IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士重工業株式会社の特許一覧

特許7084789充電用ソケット及び充電用ソケットのブラケット
<>
  • 特許-充電用ソケット及び充電用ソケットのブラケット 図1
  • 特許-充電用ソケット及び充電用ソケットのブラケット 図2
  • 特許-充電用ソケット及び充電用ソケットのブラケット 図3
  • 特許-充電用ソケット及び充電用ソケットのブラケット 図4
  • 特許-充電用ソケット及び充電用ソケットのブラケット 図5
  • 特許-充電用ソケット及び充電用ソケットのブラケット 図6
  • 特許-充電用ソケット及び充電用ソケットのブラケット 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】充電用ソケット及び充電用ソケットのブラケット
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/46 20060101AFI20220608BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20220608BHJP
   B60K 15/05 20060101ALI20220608BHJP
   H01R 13/73 20060101ALI20220608BHJP
   H01R 13/652 20060101ALI20220608BHJP
   B60R 16/03 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
H01R13/46 304P
B60K1/04 Z ZHV
B60K15/05 B
H01R13/73 Z
H01R13/652
B60R16/03 V
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018113239
(22)【出願日】2018-06-14
(65)【公開番号】P2019216048
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】正木 進一朗
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/147758(WO,A1)
【文献】特開2002-216898(JP,A)
【文献】特開2014-022170(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0003861(US,A1)
【文献】特開2014-234059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40-13/533
B60K 1/04
B60K 15/05
H01R 13/73-13/74
H01R 13/56-13/72
B60R 16/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両に固定される固定部と、電線固定部とを有するブラケット部と、
前記電動車両のバッテリを充電するための給電コネクタが挿入される充電口と、前記充電口に接続された接地用電線とを有し、前記ブラケット部と連結されるインレット部と、
前記充電口に所定量以上の荷重がかかると破断し、前記充電口と前記固定部とを分離させる破断部と、
を備え
前記接地用電線は、前記電線固定部に固定され、
前記電線固定部は、前記破断部が破断した状態で、前記充電口と分離し、
前記接地用電線は、前記電線固定部と前記充電口とが分離した状態で、断線する、充電用ソケット。
【請求項2】
複数の前記固定部を備え、
前記破断部は、複数の前記固定部の一部と前記充電口とを分離させる、請求項1に記載の充電用ソケット。
【請求項3】
前記ブラケット部が前記破断部を有する、請求項1又は請求項2に記載の充電用ソケット。
【請求項4】
前記破断部は、前記ブラケット部に設けられた溝を含む、請求項に記載の充電用ソケット。
【請求項5】
前記破断部は孔を有する、請求項又は請求項に記載の充電用ソケット。
【請求項6】
前記ブラケット部は、前記充電口を囲む略コの字形状である、請求項から請求項のいずれか1項に記載の充電用ソケット。
【請求項7】
前記固定部は、前記ブラケット部の前記略コの字形状の両端のうち少なくともいずれか一方の近傍に位置し、
前記破断部は、該固定部の近傍に位置する、請求項に記載の充電用ソケット。
【請求項8】
前記接地用電線は、前記電線固定部で前記ブラケット部と共に前記電動車両に共締めされる、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の充電用ソケット。
【請求項9】
電動車両に固定される固定部と、
前記電動車両のバッテリを充電するための給電コネクタが挿入される充電口と、前記充電口に接続された接地用電線とを有するインレット部が連結される連結部と、
前記接地用電線が固定される電線固定部と、
前記インレット部が前記連結部に連結されている状態で、前記充電口に所定量以上の荷重がかかると破断し、前記連結部と前記固定部とを分離させる破断部と、
を備え
前記電線固定部は、前記破断部が破断した状態で、前記連結部と分離し、
前記接地用電線は、前記電線固定部と前記連結部とが分離した状態で、断線する、充電用ソケットのブラケット。
【請求項10】
複数の前記固定部を備え、
前記破断部は、複数の前記固定部の一部と前記充電口とを分離させる、請求項に記載の充電用ソケットのブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電用ソケット及び充電用ソケットのブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド自動車などの電動車両には、電力によって駆動される電気モータが搭載されている。電気モータを駆動するためのバッテリの電力が消費されたときには、外部の給電設備によりバッテリを充電する必要がある。外部の給電設備には、給電コネクタを先端に備えた給電ケーブルが接続されている。電動車両の充電口に給電コネクタが挿入されることで、バッテリが充電される。
