IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サンセイアールアンドディの特許一覧

<>
  • 特許-遊技機 図1
  • 特許-遊技機 図2
  • 特許-遊技機 図3
  • 特許-遊技機 図4
  • 特許-遊技機 図5
  • 特許-遊技機 図6
  • 特許-遊技機 図7
  • 特許-遊技機 図8
  • 特許-遊技機 図9
  • 特許-遊技機 図10
  • 特許-遊技機 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220608BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018055626
(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公開番号】P2019165945
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】宮永 真
【審査官】後藤 孝平
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-018087(JP,A)
【文献】特開2002-011156(JP,A)
【文献】特許第7002749(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光手段と、
前記発光手段に重ねられるベース部材と、
前記ベース部材を前記発光手段と反対側から覆う第1カバー部材と、を有する遊技機において、
前記ベース部材から前記第1カバー部材側に突設された第1突部と、
前記第1カバー部材を貫通して、前記第1突部が挿通される孔と、
前記発光手段からの光を前記第1突部に導入して、前記第1突部を発光可能にする光導入機構と、を有し、
前記ベース部材は、透光部材と、前記発光手段と前記透光部材との間に配置される第2カバー部材と、を備え、
前記光導入機構に備えられ前記透光部材から前記第2カバー部材側に突設されて前記第1突部に重なる第2突部と、前記第2カバー部材に形成され前記第2突部が挿通される貫通孔又は凹部と、を備える遊技機。
【請求項2】
発光手段と、
前記発光手段に重ねられるベース部材と、
前記ベース部材を前記発光手段と反対側から覆う第1カバー部材と、を有する遊技機において、
前記ベース部材から前記第1カバー部材側に突設された第1突部と、
前記第1カバー部材を貫通して、前記第1突部が挿通される孔と、
前記発光手段からの光を前記第1突部に導入して、前記第1突部を発光可能にする光導入機構と、を有し、
前記ベース部材は、透光部材備え
前記透光部材は、前記第1カバー部材との対向部に凹凸面を有する本体部と、前記本体部の外側で前記第1カバー部材側に飛び出して前記第1カバー部材に突き当てられる突当部と、を備え、
前記第1突部は、前記突当部から突出する遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の遊技機では、発光基板及び光拡散部材がカバー部材に覆われている。そして、カバー部材と光拡散部材に設けられた突部と孔の係合により、カバー部材が光拡散部材に対して位置決めされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-017359号(段落[0019]~[0020]、図2図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技機では、カバー部材と光拡散部材の突部と孔が位置決めの役割しか持たず、有効利用されていなかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、位置決め用の突部と孔の有効利用が図られる遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、発光手段と、前記発光手段に重ねられるベース部材と、前記ベース部材を前記発光手段と反対側から覆う第1カバー部材と、を有する遊技機において、前記ベース部材から前記第1カバー部材側に突設された第1突部と、前記第1カバー部材を貫通して、前記第1突部が挿通される孔と、前記発光手段からの光を前記第1突部に導入して、前記第1突部を発光可能にする光導入機構と、を有し、前記ベース部材は、透光部材と、前記発光手段と前記透光部材との間に配置される第2カバー部材と、を備え、前記光導入機構に備えられ前記透光部材から前記第2カバー部材側に突設されて前記第1突部に重なる第2突部と、前記第2カバー部材に形成され前記第2突部が挿通される貫通孔又は凹部と、を備える遊技機である。
第2の手段は、発光手段と、前記発光手段に重ねられるベース部材と、前記ベース部材を前記発光手段と反対側から覆う第1カバー部材と、を有する遊技機において、前記ベース部材から前記第1カバー部材側に突設された第1突部と、前記第1カバー部材を貫通して、前記第1突部が挿通される孔と、前記発光手段からの光を前記第1突部に導入して、前記第1突部を発光可能にする光導入機構と、を有し、前記ベース部材は、透光部材備え、前記透光部材は、前記第1カバー部材との対向部に凹凸面を有する本体部と、前記本体部の外側で前記第1カバー部材側に飛び出して前記第1カバー部材に突き当てられる突当部と、を備え、前記第1突部は、前記突当部から突出する遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
上記発明によれば、位置決め用の突部と孔の有効利用が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の斜視図
図2】遊技盤の正面図
図3】装飾部材周辺の拡大正面図
図4】装飾部材の遊技盤への取付を示す分解斜視図
図5】第1装飾部と第2装飾部の後方斜視図
図6】装飾部材の分解斜視図
図7】装飾部材と発光素子の側断面図
図8】発光素子からの光の経路を示す概念図
図9】第1装飾部の端部周辺の拡大分解斜視図
図10】装飾部材における第1突部及び第2突部周辺の拡大平断面図
