(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】流体を泡立てるための組立品及び方法
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20220608BHJP
【FI】
A47J31/44 410
(21)【出願番号】P 2018546620
(86)(22)【出願日】2017-03-09
(86)【国際出願番号】 NL2017050146
(87)【国際公開番号】W WO2017155400
(87)【国際公開日】2017-09-14
【審査請求日】2020-02-12
(32)【優先日】2016-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】ディース,ヘンドリク ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】クニップ,アブラム クリスティアーン
(72)【発明者】
【氏名】デッシング,ヤコブス ペトルス マリア
【審査官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-522660(JP,A)
【文献】特開2006-221640(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0051083(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0147158(US,A1)
【文献】国際公開第2013/078379(WO,A2)
【文献】国際公開第2008/139205(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0232501(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00 - 31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を泡立てるための組立品(10)であって、
空気入口(12a)及び下流端部(12b)を有する空気流路(12)を含む制御可能な空気源組立品と、
流体入口(18)から流体出口(20)に延びる流体流路(16)であって、順次に
前記空気流路の前記下流端部(12b)が接続された空気入口放出点(16a)と、
ポンプ(22)と、
流体制限部(24)と、
加熱器(26)と、
弁組立品(28)であって、流体が前記流体流路(16)の前記流体出口(20)に流通する第1の状態と、前記流体が前記流体流路(16)から前記弁組立品(28)の第2の流体出口(30)に向けられる第2の状態とを有する弁組立品(28)と、を含む、流体流路(16)と、
加えて、
前記流体流路(16)に接続され、制御可能な水弁(34)を含む給水流路(32)と、
洗浄収容容器(36)と、
前記弁組立品(28)の前記第2の流体出口(30)に接続された上流端部を有し、前記洗浄収容容器(36)内で放出する下流端部を有する、戻り流路(38)と、
少なくとも前記ポンプ(22)、前記加熱器(26)、及び前記弁組立品(28)を制御するように構成された電子制御装置組立品(40)であって、製造モード及び洗浄モードで該流体を泡立てるための前記組立品を動作させるように構成されている、電子制御装置組立品(40)と、を含み、
前記製造モードにおいて、前記流体流路(16)の前記流体入口(18)は、泡立てられるべき流体を供給するように流体供給部と流体接続され、前記洗浄モードの少なくとも一部の間に、前記流体流路(16)の前記流体入口(18)は、上記洗浄収容容器と流体接続され、かつ上記洗浄収容容器から取られた洗浄流体を供給され、該洗浄流体は、上記流体入口、上記ポンプ、上記流体制限部、上記加熱器、そして上記弁組立品を順次に経て上記流体流路を流れて、選択的に(i)上記流体出口へまたは(ii)上記戻り流路を経て上記洗浄収容容器へ、流れる、流体を泡立てるための組立品(10)。
【請求項2】
前記流体流路(16)内に位置決めされた少なくとも1つの導電率センサ(42)を備える、請求項1に記載の組立品。
【請求項3】
前記流体流路(16)を選択的に閉鎖するように構成された制御可能な流体弁(44)を備え、前記制御可能な流体弁(44)は、前記流体流路(16)内に、前記流体入口(18)と前記空気入口放出点(16a)との間に位置決めされている、請求項1又は2に記載の組立品。
【請求項4】
前記電子制御装置組立品(40)は、前記洗浄モード中に、水が前記弁組立品(28)を通って前記洗浄収容容器(36)に向かって導かれ得るように、前記制御可能な流体弁(44)及び前記制御可能な水弁(34)を制御するように構成されている、請求項3に記載の組立品。
【請求項5】
前記加熱器(26)は、流れ通過厚膜発熱体を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組立品。
【請求項6】
前記加熱器(26)は高圧流れ通過厚膜加熱器である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組立品。
【請求項7】
前記流体制限部(24)は所定の長さにわたって中心軸に沿って延び、前記制限部はオリフィスを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の組立品。
【請求項8】
前記流体制限部(24)の前記長さは1mm~8mmの範囲内にあり、前記流体制限部(24)の前記オリフィスの直径は0.4mm~1.5mmの範囲内にある、請求項7に記載の組立品。
【請求項9】
前記流体制限部(24)は前記ポンプ(22)の一体型部分である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組立品。
【請求項10】
泡立てられるべき流体を保持するための流体収容容器(46)を備え、前記製造モード中に泡立てられるべき流体が前記流体流路(16)に供給され得るように、前記製造モードでは、前記流体入口(18)は前記流体収容容器(46)内に挿入されるか又はそれに少なくとも接続され、前記洗浄モードでは、前記流体収容容器(46)及び前記流体入口(18)は切断される、請求項1~9のいずれか一項に記載の組立品。
【請求項11】
前記流体入口(18)の近くで前記流体流路(16)に接続される把持要素(56)を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の組立品。
【請求項12】
前記把持要素(56)は、前記流体入口(18)が挿入される流体収容容器(46)の開口上に配置可能であるキャップ(58)を備える、請求項11に記載の組立品。
【請求項13】
ユーザが前記電子制御装置組立品(40)に入力を与えることを可能にするグラフィカルユーザインターフェースを備え、前記電子制御装置組立品(40)は、ユーザに、少なくとも以下のオプション、
前記洗浄モードを実行することと、
前記製造モードを実行することと、のオプションから選択することを可能にするようにプログラムされており、前記製造モードは、少なくとも、
ある量の冷たい泡立てられた流体の製造及び分注、又は、
ある量の熱い泡立てられた流体の製造及び分注
を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組立品。
【請求項14】
前記電子制御装置組立品(40)は、前記流体入口(18)が前記流体供給部(46)から取り外され、前記洗浄収容容器(36)内に配置されたか又はそれに接続された後に、次の行為、
前記制御可能な水弁を開放し、前記弁組立品を前記第1の状態にすることによって、ぬるま湯又は冷たい水で前記流体流路(16)を少なくとも1回流すことによって、前記流体流路から前記流体を除去することと、
前記洗浄収容容器内に洗浄剤を与えることと、
前記洗浄収容容器内に位置決めされたか又はそれに接続された前記流体入口、前記ポンプ、前記流体制限部、前記加熱器、前記第2の状態における前記弁組立品、前記戻り流路、及び前記洗浄収容容器を経て、前記流体流路を通って前記洗浄剤を循環させることと、
