAGAUGACCACAUUCAAGGAAGAACCUUCUGCCCCAGCUUUGCAGGAUGAAA
CACUUCCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCU
ACUGGUUCAGCAGCUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUU
GGCCUGAAGUCCCAGCAUUAAUGGCAGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUA
CCUAAUGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUCCU
>Rn6-2WoG1_For2
AAGAUGACCACAUUCAAGGAAGAACCUUCUGCCCCAGCUUUGCAGGAUGAAACACUUCCC
CGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGGUUC
AGCAGCUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUUGGCCUGAA
GUCCCAGCAUUAAUGGCAGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAAUGC
UUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUCCUGC
>Rn6-96h-2pl-D11
CCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGG
UUCAGCAGCUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUUGGCCU
GAAGUCCCAGCAUUAAUGGCAGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAA
UGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUCCU
>Rn6-96h-2pl-F9_F
CCCCGCUUGGCUCUCAUUCUUCCACAAGAGAGACCUUUCUCCGGACCUGGUUGCUACUGG
UUCAGCAGCUCUGCAGAAAAUGUCCUCCCUUGUGGCUGCCUCAGCUCGUACCUUUGGCCU
GAAGUCCCAGCAUUAAUGGCAGCCCCUCAUCUUCCAAGUUUUGUGCUCCCCUUUACCUAA
UGCUUCCUGCCUCCCAUGCAUCUGUACUCCU

>hBg:
GAGAGCUCGCUUUCUUGCUGUCCAAUUUCUAUUAAAGGUUCCUUUGUUCCCUAAGUCCAACUACUAAACUGGGGGAUAUUAUGAAGGGCCUUGAGCAUCUGGAUUCUGCCUAAUAAAAAACAUUUAUUUUCAUUGCUGCGUC
UTRなし:


>BB
UGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACCUGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACC
>BD
UGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACCUUCCAGCCAGACACCCGCCCCCCGGCCCUGGCUAAGAAGUUGCUUCCUGUUGCCAGCAUGACCUACCCUCGCCUCUUUGAUGCCAUCCGCUGCCACCUCCUUUUGCUCCUGGACCCUUUAGCCUCUCUGCCCUUCCACUCUCUGACCCC
>BE
UGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACCGCCUUGGCUCCUCCAGGAAGGCUCAGGAGCCCUACCUCCCUGCCAUUAUAGCUGCUCCCCGCCAGAAGCCUGUGCCAACUCUCUGCAUUCCCUGAUCUCCAUCCCUGUGGCUGUCACCCUUGGUCACCUCCGUGCUGUCACUGCCAUCUCCCCCC
>BF
UGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACCCUGGUACUGCAUGCACGCAAUGCUAGCUGCCCCUUUCCCGUCCUGGGUACCCCGAGUCUCCCCCGACCUCGGGUCCCAGGUAUGCUCCCACCUCCACCUGCCCCACUCACCACCUCUGCUAGUUCCAGACACCUCC
>BG
UGCCCGUCCUCACCAAGACUGACUGCCUGCUGCUUUGCUACUGCCCGGGCCCAUGAGACUGACUUCCCACUGCUCUGCCUGCCUCUCCCCACUGCACUGGCACAGCCCCGCCUUGCCGCUGCUGAUCCAUUGCCGGUGUGACCCUGACAGCGUGGGCAACGCCUGCCGCCUGCUCUGAGGCCCGAUCCAGUGGGCAGGCCAAGGCCUGCUGGGCCCCCGCGGACCCAGGUGCUCUGGGUCACGGUCCCUGUCCCCGCACCCCCGCUUCUGUCUGCCCCAUUGUGGCUCCUCAGGCUCUCUCCCCUGCUCUCCCACCUCUACCUCCACCCCCAC
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>FI UTR 97,5%相同性(ランダム修飾)
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>FI UTR 95%相同性(ランダム修飾)
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>FI UTR 92,5%相同性(ランダム修飾)
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>FI UTR 90%相同性(ランダム修飾)
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>FI UTR 98.75%相同性(構造不安定化修飾)
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>FI UTR 97.5%相同性(構造不安定化修飾)
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>FI UTR 96,25%相同性(ランダム修飾)
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>FI UTR 95%相同性(構造不安定化修飾)
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>FI UTR 97,5%相同性(構造保持修飾)
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>FI UTR 95%(構造保持修飾)
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>FI UTR 92,5%(構造保持修飾)
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>FI UTR 90%(構造保持修飾)
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図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14A-B】
図14C
図14D-F】
図14G
【配列表】
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