(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】浚渫装置
(51)【国際特許分類】
E02F 3/88 20060101AFI20220608BHJP
E21C 50/00 20060101ALI20220608BHJP
E02F 5/00 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
E02F3/88 C
E02F3/88 E
E02F3/88 G
E21C50/00
E02F5/00 A
(21)【出願番号】P 2018077714
(22)【出願日】2018-04-13
【審査請求日】2021-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】518022743
【氏名又は名称】三菱造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【氏名又は名称】石川 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100067367
【氏名又は名称】天野 泉
(72)【発明者】
【氏名】小高 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】脇田 典英
(72)【発明者】
【氏名】南部 泰宏
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-092410(JP,A)
【文献】特開2000-257108(JP,A)
【文献】特開2006-214263(JP,A)
【文献】特開平02-243829(JP,A)
【文献】登録実用新案第3191448(JP,U)
【文献】特開平05-311696(JP,A)
【文献】特開2014-077264(JP,A)
【文献】特開2001-123474(JP,A)
【文献】国際公開第2016/133386(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/88
E21C 50/00
E02F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に対向する開口部を有するチャンバと、
前記チャンバ内に吸込口を有して前記チャンバ内の砂礫土水を吸引する吸引装置と、
前記チャンバ内に液体を噴射するノズルを有して前記チャンバ内の砂礫土水を前記吸込口へ導く噴射装置と備え、
前記吸込口は、前記チャンバの後方に設けられており、
前記ノズルは、前記チャンバの後方に設けられて前記チャンバの後方から前記チャンバの前方の地面へ向けて液体を噴射し、
前記吸引装置における液体を吸引する流量が前記噴射装置における液体を噴射する流量よりも多い
ことを特徴とする浚渫装置。
【請求項2】
前記噴射装置は、前記チャンバの前方に設けられて、前記チャンバの前方から前記地面に向けて液体を噴射するサブノズルを有する
ことを特徴とする請求項
1に記載の浚渫装置。
【請求項3】
前記チャンバ内に収容されて前記地面を掘削する掘削装置を備えた
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の浚渫装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浚渫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
海底や川底にて砂礫土水を浚渫する装置は、砂礫土水を吸込んで搬送する排砂管と、排砂管の下端に設けたスカート内へ上方に向けて高圧水を噴射するエジェクタノズルを有する高圧水噴射パイプと、スカートよりも下方に配置されてスカート内へ向けて高圧水を噴射するジェットノズルを有する噴流パイプとを備えるものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
また、掘削機と掘削機の後方に設けた排土板を使用して砂礫土を収集する構造の浚渫装置もある(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-193897号公報
【文献】特許第6144814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、海底鉱物資源の周囲には、銅、鉛、亜鉛等のベースメタルや、コバルト、ニッケルや白金などの希少な鉱物資源(レアメタル)を含むマンガンと鉄の酸化物の層が存在する場合がある。たとえば、コバルト含有量が高いコバルトリッチクラストは、海底に点在する海山の水深約1,000~2,500mの山頂部から斜面にかけての岩石を厚さ5~20cm位の層で覆うようにして分布することが知られている。このような層を掘削して回収できれば、レアメタルの安定供給にもつながるので、レアメタルの有望な資源として注目されている。
【0006】
