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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】窒化ホウ素ナノチューブ振動減衰
(51)【国際特許分類】
   C01B 21/064 20060101AFI20220607BHJP
   F16F 15/04 20060101ALI20220607BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20220607BHJP
   B82Y 30/00 20110101ALI20220607BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20220607BHJP
【FI】
C01B21/064 M
F16F15/04 A
F16F15/08 D
B82Y30/00
B82Y40/00
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2019563343
(86)(22)【出願日】2018-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 US2018017231
(87)【国際公開番号】W WO2018148286
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2021-01-19
(31)【優先権主張番号】62/455,924
(32)【優先日】2017-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516318891
【氏名又は名称】ビイエヌエヌティ・エルエルシイ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ホイットニー,アール・ロイ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥシャティンスキ,トーマス・ジイ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンネバーグ,トーマス・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン,ケヴィン・シイ
(72)【発明者】
【氏名】ペドラゾリ,ディエゴ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴンス,ジョナサン・シイ
(72)【発明者】
【氏名】スミス,マイケル・ダブリュ
【審査官】磯部 香
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-290908(JP,A)
【文献】特開2010-230156(JP,A)
【文献】国際公開第2015/164777(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/100715(WO,A1)
【文献】Xinghua HONG et. al.,Strong viscous behavior discovered in nanotube mats, as observed in boron nitride nanotube mats,Composites. Part B. Engineering,英国,2016年04月15日,Vol.91,Page.56-64,doi:10.1016/j.compositesb.2016.01.001
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 21/064
F16F 15/04
F16F 15/08
B82Y 30/00
B82Y 40/00
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のBNNT分子が互いに擦れることでもたらされる粘弾性の挙動を有する粘弾性強化BNNT物質を備える振動ダンパであって、前記粘弾性強化BNNT物質は、(a)ホウ素粒子、a-BN粒子、h-BNナノケージ、およびh-BNナノシートのうち少なくとも1つの量減されたBNNT物質、(b)同位体強化BNNT物質、ならびに(c)前記複数のBNNT分子が所望の幾何形状に配置されたBNNT物質のうち少なくとも1つを備え、これにより、前記粘弾性が強化されるように構成される振動ダンパ。
【請求項2】
前記粘弾性強化BNNT物質は、ホウ素粒子、a-BN粒子、h-BNナノケージ、およびh-BNナノシートのうち少なくとも1つの量減されたBNNT物質を備える、請求項1に記載の振動ダンパ。
【請求項3】
前記粘弾性強化BNNT物質は、前記同位体強化BNNT物質を備える、請求項1に記載の振動ダンパ。
【請求項4】
前記同位体強化BNNT物質は、濃度を高めた10Bおよび11Bの少なくとも一方を備える、請求項3に記載の振動ダンパ。
【請求項5】
前記粘弾性強化BNNT物質は、圧縮されたBNNT物質を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の振動ダンパ。
