(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】飲料を調製するためのシステム
(51)【国際特許分類】
A47J 31/36 20060101AFI20220608BHJP
A47J 31/06 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
A47J31/36 122
A47J31/36 126
A47J31/36 124
A47J31/06 220
(21)【出願番号】P 2019505057
(86)(22)【出願日】2017-08-03
(86)【国際出願番号】 NL2017050511
(87)【国際公開番号】W WO2018026271
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-30
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】コルネリッセン,マルヤン
(72)【発明者】
【氏名】コーイケル,クラース
(72)【発明者】
【氏名】オジンク,ジューディス マーグリート ハネケ
(72)【発明者】
【氏名】リジスカンプ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ビークマン,ジャーノ
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/082662(WO,A1)
【文献】特表2013-514102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/36
A47J 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費するのに適した量の飲料を調製するためのシステムであって、
任意選択的な、第1の出口面を有する第1の交換可能カプセルと、第2の出口面を有する第2の交換可能カプセルとであって、前記第2の出口面は前記第1の出口面よりも大きな直径を有する、第1の交換可能カプセル及び第2の交換可能カプセルと、
装置であって、
前記装置は、前記第1の交換可能カプセル及び前記第2の交換可能カプセルのうちの一方を選択的に保持するためのキャビティを有する第1の淹出チャンバ部分と、前記第1の交換可能カプセル又は前記第2の交換可能カプセルを取り囲んで前記第1の淹出チャンバ部分を閉鎖する第2の淹出チャンバ部分とを備え、
前記第2の淹出チャンバ部分は、前記第1の出口面又は前記第2の出口面に当接するための抽出プレートを有し、前記抽出プレートは 前記第1の出口面及び前記第2の出口面のうちの一方と選択的に係合するための複数のレリーフ要素を有し、
前記抽出プレートは中央部分及び周辺部分を有する、前記装置と、
を含むシステムにおいて、
前記装置は、前記交換可能カプセルのうちの選択されたものに対
して一定量の加圧流体を供給して、その出口面を前記レリーフ要素上に押し付けて前記出口面を開放する流体分配デバイスを
更に含む、前記システム。
【請求項2】
前記中央部分は、前記周辺部分に
対して、移動方向に移動可能である、請求項
1に記載のシステム。
【請求項3】
前記中央部分は、第1の位置において、前記第1の交換可能カプセルのための淹出チャンバを形成するために前記第1の淹出チャンバ部分に対して閉鎖し、第2の位置において、前記第2の交換可能カプセルのための淹出チャンバを形成するために前記第1の淹出チャンバ部分に対して閉鎖するように構成されている、請求項
2に記載のシステム。
【請求項4】
前記抽出プレートは、第1のタイプのレリーフ要素、及び第2のタイプの1つ以上のレリーフ要素を含む、請求項1から
3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のタイプの前記レリーフ要素は前記中央部分上に構成されている、請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2のタイプの前記レリーフ要素は前記中央部分上に構成されている、請求項
4に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2のタイプのレリーフ要素は、前記第1のタイプのレリーフ要素を取り囲むように構成されている、請求項
4に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のタイプの前記レリーフ要素は、前記第1の出口面に対応するエリア内に構成されており、前記第2のタイプの前記1つ以上のレリーフ要素は、前記第2の出口面に対応するエリア内、かつ前記第1の出口面に対応する前記エリアの外に構成されている、請求項
4に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2のタイプの前記レリーフ要素は、前記第1のタイプの前記レリーフ要素よりも鋭い縁部を有している、請求項
4に記載のシステム。
【請求項10】
前記抽出プレート及び前記第2の出口面は、前記第2の出口面の開放されたときの流れ抵抗が、前記第1の出口面の開放されたときの流れ抵抗より小さくなるように互いに適合されている、請求項1から
9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記抽出プレート及び前記第2の出口面は、前記第2の出口面が前記第1の出口面よりも大きな表面積にわたって、前記抽出プレートで引き裂かれるように互いに適合されている、請求項1から
10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記抽出プレート及び前記第2の出口面は、前記第2の出口面が前記第1の出口面よりも多くの箇所で、前記抽出プレートで引き裂かれるように互いに適合されている、請求項1から
11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
外側レリーフ要素は、前記第1及び第2の出口面の両方を引き裂くように設計されており、前記第2の出口面は、前記第1の出口面よりも大きな表面積にわたって、前記外側レリーフ要素で引き裂かれる、請求項1から
12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の出口面は、弱化された領域を有している、請求項1から
13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記弱化された領域は、前記第2の出口面の周辺エリアに配置されている、請求項
14に記載のシステム。
【請求項16】
前記キャビティは、前記第1又は第2のカプセルを保持するための不変の形状を有する、請求項
1に記載のシステム。
【請求項17】
淹出中に前記キャビティが前記第2のカプセルを保持しているときに、前記周辺部分が、前記第2の出口面に当接するように構成されている、請求項
1に記載のシステム。
【請求項18】
前記キャビティ
が淹出中に前記第1のカプセルを保持しているときに、前記周辺部分が前記第1の淹出チャンバ部分に対して当接するように構成されている、請求項
1に記載のシステム。
【請求項19】
淹出中に前記キャビティが前記第2のカプセルを保持しているときに、前記中央部分が前記第2の出口面に当接するように構成されている、請求項
1に記載のシステム。
【請求項20】
淹出中に前記キャビティが前記第1のカプセルを保持しているときに、前記中央部分が前記第1の出口面に当接するように構成されている、請求項
1に記載のシステム。
【請求項21】
前記周辺部分はレリーフ要素を含まない、請求項
1に記載のシステム。
【請求項22】
前記周辺部分は、淹出中に前記キャビティが前記第2のカプセルを保持しているときに、前記第2の出口面に当接するための封止面を含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項23】
請求項1~
22のいずれか一項に記載のシステムの装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、飲料を調製するためのシステムに関する。本発明は、飲料を調製するための装置及び方法にも関する。より具体的には、本発明は、カプセルを用いて飲料を調製するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、カプセルベースの飲料調製システムが大いに人気を博している。その理由は、これらのシステムの使いやすさのためだけでなく、それによって調製される飲料の品質の大幅な向上のためでもある。
【0003】
多くの様々な消費者に供するために、このような飲料の成分組成及び/又は強さ及び/又は量、及び/又は同様のものに関して、広範囲の飲料が利用可能でなければならない。
【0004】
したがって、カプセルベースの飲料調製システムであって、このようなシステムのある、かつ全く同一の装置によって調製することができる、よりいっそう広い範囲の飲料を、そのよりいっそう広い範囲の全てにわたって、高い飲料品質をもって提供する飲料調製システムが明白に絶えず広く求められている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、カプセルベースの飲料調製システムのある、かつ全く同一の装置によって広範囲の飲料を調製することができ、その広範囲全体にわたって高い飲料品質を得られる解決策を提供することである。
【0006】
その目的のために、本発明は、添付の独立請求項1に係るシステムを提供する。
【0007】
本発明の好ましい実施形態は、添付の従属請求項2~37によって提供される。
【0008】
したがって、本発明は、消費に適量の飲料を調製するためのシステムであって、任意選択的に、第1の出口面を有する第1の交換可能カプセルと、第2の出口面を有する第2の交換可能カプセルとを含み、第2の出口面は第1の出口面よりも大きな直径を有する、システムを提供する。システムは、第1の出口面及び第2の出口面のうちの一方と選択的に係合するための複数のレリーフ要素を有する抽出プレートと、交換可能カプセルのうちの選択されたものに対して水などの一定量の加圧流体を供給することで、その出口面をレリーフ要素上に押し付けて、その出口面を開放する、流体分配デバイスと、を含む、装置を含む。
