(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/22 20060101AFI20220608BHJP
【FI】
E02F9/22 Z
(21)【出願番号】P 2019038952
(22)【出願日】2019-03-04
【審査請求日】2020-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】398071668
【氏名又は名称】株式会社日立建機ティエラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹林 圭文
(72)【発明者】
【氏名】吉田 肇
(72)【発明者】
【氏名】中村 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】岡 大輔
(72)【発明者】
【氏名】桑原 拓真
【審査官】山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-020692(JP,A)
【文献】国際公開第2018/173289(WO,A1)
【文献】特開2009-068173(JP,A)
【文献】特開2000-045317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部にブレードを備えた下部走行体及び前記下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体を有する本体と、前記上部旋回体の前部に俯仰可能に取り付けられたフロント作業機と、油圧駆動装置とを有し、
前記油圧駆動装置は、
原動機により駆動される油圧ポンプと、
前記油圧ポンプから吐出された圧油により駆動され、前記下部走行体、前記上部旋回体、前記フロント作業機及び前記ブレードを駆動する複数のアクチュエータと、
前記油圧ポンプから前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する複数の流量制御弁と、
前記複数の流量制御弁を切り換えるための操作パイロット圧を生成する複数の操作装置と、
前記油圧ポンプの圧油供給路に接続され、セット圧が通常設定とこの通常設定よりも高い高圧設定とに切換え可能な可変リリーフ弁として構成されたメインリリーフ弁とを備える建設機械において、
前記ブレードが下げ方向に駆動され、前記ブレードにより前記本体を持ち上げるジャッキアップ動作を検出するジャッキアップ検出装置と、
前記ジャッキアップ検出装置によって前記ジャッキアップ動作が検出されたとき、前記メインリリーフ弁のセット圧を前記通常設定から前記高圧設定に切り換えるリリーフ弁制御装置とを備え
、
前記複数のアクチュエータは、前記下部走行体を駆動する走行モータと、前記ブレードを駆動するブレードシリンダとを含み、
前記複数の流量制御弁は、前記走行モータの駆動を制御する走行用の流量制御弁と、前記ブレードシリンダの駆動を制御するブレード用の流量制御弁とを含み、
前記複数の操作装置は、前記走行用の流量制御弁を切り換えるための走行操作パイロット圧を生成する走行用の操作装置と、前記ブレード用の流量制御弁を切り換えるためのブレード操作パイロット圧を生成するブレード用の操作装置とを含み、
前記ブレードシリンダは、ボトム側に圧油が供給されたときに伸び方向に動作し前記ブレードを下げ方向に駆動し、前記ジャッキアップ動作を行う油圧シリンダであり、
前記ジャッキアップ検出装置は、
前記ブレード用の操作装置が生成する操作パイロット圧のうち前記ブレード下げの操作パイロット圧を検出する第1圧力センサと、
前記走行用の操作装置が生成する走行操作パイロット圧を検出する第2圧力センサとを有し、
前記リリーフ弁制御装置は、
前記第1圧力センサにより前記ブレード下げの操作パイロット圧が検出され、かつ前記第2圧力センサにより前記走行操作パイロット圧が検出されないときに前記メインリリーフ弁のセット圧を前記通常設定から前記高圧設定に切り換えることを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前部にブレードを備えた下部走行体及び前記下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体を有する本体と、前記上部旋回体の前部に俯仰可能に取り付けられたフロント作業機と、油圧駆動装置とを有し、
前記油圧駆動装置は、
原動機により駆動される油圧ポンプと、
前記油圧ポンプから吐出された圧油により駆動され、前記下部走行体、前記上部旋回体、前記フロント作業機及び前記ブレードを駆動する複数のアクチュエータと、
前記油圧ポンプから前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する複数の流量制御弁と、
前記複数の流量制御弁を切り換えるための操作パイロット圧を生成する複数の操作装置と、
前記油圧ポンプの圧油供給路に接続され、セット圧が通常設定とこの通常設定よりも高い高圧設定とに切換え可能な可変リリーフ弁として構成されたメインリリーフ弁とを備える建設機械において、
前記ブレードが下げ方向に駆動され、前記ブレードにより前記本体を持ち上げるジャッキアップ動作を検出するジャッキアップ検出装置と、
前記ジャッキアップ検出装置によって前記ジャッキアップ動作が検出されたとき、前記メインリリーフ弁のセット圧を前記通常設定から前記高圧設定に切り換えるリリーフ弁制御装置とを備え、
前記複数のアクチュエータは、前記下部走行体を駆動する走行モータと、前記ブレードを駆動するブレードシリンダとを含み、
前記複数の流量制御弁は、前記走行モータの駆動を制御する走行用の流量制御弁と、前記ブレードシリンダの駆動を制御するブレード用の流量制御弁とを含み、
前記複数の操作装置は、前記走行用の流量制御弁を切り換えるための走行操作パイロット圧を生成する走行用の操作装置と、前記ブレード用の流量制御弁を切り換えるためのブレード操作パイロット圧を生成するブレード用の操作装置とを含み、
前記ブレードシリンダは、ボトム側に圧油が供給されたときに伸び方向に動作して前記ブレードを下げ方向に駆動し、前記ジャッキアップ動作を行う油圧シリンダであり、
前記ジャッキアップ検出装置は、
前記ブレード用の操作装置が生成する操作ブレード操作パイロット圧のうちブレード下げの操作パイロット圧を検出する第1圧力センサと、
前記ブレードシリンダのボトム側の圧力を検出する第2圧力センサとを有し、
前記リリーフ弁制御装置は、
前記第1圧力センサにより前記ブレード下げの操作パイロット圧が検出され、かつ前記第2圧力センサにより検出された前記ブレードシリンダのボトム側の圧力が所定の閾値よりも高いときに前記メインリリーフ弁のセット圧を前記通常設定から前記高圧設定に切り換えることを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項1
又は2記載の建設機械において、
前記油圧駆動装置は、前記原動機により駆動されるパイロットポンプからの吐出油に基づいてパイロット一次圧を生成するパイロット油圧源を更に備え、
前記メインリリーフ弁は、昇圧信号圧が導かれたときに前記セット圧を前記通常設定から前記高圧設定に切り換える受圧部を有し、
