(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】再構成可能な車両の内部を構成するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20220607BHJP
B64D 11/00 20060101ALI20220607BHJP
G06Q 10/06 20120101ALI20220607BHJP
【FI】
G06Q50/30
B64D11/00
G06Q10/06 302
(21)【出願番号】P 2020542106
(86)(22)【出願日】2018-02-08
(86)【国際出願番号】 IB2018050777
(87)【国際公開番号】W WO2019155256
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】520283211
【氏名又は名称】ドバイ アビエーション エンジニアリング プロジェクツ
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】アル シャムシ, アブドゥラ
(72)【発明者】
【氏名】アンガーバウアー, エアウィン
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08519824(US,B1)
【文献】特開2013-071730(JP,A)
【文献】国際公開第2017/201207(WO,A1)
【文献】英国特許出願公開第02326863(GB,A)
【文献】独国特許出願公開第102006034862(DE,A1)
【文献】米国特許第08954301(US,B2)
【文献】米国特許第09513622(US,B2)
【文献】特表2010-527835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B64D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の客室モジュールを使用して再構成可能な車両の内部を構成する方法であって、
ユーザ・インターフェース・システムによって、複数のユーザが選択できるよう、複数の可能な客室構成オプションを前記複数のユーザに提供し、前記ユーザによって選択された客室構成オプションを示す選択データを
前記ユーザ・インターフェース・システムによって生成することであって、前記客室構成オプションは、前記1つ又は複数の客室モジュールの構成タイプに関連している、前記生成することと、
追跡及び可用性システムが、現在使用可能な客室モジュールの構成タイプに関連する在庫データに基づいて、前記客室構成オプションの可用性を判定し、可用性データを生成することと、
予測システムが、前記選択データ及び前記可用性データに基づいて、前記再構成可能な車両に搭載されることになると予測される客室モジュールの
構成タイプ及び数に関連する予測を生成することと、
前記追跡及び可用性システムが、前記在庫データ及び前記ユーザ・インターフェース・システムへのユーザ入力に基づいて、実質的にリアルタイムで前記可用性データ及び前記選択データを更新し、更新された可用性データ及び更新された選択データを生成することと、
前記予測システムが、前記更新された可用性データ及び前記更新された選択データに基づいて、前記予測を修正することと、
前記予測システムが、前記予測を最終決定し、前記再構成可能な車両に搭載される予定の客室モジュールを示すコミッショニングデータを生成することと、
コミッショニングシステムが、前記コミッショニングデータに基づいて、前記1つ又は複数の客室モジュールを前記再構成可能な車両に搭載することと、
前記追跡及び可用性システムが、前記再構成可能な車両に搭載された前記客室モジュールに基づいて、前記在庫データを更新することとを含
み、
前記ユーザは、前記車両の乗客である、方法。
【請求項2】
前記予測は特定の客室構成が搭載されている確率を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予測は、前記車両の予定された出発時刻の前の所定の時刻に最終決定される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記予測は、1つ又は複数の予測基準に従って重み付けされる、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記予測基準は、大多数のユーザが選択した機能に対応する客室構成機能に関連する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記予測基準は、前記車両の運営者が好む客室構成機能に基づく、請求項4又は請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記予測基準は、前記車両の運営者の好みを優先した基準に基づく、請求項4から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記選択データは、前記車両の予定された出発時刻の前の所定の期間内のユーザの選択によって生成される、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
1つ又は複数の客室モジュールを使用して再構成可能な車両の内部を構成するシステムであって、前記システムは、
複数のユーザが選択できるよう、複数の可能な客室構成オプションを前記複数のユーザに提供し、前記ユーザによって選択された客室構成オプションを示す選択データを生成するように動作可能であって、前記客室構成オプションは、前記1つ又は複数の客室モジュールの構成タイプに関連している、ユーザ・インターフェース・システムと、
現在使用可能な客室モジュールの構成タイプに関連する在庫データに基づいて、前記客室構成オプションの可用性を判定し、可用性データを生成するように動作可能な追跡及び可用性システムと、
前記選択データ及び前記可用性データに基づいて、前記再構成可能な車両に搭載されることになると予測される客室モジュールの
構成タイプ及び数に関連する予測を生成するように動作可能な予測システムと、
前記再構成可能な車両に搭載される予定の客室モジュールを示すコミッショニングデータを生成するように動作可能なコミッショニングシステムとを含み、