このように層を掘削してできた砂礫土には貴重な鉱物資源が含まれているので、全砂礫土を回収したいが、特許文献1の浚渫装置では開放された海中にジェットノズルから水を噴射するので、回収したい砂礫土が海中に分散されてしまって回収できなくなってしまう。また、特許文献2の浚渫装置では、掘削してできた砂礫土を排土板で回収することは難しいので、砂礫土の多くが海底に取り残されてしまって回収できない。
【0007】
そこで、本発明は、砂礫土の回収効率を向上できる浚渫装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の浚渫装置は、地面に対向する開口部を有するチャンバと、チャンバに吸込口を有してチャンバ内の砂礫土水を吸引する吸引装置と、チャンバ内に液体を噴射するノズルを有してチャンバ内の砂礫土水を吸込口へ導く噴射装置と備え、吸引装置における液体を吸引する流量が噴射装置における液体を噴射する流量よりも多い。このように構成された浚渫装置によれば、チャンバに対向する地面に堆積した砂礫土を噴射装置でチャンバ内に浮揚させつつ吸込口へ導きつつ、吸引装置で砂礫土水を吸引するとともに、チャンバ内の圧力をチャンバ外の圧力よりも低くできる。
【0009】
また、浚渫装置は、吸込口がチャンバの後方に設けられており、ノズルがチャンバの後方に設けられてチャンバの後方からチャンバの前方の地面へ向けて液体を噴射する。このように構成された浚渫装置は、チャンバの後方から前方へ向けて液体をチャンバ内で噴射でき、チャンバの前方へ向かった液体がチャンバの前方の内壁に衝突して吸込口が設置されているチャンバの後方へ向かうので、チャンバの開口部に対向する地面に堆積した砂礫土を効率よく吸込口へ導くことができ、砂礫土の回収効率がより一層向上する。
【0010】
さらに、浚渫装置は、噴射装置がチャンバの前方に設けられて、チャンバの前方から地面に向けて液体を噴射するサブノズルを備えていてもよい。このように構成された浚渫装置は、ノズルからの液体の噴射によってチャンバの前方から砂礫土水が漏れるのを抑制できるとともに、チャンバの前方に対向する地面に堆積した砂礫土を効率よく浮揚させてノズルが噴射した液体の流れに乗せて砂礫土水を吸込口へ導入させ得る。よって、このように構成された浚渫装置によれば、砂礫土の回収効率がより一層向上する。
【0011】
また、浚渫装置は、チャンバ内に収容されて地面を掘削する掘削装置を備えていてもよい。このように構成された浚渫装置では、掘削装置がチャンバ内に収容されているので、掘削装置で掘削した砂礫土が散逸されるのを防げ、掘削に引き続いて噴射装置と吸引装置による浚渫作業を行って掘削した砂礫土を効率よく回収できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の浚渫装置によれば、砂礫土の回収効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施の形態における浚渫装置を横から見た断面図である。
【
図2】一実施の形態における浚渫装置の上から見た断面図である。
【
図3】歩行装置に搭載された一実施の形態における浚渫装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。一実施の形態における浚渫装置1は、
図1および
図2に示すように、開口部2aを有するチャンバ2と、チャンバ2内に吸込口4を有してチャンバ2内の砂礫土水を吸引する吸引装置3と、チャンバ2内に液体を噴射するノズル6を有してチャンバ2内の砂礫土水を吸込口4へ導く噴射装置5とを備えている。
【0015】
また、この浚渫装置1は、本実施の形態では、海底Sの表層を掘削する掘削装置Eを備えており、海底Sを歩行する歩行装置W(
図3参照)に設置されている。よって、浚渫装置1は、歩行装置Wによって海底S上を移動しながら、海底Sの表層を掘削しつつ掘削後にできた砂礫土を海水と共に吸引装置3で吸引して砂礫土を回収する。回収された砂礫土は、吸引装置3における移送管10を介して図示しない洋上の作業船やプラットフォームに搬送される。
【0016】
なお、歩行装置Wは、本実施の形態では、
図3に示すように、浚渫装置1を保持する第一フレーム20と、第一フレーム20の前後左右に設けられて第一フレーム20に対して上下方向へ駆動可能な四つの脚21と、第一フレーム20に対して
図3中左右方向へ駆動可能な第二フレーム22と、第二フレーム22の前後左右に設けられて第二フレーム22に対して上下方向へ駆動可能な四つの脚23とを備えている。このように構成された歩行装置Wは、脚21のみを海底Sに着地させて脚23を海底Sから浮かせて第二フレーム22を第一フレーム20に対して移動したい方向へ移動させる。次に、第二フレーム22の脚23を下方へ駆動して海底Sに着地させて第一フレーム20の脚21を上方へ駆動して海底Sから浮かせてから、第二フレーム22に対して第一フレーム20を移動したい方向へ相対移動させる。すると、歩行装置Wは、移動したい方向へ移動でき、前述の手順を繰り返せば移動したい方向へ所望する距離を移動できる。