図11】他の実施形態に係る装飾部材の側断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示されるように、本実施形態の遊技機10は、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、図2に示す遊技盤11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。
【0010】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射ハンドル28が備えられている。そして、発射ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1(図2)に向けて弾き出される。
【0011】
図2に示されるように、遊技領域R1は、遊技盤11の前面から突出したガイドレール12に囲まれている。遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成され、この表示開口11Hを通して、表示装置13の表示画面13Gが前方に臨んでいる。
【0012】
表示開口11Hの開口縁には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれて遊技盤11の前面から突出し、遊技領域R1を流下する遊技球が表示装飾枠23の内側に進入することを規制している。
【0013】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23より下側部分の横方向の中央部には、第1始動入賞口14AKが設けられている。第1始動入賞口14AKは、遊技球が1つずつ入球可能な大きさの開口を上部に有するポケット構造をなしている。
【0014】
第1始動入賞口14AKの下方には、第1大入賞部15Aが設けられている。第1大入賞部15Aは、右側に開放した第1大入賞口15AKと、第2大入賞口15BKの右側に配置された第1可変部材15ATと、を備えている。第1可変部材15ATは、左下り傾斜し、遊技盤11の前面から突出した突出位置と、該突出位置より突出が抑えられた退避位置と、の間をスライド可能に構成されている。そして、第1可変部材15ATが突出位置に配置されたときに、第1可変部材15ATを案内にして遊技球が第1大入賞口15AKに入球可能となり、第1可変部材15ATが退避位置に配置されたときに、遊技球が第1大入賞口15AKに入球困難となる。
【0015】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18は、遊技領域R1を流下する遊技球が潜って通過可能な門形状に形成されている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。
【0016】
始動ゲート18の下方には、第2始動入賞装置14Bが設けられている。第2始動入賞装置14Bは、左側に開放した第2始動入賞口14BKと、第2始動入賞口14BKの左側で右下がりに傾斜した始動可変部材14BTと、を備えている。始動可変部材14BTは、遊技盤11の前面から突出した突出位置と該突出位置より突出が抑えられた退避位置との間をスライド可能に構成されていて、通常は、退避位置に配置され、上述した普通図柄当否判定の結果が当りになると、所定の期間だけ突出位置に配置される。そして、始動可変部材14BTが突出位置に配置されたときに、始動可変部材14BTを案内にして遊技球が第2始動入賞口14BKに入球可能となり、始動可変部材14BTが退避位置に配置されたときに、遊技球が始動入賞口14BKに入球困難となる。
【0017】
第2始動入賞装置14Bの下方には、第2大入賞装置15Bが設けられている。第2大入賞装置15Bは、上側に開放した第2大入賞口15BKと、第2大入賞口15BKを開閉する第2可変部材15BTと、を備えている。第2可変部材15BTは、遊技盤11の前面から突出した突出位置と、該突出位置より突出が抑えられた退避位置と、の間をスライド可能に構成されている。そして、第2可変部材15BTが突出位置に配置されたときに、第2大入賞口15BKが閉塞されて遊技球が第2大入賞口15BKに入球困難となり、第2可変部材15BTが退避位置に配置されたときに、第2大入賞口15BKが開放されて遊技球が第2大入賞口15BKに入球可能となる。
【0018】
第1始動入賞口14AK又は第2始動入賞口14BKに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(図1参照)に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。
【0019】
特別図柄当否判定の結果が当りになると、大当り遊技が実行され、第1大入賞口15AK又は第2大入賞口15BKに遊技球が入球可能となる。第1大入賞口15AK又は第2大入賞口15BKに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
【0020】
遊技領域R1には、上述した入賞口14AK,14BK,15AK,15BKのほかに、上方又は側方に開放して遊技球が常時入球可能な一般入賞口20が複数設けられている。また、遊技領域R1の下端部、具体的には、第1可変部材15ATの下方には、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球を遊技領域R1の外側に排出するためのアウト口16が設けられている。さらに、遊技領域R1には、遊技球の流下方向をランダムに変更するための障害釘Kが多数植設されている。
【0021】
図3に示されるように、遊技機10は、表示装飾枠23の内側に、光による演出を実行可能な装飾部材30を備えている。装飾部材30は、帯状に形成され、表示装飾枠23の上部を横切るように配置されている。
【0022】
図3及び4に示されるように、装飾部材30は、発光基板38を搭載した支持ベース39に、支持ベース39に前側から重ねられる第1装飾部31と、第1装飾部31の外側を囲む第2装飾部32と、を組み付けてなる。
【0023】
