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特許7084746シャッター管理システム及びシャッター管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】シャッター管理システム及びシャッター管理装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/00 20060101AFI20220608BHJP
【FI】
E06B9/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018045802
(22)【出願日】2018-03-13
(65)【公開番号】P2019157504
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000252034
【氏名又は名称】株式会社鈴木シャッター
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】望月 博文
(72)【発明者】
【氏名】真野 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】榎本 祐二
(72)【発明者】
【氏名】柳田 聡男
(72)【発明者】
【氏名】大場 広敦
【審査官】芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-168048(JP,A)
【文献】特開2001-109815(JP,A)
【文献】特開2017-179736(JP,A)
【文献】特開2013-136905(JP,A)
【文献】特開2015-021291(JP,A)
【文献】特開2012-241342(JP,A)
【文献】特開2015-183502(JP,A)
【文献】特開2013-249608(JP,A)
【文献】特開2014-055469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる場所に設置される複数のシャッター装置を管理するシャッター管理システムであって、
前記シャッター装置からの異常情報がネットワークを介して集約されるシャッター管理部と、
メンテナンスを行う担当者の現在地・予定情報を前記シャッター管理部に送信するモバイル端末と、を備え、
前記シャッター管理部は、
設置場所の情報をシャッター装置ごとに記憶するシャッター情報記憶部と、
担当者ごとに現在地・予定情報を記憶するスケジュール管理データベースと、
前記シャッター装置からの異常情報が入力されると、前記シャッター情報記憶部の設置場所と前記スケジュール管理データベース現在地・予定情報に基づいて当該シャッター装置のメンテナンスを行う担当者及び日時を含む整備計画を作成可能な整備計画作成部と、
前記シャッター装置の複数の可動部位のそれぞれに配置され、当該可動部位の変位を段階的に検知可能な検知部と、
前記検知部の検知信号に基づいて部位ごとの故障の兆候を段階的に診断可能な診断部と、
を有し、
前記整備計画作成部は、
故障及びその兆候の段階に応じてメンテナンス担当者を派遣するメンテナンス候補日時を設定し、
前記シャッター装置に紐付けられているユーザ端末にメンテナンス候補日時を通知し、通知した前記メンテナンス候補日時の前記ユーザ端末からの応答を受信し、前記整備計画を作成するシャッター管理システム。
【請求項2】
前記シャッター情報記憶部には、シャッターカーテンの過巻き・過降下、ローラチェーンの弛み、スラットの片寄り、巻取ドラムのシャフトの横ずれのうちの少なくとも何れか1つの段階的な変位に基づいて故障の不具合の程度が兆候情報として記憶される請求項に記載のシャッター管理システム。
【請求項3】
前記シャッター情報記憶部には、前記シャッター装置ごとに管理用シャッターか防災用シャッターを示す種別情報が記憶され、
前記整備計画作成部は、種別情報を反映して整備計画を作成する請求項1又は2に記載のシャッター管理システム。
【請求項4】
前記シャッター管理部は、住宅を管理対象とし、
前記シャッター情報記憶部には、1又は複数の前記シャッター装置を備える前記住宅が1つの単位として前記シャッター装置の設置場所とともに記憶される請求項1からの何れかに記載のシャッター管理システム。
【請求項5】
前記シャッター管理部は、所定のエリア内の複数の住宅を管理対象とし、
前記シャッター情報記憶部には、前記所定のエリア内で前記シャッター装置を備える複数の前記住宅が1つのグループとして前記シャッター装置の設置場所とともに記憶される請求項1からの何れかに記載のシャッター管理システム。
【請求項6】
異なる場所に設置される複数のシャッター装置を管理するシャッター管理装置であって、
設置場所の情報を前記シャッター装置ごとに記憶するシャッター情報記憶部と、
モバイル端末から送信されたメンテナンスを行う担当者の現在地・予定情報を担当者ごとに記憶するスケジュール管理データベースと、
前記シャッター装置からの異常情報が入力されると、前記シャッター情報記憶部の設置場所と前記スケジュール管理データベース現在地・予定情報に基づいて当該シャッター装置のメンテナンスを行う担当者及び日時を含む整備計画を作成可能な整備計画作成部と、
前記シャッター装置の複数の可動部位のそれぞれに配置され、当該可動部位の変位を段階的に検知可能な検知部の検知信号に基づいて部位ごとの故障の兆候を段階的に診断可能な診断部と、
を備え
前記整備計画作成部は、
故障及びその兆候の段階に応じてメンテナンス担当者を派遣するメンテナンス候補日時を設定し、
