IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャー テクノロジーズ エルエルシーの特許一覧

特許7084908スライドファスナのための金属一体スライドおよび引手
<>
  • 特許-スライドファスナのための金属一体スライドおよび引手 図1
  • 特許-スライドファスナのための金属一体スライドおよび引手 図2
  • 特許-スライドファスナのための金属一体スライドおよび引手 図3
  • 特許-スライドファスナのための金属一体スライドおよび引手 図4
  • 特許-スライドファスナのための金属一体スライドおよび引手 図5
  • 特許-スライドファスナのための金属一体スライドおよび引手 図6
  • 特許-スライドファスナのための金属一体スライドおよび引手 図7
  • 特許-スライドファスナのための金属一体スライドおよび引手 図8
  • 特許-スライドファスナのための金属一体スライドおよび引手 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】スライドファスナのための金属一体スライドおよび引手
(51)【国際特許分類】
   A44B 19/26 20060101AFI20220608BHJP
   A44B 19/30 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
A44B19/26
A44B19/30
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019502530
(86)(22)【出願日】2017-03-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-04-18
(86)【国際出願番号】 US2017025385
(87)【国際公開番号】W WO2017173276
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-03-31
(31)【優先権主張番号】201621011697
(32)【優先日】2016-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】15/385,000
(32)【優先日】2016-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/385,294
(32)【優先日】2016-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518346410
【氏名又は名称】シャー テクノロジーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SHAH TECHNOLOGIES LLC
【住所又は居所原語表記】2855 PGA Boulevard, Palm Beach Gardens, FL 33410 US
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】特許業務法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャー ニラブ アショック
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-002602(JP,A)
【文献】特開平08-280420(JP,A)
【文献】特表2012-516713(JP,A)
【文献】特表2012-524580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B19/00-19/64
B21D53/54
B22D17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジッパ用スライドアセンブリであって、
ジッパチェーンを開閉するように構成、配列された金属のスライド部材(12)および引手部材(14)を含み、
前記スライド部材(12)はトップ面(24)を有し、
前記トップ面(24)はブリッジ(16)を有し、
前記ブリッジは前記トップ面(24)に一体的に形成された第1の端部(18)および第2の端部(20)を有し、
前記ブリッジの内面(26)は前記ブリッジ(16)を横切って横方向に延びるように実質的に平坦に形成され、
前記ブリッジ(16)の前記内面(26)は、前記スライド部材の前記ブリッジ(16)および前記トップ面(24)の間に、前記引手部材(14)のループ部分の貫通路用の開口を画定し、
前記引手部材(14)はループ部分(38)および第1のタブ部分(40)を有し、
前記ループ部分は前記ブリッジ(16)の周りに切れ目がない連続ループとして形成されかつ前記第1のタブ部分(40)と一体的に形成され、
前記ループ部分(38)および前記ブリッジ(16)は、前記引手部材(14)に、前記ブリッジ(16)の周りの回転と前記ブリッジ(16)に沿った並進運動とを与え、