支持ベース39は、表示装飾枠23の内側に架け渡されて表示装飾枠23に固定されている。支持ベース39は、その前面側に発光基板38を重ねて固定し、発光基板38の前面には、発光面33M(図7参照)を前面側に有する複数の発光素子33が備えられている。なお、支持ベース39には、複数の第1螺子挿通孔39Aと、複数の第2螺子挿通孔39Bとが貫通形成されている。
【0024】
図5に示されるように、第1装飾部31は、後側ケース構成体60と、前側ケース構成体70と、拡散板80と、からなる。図7に示されるように、後側ケース構成体60と前側ケース構成体70は、前後に重ね合わされてケース90を形成する。拡散板80は、ケース90に収容される。
【0025】
図5に示されるように、後側ケース構成体60は、横長矩形状の主板61と、主板61の外周部から前側に突出した包囲壁67と、を備えている。主板61は、前側に開放した舟底形に形成されていて、前後方向に対して略垂直に配置される平板部62と、平板部62の上下の辺部から延設され平板部62から離れるにつれて前側へ向かうように傾斜した1対の第1傾斜部63,63(図7参照)と、を備える。
【0026】
主板61の後面には、平板部62と第1傾斜部63,63の一部を上下方向に切り欠いてなる切欠溝61Mが形成されている。切欠溝61Mの溝深さは、平板部62の厚みより大きくなっていて、切欠溝61Mの溝底壁61Hには、平板部62を上下方向に縦断する縦長開口61Aが形成されている。平板部62は、複数の縦長開口61Aによって複数の領域に区画され、各領域には、縦長開口61Aよりも縦方向に短い複数の開口部64が設けられている。また、平板部62には、前側に突出する円形突部65が設けられ、円形突部62Tの中心部に、平板部62を前後方向に貫通する貫通孔65Aが形成されている。
【0027】
包囲壁67のうち横方向で対向する部位からは、側方突部66が外側側方に張り出している。側方突部66には、側方突部66を前後方向に貫通する位置決め孔66Aが設けられている。
【0028】
前側ケース構成体70は、光を透過可能な材料で構成された透光部材40と、光を透過不能又は透光困難な材料で構成されて透光部材40に前側から重ねられる非透光部材50と、からなる。透光部材40は、前後に扁平なプレート状をなし、前側に段付き状に突出した段付き突部46を複数備えている。具体的には、透光部材50は、横長矩形状に形成され、複数の段付き突部46は、横並びに配置されている。また、透光部材40のうち段付き突部46に挟まれた部分には、複数の貫通孔47が形成されている。
【0029】
非透光部材50は、複数の段付き突部46に対応した複数の開口部51を内側に有するカバー部50Cと、カバー部50Cの外周部から後側に突出した外周壁50Hと、を備える。カバー部50Cは、透光部材40よりも横長に形成され、複数の開口部51は、横並びに配置されている。カバー部50Cのうち開口部51に挟まれた部分からは、後側に複数の突起53が突出している。また、カバー部50Cの両側部には、貫通孔52が形成されている。非透光部材50が透光部材40に重ねられると、段付き突部46が開口部51に受容され、透光部材40の外側が外周壁50Hに覆われる(図7参照)。また、このとき、非透光部材50の突起53が透光部材40の貫通孔47に挿通される。貫通孔47に挿通された突起53は、後述する拡散板80の貫通孔87と後側ケース構成体60の貫通孔65Aを貫通して、後側ケース構成体60の後面から飛び出している(図6参照)。
【0030】
また、図7に示されるように、前側ケース構成体70の非透光部材50の開口部51(即ち、透光部材40の段付き突部46)は、後側ケース構成体60の複数の開口部64に前側から重なる。
【0031】
拡散板80は、光を透過可能な材料で構成され、前面側にレンズカット83が形成された拡散板本体85と、拡散板本体85の両側部から外側側方に張り出した張出部86,86と、を備えている。拡散板本体85は、横長矩形状をなし、長手方向の複数箇所に貫通孔87を有している。また、図5及び図9に示されるように、拡散板本体85の両側部には、前側に突出する土手部85Dが形成されていて、張出部86は、土手部85Dから張り出している。
【0032】
張出部86の前面からは、第1突部81が突出している。また、張出部86の後面からは、第2突部82が突出している。第1突部81は、柱部81Hの前側にドーム部81Dを備えてなる。また、第2突部82は、突出先端側に縮径されるテーパー状に形成されている。そして、第1突部81の柱部81Hと第2突部82は同軸に配置されている。本実施形態では、第1突部81は、張出部86から突出するので、第1突部81の形成がレンズカット83の妨げとなることが防がれる。第1突部81と第2突部は、光を透過可能な材料で構成されている。
【0033】
図4に示されるように、第2装飾部32は、横長矩形枠状のフレーム部32Fと、そのフレーム部32Fの1対の長辺部32L,32L同士に架け渡された複数の架橋部32Kとからなる。フレーム部32Fは、前方から見て第1装飾部31の外側近傍で、第1装飾部31を囲むように配置されている。また、長辺部32Lのうちフレーム部32Fの内側に臨む部位は、フレーム部32Fの内側へ下るように傾斜した第2傾斜部34となっている。なお、第2装飾部32の後面には、複数の円形突部32Tが形成され、その円形突部32Tには前後に延びる螺子孔32Bが開口している(図6参照)。
【0034】
第1装飾部31と第2装飾部32は、以下のようにして支持ベース39に組み付けられている。まず、第2装飾部32が、支持ベース39に前側から重ねられて固定される(図7参照)。このとき、第2装飾部32のフレーム部32Fは、支持ベース39の発光基板38を囲むように配置される。架橋部32Kは、前側から見て発光素子33と第1螺子挿通孔39Aに対してずれた位置に配置される。また、円形突部32Tの螺子孔32B(図6参照)が支持ベース39の第2螺子挿通孔39B(図4参照)と重なる。そして、第2螺子挿通孔39Bに後側から挿通された螺子が螺子孔32Bと螺合することで、第2装飾部32が支持ベース39に固定される。
【0035】
