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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】内視鏡装置及び計測方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 23/24 20060101AFI20220608BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220608BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20220608BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
G02B23/24 B
A61B1/00 551
A61B1/045 622
A61B1/00 522
A61B1/045 610
G01N21/84 A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2018036215
(22)【出願日】2018-03-01
(65)【公開番号】P2018180521
(43)【公開日】2018-11-15
【審査請求日】2020-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2017079568
(32)【優先日】2017-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】古畑 剛志
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-258273(JP,A)
【文献】特開2002-203248(JP,A)
【文献】特開2014-182104(JP,A)
【文献】特開2007-283090(JP,A)
【文献】特開2014-222274(JP,A)
【文献】特開2015-066236(JP,A)
【文献】特開2011-021560(JP,A)
【文献】国際公開第2009/057409(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 23/24 - 23/26
A61B 1/00 - 1/32
G01B 11/00 - 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって前記被写体を撮像して取得された内視鏡画像を表示する表示部と、
前記被写体を計測する位置である計測位置を記憶装置から読み込み、前記内視鏡画像とともに、前記計測位置を前記表示部に表示する、計測処理部と、
を有する内視鏡装置であって、
前記計測処理部は、指示入力部に対する指示入力によって、過去の計測時に使用された過去の計測位置を前記記憶装置から読み込み、前記内視鏡画像上において、前記過去の計測位置に基づいて前記被写体に関する所定の領域を探索し、前記計測位置の候補を抽出し、前記内視鏡画像とともに、抽出した前記計測位置の候補を選択可能に前記表示部に表示する
内視鏡装置。
【請求項2】
前記計測位置は、計測点の座標情報であり、
前記計測処理部は、前記内視鏡画像上の前記計測位置に計測点画像を表示する、
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記計測位置は、計測線の座標情報であり、
前記計測処理部は、前記内視鏡画像上の前記計測位置に計測線画像を表示する、
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記計測位置は、前記計測処理部によって前記記憶装置に記憶され、
前記計測処理部は、過去に前記記憶装置に記憶された前記計測位置を、前記記憶装置から読み込み、前記内視鏡画像とともに、前記計測位置を前記表示部に表示する、
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記撮像部は、視差を有する被写体像を取得し、
前記計測処理部は、前記視差を有する被写体像に基づいて、前記計測位置における前記撮像部から前記被写体までの離間距離を所定の演算によって算出し、前記離間距離を前記表示部に表示する、
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記計測処理部は、現在の前記内視鏡画像内に、前記過去の計測位置を中心にした所定の広さの探索領域を設定し、前記所定の広さの探索領域内の前記計測位置の候補を検出し、前記計測位置の候補を前記表示部に表示する、
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
前記計測処理部は、前記計測位置を含む前記内視鏡画像の部分拡大画像を表示可能であり、
前記所定の広さの探索領域は、前記部分拡大画像の拡大率に応じて広さが変化する、
請求項6に記載の内視鏡装置。
【請求項8】
前記計測処理部は、複数の前記計測位置の間の距離である計測位置間距離を所定の演算によって算出し、前記計測位置間距離を前記表示部に表示する、請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項9】
前記計測処理部は、前記計測位置を追加設定し、前記追加設定した前記計測位置を含む前記計測位置間距離を所定の演算によって算出する、請求項8に記載の内視鏡装置。
【請求項10】