前記弁組立品を前記第1の状態にすることによって、前記洗浄収容容器及び前記流体流路から洗浄剤を除去することと、
前記制御可能な水弁を開放し、前記弁組立品を前記第2の状態にすることによって、水道水を前記流体流路に供給し、前記洗浄収容容器を少なくとも部分的に前記水道水で満たし、そして
残った洗浄剤を前記流体流路及び前記洗浄収容容器から流し、前記組立品を冷却するために、前記弁組立品を前記第1の状態にすることによって前記流体流路及び前記洗浄収容容器から前記水道水を除去すること、を含む、少なくとも1回のフラッシュサイクルで前記組立品を流すことと、
の行為が実施されるように、前記洗浄モード中に、前記組立品(10)を制御するように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の組立品。
【請求項15】
前記洗浄剤を循環させている間、前記電子制御装置組立品は、循環されている前記洗浄剤を加熱するために前記加熱器を起動するように構成されている、請求項14に記載の組立品。
【請求項16】
前記流体流路(16)内に位置決めされた少なくとも1つの導電率センサ(42)を備え、
前記少なくとも1回のフラッシュサイクル中に、前記電子制御装置組立品は、前記少なくとも1つの導電率センサによって与えられる信号を監視し、前記導電率信号が所定の閾値を上回る導電率値を示すまで、前記フラッシュサイクルを繰り返すように構成されている、請求項2に従属するときの、請求項14又は15に記載の組立品。
【請求項17】
洗浄剤は、前記洗浄収容容器中に洗浄錠剤を投下することによって、並びに、順次に、前記流体流路、前記戻り流路、及び前記洗浄収容容器を介して水を循環させ、加熱し、それによって前記洗浄錠剤を前記加熱水中に溶解させることによって、前記洗浄収容容器内に与えられる、請求項14~16のいずれか一項に記載の組立品。
【請求項18】
泡立てられるべき流体を保持するための流体収容容器(46)を備え、前記製造モード中に泡立てられるべき流体が前記流体流路(16)に供給され得るように、前記製造モードでは、前記流体入口(18)は前記流体収容容器(46)内に挿入されるか又はそれに少なくとも接続され、前記洗浄モードでは、前記流体収容容器(46)及び前記流体入口(18)は切断され、
前記流体収容容器(46)は、使い捨てミルク缶、ミルクカートン、又はミルク容器であり、泡立てられるべき前記流体はミルクである、請求項1に記載の組立品。
【請求項19】
冷蔵庫空間(52)を画定するハウジング(48)であって、前記冷蔵庫空間(52)がドア開口部を介してアクセス可能である開放位置と、前記ドア開口部を閉鎖するための閉鎖位置と、を有するドア(50)を含む、ハウジング(48)と、
請求項1~18のいずれか一項に記載の流体を泡立てるための前記組立品であって、少なくとも、前記ポンプ(22)、前記流体制限部(24)、前記加熱器(26)、前記弁組立品(28)、前記洗浄収容容器(36)、及び前記戻り流路(38)を含む、流体を泡立てるための前記組立品(10)の主要構成要素は、前記冷蔵庫空間(52)内に位置決めされている、組立品と、を含む、冷蔵庫。
【請求項20】
流体を泡立てるための前記組立品は、前記冷蔵庫空間(52)内に取り外し可能に取り付けられた構成要素トレイ(54)を備え、前記構成要素トレイ(54)は、前記ドア(50)の前記開放位置において前記冷蔵庫空間(52)から取り外し可能であり、前記構成要素トレイ(54)は、少なくとも、前記ポンプ(22)、前記流体制限部(24)、前記加熱器(26)、及び前記流体流路(16)の少なくとも一部、を支持する、請求項19に記載の冷蔵庫。
【請求項21】
前記洗浄収容容器(36)は、前記冷蔵庫空間(52)内に取り外し可能に取り付けられ、前記洗浄収容容器(36)の取り付け位置は、前記洗浄収容容器(36)が前記ドア(50)の開放位置において前記ドア開口部を介してアクセス可能である位置となっている、請求項19~20のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項22】
泡立てられるべき流体を保持するための流体収容容器(46)を備え、前記製造モード中に泡立てられるべき流体が前記流体流路(16)に供給され得るように、前記製造モードでは、前記流体入口(18)は前記流体収容容器(46)内に挿入されるか又はそれに少なくとも接続され、前記洗浄モードでは、前記流体収容容器(46)及び前記流体入口(18)は切断され、前記流体収容容器(46)は、前記冷蔵庫空間(52)内に取り外し可能に位置決めされ、前記流体収容容器(46)の前記位置は、前記ハウジング(48)から他の組立品構成要素を取り外すことなしに前記冷蔵庫空間(52)から前記流体収容容器(46)が取り外し可能である位置となっている、請求項10に従属するときの、請求項19~21のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項23】
コーヒーを提供するためのシステムであって、
請求項1~18のいずれか一項に記載の流体を泡立てるための組立品(10)と、
ユーザにコーヒーを提供するためのコーヒーマシンと、を備え、
前記コーヒーマシン及び前記流体を泡立てるための組立品は、前記コーヒーマシン上に設けられたユーザインターフェースを用いて動作可能である一体型制御システムをもつ一体型ユニットを形成するように接続されている、システム。
【請求項24】
流体を泡立てるための組立品を洗浄するための方法であって、該方法が
請求項1~18のいずれか一項に記載の流体を泡立てるための組立品を用意することと、
前記流体入口と前記洗浄収容容器との間の流体接続を確立することと、
洗浄サイクルを実施することと、ここで該洗浄サイクルは
前記弁組立品を前記第1の状態から前記第2の状態に切り替えることと、
前記収容容器に洗浄剤を添加することと、
前記流体入口と、前記戻り流路と、前記洗浄収容容器とを含む前記流体流路によって形成された閉回路を通って、前記洗浄剤を少なくとも1回循環させることと、
前記弁組立品を前記第2の状態から前記第1の状態に切り替えることと、
前記流体出口を通して前記洗浄剤を分注することと、を含む、
フラッシュサイクルを実施することと、ここで該フラッシュサイクルは
前記洗浄収容容器を水で満たすことと、
前記流体入口及び前記流体出口を含む前記流体流路を、前記洗浄収容容器からの水で流すことと、を含む、
を含む、上記方法。
【請求項25】
前記洗浄サイクルは、
前記洗浄収容容器を少なくとも部分的に水で満たすことと、
前記洗浄収容容器に洗浄剤を添加することと、
前記洗浄剤及び前記水を混合して、前記洗浄収容容器内で洗浄剤/水混合物を形成することと、
前記流体入口と、前記戻り流路と、前記洗浄収容容器とを含む前記流体流路によって形成された前記閉回路を通って、前記洗浄剤/水混合物を少なくとも1回循環させることと、を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記洗浄剤は、水に溶解する固体物質であり、前記洗浄剤と前記水との混合は、前記洗浄収容容器内に存在する前記水に前記固体物質を少なくとも部分的に溶解させることを伴う、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記洗浄サイクルは、加えて、
前記洗浄剤/水混合物を形成するために前記固体洗浄剤を前記水に少なくとも部分的に溶解させるための乱流が生成されるように、前記洗浄収容容器を少なくとも部分的に水で満たした後に、前記洗浄収容容器に所定の量の空気を供給することと、
前記少なくとも1つの流体流路内の前記洗浄剤/水混合物の導電率を測定することと、
前記測定された導電率を所定の値と比較することと、
