(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】フィルター構造体及びその設置方法
(51)【国際特許分類】
B01D 46/10 20060101AFI20220608BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20220608BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
B01D46/10 A
B01D46/10 B
F24F7/06 101A
F24F13/28
(21)【出願番号】P 2016254832
(22)【出願日】2016-12-28
【審査請求日】2019-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000222141
【氏名又は名称】東洋アルミエコープロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175385
【氏名又は名称】葛西 さやか
(74)【代理人】
【識別番号】100175662
【氏名又は名称】山本 英明
(72)【発明者】
【氏名】足立 将司
(72)【発明者】
【氏名】山岸 拓人
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-009620(JP,U)
【文献】実開平05-007319(JP,U)
【文献】特開2006-165210(JP,A)
【文献】登録実用新案第3070615(JP,U)
【文献】中国実用新案第204193692(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/54
F24F 7/04- 7/06
F24F 13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンジフードにおいて、手前側から奥側に延びる略直角四角形形状を有し、少なくともその一部に前記レンジフードの吸気口に通じる通気部が設けられ、少なくともその周囲が磁性体材料からなる被取付面を覆うように取り付けられるフィルター構造体であって、
金属箔からなり、少なくとも1つの開口が形成され、その外縁に縁巻が形成されると共に、平面視矩形形状を有
し、一方のパネル部材と他方のパネル部材とを、2重に重ねて巻いた縁巻同士によって連結して長手方向に伸縮可能に形成される第1パネル本体と、
可撓性を有するシート状の材料よりなり、前記開口を覆うようにして前記第1パネル本体の一方面に貼り付けられる第1フィルターと、
前記第1パネル本体の一対の短辺それぞれに取り付けられ、前記第1パネル本体を前記被取付面の前記周囲に固定する第1固定手段とを備える第1の金属箔成形体と、
金属箔からなり、少なくとも1つの開口が形成され、その外縁に縁巻が形成されると共に、平面視矩形形状を有
し、一方のパネル部材と他方のパネル部材とを、2重に重ねて巻いた縁巻同士によって連結して長手方向に伸縮可能に形成される第2パネル本体と、
可撓性を有するシート状の材料よりなり、前記開口を覆うようにして前記第2パネル本体の一方面に貼り付けられる第2フィルターと、
前記第2パネル本体の一対の短辺それぞれに取り付けられ、前記第2パネル本体を前記被取付面の前記周囲に固定する第2固定手段とを備える第2の金属箔成形体と、
前記第1の金属箔成形体及び前記第2の金属箔成形体それぞれの前記縁巻に脱着自在に取り付けられ、磁力による吸着力を生じさせる少なくとも1つの吸着手段とを備え、
前記第1の金属箔成形体は、前記被取付面の手前側において、前記被取付面の幅方向と、前記第1パネル本体の長手方向とが一致するように位置付けられ、前記第1固定手段により前記被取付面の前記周囲に固定されており、
前記第2の金属箔成形体は、前記被取付面の奥側において、前記被取付面の幅方向と、前記第2パネル本体の長手方向とが一致するように位置付けられ、前記第1の金属箔成形体に重なり合った状態で、前記第2固定手段により前記被取付面の前記周囲に固定されており、
前記吸着手段のうちの第1吸着手段は、前記第1の金属箔成形体の前記第1パネル本体において、前記被取付面の手前側に位置する一方の長辺に形成されている前記縁巻
の一部分であって、前記一方のパネル部材の縁巻と前記他方のパネル部材の縁巻とが2重になった連結部分に取り付けられ、前記被取付面の前記周囲に吸着されている、フィルター構造体。
【請求項2】
前記レンジフードは、前記被取付面の内方側に、磁性材料からなる整流板を更に備え、
前記吸着手段は、2つ以上備えられ、
2つ以上の前記吸着手段のうちの第2吸着手段は、前記第1の金属箔成形体の前記第1パネル本体において、前記被取付面の奥側に位置する他方の長辺に形成されている前記縁巻に取り付けられ、前記整流板に吸着されている、請求項1記載のフィルター構造体。
【請求項3】
前記吸着手段は、3つ以上備えられ、
3つ以上の前記吸着手段のうちの第3吸着手段及び第4吸着手段は、それぞれ、前記第2の金属箔成形体の前記第2パネル本体の一対の短辺に形成されている前記縁巻に取り付けられ、前記被取付面の前記周囲に吸着されている、請求項1又は請求項2記載のフィルター構造体。
【請求項4】
前記吸着手段は、2つ以上備えられ、
2つ以上の前記吸着手段のうちの第5吸着手段は、前記第2の金属箔成形体の第2パネル本体において、前記被取付面の奥側に位置する他方の長辺に形成されている前記縁巻に取り付けられ、前記被取付面の前記周囲に吸着されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載のフィルター構造体。
【請求項5】
前記吸着手段は、
磁石と、
前記磁石に接続され、前記縁巻を保持できる抜け止め形状を有する保持体とを含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載のフィルター構造体。
【請求項6】
前記第2吸着手段は、
磁石と、
前記磁石に接続され、前記第1の金属箔成形体の第1パネル本体の前記他方の長辺に形成されている前記縁巻を保持できる抜け止め形状を有する第1の保持体と、
前記第1の保持体に接続され、前記第2の金属箔成形体の第2パネル本体において、前記被取付面の手前側に位置する一方の長辺に形成されている前記縁巻を保持できる抜け止め形状を有する第2の保持体とを含む、請求項2記載のフィルター構造体。
【請求項7】
レンジフードにおいて、手前側から奥側に延びる略直角四角形形状を有し、少なくともその一部に前記レンジフードの吸気口に通じる通気部が設けられ、少なくともその周囲が磁性体材料からなる被取付面を覆うように取り付けられるフィルター構造体であって、
金属箔からなり、少なくとも1つの開口が形成され、その外縁に縁巻が形成されると共に、平面視矩形形状を有する第1パネル本体と、
可撓性を有するシート状の材料よりなり、前記開口を覆うようにして前記第1パネル本体の一方面に貼り付けられる第1フィルターと、
前記第1パネル本体の一対の短辺それぞれに取り付けられ、前記第1パネル本体を前記被取付面の前記周囲に固定する第1固定手段とを備える第1の金属箔成形体と、
金属箔からなり、少なくとも1つの開口が形成され、その外縁に縁巻が形成されると共に、平面視矩形形状を有する第2パネル本体と、
可撓性を有するシート状の材料よりなり、前記開口を覆うようにして前記第2パネル本体の一方面に貼り付けられる第2フィルターと、
前記第2パネル本体の一対の短辺それぞれに取り付けられ、前記第2パネル本体を前記被取付面の前記周囲に固定する第2固定手段とを備える第2の金属箔成形体と、
前記第1の金属箔成形体及び前記第2の金属箔成形体それぞれの前記縁巻に脱着自在に取り付けられ、磁力による吸着力を生じさせる少なくとも1つの吸着手段とを備え、
前記第1の金属箔成形体は、前記被取付面の手前側において、前記被取付面の幅方向と、前記第1パネル本体の長手方向とが一致するように位置付けられ、前記第1固定手段により前記被取付面の前記周囲に固定されており、