次に、図7に示すように、第1装飾部31が第2装飾部32の前側から支持ベース39に重ねられて固定される。このとき、第1装飾部31の後側ケース構成体60の切欠溝61M(図6参照)に第2装飾部32のフレーム部32Fの架橋部32Kが受容される。これにより、横方向での第1装飾部31と第2装飾部32の位置ずれが抑制される。また、第2装飾部32の架橋部32Kは、第1装飾部31の切欠溝61Mの溝底壁61H(詳細には、溝底壁61Hのうち第1傾斜部63に設けられている上下方向の両端部)に当接する。これにより、第1装飾部31と第2装飾部32のフレーム部32Fとを所定の間隔に保つことが可能となる。また、後側ケース構成体60の後面から飛び出した突起53には、螺子孔53A(図6参照)が設けられていて、この螺子孔53Aと、支持ベース39の第1螺子挿通孔39A(図4参照)とが重なる。そして、第1螺子挿通孔39Aに後側から挿通された螺子が螺子孔53Aと螺合することで第1装飾部31が支持ベース39に固定される。
【0036】
図7に示されるように、第1装飾部31と第2装飾部32が支持ベース39に組み付けられると、第2装飾部32のフレーム部32Fの内外方向で第1装飾部31の第1傾斜部63と第2装飾部32の第2傾斜部34が対向し、それら傾斜部63,34の間に隙間が形成される。第1傾斜部63と第2傾斜部34は、前側に向かうにつれて(発光基板38から遠ざかるにつれて)フレーム部32Fの外側へ向かうように傾斜する。
【0037】
また、第1装飾部31のうち後側ケース構成体60の開口部64と前側ケース構成体70の非透光部材50の開口部51(即ち、透光部材40の段付き突部46)に、発光素子33が後側から重なる。第1装飾部31の後側ケース構成体60の1対の傾斜部63,63にも、発光素子33が後側から重なる。
【0038】
図8には、発光素子33が発光したときの光の進路が、矢印で示されている。発光素子33の発光面33Mからは光が等方的に出射される。ここで、後側ケース構成体60の開口部64に後側から重なる発光素子33から発光面33Mと垂直に出射された光は、第1装飾部31を透過する。具体的には、この光は、後側ケース構成体60の開口部64を通過して拡散板80を透過すると共に、透光部材40のうち非透光部材50の開口部51の内側に配置された段付き突部46(図7参照)も透過する。このように、本実施形態の遊技機10では、発光素子33からの光が第1装飾部31を透過することで、発光素子33により第1装飾部31(詳細には、段付き突部46)を光らせることが可能となる。また、本実施形態では、第1装飾部31の拡散板80により、第1装飾部31の光りムラを抑制することが可能となる。しかも、発光素子33が、後側ケース構成体60の開口部64と、前側ケース構成体70の非透光部材50の開口部51とに後側から重なるので、発光素子33からの光を開口部64及び開口部51で絞ることが可能となる。
【0039】
一方、後側ケース構成体60の第1傾斜部63に後側から重なる発光素子33から発光面33Mと垂直に出射された光は、後側ケース構成体60の第1傾斜部63に当たる。ここで、第1傾斜部63は、発光基板38から遠ざかるにつれてフレーム部32Fの外側へ向かうように傾斜するので、第1傾斜部63に当たった光は、第2装飾部32の長辺部32Lに設けられた第2傾斜部34側に向かって反射され、第2傾斜部34を光らせることができる。しかも、第2傾斜部34は、前側に向かうにつれて第1装飾部31から離れるように傾斜しているので、第1傾斜部63からの反射光を前側に反射させて第2傾斜部34を効率良く光らせることが可能となる。
【0040】
なお、第1傾斜部63に後側から重なる上記発光素子33からの光の一部は、斜め下方又は斜め上方に出射されて、第1傾斜部63を経由せずに第2傾斜部34に照射されて第2傾斜部34を光らせる。
【0041】
本実施形態では、このように、第1傾斜部63と第2傾斜部34とによって画成された空間が、発光素子33からの光を第2装飾部32へと導く光案内路Rとなっている。そして、この光案内路Rにより第1装飾部31の外側を囲む第2装飾部32に発光素子33からの光が導かれることで、第2装飾部32を光らせることが可能となる。
【0042】
本実施形態の遊技機10では、第1装飾部31に加えて第2装飾部32も光らせることができるので、第1装飾部31と第2装飾部32とによる装飾効果を高めることが可能となる。しかも、第2傾斜部34がフレーム部32Fの内側を向く面に形成されているので、第2装飾部32が光ったときにその光で第1装飾部31を縁取ることが可能となる。
【0043】
また、本実施形態では、光案内路Rが、第1装飾部31と第2装飾部32との間に形成された隙間によって構成されるので、簡易な構造で発光素子33からの光を第2装飾部32側へ導くことが可能となる。しかも、第2装飾部32の架橋部32Kは、第1装飾部31の切欠溝61Mの溝底壁61Hに当接しているので、第1装飾部31の第1傾斜部63と第2装飾部32の第2傾斜部34との間の光案内路Rを、一定の間隔に保つことが可能となると共に、第1傾斜部63と第2傾斜部34の配置を安定させることが可能となる。また、本実施形態では、光案内路Rは、第1装飾部31の後面に形成されて発光基板38から遠ざかるにつれてフレーム部32Fの外側へ向かうように傾斜した第1傾斜部63により画成されているので、発光素子33からの光を第2装飾部32側へ効率よく導くことが可能となる。さらに、光案内路Rは、第2装飾部32のうち第1装飾部31に外側から対向する部分に形成されて前側へ向かうにつれて第1装飾部31から離れるように傾斜した第2傾斜部34により画成されているので、第2装飾部32を効率よく光らせることができる。
【0044】
本実施形態では、第2装飾部32を光らせる発光素子33が、第1装飾部31の後側に配置されているので、第2装飾部32の後側に発光素子33の配置スペースが確保できない場合でも、第2装飾部32を光らせることが可能となる。
【0045】
