(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】腕輪リンクのような要素のアセンブリー
(51)【国際特許分類】
A44C 5/10 20060101AFI20220607BHJP
A44C 5/02 20060101ALI20220607BHJP
A44C 5/00 20060101ALI20220607BHJP
A44C 11/00 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
A44C5/10 511J
A44C5/02 Z
A44C5/02 E
A44C5/00 501D
A44C5/00 502Z
A44C11/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019198408
(22)【出願日】2019-10-31
【審査請求日】2019-10-31
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599044744
【氏名又は名称】コマディール・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァン・ブカール
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ガイザー
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/020186(WO,A1)
【文献】特開2014-226549(JP,A)
【文献】特開2000-179511(JP,A)
【文献】特開2014-069059(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01214898(EP,A1)
【文献】スイス国特許発明第00695389(CH,A5)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/00-5/10,11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに組み付けられた要素(3、5、7、33、35、35'、37、37')によって構成する少なくとも2つの要素セット(1、31)を有する物品(21、51)であって、
各要素セット(1、31)は、第1の要素(3、33)、第2の要素(5、35')及び第3の要素(7、37、37')を有し、その第1の要素(3、33)と第2の要素(5、35')は、前記第3の要素(7、37、37')の両側に配置されており、
前記第1の要素(3、33)と前記第2の要素(5'、35)にはそれぞれ、第1の非貫通凹部(2、4)と第2の非貫通凹部(27、28)があり、
前記第3の要素(7、37、37')には、第1の貫通穴(6)と第2の貫通穴(24)があり、
前記第3の要素(7、37、37')の前記第1の貫通穴(6)は、各要素セット(1、31)の前記第1の要素(3、33)と前記第2の要素(5、35')の前記第1の非貫通凹部(2、4)に対向する側に形成されており、
1つの要素セット(1、31)の前記第3の要素(7、37、37')の第2の貫通穴(24)は、別の要素セット(1、31)の前記第1の要素(3、33)と前記第2の要素(5、35)の前記第2の非貫通凹部(27、28)に対向する側に形成されており、
各要素セット(1、31)は、第1のピン(11)と第1のソケット(13)を有する恒久的固定デバイス(9)を有し、
前記第1のピン(11)は、前記第3の要素(7、37、37')の前記第1の貫通穴(6)内にて、及び前記第1の要素(3、33)と前記第2の要素(5、35')の前記第1の非貫通凹部(2、4)内にて、マウントされ、
前記第1のピン(11)は、前記第1の要素(3、33)の前記第1の非貫通凹部(2)内にてマウントされた一端に、第1のロック手段(8)を有し、
前記第1のロック手段(8)は、前記第1の要素(3、33)の前記第1の非貫通凹部(2)内にある内面ねじ山(15)と、前記第1のピン(11)の前記一端にある外面ねじ山(16)とによって形成され、
前記第1のソケット(13)は、前記第2の要素(5、35')の前記第1の非貫通凹部(4)内に配置され、
前記第1のソケット(13)の外壁(17)は、前記第1の非貫通凹部(4)内に第2のロック手段(18)を有し、
前記第2のロック手段(18)は、前記第2の要素(5、35')の前記第1の非貫通凹部(4)内にある内面ねじ山(25)と、前記第1のソケット(13)の外壁(17)にある外面ねじ山(26)とによって形成され、
前記第1のソケット(13)の内壁(19)が前記第1のピン(11)の他方の端(12)に溶接されて分解不能に一体化され、
当該物品(21、51)は、少なくとも2つの要素セット(1、31)を接続する別の恒久的固定デバイス(9')を有し、
前記別の恒久的固定デバイス(9')は、第2のピン(11')と第2のソケット(13')を有し、