前記第2の金属箔成形体は、前記被取付面の奥側において、前記被取付面の幅方向と、前記第2パネル本体の長手方向とが一致するように位置付けられ、前記第1の金属箔成形体に重なり合った状態で、前記第2固定手段により前記被取付面の前記周囲に固定されており、
前記吸着手段のうちの第1吸着手段は、前記第1の金属箔成形体の前記第1パネル本体において、前記被取付面の手前側に位置する一方の長辺に形成されている前記縁巻に取り付けられ、前記被取付面の前記周囲に吸着され、
前記レンジフードは、前記被取付面の内方側に、磁性材料からなる整流板を更に備え、
前記吸着手段は、2つ以上備えられ、
2つ以上の前記吸着手段のうちの第2吸着手段は、前記第1の金属箔成形体の前記第1パネル本体において、前記被取付面の奥側に位置する他方の長辺に形成されている前記縁巻に取り付けられ、前記整流板に吸着されており、
前記第2吸着手段は、
磁石と、
前記磁石に接続され、前記第1の金属箔成形体の第1パネル本体の前記他方の長辺に形成されている前記縁巻を保持できる抜け止め形状を有する第1の保持体と、
前記第1の保持体に接続され、前記第2の金属箔成形体の第2パネル本体において、前記被取付面の手前側に位置する一方の長辺に形成されている前記縁巻を保持できる抜け止め形状を有する第2の保持体とを含む、フィルター構造体。
【請求項8】
レンジフードにおいて、手前側から奥側に延びる略直角四角形形状を有し、少なくともその一部に前記レンジフードの吸気口に通じる通気部が設けられ、少なくともその周囲が磁性体材料からなる被取付面を覆うように取り付けられるフィルター構造体の設置方法であって、
金属箔からなり、少なくとも1つの開口が形成され、その外縁に縁巻が形成されると共に、平面視矩形形状を有し、
一方のパネル部材と他方のパネル部材とを、2重に重ねて巻いた縁巻同士によって連結して長手方向に伸縮可能に形成される第1パネル本体と、可撓性を有するシート状の材料よりなり、前記開口を覆うようにして前記第1パネル本体の一方面に貼り付けられる第1フィルターと、前記第1パネル本体の一対の短辺それぞれに取り付けられ、前記第1パネル本体を前記被取付面の前記周囲に固定する第1固定手段とを備える第1の金属箔成形体を準備すると共に、金属箔からなり、少なくとも1つの開口が形成され、その外縁に縁巻が形成されると共に、平面視矩形形状を有し、
一方のパネル部材と他方のパネル部材とを、2重に重ねて巻いた縁巻同士によって連結して長手方向に伸縮可能に形成される第2パネル本体と、可撓性を有するシート状の材料よりなり、前記開口を覆うようにして前記第2パネル本体の一方面に貼り付けられる第2フィルターと、前記第2パネル本体の一対の短辺それぞれに取り付けられ、前記第2パネル本体を前記被取付面の前記周囲に固定する第2固定手段とを備える第2の金属箔成形体を準備する準備工程と、
前記被取付面の幅長さに合わせて、前記第1の金属箔成形体の前記第1パネル本体を伸縮させる工程と、
前記伸縮させた前記第1パネル本体の一方の長辺に形成されている前記縁巻
の一部分であって、前記一方のパネル部材の縁巻と前記他方のパネル部材の縁巻とが2重になった連結部分に、磁力による吸着力を生じさせる第1吸着手段を取り付ける工程と、
前記被取付面の手前側において、前記被取付面の幅方向と、前記第1パネル本体の長手方向とが一致するように位置付けて、前記第1固定手段により前記被取付面の前記周囲に、前記第1の金属箔成形体を固定する工程と、
前記第1吸着手段の磁力により前記被取付面の手前側の前記周囲に、前記第1の金属箔成形体における前記被取付面の手前側を吸着させる工程と、
前記被取付面の前記幅長さに合わせて、前記第2の金属箔成形体の前記第2パネル本体を伸縮させる工程と、
前記被取付面の奥側において、前記被取付面の幅方向と、前記第2パネル本体の長手方向とが一致するように位置付けて、前記第1の金属箔成形体に重なり合った状態で、前記第2固定手段により前記被取付面の前記周囲に、前記第2の金属箔成形体を固定する工程とを備えた、フィルター構造体の設置方法。
【請求項9】
前記レンジフードは、前記被取付面の内方側に、磁性材料からなる整流板を更に備え、
前記第1吸着手段を取り付ける工程と前記第1の金属箔成形体を固定する工程との間に、前記伸縮させた前記第1パネル本体の他方の長辺に形成されている前記縁巻に、磁力による吸着力を生じさせる第2吸着手段を取り付ける工程と、
前記第2パネル本体を伸縮させる工程の前に、前記第2吸着手段の磁力により前記整流板に、前記第1の金属箔成形体における前記被取付面の奥側を吸着させる工程とを更に含む、請求項8記載のフィルター構造体の設置方法。
【請求項10】
前記第2の金属箔成形体の前記第2パネル本体の一対の短辺に形成されている前記縁巻に、磁力による吸着力を生じさせる第3吸着手段及び第4吸着手段それぞれを取り付ける工程と、
前記第3吸着手段の磁力及び前記第4吸着手段の磁力により前記被取付面の前記周囲に、前記第2の金属箔成形体における前記被取付面の奥行き側を吸着させる工程とを更に含む、請求項8又は請求項9記載のフィルター構造体の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はフィルター構造体及びその設置方法に関し、特にレンジフードにおいて、その一部に吸気口に通じる通気部が設けられ、その周囲が磁性体材料からなる被取付面を覆うように取り付けられるフィルター構造体及びその設置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12は、従来のフィルター構造体をレンジフードの被取付面に取り付けた状態を示す概略斜視図であり、
図13は、
図12で示したフィルター構造体を示す概略平面図であり、
図14は、
図13で示したXIV-XIVラインから見た概略拡大断面図であり、
図15は、
図13で示したフィルター構造体を長手方向に縮めた状態を示す概略平面図であり、
図16は、
図12で示したフィルター構造体をレンジフードの被取付面に取り付ける設置工程を示す概略斜視図である。
【0003】
これらの図を参照して、従来のフィルター構造体91は、レンジフード1において、手前側から奥側に延びる略直角四角形形状を有し、その一部にレンジフード1の図示しない吸気口に通じる通気部3が設けられ、その周囲6が磁性体材料からなる被取付面5を覆うように取り付けられる第1の金属箔成形体31及び第2の金属箔成形体61から構成される。
【0004】
図16を参照して、レンジフード1は、被取付面5の内方側に、磁性材料からなる整流板9を備えている。即ち、整流板9は、被取付面5の一部を構成している。レンジフード1の内方側で、整流板9の上方位置に、レンジフード1の図示しない吸気口が設けられている。被取付面5の周囲6と整流板9との間に、通気部3は位置している。
【0005】
図13を参照して、フィルター構造体91の第1の金属箔成形体31は、特許文献1に開示された金属箔成形体の製造方法等によって成形され、例えばアルミニウム箔の金属箔からなり、4つの開口37が形成され、その外縁に縁巻40が形成されると共に、平面視矩形形状を有する第1パネル本体35と、例えば難燃性不織布からなる可撓性を有するシート状の材料よりなり、開口37を覆うようにして第1パネル本体35の一方面38に貼り付けられる第1フィルター45と、第1パネル本体35の一対の短辺42a及び42bそれぞれに取り付けられ、第1パネル本体35を被取付面5の周囲6に固定する第1固定手段50a及び50bとから構成される。
【0006】
図14を参照して、第1固定手段50aは、磁力により吸着力を生じさせる磁石53と、磁石53に接続され、第1パネル本体35の縁巻40を保持できる抜け止め形状を有する保持体55とから構成される。保持体55は、第1パネル本体35に形成された保持用孔59に挿通され、縁巻40を断面視で囲って抜け止め形状となるように、機械的に成形されている。このように構成することで、第1固定手段50aは、囲った縁巻40を回動軸として、実線の矢印の方向に回動自在となる。これにより、被取付面5の周囲6の形状が、二点鎖線のように第1パネル本体35及び第1フィルター45と同一平面上である場合のみならず、一点鎖線のように第1パネル本体35及び第1フィルター45と垂直な位置関係にあるような場合(レンジフード1の側面)に対しても、第1固定手段50aによって第1の金属箔成形体31を固定できる。
