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特許7084615重量計測装置、及び、重量計測装置を用いた製造装置
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  • 特許-重量計測装置、及び、重量計測装置を用いた製造装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】重量計測装置、及び、重量計測装置を用いた製造装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 13/29 20060101AFI20220608BHJP
   G01G 13/06 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
G01G13/29
G01G13/06 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018105428
(22)【出願日】2018-05-31
(65)【公開番号】P2019211251
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】390001166
【氏名又は名称】株式会社エム・システム技研
(72)【発明者】
【氏名】草原 猛
(72)【発明者】
【氏名】和平 孝信
(72)【発明者】
【氏名】住井 慎介
【審査官】後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-011869(JP,A)
【文献】国際公開第2009/031190(WO,A1)
【文献】特開昭59-037425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 13/00-13/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の重量を計測し計測信号を出力する計測部と、
第1期間と、第2期間とを設定する期間設定部と、
前記第1期間、及び、前記第2期間のそれぞれについて、前記計測部から出力された前記計測信号を用いて演算値を演算する演算部と、
第1モードと、前記第1モードとは異なる第2モードとを設定可能なモード設定部と、
前記モード設定部の設定に応じて前記演算部に演算をさせる制御を行う制御部とを有し、
前記制御部は、
前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定され、前記第1期間の終了時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定されているとき、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号とを用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、
前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定され、前記第1期間の終了時刻に前記モード設定部が前記第2モードに設定されているとき、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第2モードの終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号とを用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、
前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第2モードに設定され、前記第1期間の終了時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定されているとき、前記第2モードの終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号とを用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御する重量計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載された重量計測装置であって、
前記第2モードは、装置の状態を確認するときに設定されるモードである重量計測装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された重量計測装置であって、
前記制御部は、
前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定され、その後、前記モード設定部が前記第2モードに設定され、その後、前記第1期間の終了時刻まで前記モード設定部が前記第1モードに設定されているとき、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号とを用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御する重量計測装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載された重量計測装置であって、
前記制御部は、
前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定され、前記第1期間の終了時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定されているとき、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号との差に対応する値を用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、
前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定され、前記第1期間の終了時刻に前記モード設定部が前記第2モードに設定されているとき、前記第2モードの終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号との差に対応する値を用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、