ところで、上述したように、第1装飾部31は、後側ケース構成体60と、前側ケース構成体70と、拡散板80と、からなる(図5及び図9参照)。これらの組み付けは、例えば以下のようにして行われる。まず、拡散板80が、後側ケース構成体60に対して前側から重ねられる。そして、拡散板80の各第2突部82が、後側ケース構成体60の各位置決め孔66Aに挿通され、拡散板80が後側ケース構成体60に対して位置決めされる。このとき、拡散板80の貫通孔87と後側ケース構成体60の貫通孔65Aが重なると共に、拡散板本体85が後側ケース構成体60の包囲壁67に前側から重なる。本実施形態では、第2突部82が、突出先端側に縮径されるテーパー状に形成されているので、位置決め孔66Aへの第2突部82の挿通が容易となる。
【0046】
次に、前側ケース構成体70が、拡散板80及び後側ケース構成体60に前側から被せられる。そして、拡散板80の各第1突部81が、前側ケース構成体70の非透光部材50の各貫通孔52に挿通されると共に、前側ケース構成体70の後面(透光部材50の後面)から突出した非透光部材50の突起53が拡散板80の貫通孔87に挿通され、前側ケース構成体70が拡散板80に対して位置決めされる。このとき、突起53は、拡散板80の後面から突出する(図6参照)。また、前側ケース構成体70と後側ケース構成体60とによりケース90が形成され、そのケース90に拡散板80が収容される(図7参照)。
【0047】
本実施形態では、前側ケース構成体70と拡散板80と後側ケース構成体60は、螺子止めにより固定されている。具体的には、非透光部材50の後面から突出する図示しない突起が、図5に示す透光部材40の貫通孔40Xと拡散板80の貫通孔80Xを貫通し、後側ケース構成体60に設けられた貫通孔60Xの開口縁に突き当てられる。そして、後側ケース構成体60の貫通孔60Xに後側から挿通された螺子が非透光部材50の上記突起に形成された螺子孔と螺合することで、前側ケース構成体70と拡散板80と後側ケース構成体60が固定され、第1装飾部31が形成される(図6参照)。
【0048】
第1装飾部31が形成されると、図10に示されるように、拡散板80の張出部86と土手部85Dは、前側ケース構成体70(詳細には、非透光部材50)の後面に突き当てられる。また、第1突部81のドーム状の前端部は、前側ケース構成体70の非透光部材50の貫通孔52から前側に飛び出している。本実施形態では、拡散板80の張出部86が前側ケース構成体70に突き当てられるので、貫通孔52からの第1突部81の飛び出し量を一定にすることが可能となる。
【0049】
図10に示されるように、第1装飾部31が支持ベース39に固定されると、拡散板80の第1突部81及び第2突部82には、後側から発光素子33が重なる。この発光素子33(サブ発光素子33Bということにする。)は、後側ケース構成体60の開口部64や第1傾斜部63に後側から重なる発光素子33(メイン発光素子33Aということにする。)とは別に設けられていて、具体的には、発光基板38の横方向の両端部に配置されている(図4参照)。
【0050】
サブ発光素子33Bが発光すると、その発光面33Mと垂直に出射された光は、第1装飾部31を透過する。具体的には、この光は、第2突部82を透過すると共に、第2突部82と同軸に配置されて貫通孔52の内側に配置された第1突部81も透過する。これにより、本実施形態では、第1突部81が、サブ発光素子33Bからの光で発光することが可能となっている。また、本実施形態では、第2突部82が、突出先端側に縮径されるテーパー状に形成されているので、第2突部82の内部に導入された光を第1突部81へ近づくにつれて広げることが可能となる。しかも、第1突部81の前端部が、ドーム状に形成されて貫通孔52から前側に飛び出しているので、第1突部81の発光を目立ちやすくすることが可能となる。
【0051】
なお、本実施形態では、第1突部81の前端部が、ドーム状となっているが、円錐状や角錐状であってもよい。また、第1突部81の前端面が平坦であってもよいし、凹面となっていてもよい。本実施形態では、第1突部81が、第1装飾部31のうち、横方向の端部に設けられているが、上下方向の端部に設けられていてもよいし、中心側の部分に設けられていてもよい。第1突部81は、1つ設けられていてもよいし、複数設けられていてもよい。
【0052】
本実施形態の遊技機10によれば、以下の優れた効果を奏することができる。即ち、遊技機10では、拡散板80に設けられた第1突部81が前側ケース構成体70に設けられた貫通孔52に挿通されることで、前側ケース構成体70が拡散板80に対して位置決めされる。ここで、第1突部81は、発光素子33からの光によって発光可能であり、貫通孔52は、前側ケース構成体70を貫通するので、第1突部81の発光により前側ケース構成体70を装飾することが可能となる。このように、本実施形態によれば、位置決め用の第1突部81と貫通孔52を、装飾に有効利用することが可能となる。また、本実施形態では、後側ケース構成体60の開口部64と第1傾斜部63とに後側から重なるメイン発光素子33Aとは別に、第1突部81に後側から重なるサブ発光素子33Bが備えられているので、メイン発光素子33Aのみを備える場合よりも第1突部81を明るく光らせることが可能となる。
【0053】
また、本実施形態では、拡散板80に設けられた第2突部82が後側ケース構成体60に設けられた位置決め孔66Aに挿通されることで、拡散板80を後側ケース構成体60に対して位置決めすることが可能となる。しかも、第2突部82は、第1突部81と同軸上に配置されるので、第2突部82と位置決め孔66Aが発光素子33からの光を第1突部81へ導入するための案内路となり、第2突部82と位置決め孔66Aの有効利用が図られる。
【0054】
以下、本実施形態の遊技機10から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0055】
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「装飾部を有する」遊技機に関し、「特許文献A(特開2010-119710号(段落[0037]、図28,29))の遊技機では、第1装飾部としてのロゴ役物が第2装飾部としての枠体に囲まれている。」という背景技術について、「特許文献Aの遊技機では、装飾部による装飾効果が低いという問題が考えられる。」という課題をもってなされたものである。
【0056】
[特徴A1]
発光手段(発光基板38)と、
