(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】腎臓潅流を増加させるために負圧を誘発するための尿管および膀胱カテーテルならびに方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20220608BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
A61M1/00 160
A61M25/00 510
(21)【出願番号】P 2019557576
(86)(22)【出願日】2018-01-25
(86)【国際出願番号】 US2018015282
(87)【国際公開番号】W WO2018200052
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-01-20
(32)【優先日】2017-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521462440
【氏名又は名称】ロイヴィオス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アービー, ジョン アール. ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】アッパーコー, ジェイコブ エル.
(72)【発明者】
【氏名】オア, デイビッド イー.
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-527061(JP,A)
【文献】特表2018-527974(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0188248(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00 - 1/38
A61M 25/00 - 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腎臓、腎盂、および/または患者の腎盂に隣接する尿管内における設置のための尿管カテーテルであって、
伸長管であって、前記伸長管は、近位端と、遠位端と、側壁とを備え、前記側壁は、前記管の前記近位端と前記遠位端との間に延在し、前記管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、伸長管と、
拡張可能保定部分であって、前記拡張可能保定部分は、後退位置から展開位置に遷移するように構成され、前記拡張可能保定部分は、前記展開位置では、前記腎臓から前記管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる3次元形状を画定する、拡張可能保定部分と
を備え、
前記拡張可能保定部分は、前記管の周囲に延在する少なくとも1つの環状部材と、前記環状部材を前記管の一部に接続する少なくとも1つの支柱とを備え、前記環状部材は、迂遠パターンを形成するように配列される直線部分および湾曲部分を備え、前記迂遠パターンは、例えば、ジグザグパターン、正弦波パターン、方形波パターン、および任意のそれらの組み合わせである、または、
前記拡張可能保定部分は、前記管の遠位端から延在する伸長中心部材と、少なくとも1つの可撓性拡張可能ディスクとを備え、前記少なくとも1つの可撓性拡張可能ディスクは、前記
伸長中心部材に接続される中心部分と、前記
伸長中心部材の周囲に延在する周辺部分とを有し、前記拡張可能保定部分の前記少なくとも1つの
可撓性拡張可能ディスクは、少なくとも、前記
伸長中心部材に接続される第1のディスクと、第1の部材の遠位の位置において前記
伸長中心部材に接続される第2のディスクとを備え、前記第2のディスクの直径は、前記第1のディスクの直径より大きい、または、
前記拡張可能保定部分は、少なくとも1つの伸長部材であって、前記少なくとも1つの伸長部材は、第1の端部と、第2の端部とを備え、これらのそれぞれは、前記管によって画定された前記排出管腔内に少なくとも部分的に封入される、少なくとも1つの伸長部材と、前記管の遠位端から突出する中央部分とを備える、尿管カテーテル。
【請求項2】
展開されると、前記拡張可能保定部分は、前記尿管または腎盂の粘膜または尿路上皮組織が前記拡張可能保定部分または前記管の遠位端の少なくとも一部を閉塞することを阻止するように構成される、請求項1に記載の尿管カテーテル。
【請求項3】
前記拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における前記展開された拡張可能保定部分によって画定された前記3次元形状の2次元スライスの面積は、前記拡張可能保定部分の遠位端に向かって増加し、好ましくは、前記3次元形状の最遠位2次元スライスの面積は、前記管の遠位端の断面積より大きい、請求項1~2のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【請求項4】
前記管の遠位端は、前記拡張可能保定部分によって画定された3次元形状によって少なくとも部分的に封入される、請求項1~3のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【請求項5】
前記拡張可能保定部分は、前記管の遠位端から延在する
前記伸長部材のうちの少なくとも2つを備える、請求項1~4のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【請求項6】
前記伸長部材のうちの少なくとも1つは、前記展開された拡張可能部分によって画定された前記3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように付勢される、請求項5に記載の尿管カテーテル。
【請求項7】
前記伸長部材のうちの少なくとも1つは、負圧が前記尿管および/または腎臓に暴露されると、前記展開された拡張可能部分によって画定された前記3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように付勢される、請求項5に記載の尿管カテーテル。
【請求項8】
前記拡張可能保定部分は、前記管によって画定された少なくとも1つの排出管腔の少なくとも一部を通して延在する中心部分に接続される
前記伸長部材のうちの少なくとも2つを備える、請求項1~7のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【請求項9】
前記少なくとも1つの
可撓性拡張可能ディスクは、少なくとも2つの支柱と、円周方向リングとを備え、前記少なくとも2つの支柱はそれぞれ、前記
伸長中心部材に接続される第1の端部と、前記円周方向リングに接続される第2の端部とを備える、請求項
1に記載の尿管カテーテル。
【請求項10】
前記第2のディスクは、前記第1のディスクより前記拡張可能保定部分の遠位端の近くに位置付けられる、請求項
1に記載の尿管カテーテル。
【請求項11】
前記拡張可能保定部分によって画定された3次元空間は、前記伸長管の遠位端の少なくとも一部を封入する、請求項1~4のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【請求項12】
前記少なくとも1つの伸長部材は、少なくとも、第1の方向における第1の屈曲部と、第2の方向における第2の屈曲部とを備え、前記第2の方向は、前記第1の方向と同一平面ではない、請求項
1に記載の尿管カテーテル。
【請求項13】
負圧を患者の尿路の一部内に誘発するためのシステムであって、前記システムは、
請求項1~12のいずれかに記載の少なくとも1つの尿管カテーテルと、
前記排出管腔と流体連通するポンプであって、前記ポンプは、負圧を前記患者の尿路の一部内に誘発し、流体を前記尿管カテーテルの前記排出管腔を通して引き出すために構成される、ポンプと
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国特許出願第15/687,064号(出願日2017年8月25日)に対する優先権を主張するものであり、これは、米国特許出願第15/411,884号(出願日2017年1月20日)の一部継続出願であり、これは、米国特許出願第15/214,955号(出願日2016年7月20日)の一部継続出願であり、これは、米国仮出願第62/300,025号(出願日2016年2月25日),米国仮出願第62/278,721号(出願日2016年1月14日),米国仮出願第62/260,966号(出願日2015年11月30日),および米国仮出願第62/194,585号(出願日2015年7月20日)の利益を主張するものであり、これらの各々は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
また、本願は、米国特許出願第15/687,083号(出願日2017年8月25日)に対する優先権を主張するものであり、これは、米国特許出願第15/411,884号(出願日2017年1月20日)の一部継続出願であり、これは、米国特許出願第15/214,955号(出願日2016年7月20日)の一部継続出願であり、これは、米国仮出願第62/300,025号(出願日2016年2月25日),米国仮出願第62/278,721号(出願日2016年1月14日),米国仮出願第62/260,966号(出願日2015年11月30日),および米国仮出願第62/194,585号(出願日2015年7月20日)の利益を主張するものであり、これらの各々は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
【0003】
また、本願は、米国特許出願第15/745,823号(出願日2018年1月18日)に対する優先権を主張するものであり、これは、PCT/US2016/043101号(出願日2016年7月20日)の米国国内段階であり、これは、米国仮出願第62/300,025号(出願日2016年2月25日),米国仮出願第62/278,721号(出願日2016年1月14日),米国仮出願第62/260,966号(出願日2015年11月30日),および米国仮出願第62/194,585号(出願日2015年7月20日)の利益を主張するものであり、これらの各々は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
【0004】
また、本願は、米国仮出願第62/489,789号(出願日2017年4月25日)および米国仮出願第62/489,831号(出願日2017年4月25日)に対する優先権を主張するものである。
【0005】
本開示は、種々の疾患状態に及ぶ腎機能障害を治療するための方法およびデバイスに関し、特に、尿の収集および/または腎臓、腎臓の腎盂、尿管、および/または膀胱内での負圧の誘発のためのカテーテルデバイス、アセンブリおよび方法に関する。
【背景技術】
【0006】
腎臓または泌尿系は、一対の腎臓を含み、各腎臓は、尿管によって膀胱に接続され、そこから腎臓によって膀胱から産生される尿を排出するための尿道に接続される。腎臓は、例えば、血液を濾過し、尿の形態で廃棄物を排除することを含め、人体にとっていくつかの重要な機能を行う。腎臓はまた、電解質(例えば、ナトリウム、カリウム、およびカルシウム)および代謝物、血液量、血圧、血液pH、体液量、赤血球の産生、および骨代謝を調整する。腎臓の生体構造および生理学の適正な理解は、改変された血行動態である他の体液量過剰状態がその機能に及ぼす影響を理解するために有用である。
【0007】
正常な生体構造では、2つの腎臓は、腹腔内の腹膜後に位置する。腎臓は、豆形状の被包された器官である。尿は、腎臓の機能単位である腎単位によって形成され、次いで、集合管と呼ばれる収束尿細管系を通して流動する。集合管は、ともに継合し、小腎杯、次いで、大腎杯を形成し、最終的には、腎臓の凹状部分(腎盂)の近傍で継合する。腎盂の主要機能は、尿流を尿管に指向することである。尿は、腎盂から、尿を腎臓から膀胱の中に搬送する管状構造である、尿管の中に流動する。腎臓の外側層は、外皮と呼ばれ、剛性線維状被包である。腎臓の内部は、髄質と呼ばれる。髄質構造は、錐体状に配列される。
【0008】
各腎臓は、約百万腎単位から成る。各腎単位は、糸球体と、ボーマン嚢と、尿細管とを含む。尿細管は、近位曲尿細管と、ヘンレのループと、遠位曲尿細管と、集合管とを含む。腎臓の外皮層内に含有される腎単位は、髄質内に含有されるものの生体構造と明確に異なる。主な差異は、ヘンレのループの長さである。髄質腎単位は、より長いヘンレのループを含有し、これは、正常状況下、外皮腎単位より優れた水分およびナトリウム再吸収の調整を可能にする。
【0009】
糸球体は、腎単位の起始部であって、血液の初期濾過に関与する。輸入細動脈は、血液を糸球体毛細血管の中に通過させ、そこで静水圧が、水および溶質をボーマン嚢の中に押動させる。正味濾過圧力は、輸入細動脈内の静水圧から、ボーマン隙内の静水圧を差し引き、そこから輸出細動脈内の浸透圧を差し引いたものとして表される。
正味濾過圧力=静水圧(輸入細動脈)-静水圧(ボーマン隙)-浸透圧(輸出細動脈) (方程式1)
【0010】
方程式1によって定義された本正味濾過圧力の大きさは、ボーマン隙内に形成され、尿細管に送達される限外濾過液の量を決定する。残りの血液は、輸出細動脈を介して、糸球体から退出する。正常糸球体濾過、すなわち、限外濾過液の尿細管の中への送達は、約90ml/分/1.73m2である。
【0011】
糸球体は、3層濾過構造を有し、血管内皮と、糸球体基底膜と、有足細胞とを含む。通常、アルブミンおよび赤血球等の巨大タンパク質は、ボーマン隙の中に濾過されない。しかしながら、上昇糸球体圧力および糸球体間質拡張が、表面積変化を基底膜上にもたらし、有足細胞間のより大きい開窓が、より巨大なタンパク質がボーマン隙の中に通過することを可能にする。
【0012】
ボーマン隙内に収集される限外濾過液は、最初に、近位曲尿細管に送達される。尿細管内での水分および溶質の再吸収および分泌が、能動輸送チャネルおよび受動圧力勾配の混合によって行われる。近位曲尿細管は、通常、塩化ナトリウムおよび水分の大部分と、糸球体によって濾過されたほぼ全てのグルコースおよびアミノ酸とを再吸収する。ヘンレのループは、尿中の廃棄物を濃縮するように設計される、2つの構成要素を有する。下行脚は、高度に水浸透性であって、残りの水分の大部分を再吸収する。上行脚は、残りの塩化ナトリウムの25%を再吸収し、例えば、尿素およびクレアチニンの観点から、濃縮された尿を生成する。遠位曲尿細管は、通常、小割合の塩化ナトリウムを再吸収し、浸透勾配が、水分が追従する状態をもたらす。
【0013】
正常状態下では、正味濾過は、約14mmHgである。静脈鬱滞の影響は、約4mmHgまでの正味濾過の有意な減少であり得る。Jessup M., The cardiorenal syndrome: Do we need a change of strategy or a change of tactics?, JACC 53(7):597-600, 2009(以降、「Jessup」)を参照されたい。第2の濾過段階は、近位尿細管で生じる。尿からの分泌および吸収の大部分は、髄質腎単位内の尿細管で生じる。尿細管から間質空間の中へのナトリウムの能動輸送が、本プロセスを開始する。しかしながら、静水力が、溶質および水分の正味交換を左右する。正常状況下では、ナトリウムの75%がリンパまたは静脈循環の中に再吸収されると考えられる。しかしながら、腎臓は、被包されているため、静脈およびリンパ鬱滞の両方からの静水圧の変化に敏感である。静脈鬱滞の間、ナトリウムおよび水分の貯留は、85%を超え、腎鬱滞をさらに長引かせ得る。Verbrugge et al., The kidney in congestive heart failure: Are natriuresis, sodium, and diruetucs really the good, the bad and the ugly? European Journal of Heart Failure 2014:16,133-42(以降、「Verbrugge」)を参照されたい。
【0014】
静脈鬱滞は、急性腎傷害(AKI)の腎前性形態につながり得る。腎前性AKIは、腎臓を通した潅流の損失(または血流の損失)に起因する。多くの臨床医は、急性循環不全状態に起因する腎臓の中への流動の欠如に焦点を当てる。しかしながら、また、静脈鬱滞に起因する器官からの血流の欠如も、臨床上重要な持続的傷害であり得るという証拠が存在する。Damman K, Importance of venous congestion for worsening renal function in advanced decompensated heart failure, JACC 17:589-96, 2009(以降、「Damman」)を参照されたい。
【0015】
腎前性AKIは、様々な診断を横断して生じ、救命救急入院を要求する。最も顕著な入院は、敗血症および急性非代償性心不全(ADHF)に関するものである。付加的入院は、心血管外科、一般外科、肝硬変、外傷、熱傷、および膵炎を含む。これらの疾患状態の症状には、広範な臨床上のばらつきがあるが、共通点は、中心静脈圧の上昇である。ADHFの場合、心不全によって生じる中心静脈圧の上昇は、肺浮腫、続いて、呼吸困難につながり、ひいては、入院が促される。敗血症の場合、中心静脈圧の上昇は、主に、大量の急速輸液の結果である。一次侵襲が、血液量減少またはナトリウムおよび流体貯留に起因する低潅流であるかどうかにかかわらず、持続的傷害は、静脈鬱滞であって、不適正な潅流をもたらす。
【0016】
高血圧症は、腎臓の能動および受動輸送系内に摂動をもたらす、別の広く認識される状態である。高血圧症は、直接、輸入細動脈圧に影響を及ぼし、糸球体内の正味濾過圧の比例増加をもたらす。増加される濾過割合はまた、尿細管周囲毛細血管圧を上昇させ、これは、ナトリウムおよび水分再吸収を刺激する。Verbruggeを参照されたい。
【0017】
腎臓は、被包された器官であるため、髄質錐体内の圧力変化に敏感である。腎静脈圧の上昇は、間質圧の上昇につながる鬱滞をもたらす。間質圧の上昇は、糸球体および尿細管の両方に力を付与する。Verburggeを参照されたい。糸球体では、間質圧の上昇は、直接、濾過に対抗する。圧力の増加は、間質流体を増加させ、それによって、腎臓の髄質内の間質流体および尿細管周囲毛細血管中の静水圧を増加させる。両事例において、低酸素は、細胞傷害および潅流のさらなる損失につながることを確実にし得る。正味結果は、ナトリウムおよび水分再吸収のさらなる悪化であって、負のフィードバックをもたらす。Verbrugge(133-42)を参照されたい。特に、腹腔内の体液量過剰は、腹腔内圧上昇、腹部コンパートメント症候群、および急性腎不全を含む、多くの疾患および状態と関連付けられる。体液量過剰は、腎置換療法を通して対処されることができる。Peters, C.D., Short and Long-Term Effects of the Angiotensin II Receptor Blocker Irbesartanon Intradialytic Central Hemodynamics: A Randomized Double-Blind Placebo-Controlled One-Year Intervention Trial (the SAFIR Study), PLoS ONE (2015) 10(6): e0126882. doi:10.1371/journal.pone.0126882(以降、「Peters」)を参照されたい。しかしながら、そのような臨床方略は、心腎症候群を伴う患者の腎機能に改善を提供しない。Bart B, Ultrafiltration in decompensated heart failure with cardiorenal syndrome, NEJM 2012;367:2296-2304(以降、「Bart」)を参照されたい。
【0018】
流体貯留のそのような問題となる影響に照らして、尿路からの尿の除去を改良するための、具体的には、腎臓からの排尿の量および品質を増加させるためのデバイスおよび方法が、必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
いくつかの実施例では、腎臓、腎盂、および/または患者の腎盂に隣接する尿管内における設置のための尿管カテーテルが、提供され、近位端と、遠位端と、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁とを備える、伸長管と、後退位置から展開位置に遷移するように構成され、展開位置では、腎臓から管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる、3次元形状を画定する、拡張可能保定部分とを備える。
【0020】
いくつかの実施例では、患者の腎臓からの排尿を促進するための方法が、提供され、(a)尿管カテーテルを患者の腎臓、腎盂、または腎盂に隣接する尿管のうちの少なくとも1つの中に挿入するステップであって、カテーテルは、近位端と、遠位端と、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁とを備える、伸長管と、管の遠位端から展開され、展開されると、腎臓から管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる、3次元形状を画定するように構成される、拡張可能保定部分とを備える、ステップと、(b)拡張可能保定部分を患者の腎臓、腎盂、または腎盂に隣接する尿管内で展開し、管の遠位端を、患者の腎臓、腎盂、または腎盂に隣接する尿管内の所望の位置に維持するステップと、(c)ある時間周期にわたって、その近位部分を通して、負圧を管の排出管腔に印加し、腎臓からの排尿を促進するステップとを含む。
【0021】
いくつかの実施例では、尿管カテーテルが、患者の腎臓、腎盂、および/または腎盂に隣接する尿管内における設置のために提供され、近位端と、遠位端と、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁とを備える、伸長管と、後退位置から展開位置に遷移するように構成され、展開位置では、管の遠位端を患者の腎臓、腎盂、および/または腎盂に隣接する尿管内に維持し、腎臓から管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように構成される、拡張可能保定部分を備え、拡張可能保定部分は、伸長管の側壁の外側表面によって画定され、管の遠位端から拡張可能保定部分の中心軸に沿って遠位に延在する、円筒形空間内に位置付けられる、第1の端部と、円筒形空間から半径方向外向きに延在する、伸長管の遠位端に対する最遠位部分とを備える、少なくとも1つの可撓性部材を備える。
【0022】