前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第2モードに設定され、前記第1期間の終了時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定されているとき、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第2モードの終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号との差に対応する値を用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御する重量計測装置。
【請求項5】
請求項4に記載された重量計測装置であって、
前記モード設定部は、前記第1モード及び前記第2モードとは異なる第3モードを設定可能であり、
前記制御部は、
前記第1期間の開始時刻から終了時刻まで前記モード設定部が前記第1モードに設定されているとき、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号との差に対応する値を用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、
前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定され、その後、前記モード設定部が前記第3モードに設定され、その後、前記第1期間の終了時刻まで前記モード設定部が前記第1モードに設定されていたとき、前記第3モードの開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号との差に対応する値と、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号に対応する値とを用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、
前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定され、その後、前記第1期間の終了時刻まで前記モード設定部が前記第3モードに設定されていたとき、前記第3モードの開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号との差に対応する値を用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、
前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第3モードに設定され、その後、前記第1期間の終了時刻まで前記モード設定部が前記第1モードに設定されていたとき、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号に対応する値を用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御する重量計測装置。
【請求項6】
請求項5に記載された重量計測装置であって、
前記第3モードは、前記計測部により計測された前記物体を除去するときに設定されるモードである重量計測装置。
【請求項7】
物体の重量を計測し計測信号を出力する計測部と、
第1期間と、第2期間とを設定する期間設定部と、
前記第1期間、及び、前記第2期間のそれぞれについて、前記計測部から出力された前記計測信号を用いて演算値を演算する演算部と、
第1モードと、前記第1モードとは異なる第3モードとを設定可能なモード設定部と、
前記モード設定部の設定に応じて前記演算部に演算をさせる制御を行う制御部とを有し、
前記制御部は、
前記第1期間の開始時刻から終了時刻まで前記モード設定部が前記第1モードに設定されているとき、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号との差に対応する値を用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、
前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定され、その後、前記モード設定部が前記第3モードに設定され、その後、前記第1期間の終了時刻まで前記モード設定部が前記第1モードに設定されていたとき、前記第3モードの開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号との差に対応する値と、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号に対応する値とを用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、
前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定され、その後、前記第1期間の終了時刻まで前記モード設定部が前記第3モードに設定されていたとき、前記第3モードの開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号との差に対応する値を用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、
前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第3モードに設定され、その後、前記第1期間の終了時刻まで前記モード設定部が前記第1モードに設定されていたとき、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号に対応する値を用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御する重量計測装置。
【請求項8】
請求項7に記載された重量計測装置であって、