前記発光手段を表側(前側)から覆い、前記発光手段からの光を透過させる光透過部(前側ケース構成体70の非透光部材50の開口部51と後側ケース構成体60の開口部64と拡散板80)を備えた第1装飾部(第1装飾部31)と、
前記第1装飾部の外側近傍に配置される第2装飾部(第2装飾部32)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記発光手段からの光を前記第2装飾部側へ導く光案内手段(光案内路R)が形成されている、遊技機。
【0057】
本特徴に示す構成では、第1装飾部が光透過部を備えることで、発光手段により第1装飾部を光らせることが可能となる。また、第1装飾部の外側近傍に配置される第2装飾部に発光手段からの光が導かれることで、第2装飾部を光らせることが可能となる。このように、本特徴に示す構成によれば、第1装飾部と第2装飾部の装飾効果を高めることが可能となる。
【0058】
[特徴A2]
前記第1装飾部は、前記第2装飾部に対して表側に配置され、
前記光案内手段は、前記第1装飾部と前記第2装飾部との間に形成された空間としての光案内路(光案内路R)である、特徴A1に記載の遊技機。
【0059】
光案内手段は、第1装飾部に照射される光の一部を第2装飾部側へ反射するハーフミラーであってもよいし、本特徴に示す構成のように、第1装飾部と第2装飾部との間に形成された空間としての光案内路であってもよい。本特徴に示す構成によれば、簡易な構造で発光手段からの光を第2装飾部側へ導くことが可能となる。
【0060】
[特徴A3]
前記光案内路は、前記第1装飾部の裏面(第1装飾部31の後面)に形成されて前記第2装飾部に近づくにつれて前記発光手段から離れるように傾斜した第1傾斜面(第1傾斜部63)により画成される、特徴A2に記載の遊技機。
【0061】
本特徴に示す構成によれば、発光手段からの光を第2装飾部側へ効率よく導くことが可能となる。
【0062】
[特徴A4]
前記第1装飾部は、表裏方向で対向する1対のプレート部(前側ケース構成体70及び後側ケース構成体60)の間に光拡散板(拡散板80)を挟んでなり、
前記光透過部は、前記1対のプレート部のそれぞれに形成された開口部(開口部51及び開口部64)と前記光拡散板とによって形成され、
前記第1傾斜面は、前記1対のプレート部のうち裏側のプレート部(後側ケース構成体60)の裏面(後面)に形成されている、特徴A3に記載の遊技機。
【0063】
本特徴に示す構成では、光拡散板によって第1装飾部の光りムラを抑制することが可能となる。
【0064】
[特徴A5]
前記光案内路は、前記第2装飾部のうち前記第1装飾部と対向する面に形成されて表側へ向かうにつれて前記第1装飾部から離れるように傾斜した第2傾斜面(第2傾斜部34)により画成される、特徴A2乃至4のうち何れか1に記載の遊技機。
【0065】
本特徴に示す構成によれば、第2傾斜面によって光が表側に反射されるので、第2装飾部を効率よく光らせることが可能となる。
【0066】
[特徴A6]
前記第2装飾部には、前記第1装飾部を囲むフレーム部(フレーム部32F)と、前記フレーム部の内側に架け渡された架橋部(架橋部32K)と、が備えられ、
前記第2傾斜面は、前記フレーム部の内側を向く面に形成され、
前記第1装飾部は、前記架橋部に表側から当接している、特徴A5に記載の遊技機。
【0067】
本特徴に示す構成によれば、第1装飾部が第2装飾部の架橋部に当接することで、第1装飾部の表裏方向で第1装飾部と第2装飾部の位置ずれが抑制される。また、第2傾斜面がフレーム部の内側を向く面に形成されることで、第2装飾部が光ったときにその光で第1装飾部を縁取ることが可能となる。
【0068】
[特徴A7]
前記第1装飾部の裏面には、前記架橋部を受容する係合溝(切欠溝61M)が設けられている、特徴A6に記載の遊技機。
【0069】
本特徴に示す構成では、架橋部と直交する方向での第1装飾部と第2装飾部の位置ずれが抑制される。
【0070】
[特徴A8]
第1装飾部(第1装飾部31)と、
前記第1装飾部の外側近傍に配置される第2装飾部(第2装飾部32)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記第1装飾部の裏側(後側)から前記第1装飾部に向けて光を照射可能な発光手段(発光基板38)と、
前記発光手段からの光を前記第2装飾部側へ導く光案内手段(光案内路R)と、を有する、遊技機。
【0071】
本特徴に示す構成では、第1装飾部の外側近傍に配置される第2装飾部に発光手段からの光が導かれることで、第2装飾部を光らせることが可能となる。これにより、第1装飾部と第2装飾部の装飾効果を高めることが可能となる。また、本特徴に示す構成では、第2装飾部の裏側に発行手段の配置スペースが確保できない場合でも、第2装飾部を光らせることが可能となる。
【0072】
なお、特徴A8に示す構成に、特徴A2~A7に示す構成が組み合わされてもよい。
【0073】
[特徴A群に含まれる他の実施形態]
特徴A群には、上記実施形態の他に、例えば、以下に示される実施形態も含まれる。
【0074】
(a1)上記実施形態では、第2装飾部32が、第1装飾部31を囲むように構成されていたが、前方から見て第1装飾部31の近傍に配置されていればよく、例えば、上下方向又は横方向から第1装飾部31を挟むように構成されていてもよいし、上下方向又は横方向の一方側にのみ配置されていてもよい。また、第1装飾部31を前方視環状に形成した場合には、その内側近傍に第2装飾部を配置してもよい。
【0075】
(a2)上記実施形態では、発光素子33からの光を第2装飾部32へと導く光案内路Rが、空間で構成されていたが、光を透過可能な部材で構成されていてもよいし、光を透過可能な部材と空間とから構成されていてもよい。
【0076】
(a3)上記実施形態では、発光素子33から出射されて第1装飾部31に当たった光を第2装飾部32へと向かわせるために、第1装飾部31による光の反射を利用していたが、光の屈折を利用してもよい。この場合、例えば、図11に示される装飾部材30Vのように、第1装飾部31Vのうち発光素子33に前側から重なる部分に、光を透過させると共にその光を第1装飾部31Vの外側に屈折させることが可能な光屈折部63Vを設けて、第2装飾部32Vの第2傾斜部34Vを光らせてもよい。この場合、発光素子33と光屈折部63Vの間の空間と、第1装飾部31Vと第2装飾部32Vの間の空間と、光屈折部63Vと、から光案内路Rが構成される。
