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特許7084654レセプタクルコネクタとプラグコネクタとを含むコネクタ組立体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】レセプタクルコネクタとプラグコネクタとを含むコネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/75 20110101AFI20220608BHJP
   H01R 13/6581 20110101ALI20220608BHJP
【FI】
H01R12/75
H01R13/6581
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020206656
(22)【出願日】2020-12-14
(65)【公開番号】P2021190416
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2020-12-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0062337
(32)【優先日】2020-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519373545
【氏名又は名称】センサービュー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SENSORVIEW CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】705‐1HO, 705HO, A DONG, 240, PANGYOYEOK‐RO, BUNDANG‐GU, SEONGNAM‐SI, GYEONGGI‐DO 13493, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110002893
【氏名又は名称】特許業務法人KEN知財総合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビョン・ナム・キム
(72)【発明者】
【氏名】キョン・イル・カン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ミン・パーク
(72)【発明者】
【氏名】ソン・チョル・チョ
(72)【発明者】
【氏名】サン・ウ・ハン
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-523568(JP,A)
【文献】登録実用新案第3147781(JP,U)
【文献】特開2014-072188(JP,A)
【文献】特開2009-205944(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0228952(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
13/56-13/72
24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レセプタクルコネクタ及び前記レセプタクルコネクタに摺動挿入されるプラグコネクタを含むコネクタ組立体であって、
前記プラグコネクタは、
一側がケーブルの信号線と電気的に接触するように形成された信号ピンと、
前記信号ピンの他側の下面が露出されるように、前記信号ピンを取り囲み、前記信号ピンと電気的に離隔して形成された遮蔽缶と、
前記信号ピンに結合されて、前記信号ピンと前記遮蔽缶との間を絶縁する第1絶縁部材と、
前記信号ピンの他側の下面が露出されるように、前記遮蔽缶を取り囲むプラグシェルと、を含み、
前記レセプタクルコネクタは、
下部が回路基板の信号パッドと接触するように形成され、上端が前記信号ピンの他側の下面と弾性接触するように形成されたクリップピンと、
前記回路基板に設けられるように形成され、前記クリップピンを収容する空間を提供するレセプタクルベースと、
前記クリップピンを側面で取り囲んで、前記クリップピンと前記レセプタクルベースとの間を絶縁する第2絶縁部材と、
前記レセプタクルベースを覆って、前記レセプタクルベースと共に前記プラグコネクタが前記レセプタクルベースの下面に平行な方向から摺動挿入される空間を提供するレセプタクルシェルと、
を含み、
前記レセプタクルベースは前記下面に開口部を有し、前記クリップピンは当該開口部から露出して前記回路基板の信号パッドと接触するように構成されたことを特徴とするコネクタ組立体。
【請求項2】
前記遮蔽缶は、
前記ケーブルの下部が載置される載置溝を備える下部遮蔽缶と、