【0009】
それゆえ、本発明に係るシステムは、飲料がその第1の交換可能カプセル又はその第2の交換可能カプセルから選択的に調製され得る装置を有する。第1のカプセル及び第2のカプセルは、少なくともそれらの第1の出口面及び第2の出口面の直径サイズが相互的にそれぞれ異なるため、同じ装置が、異なったサイズのカプセルを処理することができる。このおかげで、装置は、実質的に1つのサイズのカプセルのみを処理することができる装置と比べて、このような飲料の成分組成及び/又は強さ及び/又は量、及び/又は同様のものに関して、より広範囲の飲料を調製するように構成されている。
【0010】
一態様によれば、装置は、第1の交換可能カプセル及び第2の交換可能カプセルのうちの一方を選択的に保持するためのキャビティを有する第1の淹出チャンバ部分と、第1のカプセル又は第2のカプセルを取り囲んで第1の淹出チャンバ部分を閉鎖する第2の淹出チャンバ部分とを含む。
【0011】
任意選択的に、第1の淹出チャンバ部分のキャビティは、第1又は第2のカプセルを保持するように構成された所定のキャビティである。キャビティは、第1又は第2のカプセルを保持するために不変の形状を有することができる。第1の淹出チャンバ部分は、第1の淹出チャンバ部分の構成を変更することなく、第1のカプセル又は第2のカプセルを保持するように構成することができる。第1の淹出チャンバ部分は、モノリス部分であってもよい。
【0012】
任意選択的に、第2の淹出チャンバ部分は、第1の出口面又は第2の出口面に当接するための抽出プレートを有し、抽出プレートは中央部分及び周辺部分を含む。任意選択的に、中央部分は周辺部分に対して、好ましくは少なくとも部分的に軸方向の移動方向である、移動方向に移動可能である。
【0013】
任意選択的に、抽出プレートは、第1のタイプのレリーフ要素、及び第2のタイプの1つ以上のレリーフ要素を含む。任意選択的に、第1のタイプのレリーフ要素は中央部分上に構成されている。任意選択的に、第2のタイプのレリーフ要素は中央部分上に構成されている。任意選択的に、第2のタイプのレリーフ要素は、第1のタイプのレリーフ要素を取り囲むように構成されている。
【0014】
任意選択的に、第1のタイプのレリーフ要素は中央部分上の実質的に正方形のエリア内に構成されている。第2のタイプのレリーフ要素は、中央部分上の、実質的に正方形のエリアの外、例えば、実質的に円弓形のエリア内に位置付けられ得る。
【0015】
任意選択的に、第2のタイプのレリーフ要素は、第1のタイプのレリーフ要素よりも鋭い縁部を有する。例えば、第2のタイプのレリーフ要素の縁部の曲率半径は、第1のタイプのレリーフ要素の縁部の曲率半径よりも小さくあり得る。
【0016】
任意選択的に、第2のタイプのレリーフ要素は、第1のタイプのレリーフ要素よりも鋭い縁部を有し、第2のタイプのレリーフ要素は第1のタイプのレリーフ要素を取り囲み、好ましくは、第1のタイプ及び第2のタイプのレリーフ要素は両方とも中央部分上に構成されており、例えば第1のタイプのレリーフ要素は実質的に正方形のエリア内に構成されている。これは、第2の対応のレリーフ要素が、第1のタイプのレリーフ要素と同じほど鋭いか、又はそれよりも鈍い縁部を有するように構成されているときよりも、第1のカプセル及び/又は第2のカプセルの出口エリアのより均一な穿孔をもたらすことができる。また、これは、実質的に正方形のエリアの外にあるレリーフ要素に、第1のカプセル及び/又は第2のカプセルの出口エリアを穿孔させることを補助することもできる。出口エリアの穿孔は、カプセルの内部の流体圧力が出口エリアをレリーフ要素に押し付ける影響下で得られることは理解されるであろう。
【0017】
任意選択的に、レリーフ要素のうちの1つ以上は中央部分上に位置付けられている。任意選択的に、レリーフ要素のうちの1つ以上は周辺部分上に位置付けられている。任意選択的に、全てのレリーフ要素は中央部分上に位置付けられている。任意選択的に、外側レリーフ要素のうちの1つ以上は中央部分上に位置付けられている。任意選択的に、第1のタイプのレリーフ要素のうちの1つ以上は中央部分上に位置付けられている。任意選択的に、第1のタイプのレリーフ要素は全て、中央部分上に位置付けられている。任意選択的に、第2のタイプのレリーフ要素のうちの1つ以上は中央部分上に位置付けられている。任意選択的に、第2のタイプのレリーフ要素は全て、中央部分上に位置付けられている。任意選択的に、第2のタイプのレリーフ要素のうちの1つ以上は周辺部分上に位置付けられている。任意選択的に、第2のタイプのレリーフ要素は全て、周辺部分上に位置付けられている。任意選択的に、周辺部分はレリーフ要素を含まない。
【0018】
抽出プレートと第2の出口面は、開放されたときの第2の出口面の流れ抵抗が、開放されたときの第1の出口面の流れ抵抗よりも小さくなるように、互いに適合している。第1のカプセルと第2のカプセルとの間でそれぞれ相対的に見て言えば、これは、第1のカプセルの第1の出口面は、第1の出口面が開放されたときには、「より小さな直径」を「より高い流れ抵抗」との組み合わせで有し、その一方で、第2のカプセルの第2の出口面は、第2の出口面が開放されたときには、「より大きな直径」を「より低い流れ抵抗」との組み合わせで有することを意味し得る。このおかげで、第2のカプセルの開放されたより大きな直径の第2の出口面の流れ抵抗が、第1のカプセルの開放されたより小さな直径の第1の出口面のものと同じか、又はそれよりも高いであろう状況と比べて、第1のカプセルだけでなく、第2のカプセルからも調製できる様々な可能な飲料の改善された品質を一般的に得ることが可能である。これは、第1のカプセル及び第2のカプセルから調製されるべき考慮される基準飲料「X」に関して、第2のカプセルのより大きな直径の第2の出口面は、そのより大きな直径のおかげで、それ自体で、第1のカプセルのより小さな直径の第1の出口面と比べて、開放された第2の出口面のいわば「本質的に」低下した流れ抵抗をすでに生じさせることができるためである。次に、より小さな直径の第1の出口面を有する第1のカプセルを用いた飲料抽出が基準飲料Xの所望の品質に関して最適化されていると仮定すると、より大きな直径の第2の出口面を有する第2のカプセルを用いた飲料抽出をも、基準飲料Xの所望の品質に関して最適化するために、開放されたより大きな直径の第2の出口面の流れ抵抗は、より大きな直径の第2の出口面に起因する前記本質的に増大した流れ抵抗を補償するべく、低減される必要がある。
【0019】
一態様によれば、抽出プレートと第2の出口面は、第2の出口面が第1の出口面よりも大きな表面積にわたって、抽出プレートで引き裂かれるように互いに適合されている。第2の出口面が第1の出口面よりも大きな表面積にわたって抽出プレート上で引き裂かれることは、第2の出口面の開放されたときの流れ抵抗が、第1の出口面の開放されたときの流れ抵抗よりも小さいという、本発明の上述のより一般的な特徴の、効果的で、信頼性が高く、複雑でない実現形態をもたらす。
【0020】
一態様によれば、抽出プレートと第2の出口面は、第2の出口面が第1の出口面よりも多くの箇所で、抽出プレートで引き裂かれるように互いに適合されている。第2の出口面が第1の出口面よりも多くの位置上において抽出プレート上で引き裂かれることは、第2の出口面の開放されたときの流れ抵抗が、第1の出口面の開放されたときの流れ抵抗よりも小さいという、本発明の上述のより一般的な特徴の、更なる、即ち、代替的な又は追加的な、効果的で、信頼性が高く、複雑でない実現形態をもたらす。
【0021】
一態様によれば、外側レリーフ要素は、第1及び第2の出口面の両方を引き裂くように設計されており、第2の出口面は、第1の出口面よりも大きな表面積にわたって、外側レリーフ要素で引き裂かれる。これらの外側レリーフ要素は、第2の出口面の開放されたときの流れ抵抗が、第1の出口面の開放されたときの流れ抵抗よりも小さいという、本発明の上述のより一般的な特徴の、更なる、即ち、代替的な又は追加的な、効果的で、信頼性が高く、複雑でない実現形態をもたらす。
【0022】
一態様によれば、抽出プレートは、第1のタイプのレリーフ要素、及び第2のタイプの少なくとも1つのレリーフ要素を含む。任意選択的に、第1のタイプのレリーフ要素は、第1の出口面に対応するエリア内に構成されており、第2のタイプの少なくとも1つのレリーフ要素は、第2の出口面に対応するエリア内、かつ第1の出口面に対応するエリアの外に構成されている。代替的に、又は追加的に、第2のタイプの1つ以上のレリーフ要素は、第1の出口面に対応するエリア内に構成されている。第1のタイプ及び第2のタイプのこれらのレリーフ要素は、第2の出口面の開放されたときの流れ抵抗が、第1の出口面の開放されたときの流れ抵抗よりも小さいという、本発明の上述のより一般的な特徴の、更なる、即ち、代替的な又は追加的な、効果的で、信頼性が高く、複雑でない実現形態をもたらす。
【0023】
一態様によれば、第2のタイプのレリーフ要素は、第1のタイプのレリーフ要素よりも鋭い縁部を有している。このより鋭い縁部のおかげで、第2の出口面は、第1の種類のレリーフ要素よりも早くに、第2の種類の少なくとも1つのレリーフ要素上で引き裂かれ得る。例えば、第2の出口面は、その外側範囲内において、その内側範囲内よりも早く引き裂かれ得る。これは、調製された飲料の品質のために好ましい、第2のカプセルの内側空間全体にわたってできるだけ一様に分散された抽出プロセスを得る目的に実質的に寄与する。
【0024】
一態様によれば、第2の出口面は弱化された領域を含む。これらの弱化された領域は、第2の出口面の開放されたときの流れ抵抗が、第1の出口面の開放されたときの流れ抵抗よりも小さいという、本発明の上述のより一般的な特徴の、更なる、即ち、代替的な又は追加的な、効果的で、信頼性が高く、複雑でない実現形態をもたらす。このような弱化された領域は、例えば、(レーザ加工されるか、又は他の仕方による)プレカット領域、細片積層、エンボス加工、ダイ打抜き、(2つのエンボスロールの間の)ローレット加工、薄いアルミニウム基材上への剛性領域の印刷、織布ウェブ上への薄いアルミニウム箔の適用、ピールシールなどによって、多くの様々な仕方で実現され得る。