前記リリーフ弁制御装置は、
閉位置と開位置を有し、前記閉位置から前記開位置に切り換えられたときに前記昇圧信号圧として前記パイロット一次圧を前記メインリリーフ弁の受圧部に導く電磁切換弁と、
前記ジャッキアップ検出装置によって前記ジャッキアップ動作が検出されたとき、前記電磁切換弁を前記閉位置から前記開位置に切り換えるコントローラとを有することを特徴とする建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械に係わり、特に、下部走行体の前部にブレードを備え、このブレードにより本体を持ち上げるジャッキアップ動作を行う建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の建設機械に備えられる油圧駆動装置は、メインポンプの吐出圧が所定の圧力よりも高くならないように最高吐出圧を制限するメインリリーフ弁を備えている。特許文献1には、そのメインリリーフ弁を可変リリーフ弁として構成し、走行操作装置の操作レバーを操作した場合に、メインリリーフ弁のセット圧を第1の値から第2の値に昇圧させ、走行操作時の走行モータの出力トルクを増加させ、走破性を向上させる技術が記載されている。また、特許文献1においては、走行以外の操作装置の操作レバーが操作されたときは、メインリリーフ弁のセット圧の昇圧を解除し、走行モータ以外のアクチュエータの負荷の増大を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
油圧ショベル等の建設機械には下部走行体の前部にブレードを備えたものがある。このような建設機械では、ブレード地面に接触させながら走行することで、排土作業や均し作業を行うことができる。また、ブレードは、排土作業や均し作業だけでなく、足回りを整備する場合やクローラを洗浄する場合に、本体を持ち上げるジャッキアップ動作を行う場合にも使用される。
【0005】
ところで、ブレードを用いて行うジャッキアップ動作は、ブレードを地面に接触させ、ジャッキアップシリンダを伸長して本体を持ち上げる動作である。また、フロント作業機を併用して本体の前後で本体を持ち上げ、ジャッキアップする場合もある。このようなジャッキアップ動作を行うとき、ジャッキアップシリンダには本体を持ち上げるだけの推力を発生させる必要があり、そのためにはジャッキアップシリンダを大型にする必要があり、コスト高となる。
【0006】
ジャッキアップシリンダを小型にして大きな推力を得るためには、特許文献1に記載のように、ジャッキアップ動作時にメインリリーフ弁のセット圧を上昇させればよい。しかし、特許文献1に記載の従来技術は、走行操作時にメインリリーフ弁のセット圧を上昇させ、走行モータの出力トルクを増加させ、走行以外の操作装置が操作されたときは、メインリリーフ弁のセット圧の昇圧を解除する技術であり、ジャッキアップ動作時にメインリリーフ弁のセット圧を上昇させることはできない。
【0007】
本発明の目的は、下部走行体の前部にブレードを備えた建設機械において、ブレードを用いて行うジャッキアップ動作時にジャッキアップ動作に必要な推力を発生させることができ、かつブレードシリンダを小型にしてコストを低減することができる建設機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、前部にブレードを備えた下部走行体及び前記下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体を有する本体と、前記上部旋回体の前部に俯仰可能に取り付けられたフロント作業機と、油圧駆動装置とを有し、前記油圧駆動装置は、原動機により駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出された圧油により駆動され、前記下部走行体、前記上部旋回体、前記フロント作業機及び前記ブレードを駆動する複数のアクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する複数の流量制御弁と、前記複数の流量制御弁を切り換えるための操作パイロット圧を生成する複数の操作装置と、前記油圧ポンプの圧油供給路に接続され、セット圧が通常設定とこの通常設定よりも高い高圧設定とに切換え可能な可変リリーフ弁として構成されたメインリリーフ弁とを備える建設機械において、前記ブレードが下げ方向に駆動され、前記ブレードにより前記本体を持ち上げるジャッキアップ動作を検出するジャッキアップ検出装置と、前記ジャッキアップ検出装置によって前記ジャッキアップ動作が検出されたとき、前記メインリリーフ弁のセット圧を前記通常設定から前記高圧設定に切り換えるリリーフ弁制御装置とを備え、前記複数のアクチュエータは、前記下部走行体を駆動する走行モータと、前記ブレードを駆動するブレードシリンダとを含み、前記複数の流量制御弁は、前記走行モータの駆動を制御する走行用の流量制御弁と、前記ブレードシリンダの駆動を制御するブレード用の流量制御弁とを含み、前記複数の操作装置は、前記走行用の流量制御弁を切り換えるための走行操作パイロット圧を生成する走行用の操作装置と、前記ブレード用の流量制御弁を切り換えるためのブレード操作パイロット圧を生成するブレード用の操作装置とを含み、
前記ブレードシリンダは、ボトム側に圧油が供給されたときに伸び方向に動作し前記ブレードを下げ方向に駆動し、前記ジャッキアップ動作を行う油圧シリンダであり、前記ジャッキアップ検出装置は、前記ブレード用の操作装置が生成する操作パイロット圧のうち前記ブレード下げの操作パイロット圧を検出する第1圧力センサと、前記走行用の操作装置が生成する走行操作パイロット圧を検出する第2圧力センサとを有し、前記リリーフ弁制御装置は、前記第1圧力センサにより前記ブレード下げの操作パイロット圧が検出され、かつ前記第2圧力センサにより前記走行操作パイロット圧が検出されないときに前記メインリリーフ弁のセット圧を前記通常設定から前記高圧設定に切り換えるものとする。
また、本発明は、上記目的を達成するために、前部にブレードを備えた下部走行体及び前記下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体を有する本体と、前記上部旋回体の前部に俯仰可能に取り付けられたフロント作業機と、油圧駆動装置とを有し、前記油圧駆動装置は、原動機により駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出された圧油により駆動され、前記下部走行体、前記上部旋回体、前記フロント作業機及び前記ブレードを駆動する複数のアクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する複数の流量制御弁と、前記複数の流量制御弁を切り換えるための操作パイロット圧を生成する複数の操作装置と、前記油圧ポンプの圧油供給路に接続され、セット圧が通常設定とこの通常設定よりも高い高圧設定とに切換え可能な可変リリーフ弁として構成されたメインリリーフ弁とを備える建設機械において、前記ブレードが下げ方向に駆動され、前記ブレードにより前記本体を持ち上げるジャッキアップ動作を検出するジャッキアップ検出装置と、前記ジャッキアップ検出装置によって前記ジャッキアップ動作が検出されたとき、前記メインリリーフ弁のセット圧を前記通常設定から前記高圧設定に切り換えるリリーフ弁制御装置とを備え、前記複数のアクチュエータは、前記下部走行体を駆動する走行モータと、前記ブレードを駆動するブレードシリンダとを含み、前記複数の流量制御弁は、前記走行モータの駆動を制御する走行用の流量制御弁と、前記ブレードシリンダの駆動を制御するブレード用の流量制御弁とを含み、前記複数の操作装置は、前記走行用の流量制御弁を切り換えるための走行操作パイロット圧を生成する走行用の操作装置と、前記ブレード用の流量制御弁を切り換えるためのブレード操作パイロット圧を生成するブレード用の操作装置とを含み、前記ブレードシリンダは、ボトム側に圧油が供給されたときに伸び方向に動作して前記ブレードを下げ方向に駆動し、前記ジャッキアップ動作を行う油圧シリンダであり、前記ジャッキアップ検出装置は、
