(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】4つの削孔体を備えたボーリング機械
(51)【国際特許分類】
E02F 5/02 20060101AFI20220608BHJP
E02F 5/08 20060101ALI20220608BHJP
E02D 5/20 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
E02F5/02 N
E02F5/08 A
E02D5/20 102
(21)【出願番号】P 2019531742
(86)(22)【出願日】2017-12-13
(86)【国際出願番号】 FR2017053532
(87)【国際公開番号】W WO2018109370
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-07-20
(32)【優先日】2016-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】509167338
【氏名又は名称】ソレタンシュ フレシネ
【氏名又は名称原語表記】SOLETANCHE FREYSSINET
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルナシンスキ、レジス
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス、パスカル
(72)【発明者】
【氏名】クードリー、ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ステフ ド ヴェルニナク、ベルトラン
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-190516(JP,A)
【文献】特開2003-171952(JP,A)
【文献】特開平10-331187(JP,A)
【文献】国際公開第2012/167170(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2009/0165338(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 5/02
E02F 5/08
E02D 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌(S)に溝(T)を作製するボーリング機械(10、300)であって、長手方向(A)に沿って延在するフレーム(12、312)を備え、該フレーム(12、312)が下端部(12a、312a)を有し、該フレーム(12、312)の下端部(12a、312a)に
取り外し可能な形で装着された削孔装置(20、320)を有し、該削孔装置(20、320)が、
該フレーム(12)の長手方向(A)に対して横断方向である第1の回転軸(X1)を中心にして回転可能な、第1の削孔部材(30)と、
該第1の回転軸(X1)を中心にした該第1の削孔部材(30)の回転を駆動するように構成された、第1のモータ(32)と、
該第1の回転軸(X1)に対して固定である第2の回転軸(X2)を中心にして回転可能な、第2の削孔部材(50)と、
該第2の回転軸(X2)を中心にして回転する該第2の削孔部材を駆動するように構成された、第2のモータ(52)と、
該第1の回転軸(X1)から離隔され、該第1の回転軸(X1)に対して平行である第3の回転軸(X3)を中心にして回転可能な、第3の削孔部材(60)と、
該第3の回転軸(X3)を中心にして回転する該第3の削孔部材(60)を駆動するように構成された、第3のモータ(62)と、
該第1、第2、および第3の回転軸(X1、X2、X3)に対して固定である第4の回転軸(X4)を中心にして回転可能である、第4の削孔部材(70)であって、該第1および第3の回転軸が、該第2および第4の回転軸(X2、X4)を含む第2の面(P2)に対して固定である第1の面(P1)内にある、第4の削孔部材(70)と、
該第4の回転軸(X4)を中心にして回転する該第4の削孔部材(70)を駆動するように構成された、第4のモータ(74)とを備え
、
前記第1、第2、第3、および第4のモータ(32、52、62、および72)が油圧式であり、
前記削孔装置(20)が、前記フレームの前記下端部に取り外し可能に装着されると共に、前記第1、第2、第3、および第4の削孔部材(30、50、60、および70)を、前記第1、第2、第3、および第4のモータ(32、52、62、および72)と共に担持する、支持体(40)を含み、
前記ボーリング機械が、前記第1、第2、第3、および第4のモータを互いに独立して制御する、制御部材(100)を更に備え、前記制御部材が、前記第1、第2、第3、および第4のモータそれぞれに送達される油圧動力を調節するように構成され、
前記ボーリング機械が、少なくとも第1の油圧回路(110、1100)を更に備え、該第1の油圧回路が、
第1の主要油圧ポンプ(112、1120)と、
該第1の主要油圧ポンプに接続された第1の分配部材(114、1140)であって、前記第1、第2、第3、および第4のモータから選択された第1の群の2つのモータ(32、52)に動力供給する、第1の分配部材(114、1140)とを備え、