前記追跡及び可用性システムは、前記在庫データ及び前記ユーザ・インターフェース・システムへのユーザ入力に基づいて、実質的にリアルタイムで前記可用性データ及び前記選択データを更新し、更新された可用性データ及び更新された選択データを生成するように動作可能であり、
前記予測システムは、前記更新された可用性データ及び前記更新された選択データに基づいて、前記予測を修正し、
前記予測を最終決定し、前記コミッショニングデータを生成するように動作可能であり、
前記コミッショニングシステムは、前記コミッショニングデータに基づいて、前記1つ又は複数の客室モジュールを前記再構成可能な車両に搭載させるように動作可能であり、
前記追跡及び可用性システムは、前記再構成可能な車両に搭載された前記客室モジュールに基づいて、前記在庫データを更新するように動作可能であ
り、
前記ユーザは、前記車両の乗客である、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、再構成可能な車両の内部を構成するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空業界は急速に発展しており、航空機製造会社は顧客体験を向上させ、航空機の追加機能を提供する新しい方法を常に考案している。近年、航空機の内部を再構成するためにモジュールが使用され得るプロジェクトが提案された。例えば、航空機の所望の構成に応じて、スパ、カフェ又はジムなどの異なる体験を提供するために、モジュールを航空機の内外で交換することができる。これにより、乗客又は航空会社が、航空機に搭乗した時に体験又は使用を望み得る1つ又は複数の構成の選択肢を広げる可能性がある。
【0003】
通常のフライトの予約に続いて、オンラインによるチェックインは航空機の予定された出発時刻の2日前に開始される場合があるが、予約は通常、数週間前又は数か月前など、これよりも前に行われる場合がある。手荷物預入及び書類チェックは通常、予定された出発時刻の3時間前から利用可能であり、オンラインによるチェックインは、通常、予定された出発時刻の60分前に終了し、それに伴い手荷物預入も終了する(つまり、それ以降は利用不可能となる)。通常、フライトの搭乗ゲートは、予定された出発時刻の20分前に終了し、それ以降、乗客は通常、航空機に搭乗することができない。
【0004】
現在、乗客が食事や座席の好みなど、乗客のフライトに関連する利用可能なオプションを選択したい場合、この情報は、例えば、予定された出発時刻の最大48時間前など、フライトの出発予定前に、例えば、オンライン登録システムを介して、航空会社によって収集され得る。次に、食事の選択に関する情報は航空機のケータリングサービスに渡され、乗客が選択した食事が出発前に航空機に搭載されるか、又は乗客の座席の選択に関する情報は、オンライン・チェックイン・システム又は空港のチェックインデスクからアクセス可能なシステムなどのチェックインシステムに渡され得る。その後、乗客の希望の選択をフライトで利用することができるようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、いくつかの選択肢は、通常、乗客によってしか入力されず、予定された出発時刻の前の所定時間の前、例えば、特別な食事の選択肢の場合は最大で24時間前までしか航空会社に考慮されない場合がある。したがって、情報は通常、例えば、空港システム又はケータリングなどに「プッシュ」されるため、変更や修正を考慮することができない。また、これ以降に行われた変更は考慮されない場合があり、これは乗客にとって不便な場合がある。さらに、そのような既存のシステムは、例えば、カフェ、スパ、座席設備、就寝設備、ジム設備などの異なる機能を提供するように航空機に搭載され得る適切な客室モジュールを、例えば、各フライトに関して選択することにより、内部を再構成することができる航空機での使用には適さない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の例は、上記の問題に対処するか、又は少なくとも軽減しようとするものである。
【0007】
第1の態様では、1つ又は複数の客室モジュールを使用して再構成可能な車両の内部を構成する方法が提供され、方法は、ユーザ・インターフェース・システムによって、複数のユーザが選択できるよう、複数の可能な客室構成オプションを複数のユーザに提供し、ユーザによって選択された客室構成オプションを示す選択データを生成することであって、客室構成オプションは、1つ又は複数の客室モジュールの構成タイプに関連している、生成することと、現在使用可能な客室モジュールの構成タイプに関連する在庫データに基づいて、客室構成オプションの可用性を判定し、可用性データを生成することと、選択データ及び可用性データに基づいて、再構成可能な車両に搭載されることになると予測される客室モジュールの予測を生成することと、在庫データ及びユーザ・インターフェース・システムへのユーザ入力に基づいて、実質的にリアルタイムで可用性データ及び選択データを更新し、更新された可用性データ及び更新された選択データを生成することと、更新された可用性データ及び更新された選択データに基づいて、予測を修正することと、予測を最終決定し、再構成可能な車両に搭載される予定の客室モジュールを示すコミッショニングデータを生成することと、コミッショニングデータに基づいて、1つ又は複数の客室モジュールを再構成可能な車両に搭載することと、再構成可能な車両に搭載された客室モジュールに基づいて、在庫データを更新することとを含む。
【0008】
