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特許7084368注ぎ口を含む、液体を供給するための投与装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】注ぎ口を含む、液体を供給するための投与装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20220607BHJP
   G01F 19/00 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
B65D47/20 220
G01F19/00 M
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019182554
(22)【出願日】2019-10-03
(62)【分割の表示】P 2016559885の分割
【原出願日】2015-03-27
(65)【公開番号】P2020023362
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2019-10-11
(31)【優先権主張番号】00486/14
(32)【優先日】2014-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516290900
【氏名又は名称】カパルティス アーゲー
【氏名又は名称原語表記】CAPARTIS AG
【住所又は居所原語表記】Grabenstrasse 15 CH-8200 Schaffhausen Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルゲナント,ヘルベルト
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0000986(US,A1)
【文献】仏国特許出願公開第02974351(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/20
B65D 47/04
B65D 83/00
G01F 19/00
G01F 11/26
A61J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル付きの容器から投与量を分注するために設計された投与装置であって、
前記ノズルにねじ込むか、または押し込むことができる注ぎ口取付け具(40)と、
注ぎ口(51)を含む円筒形の閉鎖本体(41)と、を備え、
円柱(49)を実質的に形成する前記円筒形の閉鎖本体(41)は、前記注ぎ口取付け具(40)に保持され、
前記円筒形の閉鎖本体(41)は、2つの固定壁すなわち第1の固定壁(52)および第2の固定壁(54)を含み、かつ投与量を分注するために、2つの可動壁すなわち第1の可動壁(60)と第2の可動壁(61)を含み、
これらの可動部は、前記2つの固定壁(52、54)とともに、計量制御チャンバ(64)を前記閉鎖本体(41)に形成し、
前記計量制御チャンバ(64)は、投与量が分注されると空から満杯まで満たされ、
前記計量制御チャンバ(64)は、前記閉鎖本体(41)の前記2つの固定壁により形成されて境界付けられ、前記2つの固定壁は互いに隣接し、前記第2の固定壁(54)は前記閉鎖本体(41)の縦軸に平行に延び、他方の前記第1の固定壁(52)と少なくとも約90°の角度を囲み、
前記計量制御チャンバ(64)はまた前記可動部における前記第1の可動壁(60)と前記第2の可動壁(61)により形成されて境界付けられ、前記閉鎖本体(41)の縦軸に沿って変位可能であり、前記第1の可動壁(60)は前記閉鎖本体(41)の縦軸に平行に延びるとともに前記第2の可動壁(61)とともに約90°の角度を囲み、
前記第1の可動壁(60)と前記第2の可動壁(61)は互いに隣接し、前記第2の可動壁(61)は前記第1の可動壁(60)の頂部から径方向外側に延在し、前記第2の固定壁(54)に向かって対向し、
前記可動部は、投与プロセスの開始時および初期位置において、変位経路内で前記注ぎ口(51)から最大に離れており、その後、前記投与量の前記投与中に前記注ぎ口(51)に向かって移動可能であり、前記計量制御チャンバ(64)が完全に満たされると、前記可動部のうちの前記第2の可動壁(61)が前記注ぎ口(51)を閉じることにより前記投与量が制限され、前記投与量を分注した後、前記投与装置を前記容器の直立位置に戻し、それによって前記閉鎖本体(41)の前記可動部を初期位置に戻すことにより、前記計量制御チャンバ(64)を空にして前記容器に戻すことができる、投与装置。
【請求項2】
軸方向に延在する溝(59)が円柱(49)の内壁の2つの対向する側部上に直径方向に形成され、前記第1の可動壁(60)がこれら2つの溝(59)の中に挿入されることで前記円柱(49)内を軸方向に可動である、請求項1に記載の投与装置。
【請求項3】
前記第1の可動壁(60)が平坦である、請求項2に記載の投与装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注ぎ口を含む容器、例えば、プラスチックまたはPETからできたボトルから、あるいは注ぎ口を含むホースのいずれかから、投与量の液体供給物を注出するための投与装置に関する。
【背景技術】
【0002】
投与閉鎖部(Dosierverschluesse)または投与される液体を注出するための装置が、例えば国際公開第2005/049477号パンフレット、および欧州特許第2653842号明細書から、複数の設計で既知である。しかし、既知の投与閉鎖部または投与装置は、一貫して複数の部品から作製され、少なくとも3つの部品を備え、それよりもはるかに多い数の部品を備える。加えて、ボールまたはボールベアリングの形態の閉鎖装置など、特定の部品は、製造するのが困難であり、組み立てること、すなわち完全な投与閉鎖部を形成するためにそれらを組み立てることには費用がかかる。投与装置が米国特許第2864538号明細書から既知であり、その文献では、投与装置が容器の注ぎ口上に配置されることが可能である。その容器は、注ぎ口から軸方向に離れて突出して、例えば、容器注ぎ口よりも概ね大きい直径の円柱形またはドラム形状の投与チャンバを形成する。この投与チャンバは、2つの端位置に軸方向に移動されることが可能である。注ぎ口が下方に位置するように容器が上下逆にされる場合、投与チャンバはその停止部まで上方へ押され、次いで充填される。投与チャンバは、それを空にするために下方停止部まで下方へ押され、それに続いて内部に保持されている内容物が注出されることが可能である。一変形形態では、投与チャンバの充填物の程度を変化させるために、多少とも強く回転される投与装置によって、投与量を変化させることが可能である。しかし、この投与装置は、容器注ぎ口、またはヘッド、または容器の内部に一体化されることができず、常に注ぎ口の外側に取り付けられる。更に、それに続く投与は、片手では実施できない追加の操作が必要である。容器を上下逆に傾ける必要があり、次いで投与チャンバが下へ押される必要があり、その時投与量が流出する。その結果、投与物を注出するために、両手が必然的に必要となる。
