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特許7084665個人を支援し合うために最適なコミュニケーション相手を決定するコンピュータシステム、方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】個人を支援し合うために最適なコミュニケーション相手を決定するコンピュータシステム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220608BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021161785
(22)【出願日】2021-09-30
【審査請求日】2021-09-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518210395
【氏名又は名称】株式会社KAKEAI
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】本田 英貴
(72)【発明者】
【氏名】守 宏知
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-051816(JP,A)
【文献】特許第6813219(JP,B1)
【文献】特開2020-166607(JP,A)
【文献】特開2002-245156(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0285975(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステムであって、
ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信する受信手段と、
複数のユーザが過去に行ったコミュニケーションの評価と、前記複数のユーザの特徴とを格納するデータベース部と、
前記データベース部を参照し、前記ユーザが過去に行ったコミュニケーションの評価および/または前記ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの評価に基づいて、前記ユーザまたは前記他のユーザによる評価が高い人物を特定し、前記特定された人物が有している特徴を前記コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴として特定する特定手段と、
前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、少なくとも1人の相手を決定する決定手段と
を備えるコンピュータシステム。
【請求項2】
コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステムであって、
ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信する受信手段と、
複数のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果と、前記複数のユーザの特徴とを格納するデータベース部と、
前記データベース部を参照し、前記ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果および/または前記ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、前記コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定する特定手段と、
前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、少なくとも1人の相手を決定する決定手段と
を備え、前記決定手段は、
前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、複数の相手候補を抽出し、
前記複数の相手候補の各相手候補について、前記データベース部を参照し、前記相手候補が過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、前記相手候補とのコミュニケーションにおいて他方が有するべき第2の特徴を特定し、
前記複数の相手候補のそれぞれの前記第2の特徴を前記ユーザが有するか否かに基づいて、前記複数の相手候補の中から前記少なくとも1人の相手を決定する、コンピュータシステム。
【請求項3】
前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容は、前記コミュニケーションにおいて前記ユーザが話題としたいトピック、および/または、前記コミュニケーションにおいて前記ユーザが相手に希望する対応を含む、請求項1または請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記第1の特徴は、職務に関する特徴を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記職務に関する特徴は、キャリアを含む、請求項4に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記受信手段は、前記ユーザが希望するキャリアの内容をさらに受信し、
前記決定手段は、前記キャリアの内容にさらに基づいて、前記少なくとも1人の相手を決定する、請求項5に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記決定された少なくとも1人の相手に前記ユーザとのコミュニケーションのリクエストを送るリクエスト手段と、
前記少なくとも1人の相手が前記リクエストを承諾したことに応答して、前記リクエストを承諾した前記少なくとも1人の相手をコミュニケーションの相手として前記ユーザに提示する提示手段と
をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記リクエストにおいて、前記ユーザは匿名で示され、
前記少なくとも1人の相手は、前記ユーザに匿名で提示される、請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
コミュニケーションの相手を決定するための方法であって、前記方法は、プロセッサ部とデータベース部とを備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記データベース部は、複数のユーザが過去に行ったコミュニケーションの評価と、前記複数のユーザの特徴とを格納し、前記方法は、
前記プロセッサ部が、ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信することと、
前記プロセッサ部が、前記データベース部を参照し、前記ユーザが過去に行ったコミュニケーションの評価および/または前記ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの評価に基づいて、前記ユーザまたは前記他のユーザによる評価が高い人物を特定し、前記特定された人物が有している特徴を前記コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴として特定することと、
前記プロセッサ部が、前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、少なくとも1人の相手を決定することと
を含む方法。
【請求項10】
コミュニケーションの相手を決定するための方法であって、前記方法は、プロセッサ部とデータベース部とを備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記データベース部は、複数のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果と、前記複数のユーザの特徴とを格納し、前記方法は、
前記プロセッサ部が、ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信することと、
前記プロセッサ部が、前記データベース部を参照し、前記ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果および/または前記ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、前記コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定することと、
前記プロセッサ部が、前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、少なくとも1人の相手を決定することと
を含み、前記決定することは、
前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、複数の相手候補を抽出することと、
前記複数の相手候補の各相手候補について、前記データベース部を参照し、前記相手候補が過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、前記相手候補とのコミュニケーションにおいて他方が有するべき第2の特徴を特定することと、
前記複数の相手候補のそれぞれの前記第2の特徴を前記ユーザが有するか否かに基づいて、前記複数の相手候補の中から前記少なくとも1人の相手を決定することと
を含む、方法。
【請求項11】
コミュニケーションの相手を決定するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサ部とデータベース部とを備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記データベース部は、複数のユーザが過去に行ったコミュニケーションの評価と、前記複数のユーザの特徴とを格納し、前記プログラムは、
ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信することと、
前記データベース部を参照し、前記ユーザが過去に行ったコミュニケーションの評価および/または前記ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの評価に基づいて、前記ユーザまたは前記他のユーザによる評価が高い人物を特定し、前記特定された人物が有している特徴を前記コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴として特定することと、
前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、少なくとも1人の相手を決定することと
を含む処理を前記プロセッサ部に行わせる、プログラム。
【請求項12】
コミュニケーションの相手を決定するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサ部とデータベース部とを備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記データベース部は、複数のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果と、前記複数のユーザの特徴とを格納し、前記プログラムは、
ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信することと、
前記データベース部を参照し、前記ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果および/または前記ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、前記コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定することと、
前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、少なくとも1人の相手を決定することと
を含む処理を前記プロセッサ部に行わせ、前記決定することは、
前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、複数の相手候補を抽出することと、
前記複数の相手候補の各相手候補について、前記データベース部を参照し、前記相手候補が過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、前記相手候補とのコミュニケーションにおいて他方が有するべき第2の特徴を特定することと、
前記複数の相手候補のそれぞれの前記第2の特徴を前記ユーザが有するか否かに基づいて、前記複数の相手候補の中から前記少なくとも1人の相手を決定することと