前記スライド部材(12)は前記スライド部材(12)を通してジッパチェーンを案内する上部ガイド(72)および下部ガイド(74)を含み、
前記上部ガイド(72)および前記下部ガイド(74)は一体成形されたスプリッタ(34)で分けられかつ一緒に固定され、前記スプリッタ(34)が前記上部ガイド(72)の底面および前記下部ガイド(74)の上面に一体成形されて前記スライド部材が単一体となり、
前記スプリッタ(34)並びに前記上部ガイド(72)および前記下部ガイド(74)は、第1の方向に動かされたときに前記ジッパチェーンをインターロックさせ、第2方向に動かされたときに前記ジッパチェーンを外すように、構成、配置され、
前記スライド部材(12)および前記引手部材(14)は同一金属材料で同時に成形され、
前記スライド部材(12)は底面(25)を含み、
前記底面(25)は第2のブリッジ(56)を含み、
前記第2のブリッジ(56)は、該第2のブリッジの長さに沿って切れ目がない連続部材として形成されかつ、前記底面(25)に一体的に形成された第1端部(58)および第2端部(60)を有し、
前記第2のブリッジ(56)の内面(62)は、前記スライド部材が内面(62)を横切って横方向に延びるように、前記スライド部材の前記底面(25)に対して実質的に平坦で実質的に平行になるように形成され、
前記第2のブリッジ(56)の前記内面は、前記第2のブリッジ(56)の下に、第2の引手部材(64)の第2のループ部分の貫通路用の開口を画定し、
前記第2の引手部材(64)は第2のループ部分(68)および第2のタブ部分(70)を有し、
前記第2のループ部分(68)は前記第2のブリッジ(56)の周りに連続ループとして形成されかつ前記第2のタブ部分(70)と一体的に形成され、
前記第2のループ部分(68)および前記第2のブリッジ(56)は、前記第2の引手部材(64)に、前記第2のブリッジ(56)の周りの回転と前記第2のブリッジ(6)に沿った並進運動とを与えるように構成されているスライドアセンブリ。
【請求項2】
請求項1のジッパ用スライドアセンブリであって、
前記引手部材(14)の前記ループ部分(38)が実質的に丸であるスライドアセンブリ。
【請求項3】
請求項1のジッパ用スライドアセンブリであって、
前記引手部材(14)の前記ループ部分(38)が実質的に四角いスライドアセンブリ。
【請求項4】
請求項1のジッパ用スライドアセンブリであって、
前記引手部材(14)の前記ループ部分(38)が多角形であるスライドアセンブリ。
【請求項5】
請求項1のスライドアセンブリであって、
前記引手部材(14)はその上に一体的に形成された標識(78)を含むスライドアセンブリ。
【請求項6】
請求項1のスライドアセンブリであって、
前記スライド部材(12)はその上に一体的に形成された標識(78)を含むスライドアセンブリ。
【請求項7】
請求項1のスライドアセンブリであって、
前記スライドアセンブリ(10)は亜鉛金属からダイカストプロセスで成形されているスライドアセンブリ。
【請求項8】
請求項1のスライドアセンブリであって、
前記金属は、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、チタン、銅、真ちゅうおよびこれらの適切な組合せの群から選択されるスライドアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にジッパと呼ばれるスライドファスナに関し、より詳細にはスライドファスナのための金属製の一体スライダおよび引手に関する。
【背景技術】
【0002】
以前は留め金ロッカーまたはスライドファスナとして知られていたジッパ、ジップ、フライまたはジップ留め具は、衣類または袋のような布地または他の可撓性材料の開口部の縁を結合するために一般に使用される装置である。これは、衣料品(ジャケット、ジーンズなど)、荷物やその他のバッグ、スポーツ用品、キャンプ用品などに使用されている。
【0003】
ジッパ/ジップのバルクは、数十から数百の特殊形状の金属またはプラスチックの務歯を担持する列を連結して噛み合うように作られた2列の突出した務歯からなる。これらの務歯は、個々のコイルであっても連続したコイルであってもよく、要素とも呼ばれる。手で操作されるスライダは、務歯の列に沿って動く。スライダの内側には、スライダの動きの方向に応じて、務歯の対向する列を互いに噛み合わせるか、またはそれを分離するY字型チャネルがある。
【0004】