【請求項6】
前記圧縮されたBNNT物質は、合成されたときのBNNT物質の密度よりも1~3大きい圧縮密度を有する、請求項5に記載の振動ダンパ。
【請求項7】
前記粘弾性強化BNNT物質は、BNNT糸、BNNT織り糸、BNNTマット、およびBNNT織物のうち少なくとも1つを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の振動ダンパ。
【請求項8】
前記粘弾性強化BNNT物質は、BNNT糸、BNNT織り糸、BNNTマット、およびBNNT織物のうち少なくとも1つを複数備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の振動ダンパ。
【請求項9】
前記粘弾性強化BNNT物質は、複数の積層BNNTマットを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の振動ダンパ。
【請求項10】
BNNT糸、BNNT織り糸、BNNTマット、およびBNNT織物のうち少なくとも1つの前記複数は圧縮される、請求項8に記載の振動ダンパ。
【請求項11】
複数のBNNT分子が互いに擦れることでもたらされる粘弾性の挙動を有するBNNT物質を備える振動ダンパを形成する方法であって、
a)前記BNNT物質を精製するステップ、
b)前記BNNT物質を同位体的に強化するステップ、および
c)分散剤の中に前記BNNT物質を分散させ、前記分散させられたBNNT物質をフィルタ膜の上で分離し、所望の幾何形状に置かれた前記BNNTから分散剤を蒸発させるステップ
のうち少なくとも1つによって前記BNNT物質を粘弾性的に強化するステップを備える方法。
【請求項12】
前記BNNT物質を粘弾性的に強化する前記ステップは、前記BNNT物質を精製するステップを含み、前記BNNT物質を精製する前記ステップは、前記BNNT物質からホウ素粒子、a-BN粒子、h-BNナノケージ、およびh-BNナノシートのうち少なくとも1つを少なくとも部分的に取り除くことからなる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
BNNTバッキーペーパ、BNNT織り糸、およびBNNT糸のうち少なくとも1つを形成するステップをさらに備える、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記BNNT物質を粘弾性的に強化する前記ステップは、同位体的に強化され、前記BNNT物質を同位体的に強化する前記ステップは、10Bおよび11Bの存在を高めるステップを備える、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
振動方向に対してBNNT鎖の整列を高めるステップ、および前記振動方向に垂直に前記BNNT鎖の前記整列を高めるステップのうち少なくとも一方をさらに備える、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記分散剤はアルコールである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記BNNT糸および前記BNNT織り糸の少なくとも一方は、ロープおよび織物のうち少なくとも一方になる、請求項13および請求項13を引用する請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記BNNT糸および前記BNNT織り糸の前記少なくとも一方を圧縮するステップをさらに備える、請求項13および請求項13を引用する請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
複数のBNNTマットを形成するステップ、および前記複数のBNNTマットを積層するステップをさらに備える、請求項11から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
心棒の周りに前記BNNT織り糸を巻きつけて、円筒状のBNNTマットを形成するステップをさらに備える、請求項13および請求項13を引用する請求項14から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記BNNT糸および前記BNNT織り糸の前記少なくとも一方を織ってBNNT織物にするステップをさらに備える、請求項13および請求項13を引用する請求項14から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
複数のBNNT分子が互いに擦れることでもたらされる粘弾性の挙動を有する粘弾性強化BNNT物質を含有する筐体を備える振動減衰システムであって、前記粘弾性強化BNNT物質は、(a)ホウ素粒子、a-BN粒子、h-BNナノケージ、およびh-BNナノシートのうち少なくとも1つの量減されたBNNT物質、(b)同位体強化BNNT物質、ならびに(c)前記複数のBNNT分子が所望の幾何形状に配置されたBNNT物質のうち少なくとも1つを備え、これにより、前記粘弾性が強化されるように構成される振動減衰システム。
【請求項23】