前記削孔装置(20、20’)が前記第1の分配部材(114、1140)を含む、ボーリング機械。
【請求項2】
前記第2の削孔部材(50)が前記第1の削孔部材(30)に対して回転するのに適していることを特徴とする、請求項1記載のボーリング機械。
【請求項3】
前記第4の削孔部材(70)が前記第3の削孔部材(60)に対して回転するのに適していることを特徴とする、請求項1または2記載のボーリング機械。
【請求項4】
前記支持体が、前記第1、第2、第3、および第4の削孔部材と、前記第1、第2、第3、および第4のモータとが装着されるプレート(41)を備える、請求項
1から3のいずれか一項記載のボーリング機械。
【請求項5】
前記第1、第2、第3、および第4の回転軸(X1、X2、X3、およびX4)が、実質的に、前記フレームの前記長手方向に対して横断方向の共通の面(Q)内にあることを特徴とする、請求項1から
4のいずれか一項記載のボーリング機械。
【請求項6】
前記第1、第2、第3、および第4のモータ(32、52、62、および72)がそれぞれ、前記第1、第2、第3、および第4の削孔部材(30、50、60、および70)に収容される、請求項1から
5のいずれか一項記載のボーリング機械。
【請求項7】
前記第1、第2、第3、および第4の削孔部材がそれぞれ、第1、第2、第3、および第4のドラム対(34、54、64、および74)を備え、該第1、第2、第3、および第4のドラム対がそれぞれ、第1、第2、第3、および第4の一連のカッター歯(36、56、66、76)を備える、請求項1から
6のいずれか一項記載のボーリング機械。
【請求項8】
前記第1および第2の回転軸(X1、X2)が同一線上にあり、前記第3および第4の回転軸(X3、X4)が同一線上にある、請求項1から
7のいずれか一項記載のボーリング機械。
【請求項9】
前記第2および第4の削孔部材(50および70)の直径(D3、D4)が、前記第1および第3の削孔部材(30および60)の直径(D1、D3)よりも大きい、請求項1から
8のいずれか一項記載のボーリング機械。
【請求項10】
前記第2および第4の回転軸(X2、X4)の間の距離が、前記第1および第3の回転軸(X1、X3)の間の距離よりも長い、請求項
9記載のボーリング機械。
【請求項11】
前記第2および第4の一連の歯の径方向高さが、前記第1および第3の一連の歯の径方向高さよりも高い、請求項
7および
9または
10記載のボーリング機械。
【請求項12】
前記第1の削孔部材(30)が第1および第2のドラム(34aおよび34b)を備え、前記第2の削孔部材(50)が第3および第4のドラム(54a、54b)を備え、前記第1の回転軸に対して平行な方向で考えられる該第2および第3のドラム(34bおよび54a)の間の最小距離(d)が5cm未満である、請求項1から
11のいずれか一項記載のボーリング機械。
【請求項13】
前記制御部材(100)が、前記第1、第2、第3、および第4のモータ(32、52、62、72)の回転速度および/または回転方向を、互いに独立して制御するように構成されたことを特徴とする、請求項
1から12のいずれか一項記載のボーリング機械。
【請求項14】
前記第1の分配部材(114)が、
前記第1の主要油圧ポンプ(112)によって動力供給される第1の主要油圧モータ(116)と、
該第1の主要油圧モータ(116)によって作動させられ、前記第1の群の2つのモータのうち一方に動力供給する、第1の補助油圧ポンプ(118)と、
該第1の主要油圧モータ(116)によって作動させられ、前記第1の群の2つのモータのうち他方に動力供給する、第2の補助油圧ポンプ(120)とを備える、請求項
1から13のいずれか一項記載のボーリング機械。
【請求項15】
前記第1の分配部材(1140)が、前記第1の主要油圧ポンプ(1120)に、また前記第1の群のモータのうち少なくとも一方に接続された、第1の油圧接合部(1150)と、前記第1の主要油圧ポンプ(1120)に、また前記第1の群のモータのうち少なくとも他方に接続された、第2の油圧接合部(1170)とを備える、請求項
1から13のいずれか一項記載のボーリング機械。
【請求項16】
第2の油圧回路(130、1300)を更に備え、該第2の油圧回路が、
第2の主要油圧ポンプ(132、1320)と、
該第2の主要油圧ポンプ(132、1320)に接続された第2の分配部材(134、1340)であって、前記第1、第2、第3、および第4のモータから選択された、前記第1の群とは異なる第2の群の2つのモータ(62、72)に動力供給する、第2の分配部材(134、1340)とを備えることを特徴とする、請求項
1から
15のいずれか一項記載のボーリング機械。
【請求項17】
前記削孔装置(20)が前記第2の分配部材(134、1340)を含むことを特徴とする、請求項
16記載のボーリング機械。
【請求項18】
前記ボーリング機械がカッター(10)であり、前記第1、第2、第3、および第4の削孔部材がカッター歯(36、56、66、および76)を有することを特徴とする、請求項1から
17のいずれか一項記載のボーリング機械。
【請求項19】
前記ボーリング機械がボーリングおよび混合機械(300)であり、前記第1、第2、第3、および第4の削孔部材が混合工具(333)を備えることを特徴とする、請求項1から