いくつかの実施例では、システムが、負圧を患者の尿路の一部内に誘発するために提供され、システムは、近位端と、遠位端と、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁とを備える、伸長管と、管の遠位端から展開され、展開されると、腎臓から管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる、3次元形状を画定するように構成される、拡張可能保定部分とを備える、少なくとも1つの尿管カテーテルと、排出管腔と流体連通する、ポンプであって、負圧を患者の尿路の一部内に誘発し、流体を尿管カテーテルの排出管腔を通して引き出すために構成される、ポンプとを備える。
【0023】
本発明の非限定的実施例が、ここで、以下に付番された付記に説明されるであろう。
【0024】
付記1:腎臓、腎盂、および/または患者の腎盂に隣接する尿管内における設置のための尿管カテーテルであって、近位端と、遠位端と、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁とを備える、伸長管と、後退位置から展開位置に遷移するように構成され、展開位置では、腎臓から管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる、3次元形状を画定する、拡張可能保定部分とを備える、尿管カテーテル。
【0025】
付記2:展開されると、3次元形状は、流体流の少なくとも一部が拡張可能保定部分を通して流動するように、腎臓と管の近位端との間の流体流の開存性を維持するように位置付けられる、付記1に記載の尿管カテーテル。
【0026】
付記3:展開されると、拡張可能保定部分は、尿管または腎盂の粘膜または尿路上皮組織が拡張可能保定部分または管の遠位端の少なくとも一部を閉塞することを阻止するように構成される、付記1または2に記載の尿管カテーテル。
【0027】
付記4:展開されると、拡張可能部分は、腎臓、腎盂または患者の腎盂に隣接する尿管のうちの少なくとも1つ内における管の遠位端の開存性を維持する、付記1-3のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0028】
付記5:拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における、展開された拡張可能保定部分によって画定された3次元形状の2次元スライスの面積は、拡張可能保定部分の遠位端に向かって増加する、付記1-4のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0029】
付記6:3次元形状の最遠位2次元スライスの面積は、管の遠位端の断面積よりも大きい、付記5に記載の尿管カテーテル。
【0030】
付記7:伸長管は、約0.33mm~約3.0mmの外径を有する、付記1-6のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0031】
付記8:伸長管は、約0.16mm~約2.40mmの内径を有する、付記1-7のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0032】
付記9:拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における、展開された拡張可能保定部分によって画定された3次元形状の最大断面積は、最大約350mm2である、付記1-8のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0033】
付記10:拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における、展開された拡張可能保定部分によって画定された3次元形状の最大断面積は、約10mm2~約350mm2である、付記1-9のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0034】
付記11:拡張可能部分の近位端から遠位端までの該拡張可能部分の軸方向長は、約5mm~約100mmである、付記1-10のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0035】
付記12:拡張可能保定部分の中心軸は、管の中心軸と共線形である、付記1-11のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0036】
付記13:管の遠位端は、少なくとも部分的に、拡張可能保定部分によって画定された3次元形状によって封入される、付記1-12のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0037】
付記14:拡張可能保定部分は、管の遠位端から延在する、少なくとも2つの伸長部材を備える、付記1-13のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0038】
付記15:伸長部材のうちの少なくとも1つは、展開された拡張可能部分によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように付勢される、付記14に記載の尿管カテーテル。
【0039】
付記16:伸長部材のうちの少なくとも1つは、負圧が尿管および/または腎臓に暴露されると、展開された拡張可能部分によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように付勢される、付記14に記載の尿管カテーテル。
【0040】
付記17:拡張可能保定部分は、展開位置に付勢される、可撓性材料を含む、付記1-16のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0041】
付記18:可撓性材料は、形状記憶材料を含む、付記17に記載の尿管カテーテル。
【0042】
付記19:可撓性材料は、ニチノール、チタン、クロム、シリコーン、ポリエチレン、テレフタル酸ポリエチレン、ポリウレタン、およびポリ塩化ビニルのうちの1つ以上のものを含む、付記17または18に記載の尿管カテーテル。
【0043】
付記20:拡張可能保定部分は、管の内側表面および/または外側表面の一部に取り付けられる、付記1-19のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0044】
付記21:拡張可能保定部分は、管によって画定された少なくとも1つの排出管腔の少なくとも一部を通して延在する、中心部分に接続される、少なくとも2つの伸長部材を備える、付記1-20のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0045】
付記22:拡張可能保定部分は、第1の端部と、第2の端部とを備え、それぞれ、少なくとも部分的に、管によって画定された排出管腔内に封入される、少なくとも1つの伸長部材と、管の遠位端から突出する、中央部分とを備える、付記1-21のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0046】
付記23:拡張可能保定部分は、少なくとも、第1の方向における第1の屈曲部と、第2の方向における第2の屈曲部とを備える、少なくとも1つの伸長部材を備え、第2の方向は、第1の方向と同一平面ではない、付記1-22のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0047】
付記24:拡張可能保定部分は、管の遠位端から延在する、伸長中心部材と、中心部材に接続される、中心部分と、中心部材の周囲に延在する、周辺部分とを有する、少なくとも1つの可撓性拡張可能ディスクとを備える、付記1-13および17-20のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0048】
付記25:少なくとも1つのディスクは、約1.5mm~約25mmの直径を有する、付記24に記載の尿管カテーテル。
【0049】
付記26:少なくとも1つのディスクは、少なくとも2つの支柱と、円周方向リングとを備え、少なくとも2つの支柱はそれぞれ、中心部材に接続される、第1の端部と、円周方向リングに接続される、第2の端部とを備える、付記24または25に記載の尿管カテーテル。
【0050】
付記27:拡張可能部分の少なくとも1つのディスクは、中心部材に接続される、少なくとも第1のディスクと、第1の部材の遠位の位置において中心部材に接続される、第2のディスクとを備える、付記24-26のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0051】
付記28:第2のディスクの直径は、第1のディスクの直径以上である、付記27に記載の尿管カテーテル。
【0052】
付記29:拡張可能保定部分によって画定された3次元空間は、伸長管の遠位端の少なくとも一部を封入する、付記1-13および17-20のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0053】
付記30:拡張可能保定部分は、管の周囲に延在する、少なくとも1つの環状部材と、環状部材を管の一部に接続する、少なくとも1つの支柱とを備える、付記29に記載の尿管カテーテル。
【0054】
付記31:少なくとも1つの環状部材は、迂遠パターンを形成するように配列される、直線部分および湾曲部分を備える、付記30に記載の尿管カテーテル。
【0055】
付記32:迂遠パターンは、ジグザグパターン、正弦波パターン、方形波パターン、および任意のそれらの組み合わせのうちの1つ以上のものを備える、付記31に記載の尿管カテーテル。
【0056】
付記33:拡張可能保定部分は、管の周囲に延在する、少なくとも2つの環状部材であって、環状部材のうちの一方の一部が他方の環状部材の一部と交差するように配列される、少なくとも2つの環状部材と、環状部材を管に接続する、少なくとも2つの支柱とを備える、付記29に記載の尿管カテーテル。
【0057】
付記34:患者の腎臓からの排尿を促進するための方法であって、(a)尿管カテーテルを患者の腎臓、腎盂、または腎盂に隣接する尿管のうちの少なくとも1つの中に挿入するステップであって、カテーテルは、近位端と、遠位端と、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁とを備える、伸長管と、管の遠位端から展開され、展開されると、腎臓から管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる、3次元形状を画定するように構成される、拡張可能保定部分とを備える、ステップと、(b)拡張可能保定部分を患者の腎臓、腎盂、または腎盂に隣接する尿管内で展開し、管の遠位端を、患者の腎臓、腎盂、または腎盂に隣接する尿管内の所望の位置に維持するステップと、(c)ある時間周期にわたって、その近位部分を通して、負圧を管の排出管腔に印加し、腎臓からの排尿を促進するステップとを含む、方法。
【0058】
付記35:拡張可能保定部分は、尿管および/または腎盂の粘膜または尿路上皮組織が、管の少なくとも遠位端を閉塞することを阻止するように構成される、付記34に記載の方法。
【0059】
付記36:拡張可能保定部分は、展開された拡張可能部分によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように屈曲される、管の遠位端から延在する、少なくとも2つの伸長部材を備える、付記34または35に記載の方法。
【0060】
付記37:拡張可能保定部分は、拡張可能保定部分の拡張位置に付勢される、可撓性材料を含む、付記34-36のいずれかに記載の方法。
【0061】
付記38:可撓性材料は、形状記憶材料を含む、付記37に記載の方法。
【0062】
付記39:拡張可能保定部分の少なくとも一部は、管の内側表面および/または外側表面に搭載される、付記34-38のいずれかに記載の方法。
【0063】
付記40:拡張可能保定部分は、少なくとも1つの排出管腔の少なくとも一部を通して延在する、中心部材と、中心部材に接続される、第1の端部と、管の遠位端から延在する、第2の端部とを有する、少なくとも2つの伸長部材とを備える、付記34-39のいずれかに記載の方法。
【0064】
付記41:拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における、展開された拡張可能保定部分によって画定された3次元形状の最大断面積は、約10mm2~350mm2である、付記34-40のいずれかに記載の方法。
【0065】
付記42:患者の腎臓、腎盂、および/または腎盂に隣接する尿管内における設置のための尿管カテーテルであって、近位端と、遠位端と、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁とを備える、伸長管と、後退位置から展開位置に遷移するように構成され、展開位置では、管の遠位端を患者の腎臓、腎盂、および/または腎盂に隣接する尿管内に維持し、腎臓から管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように構成される、拡張可能保定部分とを備え、拡張可能保定部分は、伸長管の側壁の外側表面によって画定され、管の遠位端から拡張可能保定部分の中心軸に沿って遠位に延在する、円筒形空間内に位置付けられる、第1の端部と、円筒形空間から半径方向外向きに延在する、伸長管の遠位端に対する最遠位部分とを備える、少なくとも1つの可撓性部材を備える、尿管カテーテル。
【0066】
付記43:拡張可能保定部分は、少なくとも2つの伸長可撓性部材を備え、拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における少なくとも2つの可撓性部材によって画定された2次元スライスの面積は、伸長管の遠位端の断面の面積よりも大きい、付記40に記載の尿管カテーテル。
【0067】
付記44:拡張可能保定部分は、拡張可能保定部分の展開位置に付勢される、可撓性材料を含む、付記42または43に記載の尿管カテーテル。
【0068】
付記45:可撓性材料は、形状記憶材料を含む、付記44に記載の尿管カテーテル。
【0069】
付記46:拡張可能保定部分の最遠位部分の断面積は、約10mm2~350mm2である、付記42-45のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0070】
付記47:拡張可能部分の近位端から遠位端までの該拡張可能部分の軸方向長は、約5mm~100mmである、付記42-46のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0071】
付記48:伸長管は、約0.33mm~3.0mmの外径を有する、付記42-47のいずれかに記載の尿管カテーテル。
【0072】
付記49:負圧を患者の尿路の一部内に誘発するためのシステムであって、近位端と、遠位端と、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁とを備える、伸長管と、管の遠位端から展開され、展開されると、腎臓から管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる、3次元形状を画定するように構成される、拡張可能保定部分とを備える、少なくとも1つの尿管カテーテルと、排出管腔と流体連通する、ポンプであって、負圧を患者の尿路の一部内に誘発し、流体を尿管カテーテルの排出管腔を通して引き出すために構成される、ポンプとを備える、システム。
【0073】
付記50:尿管カテーテルの拡張可能保定部分は、尿管および/または腎盂の粘膜または尿路上皮組織が、管の少なくとも遠位端を閉塞することを阻止するように構成される、付記49に記載のシステム。
【0074】
付記51:展開されると、拡張可能部分は、患者の腎臓、腎盂、および/または腎盂に隣接する尿管内における管の遠位端の開存性を維持する、付記49または50に記載のシステム。
【0075】
付記52:尿管カテーテルの拡張可能保定部分は、少なくとも2つの伸長可撓性部材を備え、拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における少なくとも2つの可撓性部材によって画定された2次元スライスの面積は、伸長管の遠位端の断面積よりも大きい、付記49-51のいずれかに記載のシステム。
【0076】
付記53:拡張可能保定部分は、展開位置に付勢される、可撓性材料を含む、付記49-52のいずれかに記載のシステム。
【0077】
付記54:可撓性材料は、形状記憶材料を含む、付記53に記載のシステム。
【0078】
付記55:ポンプは、位置付けおよび/または負圧を排出管腔の近位端に発生させるように構成される、付記49-54のいずれかに記載のシステム。
【0079】
付記56:ポンプは、約100mmHg以下の負圧を排出管腔の近位端に印加する、付記49-55のいずれかに記載のシステム。
【0080】
付記57:ポンプは、ユーザによって選択された3つの圧力レベルのうちの1つで動作するように構成され、圧力レベルは、2~125mmHgの負圧を発生させる、付記49-56のいずれかに記載のシステム。
【0081】
付記58:ポンプは、負圧の発生と正圧の発生との間で交互するように構成される、付記49-57のいずれかに記載のシステム。
【0082】
付記59:ポンプは、約10mmHg以下の感度を有する、付記49-58のいずれかに記載のシステム。
【0083】
付記60:膀胱内に設置され、膀胱から膀胱カテーテルを通した流体流を維持する、膀胱カテーテルをさらに備える、付記49-59のいずれかに記載のシステム。
【0084】
付記61:患者の膀胱内における設置のためのカテーテルであって、近位端と、遠位端と、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁とを備える、伸長管と、後退位置から展開位置に遷移するように構成され、展開位置では、膀胱から、3次元形状の内部の少なくとも一部を通して、管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる、3次元形状を画定する、拡張可能保定部分とを備える、カテーテル。
【0085】
付記62:展開されると、3次元形状は、流体流の少なくとも一部が拡張可能保定部分を通して流動するように、膀胱と管の近位端との間の流体流の開存性を維持するように位置付けられる、付記61に記載のカテーテル。
【0086】
付記63:展開されると、拡張可能部分は、患者の膀胱内における管の遠位端の開存性を維持する、付記61または62に記載のカテーテル。
【0087】
付記64:拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における、展開された拡張可能保定部分によって画定された3次元形状の2次元スライスの面積は、拡張可能保定部分の遠位端に向かって増加する、付記61-63のいずれかに記載のカテーテル。
【0088】
付記65:3次元形状の最遠位2次元スライスの面積は、管の遠位端の断面積よりも大きい、付記64に記載のカテーテル。
【0089】
付記66:拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における、展開された拡張可能保定部分によって画定された3次元形状の最大断面積は、最大約1,000mm2である、付記61-65のいずれかに記載のカテーテル。
【0090】
付記67:拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における、展開された拡張可能保定部分によって画定された3次元形状の最大断面積は、約100mm2~約1,000mm2である、付記61-66のいずれかに記載のカテーテル。
【0091】
付記68:拡張可能部分の近位端から遠位端までの該拡張可能部分の軸方向長は、約5mm~約100mmである、付記61-67のいずれかに記載のカテーテル。
【0092】
付記69:拡張可能保定部分の中心軸は、管の中心軸と共線形である、付記61-68のいずれかに記載のカテーテル。
【0093】
付記70:管の遠位端は、少なくとも部分的に、拡張可能保定部分によって画定された3次元形状によって封入される、付記61-69のいずれかに記載のカテーテル。
【0094】
付記71:拡張可能保定部分は、管の遠位端から延在する、少なくとも2つの伸長部材を備える、付記61-70のいずれかに記載のカテーテル。
【0095】
付記72:伸長部材のうちの少なくとも1つは、展開された拡張可能部分によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように付勢される、付記71に記載のカテーテル。
【0096】
付記73:伸長部材のうちの少なくとも1つは、負圧が膀胱に暴露されると、展開された拡張可能部分によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように付勢される、付記71に記載のカテーテル。
【0097】
付記74:拡張可能保定部分は、展開位置に付勢される、可撓性材料を含む、付記61-73のいずれかに記載のカテーテル。
【0098】
付記75:可撓性材料は、形状記憶材料を含む、付記74に記載のカテーテル。
【0099】
付記76:可撓性材料は、ニチノール、チタン、クロム、シリコーン、ポリエチレン、テレフタル酸ポリエチレン、ポリウレタン、およびポリ塩化ビニルのうちの1つ以上のものを含む、付記74または75に記載のカテーテル。
【0100】
付記77:拡張可能保定部分は、管の内側表面および/または外側表面の一部に取り付けられる、付記61-76のいずれかに記載のカテーテル。
【0101】
付記78:拡張可能保定部分は、管によって画定された少なくとも1つの排出管腔の少なくとも一部を通して延在する、中心部分に接続される、少なくとも2つの伸長部材を備える、付記61-77のいずれかに記載のカテーテル。
【0102】
付記79:拡張可能保定部分は、第1の端部と、第2の端部とを備え、それぞれ、少なくとも部分的に、管によって画定された排出管腔内に封入される、少なくとも1つの伸長部材と、管の遠位端から突出する、中央部分とを備える、付記61-78のいずれかに記載のカテーテル。
【0103】
付記80:拡張可能保定部分は、少なくとも、第1の方向における第1の屈曲部と、第2の方向における第2の屈曲部とを備える、少なくとも1つの伸長部材を備え、第2の方向は、第1の方向と同一平面ではない、付記61-79のいずれかに記載のカテーテル。
【0104】
付記81:拡張可能保定部分は、管の遠位端から延在する、伸長中心部材と、中心部材に接続される、中心部分と、中心部材の周囲に延在する、周辺部分とを有する、少なくとも1つの可撓性拡張可能ディスクとを備える、付記61-70および74-77のいずれかに記載のカテーテル。
【0105】
付記82:少なくとも1つのディスクは、約1.5mm~約25mmの直径を有する、付記80に記載のカテーテル。
【0106】
付記83:少なくとも1つのディスクは、少なくとも2つの支柱と、円周方向リングとを備え、少なくとも2つの支柱はそれぞれ、中心部材に接続される、第1の端部と、円周方向リングに接続される、第2の端部とを備える、付記81または82に記載のカテーテル。