前記ケーブルの上部が載置される載置溝を備え、前記下部遮蔽缶を覆う上部遮蔽缶と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記信号ピンは、複数個のケーブルに対応して複数個が並列に配され、
前記遮蔽缶は、隣接した信号ピンの間を遮蔽する遮蔽壁を備えることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記信号ピンは、前記信号線が挿入される挿入部を備える一側の第1部分と、前記第1部分と一体に形成され、前記他側の下面を備える他側の第2部分と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
前記第1絶縁部材は、前記信号ピンの前記第2部分が貫通する貫通ホールを備え、前記貫通ホールの上部を形成しながら、前記第2部分の上部を覆い、前記他側の下面を露出させるように形成された第1セクションと、前記貫通ホールの下部を形成しながら、前記他側の下面が露出されるように、前記第1セクションの下で前記第1セクションよりも短く形成される第2セクションと、を含むことを特徴とする請求項4に記載のコネクタ組立体。
【請求項6】
前記遮蔽缶は、
前記ケーブルの下部が載置される載置溝と前記第1絶縁部材の前記第2セクションが載置される載置溝とを備える下部遮蔽缶と、
前記下部遮蔽缶を覆い、前記ケーブルの上部が載置される載置溝と前記第1絶縁部材の前記第1セクションが載置される載置溝とを備える上部遮蔽缶と、
を含むことを特徴とする請求項5に記載のコネクタ組立体。
【請求項7】
前記プラグシェル、前記レセプタクルベース及び前記レセプタクルシェルは、金属材質で形成されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項8】
前記プラグシェルは、前記遮蔽缶の外に露出される前記ケーブルの一部を取り囲んで支持する取り囲み部を備えることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項9】
前記プラグシェルは、上面に締結ホールを備え、前記レセプタクルシェルは、上面に前記締結ホールに挿入締結される弾性締結部を備えることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項10】
前記レセプタクルシェルは、側面に締結ホールを備え、前記プラグシェルは、側面に前記締結ホールに挿入締結される締結突起を備えることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項11】
前記プラグシェルは、下面に複数個の突出部を備えて、前記複数個の突出部が前記レセプタクルベースの上面に密着されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項12】
前記第2絶縁部材は、両側面にホールを備え、
前記クリップピンは、両側面に前記ホールに挿入される突出部を備えることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項13】
前記レセプタクルベースは、前記第2絶縁部材が挿入される空間を備え、
前記第2絶縁部材は、側面に突出部を備え、
前記空間の側面には、前記突出部が収容される収容溝が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ組立体に係り、より詳細には、レセプタクルコネクタ及び該レセプタクルコネクタに摺動挿入されるプラグコネクタを含むコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
多種の電子装置(例えば、有線または無線通信機器など)で内部回路は、回路基板に具現される。回路基板を他の電子装置または他の回路基板に連結するために、レセプタクルコネクタとプラグコネクタとを含むコネクタ組立体が使われる。レセプタクルコネクタは、回路基板に実装され、プラグコネクタは、ケーブルと結合され、プラグコネクタがレセプタクルコネクタに締結されて、ケーブルと回路基板とが電気的に連結される。
【0003】
従来のコネクタ組立体は、主に回路基板に対してプラグコネクタがレセプタクルコネクタに垂直に締結される構造であって、コネクタ組立体の高さ及びプラグコネクタの締結動線によって小型化が難しく、電磁波遮蔽に不利であり、1つのコネクタ組立体で多数のケーブルと回路基板とを同時に連結しにくい問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、レセプタクルコネクタにプラグコネクタを摺動挿入する構造であって、コネクタ組立体の高さを最小化し、プラグコネクタの締結動線を回路基板に対して平行にさせることにより、小型化に有利なコネクタ組立体を提供するところにある。
【0005】