17のいずれか一項記載のボーリング機械。
【請求項20】
前記フレーム(312)が長手方向バー(313)によって構成され、前記機械が、マスト(315)と、該マストに沿って移動可能なキャリッジ(317)とを更に備え、該キャリッジが該長手方向バーに締結されたことを特徴とする、請求項
19記載のボーリング機械。
【請求項21】
請求項1から
20のいずれか一項によるボーリング機械を使用することによって、土壌中に連壁を作製する方法。
【請求項22】
連壁が円形である、請求項
9から
11のいずれか一項によるボーリング機械を使用することによって、請求項
21による連壁を作製する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面に溝を作製する分野に関し、特に、シーリング・スクリーンを支持もしくは形成する連壁を製造する分野、杭もしくは「バレット」を製造する分野、または更に、「土壌混合」として知られる、掘削されている土壌を流体と現場で混合する技法によって溝を製造する分野に関する。
【0002】
より正確には、本発明は、厚さのある壁要素を作製するボーリング機械に関する。
【0003】
既存の工具は一般に、一対のカッター部材を備え、各カッター部材は一対のドラムを備え、それらのドラムは、2つのドラムそれぞれに収容された油圧モータによる回転で駆動される。ドラムは、フレームの下端部に載置された支持体上で片持ち支持される。
【背景技術】
【0004】
厚さのある溝を作製するために、500ミリメートル(mm)~1000mm程度の、相当な軸線方向長さを示すドラムを利用することが知られている。厚さは、ドラムの軸線方向に沿って考えられるものと理解することができる。
【0005】
いずれにせよ、かかる構成は、ドラムのかなりの軸線方向長さが長く張り出して片持ち支持されるので、破断のリスクをもたらす。
【0006】
更に、ドラムおよびモータは一般に中央パネルによって担持される。ドラムの軸線方向長さが長い場合、中央パネルの厚さを厚くする必要がある。欠点は、中央パネルの下方に位置する部分は掘削することができないため、破壊するのに時間が掛かり、また追加の工具を必要とする、大きな段差が生じることである。
【0007】
また、ドラムの軸線方向長さが長いほど、削孔経路を制御するのがより困難になることが知られており、それが既知の構成の別の欠点となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、厚さのある孔を作製し、上述の欠点を改善することができる、ボーリング機械を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本発明は、土壌に溝を作製するボーリング機械であって、長手方向に沿って延在するフレームを備え、前記フレームが下端部を有し、フレームの下端部に装着された削孔装置を有する機械を提供するものであり、削孔装置は、
フレームの長手方向に対して横断方向である第1の回転軸を中心にして回転可能な、第1の削孔部材と、
第1の回転軸を中心にした第1の削孔部材の回転を駆動するように構成された、第1のモータと、
第1の回転軸に対して固定である第2の回転軸を中心にして回転可能な、第2の削孔部材と、
第2の回転軸を中心にして回転する第2の削孔部材の回転を駆動するように構成された、第2のモータと、
第1の回転軸から離隔され、第1の回転軸に対して平行である第3の回転軸を中心にして回転可能な、第3の削孔部材と、
第3の回転軸を中心にして回転する第3の削孔部材を駆動するように構成された、第3のモータと、
第1、第2、および第3の回転軸に対して固定である第4の回転軸を中心にして回転可能である、第4の削孔部材であって、第1および第3の回転軸が、第2および第4の回転軸を含む第2の面に対して固定である第1の面内にある、第4の削孔部材と、
第4の回転軸を中心にして回転する第4の削孔部材を駆動するように構成された、第4のモータとを備える。
【0010】
したがって、本発明の機械には、少なくとも4つのカッター部材および4つのモータが嵌合され、それにより、ドラムを駆動するシャフトに掛かる力が低減され、張り出しが低減される。
【0011】
また、この構成により、モータ対を担持する中央パネルの厚さを低減することが可能になって、従来技術の機械を使用した場合に生じる単一の大きい隆起よりも簡単に破断し除去することができる、2つの小さい隆起が作られるという効果がある。
【0012】
有利には、第2の削孔部材は第1の削孔部材に対して回転するのに適している。第2の削孔部材は、第1の削孔部材と同じ方向で、または反対方向で回転できるものと理解することができる。
【0013】
更に、第4の削孔部材は、有利には、第3の削孔部材に対して回転するのに適している。第3の削孔部材は、第4の削孔部材と同じ方向で、または反対方向で回転できるものと理解することができる。
【0014】
第1および第2のモータ間(または場合によっては、第3および第4のモータ間)での、この回転方向の反転は、特に、非常に固い地面の削孔を容易にするのに役立つ。
【0015】
更に、独立した形で制御することができる4つのモータが存在することで、削孔経路を制御するのがより簡単になる。
【0016】