【0017】
浚渫装置1は、第一フレーム20に対して上下方向へ駆動可能に取付けられており、図示しない駆動源によって第一フレーム20に対して上下動して海底Sの表面に遠近できる。
【0018】
以下、浚渫装置1の各部について詳細に説明する。チャンバ2は、内部が中空であって、地面である海底Sに対向する開口部2aを有している。よって、チャンバ2は、内部が海底Sに面している。また、チャンバ2の後側となる
図1中右方の上方には吸引装置3における吸込口4が開口している。吸引装置3は、チャンバ2から延びて図示しない作業船等まで通じる移送管10と、図示しない作業船等に設置されて移送管10を通じてチャンバ2内の砂礫土水を吸引するポンプ11とを備えている。移送管10の先端は、吸込口4を通じてチャンバ2内に通じており、吸引装置3は、ポンプ11の駆動によって移送管10を通じてチャンバ2内から砂礫土水を吸い上げて、洋上の図示しない作業船等まで砂礫土水を搬送できる。なお、吸引装置3は、ポンプ11によってチャンバ2内から吸い上げる砂礫土水の流量を調整できる。なお、吸引装置3の構成については、一例であって、チャンバ2内から砂礫土水を吸い上げ可能であれば前記構成に限定されるものではない。また、ポンプ11は、作業船等に設置されるのではなく、浚渫装置1に設置されてもよいし、移送管10の途中であって浚渫装置1と作業船等との間に設置されてもよい。
【0019】
噴射装置5は、複数のノズル6および複数のサブノズル7と、液体として海水を吸込んで高圧水としてノズル6およびサブノズル7へ供給するポンプ8とを備えている。ノズル6は、本実施の形態では、
図2に示すように、チャンバ2内の後方であって平面視で吸込口4を挟んで両側に一つずつ設置されており、チャンバ2の前方の海底Sへ向けて噴射する角度でチャンバ2に取り付けてある。また、サブノズル7は、
図2に示すように、チャンバ2内の前方の左右両側と中央に一つずつ設置されており、チャンバ2の前方の海底Sへ向けて噴射する角度でチャンバ2に取り付けてある。ポンプ8は、図示しないフィルタを介して浚渫装置1の周囲の海水を吸込んで分流弁9を介してノズル6およびサブノズル7へ高圧水として供給する。ポンプ8から吐出された高圧水は、分流弁9によってノズル6とサブノズル7から噴射する高圧水の流量を適切に配分する。よって、噴射装置5は、ポンプ8の駆動によってノズル6およびサブノズル7から高圧水をチャンバ2内に噴射する。ノズル6から噴射された高圧水は、チャンバ2の開口部2aに対向する海底Sに堆積した砂礫土を海底Sからチャンバ2内に浮上させつつ、チャンバ2内の前方へ向かいチャンバ2の前方の内壁に衝突してチャンバ2の後方に設けた吸込口4へと砂礫土水を導く。また、サブノズル7から噴射された高圧水は、チャンバ2の前方に対向する海底Sに堆積した砂礫土を撹拌して、ノズル6から噴射された高圧水による砂礫土の吸込口4への導入を補助するとともに、ノズル6の高圧水の噴射によってチャンバ2内から砂礫土が漏れるのを抑制する。そして、吸引装置3の砂礫土水を吸引する流量は、噴射装置5がノズル6およびサブノズル7の全ノズルから噴射する高圧水の流量より多くなっている。なお、噴射装置5におけるポンプ8および分流弁9は、第一フレーム20に設けられてもよいし、チャンバ2に取付けられていてもよい。また、ノズル6が噴射する高圧水で海底Sに堆積した砂礫土を海底Sから浮き上がらせるとともに吸込口4へ導ければよいので、ノズル6のチャンバ2への取付位置および高圧水の噴射方向は前述した位置および方向に限られない。
【0020】
また、掘削装置Eは、チャンバ2内で回転駆動される回転ドラム15と、回転ドラム15の周囲に装着されるビット16と、回転ドラム15を駆動するモータ17とを備えて構成されている。掘削装置Eにおける回転ドラム15およびビット16は、チャンバ2内の前方に収容されており、回転ドラム15を
図1中で時計回り方向へ回転駆動するとチャンバ2の開口部2aに対向する海底Sの表層をビット16で掘削できる。なお、モータ17は、減速機を介して回転ドラム15を駆動してもよい。本実施の形態では、掘削時における回転ドラム15の回転方向は、
図1中で時計回り方向となっているが、ビット16を回転ドラム15に対して
図1に示した方向とは逆向きに設置する場合には回転ドラム15を
図1中で反時計回り方向に回転させて海底Sの表層を掘削できる。
【0021】
このように構成された浚渫装置1は、歩行装置Wにおける第一フレーム20に対して浚渫装置1を上下方向および
図1中左右方向となる前後方向へ駆動可能な駆動装置18を介して第一フレーム20に取付けられている。よって、浚渫装置1で海底Sの表層を掘削して海底Sに堆積した砂礫土を浚渫する場合、駆動装置18で浚渫装置1を海底Sに近づけて、海底Sにチャンバ2の開口部2aを対向させた状態とする。そして、掘削装置Eを駆動して海底Sの表層を掘削しつつ、噴射装置5でチャンバ2の開口部2aに対向した海底Sに堆積する砂礫土をチャンバ2内に浮揚させて吸込口4へ導くとともに吸引装置3でチャンバ2内の砂礫土水を吸引する。