前記第2のピン(11')は、前記第3の要素(7、37、37')の前記第2の貫通穴(24)内に、及び前記第1の要素(3、33)と前記第2の要素(5、35')の前記第2の非貫通凹部(27、28)内に、マウントされ、
前記第2のピン(11')は、前記第1の要素(3、33)の前記第2の非貫通凹部(27)内にマウントされる一端において、第3のロック手段(8
’)を有し、
前記第3のロック手段(8’)は、前記第1の要素(3、33)の前記第2の非貫通凹部(27)内にある内面ねじ山(15’)と、前記第2のピン(11’)の前記一端にある外面ねじ山(16’)とによって形成され、
前記第2のソケット(13')は、前記第2の要素(5、35')の前記第2の非貫通凹部(28)内に配置され、
前記第2のソケット(13')の前記外壁(17
’)は、前記第2の非貫通凹部(28)内に第4のロック手段(18
’)を有し、
前記第4のロック手段(18’)は、前記第2の要素(5、35')の前記第2の非貫通凹部(28)内にある内面ねじ山(25’)と、前記第2のソケット(13’)の前記外壁(17’)にある外面ねじ山(26’)とによって形成され、
前記第2のソケット(13’)の内壁(19')が前記第2のピン(11')の他方の端(12')に溶接されて分解不能に一体化される
ことを特徴とする物品(21、51)。
【請求項2】
前記第1及び第2の要素(3、5、33、35')の少なくとも一部は、エナメル及び/又は石及び/又はセラミックスを用いて形成される
ことを特徴とする請求項
1に記載の物品(21、51)。
【請求項3】
各要素セットにおいて、前記第3の要素(7、37、37')は、いくつかの要素(37、37')によって形成されており、このいくつかの要素(37、37')どうしの間に中間的要素(35)が配置されている
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の物品(21、51)。
【請求項4】
前記第3の要素(7、37、37')の前記第1の貫通穴(6)及び/又は前記第2の貫通穴(24)はそれぞれ、前記第1及び第2のピン(11、11')の形と合致する非円形の形の断面を有し、
これによって、前記第1、第2及び第3の要素(3、5、7、33、35'、37、37')のいずれの相対的な回転をも防ぐ
ことを特徴とする請求項1~
3のいずれか一項に記載の物品(21、51)。
【請求項5】
前記第3の要素(7、37、37')の前記第1の貫通穴(6)と前記第2の貫通穴(24)は、前記第1及び第2のピン(11、11')の形と合致する円形の断面を有し、
これによって、前記第1及び第2の要素(3、5、33、35')に対する前記第3の要素(7、37、37')の回転を可能にする
ことを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の物品(21、51)。
【請求項6】
腕輪、装飾品又は宝飾品を形成するように別の恒久的固定デバイス(9')によって互いに接続される少なくとも5つの要素セット(1、31)を有する
ことを特徴とする請求項1~
5のいずれか一項に記載の物品(21、51)。
【請求項7】
前記第1及び第2のピンと前記第2のソケット(13、13')は、チタンによって作られており、
前記第1及び第2のピンの前記他方の端(12、12')は、前記第2のソケット(13、13')内に入れ込まれる
ことを特徴とする請求項1~
6のいずれか一項に記載の物品(21、51)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、要素のアセンブリー、より詳細には、互いに組み付けられたいくつかの要素セットを有する物品に関する。これらの要素は、腕輪、装飾品又は宝飾品のリンクを形成することができる。
【背景技術】
【0002】
欧州特許EP2803286によって、リンクの少なくとも一部がダイヤモンドやセラミックスのような硬質材によって作られており組み付け時に塑性変形がほとんどない又はまったくないようにすることを可能にするようなリンクアセンブリーシステムが知られている。図示している腕輪の場合、いくつかのアセンブリーシステムを組み付けることによって腕輪が形成される。3列構成の腕輪の場合、各アセンブリーシステムには、2つの外側リンク及び1つの中央リンクがある。各外側リンクには非貫通穴があり、中央リンクには貫通穴がある。アセンブリーシステムは、中央リンクの貫通穴内にマウントされるピンを有する。このピンの一端には外面ねじ山があり、これが一方の外側リンクの非貫通穴に形成された内面ねじ山と連係する。ピンの他端においては、ピンがソケット内に圧入されて溶接されて他方の外側リンクの非貫通穴にねじ込まれる。このアセンブリーシステムは、ソケット内にてピンを溶接させることによる恒久的な固定によって、外側リンクを塑性変形させずにリンクの3列を固定することを可能にする。その後に又は付随的に、このアセンブリーシステムは別のアセンブリーシステムに固定され、これが続いて腕輪を形成する。