を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステム、方法、およびプログラムに関する。より具体的には、仕事に関する困りごとを相談する相手を決定するためのコンピュータシステム、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
組織において、部下と上司との面談がしばしば行われる。これは、例えば、部下の目標設定、進捗管理、および成果報告等の目的のために行われる。このような面談を支援するためのシステムが知られている(特許文献1)。
【0003】
このような面談のうち、上司と部下とが1対1で行う「1on1ミーティング」(または「1on1」)と呼ばれる面談がある。「1on1」は、部下が主導権を持って上司と対話をすることで、部下の成長を促すことを目的としている。例えば、「1on1」では、部下は上司に仕事に関する困りごとを相談することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-190162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者は、部下と上司との間の「1on1」を、特定の企業内の部下と上司との間のコミュニケーションに限らず、企業外の人物も含めた任意の少なくとも1人の相手とのコミュニケーションに広げることで、ユーザ(または相談者)は特定の企業内の考え方に囚われない種々のアドバイスを受けることができる、あるいは、色々な人々の種々の考え方に触れることができると考えた。
【0006】
本発明は、このことに鑑みてなされたものであり、コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一実施形態において、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステムであって、
ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信する受信手段と、
前記ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果および/または前記ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、前記コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定する特定手段と、
前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、少なくとも1人の相手を決定する決定手段と
を備えるコンピュータシステム。
(項目2)
前記決定手段は、
前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、複数の相手候補を抽出し、
前記複数の相手候補の各相手候補について、前記相手候補が過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、前記相手候補とのコミュニケーションにおいて他方が有するべき第2の特徴を特定し、
前記複数の相手候補のそれぞれの前記第2の特徴を前記ユーザが有するか否かに基づいて、前記複数の相手候補の中から前記少なくとも1人の相手を決定する、
項目1に記載のコンピュータシステム。
(項目3)
前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容は、前記コミュニケーションにおいて前記ユーザが話題としたいトピック、および/または、前記コミュニケーションにおいて前記ユーザが相手に希望する対応を含む、項目1または項目2に記載のコンピュータシステム。
(項目4)
前記第1の特徴は、職務に関する特徴を含む、項目1~3のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目5)
前記職務に関する特徴は、キャリアを含む、項目4に記載のコンピュータシステム。
(項目6)
前記受信手段は、前記ユーザが希望するキャリアの内容をさらに受信し、
前記決定手段は、前記キャリアの内容にさらに基づいて、前記少なくとも1人の相手を決定する、項目5に記載のコンピュータシステム。
(項目7)
前記決定された少なくとも1人の相手に前記ユーザとのコミュニケーションのリクエストを送るリクエスト手段と、
前記少なくとも1人の相手が前記リクエストを承諾したことに応答して、前記リクエストを承諾した前記少なくとも1人の相手をコミュニケーションの相手として前記ユーザに提示する提示手段と
をさらに備える、項目1~6のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目8)
前記リクエストにおいて、前記ユーザは匿名で示され、
前記少なくとも1人の相手は、前記ユーザに匿名で提示される、項目7に記載のコンピュータシステム。
(項目9)
コミュニケーションの相手を決定するための方法であって、
ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信することと、
前記ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果および/または前記ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、前記コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定することと、
前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、少なくとも1人の相手を決定することと
を含む方法。
(項目10)
コミュニケーションの相手を決定するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサ部を備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記プログラムは、
ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信することと、
前記ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果および/または前記ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、前記コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定することと、
前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、少なくとも1人の相手を決定することと
を含む処理を前記プロセッサ部に行わせる、プログラム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザがコミュニケーションをすべき相手を決定することができる。ユーザがコミュニケーションをすべき相手は、例えば、ユーザに相性がいい相手、ユーザの相談事に適切にアドバイスを提供することができる相手、ユーザが希望する対応にうまく応えることができる相手等であるが、これに限定されない。これにより、ユーザは、決定された相手と、満足度の高いコミュニケーションまたは相談を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】第1のユーザが使用する端末装置の表示部に表示される画面の一例を示す図
図1B】相談を受けることになる第2のユーザが使用する端末装置の表示部に表示される画面の一例を示す図
図1C】第1のユーザが使用する端末装置の表示部に表示される画面の一例を示す図
図1D】第1のユーザが使用する端末装置の表示部に表示される画面の一例を示す図
図2】コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステム100の構成の一例を示す図
図3】データベース部200に格納されている各ユーザの情報のデータ構成の一例を示す図
図4】端末装置300の構成の一例を示す図
図5A】プロセッサ部120の構成の一例を示す図
図5B】プロセッサ部120の代替実施形態であるプロセッサ部120’の構成の一例を示す図
図6A】コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステム100による処理600の一例を示すフローチャートを示す図
図6B】複数の相手候補から少なくとも1人の相手を絞り込む実施形態におけるステップS603の処理のフローチャートを示す図
図7】コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステム100と第1のユーザの端末装置と、第2のユーザの端末装置との間のデータフロー700の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
1.相談相手を決定するためのアプリケーション
本発明の発明者は、相談相手を決定するためのアプリケーションを開発した。このアプリケーションを利用することで、ユーザは、相談内容に応えることができる人を募集し、募集に対して応募してきた少なくとも1人の相談相手候補の中から、相談相手を決定することができる。このアプリケーションによって決定される相談相手は、例えば、ユーザに相性がいい相手、ユーザの相談事に適切にアドバイスを提供することができる相手、ユーザが希望する対応にうまく応えることができる相手等であり得る。これにより、決定された相手に対する相談は、ユーザにとって満足度の高いものとなり得る。相談は、例えば、相談相手に話を聞いてもらうこと、相談相手から意見またはアドバイスをもらうこと、相談相手と議論すること等を含む。
【0012】
決定された相手に対する相談は、例えば、このアプリケーション上で行われるようにしてもよいし、別の方法で行われるようにしてもよい。相談は、例えば、音声のみを介したものであってもよいし、映像および音声(いわゆるビデオ通話またはテレビ電話)を介したものであってもよいし、テキストを介したものであってもよい。あるいは、映像に代えて、ユーザまたは相談相手の動きに合わせて動くアバターを介したものであってもよい。
【0013】
以下では、第1のユーザが、仕事に関する困りごとを相談相手に相談することを例に説明する。
【0014】
まず、第1のユーザは、このアプリケーションを利用するための利用登録を行う。利用登録のために、第1のユーザは、少なくとも、自己の職務に関する情報をアプリケーションに入力する。職務に関する情報は、例えば、職業、キャリア(職業または技能上の経験または経歴)、勤務する企業の情報(業種、規模、従業員数、設立年数等)等を含むがこれらに限定されない。第1のユーザは、これに加えて、性別および年齢等の個人情報、ならびに、ユーザ名およびパスワード等のログイン情報を入力することができる。第1のユーザは、さらに、将来なりたいキャリア像(または希望するキャリアの内容)および/または将来つけたい力を入力するようにしてもよい。希望するキャリアの内容は、例えば、1年後になりたい職種または職位、3年後になりたい職種または職位、5年後になりたい職種または職位、10年後になりたい職種または職位、20年後になりたい職種または職位等であってもよいし、例えば、1年後までに積みたい経験、3年後までに積みたい経験、5年後までに積みたい経験、10年後までに積みたい経験、20年後までに積みたい経験等であってもよいし、これらの任意の組み合わせであってもよい。
【0015】
同様に、相談を受けることになる第2のユーザも、このアプリケーションを利用するための利用登録を行う。第2のユーザも、ユーザと同様の情報をアプリケーションに入力する。
【0016】
このアプリケーションにおいて、ユーザは、相談者(相談をする人)になり得るし、被相談者(相談を受ける人)にもなり得る。ユーザの相談を受ける第2のユーザも同様に、相談者になり得るし、被相談者にもなり得る。
【0017】
第1のユーザは、利用登録後、相談内容を入力することで、相談内容に応えることができる人を募集することができる。
【0018】
図1Aは、第1のユーザが使用する端末装置の表示部に表示される画面の一例を示す。図1Aは、第1のユーザが相談内容を入力するための相談内容入力画面10を示す。
【0019】
相談内容入力画面10は、アプリケーションのホーム画面上のポップアップ画面として示されている。相談内容入力画面10は、相談事入力部11と、トピック入力部12と、対応入力部13とを含んでいる。
【0020】
相談事入力部11には、相談したいことまたは困っていること等の相談事を入力することができる。相談事入力部11には、例えば、自由に記述することによって相談事を入力するようにしてもよいし、複数の相談事候補の中から選択することによって相談事を入力するようにしてもよい。好ましくは、図1Aに示されるように、ユーザは、自由に記述することによって相談事を入力し得る。
【0021】