前記粘弾性強化BNNT物質は、BNNTバッキーペーパ、圧縮されたBNNT物質、BNNTマット、BNNT織り糸、およびBNNT糸のうち少なくとも1つをさらに備える、請求項22に記載の振動減衰システム。
【請求項24】
前記粘弾性強化BNNT物質は、77K~400Kまで粘弾性挙動を示す、請求項1から10のいずれか一項に記載の振動ダンパ。
【請求項25】
前記粘弾性強化BNNT物質は、少なくとも2K~1,900Kまで粘弾性挙動を示す、請求項1から10のいずれか一項に記載の振動ダンパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、全体が参照により本明細書に組み入れられる、2017年2月7日に出願された米国仮特許出願第62/455,924号明細書の利益を主張する。
【0002】
(政府支援に関する言明)
なし。
【0003】
本開示は、振動減衰のための窒化ホウ素ナノチューブ(boron nitride nanotube、BNNT)の粘弾性の性質を強化する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
受動的な振動減衰は、振動エネルギーが粘弾性物質、流体、または気体の中で熱に変換されるときに発生する。受動的な振動減衰の一般的な例は、モータをモータのフレームに取り付ける際に使用されるゴム座金(粘弾性物質)、および車両内の緩衝器(流体)を含む。受動的な粘弾性振動減衰のために使用する大部分の物質に伴う1つの欠点は、それらの物質が狭い温度範囲でしか満足のいくように機能しないことである。たとえば、ゴム座金は、典型的には0℃以下の温度で剛体になり、数100℃以上の温度で劣化する、および/または燃える。それにもかかわらず、粘弾性物質は、1)振動に関連する動きだけを有する、2)流体または気体が動くことがない、および3)能動的な振動減衰に関連する電気制御および動力を必要としないので、振動減衰のために通常は好まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際特許出願第PCT/US2017/063729号
【文献】国際特許出願第PCT/US2015/027570号
【文献】米国特許第9,776,865号明細
【文献】米国特許第9,745,192号明細書
【文献】国際特許出願第PCT/US2016/023432号
【文献】米国仮特許出願第62/475,602号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
広い温度範囲で適用可能な、改善された粘弾性物質が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
BNNTは、例外的な粘弾性挙動を有し、BNNT物質は、振動減衰物質として使用するために、所望の配置に加工処理されてもよい。有利には、BNNT物質の粘弾性性能は、たとえば、BNNT物質を精製する、物質内でBNNTを整列させる、BNNT物質を同位体的に強化する、BNNT物質の密度を制御する、およびそれらを組み合わせることによって強化されてもよい。BNNT物質内のホウ素粒子、a-BN粒子、h-BNナノケージ、およびh-BNナノシートの量を最小にすることにより、存在するBNNT表面積の広さが最大になり、それにより、粘弾性挙動を発生させるナノチューブ間摩擦が改善される。また、BNNT物質内部でBNNT分子鎖を互いに整列させることにより、強化された摩擦面が発生する。BNNT分子に沿ったフォノンの輸送は、同位体強化BNNTを利用することにより、さらに強化される場合がある。詳細には、BNNT物質に対して10Bと11Bの両方の同位体を強化することにより、ナノチューブ構造に沿ったフォノン輸送は改善される。粘弾性強化BNNT物質は、物質の粘弾性パラメータを増大させる、および/または方向づけるための、1つまたは複数の高密度化を含んでもよいことを認識されたい。
【0008】
粘弾性物質の重要な特性は、それらの貯蔵弾性率、すなわち剛性である。粘弾性強化BNNT物質の合成パラメータの選択、およびBNNTマットを作成する集合工程を目的に合わせて、最終マットの貯蔵弾性率を調節してもよい。たとえば、BNNT物質を圧縮してマットにする際に高圧を使用する場合、貯蔵弾性率はより高くなる。選択した幾何形状にBNNT物質を整列させる、および/または織る場合、貯蔵弾性率は、幾何形状に応じて高まる、または低下する場合がある。
【0009】
粘弾性強化BNNT物質を形成するBNNT分子鎖は、糸に、およびさらにまたロープおよび織物にされてもよい多数の糸を組み入れてもよい織り糸にされてもよい。これらの異なる形態を用いてBNNT分子鎖の整列が強化される場合があり、それにより、最終的なBNNTマットの機械的弾力性が強化され、振動減衰のための粘弾性の性質が強化される。
【0010】