第2の態様では、1つ又は複数の客室モジュールを使用して再構成可能な車両の内部を構成するシステムが提供され、システムは、複数のユーザが選択できるよう、複数の可能な客室構成オプションを複数のユーザに提供し、ユーザによって選択された客室構成オプションを示す選択データを生成するように動作可能であって、客室構成オプションは、1つ又は複数の客室モジュールの構成タイプに関連している、ユーザ・インターフェース・システムと、現在使用可能な客室モジュールの構成タイプに関連する在庫データに基づいて、客室構成オプションの可用性を判定し、可用性データを生成するように動作可能な追跡及び可用性システムと、選択データ及び可用性データに基づいて、再構成可能な車両に搭載されることになると予測される客室モジュールの予測を生成するように動作可能な予測システムと、再構成可能な車両に搭載される予定の客室モジュールを示すコミッショニングデータを生成するように動作可能なコミッショニングシステムとを含み、追跡及び可用性システムは、在庫データ及びユーザ・インターフェース・システムへのユーザ入力に基づいて、実質的にリアルタイムで可用性データ及び選択データを更新し、更新された可用性データ及び更新された選択データを生成するように動作可能であり、予測システムは、更新された可用性データ及び更新された選択データに基づいて、予測を修正し、予測を最終決定し、コミッショニングデータを生成するように動作可能であり、コミッショニングシステムは、コミッショニングデータに基づいて、1つ又は複数の客室モジュールを再構成可能な車両に搭載させるように動作可能であり、追跡及び可用性システムは、再構成可能な車両に搭載された客室モジュールに基づいて、在庫データを更新するように動作可能である。
【0009】
他の態様及び特徴は、添付の特許請求の範囲で定義されている。
【0010】
したがって、例えば、本開示の例は、再構成可能な車両の内部を構成するシステム及び方法を提供するのを支援する可能性があり、当該車両はより柔軟であり、ユーザの選択又は修正により発生する任意の変更及び/又は考慮すべき運営上の要件により発生する変更が可能になり得る。さらに、例えば、望まれる可能性のある任意の変更は、現在可能であるよりも出発時刻に近い時間に行うことができる。例えば、車両は乗客の希望に基づいて構成することができるが、選択の変更又は客室モジュールの可用性も、例えば、実質的にはリアルタイムで考慮に入れることができる。これは、更新された選択データ及び更新された可用性データに基づいて予測が修正され得るためである。したがって、例えば、客室モジュールのより適切な選択が車両に搭載され得る可能性が改善され得る。
【0011】
ここで、本開示の例を、添付の図面を参照して例としてのみ説明し、例において同様の参照番号は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の例による、航空機の内部平面の概略図である。
【
図2】本開示の例による、再構成可能な車両の内部を構成するためのシステムを概略的に示す。
【
図3】本開示の例による、再構成可能な車両の内部を構成するための方法のフローチャートである。
【
図4】本開示の例による、方法及びシステムのプロセスフローの概要を概略的に示す。
【
図5】本開示の例による、プロセスフローのユーザ・インターフェース・システム・プロセスを概略的に示す。
【
図6】本開示の例による、客室予測及びデータ交換システムを概略的に示す。
【
図7】本開示の例による、客室追跡及び可用性保証システムを概略的に示す。
【
図8】本開示の例による、コミッショニングユニット及び客室グラウンド・ハンドリング・システムを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
再構成可能な車両の内部を構成するための方法及びシステムが開示される。以下の説明では、本開示の例の完全な理解を提供するために、いくつかの特定の詳細が提示されている。しかしながら、本開示の例を実施するためにこれらの特定の詳細を利用する必要がないことは、当業者には明らかであろう。反対に、当業者に周知の特定の詳細は、例を提示する際の明確性の観点から省略されている。
【0014】
図1は、本開示の例による、航空機の内部平面の概略図である。特に、
図1は航空機10を示す。例では、航空機は、航空機の内部に配備され得る1つ又は複数の客室モジュールと協働し、航空機10の内部の少なくとも一部を形成することができるように構成される。
【0015】
例では、航空機10の内部はゾーンに分割され、各ゾーンは航空機の内部機能に関連付けられている。
図1に示す例では、航空機10は、ファーストクラスの設備が配置され得るファーストクラスゾーン12(列01及び02)、ビジネスクラスの座席など、ビジネスクラスの設備が存在し得るビジネスクラスゾーン14(列06及び07)、構成可能ゾーン16内に1つ又は複数の客室モジュールを適切に配置することにより、様々な設備又は機能を提供することができるように構成することができる構成可能ゾーン16(列08~29)、プレミアムエコノミークラスの座席が存在し得るプレミアムエコノミーゾーン18(列30~31)及びエコノミークラスの座席が存在し得るエコノミーゾーン19(列33~46)が含まれる。
図1に示す例では、ボックス番号1、ボックス番号2及びボックス番号3は、構成可能ゾーン16内の客室モジュールの可能な位置を示す。
【0016】
例では、構成可能ゾーン16は、例えば、座席、休憩、レストラン、バー、スパ又はプレイエリアのうちの1つ又は複数などの機能を提供する1つ又は複数の客室モジュールを含むことができるが、当然ながら他の機能を提供することもできる。構成可能ゾーン16は、例えば、設計要件に応じて、航空機10の内部の客室空間の全体又は一部を取り囲んでよい。例では、客室モジュールは、例えば、予約要件又は他の要件に基づいて、航空機に対して搭載及び/又は積み下ろしが行われ得る。換言すると、例えば、航空機は、例えば、顧客及び/又は航空会社の要件に基づいて、再構成可能であると考えることができる。
【0017】
図2は、本開示の例による、再構成可能な車両の内部を構成するためのシステムを概略的に示す。特に、
図2は、1つ又は複数の客室モジュールを使用して再構成可能な車両(航空機10など)の内部を構成するためのシステム20を概略的に示している。例では、システム20は、ユーザ・インターフェース・システム30、予約データベース40、グラウンド・ハンドリング・システム50、予測システム60、追跡及び可用性システム70及びコミッショニングシステム80を含む。しかしながら、例では、
図2のシステム30、50、60、70、80及びデータベース40のうちの1つ又は複数は、必要に応じて共に組み合わせることができる。例えば、予約データベース40は、ユーザ・インターフェース・システム30及び予測システム60のうちの1つ又は複数において実装されるか、又は外部サーバなどの別個のエンティティとして実装され得る。例では、予約データベース40は、グラウンド・ハンドリング・システム50と通信して、食事の選択及び座席の選択に関するデータなどの選択データを提供することができるように動作可能である。
【0018】