また、本発明が解決しようとする技術的課題は、電磁波遮蔽性能に優れ、多数のケーブルと回路基板とを同時に連結することができるコネクタ組立体を提供するところにある。
本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するための本発明によるコネクタ組立体は、レセプタクルコネクタ及び前記レセプタクルコネクタに摺動挿入されるプラグコネクタを含み、前記プラグコネクタは、一側がケーブルの信号線と電気的に接触するように形成された信号ピン;前記信号ピンの他側の下面が露出されるように、前記信号ピンを取り囲み、前記信号ピンと電気的に離隔して形成された遮蔽缶;前記信号ピンに結合されて、前記信号ピンと前記遮蔽缶との間を絶縁する第1絶縁部材;及び前記信号ピンの他側の下面が露出されるように、前記遮蔽缶を取り囲むプラグシェル;を含み、前記レセプタクルコネクタは、下部が回路基板の信号パッドと接触するように形成され、上端が前記信号ピンの他側の下面と弾性接触するように形成されたクリップピン;前記回路基板に設けられるように形成され、前記クリップピンを収容する空間を提供するレセプタクルベース;前記クリップピンを側面で取り囲んで、前記クリップピンと前記レセプタクルベースとの間を絶縁する第2絶縁部材;及び前記レセプタクルベースを覆って、前記レセプタクルベースと共に前記プラグコネクタが前記レセプタクルベースの下面に平行な方向から摺動挿入される空間を提供するレセプタクルシェル;を含み、前記レセプタクルベースは前記下面に開口部を有し、前記クリップピンは当該開口部から露出して前記回路基板の信号パッドと接触するように構成されたことを特徴とする。
【0007】
前記遮蔽缶は、前記ケーブルの下部が載置される載置溝を備える下部遮蔽缶;及び前記ケーブルの上部が載置される載置溝を備え、前記下部遮蔽缶を覆う上部遮蔽缶;を含みうる。
前記信号ピンは、複数個のケーブルに対応して複数個が並列に配され、前記遮蔽缶は、隣接した信号ピンの間を遮蔽する遮蔽壁を備えることができる。
前記信号ピンは、前記信号線が挿入される挿入部を備える一側の第1部分と、前記第1部分と一体に形成され、前記他側の下面を備える他側の第2部分と、を含みうる。
【0008】
前記第1絶縁部材は、前記信号ピンの前記第2部分が貫通する貫通ホールを備え、前記貫通ホールの上部を形成しながら、前記第2部分の上部を覆い、前記他側の下面を露出させるように形成された第1セクションと、前記貫通ホールの下部を形成しながら、前記他側の下面が露出されるように、前記第1セクションの下で前記第1セクションよりも短く形成される第2セクションと、を含みうる。
【0009】
前記遮蔽缶は、前記ケーブルの下部が載置される載置溝と前記第1絶縁部材の前記第2セクションが載置される載置溝とを備える下部遮蔽缶;及び前記下部遮蔽缶を覆い、前記ケーブルの上部が載置される載置溝と前記第1絶縁部材の前記第1セクションが載置される載置溝とを備える上部遮蔽缶;を含みうる。
【0010】
前記プラグシェル、前記レセプタクルベース及び前記レセプタクルシェルは、金属材質で形成されうる。
前記プラグシェルは、前記遮蔽缶の外に露出される前記ケーブルの一部を取り囲んで支持する取り囲み部を備えることができる。
前記プラグシェルは、上面に締結ホールを備え、前記レセプタクルシェルは、上面に前記締結ホールに挿入締結される弾性締結部を備えることができる。
【0011】
前記レセプタクルシェルは、側面に締結ホールを備え、前記プラグシェルは、側面に前記締結ホールに挿入締結される締結突起を備えることができる。
【0012】
前記プラグシェルは、下面に複数個の突出部を備えて、前記複数個の突出部が前記レセプタクルベースの上面に密着される。
【0013】
前記第2絶縁部材は、両側面にホールを備え、前記クリップピンは、両側面に前記ホールに挿入される突出部を備えることができる。
【0014】
前記レセプタクルベースは、前記第2絶縁部材が挿入される空間を備え、前記第2絶縁部材は、側面に突出部を備え、前記空間の側面には、前記突出部が収容される収容溝が形成されうる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によるコネクタ組立体は、レセプタクルコネクタにプラグコネクタを摺動挿入する構造であって、コネクタ組立体の高さを最小化し、プラグコネクタの締結動線が回路基板に対して平行なので、小型化に有利な長所がある。
また、本発明の実施形態によるコネクタ組立体は、電磁波遮蔽性能に優れ、多数のケーブルと回路基板とを同時に連結することができる長所がある。
本発明の効果は、前述した効果に限定されず、言及されていないさらに他の効果は、下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】本発明の一実施形態によるコネクタ組立体を一側から見た図面である。