2つのアセンブリーシステムを互いに組み付けるために、各外側リンクには第2の穴(非貫通穴又は貫通穴)があり、各中央リンクには第2の貫通穴がある。このアセンブリーシステムの各外側リンクの第2の穴はそれぞれ、別のアセンブリーシステムの中央リンクの第2の貫通穴にマウントされるピンの一端を受けるように意図されている。ピンの両端は2つのアセンブリーシステムの間の組み付けを確実にし、ピンの各端は外側リンクに自由にマウントされる。実際上、このように2つのアセンブリーシステムを組み付けることが最適ではないことが観測されている。実際に、外側リンクがその初期位置からわずかに動いて、中央リンクとの間隙が見えてしまうことがある。これによって、腕輪の美的外観を害してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、物品の剛性を高めて前記のような外側リンクの運動を防ぐようなアセンブリーシステムどうしの間のマウント構成を提案することによって、前記課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このために、本発明は、恒久的固定デバイスによって互いに接続された少なくとも2つのアセンブリーシステムを有する物品に関する。このアセンブリーシステムは、ここでは、組み付けられた要素セットと呼ぶ。本発明によると、恒久的固定デバイスは、要素セットの中央要素の貫通穴内にマウントされたピンを有する。このピンは、各端において、別の要素セットに属する側方要素の非貫通凹部にマウントされる。ピンは、その一端において、ロック手段によって、例えば、ねじ込み式接続によって、非貫通凹部内にて固定される。ピンは、その他方の端において、ソケットに溶接され、このソケット自身は、側方要素の非貫通凹部内にてロック手段によって固定される。代わりに、この他方の端は、ソケットに入れ込まれ、このソケット自身は、側方要素の非貫通凹部内にてロック手段によって固定される。本発明の物品は、請求項1に定められている。
【0005】
恒久的固定デバイスを追加して要素セットを互いに接続することによって、曲げ、伸長又はねじり時に変形を抑え、これによって元々の美しさを維持することによって、腕輪を堅固にする。
【0006】
添付の図面を参照しながら例(これに限定されない)として与えられる好ましい実施形態についての以下の説明を読むことによって、本発明の他の特徴及び利点を理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る物品の縦方向の軸に沿った断面の図である。
【
図4】本発明に係る別の物品を上から見た図である。
【
図6】
図4の物品に用いられる固定デバイスについての図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、少なくとも2つの組み付けられた要素セットの間のマウント構成又は組み付け手段に関する。前記要素は、例えば、腕輪、装飾品又は宝飾品を形成するように意図されているリンクである。組み付け手段は、より詳細には、全体的又は部分的に硬質材によって作られた要素を組み付けることに適している。本発明において用語「硬質材」は、硬度が実質的に600HV以上であり、壊れる前に塑性変形をほとんど又はまったくしないような材料を意味している。例として(これに限定されない)、硬質材として、エナメル、ルビー、サファイア又は石英のような宝石、金属性や非金属性の酸化物、炭化物又は窒化物のようなセラミックス、又は硬質金属を挙げることができる。
【0009】
本発明によると、各要素セットには、欧州特許EP2803286と同様な形態で組み付けられた要素がある。各要素セットにおける要素の組み付けに付随して、これらの要素セットどうしが恒久的固定デバイスによって互いに組み付けられる。
【0010】
この要素セットを互いに組み付ける手段について詳細な説明をする前に、各要素セットにおける組み付けは、欧州特許EP2803286に記載されている。
図1において各要素セット1は破線によって囲まれており、この各要素セット1には、少なくとも3つの要素3、5、7がある。これらは硬質材で全体的又は部分的に作ることができる。要素セット1は、第1の側方要素3と第2の側方要素5を有し、これらは、これらの側方要素3、5の間に配置された第3の要素7に対して実質的に対称的である。なお、要素3、5、7は、好ましくは、さいころの五の目状のパターンを形成するように構成している。
【0011】
第1及び第2の要素3、5にはそれぞれ第1の非貫通凹部2、4があり、第3の要素7には第1の貫通穴6がある。
図1に示しているように、凹部2、4と穴6は、第1、第2及び第3の要素3、5、7を互いに固定するように整列するように意図されている。このために、要素セット1には、恒久的固定デバイス9があり、これによって、第1、第2及び第3の要素3、5、7を取り外しできないように互いに固定する。
【0012】