モータそれぞれの回転速度に作用することによって、操作者は、捻じれがあった場合にそれを補正するために、機械を水平面内で旋回させることができる。
【0017】
1つの有利な実施形態では、削孔装置は、フレームの下端部に装着され、第1、第2、第3、および第4の削孔部材を、第1、第2、第3、および第4のモータと共に担持する、支持体を含む。
【0018】
変形例では、支持体はフレームに取外し可能に装着される。
【0019】
好ましくは、必須ではないが、各削孔部材はパネルに回転可能に装着され、パネル自体は、フレームに接続された支持装置に装着される。パネルは、分離可能な形で、例えば横方向のダブテール連結システムを用いて、支持体に装着されてもよい。
【0020】
好ましい形では、支持体は、第1、第2、第3、および第4の削孔部材と、第1、第2、第3、および第4のモータとが装着される、プレートを備える。
【0021】
1つの好ましい実施形態では、プレートは、削孔部材が回転可能に装着されるパネルを担持する。
【0022】
有利には、支持体と、第1、第2、第3、および第4の削孔部材とによって構成されるアセンブリは、フレームの下端部に対してヒンジで取り付けられる。このヒンジによって削孔装置を操縦することができ、それによって削孔経路を補正しやすくなる。
【0023】
好ましくは、第1、第2、第3、および第4の回転軸は、実質的に、フレームの長手方向に対して横断方向の共通の面内にある。
【0024】
有利には、第1、第2、第3、および第4のモータはそれぞれ、第1、第2、第3、および第4の削孔部材内に収容される。
【0025】
1つの好ましい実施形態では、第1、第2、第3、および第4の削孔部材はそれぞれ、第1、第2、第3、および第4のドラム対を備え、第1、第2、第3、および第4のドラム対はそれぞれ、第1、第2、第3、および第4の一連のカッター歯を備える。
【0026】
有利には、第1および第2の回転軸は同一線上にあり、第3および第4の回転軸は同一線上にある。
【0027】
別の有利な実施形態では、第2および第4の削孔部材の直径は第1および第3の削孔部材の直径よりも大きい。
【0028】
この特定の配置によって、実質的に台形の水平断面の溝を削孔することが可能になる。利点は、連続する台形パネルで構成された、曲線状の壁、特に円形壁、例えば円形の連壁を作製しやすくなることである。
【0029】
好ましくは、第2および第4の回転軸の間の距離は、第1および第3の回転軸の間の距離よりも長い。利点は、第1および第3の削孔部材よりも大きい直径の、第2および第4の削孔部材を位置付けるのがより簡単になることである。
【0030】
また、好ましくは、第2および第4の一連の歯の径方向高さは、第1および第3の一連の歯の径方向高さよりも高い。
【0031】
利点は、溝の水平断面の台形形状が洗練されることであり、それによって、壁の円形形状が改善するという効果がある。
【0032】
非限定例として、本発明の機械は、2つの台形の一次パネルを作製するために、互いから離隔された2つの一次孔を作製するのに使用することができ、その後、2つの一次パネルの間に二次孔が作製されて、2つの一次パネルを共に接合する二次パネルが作製され、円形壁が得られるまでそれが続けられる。
【0033】
有利には、第1の削孔部材は第1および第2のドラムを備え、第2の削孔部材は第3および第4のドラムを備え、第1の回転軸に対して平行な方向で考えられる第2および第3のドラムの間の最小距離は、5センチメートル(cm)未満である。
【0034】
第2および第3のドラムの間のこの小さい距離は、第1および第2の削孔部材の間に大きい隆起が生じるのを回避するのに役立つ。
【0035】
別の有利な態様によれば、機械は、第1、第2、第3、および第4のモータを互いに独立して制御する、制御部材を更に備える。
【0036】
したがって、本発明により、第1、第2、第3、および第4の削孔部材を互いに独立して制御することが可能になる。利点は、4つの削孔部材によって構成される切断面の下方に土壌が位置する構成に、機械の動作を適合させられることである。具体的には、本発明の機械の切断面は面積が大きいと仮定すると、土壌は一般に、切断面の面積全体にわたって均一ではないものと理解することができる。本発明により、各削孔部材を別個の方式で制御することによって、切断面の下方にある土壌の潜在的な不均一性に適合させることが可能になる。
【0037】
別の利点は、削孔されている溝内における削孔装置およびフレームの位置を修正でき、それによって削孔経路の潜在的な屈折を補正するのが可能になることである。
【0038】
更に別の利点は、削孔装置全体にわたって切断効果を分配することである。
【0039】
好ましくは、制御部材は、第1、第2、第3、および第4のモータの回転速度および/または回転方向を、互いに独立して制御するように構成される。
【0040】
したがって、複数の動作の組み合わせが可能になる。したがって、削孔装置を水平面内で並進させるか、あるいは実際に垂直軸線を中心にして一方向または逆方向で枢動させることが可能になる。
【0041】
有利には、第1、第2、第3、および第4のモータは油圧式であり、制御部材は、第1、第2、第3、および第4のモータそれぞれに送達される油圧動力を調節するように構成される。
【0042】