前記シャッター装置に紐付けられているユーザ端末にメンテナンス候補日時を通知し、通知した前記メンテナンス候補日時の前記ユーザ端末からの応答を受信し、前記整備計画を作成するシャッター管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる場所に設置されるシャッター装置を管理するシャッター管理システム及びシャッター管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遠隔地から設備の状況を監視するシステムが知られている。この種の技術を開示するものとして特許文献1~4がある。
【0003】
特許文献1には、複数のユーザの保有する設備を設備管理情報センターで一元的に遠隔管理する技術について記載されており、故障情報及び故障予告情報とメンテナンスの必要機器や部品との相関や解析情報を生かした質の高いメンテナンス計画を提案することができるとしている。特許文献2には、顧客の所在情報と設備のメンテナンスデータに基づき、顧客の所在に近い販売代理店を選択し、代理店から顧客に連絡する技術について記載されている。特許文献3には、自動ドアが通信回線を通してサーバに接続しており、自動ドアの点検・整備の程度の有無を遠隔で把握できることについて記載している。特許文献4には、シャッターの各所にセンサを取り付け、シャッターの動作回数やバッテリーの電圧等をサーバに通信回線を通じて接続し、シャッターのメンテナンスに関わる情報を遠隔で把握できることについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-163387号公報
【文献】特許第4927886号公報
【文献】特開2004-068287号公報
【文献】特開2017-179736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シャッター装置では、メーカやメンテナンス会社がユーザからの不具合の連絡を受けて担当者を当該シャッター装置の設置先に派遣している。しかしながら、特許文献1に開示の技術を含めた一般的な技術では、メンテナンス作業者の選定やメンテナンス日時の調整のために、ユーザ、メンテナンス担当者のそれぞれにオペレータが連絡を取り合う必要があり、メンテナンスの管理の効率化及びコストの低減という点で改善の予知があった。
【0006】
本発明は、シャッター装置の故障状況に応じて設置先で担当者がメンテナンスを行うスケジュールを効率的に設定できるシャッター管理システム及びシャッター管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、異なる場所(例えば、後述の場所11A,11B,11C)に設置される複数のシャッター装置(例えば、後述のシャッター装置20A,20B,20C)を管理するシャッター管理システム(例えば、後述のシャッター管理システム1)であって、前記シャッター装置からの異常情報がネットワーク(例えば、後述のネットワーク100)を介して集約されるシャッター管理部(例えば、後述のシャッター管理装置4)と、メンテナンスを行う担当者の現在地・スケジュール情報を前記シャッター管理部に送信するモバイル端末(例えば、後述のモバイル端末12A,12B)、を備え、前記シャッター管理部は、設置場所の情報をシャッター装置ごとに記憶するシャッター情報記憶部(例えば、後述のシャッター情報データベース113)と、担当者ごとに現在地・スケジュール情報を記憶する担当者情報記憶部(例えば、後述の担当者情報データベース114)と、前記シャッター装置からの異常情報が入力されると、前記シャッター情報記憶部の設置場所と担当者情報記憶部の現在地・スケジュール情報に基づいて当該シャッター装置のメンテナンスを行う担当者及び日時を含む整備計画を作成可能な整備計画作成部(例えば、後述の整備計画作成部111)と、を有するシャッター管理システムに関する。
【0008】
前記シャッター装置の複数の可動部位(例えば、後述のシャッターカーテン25、スラット27、シャフト28、ローラチェーン29)のそれぞれに配置され、当該可動部位の変位を段階的に検知可能な検知部(例えば、後述の過巻き・過降下センサ31,32、ローラチェーン弛みセンサ33A,33B、スラット片寄りセンサ34A,34B、シャフト横ずれセンサ35A,35B)と、前記検知部の検知信号に基づいて部位ごとの故障の兆候を段階的に診断可能な診断部(例えば、後述の診断装置50)と、を備え、前記整備計画作成部は、故障及びその兆候の段階に応じてメンテナンス担当者を派遣するスケジュールを設定することが好ましい。
【0009】
前記シャッター情報記憶部には、シャッターカーテンの過巻き・過降下、ローラチェーンの弛み、スラットの片寄り、巻取ドラムのシャフトの横ずれのうちの少なくとも何れか1つの段階的な変位に基づいて故障の不具合の程度が兆候情報として記憶されることが好ましい。
【0010】
前記シャッター情報記憶部には、前記シャッター装置ごとに管理用シャッターか防災用シャッターを示す種別情報が記憶され、前記整備計画作成部は、種別情報を反映して整備計画を作成することが好ましい。
【0011】
前記シャッター管理部は、住宅(例えば、後述の戸建住宅61)を管理対象とし、前記シャッター情報記憶部には、1又は複数の前記シャッター装置(例えば、後述のシャッター装置70~72)を備える前記住宅が1つの単位として前記シャッター装置の設置場所とともに記憶されることが好ましい。
【0012】