【0003】
一方、車両にコネクタを接続する技術が知られている。例えば特許文献1には、車両側ブラケットに取り付けられる車両取付ブラケット部と、コネクタが取り付けられるコネクタブラケット部とを連結部を介して一体に設けたコネクタブラケットが開示されている。設定値以上の衝撃力がコネクタブラケットにかかると連結部が破断される。このとき、車両取付ブラケット部とコネクタブラケット部が分離されることにより、乗員の安全確保が図られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-262433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電動車両の充電口は、電動車両の外側に露出した状態で設けられているため、大きな荷重が充電口にかかる場合がある。例えば、人の足が給電ケーブルに引っ掛かったり、人の体や物が充電口にぶつかったりするような場合には、予期しない大きな荷重が充電口にかかる。電動車両の車体に設けられている充電口に荷重がかかると、その荷重は電動車両の車体にかかる。充電口に過度の荷重がかかると、充電口や電動車両の車体が変形する問題が生じる。例えば、車体の変形を修理することは困難である。仮に変形した車体を修理する場合には、修理のための費用が掛かる。
【0006】
しかしながら、引用文献1に記載された技術は、運転席及び足元に取り付けられるコネクタブラケットに乗員の膝が当たるような状況を想定した技術である。つまり、引用文献1に記載された技術は、上記のような大きな荷重がコネクタブラケットにかかることを想定した技術ではない。また、一般的には、運転席及び助手席の足元に取り付けられるコネクタブラケットには、電動車両のバッテリを充電するような大電流をコネクタに流すことが意図されていない。
【0007】
また、引用文献1に記載のコネクタブラケットは、コネクタブラケット部に所定の衝撃力が加わると、コネクタブラケット部と車両の取り付けられた車両取付ブラケット部に分離する。コネクタブラケット部に給電コネクタが接続されている場合、コネクタブラケット部に衝撃力が加わると、給電コネクタが接続されたコネクタブラケット部が車両取付ブラケット部から外れる。給電コネクタが設けられた給電ケーブルに電動車両のバッテリを充電するための大電流が流れているような場合、コネクタブラケット部が車両取付ブラケットから分離すると、給電コネクタから漏電する問題が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、充電口に荷重がかかったときに、電動車両の車体にかかる荷重を低減することが可能な、新規かつ改良された充電用ソケット及び充電用ソケットのブラケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、電動車両に固定される固定部と、電線固定部とを有するブラケット部と、前記電動車両のバッテリを充電するための給電コネクタが挿入される充電口と、前記充電口に接続された接地用電線とを有し、前記ブラケット部と連結されるインレット部と、前記充電口に所定量以上の荷重がかかると破断し、前記充電口と前記固定部とを分離させる破断部と、を備え、前記接地用電線は、前記電線固定部に固定され、前記電線固定部は、前記破断部が破断した状態で、前記充電口と分離し、前記接地用電線は、前記電線固定部と前記充電口とが分離した状態で、断線する、充電用ソケットが提供される。
【0010】
前記固定部のうちの少なくとも一箇所は、前記破断部が破断した状態で、前記充電口と分離していなくてもよい。
【0012】
前記ブラケット部が前記破断部を有してもよい。
【0013】
前記破断部は、前記ブラケット部の他の部分よりも薄くてもよい。
【0014】
前記破断部は孔を有していてもよい。
【0015】
前記ブラケット部は、前記充電口を囲む略コの字形状であってもよい。
【0016】
前記固定部は、前記ブラケット部の前記略コの字形状の両端のうち少なくともいずれか一方の近傍に位置し、前記破断部は、該固定部の近傍に位置してもよい。
【0019】
前記接地用電線は、前記電線固定部で前記ブラケット部と共に前記電動車両に共締めされてもよい。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、電動車両に固定される固定部と、前記電動車両のバッテリを充電するための給電コネクタが挿入される充電口と、前記充電口に接続された接地用電線とを有するインレット部が連結される連結部と、前記接地用電線が固定される電線固定部と、前記インレット部が前記連結部に連結されている状態で、前記充電口に所定量以上の荷重がかかると破断し、前記連結部と前記固定部とを分離させる破断部と、を備え、前記電線固定部は、前記破断部が破断した状態で、前記連結部と分離し、前記接地用電線は、前記電線固定部と前記連結部とが分離した状態で、断線する、充電用ソケットのブラケットが提供される。
【0021】
前記固定部のうちの少なくとも一箇所は、前記破断部が破断した状態で、前記充電口と分離していなくてもよい。
【0022】
前記破断部は、他の部分よりも薄くてもよい。
【0023】
前記破断部は孔を有してもよい。
【0024】
充電用ソケットのブラケットは、前記インレット部が前記連結部に連結されている状態で、前記充電口を囲む略コの字形状であってもよい。
【0025】
前記固定部は、前記コの字形状の両端のうち少なくともいずれか一方の近傍に位置し、前記破断部は、該固定部の近傍に位置してもよい。
【0026】
充電用ソケットのブラケットは、前記インレット部が有する接地用電線を固定する電線固定部を備えてもよい。
【0027】