トピック入力部12には、相談事のトピック(またはテーマ)を入力することができる。なお、本明細書では、「トピック」および「テーマ」は、同義的に使用される。トピック入力部12には、例えば、相談事がキャリアに関することなのか、人間関係に関することなのか、仕事の進め方に関することなのか、待遇に関することなのか、恋愛に関することなのか等を入力することができる。トピック入力部12には、例えば、自由に記述することによってトピックを入力するようにしてもよいし、複数のトピック候補の中から選択することによってトピックを入力するようにしてもよい。好ましくは、図1Aに示されるように、ユーザは、複数のトピック候補の中から選択することによってトピックを入力し得る。
【0022】
本例は、仕事に関する困りごとを相談相手に相談する例であるため、トピック入力部12には、仕事に関するトピック(例えば、仕事上の人間関係、仕事の進め方、キャリア等)を入力することができる。他の事柄に関する困りごとを相談相手に相談する場合には、当該事柄に関するトピックをトピック入力部12に入力することができる。
【0023】
対応入力部13には、ユーザが相談相手との相談において相談相手に希望する対応(あるいは、行動および/または態度)を入力することができる。対応入力部13には、自由に記述することによって希望する対応を入力するようにしてもよいし、複数の対応候補の中から選択することによって希望する対応を入力するようにしてもよい。好ましくは、図1Aに示されるように、ユーザは、複数の候補の中から選択することによって希望する対応を入力し得る。希望する対応は、例えば、「具体的なアドバイスがほしい」、「一緒に考えてほしい」、「話を聞いてほしい」、「意見を聞きたい」、「議論したい」等であり得る。希望する対応は、例えば、具体的な行動であってもよいし、具体的な態度であってもよい。
【0024】
第1のユーザが、相談事入力部11、トピック入力部12、対応入力部13のうちの少なくとも1つ、好ましくは、相談事入力部11、トピック入力部12、対応入力部13のすべてに入力し、リクエストボタン14を選択すると、入力された相談内容が投稿される。そして、その相談内容に応えることができる人またはできそうな人を募集することになる。
【0025】
あるいは、第1のユーザが、絞り込みボタン15を選択すると、相談相手を絞り込むための条件を入力することができるようになる。例えば、相談相手を絞り込むための条件として、相談相手の年齢、相談相手の業種、相談相手の職種、相談相手の企業規模等を入力することができる。これらに加えて、または、これらに代えて、除外キーワードを入力することもできる。除外キーワードを入力することで、そのキーワードを企業名に含む企業に勤務しているユーザが相談相手として決定されなくなる。これは、自身の会社またはそのグループ会社等の特定の会社の人物を相談相手から除外したい場合に有用である。第1のユーザが、相談事入力部11、トピック入力部12、対応入力部13のうちの少なくとも1つ、好ましくは、相談事入力部11、トピック入力部12、対応入力部13のすべてに入力し、相談相手を絞り込むための条件も入力したうえで、リクエストボタン14を選択すると、入力された相談内容が投稿される。そして、その相談内容に応えることができる人またはできそうな人を募集することになる。
【0026】
このアプリケーションは、投稿された相談内容に基づいて、その相談内容に応えることができる人またはできそうな人を決定することができる。そして、決定された人に対して、募集内容、すなわち、相談リクエストを提示することができる。
【0027】
図1Bは、相談を受けることになる第2のユーザが使用する端末装置の表示部に表示される画面の一例を示す。図1Bは、第2のユーザに提示された募集内容(または相談リクエスト)を表示する募集内容表示画面20を示す。
【0028】
募集内容表示画面20は、募集内容表示部21、22を備えている。図1Bに示される例では2つの募集に対応する2つの募集内容表示部21、22が示されている。各募集内容表示部は、「立候補してみる」ボタン23、24を備えており、「立候補してみる」ボタン23、24を選択することにより、その募集に応募するまたは相談リクエストを承諾することができる。
【0029】
例えば、募集内容表示部21、22には、第1のユーザまたは相談相手を募集する他のユーザが入力した相談内容に応じて、相談事、トピック、および希望する対応が表示される。加えて、その相談を募集している人物のユーザ名および属性(例えば、年代、職種、業種)も表示され得る。ここで、ユーザを本名ではなくユーザ名で、すなわち、匿名で表示することが好ましい。また、属性は、特定の企業および/または肩書を特定できないほどに十分に簡略的なものであることが好ましい。これにより、第2のユーザは、ユーザの属性(例えば、肩書)による偏見を持つことなく、ユーザの相談を受けるか受けないかを決定することができるからである。
【0030】
図1Bに示される例では、第1のユーザが、ユーザ名「KillJoy」で表示され、20代であり、職種が営業職であり、会社の業種がメーカーであることが表示されている。
【0031】
図1Aの相談内容入力画面10で、第1のユーザが、相談事を入力し、トピックとして「キャリア」を入力し、希望する対応として「話を聞いてほしい」を入力して投稿したので、募集内容表示部21には、その相談内容が表示されている。
【0032】
図1Bに示されるような募集内容表示画面20は、アプリケーションによって相談内容に応えることができる人またはできそうな人として決定された複数のユーザに対して提示されることができる。これにより、1つの募集に複数のユーザが応募することができる。応募してきた複数のユーザは、相談相手候補として、相談相手を募集するユーザ(例えば、第1のユーザ)に提示されることになる。
【0033】
図1Cは、第1のユーザが使用する端末装置の表示部に表示される画面の一例を示す。図1Cは、第1のユーザが投稿した相談内容に対して応募してきた相談相手候補を表示する候補表示画面30を示す。
【0034】
候補表示画面30は、相談内容表示部31と、相談相手候補表示部32とを備えている。
【0035】
相談内容表示部31には、第1のユーザが投稿した相談内容が表示される。図1Aの相談内容入力画面10で、第1のユーザが、相談事を入力し、トピックとして「キャリア」を入力し、希望する対応として「話を聞いてほしい」を入力して投稿したので、相談内容表示部31には、その相談内容が表示されている。
【0036】
相談相手候補表示部32には、相談内容表示部31に表示されている相談内容に対して応募してきた相談相手候補が表示されている。相談相手候補表示部32には、応募してきた相談相手候補のユーザ名および属性(例えば、年代、職種、業種)も表示され得る。ここで、ユーザを本名ではなくユーザ名で、すなわち、匿名で表示することが好ましい。また、属性は、特定の企業および/または肩書を特定できないほどに十分に簡略的なものであることが好ましい。これにより、第1のユーザは、相談相手候補の属性(例えば、肩書)による偏見を持つことなく、相談相手を決定することができるからである。ここでは、2人のユーザ(ユーザ名が「SOVA」であるユーザおよびユーザ名が「FB守」であるユーザ)が、相談相手候補として表示されている。例えば、相談相手候補のアイコンを選択すると、その相談相手候補のプロフィールを閲覧することができる。例えば、アイコン35を選択すると、図1Dに示される画面に遷移し、ユーザ名が「FB守」であるユーザのプロフィールを閲覧することができるようになる。
【0037】
相談相手候補表示部32に表示される相談相手候補の各々には、「この人と1on1!」ボタン33、34が表示され、このボタンを選択することによって、相談相手が決定され、その相談相手との「1on1」が実行される。「1on1」において、第1のユーザは、相談相手に相談をすることができる。
【0038】
「1on1」は、このアプリケーション上で立ち上がる専用画面上で行われてもよいし、連携する別のアプリケーション上で行われてもよい。「1on1」は、例えば、音声のみを介したものであってもよいし、映像および音声(いわゆるビデオ通話またはテレビ電話)を介したものであってもよいし、テキストを介したものであってもよい。あるいは、「1on1」は、映像に代えて、ユーザまたは相談相手の動きに合わせて動くアバターを介したものであってもよい。
【0039】
なお、上述した例では、1対1のコミュニケーションである「1on1」において第1のユーザが相談相手に相談をすることを説明したが、1対多のコミュニケーションにおいて第1のユーザが複数の相談相手に相談をするようにしてもよい。この場合には、第1のユーザは、複数の相談相手を選択することになる。
【0040】
図1Dは、第1のユーザが使用する端末装置の表示部に表示される画面の一例を示す。図1Dは、相談相手候補のプロフィールを表示するプロフィール表示画面40を示す。
【0041】
プロフィール表示画面40は、自己紹介表示部41と、経歴表示部42とを備えている。
【0042】
自己紹介表示部41には、相談相手候補の自己紹介文が表示されている。自己紹介文は、例えば、利用登録時に設定するようにしてもよいし、利用登録後に設定または変更するようにしてもよい。
【0043】
経歴表示部42には、相談相手候補の経歴が表示されている。経歴は、例えば、利用登録時に入力された情報に基づいていてもよいし、利用登録後に入力または変更された情報に基づいていてもよい。
【0044】
図1Dに示される例では、プロフィール表示画面40には、年代、業種、職種、自己紹介文、経歴を含む、ユーザ名が「FB守」であるユーザのプロフィールが表示されている。
【0045】
ユーザは、相談相手候補のプロフィールを参照して、そのユーザに相談するか否かを決定することができる。
【0046】
上述した例では、相談のための相手(相談相手または被相談者)を決定することを例に説明したが、目的は相談に限られない。このアプリケーションは、任意のコミュニケーションの相手を検索するために利用されることができる。コミュニケーションは、例えば、相手から何かを学ぶためのコミュニケーション(例えば、部下に対する効果的な力の引き出し方を相手から学ぶためのコミュニケーション、円滑な会議の進め方や将来のキャリア形成の仕方を相手から学ぶためのコミュニケーション、効果的な受験勉強の仕方を相手から学ぶためのコミュニケーション、スキルアップのために、または、習い事として、知識または技能を相手から学ぶためのコミュニケーション等を含むが、これらに限定されない)であってもよい。
【0047】
上述した相談相手を決定するためのアプリケーションは、例えば、後述するコミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステムによって実装されてもよい。コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステムによって、ユーザがコミュニケーションをすべき相手、例えば、個人を支援し合うために最適なコミュニケーション相手を決定することができる。コンピュータシステムによって決定される、ユーザがコミュニケーションをすべき相手は、例えば、ユーザに相性がいい相手、ユーザの相談事に適切にアドバイスを提供することができる相手、ユーザが希望する対応にうまく応えることができる相手等であり、ユーザは、決定された相手と、満足度の高いコミュニケーションを行うことができる。
【0048】
2.コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステム
図2は、コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステム100の構成の一例を示す。
【0049】
コンピュータシステム100は、データベース部200に接続されている。また、コンピュータシステム100は、少なくとも1つの端末装置300にネットワーク400を介して接続されている。
【0050】
なお、図3では、3つの端末装置300が示されているが、端末装置300の数はこれに限定されない。任意の数の端末装置300が、ネットワーク400を介してシステム100に接続され得る。
【0051】
ネットワーク400は、任意の種類のネットワークであり得る。ネットワーク400は、例えば、インターネットであってもよいし、LANであってもよい。ネットワーク400は、有線ネットワークであってもよいし、無線ネットワークであってもよい。
【0052】
コンピュータシステム100は、例えば、相談相手を決定するためのアプリケーション、または、相談相手を決定して、決定された相手との相談を可能にするアプリケーションを提供するサービスプロバイダに設置されているコンピュータ(例えば、サーバ装置)であり得る。端末装置300は、ユーザおよびユーザとのコミュニケーションの相手が利用するコンピュータ(例えば、端末装置)であり得る。例えば、上述した例では、端末装置300のうちの1つが、相談者であるユーザ(例えば、上述した例における第1のユーザ)が利用するコンピュータであり、端末装置300のうちの別の1つが、相談相手候補のうちの1人(例えば、上述した例における第2のユーザ)が利用するコンピュータであり得る。ここで、コンピュータ(サーバ装置または端末装置)は、任意のタイプのコンピュータであり得る。例えば、端末装置は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、スマートグラス、スマートウォッチ等の任意のタイプの端末装置であり得る。