前記ブレード用の操作装置が生成する操作ブレード操作パイロット圧のうちブレード下げの操作パイロット圧を検出する第1圧力センサと、前記ブレードシリンダのボトム側の圧力を検出する第2圧力センサとを有し、前記リリーフ弁制御装置は、前記第1圧力センサにより前記ブレード下げの操作パイロット圧が検出され、かつ前記第2圧力センサにより検出された前記ブレードシリンダのボトム側の圧力が所定の閾値よりも高いときに前記メインリリーフ弁のセット圧を前記通常設定から前記高圧設定に切り換えるものとする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば,下部走行体の前部にブレードを備えた建設機械において、ブレードを用いて行うジャッキアップ動作時にジャッキアップ動作に必要な推力を発生させることができ、かつブレードシリンダを小型にしてコストを低減することができる。
【0010】
また、ブレード下げとフロント作業機を併用して本体の前後で本体を持ち上げるとき、ブレード下げによるジャッキアップ動作と同時にフロント作業機(ブーム下げ)によるジャッキアップ動作を行ったとしても、ブレード下げによるジャッキアップ動作を検出してメインリリーフ弁のセット圧を通常設定から高圧設定に切り換えるため、メインリリーフ弁のセット圧の高圧設定は維持され、良好なジャッキアップ性能を維持することができる。
【0011】
更に、走行とブレードの複合操作時においては、メインリリーフ弁のセット圧は通常設定のままであり、油圧ポンプの最大吐出圧は上昇せず、下部走行体に作用する負荷の増大を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】本発明の第1の実施の形態の油圧ショベルに備えられる油圧駆動装置を示す図である。
【
図3】コントローラの機能の詳細を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の第2の実施の形態の油圧ショベルに備えられる油圧駆動装置を示す図である。
【
図5】コントローラの機能の詳細を示すフローチャートである。
【
図6】フロント作業機とブレードにより油圧ショベルの本体がジャッキアップされている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0014】
<油圧ショベル>
まず、本発明の建設機械として油圧ショベルを例にとり説明する。
【0015】
【0016】
図1において、作業機械としてよく知られている油圧ショベルは、ブレード304を備えた下部走行体300及び下部走行体300上に旋回可能に搭載された上部旋回体301を有する本体310と、上部旋回体301の前部に俯仰可能に取り付けられたフロント作業機302とを備え、フロント作業機302は、ブーム306、アーム307、バケット308から構成されている。
【0017】
下部走行体300は、走行モータ5,6によって左右の履帯300a,300bを駆動することによって走行を行う。ブレード304は下部走行体300の中央フレームに取り付けられ、ブレードシリンダ8の伸縮により上下動作を行う。上部旋回体301は下部走行体300上を旋回モータ7によって旋回可能である。上部旋回体301の前部にはスイングポスト303が取り付けられ、このスイングポスト303にフロント作業機302が上下動可能に取り付けられている。スイングポスト303はスイングシリンダ9(
図2参照)の伸縮により上部旋回体301に対して水平方向に回動可能である。フロント作業機302のブーム306、アーム307、バケット308はブームシリンダ10、アームシリンダ11、バケットシリンダ12の伸縮により上下方向に回動可能である。
【0018】
<第1の実施の形態>
図2は、本発明の第1の実施の形態の油圧ショベルに備えられる油圧駆動装置を示す図である。
【0019】
~基本構成~
まず、本実施の形態に係わる油圧駆動装置の基本構成を説明する。
【0020】
本実施の形態における油圧駆動装置は、原動機であるエンジン1と、エンジン1によって駆動されるメインの油圧ポンプ(以下メインポンプという)2と、メインポンプ2と連動してエンジン1により駆動されるパイロットポンプ3と、メインポンプ2から吐出された圧油により駆動される複数のアクチュエータ5,6,7,8,9,10,11,12である左右の走行モータ5,6、旋回モータ7、ブレードシリンダ8、スイングシリンダ9、ブームシリンダ10、アームシリンダ11、バケットシリンダ12と、コントロールバルブ4とを備えている。本実施形態に係わる油圧ショベルは、例えば油圧ミニショベルである。
【0021】
コントロールバルブ4は、メインポンプ2の圧油供給路2aに接続され、メインポンプ2から各アクチュエータに供給される圧油の方向と流量をそれぞれ制御する複数のバルブセクション13,14,15,16,17,18,19,20と、複数のアクチュエータ5,6,7,8,9,10,11,12の負荷圧のうち最も高い負荷圧(以下、最高負荷圧という)PLmaxを選択して信号油路21に出力する複数のシャトル弁22a,22b,22c,22d,22e,22f,22gと、メインポンプ2の圧油供給路2aに接続されたコントロールバルブ4内の圧油供給路4aに接続され、メインポンプ2の最高吐出圧(最高ポンプ圧)を制限するメインリリーフ弁100と、パイロット油圧源33(後述)に接続され、圧油供給路4a及び信号油路21の圧力を信号圧力として入力し、メインポンプ2の吐出圧(ポンプ圧)Pdと最高負荷圧PLmaxとの差圧PLSを絶対圧として出力する差圧減圧弁24と、圧油供給路4aに接続され、圧油供給路4a及び信号油路21の圧力を信号圧力として入力し、ポンプ圧Pdと最高負荷圧PLmaxとの差圧PLSがバネ25aにより設定されたある一定値を超えたときにメインポンプ2の吐出流量の一部をタンクTに戻し、差圧PLSをバネ25aにより設定された一定値以下に保つアンロード弁25とを有している。アンロード弁25及びメインリリーフ弁100の出口側はバルブ内タンク油路29に接続され、この油路29を介してタンクTに接続されている。
【0022】