恒久的固定デバイス9には、中央の第3の要素7の貫通穴6にマウントされるピン11がある。第1の端において、ピン11には、要素3の第1の非貫通凹部2内にてロックする第1のロック手段8がある。
図2において明確に示しているように、ピン11には、一体化された3つの部分14、10、12がある。ピン11のメイン部分10は、他の2つの部分に対して中間的な大きさの断面を有し、第3の要素7の貫通穴6内に受けられるように意図されている。許容される遊びや貫通穴6とメイン部分10それぞれの形に応じて、側方の第1及び第2の要素3、5は、中央の第3の要素7に対して回転が可能なようにすることができ、また、回転しないようにすることができる。例として(これに限定されない)、貫通穴6の断面をピン11のメイン部分10の形と合致する非円形の形にして、第1、第2及び第3の要素3、5、7のいずれの相対的な回転をも防ぐことができる。反対に、貫通穴6の断面をピン11のメイン部分10の形と合致する丸形にして、側方の第1及び第2の要素3、5に対する中央の第3の要素7の回転を可能にすることを考えることができる。
【0013】
ピン11の部分14は、前記第1のロック手段8が位置している前記第1の端を形成する。
図1~3に示している例において、第1のロック手段8は、第1の要素3の非貫通凹部2に形成された内面ねじ山15と、及びピン11の第1の端、すなわち、部分14、にある外面ねじ山16によって形成される。最後に、ピン11の部分12は、ピン11において最も小さい断面を有し、恒久的固定デバイス9のソケット13内にて受けられるように意図されている。
【0014】
図3に詳細に示しているソケット13には、その外壁17に第2の要素5の非貫通凹部4内にてロックする第2のロック手段18がある。
図1~3に示している例において、第2のロック手段18は、第2の要素5の非貫通凹部4内にある内面ねじ山25と、及びソケット13の外壁17にある外面ねじ山26とによって形成される。ソケット13の内壁19は、ピン11の第2の端、すなわち、部分12、に溶接されて、これによって、第1及び第2の要素3、5を塑性変形させずに第1、第2及び第3の要素3、5、7を互いに固定する。
【0015】
図4~6に示している1つの変種において、各要素セット31には、5つの要素がある。実際に、第2の種類の要素セット31には、第1の種類の要素セット1の要素3、5、7に対応する3つの要素33、35'、37に加えて、中央の第2の要素37'と中間的要素35を含むセパレーター列がある。
【0016】
この要素セット1、31は、別の要素セットとともに組み付けられ、これが続き、腕輪、装飾品又は宝飾品のような物品を形成する。
【0017】
このように、本発明は、少なくとも2つの要素セット1、31を有する物品21、51に関する。本発明によると、2つの要素セット1、31も、恒久的固定デバイス9'によって互いに接続される。
【0018】
図1の物品21を参照すると、恒久的固定デバイス9'は、要素セット1の第3の要素7の第2の貫通穴24内にてマウントされるピン11'を有する。ピン11'の各端はそれぞれ、別の隣接する要素セット1の第1及び第2の要素3、5に形成された第2の非貫通凹部27、28内にマウントされる。第2の貫通穴24内にてマウントされるように意図されているピン11'は、第1の貫通穴6内にてマウントされるように意図されているピン11と同様の構成を有する。このようにして、
図2におけるように、ピン11'には3つの一体化された部分10'、12'、14'があり、ロック手段8'が位置している第1の端14'は、外面ねじ山16'によって形成されており、この外面ねじ山16'は、第1の要素3の第2の非貫通凹部27内にある内面ねじ山15'と連係する。最後に、ピン11'の第2の端12'の断面は、中心部'10の断面よりも小さい。この第2の端12'は、恒久的固定デバイス9'のソケット13'内にて受けられるように意図されている。このソケット13'は、第2の要素5の第2の非貫通凹部28内にてマウントされており、この第2の非貫通凹部28もロック手段18'を備える。このソケット13'は、
図3のソケットと同様の構成であり、ロック手段18'が、第2の要素5の非貫通凹部28内にて形成されている内面ねじ山25'と、及びソケット13'の外壁17'にある外面ねじ山26'とによって形成されている。ソケット13'の内壁'19は、ピン11'の第2の端、すなわち、部分12'、に溶接される。これによって、2つの要素セット1を互いに固定して物品21を形成する。
【0019】
第1の貫通穴6に関して、許容される遊びや貫通穴24とピン11'の対応する形に依存して、第3の中央要素7が、それを包囲する第1及び第2の側方要素3、5に対して回転することができ、回転しないことができることは明らかである。第1の貫通穴6の場合と同様に、貫通穴24は、ピン11'の断面と合致する非円形の断面を有し、第3の要素と第1及び第2の側方要素の間のいずれの相対的な回転をも防ぐことができる。反対に、貫通穴24がピン11'の断面と合致する円形の断面を有し、前記のような相対的な回転を可能にすることを考えることができる。