前記第3モードは、前記計測部により計測された前記物体を除去するときに設定されるモードである重量計測装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れか1項に記載された重量計測装置を有する製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量計測装置、及び、重量計測装置を用いた製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、例えば、粉体の流量(単位時間あたりの搬送量)を知るために、ホッパ等に貯蔵されている粉体の重量を連続的に計測し、単位時間あたりの重量変化(重量減少量)を算出して粉体の流量とする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-160138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、物体の重量を好適に計測できる重量計測装置、及び、重量計測装置を用いた製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点に係る重量計測装置は、物体の重量を計測し計測信号を出力する計測部と、第1期間と、第2期間とを設定する期間設定部と、前記第1期間、及び、前記第2期間のそれぞれについて、前記計測部から出力された前記計測信号を用いて演算値を演算する演算部と、第1モードと、前記第1モードとは異なる第2モードとを設定可能なモード設定部と、前記モード設定部の設定に応じて前記演算部に演算をさせる制御を行う制御部とを有し、前記制御部は、前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定され、前記第1期間の終了時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定されているとき、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号とを用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定され、前記第1期間の終了時刻に前記モード設定部が前記第2モードに設定されているとき、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第2モードの終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号とを用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第2モードに設定され、前記第1期間の終了時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定されているとき、前記第2モードの終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号とを用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御する。
本発明の第2の観点に係る重量計測装置は、物体の重量を計測し計測信号を出力する計測部と、第1期間と、第2期間とを設定する期間設定部と、前記第1期間、及び、前記第2期間のそれぞれについて、前記計測部から出力された前記計測信号を用いて演算値を演算する演算部と、第1モードと、前記第1モードとは異なる第3モードとを設定可能なモード設定部と、前記モード設定部の設定に応じて前記演算部に演算をさせる制御を行う制御部とを有し、前記制御部は、前記第1期間の開始時刻から終了時刻まで前記モード設定部が前記第1モードに設定されているとき、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号との差に対応する値を用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定され、その後、前記モード設定部が前記第3モードに設定され、その後、前記第1期間の終了時刻まで前記モード設定部が前記第1モードに設定されていたとき、前記第3モードの開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号との差に対応する値と、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号に対応する値とを用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第1モードに設定され、その後、前記第1期間の終了時刻まで前記モード設定部が前記第3モードに設定されていたとき、前記第3モードの開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号と、前記第1期間の開始時刻に前記計測部から出力された前記計測信号との差に対応する値を用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御し、前記第1期間の開始時刻に前記モード設定部が前記第3モードに設定され、その後、前記第1期間の終了時刻まで前記モード設定部が前記第1モードに設定されていたとき、前記第1期間の終了時刻に前記計測部から出力された前記計測信号に対応する値を用いて前記第1期間の前記演算値を演算するように前記演算部を制御する重量計測装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、物体の重量を好適に計測できる重量計測装置、及び、重量計測装置を用いた製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態の重量計測装置を用いた製造装置を説明する図である。
図2図2は、第1実施形態の重量計測装置の構成を説明する図である。
図3図3は、重量計測装置の動作を説明するフローチャートである。
図4図4は、重量計測装置の動作を説明するタイミングチャートである。
図5図5は、重量計測装置の動作を説明する別のタイミングチャートである。
図6図6は、重量計測装置の動作を説明する更に別のタイミングチャートである。
図7図7は、第2実施形態の重量計測装置を説明するタイミングチャートである。
図8図8は、第3実施形態の重量計測装置の動作を説明するフローチャートである。
図9図9は、重量計測装置の動作を説明するタイミングチャートである。
図10図10は、重量計測装置の動作を説明する別のタイミングチャートである。
図11図11は、第4実施形態の重量計測装置の動作を説明するタイミングチャートである。
図12図12は、第5実施形態の重量計測装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
【0009】