前記電線固定部は、前記インレット部が前記連結部に連結されている場合に、前記破断部が破断した状態で、前記充電口と分離されてもよい。
【0028】
前記インレット部が前記連結部に連結されている状態で、前記インレット部の前記充電口が有する前記接地用電線が前記電線固定部で前記電動車両に共締めされてもよい。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように本発明によれば、充電口に荷重がかかったときに、電動車両の車体にかかる荷重を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】充電中の電動車両を、電動車両の左斜め前方から見た斜視図である。
図2】本実施形態に係る充電用ソケットが電動車両の車体に固定された状態を、充電用ソケットの左斜め前方から見た斜視図である。
図3】本実施形態に係る充電用ソケットが電動車両の車体に固定された状態を、充電用ソケットの右斜め前方から見た斜視図である。
図4】本実施形態に係るブラケット部の表側の面を示す図である。
図5】本実施形態に係るブラケット部の裏側の面を示す図である。
図6】本実施形態に係るブラケット部のI-I'断面図である。
図7】本実施形態に係る接地用電線が固定されたブラケット部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0032】
1.電動車両
図1は、充電中の電動車両100を、電動車両100の左斜め前方から見た斜視図である。電動車両100は、電動モーターのみによって走行する電気自動車であってもよいし、電動モーターとエンジンを併用して走行するハイブリッド自動車であってもよい。電動車両100は、例えばリチウムイオン電池やニッケル水素電池といったバッテリの電力で走行する。
【0033】
電動車両100には、後述する充電用ソケット214(図1において不図示)が固定されている。充電用ソケット214は給電コネクタ104が挿入される充電口102を備えている。本実施形態では、充電口102を設けた充電用ソケット214は電動車両100の後方の左側部に固定されている。これに限らず、充電用ソケット214は電動車両100の後方の右側部に固定されていてもよいし、電動車両100の前方の両側部、前部、及び後部のいずれに固定されていてもよい。
【0034】
電動車両100の外部の給電設備108には、給電ケーブル106が接続されている。給電ケーブル106の先端には給電コネクタ104が設けられている。給電コネクタ104は、充電口102に着脱可能に挿入される。充電口102に給電コネクタ104が挿入されると、給電設備108から給電ケーブル106を介して電動車両100のバッテリに送電が行われる。このようにして、電動車両100のバッテリが充電される。
【0035】
2.本実施形態の充電用ソケット及び充電用ソケットのブラケット
2-1.本実施形態の充電用ソケット
図2は、本実施形態に係る充電用ソケット214が電動車両100の車体101に固定された状態を、充電用ソケット214の左斜め前方から見た斜視図である。図3は、本実施形態に係る充電用ソケット214が電動車両100の車体101に固定された状態を、充電用ソケット214の右斜め前方から見た斜視図である。
【0036】
充電用ソケット214は、車体101に固定されているブラケット部300と、ブラケット部300の車体101に対して外側に位置するインレット部200を備えている。インレット部200の表側の面の中央付近には、給電コネクタ104を挿入するための充電口102が設けられている。
【0037】
インレット部200は略四角形の形状を有している。インレット部200は、略四角形の四隅に第1連結部210a、第2連結部210b、第3連結部210c、及び第4連結部210dを有している。以下、インレット部200の各連結部210a、210b、210c、及び210dについて区別する必要がないときは、符号の末尾のアルファベットを省略し、これらをインレット側連結部210として総称する。これらのインレット側連結部210は、インレット部200に連結ボルト211を挿通するための孔を開けて設けられている。連結ボルト211は、インレット部200とブラケット部300を連結させるためのボルトである。
【0038】
各インレット側連結部210に連結ボルト211が挿入され、各連結ボルト211はブラケット部300に締め付けられる。これにより、インレット部200はブラケット部300に固定される。このようにして、インレット部200はブラケット部300に連結される。
【0039】
図2及び図3には、上下左右及び前後の方向が矢印で示されている。ここでいう上下左右及び前後の方向は、電動車両100の左右及び前後の方向とは関係のない方向として定義されている。図2及び図3における前から後へ向かう矢印の方向は、インレット部200のインレット側連結部210が設けられた面に対して垂直で、インレット部200から車体101へ向かう方向である。左から右に向かう矢印の方向は、第1連結部210aから第2連結部210bへ向かう方向である。下から上に向かう矢印の方向は、左から右へ向かう矢印の方向と前から後へ向かう矢印の方向のいずれにも垂直な方向であり、およそ第1連結部210aから第4連結部210dへ向かう方向である。
【0040】
ブラケット部300は、第1固定部302a、第2固定部302b、第3固定部302c、及び第4固定部302dを有している。以下、各固定部302a、302b、302c、及び302dについて区別する必要がないときは、符号の末尾のアルファベットを省略し、これらを固定部302として総称する。固定部302は、ブラケット部300に孔を開けて設けられている。
【0041】