前記測定された導電率が前記所定の値より高い場合、前記洗浄収容容器に第2の所定の量の空気を供給することと、を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記洗浄サイクルを実行する前に、前記少なくとも1つの流体流路及び前記流体出口を空気でフラッシュすることを含む、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記洗浄サイクルを実行する前に、少なくとも1回の事前フラッシュサイクルを実行することを含む、請求項24~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記循環中に、前記洗浄剤、又は代替的に、洗浄剤/水混合物を加熱することを含む、請求項24~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記洗浄収容容器内で前記洗浄剤と前記水とを混合する前に及びその最中に、前記水を加熱することを含む、請求項24~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記フラッシュサイクルは、
前記弁組立品を前記第1の状態から前記第2の状態に切り替えることと、
前記水弁を開放することと、
前記洗浄収容容器を水で満たした後に、前記弁組立品を前記第2の状態から前記第1の状態に切り替え、前記水弁を閉鎖することと、を更に含む、請求項24~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記フラッシュサイクルは、
前記少なくとも1つの流体流路内の前記流体の前記導電率を測定することと、
前記測定された導電率を閾値と比較することと、
前記測定された導電率が前記閾値より低い場合、追加のフラッシュサイクルを実行することと、
前記測定された導電率が前記所定の値より高くなるまで、本請求項で上述のステップを繰り返すことと、を含む、
請求項27または請求項27に従属する場合の請求項28~32のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミルクを泡立てるための組立品及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ミルクなど、液体を泡立てるためのデバイスは、例えば欧州特許第0.485.350(A1)号又は欧州特許第2.120.656(B1)号から、当技術分野においてよく知られている。欧州特許第0.485.350(A1)号は、ミルクなどの液体製品を均質化し、混合し、乳化させるための装置を開示している。装置は、入口導管によって接続された容器及びポンプを備えている。装置は、加えて、入口導管内で放出する空気入口弁を備えている。ポンプは、ジェットブレーカ注ぎ口内で放出する出口導管に接続されている。出口導管には発熱体が設けられている。使用中に、容器からのある量の液体及び空気入口からの所定の量の空気が与えられて、ポンプに供給される空気/液体混合物が形成される。ポンプでは、空気/液体混合物が機械的なホイップによって泡立てられる。ユーザによって必要とされるとき、泡立てられた液体は発熱体を使用して加熱される。既知の装置を洗浄するためには、既知の装置を部分的に分解する必要がある。
【0003】
欧州特許第2.120.656(B1)号は、ミルクフォーム又はミルクベースの飲料を製造するための装置を開示している。装置は、ミルク導管によって接続された容器及びポンプを備えている。装置はまた、空気入口及び空気出口をもつ空気導管を備えており、後者はミルク導管内に放出する。ポンプは、ミルク/空気混合物を泡立てるための制限部に接続されており、ミルク/空気混合物は、ポンプによって制限部に与えられる。制限部の下流に、ミルク導管内に弁組立品が設置されている。弁組立品の第1の状態では、泡立てられたミルクは、ミルク出口を介してミルク導管に運搬され、そこから分注される。弁組立品の第2の状態では、泡立てられたミルクは、それが出口から運搬され、分注される前に、泡立てられたミルクを加熱するための加熱器を含む並列するミルク導管を通って送られる。装置を洗浄するために、ミルク導管は、洗浄剤及び/若しくは水並びに/又は水と洗浄剤との混合物を使用して流される。洗浄剤及び/又は水は、ミルク出口から分注され、別個の容器内に収集される。
【0004】
欧州特許第0.485.350(A1)号のデバイスの欠点は、洗浄工程が有意な量の時間及び労力を必要とするということである。装置を洗浄するために、装置を少なくとも部分的に分解する必要がある。例えば、これは、流体出口からの発熱体の取り外し又は加熱器の分解を含む。そのような部分的な分解は、デバイスの休止時間を増加させるかなりの量の時間及び労力を要する。
【0005】
欧州特許第2.120.656(B1)号のデバイスは(部分的な)分解を必要としないが、洗浄工程には、依然として、有意な量の時間、比較的大量の水及び/又は洗浄剤、並びに熟練した操作者の存在が必要である。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、より容易に洗浄され得る流体を泡立てるための組立品を提供することを目的とする。そのために、本発明は、流体を泡立てるための組立品(10)であって、
空気入口(12a)及び下流端部(12b)を有する空気流路(12)を含む制御可能な空気源組立品と、
流体入口(18)から流体出口(20)に延びる流体流路(16)であって、順次に
前記空気流路の前記下流端部(12b)が接続された空気入口放出点(16a)と、
ポンプ(22)と、
流体制限部(24)と、
加熱器(26)と、
弁組立品(28)であって、流体が前記流体流路(16)の前記流体出口(20)に流通する第1の状態と、前記流体が前記流体流路(16)から前記弁組立品(28)の第2の流体出口(30)に向けられる第2の状態とを有する弁組立品(28)と、を含む、流体流路(16)と、
加えて、
前記流体流路(16)に接続され、制御可能な水弁(34)を含む給水流路(32)と、
洗浄収容容器(36)と、
前記弁組立品(28)の前記第2の流体出口(30)に接続された上流端部を有し、前記洗浄収容容器(36)内で放出する下流端部を有する、戻り流路(38)と、
少なくとも前記ポンプ(22)、前記加熱器(26)、及び前記弁組立品(28)を制御するように構成された電子制御装置組立品(40)であって、製造モード及び洗浄モードで該流体を泡立てるための前記組立品を動作させるように構成されている、電子制御装置組立品(40)と、を含み、
前記製造モードにおいて、前記流体流路(16)の前記流体入口(18)は、泡立てられるべき流体を供給するように流体供給部と流体接続され、前記洗浄モードの少なくとも一部の間に、前記流体流路(16)の前記流体入口(18)は、上記洗浄収容容器と流体接続され、かつ上記洗浄収容容器から取られた洗浄流体を供給され、該洗浄流体は、上記流体入口、上記ポンプ、上記流体制限部、上記加熱器、そして上記弁組立品を順次に経て上記流体流路を流れて、選択的に(i)上記流体出口へまたは(ii)上記戻り流路を経て上記洗浄収容容器へ、流れる、流体を泡立てるための組立品組立品(10) を提供する。
【0007】
本発明による流体を泡立てるための組立品は、組立品を洗浄するために必要とされる構成要素と一体に設けられるという利点を有する。洗浄動作中にある洗浄モードにおいて、流体入口は、例えば、洗浄流体が洗浄収容容器から抽出され得るように、流体入口を洗浄収容容器に接続する、又は流体入口を洗浄収容容器内に挿入することによって、洗浄剤が供給される。続いて、洗浄流体は、洗浄流体が洗浄収容容器に戻される第2の状態に弁組立品があることによって、組立品を通って循環され得る。これは、従来技術の装置に勝るいくつかの利点を組立品に与える。
【0008】
まず第1に、比較的限られた量の水及び/又は洗浄流体しか洗浄工程に必要としない。従来技術の装置では、洗浄流体は、1回のみの使用後に流体出口を通って組立品から分注された。したがって、複数の洗浄ステップを有する洗浄工程は、複数の量の洗浄流体を必要とした。本発明による組立品は、洗浄流体を最適利用する。
【0009】
第2に、流体入口を含む流体流路全体が、本発明による組立品の洗浄モード中に洗浄される。
【0010】