【0007】
図13を参照して、第1パネル本体35は、左方に位置するパネル部材36aと、右方に位置するパネル部材36bとから構成されている。パネル部材36aとパネル部材36bとは、2重に重ねて巻いた縁巻40同士によって連結されている。これにより、第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35は、実線の矢印の方向である長手方向に伸縮可能に形成される。
図13で示した第1パネル本体35は、長手方向に最大限まで伸ばした状態である。このときの第1パネル本体35は、長辺43a及び43bの幅長さW
1で、短辺42a及び42bの奥行き長さL
1である。ここでは、L
1は32cmに設定されている。
【0008】
図15を参照して、第1パネル本体35は、実線の矢印の方向である長手方向に最小限まで縮めた状態である。このときの第1パネル本体35は、長辺43a及び43bの幅長さW
2である。即ち、第1パネル本体35において、長辺43a及び43bの幅長さWが、最小限幅長さW
2以上かつ最大限幅長さW
1以下の範囲で伸縮可能である。ここでは、W
1は89.5cmであり、W
2は50cmに設定されている。
【0009】
第2の金属箔成形体61は、第1の金属箔成形体31の構成と同一である。尚、第2の金属箔成形体61において、開口67、縁巻70、第2パネル本体65、第2フィルター75、第2固定手段80a及び80bの各々は、第1の金属箔成形体31において、開口37、縁巻40、第1パネル本体35、第1フィルター45、第1固定手段50a及び50bの各々に対応している。
【0010】
図16を参照して、フィルター構造体91の設置方法について説明する。まず、上述したように、長手方向に伸縮可能に形成される第1パネル本体35、第1フィルター45、第1固定手段50a及び50bを備える第1の金属箔成形体を準備すると共に、長手方向に伸縮可能に形成される第2パネル本体65、第2フィルター75、第2固定手段80a及び80bを備える第2の金属箔成形体を準備する。
【0011】
次に、被取付面5の幅長さに合わせて、破線の矢印の方向で示したように、第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35を伸縮させる。
【0012】
そして、被取付面5の手前側において、被取付面5の幅方向と、第1パネル本体35の長手方向とが一致するように位置付けて、実線の矢印の方向へ、第1固定手段50a及び50bにより被取付面5の周囲6に、第1の金属箔成形体31を固定する。
【0013】
次に、被取付面5の幅長さに合わせて、一点鎖線の矢印の方向で示したように、第2の金属箔成形体61の第2パネル本体65を伸縮させる。
【0014】
そして、被取付面5の奥側において、被取付面5の幅方向と、第2パネル本体65の長手方向とが一致するように位置付けて、第1の金属箔成形体31の一部に重なり合った状態で、第2固定手段80a及び80bにより被取付面5の周囲6に、第2の金属箔成形体61を固定する。
【0015】
使用に際して、
図12及び
図16を参照して、レンジフード1の図示しない吸気口の内部の図示しないファンを回転させることで、調理により発生した油分等を含んだ空気は、上述の設置方法でレンジフード1に設置したフィルター構造体91の第1フィルター45及び第2フィルター75を介して、通気部3に入った後、吸気口へと吸い込まれ、外方へと排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記のような従来のフィルター構造体91において、第1の金属箔成形体31は第1固定手段50a及び50bによって、第2の金属箔成形体61は第2固定手段80a及び80bによって、被取付面5の周囲6に固定された。しかしながら、固定されていない箇所において、後述するような問題が生じる虞があった。
【0018】
図17は、
図12で示したフィルター構造体をレンジフードの被取付面に取り付けた状態における撓み状態を示す概略正面図である。
【0019】
フィルター構造体91において、第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35における被取付面5の手前側に位置する長辺43aに撓みが生じた状態である。これにより、第1パネル本体35の長辺43aに形成されている縁巻40と、被取付面5の手前側の周囲6との間に、隙間121が生じている。
【0020】
そのため、使用に際して、油分等を含んだ空気の一部が、隙間121を介して、
図16で示した通気部3へ入ってしまう虞があった。
【0021】
又、レンジフード1の被取付面5の幅長さは、様々であるが、いずれの幅長さであっても撓みを生じさせないようなフィルター構造体及びその設置方法が望まれていた。
【0022】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、レンジフードの被取付面に対して、フィルター構造体における被取付面の手前側の取付状態の信頼性が向上するフィルター構造体、及び、設置勝手が向上するフィルター構造体の設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、レンジフードにおいて、手前側から奥側に延びる略直角四角形形状を有し、少なくともその一部にレンジフードの吸気口に通じる通気部が設けられ、少なくともその周囲が磁性体材料からなる被取付面を覆うように取り付けられるフィルター構造体であって、金属箔からなり、少なくとも1つの開口が形成され、その外縁に縁巻が形成されると共に、平面視矩形形状を有し、一方のパネル部材と他方のパネル部材とを、2重に重ねて巻いた縁巻同士によって連結して長手方向に伸縮可能に形成される第1パネル本体と、可撓性を有するシート状の材料よりなり、開口を覆うようにして第1パネル本体の一方面に貼り付けられる第1フィルターと、第1パネル本体の一対の短辺それぞれに取り付けられ、第1パネル本体を被取付面の周囲に固定する第1固定手段とを備える第1の金属箔成形体と、金属箔からなり、少なくとも1つの開口が形成され、その外縁に縁巻が形成されると共に、平面視矩形形状を有し、一方のパネル部材と他方のパネル部材とを、2重に重ねて巻いた縁巻同士によって連結して長手方向に伸縮可能に形成される第2パネル本体と、可撓性を有するシート状の材料よりなり、開口を覆うようにして第2パネル本体の一方面に貼り付けられる第2フィルターと、第2パネル本体の一対の短辺それぞれに取り付けられ、第2パネル本体を被取付面の周囲に固定する第2固定手段とを備える第2の金属箔成形体と、第1の金属箔成形体及び第2の金属箔成形体それぞれの縁巻に脱着自在に取り付けられ、磁力による吸着力を生じさせる少なくとも1つの吸着手段とを備え、第1の金属箔成形体は、被取付面の手前側において、被取付面の幅方向と、第1パネル本体の長手方向とが一致するように位置付けられ、第1固定手段により被取付面の周囲に固定されており、第2の金属箔成形体は、被取付面の奥側において、被取付面の幅方向と、第2パネル本体の長手方向とが一致するように位置付けられ、第1の金属箔成形体に重なり合った状態で、第2固定手段により被取付面の周囲に固定されており、吸着手段のうちの第1吸着手段は、第1の金属箔成形体の第1パネル本体において、被取付面の手前側に位置する一方の長辺に形成されている縁巻の一部分であって、一方のパネル部材の縁巻と他方のパネル部材の縁巻とが2重になった連結部分に取り付けられ、被取付面の周囲に吸着されているものである。
【0024】