前記計測処理部は、前記所定の領域において前記被写体の輪郭を検出し、前記輪郭に基づいて前記計測位置の候補を抽出する、請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項11】
前記計測処理部は、前記被写体に応じて予め設定された基準計測点に基づいて設定された基準計測位置を読み込み、基準計測位置を前記表示部に表示し、前記内視鏡画像上の前記被写体を移動させることにより、前記被写体の計測部位を基準計測位置に近付ける、請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項12】
フォルダ生成部を有し、
前記記憶装置は、階層構造のフォルダを有し、
前記フォルダ生成部は、前記被写体に応じ、前記記憶装置に前記フォルダを生成する、
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項13】
参考データ生成部を有し、
前記参考データ生成部は、前記被写体及び前記記憶装置に記憶された計測結果に応じて、前記計測位置を含む参考データを生成する、請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項14】
制御部をさらに有し、
前記制御部は、抽出した前記計測位置の候補から選択された計測位置に基づいて、計測処理を行う、請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項15】
前記計測位置は2つあり、前記制御部は2つの前記計測位置の間の距離を算出する、請求項14に記載の内視鏡装置。
【請求項16】
被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって前記被写体を撮像して取得された内視鏡画像を表示する表示部と、
前記被写体を計測する位置である計測位置を記憶装置から読み込み、前記内視鏡画像とともに、前記計測位置を前記表示部に表示する、計測処理部と、
を有する内視鏡装置であって、
前記計測処理部は、指示入力部に対する指示入力によって、過去の計測時に使用され記憶された過去の計測位置と、前記過去の計測位置に対応付けて記憶された検査時期を前記記憶装置から読み込み、複数の前記過去の計測位置および前記検査時期に基づいて現在の計測点候補の位置を算出し、前記内視鏡画像とともに、算出した前記計測点候補の位置を選択可能に前記表示部に表示
前記計測処理部は、前記検査時期に基づいて、過去から現在までの経過時間情報を用いて前記計測点候補を算出する、
内視鏡装置。
【請求項17】
前記計測処理部は、前記過去の計測位置と、前記計測位置に対応付けられた前記検査時期から単位時間当たりの計測位置の移動量を算出し、前記現在の計測点候補の位置を算出する、請求項16に記載の内視鏡装置。
【請求項18】
撮像部によって被写体を撮像し、
前記撮像部によって前記被写体を撮像して取得された内視鏡画像を表示部に表示し、
前記被写体を計測する位置である計測位置を記憶装置から読み込み、前記内視鏡画像上の前記計測位置を前記表示部に表示し、
指示入力部に対する指示入力によって、過去の計測時に使用された過去の計測位置を前記記憶装置から読み込み、
前記内視鏡画像上において、前記過去の計測位置に基づいて前記被写体に関する所定の領域を探索し、前記計測位置の候補を抽出し、
前記内視鏡画像とともに、抽出した前記計測位置の候補を選択可能に前記表示部に表示する、
計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置及び計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被写体の計測を行うことができる内視鏡装置がある。例えば、特開2002-203248号公報には、計測対象を撮像した計測対象画像内に所定の大きさの注目領域を設定し、注目領域内を予め準備された基準画像に基づくパターンマッチング処理によって計測する計測処理装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-203248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の計測処理装置では、パターンマッチング処理に用いられる基準画像の準備に手間がかかり、亀裂、欠け、劣化又は生産不良等の被写体の全体及び一部に生じる可能性のある異常を効率的に検出することが困難である。
【0005】
そこで、本発明は、被写体の全体及び一部に生じる可能性のある異常を効率的に検出することができる内視鏡装置及び計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の内視鏡装置は、被写体を撮像する撮像部と、前記撮像部によって前記被写体を撮像して取得された内視鏡画像を表示する表示部と、前記被写体を計測する位置である計測位置を記憶装置から読み込み、前記内視鏡画像とともに、前記計測位置を前記表示部に表示する、計測処理部と、を有する内視鏡装置であって、前記計測処理部は、指示入力部に対する指示入力によって、過去の計測時に使用された過去の計測位置を前記記憶装置から読み込み、前記内視鏡画像上において、前記過去の計測位置に基づいて前記被写体に関する所定の領域を探索し、前記計測位置の候補を抽出し、前記内視鏡画像とともに、抽出した前記計測位置の候補を選択可能に前記表示部に表示する