第3に、組立品内の洗浄構成要素を一体化することによって、洗浄工程はほとんど完全に自動化される。従来技術のデバイスでは、各洗浄ステップは、ユーザ又は操作者が洗浄流体を送り込み、収集しなければならないことを必要とする。本発明による組立品では、洗浄モードは、流体入口と洗浄収容容器との間の流体接続を確立することによって開始され得る。一実施形態では、これは、洗浄収容容器に流体入口を挿入することによって実現され得る。そのような接続の確立後、洗浄工程は、ユーザ又は操作者の干渉を必要とする更なる行為なしに、自動的に行われ得る。任意に、ユーザは、洗浄収容容器内に洗浄錠剤を挿入し得る。本発明による組立品を洗浄することは、従来技術の装置における洗浄工程を実行することよりも容易であり、より少ない洗浄流体及びより少ない時間を必要とする。加えて、洗浄工程におけるユーザ又は操作者の関与は、従来技術の装置に対して最小限に抑えられる。
【0011】
したがって、組立品の休止時間は低減され得、組立品のユーザのためのより高い利用可能性につながる。
【0012】
制御可能な水弁は、連続可変の制御可能な水弁である必要はなく、開放及び閉鎖状態を有する単純な2状態水弁をも含む可能性も高く、電子制御装置は、水弁を開放及び閉鎖状態にするように水弁を動作させるように構成されることに留意されたい。実施形態では、流体流路の流体入口に供給される洗浄流体は、洗浄収容容器から取り出され得る。そのために、流体入口は、泡立てられるべき流体を含む流体源から切断される又は取り外され、洗浄収容容器に接続される又はそれ内に位置決めされ得る。
【0013】
本発明はまた、
冷蔵庫空間を画定するハウジングであって、冷蔵庫空間がドア開口部を介してアクセス可能である開放位置とドア開口部を閉鎖するための閉鎖位置とを有するドアを含む、ハウジングと、
本発明による流体を泡立てるための組立品であって、少なくとも、ポンプ、流体制限部、加熱器、弁組立品、洗浄収容容器、及び戻り流路を含む、流体を泡立てるための組立品の主要構成要素が冷蔵庫空間内に位置決めされている、組立品と、を含む冷蔵庫をも提供する。
【0014】
本発明による一体型組立品をもつ冷蔵庫は、組立品の主要構成要素が冷蔵庫空間内に位置決めされているので、組立品の主要構成要素が低温に保たれるという利点を有する。これは衛生的な需要に鑑みて非常に有利である。汚染を受けやすく、冷蔵庫空間内になく、したがって冷却されない唯一の部分は、流体流路の下流端部である。なぜなら、その下流端部は概して冷蔵庫空間の外部に延びるからである。この下流端部の汚染に対する感受性は、後に記載される他の方法で最小限に抑えられ得る。
【0015】
本発明はまた、コーヒーを提供するためのシステムであって、
本発明による組立品、又は冷蔵庫と、
ユーザにコーヒーを提供するためのコーヒーマシンと、を備え、
コーヒーマシン及び組立品は、コーヒーマシン上に設けられたユーザインターフェースを用いて動作可能である一体型制御システムをもつ一体型ユニットを形成するために接続される、システムをも含む。
【0016】
本発明によるコーヒーを提供するためのシステムは、泡立てられたミルクなどの生乳又は生乳製品、又は泡立てられたチョコレート若しくはアーモンドミルクでさえをも含むコーヒーが、単一の機械から分注され得るという利点を有する。更に、ユーザは、(コーヒー)製品を提供されるには、単一のユーザインターフェースを動作させるだけでよい。システムはモジュール式設計のものであり得る。そのようなモジュール式設計は、コーヒーマシン又は流体泡立て組立品のいずれか一方を別のユニットと交換することを可能にする。これは、例えば、構成要素のうちの1つが破損した場合、又は異なるコーヒーマシンがシステムの一部として必要とされるときに、有益である。
【0017】
加えて、本発明は、流体を泡立てるための組立品を洗浄するための方法であって、
本発明による流体を泡立てるための組立品、又は本発明による冷蔵庫を提供することと、
前記流体入口と前記洗浄収容容器との間の流体接続を確立することと、
洗浄サイクルを実施することと、ここで該洗浄サイクルは
前記弁組立品を前記第1の状態から前記第2の状態に切り替えることと、
前記収容容器に洗浄剤を添加することと、
前記流体入口と、前記戻り流路と、前記洗浄収容容器とを含む前記流体流路によって形成された閉回路を通って、前記洗浄剤を少なくとも1回循環(以下において、単に「再循環」と言うことがある)させることと、
前記弁組立品を前記第2の状態から前記第1の状態に切り替えることと、
前記流体出口を通して前記洗浄剤を分注することと、を含む、
フラッシュサイクルを実施することと、ここで該フラッシュサイクルは
前記洗浄収容容器を水で満たすことと、
前記流体入口及び前記流体出口を含む前記流体流路を、前記洗浄収容容器からの水で流すことと、を含む、
を含む、上記方法を含む。
【0018】
本発明による流体泡立て組立品を洗浄するための方法は、組立品を洗浄するために必要である洗浄剤の量を著しく低減させるという利点を有する。これは、洗浄工程において使用される洗浄剤が組立品内に形成された閉回路内で再循環されるという事実による。その結果、従来技術において使用される洗浄方法と比較して、洗浄するために比較的少量の洗浄剤しか必要としない。
【0019】
加えて、本発明による洗浄方法は、組立品を部分的に分解する必要なく、及び洗浄工程を可能にするために組立品に追加の部分を接続する必要なく、方法が実施され得るという利点を与える。本方法による組立品を洗浄するために必要である構成要素はすべて、組立品内に一体的に提供される。その結果、組立品の洗浄中での組立品の休止時間は、従来技術において知られている流体を泡立てるための組立品のための洗浄方法と比較して、比較的制限される。
【0020】
一実施形態では、流体入口と洗浄収容容器との間の接続を確立することは、例えばミルクカートンなどの流体収容容器から、例えば浸漬管として具現された流体入口を取り外すことによって、及び洗浄収容容器に流体入口を挿入することによって、手動で実現され得る。
【0021】
この実施形態は、従来技術のデバイスと比較して、例えば浸漬管として具現された流体入口が、外側及び内側の両方において洗浄されるという利点を有する。浸漬管の外側洗浄は、自動洗浄工程の一部でないために、従来技術の装置では操作者によってしばしば忘れられる。
【0022】
更に、本方法は、洗浄プログラムの自動又はコンピュータ誘導された実行を可能にする、戻り流路と少なくとも1つの流体流路との間の自動又は遠隔操作可能な接続を使用することによって、緻密化され得る。
【0023】
様々な実施形態が従属請求項において請求されており、それらは図に示すいくつかの例を参照して更に説明されている。実施形態は組み合わせてもよく、又は互いに別々に適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】製造モードにおいて流体を泡立てるための組立品の例を概略的に示す。
【
図2】洗浄モードの事前フラッシング段階における
図1の例を概略的に示す。
【
図3】洗浄モードの再循環洗浄段階における
図1の例を示す。
【
図4】洗浄モードの事後フラッシング段階における
図1の例を示す。
【
図5】泡立てるための組立品が取り付けられている冷蔵庫の例を示す。
【
図6】把持部ハンドル及びキャップをもつ浸漬管の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1~
図4は、本発明による流体を泡立てるための組立品の一例を概略的に示す。
図5は、そのような組立品を含む冷蔵庫の実際的な実施形態を示す。
図6は、把持部及びキャップをもつ流体入口の実際的な例を示す。
【0026】
最も一般的な用語では、本発明は、空気入口12a及び下流端部12bを有する空気流路12を含む制御可能な空気源組立品を含む、流体を泡立てるための組立品を備える。任意選択的に、制御可能な空気源組立品は、大気圧より高い圧力を有する空気源を含み得る。圧力調整器は空気源の一部であり得る。代替的に、制御可能な空気弁14が空気流路12内に含まれ得る。制御可能な空気弁14は、連続可変の制御可能な空気弁14である必要はないが、開放及び閉鎖状態を有する単純な2状態空気弁14をも含む可能性も高く、電子制御装置は、空気弁14を開放及び閉鎖状態にするように空気弁14を動作させるように構成されることに留意されたい。空気源は、空気シリンダとして又は空気ポンプとして具現され得る。本発明は、流体入口18から流体出口20に延びる流体流路16を更に含む。流体流路16は、続いて、空気流路12の下流端部12bが接続されている空気入口放出点16aと、ポンプ22と、固定流体制限部24と、加熱器26と、弁組立品28とを含む。弁組立品28は、流体が流体流路16の流体出口20に流通する第1の状態を有する。弁組立品28はまた、流体が流体流路16から弁組立品の第2の流体出口30に