前記シャッター管理部は、所定のエリア(例えば、後述の分譲地310)内の複数の住宅(例えば、後述の戸建住宅61A~61C)を管理対象とし、前記シャッター情報記憶部には、前記所定のエリア内で前記シャッター装置(例えば、後述の70A~72A,70B~72B,70C~72C)を備える複数の前記住宅が1つのグループとして前記シャッター装置の設置場所とともに記憶されることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、異なる場所(例えば、後述の場所11A,11B,11C)に設置される複数のシャッター装置(例えば、後述のシャッター装置20A,20B,20C)を管理するシャッター管理装置(例えば、後述のシャッター管理装置4)であって、設置場所の情報を前記シャッター装置ごとに記憶するシャッター情報記憶部(例えば、後述のシャッター情報データベース113)と、モバイル端末(例えば、後述のモバイル端末12A,12B)から送信されたメンテナンスを行う担当者の現在地・スケジュール情報を担当者ごとに記憶する担当者情報記憶部(例えば、後述の担当者情報データベース114)と、前記シャッター装置からの異常情報が入力されると、前記シャッター情報記憶部の設置場所と担当者情報記憶部の現在地・スケジュール情報に基づいて当該シャッター装置のメンテナンスを行う担当者及び日時を含む整備計画を作成可能な整備計画作成部(例えば、後述の整備計画作成部111)と、を備えるシャッター管理装置に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のシャッター管理システム及びシャッター管理装置によれば、シャッター装置の故障状況に応じて設置先で担当者がメンテナンスを行うスケジュールを効率的に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るシャッター管理システムの基本的構成を示す説明図である。
図2】本実施形態のシャッター装置の構成例を示す模式図である。
図3】本実施形態のシャッター管理サーバの機能ブロック図である。
図4】本実施形態のシャッター管理装置によるシャッター装置の故障予知情報の通知からスケジュール作成までの流れを示すシーケンス図である。
図5】本実施形態のシャッター管理装置によるシャッター装置の故障情報の通知から緊急対応計画作成までの流れを示すシーケンス図である。
図6】本実施形態のシャッター管理装置により提供される管理サービスの例を示す表である。
図7】戸建住宅が備える複数のシャッター装置を管理するシャッター管理システムを示す説明図である。
図8】各戸建住宅がシャッター装置を備える大規模分譲地を管理するシャッター管理システムを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るシャッター管理システム1の基本的構成を示す説明図である。
【0017】
図1に示すシャッター管理システム1は、データセンター10内に設置されるシャッター管理装置4により、ネットワーク100を介して複数の場所11A~11Cのシャッター装置20A~20Cと相互にインターネット通信を行ってシャッター装置20A~20Cを管理する。ネットワーク100は、例えばインターネットや、LAN(Local Area Network)等のネットワークや、あるいはこれらを組み合わせたネットワークで実現される。なお、かかる通信における通信方式は、特に限定されない。
【0018】
複数の場所11A~11Cは、何れも位置が異なる施設である。場所11Aには、シャッター装置20A、シャッター装置20Aの状態を診断する診断装置50Aと、診断装置50Aとネットワーク100を接続するネットワーク端末8と、シャッター装置20の状況を確認可能なユーザ端末7と、が配置される。同様に、場所11Bには、シャッター装置20B、診断装置50B、ネットワーク端末8が配置され、場所11Cには、シャッター装置20C、診断装置50C、ネットワーク端末8が配置される。
【0019】
シャッター管理装置4は、シャッター管理サーバ5と、システム端末6と、を含んで構成される。シャッター管理サーバ5には、各シャッター装置20A~20Cの診断装置50A~50Cによって診断されたシャッター装置20A~20Cの情報が集約される。システム端末6は、データセンター10内のオペレータが操作する端末である。権限が付与されたオペレータは、必要に応じてシャッター管理サーバ5の設定を変更することができる。
【0020】
シャッター管理サーバ5は、後述するように、シャッター装置20A~20Cの状況に応じて整備計画を作成する。図1では、場所11Aのシャッター装置20Aにメンテナンスが必要な異常が発生し、メンテナンス担当者2Aに場所11Aのシャッター装置20Aに対するメンテナンスを行う整備計画が策定され、メンテナンス担当者2Bが場所11Cでメンテナンス作業中の様子が示されている。
【0021】
次に、シャッター装置20A~20Cの構成例について説明する。なお、以下の説明において符号からアルファベットを省略して機器、場所、人を限定せずに説明する場合がある。
【0022】
図2は、本実施形態のシャッター装置20の構成例を示す模式図である。図2に示すように、本実施形態のシャッター装置20は、シャッターカーテン25と、巻取ドラム26と、開閉機21と、制御盤51及び予備制御盤52と、操作リモコン53及び予備操作リモコン54と、安全装置55と、診断装置50と、を備える。
【0023】
操作リモコン53の操作に基づいて制御盤51が開閉機21を制御する。開閉機21の駆動により、巻取ドラム26にシャッターカーテン25が巻き取られたり、巻取ドラム26からシャッターカーテン25が繰り出されたりする。安全装置55は、シャッターカーテン25の下端部に物が接触したことを検知すると開閉機21の駆動を停止する。