【0053】
コンピュータシステム100は、インターフェース部110と、プロセッサ部120と、メモリ130部とを備える。コンピュータシステム100は、データベース部200に接続されている。
【0054】
インターフェース部110は、コンピュータシステム100の外部と情報のやり取りを行う。コンピュータシステム100のプロセッサ部120は、インターフェース部110を介して、コンピュータシステム100の外部から情報を受信することが可能であり、コンピュータシステム100の外部に情報を送信することが可能である。インターフェース部110は、任意の形式で情報のやり取りを行うことができる。ユーザが使用する端末装置300およびユーザとのコミュニケーションの相手が使用する端末装置300は、インターフェース部110を介して、コンピュータシステム100と通信することができる。
【0055】
インターフェース部110は、例えば、コンピュータシステム100に情報を入力することを可能にする入力部を備える。入力部が、どのような態様でコンピュータシステム100に情報を入力することを可能にするかは問わない。例えば、入力部が受信器である場合、受信器がネットワークを介してコンピュータシステム100の外部から情報を受信することにより入力してもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。例えば、受信器は、インターネットを介して情報を受信してもよいし、LANを介して情報を受信してもよい。
【0056】
インターフェース部110は、例えば、ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信することができる。例えば、ユーザが自身の端末装置300に、希望するコミュニケーションの内容を入力すると、インターフェース部110は、その内容をユーザの端末装置300から受信することができる。希望するコミュニケーションの内容は、例えば、コミュニケーションにおいてユーザが話題としたいトピック、および/または、コミュニケーションにおいてユーザが相手に希望する対応を含む。希望するコミュニケーションの内容は、例えば、相談したいことまたは困っていることを含んでもよい。より具体的には、希望するコミュニケーションの内容は、例えば、仕事における相談事または仕事において困っていることを含み得る。
【0057】
インターフェース部110は、例えば、ユーザが希望するキャリアの内容を受信することができる。例えば、ユーザが自身の端末装置300に、希望するキャリアの内容を入力すると、インターフェース部110は、その内容をユーザの端末装置300から受信することができる。希望するキャリアの内容は、例えば、1年後になりたい職種または職位、3年後になりたい職種または職位、5年後になりたい職種または職位、10年後になりたい職種または職位、20年後になりたい職種または職位等であってもよいし、例えば、1年後までに積みたい経験、3年後までに積みたい経験、5年後までに積みたい経験、10年後までに積みたい経験、20年後までに積みたい経験等であってもよいし、これらの任意の組み合わせであってもよい。
【0058】
インターフェース部110は、例えば、第1のユーザとのコミュニケーションのリクエストの承諾を受信することができる。リクエストの承諾は、第1のユーザとのコミュニケーションの相手として決定された少なくとも1人の相談相手候補(例えば、第2のユーザ)に対して送信された、第1のユーザとのコミュニケーションのリクエストに応答したものであり得る。少なくとも1人の相談相手候補は、例えば、自身の端末装置300から、リクエストの承諾を送信することができる。
【0059】
インターフェース部110は、例えば、コンピュータシステム100から情報を出力することを可能にする出力部を備える。出力部が、どのような態様でコンピュータシステム100から情報を出力することを可能にするかは問わない。例えば、出力部が送信器である場合、送信器がネットワークを介してコンピュータシステム100の外部に情報を送信することにより出力してもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。例えば、送信器は、インターネットを介して情報を送信してもよいし、LANを介して情報を送信してもよい。
【0060】
インターフェース部110は、例えば、第1のユーザとのコミュニケーションの相手として決定された少なくとも1人の相談相手候補(例えば、第2のユーザ)に対して、第1のユーザとのコミュニケーションのリクエストを送信することができる。少なくとも1人の相談相手候補は、例えば、自身の端末装置300でリクエストを受信することができる。
【0061】
インターフェース部110は、例えば、上記リクエストを承諾した少なくとも1人の相談相手候補(例えば、第2のユーザ)を第1のユーザに提示するために、少なくとも1人の相談相手候補のリストを第1のユーザに送信することができる。第1のユーザは、例えば、自身の端末装置300でリストを受信することができる。
【0062】
プロセッサ部120は、コンピュータシステム100の処理を実行し、かつ、コンピュータシステム100全体の動作を制御する。プロセッサ部120は、メモリ部130に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム100を所望のステップを実行するシステムとして機能させることが可能である。プロセッサ部120は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
【0063】
メモリ部130は、コンピュータシステム100の処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等を格納する。メモリ部130は、コミュニケーションの相手を決定するための処理をプロセッサ部120に行わせるためのプログラム(例えば、後述する図6Aおよび図6Bに示される処理を実現するプログラム)を格納してもよい。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部130に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部130にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、ネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部130にインストールされるようにしてもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。メモリ部130は、任意の記憶手段によって実装され得る。あるいは、プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を読み取ることによってメモリ部130にインストールされるようにしてもよい。
【0064】
データベース部200には、コミュニケーションの相手を決定するための処理に利用され得る種々の情報が格納されている。
【0065】
データベース部200には、アプリケーションを利用する際にユーザが入力した情報が格納され得る。データベース部200には、例えば、ユーザの職務に関する情報、ユーザの個人情報、および、ログイン情報(ユーザ名、パスワード等)等がユーザ毎に格納され得る。さらに、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果も、各ユーザの情報に関連付けられて格納され得る。ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果は、コミュニケーションの相手の識別子およびコミュニケーションの評価を含み得る。コミュニケーションの評価は、その相手とのコミュニケーションの後に入力された評価である。コミュニケーションの評価は、例えば、その相手とのコミュニケーションに満足したか否かの2段階評価であってもよいし、その相手とのコミュニケーションに満足した度合を示す多段階評価であってもよい。ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果は、そのコミュニケーションにおいて、相談者が入力したトピックおよび希望する対応も含み得る。
【0066】
図3は、データベース部200に格納されている各ユーザの情報のデータ構成の一例を示す。
【0067】
データベース部200には、各ユーザの情報がユーザ毎のユーザIDに関連付けられて格納されている。ユーザの情報は、ユーザ名、パスワード、性別、年齢等のユーザの個人情報に加えて、職業、職種等のユーザの職務に関する情報を含む。さらに、各ユーザのIDには、過去に行ったコミュニケーションの結果も関連付けられて格納されている。過去に行ったコミュニケーションの結果は、コミュニケーションが行われた時刻、コミュニケーションの相手のユーザID、コミュニケーションが相手への相談であったか相手からの相談であったかの識別子(相談/被相談)、相談者が入力したトピックおよび希望する対応、コミュニケーションが相手への相談であった場合の相手への評価またはコミュニケーションが相手からの相談であった場合の相手からの評価を含む。
【0068】
図3に示される例では、データベース部200には、ユーザID「AAAA」に、そのユーザの個人情報、そのユーザの職務に関する情報、そのユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果が関連付けられて格納されており、ユーザID「CDEF]およびユーザID「STUV」についても同様に格納されている。データベース部200に格納されている情報から、ユーザ「AAAA」が、9月23日14:00にユーザ「CDEF」に「キャリア」について「意見を聞きたい」という対応を希望して相談をし、そのときのコミュニケーションが5段階のうちの5であると評価したこと、ユーザ「AAAA」が、9月22日18:05にユーザ「OPQR」から「人間関係」について「話を聞いてほしい」という対応を希望されて相談を受け、そのときのコミュニケーションが5段階のうちの1であるとユーザ「OPQR」から評価されたこと、ユーザ「AAAA」が、9月19日19:30にユーザ「STUV」に「仕事の進め方」について「議論したい」という対応を希望して相談をし、そのときのコミュニケーションが5段階のうちの3であると評価したこと等がわかる。これの裏返しで、ユーザ「CDEF」が、9月23日14:00にユーザ「AAAA」から「キャリア」について「意見を聞きたい」という対応を希望されて相談を受け、そのときのコミュニケーションが5段階のうちの5であるとユーザ「AAAA」から評価されたこと、ユーザ「OPQR」が、9月22日18:05にユーザ「AAAA」に「人間関係」について「話を聞いてほしい」という対応を希望して相談し、そのときのコミュニケーションが5段階のうちの1であると評価したこと、ユーザ「STUV」が、9月19日19:30にユーザ「AAAA」から「仕事の進め方」について「議論したい」という対応を希望されて相談を受け、そのときのコミュニケーションが5段階のうちの3であるとユーザ「AAAA」から評価されたこと等もわかり、これらのことは、ユーザID「CDEF」、ユーザID「OPQR」、ユーザID「STUV」にも同様に関連付けられて格納されている。
【0069】
このようなデータベース部200を参照することで、特定のユーザによる評価が高いユーザ(例えば、満足度が高いと評価されたユーザ、評価点数が平均値より高いと評価されたユーザ等)がどのユーザであるかを特定し、そのユーザがどのような特徴(例えば、性別、年齢、職務に関する特徴等)を有しているかを特定することができる。好ましくは、特定のトピックおよび/または希望する対応下での特定のユーザとのコミュニケーションに関して特定のユーザによる評価が高いユーザ(例えば、満足度が高いと評価されたユーザ、評価点数が平均値より高いと評価されたユーザ等)がどのユーザであるかを特定し、そのユーザがどのような特徴(例えば、性別、年齢、職務に関する特徴等)を有しているかを特定することができる。
【0070】
同様に、このようなデータベース部200を参照することで、特定のユーザによる評価が低いユーザ(例えば、満足度が低いと評価されたユーザ、評価点数が平均値より低いと評価されたユーザ等)がどのユーザであるかを特定し、そのユーザがどのような特徴(例えば、性別、年齢、職務に関する特徴等)を有しているかを特定することもできる。好ましくは、特定のユーザとの特定のトピックおよび/または希望する対応下での特定のユーザとのコミュニケーションに関して特定のユーザによる評価が低いユーザ(例えば、満足度が低いと評価されたユーザ、評価点数が平均値より低いと評価されたユーザ等)がどのユーザであるかを特定し、そのユーザがどのような特徴(例えば、性別、年齢、職務に関する特徴等)を有しているかを特定することができる。
【0071】