第1固定部302a、第2固定部302b、第3固定部302c、及び第4固定部302dには、それぞれ第1ボルト320a、第2ボルト320b、第3ボルト320c、及び第4ボルト320dが挿入される。以下、各ボルト320a、320b、320c、及び320dについて区別する必要がないときは、符号の末尾のアルファベットを省略し、これらを固定ボルト320として総称する。各固定部302に挿入された固定ボルト320は車体101に締め付けられる。これにより、ブラケット部300は、車体101に固定される。このようにして、ブラケット部300を有する充電用ソケット214は、電動車両100の車体101に固定される。
【0042】
インレット部200は、給電コネクタ104が着脱可能に挿入される充電口102を備えている。充電口102は、マイナス端子204と、プラス端子206と、接地用端子208を備える。充電口102の裏側には、充電ケーブル212が接続されている。充電ケーブル212は電動車両100のバッテリへ電力を供給するケーブルである。充電口102に給電コネクタ104が挿入されると、マイナス端子204とプラス端子206に給電コネクタ104のプラス端子とマイナス端子が接続される。これにより、給電設備108の電力が、給電ケーブル106及び充電ケーブル212を介して、電動車両100のバッテリに供給される。
【0043】
また、充電口102に給電コネクタ104が挿入されると、給電コネクタ104の接地端子が接地用端子208に接続される。後述するように、接地用端子208は車体101に接地されているため、給電コネクタ104は車体101に接地される。給電コネクタ104が接地されることにより、給電コネクタ104からの感電等が防止される。
【0044】
2-2.本実施形態のブラケット部
ブラケット部300は、ブラケット部300の左側に左側壁部301a、右側に右側壁部301bを備えている。図2に示すように、左側壁部301aは、第1固定部302aから第4固定部302dに上下に亘って設けられている。左側壁部301aの左右の方向の厚さは、例えば左側壁部301aの左端からインレット部200の左端までの長さと同程度の厚さである。また、左側壁部301aの左右の方向の厚さは、第1固定部302aから第4固定部302dに亘っておよそ均一の厚さである。また、左側壁部301aの前後方向の厚さは、第4固定部302dから下方向に向かうに従って、薄くなるように設けられている。左側壁部301aの前後方向の厚さは、後述する第1破断部310a付近で最も薄くなっている。このため、第1破断部310a付近のブラケット部300の前後方向の厚さは、第1固定部302aから第4固定部302dに亘る領域で最も薄くなっている。
【0045】
一方、図3に示すように右側壁部301bは、第2固定部302bから第3固定部302cに上下方向に亘って設けられている。右側壁部301bの左右方向の厚さは、例えば右側壁部301bの右端からインレット部200の右端までの長さと同程度の厚さである。右側壁部301bの左右方向の厚さは、第2固定部302bから第3固定部302cに亘っておよそ均一の厚さである。右側壁部301bの前後方向の厚さは、第3固定部302c付近で最も厚くなっている。第3固定部302c付近より下の領域では、右側壁部301bの前後方向の厚さは、第3固定部302c付近の厚さに比べて薄く、およそ均一の厚さになっている。
【0046】
図4は、本実施形態に係るブラケット部300の表側の面を示す図である。図5は、本実施形態に係るブラケット部300の裏側の面を示す図である。上下左右の向きが矢印で示されている。図4及び図5における上下左右の矢印の向きは、図2及び図3に示された矢印と同じ方向を示している。ブラケット部300の表側の面は、ブラケット部300がインレット部200と連結した状態で、インレット部200の充電口102が設けられている面の裏側の面に対向する面である。
【0047】
ブラケット部300の材質は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリカーボネートなどの樹脂であってもよい。
【0048】
ブラケット部300は、第5連結部304a、第6連結部304b、第7連結部304c、及び第8連結部304dを備えている。以下、ブラケット部300の各連結部304a、304b、304c、及び304dについて区別する必要がないときは、符号の末尾のアルファベットを省略し、これらをブラケット側連結部304として総称する。
【0049】
インレット部200の各インレット側連結部210には、連結ボルト211が挿入される。挿入された連結ボルト211は、ブラケット側連結部304に締め付けられる。これにより、インレット部200の第1連結部210a、第2連結部210b、第3連結部210c、及び第4連結部210dは、それぞれブラケット部300の第5連結部304a、第6連結部304b、第7連結部304c、及び第8連結部304dに固定される。このようにして、インレット部200とブラケット部300が連結する。
【0050】
ブラケット部300は、第1固定部302aの右上に第1破断部310a、第2固定部302bの上に第2破断部310bを備えている。以下、各破断部310a及び310bについて区別する必要がないときは、符号の末尾のアルファベットを省略し、これらを破断部310として総称する。破断部310は、後述するように破断部310の他のブラケット部300の部分よりも破断しやすい構造になっている。
【0051】
第1破断部310aは、ブラケット部300の左下の端の第1固定部302a付近に設けられている。上述のように第1破断部310a付近のブラケット部300の前後方向の厚さは、第1固定部302aから第4固定部302dに亘る領域で最も薄い。ブラケット部300の前後方向の厚さが薄いほど荷重がかかったときに破断しやすくなる。このため、第1破断部310aは、第1固定部302aから第4固定部302dに亘る領域の中で、荷重がかかったときに最も破断しやすい。
【0052】