【0024】
診断装置50は、操作リモコン53の異常(例えば、回路異常等の故障)を検知した場合は予備操作リモコン54に操作系統を切り替え、制御盤51の異常(例えば、回路異常等の故障)を検知した場合は予備制御盤52に操作系統を切り替える。
【0025】
また、シャッター装置20は、過巻き・過降下センサ31,32、ローラチェーン弛みセンサ33A,33B、スラット片寄りセンサ34A,34B、シャフト横ずれセンサ35A,35B等を更に備える。
【0026】
過巻き・過降下センサ31,32は、シャッターカーテン25の巻取ドラム26への過巻き及び巻取ドラム26から必要以上に繰り出された過降下を検知するためのセンサである。ローラチェーン弛みセンサ33A,33Bは、開閉機21の駆動力を巻取ドラム26に伝達するためのローラチェーン29の弛みを検知可能な複数のセンサである。スラット片寄りセンサ34A,34Bは、スラット27の片寄りを段階的に検知可能な複数のセンサである。シャフト横ずれセンサ35A,35Bは、巻取ドラム26の軸方向の横ずれを段階的に検知可能な複数のセンサである。
【0027】
本実施形態では、過巻き・過降下センサ31,32、ローラチェーン弛みセンサ33A,33B、スラット片寄りセンサ34A,34B及びシャフト横ずれセンサ35A,35Bは、何れも、変位方向に複数の検知手段を有するように構成される。即ち、変位の大小を検知可能である。これによって、故障蓋然性が相対的に低い注意段階(小変位)と、故障蓋然性が相対的に高い警告段階(大変位)と、を区別して検知可能になっている。
【0028】
診断装置50は、制御盤51、予備制御盤52、操作リモコン53、予備操作リモコン54、各センサ33A,33B,34A,34B,35A,35B、安全装置55から入力される信号に基づいてシャッター装置20の状況を診断する。
【0029】
図1に示すように、診断装置50A~50Cは、ネットワーク端末8に接続されており、ネットワーク100を通じてシャッター装置20の状況がシャッター管理装置4のシャッター管理サーバ5に送信される。例えば、制御盤51の異常、操作リモコン53の異常、シャッターカーテン25の過巻き、過降下発生の有無及びその緊急度の程度、ローラチェーン29の弛み発生の有無及びその緊急度の程度、スラット27(シャッターカーテン25)の片寄り発生の有無及びその緊急度の程度、シャフト28の横ずれの発生の有無及び緊急度の程度、等の情報が送信される。なお、本実施形態の診断装置50は、ユーザ又はオペレータによって診断対象とする兆候情報の追加及び削除が可能となっている。
【0030】
シャッター管理サーバ5は、メンテナンスを行うべき異常がシャッター装置20に生じたことを検知すると、メンテナンス担当者2A,2Bが携帯しているモバイル端末12A,12Bと通信を行いつつ、管理用か防火用か等のシャッターの種別、異常個所やその程度、メンテナンス担当者2の状況等に応じて対応計画を作成する。
【0031】
図3は、本実施形態のシャッター管理サーバ5の機能ブロック図である。図3に示すように、シャッター管理サーバ5は、メンテナンス計画を作成する整備計画作成部111、メールの送受信処理を行うメール処理部112、シャッター装置20A~20Cの個別情報や異常状況等が登録されるシャッター情報データベース113、メンテナンス担当者2の担当地域等が登録される担当者情報データベース114、メンテナンス担当者2の現在地・予定情報が登録されるスケジュール管理データベース115を含んで構成される。
【0032】
シャッター情報データベース113には、シャッター装置20の設置場所や立会いの必要の有無等のシャッター装置20の設置場所に関する設置場所情報、管理用又は防災用等のシャッター装置20の種別、型式等のシャッター固有情報、前回行ったメンテナンス作業の日やメンテナンス作業で必要な器具等のメンテナンス情報等が、シャッター装置20A~20Cごとに登録されている。また、シャッター情報データベース113には、シャッター装置20の部位及び不具合の程度に応じた作業工程についても記憶されている。
【0033】
シャッター管理サーバ5には、メンテナンス担当者2が携帯するモバイル端末12から現在地・予定情報が随時送信される。例えば、図1のメンテナンス担当者2Aの場合、現在、メンテナンスを行っていない状況であって施設外にいることを示す情報がモバイル端末12Aからシャッター管理サーバ5に送信される。また、メンテナンス担当者2Bの場合、現在、場所11Cでメンテナンス作業を実施中であることを示す情報がモバイル端末12からシャッター管理サーバ5に送信される。
【0034】
シャッター管理サーバ5は、現在地・予定情報を受信すると、担当者情報データベース114及びスケジュール管理データベース115の情報を更新し、適宜のタイミング又は要求に応じてスケジュール情報をモバイル端末12に送信する。このように、シャッター管理サーバ5は、メンテナンス担当者2の現在位置や作業中か否か等の現在情報を管理する。
【0035】
シャッター管理サーバ5の機能ブロックを実現するために、シャッター管理サーバ5は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置を備える。また、シャッター管理サーバ5は、アプリケーションソフトウェアやOS(Operating System)等の各種の制御用プログラムを格納したHDD(Hard Disk Drive)やROM(Read Only Memory)等の補助記憶装置や、演算処理装置がプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するためのRAM(Random Access Memory)といった主記憶装置も備える。