【0077】
(a4)上記実施形態において、第1装飾部31の後側ケース構成体60は、光を透過可能な材料で構成されていてもよいし、光を透過不能又は透過困難な材料で構成されていてもよい。前者の場合、後側ケース構成体60に、開口部64が設けられていなくてもよい。
【0078】
(a5)上記実施形態において、後側ケース構成体60は、第1傾斜部63の後面が発光素子33からの光を反射し易い構成となっていることが好ましく、フレーム部32Fは、第2傾斜部34が発光素子33からの光を反射し易い構成となっていることが好ましい。具体的には、第1傾斜部63の後面又は第2傾斜部34は、鏡(ハーフミラーも含まれる。)であってもよいし、白色、銀色等に着色されていてもよい。
【0079】
(a6)上記実施形態では、第1装飾部31の前側ケース構成体70が、透光部材40と非透光部材50の2つの部材で構成されていたが、1つの部材で構成されていてもよい。この場合、その部材は、光を透過可能な材料で構成されていてもよいし、光を透過不能又は透過困難な材料で構成されていてもよい。後者の場合、発光素子33からの光を前側に通過させる光透過部として、開口部が貫通形成されていればよい。
【0080】
(a7)上記実施形態において、第1装飾部31が、拡散板80を備えていない構成であってもよい。この構成では、第1装飾部31が、ケース状の部材となっていなくてもよく、前側ケース構成体70と後側ケース構成体60とから構成される代わりに、1つの部材で構成されていてもよい。
【0081】
(a8)上記実施形態では、第1装飾部31の後側ケース構成体60の後面に、切欠溝61Mが設けられていたが、切欠溝61Mが設けられずに、平板部62の後面が平坦であってもよい。この場合においても、第2装飾部32の架橋部32Kが、第1装飾部31の平板部62に当接した状態で、第1装飾部31と第2装飾部32を支持ベース39に組み付けることで、第1傾斜部63と第2傾斜部34との間の光案内路Rを、一定の間隔に保つことが可能となる。
【0082】
<特徴B群>
以下の特徴B群は、遊技機に関し、「特許文献B(特開2010-017359号(段落[0019]~[0020]、図2図3))の遊技機では、発光基板及び光拡散部材がカバー部材に覆われている。そして、カバー部材と光拡散部材に設けられた突部と孔の係合により、カバー部材が光拡散部材に対して位置決めされている。」という背景技術について、「特許文献Bの遊技機では、カバー部材と光拡散部材の突部と孔が位置決めの役割しか持たず、有効利用されていなかった。」という課題をもってなされたものである。
【0083】
[特徴B1]
発光手段(発光基板38)と、
前記発光手段を前側から覆う光拡散部材(拡散板80)と、
前記光拡散部材を前側から覆うフロントカバー(前側ケース構成体70)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記光拡散部材から前記フロントカバー側に突設されて、前記発光手段からの光により 発光可能な第1突部(第1突部81)と、
前記フロントカバーを貫通して、前記第1突部が挿通される第1貫通孔(貫通孔52)と、を有する、遊技機。
【0084】
本特徴に示す構成では、光拡散部材に設けられた第1突部がフロントカバーに設けられた第1貫通孔に挿通されることで、フロントカバーが光拡散部材に対して位置決めされる。ここで、第1突部は、発光手段からの光によって発光可能であり、第1貫通孔は、フロントカバーを貫通するので、第1突部の発光によりフロントカバーを装飾することが可能となる。このように、本特徴の構成によれば、位置決め用の第1突部と第1貫通孔を、装飾に有効利用することが可能となる。
【0085】
[特徴B2]
前記発光手段と前記光拡散部材との間に配置されて前記発光手段からの光を通す開口部(開口部64)を備えたバックプレート(後側ケース構成体60)と、
前記光拡散部材から後側に突設され、前記第1突部に後側から重なって前記発光手段からの光を前記第1突部に案内可能な第2突部(第2突部82)と、
前記バックプレートを貫通して、前記第2突部が挿通される第2貫通孔(位置決め孔66A)と、を有する、特徴B1に記載の遊技機。
【0086】
本特徴に示す構成では、光拡散部材に設けられて第2突部がバックプレートに設けられた第2貫通孔に挿通されることで、光拡散部材をバックプレートに対して位置決めすることが可能となる。しかも、第2突部は、第1突部に後側から重なるので、第2突部と第2貫通孔が発光手段からの光を第1突部へ導入するための案内路となり、第2突部と第2貫通孔の有効利用が図られる。
【0087】
[特徴B3]
前記第2突部は、突出先端側に縮径されるテーパー状に形成されている、特徴B2に記載の遊技機。
【0088】
本特徴に示す構成では、第2突部の第2貫通孔への挿通が容易となる。また、第2突部の内部に導入された光を第1突部へ近づくにつれて広げることが可能となる。
【0089】
[特徴B4]
前記発光手段は、基板に複数の発光素子(発光素子33)を搭載してなる発光基板(発光基板38)であって、
前記複数の発光素子には、前記第1突部に後側から重ならないメイン発光素子(メイン発光素子33A)と、前記第1突部に後側から重なるサブ発光素子(サブ発光素子33B)が含まれる、特徴B1乃至B3のうち何れか1に記載の遊技機。
【0090】
本特徴に示す構成では、第1突部に後側から重ならないメイン発光素子とは別に、第1突部に後側から重なるサブ発光素子を備えるので、メイン発光素子のみを備える場合よりも第1突部を明るく光らせることが可能となる。
【0091】
[特徴B5]
前記メイン発光素子は、前記開口部に後側から重なる、特徴B2又はB3に従属する特徴B4に記載の遊技機。
【0092】
本特徴に示す構成では、メイン発光素子からの光を開口部で絞ることが可能となる。
【0093】
[特徴B6]