第1破断部310aを示す二点鎖線の内側には、後述する端子受け306が設けられている。端子受け306の上側には端子孔308が設けられている。端子孔308は、ブラケット部300に孔を開けて設けられている。第1破断部310aは、ブラケット部300の前後方向の厚さが薄くなっていることに加えて、端子孔308が設けられることでさらに破断しやすくなっている。このため、第1破断部310aは、車体101を変形させる程度の所定の荷重がかかると破断する構造になっている。
【0053】
後述するように、充電口102に荷重がかかると、固定部302に優先的に荷重がかかる。このため、充電口102に荷重がかかると、固定部302のうちの一箇所である第1固定部302aの付近に荷重がかかる。すると、第1固定部302a付近に位置する第1破断部310aに荷重がかかる。第1破断部310aが荷重に耐えきれなくなると、第1破断部310aは破断する。このとき、第1破断部310aは、端子孔308を含む二点鎖線で示された領域で、左右に亘って破断する。前述のように第1破断部310aは、破断しやすい構造になっている。このため、充電口102に荷重がかかると、車体101や充電口102が変形する前に第1破断部310aが破断する。
【0054】
第1破断部310aは、第1固定部302aと第5連結部304aの間に設けられている。第1破断部310aが破断すると、第1固定部302aと第5連結部304aが分離する。このとき、第5連結部304a以外のブラケット側連結部304も、第1固定部302aと分離される。ブラケット部300には、インレット部200がブラケット側連結部304で連結されている。インレット部200は充電口102を備えているため、第1破断部310aが破断すると、第1固定部302aと充電口102が分離される。つまり、第1固定部302aと充電口102を有する充電用ソケット214が分離される。
【0055】
第1固定部302aと充電用ソケット214が分離されると、充電用ソケット214は第1固定部302aにより固定されなくなる。このため、充電用ソケット214の車体101への固定が弱くなる。しかし、第1破断部310aが破断した後も充電用ソケット214は、第1固定部302a以外の固定部302により、車体101に固定される。従って、充電用ソケット214は、第1破断部310aが破断した後も車体101に固定されているが、車体101から人の力で動く程度に可動となる。
【0056】
一方、第2破断部310bは、第2固定部302bと第6連結部304bの間に設けられている。充電口102に荷重がかかると、第2固定部302bの付近に位置する第2破断部310bに荷重がかかる。第2破断部310bが荷重に耐えきれなくなると、第2破断部310bは破断する。このとき、第2破断部310bは、破線で示された領域で、ブラケット部300の裏側に設けられた溝に沿って破断する。このとき、第2破断部310bは溝が設けられているため破断しやすい構造となっている。このため、充電口102に荷重がかかると車体101や充電口102が変形する前に第2破断部310bが破断する。
【0057】
第2破断部310bが破断すると、第2固定部302bと第6連結部304bが分離される。このとき、第6連結部304b以外のブラケット側連結部304も、第6連結部304bと分離される。ブラケット部300には、インレット部200がブラケット側連結部304で連結されている。インレット部200は充電口102を備えているため、第2破断部310bが破断すると、第2固定部302bと充電口102とが分離される。つまり、第2固定部302bと充電口102を有する充電用ソケット214が分離される。
【0058】
後述するように、第1破断部310aは第2破断部310bより破断しやすい。このため、充電口102に荷重がかかると、第1破断部310aが破断した後に第2破断部310bは破断する。従って、第2破断部310bが破断するときには、第1破断部310aも破断している。このとき、充電用ソケット214は、第1固定部302aと第2固定部302bの2つの固定部302から分離される。このため、第2破断部310bが破断する場合には、第1破断部310aのみが破断した場合に比べてさらに充電用ソケット214の車体101への固定が弱くなる。このため、充電用ソケット214は、更に車体101から可動となる。
【0059】
本実施形態のブラケット部300は、インレット部200がブラケット部300に連結された状態で、充電口102を囲む略コの字形状である。第1固定部302aは略コの字形状の左下の端付近に位置している。第2固定部302bは略コの字形状の右下の端付近に位置している。第1固定部302aと第2固定部302bの間は、ブラケット部300が途切れている。一方、第3固定部302cと第4固定部302dの間は左右に途切れずにつながっている。このため、第1固定部302aと第2固定部302b付近は、第3固定部302cと第4固定部302dよりも破断しやすい構造となっている。
【0060】
上述のように、第1固定部302aと第2固定部302bの間は、ブラケット部300が途切れている。このため、第1固定部302aの上側に位置する第1破断部310aが破断するだけで第1固定部302aと充電口102が分離される。同様に、第2固定部302bの上側に位置する第2破断部310bが破断するだけで、第2固定部302bと充電口102が分離される。一方、第8連結部304dが充電口102から分離されるためには、第8連結部304dの下側と右側の二箇所が破断される必要がある。第7連結部304cが充電口102から分離される場合も同様である。これに対して、第1固定部302aと第2固定部302bは、一箇所の破断部310が破断されることで、充電口102から分離される。つまり、第1固定部302aと第2固定部302bは、より簡易に充電口102から分離される。
【0061】
第1固定部302aは、第5連結部304aの真下方向から左側にずれて位置している。一方、第2固定部302bは第6連結部304bのおよそ真下に位置している。第1固定部302aと第5連結部304a、及び、第2固定部302bと第6連結部304bの上下方向の距離はそれぞれ同程度の距離である。このため、第1固定部302aと第5連結部304aの距離は、第2固定部302bと第6連結部304bの距離よりも長くなっている。