【0003】
欧州特許第0337778号明細書は、投与システムを含む液体容器を示しており、この投与システムは閉鎖要素の中に格納されているが、一方、閉鎖要素(Verschlusselement)は、液体容器の注ぎ口を越えて、注ぎ口の長さの倍数だけ突出する。閉鎖要素を含む容器が上下逆にされる場合、その時所定の投与量が容器から流出する。円柱形内壁を含むタイミングチャンバが、投与のために形成され、容器が上下逆にされる場合、重力の影響下で、ピストンが開始位置から終了位置まで下方へ案内され、移動される。ピストンはタイマーフランジを備え、タイマーフランジは、タイミングチャンバの可動壁を形成し、タイミングチャンバのリング状壁に関して径方向に延在し、リング状壁と摺動して封止される関係である。したがって、それによって、ピストンの開始位置と終了位置との間に所定の容積を画定して、タイミングチャンバの容積を形成する。注ぎ口を含む液体容器の場合、このタイミングチャンバは、タイミングチャンバの頂部に入口ポートを備え、閉鎖部が底部にある場合、その入口ポートを通って液体がタイマーチャンバの中に流入することができる。液体容器が、上下逆にされた位置に保持され続ける場合、ピストンが、重力によって下方へ移動し、最初に追加の液体がタイミングチャンバの中に流れることを停止する。ピストンの下方への移動中に、タイミングチャンバの内容物が、閉鎖部の中の出口ポートを通って排出され、ピストンがその下方端部状態に到達すると、これらの出口ポートは、今度は封止され、液体は閉鎖部を通って流れることはもはやない。したがって、投与量は、ピストンが重力下で移動される範囲内の時間に左右される。この閉鎖要素は、投与システムと対称的に形成され、注ぎ口を含む液体容器と共に機能するが、しかし、容器が、例えば45°の注出位置を通ってゆっくりと枢動される場合には、ほとんど機能しない。ピストンが確実に下方へ押されるのではなく、同時に、加えて、ピストンの上方側上にある入口ポートが、部分的に空になっている液体貯蔵器の中では液体に浸されていないので、この場合システムは機能しない。したがって、この投与システムは、液体容器が、180°を通って素早く上下逆にされることが必ず必要であり、その後、注出される液体の量は時間の関数である。重力に起因して、ピストンがその最も低い位置に到達するまで液体が流出し、ピストンが、その点で出口ポートを閉じる。
【0004】
独国特許第3221438号明細書は、特定の量の液体を容器から取り出すための装置を開示する。その装置は、円柱内に摺動可能に取り付けられたピストンを備え、円柱は、一方の端部で、容器の開口部上に取り付けられた閉鎖ブロックに結合されている。閉鎖ブロックは、入口閉鎖部を含む入口ポート、ならびに出口閉鎖部を含む出口ポートを備える。ピストンは軸方向に制限され、一方の停止部が可動であり、段部形状であり、円柱と同軸であるらせん状曲線に沿って延在する。停止部の1つが、円柱の周方向に調節可能である。停止部の互いの角度位置に依存して、ピストンはその通路内を多少とも移動することができ、したがって液体を多少とも吸込み、次いでそれを排出することができる。投与システムは、入口および出口用ボール式閉鎖部から成り、複数の個々の部品、特にいくつかの細かい部品からも構成される。このことは非常に複雑な取付けを必要とし、全体的に、この閉鎖の解決策は、例えば注出可能な液体洗剤用には完全に不適当である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2005/049477号パンフレット
【文献】欧州特許第2653842号明細書
【文献】米国特許第2864538号明細書
【文献】欧州特許第0337778号明細書
【文献】独国特許第3221438号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの先行技術に鑑みると、本発明の目的は、濃厚な液体から希薄な液体まで、液体内容物用の注ぎ口を含む容器またはホースから液体を供給するための投与装置を提供することであり、その装置は、最小の数の部品だけを必要とし、組み立てるのが非常に簡単であり、適用するのがフールプルーフであり、詰まることがなく、注出位置に装置を簡単に傾けることによって、または液体が供給される容器、またはホースのベローズを転置させ、軽く絞ることによって確実な投与を可能にする。特定の実施形態では、投与は最小量と最大量の間で無限に調節可能であるべきであり、追加的な調節位置で連続的な注出を可能にするべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、容器またはチューブから所定の投与量を分注するための注ぎ口用投与装置によって達成され、その投与装置は、閉鎖本体を含むねじ式または押し込み可能な注ぎ口取付け具から成り、閉鎖本体が、別個のカバーによって随意により閉鎖可能であり、可変容積の投与制御チャンバを備え、投与制御チャンバは注入によって空から満杯になるまで充填され、投与制御チャンバが2つの固定壁および2つの可動壁によって制限され、閉鎖本体が、注ぎ口まで軸方向に延在する2つの互いに平行な任意形状の側壁を含み、側壁の一方が、側壁の他方に対して、閉鎖本体上の注ぎ口に向かって軸方向に移動可能であり、閉鎖本体の固定壁が、可動側壁に対してある角度で、容器に面する底壁を側部上に形成し、可動側壁が、容器の注ぎ口に面する端部で、突出する上壁をある角度で形成し、その上壁が固定側壁に結合し、4つの壁のすべてが可変容積の投与制御チャンバを形成し、注ぎ穴が、延在された可動側壁の位置で、容器の注ぎ口の口まで上壁によって封止されて覆われる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
この投与装置およびその構成要素の様々な実施形態が、図面を参照して、以下に説明され、これらの部品の機能およびこれらの投与装置の動作が詳細に説明され、考察される。
図1】閉鎖手段を含む、上下逆の注出位置の投与装置を示す図である。
図2】閉鎖手段が180°を通って枢動された、上下逆の注出位置の同様の投与装置を下方斜め方向から示す斜視図である。
図3】上下逆の注出位置にあるこの投与装置を上方斜め方向から示す斜視図である。
図4】投与装置の第1の固定部品、すなわち窓を含むカップを示す図である。
図5】投与装置の第2の可動部品、すなわち延在部を含む投与ピストンを示す図である。
図6】投与ピストンがカップ内の最上位置にある、装置内の投与手段を示す図である。
図7】投与ピストンがカップ内の最上位置にあり、投与部分を分注する用意ができている、投与装置の軸方向の断面図である。
図8】投与部分を分注する場合、投与ピストンが下方へ移動途中にある、投与装置の軸方向の断面図である。
図9】投与部分を分注する後、投与ピストンが最下位置にある、投与装置の軸方向の断面図である。