図1は、第1実施形態の重量計測装置を用いた製造装置を説明する図である。図1において、製造装置1は、重量計測装置10と、容器20と、ベルトコンベア31と、アーム駆動部32と、制御装置33と、排出装置40と、流体50とを有する。
【0010】
重量計測装置10は、載せられた物体の重量を計測する機能を有する。制御装置33は、重量計測装置10から出力された信号等を用いて所定の演算を行い、重量計測装置10、ベルトコンベア31、アーム駆動部32及び排出装置40を制御する。
【0011】
排出装置40は、重量計測装置10に載せられた容器20に流体50を供給する。本実施形態では、計測対象が流体50であるが、計測対象は固体等であってもよい。流体は、例えば、純水、アルコール、輸血用の血液、薬を含有する点滴液、化学薬品の溶液、工場の廃液等の液体であってもよいし、米粒、砂利等の粒体でもよいし、小麦粉、片栗粉等の粉体であってもよい。固体は、例えば、砂利、鉄屑、石炭塊等とすることができる。
【0012】
アーム駆動部32は、流体50が充填された容器20をベルトコンベア31に載せ、ベルトコンベア31上の空の容器20を重量計測装置10に載せる。ベルトコンベア31は、空の容器20及び流体50が充填された容器20をA1方向に搬送する。
【0013】
図2は、第1実施形態の重量計測装置の構成を説明する図、図3は重量計測装置の動作を説明するフローチャート、図4図6は重量計測装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【0014】
図2において、重量計測装置10は、制御部11と、計測部12と、期間設定部13と、入出力部14と、記憶部15と、表示部16と、第1~第5ボタン17a~17eと、モード設定部18と、演算部19とを有する。
【0015】
制御部11は、ユーザによる第1~第5ボタン17a~17eの操作等に基づいて、計測部12、期間設定部13、入出力部14、記憶部15、表示部16、モード設定部18及び演算部19を制御する。
【0016】
計測部12は、例えば、歪みゲージ、圧電式力センサ等を有し、重量計測装置10に載せられた物体の重量を計測し、載せられた物体の重量に対応する計測信号を出力する。
【0017】
演算部19は、計測部12から取得した計測信号を用いて、重量計測装置10の動作が開始されてから現在までの積算量を演算することができる。また、演算部19は、計測部12から出力された計測信号を用いて、後述する第1記録値、第2記録値・・・を演算することができる。
【0018】
期間設定部13は、所定の期間を設定する。図4に示した本実施形態において、期間設定部13は、時刻t0から10分を経過する毎に第1記録期間、第2記録期間、第3記録期間・・・を設定する。期間設定部13が設定する記録期間は任意であり、例えば、20分間隔、30分間隔、60分間隔等とすることができることは言うまでもない。
【0019】
期間設定部13は、重量計測装置10の動作が開始してからの経過時間(例えば、重量計測装置の電源がONされてからの経過時間、第1記録期間の開始時刻からの経過時間、重量計測装置の電源がONされてから最初に計測が開始された時刻からの経過時間等)を演算することもできる。
【0020】
入出力部14は、外部の制御装置33(図1ご参照)等から入力された信号を制御部11に供給し、制御部11から供給された信号を制御装置33等に出力する。記憶部15は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、計測部12が出力した計測信号、第1記録値、第2記録値・・・、積算量、経過時間等を記憶する。
【0021】
表示部16は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、後述する警告表示、記憶部15に記憶された第1記録値、第2記録値・・・等の情報の表示を行う。
【0022】
モード設定部18は、重量計測装置10の動作モードを設定する。本実施形態において、モード設定部18は、通常モードと、確認モードと、交換モードとに切替可能である。通常モードは、例えば、通常の計測時等に設定されるモードである。確認モードは、例えば、ユーザが重量計測装置10の状態等を確認する時に設定されるモードである。交換モードは、例えば、計測部12により計測された流体50を除去するときに設定されるモードである。
【0023】
本実施形態では、例えば、第1ボタン17aを押した(長押しではない)場合に、通常モードから確認モードに切り替わる。第1ボタン17aを押した(長押しではない)後に、第2ボタン17bを長押し(例えば、1秒程度押し続ける操作)をした場合に、通常モードから交換モードに切り替わる。第3ボタン17cを押した(長押しではない)場合には、確認モード又は交換モードから通常モードに切り替わる。第4ボタン17dは電源ボタンである。第5ボタン17eは複数の操作ボタンであり、通常モード、確認モードおよび交換モードにおける詳細な操作のために用いられる。
【0024】
次に、図3を用いて、重量計測装置10の動作を説明する。まず、ステップS1では、制御部11が第1記録期間、第2記録期間・・・の終了(図4の時刻t3、t4、t7ご参照)であるか否かを判断する。記録期間の終了であれば、ステップS2に進み、記録期間の終了でなければ、ステップS1を繰り返す。
【0025】
ステップS2において、制御部11は、モード設定部18が確認モード(図6の時刻t10~t11ご参照)であるか否かを判断する。確認モードでなければ(通常モードであれば)ステップS3に進み、確認モードであればステップS4に進む。
【0026】
ステップS3において、制御部11は、第1記録期間、第2記録期間・・・の終了時(図4の時刻t3、t4、t7ご参照)における計測部12の計測信号を取得し、演算部19に第1の演算方法で演算させて記録値を取得する。ステップS4において、制御部11は、確認モードの終了時(図6の時刻t11ご参照)における計測部12の計測信号を取得し、演算部19に第2の演算方法で演算させて記録値を取得する。
【0027】
ステップS5において、制御部11は、ステップS3、ステップS4で取得した記録値を記憶部15に記憶させる。
【0028】
次に、図4を用いて、モード設定部18が確認モードに切替えられない場合の重量計測装置10の動作を説明する。
【0029】
図4において、ユーザが時刻t0で第4ボタン17d(電源ボタン)をONにすることにより、モード設定部18が通常モードに設定され、計測部12が計測を開始する。