例では、ユーザ・インターフェース・システム30は、複数のユーザが選択できるよう、複数の可能な客室構成オプションを複数のユーザに提供して、選択データを生成するように動作可能である。例では、選択データは、ユーザが選択した客室構成オプションを示している。例では、客室構成オプションは、1つ又は複数の客室モジュールの構成タイプに関連している。例えば、1つ又は複数の客室モジュールの構成タイプは、レストラン、子供のプレイエリア、ジム及び/又はフィットネスセンタ、座席エリア、就寝エリア、ゲームゾーン、バー、カフェ及びビジネスアウトレット又は自動販売機のうちの1つ又は複数に関連する場合があるが、他の構成も可能であることを理解されたい。
【0019】
例では、ユーザ・インターフェース・システムは、航空券の予約及び座席又は食事のオプションなどのオプション選択のために、既に一般的に使用されているようなネットワークを介して、1つ又は複数のユーザデバイスと通信するように動作可能な1つ又は複数のサーバを含む。例では、予約データベース40は、ユーザ・インターフェース・システムの一部を形成し、選択データを格納することができるように構成されている。例では、予約データベースは、例えば、航空会社の予約システムで既に一般的に利用されているのと同様の方法で、食事及び座席の選択に関して動作し得る。しかしながら、ユーザ・インターフェース・システムの動作は、以下に説明されるような選択データに関して実行される必要がある機能に依存することを理解されたい。
【0020】
例えば、選択データは、客室モジュールのタイプ又は乗客(ユーザ)がフライト中に体験することを望み得るタイプなどの客室構成オプションに関連する場合がある。例えば、小さな子供連れの家族の乗客は、子供のために、1つの客室モジュールによって実装された子供のプレイエリアと、両親のために、スパ客室モジュールなどのリラクゼーションエリアに関連する客室モジュールオプションとを選択する可能性がある。他の例では、選択データは、例えば、シネマ客室モジュール、カフェ又はバー客室モジュール又は1つ又は複数のベッドとして構成された客室モジュールを選択し得る他の乗客による選択に関連する可能性がある。したがって、航空機10によって実行される予定の特定のフライトのための意図された乗客の選択に関する選択データは、例えば、データベース40に格納され得る。
【0021】
例では、追跡及び可用性システム70は、イーサネット又は光ファイバ通信リンクなどの1つ又は複数の適切な通信リンクを介して、グラウンド・ハンドリング・システム50、予測システム60及びコミッショニングシステム80と双方向に通信するように動作可能であるが、無線リンクなどの任意の適切な1つ又は複数の通信リンクを使用できることを理解されたい。例では、ユーザ・インターフェース・システム30、予約データベース40、予測システム60、追跡及び可用性システム70及びコミッショニングシステム80は、1つ又は複数のサーバ、コンピュータ、ストレージユニットなどのような、例えば、適切な通信リンク又はネットワークを介して相互に通信するように動作可能なコンピューティングハードウェアに実装される。
【0022】
例では、グラウンド・ハンドリング・システム50は、手荷物ハンドリング設備、客室モジュールハンドリング設備(例えば、航空機10上での1つ又は複数の客室モジュールへの搭載/積み下ろし)及び適切なソフトウェアを実行することによって、例えば、手荷物ハンドリング設備及び客室モジュールハンドリング設備などと通信可能なグラウンド・ハンドリング・コンピューティング・ハードウェアなどの、グラウンド・ハンドリング・インフラストラクチャを含む。
【0023】
例では、本開示の例のコンピューティングハードウェアは、ハードウェアによって実行されると、ハードウェアに、本明細書で説明する方法の機能を実行させることができる関連ソフトウェアを実行するように構成される。
【0024】
例では、追跡及び可用性システム70は、在庫データに基づいて客室構成オプションの可用性を判定し、これにより、可用性データを生成するように動作可能である。例では、在庫データは、現在使用可能な客室モジュールの構成タイプに関連し、これにより、可用性データを生成する。例では、以下でより詳細に説明されるように、在庫データは在庫データのデータベースに格納される。例えば、在庫データは、スパモジュール、カフェモジュール、シネマモジュール、座席モジュール、就寝モジュール、プレイエリアモジュール、バーモジュールなど、現在使用可能な各タイプの客室構成モジュールの数を示し得るが、他のタイプの客室モジュールを使用することができることを理解されたい。例では、追跡及び可用性システム70は、在庫データ及びユーザ・インターフェース・システム30へのユーザ入力に基づいて、実質的にリアルタイムで可用性データ及び選択データを更新し、更新された可用性データ及び更新された選択データを生成するように動作可能である。したがって、例えば、可用性データ及び選択データは、実質的に最新の状態に保つことができ、これにより、例えば、いかなる変更もシステムに反映することができる。
【0025】
例では、予測システム60は、光ファイバ通信リンク又はイーサネットなどの適切な通信リンクを介して、予約データベース40、追跡及び可用性システム70及びコミッショニングシステム80と双方向に通信するように動作可能であるが、無線リンクなどの任意の適切な1つ又は複数の通信リンクを使用することができることを理解されたい。例では、予測システム60は、選択データ及び可用性データに基づいて、再構成可能な車両(航空機10など)に搭載されることになると予測される客室モジュールの予測を生成するように動作可能である。例えば、予測は、特定のタイプの客室モジュールを選択した乗客の数、及び選択された客室モジュールのタイプに基づく場合がある。
【0026】
例では、コミッショニングシステムは、光ファイバ通信リンク又はイーサネットなどの適切な通信リンクを介して、予測システム60、追跡及び可用性システム70及びグラウンド・ハンドリング・システム50と通信するように動作可能であるが、無線リンクなどの任意の適切な1つ又は複数の通信リンクを使用することができることを理解されたい。例では、コミッショニングシステム80は、航空機10などの再構成可能な車両に搭載される予定の客室モジュールを示すコミッショニングデータを生成するように動作可能である。
【0027】