本発明の一態様の内視鏡装置は、被写体を撮像する撮像部と、前記撮像部によって前記被写体を撮像して取得された内視鏡画像を表示する表示部と、前記被写体を計測する位置である計測位置を記憶装置から読み込み、前記内視鏡画像とともに、前記計測位置を前記表示部に表示する、計測処理部と、を有する内視鏡装置であって、前記計測処理部は、指示入力部に対する指示入力によって、過去の計測時に使用され記憶された過去の計測位置と、前記過去の計測位置に対応付けて記憶された検査時期を前記記憶装置から読み込み、複数の前記過去の計測位置および前記検査時期に基づいて現在の計測点候補の位置を算出し、前記内視鏡画像とともに、算出した前記計測点候補の位置を選択可能に前記表示部に表示、前記計測処理部は、前記検査時期に基づいて、過去から現在までの経過時間情報を用いて前記計測点候補を算出する。
【0007】
本発明の一態様の計測方法は、撮像部によって被写体を撮像し、前記撮像部によって前記被写体を撮像して取得された内視鏡画像を表示部に表示し、前記被写体を計測する位置である計測位置を記憶装置から読み込み、前記内視鏡画像上の前記計測位置を前記表示部に表示し、指示入力部に対する指示入力によって、過去の計測時に使用された過去の計測位置を前記記憶装置から読み込み、前記内視鏡画像上において、前記過去の計測位置に基づいて前記被写体に関する所定の領域を探索し、前記計測位置の候補を抽出し、前記内視鏡画像とともに、抽出した前記計測位置の候補を選択可能に前記表示部に表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被写体の全体及び一部に生じる可能性のある異常を効率的に検出することができる内視鏡装置及び計測方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係わる、内視鏡装置の構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係わる、内視鏡装置のフォルダの階層構造の一例を示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係わる、内視鏡装置の計測処理の一例を示すフローチャートである。
図4】本発明の第1の実施形態に係わる、内視鏡装置の内視鏡画像における計測点の一例を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係わる、内視鏡装置の内視鏡画像における計測点の一例を示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係わる、内視鏡装置の内視鏡画像における所定の探索領域の一例を示す図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係わる、内視鏡装置の内視鏡画像における部分拡大画像の一例を示す図である。
図8】本発明の第1の実施形態に係わる、内視鏡装置の内視鏡画像における部分拡大画像の一例を示す図である。
図9】本発明の第1の実施形態の変形例1に係わる、内視鏡装置の内視鏡画像における計測処理の一例を示すフローチャートである。
図10】本発明の第1の実施形態の変形例1に係わる、内視鏡装置の内視鏡画像における計測点候補の一例を示す図である。
図11】本発明の第1の実施形態の変形例1に係わる、内視鏡装置の内視鏡画像における計測点の追加設定の一例を示す図である。
図12】本発明の第1の実施形態の変形例2に係わる、内視鏡装置の内視鏡画像における計測処理の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の第1の実施形態の変形例2に係わる、内視鏡装置の内視鏡画像における計測点候補の一例を示す図である。
図14】本発明の第1の実施形態の変形例3に係わる、内視鏡装置の計測処理の一例を示すフローチャートである。
図15】本発明の第2の実施形態に係わる、内視鏡装置のフォルダの階層構造の一例を示す図である。
図16】本発明の第2の実施形態の変形例1に係わる、内視鏡装置のフォルダの階層構造の一例を示す図である。
図17】本発明の第2の実施形態の変形例1に係わる、内視鏡装置のフォルダの階層構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0011】
(構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる、内視鏡装置1の構成例を示すブロック図である。
【0012】
内視鏡装置1は、挿入部2と装置本体3を有する。内視鏡装置1は、メモリカードCを着脱自在に取付け可能である。内視鏡装置1内の各部は、内部配線Bsによって接続される。
【0013】
挿入部2は、細長状に形成され、先端部2a側から被写体内に挿入できるように構成される。挿入部2の基端は、装置本体3と着脱可能に接続される。挿入部2は、照明部11、撮像部12、湾曲部13、操作部14及び光学アダプタ15を有する。
【0014】
照明部11は、被写体を照明できるように構成される。照明部11は、例えば、LED等の発光素子を有する。照明部11は、装置本体3の制御部51と接続され、制御部51の制御の下、先端部2aから被写体に照明光を照射する。
【0015】
撮像部12は、被写体を撮像できるように構成される。撮像部12は、例えば、CCD又はCMOS等の撮像素子と、撮像素子の撮像面側に配置されたレンズ等の撮像光学系を有する。撮像部12は、制御部51と接続され、制御部51の制御の下、被写体を撮像して被写体像を取得する。