また、有利には、本発明のボーリング機械は、少なくとも第1の油圧回路を更に備え、第1の油圧回路は、
第1の主要油圧ポンプと、
第1の主要油圧ポンプに接続された第1の分配部材であって、第1、第2、第3、および第4のモータから選択された第1の群の2つのモータに動力供給する、第1の分配部材とを備える。
【0043】
好ましい形では、削孔装置は第1の分配部材を含む。変形例では、第1の分配部材はフレーム内に配置されてもよい。
【0044】
したがって、第1の分配部材は、好ましくは、削孔部材に近い、フレームの下端部に載置されるように設計されるものと理解することができる。
【0045】
利点は、油圧ホースの数が増加することが回避されることであり、したがって、本発明の削孔装置を、最初は2つの削孔部材向けに設計された従来のフレーム上に装着することができるようになることである。
【0046】
別の利点は、特に、圧力下にある油圧ホースの変形による、または上流の水頭喪失による悪影響がないので、モータの近くの流量の制御がより敏感なことである。
【0047】
第1の実施形態では、第1の分配部材は、
第1の主要油圧ポンプによって動力供給される第1の主要油圧モータと、
前記第1の主要油圧モータによって作動させられ、第1の群の2つのモータのうち一方に動力供給する、第1の補助油圧ポンプと、
前記第1の主要油圧モータによって作動させられ、第1の群の2つのモータのうち他方に動力供給する、第2の補助油圧ポンプとを備える。
【0048】
第2の実施形態では、第1の分配部材は、第1の主要油圧ポンプに、また第1の群のモータのうち少なくとも一方に接続された、第1の油圧接合部(hydraulic junction)と、第1の主要油圧ポンプに、また第1の群のモータのうち少なくとも他方に接続された、第2の油圧接合部とを備える。
【0049】
有利には、本発明のボーリング機械はまた、制御部材に接続された第2の油圧回路を含み、第2の油圧回路は、第1の油圧回路から離れており、
第2の主要油圧ポンプと、
第2の主要油圧ポンプに接続された第2の分配部材であって、第1、第2、第3、および第4のモータから選択された、第1の群とは異なる第2の群の2つのモータに動力供給する、第2の分配部材とを備える。
【0050】
好ましい形では、削孔装置は第2の分配部材を含む。変形例では、第2の分配部材はフレーム内に配置されてもよい。
【0051】
第1の実施形態では、前記ボーリング機械はカッターであり、第1、第2、第3、および第4の削孔部材はカッター工具を備える。
【0052】
第2の実施形態では、前記機械は削孔および混合機械であり、第1、第2、第3、および第4の削孔部材は混合工具を備える。
【0053】
好ましくは、第2の実施形態では、フレームは、長手方向のバーによって構成され、前記機械は、マストと、マストに沿って移動可能なキャリッジとを更に備え、キャリッジは長手方向のバーに締結される。
【0054】
したがって、本発明のボーリング機械は、有利には、掘削した土壌を現場で結合剤と混合する方法を実施するのに使用することができ、その方法は、「土壌混合」方法として知られている。
【0055】
本発明はまた、本発明のボーリング機械を使用することによって、土壌中に連壁を作製する方法を提供する。
【0056】
最後に、本発明は、本発明のボーリング機械を使用することによって、円形の連壁を作製する方法を提供する。その目的のため、第2および第4の削孔部材の直径が第1および第3の削孔部材の直径よりも大きい、上述した削孔装置の変形例が利用される。
【0057】
本発明は、非限定例として与えられる本発明の実施形態の以下の説明を読むことにより、また添付図面を参照して、より良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】第1の実施形態の削孔装置が嵌合される、本発明のボーリング機械の一実施形態を示す斜視図である。
【
図4】
図1の機械の削孔装置を下方から見た図である。
【
図5】削孔装置が取外し可能、かつフレームに対して枢動可能に装着された、
図1のボーリング機械の変形例を示す図である。
【
図6】第2および第4の削孔部材の直径が第1および第3の削孔部材の直径よりも大きい、
図4の削孔装置の変形例を示す図である。
【
図7】
図6の削孔装置が嵌合されたボーリング機械を用いて作製された、円形の連壁を示す図である。
【
図8】削孔装置を制御する制御部材を示す図である。
【
図9】
図1の機械の削孔装置を制御する油圧回路の第1の実施形態を示す図である。
【
図10】
図1の機械の削孔装置を制御する油圧回路の第2の実施形態を示す図である。
【
図11】掘削された土壌を結合剤と混合する能力を有する、本発明のボーリング機械の別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1~4を参照して、土壌Sに溝Tを作製するボーリング機械10の、具体的にはカッターの、第1の実施形態について以下に記載する。ボーリング機械10は、長手方向Aに延在するフレーム12を備える。この例では、長手方向Aは垂直方向である。フレーム12は、下端部12aと、一対の支持ケーブル14に接続された上端部12bとを示す。既知の形では、支持ケーブルは、キャリアのマストの上端部(図示なし)から吊り下げられる。
【0060】