図10】容器の減圧、およびその後大気圧による、カップ内で投与ピストンの枢動に続いて、投与ピストンが最下位置にある、投与装置の軸方向の断面図である。
図11】部品の幾何学的設計によって、容器の通気および枢動の減少後、投与ピストンが最上位置にある、投与装置の軸方向の断面図である。
図12】投与手段の第1の固定部品、すなわち窓を含むカップの代替実施形態を示す図である。
図13】投与手段の第2の可動部品、すなわち平坦な延在部を含む投与ピストンの代替実施形態を示す図である。
図14】平坦な延在部を含む投与ピストンを含む代替設計における投与装置を下方から斜めに見た図である。
図15】最小量と最大量との間で投与量の無段調節のための実施形態における、投与手段が挿入されない投与装置を示す図である。
図16】最小投与量に設定されている、投与量の無限の可変調節のための投与装置を下方から見た図である。
図17】最大投与量に設定されている、投与量の無限の可変調節のための投与装置を下方から見た図である。
図18】戻止閉鎖部、ベローズおよび注ぎ口を装備する、ホース端部上に取り付けられた投与装置を示す図である。
図19】注ぎ口取付け具および閉鎖本体を含む投与装置の代替実施形態を示す図である。
図20】注出位置にある図19の投与装置の投与制御チャンバを含む閉鎖本体を示す部分切欠き図である。
図21図20の閉鎖本体を示す、閉鎖本体の円柱軸線に沿った断面図である。
図22】注出位置にある図19の投与装置の投与制御チャンバを含む閉鎖本体を示す部分切欠き図であり、可動境界壁が移動通路の中間にあり、流出液体を矢印で示す。
図23図22の閉鎖本体を示す、閉鎖本体の円柱軸線に沿った断面図である。
図24】注出位置にある図19の投与装置の投与制御チャンバを含む閉鎖本体を示す部分切欠き図であり、可動境界壁が移動通路の端部にあり、分注が停止されている。
図25】閉鎖本体の円柱軸線に沿って、図25の閉鎖本体を示す断面図である。
図26】分離されて提示される注ぎ口取付け具の部分断面図である。
図27】注ぎ口取付け具の上方から見た斜視図である。
図28】注ぎ口取付け具の下方から見た図である。
図29】径方向断面から見た注ぎ口取付け具の側面図である。
図30】上方から見た注ぎ口取付け具の図である。
図31】調節可能な投与量を含む型における、分注工程の開始時に、最小投与量の排出用の図19から図30の投与装置を示す部分断面図である。
図32】分注工程の終了時に、図31による投与装置を示す図である。
図33】調節可能な投与量を含む型における、分注工程の開始時に、最大投与量の排出用の図19から図30の投与装置を示す部分断面図である。
図34】分注工程の終了時に、図33による投与装置を示す図である。
図35】調節可能な投与量を含む型における、分注工程の開始時に、妨げられない、連続的な液体分注用の図19から図30の投与装置を示す部分断面図である。
図36】妨げられない、連続的な液体分注用の、投与制御チャンバの可動境界壁が端位置にある、図35の投与装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、図示の例の中で、上下逆にされた注出位置にある投与閉鎖部として、投与装置を示す。キャップの形態であることができる閉鎖手段が、閉鎖注ぎ口3に対して揺動されるように蝶番式に取り付けられ、閉鎖注ぎ口3にラッチ留め、またはスナップ留めされ、あるいはねじで取り付けられる。閉鎖本体1を含むこの投与装置、またはこの場合、投与閉鎖部は、容器またはホースの注ぎ口にねじで取り付けられ、ラッチ留めされ、または封止してスナップ留めされ、または押し付けられることができる。閉鎖本体1が、注ぎ口の上に封止して締め付けられ得るために、例えば、雌ねじを備え付けることが可能であり、雌ねじは注ぎ口の対応する雄ねじの中に嵌合する。一方、注ぎ口は雌ねじを備えることができ、次いで閉鎖本体は注ぎ口の中に延在する管状延在部を装備し、次いでその延在部が対応する雄ねじを備える。別法として、閉鎖本体は、内側円周のビードという手段によって、外側縁部上方で、ねじ山とは異なる滑らかなボトル、容器またはホース端部に対して押されることができる。ゴム製ガスケットによって押すこと、またはラッチによって上にスナップ留めすることもまた考えられる。いずれの方法にしても、閉鎖本体1は、効果的に、容器またはチューブの注ぎ口の上に容易に封止して固定されなければならない。図面では、へりにぎざぎざのある回転本体2が、閉鎖本体1の下方外側に延在し、回転本体2は、閉鎖装置の軸線の周りに、ある量で閉鎖本体1の内部に回転自在に挿入される。しかし、後に明らかになるように、これは元々オプションである。
【0010】
最も簡単な実施形態では、投与装置または投与閉鎖部は、そのような回転本体を備えず、したがって、単に閉鎖本体の中にしっかりと嵌合し、またはその一体式部品を形成することができ、したがって回転本体はもはや存在しない。投与閉鎖部の注ぎ口3が、まさしく底部に見られ、その中央穴から外へ投与される液体が出る。投与手段の2つの構成要素は、上記に識別される閉鎖本体1、すなわちここでは見られない窓を含む固定カップ4の上方端部、ならびに可動投与ピストンに属する延在部5であることができる。この延在部5は、90°から200°の角度区分にわたって円柱壁の延在部を形成する。最後に、この図では、上方のらせん状リミタ6が見られ、その重要性および機能は、本説明の続きの経過の中で明確になるであろう。
【0011】
図2は、上下逆にされた注出位置にあるこの投与閉鎖部を下方斜め方向から示す。ここでは閉鎖手段はキャップ7の形態であり、キャップ7は、閉鎖本体1上のフィルム蝶番8を中心として回転本体2および注ぎ口3に対して枢動可能であり、閉鎖本体1の縁部9にスナップ留めすることによって、注ぎ口3を閉鎖する。頂部には、投与ピストン上にリミタ6および延在部5が見られるが、それらは図1の説明の中で言及された。
【0012】
図3は、上下逆の注出位置にあるこの投与装置を上方斜め方向から示された斜視図である。この図では、投与手段の2つの構成要素、すなわち、例の図面の中で、上方に延在する平坦な延在部11を含む可動投与ピストン10、ならびにカップ4の側面の半分全体を超えて延在する、窓12を含む中空円柱カップ4の頂部が見られる。これらの部品は、他の図面およびそれらの説明される機能と関連して以下に詳細に説明される。
【0013】
図4は、投与手段の第1の固定部品、すなわち、窓12を含む中空円柱カップ4を示す。本質的に、カップ4は単なる中空円柱であり、カバー13によって頂部で閉鎖され、このカバー13は、図示される例では平坦であるが、しかし平坦な形状以外の形状を含むこともまた可能である。窓12は、上方端部で周囲壁の中に引っ込んでおり、ここでは円周の半分を越えて延在する。カバー13は、円周壁の壁厚によって、窓の上方縁部に沿って延在する外側周囲領域の縁部で半径が小さくなっている。カバー13の外側でわずかに内側に段違いになっている縁部25が、円周の約半分以上を越えて両側に延在し、その結果、スリット14が窓12の両側にカバー13の中に形成される。内側上には、カップ4の中空円柱の中に案内リブが形成され、軸方向に延在する。