【0030】
時刻t0では、空の容器20が重量計測装置10に載せられている。容器20の重量は予め記憶部15に記憶されており、計測部12は、容器20の重量を差し引いた値を計測信号として出力する。このため、時刻t0において、計測部12は、例えば、重量0kg(キログラム)に対応する値(ゼロ)を計測信号として出力する。制御部11は取得した計測信号を記憶部15に記憶させる。
【0031】
時刻t1において、制御装置33(図1ご参照)が排出装置40に制御信号を送信し、排出装置40から容器20に流体50が供給される。これにより、計測部12から出力される計測信号の値が増加する。
【0032】
時刻t2において、制御装置33が排出装置40に制御信号を送信し、排出装置40から容器20への流体50の供給が停止される。これにより、計測部12から出力される信号の値が一定値となる。
【0033】
第1記録期間の終了時刻である時刻t3において、制御部11は、第1記録期間の終了であると判断し(図3のステップS1 Yesご参照)、確認モードではないと判断する(図3のステップS2 Noご参照)。制御部11は計測部12に制御信号を送信し、時刻t3における計測部12の計測信号を取得(図3のステップS3ご参照)する。演算部19は制御部11の制御信号に基づいて、取得した計測信号を用いて第1の演算方法で演算を行い、第1記録値を出力する。制御部11は第1記録値を記憶部15に記憶させる(図3のステップS5ご参照)。なお、第1記録値は、時刻t3における計測部12の計測信号と、時刻t0における計測部12の計測信号(ゼロ)との差に対応する値である。
【0034】
第2記録期間の終了時刻である時刻t4において、制御部11は、時刻t4における計測部12の計測信号を取得する。演算部19は、時刻t4における計測部12の計測信号と、時刻t3における計測部12の計測信号とを用いて第1の演算方法で演算を行い、第2記録値を出力する。制御部11は第2記録値を記憶部15に記憶させる。なお、時刻t3から時刻t4までの期間においては、容器20に流体50が供給されていないから第2記録値=0となる。
【0035】
制御装置33の制御信号に基づいて、時刻t5において、排出装置40から容器20に流体50が供給され、時刻t6において、排出装置40から容器20への流体50の供給が停止される。
【0036】
時刻t7において、演算部19は第1の演算方法で演算を行い、第3記録値を出力する。第3記録値は、時刻t7における計測部12の計測信号と、時刻t4における計測部12の計測信号との差に対応する値である。制御部11は第3記録値を記憶部15に記憶させる。
【0037】
図5は、モード設定部18が確認モードに切替えられる場合の重量計測装置の動作を説明する図である。以下の説明において、図1図4に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0038】
図5において、モード設定部18は、時刻t0において、制御部11の制御信号に基づいて通常モードに設定され、時刻t8にユーザが第1ボタン17aを押すことにより通常モードから確認モードに切り替わり、時刻t9にユーザが第3ボタン17cを押すことにより確認モードから通常モードに切り替わる。
【0039】
モード設定部18が確認モードに設定されている時刻t8~t9において、ユーザは重量計測装置10の状態等を確認できる。具体的には、例えば、詳細な操作のために用いられる第5ボタン17eを操作することにより、記憶部15に記憶された計測信号、1記録値、第2記録値・・・、積算量、経過時間等の情報を表示部16に表示させて確認したり、第5ボタン17eを操作することにより装置の設定情報を表示部16に表示させて確認したりすることができる。また、重量計測装置10、容器20、アーム駆動部32等に触れて異常の有無を確認することもできる。
【0040】
確認作業時には、ユーザが重量計測装置10等に触れることにより、計測部12から出力される計測信号にノイズ成分x1が混入する恐れがある。
【0041】
このため、制御部11はモード設定部18が確認モードに設定されている期間である時刻t8~時刻t9に計測部12から出力される計測信号を採用しないように制御を行う。具体的には、確認モードに設定されている期間に計測部12から出力された計測信号を第1記録値、第2記録値・・・等の演算に使用しない制御や、記憶部15に記録しない制御や、表示部16に表示させない制御を行う。
【0042】
第2記録期間の終了時刻である時刻t4は、確認モードに設定されている時刻t8~t9に含まれない。このため、演算部19は、時刻t4における計測部12の計測信号と、時刻t3における計測部12の計測信号とを用いて第1の演算方法で演算を行い、第2記録値を出力する。
【0043】
図5に示した実施形態では、確認モードに設定されている期間に計測部12から出力される計測信号を採用しないように、制御部11が制御を行うので、ノイズ成分x1の影響を低減することができる。
【0044】
図6は、モード設定部18が確認モードに切替えられる場合の重量計測装置の動作を説明する別の図である。以下の説明において、図1図5に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0045】
図6において、モード設定部18は、時刻t10にユーザが第1ボタン17aを押すことにより通常モードから確認モードに切り替わり、時刻t11にユーザが第3ボタン17cを押すことにより確認モードから通常モードに切り替わる。確認モードに設定された期間である時刻t10~時刻t11において、ノイズ成分x1を含む計測信号が計測部12から出力されている。
【0046】
図6に示した実施形態において、制御部11は、第2記録期間の終了時刻である時刻t4において第2記録期間の終了であると判断し(図3のステップS1 Yesご参照)、確認モードであると判断する(図3のステップS2 Yesご参照)。このため、制御部11は、確認モードの終了時刻である時刻t11に計測部12から出力された計測信号を取得し(図3のステップS4ご参照)、演算部19に第2の演算方法で演算を実行させ、演算された第2記録値を記憶部15に記憶させる(図3のステップS5ご参照)。なお、第2記録値は、時刻t11における計測部12の計測信号と、時刻t3における計測部12の計測信号との差に対応する値である。
【0047】