このように構成すると、第1の金属箔成形体の第1パネル本体における被取付面の手前側に位置する一方の長辺の撓みが、第1吸着手段によって解消される。又、第1の金属箔成形体の第1パネル本体及び第2の金属箔成形体の第2パネル本体それぞれを伸縮させることで、レンジフードの被取付面のサイズに合わせることができる。
【0025】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、レンジフードは、被取付面の内方側に、磁性材料からなる整流板を更に備え、吸着手段は、2つ以上備えられ、2つ以上の吸着手段のうちの第2吸着手段は、第1の金属箔成形体の第1パネル本体において、被取付面の奥側に位置する他方の長辺に形成されている縁巻に取り付けられ、整流板に吸着されているものである。
【0026】
このように構成すると、第1の金属箔成形体の第1パネル本体における被取付面の奥側に位置する他方の長辺の撓みが、第2吸着手段によって解消される。
【0027】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、吸着手段は、3つ以上備えられ、3つ以上の吸着手段のうちの第3吸着手段及び第4吸着手段は、それぞれ、第2の金属箔成形体の第2パネル本体の一対の短辺に形成されている縁巻に取り付けられ、被取付面の周囲に吸着されているものである。
【0028】
このように構成すると、第2の金属箔成形体の第2パネル本体における被取付面の奥行き側に位置する一対の短辺の撓みが、第3吸着手段及び第4吸着手段によって解消される。
【0029】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、吸着手段は、2つ以上備えられ、2つ以上の吸着手段のうちの第5吸着手段は、第2の金属箔成形体の第2パネル本体において、被取付面の奥側に位置する他方の長辺に形成されている縁巻に取り付けられ、被取付面の周囲に吸着されているものである。
【0030】
このように構成すると、第2の金属箔成形体の第2パネル本体における被取付面の奥側に位置する他方の長辺の撓みが、第5吸着手段によって解消される。
【0031】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の構成において、吸着手段は、磁石と、磁石に接続され、縁巻を保持できる抜け止め形状を有する保持体とを含むものである。
【0032】
このように構成すると、磁石によって被取付面に吸着される。又、保持体によって一旦保持された縁巻は抜けにくい。
【0033】
請求項6記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、第2吸着手段は、磁石と、磁石に接続され、第1の金属箔成形体の第1パネル本体の他方の長辺に形成されている縁巻を保持できる抜け止め形状を有する第1の保持体と、第1の保持体に接続され、第2の金属箔成形体の第2パネル本体において、被取付面の手前側に位置する一方の長辺に形成されている縁巻を保持できる抜け止め形状を有する第2の保持体とを含むものである。
【0034】
このように構成すると、第2の金属箔成形体の第2パネル本体における被取付面の手前側に位置する一方の長辺の撓みが、第2吸着手段によって解消される。又、1つの第2吸着手段によって、第1の金属箔成形体と第2の金属箔成形体とを連結して保持できる。
【0035】
請求項7記載の発明は、レンジフードにおいて、手前側から奥側に延びる略直角四角形形状を有し、少なくともその一部にレンジフードの吸気口に通じる通気部が設けられ、少なくともその周囲が磁性体材料からなる被取付面を覆うように取り付けられるフィルター構造体であって、金属箔からなり、少なくとも1つの開口が形成され、その外縁に縁巻が形成されると共に、平面視矩形形状を有する第1パネル本体と、可撓性を有するシート状の材料よりなり、開口を覆うようにして第1パネル本体の一方面に貼り付けられる第1フィルターと、第1パネル本体の一対の短辺それぞれに取り付けられ、第1パネル本体を被取付面の周囲に固定する第1固定手段とを備える第1の金属箔成形体と、金属箔からなり、少なくとも1つの開口が形成され、その外縁に縁巻が形成されると共に、平面視矩形形状を有する第2パネル本体と、可撓性を有するシート状の材料よりなり、開口を覆うようにして第2パネル本体の一方面に貼り付けられる第2フィルターと、第2パネル本体の一対の短辺それぞれに取り付けられ、第2パネル本体を被取付面の周囲に固定する第2固定手段とを備える第2の金属箔成形体と、第1の金属箔成形体及び第2の金属箔成形体それぞれの縁巻に脱着自在に取り付けられ、磁力による吸着力を生じさせる少なくとも1つの吸着手段とを備え、第1の金属箔成形体は、被取付面の手前側において、被取付面の幅方向と、第1パネル本体の長手方向とが一致するように位置付けられ、第1固定手段により被取付面の周囲に固定されており、第2の金属箔成形体は、被取付面の奥側において、被取付面の幅方向と、第2パネル本体の長手方向とが一致するように位置付けられ、第1の金属箔成形体に重なり合った状態で、第2固定手段により被取付面の周囲に固定されており、吸着手段のうちの第1吸着手段は、第1の金属箔成形体の第1パネル本体において、被取付面の手前側に位置する一方の長辺に形成されている縁巻に取り付けられ、被取付面の周囲に吸着され、レンジフードは、被取付面の内方側に、磁性材料からなる整流板を更に備え、吸着手段は、2つ以上備えられ、2つ以上の吸着手段のうちの第2吸着手段は、第1の金属箔成形体の第1パネル本体において、被取付面の奥側に位置する他方の長辺に形成されている縁巻に取り付けられ、整流板に吸着されており、第2吸着手段は、磁石と、磁石に接続され、第1の金属箔成形体の第1パネル本体の他方の長辺に形成されている縁巻を保持できる抜け止め形状を有する第1の保持体と、第1の保持体に接続され、第2の金属箔成形体の第2パネル本体において、被取付面の手前側に位置する一方の長辺に形成されている縁巻を保持できる抜け止め形状を有する第2の保持体とを含むものである。
【0036】
このように構成すると、第1の金属箔成形体の第1パネル本体における被取付面の手前側に位置する一方の長辺の撓みが、第1吸着手段によって解消される。又、第1の金属箔成形体の第1パネル本体における被取付面の奥側に位置する他方の長辺の撓みが、第2吸着手段によって解消される。更に、第2の金属箔成形体の第2パネル本体における被取付面の手前側に位置する一方の長辺の撓みが、第2吸着手段によって解消される。又、1つの第2吸着手段によって、第1の金属箔成形体と第2の金属箔成形体とを連結して保持できる。
【0037】
請求項8記載の発明は、レンジフードにおいて、手前側から奥側に延びる略直角四角形形状を有し、少なくともその一部にレンジフードの吸気口に通じる通気部が設けられ、少なくともその周囲が磁性体材料からなる被取付面を覆うように取り付けられるフィルター構造体の設置方法であって、金属箔からなり、少なくとも1つの開口が形成され、その外縁に縁巻が形成されると共に、平面視矩形形状を有し、一方のパネル部材と他方のパネル部材とを、2重に重ねて巻いた縁巻同士によって連結して長手方向に伸縮可能に形成される第1パネル本体と、可撓性を有するシート状の材料よりなり、開口を覆うようにして第1パネル本体の一方面に貼り付けられる第1フィルターと、第1パネル本体の一対の短辺それぞれに取り付けられ、第1パネル本体を被取付面の周囲に固定する第1固定手段とを備える第1の金属箔成形体を準備すると共に、金属箔からなり、少なくとも1つの開口が形成され、その外縁に縁巻が形成されると共に、平面視矩形形状を有し、一方のパネル部材と他方のパネル部材とを、2重に重ねて巻いた縁巻同士によって連結して長手方向に伸縮可能に形成される第2パネル本体と、可撓性を有するシート状の材料よりなり、開口を覆うようにして第2パネル本体の一方面に貼り付けられる第2フィルターと、第2パネル本体の一対の短辺それぞれに取り付けられ、第2パネル本体を被取付面の周囲に固定する第2固定手段とを備える第2の金属箔成形体を準備する準備工程と、被取付面の幅長さに合わせて、第1の金属箔成形体の第1パネル本体を伸縮させる工程と、伸縮させた第1パネル本体の一方の長辺に形成されている縁巻の一部分であって、一方のパネル部材の縁巻と他方のパネル部材の縁巻とが2重になった連結部分に、磁力による吸着力を生じさせる第1吸着手段を取り付ける工程と、被取付面の手前側において、被取付面の幅方向と、第1パネル本体の長手方向とが一致するように位置付けて、第1固定手段により被取付面の周囲に、第1の金属箔成形体を固定する工程と、第1吸着手段の磁力により被取付面の手前側の周囲に、第1の金属箔成形体における被取付面の手前側を吸着させる工程と、被取付面の幅長さに合わせて、第2の金属箔成形体の第2パネル本体を伸縮させる工程と、被取付面の奥側において、被取付面の幅方向と、第2パネル本体の長手方向とが一致するように位置付けて、第1の金属箔成形体に重なり合った状態で、第2固定手段により被取付面の周囲に、第2の金属箔成形体を固定する工程とを備えたものである。