本開示は、粘弾性強化BNNT物質を含む振動ダンパに関する。粘弾性強化BNNT物質は、(1)ホウ素粒子、a-BN粒子、h-BNナノケージ、およびh-BNナノシートのうち少なくとも1つの量を低減するように精製された、合成されたときのBNNT物質、(2)同位体強化BNNT物質、および/または(3)BNNT圧縮物質を含んでもよい。いくつかの実施形態では、同位体強化BNNT物質は、濃度を高めた10Bおよび/または11Bを含んでもよい。いくつかの実施形態では、圧縮されたBNNT物質は、合成されたときのBNNT物質の密度よりも約1~3倍大きな圧縮密度を有する。いくつかの実施形態では、粘弾性強化BNNT物質は、BNNT糸、BNNT織り糸、BNNTマット、およびBNNT織物のうち少なくとも1つを含む。粘弾性強化BNNT物質は、複数のBNNTマットおよび/または複数の積層BNNTマットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の積層BNNTマットを圧縮してもよい。
【0011】
本開示はまた、BNNT物質を有する振動ダンパを形成する方法に関する。方法は、BNNT物質を精製するステップ、BNNT物質内でBNNTを整列させるステップ、BNNT物質を同位体的に強化するステップ、BNNT物質の密度を高めるステップ、および振動方向に対してBNNT鎖の整列を高めるステップのうち少なくとも1つによって、BNNT物質を粘弾性的に強化するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、BNNT物質を精製する方法は、BNNT物質からホウ素粒子、a-BN粒子、h-BNナノケージ、およびh-BNナノシートのうち少なくとも1つを少なくとも部分的に取り除くステップを含む。いくつかの実施形態では、BNNT物質内でBNNTを整列させる方法は、BNNT織り糸およびBNNT糸のうち少なくとも一方を形成するステップを含む。いくつかの実施形態では、BNNT物質を同位体的に強化するステップは、10Bおよび/または11Bの存在を高めるステップを備える。いくつかの実施形態では、BNNT物質の密度を高めるステップは、(1)BNNT物質を圧縮するステップ、および(2)分散剤の中にBNNT物質を分散させ、分散させられたBNNT物質をフィルタ膜の上で分離し、所望の幾何形状に置かれたBNNTから分散剤を蒸発させるステップのうち一方を含む。いくつかの実施形態では、分散剤は、メタノール、エタノール、またはイソプロピルアルコールなどのアルコールである。いくつかの実施形態では、BNNT糸および/またはBNNT織り糸は、ロープおよび織物のうち少なくとも一方になる。BNNT物質を有する振動ダンパを形成する方法は、BNNT糸および/またはBNNT織り糸を圧縮するステップをさらに含んでもよい。方法は、複数のBNNTマットを形成するステップ、および複数のBNNTマットを積層するステップを含んでもよい。方法はまた、心棒の周りにBNNT織り糸を巻きつけて、円筒状のBNNTマットを形成するステップを含んでもよい。方法はまた、BNNT糸またはBNNT織り糸を織ってBNNT織物にするステップを含んでもよい。
【0012】
本開示はまた、粘弾性強化BNNT物質を含有する筐体を含む振動減衰システムに関する。振動減衰システムのいくつかの実施形態では、BNNT物質は、精製されたBNNT物質、同位体強化BNNT物質、圧縮されたBNNT物質、BNNTマット、BNNT織り糸、およびBNNT糸のうち少なくとも1つを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】BNNTマットの伝達関数を示す。
図2】不純物をいくらか含むBNNT分子鎖から構成されるマットを例示する。
図3】より大きなBNNTマットを作成するために積層された多数のBNNTマットを例示する。
図4】整列したBNNT分子鎖を用いてBNNT円筒状マットを作成するために心棒上に巻かれたBNNT糸またはBNNT織り糸を例示する。
図5】整列したBNNT分子鎖を用いてBNNT円筒状マットを作成するために心棒上に巻きつけられたBNNT織物を例示する。
図6】ベローズ内部のBNNT円筒状マットの一実施形態を示す。
図7】駆動するベローズを伴うBNNT円筒状マットの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
BNNTは、例外的な粘弾性挙動を有する。この挙動は、BNNT分子が互いに擦れることから生じる。BNNT内のホウ素-窒素極性結合の特性は、部分的にイオン性であり、BNNT分子内の(およびBNNT分子間の)振動エネルギーを熱として散逸させるフォノンを生成するナノスケールの摩擦を作り出すと考えられている。カーボンナノチューブ(carbon nanotube、CNT)は、その炭素間の結合が無極性であり、非イオン性であり、1つのCNTの炭素原子が別のCNTの炭素原子に対して容易にスライドするので、この挙動を示さない。
【0015】
BNNT、および詳細には本明細書で開示するような配置などのさまざまな配置のBNNT物質は、強化された粘弾性性能を提供する。いくつかの実施形態では、配置は、精製されたBNNT物質、整列したBNNT物質、同位体強化BNNT物質、および密度制御されたBNNT物質のうち1つまたは複数を備える粘弾性強化BNNT物質を含む。ホウ素粒子、a-BN粒子、h-BNナノケージ、およびh-BNナノシートの量を低減することにより、存在するBNNT表面積の広さが増大し、それにより、粘弾性挙動を発生させるナノチューブ間摩擦を生み出す。したがって、いくつかの実施形態では、ホウ素粒子、a-BN粒子、h-BNナノケージ、およびh-BNナノシートのうち1つまたは複数を最小して、またはBNNT物質から取り除いて、BNNT物質の粘弾性挙動を強化してもよい。また、BNNT物質内部でBNNT分子鎖を互いに整列させることにより、強化された摩擦面が生成される。したがって、BNNT物質内部でBNNTの相対的整列を高めることにより、BNNT物質の粘弾性挙動は強化される。