【0016】
湾曲部13は、先端部2aの基端側に設けられる。湾曲部13は、図示しない湾曲駆動部とワイヤによって接続される。湾曲部13は、制御部51の制御の下、ワイヤの進退によって挿入部2を湾曲させる。
【0017】
操作部14は、指示入力をすることができるように構成される。操作部14は、ジョイスティック、フリーズボタン、記録指示ボタン及び上下左右方向の湾曲ボタン等の図示しない各種の操作具を有する。操作部14は、制御部51と接続され、指示入力に応じた制御信号を制御部51に出力する。すなわち、操作部14は、指示入力部である。
【0018】
光学アダプタ15は、先端部2aに着脱自在に装着される。光学アダプタ15は、被写体に応じて各種アダプタに交換可能である。光学アダプタ15は、例えば、計測用のアダプタであり、互いに視差を有する2つの被写体像を撮像部12に投影する。すなわち、撮像部12は、光学アダプタ15によって視差を有する被写体像を取得する。
【0019】
装置本体3は、タッチパネル21と、表示部31と、外部I/F41と、制御部51とを有する。
【0020】
タッチパネル21は、指示入力をすることができるように構成される。タッチパネル21は、表示部31に重畳して配置され、指示入力に応じた制御信号を制御部51に出力する。すなわち、タッチパネル21は、指示入力部である。
【0021】
表示部31は、例えば、LCDを有する。表示部31は、撮像部12によって被写体を撮像して取得された内視鏡画像等の各種画像を表示する。
【0022】
外部I/F41は、メモリカードCと接続可能である。
【0023】
制御部51は、内視鏡装置1内の各種動作を制御することができ、また、各種画像処理を行うこともできるように構成される。制御部51は、CPU52と、CPU52によって読取り及び書込みが行われるメモリ53とを有する。
【0024】
CPU52は、各種処理を実行可能である。制御部51の機能は、CPU52がメモリ53に記憶された各種のプログラムを実行することによって実現される。
【0025】
メモリ53は、RAMと書換え可能なフラッシュROMを有する。メモリ53には、各種プログラム及び各種データの他、計測処理部P1のプログラムも記憶される。
【0026】
計測処理部P1は、被写体を計測する位置である計測位置を記憶装置から読み込み、内視鏡画像上の計測位置を表示部31に表示する、計測処理を行う。より具体的には、計測位置は、計測点の座標情報であり、計測処理部P1は、内視鏡画像上の計測位置に計測点画像を表示する。以下、「計測点の座標情報」又は「計測点画像」を、単に「計測点」という。
【0027】
図2は、本発明の第1の実施形態に係わる、内視鏡装置1のフォルダの階層構造の一例を示す図である。
【0028】
メモリカードCは、計測情報を記憶できるように構成される。装置本体3に取り付けられると、メモリカードCは、外部I/F41と接続し、制御部51によって読取り及び書込みが可能になる。すなわち、メモリカードCは、記憶装置である。
【0029】
図2に示すように、メモリカードCは、階層構造のフォルダを有し、計測処理によって取得された計測情報を記憶する。例えば、図2では、「Root」の下層には、検査日YYYYMMDDに応じて生成された、フォルダ名を「YYYYMMDD1計測」「YYYYMMDD2計測」(YYYYが年、MMが月、DDが日を表す)とする、上位フォルダが配置される。そして、上位フォルダの各々には、部品名に応じて生成された、フォルダ名を「部品1」「部品2」「部品3」とする、下位フォルダが配置される。そして、下位フォルダの各々には、被写体に応じて生成された、ファイル名を「検査画像1」「検査画像2」「検査画像3」とする、内視鏡画像のファイルが記憶される。内視鏡画像のファイルには、例えば、メタ情報として、計測点も含まれる。なお、図2のフォルダの階層構造は、例示であり、これに限定されない。すなわち、計測情報は、検査日、部品名及び被写体に対応付けてメモリカードCに記憶される。
【0030】
すなわち、計測位置は、計測処理部P1によって記憶装置に記憶され、計測処理部P1は、過去に記憶装置に記憶された計測位置を、記憶装置から読み込み、内視鏡画像上の計測位置を表示部31に表示する。
【0031】
(動作)
内視鏡装置1の動作の説明をする。
【0032】
図3は、本発明の第1の実施形態に係わる、内視鏡装置1の計測処理の一例を示すフローチャートである。図4は、本発明の第1の実施形態に係わる、内視鏡装置1の内視鏡画像における計測点C1、C2の一例を示す図である。
【0033】
図4の内視鏡画像の例では、タービンブレードB、カーソルCs、計測点C1、C2、計測点間距離L、位置情報パネルPp及びインジケータDp1、Dp2が表示される。
【0034】
ユーザが指示入力部によって計測処理開始の指示入力を行うと、制御部51は、メモリ53から計測処理部P1のプログラムを読み込み、計測処理部P1のプログラムを実行し、計測処理を行う。
【0035】
制御部51は、撮像部12を駆動する。撮像部12には、光学アダプタ15によって互いに視差を有する2つの被写体像が投影される。制御部51は、各種画像処理を行った後、2つの被写体像を表示部31に出力し、被写体像に基づく内視鏡画像を表示部31に表示する。図4は、2つの被写体像のうちの一方の被写体像に基づく内視鏡画像の表示例である。なお、制御部51は、2つの被写体像のうち、予め設定されたいずれか一方の被写体像に基づく内視鏡画像を表示部31に表示してもよい。
【0036】