一般に、ジッパは製品の全体的なコストのうち少量部に相当する。しかしながら、それが故障した場合は、ジッパを交換または修理するまで、衣服や装置全体を使用できなくなる可能性がある。問題は、しばしばジッパのスライダ部にある。スライダは、典型的にはスライド部分と引手部で作られている。ユーザは、スライドに枢動可能に接続された引手をつかみ、スライドを一方向または他方向に押しまたは引っ張ってスライドを動かす。スライドが移動すると、動きが発生すると務歯が互いに係合したり離脱したりする。スライドは、典型的には、引手が後で組み立てられる1つ以上の部品を含むように製造される。スライドへの引手の組立ては、通常、間隙を有するダイカストされたスライドのブリッジ部分を曲げて、2つの構成要素の間にインターロック係合を形成することによって達成される。他の方法では、余分なブリッジ部品構造物を組み立てる必要があり、これを曲げたり、かしめたりして、スライドに固定したりすることができる。しかしながら、これらの構造物は弱く、繰り返し使用すると破損し易く、引手部がスライドから離れるようになる。
【0005】
従来においてスライドと引手を一度に形成することが提案されている。しかしながら、提案された方法、装置、および結果として得られるジッパ製品は、金属から製造された場合、製造することができず、すなわち業界に受け入れられていない。ブリッジにインターロックされた引手を有する金属スライダアセンブリを製造することは、金属の剛性のため非常に困難であることが判明しており、これは、望ましくない態様で部品の形状を変更することなく、形成された部品の周りからのツールの後退を非常に困難にする。
【0006】
例えば、米国特許第2,736,062号明細書(Scheuermann et al.)は、単一操作にて一緒にスライドおよび引手を成形する方法を開示している。Scheuermannは、互いに関して45度の角度で交差する4つのスライドを利用している。スライダは、スライドのトップ面に対して直角に配置された引手部とスライダセンブリのブリッジおよび引手部で交差します。しかしながら、この方法は、図に示されるように、引手ループおよびブリッジの内面が45度または類似の角度を含み、内面に沿って鋭い点を形成することを必要とする。鋭い点は、部品に応力上昇を引き起こし、鋭い点は非常に迅速に摩耗し、表面コーティングが摩耗する原因となる。この結果、スライドアセンブリが変色し、洗濯サイクル中に部品が腐食することがよくある。加えて、変更された形状は、引手が回転してブリッジ内を摺動しなければならないスペースを減少させることによって、ブリッジ内の引手の動きを厳しく制限する。
【0007】
米国特許第5,604,962号明細書(Mayerhofer)、米国特許5,698,243号明細書(Wakabayashi)、米国特許4,210,196号明細書(Weiner)および英国特許第2,220,608号明細書(Liso)は全て、Scheuermann装置の変形例を示しており、これらは、ツールを後退させるようにブリッジおよび引手の内側の角度を必要とする。たとえ該角度は、すべての特許に記載されていないとしても、ツールが硬化金属を介して後退することができないため、ツールが機能するためにそこに存在しなければならない。
【0008】
米国特許第2,509,278号明細書(Scheuermann)は、引手ループをその垂直軸の周りに回転させて、引手ループの内面上の角度を解消する成形を開示している。しかしながら、ブリッジの内面には依然として角度が必要であり、垂直軸周りの引手回転に必要な精度でツールを製作することの難しさは、高価すぎることで、分かっている。
【0009】
米国特許第4,790,973号明細書(Minami et al.)は、スライダアセンブリを成形するための異なる方法および装置を開示している。Minamiでは、まずスライドを金型成形し、一旦スライドが凝固すると、スライドがまだ金型内に配置された状態でコアが部分的に後退され第2成形操作で引手を形成する。
【0010】
米国特許第5,013,511号明細書(Akashi)は、金属からジッパスライドを形成するさらに別の方法および装置を開示している。AkashiはMinamiのようにスライド部分を第1操作で形成し、第2操作で引手を形成する。しかしながら、Akashiの引手部は、他の先行技術に開示されているようにループの代わりにスライドのブリッジに係合するピンを含む。
【0011】
米国特許第4,985,969号明細書(Terada et al.)は、ジッパスライドアセンブリを形成するためのさらに別の方法および装置を開示している。Teradaは、ピン部材でインターロックされた2つの部分で中間引手部分と組み合わせて、第2操作として金型内にて形成される引手を形成する。
【0012】
英国特許出願第2,289,917号明細書(YKK Corp.)は、ロックスライダアセンブリを開示している。YKKロックスライダは、別個の金型内にて引手を形成し、第2金型内にて引手を配置し、スライドが引手のピン部分の周りで形成されて、アセンブリを完成させることを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、当技術分野では、ブリッジと引手のループ部分の内角の複数面を含むスライドアセンブリの変更された形状を必要とすることなく、スライドおよび引手が金属から形成することができる、引手と組み合わせたスライドを形成する装置および方法が必要とされている。
【0014】