向けられる第2の状態をも有する。組立品はまた、給水流路32をも含む。給水流路32は流体流路16に接続され、制御可能な水弁34を含む。一実施形態では、給水流路32は流体流路16に直接接続され得る。一例を
図1~
図4に示す別の実施形態では、給水流路32は空気流路12に接続され得て、その空気流路12を介して流体流路16に接続され得る。組立品10は、洗浄収容容器36及び戻り流路38を更に含む。戻り流路38は、弁組立品28の第2の流体出口30に接続された上流端部を有する。戻り流路38はまた、洗浄収容容器36内で放出する下流端部をも有する。組立品10は、少なくともポンプ22、加熱器26、及び弁組立品28を制御するように構成された電子制御装置組立品40をも備える。電子制御装置組立品40は、製造モード及び洗浄モードで組立品を動作させるように構成されている。製造モードでは、流体流路16の流体入口18は、泡立てられるべき流体が供給される。洗浄モードの少なくとも一部の間、流体流路16の流体入口18は洗浄流体を供給される。
【0027】
本発明による組立品のいくつかの利点が発明の概要において説明され、それについての参照が行われる。組立品のいくつかの実施形態が想定され得る。
【0028】
一実施形態では、流体流路16の流体入口18に供給される洗浄流体は、洗浄収容容器36から取り出され得る。そのために、組立品は、洗浄モードの第1の段階において洗浄収容容器36を、冷水、熱湯、又は洗浄剤など、洗浄流体で満たすように構成され得る。組立品10は、例えば、洗浄モードを開始した後に、ある量の洗浄剤を洗浄収容容器36に供給するように構成されている、自動洗浄剤供給モジュールを設けられ得る。しかしながら、より複雑でない組立品では、洗浄剤はまた、洗浄モードを開始するユーザによって与えられ得る。組立品10は、次いで、洗浄収容容器36に洗浄剤、例えば錠剤又は丸剤を添加するようにとの注意喚起をユーザに与えるように構成され得る。
【0029】
更に、組立品10は、流体入口18を用いて単一の流体収容容器36から流体を与えるように構成され得る。本発明のより緻密な実施形態では、組立品はまた、異なる種類の泡立てられた流体を与えるために異なる流体収容容器と接続され得る複数の流体入口をも備え得る。最も便利には、複数の流体入口の各々は、製造モード中に異なる流体の望まれない混合を防ぐために、単一の流体のみを選択的に組立品に与えるための逆流保護部又は弁を設けられ得る。
【0030】
流体入口18は、製造中、泡立てられるべき流体を組立品10に供給するために、例えばミルクカートンといった流体源に接続される、又はその中に挿入される。これは、例えば、ミルクカートン又はミルク瓶などの流体収容容器内に挿入された流体入口18を含み得る。洗浄モードにおいて、流体入口は、次いで、洗浄収容容器内に存在する洗浄流体が流体流路16の流体入口18に供給され得るように、洗浄収容容器に接続される、又はその中に挿入されるべきである。しかしながら、流体入口18は、例えば三方弁、及び弁から洗浄収容容器に延びる追加の流体ライン(図示せず)を備えることも想定され得る。弁は、製造モード中には流体収容容器から流体入口に流体を供給するように、及び洗浄モードでは洗浄収容容器から流体入口に洗浄流体を供給するように、電子制御装置組立品によって調節され得る。そのような構成は、特に自動洗浄剤分注器と組み合わせられたときに、ユーザが、例えばグラフィカルユーザインターフェース(GUI)として具現され得るユーザインターフェース上の洗浄モードを選択することによって、洗浄モードを開始するだけでよい、完全自動組立品を提供し得る。そして、洗浄モードの開始さえ、例えば夜中に組立品が自動的に洗浄されるように、自動化され得る。
【0031】
一実施形態では、組立品は、流体流路(16)内に位置決めされた少なくとも1つの導電率センサ42を備え得る。
【0032】
導電率センサ42は、流体流路16内の流体の導電率を測定するために使用され得る。流体の導電率は、例えば洗浄モードにおける事後フラッシング段階中に、流体流路16内の水/洗浄剤混合物内の洗浄剤の濃度の指標として使用され得る。水中の洗浄剤の濃度が高いとき、水/洗浄剤混合物の導電率は、流体流路16が洗浄剤なしの純水を含んでいるときより低い。また、流体の導電率は、例えば、洗浄モードの事前フラッシング段階中に、流体流路内の、例えばミルクなどの流体の濃度の指標として使用され得る。同じく、流路内の例えばミルクのより高い濃度は、流体流路がミルクを含まない水を含んでいるときより低い導電率につながる。したがって、導電率センサ42の信号は、事前フラッシング段階が終了され得る又は事後フラッシング段階が終了され得るという目安として使用され得る。導電率センサ42はまた、流体流路16内の水の有無又は流体の有無を確定するために使用され得る。
【0033】
一例を
図1~
図4に示す一実施形態では、組立品は、流体流路16を選択的に閉鎖するように構成されている制御可能な流体弁44を備え得る。制御可能な流体弁44は、流体入口18と空気入口放出点16aとの間の流体流路16内に位置決めされ得る。
【0034】
制御可能な流体弁44は、分注するために組立品に与えられるある量の流体を与えるために有利に使用され得る。所定の量の流体が制御可能な流体弁44を流れた後、弁は、追加の流体がポンプのほうへ流れるのを防ぐために閉鎖され得る。
【0035】
また、制御可能な流体弁44が流体入口18と空気入口放出点16aとの間に配置されたとき、制御可能な流体弁44は、泡立てられた流体を流体出口20から分注した後に、流体流路16を洗浄して残留流体を除くための空気プラグを与えるために使用され得る。制御可能な流体弁44は、空気が、流体入口18、及び流体入口18に接続され得る流体収容容器に向かって流れるのを防ぐ。代わりに、空気流は、流体流路16を通って流体出口20に方向付けられ、残りの(泡立てられた)流体が流体出口20から実質的に送り出されるようにする。このことで、流体流路16内に流体がないために流体残留物の腐敗が実質的に防がれるので、組立品のより衛生的な動作が可能になる。
【0036】
一実施形態では、電子制御装置組立品40は、制御可能な流体弁44及び制御可能な水弁34を制御するように構成され得る。制御は、洗浄モード中に、水が弁組立品28を通って洗浄収容容器36に向かって導かれ得るようなものであり得る。
【0037】
したがって、洗浄収容容器36は、例えば洗浄収容容器36内に自動的に又はユーザによって投下される洗浄錠剤を用いて洗浄剤が添加され得る水で、満たされ得る。
【0038】
一実施形態では、加熱器は流れ通過厚膜発熱体を含み得る。
【0039】
流れ通過厚膜発熱体は、電気抵抗棒など、従来技術の装置において使用される発熱体に勝るいくつかの利点を提供する。厚膜発熱体は、低い熱質量及び比較的急な温度分布を有する。その結果、加熱器26は、比較的短い期間で熱くなる及び冷えることが可能である。これは、後続の分注間の長い期間、又は分注間の相互温度効果のいずれをも招くことなしに、熱い泡立てられた流体と冷たい泡立てられた流体の両方が分注され得る単一の流路を提供することを可能にする。したがって、流れ通過厚膜発熱体(flow through thick film heating element)の使用によって、熱い泡立てられた流体と冷たい泡立てられた流体の両方が交互に分注され得る単一の流体流路のみを必要とする、より小型で単純な構成が可能になる。流れ通過厚膜発熱体の一例は、オランダのFerro Techniek B.V.によって販売されているFHT mkIIである。
【0040】