例では、予測システム60は、更新された可用性データ及び更新された選択データに基づいて予測を修正し、予測を最終決定し、これにより、コミッショニングデータを生成するように動作可能である。例では、コミッショニングシステム80は、コミッショニングデータに基づいて、再構成可能な車両に1つ又は複数の客室モジュールを搭載させるように動作可能である。例えば、コミッショニングシステム80は、コミッショニングデータをグラウンド・ハンドリング・システム50に送信し、これにより、最終決定された予測で選択された客室モジュールを航空機10に搭載させることができる。例では、追跡及び可用性システム70は、航空機10などの再構成可能な車両に搭載される客室モジュールに基づいて、在庫データを更新するように動作可能である。
【0028】
したがって、例えば、車両は、乗客の希望に基づいて構成されてよいが、例えば、選択の変更、又は客室モジュールの可用性も考慮に入れてよい。したがって、客室モジュールのより適切な選択が車両に搭載され得る可能性が改善され得る。
【0029】
図3は、本開示の例による、再構成可能な車両の内部を構成するための方法のフローチャートである。
図3の方法のステップは、
図2を参照して上述したシステム20の1つ又は複数の要素によって実行され得る。
【0030】
ステップs100では、例えば、ユーザ・インターフェース・システムによって、複数のユーザが選択できるよう、複数の可能な客室構成オプションが複数のユーザに提供され、これにより、選択データを生成する。上述のように、例では、選択データは、ユーザによって選択された客室構成オプションを示しており、客室構成オプションは、1つ又は複数の客室モジュールの構成タイプに関連している。
【0031】
ステップs102では、在庫データに基づいて、例えば、追跡及び可用性システム70によって、客室構成オプションの可用性が決定され、これにより、可用性データを生成する。上述のように、例では、在庫データは、現在使用可能な客室モジュールの構成タイプに関連する。
【0032】
ステップs104では、再構成可能な車両に搭載されることになると予測される客室モジュールの予測が、選択データ及び可用性データに基づいて、例えば、予測システム60によって生成される。
【0033】
ステップs106では、在庫データ及びユーザ・インターフェース・システムへのユーザ入力に基づいて、例えば、追跡及び可用性システム70によって、実質的にリアルタイムで可用性データ及び選択データを更新し、更新された可用性データ及び更新された選択データを生成する。
【0034】
ステップs108で、予測は、更新された可用性データ及び更新された選択データに基づいて、例えば、予測システム60によって修正される。
【0035】
ステップs110では、例えば、予測システム60によって予測を最終決定し、これにより、再構成可能な車両に搭載される予定の客室モジュールを示すコミッショニングデータを生成する。
【0036】
ステップs112では、再構成可能な車両は、コミッショニングデータに基づいて、例えば、グラウンド・ハンドリング・システムによって、再構成可能な車両に1つ又は複数の客室モジュールを搭載する。
【0037】
ステップs114では、再構成可能な車両に搭載された客室モジュールに基づいて、例えば、追跡及び可用性システム70によって、在庫データが更新される。
【0038】
例では、
図3のステップは、例えば、それらが説明される順序で順次実行されてよい。しかしながら、適用可能な場合、ステップのうちの1つ又は複数は、互いに同時に又は他の適切な順番又は順序で実行することができることを理解されたい。
【0039】
したがって、例えば、予測は、客室モジュールの実質的にリアルタイムの可用性、及び出発前にユーザが行う可能性のある変更に基づく場合がある。したがって、本開示の例は、例えば、可用性及びユーザの選択の現在の状況を考慮又は反映することができる、より柔軟なシステムを提供することが可能になり得る。
【0040】
ここで、本開示の例のシステム及び方法のさらなる詳細を、
図4から
図8を参照して説明する。
図4は、本開示の例による、方法及びシステムのプロセスフローの概要を概略的に示す。特に、
図4を参照すると、グラウンド・ハンドリング・システム50は客室グラウンド・ハンドリング・システムを含み、予測システム60は客室予測及びデータ交換システムを含み、追跡及び可用性システム70は客室トラッカ及び可用性保証システムを含み、コミッショニングシステム80は、コミッショニングユニットを含む。例では、システム20は、客室オプション提供ユニット201、乗客選択確認ユニット203及び客室搭載確認ユニット205を含む。
【0041】
例では、客室オプション提供ユニット201は、予測ユニット60と通信し、これにより、空港運営者又は航空会社がアクセスすることができる客室オプションのタイプなどの利用可能であり得る客室オプションを提供するように動作可能である。例では、客室オプション提供ユニットは、例えば、予約データベース40を介して、ユーザ・インターフェース・システムと通信し、これにより、ユーザが選択するために、選択可能な客室モジュールオプションのリストをユーザに提供できるように動作可能である。
【0042】
例では、乗客選択確認ユニット203は、データベース40と通信して、例えば、確認メールを介するなどして、乗客又はユーザの選択についての確認を乗客又はユーザに提供するように動作可能である。例では、客室搭載確認ユニット205は、例えば、以下でより詳細に説明されるように、予測システム60及びグラウンド・ハンドリング・システムと通信し、これにより、航空機10に搭載された客室モジュールを示すように動作可能である。
【0043】
ここで、
図4の特定の詳細の例は、
図5から
図8を参照することになる。
図5は、本開示の例による、プロセスフローのユーザ・インターフェース・システム・プロセスを概略的に示す。特に、
図5は、ユーザ・インターフェース・システム30によって実行され得る動作を示す。
【0044】