バルブセクション13は左走行用の流量制御弁26aと圧力補償弁27aとから構成され、バルブセクション14は右走行用の流量制御弁26bと圧力補償弁27bとから構成され、バルブセクション15は旋回用の流量制御弁26cと圧力補償弁27cとから構成され、バルブセクション16はブレード用の流量制御弁26dと圧力補償弁27dとから構成され、バルブセクション17はスイング用の流量制御弁26eと圧力補償弁27eとから構成され、バルブセクション18はブーム用の流量制御弁26fと圧力補償弁27fとから構成され、バルブセクション19はアーム用の流量制御弁26gと圧力補償弁27gとから構成され、バルブセクション20はバケット用の流量制御弁26hと圧力補償弁27hとから構成されている。
【0023】
流量制御弁26a~26hは、メインポンプ2からそれぞれのアクチュエータ5~12に供給される圧油の方向と流量をそれぞれ制御し、圧力補償弁27a~27hは流量制御弁26a~26hの前後差圧をそれぞれ制御する。圧力補償弁27a~27hは、開口面積減少方向(図示左方向)のストロークエンドにおいて全閉しないタイプの圧力補償弁である。
【0024】
圧力補償弁27a~27hは、目標差圧設定用の開弁側受圧部28a,28b,28c,28d,28e,28f,28g,28hを有し、この受圧部28a~28hには差圧減圧弁24の出力圧が導かれ、油圧ポンプ圧Pdと最高負荷圧PLmaxとの差圧PLSの絶対圧(以下絶対圧PLSという)により目標補償差圧が設定される。このように流量制御弁26a~26hの前後差圧を同じ絶対圧PLSという値に制御することにより、圧力補償弁27a~27hは流量制御弁26a~26hの前後差圧が油圧ポンプ圧Pdと最高負荷圧PLmaxとの絶対圧PLSに等しくなるように制御する。これにより複数のアクチュエータを同時に駆動する複合操作時は、アクチュエータ5~12の負荷圧の大小に係わらず、流量制御弁26a~26hの開口面積比に応じてメインポンプ2の吐出流量を分配し、複合操作性を確保することができる。また、メインポンプ2の吐出流量が要求流量に満たないサチュレーション状態になった場合は、絶対圧PLSはその供給不足の程度に応じて低下し、これに応じて圧力補償弁27a~27hが制御する流量制御弁26a~26hの前後差圧が同じ割合で低下して流量制御弁26a~26hの通過流量が同じ割合で減少するため、この場合も流量制御弁26a~26hの開口面積比に応じてメインポンプ2吐出流量を分配し、複合操作性を確保することができる。
【0025】
また、油圧駆動装置は、パイロットポンプ3の圧油供給路3aに接続され、パイロットポンプ3の吐出流量に応じて絶対圧を出力するエンジン回転数検出弁30と、エンジン回転数検出弁30の下流側に接続され、パイロット油路31の圧力を一定に保つパイロットリリーフ弁32を有し、パイロットポンプ3からの吐出油に基づいてパイロット一次圧を生成するパイロット油圧源33と、パイロット油路31に接続され、パイロット油圧源33の圧力(パイロット一次圧)を元圧として流量制御弁26a~26hを操作するための操作パイロット圧(パイロット二次圧)a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,n,o,pを生成するための操作装置34a,34b,34c,34d,34e,34f,34g,34hを備えている。操作装置34a,34bは走行用の操作装置であり、操作装置34cは旋回用の操作装置であり、操作装置34dはブレード用の操作装置であり、操作装置34eはスイング用の操作装置であり、操作装置34fはブーム用の操作装置であり、操作装置34gはアーム用の操作想定であり、操作装置34hはバケット用の操作装置である。
【0026】
エンジン回転数検出弁30は、パイロットポンプ3の圧油供給路3aをパイロット油路31に接続する油路に設けられた絞り要素(固定絞り部)30fと、絞り要素30fに並列に接続された流量検出弁30aと、差圧減圧弁30bとを有している。流量検出弁30aの入力側はパイロットポンプ3の圧油供給路3aに接続され、流量検出弁30aの出力側はパイロット油路31に接続されている。流量検出弁30aは通過流量が増大するにしたがって開口面積を大きくする可変絞り部30cを有し、パイロットポンプ3の吐出油は絞り要素30f及び流量検出弁30aの可変絞り部30cの両方を通過してパイロット油路31側へと流れる。このとき、絞り要素30fと流量検出弁30aの可変絞り部30cには通過流量が増加するにしたがって大きくなる前後差圧が発生し、差圧減圧弁30bはその前後差圧を絶対圧Paとして出力する。パイロットポンプ3の吐出流量はエンジン1の回転数によって変化するため、絞り要素30f及び可変絞り部30cの前後差圧を検出することにより、パイロットポンプ3の吐出流量を検出することができ、エンジン1の回転数を検出することができる。また、可変絞り部30cは、通過流量が増大するにしたがって(前後差圧が高くなるにしたがって)開口面積を大きくすることにより、通過流量が増大するにしたがって前後差圧の上昇度合いが緩やかになるように構成されている。
【0027】
メインポンプ2は可変容量型の油圧ポンプであり、その傾転角(容量)を制御するためのポンプ制御装置35を備えている。ポンプ制御装置35はポンプトルク制御部35AとLS制御部35Bとで構成されている。
【0028】
ポンプトルク制御部35Aはトルク制御傾転アクチュエータ35aを有し、トルク制御傾転アクチュエータ35aはメインポンプ2の吐出圧が高くなるとメインポンプ2の傾転角(容量)が減るようにメインポンプ2の斜板(容量可変部材)2sを駆動し、メインポンプ2の入力トルクが予め設定した最大トルクを越えないように制限する。これによりメインポンプ2の消費馬力が制限され、過負荷によるエンジン1の停止(エンジンストール)が防止される。
【0029】
LS制御部35Bは、LS制御弁35b及びLS制御傾転アクチュエータ35cを有している。
【0030】
LS制御弁35bは対向する受圧部35d,35eを有し、受圧部35dには油路40を介してエンジン回転数検出弁30の差圧減圧弁30bで生成された絶対圧PGRがロードセンシング制御の目標差圧(目標LS差圧)として導かれ、受圧部35eに差圧減圧弁24で生成された絶対圧PLS(メインポンプ2の吐出圧Pdと最高負荷圧PLmaxとの差圧PLS)がフィードバック差圧として導かれる。LS制御弁35bは、絶対圧PLSが絶対圧PGRよりも高くなると(PLS>PGR)、パイロット油圧源33の圧力をLS制御傾転アクチュエータ35cに導き、絶対圧PLSが絶対圧PGRよりも低くなると(PLS<PGR)、LS制御傾転アクチュエータ35cをタンクTに連通させる。LS制御傾転アクチュエータ35cは、パイロット油圧源33の圧力が導かれると、メインポンプ2の傾転角が減るようにメインポンプ2の斜板2sを駆動し、タンクTに連通すると、メインポンプ2の傾転角が増えるようにメインポンプ2の斜板2sを駆動する。これによりメインポンプ2の吐出圧Pdが最高負荷圧PLmaxよりも絶対圧PGR(目標差圧)だけ高くなるようにメインポンプ2の傾転角(容量)が制御される。
【0031】
ここで、絶対圧PGRはエンジン回転数に応じて変化する値であるため、絶対圧PGRをロードセンシング制御の目標差圧として用い、圧力補償弁27a~27hの目標補償差圧をメインポンプ2の吐出圧Pdと最高負荷圧PLmaxとの差圧の絶対圧PLSにより設定することにより、エンジン回転数に応じたアクチュエータスピードの制御が可能となる。
【0032】