【0025】
一態様によれば、弱化された領域は、第2の出口面の周辺エリアに配置されている。弱化された領域を第2の出口面の周辺エリア内に配置することは、第2の出口面の開放されたときの流れ抵抗が、第1の出口面の開放されたときの流れ抵抗よりも小さいという、本発明の上述のより一般的な特徴の、更なる、即ち、代替的な又は追加的な、効果的で、信頼性が高く、複雑でない実現形態をもたらす。
【0026】
任意選択的に、第2の出口面に対して封止するための封止面が周辺部分に設けられている。任意選択的に、第1の出口面に対して封止するための封止面が中央部分に設けられている。
【0027】
一態様によれば、中央部分は、第1の封止部材であって、第2の交換可能カプセルを保持するための淹出チャンバを形成するときに、中央部分と周辺部分との間に自己補強型の流体封止係合を提供するように構成された、第1の封止部材を含むことができる。任意選択的に、周辺部分は、第2の封止部材であって、第2の交換可能なカプセルを保持するための淹出チャンバを形成するときに、周辺部分と第1の淹出チャンバ部分との間に自己補強型の流体封止係合を提供するように構成された、第2の封止部材を含むことができる。任意選択的に、第1の封止部材は、第1の交換可能なカプセルを保持するための淹出チャンバを形成するときに、中央部分と第1の淹出チャンバ部分との間に自己補強型の流体封止係合を提供するように構成されている。第1の封止部材は、第1の出口面に対して封止するように構成され得る。第1の封止部材は、第2の出口面に対して封止するように構成され得る。第2の封止部材は、第1の出口面に対して封止するように構成され得る。
【0028】
一態様によれば、本明細書に記載されているとおりのシステムの装置が提供される。
【0029】
一態様によれば、消費するのに適量の飲料を調製する方法が提供される。
【0030】
一態様によれば、本明細書に記載されているとおりの、カプセル、並びに第1のカプセル及び第2のカプセルのセットが提供される。
【0031】
システムを考慮して説明された実施形態、態様、特徴及び任意選択肢のいずれも、装置、カプセル及び方法に等しく適用されることが理解されよう。上記の実施形態、態様、特徴及び任意選択肢任意の1つ以上を組み合わせることができることも明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明は、図面に表される例示的な実施形態に基づいて更に説明される。例示的な実施形態は、非限定的な例示として与えられる。図面は、非限定的な例として与えられる本発明の実施形態の概略的な表現に過ぎないことに留意されたい。
【0033】
【0034】
【0035】
図において、
【
図2A】それぞれ、半分閉じた状態及び完全に閉じた状態で、
図1A及び
図1Bからのアセンブリを示す図である。
【
図2B】それぞれ、半分閉じた状態及び完全に閉じた状態で、
図1A及び
図1Bからのアセンブリを示す図である。
【
図3A】キャビティが第1のカプセルを保持しているときの、
図1Aに示されるとおりのシステムのロック機構の機能を示す図である。
【
図3B】キャビティが第1のカプセルを保持しているときの、
図1Aに示されるとおりのシステムのロック機構の機能を示す図である。
【
図4A】キャビティが第2のカプセルを保持しているときの、
図1Bに示されるとおりのシステムのロック機構の機能を示す図である。
【
図4B】キャビティが第2のカプセルを保持しているときの、
図1Bに示されるとおりのシステムのロック機構の機能を示す図である。
【
図5A】キャビティが第1のカプセルを保持しているときの、
図1Aに示されるとおりのシステムの拘束リングの機能を示す図である。
【
図5B】キャビティが第1のカプセルを保持しているときの、
図1Aに示されるとおりのシステムの拘束リングの機能を示す図である。
【
図5C】キャビティが第1のカプセルを保持しているときの、
図1Aに示されるとおりのシステムの拘束リングの機能を示す図である。
【
図6A】抽出中における淹出チャンバ内の第1のカプセルを示す図である。
【
図6B】抽出中における淹出チャンバ内の第2のカプセルを示す図である。
【
図7A】重力の影響下でキャビティから使用済みの第1のカプセル取り出すために下方に旋回された第1の淹出チャンバ部分を示す図である。
【
図7B】重力の影響下で空洞から使用済みの第2のカプセルを取り出すために下方に旋回された第1の淹出チャンバ部分を示す図である。
【
図8A】第1の淹出チャンバ部分と第2の淹出チャンバ部分とによって形成された淹出チャンバに挿入される第1の交換可能なカプセルの一例を示す図である。
【
図8B】第1の淹出チャンバ部分と第2の淹出チャンバ部分とによって形成された淹出チャンバに挿入される第2の交換可能なカプセルの一例を示す図である。
【
図9A】本発明に係るシステムの第1の実施形態(以下、「第1のシステム」)の一例を示し、第1のシステムの抽出プレート及び第2のカプセルを断面図で示す図である。
【
図9B】本発明に係るシステムの第1の実施形態(以下、「第1のシステム」)の一例を示し、第2のカプセルの第2の出口面が抽出プレートによって開放された後の状態における第2のカプセルの第2の出口面上への垂直図である。
【
図9C】本発明に係るシステムの第1の実施形態(以下、「第1のシステム」)の一例を示し、第1のシステムの抽出プレート及び第1のカプセルを断面図で示す図である。
【
図9D】本発明に係るシステムの第1の実施形態(以下、「第1のシステム」)の一例を示し、第1のカプセルの第1の出口面が抽出プレートによって開放された後の状態における第1のカプセルの第1の出口面上への垂直図である。
【
図10A】本発明に係るシステムの第2の実施形態(以下、「第2のシステム」)の一例を示し、第2のシステムの抽出プレート及び第2のカプセルを断面図で示す図である。
【
図10B】本発明に係るシステムの第2の実施形態(以下、「第2のシステム」)の一例を示し、第2のカプセルの第2の出口面が抽出プレートによって開放された後の状態における第2のカプセルの第2の出口面上への垂直図である。
【
図10C】本発明に係るシステムの第2の実施形態(以下、「第2のシステム」)の一例を示し、第2のシステムの抽出プレート及び第1のカプセルを断面図で示す図である。
【
図10D】本発明に係るシステムの第2の実施形態(以下、「第2のシステム」)の一例を示し、第1のカプセルの第1の出口面が抽出プレートによって開放された後の状態における第1のカプセルの第1の出口面上への垂直図である。
【
図11A】本発明に係るシステムの第3の実施形態(以下、「第3のシステム」)の一例を示し、第3のシステムの抽出プレート及び第2のカプセルを断面図で示す図である。
【
図11B】本発明に係るシステムの第3の実施形態(以下、「第3のシステム」)の一例を示し、第2のカプセルの第2の出口面が抽出プレートによって開放された後の状態における第2のカプセルの第2の出口面上への垂直図である。
【
図11C】本発明に係るシステムの第3の実施形態(以下、「第3のシステム」)の一例を示し、第3のシステムの抽出プレート及び第1のカプセルを断面図で示す図である。
【
図11D】本発明に係るシステムの第3の実施形態(以下、「第3のシステム」)の一例を示し、第1のカプセルの第1の出口面が抽出プレートによって開放された後の状態における第1のカプセルの第1の出口面上への垂直図である。
【
図12】抽出プレートの概略上面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
上述されたように、添付の独立請求項1及び添付の従属請求項2から8に係る本発明の原理は、図面の
図9A~
図9D、
図10A~
図10D、
図11A~
図11Dによって最もうまく図解される。これらの図はこの詳細な説明において更に後に説明される。
【0037】
【0038】
図1A及び
図1Bは、飲料を調製するためのシステム1の概略断面図を示す。システムは、装置2及び交換可能カプセルを含む。ここで、システム1は、第1のカプセル4A及び第2のカプセル4Bと協働するように構成されている。
図1A及び
図1Bに示す装置2は、1つの同一の装置である。装置2は、第1のカプセル4A(
図1A参照)又は第2のカプセル4B(
図1B参照)のいずれかと選択的に協働するように構成されている。システム1は、装置2、第1カプセル4A及び第2カプセル4Bを含むことができることが理解されよう。
【0039】
第1及び第2のカプセル4A、4Bは異なるタイプである。この例では、第2のカプセル4Bは、第1のカプセル4Aよりも大きい。第2のカプセル4Bの軸方向長さLBは、第1のカプセル4Aの軸方向長さLAよりも大きい。第2のカプセル4Bの直径DBは、第1のカプセル4Aの直径DAより大きい。相違にもかかわらず、この例では、第1及び第2のカプセル4A、4Bは同様の視覚的印象を与えるように設計されている。第1及び第2のカプセル4A、4Bは、同系統のルックアンドフィールを有するように設計されている。ここで、第1のカプセル4Aの軸方向長さと直径との比LA/DAは、第2のカプセル4Bの軸方向長さと直径との比LB/DBと実質的に同じである。好ましくは、第1及び第2のカプセルの長さ対直径比は、20%以内、好ましくは10%以内、例えば同一である。
【0040】