上述のように、ステップs100の一部としての例では、ユーザは、ユーザに関連付けられたユーザデバイス(例えば、コンピュータ、携帯電話/スマートフォン、タブレットコンピューティングデバイスなど)上の適切なグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介するなどで、複数の客室構成オプションを提示され得る。ステップs200では、ユーザは、客室構成オプションなどの1つ又は複数のオプションを選択することができる。例では、ユーザに提示される客室構成オプションは、例えば、航空会社が提供するオプションに基づくか、又はチケットのクラスに基づいて、事前に定義されている。例えば、ファーストクラス又はビジネスクラスのチケットを持つユーザには、エコノミークラスのチケットを持つユーザよりも多くのオプションが提示される場合がある。例では、ユーザがどのオプションを選択することができるかを示すオプションデータは、予約データベース40から提供されてよい。
【0045】
例では、ユーザが、例えば、最初の選択又は予約セッションでユーザデバイスへの適切な入力を介して、最初の客室の選択に問題がないことを確認した場合(1つ又は複数の客室を最初に選択及び確認したとき、又は最初にチケットを予約したときなど)、次に、ステップs202で、ユーザの最初の客室選択がユーザ・インターフェース・システムで確認され、ユーザの選択を示す選択データが予約データベース40に送信される。例では、ユーザに事前設定された客室の選択を提示することができる。例では、客室の選択は、例えば、ユーザが保存した好みに基づいて事前設定されている場合がある。他の例では、客室モジュール構成オプションなどの客室の選択は、例えば、ユーザが予約時に選択を行っていない場合、ユーザの予約が確認されたときに航空会社によって事前設定され、1つ又は複数のデフォルトオプションを提供する。例では、客室の選択は、例えば、ユーザが保存した好みに基づいて事前設定されている場合がある。
【0046】
それらの最初の選択よりも後の時点で、例では、ユーザはまた、ステップs204で、客室構成オプションなどのオプションを選択することができ、その結果、ユーザの最初の選択がステップs206で確認されて変更され得る。その後、予約データベース40はそれに応じて更新されてよい。例では、ユーザは、航空機の予定された出発時刻に関して定義された期間内に最初の選択を行うか、又はユーザ自身の選択を更新することができる。
【0047】
換言すると、より一般的には、例では、選択データは、車両の予定された出発時刻の前の所定の期間内にユーザの選択によって生成される。所定の期間とは、予定された出発時刻の前に、航空機に客室モジュールを搭載するのに十分な時間が許容されるような期間であり得る。例えば、ユーザには、36時間の所定の期間において客室構成オプションが提供されてよく、これは、航空機の予定された出発時刻の12時間前に終了する。しかしながら、他の任意の適切な所定の期間を使用することができることを理解されたい。
【0048】
図6は、本開示の例による、客室予測及びデータ交換システムを概略的に示す。上述のように、予測システム60は、例えば、
図6に示されるように、客室予測及びデータ交換システムを含む。例では、予測システムは客室を含み、物流データベース62及び動的双方向データ交換ユニット64を供給する。例では、物流データベースは、可用性データ及び更新された可用性データを格納することができるように動作可能である。データ交換ユニット64は、物流データベース62及び追跡及び可用性システム70と通信するように動作可能である。例では、予測システム60は、ステップs208において、例えば、物流データベース62と交換されたデータに基づいて、実質的にリアルタイムでリアルタイムの客室予測を作成するように動作可能である。例えば、ステップs208は、上述のステップs104及び/又はステップs108の一部として実行されてよい。例では、予測は特定の客室構成が搭載されている確率を示す。例えば、予測は、特定の客室モジュールが特定のフライトに使用され得る確率に関連し得る。
【0049】
例では、予測は1つ又は複数の予測基準に従って重み付けされる。これは、例えば、客室モジュールの配置又は搭載/積み下ろし、あるいは航空機、航空会社、空港などの運用要件の計画作成を支援し得る。
【0050】
例えば、予測基準は、ユーザ(乗客)が選択したオプション、コストに基づいて使用する客室モジュールの航空会社の好み、チケットの各クラスのユーザ数に基づくオプション、リラックス体験(例えば、スパ、就寝エリア、リラクゼーションエリアなどとして構成された客室モジュール)、パーティー体験(例えば、バー又はダンス・フロア・エリアとして構成された客室モジュール)又は子連れに優しい体験(例えば、プレイエリア、カフェ及び映画館として構成された客室モジュール)など、航空機が提供する望ましい機能又は雰囲気/意図的な体験に基づいたオプションなどの基準に関連し得る。しかしながら、他の予測基準が使用され得ることを理解されたい。
【0051】
例では、予測基準は、大多数のユーザが選択した機能に対応する客室構成機能に関連する。例えば、大多数のユーザがカフェモジュールを選択した場合、そのフライトにカフェモジュールが必要とされる可能性の重み付けを調整し、カフェモジュールが必要になる可能性がより高いことを示すことができる。
【0052】
例では、予測基準は、例えば、航空会社が提供する休暇パッケージに基づき、パーティー体験、リラクゼーション体験、又は子連れに優しい体験など、車両の運営者が好む客室構成機能に基づいている。例では、予測基準は、航空会社などの車両の運営者の好みを優先した基準に基づいており、例えば、報酬ポイントプログラム又は特定のクラスのチケットによって定義されるなど、特定のカテゴリ内のユーザに選択の優先権が提供される。例では、人工知能や機械学習を使用して、例えば、過去の予約に基づいて、予測を決定するか、又は生成することができるか、あるいは客室モジュールの選択を最適化することができる。しかしながら、予測基準及び対応する重み付けを定義する他の適切な方法が利用されてもよいことを理解されたい。
【0053】
例では、予測システムは、ステップs210で、予測が最終決定であるかどうかを判定するように動作可能である。例では、予測は、車両(航空機10など)の予定された出発時刻の12時間前など、車両の予定された出発時刻の前の所定時間に最終決定されるが、任意の適切な所定時間を使用することができるか、又は予測が最終決定かどうかを判断する他の方法を使用することができることを理解されたい。例えば、ステップs210は、上述のステップs110の一部として実行されてよい。例では、航空会社又は車両の運営者は、特定のフライトにどの客室モジュールを使用する必要があるかを確認するために、例えば、運用要件に基づいて、予測が最終決定であると判断することができる。