アンロード弁25のバネ25aの設定圧は、エンジン1が定格最高回転数にあるときのエンジン回転数検出弁30の差圧減圧弁30bで生成された絶対圧PGR (ロードセンシング制御の目標差圧)よりも少し高くなるように設定されている。
【0033】
~基本構成の動作~
まず、本実施の形態の油圧駆動装置の基本構成の動作を説明する。
【0034】
<全ての操作レバーが中立のとき>
全ての操作装置34a~34hの操作レバーが中立位置にある場合、全ての流量制御弁26a~26hは中立位置にあり、アクチュエータ5~12に圧油は供給されない。また、流量制御弁26a~26hが中立位置にあるときは、シャトル弁22a~22gにより検出される最高負荷圧PLmaxはタンク圧となる。
【0035】
メインポンプ2からの吐出油は圧油供給路2a,4aに供給され、圧油供給路2a,4aの圧力が上昇する。圧油供給路4aにはアンロード弁25が設けられており、アンロード弁25は、圧油供給路2aの圧力が最高負荷圧PLmax(今の場合はタンク圧)よりバネ25aの設定圧以上高くなると、開状態になって圧油供給路2aの圧油をタンクに戻し、圧油供給路2aの圧力の上昇を制限する。これによりメインポンプ2の吐出圧は最低圧力Pminに制御される。
【0036】
差圧減圧弁24は、メインポンプ2の吐出圧Pdと最高負荷圧PLmax(今の場合はタンク圧)の差圧PLSを絶対圧として出力している。メインポンプ2のLS制御部35BのLS制御弁35bには、エンジン回転数検出弁30の出力圧と差圧減圧弁24の出力圧が導かれており、メインポンプ2の吐出圧が上昇し、差圧減圧弁24の出力圧がエンジン回転数検出弁30の出力圧よりも大きくなると、LS制御弁35bは図示右側の位置に切り換わり、LS制御傾転アクチュエータ35cにパイロット油圧源33の圧力が導かれ、メインポンプ2の傾転角が小さくなるよう制御される。しかし、メインポンプ2には、その最小傾転角を規定するストッパ(図示せず)が設けられているため、メインポンプ2はそのストッパにより規定される最小傾転角qminに保持され、最少流量Qminを吐出する。
~操作レバーを操作した場合~
任意の被駆動部材、例えばブレード用の操作装置34dの操作レバーを操作した場合は、ブレード用の流量制御弁26dが切り換わり、ブレードシリンダ8に圧油が供給され、ブレードシリンダ8が駆動される。
【0037】
流量制御弁26dを流れる流量は、流量制御弁26dのメータイン絞りの開口面積とメータイン絞りの前後差圧によって決まり、メータイン絞りの前後差圧は圧力補償弁27dによって差圧減圧弁24の出力圧と等しくなるように制御されるため、流量制御弁26dを流れる流量(したがってブレードシリンダ8の駆動速度)は操作レバーの操作量に応じて制御される。
【0038】
一方、ブレードシリンダ8の負荷圧がシャトル弁22a~22gによって最高負荷圧として検出され、差圧減圧弁24及びアンロード弁25に伝えられる。
【0039】
アンロード弁25にブレードシリンダ8の負荷圧が最高負荷圧として導かれると、それに応じてアンロード弁25のクラッキング圧力(アンロード弁25が開き始める圧力)は上昇し、圧油供給路2aの圧力が過渡的に最高負荷圧よりバネ25aの設定圧以上高くなると、アンロード弁25は開弁して圧油供給路4aの圧油をタンクに戻す。これにより圧油供給路2a,4aの圧力が最高負荷圧PLmaxよりもバネ25aの設定圧以上に上昇することが制限される。
【0040】
ブレードシリンダ8が動き始めると、一時的に圧油供給路2a,4aの圧力が低下する。このとき、圧油供給路2aの圧力とブレードシリンダ8の負荷圧の差が、差圧減圧弁24の出力圧として出力されるため、差圧減圧弁24の出力圧が低下する。
【0041】
メインポンプ2のLS制御部35BのLS制御弁35bには、エンジン回転数検出弁30の出力圧と差圧減圧弁24の出力圧とが導かれており、差圧減圧弁24の出力圧がエンジン回転数検出弁30の出力圧よりも低下すると、LS制御弁35bは図示左側の位置に切り換わり、LS制御傾転アクチュエータ35cをタンクTに連通させてLS制御傾転アクチュエータ35c圧油をタンクに戻し、メインポンプ2の傾転角が増加するよう制御され、メインポンプ2の吐出流量が増加する。このメインポンプ2の吐出流量の増加は、差圧減圧弁24の出力圧がエンジン回転数検出弁30の出力圧と等しくなるまで継続する。これらの一連の働きにより、メインポンプ2の吐出圧(圧油供給路2a,4aの圧力)が最高負荷圧PLmaxよりもエンジン回転数検出弁30の出力圧(目標差圧)だけ高くなるよう制御され、ブレード用の流量制御弁26dが要求する流量をブレードシリンダ8に供給する、いわゆるロードセンシング制御が行われる。
【0042】
ブレード用の操作装置34dの操作レバー以外の操作レバー、例えばブーム用の操作レバー装置34fの操作レバーを操作した場合も、ブームシリンダ10は同様に駆動される。
【0043】
2つ以上の被駆動部材の操作装置、例えばブレード304による排土作業或いは均し作業を意図して、ブレード用の操作装置34dと走行用の操作装置34a,34bを操作した場合は、ブレード用の流量制御弁26dと走行用の流量制御弁26a,26bが切り換わり、ブレードシリンダ8及び走行モータ5,6に圧油が供給され、ブレードシリンダ8及び走行モータ5,6が駆動される。
【0044】
ブレードシリンダ8及び走行モータ5,6の負荷圧のうち高い方の圧力がシャトル弁22a~22gによって最高負荷圧PLmaxとして検出され、差圧減圧弁24及びアンロード弁25に伝えられる。
【0045】
アンロード弁25にシャトル弁22a~22gによって検出された最高負荷圧PLmaxが導かれたときの動作は、ブレードシリンダ8を単独で駆動した場合と同じであり、最高負荷圧PLmaxの上昇に応じてアンロード弁25のクラッキング圧力は上昇し、圧油供給路2a,4aの圧力が最高負荷圧PLmaxよりもバネ25aの設定圧以上に上昇することが制限される。
【0046】
また、メインポンプ2のLS制御部35BのLS制御弁35bには、エンジン回転数検出弁30の出力圧と差圧減圧弁24の出力圧とが導かれており、ブレードシリンダ8を単独で駆動した時と同様に、メインポンプ2の吐出圧(圧油供給路2a,4aの圧力)が最高負荷圧PLmaxよりもエンジン回転数検出弁30の出力圧(目標差圧)だけ高くなるよう制御され、流量制御弁26f,26gが要求する流量をブレードシリンダ8及び走行モータ5,6に供給する、いわゆるロードセンシング制御が行われる。
【0047】
差圧減圧弁24の出力圧は圧力補償弁27a~27hに目標補償差圧として導かれており、圧力補償弁27a,27b,27dは、流量制御弁26a,26b,26dの前後差圧を、メインポンプ2の吐出圧と最高負荷圧PLmaxとの差圧に等しくなるように制御する。これによりブレードシリンダ8と走行モータ5,6の負荷圧の大小に係わらず、流量制御弁26b,26c,26dのメータイン絞り部の開口面積に応じた比率でブレードシリンダ8と走行モータ5,6に圧油を供給することができる。
【0048】
このとき、メインポンプ2の吐出流量が流量制御弁26a,26b,26dが要求する流量に満たないサチュレーション状態になった場合は、サチュレーションの程度に応じて差圧減圧弁24の出力圧(メインポンプ2の吐出圧と最高負荷圧PLmaxとの差圧)が低下し、これに伴って圧力補償弁27a~27hの目標補償差圧も小さくなるので、メインポンプ2の吐出流量を流量制御弁26a,26b,26dが要求する流量の比に再分配できる。