【0036】
そして、シャッター管理装置4において、演算処理装置が補助記憶装置からアプリケーションソフトウェアやOSを読み込み、読み込んだアプリケーションソフトウェアやOSを主記憶装置に展開させながら、これらのアプリケーションソフトウェアやOSに基づいた演算処理を行う。また、この演算結果に基づいて、各装置が備える各種のハードウェアを制御する。これにより、本実施形態の機能ブロックは実現される。つまり、本実施形態は、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより実現することができる。
【0037】
なお、シャッター管理装置4は、パーソナルコンピュータ等のハードウェアにより実現してもよい。また、モバイル端末12は、例えばタブレット型の端末や、スマートフォン等といったハードウェアにより実現することができる。
【0038】
次に、故障予知情報を受信した場合におけるシャッター管理装置4の動作について説明する。図4は、本実施形態のシャッター管理装置4によるシャッター装置20の故障予知情報の通知からスケジュール作成までの流れを示すシーケンス図である。
【0039】
データセンター10内のシャッター管理装置4のシャッター管理サーバ5が、診断装置50から場所11Aのシャッター装置20Aのメンテナンス対象の故障予知情報を受信すると、スケジュール作成の処理が開始される(ステップS101)。故障予知情報は、緊急に対応しなくてもすぐに不具合はないものの、放置すれば故障につながる可能性のある異常である。例えば、シャッターカーテン25の過巻き、過降下が発生しそうな兆候を示した場合や、開閉に支障はない範囲でローラチェーン29の弛みが発生している場合や、スラット27(シャッターカーテン25)や巻取ドラム26のシャフト28に若干の片寄り(小変位)が発生している場合等である。
【0040】
シャッター管理サーバ5は、シャッター情報データベース113を参照して該当するシャッター装置20Aの設置場所情報、シャッター固有情報、メンテナンス情報を取得するとともに、担当者情報データベース114及びスケジュール管理データベース115を参照してメンテナンス担当者2の担当者情報、現在地・予定情報を取得する。取得したこれらの情報に基づいてメンテナンス担当者を複数ピックアップする(ステップS102)。例えば、異常が生じたシャッター装置20Aの場所、担当地域、現在地及びスケジュールに基づいて担当者をピックアップする。
【0041】
シャッター管理サーバ5は、ピックアップされたメンテナンス担当者2A,2Bのモバイル端末12A,12Bにスケジュール確認を行うメールを送信する(ステップS103)。メールの送信方法は、対象者のモバイル端末12全てに同時に送信してもよいし、ピックアップ時に担当者ごとに優先度を設定し、優先度の高いものから順次送信していく方法でもよい。
【0042】
モバイル端末12A,12Bは、シャッター管理サーバ5からスケジュール確認のメールを受信すると当該メールを表示する等し、メンテナンス担当者2A,2Bにスケジュール確認に対して応答するように促す。メンテナンス担当者2A,2Bは、モバイル端末12を操作し、現在地やスケジュールを考慮してスケジュール情報を入力又は選択する。モバイル端末12は、確定したスケジュール確認に対する応答をシャッター管理サーバ5に送信する(ステップS104)。
【0043】
シャッター管理サーバ5は、ピックアップしたメンテナンス担当者2A,2Bからの応答を受信すると、受信したスケジュール情報に基づいてメンテナンス候補日時を設定する(ステップS105)。メンテナンス担当者2A,2Bの一部から所定期間内に応答メッセージを受信していない場合は、リマインドメールを送信してもよいし、既に受信しているメンテナンス担当者の応答でスケジュールを作成してもよい。
【0044】
シャッター管理サーバ5は、設定したメンテナンス候補日時を該当のシャッター装置20に紐付けられているユーザ端末7にメンテナンス候補日時を通知する(ステップS106)。メンテナンス候補日時の通知は、メールであってもよいし、ソフトウェアやアプリケーションのメッセージ交換機能でもよい。メンテナンス候補日時の他に故障の状況やメンテナンスの必要性について記載された文書等の関連情報をあわせて記載しておいてもよい。
【0045】
ユーザ端末7は、メンテナンス候補日時の通知を受信すると、メンテナンスを行う日の選択に関する表示を行う。例えば、ユーザ端末7にメンテナンス候補日時をリストで表示し、ユーザの都合がよい日を選択させたり、メンテナンス候補日時の中には都合がつく日が無い場合にリスケジュールの希望等を選択させたりする。メンテナンス日時又はリスケジュール要請が入力されると、ユーザ端末7は、メンテナンス候補日時の応答としてメンテナンス日時又はリスケジュール希望をシャッター管理サーバ5に送信する(ステップS107)。
【0046】
シャッター管理サーバ5は、ユーザ端末7からメンテナンス候補日時の応答を受信すると、メンテナンスの整備計画を作成する(ステップS108)。整備計画は、例えば、メンテナンス日時の他、対象のシャッター装置20の場所、シャッター装置20の異常の種別、メンテナンス担当者、必要な機材や器具等の作業情報を含むものである。
【0047】
シャッター管理サーバ5は、当該シャッター装置20Aのメンテナンスを行うことになったメンテナンス担当者2Aのモバイル端末12Aにメンテナンス日時・作業情報の通知を行う(ステップS109)。また、ユーザ端末7に最終的に決定したメンテナンス日時を通知する。
【0048】