【0054】
例では、上述のように、可用性データ及び選択データは、ユーザ入力及び在庫データに基づいて更新され得る。予測が最終決定ではない場合、データ交換ユニット64は、物流データベース62及び予約データベースと通信するように動作可能であり、その結果、予測システム60は、更新された可用性データ及び更新された選択データに基づいて予測を修正することができる。例えば、カフェ客室モジュールとして構成されたものなど、特定のタイプの客室モジュールの全てが他の車両に使用されているか、又は他の車両で使用すると既に最終決定されている場合、予測システム60は予測を生成し、予測が生成されているフライトでは、カフェ客室モジュールを使用する可能性が低い(又は可能性ゼロ)ことを示す。例では、データ交換システムはまた、予測が生成されている飛行にどの客室モジュールが使用されると現在予測されているかを示すために、可用性及び追跡システム70と通信し得る。
【0055】
例では、予測が最終決定であると判定された場合、例えば、予定された出発時刻よりも前である所定時間が現在時刻に相当するか、又は既に現在時刻を過ぎている場合、予測システム60は、ステップs212で、航空機10などの車両に搭載される予定の客室モジュールなど、最終的な客室選択を確認するように動作可能である。この情報は、コミッショニングシステム80に渡され、コミッショニングデータを生成することができる。例えば、ステップs212は、ステップs110の一部として実行されてよい。
【0056】
図7は、本開示の例による、客室追跡及び可用性保証システムを概略的に示す。上述のように、例では、追跡及び可用性システム70は、客室トラッカ及び可用性保証システムを含む。例では、追跡及び可用性システム70は、物流データベース62を含むが、他の例では、追跡及び可用性システム70は、専用客室及び物流データベース62とは異なる供給物流データベースを実装してよい。例では、追跡及び可用性システム70は、1つ又は複数の客室モジュールの可用性を判定するとともに、例えば、客室モジュールによって生成されたか、又は物流データベースに記録された位置データに基づいて、それらの位置を追跡するように動作可能である。
【0057】
例では、追跡及び可用性システム70は、ステップs214で、例えば、どの客室モジュールが、現在、使用のために倉庫又は保管ユニットに保管されているかを判断するために、在庫にある利用可能な客室オプションを取得又は決定するように動作可能である。例では、追跡及び可用性システム70は、ステップs216で、例えば、他の車両で既に使用されていると判定された客室モジュールに基づいて、動作中の客室オプションを取得又は決定するように動作可能である。ステップs214及びs216で生成された情報は、物流データベース62に格納された可用性データを更新又は保持するために使用され得る。例では、ステップs214及びs216は、上述のステップs106の一部として実行されてよい。
【0058】
例では、追跡及び可用性システム70は、ステップs218で、客室構成オプションが利用可能である確率を決定するように動作可能である。例では、追跡及び可用性システム70は、実質的にリアルタイムで確率を決定するように動作可能である。しかし、予測システム60などのシステム20の他のシステムの1つ又は複数をさらに使用して、追跡及び可用性システム70の代わりに、又は追跡及び可用性システム70と連携して、確率を決定することができることを理解されたい。例えば、確率は、現在使用されている客室モジュール、特定のタイムスケール内で使用されるようにスケジュールされている客室モジュール(例えば、他の車両又は航空機に関連するコミッショニングデータに基づく)及びユーザの選択データのうちの1つ又は複数に基づいてよい。
【0059】
例では、確率的及び/又はデータ分析の原理を使用して、客室オプション構成の可用性に関連する未知のデータ又はモデル化されていないデータを生成、計算又は予測することができる。
【0060】
例では、マルコフ連鎖を利用する確率モデリングを使用して、1つ又は複数の客室構成オプションが利用できる確率を示す確率データを生成する。これは、例えば、状況のリアルタイムなデータ取得など、利用可能な履歴データがほとんどないか、又は全くない場合に役立ち得る。例えば、確率モデリングは、乗客又は乗客の客室の好み及び客室構成オプションのリアルタイムのデータ取得に関連して利用されてよい。
【0061】
他の例では、確率データは、履歴データセットに関連する分析統計モデリングに基づいている。例では、履歴データセットは、予約期間中の客室構成の変更、季節別の客室オプション構成の好み及び関連する変更に関する情報、客室設定にリンクされたフライトデータ並びに乗客の年齢及びニーズ/要件のうちの1つ又は複数に関連する履歴データを含む。しかしながら、履歴データセットは他の適切な履歴データを含み得ることを理解されたい。例では、分析統計モデリングを使用して、特定のフライトの必要な構成及び/又は客室構成プロファイルの確率を決定するのを支援し得る。例えば、履歴データは、特定のフライト又は計画されたフライトで利用可能な客室構成の選択肢の確率を決定するのを支援するために使用され得る。例では、乗客が(例えば、ステップs200又はステップs204で)フライト前に行うことができる選択又は入力も履歴データとして見なされ得る。
【0062】
例では、確率モデリングは、履歴データに基づく分析方法と組み合わせることができるが、確率は他の適切なパラメータ又はデータに基づくことができることを理解されたい。
【0063】
例では、物流データベース62に格納された可用性データなどのデータは、例えば、ステップs114又はステップs106の一部として、予測システム60及びグラウンド・ハンドリング・システム50から受信された可用性データに基づいて更新され得る。したがって、例えば、物流データを実質的に最新に保ち、発生し得るあらゆる変化に対応することができる。換言すると、例えば、追跡及び可用性システム70は、実質的に継続的に客室構成オプションとして提供され得る利用可能な客室モジュールを監視及び更新するのを支援し得る。これは、例えば、運営者がほとんど介入しないか、又は全く介入することなく、システムが自律的に動作するのを支援し得る。
【0064】