【0038】
このように構成すると、第1パネル本体の伸縮に合わせて、第1パネル本体の一方の長辺に形成されている縁巻の所望の位置に、第1吸着手段を取り付けることができる。
【0039】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明の構成において、レンジフードは、被取付面の内方側に、磁性材料からなる整流板を更に備え、第1吸着手段を取り付ける工程と第1の金属箔成形体を固定する工程との間に、伸縮させた第1パネル本体の他方の長辺に形成されている縁巻に、磁力による吸着力を生じさせる第2吸着手段を取り付ける工程と、第2パネル本体を伸縮させる工程の前に、第2吸着手段の磁力により整流板に、第1の金属箔成形体における被取付面の奥側を吸着させる工程とを更に含むものである。
【0040】
このように構成すると、第1パネル本体の伸縮に合わせて、第1パネル本体の他方の長辺に形成されている縁巻の所望の位置に、第2吸着手段を取り付けることができる。
【0041】
請求項10記載の発明は、請求項8又は請求項9記載の発明の構成において、第2の金属箔成形体の第2パネル本体の一対の短辺に形成されている縁巻に、磁力による吸着力を生じさせる第3吸着手段及び第4吸着手段それぞれを取り付ける工程と、第3吸着手段の磁力及び第4吸着手段の磁力により被取付面の周囲に、第2の金属箔成形体における被取付面の奥行き側を吸着させる工程とを更に含むものである。
【0042】
このように構成すると、第2パネル本体の一対の短辺に形成されている縁巻の所望の位置に、第3吸着手段及び第4吸着手段を取り付けることができる。
【発明の効果】
【0043】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、第1の金属箔成形体の第1パネル本体における被取付面の手前側に位置する一方の長辺の撓みが、第1吸着手段によって解消されるため、レンジフードの被取付面に対して、フィルター構造体における被取付面の手前側の取付状態の信頼性が向上する。又、第1の金属箔成形体の第1パネル本体及び第2の金属箔成形体の第2パネル本体それぞれを伸縮させることで、レンジフードの被取付面のサイズに合わせることができるため、フィルター構造体の使用勝手が向上する。
【0044】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、第1の金属箔成形体の第1パネル本体における被取付面の奥側に位置する他方の長辺の撓みが、第2吸着手段によって解消されるため、レンジフードの整流板に対して、フィルター構造体における被取付面の内方側の取付状態の信頼性が向上する。
【0045】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、第2の金属箔成形体の第2パネル本体における被取付面の奥行き側に位置する一対の短辺の撓みが、第3吸着手段及び第4吸着手段によって解消されるため、レンジフードの被取付面に対して、フィルター構造体における被取付面の奥行き側の取付状態の信頼性が向上する。
【0046】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、第2の金属箔成形体の第2パネル本体における被取付面の奥側に位置する他方の長辺の撓みが、第5吸着手段によって解消されるため、レンジフードの被取付面に対して、フィルター構造体における被取付面の奥側の取付状態の信頼性が向上する。
【0047】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、磁石によって被取付面に吸着されるため、フィルター構造体を被取付面に容易に取り付けることができる。又、保持体によって一旦保持された縁巻は抜けにくいため、フィルター構造体の取付状態が安定する。
【0048】
請求項6記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、第2の金属箔成形体の第2パネル本体における被取付面の手前側に位置する一方の長辺の撓みが、第2吸着手段によって解消されるため、レンジフードの整流板に対して、フィルター構造体における被取付面の内方側の取付状態の信頼性が更に向上する。又、1つの第2吸着手段によって、第1の金属箔成形体と第2の金属箔成形体とを連結して保持できるため、フィルター構造体の取付効率が向上する。
【0049】
請求項7記載の発明は、第1の金属箔成形体の第1パネル本体における被取付面の手前側に位置する一方の長辺の撓みが、第1吸着手段によって解消されるため、レンジフードの被取付面に対して、フィルター構造体における被取付面の手前側の取付状態の信頼性が向上する。又、第1の金属箔成形体の第1パネル本体における被取付面の奥側に位置する他方の長辺の撓みが、第2吸着手段によって解消されるため、レンジフードの整流板に対して、フィルター構造体における被取付面の内方側の取付状態の信頼性が向上する。更に、第2の金属箔成形体の第2パネル本体における被取付面の手前側に位置する一方の長辺の撓みが、第2吸着手段によって解消されるため、レンジフードの整流板に対して、フィルター構造体における被取付面の内方側の取付状態の信頼性が更に向上する。又、1つの第2吸着手段によって、第1の金属箔成形体と第2の金属箔成形体とを連結して保持できるため、フィルター構造体の取付効率が向上する。
【0050】
請求項8記載の発明は、第1パネル本体の伸縮に合わせて、第1パネル本体の一方の長辺に形成されている縁巻の所望の位置に、第1吸着手段を取り付けることができるため、レンジフードの被取付面に対して、フィルター構造体における被取付面の手前側の設置勝手が向上する。
【0051】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明の効果に加えて、第1パネル本体の伸縮に合わせて、第1パネル本体の他方の長辺に形成されている縁巻の所望の位置に、第2吸着手段を取り付けることができるため、レンジフードの整流板に対して、フィルター構造体における被取付面の内方側の設置勝手が向上する。
【0052】
請求項10記載の発明は、請求項8又は請求項9記載の発明の効果に加えて、第2パネル本体の一対の短辺に形成されている縁巻の所望の位置に、第3吸着手段及び第4吸着手段を取り付けることができるため、レンジフードの被取付面に対して、フィルター構造体における被取付面の奥行き側の設置勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】この発明の第1の実施の形態によるフィルター構造体をレンジフードの被取付面に取り付けた状態を示す概略斜視図であって、
図12に対応した図である。
【
図2】
図1で示したフィルター構造体の吸着手段を示す概略斜視図である。
【
図3】
図2で示したフィルター構造体の吸着手段の概略平面図である。
【
図4】
図2で示したフィルター構造体の吸着手段の概略右側面図である。
【
図5】
図3で示したV-Vラインから見た概略断面図である。