さらに、このようなデータベース部200を参照することで、特定のユーザを高く評価したユーザ(例えば、満足度が高いと評価したユーザ、評価点数が平均値より高いと評価したユーザ等)がどのユーザであるかを特定し、そのユーザがどのような特徴(例えば、性別、年齢、職務に関する特徴等)を有しているかを特定することができる。好ましくは、特定のユーザとの特定のトピックおよび/または希望する対応下での特定のユーザとのコミュニケーションに関して特定のユーザを高く評価したユーザ(例えば、満足度が高いと評価したユーザ、評価点数が平均値より高いと評価したユーザ等)がどのユーザであるかを特定し、そのユーザがどのような特徴(例えば、性別、年齢、職務に関する特徴等)を有しているかを特定することができる。
【0072】
同様に、このようなデータベース部200を参照することで、特定のユーザを低く評価したユーザ(例えば、満足度が低いと評価したユーザ、評価点数が平均値より低いと評価したユーザ等)がどのユーザであるかを特定し、そのユーザがどのような特徴(例えば、性別、年齢、職務に関する特徴等)を有しているかを特定することもできる。好ましくは、特定のユーザとの特定のトピックおよび/または希望する対応下での特定のユーザとのコミュニケーションに関して特定のユーザを低く評価したユーザ(例えば、満足度が低いと評価したユーザ、評価点数が平均値より低いと評価したユーザ等)がどのユーザであるかを特定し、そのユーザがどのような特徴(例えば、性別、年齢、職務に関する特徴等)を有しているかを特定することができる。
【0073】
さらに、このようなデータベース部200を参照することで、特定のユーザに類似する他のユーザを特定することができる。ここで、特定のユーザに類似する他のユーザとは、特定のユーザが有する特徴の少なくとも一部と同一の特徴を有する他のユーザのことを言う。好ましくは、特定のユーザに類似する他のユーザは、特定のユーザと同一の職種を有するまたは有していたユーザであり得る。より好ましくは、特定のユーザに類似するユーザは、特定のユーザと同一の職種および同一の従業員規模の企業に所属しているまたは所属していたユーザであり得る。さらに好ましくは、特定のユーザに類似するユーザは、特定のユーザと同年代(特定のユーザの年齢±5歳)でありかつ同一の職種および/または同一の従業員規模の企業に所属しているユーザ、または、特定のユーザと同年代のときに同一の職種および/または同一の従業員規模の企業に所属していたユーザであり得る。特定のユーザに類似するユーザは、例えば、特定のユーザが希望するキャリア(例えば、ユーザが将来なりたい職種や状態)と同一のキャリアを有するユーザであってもよい。特定のユーザに類似するユーザは、例えば、特定のユーザが付けたい力と同一の力を有するユーザであってもよい。
【0074】
図2に示される例では、データベース部200は、コンピュータシステム100の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部200をコンピュータシステム100の内部に設けることも可能である。このとき、データベース部200は、メモリ部130を実装する記憶手段と同一の記憶手段によって実装されてもよいし、メモリ部130を実装する記憶手段とは別の記憶手段によって実装されてもよい。いずれにせよ、データベース部200は、コンピュータシステム100のための格納部として構成される。データベース部200の構成は、特定のハードウェア構成に限定されない。例えば、データベース部200は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部200は、コンピュータシステム100の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。
【0075】
図4は、端末装置300の構成の一例を示す。
【0076】
端末装置300は、インターフェース部310と、入力部320と、表示部330と、メモリ部340と、プロセッサ部350と、撮像部360と、音声出力部370とを備える。
【0077】
インターフェース部310は、ネットワーク400を介した通信を制御する。端末装置300のプロセッサ部350は、インターフェース部310を介して、端末装置300の外部から情報を受信することが可能であり、端末装置300の外部に情報を送信することが可能である。インターフェース部310は、任意の方法で通信を制御し得る。
【0078】
入力部320は、ユーザが情報を端末装置300に入力することを可能にする。入力部320が、どのような態様で、ユーザが情報を端末装置300に入力することを可能にするかは問わない。例えば、入力部320がタッチパネルである場合には、ユーザがタッチパネルにタッチすることによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部320がマウスである場合には、ユーザがマウスを操作することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部320がキーボードである場合には、ユーザがキーボードのキーを押下することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がマイクである場合には、ユーザがマイクに音声を入力することによって情報を入力するようにしてもよい。あるいは、入力部がデータ読み取り装置である場合には、コンピュータシステム100に接続された記憶媒体から情報を読み取ることによって情報を入力するようにしてもよい。
【0079】
表示部330は、情報を表示するための任意のディスプレイであり得る。例えば、表示部330には、図1A図1C図1Dに示される画面または図1Bに示される画面が表示される。
【0080】
メモリ部340には、端末装置300における処理を実行するためのプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等が格納されている。メモリ部340には、例えば、コミュニケーションの相手を決定するための処理のためのアプリケーションが格納されている。メモリ部340には、任意の機能を実装するアプリケーションが格納されていてもよい。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部340に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部340にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、ネットワーク400を経由してダウンロードされることによってメモリ部340にインストールされるようにしてもよい。メモリ部340は、任意の記憶手段によって実装され得る。
【0081】
プロセッサ部350は、端末装置300全体の動作を制御する。プロセッサ部350は、メモリ部340に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、端末装置300を所望のステップを実行する装置として機能させることが可能である。プロセッサ部350は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
【0082】
撮像部360は、静止画または動画を撮影することが可能な任意の手段である。音声入力部360は、例えば、カメラである。カメラは、端末装置300に内蔵のカメラであってもよいし、端末装置300に取り付けられる外部カメラであってもよい。
【0083】
音声出力部370は、音声を出力するための任意の手段である。音声出力部370は、例えば、スピーカーである。
【0084】
図4に示される例では、端末装置300の各構成要素が端末装置300内に設けられているが、本発明はこれに限定されない。端末装置300の各構成要素のいずれかが端末装置300の外部に設けられることも可能である。例えば、入力部320、表示部330、メモリ部340、プロセッサ部350、撮像部360、音声出力部370のそれぞれが別々のハードウェア部品で構成されている場合には、各ハードウェア部品が任意のネットワークを介して接続されてもよい。このとき、ネットワークの種類は問わない。各ハードウェア部品は、例えば、LANを介して接続されてもよいし、無線接続されてもよいし、有線接続されてもよい。端末装置300は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、プロセッサ部350をデジタル回路ではなくアナログ回路によって構成することも本発明の範囲内である。端末装置300の構成は、その機能を実現できる限りにおいて上述したものに限定されない。
【0085】
図5Aは、プロセッサ部120の構成の一例を示す。
【0086】
プロセッサ部120は、受信手段121と、特定手段122と、決定手段123とを備える。
【0087】
受信手段121は、ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信するように構成されている。受信手段121は、例えば、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100の外部から取得された、ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信することができる。ユーザが希望するコミュニケーションの内容は、例えば、図1Aに示される相談内容入力画面10にユーザが入力した相談内容であり得る。ユーザが希望するコミュニケーションの内容は、コミュニケーションにおいてユーザが話題としたいトピック、および/または、コミュニケーションにおいてユーザが相手に希望する対応を含む。
【0088】
例えば、コミュニケーションの目的が、仕事に関する困りごとを相談することである場合には、コミュニケーションにおいてユーザが話題としたいトピックは、仕事に関するトピック(例えば、仕事上の人間関係、仕事の進め方、キャリア等)であり得る。
【0089】
コミュニケーションにおいてユーザが相手に希望する対応は、例えば、具体的な行動であってもよいし、具体的な態度であってもよい。一例において、希望する対応は、例えば、「具体的なアドバイスがほしい」、「一緒に考えてほしい」、「話を聞いてほしい」、「意見を聞きたい」、「議論したい」等であり得る。
【0090】
受信手段121が受信したユーザが希望するコミュニケーションの内容は、特定手段122に渡される。
【0091】
受信手段121は、さらに、ユーザが希望するキャリアの内容をさらに受信することができる。受信手段121は、例えば、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100の外部から取得された、ユーザが希望するキャリアの内容を受信することができる。ユーザが希望するキャリアの内容は、例えば、上述したように、相談相手を決定するためのアプリケーションを利用するための利用登録を行う際にユーザが入力した内容であり得る。希望するキャリアの内容は、例えば、1年後になりたい職種または職位、3年後になりたい職種または職位、5年後になりたい職種または職位、10年後になりたい職種または職位、20年後になりたい職種または職位等であってもよいし、例えば、1年後までに積みたい経験、3年後までに積みたい経験、5年後までに積みたい経験、10年後までに積みたい経験、20年後までに積みたい経験等であってもよいし、これらの任意の組み合わせであってもよい。
【0092】
受信手段121が受信したユーザが希望するキャリアの内容は、決定手段123に渡される。
【0093】
特定手段122は、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果および/またはユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定するように構成されている。
【0094】
例えば、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果がデータベース部200に格納されていない場合(例えば、相談相手を決定するためのアプリケーションをユーザが初めて利用する場合)、特定手段122は、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果がデータベース部200に格納されていないことを判断し、ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定することができる。これにより、相談相手を決定するためのアプリケーションをユーザが初めて利用する場合であっても、特定手段122は、適切な相手を特定することができる。
【0095】
特定手段122は、例えば、各ユーザの特徴を格納しているデータベース部200を参照することで、ユーザに類似する他のユーザを特定することができる。特定手段122は、例えば、ユーザが有する特徴(例えば、年齢、性別、職務に関する特徴)の少なくとも一部と同一の特徴を有するユーザをデータベース部200から検索することができる。
【0096】