【0107】
付記84:拡張可能部分の少なくとも1つのディスクは、中心部材に接続される、少なくとも第1のディスクと、第1の部材の遠位の位置において中心部材に接続される、第2のディスクとを備える、付記81-84のいずれかに記載のカテーテル。
【0108】
付記85:第2のディスクの直径は、第1のディスクの直径以上である、付記84に記載のカテーテル。
【0109】
付記86:拡張可能保定部分によって画定された3次元空間は、伸長管の遠位端の少なくとも一部を封入する、付記61-70および74-77のいずれかに記載のカテーテル。
【0110】
付記87:拡張可能保定部分は、管の周囲に延在する、少なくとも1つの環状部材と、環状部材を管の一部に接続する、少なくとも1つの支柱とを備える、付記86に記載のカテーテル。
【0111】
付記88:少なくとも1つの環状部材は、迂遠パターンを形成するように配列される、直線部分および湾曲部分を備える、付記87に記載のカテーテル。
【0112】
付記89:迂遠パターンは、ジグザグパターン、正弦波パターン、方形波パターン、および任意のそれらの組み合わせのうちの1つ以上のものを備える、請求項88に記載のカテーテル。
【0113】
付記90:拡張可能保定部分は、管の周囲に延在する、少なくとも2つの環状部材であって、環状部材のうちの一方の一部が他方の環状部材の一部と交差するように配列される、少なくとも2つの環状部材と、環状部材を管に接続する、少なくとも2つの支柱とを備える、付記86に記載のカテーテル。
【0114】
付記91:患者の膀胱からの排尿を促進するための方法であって、(a)カテーテルを患者の膀胱のうちの少なくとも1つの中に挿入するステップであって、カテーテルは、伸長管を備える、近位端、遠位端、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁と、尿が排出管腔の遠位端および/または側壁を通して通過するための少なくとも1つの開口部と、管の遠位端から展開されるように構成され、展開されると、膀胱から管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる、3次元形状を画定する、拡張可能保定部分とを備える、ステップと、(b)拡張可能保定部分を患者の膀胱内で展開し、管の遠位端を、患者の膀胱内の所望の位置に維持するステップと、(c)ある時間周期にわたって、その近位部分を通して、負圧を管の排出管腔に印加し、膀胱からの排尿を促進するステップとを含む、方法。
【0115】
付記92:展開されると、3次元形状は、流体流の少なくとも一部が拡張可能保定部分を通して流動するように、膀胱と管の近位端との間の流体流の開存性を維持するように位置付けられる、付記91に記載の方法。
【0116】
付記93:拡張可能保定部分は、展開された拡張可能部分によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように屈曲される、管の遠位端から延在する、少なくとも2つの伸長部材を備える、付記91または92に記載の方法。
【0117】
付記94:拡張可能保定部分は、拡張可能保定部分の拡張位置に付勢される、可撓性材料を含む、付記91-93のいずれかに記載の方法。
【0118】
付記95:可撓性材料は、形状記憶材料を含む、付記94に記載の方法。
【0119】
付記96:拡張可能保定部分の少なくとも一部は、管の内側表面および/または外側表面に搭載される、付記91-95のいずれかに記載の方法。
【0120】
付記97:拡張可能保定部分は、少なくとも1つの排出管腔の少なくとも一部を通して延在する、中心部材と、中心部材に接続される、第1の端部と、管の遠位端から延在する、第2の端部とを有する、少なくとも2つの伸長部材とを備える、付記91-96のいずれかに記載の方法。
【0121】
付記98:拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における、展開された拡張可能保定部分によって画定された3次元形状の最大断面積は、約100mm2~1,000mm2である、付記91-97のいずれかに記載の方法。
【0122】
付記99:患者の膀胱内における設置のためのカテーテルであって、近位端と、遠位端と、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁とを備える、伸長管と、後退位置から展開位置に遷移するように構成され、展開位置では、管の遠位端を患者の膀胱内に維持し、膀胱から管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように構成される、拡張可能保定部分とを備え、拡張可能保定部分は、伸長管の側壁の外側表面によって画定され、管の遠位端から拡張可能保定部分の中心軸に沿って遠位に延在する、円筒形空間内に位置付けられる、第1の端部と、円筒形空間から半径方向外向きに延在する、伸長管の遠位端に対する最遠位部分とを備える、少なくとも1つの可撓性部材を備える、カテーテル。
【0123】
付記100:拡張可能保定部分は、少なくとも2つの伸長可撓性部材を備え、拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における少なくとも2つの可撓性部材によって画定された2次元スライスの面積は、伸長管の遠位端の断面の面積よりも大きい、付記99に記載のカテーテル。
【0124】
付記101:拡張可能保定部分は、拡張可能保定部分の展開位置に付勢される、可撓性材料を含む、付記99または100に記載のカテーテル。
【0125】
付記102:可撓性材料は、形状記憶材料を含む、付記101に記載のカテーテル。
【0126】
付記103:拡張可能保定部分の最遠位部分の断面積は、約100mm2~1,000mm2である、付記99-102のいずれかに記載のカテーテル。
【0127】
付記104:拡張可能保定部分の近位端から遠位端までの該拡張可能保定部分の軸方向長は、約5mm~100mmである、付記99-103のいずれかに記載のカテーテル。
【0128】
付記105:負圧を患者の尿路の一部内に誘発するためのシステムであって、近位端と、遠位端と、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁とを備える、伸長管と、管の遠位端から展開されるように構成され、展開されると、膀胱から管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる、3次元形状を画定する、拡張可能保定部分とを備える、少なくとも1つのカテーテルと、排出管腔と流体連通する、ポンプであって、負圧を患者の尿路の一部内で誘発し、流体をカテーテルの排出管腔を通して引き出すために構成される、ポンプとを備える、システム。
【0129】
付記106:展開されると、3次元形状は、流体流の少なくとも一部が拡張可能保定部分を通して流動するように、膀胱と管の近位端との間の流体流の開存性を維持するように位置付けられる、付記105に記載のシステム。
【0130】
付記107:展開されると、拡張可能部分は、患者の膀胱内における管の遠位端の開存性を維持する、付記105または106に記載のシステム。
【0131】
付記108:カテーテルの拡張可能保定部分は、少なくとも2つの伸長可撓性部材を備え、拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における少なくとも2つの可撓性部材によって画定された2次元スライスの面積は、伸長管の遠位端の断面積よりも大きい、付記105-107のいずれかに記載のシステム。
【0132】
付記109:拡張可能保定部分は、展開位置に付勢される、可撓性材料を含む、付記104-107のいずれかに記載のシステム。
【0133】
付記110:可撓性材料は、形状記憶材料を含む、付記109に記載のシステム。
【0134】
付記111:ポンプは、位置付けおよび/または負圧を排出管腔の近位端に発生させるように構成される、付記105-110のいずれかに記載のシステム。
【0135】
付記112:ポンプは、約100mmHg以下の負圧を排出管腔の近位端に印加する、付記105-111のいずれかに記載のシステム。
【0136】
付記113:ポンプは、ユーザによって選択された3つの圧力レベルのうちの1つで動作するように構成され、圧力レベルは、2~125mmHgの負圧を発生させる、付記105-112のいずれかに記載のシステム。
【0137】
付記114:ポンプは、負圧の発生と正圧の発生との間で交互するように構成される、付記105-113のいずれかに記載のシステム。
【0138】
付記115:ポンプは、約10mmHg以下の感度を有する、付記105-114のいずれかに記載のシステム。
【0139】
付記116:患者の腎臓、腎盂、または腎盂に隣接する尿管のうちの少なくとも1つの中への設置のための尿管カテーテルをさらに備え、尿管カテーテルは、膀胱で終端する、付記105-115のいずれかに記載のシステム。
【0140】
付記117:尿管カテーテルは、近位端と、遠位端と、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁とを備える、伸長管と、後退位置から展開位置に遷移するように構成され、展開位置では、腎臓から管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる、3次元形状を画定する、拡張可能保定部分とを備える、付記116に記載のシステム。
【0141】
付記118:患者の腎臓、腎盂、または腎盂に隣接する尿管のうちの少なくとも1つの中への設置のための尿管ステントをさらに備え、尿管ステントは、膀胱で終端する、付記105-117のいずれかに記載のシステム。
【0142】
付記119:流体を患者の尿路から除去するための方法であって、尿管ステントまたは尿管カテーテルを患者の尿管の中に展開し、患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持するステップと、膀胱カテーテルを患者の膀胱の中に展開するステップであって、膀胱カテーテルは、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される、遠位端と、近位端を有する、排出管腔部分と、その間に延在する側壁とを備える、ステップと、負圧を膀胱カテーテルの近位端に印加し、負圧を患者の尿路の一部内に誘発し、流体を患者の尿路から除去するステップであって、尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルのうちの少なくとも1つは、近位端と、遠位端と、管の近位端と遠位端との間に延在し、管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁とを備える、伸長管と、後退位置から展開位置に遷移するように構成され、展開位置では、膀胱から、3次元形状の内部の少なくとも一部を通して、管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる、3次元形状を画定する、拡張可能保定部分とを備える、ステップとを含む、方法。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
腎臓、腎盂、および/または患者の腎盂に隣接する尿管内における設置のための尿管カテーテルであって、
伸長管であって、前記伸長管は、近位端と、遠位端と、側壁とを備え、前記側壁は、前記管の前記近位端と前記遠位端との間に延在し、前記管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、伸長管と、
拡張可能保定部分であって、前記拡張可能保定部分は、後退位置から展開位置に遷移するように構成され、前記拡張可能保定部分は、前記展開位置では、前記腎臓から前記管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる3次元形状を画定する、拡張可能保定部分と
を備える、尿管カテーテル。
(項目2)
展開されると、前記3次元形状は、前記流体流の少なくとも一部が前記拡張可能保定部分を通して流動するように、前記腎臓と前記管の近位端との間の流体流の開存性を維持するように位置付けられる、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目3)
展開されると、前記拡張可能保定部分は、前記尿管または腎盂の粘膜または尿路上皮組織が前記拡張可能保定部分または前記管の遠位端の少なくとも一部を閉塞することを阻止するように構成される、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目4)
展開されると、前記拡張可能部分は、前記腎臓、腎盂、または患者の腎盂に隣接する尿管のうちの少なくとも1つ内における前記管の遠位端の開存性を維持する、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目5)
前記拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における前記展開された拡張可能保定部分によって画定された前記3次元形状の2次元スライスの面積は、前記拡張可能保定部分の遠位端に向かって増加する、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目6)
前記3次元形状の最遠位2次元スライスの面積は、前記管の遠位端の断面積よりも大きい、項目5に記載の尿管カテーテル。
(項目7)
前記伸長管は、約0.33mm~約3.0mmの外径を有する、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目8)
前記伸長管は、約0.16mm~約2.40mmの内径を有する、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目9)
前記拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における前記展開された拡張可能保定部分によって画定された前記3次元形状の最大断面積は、最大約350mm
2
である、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目10)
前記拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における前記展開された拡張可能保定部分によって画定された前記3次元形状の最大断面積は、約10mm
2
~約350mm
2
である、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目11)
前記拡張可能部分の近位端から遠位端までの前記拡張可能部分の軸方向長さは、約5mm~約100mmである、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目12)
前記拡張可能保定部分の中心軸は、前記管の中心軸と共線形である、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目13)
前記管の遠位端は、少なくとも部分的に、前記拡張可能保定部分によって画定された3次元形状によって封入される、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目14)
前記拡張可能保定部分は、前記管の遠位端から延在する少なくとも2つの伸長部材を備える、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目15)
前記伸長部材のうちの少なくとも1つは、前記展開された拡張可能部分によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように付勢される、項目14に記載の尿管カテーテル。
(項目16)
前記伸長部材のうちの少なくとも1つは、負圧が前記尿管および/または腎臓に暴露されると、前記展開された拡張可能部分によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように付勢される、項目14に記載の尿管カテーテル。
(項目17)
前記拡張可能保定部分は、展開位置に付勢される可撓性材料を含む、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目18)
前記可撓性材料は、形状記憶材料を含む、項目17に記載の尿管カテーテル。
(項目19)
前記可撓性材料は、ニチノール、チタン、クロム、シリコーン、ポリエチレン、テレフタル酸ポリエチレン、ポリウレタン、およびポリ塩化ビニルのうちの1つ以上のものを含む、項目17に記載の尿管カテーテル。
(項目20)
前記拡張可能保定部分は、前記管の内側表面および/または外側表面の一部に取り付けられる、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目21)
前記拡張可能保定部分は、前記管によって画定された少なくとも1つの排出管腔の少なくとも一部を通して延在する中心部分に接続される少なくとも2つの伸長部材を備える、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目22)
前記拡張可能保定部分は、少なくとも1つの伸長部材であって、第1の端部と、第2の端部とを備え、これらのそれぞれは、少なくとも部分的に、前記管によって画定された排出管腔内に封入される、少なくとも1つの伸長部材と、前記管の遠位端から突出する中央部分とを備える、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目23)
前記拡張可能保定部分は、少なくとも1つの伸長部材を備え、前記少なくとも1つの伸長部材は、少なくとも、第1の方向における第1の屈曲部と、第2の方向における第2の屈曲部とを備え、前記第2の方向は、前記第1の方向と同一平面ではない、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目24)
前記拡張可能保定部分は、前記管の遠位端から延在する伸長中心部材と、少なくとも1つの可撓性拡張可能ディスクとを備え、前記少なくとも1つの可撓性拡張可能ディスクは、前記中心部材に接続される中心部分と、前記中心部材の周囲に延在する周辺部分とを有する、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目25)
前記少なくとも1つのディスクは、約1.5mm~約25mmの直径を有する、項目24に記載の尿管カテーテル。
(項目26)
前記少なくとも1つのディスクは、少なくとも2つの支柱と、円周方向リングとを備え、前記少なくとも2つの支柱はそれぞれ、前記中心部材に接続される第1の端部と、前記円周方向リングに接続される第2の端部とを備える、項目24に記載の尿管カテーテル。
(項目27)
前記拡張可能保定部分の少なくとも1つのディスクは、前記中心部材に接続される少なくとも第1のディスクと、前記第1の部材の遠位の位置において前記中心部材に接続される第2のディスクとを備える、項目24に記載の尿管カテーテル。
(項目28)
前記第2のディスクの直径は、前記第1のディスクの直径以上である、項目27に記載の尿管カテーテル。
(項目29)
前記拡張可能保定部分によって画定された3次元空間は、前記伸長管の遠位端の少なくとも一部を封入する、項目1に記載の尿管カテーテル。
(項目30)
前記拡張可能保定部分は、前記管の周囲に延在する少なくとも1つの環状部材と、前記環状部材を前記管の一部に接続する少なくとも1つの支柱とを備える、項目29に記載の尿管カテーテル。
(項目31)
前記少なくとも1つの環状部材は、迂遠パターンを形成するように配列される直線部分および湾曲部分を備える、項目30に記載の尿管カテーテル。
(項目32)
前記迂遠パターンは、ジグザグパターン、正弦波パターン、方形波パターン、および任意のそれらの組み合わせのうちの1つ以上のものを備える、項目31に記載の尿管カテーテル。
(項目33)
前記拡張可能保定部分は、
前記管の周囲に延在する少なくとも2つの環状部材であって、前記少なくとも2つの環状部材は、前記環状部材のうちの一方の一部が他方の環状部材の一部と交差するように配列される、少なくとも2つの環状部材と、
前記環状部材を前記管に接続する少なくとも2つの支柱と
備える、項目29に記載の尿管カテーテル。
(項目34)
患者の腎臓からの排尿を促進するための方法であって、
(a)尿管カテーテルを前記患者の腎臓、腎盂、または前記腎盂に隣接する尿管のうちの少なくとも1つの中に挿入することであって、前記カテーテルは、
伸長管であって、前記伸長管は、近位端と、遠位端と、側壁とを備え、前記側壁は、前記管の前記近位端と前記遠位端との間に延在し、前記管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、伸長管と、
拡張可能保定部分であって、前記拡張可能保定部分は、前記管の遠位端から展開され、展開されると、前記腎臓から前記管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる3次元形状を画定するように構成される、拡張可能保定部分と
を備える、ことと、
(b)前記拡張可能保定部分を前記患者の腎臓、腎盂、または前記腎盂に隣接する尿管内で展開し、前記管の遠位端を、前記患者の前記腎臓、腎盂、または前記腎盂に隣接する尿管内の所望の位置に維持することと、
(c)ある時間周期にわたって、その近位部分を通して、負圧を前記管の排出管腔に印加し、前記腎臓からの排尿を促進することと
を含む、方法。
(項目35)
前記拡張可能保定部分は、前記尿管および/または腎盂の粘膜または尿路上皮組織が、少なくとも前記管の遠位端を閉塞することを阻止するように構成される、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記拡張可能保定部分は、前記展開された拡張可能部分によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように屈曲される前記管の遠位端から延在する少なくとも2つの伸長部材を備える、項目34に記載の方法。
(項目37)
前記拡張可能保定部分は、前記拡張可能保定部分の拡張位置に付勢される可撓性材料を含む、項目34に記載の方法。
(項目38)
前記可撓性材料は、形状記憶材料を含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記拡張可能保定部分の少なくとも一部は、前記管の内側表面および/または外側表面に搭載される、項目34に記載の方法。
(項目40)
前記拡張可能保定部分は、前記少なくとも1つの排出管腔の少なくとも一部を通して延在する中心部分と、少なくとも2つの伸長部材であって、前記中心部分に接続される第1の端部と、前記管の遠位端から延在する第2の端部とを有する、少なくとも2つの伸長部材とを備える、項目34に記載の方法。