【
図6】
図1で示したフィルター構造体をレンジフードの被取付面に取り付ける設置工程の一部を示す概略斜視図である。
【
図7】
図6で示した設置工程に続くフィルター構造体の設置工程の他の一部を示す概略斜視図である。
【
図8】
図6の(3)で示したVIII-VIIIラインから見た概略拡大端面図であって、第1吸着手段による吸着状態を示す図である。
【
図9】
図7の(2)で示したIX-IXラインから見た概略拡大端面図であって、第3吸着手段によって、(1)は2つの縁巻を保持した状態を、(2)は1つの縁巻を保持した状態を示す図である。
【
図10】
図7の(2)で示したX-Xラインから見た概略拡大端面図であって、第2吸着手段による吸着状態を示す図である。
【
図11】この発明の第2の実施の形態によるフィルター構造体をレンジフードの被取付面に取り付けた状態において、第2吸着手段による吸着状態を示す概略拡大端面図であって、
図10に対応した図である。
【
図12】従来のフィルター構造体をレンジフードの被取付面に取り付けた状態を示す概略斜視図である。
【
図13】
図12で示したフィルター構造体を示す概略平面図である。
【
図14】
図13で示したXIV-XIVラインから見た概略拡大断面図である。
【
図15】
図13で示したフィルター構造体を長手方向に縮めた状態を示す概略平面図である。
【
図16】
図12で示したフィルター構造体をレンジフードの被取付面に取り付ける設置工程を示す概略斜視図である。
【
図17】
図12で示したフィルター構造体をレンジフードの被取付面に取り付けた状態における撓み状態を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、この発明の第1の実施の形態によるフィルター構造体をレンジフードの被取付面に取り付けた状態を示す概略斜視図であって、
図12に対応した図である。
【0055】
尚、この第1の実施の形態によるフィルター構造体11は、
図12で示した従来のフィルター構造体91の構成を基礎としている。ここでは、その相違点を中心に説明する。
【0056】
又、被取付面5及び図示しない整流板9等を含むレンジフード1は、
図12で示したレンジフード1と同一である。ここでは、説明を繰り返さない。
【0057】
フィルター構造体11の第1の金属箔成形体31は、第1固定手段50a及び50bにより被取付面5の周囲6に固定されている。又、第2の金属箔成形体61は、第1の金属箔成形体31の一部に重なり合った状態で、第2固定手段80a及び80bにより被取付面5の周囲6に固定されている。
【0058】
フィルター構造体11は、第1の金属箔成形体31の縁巻40及び第2の金属箔成形体61の縁巻70に脱着自在に取り付けられ、磁力による吸着力を生じさせる吸着手段16を備えている。
【0059】
吸着手段16のうちの第1吸着手段17は、第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35において、被取付面5の手前側に位置する一方の長辺43aに形成されている縁巻40に取り付けられ、被取付面5の周囲6に吸着されている。このように構成することで、第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35における被取付面5の手前側に位置する一方の長辺43aの撓みが、第1吸着手段17によって解消されるため、レンジフード1の被取付面5に対して、フィルター構造体11における被取付面5の手前側の取付状態の信頼性が向上する。
【0060】
吸着手段16のうちの第2吸着手段18は、第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35において、被取付面5の奥側に位置する他方の長辺43bに形成されている縁巻40に取り付けられ、図示しない整流板9に吸着されている。このように構成することで、第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35における被取付面5の奥側に位置する他方の長辺43bの撓みが、第2吸着手段18によって解消されるため、レンジフード1の整流板9に対して、フィルター構造体1における被取付面5の内方側の取付状態の信頼性が向上する。
【0061】
吸着手段16のうちの第3吸着手段19及び第4吸着手段20は、それぞれ、第2の金属箔成形体61の第2パネル本体65の一対の短辺72a及び72bに形成されている縁巻70に取り付けられ、被取付面5の周囲6に吸着されている。このように構成することで、第2の金属箔成形体61の第2パネル本体65における被取付面5の奥行き側(被取付面5において手前側と奥側とを結ぶ間にあり、幅方向に位置する側)に位置する一対の短辺72a及び72bの撓みが、第3吸着手段19及び第4吸着手段20によって解消されるため、レンジフード1の被取付面5に対して、フィルター構造体11における被取付面5の奥行き側の取付状態の信頼性が向上する。尚、フィルター構造体11全体としての取付状態の信頼性確保の観点から、第3吸着手段19及び第4吸着手段20は、それぞれ、第2の金属箔成形体61の第2パネル本体65の一対の短辺72a及び72bに形成されている縁巻70に対して、第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35の長辺43bよりも手前側の位置において取り付けられることが、好ましい。
【0062】
吸着手段16のうちの第5吸着手段21は、第2の金属箔成形体61の第2パネル本体65において、被取付面5の奥側に位置する他方の長辺73bに形成されている縁巻70に取り付けられ、被取付面5の周囲6に吸着されている。このように構成することで、第2の金属箔成形体61の第2パネル本体65における被取付面5の奥側に位置する他方の長辺73bの撓みが、第5吸着手段21によって解消されるため、レンジフード1の被取付面5に対して、フィルター構造体11における被取付面5の奥側の取付状態の信頼性が向上する。
【0063】
使用に際して、
図16と同様に、レンジフード1の図示しない吸気口の内部の図示しないファンを回転させることで、調理により発生した油分等を含んだ空気は、フィルター構造体11の第1フィルター45及び第2フィルター75を介して、図示しない通気部3に入った後、吸気口へと吸い込まれ、吸気口の外へと排出される。
【0064】
図2は、
図1で示したフィルター構造体の吸着手段を示す概略斜視図であり、
図3は、
図2で示したフィルター構造体の吸着手段の概略平面図であり、
図4は、
図2で示したフィルター構造体の吸着手段の概略右側面図であり、
図5は、
図3で示したV-Vラインから見た概略断面図である。
【0065】
これらの図を参照して、フィルター構造体11における吸着手段16は、磁力により吸着力を生じさせる磁石23と、磁石23に接続されたヨーク24と、ヨーク24に接続され、
図1で示した第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35の縁巻40及び第2の金属箔成形体61の第2パネル本体65の縁巻70を保持できる抜け止め形状を有する保持体25とから構成される。ヨーク24及び保持体25は、磁性板金により一体的に成形されている。
【0066】
保持体25は、
図5の二点鎖線で示したように縁巻40及び縁巻70を断面視で囲って抜け止め形状となるように保持することができる。尚、保持体25の内方側のスペースは、縁巻40及び縁巻70の同時に保持できることが好ましいが、いずれか一方のみ保持できる大きさに形成しても良い。
【0067】
又、保持体25は、縁巻40及び縁巻70を抜け止め形状に保持する際、隙間30を介して、内方側に保持する。このとき、保持体25の下方側先端部が、
図5の実線の矢印で示したように湾曲できるように形成されている。縁巻40及び縁巻70を保持後は、元の形状に戻ることで、抜け止め形状となる。
【0068】