【0049】
~特徴的構成~
次に、本実施の形態に係わる油圧駆動装置の特徴的構成を説明する。
【0050】
本実施の形態に係わる油圧駆動装置において、メインリリーフ弁100は、セット圧が通常設定とこの通常設定よりも高い高圧設定とに切換え可能な可変リリーフ弁として構成され、メインリリーフ弁100は、昇圧信号圧が導かれたときにセット圧を通常設定から高圧設定に切り換える受圧部100aを有している。
【0051】
また、本実施の形態に係わる油圧駆動装置は、ブレード304が下げ方向に駆動され、ブレード304により本体310を持ち上げるジャッキアップ動作(
図6参照)を検出するジャッキアップ検出装置として、ブレード用の操作装置34dが生成する操作パイロット圧g,hのうちブレード下げの操作パイロット圧gを検出する圧力センサ201(第1圧力センサ)と、走行用の操作装置34a,34bが生成する走行操作パイロット圧a,b,c,dを検出する圧力センサ202(第2圧力センサ)とを有している。
【0052】
ここで、左走行用の操作装置34aと右走行用の操作装置23bのパイロット油路には、シャトル弁44a,44b,44cがトーナメント方式に接続され、最上位のシャトル弁44cに圧力センサ202が接続され、これにより圧力センサ202は左右走行用の操作パイロット圧a,b,c,dを検出できるようになっている。以下において、圧力センサ202によって検出された操作パイロット圧を符号abcdで表す。
【0053】
また、本実施の形態に係わる油圧駆動装置は、閉位置と開位置を有し、閉位置から開位置に切り換えられたときに昇圧信号圧としてパイロット油圧源33のパイロット一次圧をメインリリーフ弁100の受圧部100aに導く電磁切換弁101と、ジャッキアップ検出装置(圧力センサ201,202)によってジャッキアップ動作が検出されたとき、電磁切換弁101を閉位置から開位置に切り換えるコントローラ200とを備えている。
【0054】
電磁切換弁101とコントローラ200は、ジャッキアップ検出装置(圧力センサ201,202)によってジャッキアップ動作が検出されたとき、メインリリーフ弁100のセット圧を通常設定から高圧設定に切り換えるリリーフ弁制御装置として機能する。また、本実施の形態において、リリーフ弁制御装置(電磁切換弁101及びコントローラ200)は、圧力センサ201(第1圧力センサ)によりブレード下げの操作パイロット圧gが検出され、かつ圧力センサ202(第2圧力センサ)により走行操作パイロット圧a,b,c,dが検出されないときに、メインリリーフ弁100のセット圧を通常設定から高圧設定に切り換える。
【0055】
~ジャッキアップ動作~
ブレード304は、排土作業や均し作業を行うときだけでなく、下部走行体300の足回りを整備する場合や履帯300a,300bを洗浄する場合に本体310を持ち上げるジャッキアップ動作を行う場合にも使用される。
【0056】
図6は、フロント作業機302とブレード304により油圧ショベルの本体310がジャッキアップされている状態を示す図である。このジャッキアップ動作では、上部旋回体301が180度回転させ、本体310の前部をフロント作業機302により持ち上げ、本体310の後部をブレード304により持ち上げている。このジャッキアップ動作は次のように行う。
【0057】
まず、オペレータは、旋回用の操作装置34cの操作レバーを操作して上部旋回体301を180度回転させ、フロント作業機302をブレード304と反対側に位置させる。次いで、オペレータは、ブレード用の操作装置34dの操作レバーをブレード下げ方向に操作し、ブレード用の流量制御弁26dをブレード下げ方向の位置に切り換え、ブレードシリンダ8を伸び方向に駆動することでブレード304を下げ方向に駆動し、下部走行体300の前部を地面から浮き上がらせる。下部走行体300の前部が意図する高さまで持ち上がったら、オペレータはブレード用の操作装置34dの操作レバーを中立位置に戻し、ブレード用の流量制御弁26dを中立位置に戻して、下部走行体300の前部をその高さで停止させる。次いで、オペレータは、ブーム用の操作装置34fの操作レバーをブーム下げ方向に操作し、ブーム用の流量制御弁26fをブーム下げ方向の位置に切り換え、ブームシリンダ10を縮み方向に駆動することでブーム306を下げ方向に駆動し、下部走行体300の後部を地面から浮き上がらせる。下部走行体300の後部が意図する高さまで持ち上がったら、オペレータはブーム用の操作装置34fの操作レバーを中立位置に戻し、ブーム用の流量制御弁26fを中立位置に戻して、下部走行体300の後部をその高さで停止させる。また、状況に応じて、ブレード下げによるジャッキアップ動作とブーム下げによるジャッキアップ動作を同時に行う場合もある。このようなブレード下げのジャッキアップ動作とブーム下げのジャッキアップ動作を行うことで、本体310を所望の高さまで浮き上がらせ、
図6に示すようなジャッキアップ姿勢を得ることができる。
【0058】
なお、ブレード下げによるジャッキアップ動作とブーム下げによるジャッキアップ動作を交互に行う場合は、最初にブーム下げのジャッキアップ動作を行ってもよい。また、ブレード下げとブーム下げを併用するのではなく、ブレード下げだけ或いはブーム下げだけで本体310の片側(前側だけ、或いは後側だけ)をジャッキアップしてもよい。
【0059】
~コントローラ200~
次に、コントローラ200の機能の詳細を
図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0060】
コントローラ200には、圧力センサ201,202からの信号が入力されている。
【0061】
コントローラ200は、まず、圧力センサ201からの信号に基づいて、圧力センサ201によって検出されたブレード下げの操作パイロット圧gが予め設定した所定の閾値Pa以上であるかどうかを判定する(ステップS100)。閾値Paは、ブレード用の操作装置34dの操作レバーがブレード304の下げ方向に十分に操作され、ブレードシリンダ8特が駆動されたかどうか判定する値であり、閾値Paは、例えば、ジャッキアップ動作を行うときの操作パイロット圧範囲の最低値である、最大操作パイロット圧の30~50%の値に設定される。操作パイロット圧gが閾値Pa以上であるとき、ブレードシリンダ8が下げ方向に駆動され、ジャッキアップ動作が行われている可能性があると判定し、次の処理に進む。操作パイロット圧gが閾値Pa以上でないときは、ブレードシリンダ8が駆動されないか、駆動されてもジャッキアップ動作が行われる可能性はないと判定し、ステップS100の判定を繰り返す。
【0062】
ステップS100において判定が肯定されたとき、コントローラ200は、圧力センサ202からの信号に基づいて、圧力センサ202によって検出された操作パイロット圧abcdが予め設定した所定の閾値Pmin以下であるかどうかを判定する(ステップS110)。閾値Pminは、走行用の操作装置34a,34bの操作レバーが中立位置にあるかどうかを判定する値であり、閾値Pminは、操作レバーが中立位置にあるときの圧力範囲(タンク圧)の最大値に設定される。操作パイロット圧abcdが閾値Pmin以下であるとき、走行モータ5,6は駆動されていないと判定し、次の処理に進む。操作パイロット圧abcdが閾値Pmin以下でないとき、走行モータ5,6が駆動され走行中と判定し、ステップS110の処理を繰り返す。