(項目41)
前記拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における前記展開された拡張可能保定部分によって画定された前記3次元形状の最大断面積は、約10mm
2
~350mm
2
である、項目34に記載の方法。
(項目42)
腎臓、腎盂、および/または患者の腎盂に隣接する尿管内における設置のための尿管カテーテルであって、
伸長管であって、前記伸長管は、近位端と、遠位端と、側壁とを備え、前記側壁は、前記管の前記近位端と前記遠位端との間に延在し、前記管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、伸長管と、
拡張可能保定部分であって、前記拡張可能保定部分は、後退位置から展開位置に遷移するように構成され、前記拡張可能保定部分は、前記展開位置では、前記管の遠位端を前記患者の前記腎臓、腎盂、および/または前記腎盂に隣接する尿管内に維持し、前記腎臓から少なくとも前記管の遠位端を通した流体流を維持するように構成される、拡張可能保定部分と
を備え、
前記拡張可能保定部分は、少なくとも1つの可撓性部材を備え、前記少なくとも1つの可撓性部材は、
前記伸長管の側壁の外側表面によって画定され、前記管の遠位端から前記拡張可能保定部分の中心軸に沿って遠位に延在する円筒形空間内に位置付けられる第1の端部と、
前記円筒形空間から半径方向外向きに延在する前記伸長管の遠位端に対する最遠位部分と
を備える、尿管カテーテル。
(項目43)
前記拡張可能保定部分は、少なくとも2つの伸長可撓性部材を備え、前記拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における前記少なくとも2つの可撓性部材によって画定された2次元スライスの面積は、前記伸長管の遠位端の断面の面積よりも大きい、項目42に記載の尿管カテーテル。
(項目44)
前記拡張可能保定部分は、前記拡張可能保定部分の展開位置に付勢される可撓性材料を含む、項目42に記載の尿管カテーテル。
(項目45)
前記可撓性材料は、形状記憶材料を含む、項目44に記載の尿管カテーテル。
(項目46)
前記拡張可能保定部分の最遠位部分の断面積は、約10mm
2
~350mm
2
である、項目42に記載の尿管カテーテル。
(項目47)
前記拡張可能部分の近位端から遠位端までの前記拡張可能部分の軸方向長は、約5mm~100mmである、項目42に記載の尿管カテーテル。
(項目48)
前記伸長管は、約0.33mm~3.0mmの外径を有する、項目42に記載の尿管カテーテル。
(項目49)
負圧を患者の尿路の一部内に誘発するためのシステムであって、前記システムは、
少なくとも1つの尿管カテーテルであって、
伸長管であって、前記伸長管は、近位端と、遠位端と、側壁とを備え、前記側壁は、前記管の前記近位端と前記遠位端との間に延在し、前記管を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、伸長管と、
拡張可能保定部分であって、前記拡張可能保定部分は、前記管の遠位端から展開され、展開されると、前記腎臓から前記管の少なくとも遠位端を通した流体流を維持するように位置付けられる3次元形状を画定するように構成される、拡張可能保定部分と
を備える、少なくとも1つの尿管カテーテルと、
前記排出管腔と流体連通するポンプであって、前記ポンプは、負圧を前記患者の尿路の一部内に誘発し、流体を前記尿管カテーテルの排出管腔を通して引き出すために構成される、ポンプと
を備える、システム。
(項目50)
前記尿管カテーテルの拡張可能保定部分は、前記尿管および/または腎盂の粘膜または尿路上皮組織が、少なくとも前記管の遠位端を閉塞することを阻止するように構成される、項目49に記載のシステム。
(項目51)
展開されると、前記拡張可能部分は、前記腎臓、腎盂、および/または患者の腎盂に隣接する尿管内における前記管の遠位端の開存性を維持する、項目49に記載のシステム。
(項目52)
前記尿管カテーテルの拡張可能保定部分は、少なくとも2つの伸長可撓性部材を備え、前記拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における前記少なくとも2つの可撓性部材によって画定された2次元スライスの面積は、前記伸長管の遠位端の断面積よりも大きい、項目49に記載のシステム。
(項目53)
前記拡張可能保定部分は、前記展開位置に付勢される可撓性材料を含む、項目49に記載のシステム。
(項目54)
前記可撓性材料は、形状記憶材料を含む、項目53に記載のシステム。
(項目55)
前記ポンプは、前記位置付けおよび/または負圧を前記排出管腔の近位端に発生させるように構成される、項目49に記載のシステム。
(項目56)
前記ポンプは、約100mmHg以下の負圧を前記排出管腔の近位端に印加する、項目49に記載のシステム。
(項目57)
前記ポンプは、ユーザによって選択された3つの圧力レベルのうちの1つで動作するように構成され、前記圧力レベルは、2~125mmHgの負圧を発生させる、項目49に記載のシステム。
(項目58)
前記ポンプは、負圧の発生と正圧の発生との間で交互するように構成される、項目49に記載のシステム。
(項目59)
前記ポンプは、約10mmHg以下の感度を有する、項目49に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0143】
本開示のこれらおよび他の特徴および特性だけではなく、構造の関連要素の動作方法および機能および部品および製造の経済性の組み合わせが、その全てが本明細書の一部を形成し、同様の参照番号は、種々の図における対応する部品を指定する、付随の図面を参照して、以下の説明および添付の付記の検討からより明白となるであろう。しかしながら、図面は、例証および説明の目的のためだけのものであって、本発明の限定の定義として意図されるものではないことを明示的に理解されたい。
【0144】
さらなる特徴および他の実施例および利点も、図面を参照して検討される以下の発明を実施するための形態から明白となるであろう。
【0145】
【
図1】
図1は、本開示の実施例による、患者の尿路内で展開される尿収集アセンブリの留置部分の概略図である。
【0146】
【
図2A】
図2Aは、本発明の実施例による、展開された保定部分を有する、尿管カテーテルの正面図である。
【0147】
【
図2B】
図2Bは、本発明の実施例による、
図2Aに示される尿管カテーテルの正面図であるが、後退された保定部分を有する。
【0148】
【
図3A】
図3Aは、本発明の実施例による、展開された保定部分を有する、尿管カテーテルの正面断面図である。
【0149】
【
図3B】
図3Bは、本発明の実施例による、
図3Aに示される尿管カテーテルの正面断面図であるが、後退された保定部分を有する。
【0150】
【
図4】
図4は、本発明の実施例による、展開された保定部分を有する、尿管カテーテルの伸長管の遠位端の分解斜視図である。
【0151】
【
図5】
図5は、本発明の実施例による、
図2Aに示される尿管カテーテルの上面図である。
【0152】
【
図6】
図6は、本発明の別の実施例による、展開された保定部分を有する、尿管カテーテルの斜視図である。
【0153】
【
図7】
図7は、
図6に示される尿管カテーテルの正面図である。
【0154】
【
図8A】
図8Aは、本発明のさらに別の実施例による、展開された保定部分を有する、尿管カテーテルの正面図である。
【0155】
【
図8B】
図8Bは、本発明の実施例による、
図8Aに示される尿管カテーテルの正面図であるが、圧潰された保定部分を有する。
【0156】
【
図9】
図9は、本発明の実施例による、患者の尿路内に展開される尿収集アセンブリの留置部分の別の実施例の概略図である。
【0157】
【
図10】
図10は、本開示の実施例による、尿管カテーテルを流体ポンプに接続するための管類アセンブリおよびy-コネクタの斜視図である。
【0158】
【
図11】
図11は、本開示の実施例による、
図10のy-コネクタに接続されている、尿管カテーテルの斜視図である。
【0159】
【
図12A】
図12Aは、本発明の実施例による、尿管カテーテルまたは尿収集アセンブリの挿入および展開のためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0160】
【
図12B】
図12Bは、本発明の実施例による、尿管カテーテルまたは尿収集アセンブリを使用して負圧を印加するためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0161】
【
図13】
図13は、本発明の実施例による、負圧を患者の尿路に誘発するためのシステムの概略図である。
【0162】
【0163】
【0164】
【
図15】
図15は、本開示の実施例による、患者のクレアチニンおよび/またはタンパク質レベルを低減させるためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0165】
【
図16】
図16は、本開示の実施例による、蘇生輸液を受ける患者を治療するためのプロセスを図示する、フローチャートである。
【0166】
【
図17】
図17は、ブタモデルにおける負圧療法を評価するための実験設定の概略図である。
【0167】
【
図18】
図18は、
図17に示される実験設定を使用して実施された試験に関するクレアチニンクリアランス率のグラフである。
【0168】
【
図19A】
図19Aは、負圧療法で治療された鬱滞腎臓からの腎臓組織の低拡大率光顕微鏡写真である。
【0169】
【0170】
【
図19C】
図19Cは、鬱滞および未治療(例えば、対照)腎臓からの腎臓組織の低拡大率光顕微鏡写真である。
【0171】
【0172】
【
図20】
図20は、本明細書に説明される実験方法を使用してブタ上で行われる試験に関する、ベースラインに対する血清アルブミンのグラフである。
【0173】
【
図21】
図21は、本発明の実施例による、尿管ステントおよび膀胱カテーテルを含む、患者の尿路内に展開される尿収集アセンブリの留置部分の概略図である。
【0174】
【
図22】
図22は、PCT特許出願公開第WO2017/019974号の
図1による、先行技術の変形可能尿管ステントの実施例の二軸測視図であって、左の画像は、ステントの非圧縮状態を表し、右の画像は、ステントの圧縮状態を表す。
【0175】
【
図23】
図23は、米国特許出願第公開第2002/0183853A1号の
図4による、先行技術の尿管ステントの実施例の斜視図である。
【0176】
【
図24】
図24は、米国特許出願第公開第2002/0183853A1号の
図5による、先行技術の尿管ステントの実施例の斜視図である。
【0177】
【
図25】
図25は、米国特許出願第公開第2002/0183853A1号の
図7による、先行技術の尿管ステントの実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0178】
本明細書で使用されるように、「a」、「an」、および「the」の単数形は、文脈によって明確に別様に示されない限り、複数参照も含む。
【0179】
本明細書で使用されるように、用語「右」、「左」、「上部」、およびその派生形は、図面において配向されるように本発明に関連するものとする。用語「近位」は、ユーザおよび/または尿路アクセス部位の最近傍留置カテーテルの一部によって操作または接触される、カテーテルデバイスの部分を指す。用語「遠位」は、患者の中に挿入されるように構成されるカテーテルデバイスの反対端および/または患者の尿路の最遠位に挿入されるデバイスの一部を指す。しかしながら、本発明は、種々の代替配向をとることができ、故に、そのような用語は、限定として見なされるものではないことを理解されたい。また、本発明は、反対のことが明示的に規定されない限り、種々の代替変形例および段階シーケンスをとることができることを理解されたい。また、添付の図面に図示され、以下の明細書に説明される、具体的デバイスおよびプロセスは、実施例であることを理解されたい。故に、本明細書に開示される実施形態に関連する具体的寸法および他の物理的特性は、限定として見なされるものではない。
【0180】
本明細書の目的のために、別様に示されない限り、明細書および請求項において使用される成分、反応状態、寸法、物理的特性等の数量を表す全ての数字は、全事例において用語「約」によって修飾されるものとして理解されたい。反対のことが示されない限り、以下の明細書および添付の請求項に記載される数値パラメータは、本発明によって得られることが模索される所望の特性に応じて変動し得る、近似である。
【0181】
本発明の広義の範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、近似であるが、具体的実施例に記載される数値は、可能な限り精密に報告される。しかしながら、任意の数値は、本質的に、その個別の試験測定に見出される標準偏差から必然的に生じる、ある誤差を含有する。
【0182】
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に含められる全ての部分範囲を含むことが意図されることを理解されたい。例えば、「1~10」の範囲は、1の列挙された最小値と10の列挙された最大値を含む、その間のあらゆる範囲、すなわち、1に等しい以上の最小値から開始し、10以下の最大値で終了する全ての部分範囲と、その間の全ての部分範囲、例えば、1~6.3、または5.5~10、または2.7~6.1とを含むものと意図される。
【0183】
本明細書で使用されるように、用語「通信」および「通信する」は、1つ以上の信号、メッセージ、コマンド、または他のタイプのデータの受信または転送を指す。1つのユニットまたは構成要素が別のユニットまたは構成要素と通信するとは、1つのユニットまたは構成要素が、直接または間接的に、データを他のユニットまたは構成要素から受信および/またはそこにデータを伝送することが可能であることを意味する。これは、性質上、有線および/または無線であり得る、直接または間接接続を指し得る。加えて、2つのユニットまたは構成要素は、伝送されるデータが、第1および第2のユニットまたは構成要素間で修正される、処理される、ルーティングされる、および同等物である場合でも、相互に通信することができる。例えば、第1のユニットは、第1のユニットがデータを受動的に受信し、データを第2のユニットに能動的に伝送しない場合でも、第2のユニットと通信することができる。別の実施例として、第1のユニットは、中間ユニットが、1つのユニットからのデータを処理し、処理されたデータを第2のユニットに伝送する場合も、第2のユニットと通信することができる。多数の他の配列も可能性として考えられることを理解されたい。
【0184】
本明細書で使用されるように、「患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持する」は、腎臓から、尿管、尿管ステント、および/または尿管カテーテルを通して、膀胱への尿等の流体の流動を確立、増加、または維持することを意味する。本明細書で使用されるように、「流体」は、尿路からの尿および任意の他の流体を意味する。
【0185】
流体貯留および静脈鬱滞は、進行性腎疾患の進行における主要な問題である。排泄における相対的減少と結び付けられる過剰ナトリウム摂取は、等張体積膨張および二次コンパートメント症候群の併発につながる。いくつかの実施例では、本発明は、概して、患者の膀胱、尿管、および/または腎臓からの尿または廃棄物の排出を促進するためのデバイスおよび方法を対象とする。いくつかの実施例では、本発明は、概して、患者の膀胱、尿管、および/または腎臓内で負圧を誘発するためのデバイスおよび方法を対象とする。任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、負圧を膀胱、尿管、および/または腎臓に印加することは、いくつかの状況において、ナトリウムおよび水分の髄質腎単位尿細管再吸収を補償し得ると考えられる。ナトリウムおよび水分の再吸収の補償は、尿産生を増加させ、総体内ナトリウムを減少させ、赤血球産生を改善することができる。髄質内圧が、ナトリウム、したがって、体液量過剰によって促されるため、過剰ナトリウムの標的除去は、体液量損失の維持を可能にする。体液量の除去は、髄質鬱滞を回復させる。正常尿産生は、1.48~1.96L/日(または1~1.4ml/分)である。
【0186】
流体貯留および静脈鬱滞はまた、腎前性急性腎傷害(AKI)の進行における主要な問題である。具体的には、AKIは、腎臓を通した潅流または血流の損失に関連し得る。故に、いくつかの実施例では、本発明は、静脈鬱滞を緩和または低減させる目的のために、改良された腎血行動態を促進し、排尿を増加させる。さらに、AKIの治療および/または阻止は、他の状態の発生にも良い影響を及ぼし、および/またはそれを低減させることが予期され、例えば、NYHA分類III度および/または分類IV度心不全を伴う患者における腎機能の悪化の低減または阻止が挙げられる。異なるレベルの心不全の分類は、The Criteria Committee of the New York Heart Association, (1994), Nomenclature and Criteria for Diagnosis of Diseases of the Heart and Great Vessels, (9th ed.), Boston: Little, Brown & Co. pp. 253-256(本開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。AKIおよび/または慢性的潅流減少のエピソードの低減または阻止はまた、第4期および/または第5期慢性腎臓疾患のための治療であり得る。慢性腎臓疾患の進行は、National Kidney Foundation, K/DOQI Clinical Practice Guidelines for Chronic Kidney Disease: Evaluation, Classification and Stratification. Am. J. Kidney Dis. 39:S1-S266, 2002 (Suppl. 1)(本開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。
【0187】
図1を参照すると、尿路は、患者の右腎2および左腎4を備える。前述のように、腎臓2、4は、血液濾過および尿を通した身体からの廃棄物化合物の一掃に関与する。右腎2および左腎4によって産生された尿は、尿細管、すなわち、右尿管6および左尿管8を通して患者の膀胱10の中に排出される。例えば、尿は、尿管壁の蠕動および重力によって尿管6、8を通して伝導され得る。尿管6、8は、尿管口または開口部16を通して膀胱10に進入する。膀胱10は、尿が身体から排泄されるまで尿を収集するように適合される、可撓性かつ実質的に中空の構造である。膀胱10は、空位置(参照線Eによって示される)から満杯位置(参照線Fによって示される)に遷移可能である。通常、膀胱10が実質的に満杯状態に到達すると、尿は、膀胱10から膀胱10の下側部分に位置する尿道括約筋または開口部18を通して尿道12に排出することが可能にされる。膀胱10の収縮は、尿管開口部16と尿道開口部18との間に延在する三角形領域である、膀胱10の三角領域14上に付与される応力および圧力に応答し得る。三角領域14は、膀胱10が充填され始めるにつれて、三角領域14上の圧力が増加するように、応力および圧力に敏感である。三角領域14上の閾値圧力を超えると、膀胱10は、収縮し、収集された尿を尿道12を通して放出し始める。
【0188】
いくつかの実施例では、方法が、腎臓からの排尿を促進するための方法が提供され、(a)本明細書に開示されるような本発明のカテーテルを患者の腎臓、腎盂、または腎盂に隣接する尿管のうちの少なくとも1つの中に挿入するステップと、(b)ある時間周期にわたって、負圧をカテーテルの排出管腔を画定する管の近位部分に印加し、腎臓からの排尿を促進するステップとを含む。本発明の例示的尿管カテーテルの具体的特性は、本明細書に詳細に説明される。
【0189】
負圧を患者の腎臓面積の中に送達するステップは、少なくとも3つの理由から、いくつかの解剖学的課題を有する。第1に、泌尿系は、容易に変形される、高度に柔軟性組織から成る。医学書は、多くの場合、膀胱内に含有される尿の体積にかかわらず、固定形状のままであり得る、厚い筋肉構造として、膀胱を描写している。しかしながら、現実では、膀胱は、軟質変形可能構造である。膀胱は、収縮し、膀胱内に含有される尿の体積に共形化する。空膀胱は、ボールよりも、収縮されたラテックスバルーンに近似する。加えて、膀胱の内部の粘膜内層は、軟質であって、炎症および損傷を受けやすい。泌尿系組織をカテーテルのオリフィスの中に引き込むことを回避し、それを通して適正な流体流を維持し、周囲組織への傷害を回避することが望ましい。
【0190】
第2に、尿管は、拡張および収縮し、尿を腎盂から膀胱に移送し得る、小管状構造である。本移送は、2つの方法、すなわち、蠕動活動と、開放システム内の圧力勾配とにおいて生じる。蠕動活動では、尿部分は、収縮性波より先に押動され、これは、管腔をほぼ完全に塞ぐ。波パターンは、腎盂面積内で開始し、尿管に沿って伝搬し、膀胱で終端する。そのような完全な閉塞は、流体流を中断し、膀胱内で送達される負圧が補助なしで腎盂に到達することを阻み得る。広開放尿管を通した圧力勾配による、第2のタイプの移送は、大量の尿流の間に存在し得る。腎盂内の圧力頭は、上部尿路の平滑筋の収縮によって生じるのではなく、むしろ、尿の流動によって発生され、したがって、動脈血圧を反映させる。Kiil F., “Urinary Flow and Ureteral Peristalsis” in: Lutzeyer W., Melchior H. (eds) Urodynamics. Springer, Berlin, Heidelberg (pp. 57-70) (1973)。
【0191】
第3に、腎盂は、少なくとも、膀胱と同様に柔軟性である。腎盂の薄壁は、例えば、水腎症を有する患者において生じるように、拡張し、正常体積の数倍を収容することができる。
【0192】
任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、腎盂および膀胱の組織は、負圧の送達の間、内向きに引き込まれるために十分に可撓性であって、幾分、負圧を送達するために使用されているツールの形状および体積に共形化し得ると考えられる。したがって、負圧を少なくとも1つの腎杯に伝送し得る、3次元空隙体積を維持する、3次元形状が負圧を腎単位に送達するために有用であると考えられる。加えて、組織の可撓性を前提として、ツールの管腔につながる開口部からのこれらの組織の保護が、望ましい。本明細書で議論されるカテーテルは、負圧、正圧を送達するために有用であり得る、または周囲圧力で使用されることができる、または任意のそれらの組み合わせであり得る。