【0020】
図4~6に示している物品51においては、上記の説明におけるように、物品51には、各要素セット31(ソケット13に固定されるピン11)内にて恒久的固定デバイス9があり、これは、要素セットどうしの間にて、恒久的固定デバイス9'(ソケット13'に固定されるピン11')と交互構成になっている。しかし、ピン11、11'には、メイン部分より断面が小さい第2の端がなくなっていることに留意すべきである。したがって、このように断面を小さくすることはこの種の物品と
図1~3の物品の両方にとって選択肢にすぎないことは明らかである。また、いくつかの要素セット31をクラスプ61によって互いに接続して、携行型時計のケースミドル部にマウントされるように意図された腕輪や携行型時計のバンドを形成することができる。
【0021】
以下、要素セット1を組み付ける方法について説明する。第1のステップにおいて、要素3、5、7が、例えば、様々な穴又は凹部2、4、6、27、28、24が形成されるように作られる。これらは、すぐに形成することができ、また、後で機械加工することができる。第2のステップにおいて、ソケット13及び13'はそれぞれ、ロック手段18及び18'を介して側方要素5に形成された凹部4及び28内にマウントされる。第3のステップにおいて、ピン11、11'はそれぞれ、ロック手段8及び8'を介して側方要素3に形成された凹部2及び27内にマウントされる。もちろん、第2のステップと第3のステップは逆であることができる。
【0022】
第4のステップにおいて、第1の側方要素3から突き出るピン11、11'の部分10、10'及び12、12'はそれぞれ、第1のピン11に関して、要素セット1の第3の要素7の第1の貫通穴6内に嵌められ、第2のピン11'に関して、隣接する要素セット1の第3の要素7の第2の貫通穴24内に嵌められる。第5のステップにおいて、第3の要素7から突き出る、各ピン11、11'の第2の端、すなわち、部分12、12'は、第2の側方要素5内にマウントされた各ソケット13、13'の内壁19、19'に対して圧入される。
【0023】
最後に、第6のステップと最終ステップにおいて、各ピン11、11'の第2の端は、対応するソケット13、13'の内壁19、19'に溶接される。この溶接は、接触せずに行うことができ、好ましくは、磁気誘導加熱を用いる。この場合、ピン11、11'とスリーブ13'、13が鋼のような導電性の金属によって形成されることが好ましいことは明らかである。好ましいことに、第5のステップにおいて行われる圧入操作は、第6のステップにおける溶接を促進し、要素セットを過剰に長い時間加熱することを防ぐ。第6ステップと最終ステップの終わりにおいて、各要素セットの要素3、5及び7は、他の要素セットと同様に、完全に一体化されており、ソケット13、13'とピン11、11'の間の溶接を壊さないと分解することができない。
【0024】
図4~6に示しているように要素の数が3つを超える場合、原理は、第3の中央要素を形成する要素37、37'と実質的に同じである。これらの要素37、37'の第1及び第2の貫通穴はそれぞれ、2つの隣接する要素セット31の中間的要素35に形成された2つの貫通穴と連通して、非貫通凹部が形成された側方要素33、35'の間に延在している2つのピン11、11'を受ける。
【0025】
もちろん、本発明は、図示している例に限定されず、当業者が想到する様々な変種や改変を行うことができる。具体的には、様々なロック手段8、8'、18、18'は、内面ねじ山15、15'、26、26'/外面ねじ山16、16'、26、26'タイプのデバイスとは異なる性質であることができ、かつ/又は互いに異なる性質であることができる。例として(これに限定されない)、内面ねじ山/外面ねじ山デバイスのように耐久性が高くストレスをあまり与えないバヨネットデバイスによって一又は複数のロック手段を形成することができる。
【0026】
変種の1つにおいて、第1及び第2のピンは、チタンで作ることができ、この場合、ピンの前記端12、12'は、好ましくはチタンによって作られる、前記第2のソケット13、13'に入れ込まれる。ピンとソケットのためにチタンを使用することには、鋼製のピンよりもリンクの剛性が高いアタッチメントを与えて、腕輪の耐久性を向上させるという特別な利点がある。
【0027】
また、各要素セットの要素の数、寸法構成及び幾何学的構成は、本発明の利点を失わずに異なることができる。
【符号の説明】
【0028】
1、31 要素セット
2、4、27、28 非貫通凹部
3、33 第1の要素
5、35 第2の要素
6、24 貫通穴
7、37 第3の要素
8、8'、18、18' ロック手段
9、9' 恒久的固定デバイス
11、11' ピン
13、13' ソケット
15、15'、25、25' 内面ねじ山
16、16'、26、26' 外面ねじ山
17 外壁
19 内壁
21、51 物品
35 中間的要素