例えば、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果がデータベース部200に格納されている場合(例えば、相談相手を決定するためのアプリケーションをユーザが利用したことがある場合)、特定手段122は、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果がデータベース部200に格納されていることを判断し、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果および/またはユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定することができる。例えば、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果がデータベース部200に十分な量格納されていない場合には、特定手段122は、ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、または、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果およびユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定することができる。これにより、相談相手を決定するためのアプリケーションをユーザがあまり利用していない場合であっても、特定手段122は、適切な相手を特定することができる。例えば、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果がデータベース部200に十分な量格納されている場合には、特定手段122は、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定することができる。
【0097】
特定手段122は、例えば、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果および/またはユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果を格納しているデータベース部200を参照することで、ユーザによる評価が高い他のユーザ(例えば、満足度が高いとユーザが評価した他のユーザ、評価点数が平均値より高いとユーザが評価した他のユーザ等)を特定し、そのユーザが有している特徴を特定することができる。この特徴は、ユーザが高い評価をすると予期される相手が有する特徴であると考えられるため、ユーザとのコミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴とみなすことができる。
【0098】
第1の特徴は、例えば、性別、年齢、および/または職務に関する特徴を含むがこれらに限定されない。好ましくは、第1の特徴は、職務に関する特徴を含む。職務に関する情報は、例えば、職業、キャリア、勤務する企業の情報等を含むがこれらに限定されない。好ましくは、職務に関する情報は、キャリアを含む。職務に関する情報がキャリアを含むことで、後述するように、ユーザが希望するキャリアの内容に基づいて、少なくとも1人の相手を決定することができるようになる。
【0099】
例えば、特定手段122によって、ユーザによる評価が高い他のユーザが複数特定された場合には、複数のユーザが有しているそれぞれの特徴を第1の特徴としてもよいし、複数のユーザの一部または全部が共通して有している特徴を第1の特徴としてもよいし。
【0100】
例えば、ユーザによる評価が高いユーザAが、男性、30代、営業職、飲食業という特徴を有し、ユーザによる評価が高いユーザBが、男性、50代、営業職、製造業という特徴を有していた場合、特定手段122は、例えば、男性、30代または50代、営業職、および、飲食業または製造業を第1の特徴としてもよいし、男性および営業職を第1の特徴としてもよい。
【0101】
決定手段123は、ユーザが希望するコミュニケーションの内容と第1の特徴とに基づいて、少なくとも1人の相手を決定するように構成されている。決定手段123は、例えば、第1の特徴を有する人物であって、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができる人物を少なくとも1人の相手として決定することができる。ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができる人物は、例えば、ユーザが話題としたいトピックと同一のトピック下のコミュニケーションの経験を有する人物であってもよいし、ユーザが希望する対応と同一の対応を要求されたコミュニケーションの経験を有する人物であってもよいし、ユーザが話題としたいトピックと同一のトピック下で、ユーザが希望する対応と同一の対応を要求されたコミュニケーションの経験を有する人物であってもよい。好ましくは、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができる人物は、ユーザが話題としたいトピックと同一のトピック下のコミュニケーションで高い評価を得たことがある人物であってもよいし、ユーザが希望する対応と同一の対応を要求されたコミュニケーションで高い評価を得たことがある人物であってもよいし、ユーザが話題としたいトピックと同一のトピック下で、ユーザが希望する対応と同一の対応を要求されたコミュニケーションで高い評価を得たことがある人物であってもよい。
【0102】
決定手段123は、過去のコミュニケーションの結果を格納しているデータベース部200を参照することで、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができる人物を特定することができる。
【0103】
決定手段123は、例えば、データベース部200を参照し、第1の特徴を有している人物を抽出し、抽出された人物を、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができる人物に絞り込むことによって、少なくとも1人の相手を決定することができる。あるいは、決定手段123は、例えば、データベース部200を参照し、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができる人物を抽出し、抽出された人物を、第1の特徴を有している人物に絞り込むことによって、少なくとも1人の相手を決定することができる。あるいは、決定手段123は、例えば、データベース部200を参照し、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができ、かつ、第1の特徴を有している人物を抽出し、抽出された人物を少なくとも1人の相手として決定することができる。
【0104】
このようにして決定された少なくとも1人の相手は、ユーザが高い評価をすると予期される相手であり、ユーザは、その相手とコミュニケーションを行うことで、満足度の高いコミュニケーションを行うことができることが見込まれる。
【0105】
一実施形態において、決定手段123は、ユーザが希望するコミュニケーションの内容と第1の特徴とに加えて、ユーザが希望するキャリアの内容にさらに基づいて、少なくとも1人の相手を決定することができる。決定手段123は、例えば、ユーザが希望するキャリアの内容の少なくとも一部と一致するキャリアを有する人物を少なくとも1人の相手として決定することができる。好ましくは、決定手段123は、ユーザが希望するキャリアの内容の全部と一致するキャリアを有する人物を少なくとも1人の相手として決定することができる。これにより、ユーザは、ユーザが将来なりたいキャリア像を実現している相手とコミュニケーションを行うことができるようになる。ユーザは、ユーザが将来なりたいキャリア像を実現している相手の考え方に触れることで、これを自身のキャリア形成に役立てることができる。
【0106】
決定手段123によって複数の相手が決定された場合には、複数の相手をユーザのコミュニケーションの相手としてもよいし、複数の相手を相手候補として、複数の相手候補から少なくとも1人の相手を絞り込むようにしてもよい。
【0107】
複数の相手候補から少なくとも1人の相手を絞り込む実施形態において、決定手段123は、まず、上述したように、ユーザが希望するコミュニケーションの内容と第1の特徴とに基づいて、複数の相手候補を抽出する。次いで、決定手段123は、複数の相手候補の各相手候補について、その相手候補が過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、その相手候補とのコミュニケーションにおいて他方の人物が有するべき第2の特徴を決定する。決定手段123は、例えば、各相手候補が過去に行ったコミュニケーションの結果を格納しているデータベース部200を参照することで、特定の相手候補を高く評価した他のユーザ(例えば、満足度が高いと当該相手候補を評価した他のユーザ、評価点数が平均値より高いと当該相手候補を評価した他のユーザ等)を特定し、そのユーザが有している特徴を特定することができる。この特徴は、当該相手候補を高く評価すると予期される人物が有する特徴であると考えられるため、当該相手候補とのコミュニケーションにおいて他方が有するべき第2の特徴とみなすことができる。
【0108】
第2の特徴は、例えば、性別、年齢、および/または職務に関する特徴を含むがこれらに限定されない。好ましくは、第2の特徴は、職務に関する特徴を含む。職務に関する情報は、例えば、職業、キャリア、勤務する企業の情報等を含むがこれらに限定されない。
【0109】
例えば、決定手段123によって、特定の相手候補に対する評価が高い人物が複数特定された場合には、複数の人物が有しているそれぞれの特徴を第2の特徴としてもよいし、複数の人物の一部または全部が共通して有している特徴を第2の特徴としてもよい。
【0110】
例えば、特定の相手候補への評価が高いユーザCが、女性、40代、営業職、製造業という特徴を有し、当該相手候補への評価が高いユーザDが、女性、50代、開発職、製造業という特徴を有していた場合、決定手段123は、例えば、女性、40代または50代、営業職または開発職、および、製造業を第2の特徴としてもよいし、女性および製造業を第2の特徴としてもよい。
【0111】
決定手段123は、複数の相手候補のそれぞれの第2の特徴を特定した後、それぞれの第2の特徴をユーザが有するか否かに基づいて、複数の相手候補の中から少なくとも1人の相手を決定することができる。
【0112】
例えば、第1の相手候補の第2の特徴が、女性および製造業であると特定され、第2の相手候補の第2の特徴が、男性、20代、および開発職であると特定され、第3の相手候補の第2の特徴が、40代および飲食業であると特定された場合に、ユーザが、男性、20代、開発職、製造業という特徴を有しているときには、第1の相手候補~第3の相手候補のうち、第2の相手候補が少なくとも1人の相手として決定され得る。
【0113】
このようにして決定された少なくとも1人の相手は、ユーザが高い評価をすると予期される相手であり、かつ、ユーザから高い評価を得られると予期される相手であり得る。ユーザは、その相手とコミュニケーションを行うことで、満足度の高いコミュニケーションを行うことができることが大いに見込まれる。
【0114】
図5Bは、プロセッサ部120の代替実施形態であるプロセッサ部120’の構成の一例を示す。プロセッサ部120’は、リクエスト手段124および提示手段125を備える点を除いて、プロセッサ部120と同様の構成を有する。プロセッサ部120’は、決定された少なくとも1人の相手にリクエストを送り、リクエストを承諾した相手をユーザに提示することができる。図5Bでは、図5Aに示される構成要素と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0115】
プロセッサ部120’は、受信手段121’と、特定手段122と、決定手段123と、リクエスト手段124と、提示手段125とを備える。
【0116】
リクエスト手段124は、決定手段123によって決定された少なくとも1人の相手に、ユーザとのコミュニケーションのリクエストを送るように構成されている。リクエスト手段124は、例えば、決定手段123によって決定された少なくとも1人の相手に、インターフェース部110を介して、ユーザとのコミュニケーションのリクエストを送信することができる。ユーザとのコミュニケーションのリクエストには、ユーザが希望するコミュニケーションの内容が含まれる。少なくとも1人の相手の端末装置300がこのリクエストを受信すると、例えば、図1Bに示される募集内容表示画面20に、ユーザが希望するコミュニケーションの内容が表示されることになる。
【0117】
ユーザとのコミュニケーションのリクエストでは、ユーザが匿名で示されることが好ましく、ユーザの属性が、特定の企業および/または肩書を特定できないほどに十分に簡略的なものであることが好ましい。これにより、ユーザの個人情報を保護することができるとともに、リクエストを受けた人物が、ユーザの本名または属性による偏見を持つことなく、リクエストを承諾するか否かを判断することができるからである。