【0193】
例示的尿管カテーテル:
図1を参照すると、尿収集アセンブリ5000は、尿等の流体を、患者の腎臓2、4、腎盂20、21、または腎盂20、21に隣接する尿管6、8のうちの少なくとも1つから排出するための伸長管1002を備える、例示的尿管カテーテル1000を含む。伸長管1002は、患者の腎臓2、4、腎盂20、21、および/または腎盂20、21に隣接する尿管6、8内に位置付けられるように構成される、遠位端1004と、それを通して流体1008を膀胱10または患者の身体外に排出される(例えば、管1002の一部が尿道12から外部流体収集容器および/またはポンプまで延在する)、近位端1006と、管1002の近位端1006と遠位端1004との間に延在し、管1002から形成され、管1002を通して延在する、少なくとも1つの排出管腔(
図5の参照記号L参照)を画定する、側壁1010とを備える。
【0194】
管1002は、任意の好適な長さを有し、性別および/または患者サイズに関する解剖学的差異に適応することができる。いくつかの実施例では、管1002は、約30cm~約120cmの長さを有する。さらに、伸長管1002は、約0.33mm~約3.0mmの外径を有することができる。伸長管1002はまた、約0.16mm~約2.40mmの内径を有することができる。伸長管1002の外径および内径は、前述の範囲の部分範囲のいずれかを含むことができることを理解されたい。
【0195】
管1002は、任意の好適な可撓性および/または変形可能材料から形成されることができる。そのような材料は、膀胱10および尿管6、8内における管1002の前進および/または位置付けを促進する。そのような材料の非限定的実施例は、生体適合性ポリマー、ポリ塩化ビニル、Teflon(R)等のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコンコーティングされたラテックス、またはシリコンを含む。カテーテルデバイス1000の少なくとも一部または全部、特に、管1002は、親水性コーティングでコーティングされ、挿入および/または除去を促進し、および/または快適性を向上させることができる。いくつかの実施例では、コーティングは、疎水性および/または潤滑性コーティングである。例えば、好適なコーティングは、Koninklijke DSM N.V.から利用可能なComfortCoat(R)親水性コーティング、または米国特許第8,512,795号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されるような高分子電解質を備える親水性コーティングを備えることができる。いくつかの実施例では、管1002は、蛍光透視撮像によって視認可能な材料で含浸される、またはそれから形成される。例えば、管1002を形成する、生体適合性ポリマーは、硫酸バリウムまたは類似放射線不透過性材料で含浸されることができる。したがって、管1002の構造および位置は、蛍光透視法に対して可視である。
【0196】
管1002の近位端1006は、開口部が本質的にない、またはない。任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、負圧が、管1002の近位端1006に印加されるとき、管1002の近位端内の開口部は、尿管カテーテル1000の遠位部分1014における負圧を減少させ、それによって、腎臓2、4および腎臓2、4の腎盂20、21からの流体または尿の引込または流動を減少させ得るため、望ましくあり得ないと考えられる。尿管6、8および/または腎臓2、4からの流体の流動は、カテーテル1000による尿管6、8および/または腎臓2、4の閉塞によって阻まれないことが望ましい。また、任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、負圧が、近位端1006に印加されるとき、尿管6、8組織は、管1002の近位端1006に沿って、開口部に対して、またはその中に引き込まれ得、これは、組織を炎症させ得ると考えられる。
【0197】
図1を参照すると、尿管カテーテル1000の遠位部分1014はさらに、管1002の遠位部分1014および排出管腔を尿管6、8および/または腎臓2、4内に維持するために、保定部分1015を備える。保定部分1015は、尿管6、8、腎盂20、21、および/または腎臓2、4内への保定部分1015の位置付けを可能にするように拡張可能である。例えば、保定部分1015は、望ましくは、十分に拡張可能であって、カテーテル1000上に付与される力を吸収し、そのような力が尿管6、8に伝達されることを防止する。さらに、保定部分1015が、患者の膀胱10に向かって、近位方向(
図1では参照記号P)に引動される場合、保定部分1015は、十分に可撓性であって、管1002の管腔内に、随意に、尿管6、8を通して、引き込まれ得るように、解巻、直線化、または圧潰し始める。
【0198】
したがって、
図2A-3Bを参照すると、例えば、保定部分1015は、後退位置(
図2Bおよび3B)から展開位置(
図2Aおよび3A)に遷移するように構成される。展開位置では、保定部分1015は、腎臓2、4から管1002の少なくとも遠位端1004を通した流体流を維持するように位置付けられる、3次元形状を画定する。
【0199】
いくつかの実施例では、保定部分1015は、流体流の少なくとも一部が拡張可能保定部分1015を通して流動するように、腎臓2、4と管1002の近位端1006との間の流体流の開存性を維持するように位置付けられる、3次元形状を備える。例えば、展開されると、拡張可能保定部分1015は、尿管6、8または腎盂20、21の粘膜または尿路上皮組織が、拡張可能保定部分1015または管1002の遠位端1004少なくとも一部を閉塞することを阻止するように構成されることができる。加えて、いくつかの実施例では、拡張可能保定部分1015は、患者の腎臓2、4、腎盂20、21、または腎盂20、21に隣接する尿管6、8のうちの少なくとも1つ内の管1002の遠位端1004の開存性を維持する。
【0200】
展開された拡張可能保定部分1015によって画定された3次元形状は、特定の面積を占有するように構成されることができる。例えば、
図2Aおよび3Aに示されるように、例えば、拡張可能保定部分1015の中心軸に対して横方向の平面における展開された拡張可能保定部分1015によって画定された3次元形状の2次元スライスの面積は、拡張可能保定部分1015の遠位端1020に向かって増加する。拡張可能保定部分1015の「中心軸」は、拡張可能保定部分1015を通して軸方向または縦方向に延在する、直線および/または湾曲軸を指す。
【0201】
3次元形状の2次元スライスの最遠位端部1020の面積もまた、管1002の遠位端1004の断面積よりも大きいことができる。いくつかの実施例では、拡張可能保定部分1015の中心軸に対して横方向の平面における展開された拡張可能保定部分1015によって画定された3次元形状の最大断面積は、最大約350mm2である。ある実施例では、拡張可能保定部分1015の中心軸に対して横方向の平面における展開された拡張可能保定部分1015によって画定された3次元形状の最大断面積は、約10mm2~約350mm2である。
【0202】
保定部分1015の長さに対して、拡張可能保定部分1015のその近位端1022から遠位端1020までの軸方向長は、約5mm~約100mmであることができる。
図2A-8Bにさらに示されるように、拡張可能保定部分1015の中心軸は、管1002の中心軸と共線形であることができる。いくつかの実施例では、管1002の遠位端1004は、少なくとも部分的に、拡張可能保定部分1015によって画定された3次元形状によって封入される。
【0203】
いくつかの実施例では、拡張可能保定部分1015は、管1002の一部に取り付けられる。例えば、
図3Aを参照すると、拡張可能保定部分1015は、管1002の内側表面1001、管1002の外側表面1003、または両方の一部に取り付けられることができる。
【0204】
保定部分1015は、保定部分1015の展開位置に付勢される、可撓性材料から形成されることができる。したがって、保定部分1015の材料は、保定部分1015が管1002から延在されると、保定部分1015を自動的に展開する。いくつかの実施例では、可撓性材料は、形状記憶材料を含む。本明細書で使用されるように、「形状記憶材料」は、外部刺激の使用を伴わずに、そのオリジナル形状に戻ることが可能な材料を指す。保定部分1015を形成するために使用され得る、可撓性材料の非限定的実施例は、ニチノール、チタン、クロム、シリコーン、ポリエチレン、テレフタル酸ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、および任意のそれらの組み合わせを含む。
【0205】
いくつかの実施例では、
図2Aおよび3Aに示されるように、拡張可能保定部分1015は、管1002の遠位端1004から延在する、少なくとも3つまたは少なくとも4つ等の少なくとも2つの伸長部材1030を備える。
図3Aに示されるように、伸長部材1030は、管1002の内部を通して形成される管腔の少なくとも一部を通して、管1002の遠位端1004から外に延在することができる。さらに、伸長部材1030のうちの少なくとも1つは、展開された拡張可能保定部分1015によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように付勢される。例えば、伸長部材のうちの少なくとも1つ1030は、負圧が尿管6、8および/または腎臓2、4に暴露されると、展開された拡張可能保定部分1015によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように付勢されることができる。
【0206】
図4はさらに、管1002の遠位端1004から延在する伸長部材1030の拡大図を図示する。
図4に示されるように、伸長部材1030は、展開された拡張可能保定部分1015によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように付勢される。
【0207】
いくつかの実施例では、
図3Aを参照すると、少なくとも3つまたは少なくとも4つ等の少なくとも2つの伸長部材1030が、いくつかの実施例では、管1002によって画定された少なくとも1つの排出管腔の少なくとも一部を通して、随意に、管1002の遠位端1004から延在する、中心部材等の中心部分1040に接続される。伸長部材1030は、伸長部材1030を形成する材料に接続するための当技術分野において公知の種々の材料および技法を使用して、中心部分1040において、またはそこに接続されることができる。
【0208】
いくつかの実施例では、再び
図3Aを参照すると、拡張可能保定部分1015は、管1002によって画定された排出管腔内に封入され得る、第1の端部1050および第2の端部1052を有する、少なくとも1つの伸長部材1030を備える。
図2A、3A、および5にさらに示されるように、中央部分1054は、管1002の遠位端1004から突出する。中央部分1054は、展開された拡張可能保定部分1015によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するために十分な構造を形成するように付勢されることを理解されたい。
【0209】
前述の伸長部材1030は、展開された拡張可能保定部分1015によって画定された3次元形状の位置および体積を維持するように構成される、種々の形状を有することができる。例えば、
図2Aおよび3Aに示されるように、少なくとも1つの伸長部材1030は、第1の方向「D1」における少なくとも第1の屈曲部1060と、第2の方向「D2」における第2の屈曲部1062とを備えることができる。いくつかの実施例では、第2の方向「D2」は、第1の方向「D1」と同一平面ではない。
【0210】
前述のように、保定部分1015は、伸長管1002の管腔の中に後退されることができる。したがって、前述の伸長部材1030は、伸長管1002の管腔の中に後退されることができる。
図2Bおよび3Bは、後退され、伸長管1002の管腔の中に引き込まれる、伸長部材1030を図示する。さらに、
図5は、管1002から形成される管腔(参照記号L)を図示する。
【0211】
保定部分1015はまた、異なる構成を備えることができる。いくつかの実施例では、
図6および7を参照すると、部分1015は、管1002の遠位端1004から延在する、伸長中心部材1070と、中心部材1070に接続される、中心部分1074と、中心部材1070の周囲に延在する、周辺部分1076とを有する、少なくとも1つの可撓性拡張可能ディスク1072とを備える。
【0212】
いくつかの実施例では、保定部分1015は、少なくとも2つまたは少なくとも3つの可撓性拡張可能ディスク1072等の1つを上回る可撓性拡張可能ディスク1072を備える。例えば、保定部分1015は、中心部材1070に接続される、少なくとも第1の可撓性拡張可能ディスク1072と、第1のディスク1072の遠位の位置において中心部材1070に接続される、第2の可撓性拡張可能ディスク1080とを備えることができる。保定部分1015は、例えば、第3の可撓性拡張可能ディスク1082等、第1および/または第2の可撓性拡張可能ディスク1072、1080の近位または遠位の付加的可撓性拡張可能ディスク1072を含むことができることを理解されたい。
【0213】
さらに、
図6および7に示されるディスク1072、1080、1082等の各ディスク1072は、約1.5mm~約25mmの直径を有することができる。さらに、種々のディスク1072、1080、1082は、同一または異なる直径を有することができる。例えば、第2のディスクの直径1080は、第1のディスク1072の直径以上であることができ、第1のディスク1080の直径は、第3のディスク1082の直径以上であることができる。いくつかの実施例では、
図6および7に示されるように、ディスク1072、1080、1082の直径は、保定部分1015の近位端1022から遠位端1020まで増加する。
【0214】
いくつかの実施例では、
図6および7を参照すると、可撓性拡張可能ディスク1072、1080、1082は、少なくとも3つの支柱1090または少なくとも4つの支柱1090等の少なくとも2つの支柱1090と、周辺部分1076によって形成される、円周方向リング1094とを備えることができる。各支柱1090は、中心部材1070に接続される、第1の端部1092と、円周方向リング1094に接続される、第2の端部1096とを備えることができる。保定部材1015が、複数のディスク1072、1080、1082を備えるとき、ディスク1072、1080、1082の全てを含む、1つ以上のものは、独立して、前述のように、少なくとも2つの支柱1090と、円周方向リング1094とを備えることができる。
【0215】
少なくとも1つの可撓性拡張可能ディスク1072を備える、保定部分1015は、伸長管1002の管腔の中に後退されることができる。したがって、前述の可撓性拡張可能ディスク1072、1080、1082は、伸長管1002の管腔の中に後退されることができる。
【0216】
前述のように、管1002の遠位端1004は、少なくとも部分的に、拡張可能保定部分1015によって画定された3次元形状によって封入されることができる。いくつかの実施例では、
図8Aおよび8Bを参照すると、保定部分1015は、管1002の周囲に延在する、少なくとも1つの環状部材1100が、少なくとも部分的に、管1002の遠位端1004を封入するように、管1002の周囲に延在する、少なくとも1つの環状部材1100と、環状部材1100を管1002の一部に接続する、少なくとも1つの支柱1102とを備える。少なくとも1つの環状部材1100は、迂遠パターンを形成するように配列される、直線部分1106および湾曲部分1108を備えることができる。いくつかの実施例では、迂遠パターンは、ジグザグパターン、正弦波パターン、方形波パターン、または任意のそれらの組み合わせのうちの1つ以上のものを備える。
【0217】
再び
図8Aおよび8Bを参照すると、拡張可能保定部分1015は、管1002の周囲に延在する、少なくとも2つの環状部材1100を備えることができる。少なくとも2つの環状部材1100は、環状部材1100のうちの一方の一部が、他方の環状部材1100の一部と交差するように配列されることができる。さらに、少なくとも2つの支柱1102は、環状部材1100を管1002に接続することができる。
【0218】
環状部材1100を備える、保定部分1015は、伸長管1002の中に後退されることができる。したがって、前述の環状部材1100は、伸長管1002の管腔の中に後退されることができる。
【0219】
示されるように、前述の尿管カテーテル1000は、腎臓2、4、腎盂20、21、および/または患者の腎盂に隣接する尿管6、8内に設置されることができる。いくつかの実施例では、保定部材1015を備える、尿管カテーテル1000は、患者の尿路の中に、より具体的には、腎盂20、21領域/腎臓2、4内に、導管を使用して、尿道12を通して膀胱10の中に展開されることができる。さらに、保定部分1015が、近位方向Pに患者の膀胱10に向かって引動される場合、保定部分1015は、十分に可撓性であって、尿管6、8を通して引き込まれ得るように、圧潰し始めることができる。尿管カテーテル1000を展開するために、医療従事者は、膀胱鏡を尿道12の中に挿入し、ツールが膀胱10に進入するためのチャネルを提供するであろう。尿管口が、可視化され、ガイドワイヤが、ガイドワイヤの先端が腎盂20、21に到達するまで、膀胱鏡および尿管を通して挿入されるであろう。膀胱鏡は、除去される可能性が高く、「プッシャ管」が、ガイドワイヤを経由して腎盂20、21まで給送されるであろう。ガイドワイヤは、「プッシャ管」が、定位置に留まり、展開シースとして作用する間、除去されるであろう。尿管カテーテル1000は、プッシャ管/シースを通して挿入され、カテーテル先端は、いったんプッシャ管/シースの端部を越えて延在すると、作動されるであろう。保定部材1015は、半径方向に拡張し、展開位置をとるであろう。
【0220】
負圧を誘発するためのシステム
図9を参照すると、腎臓潅流を増加させるために負圧を患者の尿路内に誘発するための例示的システム1200が、図示される。システム1200は、負圧を発生させるために流体ポンプ2000に接続される、1つまたは2つの尿管カテーテル1000を備える。より具体的には、患者の尿路は、患者の右腎2と、左腎4とを備える。腎臓2、4は、血液濾過および尿を通した身体からの廃棄物化合物のクリアランスに関与する。右腎2および左腎4によって産生された尿は、患者の膀胱10の中に、尿細管、すなわち、腎盂20、21において腎臓に接続される、右尿管6および左尿管8を通して、排出される。尿は、尿管壁の蠕動および重力によって、尿管6、8を通して伝導され得る。尿管6、8は、尿管口または開口部16を通して、膀胱10に進入する。膀胱10は、尿が身体から排泄されるまで、尿を収集するように適合される、可撓性かつ実質的に中空の構造である。
【0221】
図1を参照すると、膀胱10は、空位置(参照線Eによって示される)から満杯位置(参照線Fによって示される)に遷移可能である。通常、膀胱10が、実質的に満杯状態に到達すると、尿は、膀胱10から、尿道12に、膀胱10の下側部分に位置する、尿道括約筋または開口部18を通して排出させられる。膀胱10の収縮は、尿管開口部16と尿道開口部18との間に延在する三角形領域である、膀胱10の三角部領域14に付与される、応力および圧力に応答することができる。三角部領域14は、膀胱10が充填し始めるにつれて、三角部領域14にかかる圧力が増加するように、応力および圧力に敏感である。三角部領域14にかかる閾値圧力を超えると、膀胱10は、収縮し、収集された尿を尿道12を通して排出し始める。
【0222】
図9に示されるように、尿管カテーテル1000の遠位部分は、腎臓2、4の近傍の腎盂20、21内で展開される。カテーテル1000のうちの1つ以上のものの近位部分は、y-コネクタ2010および管類セット2050を通して、流体ポンプ2000の単一流出ポート2002に接続される。そこに接続される例示的y-コネクタ2010および管類セット2050は、
図10および11に示される。
図10および11を参照すると、y-コネクタ2010は、剛性プラスチック材料から形成される、管状本体2012を備え、本体2012は、2つの流入ポート2014、2016と、逆流を防止するための一方向逆止弁2018を備える、単一流出ポートとを備える。流入ポート2014、2016は、カテーテル1000の近位端を受容するための当技術分野において公知のルアー係止コネクタ、ねじコネクタ、または類似機構等のコネクタ部分2020を備えることができる。カテーテル1000の近位端は、y-コネクタ2010に搭載するための対応する構造を有する。管類セット2050は、
図9に示されるように、y-コネクタ2010の一方向逆止弁2018と、流体ポンプ2000の流出ポート2002に係合するように構成される、漏斗形状のコネクタ2054との間に延在する、可撓性医療管類2052の長さを備える。漏斗形状のコネクタ2054の形状およびサイズは、使用されているポンプ2000のタイプに基づいて選択されることができる。いくつかの実施例では、漏斗形状のコネクタ2054は、負圧を患者の膀胱、尿管、または腎臓内で誘発するために安全であると見なされる、特定のポンプタイプのみに接続され得るように、明確に異なる構成を伴って製造されることができる。他の実施例では、本明細書に説明されるように、コネクタ2054は、種々の異なるタイプの流体ポンプへの取付のために適合される、より汎用の構成であることができる。
【0223】
いくつかの実施例では、ポンプ2000は、約100mmHg以下の負圧を排出管腔の近位端に印加する。ポンプ2000はまた、ユーザによって選択された3つの圧力レベルのうちの1つで動作するように構成されることができ、圧力レベルは、例えば、2mmHg~125mmHgの負圧を発生させる。さらに、いくつかの実施例では、ポンプ2000は、負圧の発生と正圧の発生との間で交互するように構成される。いくつかの実施例では、ポンプ2000はまた、約10mmHg以下の感度を有する。
【0224】
システム1200は、本明細書に開示される尿管カテーテル1000と併用され得る、負圧を誘発するための負圧システムの一実施例にすぎない。他のシステムおよび尿収集アセンブリも、カテーテル1000と併用されることができる。加えて、カテーテル1000は、別個の負圧源に接続されることができる。他の実施例では、1つ以上のカテーテル1000が、負圧源に接続されることができる一方、他のカテーテル1000は、非加圧流体収集容器に接続されることができる。
【0225】
例示的尿収集アセンブリ:
前述のように、かつ
図1に示されるように、尿管カテーテル1000を含む、尿収集アセンブリ5000は、患者の尿路内に位置付けられるように構成される。例えば、尿管カテーテル1000の遠位端1014は、患者の尿管2、4内、特に、腎臓6、8の腎盂20、21面積内に展開されるように構成されることができる。