類似性を考慮して、両方のカプセル4A、4Bをここで同時に説明する。この例では、カプセル4A、4Bの両方がカップ形状本体6A、6Bを含む。ここで、カップ形状本体6A、6Bは、底部8A、8B及び周壁10A、10Bを含む。底部8A、8B及び周壁10A、10Bは、一体部品を形成することができる。カプセル4A、4Bは共に蓋12A、12Bを含む。蓋12A、12Bは、カップ形状本体6A、6Bの開放端部を密封する。蓋12A、12Bは、後述するように飲料をカプセルから排出することができる出口エリア13A、13Bを含む。この例では、蓋12A、12Bは、カプセル4A、4Bのフランジ状リム14A、14Bに接続されている。ここでは、リム14A、14Bは外側に延びるリムである。底部8A、8B、周壁10A、10B及びリム14A、14Bは一体部品を形成することができる。ここで、出口エリア13A、13Bは、飲料が潜在的にカプセル4A、4Bを出ることができる蓋12A、12Bのエリアを画定する。したがって、リム14A、14Bに対して封止された蓋12A、12Bのエリアは、出口エリア13A、13Bの一部を構成しない。この例では、カプセル4A、4Bは、底部8A、8Bから蓋12A、12Bに延びる軸の周りに実質的に回転対称である。カップ形状本体6A、6B及び蓋12A、12Bは、カプセルの内部空間16A、16Bを取り囲む。内部空間16A、16Bは、抽出可能又は可溶性物質などの所定量の飲料原材料を含む。飲料原材料は、例えば、ロースト及び挽いたコーヒー、紅茶、などであり得る。飲料原材料は粉末コーヒーであってもよい。飲料原材料は液体であってもよい。カプセル4A、4Bのサイズの違いを考慮すると、第2のカプセル4Bは第1のカプセル4Aよりも多量の飲料原材料を含み得ることが理解されよう。この例では、第2のカプセル4Bの内部空間16Bは、第1のカプセル4Aの内部空間16Aの約2倍である。例えば、第1のカプセル4Aは4~8グラム、例えば約6グラムの挽いたコーヒーを含むことができる。例えば、第2のカプセル4Bは、8~16グラム、例えば約12グラムの挽いたコーヒーを含むことができる。
【0041】
カップ形状本体6A、6Bは、アルミニウム箔、ポリプロピレン若しくはポリエチレンなどのプラスチック材料、又はそれらの組み合わせなどの金属箔から製造することができる。カップ形状本体6A、6Bは、プレス、深絞り、真空成形、射出成形等により製造することができる。蓋は、アルミ箔等の金属箔、ポリプロピレン又はポリエチレンなどのプラスチック材料、又はこれらの組み合わせから製造することができる。この例では、カプセル4A、4Bは、いわゆる閉じたカプセルである。これは、装置に挿入する前に密閉して閉じられたカプセルを指す。閉じたカプセルは、以下に記載した装置によって開放することができる。あるいは、封止されていないカプセル又は再充填可能なカプセルも使用可能である。
【0042】
装置は、第1の淹出チャンバ部分18及び第2の淹出チャンバ部分20を含む。第1及び第2の淹出チャンバ部分18、20は、互いに閉じることができ、チャンバ22A、22Bを形成する(
図1A、1Bには示されていない)。
【0043】
第1の淹出チャンバ部分18は、キャビティ24を含む。キャビティ24は、第1又は第2のカプセル4A、4Bを受容するように構成されている。ここでは、第1の淹出チャンバ部分18のキャビティ24は、第1又は第2のカプセル4A、4Bを保持するように構成された所定のキャビティ24である。ここでは、キャビティ24は、第1又は第2のカプセル4A、4Bを保持するために不変の形状を有する。ここで第1の淹出チャンバ部分18は、第1の淹出チャンバ部分18の構成を変更することなく、第1又は第2のカプセル4A、4Bを保持するように構成されている。この例では、第1の淹出チャンバ部分18は一体的部材である。この例では、第1の淹出チャンバ部分18は、第1の当接面26を含む。第1の当接面は、キャビティ24の内側に配置されている。ここでは、第1の当接面26は、第1の略環状の当接面である。第1の略環状の当接面26は、連続して環状であってもよく、又は、環状に沿って複数のセグメントを備えるように、断続した環状であってもよい。第1の当接面26は、1つ以上の形状、例えばキャビティ22の中に突き出たアーチ状の隆起部の形状をとることができる。ここで、第1の当接面26は、キャビティ22に階段状の形状を付与する。この例では、第1の淹出チャンバ部分18は、第2の当接面28を含む。第2の当接面は、キャビティ24の開口端部の近くに配置されている。ここで、第2の当接面28は、第2の略環状の当接面である。第2の略環状の当接面28は、連続して環状であってもよく、環に沿って複数のセグメントを含むように、断続的な環状であってもよい。第2の当接面28は、1つ以上の形状、例えばアーチ状の隆起部の形状をとることができる。第1の当接面26と第2の当接面28とは、第1の淹出チャンバ部分18の軸方向に相互に離間して配置されていることが理解されよう。第1の当接面26と第2の当接面とは一定の間隔で配置されている。第1の当接面26と第2の当接面は、互いに不動である。ここで、第1の淹出チャンバ部分18は、エジェクタ38を含む。エジェクタ38は、円錐形リング(図示せず)及び/又は弾性要素42、ここでは螺旋バネを含むことができる。第1の淹出チャンバ部分18は、カプセルの底部を穿孔するための穿孔手段44を含む。ここで、穿孔手段は、3つのナイフなどの複数のナイフを含む。
【0044】
第2の淹出チャンバ部分20は抽出プレート30を含む。この例では、抽出プレート30は、中央部分32及び周辺部分34を含む。中央部分32は、周辺部分34に対して移動可能である。ここで、中央部分32は、第2の淹出チャンバ部分20の軸方向に移動可能である。
【0045】
そのようなシステム1は、以下のようにして飲料を調製するために使用することができる。システム1の更なる特徴を途中で説明する。
【0046】
図1A及び
図1Bの例では、装置2は、カプセルを受容する準備ができている状態にある。
図1A及び
図1Bにおいて、カプセル4A、4Bは、第1の淹出チャンバ部分18のキャビティ内にちょうど挿入されている。第1淹出チャンバ部分18は、傾斜した位置にある。キャビティ24の開放端部は上向きに配置される。
【0047】
図1Aに示すように、第1のカプセル4Aは、重力の影響でキャビティ24内に落下することができる。ここで、第1のカプセル4Aのリム14Aは、第1の淹出チャンバ部分18の内面36によって案内される。第1のカプセル4Aの底部8Aは、エジェクタ38に当接するまでキャビティ24内に下降する。ここで、第1のカプセル4Aの底部8Aは、エジェクタ38の中心にある。第1のカプセル4Aのリム14Aは、第1の当接面26と第2の当接面28との間に配置されることが理解されよう。この状態では、第1のカプセル4Aの底部8Aはまだ穿孔されていない。
【0048】
図1Bに示すように、第2のカプセル4Bも、重力の影響でキャビティ24内に落下することができる。ここで、第2のカプセル4Bの周壁10Bは、第1の淹出チャンバ部分18の内面46によって案内される。第2のカプセル4Bの底部8Bは、エジェクタ38に当接するまでキャビティ24内に下降する。ここで、第2のカプセル4Bの底部8Bは、エジェクタ38の中心にある。第2のカプセル4Bのリム14Bは、穿孔手段44から見て第2の当接面28を越えて配置されていることが理解されよう。第2のカプセル4Bの底部8Bはこの状態ではまだ穿孔されていない。
【0049】
カプセル4A、4Bが、
図1A及び
図1Bに示すようにキャビティ24内に挿入されると、第1の淹出チャンバ部分18は、カプセル4A、4Bの周囲の淹出チャンバを閉じるために第2淹出チャンバ部分20に向かって移動することができる。第1の淹出チャンバ部分18は、装置のフレーム48において案内される。
【0050】
この例では、第1の淹出チャンバ部分18は、
図2A及び
図2Bに示すように、第1のボス50及び第2のボス52を含む。第1のボス50は、フレーム48の第1の溝54内で案内される。第2のボス52は、フレーム48の第2の溝56内で案内される。ボス50、52及び溝54、56は、第1の淹出チャンバ部分18が追従する経路を決定することが理解されよう。ここで、第1の溝54及び第2の溝56は、フレーム48の側壁57に設けられている。第1の溝54は、第1の深さまで側壁57内に延びている。第2の溝56は、第2の深さまで側壁内に延びている。第2の深さは第1の深さよりも大きい。第1のボス50は、第2のボス52よりも大きな直径を有する。第1の溝54は、第2の溝56よりも広い幅を有する。第1の溝54の幅は、第1のボス50の直径に対応する。第2の溝56の幅は、第2のボス52の幅に対応する。第1の溝54は、第2の溝56とは異なる軌道に沿って延びることが理解されよう。異なる幅及び深さの溝は、第1及び第2のボス50、52が異なる軌道をたどることを可能にする。この構造により、第1及び第2のボス50、52を案内するための非常にコンパクトな構造が可能になる。
【0051】
装置2は、レバー58を含む。レバーは、ユーザが手動で作動させることができる。レバーは、レバー軸60の周りにフレーム48に枢動可能に接続されている。第1の淹出チャンバ部分18は、膝継手62を介してフレーム48に接続されている。膝継手62は、プッシュロッド64及びクランク66を含む。プッシュロッド64は、膝軸68でクランク66に枢動可能に接続されている。クランク66は、クランク軸70でフレーム48に枢動可能に接続されている。レバー58は、膝継手62に接続されており、第1の淹出チャンバ部分18を作動させる。ここで、レバー58は、レバーリンク74を介して膝継手62に連結されている。レバーリンク74は、レバーリンク軸76においてレバー58に枢動可能に接続されている。レバーリンク74は、膝リンク軸78でプッシュロッド74に枢動可能に接続されている。
【0052】
拘束リング80は、第1の淹出チャンバ部分18を取り囲むように構成されている。拘束リング80は、第1の淹出チャンバ部分18に対して軸方向に移動可能である。ここで、拘束リング80は、第1淹出チャンバ部分18の外面によって案内される。拘束リングは、1つ以上の弾性要素82、ここでは螺旋バネを介して第1の淹出チャンバ部分に接続されている。プッシュロッドは、プッシュロッド軸72で拘束リング80に枢動可能に接続されている。したがって、ここでは、膝継手62は、第1の淹出チャンバ部分18に、すなわち拘束リング80及び1つ以上の弾性要素82を介して間接的に接続されている。拘束リングの機能については以下に説明する。
【0053】
レバー58が下向きに移動されると、膝継手62は、第1淹出チャンバ部分18を第2淹出チャンバ部分20の方に押し出す。同時に、第1及び第2の溝54、56の形状に起因して、第1の淹出チャンバ部分18は、上向きの傾斜方向から、第1の淹出チャンバ部分18の軸方向が第2の淹出チャンバ部分20の軸方向と整列した整列方向に回転する。