組み合わされたスライドおよび引手アセンブリは、エンドユーザによる支持を達成するために、ジッパスライドアセンブリが満足しなければならない人間工学的必要性を満たすべきである。これには、引手の自由な動きおよび回転を可能にする内面形状を含むスライドブリッジを設けることが含まれる。さらに、ジッパスライドアセンブリは、操作するために過度の強度を必要としたり、大きい構成部品を含むべきではない。さらに、ジッパスライドアセンブリは、完成したジッパアセンブリまたは衣類アセンブリの審美的外観を損なわないような方法で一緒に組み立てられなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明は、単一操作で形成されたダイカストジッパスライドアセンブリを提供し、1回または複数回の操作で形成された従来技術のジッパスライドアセンブリの欠点を克服する。本発明のジッパスライドアセンブリは、製造が比較的簡単であるばかりでなく、ブリッジおよび引手ループの内面にて動き制限および故障し易い角度を付ける必要なく、スライドおよび引手を一緒に製造することを可能にする。本発明はまた、少なくとも1つのサイドシフトスライドを利用する製造方法を提供し、それにより、スライド角度で連動してスライド角度に対応するように部品形状を修正する必要があるスライドの必要性を解消する。
【0016】
簡単に説明すると、本発明は、ジッパ用のスライダアセンブリと、ジッパスライドアセンブリを製造するための方法とを含む。スライダアセンブリは、スライダと引手が同時に形成されることを含む単一のダイカスト操作で形成される。少なくとも1つのサイドシフトスライドが金型に組み込まれており、ブリッジおよび引手ループが完全な幾何学的形状を有し、先行技術で必要とされる集中する平坦な表面なしに形成されることを可能にする。
【0017】
したがって、本発明の目的は、スライドと引手とを含み、一度の操作で金属から形成されるジッパのためのスライダアセンブリを提供することである。
【0018】
本発明の更なる目的は、内面を収縮することを必要とせずに、完全な形状を含むようにダイカストされるスライドと引手とを含むロッキングスライダアセンブリを提供することである。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、閉じた引手ループとスライド上の閉じたブリッジとを含むジッパのためのスライダアセンブリを提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、形成されたスライドアセンブリの一部の周りでツールを移動させるための少なくとも1つのサイドシフトスライド部材を含む、ジッパのためのスライダアセンブリを製造する方法を提供することである。
【0021】
本発明のさらに別の目的は、固化した部品の幾何学的形状の周囲にツールのスライド部分を移動させるための2つ以上のサイドシフトスライドを含むジッパのためのスライダアセンブリを製造する方法を提供することである。
【0022】
本発明の他の目的および利点は、本発明の或る実施形態を説明および例として示す添付の図面と併せた以下の説明から明らかになるであろう。図面は、本明細書の一部を構成し、本発明の例示的な実施形態を含み、その様々な目的および特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、スライダアセンブリのダイカストのための好ましい位置を示す本発明の一実施形態の上部等角斜視図である。
図2図2は、ブリッジの領域内に円形断面を有するスライダ引手を示す、図1に示す実施形態の部分上面斜視図である。
図3図3は、少なくとも1つのサイドシフトスライドを有するダイカストツールの閉型を示す、図1に示す実施形態の部分平面図である。
図4図4は、スライドとスライダアセンブリの引手との間に形成された追加のリンクを示す別の実施形態の斜視図である。
図5図5は、1つのスライド上に2つのブリッジと2つの引手を有する代替の実施形態を示す側面図である。
図6図6は、1つのスライド上に2つのブリッジと2つの引手を有する別の実施形態を示す端面図である。
図7図7は、1つのスライド上に2つのブリッジ、2つの引手、および2つの中間リンクを有する別の実施形態を示す端面図である。
図8図8は、1つのスライド上に2つのブリッジ、2つの引手、および2つの中間リンクを有する別の実施形態を示す側面図である。
図9図9は、ダブルジッパに有用なスライドアセンブリを示す等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は様々な形態の実施形態が可能であるが、図面には示されており、本開示は本発明の例示と見なされるべきであり、本発明を図示の特定の実施形態に限定するものではない。
【0025】