【0016】
さまざまな技法によりBNNTを製造してもよい。たとえば、高温法または高温高圧法により作り出されたBNNTは、典型的には高品質なBNNTである、すなわち、壁の数は、1~10の範囲であり(大部分は、壁が2つ、および3つである)、長さと直径の比は、典型的には10,000対1以上であり、BNNTは、無触媒であり、結晶性が非常に高く、欠陥がほとんどない(直径の100倍の長さあたり1個未満)。しかしながら、ホウ素の小さな粒子、非晶質窒化ホウ素(amorphous boron nitride、a-BN)、六方晶窒化ホウ素(hexagonal boron nitride、h-BN)ナノケージ、およびh-BNナノシートが存在する場合がある。これらの小さな粒子は、典型的にはスケールが数10ナノメートル(nm)であるが、製造工程に応じてより小さい、またはより大きい場合がある。合成条件に応じて、これらの小さな粒子は、合成されたときのBNNT物質の質量の5%~95%の割合を占める場合がある。
【0017】
BNNT物質は、価値のある性質をいくつか有する。高温法で合成されたときのBNNT物質の密度は、典型的には約0.5g/L(グラム/リットル)~約4.0g/Lであるが、詳細には合成工程に応じて±50%ほども変わる可能性がある。BNNT物質の密度を増大させて、BNNT物質の粘弾性の性質を強化してもよい。たとえば、当技術分野で公知の技法を使用してBNNT物質を圧縮して、合成したときのBNNT物質の密度に対して約1~3倍だけ、いくつかの実施形態ではこの値を超えて密度を増大させてもよい。たとえば、BNNT物質は、合成後、約0.5g/L~約4.0g/Lの密度を有してもよく、密度が1,000g/Lの大きさになるまで、いくつかの実施形態ではそれより大きくなるまでBNNT物質を圧縮して、粘弾性強化BNNT物質を形成してもよい。さまざまな圧縮技法を使用してもよいことを当業者は認識されたい。例は、平坦領域圧縮(flat area compression)を含むが、それに限定されず、平坦領域圧縮は、BNNT物質を織り糸に形成し、次いで、織り糸を撚って、織り糸の方向に、いくつかの実施形態では、織り糸の周りにらせん状に、圧縮と整列圧縮の両方を提供し、一方の方向の圧縮が第2の方向の圧縮と異なる可能性のある織物または他の幾何形状に織り糸を織る。圧縮後、BNNT物質は、典型的にはその圧縮された形状および密度に近いままである。
【0018】
ホウ素粒子、a-BN粒子、h-BNナノケージ、およびh-BNナノシートの大部分が取り除かれた、精製されたBNNT物質は、合成されたときの物質に類似する密度を有するが、最大密度は、典型的には、合成されたときの物質の密度よりも低い。合成されたときの高品質BNNT物質の表面積は、合成パラメータを選ぶことに応じて、典型的には100m2/g~200m2/g以上の範囲にある。粘弾性強化BNNT物質は、精製されたBNNT物質、すなわち、ホウ素粒子、a-BN粒子、h-BNナノケージ、および/またはh-BNナノシートの少なくとも一部分を取り除く、または低減するように処理されたBNNT物質であってもよい。
【0019】
剛性(貯蔵弾性率)は、粘弾性物質の重要な特性である。減衰ばねの役割を果たすとき、減衰も粘弾性物質の剛性も、異なる用途にとって重要である。振動ダンパとして使用するのに適した配置にBNNT物質を形成してもよい。BNNTマットは一例である。図1は、ほぼ200mgで直径約1.0cmの円筒状の精製されたBNNTマットの伝達関数11を示す。図1のBNNTマットは、その軸に沿って約10MPaの圧力を印加することにより集合させられ、結果として約3mmの円筒高さを得られ、BNNTマットの軸に沿って強制振動を受け、一方では、室温で重力を受ける1.09kgの質量を支持する。全体が参照により組み入れられる、2017年11月29日に提出された国際特許出願第PCT/US2017/063729号に記述される工程などの工程によって、BNNT物質を精製してもよい。BNNT物質はまた、全体が参照により組み入れられる、2015年4月24日に提出された国際特許出願第PCT/US2015/027570号に記述されるような、所望の幾何形状に形作られてもよい。伝達関数11の値は、周波数12と共に変わる。実験データ13は、単振動の計算結果14と比較されている。計算結果14をピーク15の高さ、幅、および位置に適合させることにより、従来はタンデルタ(Tanδ)と呼ばれる損失正接、および円筒状BNNTマットの貯蔵弾性率を抽出することができるようになる。図1に示す例については、タンデルタは0.25であり、貯蔵弾性率は4,000MPaである。タンデルタの値が大きくなれば、それだけ物質の粘弾性が高くなる。
【0020】