制御部51は、内視鏡画像内に、指示入力部に対する指示入力に応じて移動するカーソルCsを配置する。
【0037】
制御部51は、2つの被写体像を用いた三角測距の演算処理により、カーソルCsにおける撮像部12から被写体までの離間距離Zを算出する。
【0038】
制御部51は、カーソルCsの座標(図4では「x,y」と表す)、離間距離Z、インジケータDp1を位置情報パネルPpに表示する。
【0039】
インジケータDp1は、矩形模様の個数によって離間距離Zを示す。例えば、インジケータDp1では、離間距離Zに応じ、表示する矩形模様の個数が増える。図4の例では、インジケータDp1が、緑矩形模様、黄矩形模様及び赤矩形模様の各々を最大3個ずつ表示できるように構成され、そのうち、離間距離Zに応じ、緑矩形模様及び黄矩形模様の各々が3個表示され、赤矩形模様が1個表示され、赤矩形模様が2個非表示にされている。
【0040】
インジケータDp2は、矩形模様の色によって離間距離Zを示す。例えば、インジケータDp2では、離間距離Zに応じ、矩形模様が緑色、黄色及び赤色に変化する。図4の例では、インジケータDp2は、赤色の矩形模様を表示する。
【0041】
すなわち、計測処理部P1は、被写体の計測部位を計測位置に簡便に配置できるように、視差を有する被写体像に基づいて、計測位置における撮像部12から被写体までの離間距離Zを所定の演算によって算出し、離間距離Zを表示部31に表示する。
【0042】
続いて、初回の計測処理について説明をする。初回の計測では、計測点C1、C2を設定する。ユーザは、内視鏡画像上の所定の計測位置に被写体が配置されるように、被写体を移動させる。例えば、ユーザは、タービンブレードBが所定の計測位置に配置されるように、図示しないターニングツールによってタービンブレードBを回転して移動させる。なお、ユーザは、湾曲部13又は図示しない撮像部移動機構によって撮像部12を移動させても構わない。また、ユーザは、手動によって被写体又は挿入部2のいずれかを移動させても構わない。また、ユーザは、計測点C1、C2を、指示入力部を介した座標入力によって設定しても構わない。
【0043】
制御部51は、所定の演算により、計測点C1、C2の3次元位置を算出し、計測点間距離Lを算出して表示部31に表示する。また、制御部51は、計測点C1、C2を内視鏡画像のファイルに書き込み、内視鏡画像のファイルをメモリカードC内の所定のフォルダに格納する。
【0044】
すなわち、計測処理部P1は、複数の計測位置の間の距離である計測位置間距離を所定の演算によって算出し、計測位置間距離を表示部31に表示する。
【0045】
タービンブレードBが複数枚ある場合等、被写体が複数ある場合には、全ての被写体に対して初回の計測処理が行われる。
【0046】
次に、2回目以降の計測について説明をする。
【0047】
図5図9は、本発明の第1の実施形態に係わる、内視鏡装置1の内視鏡画像を示す図である。図5が計測点C1、C2の一例であり、図6が所定の探索領域Sa1、Sa2の一例であり、図7及び図8が部分拡大画像Eの一例である。
【0048】
前回の計測点C1、C2を読み込む(S1)。制御部51は、メモリカードCから前回記憶された計測点C1、C2を読み込む。
【0049】
計測点C1、C2を表示する(S2)。制御部51は、S1において取得した計測点C1、C2を表示部31に表示する。
【0050】
計測結果を表示する(S3)。制御部51は、所定の演算により、カーソルCsにおける離間距離Zを算出し、計測点間距離Lを算出する。制御部51は、計測結果として、カーソルCs、離間距離Z、インジケータDp1、Dp2、計測点間距離Lを表示部31に表示する。ユーザは、表示部31に表示された被写体及びインジケータDp1、Dp2等の計測結果に基づいて、内視鏡画像上の所定の計測位置に被写体が配置されるように、被写体を移動させる。被写体の移動に応じ、制御部51は、表示部31に表示された計測結果を更新する。
【0051】
計測結果が問題ないか否かを判定する(S4)。ユーザは、計測結果を目視し、指示入力部によって計測結果に問題がないか否かを指示入力する。計測結果に問題がないことを示す指示入力があったとき(S4:YES)、処理はS9に進む。一方、計測結果に問題があることを示す指示入力があったとき(S4:NO)、処理はS5に進む。
【0052】
例えば、図4に示すように、S2において表示された計測点C1、C2が、タービンブレードB上の測定位置と重ね配置になったとき、ユーザは、計測結果に問題がないことを示す指示入力を行う。一方、図5に示すように、タービンブレードBに損傷Crがあり、計測点C2が、タービンブレードB上の測定位置と重ね配置にならないとき、ユーザは、計測結果に問題があることを示す指示入力を行う。
【0053】
所定の探索領域Sa1、Sa2を表示する(S5)。制御部51は、内視鏡画像上に、計測点C1、C2の各々を中心とした所定の探索領域Sa1、Sa2を表示する。
【0054】
所定の探索領域Sa1、Sa2を変更するか否かを判定する(S6)。ユーザは、S5において表示された所定の探索領域Sa1、Sa2を目視し、指示入力部によって所定の探索領域Sa1、Sa2を変更するか否かを指示入力する。所定の探索領域Sa1、Sa2を変更しないことを示す指示入力があったとき(S6:NO)、処理は、S7に進む。一方、所定の探索領域Sa1、Sa2を変更することを示す指示入力があったとき(S6:YES)、処理はS6yに進む。
【0055】