前記第1突部の前端部(ドーム部81D)は、ドーム状に形成されて前記第1貫通孔から前側に飛び出している、特徴B1乃至B5のうち何れか1に記載の遊技機。
【0094】
本特徴に示す構成では、第1突部の発光を目立ちやすくすることが可能となる。
【0095】
[特徴B7]
前記光拡散部材は、レンズカット(レンズカット83)を前面に有する本体部(拡散板本体85)と、前記本体部の側方で前側に飛び出して前記フロントカバーに突き当てられる側方突当部(張出部86)と、を備え、
前記第1突部は、前記側方突当部の前面から突出する、特徴B1乃至B6のうち何れか1に記載の遊技機。
【0096】
本特徴に示す構成では、第1貫通孔への第1突部の突入量を一定にしたり、第1貫通孔から第1突部が飛び出す場合にはその飛び出し量を一定にしたりすることが可能となる。また、第1突部は、側方突当部から突出するので、第1突部の形成がレンズカットの妨げとなることが防がれる。
【0097】
[特徴B8]
発光手段(発光基板38)と、
前記発光手段に重ねられるベース部材(拡散板80及び後側ケース構成体60)と、
前記ベース部材を前記発光手段と反対側から覆う第1カバー部材(前側ケース構成体70)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記ベース部材から前記第1カバー部材側に突設された位置決め突部(第1突部81)と、
前記第1カバー部材を貫通して、前記位置決め突部が挿通される位置決め孔(貫通孔52)と、
前記発光手段からの光を前記位置決め突部に導入して、前記位置決め突部を発光可能にする光導入機構(第2突部82及び位置決め孔66A)と、を有する遊技機。
【0098】
本特徴に示す構成では、ベース部材に設けられた位置決め突部が第1カバー部材に設けられた位置決め孔に挿通されることで、第1カバー部材がベース部材に対して位置決めされる。ここで、位置決め突部は、発光手段からの光によって発光可能であり、位置決め孔は、カバー部材を貫通するので、位置決め突部の発光によりカバー部材を装飾することが可能となる。このように、本特徴の構成によれば、位置決め突部と位置決め孔を、装飾に有効利用することが可能となる。
【0099】
[特徴B9]
前記ベース部材は、透光部材(拡散板80)と、前記発光手段と前記透光部材との間に配置されて前記発光手段からの光を通す開口部(開口部64)を備えた第2カバー部材(後側ケース構成体60)と、を備えると共に、
前記光導入機構は、前記透光部材から前記第2カバー部材側に突設されて前記位置決め突部に重なる導入突部(第2突部82)と、前記第2カバー部材を貫通して前記導入突部が挿通される導入貫通孔(位置決め孔66A)と、を備える、特徴B8に記載の遊技機。
【0100】
本特徴に示す構成では、透光部材に設けられた導入突部が第2カバー部材に設けられた導入貫通孔に挿通されることで、透光部材を第2カバー部材に対して位置決めすることが可能となる。しかも、導入突部と導入貫通孔が、発光手段からの光を位置決め突部へ導入するために利用されるので、導入突部と導入貫通孔の有効利用が図られる。
【0101】
[特徴B10]
発光部(拡散板80)と、
前記発光部を覆うカバー部(前側ケース構成体70)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記発光部から前記カバー部側に突設された位置決め突部(第1突部81)と、
前記カバー部を貫通して、前記位置決め突部が挿通される位置決め孔(貫通孔52)と、を有する、遊技機。
【0102】
本特徴に示す構成では、発光部に設けられた位置決め突部がカバー部に設けられた位置決め孔に挿通されることで、カバー部が発光部に対して位置決めされる。ここで、位置決め突部は、発光部によって発光可能であり、位置決め孔は、カバー部を貫通するので、位置決め突部の発光によりカバー部を装飾することが可能となる。このように、本特徴の構成によれば、位置決め突部と位置決め孔を、装飾に有効利用することが可能となる。
【0103】
なお、特徴B8又はB9に示す構成に、特徴B3~B7に示す構成が組み合わされてもよい。また、特徴B10に示す構成に、特徴B1~B9に示す構成が組み合わされてもよい。
【0104】
[特徴B群に含まれる他の実施形態]
特徴B群には、上記実施形態の他に、例えば、以下に示される実施形態も含まれる。
【0105】
(b1)上記実施形態では、第1突部81と第2突部82が、同軸に配置されていたが、前後方向で重なっていればよく、例えば、第1突部81と第2突部82の軸が平行となるようにずれて配置されていてもよい。
【0106】
(b2)上記実施形態では、第1突部81が、前側ケース構成体70の非透光部材50の貫通孔52から前側に飛び出ていたが、飛び出ていなくてもよい。この場合においても、拡散板80の張出部86を前側ケース構成体70に突き当てることにより、貫通孔52への第1突部81の突入量を一定にすることが可能となる。
【0107】
(b3)上記実施形態において、後側ケース構成体60に貫通形成された位置決め孔66Aの代わりに、後側ケース構成体60の前面に第2突部82を受容する凹部が設けられていてもよい。この場合、その凹部の底部を、サイド発光素子33Bからの光が透過可能な材料で構成すればよい。
【0108】
(b4)上記実施形態において、第2突部82が設けられていなくてもよい。この場合、後側ケース構成体60のうち第1突部82に後側から重なる部分に、サイド発光素子33Bからの光を通す光透過部材又は貫通孔を設ければよい。なお、この場合、例えば、拡散板80のうち第1突部81に対して側方にずれた位置から、第2突部82とは別の突部を突出させると共に、その別の突部を受容する凹部を後側ケース構成体60に形成することで、拡散板80を後側ケース構成体60に対して位置決めすることができる。
【符号の説明】
【0109】
10 遊技機
30 装飾部材
31 第1装飾部
32 第2装飾部
33 発光素子
38 発光基板
34 第2傾斜部
52 貫通孔
60 後側ケース構成体
63 第1傾斜部
70 前側ケース構成体
80 拡散板
81 第1突部
82 第2突部
R 光案内路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11