【0014】
投与手段の第2の可動構成要素、すなわち、図5に示すように延在部5を含む投与ピストン10が、図4の中空円柱カップの中に挿入され得る。この投与ピストン10は、いわば椅子の形態であり、家具カバーで覆われている。投与ピストン10は、底部で、下方に開く中空円柱19を形成し、一方、その外側壁は、中空円柱19の上方端部面15の上方へ延在して、周囲壁の分離した部分の形態の延在部5を形成する。この延在部5は、本明細書では、中空円柱19または投与ピストン10の円周の半分を越えて延在する。延在部5は、投与ピストン10の軸方向に、90°から200°の角度区分にわたって更に延在することが可能である。例示的な椅子との比較で残る部分では、この延在部5は、したがってある程度、椅子の背を形成する。投与ピストン10上の外側には、傾斜面17を含む楔形リブ16を両側に確認することができ、したがって楔形リブ16は、中空円柱および投与ピストン10の軸方向に対してわずかに斜めに走る。図示の例では、カップまたはカップの前に形成された「椅子」の正面に軸方向のリブ18もまた存在する。
【0015】
図6は、投与装置内または本明細書では、投与閉鎖部の中に挿入される投与手段を示し、延在部5を含む投与ピストン10は、カップ4の内部の最上位置にある。理解され得るように、延在部5は、カップ4のカバー13上のスリット14内の側面縁部20に嵌合する。したがって、投与ピストン10はカップ4内部で軸方向に移動することができ、部品の寸法によって、隙間が形成されて、投与ピストン10もまた、カップ4の軸線に対してカップ内部で一方の側にわずかに傾くことを可能にし、その結果、投与ピストン10の回転軸線は、中空円柱カップ4の回転軸線にもはや正確に平行に走っていない。後に詳細に説明されるように、この幾何学形状が、投与の機能について重要であると判明する。最後に、らせん状リミタ6が図6の中に見られるが、リミタ6は基本的投与機能についてまったく重要ではなく、投与量がある程度に調節されなければならない状況において選択肢を提供するのであり、それは、投与機能が段階的な方法で記載され、説明される場合、以下により詳細に更に説明される。
【0016】
図7は、投与装置または投与閉鎖部を軸方向の断面で示し、投与ピストン10がカップ4内部の最上位置にあり、投与部分を分注する用意ができている。この位置で、投与ピストン10の下のチャンバ21は、投与閉鎖部に嵌合されている容器22からの液体で充填されている。しかし、空気が下方から注ぎ口3を通ってまったく流れることができないので、この液体は流出することができない。これは、投与チャンバがほとんど封止されているからであり、その意味は、投与ピストン10が、カップ4に対して最上位置で効果的に封止されるということであり、その延在部5は、カップ4の中の窓12の正面で押す。この幾何学形状ならびに粘性が空気の侵入を防止し、それによって注ぎ口3を通って液体が排出することを防止する。次に、投与サイクルの始動が、図示のように投与ピストン10の位置によって説明される。今こそ、この投与部分を下方へ、投与ピストン10から外側へ注出する時である。この目的のために、容器、チューブおよび閉鎖部の外側に広がる圧力より高い圧力、すなわち大気圧よりも高い圧力が、容器22の内部またはホースの場合はホースの内部に生成されなければならない。容器22を片手または両手で絞り出すことによってこのことが行われ、したがって、容易に押しつぶされる。液体供給用ホースの場合、投与閉鎖部の上流にある端部領域内でホースの中に取り付けられるホース閉鎖部によってこのことが実施されることが可能であり、ホース閉鎖部は弾性の圧縮可能なベローズに繋がり、次いでベローズは注ぎ口の中に開き、注ぎ口は最終的に投与装置を装備する。ホース閉鎖部が閉じられることによって、容器またはベローズがより強く絞られるほど、その時投与量の分注が増々速くなり、その投与量は、投与装置の典型的な寸法において80mlから90mlの体積を含む。もちろん、投与量は、投与装置の目盛の中である程度の増加または減少によって、別の寸法形状によってより多く、またはより少なくされることが可能である。投与チャンバは、投与ピストン10の下の空間21であり、投与制御チャンバと混同されるべきではない。
【0017】
容器またはベローズを絞ると、容器22の液体内容物が上方からカバー15に対して押す。したがって、例示的な椅子の座席が投与ピストン10を形成する。カバー15の下には、大気圧のみ、したがって低圧が存在する。したがって、図8に示すように、投与ピストン10は、カップ4の中を下方へ移動して、取り囲まれた液体投与部分を下方へ押し、注ぎ口3を通って外へと押す。カバー15上方の空間は、投与制御チャンバ64を形成し、投与制御チャンバ64は、図7に図示される状態では最初は容積を含まないが、しかし、投与ピストン10が下方へ移動することによって、その容積が連続的に増加し、投与ピストン10の最下の位置で、結局は最大量に到達する。投与制御チャンバ64の空間は、4つの壁、すなわち2つの固定壁および2つの摺動壁によって画定される。すなわち、注ぎ口に対して軸方向に延在する互いに平行な2つの側壁が存在し、その一方が他方に対して移動可能である。一方の壁、すなわちカップ4の周囲壁は固定しており、一方、可動側壁は延在部5によって形成される。追加の2つの周囲壁、すなわち、固定周囲壁としてカップの底部24、および移動可能な周囲壁として投与ピストンのカバー15、すなわち例示的な椅子の座席も更に存在する。次に底部24または底壁は、カップ4の壁に対してある角度にあるが、一方、カバー15は、延在部5に対して直角である。すべての4つの壁15、5、4、24によって取り囲まれる可変の容積が、投与制御チャンバ64を形成する。容器を絞ると、投与ピストンが下へ押され、投与制御チャンバ64の容積が拡大され、同時に上方から充填される。図8に再び投与装置が軸方向の断面で示され、投与部分を分注時に、投与ピストン10はカップ4の内部の中に下方へ向かう途中にある。図示の位置では、投与ピストン8が、その下方へ向かう途中の約5分の1を覆ってしまっている。投与ピストン10上の半円の延在部5が、カップ4の内壁上の窓12の内部に入子になり、空隙をほとんど緊密に閉鎖する。その下側上よりも上方側上のより高い圧力に起因して投与ピストン10を下へ押すことが、投与ピストン10が注ぎ口3の内側縁部23の停止部に到達するまで、強力に継続する。
【0018】