図1図3を全体的に参照すると、ジッパ用のスライドアセンブリ(10)が示されている。その最も単純な形態では、スライドアセンブリ(10)は、スライド部材(12)および引手部材(14)を含む。スライドアセンブリ(10)は、好ましくは、ダイカスト機械(図示せず)内での単一操作の間に形成される。スライド部材(12)は、引手部材(14)の回転およびある直線的な平行移動を可能にするように、引手部材(14)を位置決めおよび保持するためのブリッジ(16)を含むように形成される。ブリッジ(16)はまた、ブリッジ(16)を弱くして引手部材(14)を解放し得る破損または隙間を含まないように形成される。特に、ブリッジ(16)は、第1の端部(18)、第2の端部(20)および中央部(22)を含む。第1および第2の端部(18)(20)の両方は、スライド(12)の上面(24)に一体的に形成されている。
ブリッジの内面(26)は、スライドの横から横に延びるように実質的に平坦に形成されるが、機能または美観のために任意の望ましい長手方向の輪郭を含むことができる。
ブリッジが一体的に形成されているので、コーナー半径(28)およびフィレット(30)は、構造に強度および剛性並びに美的外観を付与するためのダイカストプロセス中に形成することができる。スライド(12)の内側部分(32)は、当該技術分野において知られているようにジッパチェーン(図示せず)を接合または分離させるための内側部分(32)をY字形に分割するスプリッタ(34)を含む。好ましい実施形態では、スライド(12)は、スライド(12)を通ってジッパチェーンを案内するための上部ガイド(72)および下部ガイド(74)を含み、上部ガイド(72)および下部ガイド(74)は、第1の方向に動かされたときにジッパチェーンを連動させ、第2の方向に動かされたときにジッパチェーンを解放するように構成され、配置される。少なくとも1つ、いくつかの実施形態では2つのガイド壁(36)がスライダの一部として一体的に形成され、務歯がスライダアセンブリ(12)を通過するとき案内するのを助ける。
【0026】
引手部材(14)は、ループ部分(38)を含むようにブリッジ(16)の周りの所定の位置に形成される。ループ部分は、使用中に2つの構成要素の破損および分離をなくすように第1のタブ部分(40)と一体的に形成されている。ループ部分(38)は、先行技術に見られるような製造中に形成された部品からツールを取り外すために必要な集中する平坦面を必要としない限り、円形、楕円形、多角形などを含む任意の幾何形状を含むことができる。図1に示す実施形態では、ループ部分(38)は、断面が正方形に形成され、全体のスライドアセンブリ(10)に所望の外観および機能を提供する内側コーナー(44)を有する実質的に平坦な内側ループ面(42)を備えている。図2は、図1に記載されたのと同じまたは類似のブリッジ構造の周りに形成された円形断面を有するループ部分(38)を有するスライドアセンブリ(10)を示す。この実施形態では、ループ形状が完全に形成され、成形後にツールの後退のためのレリーフ形状を必要としない。
【0027】
図3は、ブリッジ(16)の周りの適所に引手部材(14)を形成するための一実施形態を示す。図示のように、ツールは、少なくとも1つのサイドシフトスライド(46)を含む。ダイカストツール(50)が閉じられてスライド部材(12)と引手部材(14)とを形成するので、少なくとも1つのサイドシフトスライド(46)と少なくとも1つの第1のインサート(48)と1つの第2のインサート(52)とは、ブリッジ(16)の下の領域に挿入される。インサート(48)およびサイドシフトインサート(46)は、まず、スライドがその挿入深さに達した後に側方にシフトが起こるように、挿入経路に沿って位置決めされる。次に、第2のインサート(52)は、一旦側方にシフトが発生すると、サイドシフトインサート(46)に隣接するモールド(金型)内に位置するようにタイミングがとられる。金型の残りの部分は、本発明の範囲から逸脱することなく、スライドの前後または同時にスライドさせることができる。金型の他の部分は、ループ部分(38)の残りの部分および引手部材(14)を形成する金型部分を含む。最も好ましい実施形態では、引手部材(14)は、図1に示すようにスライドに対して垂直に立つように配置される。しかしながら、サイドシフトスライド(複数可)を利用することによって、引手部材は、本発明の範囲から逸脱することなく、金型内の必要に応じて異なる角度に回転させることができることに注意されたい。ダイカスト金型内にスライドアセンブリ(10)を形成した後、少なくとも1つのサイドシフトスライドは、スライドアセンブリの形成後の直交する側方にシフト(サイドシフト(side shift))を行うように構成され、サイドシフトスライドはブリッジ(16)の下からのスライドの後退の前にループ部分(38)の形状を明確にするのに十分な長さを有する。
【0028】
図4図8を参照すると、引手部材(14)とスライド部材(12)との間に位置決めされて形成された接続リンク(54)をさらに含むスライドアセンブリ(10)が示されている。接続リンク(54)は、ブリッジ(16)およびループ部分(38)の周りに延在し、ブリッジ(16)を引手部材(14)に接続する連続部材として形成される。接続リンク(54)は、引手部材(14)のループ部分(38)と同様にサイドシフトスライド(46)を使用して形成される。