【0054】
上述のように、装置2は、第1のカプセル4A又は第2のカプセル4Bのいずれかと選択的に協働するように構成されている。ここで、システム1は、第1又は第2のカプセルが挿入されたかどうかに応じて、淹出チャンバを自動的に調節するように構成されている。これは、第1又は第2のカプセルの適切な取り扱いを選択するためにユーザ入力が必要とされないという利点を提供する。したがって、エラーのリスクは大幅に低減される。
【0055】
上述のように、第2の淹出チャンバ部分20は、中央部分32及び周辺部分34を有する抽出プレート30を含む。ここで、中央部分32は、第2の淹出チャンバ部分20の軸方向に移動可能である。この例の中央部分32は、フレーム48に対して軸方向に摺動可能に移動可能なシャフト32’を含む。中央部分32は弾性部材84、ここでは螺旋バネを介してフレーム48に接続されている。弾性部材84は、中央部分を
図1A及び
図1Bの準備位置に付勢する。準備位置は、この例では拡張位置である。中央部分32は、第1のカプセル4Aと協働するために第1の淹出位置に配置することができる。中央部分は、第2のカプセル4Bと協働するために第2の淹出位置に配置することができる。この例では、システム1は、キャビティ24が第1のカプセル4Aを保持するときに、第1の淹出位置に又はその近傍に中心部分32をロックするように構成されたロック機構86を含む。
【0056】
ロック機構86はロッカー88を含む。ここで、ロッカー88は、旋回可能な指として設計され、旋回軸90を中心に旋回可能である。ロッカー88は、シャフト32’から離れて旋回される位置に付勢されている。ロッカーは、任意の他の適切な位置に付勢することもできる。ロック機構86はプッシャ92を更に含む。プッシャは、第2淹出部分20の本体94内で摺動可能に案内される。プッシャ92は、ここでは螺旋バネである弾性部材96を介して本体94に接続されている。弾性部材96は、プッシャを拡張位置に付勢する。第1の淹出チャンバ部分18は、アクチュエータ98を含む。ここで、アクチュエータは、第1の淹出チャンバ部分18の前面によって形成されている。
【0057】
図3A及び
図3Bは、キャビティ24が第1のカプセル4Aを保持するときのロック機構86の機能を示す。この例では、蓋12A、出口エリア13A及び/又はリム14Aによって形成された第1のカプセル4Aの最も外側の部分は、アクチュエータ98に対して後方に、すなわち更に穿孔手段44に向けて配置される。その結果、第1のカプセル4Aを第2の淹出チャンバ部分20に向けて前進させるとき、アクチュエータ98は、第1のカプセル4Aの最外部分が中央部分32に接触する前に、プッシャ92に接触する。プッシャは、弾性部材96の付勢力に抗して押される。プッシャ92のリップ100は、ロッカー88の傾斜面102に沿って摺動し、ロッカー88をシャフト32’に向けて枢動させる。その結果、ロッカー88の親指104は、中央部分32(
図3B参照)の部分106の移動経路内に配置される。第1のカプセル4Aが更に第2の淹出チャンバ部分20に向かって前進すると、第1のカプセル4Aは中央部分32に当接する。これにより、中央部分が弾性部材84の付勢力に抗して押し出されるようになる。枢動したロッカー88は、中央部分が、部分106が親指104に当接する位置を越えて移動することを防止する。これは、本明細書では、第1の淹出位置として定義される。したがって、第1のカプセル4Aは、中央部分32を準備位置から第1の淹出位置に移動させるように整列される。第1のカプセル4Aは、第1及び第2の淹出チャンバ部分18、20の間に淹出中に保持され、中央部分32は第1の淹出位置にある。
【0058】
図4A及び
図4Bは、キャビティ24が第2のカプセル4Bを保持するときのロック機構86の機能を示す。この例では、ここでは蓋12B、出口エリア13B及び/又はリム14Bによって形成される第2のカプセル4Bの最外部分は、アクチュエータ98に対して前方に、すなわち更に第2の淹出チャンバ部分20に向けて配置される。その結果、第2のカプセル4Bを第2の淹出チャンバ部分20に向け前進させるとき、アクチュエータ98がプッシャ92に接触する前に、第2のカプセル4Bの最外部が中央部分32に当接する。中央部分32は、弾性部材84の付勢力に抗して押され、ロッカー88は、依然としてシャフト32’から離れるように旋回される。その結果、部分106は親指104の下を通過する。部分106が親指104を通過した後にのみ、プッシャは、アクチュエータ98によって弾性部材96の付勢力に抗して押される。プッシャ92のリップ100は、依然としてロッカー88の傾斜面102に沿って摺動し、ロッカー88をシャフト32’に向けて枢動させる。しかしながら、部品106はその瞬間に既に親指104を通過している。この例では、第2のカプセル4Bは、本体94に当接する中央部分32を押す。これは、本明細書では、第2の淹出位置として定義される。したがって、第2のカプセル4Bは、中央部分32を準備位置から第2の淹出位置に移動させるように整列される。第2のカプセル4Bは、淹出している間、第1の淹出チャンバ部分18と第2の淹出チャンバ部分20との間に保持され、中央部分32は第2の淹出位置にある。
【0059】
したがって、ロック機構86は、キャビティ24が第1のカプセル4Aを保持するときに、中央部分32を第1の淹出位置にロックするように整列される。ロックは片面であってもよく、すなわちキャビティ24が第1のカプセル4Aを保持するとき、ロック機構は、中央部分32が第1の淹出位置を越えて移動することを防止することができることに留意されたい。しかし、中央部分32の第1の淹出位置から準備完了位置への移動は妨げられなくてもよい。ロックユニット86は、第2のカプセル4Bが淹出チャンバに含まれているとき、中央部分32が第1の淹出位置に又はその近傍に固定されるのを選択的に防止するように整列される。ロックユニット86は、第2のカプセルが淹出チャンバに含まれているときに、中央部分32を第2の淹出位置に移動させることを選択的に可能にするように整列される。
【0060】
図3A及び
図4Aと比較すると、第1の淹出チャンバ部分18を第2の淹出チャンバ部分20に向けて前進させている間、第1のカプセル4Aは、第2のカプセル4Bよりも第1の淹出チャンバ部分内に更に陥没していることが理解されよう。次いで、第1の蓋12A、出口エリア13A及び/又はリム14Bは、第2の蓋12B、出口エリア13B及び/又はリム14Bよりも第1の淹出チャンバ部分18内に更に陥没していることが理解されよう。
【0061】
図3B及び
図4Bと比較すると、淹出チャンバが第1のカプセル4Aを保持するとき、中央部分32はキャビティ24内に延びることが理解されよう。中央部分32は、第2のカプセルが第1の淹出チャンバ部分18に含まれていれば、第2のカプセル4Bの蓋12B、出口エリア13B及び/又はリム14Bが存在したであろう位置を越えて、第1の淹出チャンバ部分18内に延びる。
【0062】
上述のように、膝継手62は、第1淹出チャンバ部分18に、すなわち拘束リング80及び1つ以上の弾性要素82を介して間接的に接続されている。
図5A~
図5Cは、拘束リング80の機能を示す。
【0063】
図5Aにおいて、第1のカプセル4Aは、第1の淹出位置にある中央部分を有する中央部分32に当接する。拘束リング80は、依然として後方位置にある。レバー58は、まだその端部位置に達していないことが理解されよう。第1の淹出チャンバ部分18は、突起部108を含む。ここで、突起部108は、実質的に環状の突起部である。突起部108は、外側に向かって延びる。ここで、突起部108は、第1の淹出チャンバ部分18の最外縁部を形成する。第2の淹出チャンバ部分20は、リテーナ110を含む。ここで、リテーナ110は、リテーナリップの円周リングとして設計されている。リテーナ110は、本体94に旋回可能に接続されている。ここで、リテーナ110は、本体94に弾性的に枢動可能に接続する。リテーナ110は歯112を含む。ここでの歯は、第1の傾斜面114及び第2の傾斜面116を有する。
【0064】
レバー58を下げると、拘束リング80は、第2淹出チャンバ部分20に向かって前進する。1つ以上の弾性要素82は、第1の淹出チャンバ部分が第2の淹出チャンバ20部分に当接するまで、例えばカプセル4A、4Bを間に挟んで、第1の淹出チャンバ部分18を阻止リング80の前方に押し出す。この移動中、突起部108は第1の傾斜面114に向かって前進する。これにより、リテーナ110を外側に枢動させる(
図5A参照)。更に前進すると、突起108を第2の傾斜面116を越えて通過させ、リテーナ110を内側に旋回させる(
図5B参照)。レバー58を更に下げると、第2の淹出チャンバ20部分への第1の淹出チャンバ部分の当接により、1つ以上の弾性要素82を圧縮させる。その結果、拘束リング80は、第2淹出チャンバ部分20に向かって前進する。レバー58を完全に下げると、拘束リング80がリテーナ110とロックリング118との間に挿入される(
図5C参照)。リテーナ110を取り囲む拘束リング80は、リテーナ110が外向きに枢動することを防止する。したがって、第1の淹出チャンバ部分は、第2淹出チャンバ部分20に対してロックされる。第1の淹出チャンバ部分は、第2の淹出チャンバ部分20にロックされる。
【0065】
装置は、流体、例えば熱湯などの液体を、加圧下で、第1の淹出チャンバ部分18に供給するための流体供給システムを含むことができる。淹出チャンバが飲料を淹出するために流体により加圧されると、第1及び第2の淹出チャンバ部分18、20は、流体圧力によって互いに押し離される。リテーナ110及び拘束リング80、並びに任意選択でロックリング118は、流体圧力によって印加される力の全部又は一部を支持する。リテーナ110とロックリング118との間に介在する拘束リング80は機械的安定性を高める。拘束リング80は、係止リング118に当接し、ロックリング118に少なくとも一部の力を伝達することができるので、リテーナ110によってその上に印加される全ての力を支持する必要はない。ロックリング118は不動であり、したがって容易に強化することができる。第1の淹出チャンバ部分は、第2の淹出チャンバ部分20にロックされているので、フレーム48及び作動機構、例えば、膝継手は、この力、又は少なくともその力のより小さな部分を支持する必要はない。したがって、フレーム及び/又は作動機構は、より弱く及び/又はより安価に設計することができる。