いくつかの実施形態では、BNNT物質をさまざまな形態で合成してもよい。米国特許第9,776,865号明細書、米国特許第9,745,192号明細書、2015年4月24日に提出された国際特許出願第PCT/US2015/027570号、および2016年3月21日に提出された国際特許出願第PCT/US2016/023432号は、全体を参照により組み入れられる。本明細書に記述するような高品質BNNT物質は、少なくとも、振動に伴って摩擦を生み出す極性結合および部分的イオン結合の表面積がより広いために、損失正接に関して、および貯蔵弾性率の制御に関して、より高い性能値を提供する。図2は、BNNTマット20を形成するために圧縮されて層になった、BNNT鎖21、ならびにホウ素の粒子、a-BN、h-BNナノケージ22、およびh-BNナノシート23を示す。BNNT物質を単に圧縮することにより、圧縮方向に垂直な何らかの整列が生み出される。精製することによりホウ素粒子、a-BN、h-BNナノケージ22、およびh-BNナノシート23の量を最小にすることにより、損失正接が改善され、いくつかの実例では、損失正接が2倍を超える場合がある。いくらかのh-BNナノシート23は、BNNTに接合し、有利には、圧縮されたBNNT物質の開放構造を維持するのに役立つ場合がある。したがって、BNNT物質を合成し、精製して、所与の実施形態の特定の必要を満たしてもよい。一例として、BNNTの壁の数(一般に、少ないほどよい)、ナノチューブバルク径(一般に小さいほどよい)、およびナノチューブ結晶化度を含む、透過型電子顕微鏡(Transition Electron Microscopy、TEM)を用いて観察されるような変数がある。2017年3月23日に提出された米国仮特許出願第62/475,602号明細書は、その全体が参照により組み入れられる。壁の数、バルク径、および結晶化度に関してTEM画像を視覚的に分析することによって、これらの変数を推定してもよいことを認識されたい。当然のことながら、決定される値に関して何らかの変動があってもよいこともまた認識されたい。これらの値は、近似であってもよく、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲に明確に言及されていない場合、どんな特定の近似または値にも限定されないことが意図される。別の一例として、合成工程、ならびに/または精製の程度およびタイプを選択して、不純物の量を制御する、たとえば、ホウ素の粒子およびa-BNの量を最小にして、h-BNナノケージの平均サイズおよび量(一般に、小さく、かつ少ない方がよい)を制御して、h-BNナノシートの平均サイズ、量、および分布を制御してもよい。たとえば、2017年11月29日に提出され、全体が参照により組み入れられる国際特許出願第PCT/US2017/063729号明細書に記述されるようなBNNT精製工程を使用して、物質の1質量パーセント以下までホウ素粒子の量を低減してもよい。いくつかの実施形態では、高品質BNNTは、すなわち、壁の数が1~10(大部分は、壁が2つ、および3つである)の範囲にあり、長さと直径の比が典型的には10,000対1以上であり、BNNTが、無触媒であり、結晶性が高く、欠陥が非常に少ない(直径の100倍の長さあたり1つ未満の欠陥)高品質BNNTは、BNNT物質として好ましい。
【0021】
いくつかの実施形態では、粘弾性強化BNNT物質のマットを所望の幾何形状(たとえば、サイズおよび形状)に形成してもよい。BNNT物質を所望の幾何形状に合成し、および/または合成後に処理して、所望の幾何形状に到達してもよい。方法は、合成されたときのBNNT物質の圧縮と、メタノール、エタノール、またはイソプロピルアルコール(IPA)などのアルコールなどの液体中にBNNT物質を分散させ、次いで、2017年11月29日に提出された国際特許出願第PCT/US2017/063729号に記述されるフィルタ膜などのフィルタ膜の上で、分散させられたBNNT物質を分離することにより作成されたバッキーペーパからの形成と、ある形態で置かれたBNNTからアルコール(たとえば、IPA)などの分散剤を蒸発させるステップと、上記で論じたBNNT織り糸およびBNNT織物を形成するいくつかの実施形態とを含むが、それらに限定されない。いくつかの実施形態は、2017年11月29日に提出された国際特許出願第PCT/US2017/063729号に記述されるようなBNNTマットを採用する。図3に示すように、多数のBNNTマット31を積層して、より厚いBNNTマット32を生み出してもよい。
【0022】
最終的なBNNTマットの貯蔵弾性率を制御することは、いくつかの実施形態で重要な場合がある。最終的なBNNTマットの長さ(または高さ)および横断面積は、マットのばね定数を決定する。質量が付着したばね定数は、単純な調和振動子として挙動するシステムに関する集合体の固有振動周波数を決定する。いくつかの実施形態では、BNNTマットを作成する集合工程を目的に合わせて、最終的なマットの貯蔵弾性率を調節してもよい。たとえば、BNNT物質を圧縮してマットにする際、高圧、たとえば約10MPaを超える圧力を使用する場合、貯蔵弾性率はより高くなる。貯蔵弾性率を変えることは、大部分の実施形態に関する損失正接に、限られた効果しか与えず、たとえば、いくつかの実施形態では、効果は50%未満であった。