以上説明したように、シャッター管理サーバ5は、故障予知情報を受信するとメンテナンス担当者2A,2B及びユーザとやり取りしながらメンテナンス計画を作成する。
【0049】
次に、緊急対応すべき異常情報を受信した場合におけるシャッター管理装置4の動作について説明する。図5は、本実施形態のシャッター管理装置4によるシャッター装置20Aの故障情報の通知から緊急対応計画作成までの流れを示すシーケンス図である。
【0050】
データセンター10内のシャッター管理装置4のシャッター管理サーバ5が、診断装置50Aから場所11Aのシャッター装置20Aのメンテナンス対象の緊急性の高い故障情報を受信すると、緊急対応計画作成の処理が開始される(ステップS201)。緊急性の高い故障情報は、緊急に対応せず放置すればシャッター装置20Aの開閉ができなくなったり、安全性が低下したりするような大きな故障の原因となるような異常である。例えば、管理用のシャッター装置20で、シャッターカーテン25の過巻き、過降下が頻繁に発生している場合や、ローラチェーン29の弛みやスラット27(シャッターカーテン25)や巻取ドラム26のシャフト28の片寄り等により、開閉が適切に行わないような場合や、安全装置55のコードが断線している場合等である。
【0051】
シャッター管理サーバ5は、緊急性の高い故障情報を受信すると、担当者情報データベース114及びスケジュール管理データベース115の登録情報に基づいて、現在地とスケジュールからシャッター装置20Aに急行可能な状態の担当者をピックアップする(ステップS202)。例えば、メンテナンス担当者2A,2Bをピックアップする基準としては、現在地が現場に近い、過去の作業履歴等を参照することができる。次に、ピックアップした担当者に実際に現場へ急行可能な状態か否かを確認する問合せを行う(ステップS203)。
【0052】
メンテナンス担当者2A,2Bのモバイル端末12A,12Bは、現場へ急行可能かを問い合わせる通知を受信し、当該通知を表示する。通知の際は、例えば、現場の位置情報等や、異常種別の関連情報、過去のメンテナンス情報等とともに、メンテナンス担当者2A,2Bに急行できるか否かの応答を促すメッセージ等を表示することができる。モバイル端末12A,12Bは、メンテナンス担当者2A,2Bによって急行可能か否かが選択操作されると、その選択結果をシャッター管理サーバ5に送信する(ステップS204)。
【0053】
シャッター管理サーバ5は、メンテナンス担当者2のモバイル端末12A,12Bからの選択結果に基づいて緊急対応計画が作成する(ステップS205)。緊急対応計画は、例えば、メンテナンス日時の他、対象のシャッター装置20の場所、シャッター装置20の異常の種別、メンテナンス担当者、必要な機材や器具等の作業情報を含むものである。
【0054】
次に、シャッター管理サーバ5は、緊急対応情報をメンテナンス担当者2に通知する(ステップS206)。緊急対応情報は、緊急対応計画で設定された作業情報等である。併せて緊急対応の通知をユーザ端末7に送信する(ステップS207)。
【0055】
以上説明したように、シャッター管理サーバ5は、緊急性の高い故障情報を受信すると対応計画を作成する。なお、以上の処理において、適宜のタイミングでオペレータが介在してもよい。例えば、メンテナンス担当者のピックアップまでをシャッター管理サーバ5が行い、ピックアップされたメンテナンス担当者にオペレータが電話等を含めて連絡する構成としてもよい。また、いわゆるAI等を用いて学習によって処理を最適化するようにしてもよい。例えば、オペレータが選択したメンテナンス担当者やスケジュールを教示データとして学習し、当該学習結果に基づいてメンテナンス担当者の決定及び情報の通知までを完全に自動化するシステムとしてもよい。
【0056】
また、本実施形態のシャッター管理サーバ5は、客先ごとに提供サービスのレベルを設定可能になっている。図6は、本実施形態のシャッター管理装置4により提供される管理サービスの例を示す表である。なお、図6に示す何れのサービスでも、シャッター装置20が設置される場所での故障の前段階を意味する注意表示と、故障の予兆や直前を示す警告表示等の異常表示と、故障時の強制停止と、が行われることになる。
【0057】
表において上側の「保守契約先にデータセンターの異常情報を元に保守を実施する」及び「データセンターの異常情報を元に整備計画を提案する」は、何れもシャッター管理サーバ5が常時、シャッター装置20の状況を監視し、異常が発生した場合はユーザに通知するサービスである。「保守契約先にデータセンターの異常情報を元に保守を実施する」は、メンテナンス担当者2によるメンテナンスも含めたサービスであり、シャッター管理サーバ5は、図4及び図5を参照して説明した処理を行う。「データセンターの異常情報を元に整備計画を提案する」は、整備計画を提案するところで留まるものであり、実際のメンテナンスを行うか否かはユーザが判断することになる。
【0058】
表において下側の「検知情報をデータセンターのDBに記録・閲覧可能にする」及び「検知情報をローカルサーバのDBに記録・閲覧可能にする」は、何れもメンテナンス作成や緊急対応計画の作成等やシャッター装置20の常時監視をシャッター管理サーバ5が行わないサービスであり、ユーザが自ら情報を取得するものを想定している。なお、「検知情報をデータセンターのDBに記録・閲覧可能にする」では、ユーザ端末7等によってネットワーク100を介してデータセンター10のシャッター管理サーバ5にアクセスして情報を閲覧する形式であり、データの管理はデータセンターが行う。一方、「検知情報をローカルサーバのDBに記録・閲覧可能にする」は、ネットワーク100を介することなくユーザが自らデータの管理を行うことになる。