【0066】
抑止リング80の機能を、
図5A~
図5Cで第1のカプセル4Aの観点で示してきたが、抑止リング80が、第2のカプセル4Bに対して同じように機能し得ることは理解されるだろう。
図6Aは淹出中の淹出チャンバ内の第1のカプセル4Aを示す。
図6Bは淹出中の淹出チャンバ内の第2のカプセル4Bを示す。
【0067】
穿孔部材44は、カプセル4A、4Bの底部8A、8Bを穿孔するように構成されている。
図5A~
図5Cにも見られるように、この例では、穿孔部材44は、カプセル4A、4Bの蓋12A、12Bが第1又は第2の淹出位置で中央部分32に当接するまで、底部8A、8Bを穿孔しない。それに対して、弾性要素42及び弾性要素84の剛性は選択することができる。この例では、弾性要素42の剛性は、弾性部材84の剛性よりも大きくなるように選択される。しかし、弾性要素42の剛性が弾性部材84の剛性に等しいか、又は弾性要素42の剛性が弾性部材84の剛性よりも小さいことも可能であることが理解されよう。
【0068】
カプセル4A、4Bが淹出チャンバに含まれ、底部8A、8Bが穿孔されると、流体、この例では熱湯を加圧下で、淹出チャンバに供給することができる。したがって、淹出チャンバは耐漏洩性であることが望ましい。中央部分32には、第1の封止部材120が設けられている。周辺部分34には、第2の封止部材122が設けられている。飲料調製装置2は、第1のカプセル4A又は第2のカプセル4Bのいずれかを使用して、消費するのに適した所定量の飲料を調製するように構成されている。この量は、予め規定した量とすることができる。この量は、ユーザ選択可能、ユーザ設定可能、又はユーザプログラム可能な量であってもよい。
【0069】
図3Bを参照すると、第1のカプセル4Aに関する封止が記載されている。第1の封止部材120は、第1のカプセル4Aを保持するために淹出チャンバを形成するときに、中央部分32と第1の淹出チャンバ18部分との間に流体封止係合を提供するように構成されている。この例では、第1のカプセル4Aが淹出チャンバに含まれるとき、第1の封止部材120は第1の淹出チャンバ部分18に当接する。これは、カプセル4Aの外側のキャビティ24内に存在する水に対して封止を提供する。このようにして、淹出チャンバ22Aに注入された淹出流体は、カプセル4Aの外側の周りを迂回することを防止される。
図3Bの例では、第1の封止部材120は、弾性リップ121を含む。弾性リップ121は、淹出チャンバ内の液体圧力の影響下、中央部分32と第1の淹出チャンバ部分18との間に自己補強型の封止係合を提供するように構成されている。この例では、第1の封止部材120は、第1のカプセル4Aのリム14Aに当接する。リム14Aは、第1の当接面26によって第1の封止部材120に押し付けられている。これにより、出口エリア13Aを介してカプセル4Aを出て行く飲料に対し、中央部分32とカプセル4Aとの間に封止係合が与えられる。リム14Aのうち、カップ型の本体6Aから離れる方向に面する側が、第2の淹出チャンバ部分20に対して封止されることが理解されるだろう。あるいは又は更に、リム14Aのカップ形状本体6Aに向いた側部を第1の淹出チャンバ部分18に対して封止することができる。そこには、第1の淹出チャンバ部分18上に、例えば第1の当接面26上に、及び/又はカプセル4A上に、例えばリム14A上に、追加の封止を設けることができる。カプセル上の封止は、第1の淹出チャンバ部分18と第2の淹出チャンバ部分20との間の封止に対して付加的であることが明らかであろう。これは、第1の封止部材120による封止作業を減ずることができる。
【0070】
図4Bを参照すると、第2のカプセル4Bに関する封止が説明されている。第2の封止部材122は、第2のカプセル4Bを保持する淹出チャンバを形成するときに、周辺部分34と第1の淹出チャンバ18との間に流体封止係合を提供するように構成されている。この例では、第2のカプセル4Bが淹出チャンバに含まれるとき、第2の封止部材122は第1の淹出チャンバ部分18に当接する。これは、カプセル4Bの外側のキャビティ24内に存在する水に対して封止を提供する。
図4Bの例では、第2の封止部材122は、弾性リップ123を備えている。弾性リップ123は、淹出チャンバ内の流体圧力の影響下で、周辺部分34と第1の淹出チャンバ部分18との間に自己補強型の封止係合を提供するように構成されている。この例では、第2の封止部材122は、第2のカプセル4Bのリム14Bに当接する。リム14Bは、第2の当接面28によって第2の封止部材122に押し付けられている。これは、出口エリア13Bを通ってカプセル4Bを出る飲料に対して周囲部分34とカプセル4Bとの間に封止係合を提供することができる。
図4Bでは、第2のカプセル4Bを保持するために淹出チャンバを形成するときに、第1の封止部材120が中央部分32と周辺部分34との間に封止係合を提供する。中央部分32と周辺部分34との間のこの封止係合は自己補強的であり得る。それに対して、周辺部分34と第2のカプセル4Bとの間の係合は、淹出流体が第1の封止部材120へと通過することを可能にすることができる。したがって、第1の封止部材120は、出口エリア13Bを通ってカプセル4Bを出る飲料に対して、中央部分32とカプセル4Bとの間に封止係合を提供する。ここで、蓋によって、例えば箔によって覆われていてもいなくてもよい、カップ形状本体6Bとは反対側を向いているリム14Bの側面は、第2の淹出チャンバ部20に対して封止されていることが理解されよう。あるいは又は更に、カップ形状本体6Bの方に向いているリム14Bの側面は、第1の淹出チャンバ部分18に対して封止することができる。そこには、第1の淹出チャンバ部分18上に、例えば第2の当接面28上に、及び/又はカプセル4B上に、例えばリム14B上に、追加の封止を設けることができる。カプセル上の封止は、第1の淹出チャンバ部分18と第2の淹出チャンバ部分20との間の封止に対して付加的なものであることが明らかであろう。これにより、第2の封止部材122による封止力を低減することができる。
【0071】
加圧流体が淹出チャンバ内のカプセル4A、4Bに供給されると、出口エリア13A、13Bを抽出プレート30に対して開くことができる。この例における抽出プレート30は、複数のレリーフ要素124を含む。ここで、レリーフ要素124は切頂角錐形である。カプセル4A、4B内の圧力が上昇すると、出口エリア13A、13Bがリリーフ要素に対して引き裂かれ、飲料はカプセル4A、4Bから出ることができる。
【0072】
飲料は、抽出プレートの開口部を通って抽出プレート30を通過することができる。次に、飲料は出口126に流れることができる。出口126から、飲料はカップなどの容器に流れ込むことができる。
【0073】
飲料が淹出されたら、レバー58を上向きに動かすことができる。これにより、拘束リング80がリテーナ110から離れて移動する。次に、第1の淹出チャンバ部分18を後方に移動させる。リテーナ110の第2傾斜面116は、リテーナが突起部108を通過するようにすることができる。第1の淹出チャンバ18部分は第2の淹出チャンバ部分20から離れるように移動する。中央部分32は準備位置に戻る。ボス50、52及び溝54、56は、第1の淹出チャンバ部分18がたどる経路を決定する。
図7A及び
図7Bに示すように、第1の淹出チャンバ部分は下向きに旋回する。このことは、重力の影響下で、使用済みのカプセル4A、4Bのキャビティ24からの排出を促進する。エジェクタ38は、穿孔部材44及びキャビティ24からのカプセル4A、4Bの押し出しを支援することができる。使用済みのカプセル4A、4Bは装置2の廃棄物バスケットに落下することができる。
【0074】
この例では、第1及び第2のカプセル4A、4Bは、同様の視覚的印象を与えるように設計されている。
図8Aは、第1の淹出チャンバ部分18及び第2の淹出チャンバ部分20によって形成される淹出チャンバ22Aに挿入された第1のカプセル4Aの例を示す。周壁10Aは、図示の位置でキャビティ24よりも細いことが理解されよう。結果として、キャビティ24の内側に第1のカプセル4Aを囲む第1のボリューム126が存在する。
図8Bは、第1の淹出チャンバ部分18及び第2の淹出チャンバ部分20によって形成される淹出チャンバ22Bに挿入された第2のカプセル4Bの例を示す。周壁10Bの一部分128は、図示の位置でキャビティ24よりも細いことが理解されよう。この部分128は、第1当接面26を越えて延びる周壁10Bの部分によって形成されている。結果として、キャビティ24の内側に第2のカプセル4Bを囲む第2のボリューム130が存在する。
【0075】
なお、淹出チャンバが第1のカプセル4Aを保持するとき、第1のボリューム126は、第1のカプセル4Aによって占められていない。しかし、この第1のボリューム126は、淹出チャンバが第2のカプセル4Bを保持するとき、第2のカプセル4Bの一部によって占められる。淹出チャンバが第2のカプセル4Bを保持するとき、第2のボリューム130は、第2のカプセル4Bによって占められていない。この第2のボリューム130は、淹出チャンバが第1のカプセル4Aを保持するとき、抽出プレート30の中央部分32を受け入れる。
【0076】
第1のカプセル4Aを使用して飲料を淹出するとき、第1のボリューム126は水などの流体で充填され、その流体は飲料を淹出するのには使用されない。この流体は、淹出後に廃棄物バスケットに排出することができる。第2のカプセル4Bを使用して飲料を淹出するとき、第2のボリューム130は水などの流体で充填され、その流体は飲料を淹出するのには使用されない。この流体は、淹出後、容器、例えば廃棄物バスケットに排出することができる。この例では、第1のボリューム126は、第2のボリューム130と実質的に等しい。したがって、第1のカプセル4Aを使用して飲料を淹出し、第2のカプセル4Bを使用して飲料を淹出する場合、廃棄物バスケットに導かれる流体の容量は実質的に等しい。