【0062】
充電口102に荷重がかかると、充電口102を有するインレット部200が連結しているブラケット部300に荷重がかかる。ブラケット部300は、ブラケット側連結部304でインレット部200と連結している。このため、充電口102に荷重がかかると、ブラケット側連結部304に荷重がかかる。また、ブラケット部300は、固定部302で車体101に固定されている。このため、充電口102からブラケット部300へかかる荷重は、ブラケット部300の固定部302にかかる。
【0063】
充電口102に荷重がかかると、ブラケット側連結部304を介して、固定部302に荷重がかかる。このとき、第1固定部302aと第5連結部304aの間の距離は、第2固定部302bと第6連結部304bの間の距離よりも長い。このため、てこの原理により、第1固定部302a付近には、第2固定部302b付近に比べて大きな荷重がかかる。また、上述したようにブラケット部300は略コの字形状であるため、第1固定部302aと第2固定部302b付近は、第3固定部302cと第4固定部302dよりも破断しやすい。さらに、第1破断部310a付近の左側壁部301aが薄く、破断しやすい構造になっている。これらのことから、充電口102に荷重がかかったときに、第1破断部310aはブラケット部300の中で最も破断しやすい構造になっている。そして、第2破断部310bは、充電口102に荷重がかかったときに、第1破断部310aの次に破断しやすい構造になっている。
【0064】
第1破断部310aが破断する場合の本実施形態の作用効果について説明する。充電口102に過大な荷重がかかると、車体101に固定された固定部302付近に荷重がかかる。第1破断部310aは第1固定部302a付近に位置するため、充電口102に荷重がかかると、第1破断部310aに荷重がかかる。上述のように、第1破断部310a付近の左側壁部301aは前後方向に薄くなっており、第1破断部310aには端子孔308を含まれるため、破断しやすい。このため、充電口102に荷重がかかると、図4の端子孔308を含む二点鎖線の領域内で、第1破断部310aは破断する。
【0065】
第1破断部310aが破断すると、充電口102と第1固定部302aが分離する。このとき、充電口102から第1固定部302aを介して車体101にかかっていた荷重が車体101にかからなくなる。このため、第1破断部310aが破断することで、充電口102から車体101にかかっていた荷重が総じて低減される。その結果、充電口102に荷重がかかり、車体101に荷重がかかることによる車体101の変形が抑止される。
【0066】
また、第1破断部310aが破断し、第1固定部302aと充電口102を備えたインレット部200が分離されると、充電用ソケット214の車体101への固定が不安定になる。すると、充電用ソケット214の位置が所定の位置からずれ易くなる。特に、充電用ソケット214は前後方向にずれ易くなる。このため、ユーザーが異変に気付くことができる。このときユーザーは、充電の停止を直ちに行うことができる。その結果、早期に漏電が抑止される。また、第1破断部310aが破断した後においても充電口102に荷重がかかり続けるような場合がある。このような場合も、充電用ソケット214の位置が所定の位置からずれ易く、ユーザーが異変に気付きやすいため、ユーザーは充電口102や車体101への荷重を直ちに除去することができる。これにより、車体101や充電口102の変形が抑止される。
【0067】
次に、第2破断部310bが破断する場合の本実施形態の作用効果について説明する。図6は、本実施形態に係るブラケット部300の図5に示すI-I'線に沿った断面図である。第2破断部310bは、ブラケット部300の裏側の面に溝が設けられることで、ブラケット部300の第2破断部310bの他の部分よりも薄くなっている。これにより、第2破断部310bは破断しやすい構造となっている。
【0068】
充電口102に過度の荷重がかかると、固定部302付近に荷重がかかる。第2破断部310bは第2固定部302b付近に位置しているため、充電口102に荷重がかかると、第2破断部310bに荷重がかかる。このため、充電口102に所定の荷重がかかると、第2破断部310bに荷重がかかり、第2破断部310bは破断する。第2破断部310bが破断した場合には、固定部302bと充電口102を備えたインレット部200が分離する。すると、充電口102から第2固定部302bを介して車体101にかかっていた荷重が車体101にかからなくなる。このとき、第2破断部310bより破断し易い第1破断部310aが既に破断している。このため、第2破断部310bが破断した場合には、充電口102から第1固定部302a及び第2固定部302bを介して車体101にかかっていた荷重が車体101にかからなくなる。また、第2破断部310bが破断すると、充電用ソケット214の車体101への固定は、第1破断部310aのみが破断した場合に比べて、更に不安定になる。例えば、車体の近くに居るユーザー等が破断部310が破断したことに気付いた場合には、破断に気付いたユーザー等が充電口102にかかる荷重の原因を除去することができる。充電口102にかかる荷重の原因が除去されることで、充電口102にかかる荷重が低減される。このため、第2破断部310bが破断すると、第1破断部310aのみが破断した場合に比べて、更に車体101へかかる荷重が低減される。その結果、充電口102に荷重がかかることによる車体101の変形が更に防止される。
【0069】
また、第2破断部310bが破断すると、第2固定部302bと充電口102を有するインレット部200が分離される。このとき、第1破断部310aが破断しているため、第1固定部302aも充電口102を有するインレット部200が分離されている。このため、第2破断部310bが破断すると、インレット部200は、第1固定部302a及び第2固定部302bから分離される。このとき、第1破断部310aのみが破断した場合に比べて、充電用ソケット214の車体101への固定がより不安定になる。ユーザーは更に異変に気付きやすくなるため、直ちに充電を停止することができる。この結果、漏電が未然に防止される。