図9に、投与ピストン10の最下の端位置が示される。この図は、投与装置および投与閉鎖部を軸方向の断面で示し、投与部分を分注後に、投与ピストン10は最下の位置にある。この位置に到達する直前まで、延在部5の背後で、すなわち例えによると例示的な椅子の背後で、液体がやはり容器から外へ流出し、延在部5の背後の空間を通って下方へ容器から流出する。延在部5または例示的な椅子後部側と、中空円柱カップ4の内壁との間の重要な距離はここで、本明細書ではD1で示される。図示の位置では、閉鎖部が封止されて閉鎖され、投与ピストンの最下の縁部が、注ぎ口3の内部の中の縁部23上に封止して据わり、注ぎ口3を閉鎖する。投与制御チャンバ64を充填することによって、分注が最終的に達成される。したがって、液体投与量が最初に捕捉され、液体投与チャンバ21の中に保持される後に、液体投与量の注出が発生し、その場合、投与ピストン10の下方への移動によって、投与制御チャンバ64内の容積が空から満杯まで増加する。同時に、投与量が注ぎ口3を通って分注される。
【0019】
次に、投与される量を分注するために、液体供給からの液体の新しい部分を投与ピストン10の投与チャンバの中に用意し、または充填する。投与ピストン10が完全に下方まで押され、容器が封止して閉鎖されるまで、容器は投与量を分注するために圧縮され、または供給ホースの場合は内蔵されたベローズが絞られる。容器22またはベローズが開放されるならば、それらは弾力的に元の形態に戻り、したがって、広がる外の大気圧に対して負圧を生成する。その結果として、カバー15の下側上に、または例えにより、例示的な椅子の座席の下側にそれぞれ作用する過剰圧力が存在し、その過剰圧力は、投与ピストン10によって形成される。しかし、ここで投与ピストン10が、わずかな空隙を伴ってカップ4の内部に据わるので、その過剰圧力は抵抗が存在しない方向、すなわち、例示的な椅子の枢動する方向の後方へ向かって即座に移動する。
【0020】
したがって、延在部5は、図10の矢印によって示されるように、わずかに外側へ傾く。投与ピストン10のこの移動または横方向の傾斜によって、延在部5は、閉鎖部としてカップ4と相互作用する。したがって、延在部5は、投与制御チャンバの容積を変化させるというピストンの単純な機能を備えるだけでなく、閉鎖機能もまた備える。慎重に選択された隙間から結果として生じる間隙、および中空円柱カップ4内で投与ピストン10が傾斜することによって間隙が広くなることのおかげで、空気が、下方からこの間隙を通って上方へ、容器22またはベローズの内部の中に流れ、それを通気することができる。同じ体積の液体が、容器22から、またはホースの場合はその弾性ベローズから下方へ、カップ4と投与ピストン10との間の間隙を通って投与チャンバの中に流れる。図10には、投与チャンバを充填するための最初の位置が示される。図10は、容器22を減圧し、その結果として、大気圧により、カップ4の内部で投与ピストン10が枢動される後、最下の位置にある投与ピストン10を含む投与閉鎖部の軸方向の断面を示す。しかし、圧力差が持続的に広がる状況では、内部、およびしたがって、カバー15の上方に広がる大気圧が、上方容器22またはベローズの弾性的回復から結果として生じる、カバー15の下の圧力よりも大きいので、ここで投与ピストン10は、中空円柱カップ4の中のこの位置から上方へと移動する。投与ピストン10の上方への移動が開始し、ついに投与ピストン10のカバー面15が中空円柱カップ4の底部24に対して内側に当接する。その延在部5は、このようにしてカップ4の窓12を通って、上方へ移動され、次いで容器の中へカップ4の上方に突出し、あるいはホースの場合、ホースはホース注ぎ口の中に突出する。
【0021】
図11には、最終的に占められる端位置が示される。図11は、容器の軸線に対する容器22またはホースベローズの傾斜が、投与ピストン10の上方への移動中に連続的に減少する、容器22またはホースベローズの通気後に、投与ピストン10が最上の位置にある、投与装置または投与閉鎖部を軸方向の断面で示す。投与ピストン10の傾斜は、最初の傾斜と比較して、この端位置ではより小さい。本明細書で示す端位置では、延在部5の側面上の投与ピストン10の下方縁部の高さにおいて、本明細書では図11に示すD2によって示される特定の距離で、中空円柱カップ3の上方縁部との重なりが存在する。したがって、通路の上方部分内の投与ピストン10の傾斜が、減少され、最終的に端位置に制限されて、その結果、図示される端位置では、投与ピストン10の外側上に、図5に見られるリブ18、17が取り付けられ、案内として機能する。容器内容物の通気の結果として、投与ピストン10が上方へ移動する間ずっと、容器から液体が、投与ピストン10の周りの間隙を通って同じくピストン10の下の領域内に走ることができて、この空間を充填する。容器22またはベローズの外壁が一旦再び圧縮されると、内部圧力もまた、再び大気圧を超えて増加する。再び、投与ピストン10は閉鎖部として機能し、液体が、以前には容器22またはベローズから投与チャンバの中に走ることができた間隙を閉鎖する。
【0022】
要約すると、ここで投与ピストン10の最下の位置から開始して、図9にあるように、容器22またはベローズが圧縮されているが、容器またはベローズを無負荷にすることに起因して、揺動することによって、投与ピストン10は、最初に図10の位置に強制されて、大気圧に対して真空を生成し、次いで上方からよりも下方からより高い圧力が作用するので上昇する。この移動中、液体は、結果として生じる投与チャンバ内の間隙を通って走るが、しかし圧力比率によって投与チャンバの中に保たれる。カバー15を含む投与ピストン10が図11に示すようにカップの頂部に当接するとすぐに、投与チャンバは、最大量まで充填される。ここで容器22またはベローズ内の圧力は、絞ることによって再び増大する。このことによって、投与ピストン10がカップ4の軸線に位置合わせされ、次いで投与ピストン10が下方へ移動し、そのカバー15の下に以前に捕捉された液体部分を分注することになる。
【0023】
しかしながら前述の構成要素は、異なった形状および寸法に形成されることが可能であり、一方、この投与装置の1つの利点、ならびに投与閉鎖部としての設計における利点は、この投与装置がこれら2つの構成要素、すなわちカップ4および投与ピストン10のみを備えるということであるが、必要であれば、各構成要素は、複数の部品を備えることができる。図12は、投与手段の第1の固定部品、すなわち窓12を含むカップ4の代替実施形態を示す。窓12は、カップ4の側面半分をほとんど全部切り取ることによって、ここでは形成される。カバー13と同様に、半円をわずかに越えた状態でカバー13は存在する。図13には、付随する投与装置が示される。この図は、特別な形態として平坦な延在部11を含み、したがって、延在部11は、異なる形態の円柱形投与ピストン10を通って、概ね直径方向に延在する。したがって、この延在部11は、円柱形投与ピストン10のカバー15を通るセカントとして延在する。ここで、延在部と同様に、窓もまた異なって構成され得ることに留意すべきである。主要な事項は、投与ピストンが上方に押される場合、延在部が窓の上で摺動し、最終的に窓の上方に据わることになるということである。投与ピストン10上のフィン16、17、18などの残りの要素は、依然として変更されない状態である。この投与ピストン10が下からカップ4の中に挿入される場合、平坦な延在部11は、カップ4の中の窓12を最終的に覆い、完全ではないがほとんどカップ4を封止する。しかし、投与ピストン10は、この最上の端位置から、その横軸を中心としてわずかに傾斜されることができ、その結果、延在部11は、窓12から、傾斜した窓と同様にわずかに外側に傾斜されることができる。このように、投与ピストン10が最初のほとんど封止する端位置と、窓12の枠と平坦な延在部11の縁部との間で間隙が開いている傾斜位置との間で移動することができ、このことによって、実際の閉鎖機能を提供し、それが、この投与装置またはこの投与閉鎖部の最適の機能にとって重要である。