欧州特許第0.485.320(A1)号において開示されている装置では、熱い泡立てられた流体とその直後に冷たい泡立てられた流体とを連続的に与えることを可能にするには、加熱棒及び分注流路を、冷たい水を使用して冷やされなければならなかった。この既知の解決策は、続けて熱い泡立てられた流体と冷たい泡立てられた流体とを分注することが、組立品内の構成要素を冷やすための中間待ち時間なしに可能であるべきであるので、実現可能でない。欧州特許第2.120.656号では、2つの別個の流路が、泡立てユニット及び三方弁の後に位置決めされている。熱い泡立てられた流体は、加熱ユニットを設けられた流路を通って分注される一方で、冷たい泡立てられた流体は、冷たい泡立てられた流体の不必要な加熱を防ぐために別個の流路を通って分注される。この既知の解決策は複雑であり、より費用がかかる。それとは別に、この既知の解決策はまた、三方弁、及びそのうちの1つがかろうじて時々使用されるにすぎないであろう2つの並列する流路が存在するために、あまり耐久性がなく、より汚染に脆弱である。
【0041】
流れ通過厚膜加熱器の使用の更なる利点は、加熱器26が、熱くなる及び冷えるために必要な短い期間のおかげで、待機モードに保たれるのではなく、オフに切り替えられ得ることである。これは、組立品10のエネルギー使用を低減しながら、依然として高い利用可能性を提供する。
【0042】
一実施形態では、加熱器26は高圧流れ通過厚膜加熱器であり、より好ましくは超高圧流れ通過厚膜加熱器である。
【0043】
流れ通過厚膜加熱器は、例えば欧州特許第0.485.530(A1)号において開示されるものなどのように加熱器を分解しなければならないのではなく、加熱器を通って洗浄流体を流れさせることによって、比較的容易に洗浄され得る。したがって、流れ通過厚膜加熱器は、組立品の洗浄モードにおいて洗浄流体のための閉回路が形成されることを可能にするので、本発明による組立品において最も好ましい。
【0044】
一実施形態では、固定流体制限部24は、所定の長さにわたって中心軸に沿って延び得て、制限部はオリフィスを備え得る。
【0045】
固定流体制限部24は、一定の品質の泡立てられた流体が製造され得るという利点を有し、汚染に対して脆弱でない、又はごく限られた程度だけでしか脆弱でない、単純で耐久性がある構成であるという利点を有する。
【0046】
一実施形態では、制限部24の長さは1mm~8mmの範囲内にあり得、好ましくは4mmであり得る。制限部24のオリフィスの直径は0.4mm~1.5mmの範囲内にあり得、好ましくは0.7mmであり得る。
【0047】
一実施形態では、制限部24はポンプ22の一体型部分(integrated part)であり得る。
【0048】
ポンプ22は、制限部24がはめ込まれ得る凹部を設けられ得る。これは、組立品をより小型にしながら、固定流体制限部24を使用して製造され得る一定の泡立て品質を同時に保持することを可能とする。
【0049】
一実施形態では、組立品は、泡立てられるべき流体を保持するための流体収容容器46を備え得る。製造モードにおいて、流体入口18は、製造モード中に泡立てられるべき流体が流体流路16に供給され得るように、流体収容容器46内に挿入され得るか又はそれに少なくとも接続され得る。洗浄モードでは、流体収容容器46及び流体入口18は切断され得る。これは、流体収容容器46から、例えば浸漬管として具現された流体入口18を取り外し、洗浄収容容器36に流体入口18を配置することによって実現され得る。このことで、流体入口18がその内側及び外側の両方で洗浄されるという利点を有する。
【0050】
泡立てられるべき流体は、流体収容容器46内に与えられ得る。収容容器46は、それが空にされた後に補充され得る、取り外し可能な、補充可能な収容容器又は容器を備え得る。しかしながら、収容容器46はまた、流体カートン、流体容器又は類似物など、広く利用可能な標準流体パッケージングによって形成され得る。これは、流体収容容器46を洗浄する必要なしに、それが空にされた後の流体収容容器46の容易な交換を可能にする。加えて、流体入口18は、そのような場合、例えば、パッケージングからの流体入口18への流体抽出を可能にするために、パッケージング内に挿入される又はそれに接続され得る。洗浄モード中に、流体入口18を、流体パッケージングから収め、続いて洗浄収容容器36に接続するか又はその中に挿入するだけで、流体入口18と洗浄収容容器36内に存在する洗浄流体との間の流体接続が確立される。
【0051】
一例を
図6に示す一実施形態では、組立品は、流体入口18の近くで流体流路16に接続される把持要素56を備え得る。
図6に示す例では、流体入口18は、金属又は剛性非多孔性プラスチックから製造され得る硬い浸漬管である。代替的に、流体入口18は可撓性管であり得る。ただし、硬い浸漬管のほうが、流体容器46及び洗浄収容容器36内に配置するのにより便利である。
【0052】
流体入口18がユーザ又は操作者によって流体収容容器46から洗浄収容容器36に移されるように構成されたとき、流体入口18は、ユーザ又は操作者の手の上に存在する汚染又は細菌にさらされる。洗浄モードの完了前、及びより重要なのは、洗浄モードの完了後の流体入口18の汚れを防ぐために、流体入口18には、流体入口18の近くで流体流路16に取り付けられた把持部56が設けられている。これは、ユーザ又は操作者が、流体入口18を流体収容容器46から洗浄収容容器36に、及び逆に、衛生的な様式で移すことを可能にする。
【0053】
一例を
図6に示す一実施形態において、把持要素56は、流体入口18が挿入される流体収容容器46の開口上に配置可能である、例えば傘形のキャップであるキャップ58を備えている。
【0054】
把持部56は、流体収容容器46が実質的に閉鎖されるように、流体収容容器46の開口上に把持部56が便利に配置されることを可能にする、キャップ58を設けられ得る。それと共に、キャップ58は、流体収容容器46内の流体の汚れを防ぐ封止部を形成しながら、同時に、流体入口18又は流体流路16を汚す又は損傷することなしに流体収容容器46から流体入口18を取り外すための取っ手を提供する。
【0055】
一実施形態では、組立品は、ユーザが電子制御装置組立品40に入力を与えることを可能にするためのグラフィカルユーザインターフェースを備え得る。電子制御装置組立品40は、ユーザが、少なくとも以下のオプション、すなわち洗浄モードを実行すること、及び製造モードを実行することから選択することを可能にするようにプログラムされ得る。製造モードは、少なくとも、ある量の冷たい泡立てられた流体の製造及び分注又はある量の熱い泡立てられた流体の製造及び分注を含む。
【0056】
一実施形態では、電子制御装置40は、流体入口18が流体供給部46から取り外され、洗浄収容容器36内に配置されたか又はそれに接続された後に、次の行為が実施されるように、洗浄モード中に、組立品10を制御するように構成され得る。水弁を開放し、弁組立品を第1の状態にすることによって、ぬるま湯又は冷たい水で流体流路16を少なくとも1回流すことによって、流体流路16からの流体は除去され得る。これは、
図2に示す事前フラッシング段階であると見なされ得る。ぬるま湯は、流体流路16及びその中に含まれる構成要素内でタンパク質が凝固する恐れなしに、流体流路16からタンパク質を効果的に除去する。加えて、洗浄収容容器36内に洗浄剤錠剤を投下することによって洗浄剤が与えられたとき、錠剤は冷たい若しくはぬるま湯に溶解しないか、又はごく限られた程度でしか溶解せず、そのことによって事前フラッシング段階ではフラッシングが水で行われ、事前フラッシング段階において洗浄剤が流体出口20を介して流されない。洗浄モード中に、洗浄剤は洗浄収容容器36内に与えられる。これは、事前フラッシング段階の前又は後に行われ得る。洗浄剤は水に洗浄剤錠剤を溶解することによって与えられ得るが、洗浄剤は水が加熱された後にのみ実質的に得られ得る。代替的に、洗浄剤は液体形態で添加され得る。洗浄錠剤又は洗浄液体は、ユーザによって又は分注器によって自動的に、洗浄収容容器に添加され得る。続いて、洗浄剤は、洗浄収容容器36内に位置決めされた又はそれに接続された流体入口18、ポンプ22、固定流体制限部24、加熱器26、第2の状態における弁組立品28、戻り流路38、及び洗浄収容容器36を介して、流体流路16を通って再循環される。これは、