【0070】
2-3.本実施形態の接地用電線
図7は、本実施形態に係る接地用電線312が固定されたブラケット部300の拡大図であって第1固定部302aの周辺を示している。インレット部200の充電口102に設けられた接地用端子208の裏側には、第1接地用電線312aと第2接地用電線312bが接地用端子208に接続されている。以下、各接地用電線312a及び312bについて区別する必要がないときは、符号の末尾のアルファベットを省略し、これらを接地用電線312として総称する。接地用電線312の数は1本であってもよいし、複数本であってもよい。
【0071】
第1接地用電線312aは、第1端子部314a及び第1電線部316aを備えている。第2接地用電線312bは、第2端子部314b及び第2電線部316bを備えている。以下、各端子部314a及び314bを区別しないときは、末尾のアルファベットを省略し、これらを端子部314として総称とする。また、各電線部316a及び316bを区別しないときは、末尾のアルファベットを省略し、これらを電線部316として総称する。端子部314は、電線部316の先端に圧着されている。これにより、端子部314は電線部316に電気的に接続されている。
【0072】
第1ボルト320aは、第1固定部302aの孔及び接地用電線312の端子部314に挿入され、車体101に締め付けられている。第1ボルト320aが車体101に締め付けられることで、ブラケット部300の第1固定部302aは車体101に固定されている。このとき、端子部314は、第1固定部302aに固定されている。このようにして、接地用電線312の端子部314は、第1ボルト320aによりブラケット部300と共に車体101に共締めされている。
【0073】
また、第1ボルト320aと電動車両100の車体101は共に金属製である。接地用電線312の端子部314も金属製であるため、第1ボルト320aで端子部314が車体101に締め付けられることで、端子部314に電気的に接続された電線部316は車体101に接地される。このようにして、接地用電線312は接地される。接地用電線312が接地されることにより、充電口102の接地用端子208が接地される。充電口102に給電コネクタ104が挿入されている場合には、給電コネクタ104が接地される。給電コネクタ104が接地されることにより、異常時には給電コネクタ104から流れる電流が接地用電線312を介して車体101に流れる。このため、異常時に給電コネクタ104から生じ得る感電が未然に防止される。
【0074】
ブラケット部300は、第1固定部302aの右側に端子受け306を有している。端子受け306は、端子孔308の位置の下側のブラケット部300が前方に突出し、端子孔308の前方を覆うようにして設けられている。ブラケット部300の前面と端子孔308の下部を覆う端子受け308の後面との間には、第1端子部314aの前後方向の径に相当する隙間が設けられている。第1端子部314aは、ブラケット部300の前面と端子孔308の下部を覆う端子受け308の後面との間の隙間に挿入される。第1端子部314aは、ブラケット部300の表面と端子受け318の後面との間で挟持されることで保持される。一方、第2接地用電線312bは、端子受け306の下側で端子受け306の下面に沿うように位置している。
【0075】
第1破断部310aが破断したときの本実施形態の接地用電線312の作用効果について説明する。充電口102に荷重がかかり、第1破断部310aが破断した場合、第1固定部302aと充電口102を有するインレット部200が分離する。このとき、接地用電線312の端子部314は、第1固定部302aに固定されたままである。また、第1固定部302aは、第1ボルト320aで車体101に固定されたままである。従って、端子部314は車体101に固定されたままとなる。一方、第1破断部310aが破断すると、充電口102を有するインレット部200は、第1固定部302aと分離される。このため充電用ソケット214、第1固定部302aにより固定されなくなる。この結果、充電用ソケット214は、車体101から動くようになる。
【0076】
第1破断部310aが破断した後にも、充電口102にさらに荷重がかかり続ける場合がある。このとき、充電用ソケット214の充電口102は、荷重がかかる方向へ引っ張られる。充電口102が引っ張られると、接地用電線312の端子部314は、第1固定部302aから充電口102へ引っ張られる。端子部314が充電口102へ大きな力で引っ張られると、端子部314と電線部316が圧着された部分で分離して断線する。これにより、端子部314と電線部316の電気的な接続が切れる。つまり、接地用電線312が断線する。接地用電線312が断線すると、接地用電線312が断線したことに対応する信号が給電設備108に通知される。信号を受信した給電設備108は給電を停止する。これにより、給電が続行されることがなく、給電コネクタ104からの漏電が抑止される。このように本実施形態では、破断部310が破断し、接地用電線312が断線することで充電を停止する。このため、充電用ソケット214とは別に充電を停止するための機構を設ける必要がない。
【0077】
2-4.本実施形態の効果
以上説明したように、本実施形態によれば、過大な荷重が充電口102にかかったとき、破断部310が破断することで充電口102と固定部302が分離される。固定部302が充電口から分離されることで、充電口102からブラケット側連結部304を介して固定部302にかかっていた荷重がなくなる。この結果、充電口102から固定部302を介して車体101へかかっていた荷重がなくなり、車体101への荷重が総じて低減される。このようにして、充電口102から車体101へかかる荷重が総じて低減され、車体101や充電口102の変形が抑止される。このため、電動車両100が使用不能になることや高額な車体101の修理費用がかかることが抑止される。