第3記録期間の終了時刻である時刻t7において、演算部19は、第1の演算方法で演算を実行し第3記録値を出力する。第3記録値は、時刻t7における計測部12の計測信号と、時刻t11における計測部12の計測信号との差に対応する値である。
【0048】
図6に示した実施形態では、確認モードに設定されている期間に計測部12から出力される計測信号を採用しないように、制御部11が制御を行うので、ノイズ成分x1の影響を低減することができる。
【0049】
(第2実施形態)
【0050】
図7は、第2実施形態の重量計測装置を説明するタイミングチャートである。以下の説明において、図1図6に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0051】
例えば、図4の時刻t2~時刻t5の期間は、容器20に流体50が供給されていないので、計測部12の計測信号が一定値になっているが、図7に示した実施形態では、排出装置40から常に流体50が供給されているため、計測部12の計測信号が一定値にはならず、常に増加している。
【0052】
図7において、モード設定部18は、時刻t0に通常モードに設定され、時刻t22に通常モードから確認モードに切り替わり、時刻t24に確認モードから通常モードに切り替わる。
【0053】
第1記録期間の終了時刻である時刻t21において、演算部19は、第1の演算方法で演算を実行し第1記録値を出力する。第1記録値は、時刻t21における計測部12の計測信号と、時刻t20における計測部12の計測信号との差に対応する値である。
【0054】
第2記録期間の終了時刻である時刻t23は、確認モードに設定された期間である時刻t22~時刻t24に含まれる。演算部19は、第2の演算方法で第2記録値を演算する。第2記録値は、時刻t24における計測部12の計測信号と、時刻t21における計測部12の計測信号との差に対応する値である。
【0055】
第3記録期間の終了時刻である時刻t25において、演算部19は、第1の演算方法で第3記録値を演算する。第3記録値は、時刻t25における計測部12の計測信号と、時刻t24における計測部12の計測信号との差に対応する値である。
【0056】
図7に示した実施形態では、確認モードに設定されている期間に計測部12から出力される計測信号を採用しないように、制御部11が制御を行うので、ノイズ成分x1の影響を低減することができる。
【0057】
(第3実施形態)
【0058】
図8は、第3実施形態の重量計測装置の動作を説明するフローチャート、図9図10は重量計測装置の動作を説明するタイミングチャートである。本実施形態では、モード設定部18は交換モード(例えば、計測部12により計測された流体50を除去するときに設定されるモード)に設定可能である。以下の説明において、図1図7に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0059】
図8のステップS11では、制御部11が第1記録期間、第2記録期間・・・の終了(図9の時刻t31、t34、t35ご参照)であるか否かを判断する。記録期間の終了であれば、ステップS12に進み、記録期間の終了でなければ、ステップS11を繰り返す。
【0060】
ステップS12において、制御部11は、モード設定部18が交換モード(図10の時刻t36~t37ご参照)であるか否かを判断する。交換モードでなければ(通常モードであれば)、ステップS13に進み、交換モードであればステップS14に進む。
【0061】
ステップS13において、演算部19は、第1記録期間、第2記録期間・・・の終了時における計測部12の計測信号を用いて、第1の演算方法により演算を行い、記録値を出力する。
【0062】
ステップS14において、演算部19は、交換モードの開始時刻(図10の時刻t36ご参照)における計測部12の計測信号を用いて、第3の演算方法により演算を行い、記録値を出力する。
【0063】
ステップS15において、制御部11は、ステップS13、ステップS14で出力された記録値を記憶部15に記憶させる。
【0064】
なお、図8に示した第3実施形態に、図3に示した第1実施形態を組み合わせることができることは言うまでもない。この場合、ステップS12において、制御部11は、モード設定部18が通常モードであれば、ステップS13に進み、交換モードであればステップS14に進み、確認モードであれば図3のステップS4に進む。
【0065】
次に、図9を用いて、モード設定部18が交換モードに切替えられる場合の重量計測装置10の動作を説明する。
【0066】
図9において、モード設定部18は、時刻t30に通常モードに設定され、時刻t32に通常モードから交換モードに切り替わり、時刻t33に交換モードから通常モードに切り替わる。
【0067】
第1記録期間の終了時刻である時刻t31において、制御部11は計測部12の計測信号を取得する(図8のステップS13ご参照)。演算部19は、第1の演算方法で演算を実行し第1記録値を出力する。第1記録値は、時刻t31における計測部12の計測信号と、時刻t30における計測部12の計測信号との差に対応する値である。
【0068】
時刻t32において、モード設定部18が交換モードに切り替わるので、制御部11は、演算部19に交換モードの開始前の値Y1を演算させる。値Y1は、交換モードの開始時刻t32における計測部12の計測信号と、第2記録期間の開始時刻である時刻t31における計測部12の計測信号との差に対応する値である。
【0069】
交換モードに設定されている時刻t32~時刻t33において、ユーザは、流体50が充填された容器20を計測部12から降ろし、計測部12に空の容器20を載せる交換作業を行う。交換作業時には、計測部12から出力される信号には、ノイズ成分x2が混入する恐れがある。
【0070】
このため、制御部11はモード設定部18が交換モードに設定されている期間である時刻t32~時刻t33に計測部12から出力される計測信号を採用しないように制御を行う。具体的には、交換モードに設定されている期間に計測部12から出力された計測信号を第1記録値、第2記録値・・・等の演算に使用しない制御や、記憶部15に記録しない制御や、表示部16に表示させない制御を行う。
【0071】
時刻t33において、制御部11は、計測部12から出力される計測信号がゼロ(重量0kgに対応する値)となるように計測部12を制御する。交換モードにおいて、計測部12により計測された流体50が除去されるからである。
【0072】