【0077】
次に、本発明に係るシステムの第1の実施形態の一例としての「第1の」システム1001を示す、
図9A~
図9Dを参照する。
【0078】
図9Aは、第2のカプセル1004Bの中心軸を包含する垂直断面平面内において、第1のシステム1001の抽出プレート1030及び第2のカプセル1004Bを示す。なお、本実施例では、第2のカプセル1004Bはその中心軸周りで対称的に実質的に回転可能である。
図9Aにおいて、抽出プレート1030の平面はその中心軸に対して垂直である。明確にするために、
図9Aは、第2のカプセル1004Bの第2の出口面1113Bから少し距離を置いて抽出プレート1030を示している。抽出プレート1030のレリーフ要素は参照符号1130によって示される。
図9Aの図示の断面では、7つのレリーフ要素1130が見られる。参照符号1230は、抽出プレート1030を通る多数の飲料出口通路を示している。参照符号1013B及び1113Bは、第2のカプセル1004Bの第2の出口エリア及び第2の出口面をそれぞれ示している。第2の出口エリア1013Bは、飲料が潜在的に第2のカプセル1004Bから出ることができる第2の出口面1113Bのエリアを画定する。それゆえ、第2のカプセル1004Bのフランジ状のリム1014Bに付着させられた第2の出口面1113Bのエリアは、第2の出口エリア1013Bの一部を構成しない。
【0079】
図9Bは、抽出プレート1030のレリーフ要素1130上で引き裂かれることによって第2のカプセル1004Bの第2の出口面1113Bが開放された後の状態における第2のカプセル1004Bの第2の出口面1113B上への垂直図である。参照符号1213Bは、第2の出口面1113Bの第2の出口エリア1013B内の多数の裂け開口部を示している。これらの裂け開口部1213Bは、第2の出口面1113Bが抽出プレート1030のレリーフ要素1130上で引き裂かれた結果である。なお、裂け開口部は、実際には、描かれているとおりの完全な正方形である代わりに、実質的にU字形又は実質的にL字形であり得ることに留意されたい。
【0080】
図9C~
図9Dは、
図9C~
図9Dが第1のシステム1001の第2のカプセル1004Bの代わりに第1のシステム1001の第1のカプセル1004Aを示しているとの理解で、それぞれ
図9A~
図9Bと非常に似通って類似している。したがって、
図9C~
図9Dにおいて、
図9A~
図9Bと同じ参照符号が用いられているが、接辞「B」の代わりに「A」を有する場合には、これらの対応する参照符号は、第1のカプセル1004A及び第2のカプセル1004Bの同様の相互に対応する部分に関連する。
図9Cは、
図9Aと同じ抽出プレート1030を示す。
【0081】
図9A~
図9Bの状況を
図9C~
図9Dのものと比較することによって、第2の出口面1113Bは、第1の出口面1113Aよりも大きな表面積にわたって抽出プレート1030上で引き裂かれることが観察される。また、第2の出口面1113Bは、第1の出口面1113Aよりも多くの位置上で抽出プレート1030上で引き裂かれることも観察される。更に、レリーフ要素1130のうちの外側のものは、第1の出口面1113A及び第2の出口面1113Bの双方を引き裂くように設計されており、第2の出口面1113Bは、第1の出口面1113Aよりも大きな表面積にわたってレリーフ要素1130のうちの外側のものの上で引き裂かれることが観察される。これは
図9Dにおいて明確に観察され、
図9Dにおける裂け開口部パターンの4つの隅部にあるより小さな裂け開口部1213Aは、レリーフ要素1130のうちの4つの特定のものの上で一部のみ引き裂かれた結果である。明らかに、
図9A及び
図9Cの各々において最も左側に示されるレリーフ要素1130、並びに
図9A及び
図9Cの各々において最も右側に示されるレリーフ要素1130を含む、いくつかのレリーフ要素1130は、第1のカプセル1004Aの第1の出口面1113A内の対応する裂け開口部1213Aを全く生じさせない。なぜなら、動作時、これらの特定のレリーフ要素1130は第1の出口面1113Aの第1の出口エリア1013Aと係合せず、第1のカプセル1004Aのフランジ状のリム1014Aに付着させられた第1の出口面1113Aのエリアと係合するからである。
【0082】
これらの観察は全て、第2の出口面1113Bの開放されたときの流れ抵抗が、第1の出口面1113Aの開放されたときの流れ抵抗よりも小さいという本発明の一般的特徴の、
図9A~
図9Dの第1のシステム1001において具体化される、特定の実現形態の有効性、信頼性及び非複雑性を示す。これらの観察は全て、本明細書の概略的序説において先に説明されたことを更に例証する。そこでは、第1のカプセル1004Aの第1の出口面1113Aが、開放されたときの高い流れ抵抗との組み合わせでより小さな直径を有し、その一方で、第2のカプセル1004Bの第2の出口面1113Bが、開放されたときの低い流れ抵抗との組み合わせでより大きな直径を有するという事実が、なぜ、第2のカプセルの開放されたより大きな直径の第2の出口面の流れ抵抗が、第1のカプセルの開放されたより小さな直径の第1の出口面と同じであるか、又はそれよりも高くなるであろう状況と比べて、第1のカプセルだけでなく、第2のカプセルからも調製可能な様々な可能な飲料の改善された品質を一般的に得ることを可能にするのかを既に説明している。更なる説明のために、本明細書の上述の概略的序説に再び言及する。
【0083】
次に、本発明に係るシステムの第2の実施形態の一例としての「第2の」システム2001を示す、
図10A~
図10Dを参照する。
【0084】
図10A~
図10Dはそれぞれ
図9A~
図9Dと非常に似通って類似している。
図10A~
図10Dの第2のシステム2001は、
図9A~
図9Dの第1のシステム1001の第1のカプセル1004A及び第2のカプセル1004Bとそれぞれ同一である、第1のカプセル2004A及び第2のカプセル2004Bを有する。
図10A~
図10Dにおいて、
図9A~
図9Dの場合と同じ参照符号が用いられているが、このような参照符号の整数値が1000だけ増大されている場合には、これらの対応する参照符号は、第1のシステム1001及び第2のシステム2001の同様の相互に対応する部分に関連することに留意されたい。
【0085】
基本的に、第1のシステム1001と第2のシステム2001との間には、ただ1つの相違がある。即ち、
図10A~
図10Dの第2のシステム2001は、
図9A~
図9Dの第1のシステム1001の抽出プレート1030とは異なる、抽出プレート2030を有する。抽出プレート2030は、第1のタイプの第1のレリーフ要素2130及び第2のタイプの第2のレリーフ要素2131(
図10A、
図10C参照)を含む。第1のレリーフ要素2130は、第1の出口面2113Aに対応するエリア内に配置されており、第2のレリーフ要素2131は、第2の出口面2113Bに対応するエリア内、かつ第1の出口面2113Aに対応するエリアの外に配置されている。したがって、
図10Bにおいて、参照符号2313Bは、第2の出口面2113Bの第2の出口エリア2013B内の多数の裂け開口部を示す。これらの裂け開口部2313Bは、第2の出口面2113Bが抽出プレート2030の第2のレリーフ要素2131上で引き裂かれた結果である。
【0086】
図示の例では、第2のシステム2001の抽出プレート2030の第1のレリーフ要素2130の各々は、第1のシステム1001の抽出プレート1030のレリーフ要素1130のタイプと同一である。しかし、第2のレリーフ要素2131は、第1のレリーフ要素2130よりも鋭い縁部を有する。このより鋭い縁部のおかげで、第2の出口面2113Bは、第1のレリーフ要素2130上よりも早く第2のレリーフ要素2131上で引き裂かれることになる。換言すれば、第2の出口面2113Bは、その外側範囲内において、その内側範囲内よりも早く引き裂かることになる。これは、調製された飲料の品質のために好ましい、第2のカプセル2004Bの内側空間全体にわたってできるだけ一様に分散した抽出プロセスを得る目的に実質的に寄与する。
【0087】
次に、本発明に係るシステムの第3の実施形態の一例としての「第3の」システム3001を示す、
図11A~
図11Dを参照する。
【0088】
図10A~
図10Dと全く同じように、
図11A~
図11Dもまた、それぞれ
図9A~
図9Dと非常に似通って類似している。
図11A~
図11Dの第3のシステム3001は、
図9A~
図9Dの第1のシステム1001の第1のカプセル1004Aと同一である、第1のカプセル3004Aを有する。
図11A~
図11Dにおいて、
図9A~
図9Dの場合と同じ参照符号が用いられているが、このような参照符号の整数値が2000だけ増大されている場合には、これらの対応する参照符号は、第1のシステム1001及び第3のシステム3001の同様の相互に対応する部分に関連することに留意されたい。
【0089】
基本的に、第1のシステム1001と第3のシステム3001との間には、2つの相違がある。
【0090】
第1の相違は抽出プレートに関する。即ち、
図11A~
図11Dの第3のシステム3001は、
図9A~
図9Dの第1のシステム1001の抽出プレート1030と抽出プレートのレリーフ要素の数が異なる、抽出プレート3030を有する。実際に、第3のシステム3001のレリーフ要素3130の各々は第1のシステム1001のレリーフ要素のタイプ1130と同一であるが、第1のシステム1001のレリーフ要素1130のパターンと比べて、第3のシステム3001のレリーフ要素3130のパターンは、レリーフ要素のうちのいくつかの外周部のものを欠いている。例えば、
図9A及び
図9Cの各々において最も左側に示されるレリーフ要素1130、並びに
図9A及び
図9Cの各々において最も右側に示されるレリーフ要素1130は、
図11A及び
図11Cの各々においてレリーフ要素3130として存在しない。