尚、吸着手段16である第1吸着手段17、第2吸着手段18、第3吸着手段19、第4吸着手段20及び第5吸着手段21は、上述した吸着手段16と同一の形状に形成されている。
【0069】
使用に際しては、吸着手段16の磁石23が露出した方向のヨーク24と、
図1で示した被取付面5の周囲6とが当接するようにして吸着させる。
【0070】
このように構成することで、磁石23によって被取付面5に吸着されるため、フィルター構造体11を被取付面5に容易に取り付けることができる。又、保持体25によって一旦保持された縁巻40及び縁巻70は抜けにくいため、フィルター構造体11の取付状態が安定する。
【0071】
図6は、
図1で示したフィルター構造体をレンジフードの被取付面に取り付ける設置工程の一部を示す概略斜視図であり、
図7は、
図6で示した設置工程に続くフィルター構造体の設置工程の他の一部を示す概略斜視図であり、
図8は、
図6の(3)で示したVIII-VIIIラインから見た概略拡大端面図であって、第1吸着手段による吸着状態を示す図であり、
図9は、
図7の(2)で示したIX-IXラインから見た概略拡大端面図であって、第3吸着手段によって、(1)は2つの縁巻を保持した状態を、(2)は1つの縁巻を保持した状態を示す図であり、
図10は、
図7の(2)で示したX-Xラインから見た概略拡大端面図であって、第2吸着手段による吸着状態を示す図である。
【0072】
尚、この第1の実施の形態によるフィルター構造体11の設置方法は、
図16で示した従来のフィルター構造体91の設置方法を基礎としている。ここでは、詳細な説明を繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0073】
図6の(1)を参照して、フィルター構造体11の設置方法において、
図16で示したフィルター構造体91と同様に、まず、第1の金属箔成形体を準備すると共に、第2の金属箔成形体を準備する。
【0074】
又、
図16と同様に、被取付面5の幅長さに合わせて、破線の矢印の方向で示したように、第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35を伸縮させる。ここで、第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35は長手方向に伸縮可能に形成されており、第1の金属箔成形体31を伸縮させることで、レンジフード1の被取付面5のサイズに合わせることができる。従って、フィルター構造体11の使用勝手が向上する。
【0075】
次に、伸縮させた第1パネル本体35の一方の長辺43aに形成されている縁巻40に、磁力による吸着力を生じさせる第1吸着手段17を取り付ける。
【0076】
伸縮させた第1パネル本体35の他方の長辺43bに形成されている縁巻40に、磁力による吸着力を生じさせる第2吸着手段18を取り付ける。
【0077】
図6の(2)を参照して、
図16と同様に、被取付面5の手前側において、破線の矢印の方向へ、第1固定手段50a及び50bにより被取付面5の周囲6に、第1の金属箔成形体31を固定する。
【0078】
第1吸着手段17の磁力により被取付面5の手前側の周囲6に、第1の金属箔成形体31における被取付面5の手前側を吸着させる。
【0079】
第2吸着手段18の磁力により整流板9に、第1の金属箔成形体31における被取付面5の奥側を吸着させる。
【0080】
このようにすることで、第1パネル本体35の伸縮に合わせて、第1パネル本体35の一方の長辺43aに形成されている縁巻40の所望の位置に、第1吸着手段17を取り付けることができるため、レンジフード1の被取付面5に対して、フィルター構造体11における被取付面5の手前側の設置勝手が向上する。又、第1パネル本体35の伸縮に合わせて、第1パネル本体35の他方の長辺43bに形成されている縁巻40の所望の位置に、第2吸着手段18を取り付けることができるため、レンジフード1の整流板9に対して、フィルター構造体11における被取付面5の内方側の設置勝手が向上する。
【0081】
図6の(3)を参照して、第1の金属箔成形体31は、レンジフード1に取り付けた状態である。
図8を参照して、第1吸着手段17がない場合には、二点鎖線で示されように、第1パネル本体35が撓むことで、被取付面5の周囲6と縁巻40との間の隙間を介して、実線の矢印の方向へ油分等が入り込む虞があった。しかし、第1吸着手段17を用いることで、第1パネル本体35の撓みが解消され、油分等が入り込みにくくなる。
【0082】
図6の(3)を参照して、
図16と同様に、被取付面5の幅長さに合わせて、破線の矢印の方向で示したように、第2の金属箔成形体61の第2パネル本体65を伸縮させる。ここで、第2の金属箔成形体61の第1パネル本体65は長手方向に伸縮可能に形成されており、第2の金属箔成形体61を伸縮させることで、レンジフード1の被取付面5のサイズに合わせることができる。従って、フィルター構造体11の使用勝手が向上する。
【0083】
伸縮させた第2パネル本体65の他方の長辺73bに形成されている縁巻70に、磁力による吸着力を生じさせる第5吸着手段21を取り付ける。
【0084】
図7の(1)を参照して、
図16と同様に、被取付面5の奥側において、第1の金属箔成形体31の一部に重なり合った状態で、第2固定手段80a及び80bにより被取付面5の周囲6に、第2の金属箔成形体61を固定する。
【0085】
第5吸着手段21の磁力により被取付面5の奥側の周囲6に、第2の金属箔成形体61における被取付面5の奥側を吸着させる。
【0086】
このようにすることで、第2パネル本体65の伸縮に合わせて、第2パネル本体65の他方の長辺73bに形成されている縁巻70の所望の位置に、第5吸着手段21を取り付けることができるため、レンジフード1の被取付面5に対して、フィルター構造体11における被取付面5の奥側の設置勝手が向上する。
【0087】
図7の(2)を参照して、第2の金属箔成形体61の第2パネル本体65の一対の短辺72a及び72bに形成されている縁巻70に、磁力による吸着力を生じさせる第3吸着手段19及び第4吸着手段20それぞれを取り付ける。
【0088】
第3吸着手段19の磁力及び第4吸着手段20の磁力により被取付面5の周囲6に、第2の金属箔成形体61における被取付面5の奥行き側を吸着させる。
【0089】
このようにすることで、第2パネル本体65の一対の短辺72a及び72bに形成されている縁巻70の所望の位置に、第3吸着手段19及び第4吸着手段20を取り付けることができるため、レンジフード1の被取付面5に対して、フィルター構造体11における被取付面5の奥行き側の設置勝手が向上する。
【0090】
図9の(1)を参照して、第4吸着手段20の保持体25によって、第1の金属箔成形体31の縁巻40と第2の金属箔成形体61の縁巻70とが保持されている。第4吸着手段20がない場合には、二点鎖線で示されように、第1パネル本体35及び第2パネル本体65が撓むことで、被取付面5の周囲6と縁巻40との間の隙間を介して、実線の矢印の方向へ油分等が入り込む虞があった。しかし、第4吸着手段20を用いることで、第1パネル本体35の撓みが解消され、油分等が入り込みにくくなる。又、1つの第4吸着手段20のみによって、第2パネル本体65の撓みだけでなく、第1パネル本体35の撓みも解消される。
【0091】
図9の(2)を参照して、