【0063】
ステップS110において判定が肯定されたとき、コントローラ200は、現在、ブレードシリンダ8が下げ方向に駆動され、かつ走行中ではなく、ジャッキアップ動作が行われていると判定し(すなわち、ジャッキアップ動作を検出し)、電磁切換弁101に電気信号Eを出力して電磁切換弁101を閉位置から開位置に切り換える(ステップS120)。これによりメインリリーフ弁100の受圧部100aにパイロット油圧源33のパイロット一次圧が昇圧信号圧として導かれ、メインリリーフ弁100のセット圧は通常設定から高圧設定に切り換わる。
【0064】
次いで、コントローラ200は、圧力センサ201によって検出されたブレード下げの操作パイロット圧gが閾値Pmin以下であるかどうかを判定する(ステップS130)。閾値Pminは、ステップS110の判定で用いた閾値Pminと同じであり、ブレード下げの操作パイロット圧gが閾値Pmin以下でないときは、ジャッキアップ動作が継続中であると判定し、ステップS130の処理を繰り返す。ブレード下げの操作パイロット圧gが閾値Pmin以下であるとき、ブレード用の操作装置34dの操作レバーが中立位置に戻され、ジャッキアップ動作が終了すると判定し、電磁切換弁101への電気信号Eの出力を停止し、電磁切換弁101を開位置から閉位置に切り換える(ステップS140)。これによりメインリリーフ弁100の受圧部100aに導かれていたパイロット油圧源33のパイロット一次圧(昇圧信号圧)は遮断され、メインリリーフ弁100のセット圧は高圧設定から通常設定に復帰する。
【0065】
~特徴的動作~
前述したようにジャッキアップ動作を行うとき、オペレータは、ブレード用の操作装置34dの操作レバーをブレード下げ方向に操作し、かつブーム用の操作装置34fの操作レバーをブーム下げ方向に操作するか、ブレード用の操作装置34dの操作レバーとブーム用の操作装置34fの操作レバーのいずれか一方をブレード下げ方向或いはブーム下げ方向に操作する。しかし、ジャッキアップ動作では、オペレータは、走行用の操作装置34a,34bの操作レバーは操作しない。このようなジャッキアップ動作において、オペレータがブレード用の操作装置34dの操作レバーをブレード下げ方向に操作した場合、コントローラ200は、
図3のステップS100,S110において、圧力センサ201によって検出されたブレード下げの操作パイロット圧gが閾値Pa以上であり、圧力センサ202によって検出された走行の操作パイロット圧abcdが閾値Pmin以下であると判定するため、ステップS120において電磁切換弁101に電気信号Eを出力し、電磁切換弁101を閉位置から開位置に切り換える。これによりメインリリーフ弁100の受圧部100aにパイロット油圧源33のパイロット一次圧が昇圧信号圧として導かれ、メインリリーフ弁100のセット圧は通常設定から高圧設定に切り換わる。
【0066】
ブレードシリンダ8の推力Fは以下の式で表される。
【0067】
F=P・A
F:推力
P:ブレードシリンダ8のボトム側の圧力
A:ブレードシリンダ8のボトム側のシリンダ断面積
よって、メインリリーフ弁100のセット圧が通常設定から高圧設定に切り換わることにより、油圧ポンプ2の最大吐出圧が上昇し、ブレードシリンダ8の推力Fが増加する。
【0068】
ここで、ブレード下げによるジャッキアップ動作を行うとき、本体310を地面から浮き上がらせるために大きな推力が必要となる。そのとき、ブレードシリンダ8のボトム側の圧力は高圧となり、本体310の姿勢や地面の傾斜等の状況によってその圧力はメインリリーフ弁100のセット圧まで上昇する。
【0069】
本実施の形態では、ブレード下げによるジャッキアップ動作を行うとき、上記のようにブレードシリンダ8の推力Fが増加する。このためブレードシリンダ8のサイズを小さくし小型にしても、ジャッキアップ動作に必要な推力を発生させることができる。
【0070】
一方、ブレード304を用いて排土作業を行うときは、オペレータは走行用の操作装置34a,34bの操作レバーを操作して走行用の流量制御弁26a,26bを切り換え、走行モータ5,6を駆動する。このため、オペレータがブレード下げの操作を行ったとしても、コントローラ200は、
図3のステップS110において、圧力センサ202によって検出された走行の操作パイロット圧abcdが閾値Pmin以下でないと判定するため、電磁切換弁101は開位置に切り換わらず、メインリリーフ弁100のセット圧は通常設定に保持される。その結果、走行モータ5,6に供給される圧油の最高圧力は増大せず、走行モータ5,6の負荷の増大を抑えることができる。
【0071】
なお、ジャッキアップ動作のうちブーム下げの操作により行うジャッキアップ動作では、電磁切換弁101は開位置に切り換わらず、メインリリーフ弁100のセット圧は高圧設定に切り換わらない。しかし、ブームシリンダ10はブーム306を駆動して掘削等の作業を行う油圧アクチュエータであるため、本来的に大型仕様であり、メインリリーフ弁100のセット圧が通常設定のままであってもジャッキアップ動作に必要な推力を発生させることができる。
【0072】
~効果~
以上のように本実施の形態によれば、ブレード304を下げ方向に駆動してジャッキアップ動作を行うとき、メインリリーフ弁100のセット圧が通常設定から高圧設定に切り換わり、油圧ポンプ2の最大吐出圧が上昇し、ブレードシリンダ8の推力が増加する。これによりブレードシリンダ8のサイズを小さくしたとしても、ジャッキアップ動作時にジャッキアップ動作に必要な推力を発生させることができ、ブレードシリンダを小型にしてコストを低減することができる。
【0073】
また、ブレード下げによるジャッキアップ動作と同時にブーム下げによるジャッキアップ動作を行ったとしても、メインリリーフ弁100のセット圧の高圧設定は維持されるので、ブレードシリンダ8の推力は低下せず、良好なジャッキアップ性能を維持することができる。
【0074】
更に、走行とブレードの複合操作時においては、メインリリーフ弁100のセット圧は通常設定のままであり、油圧ポンプ2の最大吐出圧は上昇せず、走行モータ5,6に作用する負荷の増大を回避することができる。
【0075】
また、電磁切換弁101を設け、電磁切換弁101を閉位置から開位置に切り換えることで、昇圧信号圧としてパイロット油圧源33のパイロット一次圧をメインリリーフ弁100の受圧部100aに導き、メインリリーフ弁100のセット圧を通常設定から高圧設定に切り換えるようにしたので、昇圧信号圧としてブレード下げの操作パイロット圧gを導く場合のように圧力不足により高圧設定への切換が不十分となることが回避され、確実に応答良く高圧設定に切り換えることができ、良好なジャッキアップの操作性を確保することができる。
<第2の実施の形態>
図4は、本発明の第2の実施の形態のy油圧ショベルに備えられる油圧駆動装置を示す図である。
【0076】
図4において、