【0226】
いくつかの実施例では、尿収集アセンブリ5000は、右腎2の腎盂20内またはそれに隣接して配置される第1のカテーテル1000、および、左腎4の腎盂21内またはそれに隣接して配置される第2のカテーテル1000等、2つの別個の尿管カテーテル1000を備えることができる。カテーテル1000は、その全長にわたって別個であることができる、またはクリップ、リング、クランプ、または他のタイプの接続機構(例えば、コネクタ150)によって、相互に近接して保持され、カテーテル1000の設置または除去を促進することができる。いくつかの実施例では、カテーテル1000は、ともに融合または接続され、単一排出管腔を形成することができる。他の実施例では、カテーテル1000は、その部分または区画に沿って、別のカテーテル、管、またはシースを通して挿入される、またはその中に封入され、カテーテル1000の身体からの挿入および後退を促進することができる。例えば、膀胱カテーテルは、尿管カテーテル1000と同一ガイドワイヤを経由して、および/またはそれに沿って挿入され、それによって、尿管カテーテル1000を膀胱カテーテルの遠位端から延在させることができる。いくつかの実施例では、別個の膀胱カテーテルが、使用されるとき、尿管カテーテル1000は、膀胱10で終端する。
【0227】
いくつかの実施例では、前述のように、尿管カテーテル1000は、尿等の流体を患者の腎臓2、4、腎盂20、21、または腎盂20、21に隣接する尿管6、8のうちの少なくとも1つから排出するために、伸長管1002を備えることができる。伸長管1002は、患者の腎臓2、4、腎盂20、21、および/または腎盂20、21に隣接する尿管6、8内に位置付けられるように構成される、遠位端1004と、それを通して流体1008が膀胱10または患者の身体外に排出される(例えば、管1002の一部が尿道12から外部流体収集容器および/またはポンプ2000まで延在する)、近位端1006と、管1002の近位端1006と遠位端1004との間に延在し、管1002を通して延在する少なくとも1つの排出管腔を画定する、側壁1010とを備える。いくつかの実施例では、管1002は、膀胱カテーテルの排出管腔等の別の留置カテーテルおよび/または排出管腔で終端する。その場合、流体は、尿管カテーテル1002の近位端から排出し、身体から付加的留置カテーテルおよび/または排出管腔を通して指向される。
【0228】
示されるように、尿管カテーテル1000は、膀胱カテーテルに接続され、尿のための単一排出管腔を提供することができる、または尿管カテーテル1000は、別個の管を介して、膀胱カテーテルから排出することができる。膀胱カテーテルは、尿収集アセンブリ5000の留置部分を係留する、保定する、および/またはそのための受動固定を提供するための展開可能シールおよび/またはアンカを備え、いくつかの実施例では、使用の間のアセンブリ構成要素の早期および/または意図されない除去を防止することができる。アンカは、患者の膀胱10の下部壁に隣接して位置し、患者運動および/または留置カテーテル1000に印加される力が尿管から伝達されることを防止するように構成される。膀胱カテーテルは、内部を備え、これは、尿を膀胱10から外部尿収集容器に伝導するように構成される、排出管腔を画定する。
【0229】
いくつかの実施例では、膀胱カテーテルサイズは、約8Fr~約24Frに及び得る。いくつかの実施例では、膀胱カテーテルは、約2.7~約8mmに及ぶ外径を有することができる。いくつかの実施例では、膀胱カテーテルは、約2.16~約6.2mmに及ぶ内径を有することができる。膀胱カテーテルは、異なる長さで利用可能であって、性別および/または患者サイズに関する解剖学的差異に適応することができる。例えば、平均女性の尿道長は、わずか数インチであって、したがって、管の長さは、かなり短くあることができる。男性に関する平均尿道長は、陰茎に起因してより長く、ばらつきがあり得る。女性は、過剰管類が、操作の困難度を増加させず、および/またはカテーテルの滅菌部分の汚染を防止することを前提として、より長い長さの管を伴う膀胱カテーテルを使用し得ることが可能性として考えられる。いくつかの実施例では、膀胱カテーテルの滅菌および留置部分は、約1インチ~3インチ(女性に関して)~約20インチ(男性に関して)に及び得る。滅菌および非滅菌部分を含む、膀胱カテーテルの全長は、1フィート~数フィートであることができる。
【0230】
本発明の尿管カテーテル1000と併用され得る、例示的膀胱カテーテルおよび尿収集アセンブリは、米国特許公開第2017/0348507号(参照することによって本明細書に組み込まれる)の段落[0394]-[0414]および対応する図に説明される。
【0231】
膀胱カテーテル
いくつかの実施例では、
図21を参照すると、前述の尿管カテーテル1000は、膀胱カテーテルとして使用される。例えば、前述の保定部分1015のうちの任意の1つを備える、前述の尿管カテーテル1000のいずれかは、膀胱10内に設置され、膀胱10からの排尿を促進することができる。カテーテル1000は、管1002の遠位端1004および保定部分1015が、伸長管1002が膀胱10から患者の尿道の中に延在した状態で、膀胱10内に位置付けられるように、膀胱10内に設置されることができる。管1002はまた、尿が排出管腔の遠位端1004および/または側壁1010を通して通過するための少なくとも1つの開口部1009を含むことができる。膀胱10内に設置されると、カテーテル1000は、負圧を誘発するために、限定ではないが、展開可能シール、アンカ、および/またはポンプ2000を含む、前述の付加的構成要素のいずれかと併用されることができる。
【0232】
膀胱10内で使用されるときのカテーテル1000の寸法は、膀胱10にフィットするように調節されるであろうことを理解されたい。いくつかの実施例では、カテーテル1000は、約8Fr~約24Frに及び得るサイズ、約2.7~約8mmに及ぶ外径、および約2.16~約6.2mmに及ぶ内径に調節される。カテーテル1000は、他の膀胱カテーテル116に関して前述のように、膀胱10内で使用されるとき、異なる長さで利用可能であって、性別および/または患者サイズに関する解剖学的差異に適応することができる。
【0233】
さらに、拡張可能保定部分の中心軸に対して横方向の平面における、展開された拡張可能保定部分によって画定された3次元形状の最大断面積は、最大約1,000mm2または約100mm2~約1,000mm2であることができる。拡張可能部分のその近位端から遠位端までの軸方向長はまた、約5mm~約100mmであることができる。
【0234】
前述のように、膀胱10は、空位置(参照線Eによって示される)から満杯位置(参照線Fによって示される)に遷移可能である。再び
図21を参照すると、膀胱が、空位置Eにあるとき、膀胱上部壁70は、膀胱カテーテル1000の遠位端1004および/または保定部分1015の周縁1017に隣接して位置付けられる、および/またはそれに共形化し得る。
【0235】
いくつかの実施例では、方法がまた、前述のカテーテル1000を使用して膀胱10からの排尿を促進するために提供される。本方法は、本明細書に開示されるような本発明のカテーテル1000を膀胱10の中に挿入するステップと、拡張可能保定部分1015を患者の膀胱10内で展開し、管1002の遠位端1004を患者の膀胱10内の所望の位置に維持するステップと、ある時間周期にわたって、負圧をカテーテル1000の管1002の近位端に印加し、膀胱10からの排尿を促進するステップとを含む。伸長管1002はまた、少なくとも1つの開口部を遠位端1004および/または側壁1010に含み、流体の除去を促進する。
【0236】
前述のカテーテル1000は、前述のように、患者の膀胱10および腎臓、腎盂、および/または腎盂に隣接する尿管内で使用されることができることを理解されたい。例えば、本発明は、
図1に示されるように、患者の腎臓、腎盂、および/または腎盂に隣接する尿管内に設置される、尿管カテーテル1000と、
図21に示されるように、膀胱内に設置される、膀胱カテーテル1000とを備えることができる。カテーテル1000は、本明細書に説明されるカテーテル1000および保定部分1015のいずれかを含むことができる。さらに、尿管カテーテル1000は、一方または両方の腎臓、腎盂、および/または腎盂に隣接する尿管内に設置されることができる。
【0237】
いくつかの実施例では、前述の尿管カテーテル1000が、膀胱10内で膀胱カテーテルとして使用されるとき、前述のもの以外の異なる尿管カテーテルが、腎臓、腎盂、および/または腎盂に隣接する尿管内に設置されることができる。そのような尿管カテーテルは、米国特許公開第2017/0348507号(参照することによって本明細書に組み込まれる)の段落[0018]-[0240]および対応する図に説明される。
【0238】
他の実施例では、前述の尿管カテーテル1000が、膀胱10内で膀胱カテーテルとして使用されるとき、尿管ステント3000は、腎臓、腎盂、および/または腎盂に隣接する尿管内に設置される。
図21に示されるように、ステント3000は、腎臓、腎盂、および/または腎盂に隣接する尿管内に設置される、遠位端3004と、膀胱10で終端する、近位端3006と、遠位端3004と近位端3006との間に延在する、側壁3008とを備えることができる。さらに、尿管ステント3000は、一方または両方の腎臓、腎盂、および/または腎盂に隣接する尿管内に設置されることができる。
【0239】
いくつかの実施例では、方法が、流体を患者の尿路から除去するために提供され、本方法は、尿管ステント3000または尿管カテーテルを患者の尿管の中に展開し、患者の腎臓2、4と膀胱10との間の流体流の開存性を維持するステップと、膀胱カテーテル1000を患者の膀胱の中に展開するステップであって、膀胱カテーテル1000は、本明細書に説明されるカテーテル1000を備え、管1002の遠位端1004は、患者の膀胱10内に位置付けられるように構成され、管1002の近位端1006は、膀胱10から延在し、側壁1010がその間に延在する、ステップと、負圧をカテーテル1000の近位端1006に印加し、負圧を患者の尿路の一部内に誘発し、流体を患者の尿路から除去するステップとを含む。
【0240】
例示的尿管ステント:
前述のように、かつ
図21に示されるように、本発明は、膀胱10内で膀胱カテーテルとして使用される、前述の尿管カテーテル1000と、一方または両方の腎臓、腎盂、および/または腎盂に隣接する尿管内に設置される、尿管ステント3000とを含むことができる。
【0241】
いくつかの実施例では、尿管ステント3000は、近位端3006と、遠位端3004と、縦軸と、近位端3006から遠位端3004までの縦軸に沿って延在し、患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持する、少なくとも1つの排出チャネルとを備える、伸長本体を備える。いくつかの実施例では、尿管ステント3000はさらに、ピグテールコイルまたはループ3010または3012を近位端3006または遠位端3006のうちの少なくとも1つ上に備える。いくつかの実施例では、尿管ステント3000の本体はさらに、少なくとも1つの穿孔をその側壁3008上に備える。他の実施例では、尿管ステント3000の本体は、穿孔がその側壁上に本質的にないまたはない。
【0242】
本システムおよび方法において有用であり得る、尿管ステント3000のいくつかの実施例は、CONTOUR(TM)尿管ステント、CONTOURVL(TM)尿管ステント、POLARIS(TM)ループ尿管ステント、POLARIS(TM)ウルトラ尿管ステント、PERCUFLEX(TM)尿管ステント、PERCUFLEX(TM)プラス尿管ステント、STRETCH(TM) VLフレキシマ尿管ステントを含み、それぞれ、Boston Scientific Corporation(Natick,Massachusetts)から市販されている。“Ureteral Stent Portfolio”,a publication of Boston Scientific Corp.,(July 2010)(参照することによって本明細書に組み込まれる)を参照されたい。CONTOUR(TM)およびCONTOUR VL(TM)尿管ステントは、体温で軟化し、365日の留置時間用に設計された、軟質Percuflex(TM)材料で構築される。遠位および近位端上の可変長コイルは、1つのステントが種々の尿管長に適合することを可能にする。固定長ステントは、20cm~30cmに及ぶ長さを伴う6F~8Fであることができ、可変長ステントは、22~30cmの長さを伴う4.8F~7Fであることができる。好適な尿管ステントの他の実施例は、INLAY(R)尿管ステント、INLAY(R) OPTIMA(R)尿管ステント、BARDEX(R)二重ピグテール尿管ステント、およびFLUORO-4(TM)シリコーン尿管ステントを含み、それぞれ、C.R.Bard,Inc.(MurrayHill,NJ)から市販されている。“Ureteral Stents”,http://www.bardmedical.com/products/kidney-stone-management/ureteral-stents/(January 21,2018)(参照することによって本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0243】
ステント3000は、所望に応じて、患者の一方または両方の腎臓または腎臓面積(腎盂または腎盂に隣接する尿管)内に展開されることができる。典型的には、これらのステント3000は、ニチノールワイヤを有するステントを、尿道および膀胱を通して腎臓まで挿入し、次いで、ニチノールワイヤをステントから抜去し、ステントが展開構成をとることを可能にすることによって展開される。上記のステントの多くは、平面ループ3010を遠位端3004上に有し(腎臓内で展開されるために)、いくつかのものはまた、平面ループ3012をステント3000の近位端3006上に有し、これは、膀胱内で展開される。ニチノールワイヤが、除去されると、ステント3000は、事前に応力がかけられた平面ループ形状3010または3012を遠位3004および/または近位3006端においてとる。ステント3000を除去するために、ニチノールワイヤは、ステント3000を直線化するために挿入され、ステント3000は、尿管および尿道から抜去される。
【0244】
好適な尿管ステント3000の他の実施例は、PCT特許出願公開第WO2017/019974号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。いくつかの実施例では、例えば、第WO2017/019974号の
図1-7および本明細書の
図22(第WO2017/019974号の
図1と同一である)に示されるように、尿管ステント100は、近位端102と、遠位端104と、縦軸106と、外側表面108と、内側表面110であって、近位端102から遠位端104までの縦軸106に沿って延在する、変形可能ボア111を画定する、内側表面110とを備える、伸長本体101と、本体101の外側表面108から離れるように半径方向に突出する、少なくとも2つのフィン112とを備えることができ、変形可能ボア111は、(a)縦方向に開放したチャネル116を画定する開放ボア114を備える、デフォルト配向113A(
図22の左に示される)と、(b)縦方向に本質的に閉鎖された排出チャネル120を伸長本体101の縦軸106に沿って画定する、少なくとも本質的に閉鎖されたボア118または閉鎖されたボアを備える、第2の配向113B(
図22の右に示される)とを備え、変形可能ボア111は、本体101の外側表面108の少なくとも一部に印加されている半径方向圧縮力122に応じて、デフォルト配向113Aから第2の配向113Bに移動可能である。
【0245】
いくつかの実施例では、
図22に示されるように、尿管ステント100の排出チャネル120は、直径Dを有し、これは、変形可能ボア111がデフォルト配向113Aから第2の配向113Bに移動することに応じて低減され、直径は、変形可能ボア111を通した尿流が低減されるであろう点を上回る点まで低減可能である。いくつかの実施例では、直径Dは、変形可能ボア111がデフォルト配向113Aから第2の配向113Bに移動することに応じて、最大約40%低減される。いくつかの実施例では、デフォルト配向113Aにおける直径Dは、約0.75~約5.5mm、または約1.3mm、または約1.4mmに及び得る。いくつかの実施例では、第2の配向113Bにおける直径Dは、約0.4~約4mmまたは約0.9mmに及び得る。
【0246】
いくつかの実施例では、1つ以上のフィン112は、Shore硬度スケールに基づいて軟質~中軟質である、可撓性材料を含む。いくつかの実施例では、本体101は、Shore硬度スケールに基づいて中硬質~硬質である、可撓性材料を含む。いくつかの実施例では、1つ以上のフィンは、硬度約15A~約40Aを有する。いくつかの実施例では、本体101は、硬度約80A~約90Aを有する。いくつかの実施例では、1つ以上のフィン112および本体101は、例えば、硬度約40A~約70Aを有する、Shore硬度スケールに基づいて中軟質~中硬質である、可撓性材料を含む。
【0247】
いくつかの実施例では、1つ以上のフィン112および本体101は、例えば、硬度約85A~約90Aを有する、Shore硬度スケールに基づいて中硬質~硬質である、可撓性材料を含む。
【0248】
いくつかの実施例では、デフォルト配向113Aおよび第2の配向113Bは、変形可能ボア111を通してに加え、ステント100の外側表面108の周囲でも流体または尿流を支持する。
【0249】
いくつかの実施例では、1つ以上のフィン112は、近位端102から遠位端104まで縦方向に延在する。いくつかの実施例では、ステントは、2つ、3つ、または4つのフィンを有する。
【0250】
いくつかの実施例では、本体の外側表面108は、デフォルト配向113Aでは、約0.8mm~約6mmまたは約3mmに及ぶ外径を有する。いくつかの実施例では、本体の外側表面108は、第2の配向113Bでは、約0.5mm~約4.5mmまたは約1mmに及ぶ外径を有する。いくつかの実施例では、1つ以上のフィンは、約0.25mm~約1.5mmまたは約1mmに及ぶ幅または先端を有し、本体の外側表面108から縦軸と略垂直方向に突出する。
【0251】
いくつかの実施例では、半径方向圧縮力が、正常尿管生理学、異常尿管生理学、または任意の外力の印加のうちの少なくとも1つによって提供される。いくつかの実施例では、尿管ステント100は、意図的に、動的尿管環境に適合し、尿管ステント100は、近位端102と、遠位端104と、縦軸106と、外側表面108と、内側表面110であって、近位端102から遠位端104までの縦軸106に沿って延在する変形可能ボア111を画定する、内側表面110を備える、伸長本体101を備え、変形可能ボア111は、(a)縦方向に開放したチャネル116を画定する開放ボア114を備える、デフォルト配向113Aと、(b)縦方向に本質的に閉鎖されたチャネル120を画定する少なくとも本質的に閉鎖されたボア118を備える、第2の配向113Bとを備え、変形可能ボアは、半径方向圧縮力122が本体101の外側表面108の少なくとも一部に印加されていることに応じて、デフォルト配向113Aから第2の配向113Bに移動可能であって、本体101の内側表面110は、直径Dを有し、これは、変形可能ボア111がデフォルト配向113Aから第2の配向113Bに移動することに応じて低減され、直径は、変形可能ボア111を通した流体流が低減されるであろう点を上回る点まで低減可能である。いくつかの実施例では、直径Dは、変形可能ボア111がデフォルト配向113Aから第2の配向113Bに移動することに応じて、最大約40%低減される。
【0252】
好適な尿管ステントの他の実施例は、米国特許出願公開第US2002/0183853A1号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。いくつかの実施例では、例えば、第US2002/0183853A1号の
図4、5、および7および本明細書の
図23-25(第US2002/0183853A1号の
図4、5、および7と同一である)に示されるように、尿管ステントは、近位端121と、遠位端141(図示せず)と、縦軸15と、近位端121から遠位端141までの縦軸15に沿って延在し、患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持する、少なくとも1つの排出チャネル(例えば、
図4では26、28、30;
図24では32、34、36、および38;および
図25では48)とを備える、伸長本体10を備える。いくつかの実施例では、少なくとも1つの排出チャネルは、その少なくとも縦方向部分に沿って部分的に開放される。いくつかの実施例では、少なくとも1つの排出チャネルは、その少なくとも縦方向部分に沿って閉鎖される。いくつかの実施例では、少なくとも1つの排出チャネルは、その縦方向長に沿って閉鎖される。いくつかの実施例では、尿管ステントは、半径方向に圧縮性である。いくつかの実施例では、尿管ステントは、半径方向に圧縮性であって、少なくとも1つの排出チャネルを狭小化させる。いくつかの実施例では、伸長本体123は、伸長本体123の縦軸15に沿って、少なくとも1つの外部フィン40を備える。いくつかの実施例では、伸長本体は、4つの排出チャネルのうちの1つを備える。排出チャネルの直径は、上記に説明されるものと同一であることができる。
【0253】
尿収集アセンブリの挿入方法:
図12Aを参照すると、流体収集アセンブリを患者の身体内に位置付け、随意に、負圧を患者の尿管および/または腎臓内で誘発するためのステップが、図示される。ボックス610に示されるように、医療従事者または介護者が、可撓性または剛性膀胱鏡を患者の尿道を通して膀胱の中に挿入し、尿管口または開口部の可視化を得る。いったん好適な可視化が得られると、ボックス612に示されるように、ガイドワイヤが、尿道、膀胱、尿管開口部、尿管を通して、腎臓の腎盂等の所望の流体収集位置に前進される。いったんガイドワイヤが所望の流体収集位置に前進されると、本発明の尿管カテーテル(その実施例は、上記に詳細に議論される)は、ボックス614に示されるように、ガイドワイヤにわたって流体収集位置に挿入される。いくつかの実施例では、尿管カテーテルの場所は、ボックス616に示されるように、蛍光透視法によって確認されることができる。いったんカテーテルの遠位端の位置が確認されると、ボックス618に示されるように、尿管カテーテルの保定部分が、展開されることができる。例えば、ガイドワイヤは、カテーテルから除去され、それによって、遠位端および/または保定部分が展開位置に遷移することを可能にすることができる。いくつかの実施例では、カテーテルの展開された遠位端部分は、尿がカテーテルの外側から尿管を通して膀胱の中に通過することを可能にされるように、尿管および/または腎盂を完全に閉塞しない。カテーテルを移動させることは、尿路組織に対して力を付与し得るため、尿管の完全妨害を回避し、傷害を生じさせ得る、尿管側壁への力の印加を回避する。