図3に示す再循環洗浄段階である。その後、弁組立品28を第1の状態にすることによって、洗浄収容容器36及び流体流路16から洗浄剤が除去され得る。最終的に、組立品10は、
図4に示すいわゆる事後フラッシング段階で流され得る。事後フラッシング段階では、組立品10、より具体的には流体流路16は、
水弁34を開放し、弁組立品28を第2の状態にすることによって、水道水を流体流路16に供給し、洗浄収容容器36を少なくとも部分的に水道水で満たすことと、
弁組立品28を第1の状態にすることによって流体流路16及び洗浄収容容器36から水道水を除去して、残った洗浄剤を流体流路16及び洗浄収容容器36から流して、組立品10を冷却することと、を含む少なくとも1回のフラッシュサイクルによって、流される。
【0057】
再循環によって、流体流路16及びその中に組み込まれるすべての構成要素を効果的に洗浄するために、ごくわずかな水量だけを必要とする。
【0058】
一実施形態では、制御装置40は、循環されている洗浄剤を加熱するために、洗浄剤の再循環中に加熱器を起動するように構成され得る。
【0059】
加熱された洗浄流体は、システムのより良い及びより速い洗浄につながり得る。したがって、洗浄モードはより短い期間を要し得、これは製造モードにおけるシステムの利用可能性のために良い。再循環洗浄段階中に加熱することは、洗浄収容容器36内に投下された洗浄錠剤を有効に溶解させることにもつながり得る。
【0060】
導電率センサ42を設けられた組立品の一実施形態では、電子制御装置40は、フラッシング中に導電率センサ42によって与えられる信号を監視し得、導電率信号が所定の閾値を上回る導電率値を示すまで、フラッシングサイクルを繰り返すように構成され得る。
【0061】
これは、事前フラッシング段階と事後フラッシング段階との両方において行われ得る。導電率センサ信号は、他の目的、例えば、流体流路16内の液体の有無を監視すること、及び良い洗浄結果を得るのに水/洗浄剤混合物内の洗浄剤の濃度が十分であるかどうかを監視することのためにも使用され得る。混合物内の洗浄剤の濃度があまりに低いことを導電率信号が示すとき、制御装置40は、それに応答して、例えば、水への洗浄錠剤の溶解を促進するために、水の温度を上昇させるために加熱器26を起動し得る。
【0062】
前の段落から明らかであるように、一実施形態では、洗浄剤は、収容容器36中に洗浄錠剤を投下することによって、並びに、続いて、流体流路16、戻り流路38、及び洗浄収容容器36を介して水を循環させ、加熱し、それによって洗浄錠剤を加熱水中に溶解させることによって、洗浄収容容器内に与えられ得る。
【0063】
組立品が流体収容容器46を備える実施形態では、流体収容容器46は、使い捨てミルク缶、ミルクカートン、又はミルク容器であり得る。泡立てられるべき流体はミルクであり得る。ただし、ミルクとは異なる流体、例えば、チョコレートミルク又はアーモンドミルク及びホイップクリームをも実現可能である。
【0064】
組立品10は、使い捨て流体パッケージングによって形成された流体収容容器46を備え得る。そのパッケージングは、泡立てられたミルクを製造するために組立品内に配置される、ミルクのための使い捨て流体パッケージングであり得る。流体は、そのような場合、ミルク、アーモンドミルク、ラクトースフリーミルク、豆乳、チョコレートミルク、又は他のタイプの乳製品であり得る。
【0065】
本発明はまた、本発明による組立品が収容される、冷蔵庫空間52を画定するハウジング48を備える冷蔵庫を提供する。ハウジングは、冷蔵庫空間52がドア開口部を介してアクセス可能である開放位置、及びドア開口部を閉鎖するための閉鎖位置を有する、ドア50を含む。本発明による流体を泡立てるための組立品、少なくともその主要構成要素は、冷蔵庫空間52内に収容され得る。冷蔵庫空間52内に収容される流体を泡立てるための組立品10の主要構成要素は、少なくとも、ポンプ22、流体制限部24、加熱器26、弁組立品28、洗浄収容容器36、及び戻り流路38を含む。
【0066】
冷蔵庫空間52は、構成要素のための冷却を最適化するために、比較的低い温度に冷やされ得る。加えて、冷やされたハウジング空間52を有することは、収容容器46中に含まれている流体が腐敗から保護され得るように、流体収容容器46がハウジング48のハウジング空間52内に配置されることを可能にし得る。例えば、これは、ミルク又はカスタードベース製品など、腐敗しやすい商品にとって重要であり得る。
【0067】
更に、冷やされる空間のための組立品10の構成要素を設計することによって、組立品は、既存の冷蔵庫に後付けされ得る。
【0068】
一実施形態では、組立品10は構成要素トレイ54を備え得る。構成要素トレイ54は、ハウジング空間52内に取り外し可能に取り付けられ得る。構成要素トレイ54は、ドア50の開放位置においてハウジング空間52から取り外し可能であり得る。構成要素トレイ54は、少なくとも、ポンプ22、制限部24、加熱器26、及び流体流路16の少なくとも一部を支持し得る。
【0069】
取り外し可能に取り付けられた構成要素トレイ54を有する利点は、構成要素が保守修理のために容易にアクセス可能であるということである。加えて、構成要素トレイ54は、構成要素が最適性能を提供しながら、同時に、必要とされる設置空間を低減し、したがって、小型で信頼性が高い製品を可能にするように設計され得る。また、修理、保守、又は交換の場合、構成要素トレイはハウジング空間52から取り外され得、その後、ドア50は、冷蔵庫空間52内の低い内側温度を保持するために再び閉鎖され得る。
【0070】
一実施形態では、洗浄収容容器36は、ハウジング48内に取り外し可能に取り付けられ、洗浄収容容器36の取付位置は、洗浄収容容器36がドア50の開放位置においてドア開口部を介してアクセス可能であるようになっている。
【0071】
冷蔵庫空間52内の容易にアクセス可能な箇所に洗浄収容容器36を配置することは、洗浄収容容器への洗浄剤の追加が自動化されていないときに好ましい。そのような場合、ユーザ又は操作者は、洗浄収容容器36に洗浄剤を添加するために洗浄収容容器36に迅速にアクセスすることが可能であるべきである。場所は、ハウジング48内での洗浄剤の偶発的な流出が、組立品の他の構成要素に損なわないように、又は流体収容容器46及び/若しくは流体流路16に入り得るように、好ましく選定されるべきである。
【0072】
組立品が流体収容容器46を設けられた一実施形態では、流体収容容器46は、冷蔵庫空間52内に取り外し可能に位置決めされ得る。流体収容容器46の位置は、ハウジング48から他の組立品構成要素を取り外すことなしに冷蔵庫空間52から流体収容容器46が取り外し可能であるように選定され得る。
【0073】
ハウジング48のドア開口部及びドア50の近くに取り外し可能な流体収容容器46を位置決めすることが最も有利である。これは、組立品10の他の構成要素を取り外す必要なしに収容容器46が補充される又は交換されることを可能にする。
【0074】
本発明はまた、コーヒーを提供するためのシステムを提供する。システムは、本発明による組立品10又は冷蔵庫と、ユーザにコーヒーを提供するためのコーヒーマシンとを備える。コーヒーマシン及び組立品又は冷蔵庫は、コーヒーマシン上に設けられたユーザインターフェースを用いて動作可能である一体型制御システムをもつ一体型ユニットを形成するために接続される。ユーザインターフェースは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)として具現され得る。ただし、従来のボタンをもつ従来のユーザインターフェースも、一体型制御システムを動作させるために実現可能である。
【0075】
コーヒーを提供するためのシステムの利点は発明の概要において説明され、それについての参照がここで行われる。
【0076】