図9の(1)で示した形態の変形例として、第4吸着手段20の保持体25によって、第2の金属箔成形体61の縁巻70が保持されている。第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35の一部は、第2の金属箔成形体61の第2パネル本体65の一部の上方に位置している。又、第1の金属箔成形体31の縁巻40は、第2の金属箔成形体61の縁巻70よりも内方側に位置している。即ち、第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35が、第2の金属箔成形体61の第2パネル本体65よりも長手方向に縮んだ状態にある。そのため、第4吸着手段20により第2の金属箔成形体61の縁巻70が保持されることで、第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35も保持されることになる。第4吸着手段20がない場合には、二点鎖線で示されように、第1パネル本体35及び第2パネル本体65が撓むことで、被取付面5の周囲6と縁巻40及び縁巻70との間の隙間を介して、実線の矢印の方向へ油分等が入り込む虞があった。しかし、第4吸着手段20を用いることで、第1パネル本体35及び第2パネル65の撓みが解消され、油分等が入り込みにくくなる。即ち、
図9の(1)と同様の効果を奏する。
【0092】
図10を参照して、第2吸着手段18の保持体25によって、第1の金属箔成形体31の縁巻40が保持されている。第2吸着手段18が整流板9に吸着された状態である。即ち、第2吸着手段18によって、第1パネル本体35の撓みが解消される。
【0093】
図11は、この発明の第2の実施の形態によるフィルター構造体をレンジフードの被取付面に取り付けた状態において、第2吸着手段による吸着状態を示す概略拡大端面図であって、
図10に対応した図である。
【0094】
尚、この第2の実施の形態によるフィルター構造体12は、
図1で示した第1の実施の形態によるフィルター構造体11と基本的な構成は同一である。ここでは、その相違点を中心に説明する。
【0095】
フィルター構造体12の第2吸着手段18は、磁石23と、磁石23に接続されたヨーク24と、ヨーク24に接続され、第1の金属箔成形体31の第1パネル本体35の他方の長辺43bに形成されている縁巻40を保持できる抜け止め形状を有する第1の保持体26と、第1の保持体26に接続され、第2の金属箔成形体61の第2パネル本体65において、被取付面5の手前側に位置する一方の長辺73aに形成されている縁巻70を保持できる抜け止め形状を有する第2の保持体27とから構成される。ヨーク24、第1の保持体26及び第2の保持体27は、磁性板金により一体的に成形されている。第1の保持体26及び第2の保持体27は、断面視略Sの字形状に形成されている。
【0096】
第2吸着手段18の第2の保持体27がない場合には、二点鎖線で示されように、第2パネル本体65が撓むことで、整流板9と縁巻70との間の隙間を介して、実線の矢印の方向へ油分等が入り込む虞があった。しかし、第2保持体27を含んで形成された第2吸着手段18を用いることで、第2パネル本体65の撓みが解消され、油分等が入り込みにくくなる。又、第2の金属箔成形体61の第2パネル本体65における被取付面5の手前側に位置する一方の長辺73aの撓みが、第2吸着手段18によって解消されるため、レンジフード1の整流板9に対して、フィルター構造体12における被取付面5の内方側の取付状態の信頼性が更に向上する。又、1つの第2吸着手段18によって、第1の金属箔成形体31と第2の金属箔成形体61とを連結して保持できるため、フィルター構造体12の取付効率が向上する。
【0097】
尚、上記の各実施の形態では、レンジフードは、整流板を備えていたが、例えば金属フィルターを備えたブーツタイプのように整流板はなくても良い。
【0098】
又、上記の各実施の形態では、被取付面は、整流板と被取付面の周囲との間に通気部が設けられたものであったが、少なくともその一部にレンジフードの吸気口に通じる通気部が設けられてあれば、それ以外の位置に通気部が設けられても良い。
【0099】
更に、上記の各実施の形態では、吸着手段は、第2吸着手段、第3吸着手段、第4吸着手段及び第5吸着手段を含むものであったが、第1吸着手段を含むものであれば、それ以外はなくても良い。又は、第1吸着手段を含むか含まないかは問わず、第1吸着手段から第5吸着手段のうち他の組み合わせで構成されても良い。
【0100】
更に、上記の各実施の形態では、吸着手段は、特定箇所に取り付けられるものであったが、例えば第1の金属箔成形体の短辺に取り付けられても良く、又は、他の箇所に取り付けられても良い。
【0101】
更に、上記の各実施の形態では、吸着手段は、ヨークを有するものであったが、磁石と、磁石に接続され、縁巻を保持できる抜け止め形状を有する保持体を含むものであれば、ヨークはなくても良い。
【0102】
更に、上記の各実施の形態では、吸着手段は、特定の構成で形成されたものであったが、第1の金属箔成形体及び第2の金属箔成形体それぞれの縁巻に脱着自在に取り付けられ、磁力による吸着力を生じさせるものであれば、それ以外の構成で形成されても良い。
【0103】
更に、上記の各実施の形態では、パネル本体は、特定の素材から形成されていたが、金属箔からなるものであれば、それ以外の素材から形成されても良い。又は、耐燃性及び耐熱性を有する樹脂のように金属箔以外のものから形成されても良い。
【0104】
更に、上記の各実施の形態では、フィルターは、特定の素材から形成されていたが、可撓性を有するシート状の材料からなるものであれば、それ以外の素材から形成されても良い。
【0105】
更に、上記の各実施の形態では、パネル本体は、4つの開口を有するものであったが、少なくとも1つの開口が形成されてあれば、それ以外の個数の開口を有するものであっても良い。
【0106】
更に、上記の各実施の形態では、パネル本体は、長手方向に伸縮可能に形成されていたが、長手方向に伸縮できないように形成されても良い。
【0107】
更に、上記の各実施の形態では、パネル本体は、特定のサイズに形成されたものであったが、それ以外のサイズで形成されても良い。
【0108】
更に、上記の各実施の形態では、第1吸着手段及び第5吸着手段は、パネル本体を被取付面に固定する前に、パネル本体に取り付けられていたが、パネル本体を被取付面に固定した後に、パネル本体に取り付けても良い。
【0109】
更に、上記の各実施の形態では、第3吸着手段及び第4吸着手段は、パネル本体を被取付面に固定した後に、パネル本体に取り付けられていたが、パネル本体を被取付面に固定する前に、パネル本体に取り付けても良い。
【0110】
更に、上記の各実施の形態では、被取付面は、被取付面の周囲が平坦形状であったが、被取付面の周囲が平坦形状でないときには、被取付面の周囲の形状に合わせて、パネル本体を所望の箇所で変形させて設置しても良い。
【0111】
更に、上記の各実施の形態では、フィルター構造体は、特定位置に配置されたものであったが、例えば平面視180度回転させたり、平面視90度回転させたりするように、平面視において他の角度で回転させた位置に配置されても良い。
【0112】
更に、上記の各実施の形態では、金属箔成形体は、特定態様に配置されたものであったが、少なくとも一方について左右を入れ替えた態様で配置されても良い。又は、少なくとも一方について裏表を逆転して配置されても良い。
【0113】
更に、上記の各実施の形態では、吸着手段の保持体は、縁巻を保持できる抜け止め形状に形成されていたが、縁巻を抜け止め状態に保持する際に、縁巻の形状をつぶさない形状に形成されることが好ましい。このように形成することで、吸着手段を取り外した後でも、縁巻はつぶされていないので、パネル本体が伸縮可能となる。
【符号の説明】
【0114】
1…レンジフード
3…通気部
5…被取付面
6…周囲
9…整流板
11、12…フィルター構造体
16…吸着手段
17…第1吸着手段
18…第2吸着手段
19…第3吸着手段
20…第4吸着手段
21…第5吸着手段
23…磁石
25…保持体
26…第1の保持体
27…第2の保持体
31…第1の金属箔成形体
35…第1パネル本体
37…開口
38…一方面
40…縁巻
42…短辺
43…長辺
45…第1フィルター
50…第1固定手段
61…第2の金属箔成形体
65…第2パネル本体
67…開口
68…一方面
70…縁巻
72…短辺
73…長辺
75…第2フィルター
80…第2固定手段
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。