【0118】
リクエストを受けた少なくとも1人の相手がリクエストを承諾する場合、少なくとも1人の相手の端末装置300からリクエストの承諾がコンピュータシステム100に送信される。
【0119】
受信手段121’は、受信手段121と同様の構成を有しており、さらに、少なくとも1人の相手から送信されたリクエストの承諾を受信することができるように構成されている。受信されたリクエストの承諾は、提示手段125に渡される。
【0120】
提示手段125は、リクエストの承諾に応答して、リクエストを承諾した少なくとも1人の相手をコミュニケーションの相手としてユーザに提示するように構成されている。提示手段125は、例えば、インターフェース部110を介して、リクエストを承諾した少なくとも1人の相手のリストをユーザに送信することができる。ユーザの端末装置300がこのリストを受信すると、例えば、図1Cに示される候補表示画面30に、ユーザとのコミュニケーションの相手が表示されることになる。
【0121】
ユーザに提示されるとき、少なくとも1人の相手が匿名で示されることが好ましく、少なくとも1人の相手の属性が、特定の企業および/または肩書を特定できないほどに十分に簡略的なものであることが好ましい。これにより、少なくとも1人の相手の個人情報を保護することができるとともに、ユーザが、少なくとも1人の相手の本名または属性による偏見を持つことなく、どの相手とコミュニケーションを行うかを判断することができるからである。
【0122】
ユーザが、提示された少なくとも1人の相手のうちの1人または複数人を選択すると、選択された相手とのコミュニケーションが開始される。
【0123】
ユーザに提示されるコミュニケーションの相手は、既に承諾が得られている相手であるため、提示された少なくとも1人の相手のうちの1人または複数人を選択した後に、コミュニケーションを拒否されることがほとんどない。ユーザは、ユーザが高い評価をすると予期される相手と、あるいは、ユーザが高い評価をすると予期される相手であり、かつ、ユーザから高い評価を得られると予期される相手と、コミュニケーションを行うことで、満足度の高いコミュニケーションを行うことができることが見込まれる。
【0124】
なお、上述したコンピュータシステム100の各構成要素は、単一のハードウェア部品で構成されていてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されていてもよい。複数のハードウェア部品で構成される場合は、各ハードウェア部品が接続される態様は問わない。各ハードウェア部品は、無線で接続されてもよいし、有線で接続されてもよい。本発明のコンピュータシステム100は、特定のハードウェア構成には限定されない。プロセッサ部120、120’をデジタル回路ではなくアナログ回路によって構成することも本発明の範囲内である。本発明のコンピュータシステム100の構成は、その機能を実現できる限りにおいて上述したものに限定されない。
【0125】
3.コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステムによる処理
図6Aは、コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステム100による処理600の一例を示すフローチャートである。処理600は、コンピュータシステム100のプロセッサ部120またはプロセッサ部120’において実行される。以下では、処理600がプロセッサ部120において実行される場合を例に説明する。
【0126】
ステップS601では、プロセッサ部120の受信手段121が、ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信する。受信手段121は、例えば、インターフェース部110を介してコンピュータシステム100の外部から取得された、ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信することができる。ユーザが希望するコミュニケーションの内容は、例えば、図1Aに示される相談内容入力画面10にユーザが入力した相談内容であり得る。ユーザが希望するコミュニケーションの内容は、コミュニケーションにおいてユーザが話題としたいトピック、および/または、コミュニケーションにおいてユーザが相手に希望する対応を含む。
【0127】
コミュニケーションにおいてユーザが相手に希望する対応は、例えば、具体的な行動であってもよいし、具体的な態度であってもよい。一例において、希望する対応は、例えば、「具体的なアドバイスがほしい」、「一緒に考えてほしい」、「話を聞いてほしい」、「意見を聞きたい」、「議論したい」等であり得る。
【0128】
受信された、ユーザが希望するコミュニケーションの内容は、特定手段122に渡される。
【0129】
ステップS601では、受信手段121は、さらに、ユーザが希望するキャリアの内容を受信してもよい。受信された、ユーザが希望するキャリアの内容は、決定手段123に渡される。
【0130】
ステップS602では、プロセッサ部120の特定手段122が、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果および/またはユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定する。
【0131】
特定手段122は、まず、データベース部200を参照し、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果がデータベース部200に格納されているか否かを判定する。ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果がデータベース部200に格納されていると判定された場合(例えば、相談相手を決定するためのアプリケーションをユーザが利用したことがある場合)、特定手段122は、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果および/またはユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定することになる。ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果がデータベース部200に格納されていないと判定された場合(例えば、相談相手を決定するためのアプリケーションをユーザが初めて利用する場合)、特定手段122は、ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定することになる。
【0132】
ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定することになった場合、特定手段122は、例えば、各ユーザの特徴を格納しているデータベース部200を参照することで、ユーザに類似する他のユーザを特定することができる。特定手段122は、例えば、ユーザが有する特徴(例えば、年齢、性別、職務に関する特徴)の少なくとも一部と同一の特徴を有するユーザを特定することができる。
【0133】
特定手段122は、例えば、ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果および/またはユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果を格納しているデータベース部200を参照することで、ユーザによる評価が高い他のユーザ(例えば、満足度が高いとユーザが評価した他のユーザ、評価点数が平均値より高いとユーザが評価した他のユーザ等)を特定し、そのユーザが有している特徴を特定することができる。この特徴は、ユーザが高い評価をすると予期される相手が有する特徴であると考えられるため、ユーザとのコミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴とみなすことができる。
【0134】
例えば、特定手段122によって、ユーザによる評価が高い他のユーザが複数特定された場合には、複数のユーザが有しているそれぞれの特徴を第1の特徴としてもよいし、複数のユーザの一部または全部が共通して有している特徴を第1の特徴としてもよいし。
【0135】
ステップS603では、プロセッサ部120の決定手段123が、ユーザが希望するコミュニケーションの内容と第1の特徴とに基づいて、少なくとも1人の相手を決定する。決定手段123は、例えば、第1の特徴を有する人物であって、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができる人物を少なくとも1人の相手として決定することができる。
【0136】
決定手段123は、過去のコミュニケーションの結果を格納しているデータベース部200を参照することで、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができる人物を特定することができる。
【0137】
決定手段123は、例えば、データベース部200を参照し、第1の特徴を有している人物を抽出し、抽出された人物を、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができる人物に絞り込むことによって、少なくとも1人の相手を決定することができる。あるいは、決定手段123は、例えば、データベース部200を参照し、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができる人物を抽出し、抽出された人物を、第1の特徴を有している人物に絞り込むことによって、少なくとも1人の相手を決定することができる。あるいは、決定手段123は、例えば、データベース部200を参照し、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができ、かつ、第1の特徴を有している人物を抽出し、抽出された人物を少なくとも1人の相手として決定することができる。
【0138】
このようにして決定された少なくとも1人の相手は、ユーザが高い評価をすると予期される相手であり、ユーザは、その相手とコミュニケーションを行うことで、満足度の高いコミュニケーションを行うことができることが見込まれる。
【0139】
ステップS601でユーザが希望するキャリアの内容も受信された場合、ステップS603では、決定手段123は、ユーザが希望するコミュニケーションの内容と第1の特徴とに加えて、ユーザが希望するキャリアの内容にさらに基づいて、少なくとも1人の相手を決定することができる。決定手段123は、例えば、ユーザが希望するキャリアの内容の少なくとも一部と一致するキャリアを有する人物を少なくとも1人の相手として決定することができる。好ましくは、決定手段123は、ユーザが希望するキャリアの内容の全部と一致するキャリアを有する人物を少なくとも1人の相手として決定することができる。これにより、決定される少なくとも1人の相手は、ユーザが将来なりたいキャリア像を実現している相手となる。この相手とコミュニケーションを行うことで、ユーザは、ユーザが将来なりたいキャリア像を実現している相手の考え方に触れることができ、これを自身のキャリア形成に役立てることができる。
【0140】
図6Bは、複数の相手候補から少なくとも1人の相手を絞り込む実施形態におけるステップS603の処理のフローチャートを示す。ステップS603は、上述したように、プロセッサ部120またはプロセッサ部120’の決定手段123によって実行される。
【0141】
ステップS6031では、決定手段123が、ユーザが希望するコミュニケーションの内容と第1の特徴とに基づいて、複数の相手候補(n人の相手候補)を抽出する。ここで、nは2以上の整数である。決定手段123は、例えば、データベース部200を参照し、第1の特徴を有している人物を抽出し、抽出された人物を、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができる人物に絞り込むことによって、複数の相手候補を抽出することができる。あるいは、決定手段123は、例えば、データベース部200を参照し、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができる人物を抽出し、抽出された人物を、第1の特徴を有している人物に絞り込むことによって、複数の相手候補を抽出することができる。あるいは、決定手段123は、例えば、データベース部200を参照し、ユーザが希望するコミュニケーションの内容に対処することができ、かつ、第1の特徴を有している人物を抽出し、抽出された人物を複数の相手候補とすることができる。
【0142】
ステップS6032では、i=0、j=0が定義される。
【0143】
ステップS6033では、iが1だけインクリメントされる。
【0144】