本発明のボーリング機械10はまた、フレーム12の下端部12aに装着された削孔装置20を有する。
【0061】
図1の例では、削孔装置20は、取外し可能な形で、フレーム12の下端部12aに装着される。取外し可能な装着システムについては、更に詳細に後述する。
【0062】
いずれにせよ、本発明の権限範囲を超えることなく、削孔装置をフレーム12と一体的に作製することができる。
【0063】
本発明によれば、ボーリング機械10は4つの回転削孔部材を有する。
【0064】
より正確には、削孔装置は、第1の回転軸X1を中心にして回転可能な第1の削孔部材30を有する。
図1~3から分かるように、第1の回転軸X1は、フレーム12の長手方向Aに対して横断方向である。
【0065】
削孔装置20はまた、第1の回転軸X1を中心にした第1の削孔部材30の回転を駆動するように構成された、第1のモータ32を有する。図示される例では、第1のモータ32は第1の削孔部材30内に収容される。この例では、モータ32は、更に詳細に後述する油圧回路によって動力供給される油圧モータである。
【0066】
この実施形態では、第1の削孔部材は、第1の一連のカッター歯36を備えた、第1のドラム34aおよび第2のドラム34bを備える第1の対のドラムを有する。
図1~3の例では、第1の一連のカッター歯36は同じ径方向高さを示していることが分かる。
【0067】
削孔装置20はまた、非限定例ではプレート41の形状を示す、支持体40を有する。第1の削孔部材20は、支持体によって、より正確には、この例ではプレート41によって担持される。より正確には、第1および第2のドラム34aおよび34b、ならびにモータ32も、支持体のプレート41の下方に装着され、第1の回転軸X1に対して横断方向で延在する、第1のパネル38によって保持される。
【0068】
削孔装置20はまた、第1の回転軸X1に対して固定である第2の回転軸X2を中心にして回転可能な、第2の削孔部材50を有する。この実施形態では、第1および第2の回転軸X1およびX2は同一線上にある。
【0069】
それに加えて、第2の削孔部材50は第1の削孔部材30に対して回転するのに適している。結果的に、第1および第2の削孔部材30および50は、同じ方向で、反対方向で、また同一のもしくは異なる速度で回転してもよい。
【0070】
第2の削孔部材は、第3および第4のドラム54aおよび54bを備える、第2のドラム対52を有する。
【0071】
第3および第4のドラム54aおよび54bには、第2の一連のカッター歯56が嵌合される。この例では、第2の一連のカッター歯56は、第1の一連のカッター歯36と同じ径方向高さを示す。
【0072】
第2の削孔部材50はまた、第2の回転軸X2を中心にして回転する第2の削孔部材50を駆動するように構成された、第2のモータ52を有する。
【0073】
第1の削孔部材30のように、第2のモータ52は同様に第2の削孔部材50に収容される。第2のモータ52は、更に詳細に後述する、油圧回路によって動力供給される油圧モータである。
【0074】
第1の削孔部材20と同じく、第2の削孔部材は支持体40によって、より正確には、この例ではプレート41によって担持される。
【0075】
第2のモータ52は、第3および第4のドラム54aおよび54bと共に、支持体40の下方に装着され、第2の回転軸X2に対して横断方向で延在する、第2のパネル58によって保持される。また、第1および第2のパネル38および58は、互いに対して固定であるものと理解することができる。
【0076】
下方から見た
図2の削孔装置20を示す
図4の例では、第1の回転軸X1に対して平行な方向で考えたときの、第2および第3のドラム34bおよび54aの間の最小距離dは、5cm未満である。この最小距離dは、第1および第2の一連の歯の傾斜したカッター歯36aおよび56aの間で測定される。
【0077】
削孔装置はまた、
図4に示されるように、第1の回転軸X1から離隔されると共にそれに対して平行な、第3の軸X3を中心にして回転可能である、第3の削孔部材60を有する。第1および第3の回転軸X1およびX3は、フレーム12の長手方向Aに対して直交する、第1の面P1内にあるものと理解することができる。
【0078】
第3の削孔部材60は、第1および第2の削孔部材30および50に対して同じ方向で、または反対方向で回転するのに適している。
【0079】
この目的のため、第3の削孔部材60は、第3のモータ62によって、第3の回転軸X3を中心にして回転する駆動される。この第3のモータ62は、第3の削孔部材60に収容され、第3のドラム対64の回転を駆動するのに役立つ。第3のドラム対64は、同様に、第1のパネルと同様の第3のパネル68を用いて、支持体40のプレート41の下方に装着される。
【0080】
第3のドラム対64には、この例では、第1および第2の一連のカッター歯と同じ径方向高さを示す、第3の一連のカッター歯66が嵌合される。
【0081】
削孔装置はまた、第4の回転軸X4を中心にして回転可能な第4の削孔部材70を有する。第3および第4の回転軸X3およびX4は同一線上にある。第4の回転軸X4は、第1、第2、および第3の回転軸X1、X2、およびX3に対して固定である。更に、第2および第4の回転軸X2およびX4は、この例では垂直である、フレームの長手方向Aに直交する、第2の面P2内にある。