【0024】
しかし、投与装置または投与閉鎖部の2つの主要部品、すなわちカップ4および投与ピストン10は、必ずしも円柱形に設計される必要はない。それらは、円形、楕円形、あるいは丸みを帯びたコーナーを含む三角形、矩形、または正方形などの別の断面形態を含む場合、あるいは例えば、五角形または多角形の断面を含む更に任意の形状を含む場合でも同様に、十分機能することができる。唯一重要な点は、カップ4内部の投与ピストン10の最下位置では、2つの構成要素が閉鎖された閉鎖部を形成し、カップ4内部の投与ピストン10が上方へ移動中には開いた閉鎖部を形成し、自由流動断面を継続的にわずかに減少させ、ついに投与ピストン10の最上位置に到達し、投与ピストン10が上方から圧力を受ける、または下方から作用する大気圧よりも大きい圧力がカバー15の上側に作用する場合、閉鎖部が閉じるということである。要するに、投与制御チャンバ64が注出の間に充填され、投与制御チャンバ64が満杯になる時、注出が停止される。
【0025】
図14は、図12および図13に示す平坦な延在部11を含む投与ピストンの型を含む投与装置を示す。ここでは、投与装置は下から斜めに見た図で示される。らせん状リミタ6が、閉鎖本体1の頂部から下方へ、または上方へらせん状になっているウェブ28の反対方向に延在し、その上方縁部によって平坦な延在部11の下側に当接する。図示の例では、このウェブ28はらせん状に上昇または下降し、閉鎖本体1から下方へ突出するリミタ6として回転本体2に結合される。しかし、ウェブ28は、らせん形状から逸脱する形状を含むことができ、むしろ連続的または不連続的に上昇または下降するように設計され得る。回転本体2は、中心軸線の周りに回転されることが可能であり、回転領域は約90°に延在し、径方向に突出する、共に回転するカム24によって制限され、回転本体2は、装置本体1上の2つの停止カム26と27との間で前後に回転可能であるが、それを越えては回転できない。回転する時、らせん状ウェブ28の位置が延在部11に対して変化し、その結果、リミタ6の回転位置の機能として早晩、その上方縁部が、らせん状ウェブ28の底部の停止部に当接する。したがって、カップ内部の投与ピストン10の移動が調節可能であり、したがって分注される量もまた調節可能である。
【0026】
図15に、らせん状ウェブ28を含むリミタ6が明瞭に見られる。この図では、リミタ6に一体式に結合されている回転本体2が省略されている。しかし、回転本体2の回転範囲を制限する2つの停止カム26、27が、この図の中に見られる。回転本体2と共にリミタ6が装置本体1に対して回転される場合、、最小量と最大量との間の投与量の無段調節が存在する。
【0027】
図16は、下から見た投与の連続調節を含む投与装置を示し、その設定は最小の投与量である。ここでは、カム24が停止カム27に衝突するまで、回転本体2が時計回りに回転される。次いで、リミタ6は、投与ピストン10上の延在部11が最小の通路のみをすっかり覆うことができるような位置にある。
【0028】
一方、図17は、最大投与量に設定されている、無限に変化可能な投与量のための投与装置を下方から見た図である。ここでは、カム24が停止カム26に衝突するまで、回転本体2が逆時計回り方向に閉鎖本体1の中で回転される。この場合、投与装置の上方側上のリミタ6は、投与ピストン10上の延在部11が最大の程度を戻すことができるような位置にある。すべての中間位置が、2つの停止カム26と27との間に設定され得ることが明らかである。
【0029】
図18は、ホース29の端部上に取り付けられたこの投与装置を示す。このホース29は、その端部にベローズ31を装備し、この閉鎖部32が液体供給の目的のために開かれる場合、ベローズ31は、ホース閉鎖部32を介してホース29から液体を供給されることが可能である。閉鎖された状態の場合、この閉鎖部32は、以前に圧縮されたベローズ31が解放される時、ホースからベローズ31の中に液体が流れることがないことを保証する。ベローズ31は、その前部にホース注ぎ口30を装備し、容器注ぎ口の場合と同様に、ホース注ぎ口30上に、装置本体1および回転本体2を含む投与装置が封止して取付け可能である。投与される液体、すなわち液体部分の分注のために、ホース閉鎖部32は閉鎖され、次いでベローズ31が容器と同様に機能するように圧縮され、投与装置の内部の液体圧力は大気圧よりもはるかに高い。液体部分が、排出される。その後、ベローズ31は解放され、その結果、ベローズ31は弾力的に最初の形状に戻る。この場合、圧力は、その内部で大気圧未満まで減少される。次いで空気が投与装置を通ってベローズ31の中に流れ、投与チャンバは、ベローズ31からの液体で再び充填される。ベローズ31の再充填は、ベローズ31が空になる場合、ホース閉鎖部32を開けることによって実施される。
【0030】
図19は、投与閉鎖部の別の構成を示す。しかし、この投与閉鎖部は、投与制御チャンバのやはり基礎となる同じ発明の概念に基づく。注出間に、この投与閉鎖部もやはり投与量によって充填され、満杯になる場合、以下に記載され、説明されるように排出を防止する。図19は、頂部に注ぎ口取付け具40、および下部に投与閉鎖部の実際の閉鎖本体41を示す。両方の部品は直立した位置で示され、それらは直立の容器注ぎ口上に配置され、注ぎ口取付け具40を下から容易に見ることができ、一方、閉鎖本体41を上方から容易に見ることができる。注ぎ口取付け具40は、その外側周囲壁の中に、内側上にビードが存在する閉鎖部を形成し、または本明細書で図示される例のように、ねじ山42が形成される。このことによって、注ぎ口取付け具40が、そのように装備される注ぎ口の上にねじで取り付けられることが可能である。中心から径方向外側にオフセットされた注ぎ穴45を含むディスク44が、注ぎ口取付け具40の中心に及ぶ。頂部から底部まで自由通路を含む通気孔46が、ディスク44の縁部にある。ディスク44から距離を置くために、底壁部分47が、例えば内側に突出するビードなどの形態で、内側上に突出する保持手段と共に一体に形成される。これらの保持手段または壁部分によって、注ぎ口取付け具40が閉鎖本体41の頂部上に配置されることができ、壁部分47の保持手段は、ビード43の上方にスナップ留めされることができ、射出成型部品として製造される2つの部品は緊密に結合され得る。注ぎ口取付け具のまさしく頂部に、くちばし形状の注ぎ口48が見られる。
【0031】