図8は、本開示の例による、コミッショニングユニット及び客室グラウンド・ハンドリング・システムを概略的に示す。上述のように、例では、コミッショニングシステム80はコミッショニングユニットを含み、グラウンド・ハンドリング・システム50は客室グラウンド・ハンドリング・システムを含む。例では、コミッショニングユニットは、スタンドアロンシステムであってよく、又は1つ又は複数の他のハードウェア及び/又はソフトウェアシステムと統合されてよい。
【0065】
例では、コミッショニングシステム80は、ステップs220で、自動コミッショニングスケジュールを作成又は生成するように動作可能である。例では、例えば、この文脈における自動という用語は、実質的にユーザ入力が必要とされないことを意味すると解釈されるべきである。例では、コミッショニングスケジュールはコミッショニングデータを含む。例では、コミッショニングデータは、特定の車両に搭載される予定の客室モジュールを示す。例では、コミッショニングシステム80は、例えば、1つ又は複数の航空機などの1つ又は複数の車両に対する客室モジュールの搭載及び/又は積み下ろしに関連して、例えば、適切な制御信号の通信を介して、グラウンド・ハンドリング・システム50を制御することができるように動作可能である。
【0066】
例では、ステップs222で、コミッショニングシステム80は、客室モジュールなどの客室要素のディスパッチシーケンスを開始するように動作可能である。例では、ディスパッチシーケンスは、客室モジュールが再構成可能な車両に搭載される予定の順序に関連するディスパッチシーケンスデータを含む。例では、グラウンド・ハンドリング・システムは、ディスパッチシーケンスデータに基づいて、客室モジュールを航空機10に搭載させることができる。例では、ステップs220及びステップs222は、上述のステップs110の一部として実行されてよい。
【0067】
例では、グラウンド・ハンドリング・システム50は、ステップs224で、1つ又は複数の客室モジュール(客室要素)を客室ハブ(客室モジュールの保管及び分配エリアなど)から、1つ又は複数の客室モジュール輸送車両などの適切な輸送要素に搭載させるように動作可能である。例では、客室モジュール輸送車両に搭載される客室モジュールのタイプ及び数は、コミッショニングシステム80によって生成されるコミッショニングデータに依存する。例では、客室モジュール輸送車両(複数可)上の客室ハブから客室モジュールが搭載される順序は、ディスパッチシーケンスデータに基づいている。
【0068】
ステップs226では、例において、グラウンド・ハンドリング・システム50は、客室モジュールを航空機10の航空機駐機場に輸送させるように動作可能である。ステップs228で、グラウンド・ハンドリング・システムは、客室モジュールを航空機に搭載させるように動作可能である。
【0069】
例では、グラウンド・ハンドリング・システムと協働する客室搭載確認ユニット205は、ステップs230で、客室モジュールが再構成可能な車両に積載されて使用可能であることを確認するように動作可能である。例では、ステップs224、s226、s228及びステップs230のうちの1つ又は複数は、上記のステップs112の一部として実行されてよい。次に、例えば、グラウンド・ハンドリング・システム50及び/又は客室搭載確認ユニット205から追跡及び可用性システム70に送信される更新データなどによって、どの客室モジュールが航空機に搭載されたかに基づいて、物流データベースを更新し、例えば、上記のステップs114を実行してよい。したがって、例えば、グラウンド・ハンドリング・システム50は、どの客室モジュールが車両に搭載されているかを追跡及び可用性システム70によって追跡することができるため、どの客室モジュールが利用可能であるかについて、実質的にリアルタイムの画像を提供するのを支援し得る。
【0070】
したがって、例えば、本開示の例は、再構成可能な車両の内部を構成するシステム及び方法を提供するのを支援する可能性があり、当該車両はより柔軟であり、ユーザの選択又は修正により発生する変更及び/又は考慮すべき運営上の要件により発生する変更など、任意の変更が可能になり得る。さらに、例えば、望まれる可能性のある任意の変更は、現在可能であるよりも出発時刻に近い時間に行うことができる。
【0071】
上記の例では、航空機を参照して客室モジュールを説明したが、本開示の例のシステム及び方法は、例えば、列車、バス、ボート、宇宙船又は宇宙探査機、ヘリコプタ、ドローン又は他の車両などの他のタイプの車両又は輸送船にも適用可能であることを理解されたい。例では、本明細書で説明される客室モジュールは、例えば、車両の1人又は複数の乗客が使用するための客室モジュールである。しかしながら、それらは、必要に応じて変更された貨物モジュールとして構成することが可能であることを理解されたい。例では、本明細書で言及される1人又は複数のユーザは、車両の1人の乗客であり得るか、又は複数の乗客であり得る。例では、「搭載している」及び「搭載された」という用語は、例えば、ステップs112などの搭載手順中に、1つ又は複数の客室モジュールが車両から取り外されるか、又は外される状況も含み得ることを理解されたい。換言すると、例えば、搭載は、車両に対する1つ又は複数の客室モジュールの追加又は取り外しを意味すると解釈され得る。
【0072】
上記の例の方法及びシステムは、再構成可能な車両の予測を参照して上記で説明されているが、1つ又は複数の車両に関して一つ又は複数の予測を生成することができ、在庫データ、可用性データ、選択データは、例えば、2つ以上の旅行に適用可能であることを理解されたい。換言すると、例えば、本開示の例のシステム及び方法は、必要に応じて、変更が加えられ、複数の車両、ユーザ、輸送ハブ、ステーション、駅などに関連して使用され得ることが想定される。さらに、本明細書に記載のシステムの1つ又は複数の例は、例えば、ハードウェア及び/又はソフトウェア機能の統合を介して、1つ又は複数の他のシステムと組み合わせることができることを理解されたい。
【0073】
本明細書では様々な例について説明したが、これらは例としてのみ提供されており、そのような例に対する多くの変形及び修正は当業者には明らかであり、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される本発明の趣旨及び範囲内に含まれる。