図1~4の例では、第1および第3の面P1およびP2は同一面内にある。更にこの例では、第1、第2、第3、および第4の回転軸X1、X2、X3、およびX4は共通の面Q内にある。
【0082】
第4の削孔部材70は、第1、第2、および第3の削孔部材に対して回転するのに適している。
【0083】
削孔装置20はまた、第4の回転軸を中心にして回転する第4の削孔部材70を駆動するように構成された、第4のモータ72を有する。この第4のモータ72は、第4の削孔部材に収容され、後述するように、油圧回路によって動力供給される。第4の削孔部材70は、第4の一連のカッター歯76が嵌合される、第4のドラム対74を有する。この例では、第4の一連のカッター歯の径方向高さは、第1、第2、および第3の一連の歯の径方向高さに等しい。
【0084】
第4の削孔部材70も、支持体40によって、より正確には、この例ではプレート41によって担持される。より正確には、第4のドラム対および第4のモータ72は、支持体のプレート41の下方に装着され、第4の回転軸X4に対して横断方向で延在する、第4のパネル78によって保持される。
【0085】
したがって、フレーム12の下端部12aに装着された支持体40は、第1、第2、第3、および第4の削孔部材30、50、60、および70を、第1、第2、第3、および第4のモータ32、52、62、および72と共に担持するものと理解することができる。
【0086】
更に、第1、第2、第3、および第4の削孔部材30、50、60、および70、ならびに第1、第2、第3、および第4のモータ32、52、62、および72も、プレート41の下方に装着される。
【0087】
第1、第2、第3、および第4の削孔部材30、50、60、および70は、好ましくは、取外し可能な形でプレート41の下方に装着される。この目的のため、削孔装置の支持体40は、削孔部材を横方向で、即ち第1の回転軸X1に対して平行な方向で装着できるようにする、ダブテール式のシステム(図示なし)を有する。
【0088】
支持体40と、第1、第2、第3、および第4の削孔部材30、50、60、および70とによって構成されるアセンブリEはまた、フレームの下端部12aに対してヒンジで取り付けられる。この目的のため、
図5に示されるように、フレームは、その下端部12aに、長手方向Aに対して、また第1の回転軸X1に対して直交する、枢動軸Yを中心にして枢動するように装着されたヒンジ92を介して、フレームの本体12cに接続された、締結具スラブ90を有する。この例では、枢動は、フレームの本体12cと締結具スラブ90との間に配置された、アクチュエータ94を用いて実施される。
【0089】
また、
図5から、ボーリング機械は、削孔装置20を締結具スラブ90に解放可能に装着できるようにする、解放可能な固定手段99を有することが分かる。
【0090】
例として、解放可能な固定手段99は、FR2856088に記載されているものであってもよい。
【0091】
図6は、実質的に台形形状の、または少なくとも長方形以外の形状の溝を作製するのに役立つ、本発明の削孔装置20’の別の実施形態を示している。
【0092】
図6に示される削孔装置20’は、第2および第4の削孔部材50および70の直径D2およびD4が、第1および第3の削孔部材30および70の直径D1およびD3よりも大きいという事実によって、
図4の削孔装置20とは異なる。
【0093】
この直径の違いは、第2および第4の一連の歯56’および76’の径方向高さH2およびH4が、第1および第3の一連の歯36’および66’の径方向高さH1およびH3よりも高いことによって得られる。換言すれば、この例では、4つの削孔部材のドラムの直径は同一であるが、第2および第4の削孔部材のカッター歯の径方向高さは、第1および第3の削孔部材の径方向高さよりも高い。図示されない変形例では、第2および第4の削孔部材のドラムの直径は、第1および第3の削孔部材のドラムの直径と異なることができる。
【0094】
この例では、また、第1および第2の回転軸X1およびX2は同一線上にないことが分かる。同様に、第3および第4の回転軸X3およびX4は同一線上にない。
【0095】
削孔装置20’の有利な構成によって、溝T’を、
図7に示されるような、実質的に台形の形状で作製することができるようになる。溝T’を並置することによって、連続する壁を、例えば、実質的に円形または環状の形状を有する連壁Cを設けることが簡単になる。
【0096】
ボーリング機械10はまた、第1、第2、第3、および第4のモータ32、52、62、および72を互いに独立して制御する、制御部材100を有する。特に、制御部材100は、第1、第2、第3、および第4のモータ32、52、62、72の回転速度および/または回転方向を、互いに独立して制御するように構成される。
【0097】
これを行うため、制御部材100は、第1、第2、第3、および第4の油圧モータ32、52、62、および72それぞれに送達される、油圧動力を調節するように構成される。
【0098】
制御部材100は少なくとも第1の油圧回路110を備え、第1の油圧回路は、
第1の主要油圧ポンプ112と、
この例では第1および第2の油圧モータ32および52によって構成される、第1のモータ群に供給する、第1の分配部材114とを備える。