所定の探索領域Sa1、Sa2を変更する(S6y)。指示入力部に計測点C1、C2を移動させる指示入力があると、制御部51は、指示入力に応じて所定の探索領域Sa1、Sa2を変更する。また、指示入力部に指示入力があると、制御部51は、所定の探索領域Sa1、Sa2拡大又は縮小する。図7は、所定の探索領域Sa2を拡大させた部分拡大画像Eの例である。なお、部分拡大画像Eは、操作用画像Btn等の指示入力部の操作に応じ拡大率が変化しても構わない(図8の部分拡大画像E1、E2、E3)。
【0056】
計測点の調整処理を行う(S7)。制御部51は、所定の探索領域Sa1、Sa2内において、計測点候補C3、C4を検出する。例えば、図6に示すように、制御部51は、所定の探索領域Sa1、Sa2内の内視鏡画像から被写体の輪郭を抽出し、輪郭の角部等の特徴部位を計測点候補C3、C4として抽出する。続いて、制御部51は、計測点候補C3、C4を内視鏡画像上に表示する。ユーザが、計測点候補C3を選択することを指示入力すると、計測点C2を破棄し、計測点C3を新たに設定する。
【0057】
すなわち、計測処理部P1は、内視鏡画像内に所定の探索領域を設定し、所定の探索領域内の計測位置候補を検出し、計測位置候補を表示部31に表示する。また、計測処理部P1は、計測位置を含む内視鏡画像の部分拡大画像Eを表示可能であり、所定の探索領域の広さは、部分拡大画像Eの拡大率に応じて変化する。
【0058】
被写体を計測する(S8)。制御部51は、計測点C1、C3に基づいて、所定の演算により、離間距離Zを算出し、計測点間距離Lを算出し、カーソルCs、離間距離Z、インジケータDp1、Dp2、計測点間距離Lを表示部31に表示する。
【0059】
検査画像及び計測点を記憶する(S9)。ユーザから指示入力があると、制御部51は、内視鏡画像に計測結果である計測点C1、C3を書込み、検査画像として、内視鏡画像を所定のフォルダに格納する。図2の例では、制御部51は、「YYYYMMDD1計測」「部品1」内に、「検査画像1」に名前付けされた内視鏡画像を記憶する。S9が終わると、次の被写体の計測処理を行うため、処理はS1に戻る。全ての被写体の計測処理が終了すると、計測処理は終了する。
【0060】
S1からS9の処理が、第1の実施形態に係わる、計測処理を構成する。
【0061】
すなわち、計測方法は、撮像部12によって被写体を撮像し、撮像部12によって被写体を取得して取得された内視鏡画像を表示部31に表示し、被写体を計測する位置である計測位置を記憶装置から読み込み、内視鏡画像上の計測位置を表示部31に表示する。
【0062】
これにより、内視鏡装置1では、計測点の設定を簡便に行うことができる。
【0063】
上述の第1の実施形態によれば、内視鏡装置1は、被写体の全体及び一部に生じる可能性のある異常を効率的に検出することができる。
【0064】
(第1の実施形態の変形例1)
第1の実施形態では、計測処理部P1は、計測点C1、C2の調整処理(S7)において、計測点C2を破棄し、計測点C3を新たに設定するが、計測点C2を破棄しないように構成しても構わない。
【0065】
図9は、本発明の第1の実施形態の変形例1に係わる、内視鏡装置1の内視鏡画像における計測処理の一例を示すフローチャートである。図10は、本発明の第1の実施形態の変形例1に係わる、内視鏡装置1の内視鏡画像における計測点候補C3、C4の一例を示す図である。図11は、本発明の第1の実施形態の変形例1に係わる、内視鏡装置1の内視鏡画像における計測点C4の追加設定の一例を示す図である。本変形例においては、他の実施形態及び変形例と同じ構成については、説明を省略する。
【0066】
制御部51は、計測処理部P2を有する(図1の2点鎖線)。計測処理部P2は、計測点の調整処理(S7)において、計測処理部P1の処理と異なる。
【0067】
S1~S6の処理は、第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0068】
計測点候補を表示する(S7a)。図10に示すように、制御部51は、計測点候補C3、C4を表示する。
【0069】
計測点を追加設定する(S7b)。計測点候補C4を選択する指示入力があると、制御部51は、計測点C4を追加設定する。
【0070】
被写体を計測する(S8)。制御部51は、計測点C1、C2に基づいて、所定の演算により、計測点間距離L1を算出する。続いて、制御部51は、計測点C2、C4に基づいて、所定の演算により、計測点間距離L2を算出する。制御部51は、計測点間距離L1、L2を合計し、計測点間距離Lを算出する。制御部51は、カーソルCs、離間距離Z、インジケータDp1、Dp2、計測点間距離Lを表示部31に表示する。
【0071】
S9の処理は、第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0072】
上述のS1~S6、S7a、S7b、S8~S9の処理が、第1の実施形態の変形例1の処理を構成する。
【0073】
これにより、内視鏡装置1は、測定位置を追加設定し、追加設定した計測位置を含む計測位置間距離を所定の演算によって算出することができる。
【0074】
(第1の実施形態の変形例2)
第1の実施形態及びその変形例1では、計測点候補C3、C4は、内視鏡画像から抽出されるが、所定の演算により、過去の計測点から現在の異常の大きさを算出しても構わない。
【0075】