ステップS6034では、決定手段123が、第iの相手候補が過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、第iの相手候補とのコミュニケーションにおいて他方が有するべき第2の特徴を特定する。決定手段123は、例えば、複数のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果を格納しているデータベース部200を参照することで、第iの相手候補を高く評価した他のユーザ(例えば、満足度が高いと第iの相手候補を評価した他のユーザ、評価点数が平均値より高いと第iの相手候補を評価した他のユーザ等)を特定し、そのユーザが有している特徴を特定することができる。この特徴は、第iの相手候補を高く評価すると予期される人物が有する特徴であると考えられるため、第iの相手候補とのコミュニケーションにおいて他方が有するべき第2の特徴とみなすことができる。
【0145】
第2の特徴は、例えば、性別、年齢、および/または職務に関する特徴を含むがこれらに限定されない。好ましくは、第2の特徴は、職務に関する特徴を含む。職務に関する情報は、例えば、職業、キャリア、勤務する企業の情報等を含むがこれらに限定されない。
【0146】
例えば、決定手段123によって、第iの相手候補に対する評価が高い人物が複数特定された場合には、複数の人物が有しているそれぞれの特徴を第2の特徴としてもよいし、複数の人物の一部または全部が共通して有している特徴を第2の特徴としてもよい。
【0147】
ステップS6033およびステップS6034は、n人の相手候補のすべてに対して第2の特徴を特定するまで繰り返される。そのために、ステップS6035では、iがnに等しいかどうかが判定される。iがnに等しくない場合(iがnよりも小さい場合)、まだ第2の特徴を特定していない相手候補が存在するため、ステップS6033に戻り、次の相手候補について第2の特徴を特定することになる。iがnに等しい場合、n人の相談相手候補のすべてに対して第2の特徴を特定することができたことになり、ステップS6036に進むことができる。
【0148】
ステップS3036では、jが1だけインクリメントされる。
【0149】
ステップS6037では、決定手段123が、第jの相手候補の第2の特徴と同一の特徴をユーザが有するか否かを判定する。ユーザが第jの相手候補の第2の特徴と同一の特徴を有すると判定された場合、ステップS6038に進む。ユーザが第jの相手候補の第2の特徴と同一の特徴を有していないと判定された場合、ステップS6039に進む。
【0150】
ステップS6038では、第jの相手候補を少なくとも1人の相手とすることを決定する。ユーザが第jの相手候補の第2の特徴と同一の特徴を有していることから、第jの相手候補は、ユーザが高く評価する相手であると予期され、ユーザと第jの相手候補とのコミュニケーションにユーザが満足する可能性が高いからである。
【0151】
ステップS6039では、第jの相手候補を少なくとも1人の相手とはしないことを決定する。第jの相手候補は、ユーザが高く評価する相手であるとは予期されず、ユーザと第jの相手候補とのコミュニケーションにユーザが満足する可能性が高いとは言えないからである。
【0152】
ステップS6036~ステップS6038またはステップS6039は、n人の相手候補のすべてに対して、第2の特徴をユーザが有するか否かを判定するまで繰り返される。そのために、ステップS603Aでは、jがnに等しいかどうかが判定される。jがnに等しくない場合(jがnよりも小さい場合)、まだ判定を行っていない相手候補が存在するため、ステップS6036に戻り、次の相手候補について判定を行うことになる。jがnに等しい場合、n人の相談相手候補のすべてに対して判定を行ったことになり、ステップS603Bに進むことができる。
【0153】
ステップS603Bにおいて、ステップS603の処理が終了する。これにより、ユーザとのコミュニケーションの少なくとも1人の相手が決定される。
【0154】
このようにして決定された少なくとも1人の相手は、ユーザが高い評価をすると予期される相手であり、かつ、ユーザから高い評価を得られると予期される相手であり、ユーザは、その相手とコミュニケーションを行うことで、満足度の高いコミュニケーションを行うことができることが大いに見込まれる。
【0155】
図7は、コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステム100と第1のユーザの端末装置と、第2のユーザの端末装置との間のデータフロー700の一例を示す。データフロー700は、第1のユーザが、コンピュータシステム100によって提供される、コミュニケーションの相手を決定するためのサービスを利用してコミュニケーションをすべき相手を決定し、決定された相手とコミュニケーションをするための流れを説明する。
【0156】
まず、第1のユーザおよび第2のユーザは、コミュニケーションの相手を決定するためのサービスに利用登録を行う。
【0157】
ステップS701では、第1のユーザが第1のユーザの端末装置に利用登録のための情報を入力する。利用登録のために、第1のユーザは、少なくとも、自己の職務に関する情報を第1のユーザの端末装置に入力する。第1のユーザは、これに加えて、性別、年齢等の個人情報、ユーザ名、パスワード、将来なりたいキャリア像(または希望するキャリアの内容)を入力するようにしてもよい。
【0158】
ステップS702では、第1のユーザの端末装置が、利用登録で入力された情報をコンピュータシステム100に送信する。コンピュータシステム100が送信された情報を処理することで、第1のユーザの利用登録が完了する。
【0159】
ステップS703では、第2のユーザが第2のユーザの端末装置に利用登録のための情報を入力する。利用登録のために、第2のユーザは、少なくとも、自己の職務に関する情報を第2のユーザの端末装置に入力する。第2のユーザは、これに加えて、性別、年齢等の個人情報、ユーザ名、パスワードを入力するようにしてもよい。
【0160】
ステップS704では、第2のユーザの端末装置が、利用登録で入力された情報をコンピュータシステム100に送信する。コンピュータシステム100が送信された情報を処理することで、第2のユーザの利用登録が完了する。
【0161】
その後、第1のユーザがコミュニケーションの相手(ここでは、相談相手)を募集することになる。
【0162】
ステップS705では、第1のユーザが、第1のユーザの端末装置に相談内容を入力する。第1のユーザは、例えば、図1Aに示される相談内容入力画面10に相談内容を入力することができる。
【0163】
ステップS706では、第1のユーザの端末装置が、入力された相談内容をコンピュータシステム100に送信する。
【0164】
コンピュータシステム100が相談内容を受信すると、図6Aおよび図6Bを参照して上述した処理600が行われ、少なくとも1人の相手が決定される。ここでは、少なくとも1人の相手が、少なくとも、第2のユーザであると決定されたとする。
【0165】
ステップS707では、コンピュータシステム100のプロセッサ部120のリクエスト手段124が、第1のユーザとのコミュニケーションのリクエストをインターフェース部110を介して第2のユーザの端末装置に送信する。第1のユーザとのコミュニケーションのリクエストでは、第1のユーザは匿名で示され、第1のユーザの属性は、特定の企業および/または肩書を特定できないほどに十分に簡略的なものであり得る。
【0166】
第2のユーザの端末装置がリクエストを受信すると、第2のユーザにリクエストが提示される。例えば、図1Bに示される募集内容表示画面20を介して、第1のユーザとのコミュニケーションのリクエストが第2のユーザに提示される。
【0167】
ステップS708では、第2のユーザが、第1のユーザとのコミュニケーションのリクエストを承諾する。例えば、第2のユーザは、図1Bに示される募集内容表示画面20の「立候補してみる」ボタン23、24を選択することにより、第1のユーザとのコミュニケーションのリクエストを承諾することができる。
【0168】
ステップS709では、第2のユーザの端末装置が、第2のユーザが第1のユーザとのコミュニケーションのリクエストを承諾した旨をコンピュータシステム100に送信する。
【0169】
コンピュータシステム100が第1のユーザとのコミュニケーションのリクエストを承諾した旨を受信した後、ステップSS710では、コンピュータシステム100のプロセッサ部120の提示手段125が、第2のユーザを相談相手として提示するために、相談相手のリストを第1の端末装置に送信する。
【0170】
ステップS711では、第1のユーザの端末装置が、相談相手を第1のユーザに提示する。例えば、図1Cに示される候補表示画面30を介して、相談相手が第1のユーザに提示される。
【0171】
ステップS712では、第1のユーザがコミュニケーションを行いたい相談相手を選択する。例えば、第1のユーザは、図1Cに示される候補表示画面30の「この人と1on1!」ボタン33、34を選択することにより、コミュニケーションを行いたい相談相手を選択することができる。
【0172】
ステップS713では、第1のユーザの端末装置が、第1のユーザが第2のユーザを相談相手として選択した旨を送信する。
【0173】
これに応答して、ステップS714で、コンピュータシステム100が第1のユーザの端末装置に、第2のユーザとのコミュニケーションの開始の合図を送信し、ステップS715で、コンピュータシステム100が第2のユーザの端末装置に、第1のユーザとのコミュニケーションの開始の合図を送信する。
【0174】
すると、ステップS716で、第1のユーザと第2のユーザとのコミュニケーションが開始され、第1のユーザは第2のユーザに相談することができるようになる。第1のユーザと第2のユーザとのコミュニケーションは、コンピュータシステム100が提供する専用画面上で行われてもよいし、連携する別のアプリケーション上で行われてもよい。第1のユーザと第2のユーザとのコミュニケーションは、例えば、音声のみを介したものであってもよいし、映像および音声(いわゆるビデオ通話またはテレビ電話)を介したものであってもよいし、テキストを介したものであってもよい。あるいは、第1のユーザと第2のユーザとのコミュニケーションは、映像に代えて、第1のユーザおよび第2のユーザの動きに合わせて動くアバターを介したものであってもよい。
【0175】
なお、上述した例では、特定の順序で各ステップが行われることを説明したが、各ステップが行われる順序は示されるものに限定されない。各ステップは、論理的に可能な任意の順序で行われることができる。
【0176】
図6Aおよび図6Bを参照して上述した例では、図6Aおよび図6Bに示される各ステップの処理は、プロセッサ部120(またはプロセッサ部120’)とメモリ部130に格納されたプログラムとによって実現することが説明されたが、本発明はこれに限定されない。図6Aおよび図6Bに示される各ステップの処理のうちの少なくとも1つは、制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0177】
上述した例では、コンピュータシステム100がサーバ装置として実装されることを例に説明してきたが、本発明は、これに限定されない。コンピュータシステム100は、任意の情報端末装置(例えば、端末装置300)によって実装されることもできる。
【0178】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明は、ユーザに相性がいい相手、ユーザの相談事に適切にアドバイスを提供することができる相手、ユーザが希望する対応にうまく応えることができる相手等のユーザがコミュニケーションをすべき相手を決定することができるコンピュータシステム等を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0180】
10 相談内容入力画面
20 募集内容表示画面
30 候補表示画面
40 プロフィール表示画面
100 コンピュータシステム
110 インターフェース部
120 プロセッサ部
130 メモリ部
200 データベース部
300 端末装置
400 ネットワーク
【要約】
【課題】コミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステム等を提供すること
【解決手段】本発明のコミュニケーションの相手を決定するためのコンピュータシステムは、ユーザが希望するコミュニケーションの内容を受信すること(S601)と、前記ユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果および/または前記ユーザに類似する他のユーザが過去に行ったコミュニケーションの結果に基づいて、前記コミュニケーションの相手が有するべき第1の特徴を特定すること(S602)と、前記ユーザが希望するコミュニケーションの内容と前記第1の特徴とに基づいて、少なくとも1人の相手を決定すること(S603)とを行うように構成されている。
【選択図】図6A
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7