時刻t34において、制御部11は、演算部19に交換モードの終了後の値Y2を演算させ、Y1と値Y2とを加算させる。値Y2は、第2記録期間の終了時刻である時刻t34における計測部12の計測信号と、交換モードの終了時刻t33における計測部12の計測信号との差に対応する値である。Y1と値Y2とを加算した値が第2記録値となる。
【0073】
第3記録期間の終了時刻である時刻t35において、演算部19は、第1の演算方法で演算を実行し第3記録値を出力する。第3記録値は、時刻t35における計測部12の計測信号と、時刻t34における計測部12の計測信号との差に対応する値である。
【0074】
図9に示した実施形態において、制御部11は、交換モードに設定されている期間である時刻t32~時刻t33の期間に計測部12から出力される信号を採用しないように制御を行うので、ユーザによる容器20の交換作業により生じたノイズ成分x2の影響を低減することができる。
【0075】
次に、図10を用いて、モード設定部18が交換モードに切替えられる場合の重量計測装置10の動作を説明する。
【0076】
図10において、モード設定部18は、時刻t30に通常モードに設定され、時刻t36に通常モードから交換モードに切り替わり、時刻t37に交換モードから通常モードに切り替わる。
【0077】
時刻t34において、制御部11は、第2記録期間の終了時刻である時刻t34が、交換モードに設定された期間である時刻t36~時刻t37に含まれると判断し、演算部19に第3の演算方法で第2記録値を演算させる(図8のステップS14ご参照)。
【0078】
具体的には、演算部19は、交換モードの開始時刻t36における計測部12の計測信号と、第2記録期間の開始時刻t31における計測部12の計測信号との差に対応する値を第2記録値として出力する。制御部11は第2記録値を記憶部15に記憶させる(図8のステップS15ご参照)。
【0079】
交換モードの終了時刻t37において、制御部11は、計測部12から出力される計測信号がゼロとなるように計測部12を制御する。
【0080】
第3記録期間の終了時刻である時刻t35において、演算部19は、第1の演算方法で演算を実行し第3記録値を出力する。第3記録値は、、第3記録期間の終了時刻t35における計測部12の計測信号と、交換モードの終了時刻t37における計測部12の計測信号との差に対応する値である。
【0081】
図10に示した実施形態において、制御部11は、交換モードに設定されている期間である時刻t36~時刻t37の期間に計測部12から出力される信号を採用しないように制御を行うので、ユーザによる容器20の交換作業により生じたノイズ成分x2の影響を低減することができる。
【0082】
(第4実施形態)
【0083】
図11は、第4実施形態の重量計測装置の動作を説明するタイミングチャートである。以下の説明において、図1図10に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0084】
図11において、期間設定部13は、上述した実施形態と同様に、時刻t40から10分を経過する毎に第1記録期間、第2記録期間・・・を設定するとともに、時刻t40から10分を経過する毎に第1警告期間、第2警告期間・・・を設定する。
【0085】
期間設定部13が設定する警告期間は任意であり、例えば、5分、10分、20分間隔、30分間隔、60分間隔等とすることができることは言うまでもない。また、記録期間と警告期間とは、同一の長さの期間であってもよいし、互いに異なる長さの期間であってもよい。本実施形態において、記録期間と警告期間とは、同一時刻に開始、又は、終了する場合があるが、記録期間及び警告期間は、独立に設定されており、記録期間及び警告期間は同期していない(記録期間に関する作動と、警告期間に関する作動とを時間的に一致させる処理は施されていない)。
【0086】
記憶部15には、多量警告値Y100(図11ご参照)、及び、少量警告値Y200(図11ご参照)が記憶されている。多量警告値Y100は第1警告期間、第2警告期間・・・毎に容器20に供給される流体50の重量の最大値に対応する値である。少量警告値Y200は第1警告期間、第2警告期間・・・毎に容器20に供給される流体50の重量の最小値に対応する値である。
【0087】
制御部11は、第1警告期間、第2警告期間・・・毎に、計測部12から出力される計測信号を監視し、第1警告期間、第2警告期間・・・の開始時から供給された流体50の重量が多量警告値Y100を超えたとき、表示部16に多量警告値Y100を超えた旨の表示をさせる。
【0088】
多量警告値Y100を適切に設定し、多量警告値Y100を超えた場合に警告を行うことにより、例えば、排出装置40(図1ご参照)から流体50が短時間に過剰に供給される不具合等を早期に検出することができ、流体50が容器20から溢れる不具合を低減させることができる。
【0089】
同様に、制御部11は、第1警告期間内(第1警告期間の開始時刻から第1警告期間の終了時刻までの期間内)、第2警告期間内・・・に供給された流体50の重量が少量警告値Y200に満たないとき、第1警告期間、第2警告期間・・・の終了後に、表示部16に少量警告値Y200に満たない旨の表示をさせる。
【0090】
少量警告値Y200を適切に設定し、少量警告値Y200に満たない場合に警告を行うことにより、例えば、排出装置40の詰まりにより流体50が適切に供給されない不具合等を早期に検出することができ、製造装置による製造の不具合を低減させることができる。
【0091】
図11に示した時刻t40において、モード設定部18は、通常モードに設定されている。期間設定部13は、時刻t40に第1記録期間及び第1警告期間を開始する。
【0092】
時刻t40から時刻t41までの期間において、演算部19は計測部12から出力される計測信号を用いて、第1警告期間の開始時刻t40から供給された流体50の重量を演算する。制御部11は、第1警告期間の開始時刻t40から供給された流体50の重量が多量警告値Y100を超えない旨の判断を行い、表示部16に警告の表示をさせない。
【0093】
時刻t41において、期間設定部13は、第1記録期間及び第1警告期間を終了させ、第2記録期間及び第2警告期間を開始させる。演算部19は計測部12から出力される計測信号を用いて、第1警告期間の開始時刻t40から第1警告期間の終了時刻t41までの期間内に供給された流体50の重量を演算する。
【0094】