図1B図1Aのコネクタ組立体を他側から見た図面である。
図1C図1Aのコネクタ組立体をさらに他側から見た図面である。
図2A】本発明の一実施形態によるプラグコネクタの第1分解図である。
図2B】本発明の一実施形態によるプラグコネクタの第2分解図である。
図2C図2Bのプラグコネクタの第2分解図を他側から見た図面である。
図3A】本発明の一実施形態によるプラグコネクタの信号ピンと第1絶縁部材とを一側から見た図面である。
図3B図3Aの信号ピンと第1絶縁部材とが分離された状態を示す図面である。
図3C図3Bの信号ピンと第1絶縁部材とを他側から見た図面である。
図4A】本発明の一実施形態によるレセプタクルコネクタの第1分解図である。
図4B】本発明の一実施形態によるレセプタクルコネクタの第2分解図である。
図4C図4Bのレセプタクルコネクタの第2分解図を他側から見た図面である。
図5】本発明の一実施形態によるレセプタクルコネクタのクリップピンと第2絶縁部材とが分離された状態を示す図面である。
図6A】プラグコネクタとレセプタクルコネクタとが結合された状態のコネクタ組立体を一側から見た図面である。
図6B図6Aのコネクタ組立体を他側から見た図面である。
図6C】プラグコネクタとレセプタクルコネクタとが結合された状態のコネクタ組立体の断面図である。
図7】信号ピンの変形例を示す図面である。
図8】第1絶縁部材の変形例を示す図面である。
図9】第2絶縁部材の変形例を示す図面である。
図10】クリップピンの変形例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。以下、説明及び添付図面で実質的に同じ構成要素は、それぞれ同じ符号で示すことにより、重複説明を省略する。また、本発明を説明するに当って、関連した公知の機能あるいは構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明にする恐れがあると判断される場合、それについての詳細な説明は省略する。
【0018】
図1Aないし図1Cは、本発明の一実施形態によるコネクタ組立体を示す図面である。本明細書では、便宜上、図1Aを基準にX軸方向を前側(もしくは、前面、あるいは、前端)、-X軸方向を後側(あるいは、裏面、後端)、Z軸方向を上方(もしくは、上面、上端)、-Z軸方向を下方(あるいは、下面、下端)、Y/-Y軸方向を側方と定義する。図1Aは、コネクタ組立体を後上方側から見た図面であり、図1Bは、コネクタ組立体を後下方側から見た図面であり、図1Cは、コネクタ組立体を前上方側から見た図面である。
【0019】
本実施形態によるコネクタ組立体は、回路基板(図6Cの図面符号P)に実装されるレセプタクルコネクタ200と、ケーブル300と結合し、レセプタクルコネクタ200に摺動挿入されるプラグコネクタ100と、を含む。
【0020】
レセプタクルコネクタ200は、表面実装(surface mount devices、SMD/surface mount technology、SMT)方式、貫通方式であるSIP(single in-line package)、DIP(dual in-line package)、QIP(quad in-line package)方式などで回路基板(P)に実装されるか、表面実装方式と貫通方式とを混用して実装される。実施形態によって、レセプタクルコネクタ200は、別個の部品ではなく、回路基板(P)と一体に形成されうる。
【0021】
レセプタクルコネクタ200は、前側でプラグコネクタ100が摺動挿入されるように前側は開口され、後側は閉鎖された形状である。
図2Aないし図2Cは、本発明の一実施形態によるプラグコネクタ100を示す図面であって、図2Aは、プラグコネクタ100を後上方側から見た第1分解図であり、図2Bは、プラグコネクタ100を後上方側から見た第2分解図であり、図2Cは、図2Bのプラグコネクタ100の第2分解図を後下方側から見た図面である。
【0022】
本実施形態において、プラグコネクタ100に結合されるケーブル300として同軸ケーブルを例として説明するが、ケーブル300は、同軸ケーブルの代わりに、データケーブル(data cable)、ワイヤ(wire)、FFC(Flexible Flat Cable)、FPC(Flexible Printed Circuit)など多様な形態のケーブルである。
【0023】
ケーブル300は、信号線(内部導体)310、信号線310の電磁波を遮蔽(shield)し、アルミニウム、銅などで作られる外部導体330、信号線310と外部導体330との間を絶縁させ、分離する誘電体320、外部導体330を保護する外皮(ジャケット)340を含みうる。
【0024】
プラグコネクタ100は、信号ピン110、遮蔽缶(shield can)120、130、第1絶縁部材140、プラグシェル150を含む。