図12は、本発明の第1の実施形態の変形例2に係わる、内視鏡装置1の内視鏡画像における計測処理の一例を示すフローチャートである。図13は、本発明の第1の実施形態の変形例2に係わる、内視鏡装置1の内視鏡画像における計測点候補C6の一例を示す図である。本変形例においては、他の実施形態及び変形例と同じ構成については、説明を省略する。
【0076】
制御部51は、計測処理部P3を有する(図1の2点鎖線)。計測処理部P3は、計測点の調整処理(S7)において、計測処理部P1、P2の処理と異なる。
【0077】
S1~S6の処理は、計測処理部P1、P2と同じであるため、説明を省略する。
【0078】
過去の計測結果を読み込む(S7c)。制御部51は、被写体の過去の計測結果を読み込む。図13は、前々回の計測において、損傷Cr4が発見され、前回の計測において、損傷Cr5が発見された例である。図13の例では、制御部51は、損傷Cr4に対応した計測点C4及び計測点間距離L4と、損傷Cr5に対応した計測点C5及び計測点間距離L5との計測結果を読み込む。
【0079】
計測点候補の位置を算出する(S7d)。制御部51は、所定の演算により、計測点候補C6の位置を算出する。計測点候補C6は、計測点C4から計測点C5の単位時間当たりの移動量を算出し、単位時間当たりの移動量に、計測点C5の計測時から現在までの時間を乗算し、算出される。なお、計測点候補C6は、他の演算方法によって算出されても構わない。
【0080】
計測点候補を表示する(S7e)。図13に示すように、制御部51は、計測点候補C6を表示する。
【0081】
計測点を設定する(S7f)。ユーザが、計測点候補C6を選択することを指示入力すると、制御部51は、計測点C6を設定する。なお、計測点C6が被写体とずれているときには、指示入力部に対する指示入力によって計測点C6の位置を調整しても構わない。
【0082】
被写体を計測する(S8)。制御部51は、計測点C1、C6に基づいて、所定の演算により、計測点間距離L6を算出する。制御部51は、カーソルCs、離間距離Z、インジケータDp1、Dp2、計測点間距離Lを表示部31に表示する。
【0083】
S9の処理は、計測処理部P1、P2と同じであるため、説明を省略する。
【0084】
上述のS1~S6、S7c~S7f、S8~S9の処理が、第1の実施形態の変形例2の処理を構成する。
【0085】
すなわち、計測処理部P3は、計測位置を検査日と対応付けて記憶装置に記憶し、記憶装置に記憶された複数の検査日及び計測位置に基づいて、所定の演算によって計測位置候補を算出する。
【0086】
これにより、内視鏡装置1では、計測点C6をより簡便に設定することができる。
【0087】
(第1の実施形態の変形例3)
第1の実施形態の変形例1と2では、計測処理は、被写体に応じ、前回の計測点を読み込み(S1)、計測点を表示する(S2)が、基準計測点を読み込み、複数の被写体に対し、基準計測点を用いて計測を行っても構わない。
【0088】
図14は、本発明の第1の実施形態の変形例3に係わる、内視鏡装置1の計測処理の一例を示すフローチャートである。本変形例においては、他の実施形態及び変形例と同じ構成については、説明を省略する。
【0089】
制御部51は、計測処理部P4を有する(図1の2点鎖線)。計測処理部P4では、基準計測点を読み込み、複数の被写体に対し、基準計測点を用いて計測を行う。
【0090】
基準計測点は、被写体に応じて予め設定され、メモリカードCに記憶される。
【0091】
本変形例の動作について、説明をする。
【0092】
基準計測点を読み込む(S1a)。制御部51は、メモリカードCから基準計測点を読み込む。
【0093】
S2~S9の処理は、計測処理部P1~P3と同じであるため、説明を省略する。
【0094】
上述のS1a、S2~S9の処理が、第1の実施形態の変形例3の処理を構成する。
【0095】
すなわち、計測処理部P4は、基準計測位置を読み込み、基準計測位置を表示部31に表示し、内視鏡画像上の被写体を移動させることにより、被写体の計測部位を基準計測位置に近付ける。
【0096】
これにより、内視鏡装置1では、複数の被写体に対し、基準計測点を用いて簡便に計測を行うことができる。
【0097】
なお、変形例3では、メモリカードCから基準点を読み出していたが、制御部51が備えるRAM領域に基準計測点が残っている場合、その情報を過去の計測点として読み込んでもよい。
【0098】
(第2の実施形態)
第1の実施形態及び変形例1~3では、検査画像は、予めユーザによって作成されたフォルダに格納されるが、計測内容に応じ、検査画像を格納するフォルダを制御部51が生成しても構わない。
【0099】
図15は、本発明の第2の実施形態に係わる、内視鏡装置1のフォルダの階層構造の一例を示す図である。本実施形態においては、他の実施形態及び変形例と同じ構成については、説明を省略する。
【0100】
制御部51は、フォルダ生成部P5を有する(図1の2点鎖線)。
【0101】
フォルダ生成部P5は、検査画像を格納するフォルダの生成を行う。
【0102】
フォルダ生成部P5は、計測点を読み込んだ後、検査日及び読み込んだ部品名に応じ、検査画像を格納するフォルダを生成する。例えば、図3に示すように、検査日がYYYYMMDD3であるとき、過去の計測によって記憶されたYYYYMMDD2の部品1の検査画像1に含まれる計測点をメモリカードCから読み込むと、制御部51は、「YYYYMMDD3計測」「部品1」のフォルダを生成する。そして、被写体の計測が終了した後、制御部51は、計測によって取得された計測情報を「YYYYMMDD3計測」「部品1」「検査画像1」に書き込む。
【0103】