高圧を使用する場合とは別に、粘弾性強化BNNT物質を整列させる、および/または織って所望の幾何形状にする場合、貯蔵弾性率は、所望の幾何形状に応じて高くなる、または低くなる場合がある。BNNT織り糸に関して上記で論じたようにBNNT分子鎖の整列を達成してもよく、いくつかの実施形態では、整列は、異なる方向で異なる貯蔵弾性率を提供する。たとえば、平均して、BNNT鎖を振動方向に垂直に、または振動方向と角度をなして整列させる場合、貯蔵弾性率は影響を受ける。高品質BNNT物質を作成するために利用される製造工程はまた、全体が参照により組み入れられる国際特許出願第PCT/US2015/027570号に記述されるような、いくらか整列したBNNTからBNNT鎖、BNNT繊維、およびBNNT織り糸を作り出す場合がある。そのような整列は、合成工程のBNNT自己集合および自己集合後の領域内の流れの場から生じる。製造工程、製造工程後の精製、化学的処理および/もしくは分散工程、圧縮行程、国際特許出願第PCT/US2015/027570号明細書で論じられたような織り糸もしくは織物を作成する紡績および/もしくは織り工程、またはそれらの組合せから整列を得ようが、整列を利用して、損失正接を最適化するだけではなく、所望の貯蔵弾性率を生み出す場合がある。これらのパラメータを変えて、所与の実施形態にとって望ましい性質を達成してもよいことを当業者は認識されたい。
【0023】
図4は、円筒状BNNTマット43の形をとる粘弾性強化BNNT物質を作成するための一実施形態を示す。本取り組み方法を使用して、異なる幾何形状を形成してもよいことを認識されたい。糸または織り糸41の形をとるBNNT物質を心軸42の周りに巻く。整列したBNNT物質を用いて、粘弾性強化BNNTの糸または織り糸を作成してもよい。BNNT物質を形成するBNNT分子鎖を糸にしてもよく、多数の糸を巻いて織り糸にしてもよいが、いくつかの実施形態では、BNNT物質から織り糸を直接作成し、次に、織り糸をロープ、織物などにしてもよい。最終的なBNNTマットの機械的弾力性を強化すること、および、振動減衰のために粘弾性の性質を強化することを含む、異なる目的のために、これらの異なる形態のBNNT物質を用いて、BNNT分子鎖の整列を強化してもよい。図5は、円筒状のBNNTマット53を形成するために心棒52の周りに巻きつけられた粘弾性強化BNNT織物51を示す。BNNT織り糸の方向および量により、所与の方向でBNNT分子鎖の整列を目的に合わせることができる。選択された整列は、織物内部の整列の方向特性を決定し、さらにまた、得られる物質の貯蔵弾性率を直接制御する。BNNT糸は、整列した物質からBNNTが作られる場合、長くてもよい、すなわち長さが数メートルであってもよい。さらに、糸の物質を上記で論じた密度まで密集させる場合、糸は堅くてもよい、すなわち、10cmの長さに対して1cm未満垂れ下がってもよい。上記で論じたように、堅い糸を、心棒および織物の周りのコイルなどの、巻かれ、織られた構造物に形成してもよい。この工程は、金属をばねおよび織物に形成するのに似ている。たとえば、鋼鉄製ばねの貯蔵弾性率の大きさは、鋼鉄自体の貯蔵弾性率よりも小さくすることができる。これは、整列したBNNT物質を含むBNNT物質の貯蔵弾性率が、貯蔵弾性率を変えるように配列されてもよい多数の方法の追加の一例である。これらの3つの実施形態は、例として役立つことだけが意図され、最終的なBNNTマットを形成する1つまたは複数のBNNT物質を作り上げる糸および織り糸に、BNNT鎖の整列をどのように組み入れてもよいかを例証する。これらの整列の制御、ならびに集合工程で利用される幾何形状および圧力の制御を利用して、所与の振動減衰を実現するために、物質の損失正接および貯蔵弾性率を最適化してもよい。
【0024】
BNNT分子に沿ったフォノンの輸送は、同位体強化BNNTを利用することにより、さらに強化される場合がある。それとは別に、10Bと11Bの両方を強化することにより、最終的なBNNTマットの損失正接を増大させることによる利益が提供される。10Bおよび/または11Bを含有するBNNT合成のために、ホウ素供給原料を選択してもよい。たとえば、同位体的に強化されたホウ素は、10Bに関しては96%で、11Bに関しては98%で市販されており、合成工程がホウ素の同位体内容物の影響を受けないので、上記で論じ、本明細書に参照により組み入れられる工程によりBNNTを合成するために使用することができる。
【0025】
また、最終的なBNNTマットの中に非BNNT物質を混合することにより、フォノンの輸送、および最終的なBNNTマットの貯蔵弾性率を修正してもよい。たとえば、ナノスケールおよびマイクロスケールで、たとえば図2に示すBNNT鎖21などのBNNT物質の中にナノ充填剤および/またはマイクロ充填剤を導入してもよく、マクロスケールで、図3に示すマット31の間に他の物質の層を置いてもよい。ゴム、非晶質重合体、半結晶重合体、生体高分子、非常に高温の金属、およびビチューメン物質などの、当技術分野で公知の1つまたは複数の一般に使用される粘弾性物質を充填剤として使用してもよいことを認識されたい。いくつかの実施形態では、当技術分野で公知の、一般に使用される1つまたは複数の粘弾性物質からなる1つまたは複数のマットは、1つまたは複数のBNNTマットに隣接してもよい。そのような物質の挙動は、限定された温度範囲にわたり安定しているが、当業者は、所与の実施形態のために適切な配置を決定することができる。図2および図3に示す例では、集合の損失正接は、低減される可能性が高いが、貯蔵弾性率は、所与の実施形態の必要に応じて高く、または低く変更されてもよい。当業者が認識するように、物質を組み合わせて振動減衰システムを生み出す際、非常に融通性がある。