【0254】
尿管カテーテルが定位置に来て展開された後、同一ガイドワイヤが、本明細書に説明される同一挿入および位置付け方法を使用して、第2の尿管カテーテルを他の尿管および/または腎臓内に位置付けるために使用されることができる。例えば、膀胱鏡が、膀胱内の他の尿管開口部の可視化を得るために使用されることができ、ガイドワイヤは、可視化された尿管開口部を通して他の尿管内の流体収集位置に前進されることができる。カテーテルは、ガイドワイヤとともに牽引され、本明細書に説明される様式で展開されることができる。代替として、膀胱鏡およびガイドワイヤは、身体から除去されることができる。膀胱鏡は、第1の尿管カテーテルにわたって膀胱の中に再挿入されることができる。膀胱鏡は、第2の尿管カテーテルを位置付けるために、尿管開口部の可視化を得て、第2のガイドワイヤを第2の尿管および/または腎臓に前進させることを補助するように、前述の様式で使用される。いったん尿管カテーテルが定位置に来ると、いくつかの実施例では、ガイドワイヤおよび膀胱鏡は、除去される。他の実施例では、膀胱鏡および/またはガイドワイヤは、膀胱内に留まり、膀胱カテーテルの設置を補助することができる。
【0255】
随意に、膀胱カテーテルもまた、使用されることができる。いったん尿管カテーテルが定位置に来ると、ボックス620に示されるように、医療従事者または介護者は、圧潰または収縮状態における膀胱カテーテルの遠位端を患者の尿道を通して膀胱の中に挿入することができる。膀胱カテーテルは、従来のFoley膀胱カテーテルまたは上記で詳細に議論されるような本発明の膀胱カテーテルであることができる。いったん膀胱内に挿入されると、ボックス622に示されるように、膀胱カテーテルに接続され、および/またはそれと関連付けられたアンカは、展開位置に拡張される。例えば、拡張可能または膨張可能カテーテルが使用されるとき、流体が、膀胱カテーテルの膨張管腔を通して指向され、患者の膀胱内に位置するバルーン構造を拡張してもよい。いくつかの実施例では、膀胱カテーテルは、ガイドワイヤおよび/または膀胱鏡を使用せずに、尿道を通して膀胱の中に挿入される。他の実施例では、膀胱カテーテルは、尿管カテーテルを位置付けるために使用される同一ガイドワイヤにわたって挿入される。故に、このように挿入されるとき、尿管カテーテルは、膀胱カテーテルの遠位端から延在するように配列されることができ、随意に、尿管カテーテルの近位端は、膀胱カテーテルの排出管腔内で終端するように配列されることができる。
【0256】
いくつかの実施例では、尿は、尿道からの重力または蠕動によって排出することが可能にされる。他の実施例では、負圧が、尿管カテーテルおよび/または膀胱カテーテル内で誘発され、尿の排出を促進する。
【0257】
図12Bを参照すると、尿管および/または腎臓内での負圧の誘発のために尿収集アセンブリを使用するためのステップが、図示される。ボックス624に示されるように、膀胱および/または尿管カテーテルの留置部分が正しく位置付けられ、係留/保定構造が展開された後、カテーテルの外部近位端は、流体収集またはポンプアセンブリに接続される。例えば、尿管カテーテルは、患者の腎盂および/または腎臓において負圧を誘発するためにポンプに接続されることができる。同様に、膀胱カテーテルは、膀胱からの尿の重力排出のために、直接尿収集容器に接続される、または膀胱において負圧を誘発するためにポンプに接続されることができる。
【0258】
いったんカテーテルおよびポンプアセンブリが接続されると、負圧が、ボックス626に示されるように、尿管カテーテルおよび/または膀胱カテーテルの排出管腔を通して、腎盂および/または腎臓および/または膀胱に印加される。負圧は、腹腔内圧上昇および結果として生じるまたは上昇した腎静脈圧または腎リンパ圧に起因する、鬱滞媒介間質静水圧に対抗するように意図される。印加される負圧は、したがって、髄質尿細管を通した濾過液の流動を増加させ、水分およびナトリウム再吸収を減少させることが可能である。
【0259】
いくつかの実施例では、機械的刺激は、尿管および/または腎盂の一部に提供され、負圧の印加によって得られる治療上の効果を補完または修正することができる。例えば、尿管カテーテルの遠位部分に配置される、例えば、振動波を提供するための線形アクチュエータおよび他の公知のデバイス等の機械的刺激デバイスが、作動されることができる。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、そのような刺激は、例えば、尿管および/または腎盂と関連付けられた神経を刺激することおよび/または尿管および/または腎盂と関連付けられた蠕動筋肉を作動させることによって、隣接する組織に影響を及ぼすと考えられる。神経の刺激および筋肉の活性化は、周囲組織および器官内の圧力勾配または圧力レベルの変化をもたらし得、これは、負圧療法の治療上の利点に寄与する、またはある場合には、それを向上させ得る。いくつかの実施例では、機械的刺激は、パルス状刺激を含むことができる。他の実施例では、低レベルの機械的刺激が、負圧が尿管カテーテルを通して提供されるにつれて、持続的に提供されることができる。他の実施例では、尿管カテーテルの膨張可能部分が、パルス状様式において膨張および収縮され、本明細書に説明される機械的刺激デバイスの作動と類似様式において、隣接する神経および筋肉組織を刺激し得る。
【0260】
印加される負圧の結果、ボックス628に示されるように、尿が、その遠位端の複数の排出ポートにおけるカテーテルの中に、カテーテルの排出管腔を通して、廃棄のための流体収集容器に引き出される。尿が収集容器に引き出されるにつれて、ボックス630において、流体収集システム内に配置されるセンサは、収集される尿の体積を査定するために使用され得る尿についてのいくつかの測定および患者の物理的状態および形成される尿の組成物についての情報を提供する。いくつかの実施例では、センサによって得られる情報は、ボックス632に示されるように、ポンプおよび/または別の患者監視デバイスと関連付けられたプロセッサによって処理され、ボックス634において、関連付けられたフィードバックデバイスの視覚的ディスプレイを介してユーザに表示される。
【0261】
例示的流体収集システム:
そのようなアセンブリを患者の身体内に位置付ける例示的尿収集アセンブリおよび方法が説明されたが、ここで、
図13を参照して、負圧を患者の尿管および/または腎臓に誘発するためのシステム700が、説明されるであろう。システム700は、本明細書に上記で説明される、尿管カテーテル、膀胱カテーテル、または尿収集アセンブリを備えることができる。
図13に示されるように、尿管カテーテル1000および/または膀胱カテーテルは、腎盂および/または膀胱から引き出される尿を収集するために1つ以上の流体収集容器712に接続される。いくつかの実施例では、膀胱カテーテルおよび尿管カテーテル1000は、異なる流体収集容器712に接続される。尿管カテーテル1000に接続される流体収集容器712は、負圧を尿管カテーテル1000を通して尿管および腎臓内に発生させるために外部流体ポンプ710と流体連通することができる。本明細書に議論されるように、そのような負圧は、間質圧を克服し、尿を腎臓または腎単位内で形成するために提供されることができる。いくつかの実施例では、流体収集容器712とポンプ710との間の接続は、流体ロックまたは流体障壁を備え、偶発的治療用または非治療用圧力変化の場合、空気が腎盂または腎臓に進入することを防止することができる。例えば、流体容器の流入および流出ポートは、容器内に流体レベルの下に位置付けられることができる。故に、空気は、流体容器712の流入または流出ポートのいずれかを通して医療管類またはカテーテルに進入することを防止される。前述のように、流体収集容器712とポンプ710との間に延在する管類の外部部分は、1つ以上のフィルタを含み、尿および/または粒子状物質がポンプ710に進入することを防止することができる。
【0262】
図13に示されるように、システム700はさらに、ポンプ710に電子的に結合され、コンピュータ可読メモリ716を有する、またはそれと関連付けられたマイクロプロセッサ等のコントローラ714を備える。いくつかの実施例では、メモリ716は、実行されると、コントローラ714に、情報をアセンブリの一部上に位置する、またはそれと関連付けられたセンサ174から受信させる命令を備える。患者の状態についての情報は、センサ174からの情報に基づいて決定されることができる。センサ174からの情報はまた、ポンプ710のための動作パラメータを決定および実装するために使用されることができる。
【0263】
いくつかの実施例では、コントローラ714は、専用電子デバイス、コンピュータ、タブレットPC、またはスマートフォン等のポンプ710と通信する別個かつ遠隔の電子デバイス内に組み込まれる。代替として、コントローラ714は、ポンプ710内に含まれることができ、例えば、ポンプ710を手動で動作させるためのユーザインターフェースと、情報をセンサ174から受信し、処理すること等のシステム機能との両方を制御することができる。
【0264】
コントローラ714は、情報を1つ以上のセンサ174から受信し、情報を関連付けられたコンピュータ可読メモリ716内に記憶するように構成される。例えば、コントローラ714は、1秒に1回等の所定の率でセンサ174から情報を受信し、受信された情報に基づいて、伝導率を決定するように構成されることができる。いくつかの実施例では、伝導率を計算するためのアルゴリズムはまた、尿温度等の他のセンサ測定を含み、伝導率のよりロバストな決定を得ることができる。
【0265】
コントローラ714はまた、患者状態の変化を経時的に例証する、患者物理統計または診断インジケータを計算するように構成されることができる。例えば、システム700は、排泄される総ナトリウム量を識別するように構成されることができる。排泄される総ナトリウム量は、例えば、ある時間周期にわたる流率および伝導率の組み合わせに基づき得る。
【0266】
図13を継続して参照すると、システム700はさらに、情報をユーザに提供するために、視覚的ディスプレイまたはオーディオシステム等のフィードバックデバイス720を備えることができる。いくつかの実施例では、フィードバックデバイス720は、ポンプ710と一体的に形成されることができる。代替として、フィードバックデバイス720は、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットPC、スマートフォン、または他のハンドヘルド電子デバイス等の別個の専用または多目的電子デバイスであることができる。フィードバックデバイス720は、計算または決定された測定をコントローラ714から受信し、受信された情報をフィードバックデバイス720を介してユーザに提示するように構成される。例えば、フィードバックデバイス720は、尿路に印加されている現在の負圧(mmHg単位)を表示するように構成されることができる。他の実施例では、フィードバックデバイス720は、尿の現在の流率、温度、尿のmS/m単位における現在の伝導率、セッションの間に産生された総尿量、セッションの間に排泄される総ナトリウム量、他の物理的パラメータ、または任意のそれらの組み合わせを表示する。
【0267】
いくつかの実施例では、フィードバックデバイス720はさらに、ユーザがポンプ710の動作を制御することを可能にする、ユーザインターフェースモジュールまたは構成要素を備える。例えば、ユーザは、ユーザインターフェースを介して、ポンプ710をオンまたはオフにすることができる。ユーザはまた、ポンプ710によって印加される圧力を調節し、より大きな大きさまたは率のナトリウム排泄および流体除去を達成することができる。
【0268】
随意に、フィードバックデバイス720および/またはポンプ710はさらに、情報をデバイス720および/またはポンプ710から他の電子デバイスまたはコンピュータネットワークに送信するためのデータ送信機722を備える。データ送信機722は、短距離または長距離データ通信プロトコルを利用することができる。短距離データ伝送プロトコルの実施例は、Bluetooth(登録商標)である。長距離データ伝送ネットワークは、例えば、Wi-Fiまたはセルラーネットワークを含む。データ送信機722は、情報を患者の医師または介護者に送信し、医師または介護者に患者の現在の状態について知らせることができる。代替として、または加えて、情報は、例えば、患者の電子医療記録(EHR)内に記録される情報を含むように、データ送信機722から既存のデータベースまたは情報記憶場所に送信されることができる。
【0269】
図13を継続して参照すると、尿センサ174に加え、いくつかの実施例では、システム700はさらに、1つ以上の患者監視センサ724を備える。患者監視センサ724は、上記に詳細に議論されるような患者の尿組成、血液組成(例えば、ヘマトクリット率、検体濃度、タンパク質濃度、クレアチニン濃度)、および/または血流(例えば、血圧、血流速)についての情報を測定するために、侵襲性および非侵襲性センサを含むことができる。ヘマトクリットは、赤血球の体積対血液の総体積の比である。正常ヘマトクリットは、約25%~40%、好ましくは、約35%および40%(例えば、体積比35%~40%赤血球および60%~65%血漿)である。
【0270】
非侵襲性患者監視センサ724は、パルスオキシメトリセンサ、血圧センサ、心拍数センサ、および呼吸センサ(例えば、カプノグラフィセンサ)を含むことができる。侵襲性患者監視センサ724は、侵襲性血圧センサ、グルコースセンサ、血液速度センサ、ヘモグロビンセンサ、ヘマトクリットセンサ、タンパク質センサ、クレアチニンセンサ、およびその他を含むことができる。さらに他の実施例では、センサは、体外血液システムまたは回路と関連付けられ、体外システムの管類を通して通過する血液のパラメータを測定するように構成されてもよい。例えば、静電容量センサまたは光学分光法センサ等の検体センサは、体外血液システムの管類と関連付けられ、管類を通して通過するにつれて、患者血液のパラメータ値を測定してもよい。患者監視センサ724は、ポンプ710および/またはコントローラ714と有線または無線通信することができる。
【0271】
いくつかの実施例では、コントローラ714は、ポンプ710に、血液監視センサ等の尿検体センサ174および/または患者監視センサ724から取得される患者ベースの情報のための治療を提供させるように構成される。例えば、ポンプ710を動作させるパラメータは、患者の血液ヘマトクリット率、血液タンパク質濃度、クレアチニン濃度、排尿体積、尿タンパク質濃度(例えば、アルブミン)、および他のパラメータの変化に基づいて調節されることができる。例えば、コントローラ714は、患者の血液ヘマトクリット率またはクレアチニン濃度についての情報を患者監視センサ724および/または検体センサ174から受信するように構成されることができる。コントローラ714は、血液および/または尿測定に基づいて、ポンプ710の動作パラメータを調節するように構成されることができる。他の実施例では、ヘマトクリット率は、患者から取得される血液サンプルから周期的に測定されてもよい。試験の結果は、処理および分析のために、手動でまたは自動的に、コントローラ714に提供されることができる。
【0272】
本明細書に議論されるように、患者に関する測定されたヘマトクリット値は、一般的母集団に関する所定の閾値または臨床上容認可能値と比較されることができる。概して、女性に関するヘマトクリットレベルは、男性に関するものより低い。他の実施例では、測定されたヘマトクリット値は、外科手術手技に先立って取得される、患者ベースライン値と比較されることができる。測定されたヘマトクリット値が、容認可能範囲内で増加されると、ポンプ710は、オフにされ、尿管または腎臓への負圧の印加を停止してもよい。同様に、負圧の強度も、測定されたパラメータ値に基づいて調節されることができる。例えば、患者の測定されたパラメータが、容認可能範囲に近づき始めるにつれて、尿管および腎臓に印加されている負圧の強度は、低減されることができる。対照的に、望ましくない傾向(例えば、ヘマトクリット値、排尿率、および/またはクレアチニンクリアランスの減少)が、識別される場合、負圧の強度は、正の生理学的結果を産生するために、増加されることができる。例えば、ポンプ710は、低レベルの負圧(例えば、約0.1mmHg~10mmHg)を提供することによって、開始するように構成されてもよい。負圧は、患者クレアチニンレベルの正の傾向が観察されるまで、徐々に増加されてもよい。しかしながら、概して、ポンプ710によって提供される負圧は、約50mmHgを超えないであろう。
【0273】
図14Aおよび14Bを参照すると、システムと併用するための例示的ポンプ710が、図示される。いくつかの実施例では、ポンプ710は、流体をカテーテル1000から引き出すように構成され、約10mmHg以下の感度または正確度を有する、マイクロポンプである。望ましくは、ポンプ710は、長期間、例えば、約8時間~約24時間/日、1~約30日、またはより長い期間にわたって0.05ml/分~3ml/分の尿の流動範囲を提供可能である。0.2ml/分では、約300mLの尿/日がシステム700によって収集されることが予期される。ポンプ710は、負圧を患者の膀胱に提供するように構成されることができ、負圧は、約0.1mmHg~50mmHg、および約5mmHg~20mmHg(ポンプ710におけるゲージ圧)に及ぶ。例えば、LangerInc.(モデルBT100-2J)によって製造されたマイクロポンプが、本開示のシステム700と併用されることができる。ダイヤフラム吸引器ポンプおよび他のタイプの市販のポンプもまた、本目的のために使用されることができる。蠕動ポンプもまた、システム700と併用されることができる。他の実施例では、ピストンポンプ、真空ボトル、または手動真空源が、負圧を提供するために使用されることができる。他の実施例では、システムは、負圧を治療上適切なレベルまで低減させるための真空調整器を通して、病院において利用可能であるような壁吸引源に接続されることができる。
【0274】
いくつかの実施例では、ポンプアセンブリの少なくとも一部は、患者の尿路、例えば、膀胱内に位置付けられることができる。例えば、ポンプアセンブリは、ポンプモジュールと、ポンプモジュールに結合される、制御モジュールとを備えることができ、制御モジュールは、ポンプモジュールの運動を指図するように構成される。少なくとも1つの(1つ以上の)ポンプモジュール、制御モジュール、または電力供給源が、患者の尿路内に位置付けられてもよい。ポンプモジュールは、流体流チャネル内に位置付けられ、流体をチャネルを通して引き込む、少なくとも1つのポンプ要素を備えることができる。好適なポンプアセンブリ、システム、および使用方法のいくつかの実施例は、「Indwelling Pump for Facilitating Removal of Urine from the Urinary Tract」と題され、本願と同時出願された米国特許出願第62/550,259号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示される。
【0275】
いくつかの実施例では、ポンプ710は、長期使用のために構成されることができ、したがって、例えば、8~24時間、1~約30日、またはより長い周期にわたって、精密な吸引を維持することが可能である。さらに、いくつかの実施例では、ポンプ710は、手動で動作され、その場合、ユーザが所望の吸引値を設定することを可能にする、制御パネル718を含む。ポンプ710はまた、システム700を動作させる同一コントローラであり得る、またはポンプ710の動作のための専用の別個のプロセッサであり得る、コントローラまたはプロセッサを含むことができる。いずれの場合も、プロセッサは、ポンプの手動動作のための命令と、所定の動作パラメータに従ってポンプ710を自動的に動作させるための命令との両方を受信するために構成される。代替として、または加えて、ポンプ710の動作は、カテーテルと関連付けられた複数のセンサから受信されたフィードバックに基づいて、プロセッサによって制御されることができる。
【0276】
いくつかの実施例では、プロセッサは、ポンプ710を断続的に動作させるように構成される。例えば、ポンプ710は、負圧のパルスを発し、負圧が提供されない周期が続くように構成されてもよい。他の実施例では、ポンプ710は、負圧および正圧の提供間を交互し、交互フラッシュおよびポンプ効果をもたらすように構成されることができる。例えば、約0.1mmHg~20mmHg、好ましくは、約5mmHg~20mmHgの正圧が、提供された後、約0.1mmHg~50mmHgに及ぶ負圧が続くことができる。
【0277】
過剰流体を血液希釈を患う患者からの除去するための治療
本開示の別の側面によると、過剰流体を血液希釈を患う患者から除去するための方法が、提供される。いくつかの実施例では、血液希釈は、患者が過剰な量の流体を提供されるときに生じ得るように、赤血球と比例した血漿の体積の増加および/または循環内の赤血球の低減された濃度を指し得る。本方法は、患者ヘマトクリットレベルを測定および/または監視し、血液希釈が適正に対処されるときを決定するステップを伴うことができる。低ヘマトクリットレベルは、望ましくない療法転帰につながり得る、一般的外科手術後または外傷後状態である。したがって、血液希釈の管理およびヘマトクリットレベルが正常範囲に戻ったことの確認は、外科手術および外科手術後患者処置のための望ましい療法結果である。
【0278】
本明細書に説明されるデバイスおよびシステムを使用して過剰流体を患者から除去するためのステップは、
図15に図示される。
図15に示されるように、治療方法は、ボックス910に示されるように、尿が尿管および/または腎臓から流動するように、尿管カテーテル等の尿路カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップを含む。カテーテルは、尿管および/または腎臓を閉塞することを回避するように設定されてもよい。いくつかの実施例では、カテーテルの流体収集部分は、患者の腎臓の腎盂内に位置付けられてもよい。いくつかの実施例では、尿管カテーテルは、患者の腎臓のそれぞれ内に位置付けられてもよい。他の実施例では、尿収集カテーテルは、膀胱または尿管内で展開されてもよい。いくつかの実施例では、尿管カテーテルは、本明細書に説明される保定部分のいずれかのうちの1つ以上のものを備える。
【0279】
ボックス912に示されるように、本方法はさらに、カテーテルを通して、負圧を尿管および/または腎臓に印加し、尿の産生を腎臓内で誘発し、尿を患者から抽出するステップを含む。望ましくは、負圧は、患者の血液クレアチニンレベルを臨床上有意な量だけ低減させるために十分なある時間周期にわたって印加される。
【0280】