本発明はまた、流体を泡立てるための組立品を洗浄するための方法を提供する。本方法は、本発明による流体を泡立てるための組立品を提供することを含む。本方法は、流体入口と洗浄収容容器との間の流体接続を確立することと、洗浄サイクルを実施することと、を更に含む。洗浄サイクルは、弁組立品を第1の状態から第2の状態に切り替えることと、収容容器に洗浄剤を添加することと、流体入口と、戻り流路と、洗浄収容容器とを含む流体流路によって形成された閉回路を通って、洗浄剤を少なくとも1回再循環させることと、を含む。洗浄サイクルはまた、弁組立品を第2の状態から第1の状態に切り替えることと、流体出口を通して洗浄剤を分注することと、をも含む。本方法は、洗浄収容容器を水で満たすことと、流体入口及び流体出口を含む流体流路を洗浄収容容器からの水で流すことと、を含む、フラッシングサイクルを実施することを更に含む。
【0077】
本発明による方法の利点は発明の概要において説明され、それについての参照がここで行われる。
【0078】
一実施形態では、洗浄サイクルは、洗浄収容容器を少なくとも部分的に水で満たすことと、洗浄収容容器に洗浄剤を添加することと、を含み得る。続いて、本方法は、洗浄剤及び水を混合して、洗浄収容容器内で洗浄剤/水混合物を形成することと、流体入口、戻り流路、及び洗浄収容容器を含む流体流路によって形成された閉回路を通って、洗浄剤/水混合物を少なくとも1回循環させることと、を含む。
【0079】
一実施形態では、洗浄剤は、水に溶解する、例えば錠剤又は丸剤の固体物質であり得る。洗浄剤と水との混合は、洗浄収容容器内に存在する水に固体物質を少なくとも部分的に溶解させることを伴い得る。
【0080】
洗浄収容容器に洗浄剤を添加するときに剤の流出を防ぐために、洗浄剤は、水に溶解する固体物質の形態で与えられ得る。固体物質を溶解させることは、洗浄収容容器内で、洗浄収容容器に水が添加されるときに行われ得る。
【0081】
一実施形態では、洗浄サイクルは、加えて、洗浄剤/水混合物を形成するために固体洗浄剤を水に少なくとも部分的に溶解させるための乱流が生成されるように、洗浄収容容器を少なくとも部分的に水で満たした後に、洗浄収容容器に所定の量の空気を供給することを含み得る。本方法は、流体流路内の洗浄剤の導電率を測定することと、測定された導電率を所定の閾値と比較することと、を更に含み得る。本方法はまた、測定された導電率が所定の値より高い場合、水への洗浄剤錠剤の溶解を更に促進するために、洗浄収容容器に第2の所定の量の空気を供給することをも含み得る。
【0082】
固体洗浄剤は、形成された洗浄剤/水混合物の循環より前に水に直接溶解しないことがある。混合物の導電率は、混合物中の溶解された洗浄剤の量が増加するにつれて低下する。混合物の導電率を測定し、測定された値を、洗浄剤が実質的に完全に溶解された混合物を表す所定の閾値と比較することによって、混合物が組立品を洗浄するために十分かどうかを判定できる。測定された導電率が望まれる所定の設定値より高い場合、洗浄収容容器内の混合物はある量の空気を供給される。生成された乱流は、固体洗浄剤を混合物に溶解させることを促進し、それと共に混合物の導電率を低下させる。導電率測定値及び空気投入ステップは、洗浄剤の実質的にすべてを混合物に溶解させることを可能にするために、連続して数回実行され得る。それと共に、この実施形態は、洗浄剤/水混合物が組立品を完全に洗浄するのに十分な洗浄剤を含んでいることを確認するための方法を提供する。
【0083】
一実施形態では、本方法は、洗浄サイクルを実行する前に、少なくとも1つの流体流路及び流体出口を空気で流すことを含み得る。
【0084】
少なくとも1つの流体流路を「空気プラグ」で流すことは、流体出口を通って流体残留物を外へ押し出すことによって流体残留物が組立品から除去されるので有利である。これは、洗浄剤の量及び/又は組立品を洗浄するために実施される必要がある洗浄サイクルの数を低減させる助けとなり得る。
【0085】
一実施形態では、本方法は、洗浄サイクルを実行する前に、少なくとも1回の事前フラッシングサイクルを実行することを含み得る。
【0086】
再循環洗浄サイクルを実行する前に少なくとも1回の事前フラッシングサイクルを実行することは、流体残留物の少なくとも一部を洗浄サイクルより前に除去し得るという利点を有する。これはミルクなどの物質にとって最も好ましい。ミルク又は同様の流体は、それが熱湯に接触したとき、固体層を形成し得る。組立品内での固体層の形成を防ぐために、固体層の形成を防ぐための冷たい水又はぬるま湯で組立品を流すことが好ましい。
【0087】
一実施形態では、本方法は、再循環中に、洗浄剤、又は代替的に、洗浄剤/水混合物を加熱することを含み得る。
【0088】
洗浄剤又は洗浄剤/水混合物を加熱することは、洗浄サイクル中の洗浄剤の有効性を増加させ得る。更に、たいていの細菌は熱に対して限られた抵抗力を有する。したがって、好ましくは60℃以上、最も好ましくは80℃の温度を有する、加熱された洗浄剤又は混合物を与えることは、組立品を洗浄するための有効な方法を提供する。加えて、水に溶解させる必要がある固体物質である洗浄剤を使用するとき、溶解工程は、温水又は熱湯を使用するときにのみ行われ得る。
【0089】
洗浄剤が水と混合される実施形態では、本方法は、洗浄収容容器内で洗浄剤と水とを混合する前に及び/又はその最中に、水を加熱することを含み得る。
【0090】
一実施形態では、フラッシングサイクルは、弁組立品28を第1の状態から第2の状態に切り替えることと、洗浄収容容器36を水で満たした後に、弁組立品28を第2の状態から第1の状態に切り替えることと、を含み得る。
【0091】
一実施形態では、フラッシングサイクルは、流体流路16内の流体の導電率を測定することと、測定された導電率を閾値と比較することと、を含み得る。本方法は、測定された導電率が閾値より低い場合、追加のフラッシングサイクルを実行することと、測定された導電率が閾値より高くなるまで、前のステップを繰り返すことと、を更に含み得る。
【0092】
洗浄サイクルの後に、組立品に洗浄剤が実質的にないことを保証するために、フラッシングステップが設けられている。しかしながら、このフラッシングステップ中に洗浄剤のすべてが除去され得るとは限らない。水は、洗浄剤又は水とのそれの混合物と比較して、比較的高い導電率を有する。導電率を測定し、測定された値を所定の設定点(所望の値)と比較することによって、洗浄剤の残留物が組立品内に依然として存在するかどうかを迅速に判断することができる。導電率が設定点より低いとき、測定された値が設定点より高くなるまで、追加のフラッシングステップが実施される。その状況で、実質的にすべての洗浄剤が組立品から除去され、組立品は使用可能となる。
【0093】
実験データでは、組立品を洗浄して残留洗浄剤を除くために、通常、2~4回のフラッシングステップが必要とされることが示されている。当然、これは、洗浄サイクルにおいて使用される洗浄剤の量及び各フラッシングステップ中に使用される水の量に依存する。
【0094】
上記の説明は例示的なものであり、限定するものではない。したがって、以下で提示される特許請求の範囲から逸脱することなく、上記で説明されたように本発明に対する変更が行われ得ることは、当業者に明らかであろう。様々な実施形態は組合せで適用され得る、又は互いとは独立して適用され得る。上記の発明を実施するための形態において使用された参照番号は、図に示す例に対する実施形態の説明を制限するものではない。図は例を表すにすぎず、実施形態は、図面の例に示す特定のやり方とは他のやり方で具現され得る。
【符号の説明】
【0095】
10 流体を泡立てるための組立品
12 空気流路
12a 空気入口
12b 空気流路の下流端部
16a 空気入口放出点
14 制御可能な空気弁
16 流体流路
18 流体入口
20 流体出口
22 ポンプ
24 固定流体制限部
26 加熱器
28 弁組立品
30 第2の流体出口
32 給水流路
34 制御可能な水弁
36 洗浄収容容器
38 戻り流路
40 電子制御装置組立品
42 導電率センサ
44 制御可能な流体弁
46 流体収容容器
48 組立品ハウジング
48a 第1の組立品ハウジング壁
48b 第2の組立品ハウジング壁
50 組立品ハウジングドア
52 ハウジング空間
54 構成要素トレイ
56 把持要素
58 把持部キャップ