図2に示した第1の実施の形態に係わる油圧駆動装置と同じ部材には同じ符号を付している。本実施の形態は、ジャッキアップ動作の検出を走行の操作パイロット圧でなく、ブレードシリンダ8のボトム側の圧力で行うものである。
【0077】
本実施の形態に係わる油圧駆動装置は、ブレード304が下げ方向に駆動され、ブレード304により本体310を持ち上げるジャッキアップ動作を検出するジャッキアップ検出装置として、ブレード用の操作装置34dが生成する操作パイロット圧g,hのうちブレード下げの操作パイロット圧gを検出する圧力センサ201(第1圧力センサ)を備え、かつ第1の実施の形態に備えられていた圧力センサ202に代え、ブレードシリンダ8のボトム側の圧力を検出する圧力センサ203(第2圧力センサ)を備えている。
【0078】
また、本実施の形態に係わる油圧駆動装置は、ジャッキアップ検出装置(圧力センサ201,203)によってジャッキアップ動作が検出されたとき、電磁切換弁101を閉位置から開位置に切り換えるコントローラ200Aを備えている。
【0079】
電磁切換弁101とコントローラ200Aは、ジャッキアップ検出装置(圧力センサ201,203)によってジャッキアップ動作が検出されたとき、メインリリーフ弁100のセット圧を通常設定から高圧設定に切り換えるリリーフ弁制御装置として機能する。また、本実施の形態において、リリーフ弁制御装置(電磁切換弁101及びコントローラ200)は、圧力センサ201(第1圧力センサ)によりブレード下げの操作パイロット圧gが検出され、かつ圧力センサ203(第2圧力センサ)により検出されたブレードシリンダ8のボトム側の圧力が所定の閾値Pb(後述)よりも高いときに、メインリリーフ弁100のセット圧を通常設定から高圧設定に切り換える。油圧駆動装置のそれ以外の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0080】
以下、コントローラ200Aの機能の詳細を
図5に示すフローチャートを用いて説明する。
図5において、
図3に示したフローチャートの処理と同じ処理を行うステップには同じ符号を付し、説明を簡略化する。
【0081】
コントローラ200Aには、圧力センサ201,203からの信号が入力されている。
【0082】
コントローラ200Aは、まず、圧力センサ201からの信号に基づいて、圧力センサ201によって検出されたブレード下げの操作パイロット圧gが予め設定した所定の閾値Pa以上であるかどうかを判定し(ステップS100)、操作パイロット圧gが閾値Pa以上であるとき、ブレードシリンダ8が下げ方向に駆動され、ジャッキアップ動作が行われる可能性があると判定し、次の処理に進む。
【0083】
次いでコントローラ200は、圧力センサ203からの信号に基づいて、圧力センサ203によって検出されたブレードシリンダ8のボトム側の圧力が予め設定した所定の閾値Pb以上であるかどうかを判定する(ステップS150)。閾値Pbは、ブレード用の操作装置34dの操作レバーがブレード304の下げ方向に操作され、ブレードシリンダ8が伸び方向に駆動されたときに、ブレード304の下げ方向の動作がジャッキアップ動作であるかどうかを判定するための値であり、閾値Pbは、ブレード304を用いてジャッキアップ動作を行ったときにブレードシリンダ8のボトム側に発生する圧力よりも少し低めの値に設定される。ブレードシリンダ8のボトム側の圧力が閾値Pb以上であるとき、ジャッキアップ動作が行われていると判定し、次の処理に進む。ブレードシリンダ8のボトム側の圧力が閾値Pb以上でないとき、ジャッキアップ動作が行われていないと判定し、ステップS150の処理を繰り返す。
【0084】
ステップS150において判定が肯定されたとき、コントローラ200は、現在、ブレードシリンダ8が下げ方向に駆動され、かつジャッキアップ動作が行われていると判定し(すなわち、ジャッキアップ動作を検出し)、電磁切換弁101に電気信号Eを出力して電磁切換弁101を閉位置から開位置に切り換える(ステップS120)。これによりメインリリーフ弁100の受圧部100aにパイロット油圧源33のパイロット一次圧が昇圧信号圧として導かれ、メインリリーフ弁100のセット圧は通常設定から高圧設定に切り換わる。
【0085】
それ以降のステップS130,S140の処理は第1の実施の形態と同じである。
~効果~
このように構成した本実施の形態においても、ブレード304を下げ方向に駆動してジャッキアップ動作を行うとき、メインリリーフ弁100のセット圧が通常設定から高圧設定に切り換わり、油圧ポンプ2の最大吐出圧が上昇し、ブレードシリンダ8の推力が増加する。これによりブレードシリンダ8のサイズを小さくしたとしても、ジャッキアップ動作時にジャッキアップ動作に必要な推力を発生させることができ、ブレードシリンダを小型にしてコストを低減することができる。
【0086】
また、第1の実施の形態と同様、ブレード下げによるジャッキアップ動作と同時にブーム下げによるジャッキアップ動作を行ったとしても、ブレードシリンダ8の推力は低下せず、良好なジャッキアップ性能を維持することができ、更に、走行とブレードの複合操作時においては、メインリリーフ弁100のセット圧は通常設定のままであり、走行モータ5,6に作用する負荷の増大を回避することができる。
【0087】
~その他~
なお、上記実施の形態においては、油圧駆動装置としてロードセンシング制御の油圧回路を用いたが、センタバイパス式のオープンタイプの油圧回路においても、同様の構成を採用することで、同様の効果が得られる。
【0088】
また、電磁切換弁101を設け、メインリリーフ弁100のセット圧を通常設定と高圧設定とに切り換えたが、ブレード下げの操作パイロット圧gを、直接、メインリリーフ弁100の受圧部100aに導いて、メインリリーフ弁100のセット圧を通常設定と高圧設定とに切り換えてもよいし、電磁切換弁101を油圧切換弁に変更し、この油圧切換弁にブレード下げの操作パイロット圧gを導いて油圧切換弁を閉位置から開位置に切り換え、メインリリーフ弁100のセット圧を通常設定と高圧設定とに切り換えてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 えエンジン(原動機)
2 メインポンプ(油圧ポンプ)
3 パイロットポンプ
4a 圧油供給路
5~12 アクチュエータ
5,6 走行モータ
8 ブレードシリンダ
26a~26h 流量制御弁
26a,26b 走行用の流量制御弁
26d ブレード用の流量制御弁
33 パイロット油圧源
34a,34b 走行用の操作装置
34d ブレード用の操作装置
100 メインリリーフ弁
100a 受圧部
101 電磁切換弁(リリーフ弁制御装置)
200 コントローラ(リリーフ弁制御装置)
200A コントローラ(リリーフ弁制御装置)
201 圧力センサ(第1圧力センサ;ジャッキアップ検出装置)
202 圧力センサ(第2圧力センサ;ジャッキアップ検出装置)
203 圧力センサ(第2圧力センサ;ジャッキアップ検出装置)
300 下部走行体
301 上部旋回体
302 フロント作業機
304 ブレード
306 ブーム
307 アーム
308 バケット
310 本体
a,b,c,d 走行操作パイロット圧
g ブレード下げの操作パイロット圧