【0059】
上記実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態のシャッター管理システム1は、シャッター装置20の複数の可動部位のそれぞれに配置され、当該可動部位の変位を検知可能な検知部(過巻き・過降下センサ31,32、ローラチェーン弛みセンサ33A,33B、スラット片寄りセンサ34A,34B、シャフト横ずれセンサ35A,35B等)の検知信号に基づいて部位ごとの故障の兆候を診断可能な診断装置50と、診断装置50で診断される情報がネットワークを介して集約されるシャッター管理装置4と、を備える。
シャッター管理装置4は、設置場所の情報とともに部位ごとの故障の兆候情報をシャッター装置20ごとに記憶するシャッター情報データベース113と、診断装置50で診断された故障及びその兆候の段階に応じて当該シャッター装置20の整備計画を作成可能な整備計画作成部111と、を有する。
【0060】
これにより、ユーザがメーカやメンテナンス会社に連絡することなく、シャッター装置20の部位ごとの故障の程度に基づいて整備計画が設定される。従って、メンテナンスが実施されずに故障の予兆が放置され、シャッター装置20が開閉できなくなるような事態の発生を防止でき、ダウンタイムの極小化を実現できる。
【0061】
また、本実施形態の検知部(過巻き・過降下センサ31,32、ローラチェーン弛みセンサ33A,33B、スラット片寄りセンサ34A,34B、シャフト横ずれセンサ35A,35B等)は、可動部位の変位を段階的に検知可能に構成され、診断装置50は、検知部の検知信号に基づいて故障の兆候を段階的に診断可能に構成される。
【0062】
これにより、可動部位の変位を段階的に検知できるので、より正確な整備計画を作成することができる。
【0063】
また、本実施形態では、シャッター管理装置4(シャッター情報データベース113及び担当者情報データベース114)には、メンテナンス担当者の予定、故障及びその兆候の段階に応じた作業工程が予め登録されており、整備計画作成部111は、メンテナンス担当者の予定、作業工程、故障及びその兆候の段階に基づいてメンテナンス担当者を派遣するスケジュールを設定する。
【0064】
これにより、緊急度の高い場合にはメンテナンス担当者を派遣する日時を直近に設定し、緊急度の低い場合でも故障発生前にメンテナンスが行われるようにメンテナンス担当者を派遣する日時を設定することができる。故障の予兆の放置による故障の発生を防止しつつ、故障が発生した場合でもシャッター装置20が不稼動の状態をできるだけ短くすることができる。
【0065】
また、本実施形態では、シャッター情報データベース113には、シャッターカーテンの過巻き・過降下、ローラチェーンの弛み、スラットの片寄り、巻取ドラムのシャフトの横ずれのうちの少なくとも何れか1つの段階的な変位に基づいて故障の不具合の程度が兆候情報として記憶される。
【0066】
これにより、シャッター装置20の開閉に関わる部分の故障の予知を効率的かつ確実に検知することができる。
【0067】
また、本実施形態では、診断装置50が故障の兆候を診断する対象の検知信号の種類を追加又は削除可能である。
【0068】
これにより、検知部を追加したり、取り外したりする場合にも対応でき、実情に合わせてより柔軟な管理体制を構築することができる。
【0069】
また、本実施形態では、シャッター情報データベース113には、シャッター装置20ごとに管理用シャッターか防災用シャッターを示す種別情報が記憶され、整備計画作成部111は、種別情報を反映して整備計画を作成する。
【0070】
これにより、管理用シャッターか防災用シャッターの用途に応じて適切な整備計画が設定されることになる。例えば、管理用シャッターで過巻きや過降下が生じている場合は、通常稼動しない防災用シャッターに比べて早期にメンテナンス日時を設定できる。
【0071】
上記実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態のシャッター管理システム1は、シャッター装置20からの異常情報がネットワーク100を介して集約されるシャッター管理装置4と、メンテナンスを行う担当者の現在地・スケジュール情報をシャッター管理装置4に送信するモバイル端末12A,12Bと、を備える。
シャッター管理装置4は、設置場所の情報をシャッター装置ごとに記憶するシャッター情報データベース113と、担当者ごとに現在地・スケジュール情報を記憶する担当者情報データベース114と、シャッター装置20からの異常情報が入力されると、シャッター情報データベース113の設置場所と担当者情報データベース114の現在地・スケジュール情報に基づいて当該シャッター装置20のメンテナンスを行う担当者及び日時を含む整備計画を作成可能な整備計画作成部111と、を有する。
【0072】
これにより、自動でメンテナンス日時を設定することができるので、シャッター装置20のメンテナンス管理を効率化でき、運営に係るコストも効果的に低減できる。
【0073】
以上、管理・防火等の商用のシャッター装置20を主に管理するシャッター管理システム1を例として上記実施形態を説明したが、シャッター管理システム1の管理対象が限定されるわけではない。次に、住宅用のシャッター装置を管理する例について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態と共通又は同様の構成については、図面に同じ符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