負圧は、所定の時間周期にわたって、印加され続けてもよい。例えば、ユーザは、外科手術手技の持続時間または患者の生理学的特性に基づいて選択されたある時間周期にわたって、ポンプを動作させるように命令されてもよい。他の実施例では、患者状態が、監視され、十分な治療が提供されたときを決定してもよい。例えば、ボックス914に示されるように、本方法はさらに、患者を監視し、患者の尿管および/または腎臓への負圧の印加を停止すべきときを決定するステップを含んでもよい。好ましいかつ非限定的実施例では、患者のヘマトクリットレベルは、測定される。例えば、患者監視デバイスが、ヘマトクリット値を周期的に取得するために使用されてもよい。他の実施例では、血液サンプルは、周期的に採取され、直接、ヘマトクリットを測定してもよい。いくつかの実施例では、カテーテルを通して身体から排出される尿の濃度および/または体積もまた、監視され、尿が腎臓によって産生されている率を決定してもよい。同様に、排出された排尿も、監視され、患者に関するタンパク質濃度および/またはクレアチニンクリアランス率を決定してもよい。尿中の低減されたクレアチニンおよびタンパク質濃度は、過希釈および/または腎機能低下を示し得る。測定された値は、所定の閾値と比較され、負圧療法が患者状態を改良するかどうかと、修正または中断されるべきかどうかとを査定することができる。例えば、本明細書に議論されるように、患者ヘマトクリットに関する望ましい範囲は、25%~40%であってもよい。他の好ましいかつ非限定的実施例では、本明細書に説明されるように、患者体重が、測定され、ドライ体重と比較されてもよい。測定された患者体重の変化は、流体が身体から除去されていることを実証する。したがって、ドライ体重への戻りは、血液希釈が、適切に管理されており、患者が、過希釈されていないことを表す。
【0281】
ボックス916に示されるように、ユーザは、正の結果が識別されると、ポンプに、負圧療法の提供を停止させてもよい。同様に、患者血液パラメータは、監視され、患者の腎臓に印加されている負圧の有効性を査定してもよい。例えば、静電容量または検体センサが、体外血液管理システムの管類と流体連通するように設置されてもよい。センサは、血液タンパク質、酸素、クレアチニン、および/またはヘマトクリットレベルを表す情報を測定するために使用されてもよい。測定された血液パラメータ値は、持続的または周期的に、測定され、種々の閾値または臨床上容認可能値と比較されてもよい。負圧は、測定されたパラメータ値が臨床上容認可能範囲内になるまで、患者の腎臓または尿管に印加され続けてもよい。いったん測定された値が、閾値または臨床上容認可能範囲内になると、ボックス916に示されるように、負圧の印加は、停止してもよい。
【0282】
蘇生輸液手技を受ける患者の治療
本開示の別の側面によると、過剰流体を患者から除去することによって冠動脈移植バイパス外科手術等の蘇生輸液手技を受ける患者のための過剰流体を除去するための方法が、提供される。蘇生輸液の間、生理食塩水溶液および/または澱粉溶液等の溶液が、静脈内点滴等の好適な流体送達プロセスによって、患者の血流に導入される。例えば、いくつかの外科手術手技では、患者は、5~10回、正常な流体の1日摂取量を供給され得る。補液または蘇生輸液は、発汗、出血、脱水、および類似プロセスを通して喪失された体液を補給するために提供され得る。冠動脈移植バイパス等の外科手術手技の場合、蘇生輸液は、患者の体液平衡および血圧を適切な率内に維持することを支援するために提供される。急性腎障害(AKI)は、冠動脈移植バイパス外科手術の公知の合併症である。AKIは、腎不全に進行しない患者でさえ、長期入院および罹患率および死亡率の上昇と関連付けられる。Kim, et al., Relationship between a perioperative intravenous fluid administration strategy and acute kidney injury following off-pump coronary artery bypass surgery: an observational study, Critical Care 19:350 (1995)を参照されたい。流体を血液に導入することはまた、死亡率および罹患率をさらに増加させることが示されている、ヘマトクリットレベルを低減させる。研究はまた、生理食塩水溶液を患者に導入することが、腎機能を低下させ、および/または自然流体管理プロセスを阻止し得ることを実証している。したがって、腎機能の適切な監視および制御は、改良された転帰を産生し得、特に、AKIの術後症例を低減させ得る。
【0283】
蘇生輸液を受ける患者を治療する方法は、
図16に図示される。ボックス3010に示されるように、本方法は、尿管および/または腎臓からの尿の流動が尿管および/または腎臓の閉塞によって阻まれないように、尿管カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップを含む。例えば、カテーテルの流体収集部分は、腎盂内に位置付けられてもよい。他の実施例では、カテーテルは、膀胱または尿管内で展開されてもよい。カテーテルは、本明細書に説明される尿管カテーテルのうちの1つ以上のものを備えることができる。
【0284】
ボックス3012に示されるように、随意に、膀胱カテーテルはまた、患者の膀胱内で展開されてもよい。例えば、膀胱カテーテルは、尿道開口部をシールし、身体から尿道を通した尿の通路を防止するように位置付けられてもよい。膀胱カテーテルは、カテーテルの遠位端を膀胱内に維持するために、膨張可能アンカ(例えば、Foleyカテーテル)を含むことができる。膀胱カテーテルは、尿管カテーテルの設置に先立って、患者の膀胱に進入した尿を収集するように構成されることができる。膀胱カテーテルはまた、尿管カテーテルの流体収集部分を越えて流動し、膀胱に進入する、尿を収集してもよい。いくつかの実施例では、尿管カテーテルの近位部分は、膀胱カテーテルの排出管腔内に位置付けられてもよい。同様に、膀胱カテーテルは、尿管カテーテルを位置付けるために使用される同一ガイドワイヤを使用して、膀胱の中に前進されてもよい。いくつかの実施例では、負圧が、膀胱カテーテルの排出管腔を通して、膀胱に提供されてもよい。他の実施例では、負圧は、尿管カテーテルのみに印加されてもよい。その場合、膀胱カテーテルは、重力によって排出する。
【0285】
ボックス3014に示されるように、尿管カテーテルの展開に続いて、負圧が、尿管カテーテルを通して、尿管および/または腎臓に印加される。例えば、負圧は、蘇生輸液手技の間に患者に提供される流体の一部を含む尿を抽出するために十分な時間周期にわたって、印加されることができる。本明細書に説明されるように、負圧は、カテーテルの近位端またはポートに接続される、外部ポンプによって提供されることができる。ポンプは、患者の療法要件に応じて、継続的または周期的に、動作されることができる。ある場合には、ポンプは、負圧の印加と正圧の印加との間で交互してもよい。
【0286】
負圧は、所定の時間周期にわたって印加され続けてもよい。例えば、ユーザは、外科手術手技の持続時間または患者の生理学的特性に基づいて選択された時間周期にわたって、ポンプを動作させるように命令されてもよい。他の実施例では、患者状態が、監視され、十分な量の流体が患者から引き出されたときを決定してもよい。例えば、ボックス3016に示されるように、身体から排出される流体は、収集されてもよく、取得された流体の総体積が、監視されてもよい。その場合、ポンプは、所定の流体体積が尿管および/または膀胱カテーテルから収集されるまで動作し続けることができる。所定の流体体積は、例えば、外科手術手技に先立っておよびその間、患者に提供される流体の体積に基づいてもよい。ボックス3018に示されるように、尿管および/または腎臓への負圧の印加は、収集された流体の総体積が所定の流体体積を超えると停止される。
【0287】
他の実施例では、ポンプの動作は、測定されたクレアチニンクリアランス、血液クレアチニンレベル、またはヘマトクリット率等の患者の測定された生理学的パラメータに基づいて決定されることができる。例えば、ボックス3020に示されるように、患者から収集される尿は、カテーテルおよび/またはポンプと関連付けられた1つ以上のセンサによって分析されてもよい。センサは、静電容量センサ、検体センサ、光学センサ、または尿検体濃度を測定するように構成される類似デバイスであることができる。同様に、ボックス3022に示されるように、患者の血液クレアチニンまたはヘマトクリットレベルは、前述の患者監視センサから取得された情報に基づいて分析され得る。例えば、静電容量センサは、既存の体外血液システム内に設置されてもよい。静電容量センサによって取得される情報は、分析され、患者のヘマトクリット率を決定してもよい。測定されたヘマトクリット率は、ある予期されるまたは療法上容認可能な値と比較されてもよい。ポンプは、療法上容認可能範囲内の測定された値が取得されるまで、負圧を患者の尿管および/または腎臓に印加し続けてもよい。いったん療法上容認可能な値が、取得されると、負圧の印加は、ボックス3018に示されるように、停止されてもよい。
【0288】
他の実施例では、患者体重が、測定され、流体が印加される負圧療法によって患者から除去されているかどうかを査定してもよい。例えば、患者の測定された身体重量(蘇生輸液手技の間に導入される流体を含む)は、患者のドライ体重と比較されることができる。本明細書で使用されるように、ドライ体重は、患者が過希釈されていないときに測定される正常体重として定義される。例えば、血圧上昇、意識朦朧または筋痙攣、脚部、足、腕、手、または眼の周囲の腫脹のうちの1つ以上のものを被っておらず、快適に呼吸を行なっている患者は、過剰流体を有していない可能性が高い。患者がそのような症状を被っていないときに測定された体重は、ドライ体重であり得る。患者体重は、測定された体重がドライ体重に近くまで、周期的に測定されることができる。ボックス3018に示されるように、測定された体重が近づくと(例えば、ドライ体重の5%~10%以内)、負圧の印加は、停止されることができる。
【実施例】
【0289】
実験実施例:
家畜用ブタの腎盂内における負圧の誘発が、腎臓内の腎鬱滞に及ぼす負圧療法の効果を評価する目的のために行われた。これらの研究の目的は、腎盂の中に送達される負圧が腎鬱滞のブタモデルにおいて排尿を有意に増加させるかどうかを実証するものであった。実施例1では、通常、塞栓除去術または気管支鏡検査法用途において使用される、小児用Fogartyカテーテルが、腎盂における負圧の誘発の原理の証拠のためだけにブタモデルにおいて使用された。Fogartyカテーテルが、尿路組織の傷害を回避するために、臨床設定においてヒトに使用されることは示唆されない。
【0290】
(実施例1)
方法
4匹の家畜用ブタ800が、腎臓内の腎鬱滞に及ぼす負圧療法の効果を評価する目的のために使用された。
図17に示されるように、小児用Fogartyカテーテル812、814が、4匹のブタ800の各腎臓802、804の腎盂領域820、821に挿入された。カテーテル812、814が、拡張可能バルーンを、腎盂をシールし、バルーンの位置を腎盂内に維持するために十分なサイズに膨張させることによって、腎盂領域内に展開された。カテーテル812、814は、腎盂802、804から、膀胱810および尿道816を通して、ブタの外部の流体収集容器に延在する。
【0291】
2匹の動物の排尿が、排尿体積および率に関するベースラインを確立するために15分周期にわたって収集された。右腎802および左腎804の排尿が、個々に測定され、著しく変動することが見出された。クレアチニンクリアランス値もまた、決定された。
【0292】
腎鬱滞(例えば、腎臓の静脈内の鬱滞または血流低減)が、下大静脈(IVC)を腎静脈流出口の直上の膨張可能バルーンカテーテル850で部分的に閉塞することによって、動物800の右腎802および左腎804内で誘発された。圧力センサが、IVC圧力を測定するために使用された。正常IVC圧力は、1~4mmHgであった。カテーテル850のバルーンをIVC直径の約3/4まで膨張させることによって、IVC圧力は、15~25mmHgまで上昇された。IVC直径の約3/4までのバルーンの膨張は、排尿における50~85%低減をもたらした。完全閉塞は、28mmHgを上回るIVC圧力を発生させ、排尿における少なくとも95%低減と関連付けられた。
【0293】
各動物800の一方の腎臓が、治療されず、対照(「対照腎臓802」)として供与された。対照腎臓から延在する尿管カテーテル812は、流体レベルを決定するために流体収集容器819に接続された。各動物の一方の腎臓(「治療腎臓804」)が、尿管カテーテル814に接続される負圧源(例えば、小さい大きさの負圧をより正確に制御するように設計される調整器と組み合わせた療法ポンプ818)からの負圧で治療された。ポンプ818は、Cole-Parmer Instrumen Company(モデル番号EW-07530-85)製Air Cadet Vacuum Pumpであった。ポンプ818は、調整器に直列に接続された。調整器は、Airtrol Components Inc.製V-800 Series Miniature Precision Vacuum Regulator-1/8NPT Ports(モデル番号V-800-10-W/K)であった。
【0294】
ポンプ818は、以下のプロトコルに従って、負圧を治療腎臓の腎盂820、821内で誘発するように作動された。最初に、負圧の効果が、正常状態で(例えば、IVCバルーンを膨張させずに)調査された。4つの異なる圧力レベル(-2、-10、-15、および-20mmHg)が、15分ずつ印加され、産生された尿およびクレアチニンクリアランスの率が、決定された。圧力レベルは、調整器において制御および決定された。-20mmHg療法に続いて、IVCバルーンが、膨張され、圧力を15~20mmHg増加させた。同一の4つの負圧レベルが、印加された。鬱滞対照腎臓802および治療腎臓804に関する排尿量およびクレアチニンクリアランス率が、得られた。動物800は、90分にわたるIVCの部分的閉塞によって鬱滞させられた。治療が、90分鬱滞周期のうち60分にわたって提供された。
【0295】
排尿およびクレアチニンクリアランスデータの収集に続いて、1匹の動物からの腎臓が、肉眼的検査を受け、次いで、10%中性緩衝ホルマリン内に固定された。肉眼的検査に続いて、組織切片が、得られ、検査され、切片の拡大画像が、捕捉された。切片は、直立型Olympus BX41光顕微鏡を使用して検査され、画像が、Olympus DP25デジタルカメラを使用して捕捉された。具体的には、サンプリングされた組織の光顕微鏡写真画像は、低拡大率(20倍オリジナル拡大率)および高拡大率(100倍オリジナル拡大率)で得られた。得られた画像は、組織学的評価を受けた。評価の目的は、組織を組織学的に検査し、得られたサンプルに関する鬱滞および尿細管変性を定質的に特性評価することであった。
【0296】
表面マッピング分析もまた、得られた腎臓組織の両側で行われた。具体的には、サンプルは、染色および分析され、治療および未治療腎臓に関する尿細管のサイズの差異を評価した。画像処理技法によって、染色された画像内の異なる着色を伴うピクセルの数および/または相対的パーセンテージを計算した。計算された測定データは、異なる解剖学的構造の体積を決定するために使用された。
【0297】
結果
排尿およびクレアチニンクリアランス
排尿量は、著しくばらつきがあった。排尿量における3つの変動の原因が、研究の間に観察された。個体間および血行動態の変動が、当技術分野において公知の変動の予期される原因であった。排尿における変動の第3の原因は、以前は未知であったと考えられる情報および考えに基づいて、本明細書で議論される実験において識別された、すなわち、排尿における対側性個体内変動である。
【0298】
ベースライン排尿量は、一方の腎臓に関しては0.79ml/分であって、他方の腎臓に関しては1.07ml/分であった(例えば、26%差異)。排尿量は、動物毎の排尿量から計算された平均率である。
【0299】
鬱滞がIVCバルーンを膨張させることによって提供されたとき、治療腎臓排尿は、0.79ml/分から0.12ml/分(ベースラインの15.2%)まで降下した。比較では、鬱滞の間の対照腎臓排尿量は、1.07ml/分から0.09ml/分(ベースラインの8.4%)まで降下した。排尿量に基づいて、対照腎臓排尿と比較した治療腎臓排尿における相対的増加が、以下の方程式に従って計算された。
(療法治療/ベースライン治療)/(療法対照/ベースライン対照)=相対的増加
(0.12ml/分/0.79ml/分)/(0.09ml/分/1.07ml/分)
=180.6%
【0300】
したがって、治療腎臓排尿量における相対的増加は、対照と比較して180.6%であった。本結果は、治療側と比較して、対照側における鬱滞によって生じた尿産生のより大きい減少を示す。排尿における相対的パーセンテージ差として結果を提示することは、腎臓間の排尿における差異を調節する。
【0301】
動物のうちの1匹に対するベースライン、鬱滞、および治療部分に関するクレアチニンクリアランス測定が、
図18に示される。
【0302】
肉眼的検査および組織学的評価
対照腎臓(右腎)および治療腎臓(左腎)の肉眼的検査に基づいて、対照腎臓が均一に暗褐色を有することが決定され、これは、治療腎臓と比較した対照腎臓におけるより多くの鬱滞に対応する。拡大切片画像の定質的評価もまた、治療腎臓と比較した対照腎臓における鬱滞増加に着目した。具体的には、表1に示されるように、治療腎臓は、対照腎臓と比較してより低いレベルの鬱滞および尿細管変性を呈した。以下の定質的スケールが、得られたスライドの評価のために使用された。
【表1】
【0303】
表1に示されるように、治療腎臓(左腎)は、低度の鬱滞および尿細管変性のみを呈した。対照的に、対照腎臓(右腎)は、中程度の鬱滞および尿細管変性を呈した。これらの結果は、以下に議論されるスライドの分析によって得られた。
【0304】
図19Aおよび19Bは、動物の左腎(負圧で治療された)の低および高拡大率光顕微鏡写真である。組織学的精査に基づいて、皮髄境界部における血管内の低度の鬱滞が、矢印によって示されるように識別された。
図19Bに示されるように、硝子様円柱を伴う単一尿細管(アスタリスクによって識別されるように)が、識別された。
【0305】
図19Cおよび19Dは、対照腎臓(右腎)の低および高分解能光顕微鏡写真である。組織学的精査に基づいて、皮髄境界部における血管内の中程度の鬱滞が、
図19Cにおける矢印によって示されるように識別された。
図19Dに示されるように、硝子様円柱を伴ういくつかの尿細管が、組織サンプル中に存在した(画像内のアスタリスクによって識別されるように)。硝子様円柱の実質的数の存在は、低酸素の証拠である。
【0306】
表面マッピング分析は、以下の結果を提供した。治療腎臓は、ボーマン隙内において1.5倍大きい流体体積を有し、尿細管管腔内において2倍大きい流体体積を有することが決定された。ボーマン隙および尿細管管腔内の増加された流体体積は、増加された排尿に対応する。加えて、治療腎臓は、対照腎臓と比較して、毛細管内に5倍少ない血液体積を有することが決定された。治療腎臓内の増加された体積は、(1)対照と比較した個々の毛細管サイズの減少と、(2)対照腎臓と比較した治療腎臓内に可視赤血球を伴わない毛細管の数の増加、すなわち、治療器官におけるより少ない鬱滞のインジケータの結果となって現れる。
【0307】
まとめ
これらの結果は、対照腎臓が、治療腎臓と比較してタンパク質が豊富な管腔内物質を表す、より多くの鬱滞および管腔内硝子様円柱を伴うより多くの尿細管を有していたことを示す。故に、治療腎臓は、より低い腎機能の損失の程度を呈する。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、重度の鬱滞が腎臓内に発症するにつれて、器官の低酸素血症が続くと考えられる。低酸素血症は、器官内の酸化的リン酸化(例えば、ATP産生)に干渉する。ATPの損失および/またはATP産生の減少は、タンパク質の能動的輸送を阻止し、管腔内タンパク質含有量を増加させ、これは、硝子様円柱として発現する。管腔内硝子様円柱を伴う腎尿細管の数は、腎機能の損失の程度と相関する。故に、治療された左腎内の尿細管の低減された数は、生理学的に有意であると考えられる。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、これらの結果は、腎臓への損傷が、負圧を腎盂の中に挿入されるカテーテルに印加し、排尿を促進することによって防止または阻止され得ることを示すと考えられる。
【0308】
(実施例2)
方法
家畜用ブタの腎盂内での負圧の誘発が、血液の血液希釈に及ぼす負圧療法の効果を評価する目的のために実施された。これらの研究の目的は、腎盂の中に送達される負圧が蘇生輸液のブタモデルにおいて排尿を有意に増加させるかどうかを実証することであった。
【0309】
2匹のブタが、ケタミン、ミダゾラム、イソフルラン、およびプロポフォールを使用して、鎮静および麻酔された。1匹の動物(#6543)が、本明細書に説明されるように、尿管カテーテルおよび負圧療法を用いて治療された。他方は、Foleyタイプ膀胱カテーテルを受容し、対照(#6566)としての役割を果たした。カテーテルの設置に続いて、動物は、寝台に移され、24時間にわたって監視された。
【0310】
流体過負荷が、24時間経過観察の間、生理食塩水(125mL/時間)の一定注入を用いて、両動物において誘発された。排尿体積が、24時間にわたって15分毎に測定された。血液および尿サンプルが、4時間毎に収集された。
図17に示されるように、療法ポンプ818は、-45mmHg(+/-2mmHg)の圧力を使用して、負圧を両腎臓の腎盂820、821(
図17に示される)内で誘発するように設定された。
【0311】
結果
両動物は、24時間周期にわたって、7Lの生理食塩水を受けた。治療動物は、4.22Lの尿を産生した一方、対照は、2.11Lを産生した。24時間の終了時、対照は、投与された7Lのうち4.94Lを貯留していた一方、治療動物は、投与された7Lのうち2.81Lを貯留していた。
図20は、血清アルブミンの変化を図示する。治療動物は、24時間にわたって、血清アルブミン濃度の6%降下を認めた一方、対照動物は、29%降下を認めた。
【0312】
まとめ
理論によって拘束されることを意図するわけではないが、収集されたデータは、流体過負荷が臨床上有意な影響を腎機能に誘発し、その結果、血液希釈を誘発するという仮説を支持すると考えられる。特に、大量の静脈内生理食塩水の投与は、健康な腎臓によってさえ、効果的に除去されることができないことが観察された。結果として生じる流体蓄積は、血液希釈につながる。データはまた、負圧利尿療法を流体過負荷動物に適用することが、排尿を増加させ、正味体液平衡を改良し、血液希釈の発現に及ぼす蘇生輸液の影響を減少させることができるという仮説を支持すると考えらえる。
【0313】
本発明の前述の実施例および実施形態が、種々の実施例を参照して説明された。修正および改変が、前述の実施例の熟読および理解に応じて当業者に想起されるであろう。故に、前述の実施例は、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。