本実施形態において、ケーブル300は、2個であると例示しているが、ケーブル300は、1個でもあり、3個以上でもある。ケーブル300が複数個である場合、ケーブル300は、互いに並列に配される。ケーブル300の個数によって、信号ピン110、遮蔽缶120、130、第1絶縁部材140、プラグシェル150の個数または構造は、適切に変形されうるということを、当業者であれば、理解できるであろう。
【0025】
信号ピン110は、前側がケーブル300の信号線310と電気的に接触するように形成され、後側の下面112aが後述するレセプタクルコネクタ200のクリップピン210の上端と弾性接触するように形成されうる。信号ピン110は、ケーブル300ごとに設けられ、ケーブル300が複数個である場合、複数個の信号ピン110も、互いに並列に配される。
【0026】
信号ピン110は、前側の第1部分111と、第1部分111と一体に形成される後側の第2部分112と、を含みうる。第1部分111は、信号線310が挿入される挿入部を備えることができる。信号ピン110の第1部分111と信号線310は、つぼめまたはソルダリングなどを通じて電気的に接触される。信号ピン110の第1部分111の内側には、1つ以上の突起が形成されて、信号線310を固定する引張力が向上する。第2部分112は、レセプタクルコネクタ200のクリップピン210の上端に弾性的に接触する下面112aを備える。
【0027】
遮蔽缶120、130は、信号ピン110の第2部分112の下面112aが露出されるように信号ピン110を取り囲み、信号ピン110と電気的に離隔して形成された。遮蔽缶120、130は、電磁波遮蔽のために、金属材質で形成されうる。遮蔽缶120、130は、下部遮蔽缶120と上部遮蔽缶130とを含みうる。下部遮蔽缶120は、ケーブル300の下部が載置される載置溝121を備えることができる。上部遮蔽缶130は、下部遮蔽缶120を覆うように形成され、ケーブル300の上部が載置される載置溝131を備えることができる。本実施形態において、遮蔽缶120、130は、下部遮蔽缶120と上部遮蔽缶130とが結合されて形成されると説明しているが、遮蔽缶120、130は、一体に形成されうる。
【0028】
下部遮蔽缶120は、隣接した信号ピン110の間を遮蔽する遮蔽壁122を備えることができる。そして、上部遮蔽缶130は、遮蔽壁122の上部が差し込まれるホール132を備えることができる。実施形態によって、隣接した信号ピン110の間を遮蔽する遮蔽壁は、下部遮蔽缶120の代わりに、上部遮蔽缶130に備えられることもある。
【0029】
第1絶縁部材140は、信号ピン110の後側、具体的に、信号ピン110の第2部分112に結合されて、信号ピン110と遮蔽缶120、130との間を絶縁する。
【0030】
図3Aないし図3Cは、信号ピン110と第1絶縁部材140とを具体的に示す図面であって、図3Aは、信号ピン110と第1絶縁部材140とを後下方側から見た図面であり、図3Bは、信号ピン110と第1絶縁部材140とが分離された状態を示す図面であり、図3Cは、図3Bの信号ピン110と第1絶縁部材140とを前上方側から見た図面である。
【0031】
第1絶縁部材140は、信号ピン110の第2部分112が貫通する貫通ホール141を備え、第1セクション142及び第1セクション142と一体に形成される第2セクション143からなりうる。貫通ホール141、第1セクション142及び第2セクション143は、信号ピン110ごとに設けられる。第1セクション142は、貫通ホール141の上部を形成しながら、信号ピン110の第2部分112の上部を覆い、第2部分112の下面112aを露出させるように第2部分112の長手方向に沿って長く形成されうる。第2セクション143は、貫通ホール141の下部を形成しながら、信号ピン110の第2部分112の下面112aが露出されるように第1セクション142の下で第2部分112の長手方向に対して第1セクション142よりも短く形成されうる。
【0032】
下部遮蔽缶120は、第1絶縁部材140の第2セクション143が載置される載置溝123を備えることができる。そして、上部遮蔽缶130は、第1絶縁部材140の第1セクション142が載置される載置溝133を備えることができる。
【0033】
プラグシェル150は、信号ピン110の第2部分112の下面112aが露出されるように遮蔽缶120、130の上面、下面及び両側面を(具体的には、上部遮蔽缶130の上面及び両側面と、下部遮蔽缶120の下面及び両側面を)取り囲む。
プラグシェル150は、電磁波遮蔽のために、金属材質で形成されうる。また、プラグシェル150は、遮蔽缶120、130の前側から遮蔽缶120、130の外に露出されるケーブル300の一部を取り囲んで支持する取り囲み部151を備えることができる。このような取り囲み部151は、プラグシェル150の下部から前側に延設される。取り囲み部151は、ケーブル300が過度に折れるか、離脱して損傷されることを防止することができる。