【0091】
第2の相違は第2のカプセルに関する。即ち、
図11A~
図11Dの第3のシステム3001は、
図9A~
図9Dの第1のシステム1001の第2のカプセル1004Bと異なる、第2のカプセル3004Bを有する。第2のカプセル3004Bの第2の出口面3113Bは、
図11Aにおいてジグザグ線によって非常に概略的に示された、弱化された領域3413Bを含む。弱化された領域3413Bは、第2の出口面3113Bの周辺エリア内に配置されていることが見られる。したがって、
図11Bにおいて、参照符号3313Bは、第2の出口面3113Bの第2の出口エリア3013B内の多数の裂け開口部を示す。これらの裂け開口部3313Bは、第2の出口面3113Bが、(
図11Aにおいて指示される)弱化された領域3413Bにおいて引き裂かれた結果である。
【0092】
図12は、抽出プレート30の概略図を示す。抽出プレート30は、中央部分32及び周辺部分34を含む。本例では、抽出プレート30は複数のレリーフ要素124を含む。ここでは、中央部分32は第1のタイプの複数のレリーフ要素124Aを含む。ここでは、第1のタイプのレリーフ要素124Aは、実質的に正方形の基部を有する切頭角錐である。本例では、中央部分は25個の第1のタイプのレリーフ要素124Aを含む。ここでは、第1のタイプのレリーフ要素124Aは、行と列の形態で、ここでは、5つの行と5つの列の形態で構成されている。それゆえ、第1のタイプのレリーフ要素124Aは実質的に正方形のエリア124B内に構成されている。本例では、中央部分32は複数の第2のタイプのレリーフ要素124Cを含む。第2のタイプのレリーフ要素124Cは、実質的に正方形のエリア124Bの外側、例えば、実質的に円弓形のエリア124D内に位置付けられている。本例では、第2のタイプのレリーフ要素124Cは傾斜した上面124Eを有する。本例では、周辺部分34はレリーフ要素を含まない。
【0093】
一例では、第2のタイプのレリーフ要素124Cは、第1のタイプのレリーフ要素124Aよりも鋭い縁部を有するように構成されている。これは、第2のタイプのレリーフ要素124Cが、第1のタイプのレリーフ要素124Aと同じほど鋭い縁部を有するように構成されているときよりも、カプセル4A、4Bの出口エリア13A、13Bのより均一な穿孔をもたらすことが見出された。また、これは、実質的に正方形のエリア124Bの外側にあるレリーフ要素に出口エリア13A、13Bを穿孔させることも補助する。出口エリア13A、13Bの穿孔は、カプセル4A、4B内の流圧が出口エリア13A、13Bをレリーフ要素124A、124Cに対して押圧する効果の下で得られるように理解される。本明細書では、本発明を、本発明の実施形態の具体例を参照しつつ説明してきた。しかし、本発明の本質から逸脱することなく、様々な修正及び変更が行われ得ることは明らかであろう。明瞭さ及び簡潔な説明の目的のために、本明細書では同一又は別々の実施形態の一部として特徴を説明するが、これら別々の実施形態に記載の特徴の全部又は一部の組み合わせを有する代替実施形態も考えられる。
【0094】
この例では、抽出プレートの中央部分は、複数のレリーフ要素を含む。周辺部はレリーフ要素を含まない。しかし、周辺部分がレリーフ要素を含んでも良いことが理解されるであろう。抽出プレートと第2の出口エリアは、開放されたときの第2の出口エリアの流れ抵抗が、開放されたときの第1の出口エリアの流れ抵抗よりも小さくなるように互いに適合させることができる。抽出プレートと第2の出口エリアは、第2の出口エリアが第1の出口エリアよりも大きな表面積にわたって抽出プレート上で引き裂かれるように互いに適合させることができる。抽出プレートと第2の出口エリアは、第2の出口エリアが第1の出口エリアよりも多くの位置にて抽出プレート上で引き裂かれるように互いに適合させることができる。外側リリーフ要素は、第1及び第2の出口エリアの両方を引き裂くように設計してもよく、第2の出口エリアは、第1の出口エリアよりも大きな表面積にわたって外側のリリーフ要素に引き裂かれる。抽出プレートは、第1のタイプ及び第2のタイプの少なくとも1つのレリーフ要素を含むことができ、第1のタイプのレリーフ要素は、第1の出口エリアに対応するエリア内に構成され、第2のタイプの少なくとも1つのレリーフ要素は、第2の出口エリアに対応するエリア内であり、かつ第1の出口エリアに対応するエリアの外に構成される。第2のタイプのレリーフ要素は、第1のタイプのレリーフ要素よりも鋭い縁部を有してもよい。第2の出口エリアは弱化領域を含んでも良い。弱化領域は、第2の出口エリアの周辺エリアに配置してもよい。
【0095】
実施例では、第1及び第2のカプセルは実質的に同じ形状を有する。異なる形状を有する第3のカプセルを提供することも可能である。第3のカプセルは、例えば、中央部分が第1の淹出位置にあるとき、淹出チャンバを実質的に充填するように成形することができる。異なる形状を有する第4のカプセルを提供することも可能である。第4のカプセルは、例えば、中央部分が第2の淹出位置にあるとき、淹出チャンバを実質的に充填するように成形することができる。
【0096】
実施例では、第1のカプセルは外向きに延びるフランジ状のリムを有する。第1のカプセルは、外向きに延びるリムを含まなくても良いことが理解されよう。実施例では、第2のカプセルは、外向きに延びるフランジ状のリムを有する。第2のカプセルは、外向きに延びるリムを含まなくても良いことが理解されよう。
【0097】
実施例では、カプセル本体及び蓋は、本体への蓋の容易な溶接を可能にするために、アルミニウム箔、好ましくはポリマー被覆アルミニウム箔から作製されている。カプセル本体及び/又は蓋は、当業者によって適切であると考えられ、押出し、共押出し、射出成形、ブロー成形、などの当該分野で従来公知の技術を使用して、シート、フィルム又は箔に加工され得る多種多様な材料で作製され得ることが理解されよう。カプセル本体及び/又は蓋のための適切な材料としては、プラスチック材料、具体的には、熱可塑性材料、例えばポリオレフィンポリマー、例えばポリエチレン又はポリプロピレン、PVC、ポリエステル、例えばポリテレフタレート(PET)、アルミニウム、ステンレス鋼、金属合金などの金属箔、又は、紙、ポリエステルなどのような織布若しくは不織布若しくは他の方法で処理された繊維材料のシート、又はそれらの組み合わせ、例えば多層、が挙げられるが、これらに限定されない。カプセル用の材料は、生分解性ポリマー又は他の生分解性材料であり得る。当業者は、カプセルの使用中の食品材料との想定される使用及び他の関連する状況を考慮して、適切な材料を選択することができるであろう。シート又は箔の厚さは、形状安定なカプセルが提供されるように選択され得る。シート又は箔の厚さは材料の性質によって変わり得る。
【0098】
実施例では、カプセルは密閉カプセルである。システムに開放カプセルを設けることも可能である。開放カプセルは装置への挿入前に開放されている。開放カプセルは予め穿孔することができる。開放カプセルは、開放カプセルを装置に挿入する前に取り出す必要がある気密封止パッケージに包装することができる。実施例では、カプセルは穿孔手段によって穿孔される。穿孔手段によって穿孔されていないカプセルをシステムに設けることも可能である。そのようなカプセルは、例えば入口フィルタを含むことができる。実施例では、カプセルは抽出プレートに対して開放する。抽出プレートに対して開放しないカプセルをシステムに設けることも可能である。そのようなカプセルは、例えば出口フィルタを含む。
【0099】
実施例では、カプセル自体は封止部材を含まない。カプセルに封止部材、例えば弾性封止部材を設けることが可能であるが理解されよう。封止部材は、リム上に、例えばカップ形状本体の方を向いている側に、又はカップ形状本体とは反対の側に例えば配置することができる。あるいは又は更に、封止部材を周壁及び/又は底部に設けることができる。
【0100】
実施例では、拘束リング及びリテーナは、第1及び第2の淹出チャンバ部分のほぼ全周に沿って延びる。これにより、2つの淹出チャンバ部分を互いに良好にロックすることができる。しかし、拘束リング及びリテーナが、周囲に沿った1つ以上の別々の位置、例えば2つ、3つ、4つ、6つ又は8つの位置に、拘束手段及び保持手段を含むことも可能であることが理解されよう。
【0101】
第1のカプセルを使用して飲料を淹出することができるが、第2のカプセルを使用しては飲料を淹出することができないように構成されている第1の装置を提供することも可能であることが理解されよう。そのような第1の装置は、図面及び第1のカプセル及び任意選択で第2のカプセルに関連して記載された装置を有するシステムに含むことができる。
【0102】
第2のカプセルを使用して飲料を淹出することができるが、第1のカプセルを使用しては飲料を淹出することができないように構成されている第2の装置を提供することも可能であることが理解されよう。そのような第2の装置は、図面及び第2のカプセル及び任意選択で第1のカプセルに関連して記載された装置を有するシステムに含むことができる。
【0103】
しかしながら、他の修正、変形、及び代替物も可能である。したがって、明細書、図面及び実施例は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきである。
【0104】
明確にするために、また簡潔な説明のために、特徴は同一又は別々の実施形態の一部として本明細書に記載されているが、本発明の範囲は説明した特徴の全部又は一部の組み合わせを有する実施形態を含み得る。
【0105】
請求項において、括弧内に配置されたいかなる参照符号も請求項を限定するものとしては構成されない。「含む、備える(comprising)」という言葉は、請求項に記載されたもの以外の他の特徴又はステップの存在を排除するものではない。更に、単語「a」及び「an」は、「ただ1つ」に限定されると解釈されるべきではなく、代わりに「少なくとも1つ」を意味するために使用され、複数を除外しない。特定の手段が互いに異なる請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。