【0029】
図5図8を参照すると、スライダアセンブリのそれぞれの側に成形された引手部材(14)を有するスライドアセンブリ(10)が示されている。この実施形態では、スライド部材(12)は、底面(25)を含む。該底面は、第2のブリッジ(56)を含む。第2のブリッジ(56)は、底面(25)に一体的に形成された第1端部(58)および第2端部(60)を有する。ブリッジの内面(62)は、内面(62)を横切って横方向に延びるにつれて実質的に平坦に形成される。第2の引手部材(64)は、第2のループ部分(68)および第2のタブ部分(70)を含む。第2のループ部分(68)は、第2のブリッジ(56)の周囲に連続したループとして形成され、第2のタブ部分(70)と一体的に形成される。この実施形態では、スライド部材(12)および引手部材(14)(64)は、ダイカストツール(50)内で一度の操作で形成される。ダイカストツールは、第1および第2のブリッジ(16)(56)の内面(26)(62)のそれぞれの一部および各ループ部分(38)(68)の下部を形成するための少なくとも1つのサイドシフトスライド(46)を含む。少なくとも1つのサイドシフトスライド(46)の各々は、その挿入経路に対して直角にシフトするように構成される。
【0030】
図9を参照すると、二重チェーンスライダアセンブリ(80)が示されている。
この実施形態では、スライド(12)は、第1のジッパチェーン(図示せず)および第2のジッパチェーン(図示せず)を案内する上部ガイド(72)、中間ガイド(76)および下部ガイド(74)を含む。上部ガイド(72)と中間ガイド(76)は第1スプリッタ(34)で分離されて一緒に固定されると共に、中間ガイド(76)と下部ガイド(74)は第2スプリッタ(35)で分離されて一緒に固定されている。スプリッタ(34)(35)およびガイド(72)(76)(74)は、第1の方向に動かされたときに第1のジッパチェーンおよび第2のジッパチェーン(図示せず)をインターロックさせ、第2方向に動かされたときに第1のジッパチェーンおよび第2のジッパチェーンを外すように、構成、配置されている。この実施形態は、第1のジッパチェーンおよび第2のジッパチェーンが同じであるか、または異なる場合に使用されてもよい。この実施形態は、防水性のジッパチェーンなどに適用され、一方のジッパチェーンが締結を提供し、第2のジッパチェーンが防水を提供する。
【0031】
図1図9を参照すると、引手部材またはスライドは、限定されないが、ロゴ、図形、文字などの形態で標識(78)を含んでもよく、標識はスライドアセンブリ(10)の一部として一体的に形成されもよいことに注意されたい。これはまた、限定されないが、シリアルナンバー、ロット数字、部品番号、特許番号、商標などを含んでもよい。
本実施形態は、ダイカストプロセスにおいて金属からスライドアセンブリを形成するために具体的に使用され、したがって、限定されないが、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、チタン、銅、真ちゅうなどの様々な金属およびそれらの適切な組合せを利用することができることに注意されたい。
【0032】
本明細書で言及した全ての特許および刊行物は、当業者のレベルを示すものである。本発明に関連する。すべての特許および刊行物は、個々の刊行物が具体的かつ個別に参照により組み入れられることが示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
本発明の或る形態が示されているが、本明細書に記載され、示された特定の形態または配置に限定されるものではないことを理解されたい。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができ、本発明は、特定されたものに限定されると見なされるべきではないことが明らかであろう。
【0034】
当業者は、本発明が、目的を実行し、上述した目的および利点、ならびにそれらに固有の目的および利点を得るために十分に適合していることを容易に理解するであろう。本明細書に記載された任意の化合物、方法、手順および技術は、好ましい実施形態を代表するものであり、例示的なものであり、範囲の限定を意図するものではない。本発明の精神の範囲内に包含され、添付の特許請求の範囲によって定義される、当業者にはその中での変更および他の用途が生じるであろう。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して記載されているが、特許請求される本発明はそのような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことを理解されたい。実際に、当業者には明らかである、本発明を実施するための記載された態様の様々な改変は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9