【0078】
また、本実施形態の充電用ソケット214では、インレット側連結部210に挿入された連結ボルト211が外されることで、インレット部200は、ブラケット部300と分離される。このように、本実施形態では、インレット部200とブラケット部300が分離可能である。このため、ブラケット部300が破損した場合には、ブラケット部300のみを新品に交換すればよい。つまり、ブラケット部300が壊れた場合には、修理のために充電用ソケット214全体を交換する必要がないので、充電用ソケット214の修理費用が抑えられる。
【0079】
3.変形例
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0080】
本実施形態では、図2及び図3に示したように、ブラケット部300に設けられた固定部302の孔に固定ボルト320が挿入されることで、固定ボルト320が車体101に締め付けられる。これにより、ブラケット部300が車体101に締め付けられる。このようにしてブラケット部300を有する充電用ソケット214は車体101に固定される。これに限らず、充電用ソケット214を車体101に固定する方法は、車体101に係止部を設け、ブラケット部300を係止部に係止する方法等でもよい。また、ブラケット部300と車体101の間に別の部材が介在した状態で、充電用ソケット214が車体101に固定されてもよい。
【0081】
本実施形態では、図2及び図3に示したように、インレット部200のインレット側連結部210に連結ボルト211が挿入され、連結ボルト211がブラケット部300に締め付けられる。これにより、インレット部200がブラケット部300に固定され、インレット部200とブラケット部300が連結している。これに限らず、インレット部200とブラケット部300を連結させる方法は、ブラケット部300に係止部を設け、インレット部200を係止部に係止する方法等でもよい。また、インレット部200とブラケット部300の間に別の部材が介在した状態で、インレット部200とブラケット部300が連結していてもよい。
【0082】
本実施形態では、インレット部200は、インレット側連結部210に挿入された連結ボルト211が外されることで、ブラケット部300から分離される。これに限らず、インレット部200とブラケット部300は、分離できない一体の物となっていてもよい。
【0083】
本実施形態では、図2図5に示したように、破断部310は第1破断部310aと第2破断部310bの二箇所に設けられている。これに限らず、破断部310は、一箇所に設けられていてもよいし、三箇所以上に設けられてもよい。さらに、破断部310はインレット部200に設けられていてもよいし、インレット部200とブラケット部300にまたがって設けられていてもよい。また、破断部310の材質は、破断部310の他のブラケット部300の部分と同じ材質であってもよいし、別の材質であってもよい。
【0084】
本実施形態では、破断部310のうちの一箇所又は二箇所が破断することで、固定部302のうちの一箇所と充電口102が分離する。これに限らず、三箇所以上の破断部310が破断することにより、充電口102と固定部302が分離してもよい。また、破断部310のうちの一箇所が破断することで二箇所以上の固定部302が充電口102と分離してもよい。
【0085】
本実施形態では、破断部310が破断したとき、ユーザー自らが、充電用ソケット214が車体101からずれていることを目視等により認識する。これにより、ユーザーは、充電口102に過大な荷重がかかっていることに気付き、給電設備108の給電を停止することができる。これに限らず、破断部310が破断したことを検知する検知装置が充電用ソケット214設けられてもよい。検知装置が充電用ソケット214に設けられている場合、検知装置が破断部310の破断を検出したとき、検知装置が給電設備108の給電を停止してもよい。
【0086】
本実施形態では、図4及び図5に示したように、ブラケット部300は、ブラケット部300とインレット部200が連結した状態で、充電口102を囲む略コの字形状である。これに限らず、ブラケット部300の形状は、充電口102を囲む方形状、円状、楕円状などの形状であってもよい。
【0087】
本実施形態では、図5及び図6に示したように、第2破断部310bは、ブラケット部300の裏側に溝を設けられることで破断しやすい構造になっている。これに限らず、溝はブラケット部300の表側に設けられてもよいし、表面と裏面の両面に設けられてもよい。また、破断部310には、ブラケット部300の左右の方向に薄くなるように溝等が設けられてもよい。
【0088】
また、本実施形態では、図7を用いて説明したように、第1破断部310aが破断した後に接地用電線312が断線する。これに限らず、第1破断部310aが破断すると同時に接地用電線312が断線してもよい。
【0089】
本実施形態では、第1破断部310aが破断した後に、接地用電線312が、充電口102にかかる荷重により充電口102へ引っ張られる。そして、荷重が大きい場合に、端子部314と電線部318の圧着された部分で分離し、接地用電線312が断線する。これに限らず、接地用電線312は、電線部316で断線してもよい。また、破断部310が破断したときに接地用電線312を断線させる別の機構が設けられてもよい。
【符号の説明】
【0090】
102 充電口
104 給電コネクタ
200 インレット部
214 充電用ソケット
300 ブラケット部
302 固定部
310 破断部
312 接地用電線
314 端子部
316 電線部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7