【0022】
チャンバ2と海底Sとの間には隙間が生じるものの、チャンバ2の下端を海底Sに対向させており、噴射装置5の噴射流量が吸引装置3の吸引流量よりも少ないために、チャンバ2内の圧力はチャンバ2外の圧力よりも低くなる。これによって、噴射装置5による高圧水の噴射によってチャンバ2内に浮揚した砂礫土水がチャンバ2外への流出するのが抑制されて、掘削した砂礫土を回収効率良く採取できる。
【0023】
このように本発明の浚渫装置1は、海底(地面)Sに対向する開口部2aを有するチャンバ2と、チャンバ2内に吸込口4を有してチャンバ2内の砂礫土水を吸引する吸引装置3と、チャンバ2内に高圧水(液体)を噴射するノズル6を有してチャンバ2内の砂礫土水を吸込口4へ導く噴射装置5と備え、吸引装置3における砂礫土水(液体)を吸引する流量が噴射装置5における高圧水(液体)を噴射する流量よりも多い。このように構成された浚渫装置1によれば、チャンバ2に対向する海底(地面)Sに堆積した砂礫土を噴射装置5でチャンバ2内に浮揚させつつ吸込口4へ導きつつ、吸引装置3で砂礫土水を吸引するとともに、チャンバ2内の圧力をチャンバ2外の圧力よりも低くできるから、砂礫土の回収効率が向上するのである。
【0024】
また、本実施の形態の浚渫装置1は、吸込口4がチャンバ2の後方に設けられており、ノズル6がチャンバ2の後方に設けられてチャンバ2の後方からチャンバ2の前方の海底(地面)Sへ向けて高圧水(液体)を噴射する。このように構成された浚渫装置1は、チャンバ2の後方から前方へ向けて高圧水(液体)をチャンバ2内で噴射でき、チャンバ2の前方へ向かった高圧水(液体)がチャンバ2の前方の内壁に衝突して吸込口4が設置されているチャンバ2の後方へ向かうので、チャンバ2の開口部2aに対向する海底(地面)Sに堆積した砂礫土を効率よく吸込口4へ導くことができる。よって、このように構成された浚渫装置1によれば、砂礫土の回収効率がより一層向上する。なお、本実施の形態の浚渫装置1は、複数のノズル6を備えているが、ノズル6の設置数は任意に増減できる。また、効率よく砂礫土水を回収するには、ノズル6を本実施の形態のように設置すると良いが、高圧水(液体)の噴射によって砂礫土水の吸込口4への導入が可能であればノズル6の設置個所と高圧水(液体)の噴射方向は任意に設定できる。
【0025】
さらに、本実施の形態の浚渫装置1は、噴射装置5がチャンバ2の前方に設けられて、チャンバ2の前方から海底(地面)Sに向けて高圧水(液体)を噴射するサブノズル7を備えている。このように構成された浚渫装置1は、ノズル6からの高圧水の噴射によってチャンバ2の前方から砂礫土水が漏れるのを抑制できるとともに、チャンバ2の前方に対向する海底(地面)Sに堆積した砂礫土を効率よく浮揚させてノズル6が噴射した高圧水(液体)の流れに乗せて砂礫土水を吸込口4へ導入させ得る。よって、このように構成された浚渫装置1によれば、砂礫土の回収効率がより一層向上する。効率よく砂礫土水を回収するには、サブノズル7を設けると良いが、省略も可能であり、サブノズル7の設置数も任意に増減できる。
【0026】
また、本実施の形態の浚渫装置1は、チャンバ2内に収容されて海底(地面)Sを掘削する掘削装置Eを備えている。このように構成された浚渫装置1では、掘削装置Eがチャンバ2内に収容されているので、掘削装置Eで掘削した砂礫土が海流によって散逸されるのを防げ、掘削に引き続いて噴射装置5と吸引装置3による浚渫作業を行って掘削してできた砂礫土を効率よく回収できる。掘削装置Eは、回転ドラム15とビット16とモータ17とで構成されているが、海底(地面)Sを掘削できるものであればよく、高圧水(高圧液体)の噴射で岩盤の掘削を可能とする装置であってもよい。なお、浚渫装置1は、本実施の形態では掘削装置Eを備えているが、掘削装置Eを備えていなくとも良い。
【0027】
また、本実施の形態では、噴射装置5は、浚渫装置1の周囲の海水を吸込んでノズル6およびサブノズル7から噴射するものとして説明したが、作業船等から噴射する液体を供給するものでもよく、その場合、ポンプ8を作業船等に設置してもよい。つまり、噴射装置5で利用する液体は、浚渫装置1の周囲の液体に限られず、たとえば、砂礫土に含まれる資源の回収に最適な液体を利用してもよい。
【0028】
さらに、浚渫装置1は、歩行装置Wに対して俯仰および左右への旋回が可能とされてもよい。さらには、浚渫装置1は、海底Sの砂礫土を浚渫する用途以外にも川底や湖底の砂礫土の浚渫にも利用可能である。
【0029】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【符号の説明】
【0030】
1・・・浚渫装置、2・・・チャンバ、2a・・・開口部、3・・・吸引装置、4・・・吸込口、5・・・噴射装置、6・・・ノズル、7・・・サブノズル、E・・・掘削装置