制御部11は、第1記録期間に取得した第1記録値を記憶部15に記憶させるとともに、第1警告期間内に供給された流体50の重量が少量警告値Y200以上である旨の判断を行い、表示部16に警告の表示をさせない。
【0095】
時刻t41から時刻t44までの期間において、演算部19は第2警告期間の開始時刻t41から供給された流体50の重量を演算する。制御部11は、多量警告値Y100を超えない旨の判断を行い、表示部16に警告の表示をさせない。
【0096】
時刻t44において、制御部11は、第2警告期間の開始時刻t41から容器20に供給された流体50の重量が多量警告値Y100を超える旨の判断を行い、表示部16に警告の表示をさせる。
【0097】
時刻t42において、期間設定部13は、第2記録期間及び第2警告期間を終了させ、第3記録期間及び第3警告期間を開始させる。演算部19は第2警告期間の開始時刻t41から終了時刻t42までの期間内に供給された流体50の重量を演算する。制御部11は、第2警告期間内に供給された流体50の重量が少量警告値Y200以上である旨の判断を行い、表示部16に警告の表示をさせない。
【0098】
時刻t43において、期間設定部13は、第3記録期間及び第3警告期間を終了させ、第4記録期間及び第4警告期間を開始させる。演算部19は第3警告期間の開始時刻t42から終了時刻t43までの期間内に供給された流体50の重量を演算する。制御部11は、第3警告期間内に供給された流体50の重量が少量警告値Y200に満たない旨の判断を行い、表示部16に警告の表示をさせる。
【0099】
図11に示した実施形態では、制御部11が多量警告値Y100を超えた旨の警告、及び、少量警告値Y200に満たない旨の警告をすることができるので、容器20に流体50が適切に供給されていない不具合を容易に確認することができる。
【0100】
上述した実施形態では、表示部による警告表示を例にして説明をしたが、これに限定されるものではない。例えば、重量計測装置10が警告灯、ブザーを備えていてもよく、表示部16による警告表示の代わりに、警告の発光、警告音の発生をさせてもよい。
【0101】
(第5実施形態)
【0102】
図12は、第5実施形態の重量計測装置の動作を説明するタイミングチャートである。以下の説明において、図1図11に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0103】
図12において、モード設定部18は、時刻t40に通常モードに設定され、時刻t45に通常モードから確認モードに切り替わり、時刻t46に確認モードから通常モードに切り替わる。
【0104】
時刻t41において、期間設定部13は、第1記録期間及び第1警告期間を終了させ、第2記録期間及び第2警告期間を開始させる。しかしながら、時刻t45から時刻t46に確認モードが設定されるので、期間設定部13は、時刻t41に開始した第2警告期間をキャンセルし、確認モードが終了した時刻t46から第2警告期間を開始させる。
【0105】
時刻t44において、制御部11は、第2警告期間の開始時刻t46から容器20に供給された流体50の重量が多量警告値Y100を超える旨の判断を行い、表示部16に警告の表示をさせる。
【0106】
時刻t47において、期間設定部13は第2警告期間を終了させ、第3警告期間を開始させる。なお、図11に示した第1~第3警告期間のそれぞれの長さと、図12に示した第1~第3警告期間のそれぞれの長さとは同一である。
【0107】
図12に示した実施形態では、期間設定部13は、確認モード中は警告期間を設定せず、確認モードが終了した時刻t46に警告期間を開始させる。このため、確認モードに設定されている期間に生じるノイズ成分x1の影響により、誤った警告をしてしまう不具合を低減することができ、確認モードに設定された場合でも適切に、多量警告値Y100を超えた旨の警告、及び、少量警告値Y200に満たない旨の警告をすることができる。
【0108】
上述した実施形態では、確認モードに設定された場合には、確認モードが終了した時刻に警告期間を開始させる例を用いて説明を行ったが、交換モードに設定された場合も同様である。即ち、例えば、図12において、モード設定部18が、時刻t45において交換モードに設定され、時刻t46において通常モードに設定される場合、期間設定部13は、交換モード中は警告期間を設定せず、交換モードの終了時刻t46に第2警告期間が開始するように設定を行う。
【0109】
(変形例)
【0110】
記憶部15は、最大重量を記憶していてもよい。最大重量は、容器20に収容できる流体50の最大量に対応する重量である。この場合、演算部19は、重量計測装置10の動作が開始されてから現在までの積算量を演算する。制御部11は、積算量が最大重量に近くなった場合(例えば、積算量が最大重量の95%以上になった場合)、表示部16に警告の表示をさせることができる。
【0111】
また、確認モードに設定されている期間の長さが記録期間長さよりも長く、記録期間の開始時刻から記録期間の終了時刻までの全期間が確認モードに設定されている期間に包含されている場合、確認モードに包含されている記録期間の記録値は、ゼロとすることができる。
【0112】
また、確認モードに設定されている期間の長さが記録期間長さよりも長く、記録期間の開始時刻から記録期間の終了時刻までの全期間が確認モードに設定されている期間に包含されるおそれがある場合、制御部11は所定のタイミングで確認モードを強制的に終了することができる。ユーザが確認モードを解除することを失念する場合があるからである。
【0113】
同様に、交換モードに設定されている期間の長さが記録期間長さよりも長く、記録期間の開始時刻から記録期間の終了時刻までの全期間が交換モードに設定されている期間に包含されている場合、交換モードに包含されている記録期間の記録値は、ゼロとすることができる。
【0114】
上記では、種々の実施の形態及び変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明によれば、物体の重量を好適に計測できる重量計測装置、及び、重量計測装置を用いた製造装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0116】
10 重量計測装置
12 計測部
13 期間設定部
19 演算部
18 モード設定部
11 制御部
1 製造装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12