【0034】
本発明の実施形態によるプラグコネクタ100によれば、ケーブル300の信号線310及び外部導体330、信号ピン110を通じて発生する電磁波が遮蔽缶120、130によって1次的に遮蔽され、プラグシェル150によって2次的に遮蔽されるので、電磁波遮蔽性能が向上する。また、隣接した信号線310間、または隣接した信号ピン110間の電磁波が遮蔽缶120、130内の遮蔽壁122によって遮蔽されるので、信号間の干渉が最小化される。
【0035】
図4Aないし図4Cは、本発明の一実施形態によるレセプタクルコネクタ200を示す図面であって、図4Aは、レセプタクルコネクタ200を前上方側から見た第1分解図であり、図4Bは、レセプタクルコネクタ200を前上方側から見た第2分解図であり、図4Cは、図4Bのレセプタクルコネクタ200の第2分解図を前下方側から見た図面である。
【0036】
レセプタクルコネクタ200は、クリップピン210、レセプタクルベース220、第2絶縁部材230、レセプタクルシェル240を含む。
クリップピン210は、下面が回路基板(図6Cの図面符号P)の信号パッド(図示せず)と弾性接触またはソルダリングなどを通じて電気的に接触するように形成され、上端が信号ピン110の第2部分112の下面112aと弾性接触するように形成されうる。実施形態によって、クリップピン210は、回路基板(P)の信号パッドに表面実装(SMD/SMT)方式、貫通方式であるSIP、DIP、QIP方式などによって電気的に接触されても良い。信号ピン110が複数個である場合、クリップピン210も、複数個であって、各信号ピン110ごとに設けられ、信号ピン110の配置によって配される。
【0037】
レセプタクルベース220は、基板(P)の上面に設けられるように形成され、第2絶縁部材230とクリップピン210とを収容する空間221を提供する。空間221は、レセプタクルベース220の上下を貫通するように形成されうる。
第2絶縁部材230は、レセプタクルベース220の空間221に挿入され、クリップピン210を側面で取り囲んで、クリップピン210を固定させると同時にクリップピン210とレセプタクルベース220との間を絶縁する。
【0038】
レセプタクルシェル240は、レセプタクルベース220を覆って、レセプタクルベース220と共にプラグコネクタ100が摺動挿入される空間を提供する。すなわち、レセプタクルベース220の上面220a、レセプタクルシェル240の内側上面と内側両側面とによって限定される空間にプラグコネクタ100が摺動挿入される。
【0039】
レセプタクルベース220とレセプタクルシェル240は、電磁波遮蔽のために、金属材質で形成されうる。そうすると、レセプタクルコネクタ200にプラグコネクタ100が結合された状態で、信号線310、外部導体330、信号ピン110を通じて発生する電磁波が遮蔽缶120、130によって1次的に遮蔽され、プラグシェル150によって2次的に遮蔽され、レセプタクルベース220とレセプタクルシェル240とによって3次的に遮蔽される。
【0040】
プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200との堅固な結合のために、プラグシェル150は、上面に締結ホール152を備え、レセプタクルシェル240は、上面に締結ホール152に挿入締結される弾性締結部241を備えることができる。また、レセプタクルシェル240は、両側面に締結ホール242を備え、プラグシェル150は、両側面に締結ホール242に挿入締結される締結突起153を備えることができる。また、プラグシェル150は、両側面に突起154を備えて、突起154をレセプタクルシェル240の内側両側面に密着させうる。また、プラグシェル150は、下面150aに複数個の突出部155(例えば、前後両側の4地点に)を備えて、突出部155をレセプタクルベース220の上面220aに密着させうる。
【0041】
図5は、レセプタクルコネクタ200のクリップピン210と第2絶縁部材230とが分離された状態を示す図面である。
【0042】