続いて、制御部51は、YYYYMMDD2の部品1の検査画像2の計測点を読み込み、計測を行い、計測によって取得された計測情報を「YYYYMMDD3計測」「部品1」「検査画像2」に書き込む。部品1の計測が終了すると、部品2、部品3のように、計測を行い、制御部51は、検査画像を記憶する。
【0104】
すなわち、記憶装置は、階層構造のフォルダを有し、フォルダ生成部P5は、被写体に応じ、記憶装置にフォルダを生成する。
【0105】
上述の第2の実施形態では、内視鏡装置1では、前回の検査において記憶した情報に基づいて検査を進め、制御部51によって生成されたフォルダに計測結果を格納し、効率的に被写体を計測することができる。
【0106】
(第2の実施形態の変形例1)
第1の実施形態の変形例1と2、及び、第2実施形態では、制御部51は、前回の検査画像から計測点を読み出して被写体の計測を行うが、予め計測点を読み出すための参考データを作成し、メモリカードCに記憶させても構わない。
【0107】
図16及び図17は、本発明の第2の実施形態の変形例1に係わる、内視鏡装置1のフォルダの階層構造の一例を示す図である。本変形例においては、他の実施形態及び変形例と同じ構成については、説明を省略する。
【0108】
制御部51は、参考データ生成部P6を有する(図1の2点鎖線)。
【0109】
制御部51は、計測結果に応じて名前付けをした計測結果のファイルを生成し、計測結果のファイルをフォルダに格納する。図16の例では、計測結果に問題がないとき、制御部51は、「検査画像1OK」「検査画像2OK」のように、識別文字「OK」を付したファイル名によって計測結果をフォルダに格納する。一方、計測結果に問題があるとき、制御部51は、「検査画像3NG」のように、識別文字「NG」を付したファイル名によって計測結果をフォルダに格納する。
【0110】
制御部51は、参考データ生成部P6の処理により、前回の検査終了後であって次回の検査開始前までの間に、参考データを生成する。例えば、図17に示すように、制御部51は、前回の計測結果が格納された「YYYYMMDD2計測」のフォルダ構造をコピーし、「参考」フォルダを生成する。続いて、制御部51は、「YYYYMMDD2計測」フォルダから識別文字「NG」が付されたファイルを抽出し、「参考」フォルダ内の対応するフォルダ内にコピーをする。
【0111】
参考データ生成部P6は、被写体及び記憶装置に記憶された計測結果に応じて、計測位置を含む参考データを生成する
これにより、内視鏡装置1では、「参考」フォルダ内の検査画像から、計測点を読み出すことができる。
【0112】
なお、実施形態及び変形例では、S4において、計測結果に問題がないことを示す指示入力があったとき(S4:YES)、処理は、S9に進み、検査画像を記憶するように構成されるが、問題のない検査画像を記憶しないときには、S4からS1に戻るように構成しても構わない。
【0113】
なお、実施形態及び変形例では、計測結果をメモリカードCに記憶するが、情報端末Pcを介し、メモリカードCに記憶された計測結果をサーバSvに保存しても構わない。また、内視鏡装置1は、外部I/F41により、ネットワークNを介してサーバSvと接続し、サーバSvに対し、計測結果等の各種情報の読込み又は書込みをしても構わない。
【0114】
なお、実施形態及び変形例では、記憶装置が、メモリカードCであるが、これに限定されない。記憶装置は、例えば、メモリ53、情報端末Pc、サーバSv又は他の外部記憶装置であっても構わない。
【0115】
なお、実施形態及び変形例では、計測位置が、計測点の座標情報である例を説明したが、計測線の座標情報であっても構わない。この場合、計測処理部P1~P6は、内視鏡画像上の計測位置に計測線画像を表示する。例えば、計測点C1、C2を計測線の座標情報とし、計測点C1、C2間を結ぶ計測線画像CL(図4の破線)を表示しても構わない。
【0116】
また、内視鏡画像のズーム倍率に応じて、計測点の座標情報を補正し、計測線を縮小・拡大しても構わないし、計測線を表示した後、内視鏡画像の移動に応じて計測点の座標情報を補正し、計測線を追従して表示しても構わない。
【0117】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0118】
1 内視鏡装置
2 挿入部
2a 先端部
3 装置本体
11 照明部
12 撮像部
13 湾曲部
14 操作部
15 光学アダプタ
21 タッチパネル
31 表示部
41 外部I/F
51 制御部
52 CPU
53 メモリ
B タービンブレード
Bs 内部配線
Btn 操作用画像
C メモリカード
CL 計測線画像
C1 計測点
C2 計測点
C3 計測点候補
C4 計測点、計測点候補
C5 計測点
C6 計測点候補
Cr 損傷
Cr4 損傷
Cr5 損傷
Cs カーソル
Dp1 インジケータ
Dp2 インジケータ
E 部分拡大画像
E1 部分拡大画像
E2 部分拡大画像
E3 部分拡大画像
L 計測点間距離
L1 計測点間距離
L2 計測点間距離
L4 計測点間距離
L5 計測点間距離
L6 計測点間距離
N ネットワーク
Pc 情報端末
Pp 位置情報パネル
P1 計測処理部
P2 計測処理部
P3 計測処理部
P4 計測処理部
P5 フォルダ生成部
P6 参考データ生成部
Sa1 所定の探索領域
Sa2 所定の探索領域
Sv サーバ
Z 離間距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17