【0074】
図7は、戸建住宅61が備える複数のシャッター装置70,71,72,91を管理するシャッター管理システム201を示す説明図である。図7に示すように、戸建住宅61は、2階建ての一軒家である。戸建住宅61は、2階の窓に設置されるシャッター装置70と、1階の窓に設置されるシャッター装置71,72を備える。また、戸建住宅61に併設されるガレージ62もシャッター装置91を備える。
【0075】
シャッター管理サーバ5は、シャッター装置70,71,72,91を1つのグループとして管理する。シャッター装置70,71,72,91のぞれぞれは、上記実施形態と同様の検知部及び診断装置(何れも図示省略)を備えており、ネットワーク100を介して各シャッター装置70,71,72,91の各種情報が管理される。メンテナンス担当者の派遣処理等の管理の詳細は、上記実施形態と同様である。
【0076】
この例において、シャッター管理装置4は、戸建住宅61を管理対象とし、シャッター情報データベース113には、1又はシャッター装置70~72を備える戸建住宅61が1つの単位としてシャッター装置70~72の設置場所とともに記憶される。
これにより、戸建住宅61ごとにシャッター装置70~72を管理することができ、住宅単位でシャッターメンテナンスサービスを提供することができる。
【0077】
次に、複数の戸建住宅61A,61B,61Cを管理するシャッター管理システム301について説明する。図8は、各戸建住宅61がシャッター装置70を備える大規模分譲地を管理するシャッター管理システム301を示す説明図である。シャッター管理システム301は、100世帯程度の大型分譲地を管理対象としている。なお、図8では、複数の戸建住宅61の代表として三軒の戸建住宅61A,61B,61Cを示している。戸建住宅61Aは複数のシャッター装置70A,71A,72Aを備えており、戸建住宅61Bは複数のシャッター装置70B,71B,72Bを備えており、戸建住宅61Cは複数のシャッター装置70C,71C,72Cを備えている。
【0078】
シャッター管理システム301は、所定エリア内の複数の戸建住宅、例えば大規模な分譲地310を1つのグループとして管理することができる。また、シャッター装置70A~72A、70B~72B,70C~72Cは、戸建住宅61A,61B,61Cごとのグループとして管理することができる。シャッター装置70A~72A、70B~72B,70C~72Cは、上記実施形態と同様の検知部及び診断装置(何れも図示省略)を備えており、ネットワーク100を介して各種情報が管理される。例えば、戸建住宅61Aのシャッター装置70Aに不具合が生じた場合には、メンテナンス担当者2のモバイル端末12に不具合情報及び大規模分譲地の戸建住宅61Aの情報を通知し、当該メンテナンス担当者2が戸建住宅61Aの住居者と連絡してメンテナンスを行うシャッター装置の管理サービスを大規模分譲地に提供することも可能である。
【0079】
この例において、シャッター管理装置4は、分譲地(所定のエリア)310内の複数の戸建住宅61A~61Cを管理対象とし、シャッター情報データベース113には、分譲地310内でシャッター装置70A~72Aを備える戸建住宅61A、シャッター装置70B~72Bを備える戸建住宅61B、シャッター装置70C~72Cを備える戸建住宅61C・・・・が1つのグループとして各シャッター装置70A~72A,70B~72B,70C~72Cの設置場所とともに記憶される。
これにより、分譲地310内の戸建住宅61A~61Cに対してシャッターメンテナンスサービスを提供することができる。
【0080】
<ハードウェアとソフトウェアの協働>
なお、上述のシャッター管理システムは、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記のシャッター管理システムにより行なわれるシャッター管理方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0081】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0082】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、シャッター管理サーバ5は、整備計画を作成するとともに、必要な機材や器具等の作業情報に基づいて必要な器具を設置先に自動送信させたり、必要部材の在庫情報に基づく納期調査をさせたりする処理を行うように構成してもよい。また、診断部としての診断装置をデータセンター10に設置する又はシャッター管理サーバ5が診断部としての機能を兼ねる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1,201,301 シャッター管理システム
4 シャッター管理装置(シャッター管理部)
12 モバイル端末
20 シャッター装置
31,32 過巻き・過降下センサ(検知部)
33A,33B ローラチェーン弛みセンサ(検知部)
34A,34B スラット片寄りセンサ(検知部)
35A,35B シャフト横ずれセンサ(検知部)
50 診断装置(診断部)
61,61A~61C 戸建住宅
70~72,91 シャッター装置
70A~72A,70B~72B,70C~72C シャッター装置
111 整備計画作成部
113 シャッター情報データベース(シャッター情報記憶部)
114 担当者情報データベース(担当者情報記憶部)
115 スケジュール管理データベース
310 分譲地
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8