閉鎖本体は、注ぎ穴51を含むディスク50によって頂部で閉鎖される円柱49を実質的に形成する。図面の中で、円柱壁の一部が切り取られて、内部が見えるようになっている。図面の左側に、円柱壁54が、円柱壁54に対してある角度で走る底壁52まで下方で繋がり、底壁52は底部で開口部53を含む漏斗形状に類似している。円柱壁54は、投与制御チャンバの固定側壁54を形成し、一方、漏斗形状の壁が投与制御チャンバの底壁52を形成する。図面の右側上の円柱49は、平坦な底壁55を含み、底壁55の中には、円柱の軸線に対して垂直に走る穴56が存在する。この底壁55は、円柱の直径の中心までは全く延在せず、したがって、反対側の漏斗形状の底壁52から間隙57を残す。図面の中で更に右には、通気パイプ58が見られ、通気パイプ58は円柱壁に一体化されており、円柱49の頂部まで繋がり、円柱を越えて下方へ延在する。軸方向に延在する溝59は、円柱49の内壁の2つの対向する側部上に直径方向に形成されており、一方の溝だけが見られるが、一方、他方の溝は切り取られており、しかし、見えている溝と同様に走る。溝59は、円柱59の下方端部を越えて下方へ延在する。円柱49の内部で軸方向に移動可能である平坦な側壁60が、これら2つの溝の中に挿入されて、投与制御チャンバ64の移動可能な側壁60を形成する。上方の上壁61がこの側壁60の頂部から直角に径方向外側に延在し、固定側壁54の内側に結合する。平坦な側壁60の下方端部は台形62を形成し、その結果、最上の移動位置で、この側壁60は漏斗形状の底壁52と同一平面であり、底壁52の内側縁部がそれを覆い、閉鎖する。軸方向に移動可能な側壁60が、ディスク50で上方上壁61に当接するまで、上方へ移動され得る。この場合、この上壁61は、ディスク50の注ぎ穴51を閉鎖する。軸方向に移動可能な側壁60は、上方上壁61の外側円形縁部が固定側壁54の下方端部に到達し、内側に延在する漏斗形状の底壁52によって停止されるまで、下方へ移動され得る。固定側壁54の上方端部領域では、側壁54が少なくとも1つの窓63を含み、窓63は対応する円柱壁の周囲に沿って延在する。したがって、この閉鎖本体のすべての部品が説明される。しかし、軸方向に延在する投与制御チャンバ64の側壁54、60は、全く異なる形態を含むことができ、必ずしも円柱壁または平坦な壁を形成する必要なない。唯一、必要なことは、一方の壁が他方の壁に対して軸方向に移動可能なことであり、同時に、移動可能な側壁60の上壁61は、他方の固定側壁54と同一平面であり、下方の場合、固定側壁54の底壁52が、少なくとも開口部53まで、可動側壁60によって閉じる。
【0032】
注ぎ口取付け具40が閉鎖本体41上に取り付けられる場合、この投与閉鎖部の機能が、以下の図面を参照して説明され、その図面では、投与閉鎖部の閉鎖本体が斜めの角度の注出位置で図示される。図20は、閉鎖本体が第1の状態で示され、投与量を注出する開始時点に配置されている。以下にすぐに明確になるように、投与量が、投与制御チャンバ64の最大内容量によって決定される。図面では、可動側壁60が、閉鎖本体の底部に配置され、または図面の中では最も右側に配置されている。上壁61が、漏斗形状の底壁52に対して当接している。液体が、投与工程のこの開始位置から流出し、移動可能な側壁60のすぐ下から、開口部53を通って投与制御チャンバ64の中に流れ、投与制御チャンバ64は、ここで、固定側壁54、漏斗形状の底壁52、摺動可能な上壁61、および移動可能な側壁60によって形成される。固定側壁54の最も左の領域内、すなわち上方閉鎖本体内で、固定側壁54の円柱壁の中に窓63の部分が見られる。次いで、液体が及ぼす圧力の影響下で、液体は、閉鎖本体内で図面内の左または上方へ上壁61を押す。上壁61と共に可動側壁60がこのように移動する過程で、投与制御チャンバ64の容積が、同じ程度で直線的に増加し、充填され、拡大される。同時に、液体が移動可能な側壁60上方の容器から流出し、そこに形成された間隙57を通って穴56を通って右から左へ流れ、最終的に注ぎ穴51を通って、矢印で示されるように外側へ流れ出る。図面の中で左に、閉鎖本体を閉鎖する、注ぎ穴51を含む頂部ディスク50が見られる。投与制御チャンバ64の中に流入する液体とは対照的に、空気が、図面内で左から右へ、外側から通気チューブ58を通って容器の中に流れる。
【0033】
図21は、投与閉鎖部または閉鎖本体を示し、閉鎖本体は実際に容器の注ぎ口の中に挿入され、容器によって取り囲まれ、円柱の軸線に沿った断面で、同じ枢動位置にある。4つの境界面、すなわち固定側壁54、底壁52、可動側壁60および上壁61が、可変容積の投与制御チャンバ64を形成する。加えて、ディスク50およびディスク50内の注ぎ穴51が図面の左に見られる。
【0034】
図22は、底壁61が可動側壁60に対して可能な通路の約半分を移動した場合、すなわち、上壁61が、図22に見える固定側壁54の中の窓63を越えて通過してしまう前に、投与制御チャンバ64の進んだ充填状態を示す。可動側壁60およびその上方の上壁61が、図面の中で閉鎖本体の遠く左まで移動されている。投与制御チャンバ64は、絶えず液体で充填され、この充填中に、液体が側壁60を越えて、容積が増加する投与制御チャンバ64の中に絶えず流入し、液体は、図面の中の矢印によって示されるように間隙57および穴56を通過し、右から左へ、注ぎ穴51を通って外へ流出する。液体は、閉鎖本体と、注ぎ口を装備する容器の注ぎ口との間で、図面の右から左へと閉鎖本体の下をやはり流れることができ、最後に、窓63および注ぎ穴51を通って外へ流れる。図23の中で、閉鎖本体の円柱軸線に沿った断面図で同じことが見られる。
【0035】
図24は、投与制御チャンバの移動可能な側壁60およびその上壁61が、図面内の閉鎖本体内で最大限左に移動されている場合の状態を示す。最後の区分で、上壁61が窓63を越えて通過する。上壁61が、この窓63を通過してしまうとすぐに、液体がこの窓63を通って、容器から、注ぎ口と閉鎖本体との間で、投与制御チャンバ64の中にやはり流れることができ、したがって、上壁61が左へ移動することを加速させ、その結果、注ぎ穴51を素早く閉鎖する。図25は、この同じ状態を円柱の軸線に沿った断面で示す。上壁61が、ディスク50に接して下方に据わり、ディスク50の注ぎ穴51を閉鎖する。この図では、側壁54の中の窓63、または注ぎ口穴51に続く固定側壁54の後方部分(図面内で)の領域の中の円柱壁がやはり見られる。
【0036】
図26は、注出位置にある注ぎ口取付け具40を別個に示し、内部が見えるように部分が切り取られている。ディスク44の中の注ぎ穴45が、下方側に穴45を備えるくちばし形状の注ぎ口48の中に繋がる。この図では、注ぎ口取付け具40を容器注ぎ口にねじで取り付けるための雌ねじ42を更に見ることができる。更に、図27は、くちばし形状の注ぎ口48、ディスク44の中の注ぎ穴45およびディスク44の縁部領域の中の通気孔46を含む、注ぎ口取付け具を上方斜めから見た図を示す。したがって典型的には、投与はこの投与閉鎖部によって実施され、投与閉鎖部では、投与制御チャンバが、投与量を注ぐ際に充填され、投与閉鎖部を含む容器が直立位置に枢動されて戻る場合、この投与制御チャンバは、充填の方向と反対方向の流れの中で空にされ、上壁61を含む可動側壁60が最初の位置に戻る。