【0026】
BNNTマットの粘弾性挙動を、低温の77K(液体窒素)および高温の400Kで観察した。さらに、BNNTに関して、絶対零度近くから、1,900Kの領域になると推定される最大温度まで、BNNT粘弾性挙動が存在すると期待される。77K~400Kの測定領域を超えると、物質の損失正接は、温度による影響が最小になる。実験結果は、BNNT粘弾性振動減衰が、超伝導高周波(superconducting radio frequency、SRF)での、たとえば典型的には2Kまたは4K、液化天然ガス(liquid natural gas、LNG)温度、および高温タービンエンジンで体験する温度での用途で効果的である。
【0027】
いくつかの実施形態では、SRF、LNG、および気体タービンの環境などで、BNNT物質をその環境と分離してもよい構造物で、粘弾性強化BNNT物質を包んでもよい。たとえば、BNNT物質は、BNNTマットの形をとってもよく、振動減衰を必要とする用途は、溶剤の流れを伴ってもよい。図6は、心棒円柱62の周りに形成され、心棒板63により支えられた円筒状BNNTマット61の一実施形態を示す。ベローズ64は、BNNTマット61の周りに置かれ、心棒板63および上板65に接続される。ベローズ64は、ステンレス鋼溶接ベローズであってもよいが、さらにまた、BNNTマットとその環境を分離することができる任意の他の物質であってもよい。心棒円柱62は、上板65内の開口部66内部で、束縛されずに振動してもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、振動減衰用のBNNTマットを複雑な構造物の中に組み入れてもよい。たとえば、図7は、板74を圧迫する気体の振動減衰のために筐体72および76の中に組み入れられた、図6のBNNT円筒状マット71を示す。板74からの振動は、スライドするロッド73および可撓性のあるベローズ75を介してBNNT円筒状マット71に伝達される。そのような配列を、たとえば、SRFおよびLNG冷却設備内の気体振動を制御する際など、さまざまな用途で利用してもよい。図で論じたBNNTマットは、例示的でしかない。本取り組み手法により、広範囲の配置が可能になることを認識されたい。合成および精製の工程で、BNNT物質の質を最適化し、合成および処理のステップで物質を整列させ、製造ステップで集合工程を制御することにより、所与の実施形態のために損失正接および貯蔵弾性率の性能を最適化してもよい。
【0029】
本取り組み手法の実施形態は、最初のBNNT合成工程に著しく依存する場合があることを当業者は認識されたい。特定の合成工程から生じるBNNT物質は、直径および長さの平均値から不純物内容物までに及ぶ、さまざまなパラメータを有する。そのようなパラメータは、異なる合成工程で著しく変わる場合がある。それらのパラメータは、さらにまた、振動減衰実施形態のためにBNNT物質を準備するのに適していてもよい(たとえば、精製段階、圧縮、および成形などのような)合成後の処理に影響を及ぼす可能性が高い。本明細書に記述する例は、例証的なものとして提供され、本取り組み方法の範囲を限定していると理解すべきではない。
【0030】
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を記述するためだけのものであり、本取り組み方法を限定するものではない。本明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうではないと示さない限り、複数形も含むことが意図される。備える「(comprises)」および/または「備える(comprising)」という用語は、本明細書で使用するとき、言及された特徴、完全体、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明示するが、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはこれらのグループの存在または追加を除外しないことがさらに理解されよう。
【0031】
本取り組み方法の趣旨または本質的特性を逸脱することなく、他の特有の形態で本取り組み方法を具体化してもよい。したがって、本開示の実施形態は、すべての点で例示的であり、制限的ではないと考えられるべきであり、本取り組み方法の範囲は、前述の記述によるのではなく、本出願の特許請求の範囲により示され、したがって、特許請求の範囲の均等物の意味および範囲に入るすべての変更は、特許請求の範囲の中に包含されるものとする。数多くの可能性を利用することができること、および本取り組み方法の範囲は、本明細書に記述する実施形態により限定されないことを当業者は理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7