【0099】
図9から理解できるように、削孔装置20は第1の分配部材114を含む。
【0100】
換言すれば、削孔装置は、第1および第2の油圧モータ32および52だけではなく、第1の分配部材114も含む。
【0101】
第1の分配部材114は、
第1の主要油圧ポンプ112によって動力供給される第1の主要油圧モータ116と、
第1の主要油圧モータ116によって作動させられ、第1の油圧モータ32に動力供給する、第1の補助油圧ポンプ118と、
第1の主要油圧モータ116によって作動させられ、第2の油圧モータ52に動力供給する、第2の補助油圧ポンプ120とを備える。
【0102】
ボーリング機械はまた、第2の油圧回路130を有し、第2の油圧回路は、
第2の主要油圧ポンプ132と、
第2の主要油圧ポンプ132に接続され、第3および第4の油圧モータ62および72によって構成される第2のモータ群に動力供給する、第2の分配部材134とを備える。
【0103】
更に、削孔装置20は、第3および第4の油圧モータ62および72の両方と、第2の分配部材134も含む。
【0104】
したがって、第1および第2の油圧回路110および130は、ボーリング機械のモータに動力供給する、2つの別個の油圧回路を構成するものと理解することができる。第1の油圧回路は、第1および第2の油圧モータ32および52に動力供給し、第2の油圧回路は、第3および第4のモータ62および72に動力供給する。2つの油圧回路は独立している。
【0105】
ボーリング機械が稼動しているときの
図9の第1の実施形態の動作について、第1の油圧回路を参照して以下に記載する。
【0106】
ボーリング機械を稼動させるとき、第1の主要油圧ポンプ112は、好ましくはその最大限で送達を行う。したがって、第1および第2の補助油圧ポンプ118および120を駆動する、第1の主要油圧モータ116は、その最高回転速度である。2つの補助油圧ポンプ118および120のシリンダ容積はゼロである。したがって、フルである閉回路内のフローはなく、油圧モータは回転しない。モータの1つを回転させるために、関連する補助油圧ポンプのシリンダ容積を変化させる必要がある。
【0107】
例として、第1および第2の油圧モータ32および52の回転速度を同じにするために、第1および第2の補助油圧ポンプ両方のシリンダ容積を同じセットポイントとする。モータを逆回転させるためには、当該回路の補助油圧ポンプが駆動されている方向を反転させる。したがって、第1および第2のモータ32および52を制御して、互いに独立して、また所望の回転速度で、前方および後方に回転させることが可能である。例えば、動力は、最も圧力を必要とするモータに伝達されてもよい。第2の油圧回路は、同じ方式で第1の油圧回路とは独立して動作し、それによって、第3および第4の油圧モータ62および72も、互いに独立して、また同じく第1および第2の油圧モータとは独立して、制御することが可能になる。
【0108】
図10は、第1および第2の油圧回路1100および1300の第2の実施形態を示している。第1の油圧回路1100は、
第1の主要油圧ポンプ1120と、
第1の主要油圧ポンプ1120および第1の油圧モータ32に接続された第1の油圧接合部1150と、第1の主要油圧ポンプ1120および第2の油圧モータ52に接続された第2の油圧接合部1170とを備える、第1の分配部材1140とを備える。
【0109】
更に、この第2の実施形態では、削孔装置は第1の分配部材を含む。
【0110】
第1の油圧回路はまた、第1の分配部材1140と第1の油圧モータ32との間に配置された第1の比例弁1180と、第2の油圧モータ52と第1の分配部材1140との間に配置された第2の比例弁1190とを備える。第1および第2の油圧モータの間でのフローの分配は、2つの比例弁1180および1190によって制御される。各比例弁の機能は、その油圧モータの回転の速度および方向を制御することである。それには、主要油圧ポンプ1120からのフローの全てを要する場合がある。第3および第4のモータ62および72に動力供給する第2の油圧回路1300は、第1の回路1100と同一である。第2の油圧回路は、
第2の主要油圧ポンプ1320と、
第2の主要油圧ポンプ1320に接続され、第3および第4の油圧モータ62および72によって構成される第2の群の2つのモータに動力供給する、第2の分配部材1340とを備える。この第2の群は第1の群とは異なり、削孔装置20は第2の分配部材1340を含む。
【0111】
図11は、ボーリング機械および混合機械の両方300である、本発明のボーリング機械を示している。ボーリングおよび混合機械300は、一般に「ケリー」と呼ばれる長手方向のバー313によって構成される、フレーム312を有する。機械300はまた、マスト315と、マストに沿って移動可能なキャリッジ317とを有し、キャリッジは、長手方向のバーを移動させるように長手方向のバーに締結される。機械300はまた、長手方向のバーの下端部312aによって担持される削孔装置320を有する。削孔装置320は、カッター歯が土壌を切断し混合するカッターおよびミキサーブレードであることを除いて、上述の削孔装置20と類似している。かかるブレードは他のところで知られており、本明細書において更に詳細には記載しない。