【0037】
図31から図35は、それぞれ内部の視野を示すために部分的断面で、この投与閉鎖部の特別な設計を示す。これによって、投与量または投与制御チャンバの容積を最小量と最大量との間で連続的に調節することが可能となり、更に、中間位置に設定することもまた可能になり、投与閉鎖部は、適量に分けずに自由な注出を保証する。この目的のために、閉鎖本体は可動側壁および上壁を含む3つの部分で設計される。第1に、固定側壁54および底壁52を含む第1の部分Aが存在し、この部分Aは、注ぎ口を装備する容器の注ぎ口の中に挿入されることができ、この部分Aは、頂部に突出縁部65、周囲上に下方に突出し、雌ねじ67を装備する周囲壁66を含む。調節リング68が、部分Aの内側上のその内壁に沿って下方へ延在する部分Aのこの上方端部上に嵌合され、頂部で縁部65上に据わり、周囲壁69が取り囲む、部分Aの周囲壁66上に自体の周囲壁69によって外側に据わる。この調節リング68は、閉鎖本体の軸線を中心として回転されることが可能であり、部分Aの内部に配置される部分Bが、らせん状案内溝を介して軸方向に上方または下方へ移動されることができるが、しかし部分Bを捩じることはできない。調節リング68の上面内に窓72が存在し、窓72によって、下にある部品Aに関する調節位置が表示される。部分Bは、第3の部分Cとして可動側壁60および上壁61を案内するための両側の溝59を形成する。加えて、通気パイプ58ならびに上方ディスク50およびその注ぎ穴51が部分Bから形成される。この投与閉鎖部は、図19から図30による原理と同様の原理に従って機能する。図19から図30の実施形態とは異なり、可変投与制御チャンバの寸法が、部分Bの軸方向の移動によって、調節リング68を回転することによって変更することができる。
【0038】
図28は、下から見た注ぎ口取付け具を示す。注ぎ穴45および通気孔46を含むディスク44に加えて、閉鎖本体上の注ぎ口取付け具の中にスナップ留めするための保持手段を含む壁要素47が見られる。図29は、直径方向の断面で注ぎ口取付け具を示す。既に言及した要素に加えて、雌ねじ42のねじ山ならびにくちばし形状の注ぎ口48をこの図で見ることができる。最後に、図30は、上方から見た注ぎ口取付け具を示す。くちばし形状の注ぎ口47が注ぎ穴45の周りに見られる。
【0039】
図31から図36は、基本的に同じ機能の投与装置を示すが、しかしここでは投与量の調節および修正が可能な型である。この目的のために、閉鎖本体が2つの部分AおよびBで作製され、部分Bは部分Aに対して移動可能である。図31および図32は、投与閉鎖部が最も少ない投与量に設定されている状態を示す。部分Bは、閉鎖本体内で最大の下方位置に移動されている。可動側壁60および上壁61のために小さい移動しか残されていない。図31は、上壁61を含む可動側壁60の最初の位置を示し、一方、図32は、ディスク50内の注ぎ穴51を覆う、または閉鎖することによって注出を停止する最後の位置を示す。
【0040】
図33および図34に示される最大投与量に設定するために、部分Bは、調節リングを回すことによって、部分Aから上方および下方へ軸方向に更に延在されることができる。したがって、上壁61を含む可動側壁60は、より大きい変化通路を含む。図33は、開始位置の投与制御チャンバを示す。注出時に、投与制御チャンバは充填され、上壁61を含む移動可能な側壁60は外側へ移動し、一方、上壁61は最終的に注ぎ穴に重なり、したがって注出を停止する。図33および図34は、部分A内の固定壁の中の窓63を更に示す。
【0041】
図35および図36は、適量投与されない連続的注出用の設定を示す。この目的のために、再び調節リング28を回すことによって、部分Bが、部分Aの中で更に外側へ移動されてしまっている。図36は、投与制御チャンバの可動側壁60および上壁61の最初の位置を示す。この位置から、容器は注出位置に枢動される。可動側壁60およびその上壁61は、可動側壁60およびその上壁61が図35に示される位置に到達するまで、流出する液体によって外側へ移動され、駆動される。側壁60は、その下方端部で外側または上方へ延在して、停止部として機能する突出部70を担持する。すなわち、部分Bが部分Aの十分外側に延在する場合、部分Bは、部分Aの延在位置にあるこの延在部70に可動側壁60を衝突させ、外側へ更に移動することを防止する。したがって、上壁61が注ぎ穴51からある距離で停止するので、永久に自由流の開口部がもたらされる。
【符号の説明】
【0042】
1 装置本体
2 回転本体
3 注ぎ口
4 中空円柱カップ
5 投与ピストンへの延在部
6 らせん状リミタ
7 閉鎖キャップ
8 フィルムヒンジ
9 閉鎖キャップと係合するための装置本体の縁部
10 投与ピストン
11 投与ピストン上の平坦な突出部
12 中空円柱カップ内の窓
13 カップ上のカバー
14 カップカバー13内のスリット
15 中空円柱投与ピストン10上のカバー
16 投与ピストン上の横リブ
17 リブ16上の傾斜面
18 椅子形状投与ピストン正面のリブ
19 投与ピストン10の中空シリンダ
20 カバー13内のスリット14の中の横縁部20
21 投与ピストン10の下の空間21
22 容器、ボトル
23 注ぎ口3の内側縁部
24 調節可能な通路リミタとしてのカム
25 カバー13の内側に円錐台形になった縁部
26 閉鎖本体1上の第1の停止カム
27 閉鎖本体1上の第2の停止カム
28 リミタ6上のらせん状隆起部
29 チューブ
30 ホース注ぎ口
31 ベローズ
32 ホース閉鎖部
40 注ぎ口取付け具
41 閉鎖本体
42 注ぎ口取付け具上のねじ山
43 閉鎖本体上のビード
44 注ぎ口取付け具上のディスク
45 ディスク44内の注ぎ穴
46 40の中の通気孔
47 保持手段を含む壁部分
48 くちばし形状の注ぎ口
49 閉鎖本体の円柱
50 閉鎖本体上のディスク
51 ディスク50内の注ぎ穴
52 漏斗形状の底壁
53 底部52の開口部
54 投与制御チャンバの円柱壁/固定側壁
55 投与制御チャンバの外側の閉鎖本体上の底壁
56 55の中の穴
57 可動側壁60の外側の間隙
58 通気パイプ
59 側壁60を案内するための溝
60 軸方向に可動である側壁
61 側壁60の上壁
62 側壁60の台形型下方端部
63 円柱壁54内の窓
64 投与制御チャンバ
65 部分A上の突出縁部
66 縁部65上の外側周囲壁
67 周囲壁66の内側上の雌ねじ
68 調節リング
69 調節リング上の円周壁
70 可動壁上の延在部
71 注ぎ口取付け具40の周囲壁
72 調節位置を示すための調節リング68内の窓
図1
図2
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