クリップピン210は、下面が回路基板(P)の信号パッドと接触するように形成される第1セクション211と、第1セクション211の前端から略上方に延びる第2セクション212と、第2セクション212の上端から略後側に延びる第3セクション213と、第3セクション213の後端から前上方に傾斜して延びる第4セクション214と、第4セクション214の上端から前下方に傾斜して延びる第5セクション215と、を含みうる。第1セクション211の下面が回路基板(P)の信号パッドと弾性接触し、クリップピン210の上端、すなわち、第4セクション214と第5セクション215との間の部分が信号ピン110の第2部分112の下面112aと弾性接触することができる。実施形態によって、クリップピン210の第1セクション211の下面は、回路基板(P)の信号パッドに表面実装(SMD/SMT)方式、貫通方式であるSIP、DIP、QIP方式などによって電気的に接触されても良い。本実施形態において、クリップピン210は、第5セクション215が前側に向かって配されるが、一方、すなわち、第5セクション215が後側に向かって配されても良い。
【0043】
第2絶縁部材230は、クリップピン210を収容できるように上下に貫通される貫通ホール231を備えることができる。また、第2絶縁部材230は、両側面にホール232を備え、クリップピン210は、両側面に第3セクション213から延びる突出部216を備えて、突出部216がホール232に挿入されることにより、クリップピン210が第2絶縁部材230に固定される。第2絶縁部材230は、両側面に突出部233を備え、レセプタクルベース220の第2絶縁部材230が挿入される空間221の両側面には、突出部233が収容される収容溝222が形成されうる。
【0044】
図6Aないし図6Cは、プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200とが結合された状態のコネクタ組立体を示す図面であって、図6Aは、プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200とが結合された状態のコネクタ組立体を後上方側から見た図面であり、図6Bは、プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200とが結合された状態のコネクタ組立体を後下方側から見た図面であり、図6Cは、プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200とが結合された状態のコネクタ組立体の断面図である。
【0045】
図6Cを参照すれば、クリップピン210の下面と回路基板(P)の信号パッド(図示せず)とが互いに弾性接触またはソルダリングなどを通じて電気的に接触し、信号ピン110の第2部分112の下面112aとクリップピン210の上端とが互いに弾性接触する。また、信号線310、外部導体330、信号ピン110が遮蔽缶120、130によって1次的に遮蔽され、プラグシェル150によって2次的に遮蔽され、レセプタクルベース220とレセプタクルシェル240とによって3次的に遮蔽される。
【0046】
図7は、信号ピン110の変形例を示す。信号ピン110の第2部分112は、(a)のように一直線に形成されてもよいが、(b)のように第2部分112´の一部が下方に屈曲形成されてもよく、(c)のように第2部分112´´が全体として下方に屈曲形成されてもよいなど多様な形態にも変形可能である。
【0047】
図8は、第1絶縁部材140の変形例を示す。第1絶縁部材140の第1セクション142は、上から見る時、(a)のように略四角状に形成されてもよいが、(b)のように第1セクション142´の前側と後側とが丸く掘られてもよく、(c)のように第1セクション142´´の前側と後側とが角状に掘られてもよいなど多様な形態にも変形可能である。
【0048】
図9は、第2絶縁部材230の変形例を示す。第2絶縁部材230の貫通ホール231は、図5に示したように、略四角状でもあるが、図9のように、貫通ホール231´は、円形状でもあるなど多様な形態にも変形可能である。
【0049】
図10は、クリップピン210の変形例を示す。本発明の実施形態において、クリップピン210の形状は、(a)のような形態に限定されず、下面が回路基板(P)の信号パッドと接触し、上端が信号ピン110の下面112aと弾性接触することができる(b)、(c)、(d)のような多様な形態にも変形可能である。
【0050】
以上、本発明について、その望ましい実施形態を中心に説明した。当業者ならば、本発明が、本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる差異点は、本発明に含まれたと解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0051】
100:プラグコネクタ
200:レセプタクルコネクタ
300:ケーブル
110:信号ピン
120:下部遮蔽缶
130:上部遮蔽缶
140:第1絶縁部材
150:プラグシェル
210:クリップピン
220:レセプタクルベース
230:第2絶縁部材
240:レセプタクルシェル
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10